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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036223
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】センタリング装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20240308BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20240308BHJP
【FI】
H01L21/68 A
H01L21/68 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022141034
(22)【出願日】2022-09-05
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】荒毛 康彦
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131BA03
5F131BA04
5F131BA05
5F131BA12
5F131BA13
5F131BA14
5F131BA15
5F131BA18
5F131BA19
5F131BA22
5F131BA23
5F131BA24
5F131BA32
5F131BA37
5F131BA39
5F131BA52
5F131CA32
5F131CA70
5F131DA22
5F131DA23
5F131DA42
5F131DB22
5F131DB43
5F131DB51
5F131EA02
5F131EA22
5F131EA24
5F131EB01
5F131FA17
5F131FA32
5F131FA33
5F131KA14
5F131KA15
5F131KB05
5F131KB09
5F131KB54
5F131KB55
(57)【要約】
【課題】サイズや材質に依らずに透明なウエハのセンタリング処理を実施できるセンタリング装置を提供する。
【解決手段】センタリング装置7は、面光源のステージ面21を有するステージユニット20と、ステージ面21から離間した位置で透明なウエハWの一方面を支持する支持ユニット40と、ウエハWを挟んでステージ面21に対向する位置に設けられ、ウエハWの他方面側からウエハWの画像を取得する画像取得ユニット50と、ウエハWの画像に基づいてウエハWのセンタリング処理を実行する制御装置60と、を含む。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
面光源のステージ面を有するステージユニットと、
前記ステージ面から離間した位置で透明なウエハの一方面を支持する支持ユニットと、
前記ウエハを挟んで前記ステージ面に対向する位置に設けられ、前記ウエハの他方面側から前記ウエハの画像を取得する画像取得ユニットと、
前記画像に基づいて前記ウエハのセンタリング処理を実行するセンタリング処理部を有する制御装置と、を含む、センタリング装置。
【請求項2】
前記支持ユニットは、前記ウエハの前記一方面の内方部を一箇所で支持する単一の支持部を有している、請求項1に記載のセンタリング装置。
【請求項3】
前記支持部は、前記ウエハの前記一方面の中央部を支持する、請求項2に記載のセンタリング装置。
【請求項4】
前記ステージユニットは、前記ステージ面の内方部に貫通孔を有し、
前記支持ユニットは、前記支持部を有し、前記貫通孔に挿装された支持部材を有している、請求項2に記載のセンタリング装置。
【請求項5】
前記支持部材は、前記ウエハの前記一方面に対する吸引力が付与される吸引孔を有している、請求項4に記載のセンタリング装置。
【請求項6】
前記支持部材に取り付けられ、前記吸引孔に吸引力を付与する吸引ポンプをさらに含む、請求項5に記載のセンタリング装置。
【請求項7】
前記ウエハは、Siウエハ以外のウエハである、請求項1に記載のセンタリング装置。
【請求項8】
前記ウエハは、ワイドバンドギャップ半導体ウエハである、請求項7に記載のセンタリング装置。
【請求項9】
前記ウエハは、SiCウエハである、請求項8に記載のセンタリング装置。
【請求項10】
前記ウエハは、結晶方位を示す目印を有している、請求項1に記載のセンタリング装置。
【請求項11】
前記ステージユニットは、光源ユニット、および、前記光源ユニットからの光を拡散させて面光源を形成する光透過拡散板を有し、前記光透過拡散板によって形成された前記ステージ面を有している、請求項1に記載のセンタリング装置。
【請求項12】
前記光源ユニットは、複数の光源を含む、請求項11に記載のセンタリング装置。
【請求項13】
前記光源ユニットは、発光色の異なる複数種の前記光源を有している、請求項12に記載のセンタリング装置。
【請求項14】
複数の前記光源は、平面視において行列状、千鳥状または同心円状に配列されている、請求項12に記載のセンタリング装置。
【請求項15】
複数の前記光源は、発光ダイオードからそれぞれなる、請求項12に記載のセンタリング装置。
【請求項16】
前記センタリング処理部は、
前記画像に基づいて前記ウエハの実中心座標を演算するステップと、
予め記憶された理想中心座標に基づいて前記理想中心座標からの前記実中心座標のオフセット値を演算するステップと、を実行する、請求項1に記載のセンタリング装置。
【請求項17】
前記センタリング処理部は、前記オフセット値に基づいてウエハ搬送装置による前記ウエハの支持位置を補正するための補正値を演算するステップを実行する、請求項16に記載のセンタリング装置。
【請求項18】
前記制御装置は、前記画像に基づいて前記ウエハの異常を抽出する異常抽出処理部を有している、請求項1に記載のセンタリング装置。
【請求項19】
前記支持ユニットに接続され、前記支持ユニットを介して前記ウエハを回動させる回動ユニットをさらに含む、請求項1~18のいずれか一項に記載のセンタリング装置。
【請求項20】
前記回動ユニットは、前記ウエハを初期位置からセンタリング処理が実行される処理位置に回動させる、請求項19に記載のセンタリング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ウエハのセンタリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ウエハのセンタリングを行うシステムを開示している。このシステムでは、処理チャンバおよび欠陥計測ツールを使用して、集積回路形成用のシリコン基板からなるウエハ(シリコンウエハ)のセンタリング処理が実行される。
【0003】
処理チャンバは、ウエハを支持するチャックを含む。チャックは、ウエハの内方部を裏面側からドット状に支持する複数の支持フィーチャ、および、ウエハの周縁部を裏面側から環状に支持する支持フィーチャを含む。複数の支持フィーチャは、静電引力に起因する把持力によってウエハの当接部に複数の欠陥パターンを形成するように構成されている。
【0004】
欠陥計測ツールは、複数の支持フィーチャに接するウエハを表面側からスキャンし、複数の欠陥パターンの検出およびマッピングを行う。たとえば、特許文献1の図7Dに係る実施例の場合、欠陥計測ツールは、欠陥マップに基づいてチャックの中心座標およびウエハの中心座標のオフセット値を求めるステップ、ならびに、ウエハの中心座標をチャックの中心座標上に位置させるようにウエハ取扱機構を調整するステップを実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2010-0150695号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記システムの場合、センタリング対象のウエハのサイズが複数の支持フィーチャのレイアウトによって制限される。また、複数の欠陥パターンがウエハに形成されるため、ウエハの品質が低下する。シリコンウエハは比較的低い透明度を有しているところ、シリコンウエハよりも高い透明度を有するウエハが採用された場合、複数の欠陥パターンが検出されない可能性がある。また、シリコンウエハは比較的低い硬度を有しているところ、シリコンウエハよりも高い硬度を有するウエハが採用された場合、複数の欠陥パターンが形成されない可能性がある。
【0007】
一実施形態は、サイズや材質に依らずに透明なウエハのセンタリング処理を実施できるセンタリング装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態は、面光源のステージ面を有するステージユニットと、前記ステージ面から離間した位置で透明なウエハの一方面を支持する支持ユニットと、前記ウエハを挟んで前記ステージ面に対向する位置に設けられ、前記ウエハの他方面側から前記ウエハの画像を取得する画像取得ユニットと、前記画像に基づいて前記ウエハのセンタリング処理を実行するセンタリング処理部を有する制御装置と、を含む、センタリング装置を提供する。
【0009】
上述のまたはさらに他の目的、特徴および効果は、添付図面の参照によって説明される実施形態により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、半導体装置の製造に使用されるウエハの一形態を示す模式図である。
図2図2は、前記ウエハの他の形態を示す模式図である。
図3図3は、半導体製造装置の模式図である。
図4図4は、一実施形態に係るセンタリング装置の模式図である。
図5図5は、ステージユニットの分解斜視図である。
図6図6は、光源ユニットのレイアウト例を示す平面図である。
図7図7は、制御装置のハードウェア構成およびソフトウェア構成を示す図である。
図8図8は、センタリング処理例を示すフローチャートである。
図9図9は、センタリング処理例を説明するためのウエハ画像である。
図10図10は、異常抽出処理例を説明するためのウエハ画像である。
図11図11は、ステージユニットの第1変形例を示す模式図である。
図12図12は、ステージユニットの第2変形例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、実施形態が詳細に説明される。添付図面は、模式図であり、厳密に図示されたものではなく、縮尺等は必ずしも一致しない。また、添付図面の間で対応する構造には同一の参照符号が付され、重複する説明は省略または簡略化される。説明が省略または簡略化された構造については、省略または簡略化される前になされた説明が適用される。実施形態では「第1」、「第2」等の文言が使用されるが、これらは説明順序を明確にするために各構造の名称に付された記号であり、各構造の名称を限定する趣旨で付されていない。
【0012】
以下では、半導体装置の製造に使用されるウエハWについての説明がなされた後、半導体製造装置5についての説明がなされる。図1は、半導体装置の製造に使用されるウエハWの一形態を示す模式図である。図2は、前記ウエハWの他の形態を示す模式図である。
【0013】
図1および図2を参照して、ウエハWは、この形態(this embodiment)では、扁平な円盤状に形成されている。むろん、ウエハWは、扁平な直方体形状に形成されていてもよい。ウエハWは、この形態では、透明なウエハWからなる。透明なウエハWは、Si(シリコン)単結晶(Siウエハ)の透明度よりも高い透明度を有する半導体結晶を含むウエハWのことを意味する。さらに、ウエハWは、この形態では、高硬度なウエハWからなる。高硬度なウエハWは、モース硬度に関して、Si単結晶(Siウエハ)の高度よりも高い硬度を有する半導体結晶を含むウエハWのことを意味する。つまり、ウエハWはSiウエハ以外のウエハWからなる。
【0014】
ウエハWは、ワイドバンドギャップ半導体の単結晶を含むワイドバンドギャップ半導体ウエハからなることが好ましい。ワイドバンドギャップ半導体は、Siのバンドギャップよりも大きいバンドギャップを有する半導体である。GaN(窒化ガリウム)、SiC(炭化シリコン)、C(ダイアモンド)等が、ワイドバンドギャップ半導体として例示される。
【0015】
この形態では、ウエハWが六方晶のSiC単結晶を含むSiCウエハからなる例が示される。SiCウエハは、Si単結晶よりも高い透明度を有し、Si単結晶よりも高い高度を有している。六方晶のSiC単結晶は、2H(Hexagonal)-SiC単結晶、4H-SiC単結晶、6H-SiC単結晶等を含む複数種の晶系を有している。ウエハWは4H-SiC単結晶を含むことが好ましいが、ウエハWは他の晶系を含んでいてもよい。
【0016】
純粋なSiC単結晶は無色透明であるが、SiC単結晶は不純物の導入によって不純物濃度や晶系に応じて種々の色を呈する有色透明になる。たとえば、4H-SiC単結晶や6H-SiC単結晶は、n型不純物(5価元素)が導入された場合に緑色透明または黄色透明になる。
【0017】
ウエハWは、一方側の第1主面1、他方側の第2主面2、ならびに、第1主面1および第2主面2を接続する側面3を有している。以下、第1主面1に沿う一方方向が第1方向Xと称され、第1主面1に沿って第1方向Xに直交する方向が第2方向Yと称され、第1主面1に垂直に直交する方向が鉛直方向Zと称される。
【0018】
第1方向XはウエハWの第1結晶方向であり、第2方向YはウエハWのうちの第1結晶方向に直交する第2結晶方向であることが好ましい。第1方向XがSiC単結晶のm軸方向であり、第2方向YがSiC単結晶のa軸方向であってもよい。第1方向XがSiC単結晶のa軸方向であり、第2方向YがSiC単結晶のm軸方向であってもよい。
【0019】
第1主面1および第2主面2は、SiC単結晶のc面によって形成されている。第1主面1は、機能デバイスの構造物が作り込まれるデバイス形成面であり、SiC単結晶のシリコン面によって形成されている。第2主面2は、機能デバイスの構造物が作り込まれない非デバイス形成面であり、SiC単結晶のカーボン面によって形成されている。
【0020】
第1主面1および第2主面2は、c面に対して所定のオフ方向に所定の角度で傾斜したオフ角を有していてもよい。つまり、SiC単結晶のc軸は、鉛直方向Zに対してオフ角分だけ傾斜していてもよい。オフ方向は、SiC単結晶のa軸方向([11-20]方向)であることが好ましい。オフ角は、0°を超えて10°以下であってもよい。オフ角は、5°以下であることが好ましい。オフ角は、2°以上4.5°以下であることが特に好ましい。
【0021】
ウエハWは、側面3においてSiC単結晶の結晶方位を示す目印4を有している。目印4は、オリエンテーションフラット4F(図1参照)およびオリエンテーションノッチ4N(図2参照)のいずれか一方または双方を含んでいてもよい。オリエンテーションフラット4Fは、鉛直方向Zから見た平面視(以下、単に「平面視」という。)において直線状に切り欠かれた切り欠き部からなる。オリエンテーションノッチ4Nは、平面視において第1主面1の中央部に向けて凹形状に切り欠かれた切り欠き部からなる。
【0022】
目印4は、単一または複数のオリエンテーションフラット4Fを含んでいてもよい。オリエンテーションフラット4Fは、平面視において第1方向Xまたは第2方向Yに延びていてもよい。図1の例では、オリエンテーションフラット4Fは、平面視において第1方向Xに延びている。
【0023】
オリエンテーションフラット4Fは、必ずしも第1方向Xに延びている必要はなく、第2方向Yに延びていてもよい。また、目印4は、第1方向Xに延びる第1のオリエンテーションフラット4F、および、第2方向Yに延びる第2のオリエンテーションフラット4Fを含んでいてもよい。
【0024】
目印4は、単一または複数のオリエンテーションノッチ4Nを含んでいてもよい。オリエンテーションノッチ4Nは、平面視において第1主面1の中央部に向かう先細り形状(テーパ形状または三角形状)に形成されていてもよい。オリエンテーションノッチ4Nは、平面視において第1方向Xまたは第2方向Yに窪んでいてもよい。図2の例では、オリエンテーションノッチ4Nは、平面視において第2方向Yに窪んでいる。
【0025】
オリエンテーションノッチ4Nは、必ずしも第2方向Yに窪んでいる必要はなく、第1方向Xに窪んでいてもよい。また、目印4は、第1方向Xに窪んだ第1のオリエンテーションノッチ4N、および、第2方向Yに窪んだ第2のオリエンテーションノッチ4Nを含んでいてもよい。
【0026】
むろん、目印4は、オリエンテーションフラット4Fやオリエンテーションノッチ4Nに限らず、第1主面1および/または第2主面2に付された結晶方位マークであってもよい。結晶方位マークは、第1主面1および/または第2主面2に直接形成されていてもよいし、第1主面1および/または第2主面2にプリントされていてもよい。ウエハWが結晶方位マークを有する場合、オリエンテーションフラット4Fやオリエンテーションノッチ4Nは省略されてもよい。むろん、目印4を有さないウエハWが採用されてもよい。
【0027】
ウエハWは、平面視において25mm以上300mm以下(つまり1インチ以上12インチ以下)の直径を有していてもよい。ウエハWの直径は、目印4外においてウエハWの中心を通る弦の長さによって定義される。むろん、300mm(12インチ)よりも大きい直径(たとえば13インチ以上20インチ以下の直径)を有するウエハWが採用されてもよい。
【0028】
ウエハWは、100μm以上1500μm以下の厚さを有していてもよい。ウエハWの厚さは、100μm以上250μm以下、250μm以上500μm以下、500μm以上750μm以下、750μm以上1000μm以下、1000μm以上1250μm以下、1250μm以上1500μm以下のいずれか1つの範囲に属する値を有していてもよい。
【0029】
ウエハWは、基板(SiC基板)からなる単層構造を有していてもよい。ウエハWは、基板およびエピタキシャル層を含む積層構造を有していてもよい。基板は、n型の導電型を有していてもよいし、p型の導電型を有していてもよい。
【0030】
エピタキシャル層は、n型の導電型を有していてもよいし、p型の導電型を有していてもよい。エピタキシャル層の導電型は、基板の導電型と同じであってもよいし、基板の導電型と異なっていてもよい。エピタキシャル層は、基板の不純物濃度未満の不純物濃度を有していることが好ましい。エピタキシャル層は、基板の厚さ未満の厚さを有していることが好ましい。
【0031】
図3は、半導体製造装置5の模式図である。図3を参照して、半導体製造装置5は、ウエハ処理装置6、センタリング装置7およびウエハ搬送装置8を含む。ウエハ処理装置6は、1枚または複数枚のウエハWに対して所定の半導体製造処理を実行するユニットである。所定の半導体製造処理は、ウエハWの全体、ウエハWの第1主面1およびウエハWの第2主面2のうちのいずれか1つに対して実行される。
【0032】
所定の半導体製造処理は、特定の半導体製造処理に制限されない。たとえば、所定の半導体製造処理は、洗浄、エピタキシャル成長、レジスト塗布、レジスト露光、レジスト現像、レジスト剥離、イオン注入、熱処理、アニール処理、酸化処理、ウエットエッチング、ドライエッチング、蒸着、化学気相成長、スパッタリング、めっき、レーザ光照射、電子線照射、中性子線照射、研削(研磨)、電気的特性評価、外観検査、ダイシング等であってもよい。
【0033】
つまり、ウエハ処理装置6は、洗浄装置、エピタキシャル成長装置、レジスト塗布装置、レジスト露光装置、レジスト現像装置、レジスト剥離装置、イオン注入装置、熱処理装置、アニール処理装置、酸化処理装置、ウエットエッチング装置、ドライエッチング装置、蒸着装置、化学気相成長装置、スパッタリング装置、めっき装置、レーザ光照射装置、電子線照射装置、中性子線照射装置、研削(研磨)装置、電気的特性評価装置、外観検査装置、ダイシング装置等であってもよい。むろん、ウエハ処理装置6は、これら以外の半導体製造処理を実行する装置であってもよい。
【0034】
センタリング装置7は、1枚のウエハWの中心位置を設定するセンタリング処理を実行するユニットである。センタリング処理は、この形態では、ウエハ処理装置6に搬入される前段階のウエハWに対して実行される。したがって、中心位置設定後(つまり、センタリング処理完了後)のウエハWがウエハ処理装置6に搬入され、所定の半導体製造処理に付される。
【0035】
センタリング装置7は、異なるサイズ(直径)の複数種のウエハWに対してセンタリング処理を実行するように構成されている。つまり、センタリング装置7においてセンタリング処理に付されるウエハWのサイズ(直径)は、ウエハ処理装置6において半導体製造処理に付されるウエハWのサイズ(直径)による制限を受けない。したがって、同一構成のセンタリング装置7を異なる半導体製造処理を実行する複数種のウエハ処理装置6に対して適用可能である。
【0036】
ウエハ搬送装置8は、ウエハ処理装置6およびセンタリング装置7の間に介装され、ウエハ処理装置6およびセンタリング装置7の間でウエハWを搬送するように構成されている。たとえば、ウエハ搬送装置8は、第1主面1側、第2主面2側または側面3側からウエハWを支持する支持アーム9を有している。支持アーム9によるウエハWの支持方式等のウエハ搬送装置8の構成は、ウエハ処理装置6の形態や半導体製造処理の種別に応じて種々の形態を採る。
【0037】
ウエハ搬送装置8は、ウエハ処理装置6にウエハWを搬入し、ウエハ処理装置6からウエハWを搬出するように構成されている。また、ウエハ搬送装置8は、センタリング装置7にウエハWを搬入し、ウエハ処理装置6からウエハWを搬出するように構成されている。半導体製造装置5が1枚または複数枚のウエハWを収容するロードポートを有している場合、ウエハ搬送装置8は、ロードポートにウエハWを搬入し、ロードポートからウエハWを搬出するように構成される。
【0038】
ウエハ搬送装置8は、ウエハ処理装置6の一構成要素として見做されてもよいし、センタリング装置7の一構成要素として見做されてもよい。むろん、ロードポートも、ウエハ処理装置6の一構成要素として見做されてもよいし、センタリング装置7の一構成要素として見做されてもよい。
【0039】
以下、図3に加えて図4図7を参照して、センタリング装置7の構成が具体的に説明される。図4は、一実施形態に係るセンタリング装置7の模式図である。図5は、ステージユニット20の分解斜視図である。図6は、光源ユニット24のレイアウト例を示す平面図である。図7は、制御装置60のハードウェア構成およびソフトウェア構成を示す図である。図4では、ウエハ搬送装置8の図示が簡略化されている。図5では、光源ユニット24の図示が省略されている。
【0040】
図3図7を参照して、センタリング装置7は、処理空間を有するチャンバ10を含む。チャンバ10は、箱型の隔壁11、隔壁11に設けられたウエハWの搬出入用の搬送開口12、および、搬送開口12を開閉するシャッタ13を含む。チャンバ10に対するウエハWの搬送は、搬送開口12を介して前述のウエハ搬送装置8(支持アーム9)によって行われる。シャッタ13は、ウエハWの搬入時に開口し、ウエハWの搬入後に閉口する。また、シャッタ13は、ウエハWの搬出時に開口し、ウエハWの搬出後に閉口する。
【0041】
センタリング装置7は、チャンバ10内に配置されたステージユニット20を含む。ステージユニット20は、ウエハWの搬入位置(搬送位置)に対して鉛直方向Zの下方側に配置されている。ステージユニット20は、面光源のステージ面21を有し、ウエハWの一方面に対して光を照射するように構成されている。つまり、ステージユニット20は、ウエハWの第1主面1または第2主面2に対して面状の光を照射する照明ユニットでもある。
【0042】
ステージ面21は、この形態では、平面視において四角形状(具体的には長方形状)に形成され、水平に延びる平坦面を有している。むろん、ステージ面21は、多角形状や円形状に形成されていてもよい。ステージ面21は、半透明または不透明の単色であることが好ましい。ステージ面21の面色は、ウエハWの色とは異なることが特に好ましい。たとえば、ステージ面21の面色は、白色または白色系色(白色を基調とした明清色)であることが好ましい。
【0043】
ステージ面21は、ウエハWの平面積以上の平面積を有している。具体的には、ステージ面21の平面積は、検査対象となる種々のサイズ(直径)のウエハWのうち最も大きいサイズを有するウエハWの平面積よりも大きい。ステージ面21は、鉛直方向ZにウエハWに対向する対向領域、および、鉛直方向ZにウエハWに対向しない非対向領域を含む。ステージ面21は、対向領域および非対向領域の双方において面状光を生成するように構成されている。これにより、ステージ面21は、種々のサイズのウエハWの全体に光を照射する。
【0044】
面光源のステージ面21が提供される限り、ステージユニット20の構成は任意である。以下、一構成例としてのバックライト方式のステージユニット20が示される。一構成例において、ステージユニット20は、光取り出し開口22を有する有底箱型の筐体23、筐体23内に配置された光源ユニット24、および、光取り出し開口22を閉塞する光透過拡散板25を有している。
【0045】
筐体23は、底壁26および側壁27を有している。底壁26は、平面視において四角形状(この形態では長方形状)に形成されている。むろん、底壁26は、多角形状や円形状に形成されていてもよい。底壁26は、金属やガラス等の無機板、または、樹脂等の有機板によって形成されていてもよい。
【0046】
底壁26は、鉛直方向ZにウエハWに対向する対向領域、および、鉛直方向ZにウエハWに対向しない非対向領域を含む。底壁26は、この形態では、内方部(対向領域)に形成された第1貫通孔28を有している。第1貫通孔28は、底壁26の中心部に形成されていることが好ましい。第1貫通孔28は、この形態では、円形状に形成されている。第1貫通孔28は、平面視において四角形状や多角形状に形成されていてもよい。
【0047】
側壁27は、底壁26の周縁に沿って筒状(この形態では四角筒状)に立設され、底壁26とは反対側において光取り出し開口22を区画している。側壁27は、底壁26の平面形状に応じて、多角筒状や円筒状に立設されていてもよい。側壁27は、金属やガラス等の無機板、または、樹脂等の有機板によって形成されていてもよい。側壁27は、底壁26と同一部材からなり、底壁26と一体的に形成されていてもよい。むろん、側壁27は、底壁26とは別部材からなり、底壁26に取り付けられていてもよい。
【0048】
筐体23は、この形態では、底壁26の第1貫通孔28に連通するように底壁26に設けられた管部29を有している。管部29は、第1貫通孔28を取り囲む筒状に形成され、底壁26から光取り出し開口22に向けて立設されている。管部29は、底壁26と同一部材からなり、底壁26と一体的に形成されていてもよい。むろん、管部29は、底壁26とは別部材からなり、底壁26に取り付けられていてもよい。管部29は必ずしも設けられている必要はなく、必要に応じて取り除かれてもよい。
【0049】
光源ユニット24は、筐体23内に収容されている。光源ユニット24は、配線基板30および複数の光源31を含む。配線基板30は、底壁26の上に配置されている。添付図面では、配線基板30に電気的に接続される電源や引き回し配線の図示は省略されている。
【0050】
配線基板30は、この形態では、複数のプリント回路基板によって構成されている。複数のプリント回路基板は、一方方向に延びる帯状にそれぞれ形成されている。むろん、配線基板30は、単一のプリント回路基板によって構成されていてもよい。プリント回路基板は、リジッドプリント回路基板、フレキシブルプリント回路基板またはリジッドフレキシブルプリント回路基板からなっていてもよい。プリント回路基板の構成は、複数の光源31のレイアウトや電気的な接続形態(実装形態)等に応じて適宜調節される。
【0051】
複数の光源31は、この形態では、発光ダイオードからそれぞれなる。つまり、複数の光源31は、点光源からそれぞれなる。むろん、複数の光源31は、発光ダイオード以外の光源31(たとえば電球や蛍光灯)からそれぞれなっていてもよい。また、複数の光源31は、点光源に限らず、線光源や面光源であってもよい。
【0052】
複数の光源31は、光取り出し開口22に向けて光を放出する姿勢で、間隔を空けて配線基板30に実装されている。複数の光源31は、平面視において一方方向および当該一方方向に交差(具体的には直交)する他方方向に間隔を空けて規則的なレイアウトで配列されていることが好ましい。
【0053】
複数の光源31は、底壁26の対向領域の上に配置された複数の光源31、および、底壁26の非対向領域の上に配置された複数の光源31を含むことが特に好ましい。複数の光源31は、平面視において行列状、千鳥状または同心円状に配列されていてもよい。図6では、複数の光源31が行列状に配列された例が示されている。
【0054】
複数の光源31が行列状に配列される場合、一方方向または他方方向に間隔を空けて配列された複数の光源31は、他方方向または一方方向に他の光源31に一対一の対応関係でそれぞれ対向する。この場合、複数の光源31は、一方方向または他方方向にストライプ状に延びる複数のプリント回路基板に実装されていてもよいし、単一のプリント回路基板に実装されていてもよい。
【0055】
複数の光源31が千鳥状に配列される場合、一方方向または他方方向に間隔を空けて配列された複数の光源31は、他方方向または一方方向に他の光源31の間の領域に一対一の対応関係でそれぞれ対向する。この場合、複数の光源31は、一方方向または他方方向にストライプ状に延びる複数のプリント回路基板に実装されていてもよいし、単一のプリント回路基板に実装されていてもよい。
【0056】
複数の光源31が同心円状に配列される場合、複数の光源31は底壁26の中心部(たとえば第1貫通孔28)を取り囲む複数の仮想円上に間隔を空けて配列される。この場合、複数の光源31は、同心円状に延びる複数のプリント回路基板に実装されていてもよいし、単一のプリント回路基板に実装されていてもよい。
【0057】
光源ユニット24は、同一発光色(同一発光波長)の複数の光源31のみを含んでいてもよい。この場合、光源ユニット24は、調光機能を備えていてもよい。たとえば、光源ユニット24は、外部からの入力信号に応答して複数の光源31の点灯数や複数の光源31に対する印加電流等が調節されるように構成されていてもよい。この場合、複数の光源31は、白色光、紫外光、青色光、緑色光、黄色光、赤色光および赤外光のうちのいずれか1つの光を生成してもよい。ウエハWの色合いを鑑みると、白色光または黄色光を放出する複数の光源31が採用されることが好ましい。
【0058】
光源ユニット24は、異なる発光色(異なる発光波長)の複数種の光源31を含んでいてもよい。この場合、光源ユニット24は、調光機能および調色機能のいずれか一方または双方を備えていてもよい。たとえば、光源ユニット24は、外部からの入力信号に応答して点灯すべき光源31の種別、複数の光源31の点灯数、複数の光源31に対する印加電流等が調節されるように構成されていてもよい。
【0059】
異なる発光色の複数種の光源31は、同一発光色の複数の光源31が偏在しないように、一定の配列周期で配列されることが好ましい。たとえば、光源ユニット24は、白色光を生成する複数の第1の光源31および白色光以外の光を生成する複数の第2の光源31を含んでいてもよい。この場合、複数の第1の光源31および複数の第2の光源31は、一方方向および/または他方方向に交互に配列されることが好ましい。
【0060】
複数の第2の光源31は、紫外光、青色光、緑色光、黄色光、赤色光および赤外光のうちのいずれか1つの光を生成してもよい。ウエハWの色合いを鑑みると、複数の第2の光源31は、黄色光を放出する複数の光源31を含むことが好ましい。
【0061】
むろん、光源ユニット24は、赤色光を生成する複数の第1の光源31、緑色光を生成する複数の第2の光源31、および、青色光を生成する複数の第3の光源31を含み、第1~第3の光源31を同時に点灯することによって白色光を生成するように構成されていてもよい。
【0062】
光透過拡散板25は、この形態では、筐体23の形状に対応して平面視において四角形状(この形態では長方形状)に形成され、筐体23の側壁27に取り付けられている。光透過拡散板25は、筐体23の形状に対応して多角形状や円形状に形成されていてもよい。光透過拡散板25は、ガラス等の無機板、または、樹脂等の有機板によって形成されていてもよい。光透過拡散板25は、筐体23の側壁27にボルト止め、接着または嵌着されていてもよい。
【0063】
光透過拡散板25は、光源ユニット24からの光が入射する入射面、および、入射面からの光を拡散して出射する前述のステージ面21としての出射面を有している。つまり、光透過拡散板25は、面光源としてのステージ面21を形成している。光透過拡散板25は、光源ユニット24から照射された光の輝度の均一化を図り、ウエハWに向けて放出される光の輝度均斉度を高める。光透過拡散板25は、半透明または不透明の単色であることが好ましい。
【0064】
光透過拡散板25は、入射面および出射面のいずれか一方または双方において光を拡散させる凹凸(an unevenness)を有する光拡散構造を有している。光拡散構造は、プリズム構造と称されてもよい。光拡散構造は、入射面および出射面のいずれか一方または双方に直接形成されていてもよい。むろん、光拡散構造は、光拡散シート(プリズムシート)を入射面および出射面のいずれか一方または双方に取り付けることによって形成されていてもよい。
【0065】
光透過拡散板25は、この形態では、内方部において第2貫通孔32を有している。つまり、第2貫通孔32は、ステージ面21を貫通している。第2貫通孔32は、管部29を介して底壁26の第1貫通孔28に連通する位置に形成されている。第2貫通孔32は、光透過拡散板25の中心部に形成されていることが好ましい。第2貫通孔32は、この形態では、円形状に形成されている。第2貫通孔32は、平面視において四角形状や多角形状に形成されていてもよい。
【0066】
センタリング装置7は、ステージ面21から離間した位置でウエハWの一方面(第1主面1または第2主面2)を支持する支持ユニット40を含む。支持ユニット40は、この形態では、ウエハWの一方面の内方部を一箇所で支持する単一の支持部41を有している。支持部41は、この形態では、ウエハWの一方面の中央部を支持するように構成されている。支持部41は、ステージ面21に対して水平に延びる平坦面からなる。
【0067】
支持ユニット40は、第2貫通孔32に挿装された支持部材42を有している。支持部材42は、鉛直方向Zに延びる柱状部材からなり、ステージ面21から離間した位置に支持部41を有している。支持部材42は、この形態では、第1貫通孔28からステージユニット20の下方に突出し、第2貫通孔32からステージユニット20(ステージ面21)の上方に突出するように第1貫通孔28および第2貫通孔32に挿装されている。
【0068】
つまり、支持部材42は、ステージユニット20の下方に位置する第1端部42a、および、ステージ面21の上方で支持部41を形成する第2端部42bを有している。支持部材42は、この形態では、管部29を介して第1貫通孔28および第2貫通孔32に挿装されている。支持部材42は、第1貫通孔28および第2貫通孔32に遊貫されており、鉛直方向Zに沿う回動軸周りに回動するように構成されている。
【0069】
支持部材42は、支持部41において外部から吸引力が付与される吸引孔43を有している。つまり、支持ユニット40は、この形態では、支持部41においてウエハWの一方面を吸着支持する吸着ユニットからなる。支持部材42は、この形態では、鉛直方向Zに延びる筒状部材からなる。
【0070】
したがって、吸引孔43は、鉛直方向Zに第1端部42aおよび第2端部42bを貫通している。吸引孔43は、必ずしも第1端部42aを貫通している必要はなく、支持部材42の側壁を貫通していてもよい。支持部材42は、金属等の無機部材、または、樹脂等の有機部材によって形成されていてもよい。
【0071】
センタリング装置7は、支持部材42に取り付けられた吸引ポンプ45を含む。吸引ポンプ45は、吸引孔43に接続され、鉛直方向Zの下方側(つまり第2端部42b側から第1端部42a側)に向かう吸引力を吸引孔43に付与する。吸引ポンプ45は、この形態では、支持部材42の第1端部42aに接続されている。
【0072】
センタリング装置7は、支持ユニット40を鉛直方向Zに沿う回動軸周りに回動させるように支持ユニット40に取り付けられた回動ユニット46を含む。たとえば、回動ユニット46は、支持部材42に取り付けられた電動モータ47、および、電動モータ47を収容するモータハウジング48を含む。
【0073】
回動ユニット46は、この形態では、ステージユニット20の下方に配置され、支持部材42の第1端部42aに接続されている。つまり、回動ユニット46は、ステージユニット20を挟んでウエハWに対向する位置に設けられ、ステージユニット20によって隠蔽されている。回動ユニット46は、支持部材42(第1端部42a)に回動力を付与することによって、支持部材42を介してウエハWを回動軸周りに回動させる。
【0074】
たとえば、回動ユニット46は、ウエハWが支持部材42の上に配置された初期位置から、ウエハWの中心位置を測定するための処理位置にウエハWを回動させるように構成されている。ウエハWは、支持ユニット40によって支持(吸着)された状態で回動される。ステージユニット20によって隠蔽される限り、回動ユニット46の配置箇所は任意である。たとえば、回動ユニット46は、筐体23内に配置されていてもよい。
【0075】
センタリング装置7は、支持ユニット40に支持されたウエハWの画像(以下、単に「ウエハ画像WI」と言う。)を取得する画像取得ユニット50を含む。画像取得ユニット50は、撮像装置51を含む。撮像装置51は、CCD(Charge Coupled Device)型のイメージセンサおよびCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型のイメージセンサのいずれか一方または双方を含む。
【0076】
ウエハ画像WIは、画像取得ユニット50によって取得されたウエハW(撮像対象)のデジタル画像データであり、複数の画素によって構成されている。複数の画素は、輝度値をそれぞれ含む。各輝度値は、対応する画素の輝度を所定ビット数(たとえば4ビット以上16ビット以下、典型的には8ビット以上12ビット以下)の階調で表す数値データである。たとえば、画素の輝度が8ビットの階調で表現される場合、輝度値は256階調の数値データとなる。画素の濃淡は、この輝度値の大小によって表現される。画像取得ユニット50は、撮像装置51によって取得したウエハ画像WIを外部に出力する。
【0077】
画像取得ユニット50は、支持ユニット40によるウエハWの支持位置を挟んでステージ面21に対向する位置に設けられている。具体的には、画像取得ユニット50は、支持ユニット40から鉛直方向Zに離間し、鉛直方向Zに支持ユニット40(支持部材42)に対向している。画像取得ユニット50は、撮像装置51が鉛直方向Zに支持ユニット40(支持部材42)に対向するように配置されていることが好ましい。
【0078】
画像取得ユニット50は、支持ユニット40がウエハWの一方面を支持し、ステージ面21がウエハWの一方面に光を照射している状態においてウエハWの他方面のウエハ画像WIを取得する。つまり、支持ユニット40がウエハWの第1主面1を支持している場合、画像取得ユニット50はウエハWの第2主面2のウエハ画像WIを取得する。一方、支持ユニット40がウエハWの第2主面2を支持している場合、画像取得ユニット50はウエハWの第1主面1のウエハ画像WIを取得する。
【0079】
ウエハ画像WIは、ウエハWおよび当該ウエハWの周囲の画像を含む。つまり、ウエハ画像WIは、ウエハW、ステージ面21のうちウエハWから透過した部分、支持ユニット40のうちウエハWから透過した部分、および、ステージ面21のうちウエハW外に位置する部分を含む。
【0080】
ウエハWは、外気とは異なる透過率、屈折率、反射率等を有している。したがって、ステージ面21からウエハWに照射された光は、ステージ面21からウエハW外に照射された光とは異なる光路を進む。これにより、ウエハ画像WIでは、ウエハWのうちステージ面21に対向する領域およびウエハWのうちステージ面21に対向しない領域の間に濃淡(明暗)が形成される。
【0081】
図4および図7を参照して、センタリング装置7は、制御装置60を含む。制御装置60は、ウエハ搬送装置8、ステージユニット20、吸引ポンプ45、回動ユニット46、画像取得ユニット50等に接続され、ウエハ搬送装置8、ステージユニット20、吸引ポンプ45、回動ユニット46、画像取得ユニット50等を所定の処理動作で制御するように構成されている。
【0082】
制御装置60は、ウエハ搬送装置8、ステージユニット20、吸引ポンプ45、回動ユニット46、画像取得ユニット50等に有線または無線によって接続されていてもよい。むろん、制御装置60は、別のコンピュータ(制御装置)を介してウエハ搬送装置8、ステージユニット20、回動ユニット46、吸引ポンプ45、画像取得ユニット50等に有線または無線によって接続されていてもよい。
【0083】
制御装置60は、処理装置61、周辺装置62、および、これらを接続するバス配線63を含む。処理装置61は、中央処理装置64および主記憶装置65を含む。中央処理装置64は、CPUと称されてもよい。たとえば、主記憶装置65は、半導体記憶装置を含む。半導体記憶装置は、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリや、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリを含んでいてもよい。
【0084】
周辺装置62は、補助記憶装置66、入力装置67および表示装置68を含む。たとえば、補助記憶装置66は、中央処理装置64に所定のステップを実行させるプログラムが記憶された記憶媒体(具体的には不揮発性記憶媒体)である。補助記憶装置66は、単一の記憶媒体によって構成されていてもよいし、複数の記憶媒体によって構成されていてもよい。たとえば、補助記憶装置66は、磁気ディスク、光ディスク、フラッシュメモリ等を含んでいてもよい。
【0085】
入力装置67は、外部からの操作(たとえばユーザの操作)によって処理装置61にデータを取り込むための装置である。たとえば、入力装置67は、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル等を含んでいてもよい。表示装置68は、処理装置61内の処理内容を外部に出力する装置である。たとえば、表示装置68は、タッチパネルやディスプレイ等の表示部68aを含み、所定の操作ウインドウと共にウエハ画像WIを表示部68aに表示するように構成されていてもよい。
【0086】
センタリング装置7は、補助記憶装置66に格納されたソフトウェアシステム(プログラム)としてのセンタリング装置制御部70を有している。センタリング装置制御部70は、画像取得ユニット50によって取得されたウエハ画像WIに基づいて種々の演算処理や判定処理を行うように構成されている。センタリング装置制御部70は、所定の操作ウインドウと共に表示装置68に表示されるように構成されていてもよい。
【0087】
センタリング装置制御部70は、画像格納部71、データ格納部72、画像処理部73、位置合わせ処理部74、センタリング処理部75および異常抽出処理部76を含む。画像格納部71は、ウエハ画像WIを取り込み、格納する領域である。データ格納部72は、制御対象の制御に必要な各種のパラメータや画像処理に必要な各種のパラメータ等が格納された領域である。
【0088】
画像処理部73は、ウエハ画像WIに対して所定の画像処理を施す領域である。具体的には、画像処理部73は、ウエハ画像WIに対して画質変換処理、色調変換処理、二値化処理、ブロブ解析処理等の種々の画像処理を施すように構成されている。
【0089】
二値化処理は、複数の画素の輝度値(階調)に閾値を設定し、当該閾値を境界にウエハ画像WIを2色(たとえば白色および黒色)の2階調画像に変換する処理である。閾値は任意であり、二値化処理は複数の閾値に対して実行され得る。ブロブ解析処理は、二値化処理後のウエハ画像WI(2階調画像)に含まれるブロブ(つまりウエハW)の形状、面積、周囲長、中心位置、真円度、角度等を演算する処理である。
【0090】
位置合わせ処理部74は、ウエハWを初期位置から処理位置に変移させる位置合わせ処理を実行する領域である。初期位置は、ウエハWがウエハ搬送装置8によって支持部材42の上に配置された初期の位置である。処理位置は、センタリング処理が実行される基準位置である。
【0091】
まず、位置合わせ処理部74は、ウエハWの初期位置を示すウエハ画像WIに基づいてウエハWの初期位置を演算するステップを実行する。初期位置の演算ステップは、目印4の目標角度位置に対する目印4の初期角度位置のずれ角を演算するステップを含んでいてもよい。目印4の目標角度位置は、ウエハWが処理位置に位置する場合の目印4の角度位置である。目印4の初期角度位置は、ウエハWが初期位置に位置する場合の目印4の角度位置である。
【0092】
つまり、初期位置の演算ステップは、予め定められた目標方向に対するウエハWの結晶方向(たとえばSiC単結晶のa軸方向やm軸方向)のずれ角を演算するステップを含んでいてもよい。換言すると、位置合わせ処理部74は、ウエハWの結晶方向を予め定められた目標方向に定位させるようにウエハWを変移させる処理を実行するように構成されていてもよい。ウエハWの初期位置は、二値化処理後のウエハ画像WI(2階調画像)に基づいてブロブ解析処理によって演算されてもよい。
【0093】
次に、位置合わせ処理部74は、目印4のずれ角に基づいて、初期角度位置から目標角度位置までの回動ユニット46の回動角(つまり回動方向および回動量)を演算するステップを実行する。回動角は、最小回動角であることが好ましい。
【0094】
次に、位置合わせ処理部74は、回動角に基づいて回動ユニット46の駆動指令を生成するステップを実行し、当該駆動指令を回動ユニット46に出力するステップを実行する。駆動指令を受信した回動ユニット46は、所定の回動角で支持ユニット40を回動させ、ウエハWを初期位置から処理位置に変移させる。
【0095】
センタリング処理部75は、画像取得ユニット50によって取得されたウエハ画像WIに基づいてウエハWのセンタリング処理を実行する領域である。ここでのウエハ画像WIは、ウエハWが処理位置に位置する時の画像である。具体的には、センタリング処理部75は、画像処理部73を含み、画像処理部73と協働してウエハWのセンタリング処理を実行する。
【0096】
以下、図8および図9を参照して、センタリング処理部75によるセンタリング処理例が示される。図8は、センタリング処理例を示すフローチャートである。図9は、センタリング処理例を説明するためのウエハ画像WIである。
【0097】
図8および図9を参照して、まず、センタリング処理部75は、ウエハWの実中心座標RCを演算する(第1ステップS1)。ウエハWの実中心座標RCは、ウエハ画像WIにおけるウエハ座標系に係るウエハWの中心座標である。ウエハ座標系は、ウエハWの結晶方向に沿って設定される結晶座標系であってもよい。結晶方向は、SiC単結晶のa軸方向、および、当該a軸方向に直交するm軸方向であってもよい。
【0098】
つまり、ウエハ座標系は、ウエハWの目印4の位置を基準に第1方向Xおよび第2方向Yに設定されるX-Y座標系から算出されてもよい。図9では、ウエハWの実中心座標RCが第1仮想照準線L1によって示されている。第1仮想照準線L1は第1方向Xおよび第2方向Yに延びるL字線または十字線であり、実中心座標RCは第1仮想照準線L1の交点である。第1仮想照準線L1は、ウエハ画像WIと共に表示装置68に表示されてもよいが、必ずしも表示装置68に表示される必要はない。
【0099】
ウエハWの実中心座標RCは、二値化処理後のウエハ画像WI(2階調画像)に基づいてブロブ解析処理によって演算されてもよい。たとえば、ウエハWの実中心座標RCは、ウエハ画像WI(2階調画像)におけるウエハWの周縁から演算されてもよい。実中心座標RCは、ウエハ画像WI(2階調画像)におけるウエハWの目印4を基準位置としてウエハWの周縁から演算されてもよい。
【0100】
次に、センタリング処理部75は、ウエハWの理想中心座標ICからウエハWの実中心座標RCのオフセット値Voを演算する(第2ステップS2)。オフセット値Voは、理想中心座標ICからの実中心座標RCのずれ量である。ウエハWの理想中心座標ICは、データ格納部72等に予め記憶された基準座標であり、ウエハ座標系から切り離されている。理想中心座標ICは、異なるサイズの複数種のウエハWのウエハ画像WIに対して共通に適用される。つまり、単一の理想中心座標ICが、異なるサイズのウエハWを表す複数種のウエハ画像WIに対して適用される。
【0101】
理想中心座標ICは、支持ユニット40の支持部41を基準(原点)とするステージ座標系のウエハWの理想的な中心座標であってもよい。図9では、ウエハWの理想中心座標ICが第2仮想照準線L2によって示されている。第2仮想照準線L2は、第1仮想照準線L1に対して平行なL字線または十字線であり、理想中心座標ICは第2仮想照準線L2の交点である。第2仮想照準線L2の交点は、この形態では、支持部41の中心に位置している。第2仮想照準線L2やオフセット値Voは、ウエハ画像WIと共に表示装置68に表示されてもよいが、必ずしも表示装置68に表示される必要はない。
【0102】
次に、センタリング処理部75は、オフセット値Voに基づいてウエハ搬送装置8によるウエハWの支持位置(支持座標)を補正するための補正値を演算する(第3ステップS3)。次に、センタリング処理部75は、補正値に基づいて補正指令を生成し(第4ステップS4)、当該補正指令をウエハ搬送装置8に出力する(第5ステップS5)。
【0103】
補正指令を受信したウエハ搬送装置8は、補正後の支持位置でウエハWを支持し、センタリング装置7からセンタリング処理済みのウエハWを搬出する。その後、ウエハWは、ウエハ処理装置6に搬入され、所定の半導体製造処理に付される。補正後の支持位置(支持座標)は、ウエハ画像WIと共に表示装置68に表示されてもよいが、必ずしも表示装置68に表示される必要はない。
【0104】
図7を再度参照して、異常抽出処理部76は、ウエハ画像WIに基づいてウエハWの異常を抽出する処理を実行するように構成されている。ウエハWの異常は、具体的にはウエハWの面内異常である。たとえば、面内異常は、ウエハWの内部または外面に形成される結晶欠陥(面欠陥)、擦り傷、クラック等である。
【0105】
異常抽出処理部76は、画像処理部73を含み、画像処理部73と協働してウエハWの異常抽出処理を実行する。以下、図10を参照して、異常抽出処理部76によるウエハWの異常抽出処理例が示される。図10は、異常抽出処理例を説明するためのウエハ画像WIである。図10では、ウエハWの異常部Pがハッチングによって示されている。
【0106】
ウエハWの面内異常領域は、ウエハWの正常領域とは異なる屈折率を有している。したがって、ステージ面21から面内異常領域に照射された光は、ステージ面21から正常領域に照射された光とは異なる光路を進む。したがって、ウエハ画像WIでは、面内異常領域に相当する領域が正常領域に相当する領域との間で異常部Pとしての濃淡を形成する。異常抽出処理部76は、この濃淡度合いに基づいてウエハWの異常部Pを抽出する。
【0107】
異常抽出処理は、二値化処理(ブロブ解析処理)によってウエハWの異常部Pを抽出するステップを実行してもよい。たとえば、異常抽出処理部76は、ウエハ画像WIに含まれる複数の画素の輝度値に基づいてウエハWの異常を抽出するステップを実行してもよい。この場合、異常抽出処理部76は、複数の画素の輝度値に対して異常抽出用の閾値を設定し、当該閾値以上の輝度値を有する画素をウエハWの異常部Pを示す異常画素として抽出するステップを実行してもよい。
【0108】
また、異常抽出処理部76は、複数の異常画素が一定の領域に含まれる場合において、複数の異常画素の総数や総面積が予め定められた閾値以上である場合に、当該一定の領域をウエハWの面内異常領域として抽出するステップを実行してもよい。
【0109】
たとえば、異常抽出処理部76は、ウエハWの異常度合い(位置、大きさ、個数等)に応じてウエハWをランク付けするステップを実行してもよい。この場合、異常抽出処理後のウエハWを、ランクに応じてハンドリングできる。ハンドリングには、装置間の搬送の他、市場への流通も含まれる。この場合、ウエハWの異常度合いを予め把握できるため、ランク(異常度合い)に応じたウエハWの価格設定が可能になる。
【0110】
たとえば、異常抽出処理部76は、ウエハWの異常の位置、大きさ、個数等をマッピングしたマッピングデータを生成し、所定の記憶領域(たとえばデータ格納部72等)に記憶するステップを実行してもよい。異常マップは、ウエハWの目印4を基準としたウエハ座標系(結晶座標系)に基づいて作成されていてもよい。これらの場合、ウエハWの異常態様を予め把握できるため、異常部Pにおける半導体装置の不具合リスクを予測できる。たとえば、この場合、異常部Pを避けて半導体装置を製造することもできる。
【0111】
異常抽出処理によれば、異常を有するウエハWの廃棄数が削減されるため、製造コストが削減される。特に、SiCウエハ(ワイドバンドギャップ半導体ウエハ)はSiウエハよりも高価であるところ、SiCウエハ(ワイドバンドギャップ半導体ウエハ)に係る製造コストの削減効果はSiウエハに係る製造コストの削減効果よりも高い。
【0112】
また、Siウエハの場合、SiCウエハ(ワイドバンドギャップ半導体ウエハ)よりも透明度が低く、ウエハ画像WIを用いた異常抽出処理は困難である。したがって、異常抽出処理は、SiCウエハ(ワイドバンドギャップ半導体ウエハ)に適用されることによって、より高い効果を発揮する。
【0113】
以上、センタリング装置7は、ステージユニット20、支持ユニット40、画像取得ユニット50および制御装置60を含む。ステージユニット20は、面光源のステージ面21を有している。支持ユニット40は、ステージ面21から離間した位置で透明なウエハWの一方面を支持する。
【0114】
画像取得ユニット50は、ウエハWを挟んでステージ面21に対向する位置に設けられている。画像取得ユニット50は、ウエハWの他方面側からウエハWのウエハ画像WIを取得する。制御装置60は、ウエハ画像WIに基づいてウエハWのセンタリング処理を実行するセンタリング処理部75を有している。
【0115】
この構成によれば、ステージユニット20、支持ユニット40および画像取得ユニット50を用いた撮像処理によってウエハWの全容をウエハ画像WIとして取得できる。これにより、ウエハ画像WIに基づいてサイズや材質に依らずに透明なウエハWのセンタリング処理を実施できる。
【0116】
センタリング装置7は、ウエハ画像WIに基づいてウエハWの異常を抽出する異常抽出処理部を有していてもよい。この構成によれば、ステージユニット20、支持ユニット40および画像取得ユニット50を用いた撮像処理によってウエハWの全容をウエハ画像WIとして取得できる。これにより、ウエハ画像WIに基づいてサイズや材質に依らずに透明なウエハWの異常抽出処理を実施できる。
【0117】
以下、ステージユニット20の変形例が示される。前記実施形態では、バックライト方式のステージユニット20が示された。しかし、ステージユニット20は、面光源のステージ面21を有する限り、種々の構成を有することができる。図11は、ステージユニット20の第1変形例を示す模式図である。
【0118】
図11を参照して、センタリング装置7は、サイドライト方式のステージユニット20を含んでいてもよい。この場合、ステージユニット20は、導光板80、光拡散反射部81および光源ユニット82を含んでいてもよい。
【0119】
導光板80は、平面視において四角形状(この形態では長方形状)に形成されている。むろん、導光板80は、多角形状や円形状に形成されていてもよい。導光板80は、面状の光を出射する前述のステージ面21としての出射面、出射面とは反対側の非出射面、ならびに、出射面および非出射面を接続し、光が入射される側面を有している。
【0120】
導光板80は、鉛直方向ZにウエハWに対向する対向領域、および、鉛直方向ZにウエハWに対向しない非対向領域を含む。導光板80は、この形態では、内方部(対向領域)において貫通孔83を有している。貫通孔83は、導光板80の中心部に形成されていることが好ましい。貫通孔83は、この形態では、円形状に形成されている。貫通孔83は、平面視において四角形状や多角形状に形成されていてもよい。
【0121】
光拡散反射部81は、光拡散反射パターンまたは光拡散反射シートからなり、導光板80の非出射面側に設けられている。光拡散反射部81は、導光板80の側面に入射された光を非出射面側から出射面側に向けて拡散反射させる。
【0122】
光源ユニット82は、導光板80の側方に配置され、導光板80の側面に向けて光を照射するように構成されている。光源ユニット82は、導光板80を取り囲むように配置されていることが好ましい。たとえば、光源ユニット82は、筐体84、筐体84内に配置された配線基板85、および、配線基板85に実装された複数の光源86を含んでいてもよい。配線基板85は、前述の実施形態の場合と同様、単一または複数のプリント回路基板によって構成されていてもよい。
【0123】
複数の光源86は、前述の実施形態の場合と同様、発光ダイオード(つまり点光源)からそれぞれなっていてもよい。むろん、複数の光源86は、発光ダイオード以外の光源86(たとえば電球や蛍光灯)からそれぞれなっていてもよい。また、光源86は、点光源に限らず、線光源や面光源であってもよい。
【0124】
複数の光源86は、前述の実施形態に係る複数の光源31の場合と同様、白色光、紫外光、青色光、緑色光、黄色光、赤色光および赤外光のうちの少なくとも1つの光を生成してもよい。むろん、光源ユニット82は、前述の実施形態に係る光源ユニット24の場合と同様、調光機能および調色機能のいずれか一方または双方を備えていてもよい。
【0125】
前述の支持ユニット40(支持部材42)は導光板80の貫通孔83に挿装され、前述の回動ユニット46は導光板80の非出射面側において支持ユニット40(支持部材42)に接続されている。
【0126】
図12は、ステージユニット20の第2変形例を示す模式図である。図12を参照して、センタリング装置7は、フロントライト方式のステージユニット20を含んでいてもよい。この場合、ステージユニット20は、光反射板87および光源ユニット88を含んでいてもよい。光反射板87は、所謂「レフ板」である。
【0127】
光反射板87は、平面視において四角形状(この形態では長方形状)に形成されている。むろん、光反射板87は、多角形状や円形状に形成されていてもよい。光反射板87は、前述のステージ面21としての光反射面、および、光反射面とは反対側の非光反射面を有している。光反射面は、入射光を面状に反射させることによって面光源を形成する。
【0128】
光反射板87は、鉛直方向ZにウエハWに対向する対向領域、および、鉛直方向ZにウエハWに対向しない非対向領域を含む。光反射板87は、この形態では、内方部(対向領域)において貫通孔89を有している。貫通孔89は、光反射板87の中心部に形成されていることが好ましい。貫通孔89は、この形態では、円形状に形成されている。貫通孔89は、平面視において四角形状や多角形状に形成されていてもよい。
【0129】
光源ユニット88は、少なくとも光反射板87の上方に配置され、光反射板87の光反射面に向けて光を照射するように構成されている。図12では、光源ユニット88が光反射板87およびウエハWの支持位置の間の高さ位置に配置され、光反射板87の光反射面に向けて光を照射する構成例が示されている。むろん、光源ユニット88は、ウエハWよりも上方に配置され、ウエハWおよび光反射面に向けて光を照射するように構成されていてもよい。
【0130】
光源ユニット82は、光反射板87を取り囲むように配置されていることが好ましい。たとえば、光源ユニット88は、筐体90、筐体90内に配置された配線基板91、および、配線基板91に実装された複数の光源92を含んでいてもよい。配線基板91は、前述の実施形態の場合と同様、単一または複数のプリント回路基板によって構成されていてもよい。
【0131】
複数の光源92は、前述の実施形態の場合と同様、発光ダイオード(つまり点光源)からそれぞれなっていてもよい。むろん、複数の光源92は、発光ダイオード以外の光源92(たとえば電球や蛍光灯)からそれぞれなっていてもよい。また、光源92は、点光源に限らず、線光源や面光源であってもよい。
【0132】
複数の光源92は、前述の実施形態に係る複数の光源31の場合と同様、白色光、紫外光、青色光、緑色光、黄色光、赤色光および赤外光のうちの少なくとも1つの光を生成してもよい。むろん、光源ユニット88は、前述の実施形態に係る光源ユニット24の場合と同様、調光機能および調色機能のいずれか一方または双方を備えていてもよい。
【0133】
前述の実施形態は、さらに他の形態で実施できる。前述の実施形態では、センタリング装置7が半導体製造装置5に組み込まれた例が示された。しかし、センタリング装置7は、必ずしも半導体製造装置5に組み込まれる必要はなく、ウエハ処理装置6やウエハ搬送装置8から独立して設置されてもよい。むろん、センタリング装置7がウエハ処理装置6から独立して設置された場合、センタリング装置7はウエハ搬送装置8やロードポートを備えていてもよい。
【0134】
前述の実施形態では、吸引力によってウエハWを一方面側から吸着支持する支持ユニット40(吸着ユニット)が示された。しかし、支持ユニット40は、静電引力によってウエハWを一方面側から吸着支持する静電吸着ユニットからなっていてもよい。
【0135】
この場合、支持部材42は、吸引孔43を有している必要はない。また、この場合、吸引ポンプ45に代えて、支持部材42(支持部41)に静電気を付与する電極(電源)が支持部材42に接続される。このような電極は、ステージユニット20の下方に配置されてもよいし、ステージユニット20の筐体23内に配置されてもよい。
【0136】
前述の実施形態では、センタリング処理部75および異常抽出処理部76を有するセンタリング装置7が示された。しかし、異常抽出処理部76を有さないセンタリング装置7が採用されてもよい。
【0137】
前述の実施形態では、センタリング処理部75を有するセンタリング装置7が示された。しかし、センタリング装置7は、異常抽出処理部76を有する異常抽出装置として提供されてもよい。この場合、異常抽出装置は、センタリング処理部75を含んでいてもよいし、センタリング処理部75を含んでいなくてもよい。
【0138】
以下、この明細書および図面から抽出される特徴例が示される。以下、括弧内の英数字は前述の実施形態における対応構成要素等を表すが、各項目(Clause)の範囲を実施形態に限定する趣旨ではない。以下の項目に係る「センタリング装置」は、「半導体製造装置」や「異常抽出装置」等に置き換えられてもよい。また、以下の項目に係る「異常抽出装置」は、「センタリング装置」や「半導体製造装置」等に置き換えられてもよい。
【0139】
[A1]面光源のステージ面(21)を有するステージユニット(20)と、前記ステージ面(21)から離間した位置で透明なウエハ(W)の一方面(1/2)を支持する支持ユニット(40)と、前記ウエハ(W)を挟んで前記ステージ面(21)に対向する位置に設けられ、前記ウエハ(W)の他方面(2/1)側から前記ウエハ(W)の画像(WI)を取得する画像取得ユニット(50)と、前記画像(WI)に基づいて前記ウエハ(W)のセンタリング処理を実行するセンタリング処理部(75)を有する制御装置(60)と、を含む、センタリング装置(7)。
【0140】
[A2]前記支持ユニット(40)は、前記ウエハ(W)の前記一方面(1/2)の内方部を一箇所で支持する単一の支持部(41)を有している、A1に記載のセンタリング装置(7)。
【0141】
[A3]前記支持部(41)は、前記ウエハ(W)の前記一方面(1/2)の中央部を支持する、A2に記載のセンタリング装置(7)。
【0142】
[A4]前記ステージユニット(20)は、前記ステージ面(21)の内方部に貫通孔(28)を有し、前記支持ユニット(40)は、前記支持部(41)を有し、前記貫通孔(28)に挿装された支持部材(42)を有している、A2またはA3に記載のセンタリング装置(7)。
【0143】
[A5]前記支持部材(42)は、前記ウエハ(W)の前記一方面(1/2)に対する吸引力が付与される吸引孔(43)を有している、A4に記載のセンタリング装置(7)。
【0144】
[A6]前記支持部材(42)に取り付けられ、前記吸引孔(43)に吸引力を付与する吸引ポンプ(45)をさらに含む、A5に記載のセンタリング装置(7)。
【0145】
[A7]前記ウエハ(W)は、Siウエハ以外のウエハである、A1~A6のいずれか一つに記載のセンタリング装置(7)。
【0146】
[A8]前記ウエハ(W)は、ワイドバンドギャップ半導体ウエハである、A7に記載のセンタリング装置(7)。
【0147】
[A9]前記ウエハ(W)は、SiCウエハである、A8に記載のセンタリング装置(7)。
【0148】
[A10]前記ウエハ(W)は、結晶方位を示す目印(4)を有している、A1~A9のいずれか一つに記載のセンタリング装置(7)。
【0149】
[A11]前記ステージユニット(20)は、光源ユニット(24)、および、前記光源ユニット(24)からの光を拡散させて面光源を形成する光透過拡散板(25)を有し、前記光透過拡散板(25)によって形成された前記ステージ面(21)を有している、A1~A10のいずれか一つに記載のセンタリング装置(7)。
【0150】
[A12]前記光源ユニット(24)は、複数の光源(31)を含む、A11に記載のセンタリング装置(7)。
【0151】
[A13]前記光源ユニット(24)は、発光色の異なる複数種の前記光源(31)を有している、A12に記載のセンタリング装置(7)。
【0152】
[A14]複数の前記光源(31)は、平面視において行列状、千鳥状または同心円状に配列されている、A12またはA13に記載のセンタリング装置(7)。
【0153】
[A15]複数の前記光源(31)は、発光ダイオードからそれぞれなる、A12~A14のいずれか一つに記載のセンタリング装置(7)。
【0154】
[A16]前記センタリング処理部(75)は、前記画像(WI)に基づいて前記ウエハ(W)の実中心座標(RC)を演算するステップ(S1)と、予め記憶された理想中心座標(IC)に基づいて前記理想中心座標(IC)からの前記実中心座標(RC)のオフセット値(Vo)を演算するステップ(S2)と、を実行する、A1~A15のいずれか一つに記載のセンタリング装置(7)。
【0155】
[A17]前記センタリング処理部(75)は、前記オフセット値(Vo)に基づいてウエハ搬送装置(8)による前記ウエハ(W)の支持位置を補正するための補正値を演算するステップ(S3)を実行する、A16に記載のセンタリング装置(7)。
【0156】
[A18]前記制御装置(60)は、前記画像(WI)に基づいて前記ウエハ(W)の異常を抽出する異常抽出処理部(76)を有している、A1~A17のいずれか一つに記載のセンタリング装置(7)。
【0157】
[A19]前記支持ユニット(40)に接続され、前記支持ユニット(40)を介して前記ウエハ(W)を回動させる回動ユニット(46)をさらに含む、A1~A18のいずれか一つに記載のセンタリング装置(7)。
【0158】
[A20]前記回動ユニット(46)は、前記ウエハ(W)を初期位置からセンタリング処理が実行される処理位置に回動させる、A19に記載のセンタリング装置(7)。
【0159】
[B1]面光源のステージ面(21)を有するステージユニット(20)と、前記ステージ面(21)から離間した位置で透明なウエハ(W)の一方面(1/2)を支持する支持ユニット(40)と、前記ウエハ(W)を挟んで前記ステージ面(21)に対向する位置に設けられ、前記ウエハ(W)の他方面(2/1)側から前記ウエハ(W)の画像(WI)を取得する画像取得ユニット(50)と、前記画像(WI)に基づいて前記ウエハ(W)の異常を抽出する異常抽出処理部(76)を有する制御装置(60)と、を含む、異常抽出装置(7)。
【0160】
[B2]前記ウエハ(W)の前記異常は、前記ウエハ(W)の面内異常である、B1に記載の異常抽出装置(7)。
【0161】
[B3]前記異常抽出処理部(76)は、前記画像(WI)に含まれる複数の画素の輝度値に基づいて前記ウエハ(W)の異常を抽出するステップを実行する、B1またはB2に記載の異常抽出装置(7)。
【0162】
[B4]前記異常抽出処理部(76)は、複数の前記画素の輝度値に対して閾値を設定し、当該閾値以上の輝度値を有する画素を前記ウエハ(W)の異常部(P)を示す異常画素として抽出するステップを実行する、B3に記載の異常抽出装置(7)。
【0163】
[B5]前記制御装置(60)は、前記画像(WI)に基づいて前記ウエハ(W)のセンタリング処理を実行するセンタリング処理部(75)を有している、B1~B4のいずれか一つに記載の異常抽出装置(7)。
【0164】
上記項目に係る技術的思想は、「センタリング装置(7)」や「異常抽出装置(7)」において実行されるウエハ(W)の処理方法として提供されてもよい。また、上記項目に係る技術的思想は、「センタリング装置(7)」や「異常抽出装置(7)」に係るコンピュータとしての制御装置(60)に所定のステップを実行させるためのプログラムとしても実現可能である。
【0165】
このようなプログラムは、記憶媒体(66)に格納され、提供されてもよい。むろん、コンピュータとしての制御装置(60)がインターネット通信部を有している場合、前記プログラムは、外部のサーバからインターネット通信部を介して記憶媒体(66)内にダウンロードされ、格納されてもよい。
【0166】
以上、実施形態について詳細に説明してきたが、これらは技術的内容を明らかにするために用いられた具体例に過ぎず、本発明はこれらの具体例に限定して解釈されるべきではなく、本発明の範囲は添付の請求の範囲によって限定される。
【符号の説明】
【0167】
W ウエハ
1 第1主面
2 第2主面
4 目印
7 センタリング装置
8 ウエハ搬送装置
20 ステージユニット
21 ステージ面
24 光源ユニット
25 光透過拡散板
28 貫通孔
31 光源
40 支持ユニット
41 支持部
42 支持部材
43 吸引孔
45 吸引ポンプ
46 回動ユニット
50 画像取得ユニット
60 制御装置
75 センタリング処理部
76 異常抽出処理部
IC 理想中心座標
RC 実中心座標
S1 第1ステップ
S2 第2ステップ
S3 第3ステップ
WI ウエハ画像
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12