(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036236
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】空気入りタイヤ
(51)【国際特許分類】
B60C 19/00 20060101AFI20240308BHJP
【FI】
B60C19/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022141054
(22)【出願日】2022-09-05
(71)【出願人】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186015
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 靖之
(72)【発明者】
【氏名】小野 敬俊
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131AA30
3D131AA39
3D131AA44
3D131BB01
3D131BB03
3D131DA01
3D131DA34
3D131DA43
3D131HA37
3D131HA42
3D131KA06
3D131LA20
3D131LA24
(57)【要約】
【課題】扁平アンテナを備える通信装置の通信性を向上可能な空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】本発明に係る空気入りタイヤは、タイヤ本体と、前記タイヤ本体に埋設されている、又は、前記タイヤ本体の内面に取り付けられている、通信装置と、を備え、前記通信装置は、扁平アンテナを備え、前記通信装置は、前記扁平アンテナの厚み方向と直交するアンテナ面内方向が前記タイヤ本体の外面に沿うように、配置されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ本体と、
前記タイヤ本体に埋設されている、又は、前記タイヤ本体の内面に取り付けられている、通信装置と、を備え、
前記通信装置は、扁平アンテナを備え、
前記通信装置は、前記扁平アンテナの厚み方向と直交するアンテナ面内方向が前記タイヤ本体の外面に沿うように、配置されている、空気入りタイヤ。
【請求項2】
前記通信装置は、
ICチップを含む基板と、
前記扁平アンテナ及び前記基板を保持面上に保持する外装体と、を備え、
前記通信装置は、前記外装体の前記保持面が前記タイヤ本体の前記外面の側を向くように、配置されている、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
【請求項3】
前記通信装置は、
ICチップを含む基板と、
前記扁平アンテナ及び前記基板を保持面上に保持する外装体と、を備え、
前記通信装置は、前記外装体の前記保持面の反対側の面が前記タイヤ本体の前記外面の側を向くように、配置されている、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
【請求項4】
前記扁平アンテナは、前記アンテナ面内方向に沿って、メアンダ形状、波状、又は、ジグザグ形状に延在している、扁平線状アンテナである、請求項1から3のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
【請求項5】
前記通信装置は、カーカスの折り返し端に対してタイヤ径方向の一方側で、前記タイヤ本体のサイドウォール部に埋設されており、
前記扁平線状アンテナの先端部は、前記扁平線状アンテナのうち前記タイヤ径方向の他方側の端となる位置に配置されていない、請求項4に記載の空気入りタイヤ。
【請求項6】
前記扁平線状アンテナの前記先端部は、前記扁平線状アンテナのうち前記タイヤ径方向の前記一方側を向くように終端している、請求項5に記載の空気入りタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タイヤの製造管理、出荷管理、使用履歴管理等のデータを読み書きするためのメモリ等を有するRF(Radio Frequency)タグ等の通信装置を備えた空気入りタイヤが知られている(例えば特許文献1)。このような通信装置として、所定の形状が繰り返し配列された部分を有する扁平状のアンテナを有する構成が提案されている(例えば特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-037235号公報
【特許文献2】特開2022-084145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献2に記載の扁平状のアンテナ(以下、「扁平アンテナ」と記載する。)を備える通信装置を空気入りタイヤに適用するに際し、通信装置の配置姿勢によって、扁平アンテナの通信性が変動し得る。
【0005】
本発明は、扁平アンテナを備える通信装置の通信性を向上可能な空気入りタイヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様としての空気入りタイヤは、
(1)
タイヤ本体と、
前記タイヤ本体に埋設されている、又は、前記タイヤ本体の内面に取り付けられている、通信装置と、を備え、
前記通信装置は、扁平アンテナを備え、
前記通信装置は、前記扁平アンテナの厚み方向と直交するアンテナ面内方向が前記タイヤ本体の外面に沿うように、配置されている、空気入りタイヤ、である。
【0007】
本発明の1つの実施形態としての空気入りタイヤは、
(2)
前記通信装置は、
ICチップを含む基板と、
前記扁平アンテナ及び前記基板を保持面上に保持する外装体と、を備え、
前記通信装置は、前記外装体の前記保持面が前記タイヤ本体の前記外面の側を向くように、配置されている、上記(1)に記載の空気入りタイヤ、である。
【0008】
本発明の1つの実施形態としての空気入りタイヤは、
(3)
前記通信装置は、
ICチップを含む基板と、
前記扁平アンテナ及び前記基板を保持面上に保持する外装体と、を備え、
前記通信装置は、前記外装体の前記保持面の反対側の面が前記タイヤ本体の前記外面の側を向くように、配置されている、上記(1)に記載の空気入りタイヤ、である。
【0009】
本発明の1つの実施形態としての空気入りタイヤは、
(4)
前記扁平アンテナは、前記アンテナ面内方向に沿って、メアンダ形状、波状、又は、ジグザグ形状に延在している、扁平線状アンテナである、上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ、である。
【0010】
本発明の1つの実施形態としての空気入りタイヤは、
(5)
前記通信装置は、カーカスの折り返し端に対してタイヤ径方向の一方側で、前記タイヤ本体のサイドウォール部に埋設されており、
前記扁平線状アンテナの先端部は、前記扁平線状アンテナのうち前記タイヤ径方向の他方側の端となる位置に配置されていない、上記(4)に記載の空気入りタイヤ、である。
【0011】
本発明の1つの実施形態としての空気入りタイヤは、
(6)
前記扁平線状アンテナの前記先端部は、前記扁平線状アンテナのうち前記タイヤ径方向の前記一方側を向くように終端している、上記(5)に記載の空気入りタイヤ、である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、扁平アンテナを備える通信装置の通信性を向上可能な空気入りタイヤを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態としての空気入りタイヤのタイヤ幅方向断面図である。
【
図4】外装体の蓋部を外した状態の通信装置の斜視図である。
【
図8】
図1に示す空気入りタイヤの側面図の通信装置近傍を拡大して示す図である。
【
図9】
図1に示す通信装置の向きを変更した変形例を示す図である。
【
図10】
図1に示す通信装置の配置位置の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る空気入りタイヤの実施形態について図面を参照して例示説明する。各図において同一の構成には同一の符号を付している。
【0015】
図1は、本発明に係る空気入りタイヤの一実施形態としての空気入りタイヤ50のタイヤ幅方向断面図である。
図1に示すように、空気入りタイヤ50は、タイヤ本体60と、通信装置10と、を備える。以下、説明の便宜上、空気入りタイヤ50を単に「タイヤ50」と記載する。
【0016】
図1は、タイヤ50のタイヤ赤道面CLを境界とするタイヤ幅方向Cの一方の半部のみを示しているが、通信装置10の有無以外は、他方の半部についても同様の構成である。但し、タイヤ50は、タイヤ赤道面CLを境界として、非対称な部分を有していてもよい。
【0017】
図1に示すタイヤ50は、トラック・バス用タイヤであるが、他の重荷重用タイヤや乗用車用タイヤとしてもよい。
【0018】
[タイヤ本体60]
タイヤ本体60の内部構造は特には限定されないが、以下の構成を例示することができる。このタイヤ本体60は、一対のビード部51と、ビード部51に連なる一対のサイドウォール部52と、一対のサイドウォール部52に連なるトレッド部53と、を備えている。ビード部51には、ビードコア51aが埋設され、ビードコア51aのタイヤ径方向Eの外側にはスティフナー51bが配置されている。本実施形態では、スティフナー51bとして、硬さの異なる複数(本実施形態では2つ)のスティフナー51b1、51b2が設けられている。タイヤ径方向Eの内側に位置するスティフナー51b1は、タイヤ径方向Eの外側に位置するスティフナー51b2より硬い。
【0019】
また、このタイヤ本体60は、一対のビード部51間をトロイダル状に跨る、1枚以上のカーカスプライからなるカーカス54を備えている。カーカス54は、タイヤ幅方向Cの内側から外側に向かって、ビードコア51aに巻き掛けられて折り返されており、折り返し端54aまで延在している。カーカスプライは、ラジアル配列のカーカスコードがゴム被覆されることにより構成されてよい。本例では、カーカスコードは、スチールコードからなる。カーカスプライの枚数は、特に限定されない。カーカスコードの径は、特に限定されないが、例えば、0.8~1.2mmとされてよい。
【0020】
カーカス54のクラウン部のタイヤ径方向Eの外側には、1層以上(図示例で4層)のベルトプライ55a~55dからなるベルト55が配置されている。ベルト55のタイヤ径方向Eの外側には、トレッドゴム53aが配置されている。ベルト55のベルトコードは、本例では、スチールコードである。ベルトコードは、タイヤ周方向Fに対して、例えば30~60°の傾斜角度で傾斜することができる。ベルト層の層数や、ベルト幅は特に限定されない。また、
図1に示すように、ベルト55の端部近傍には、クッションゴム53bが配置されていてよい。
【0021】
ビード部51には、上述したビードコア51a、スティフナー51bの他に、ゴムチェーファー51c、ナイロンチェーファー51d、ワイヤーチェーファー51e及びハットゴム51fが設けられている。また、ビード部51からサイドウォール部52にかけて、カーカス54のタイヤ幅方向Cの外側には、サイドゴム52aが配置されている。
【0022】
本実施形態のタイヤ本体60の外面は、ビード部51のゴムチェーファー51c、ビード部51及びサイドウォール部52のサイドゴム52a、並びに、トレッド部53のトレッドゴム53a、により構成されている。
【0023】
また、本実施形態のタイヤ本体60の内面は、タイヤ内腔60aに面しており、ビード部51、サイドウォール部52及びトレッド部53に亘って延在するインナーライナー56により構成されている。
【0024】
[通信装置10]
図2は、通信装置10の平面図である。本実施形態の通信装置10はRFタグである。
図3は、通信装置10の斜視図である。
図4は、外装体3の蓋部32を外した状態の通信装置10の斜視図である。
図5は、通信装置10の分解斜視図である。
図6は、扁平アンテナ2の平面図である。
図7は、通信装置10の一部断面図である。
図7は、
図3のI-I断面図である。
【0025】
図2、
図3に示すように、通信装置10は、基板1と、扁平アンテナ2と、外装体3と、を備える。以下、説明の便宜上、外装体3の保持面31a(
図4参照)の長手方向(
図2における左右方向)をX方向という。X方向のうち一方向(
図2における右方向)を+X方向という。X方向のうち他方向(
図2における左方向)を-X方向という。外装体3の保持面31a(
図4参照)の短手方向をY方向という。Y方向は、保持面31aに沿う面内においてX方向に直交する。Y方向のうち一方向(
図2における上方向)を+Y方向という。Y方向のうち他方向(
図2における下方向)を-Y方向という。外装体3の保持面31aに直交する方向をZ方向という。Z方向は、X方向およびY方向に直交する。Z方向から見ることを平面視(
図2参照)という。Z軸とは、Z方向に沿う中心軸である。
【0026】
図4に示すように、基板1は、ICチップ11と、アンテナ12と、基材13と、を備える。
【0027】
基材13は、板状に形成されている。平面視における基材13の形状は、特に限定されないが、少なくとも外周縁13aの一部が湾曲形状であることが好ましい。湾曲形状は、例えば、楕円弧状、円弧状、高次曲線状(例えば二次曲線状)などである。高次曲線状は、放物線状、双曲線状などである。平面視における基材13の外形は、例えば、楕円形状、円形状、長円形状(レーストラック形状)などであってよい。平面視における基材13の外形は、非円形状が望ましい。本実施形態では、基材13は、楕円形状とされている。基材13は、長径方向をX方向に向けた姿勢とされている。基材13としては、ガラスエポキシ樹脂基板、セラミックス、プラスチックフィルムなどが使用できる。
【0028】
ICチップ11は、アンテナ12および扁平アンテナ2を介して非接触にて情報の書き込みおよび読み出しが可能である。ICチップ11は、基材13に実装されている。
【0029】
アンテナ12は、例えば、基材13の一方の面に形成された導電層である。導電層は、例えば、導電性箔、メッキ層、導電インク層などで構成される。導電性箔は、例えば、銅、銀、金、白金、アルミニウムなどで構成される金属箔である。導電性箔は、エッチングなどによって所定の形状に形成される。メッキ層は、例えば、銅、銀、金、白金、アルミニウムなどの金属で構成される。導電インク層は、導電インクを用いて印刷などにより形成される。導電インクは、金属、カーボン材料などで形成される導電性粒子を含む。
【0030】
アンテナ12は、ループ状に形成されている。アンテナ12は、例えば、基材13の外周縁13aに沿う湾曲形状を有する。アンテナ12は、楕円形状のループ状に形成されている。アンテナ12は、ICチップ11に電気的に接続されている。
【0031】
扁平アンテナ2は、ブースター用のアンテナである。扁平アンテナ2は、例えば、線状体である。扁平アンテナ2は、例えば、スチール、ステンレス鋼、銅、銅合金などの金属で形成されている。扁平アンテナ2は、例えば、真鍮メッキ鋼線で形成することができる。扁平アンテナ2は、基板1とは別体とされている。なお、扁平アンテナ2は、厚み方向A(本実施形態ではZ方向)と直交するアンテナ面内方向B(本実施形態ではXY平面の面内方向)に延在する構成であればよく、本実施形態の線状体からなる扁平線状アンテナに限られない。扁平アンテナ2は、例えば、板状体からなる扁平板状アンテナであってもよい。
【0032】
扁平アンテナ2は、電磁界結合部21と、一対の延出部22とを備える。電磁界結合部21は、湾曲形状を有する。「湾曲形状」とは、急峻な屈曲部がなく、滑らかに曲がる形状である。湾曲形状としては、例えば、楕円弧状、円弧状、高次曲線状(例えば二次曲線状)などがある。「高次曲線状」としては、放物線状、双曲線状などがある。電磁界結合部21は、半楕円形状とされている。詳しくは、電磁界結合部21は、楕円形の一方の頂点(長軸と交わる頂点)から他方の頂点(長軸と交わる頂点)に至る半楕円形状である。
【0033】
電磁界結合部21は、平面視において、基板1の少なくとも一部を囲む形状とされる。電磁界結合部21は、楕円形状の基板1の一方の頂点(長軸と交わる頂点)から他方の頂点(長軸と交わる頂点)に至る範囲(+Y方向側の半周範囲)を囲む。
【0034】
電磁界結合部21は、平面視において、アンテナ12の外周縁12aに沿う湾曲形状(例えば、楕円弧状)とされている。電磁界結合部21と外周縁12aとの離間距離は、ほぼ一定である。電磁界結合部21は、平面視において、基板1の外周縁13aの外側に、外周縁13aに近接して位置する。電磁界結合部21は、平面視において、外周縁13aに沿う形状とされる。電磁界結合部21と外周縁13aとの離間距離は、ほぼ一定である。
【0035】
電磁界結合部21は、非接触でアンテナ12と電磁界結合する。電磁界結合とは、例えば、電界結合と磁界結合のうち一方である。電磁界結合部21の長さ方向に直交する断面の形状は、例えば、円形状である(
図7参照)。
【0036】
一対の延出部22は、電磁界結合部21の一方および他方の端部21aからそれぞれ延出する。
図6に示すように、一対の延出部22のうち一方である第1延出部22Aは、電磁界結合部21の-X方向の端部21aから、蛇行しつつ-X方向に延出する。一対の延出部22のうち他方である第2延出部22Bは、電磁界結合部21の+X方向の端部21aから、蛇行しつつ+X方向に延出する。
【0037】
延出部22の平面視形状は、例えば、メアンダ(蛇行)形状、波状、ジグザグ形状などである。延出部22は、メアンダ形状を有する。
【0038】
図5に示すように、延出部22は、複数の直線部23と、複数の折り返し部24とを備える。直線部23は、Y方向に沿う直線状とされている。複数の直線部23は、X方向に間隔をおいて配置されている。折り返し部24は、隣り合う直線部23の端部どうしを連結する。折り返し部24は、湾曲形状(例えば、円弧形状)を有する。
【0039】
複数の直線部23のうち最も電磁界結合部21に近い直線部23を「第1直線部23A」という。複数の直線部23のうち2番目に電磁界結合部21に近い直線部23を「第2直線部23B」という。複数の直線部23のうち3番目に電磁界結合部21に近い直線部23を「第3直線部23C」という。第1直線部23Aと第2直線部23Bとを連結する折り返し部24を「第1折り返し部24A」という。第2直線部23Bと第3直線部23Cとを連結する折り返し部24を「第2折り返し部24B」という。
【0040】
第1直線部23Aは、電磁界結合部21の端部21aから-Y方向に延出する。第1折り返し部24Aは、第1直線部23Aの-Y方向の端部から湾曲して延び、第2直線部23 Bの-Y方向の端部に達する。延出部22のうち、第1直線部23Aと第1折り返し部24Aの一部とは外装体3内にあるが、延出部22のそれ以外の部分は、外装体3の外に延出している(
図4参照)。
【0041】
外装体3は、基板1及び扁平アンテナ2を保持面31a上に保持している。
【0042】
より具体的には、
図3に示すように、本実施形態の外装体3は、板状の本体部31と、板状の蓋部32とを備える。本体部31の厚み方向の一方側の面が保持面31aである。本実施形態の通信装置10では、本体部31の保持面31a上に基板1及び扁平アンテナ2が保持されている状態で、蓋部32が本体部31の保持面31aを覆うように装着される。これにより、基板1の全体、及び、扁平アンテナ2の一部は、本体部31の保持面31aと、蓋部32と、の間に収容された状態となる。
【0043】
外装体3は、全体として板状とされている。本体部31および蓋部32は、例えば、樹脂で形成される。樹脂としては、ナイロン6,6などのポリアミド樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル樹脂;ポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂;ポリフッ化ビニルなどのポリフッ化エチレン系樹脂;ポリ塩化ビニルなどのビニル重合体;ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル系樹脂等が挙げられる。
【0044】
図5に示すように、本体部31は、平面視において矩形状とされている。本体部31の一方の面である保持面31aには、基板保持凹部37(基板保持部)と、アンテナ保持溝34と、一対の側部凹所35が形成されている。基板保持凹部37は、基板保持凸部33によって形成される。基板保持凹部37は、基板保持凸部33によって囲まれた凹部である。
【0045】
基板保持凸部33は、環状のリブ状突起である。基板保持凸部33は、基板1の外周縁13aに沿う湾曲形状(例えば、楕円形状)とされている。基板保持凸部33は、保持面31aから+Z方向に突出する。基板保持凸部33の長さ方向に直交する断面の形状は、例えば矩形状である。基板保持凸部33は、平面視において、アンテナ12の外周縁12aに沿う湾曲形状(例えば、楕円形状)とされている。
【0046】
基板保持凹部37は、基板1を保持する。基板保持凹部37は、基板1の外周縁13aに沿う形状(例えば、楕円形状)とされている。基板保持凹部37の内形寸法(内径)は、基板1の外形寸法(外径)とほぼ同じ、または基板1の外形寸法(外径)よりわずかに大きい。基板保持凹部37は、平面視において基板1と相似形である。
【0047】
基板1および基板保持凹部37は、非円形状(例えば、楕円形状)であると、基板1がZ軸周りに傾斜するのを規制し、基板1の正しい姿勢を保つことができる。そのため、アンテナ12と電磁界結合部21との電磁界結合を維持することができる。
【0048】
アンテナ保持溝34は、扁平アンテナ2の電磁界結合部21を収容する(
図4および
図7参照)。アンテナ保持溝34は、基板保持凸部33の外側に、基板保持凸部33に近接して形成されている。アンテナ保持溝34は、平面視において、基板保持凸部33に沿う形状とされる。アンテナ保持溝34は、平面視において、アンテナ12の外周縁12aに沿う湾曲形状(例えば、楕円弧状)とされている。アンテナ保持溝34は、平面視において、基板1の外周縁13aに沿う湾曲形状(例えば、楕円弧状)とされている。アンテナ保持溝34は、平面視において、半楕円形状とされている。詳しくは、アンテナ保持溝34は、楕円形の一方の頂点(長軸と交わる頂点)から他方の頂点(長軸と交わる頂点)に至る半楕円形状である。
【0049】
アンテナ保持溝34は、平面視において、基板1の少なくとも一部を囲む形状とされる。アンテナ保持溝34は、楕円形状の基板1の一方の頂点(長軸と交わる頂点)から他方の頂点(長軸と交わる頂点)に至る範囲(+Y方向側の半周範囲)を囲む。
【0050】
図7に示すように、アンテナ保持溝34の長さ方向に直交する断面は、例えば、矩形状である。アンテナ保持溝34の幅(内形寸法)W1は、電磁界結合部21の外径(外形寸法)D1より大である。幅W1と外径D1との差は、例えば、0.01mm~1mm(好ましくは0.05mm~0.2mm)とすることができる。アンテナ保持溝34の幅W1が電磁界結合部21の外径D1より大であるため、電磁界結合部21は、線径方向(例えば、Y方向)に変位可能な状態でアンテナ保持溝34に収容される。「線径方向」は、電磁界結合部21の長さ方向に直交する方向である。電磁界結合部21は、アンテナ保持溝34に対して長さ方向にも変位可能である。
【0051】
アンテナ保持溝34の深さは、アンテナ保持溝34の底面34aから蓋部32(天面38a)までの高さ(内形寸法)H1が、電磁界結合部21の外径D1より大となるように定められる。高さH1と外径D1との差は、例えば、0.01mm~1mm(好ましくは0.05mm~0.2mm)とすることができる。アンテナ保持溝34の高さH1が電磁界結合部21の外径D1より大であるため、電磁界結合部21は、線径方向(例えば、Z方向)に変位可能な状態でアンテナ保持溝34に収容される。
【0052】
図5に示すように、側部凹所35は、保持面31aの一方および他方の側部に形成されている。側部凹所35は、本体部31のX方向の側端縁31bを含む領域に形成されている。側部凹所35の内周縁35aは、Y方向に沿う第1直線部35bと、湾曲部35cと、X方向に沿う第2直線部35dとを有する。
【0053】
第1直線部35bは、アンテナ保持溝34の内周縁の端部を始点として-Y方向に延びる部分である。湾曲部35cは、第1直線部35bの先端から、X方向に対する傾斜角度が小さくなりつつ延出する部分である。第2直線部35dは、湾曲部35cの先端からX方向に沿って側端縁31bに向かう部分である。
【0054】
図4に示すように、側部凹所35は、平面視において、扁平アンテナ2の第1直線部23Aと、第1折り返し部24Aの一部と、を包含する。第1直線部23Aは、第1直線部35b(
図5参照)に近接している。第1折り返し部24Aは、湾曲部35c(
図5参照)に近接している。側部凹所35は、扁平アンテナ2の所定の長さ範囲(第1直線部23Aと、第1折り返し部24Aの一部)の少なくとも一部を収容する。
【0055】
図3に示すように、側部凹所35はY方向に十分な距離があるため、側端縁31bには、Y方向(保持面31aに沿う方向)に延びるスリット状の側端開口36が形成される。扁平アンテナ2は、側端開口36を通して外装体3の外に延出している。
図5に示すように、本体部31の+Y方向の端縁31cには、X方向に位置を違えて2つの係止凹部39が形成されている。本体部31の-Y方向の端縁31dにも、X方向に位置を違えて2つの係止凹部39が形成されている。
【0056】
図3に示すように、蓋部32は、平面視において矩形状とされている。蓋部32は、本体部31と同形とされ、本体部31の保持面31aに対向して設置されている。蓋部32は、平面視において、本体部31の保持面31aに重なるように設置されている。
【0057】
図7に示すように、蓋部32の対向面32aは、本体部31の保持面31aに対向する面である。対向面32aには、位置決め溝38が形成されている。位置決め溝38は、環状の溝である。位置決め溝38の長さ方向に直交する断面の形状は、例えば矩形状である。
【0058】
位置決め溝38は、基板保持凸部33およびアンテナ保持溝34に応じた湾曲形状(例えば、楕円形状)とされている。位置決め溝38は、平面視において、基板保持凸部33およびアンテナ保持溝34を一括して包含する幅を有する。位置決め溝38の天面38aの一部は、アンテナ保持溝34の底面34aに対向する。
【0059】
図3に示すように、蓋部32の+Y方向の端縁32cには、X方向に位置を違えて2つの係止凸部40が形成されている。蓋部32の-Y方向の端縁32dにも、X方向に位置を違えて2つの係止凸部40が形成されている。
【0060】
係止凸部40は、先端に係止爪部(図示略)が形成されている。係止凸部40は、本体部31の係止凹部39に挿入される。係止凸部40の係止爪部は、本体部31に係止する。これにより、蓋部32は、本体部31に着脱自在に結合される。
【0061】
外装体3は、扁平アンテナ2に対して固定されていない。すなわち、外装体3は、扁平アンテナ2に対して非固定である。
【0062】
通信装置10は、例えば、ゴム、樹脂などで構成される成形品に設置することができる。例えば、通信装置10は、成形品に埋設することができる。成形品は、例えば、弾性体であり、弾性変形可能である。成形品に伸び、曲げなどの変形が生じた場合、扁平アンテナ2に、外力が作用する可能性がある。例えば、延出部22に、X方向に沿って外装体3から離れる方向の引張力が作用することが考えられる。延出部22には、X方向に沿って外装体3に近づく方向の力が作用することも考えられる。本実施形態のように、通信装置10をタイヤ本体60に設置する際には、通信装置10を、ゴム製のシートから成る固定部材(ラミネーションゴム)に内包するようにして設けることができる。これにより、通信装置10の破損を確実に防止できるだけでなく、通信装置10を固定部材で内包した後に、通信装置10をタイヤに組み込むようにすれば、通信装置10を容易にかつ破損のおそれなくタイヤ50に組み込むことができる。
【0063】
[RFタグが奏する効果]
通信装置10では、扁平アンテナ2の電磁界結合部21が線径方向(電磁界結合部21の長さ方向に直交する方向)に変位可能な状態でアンテナ保持溝34に収容される(
図7参照)。電磁界結合部21が変位可能であるため、扁平アンテナ2に外力が作用した場合に、扁平アンテナ2における応力を緩和することができる。よって、扁平アンテナ2の破損を起こりにくくすることができる。これに対し、扁平アンテナが外装体に固定されている場合には、扁平アンテナに外力が作用すると、外装体から延出する扁平アンテナの基端部(根元部分)に応力が集中し、この箇所で破損が起こりやすくなる可能性がある。
【0064】
扁平アンテナ2の電磁界結合部21は、基板1のアンテナ12の外周縁12aに沿う形状を有するため、電磁界結合部21をアンテナ12に十分に電磁界結合させることができる。アンテナ保持溝34は、アンテナ12の外周縁12aに沿って形成されているため、扁平アンテナ2の電磁界結合部21を、アンテナ12に沿って配置することができる。よって、電磁界結合部21をアンテナ12に十分に電磁界結合させることができる。
【0065】
扁平アンテナ2の電磁界結合部21は、湾曲形状(例えば、半楕円形状)を有するため、扁平アンテナ2に外力が作用した場合でも、矩形状の場合に比べ、応力集中が生じにくい。よって、扁平アンテナ2の破損を起こりにくくすることができる。これに対し、電磁界結合部が矩形状である場合には、扁平アンテナに外力が作用すると、角部(屈曲部)に応力が集中し、この箇所で破損が起こりやすくなる可能性がある。
【0066】
アンテナ保持溝34は、基板1の外周縁13aに沿って形成されているため、扁平アンテナ2の電磁界結合部21を、アンテナ12に沿って配置することができる。よって、電磁界結合部21をアンテナ12に十分に電磁界結合させることができる。
【0067】
外装体3は、本体部31と、保持面31aに重ねられる蓋部32とを備える。基板保持凹部37およびアンテナ保持溝34は、保持面31aに形成されている。そのため、蓋部32によって、基板1および扁平アンテナ2が本体部31から脱落するのを阻止することができる。よって、基板1および扁平アンテナ2を外装体3に安定的に保持することができる。
【0068】
通信装置10では、外装体3の側端縁31bに、Y方向(保持面31aに沿う方向)に延びるスリット状の側端開口36が形成されている。そのため、扁平アンテナ2は外装体3に対してY方向に位置変動できる。したがって、扁平アンテナ2に外力が作用した場合に、変位により応力を緩和しやすくなる。よって、扁平アンテナ2の破損を起こりにくくすることができる。
【0069】
例えば、通信装置10では、基板1の外周縁13aおよびアンテナ12の外周縁12aは全周にわたって湾曲形状であるが、基板およびアンテナは、外周縁の一部が湾曲形状であってもよい。外装体3は、本体部31と蓋部32とを備えるが、外装体の構成は特に限定されない。例えば、外装体は、蓋部を備えていなくてもよい。外装体は板状に限らず、他の形状(ブロック状等)であってもよい。
【0070】
上記のように、通信装置10は、扁平アンテナ2を有する。
図1に示すように、通信装置10は、扁平アンテナ2の厚み方向A(本実施形態ではZ方向)と直交するアンテナ面内方向B(本実施形態ではXY平面の面内方向)がタイヤ本体60の外面に沿うように、配置されている。換言すれば、通信装置10は、扁平アンテナ2がタイヤ本体60の外面と厚み方向Aで対向するように、配置されている。
【0071】
より具体的に、本実施形態の通信装置10は、サイドウォール部52に埋設されている。そして、本実施形態の通信装置10は、扁平アンテナ2のアンテナ面内方向Bがタイヤ本体60のサイドウォール部52の外面に沿うように、配置されている。換言すれば、本実施形態の通信装置10は、扁平アンテナ2がタイヤ本体60のサイドウォール部52の外面と厚み方向Aで対向するように、配置されている。
【0072】
特に、本実施形態の通信装置10は、扁平アンテナ2のアンテナ面内方向Bがタイヤ径方向Eに沿うように、配置されている。換言すれば、本実施形態の通信装置10は、扁平アンテナ2の厚み方向Aがタイヤ幅方向Cに沿うように、配置されている。
【0073】
図8は、
図1に示すタイヤ50を、タイヤ幅方向Cの外側から見た側面図のうち、通信装置10近傍を拡大して示す図である。
図8では、通信装置10の位置を、破線により示している。
図8に示すように、通信装置10は、扁平アンテナ2がタイヤ周方向Fに延在するように、配置されている。つまり、本実施形態の通信装置10は、X方向がタイヤ周方向Fに沿うように、配置されている。
【0074】
また、
図1に示すように、本実施形態の通信装置10は、外装体3の保持面31aがタイヤ本体60の外面の側を向くように(
図1では左側を向くように)、配置されている。より具体的に、本実施形態の通信装置10は、外装体3の保持面31aがタイヤ本体60の外面と厚み方向Aで正対するように、配置されている。このように配置することで、通信装置10の、タイヤ本体60の外面側(
図1では左側)からのリーダーとの通信性を、向上させ易くなる。特に、本実施形態の通信装置10では、外装体3の本体部31の保持面31aに、扁平アンテナ2の電磁界結合部21を収容するアンテナ保持溝34(
図7等参照)が形成されている。そのため、扁平アンテナ2の通信性は、アンテナ保持溝34の底面34a側よりも、アンテナ保持溝34の開口側の方が良好である。すなわち、本実施形態の通信装置10において、扁平アンテナ2は、本体部31の保持面31aと反対側の面である背面31eからリーダーと通信する場合よりも、本体部31の保持面31a側からリーダーと通信する場合の方が、通信性を高めることができる。そのため、タイヤ50の外部からのリーダーとの通信性の観点では、通信装置10は、外装体3の保持面31aがタイヤ本体60の外面の側を向くように(
図1では左側を向くように)、配置されていることが好ましい。
【0075】
図9は、
図1に示す通信装置10の向きを変更した変形例を示す図である。
図9に示すように、扁平アンテナ2の耐久性の観点では、通信装置10は、外装体3の保持面31aの反対側の面である背面31eがタイヤ本体60の外面の側を向くように(
図9では左側を向くように)、配置されてよい。この一例として、通信装置10は、外装体3の保持面31aの反対側の面である背面31eがタイヤ本体60の外面と厚み方向Aで正対するように、配置されていてよい。特に、本実施形態の通信装置10では、外装体3の本体部31の保持面31aに、扁平アンテナ2の電磁界結合部21を収容するアンテナ保持溝34(
図7等参照)が形成されている。そのため、扁平アンテナ2のタイヤ50の外部からの耐久性は、アンテナ保持溝34の開口側よりも、アンテナ保持溝34の底面34a側の方が良好である。すなわち、本実施形態の通信装置10において、扁平アンテナ2は、本体部31の保持面31a側からの耐久性より、本体部31の保持面31aと反対側の面である背面31e側からの耐久性の方が高い。そのため、扁平アンテナ2のタイヤ50の外部からの耐久性の観点では、通信装置10は、外装体3の背面31eがタイヤ本体60の外面の側を向くように(
図9では左側を向くように)、配置されていることが好ましい。
【0076】
図1、
図8に示すように、本実施形態の通信装置10は、カーカス54の折り返し端54aに対してタイヤ径方向Eの一方側(本実施形態ではタイヤ径方向Eの外側であり、
図8では上側)で、タイヤ本体60のサイドウォール部52に埋設されている。そして、扁平アンテナ2としての扁平線状アンテナの先端部2aは、扁平線状アンテナのうちタイヤ径方向Eの他方側(本実施形態ではタイヤ径方向Eの内側であり、
図8では下側)の端となる位置に配置されていない。このようにすることで、扁平アンテナ2としての扁平線状アンテナの先端部2aと、カーカス54の折り返し端54aと、の位置を離間させることができる。これにより、剛性段差等により歪が集中し易い、扁平アンテナ2としての扁平線状アンテナの先端部2a、及び、カーカス54の折り返し端54a、の位置が近くなることを抑制し、タイヤ50の耐久性を向上できる。
【0077】
特に、
図8に示すように、扁平アンテナ2としての扁平線状アンテナの先端部2aは、扁平線状アンテナのうちタイヤ径方向Eの一方側(本実施形態ではタイヤ径方向Eの外側であり、
図8では上側)を向くように終端していることが好ましい。このようにすることで、扁平アンテナ2としての扁平線状アンテナの先端部2aと、カーカス54の折り返し端54aと、がタイヤ径方向Eに向かい合うように配置されない。これにより、扁平アンテナ2としての扁平線状アンテナの先端部2aと、カーカス54の折り返し端54aと、がタイヤ径方向Eに向かい合うように配置される構成と比較して、扁平アンテナ2としての扁平線状アンテナの先端部2a、及び、カーカス54の折り返し端54aの間で歪の集中を抑制できる。そのため、タイヤ50の耐久性を、より向上できる。
【0078】
更に、
図8に示すように、扁平アンテナ2としての扁平線状アンテナの先端部2aは、扁平線状アンテナのうちタイヤ径方向Eの一方側(本実施形態ではタイヤ径方向Eの外側であり、
図8では上側)の端となる位置に配置されていることが好ましい。このようにすることで、扁平アンテナ2としての扁平線状アンテナの先端部と、カーカス54の折り返し端54aと、の位置を、より離間させることができる。その結果、タイヤ50の耐久性を、より向上できる。
【0079】
以上のように、本実施形態のタイヤ50では、通信装置10が、タイヤ本体60のサイドウォール部52に埋設されているが、この構成に限られない。通信装置10は、タイヤ本体60の他の位置に埋設されていてもよい。更に、通信装置10は、タイヤ本体60のタイヤ内腔60aに面する内面に取り付けられていてもよい。以下、タイヤ50のタイヤ幅方向断面視で、通信装置10を配置可能な位置について、
図10を参照して例示説明する。
図10では、
図1、
図8、
図9に示す通信装置10の位置(
図10では白抜き四角で表示)に加えて、通信装置10を配置可能な位置の例示を黒色の四角により示している。
【0080】
上述したように、本実施形態の通信装置10はRFタグである。以下、通信装置10を単にRFタグと呼ぶ。RFタグは、上述したように、ICチップ11とアンテナ(本実施形態では基板1のアンテナ12及び扁平アンテナ2)とを備える。RFタグは、例えば、タイヤ本体60を構成する同種又は異種の複数の部材の間の位置に挟み込まれて配置されてよい。このようにすることで、タイヤ生産時にRFタグを取り付け易く、RFタグを備えるタイヤ50の生産性を向上させることができる。本例では、RFタグは、サイドウォール部52内で、スティフナー51b2と、スティフナー51b2に隣接するその他の部材としてのサイドゴム52aと、の間に挟み込まれて配置されているが、他の位置であってもよい。RFタグは、タイヤ本体60を構成するいずれかの部材内に埋設されていてもよい。このようにすることで、タイヤ本体60を構成する複数の部材の間の位置に挟み込まれて配置される場合と比較して、RFタグに加わる負荷を低減できる。これにより、RFタグの耐久性を向上させることができる。本例では、RFタグは、例えば、トレッドゴム53a、サイドゴム52a等のゴム部材内に埋設されてよい。RFタグは、タイヤ幅方向断面視でのタイヤ外面に沿う方向であるペリフェリ長さ方向において、剛性の異なる部材の境界となる位置に、配置されないことが好ましい。このようにすることで、RFタグは、剛性段差に基づき歪みが集中し易い位置に、配置されない。そのため、RFタグに加わる負荷を低減できる。これにより、RFタグの耐久性を向上させることができる。本例では、RFタグは、例えば、タイヤ幅方向断面視でカーカス54の折り返し端54aと、このカーカス54の折り返し端54aに隣接する部材と、の境界となる位置に配置されないことが好ましい。RFタグの数は特に限定されない。タイヤは、1個のみのRFタグを備えてもよく、2個以上のRFタグを備えてもよい。ここでは、通信装置の一例として、RFタグを例示説明しているが、RFタグとは異なる通信装置であってもよい。
【0081】
RFタグは、例えば、タイヤ本体60のトレッド部53に配置されてよい。このようにすることで、RFタグは、タイヤ50のサイドカットにより損傷しない。RFタグは、例えば、タイヤ本体60のトレッド部53のタイヤ内面に配置されてもよい(
図10の符号「P3」参照)。RFタグは、例えば、タイヤ幅方向Cにおいて、トレッド中央部に配置されてよい(
図10の符号「P1」~「P6」参照)。トレッド中央部は、トレッド部53において撓みが集中し難い位置である。このようにすることで、RFタグに加わる負荷を低減できる。これにより、RFタグの耐久性を向上させることができる。また、タイヤ幅方向Cでのタイヤ50の両外側からのRFタグとの通信性に差が生じることを抑制できる。本例では、RFタグは、例えば、タイヤ幅方向Cにおいて、タイヤ赤道面CLを中心としてトレッド幅の1/2の範囲内に配置されてよい。RFタグは、例えば、タイヤ幅方向Cにおいて、トレッド端部に配置されてもよい(
図10の符号「P7」、「P8」参照)。RFタグと通信するリーダーの位置が予め決まっている場合には、RFタグは、例えば、このリーダーに近い一方側のトレッド端部に配置されてよい。本例では、RFタグは、例えば、タイヤ幅方向Cにおいて、トレッド端を外端とする、トレッド幅の1/4の範囲内に配置されてよい。
【0082】
RFタグは、例えば、ビード部間に跨る、1枚以上のカーカスプライを含むカーカス54より、タイヤ内腔60a側に配置されてよい。このようにすることで、タイヤ50の外部から加わる衝撃や、サイドカットや釘刺さりなどの損傷に対して、RFタグが損傷し難くなる。一例として、RFタグは、カーカス54のタイヤ内腔60a側の面に密着して配置されてよい(
図10の符号「P5」参照)。別の一例として、カーカス54よりタイヤ内腔60a側に別の部材がある場合に、RFタグは、例えば、カーカス54と、このカーカス54よりタイヤ内腔60a側に位置する別の部材と、の間に配置されてもよい(
図10の符号「P5」参照)。カーカス54よりタイヤ内腔60a側に位置する別の部材としては、例えば、タイヤ内面を形成するインナーライナー56が挙げられる。別の一例として、RFタグは、タイヤ内腔60aに面する内面(以下、「タイヤ内面」と記載する場合がある。)に取り付けられていてもよい(
図10の符号「P3」、「P12」、「P18」参照)。RFタグが、タイヤ内面に取り付けられる構成とすることで、RFタグのタイヤ本体60への取り付け、及び、RFタグの点検・交換が行い易い。つまり、RFタグの取り付け性及びメンテナンス性を向上させることができる。また、RFタグが、タイヤ内面に取り付けられることで、RFタグをタイヤ本体の内部に埋設する構成と比較して、RFタグがタイヤ故障の核となることを防ぐことができる。また、カーカス54が、複数枚のカーカスプライを備え、複数枚のカーカスプライが重ねられている位置がある場合に、RFタグは、重ねられているカーカスプライの間に配置されていてもよい。
【0083】
RFタグは、例えば、タイヤ本体60のトレッド部53で、1枚以上のベルトプライ55a~55dを含むベルト55より、タイヤ径方向Eの外側に配置されてよい(
図10の符号「P1」、「P2」参照)。一例として、RFタグは、ベルト55に対してタイヤ径方向Eの外側で、当該ベルト55に密着して配置されてよい(
図10の符号「P2」参照)。また、別の一例として、補強ベルト層を備える場合、当該補強ベルト層に対してタイヤ径方向Eの外側で、当該補強ベルト層に密着して配置されてよい。また、別の一例として、RFタグは、ベルト55よりタイヤ径方向Eの外側で、トレッドゴム53a内に埋設されていてもよい(
図10の符号「P1」参照)。RFタグが、タイヤ本体60のトレッド部53で、ベルト55よりタイヤ径方向Eの外側に配置されることで、タイヤ径方向Eでのタイヤ50の外側からのRFタグとの通信が、ベルト55により阻害され難い。そのため、タイヤ径方向Eでのタイヤ50の外側からのRFタグとの通信性を向上させることができる。
また、RFタグは、例えば、タイヤ本体60のトレッド部53で、ベルト55よりタイヤ径方向Eの内側に配置されていてもよい(
図10の符号「P3」、「P5」、「P6」参照)。このようにすることで、RFタグのタイヤ径方向Eの外側がベルト55に覆われるため、RFタグは、トレッド面からの衝撃や釘刺さりなどに対して損傷し難くなる。この一例として、RFタグは、タイヤ本体60のトレッド部53で、ベルト55と、当該ベルト55よりタイヤ径方向Eの内側に位置するカーカス54と、の間に配置されてよい(
図10の符号「P6」参照)。
また、ベルト55が、複数枚のベルトプライ55a~55dを備える場合に、RFタグは、タイヤ本体60のトレッド部53で、任意の2枚のベルトプライ55a~55dの間に配置されてよい(
図10の符号「P4」参照)。このようにすることで、RFタグのタイヤ径方向Eの外側が1枚以上のベルトプライ55a~55dに覆われるため、RFタグは、トレッド面からの衝撃や釘刺さりなどに対して損傷し難くなる。
【0084】
RFタグは、例えば、クッションゴム53bと、トレッドゴム53aとの間(
図10の符号「P7」参照)や、クッションゴム53bと、サイドゴム52aと、の間(
図10の符号「P10」参照)に挟み込まれて配置されてよい。このようにすることで、RFタグへの衝撃を、クッションゴム53bにより緩和できる。そのため、RFタグの耐久性を向上させることができる。
また、RFタグは、例えば、クッションゴム53b内に埋設されていてもよい。更に、クッションゴム53bは、隣接する同種又は異種の複数のゴム部材から構成されてよい(
図10の符号「P8」参照)。かかる場合に、RFタグは、クッションゴム53bを構成する複数のゴム部材の間に挟み込まれて配置されてもよい。
【0085】
RFタグは、例えば、タイヤ本体60のビード部51又はサイドウォール部52の位置に配置されてよい。RFタグは、例えば、RFタグと通信可能なリーダーに対して近い一方側のサイドウォール部52又は一方側のビード部51に配置されてよい。このようにすることで、RFタグとリーダーとの通信性を高めることができる。一例として、RFタグは、カーカス54と、サイドゴム52aと、の間やトレッドゴム53aとサイドゴム52aと、の間に配置されてよい。
RFタグは、例えば、タイヤ径方向Eにおいて、タイヤ最大幅となる位置と、トレッド面の位置と、の間に配置されてよい(
図10の符号「P9」、「P10」、「P11」参照)。このようにすることで、RFタグがタイヤ最大幅となる位置よりタイヤ径方向Eの内側に配置される構成と比較して、タイヤ径方向Eでのタイヤ50の外側からのRFタグとの通信性を高めることができる。
RFタグは、例えば、タイヤ最大幅となる位置よりタイヤ径方向Eの内側に配置されていてもよい(
図10の符号「P12」~「P23」参照)。このようにすることで、RFタグは、剛性の高いビード部51近傍に配置される。そのため、RFタグに加わる負荷を低減できる。これにより、RFタグの耐久性を向上させることができる。一例として、RFタグは、ビードコア51aとタイヤ径方向E又はタイヤ幅方向Cで隣接する位置に配置されてよい(
図10の符号「P22」参照)。ビードコア51a近傍は歪みが集中し難い。そのため、RFタグに加わる負荷を低減できる。これにより、RFタグの耐久性を向上させることができる。
特に、RFタグは、タイヤ最大幅となる位置よりタイヤ径方向Eの内側であって、かつ、ビード部51のビードコア51aよりタイヤ径方向Eの外側の位置に配置されることが好ましい(
図10の符号「P12」~「P20」参照)。このようにすることで、RFタグの耐久性を向上させることができるとともに、RFタグとリーダーとの通信が、ビードコア51aにより阻害され難く、RFタグの通信性を高めることができる。
また、サイドゴム52aがタイヤ径方向Eに隣接する同種又は異種の複数のゴム部材から構成されている場合に、RFタグは、サイドゴム52aを構成する複数のゴム部材の間に挟み込まれて配置されていてもよい。
【0086】
RFタグは、スティフナー51bと、このスティフナー51bに隣接する部材と、の間に挟み込まれて配置されてよい(
図10の白抜き四角、符号「P14」、「P17」、「P22」参照)。このようにすることで、スティフナー51bを配置することにより歪みが集中し難くなった位置に、RFタグを配置することができる。そのため、RFタグに加わる負荷を低減できる。これにより、RFタグの耐久性を向上させることができる。RFタグは、例えば、スティフナー51bと、サイドゴム52aと、の間に挟み込まれて配置されてよい(
図10の白抜き四角参照)。
また、RFタグは、例えば、スティフナー51bと、カーカス54と、の間に挟み込まれて配置されていてもよい(
図10の符号「P17」参照)。カーカス54のうちスティフナー51bと共にRFタグを挟み込む部分は、スティフナー51bに対してタイヤ幅方向Cの外側に位置してもよく、タイヤ幅方向Cの内側に位置してもよい。カーカス54のうちスティフナー51bと共にRFタグを挟み込む部分が、スティフナー51bに対してタイヤ幅方向Cの外側に位置する場合には、タイヤ幅方向Cのタイヤ50の外側からの衝撃や損傷により、RFタグに加わる負荷を、より低減できる。これにより、RFタグの耐久性を、より向上させることができる。
スティフナー51bは、ゴムチェーファー51cと隣接して配置されている部分を備えてもよい。かかる場合に、RFタグは、スティフナー51bと、ゴムチェーファー51cと、の間に挟み込まれて配置されていてもよい。
スティフナー51bは、タイヤ幅方向Cの外側でハットゴム51fに隣接する部分を備えてもよい。かかる場合に、RFタグは、スティフナー51bと、ハットゴム51fと、の間に挟み込まれて配置されていてもよい(
図10の符号「P14」参照)。
スティフナー51bは、硬さの異なる複数のゴム部材から構成されてよい。かかる場合に、RFタグは、スティフナー51bを構成する複数のゴム部材(
図1では符号「51b1」、「51b2」)の間に挟み込まれて配置されていてもよい(
図10の符号「P19」参照)。
RFタグは、ハットゴム51fと、このハットゴム51fに隣接する部材と、の間に挟み込まれて配置されてよい(
図10の符号「P14」、「P15」参照)。RFタグは、例えば、ハットゴム51fと、カーカスプライと、の間に挟み込まれて配置されてよい。このようにすることで、RFタグへの衝撃を、ハットゴム51fにより緩和できる。そのため、RFタグの耐久性を向上させることができる。
【0087】
RFタグは、例えば、ゴムチェーファー51cと、サイドゴム52aと、の間に挟み込まれて配置されてよい(
図10の符号「P16」参照)。このようにすることで、ゴムチェーファー51cを配置することにより歪みが集中し難くなった位置に、RFタグを配置することができる。そのため、RFタグに加わる負荷を低減できる。これにより、RFタグの耐久性を向上させることができる。
RFタグは、例えば、ゴムチェーファー51cと、カーカス54と、の間に挟み込まれて配置されていてもよい。このようにすることで、リムから加わる衝撃や損傷により、RFタグに加わる負荷を低減できる。そのため、RFタグの耐久性を向上させることができる。
【0088】
RFタグは、ナイロンチェーファー51dと、このナイロンチェーファー51dのタイヤ幅方向Cの外側又は内側で隣接する別の部材と、の間に挟み込まれて配置されていてもよい(
図10の符号「P13」、「P15」、「P21」参照)。このようにすることで、タイヤ変形時に、RFタグの位置が変動し難くなる。そのため、タイヤ変形時にRFタグに加わる負荷を低減できる。これにより、RFタグの耐久性を向上させることができる。
ナイロンチェーファー51dは、例えば、タイヤ幅方向C外側で、ゴムチェーファー51cと隣接する部分を備えてもよい。かかる場合に、RFタグは、ナイロンチェーファー51dと、ゴムチェーファー51cと、の間に挟み込まれて配置されていてもよい(
図10の符号「P21」参照)。ナイロンチェーファー51dは、例えば、タイヤ幅方向C外側で、サイドゴム52aと隣接する部分を備えてもよい。かかる場合に、RFタグは、ナイロンチェーファー51dと、サイドゴム52aと、の間に挟み込まれて配置されていてもよい(
図10の符号「P13」参照)。
ナイロンチェーファー51dは、例えば、タイヤ幅方向C内側で、スティフナー51bと隣接する部分を備えてもよい。かかる場合に、RFタグは、ナイロンチェーファー51dと、スティフナー51bと、の間に挟み込まれて配置されていてもよい。また、ナイロンチェーファー51dは、例えば、タイヤ幅方向C内側で、ハットゴム51fと隣接する部分を備えてもよい。かかる場合に、RFタグは、ナイロンチェーファー51dと、ハットゴム51fと、の間に挟み込まれて配置されていてもよい(
図10の符号「P15」参照)。更に、ナイロンチェーファー51dは、例えば、タイヤ幅方向C内側で、カーカス54と隣接する部分を備えてもよい。かかる場合に、RFタグは、ナイロンチェーファー51dと、カーカス54と、の間に挟み込まれて配置されていてもよい。更に、ナイロンチェーファー51dは、例えば、タイヤ幅方向C内側で、ワイヤーチェーファー51eと隣接する部分を備えてもよい。かかる場合に、RFタグは、ナイロンチェーファー51dと、ワイヤーチェーファー51eと、の間に挟み込まれて配置されていてもよい。
このように、RFタグは、ナイロンチェーファー51dと、このナイロンチェーファー51dのタイヤ幅方向Cの外側又は内側で隣接する別の部材と、の間に挟み込まれて配置されていてよい。特に、RFタグのタイヤ幅方向C外側が、ナイロンチェーファー51dに覆われることで、タイヤ幅方向Cでのタイヤの外側からの衝撃や損傷により、RFタグに加わる負荷を、より低減できる。そのため、RFタグの耐久性を、より向上させることができる。
【0089】
RFタグは、ワイヤーチェーファー51eと、このワイヤーチェーファー51eのタイヤ幅方向Cの内側又は外側で隣接する別の部材と、の間に挟み込まれて配置されていてもよい(
図10の符号「P20」、「P23」参照)。このようにすることで、タイヤ変形時に、RFタグの位置が変動し難くなる。そのため、タイヤ変形時にRFタグに加わる負荷を低減できる。これにより、RFタグの耐久性を向上させることができる。ワイヤーチェーファー51eがタイヤ幅方向Cの内側又は外側で隣接する別の部材は、例えば、ゴムチェーファー51cなどのゴム部材であってよい(
図10の符号「P23」参照)。また、ワイヤーチェーファー51eがタイヤ幅方向Cの内側又は外側で隣接する別の部材は、例えば、カーカス54であってもよい(
図10の符号「P20」参照)。
【0090】
本発明に係る空気入りタイヤは、上述した実施形態及び変形例に示す具体的な構成に限られず、特許請求の範囲を逸脱しない限り、種々の変形、変更、組み合わせが可能である。
【0091】
[国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
持続可能な社会の実現に向けて、SDGsが提唱されている。本発明の一実施形態は「No.7_エネルギーをみんなに。そしてクリーンに」および「No.13_気候変動に具体的な対策を」などに貢献する技術となり得ると考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明は空気入りタイヤに関する。
【符号の説明】
【0093】
1:基板
2:扁平アンテナ
2a:扁平アンテナとしての扁平線状アンテナの先端部
3:外装体
10:通信装置
11:ICチップ
12:アンテナ
12a:外周縁
13:基材
13a:外周縁
21:電磁界結合部
21a:電磁界結合部の端部
22:延出部
22A:第1延出部
22B:第2延出部
23:直線部
23A:第1直線部
23B:第2直線部
23C:第3直線部
24:折り返し部
24A:第1折り返し部
24B:第2折り返し部
31:本体部
31a:保持面
31b:側端縁
31c:端縁
31d:端縁
31e:背面
32:蓋部
32a:対向面
32c:端縁
32d:端縁
33:基板保持凸部
34:アンテナ保持溝
34a:底面
35:側部凹所
35a:周縁
35b:第1直線部
35c:湾曲部
35d:第2直線部
36:側端開口
37:基板保持凹部
38:位置決め溝
38a:天面
39:係止凹部
40:係止凸部
50:タイヤ
51:ビード部
51a:ビードコア
51b、51b1、51b2:スティフナー
51c:ゴムチェーファー
51d:ナイロンチェーファー
51e:ワイヤーチェーファー
51f:ハットゴム
52:サイドウォール部
52a:サイドゴム
53:トレッド部
53a:トレッドゴム
53b:クッションゴム
54:カーカス
54a:折り返し端
55:ベルト
55a~55d:ベルトプライ
56:インナーライナー
60:タイヤ本体
60a:タイヤ内腔
A:扁平アンテナの厚み方向
B:扁平アンテナのアンテナ面内方向
C:タイヤ幅方向
CL:タイヤ赤道面
D1:電磁界結合部の外径
E:タイヤ径方向
F:タイヤ周方向
H1:アンテナ保持溝の底面から蓋部までの高さ
W1:アンテナ保持溝の幅
P1~P23:通信装置の位置