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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036246
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/027 20060101AFI20240308BHJP
   G03F 7/30 20060101ALI20240308BHJP
【FI】
H01L21/30 569C
G03F7/30 501
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022141077
(22)【出願日】2022-09-05
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100108523
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 雅博
(74)【代理人】
【識別番号】100125704
【弁理士】
【氏名又は名称】坂根 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100187931
【弁理士】
【氏名又は名称】澤村 英幸
(72)【発明者】
【氏名】甲盛 諄
【テーマコード(参考)】
2H196
5F146
【Fターム(参考)】
2H196AA30
2H196GA21
2H196GA26
5F146LA03
5F146LA04
5F146LA07
5F146LA12
5F146LA19
(57)【要約】
【課題】液漏れによる弊害を防止可能な基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板処理装置は、ノズル310、配管311,312、保護管391、ノズル駆動部400および漏液センサを含む。ノズル310は、処理対象の基板に処理液を吐出する。配管311,312は、ノズル310に接続される。保護管391は、配管311,312の外周を取り囲む。ノズル駆動部400は、ノズル310を移動させる。漏液センサは、配管311,312からの漏液を検出する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理対象の基板に処理液を吐出するノズルと、
前記ノズルに接続される配管と、
前記配管の外周を取り囲む保護管と、
前記ノズルを移動させるノズル駆動部と、
前記配管からの漏液を検出する漏液センサとを備える、基板処理装置。
【請求項2】
溝部を有し、前記保護管の下方に配置されるユニットベースをさらに備え、
前記溝部には、前記ユニットベースを上下に貫通する排液孔が形成され、
前記漏液センサは、前記排液孔を通過した前記配管からの漏液を検出する、請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記配管の一部は、前記ユニットベースの前記溝部内に収容される、請求項2記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記ユニットベースの下方に配置され、前記排液孔を通過した前記配管からの漏液を受けるバットをさらに備え、
前記漏液センサは、前記バットに設けられる、請求項2または3記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記バットはテーパ形状を有し、
前記漏液センサは、前記バットのテーパ部分における最も低い位置に設けられる、請求項4記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記保護管は、蛇腹形状を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記保護管の蛇腹の谷部を保持する保持部をさらに備える、請求項6記載の基板処理装置。
【請求項8】
複数の前記ノズルが取り付けられ、前記ノズル駆動部により移動されるノズルヘッドをさらに備え、
前記保護管は、複数の前記ノズルにそれぞれ接続される複数の前記配管の外周を取り囲む、請求項1~3のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に処理液を用いた処理を行う基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、液晶表示装置または有機EL(Electro Luminescence)表示装置等に用いられるFPD(Flat Panel Display)用基板、半導体基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板または太陽電池用基板等の各種基板に処理液を用いた所定の処理を行うために、基板処理装置が用いられる。このような基板処理装置として、現像液を用いて感光性膜の現像処理を行う現像装置がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、複数のノズルを有する現像処理装置が記載されている。複数のノズルは、移動機構によりレール上を移動自在に設けられたアームに保持される。現像処理を行わない期間には、複数のノズルはウェハの外方の待機位置で待機する。現像処理を行う期間には、複数のノズルは、ウェハの上方まで移動し、その後下降して、回転するウェハの表面に現像処理液を供給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-246292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ノズルには、処理液を供給するための配管が接続される。また、ノズルが移動可能である場合には、配管も移動可能に構成される。しかしながら、配管を移動可能に構成すると、配管の可動部分に伸縮、屈曲または捩じれ等の変形が繰り返し発生することにより、配管が破損しやすくなる。特に、特許文献1のように、複数のノズルが近接して配置される場合には、配管同士が擦れるため、配管がより破損しやすくなる。
【0006】
配管が破損すると、基板の処理を適切に行うことができない。また、配管の破損箇所から処理液が飛散すると、基板処理装置が汚染または損傷する。そのため、液漏れによる弊害を防止することが求められる。
【0007】
本発明の目的は、液漏れによる弊害を防止可能な基板処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一局面に従う基板処理装置は、処理対象の基板に処理液を吐出するノズルと、前記ノズルに接続される配管と、前記配管の外周を取り囲む保護管と、前記ノズルを移動させるノズル駆動部と、前記配管からの漏液を検出する漏液センサとを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、基板処理装置における液漏れによる弊害を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施の形態に係る現像装置の概略構成を説明するための模式的斜視図である。
図2図1の液処理ユニットの構成を説明するための一部分解斜視図である。
図3図2の液処理ユニットの一部の構成を説明するための模式的平面図である。
図4図2の液処理ユニットの一部の構成を説明するための模式的縦断面図である。
図5図2のノズルアームユニットの斜視図である。
図6】ノズルアームユニットを所定の鉛直面で切断した縦断面図である。
図7図2の区画板および筒部材の外観斜視図である。
図8図2の区画板および筒部材の平面図である。
図9】複数のノズルが待機位置と処理位置との間を移動する際のノズルアームユニットの動作を説明するための図である。
図10】複数のノズルが待機位置と処理位置との間を移動する際のノズルアームユニットの動作を説明するための図である。
図11】複数のノズルが待機位置と処理位置との間を移動する際のノズルアームユニットの動作を説明するための図である。
図12】複数のノズルが待機位置と処理位置との間を移動する際のノズルアームユニットの動作を説明するための図である。
図13】保護管の構成を説明するための模式的断面図である。
図14】ユニットベースの斜視図である。
図15図14のユニットベースの平面図である。
図16】現像装置の模式的断面である。
図17】液処理ユニットのカップが第2の状態にあるときの現像装置の模式的縦断面図である。
図18】基板の現像処理時における現像装置の模式的縦断面図である。
図19図1の現像装置の制御部の構成を示すブロック図である。
図20】現像装置による基板の現像処理時の基本動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態に係る基板処理装置について図面を参照しつつ説明する。以下の説明において、基板とは、液晶表示装置または有機EL(Electro Luminescence)表示装置等に用いられるFPD(Flat Panel Display)用基板、半導体基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板または太陽電池用基板等をいう。
【0012】
基板処理装置の一例として、現像装置を説明する。本実施の形態において現像処理の対象となる基板は、主面および裏面を有する。また、本実施の形態に係る現像装置においては、基板の主面が上方に向けられ、基板の裏面が下方に向けられた状態で、基板の裏面(下面)が保持され、基板の主面(上面)に現像処理が行われる。
【0013】
基板の主面の少なくとも中央部には露光処理後の感光性膜が形成されている。この感光性膜は、例えばネガ型の感光性ポリイミド膜である。露光されたネガ型の感光性ポリイミド膜を溶解する現像液として、シクロヘキサノンまたはシクロペンタノン等を含む有機溶剤が用いられる。また、リンス液として、イソプロピルアルコールまたはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)等を含む有機溶剤が用いられる。
【0014】
なお、本実施の形態において、「基板の現像処理」とは、基板の主面に形成された露光処理後の感光性膜に現像液を供給することにより、その感光性膜の一部を溶解することを意味する。
【0015】
1.現像装置の構成
図1は、本発明の一実施の形態に係る現像装置の概略構成を説明するための模式的斜視図である。図1に示すように、現像装置1は、基本的に筐体CA内に2つの液処理ユニットLPA,LPBが収容された構成を有する。図1では、2つの液処理ユニットLPA,LPBの概略形状が点線で示される。液処理ユニットLPA,LPBの構成の詳細については後述する。
【0016】
筐体CAは、水平面内で一方向に延びる略直方体の箱形状を有する。具体的には、筐体CAは、第1の側壁板1w、第2の側壁板2w、第3の側壁板3w、第4の側壁板4w、床板5wおよび天井板6wが図示しないフレームに取り付けられることにより形成される。以下の説明では、水平面内で筐体CAが延びる方向に平行な方向を適宜第1の方向D1と呼び、水平面内で第1の方向D1に直交する方向を適宜第2の方向D2と呼ぶ。2つの液処理ユニットLPA,LPBは、筐体CA内で第1の方向D1に並ぶように、後述するユニットベース上に配置されている。
【0017】
第1の側壁板1wおよび第2の側壁板2wは、矩形の板形状を有し、上下方向および第1の方向D1に平行でかつ互いに対向するように設けられている。第3の側壁板3wおよび第4の側壁板4wは、矩形の板形状を有し、上下方向および第2の方向D2に平行でかつ互いに対向するように設けられている。
【0018】
第2の側壁板2wには、筐体CAの内部と筐体CAの外部との間で基板を搬送するための2つの搬入搬出口phが形成されている。2つの搬入搬出口phは、第2の側壁板2wのうち第2の方向D2において液処理ユニットLPA,LPBに対向する2つの部分にそれぞれ形成されている。天井板6wには、第1の方向D1に並ぶように、2つの開口op1が形成されている。天井板6wにおける2つの開口op1の開口率は、筐体CAの上端全体が上方に開放されている状態と同じ程度に十分に大きく設定されている。
【0019】
天井板6wの2つの開口op1をそれぞれ塞ぐように、天井板6wの上方に2つのフィルタFLが設けられている。なお、2つのフィルタFLは、天井板6wの直下に設けられてもよい。図1では、2つのフィルタFLが太い一点鎖線で示される。2つのフィルタFLは、例えばULPA(Ultra Low Penetration Air)フィルタであり、筐体CAを構成する図示しないフレームまたは天井板6wに取り付けられている。筐体CAの天井板6w上には、2つのフィルタFLを取り囲むように空気ガイドAGが設けられている。図1では、空気ガイドAGが二点鎖線で示される。
【0020】
筐体CAの外部には、気体供給部10が設けられている。気体供給部10は、例えばエアコントロールユニットであり、現像装置1の電源がオンされている間、予め定められた条件を満たすように温度および湿度等の空気の状態を調整する。また、気体供給部10は、状態が調整された空気を給気ダクトDUを通して空気ガイドAGに供給する。この場合、空気ガイドAGは、気体供給部10から供給された空気を、2つのフィルタFLを通して天井板6wの2つの開口op1に導く。それにより、温度および湿度等が調整された清浄な空気が筐体CA内に供給され、筐体CAの内部空間SPの全体に下降気流が発生する。
【0021】
筐体CAの外部には、さらに2つの流体供給部11が設けられている。各流体供給部11は、現像液供給源、リンス液供給源、気体供給源および各種流体関連機器を含み、流体供給経路12を通して液処理ユニットLPA,LPBに現像液、リンス液および気体を供給する。図1では、流体供給経路12が一点鎖線で示される。なお、本実施の形態において、流体供給経路12は、1または複数の配管およびバルブ等により構成される。
【0022】
現像装置1は、さらに制御部90を有する。制御部90は、例えばCPU(中央演算処理装置)およびメモリ、またはマイクロコンピュータを含み、液処理ユニットLPA,LPBおよび2つの流体供給部11を制御する。制御部90の詳細は後述する。
【0023】
2.液処理ユニットの構成
(1)液処理ユニットの構成の概略
図1の2つの液処理ユニットLPA,LPBは、一部の構成要素が第1の方向D1に直交する面(鉛直面)を基準として互いに対称となるように設けられる点を除いて、基本的に同じ構成を有する。以下、2つの液処理ユニットLPA,LPBを代表して液処理ユニットLPAの構成を説明する。図2は、図1の液処理ユニットLPAの構成を説明するための一部分解斜視図である。図3は、図2の液処理ユニットLPAの一部の構成を説明するための模式的平面図である。図4は、図2の液処理ユニットLPAの一部の構成を説明するための模式的縦断面図である。図2図4では、処理対象の基板Wが点線で示される。
【0024】
図2に示すように、液処理ユニットLPAは、区画板100、筒部材200、ノズルアームユニット300、ノズル駆動部400および待機ポッド500を含む。また、液処理ユニットLPAは、カップ40、昇降駆動部49、収容器50、排気管61、排液管62、基板保持装置70および吸引装置78をさらに含む。図2では、複数の構成要素の構造の理解を容易にするために、液処理ユニットLPAの複数の構成要素のうち一部の構成要素と他の構成要素とが上下に分離された状態で示される。
【0025】
具体的には、図2においては、区画板100、筒部材200、ノズルアームユニット300、ノズル駆動部400および待機ポッド500を含む一部の構成要素と、カップ40、収容器50および基板保持装置70を含む他の構成要素とが上下に分離された状態で示される。図3および図4では、液処理ユニットLPAの一部の構成として、カップ40、収容器50および基板保持装置70の模式的平面図および模式的縦断面図がそれぞれ示される。
【0026】
(2)カップおよび収容器
図1の筐体CA内では、収容器50が後述するユニットベース上に固定される。図2に示すように、収容器50は、側壁部51および底部52を含む。側壁部51は、円環形状の水平断面を有し、一定の内径および一定の外径で上下方向に延びるように形成されている。底部52は、側壁部51の下端を閉塞するように形成されている。
【0027】
底部52には、3つの貫通孔が形成されている。3つの貫通孔のうち、2つの貫通孔は、基板保持装置70を挟んで対向する。これらの2つの貫通孔の形成部分には、排気管61がそれぞれ接続されている。各排気管61は、筐体CA内の雰囲気を、筐体CAの外部に設けられる図示しない排気装置に導く。収容器50において、各排気管61の端部(開口端)は底部52よりも上方に位置する。
【0028】
また、底部52における残りの1つの貫通孔の形成部分に排液管62がさらに接続されている。排液管62は、基板Wの現像処理時に、後述するようにカップ40から収容器50の底部に流れる液体(現像液およびリンス液)を筐体CAの外部に設けられる図示しない排液装置に導く。収容器50において、排液管62の端部(開口端)は各排気管61の端部よりも下方に位置する。
【0029】
収容器50内には、基板保持装置70の少なくとも下部が収容される。具体的には、基板保持装置70は、吸着保持部71、スピンモータ72およびモータカバー79(図4)を含む。図2および図3では、モータカバー79の図示が省略されている。図3に示すように、スピンモータ72は、平面視で収容器50の中央に位置するように底部52に固定されている。本例では、スピンモータ72の下部は底部52よりも下方に突出している。図4に示すように、スピンモータ72には、上方に向かって延びるように回転軸73が設けられている。回転軸73の上端に吸着保持部71が設けられている。吸着保持部71は、収容器50の上端よりも上方に突出している。
【0030】
図2に示すように、収容器50の外部には、吸引装置78が設けられている。吸着保持部71は、吸引装置78が動作することにより基板Wの裏面中央部を吸着可能に構成されている。吸着保持部71が基板Wの裏面中央部を吸着することにより、基板Wが収容器50の上方の位置で水平姿勢で保持される。また、基板Wが吸着保持部71により吸着保持された状態でスピンモータ72が動作することにより、基板Wが水平姿勢で回転する。
【0031】
図4に示すように、モータカバー79は、略椀形状を有し、開放された径大部分が下方を向くように収容器50に固定されている。モータカバー79の上端中央部には回転軸73を挿入可能な貫通孔が形成されている。モータカバー79は、そのモータカバー79の上端中央部の貫通孔に回転軸73が挿入された状態で、回転軸73を除くスピンモータ72の上端部分と水平面内でスピンモータ72を取り囲む一定幅の空間とを上方から覆っている。モータカバー79の外周端部と側壁部51の内周面との間には、一定幅の隙間が形成されている。
【0032】
ここで、上記の各排気管61の端部は、モータカバー79の下方に位置する。それにより、基板Wの現像処理時に、収容器50の上方から落下する液体(現像液およびリンス液)が各排気管61の内部に進入することが防止される。
【0033】
図2に示すように、収容器50内には、基板保持装置70の下部に加えて、カップ40の少なくとも下端が収容される。ここで、カップ40は、収容器50内で上下方向に移動可能に構成されている。また、カップ40は、筒状壁部41および液受け部42を含む。筒状壁部41および液受け部42の各々は、円環形状の水平断面を有し、少なくとも上下方向に延びるように設けられている。図3に示すように、カップ40は、平面視で基板保持装置70を取り囲むように構成されている。
【0034】
図4に示すように、液受け部42の外径および内径は、液受け部42の上端から下方に向かうにつれて漸次拡大されている。液受け部42の下端の外径(液受け部42の最大外径)は、収容器50の側壁部51の内径よりも小さい。そのため、液受け部42の外周端部と側壁部51の内周面との間には、一定幅の隙間が形成されている。筒状壁部41は、一定の内径および一定の外径で、液受け部42の上端から上方に向かって延びるように形成されている。
【0035】
図2に示すように、図1の筐体CA内で収容器50の近傍には昇降駆動部49が設けられる。昇降駆動部49は、モータまたはエアシリンダ等の駆動機構を含み、カップ40を支持するとともにカップ40を上下動させることにより、カップ40を第1の状態と第2の状態とに移行させる。カップ40の第1の状態および第2の状態については後述する。
【0036】
(3)ノズル駆動部および待機ポッド
図1の筐体CA内では、ノズル駆動部400が第1の方向D1において収容器50に隣り合うように設けられている。ノズル駆動部400は、回転軸401を有するモータとアクチュエータとを含む。アクチュエータは、エアシリンダ、液圧シリンダまたはモータ等を含み、回転軸401を有するモータが上下方向に移動可能となるように、当該モータをユニットベース上に支持する。回転軸401は、ノズル駆動部400の上端部に位置する。
【0037】
図1の筐体CA内では、ユニットベース上に待機ポッド500がさらに設けられている。ノズル駆動部400および待機ポッド500は、収容器50の側方の位置で間隔をおいて第2の方向D2に並ぶ。待機ポッド500は、第2の方向D2に一定長さ延びる箱形状を有する。待機ポッド500の上面には、後述する複数のノズル310の噴射部を収容するための複数の待機孔が形成されている。
【0038】
待機ポッド500には、複数のノズル310の待機時に、複数のノズル310から噴射された液体または落下した液体を筐体CAの外部に排出する排液管(図示せず)が接続されている。また、待機ポッド500には、当該待機ポッド500内部の雰囲気を筐体CAの外部に排出する排気管(図示せず)が接続されている。
【0039】
(4)ノズルアームユニット
回転軸401の上端部に、ノズルアームユニット300が取り付けられている。ノズルアームユニット300は、回転軸401の上端部に取り付けられた状態で、回転軸401とは異なる方向に直線状に延びる長手形状を有する。ノズルアームユニット300は、複数(本例では6個)のノズル310、支持体320およびカバー部材330から構成されるノズルヘッド300Hを含む。
【0040】
図5は、図2のノズルアームユニット300の斜視図である。図6は、ノズルアームユニット300を所定の鉛直面で切断した縦断面図である。図5では、ノズルアームユニット300の内部構造が理解しやすいように、カバー部材330が他の構成要素から分離された状態で示される。
【0041】
支持体320は、例えば所定形状に切り抜き加工またはレーザ加工された一枚の金属板を適宜折り曲げ加工することにより作製される。あるいは、所定形状に加工された複数の金属板をねじ止めまたは溶接等で接続することにより作製される。また、支持体320は、一方向に延びるように形成され、一端部321および他端部322を有する。また、支持体320は、一端部321の近傍から他端部322に向かって間隔をおいて並ぶように3つのノズル固定部323を有する。3つのノズル固定部323の各々には、2つのノズル310が取り付けられている。さらに、支持体320は、配管固定部324および2つのカバー取り付け部325を有する。配管固定部324は、他端部322の近傍に位置する。配管固定部324およびカバー取り付け部325については後述する。
【0042】
各ノズル固定部323に設けられる2つのノズル310のうち一方は、基板Wに現像液を供給するために用いられる。また、各ノズル固定部323に設けられる2つのノズル310のうち他方は、基板Wにリンス液を供給するために用いられる。また、本実施の形態に係る全てのノズル310の各々は、液体および気体の混合流体を噴射可能なソフトスプレー方式の二流体ノズルである。そのため、各ノズル310は、当該ノズル310内に液体および気体を導入するための2つの流体導入部310a,310bと、混合流体を噴射する噴射部310cとを有する。
【0043】
各ノズル310は、噴射部310cが下方に向く状態で支持体320に固定されている。この状態で、各ノズル310の上端部に、当該ノズル310内に液体を導入するための流体導入部310aが設けられている。また、各ノズル310の側部に、当該ノズル310内に気体を導入するための流体導入部310bが設けられている。
【0044】
各ノズル310の流体導入部310aには、当該ノズル310に液体(本例では、現像液またはリンス液)を供給するための配管311の一端が接続される。また、各ノズル310の流体導入部310bには、当該ノズル310に気体(本例では、窒素ガス)を供給するための配管312の一端が接続される。配管311,312は、柔軟性を有する樹脂材料で形成される。このような樹脂材料としては、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PVC(ポリ塩化ビニル)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)等がある。
【0045】
ノズル駆動部400の回転軸401の上端部に、支持体320の他端部322が取り付けられる。この状態で、支持体320の長手方向における略中央部には、水平かつ平坦な支持面SSが形成されている。複数の配管311,312の各々の一部は、支持面SS上で、当該配管が接続されたノズル310から配管固定部324に向かって延びるように設けられる。
【0046】
配管固定部324は、支持面SSの一部で構成される。配管固定部324においては、複数の配管311,312が束ねられる。この状態で、配管固定部324を構成する支持面SS上に、逆U字形状を有する配管固定片329がねじ止めされる。これにより、複数の配管311,312が支持体320の他端部322近傍で固定される。複数の配管311,312のうち配管固定部324から支持体320の外方に延びる部分は、束ねられた状態で保護管391の内部に収容される。保護管391は、例えばゴムまたは樹脂で形成され、柔軟性を有する。
【0047】
カバー部材330は、下方が開放された箱形状を有する。具体的には、本例のカバー部材330は、上面部331、一方端面部332、他方端面部333、一方側面部334および他方側面部335から構成される。上面部331は、平面視で後述する区画板100のノズル開口よりも大きい長方形状を有する。一方端面部332、他方端面部333、一方側面部334および他方側面部335は、上面部331の外縁の4辺からそれぞれ下方に延びている。一方端面部332および他方端面部333は互いに対向し、一方側面部334および他方側面部335は互いに対向している。他方端面部333には、切り欠き333Nが形成されている。
【0048】
上記のように、支持体320は、2つのカバー取り付け部325を有する。2つのカバー取り付け部325は、支持体320の上端に位置する。各カバー取り付け部325には、ねじ孔が形成されている。カバー部材330の上面部331においては、支持体320の2つのカバー取り付け部325に対応する2つの部分に貫通孔331hが形成されている。
【0049】
支持体320に複数のノズル310が取り付けられかつ複数のノズル310に複数の配管311,312が接続されかつ複数の配管311,312が固定された状態で、支持体320にカバー部材330が取り付けられる。具体的には、カバー部材330の2つの貫通孔331hが支持体320の2つのカバー取り付け部325上に位置決めされ、カバー部材330が支持体320にねじ止めされる。
【0050】
それにより、支持体320のうち一端部321から他端部322の近傍までの部分が、カバー部材330により上方および側方から覆われる。一方、支持体320の残りの部分は、カバー部材330の他方端面部333に形成された切り欠き333Nを通して引き出される。このようにして、支持体320の一部がカバー部材330内に収容される。また、支持体320により支持される複数のノズル310の一部がカバー部材330内に収容される。さらに、支持体320により支持される複数の配管311,312の一部がカバー部材330内に収容される。図5では、支持体320に取り付けられた場合のカバー部材330の状態が二点鎖線で示される。
【0051】
ここで、支持体320において、配管固定部324は、支持体320の他端部322とカバー部材330の他方端面部333との間に位置する。配管固定片329は、カバー部材330から引き出される複数の配管311,312が他方端面部333の切り欠き333Nの内縁に接触しないように、複数の配管311,312を束ね、配管固定部324に固定する。図6に示すように、支持体320にカバー部材330が取り付けられた状態で、流体導入部310aを除く各ノズル310の大部分は、カバー部材330の下方に突出している。
【0052】
(5)区画板および筒部材
図7は、図2の区画板100および筒部材200の外観斜視図である。図8は、図2の区画板100および筒部材200の平面図である。図7および図8に示すように、筒部材200は、円筒形状を有し、図示しないブラケットを介して筐体CA(図1)の一部に固定されている。筒部材200の内径は、カップ40の筒状壁部41(図3)の外径よりも大きい。また、筒部材200は、平面視で筒部材200の中心軸がカップ40の中心軸に略一致するように位置決めされている。それにより、例えばカップ40が上昇する場合には、カップ40と筒部材200との接触を防止しつつカップ40の上端部を筒部材200内に挿入することができる。
【0053】
区画板100は、略円板形状を有し、筒部材200の上端部近傍でかつ筒部材200の内周面全体に接するように、筒部材200に取り付けられている。区画板100の略中央部には、第1の方向D1に延びる長方形のノズル開口110が形成されている。ノズル開口110は、基板Wの現像処理時に、基板保持装置70により保持される基板Wの中央部分に対向する。図7に示すように、区画板100におけるノズル開口110の形成部分には、ノズル開口110の内縁から上方に一定長さ(例えば5mm~10mm程度)延びる壁部111が形成されている。
【0054】
また、図8に示すように、区画板100には、複数の貫通孔Hがノズル開口110を除く区画板100の全体に渡って分散するように形成されている。区画板100に形成される複数の貫通孔Hの数および大きさは、後述する処理空間と非処理空間との間の圧力の関係を考慮して定められる。
【0055】
複数の貫通孔Hの配置に関して、具体的には、図8に点線で示すように、平面視で区画板中心100Cを基準として所定ピッチの同心円(複数の仮想円vc1)を定義する。この場合、複数の貫通孔Hは、各仮想円vc1上で等間隔で並ぶように分散して形成されている。また、複数の仮想円vc1のうち最も大きい仮想円vc1上に形成される貫通孔Hの数は、他の仮想円vc1上に形成される貫通孔Hの数よりも大きい。また、本例では、複数の仮想円vc1のうち最も大きい仮想円vc1のみが、ノズル開口110の全体を取り囲む。そのため、最も大きい仮想円vc1には、その仮想円vc1の全体に渡って一定の間隔をおいて並ぶように複数の貫通孔Hが形成されている。
【0056】
さらに、図8に太い二点鎖線で示すように、区画板中心100Cを中心として区画板100の半径の1/2の半径を有する仮想円vc2を定義する。ここで、仮想円vc2の内側の領域を中央領域A1とし、仮想円vc2の外側の領域を外周領域A2とした場合に、外周領域A2に形成される貫通孔Hの数は、中央領域A1に形成される貫通孔Hの数よりも大きい。
【0057】
(6)ノズルアームユニットの動作
上記のように、ノズルアームユニット300は、ノズル駆動部400の回転軸401に取り付けられている。したがって、ノズル駆動部400のモータが上下方向に移動すると、ノズルアームユニット300は上下方向に移動する。また、ノズル駆動部400のモータが動作すると、ノズルアームユニット300は回転軸401を中心として水平面内で回転する。これにより、ノズルアームユニット300の複数のノズル310は、基板Wに対する現像処理が行われない間、基板保持装置70により保持される基板Wの側方の待機位置P1で保持される。また、複数のノズル310は、基板Wに対する現像処理が行われる間、基板保持装置70により保持される基板Wの上方の処理位置P2で保持される。図2に、待機位置P1および処理位置P2がそれぞれ白抜きの矢印で示される。
【0058】
図9図12は、複数のノズル310が待機位置P1と処理位置P2との間を移動する際のノズルアームユニット300の動作を説明するための図である。図9図12では、複数のノズル310が待機位置P1から処理位置P2に移動する際のノズルアームユニット300およびその周辺部材の状態が、時系列順に外観斜視図で示される。なお、図9図12に記載された区画板100においては、図2の例と同様に、複数の貫通孔Hの図示が省略されている。
【0059】
まず、図9に示すように、複数のノズル310が待機位置P1にある状態で、ノズルアームユニット300は、区画板100および筒部材200の側方に位置し、第2の方向D2に平行に延びる状態で保持される。このとき、ノズルアームユニット300は、複数のノズル310の噴射部310c(図6)が、待機ポッド500の複数の待機孔510(図10)内に収容されるように位置決めされる。
【0060】
図9の状態でノズル駆動部400が動作を開始すると、図10に太い実線の矢印で示すように、ノズルアームユニット300が回転軸401とともに、筒部材200よりも上方の高さ位置まで上昇する。それにより、複数のノズル310の噴射部310c(図6)が、待機ポッド500の複数の待機孔510から引き出される。
【0061】
次に、ノズル駆動部400の回転軸401が所定角度(本例では90°)回転する。それにより、図11に太い実線の矢印で示すように、ノズルアームユニット300が回転軸401を中心として回転する。それにより、ノズルアームユニット300は、第1の方向D1に平行に延びる状態で保持される。このとき、ノズルアームユニット300は、平面視でカバー部材330が区画板100のノズル開口110に重なるように位置決めされる。
【0062】
次に、ノズル駆動部400の回転軸401が下降する。それにより、図12に太い実線の矢印で示すように、カバー部材330が下降する。このとき、ノズルアームユニット300の高さ位置は、カバー部材330が区画板100に接触しないようにかつ十分に近づくように調整される。それにより、ノズル開口110における気体の流通が低減される。このようにして、区画板100のノズル開口110がカバー部材330により覆われた状態で、複数のノズル310が処理位置P2に保持される。
【0063】
(7)保護管
ノズルアームユニット300から外方に延びる複数の配管311,312の部分は、ノズルアームユニット300の移動または回転に応じて、伸縮、屈曲または捩じれ等の変形が可能な可動部となる。複数の配管311,312の可動部は、保護管391により覆われている。図9図12に示すように、図1の筐体CA内には、当該筐体CAの一部(例えばユニットベース)に保護管391の一部を保持するための保持部392が設けられている。保持部392は、ノズルアームユニット300から延びる保護管391の一部を筐体CAに固定する。
【0064】
図13は、保護管391の構成を説明するための模式的断面図である。図13に示すように、保護管391は蛇腹形状を有する。保持部392は、例えばクランプであり、保護管391の外周面における蛇腹の谷部を保持する。この場合、保護管391の柔軟性を維持しつつ保護管391を保持することができる。
【0065】
本例では、図6のノズルアームユニット300は6つのノズル310を有し、各ノズル310には2つの配管311,312が接続される。したがって、本例では、保護管391内には、12の配管311,312が挿通される。保護管391の内部において、保護管391の内周面と、配管311,312との間には隙間が設けられる。この場合、各配管311,312は、容易に変形することができる。
【0066】
上記の構成によれば、ノズルアームユニット300と保持部392との間に位置する複数の配管311,312は、保護管391により変形可能に束ねられる。したがって、図1の筐体CA内部における複数の配管311,312の取り扱い性が向上する。また、保護管391が柔軟性を有するので、ノズルアームユニット300の移動および回転の自由度が保護管391により制限されることがない。保護管391により束ねられた複数の配管311,312は、保持部392の近傍で保護管391から引き出され、図1の流体供給部11の流体供給経路12に接続される。
【0067】
ここで、配管311,312の可動部は、繰り返し発生する変形または擦れにより破損することがある。しかしながら、いずれかの配管311の破損個所から液漏れが発生した場合でも、配管311は保護管391により覆われているので、漏液は、保護管391の内周面により受け止められ、重力により下方に導かれる。これにより、漏液が飛散することが防止される。下方に導かれた漏液は、保護管391の下端部から排出され、漏液センサにより検出される。詳細は後述する。
【0068】
本例では、保護管391はポリアミドにより形成される。この場合、保護管391は高い耐薬性を有する。これにより、保護管391に現像液またはリンス液等の液体が付着した場合でも、保護管391が腐食することが防止される。保護管391は、耐薬性を有する限り、他のゴムまたは樹脂により形成されてもよい。
【0069】
(8)ユニットベース
図14は、ユニットベースの斜視図である。図15は、図14のユニットベースの平面図である。図14および図15に示すように、ユニットベース600は、略長方形状を有するベースプレート610を含む。ベースプレート610の略中央部には、第1の方向D1に並ぶように2つのユニット配置領域620が設けられる。2つのユニット配置領域620には、図1の液処理ユニットLPA,LPBがそれぞれ配置される。
【0070】
なお、上記のように、各液処理ユニットLPA,LPBにおいては、スピンモータ72の下部は収容器50の底部52よりも下方に突出している(図4)。そのため、各ユニット配置領域620には、円形状の開口621が形成されている。各液処理ユニットLPA,LPBが対応するユニット配置領域620に配置されたときには、スピンモータ72の下部が開口621内に収容される。これにより、スピンモータ72とベースプレート610とが干渉することが防止される。
【0071】
各ユニット配置領域620には、図4の排気管61に接続される排気ダクトが設けられる。この排気ダクトを通して、排気管61からの排気が図示しない排気装置に導かれる。また、各ユニット配置領域620には、図4の排液管62に接続される管路が設けられる。この管路を通して、排液管62からの排液が図示しない排液装置に導かれる。
【0072】
ベースプレート610の1つの角部近傍には、液処理ユニットLPAに対応する保持部392が設けられる。ベースプレート610の他の1つの角部近傍には、液処理ユニットLPBに対応する保持部392が設けられる。図14および図15では、液処理ユニットLPBに対応する保持部392のみが図示され、液処理ユニットLPAに対応する保持部392の図示が省略されている。また、一方の保持部392により保持される保護管391のみが図示されており、当該保護管391により束ねられる複数の配管311,312(図13)の図示が省略されている。
【0073】
ベースプレート610上における2つのユニット配置領域620の周囲および2つのユニット配置領域620の間には、溝部630が形成されている。各保持部392に保持される保護管391の下端部は、溝部630内に収容される。また、保護管391により束ねられた複数の配管311,312の下流部分は、図6の複数のノズル310に接続される。複数の配管311,312の上流部分は、保護管391から引き出され、溝部630内に収容された状態で、図1の流体供給部11の流体供給経路12に接続される。
【0074】
溝部630には、ベースプレート610を上下に貫通する複数(本例では6つ)の排液孔631~636が形成される。排液孔631と排液孔634とは、一方のユニット配置領域620を挟んで第2の方向D2に並ぶように配置される。排液孔633と排液孔636とは、他方のユニット配置領域620を挟んで第2の方向D2に並ぶように配置される。排液孔632は、第1の方向D1における排液孔631と排液孔633との略中間位置に配置される。排液孔635は、第1の方向D1における排液孔634と排液孔636との略中間位置に配置される。
【0075】
上記の構成によれば、保護管391に覆われた配管311の可動部が破損することにより液漏れが発生した場合でも、漏液は保護管391から排出され、溝部630内に導かれる。また、溝部630内に導かれた漏液は、排液孔631~636のいずれかを通って落下する。ここで、排液孔631~636から落下した漏液は、後述するバットにより受け止められる。
【0076】
(9)バット
図16は、現像装置1の模式的断面である。図16に示すように、筐体CA内において、ユニットベース600の下方にはバット700が配置される。バット700は、上方が開放された箱形状を有する。具体的には、バット700は、下面部710、一方端面部720、他方端面部730、一方側面部740および他方側面部750から構成される。
【0077】
下面部710は、平面視でユニットベース600のベースプレート610(図16)と同程度の大きさの長方形状を有する。一方端面部720、他方端面部730、一方側面部740および他方側面部750は、下面部710の外縁の4辺からそれぞれ上方に延びている。一方端面部720および他方端面部730は互いに対向し、一方側面部740および他方側面部750は互いに対向している。
【0078】
下面部710の上面は、テーパ状に形成される。これにより、下面部710の上面には、最も低い部分が設けられる。下面部710の上面における最も低い部分には、貫通孔711が形成される。貫通孔711は、排液装置に接続される。また、貫通孔711の近傍には、漏液センサ760が配置される。
【0079】
本例では、下面部710の上面において、中央部から外方に向かうにつれて上面の高さが漸次増加する。したがって、下面部710の上面において、中央部が最も低い部分となり、下面部710の中央部に漏液センサ760が配置される。しかしながら、実施の形態はこれに限定されない。下面部710の上面における最も低い部分は、中央部とは異なる位置に設けられてもよい。
【0080】
上記の構成によれば、図15のユニットベース600の排液孔631~636から落下した漏液は、バット700の下面部710により受け止められる。受け止められた漏液は、下面部710の傾斜した上面に沿って最も低い部分に導かれ、貫通孔711から排液装置に排出される。また、下面部710により受け止められた漏液は、貫通孔711の近傍で漏液センサ760に接触することにより、液漏れが発生したことが検知される。これにより、現像装置1を停止させる等の適切な措置を行うことが可能になる。
【0081】
(10)カップの動作
現像装置1においては、液処理ユニットLPA,LPBに対する基板Wの搬入搬出時に、カップ40が第1の状態で維持される。一方、基板保持装置70により保持される基板Wの現像処理時に、カップ40が第2の状態で維持される。カップ40の第1の状態および第2の状態について説明する。
【0082】
図17は、液処理ユニットLPA,LPBのカップ40が第2の状態にあるときの現像装置1の模式的縦断面図である。なお、図16は、液処理ユニットLPA,LPBのカップ40が第1の状態にあるときの現像装置1の模式的縦断面図である。図16および図17では、待機位置P1にあるノズルアームユニット300が点線で示される。また、図16および図17では、液処理ユニットLPA,LPBの複数の構成要素のうちの一部の構成要素の図示が省略されている。
【0083】
図16に示すように、カップ40は、第1の状態にあるときに、収容器50の内部に位置する。すなわち、カップ40は、第1の状態にあるときに、側面視で収容器50に重なり、筒部材200から離間する。したがって、カップ40が第1の状態にあるときには、カップ40および収容器50の側方から基板保持装置70に対するアクセスが可能になる。それにより、現像装置1の外部から搬入される基板Wを液処理ユニットLPA,LPBの吸着保持部71上に載置することができる。また、液処理ユニットLPA,LPBの吸着保持部71上に載置された基板Wを取り出し、現像装置1の外部に搬出することができる。
【0084】
カップ40の高さ(上下方向の寸法)は、上下方向における筒部材200と収容器50との間の距離よりも大きくなるように設定されている。図17に示すように、カップ40は、第2の状態にあるときに、側面視で筒部材200の下端部および収容器50の上端部に重なる。このとき、カップ40の上端部と筒部材200の下端部近傍の内周面とが近接する。また、カップ40の下端部と収容器50の上端部近傍の内周面とが近接する。
【0085】
(11)処理空間および非処理空間
基板Wの現像処理時には、カップ40が第2の状態に保持されるとともに、ノズルアームユニット300の複数のノズル310が処理位置P2に配置される。図18は、基板Wの現像処理時における現像装置1の模式的縦断面図である。図18に示すように、基板Wの現像処理時には、液処理ユニットLPA,LPBの各々において、複数のノズル310が処理位置P2(図12)に配置され、カバー部材330が区画板100のノズル開口110を覆う。それにより、筐体CAの内部空間SPが、液処理ユニットLPA,LPBの区画板100、筒部材200、カバー部材330、カップ40および収容器50により、処理空間SPaと非処理空間SPbとに区画される。処理空間SPaは基板保持装置70により保持される基板Wを含む空間であり、非処理空間SPbは処理空間SPaを取り囲む空間である。
【0086】
非処理空間SPbには、図18に白抜きの矢印で示すように、上方から清浄な空気が継続して供給される。また、非処理空間SPbに供給される清浄な空気の一部は、区画板100の複数の貫通孔H(図8)を通して処理空間SPaに供給される。これにより、筐体CA内では、2つの処理空間SPaおよび非処理空間SPbにそれぞれ清浄な下降気流が形成される。
【0087】
各処理空間SPaを形成するカップ40の液受け部42の内周面は、基板保持装置70により保持される基板Wを水平面内で取り囲む。それにより、基板Wの現像処理時に複数のノズル310から基板Wに供給される現像液およびリンス液の大部分は、液受け部42の内周面により受け止められて、収容器50へ導かれる。一方、液受け部42により受け止められず、基板Wの周りに飛散する現像液またはリンス液の飛沫は、処理空間SPa内に形成される下降気流により収容器50へ導かれる。
【0088】
処理空間SPa内で基板保持装置70により基板Wが回転する際には、基板Wの周縁部近傍でカップ40および筒部材200の内周面に沿って下方から上方に向かう気流(上昇気流)が生じる場合がある。この場合、現像液またはリンス液の飛沫を含む雰囲気が処理空間SPa内で上昇すると、それらの飛沫が区画板100の下面および筒部材200の内周面に付着する可能性がある。また、それらの飛沫が基板Wに再付着する可能性がある。
【0089】
そこで、図8を用いて説明したように、区画板100は、基板W上に同心円を定義した場合に、最も大きい仮想円vc1上に形成される貫通孔Hの数が他の仮想円vc1上に形成される貫通孔Hの数よりも大きくなるように作製される。さらに、区画板100は、ノズル開口110を取り囲む最も大きい仮想円vc1の全体に渡って一定間隔で複数の貫通孔Hが分散配置されるように作製される。あるいは、区画板100は、区画板100上に中央領域A1と外周領域A2とを定義した場合に、外周領域A2に形成される貫通孔Hの数が中央領域A1に形成される貫通孔Hの数よりも大きくなるように作製される。
【0090】
区画板100の上記の構成によれば、処理空間SPaにおいて、基板Wの中央部分に導かれる下降気流の量に対して、カップ40の内周面近傍に導かれる下降気流の量を大きくすることができる。特に、ノズル開口110を取り囲む最も大きい仮想円vc1の全体に渡って一定間隔で複数の貫通孔Hが分散配置される場合には、カップ40の内周面全周に渡って、その近傍に下降気流を形成することができる。それにより、基板Wの回転時に、カップ40の内周面近傍で上昇気流が発生することが抑制される。したがって、処理空間SPaにおいて、基板Wに供給された現像液またはリンス液が基板Wの外周端部近傍で上方に向かって飛散することが抑制される。その結果、区画板100の下面および筒部材200の内周面に、現像液またはリンス液の飛沫が付着することが抑制される。また、基板Wへの現像液またはリンス液の再付着が抑制される。
【0091】
3.現像装置の制御部の構成
図19は、図1の現像装置1の制御部90の構成を示すブロック図である。図19に示すように、制御部90は、第1の昇降制御部91、流体制御部92、第1の回転制御部93、吸引制御部94、第2の昇降制御部95、第2の回転制御部96および漏液判定部97を含む。図19の制御部90の各部の機能は、例えばCPUがメモリに記憶された所定のプログラムを実行することにより実現される。
【0092】
第1の昇降制御部91は、液処理ユニットLPA,LPBの昇降駆動部49の動作を制御する。それにより、各液処理ユニットLPA,LPBのカップ40が第1の状態と第2の状態とに移行する。流体制御部92は、図1の2つの流体供給部11の動作を制御する。それにより、各液処理ユニットLPA,LPB内で複数のノズル310のうち一部のノズル310から現像液と気体との混合流体が噴射され、他のノズル310からリンス液と気体との混合流体が噴射される。また、流体制御部92は、漏液判定部97から後述の漏液信号が与えられた場合には、流体の供給を停止するように流体供給部11の動作を制御する。
【0093】
第1の回転制御部93は、図1の液処理ユニットLPA,LPBのスピンモータ72の動作を制御する。また、吸引制御部94は、図1の液処理ユニットLPA,LPBの吸引装置78の動作を制御する。それにより、各基板保持装置70において基板Wが水平姿勢で吸着保持され、回転される。
【0094】
第2の昇降制御部95および第2の回転制御部96は、図1の液処理ユニットLPA,LPBのノズル駆動部400の動作を制御する。具体的には、第2の昇降制御部95は、各ノズル駆動部400のアクチュエータの動作を制御する。第2の回転制御部96は、各ノズル駆動部400の回転軸401を有するモータの動作を制御する。漏液判定部97は、漏液センサ760により漏液が検出されたか否かを判定する。漏液が検出されたと判定された場合には、漏液判定部97は、液漏れが検出されたことを示す漏液信号を流体制御部92に与える。
【0095】
4.現像装置の基本動作
現像装置1の基本動作について説明する。図20は、現像装置1による基板Wの現像処理時の基本動作を示すフローチャートである。初期状態においては、気体供給部10から現像装置1に温度および湿度等が調整された空気が供給されている。また、筐体CA内の雰囲気は、液処理ユニットLPA,LPBの排気管61から図示しない排気装置に導かれている。筐体CA内には清浄な下降気流が形成されている。さらに、初期状態においては、カップ40は、第1の状態で保持されているものとする。また、複数のノズル310は、待機位置P1に保持されているものとする。
【0096】
基板Wの現像処理の開始前には、まず、液処理ユニットLPA,LPBに処理対象となる基板Wが搬入される。また、図16に示すように、基板保持装置70の吸着保持部71上に基板Wが載置される。基板Wの現像処理が開始されると、図19の吸引制御部94は、基板保持装置70の吸着保持部71により基板Wが吸着されるように、液処理ユニットLPA,LPBの吸引装置78を制御する(ステップS11)。
【0097】
次に、図19の第1の昇降制御部91は、カップ40が第1の状態から第2の状態へ移行するように、液処理ユニットLPA,LPBの昇降駆動部49を制御する(ステップS12)。
【0098】
次に、図19の第2の昇降制御部95および第2の回転制御部96は、複数のノズル310が待機位置P1から処理位置P2に移動するように、液処理ユニットLPA,LPBのノズル駆動部400を制御する(ステップS13)。
【0099】
次に、図19の第1の回転制御部93は、基板Wが回転軸73の周りで回転するように、液処理ユニットLPA,LPBのスピンモータ72を制御する(ステップS14)。
【0100】
次に、図19の流体制御部92は、複数のノズル310のうち一部のノズル310から基板Wに予め定められた時間現像液が供給されるように、液処理ユニットLPA,LPBの流体供給部11を制御する(ステップS15)。また、図19の流体制御部92は、複数のノズル310のうち他のノズル310から基板Wに予め定められた時間リンス液が供給されるように、液処理ユニットLPA,LPBの流体供給部11を制御する(ステップS16)。
【0101】
ここで、複数の配管311に破損が発生している場合には、漏液センサ760により漏液が検出される。そこで、図19の漏液判定部97は、漏液センサ760により漏液が検出されたか否かを判定する(ステップS18)。ステップS18は、ステップS15,S16と並列的に同時に実行されてもよい。
【0102】
漏液が検出されない場合、図19の第1の回転制御部93は、リンス液の供給停止から一定時間経過するまで基板Wの回転を継続させることにより基板Wを乾燥させる。また、図19の第1の回転制御部93は、リンス液の供給停止から一定時間経過後に基板Wの回転が停止するように、液処理ユニットLPA,LPBのスピンモータ72を制御する(ステップS18)。
【0103】
次に、図19の第2の昇降制御部95および第2の回転制御部96は、複数のノズル310が処理位置P2から待機位置P1に移動するように、液処理ユニットLPA,LPBのノズル駆動部400を制御する(ステップS19)。
【0104】
次に、図19の第1の昇降制御部91は、カップ40が第2の状態から第1の状態へ移行するように、液処理ユニットLPA,LPBの昇降駆動部49を制御する(ステップS20)。
【0105】
最後に、図19の吸引制御部94は、基板保持装置70の吸着保持部71による基板Wの吸着が解除されるように、液処理ユニットLPA,LPBの吸引装置78を制御する(ステップS21)。それにより、基板Wの現像処理が終了する。現像処理後の基板Wは、液処理ユニットLPA,LPBから搬出される。
【0106】
一方、ステップS17で漏液が検出された場合、図19の漏液判定部97は流体制御部92に漏液信号を与える。これにより、流体制御部92は、現像液およびリンス液の供給を停止するように液処理ユニットLPA,LPBの流体供給部11を制御する(ステップS22)。その後、現像処理が終了される。
【0107】
なお、ステップS17で漏液が検出された場合、漏液判定部97は、漏液が発生したことを現像装置1の使用者に通知してもよい。漏液判定部97による通知の例として、現像装置1が表示装置を含む場合には、異常が発生したことを示す文字列が表示されてもよい。現像装置1が音声出力装置を含む場合には、同様の内容を示す音声が出力されてもよいし、ブザー等の警告音が出力されてもよい。現像装置1がランプ等の表示灯を含む場合には、警告の内容に対応する態様で表示灯が点灯、消灯または点滅されてもよい。
【0108】
また、上記の通知が行われる場合には、現像装置1の使用者は液漏れが発生したことを認識し、適切な対処を行うことが可能である。そのため、ステップS22は実行されなくてもよい。
【0109】
5.効果
本実施の形態に係る現像装置1においては、ノズル駆動部400によりノズルヘッド300Hが待機位置P1から処理位置P2に移動される。この状態で、複数の配管311,312を通して、ノズルヘッド300Hの複数のノズル310から基板Wに処理液および気体が吐出される。この場合、複数のノズル310により基板Wを短期間で処理することができる。
【0110】
ここで、ノズルヘッド300Hが移動することにより、配管311,312に変形が発生する。配管311,312に変形が繰り返し発生すると、配管311,312が破損し、液漏れが発生することがある。そこで、配管311,312の外周が保護管391により取り囲まれる。
【0111】
この構成によれば、いずれかの配管311,312が破損した場合でも、漏液は保護管391の内周面により受け止められる。これにより、漏液が飛散することが防止される。また、配管311,312からの漏液は漏液センサ760により検出されるので、適切な措置を行うことが可能になる。その結果、液漏れによる弊害を防止することができる。
【0112】
具体的には、溝部630を有するユニットベース600が保護管391の下方に配置される。溝部630には、ユニットベース600を上下に貫通する排液孔631が形成される。排液孔631を通過した配管311,312からの漏液が漏液センサ760により検出される。この場合、配管311,312からの漏液を簡単な構成で検出することができる。
【0113】
本例では、配管311,312の一部は、ユニットベース600の溝部630内に収容される。そのため、配管311,312からの漏液は、配管311,312を伝って溝部630内に導かれ、排液孔631を通過する。これにより、配管311,312からの漏液をより確実に検出することができる。
【0114】
また、ユニットベース600の下方には、バット700が配置される。ユニットベース600の排液孔631を通過した配管311,312からの漏液は、バット700により受け止められる。漏液センサ760は、バット700に設けられる。したがって、バット700において、配管311,312からの漏液を容易に検出することができる。特に、バット700はテーパ形状を有し、漏液センサ760は、バット700のテーパ部分における最も低い位置に設けられるので、配管311,312からの漏液をより確実に検出することができる。
【0115】
保護管391は、蛇腹形状を有する。この場合、保護管391は高い柔軟性を有するので、配管311,312の変形の自由度が保護管391により制限されることがない。これにより、ノズルヘッド300Hをより円滑に移動させることができる。また、保護管391の蛇腹の谷部が保持部392により保持される。この場合、保護管391の柔軟性を維持しつつ保護管391を容易に保持することができる。
【0116】
6.他の実施の形態
(1)上記実施の形態において、ノズルアームユニット300は複数のノズル310を含むが、実施の形態はこれに限定されない。ノズルアームユニット300は1つのノズル310を含んでもよい。この場合、当該1つのノズル310がノズル駆動部400により移動可能に構成されてもよい。また、ノズル310には配管311,312が接続されるが、実施の形態はこれに限定されない。ノズル310には配管311のみが接続されてもよい。すなわち、ノズルアームユニット300には、1つの配管311のみが設けられてもよい。
【0117】
(2)上記実施の形態において、保護管391は蛇腹形状を有するが、実施の形態に限定されない。保護管391は、柔軟性を有すればよく、蛇腹形状を有さなくてもよい。そのため、保持部392は、保護管391のいずれの部分を保持してもよい。
【0118】
(3)上記実施の形態において、バット700はテーパ形状を有し、漏液センサ760はバット700のテーパ部分における最も低い位置に設けられるが、実施の形態はこれに限定されない。漏液センサ760が漏液を検出可能である限り、バット700のテーパ部分における最も低い位置とは異なる位置に設けられてもよい。また、バット700はテーパ形状を有しなくてもよい。あるいは、現像装置1はバット700を含まなくてもよい。
【0119】
(4)上記実施の形態において、保護管391の下端部および配管311,312の上流部分はユニットベース600の溝部630内に収容されるが、実施の形態はこれに限定されない。漏液センサ760が漏液を検出可能である限り、保護管391の下端部および配管311,312の上流部分はユニットベース600の溝部630内に収容されなくてもよい。あるいは、現像装置1はユニットベース600を含まなくてもよい。
【0120】
7.請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることができる。
【0121】
上記実施の形態においては、基板Wが基板の例であり、ノズル310がノズルの例であり、配管311,312が配管の例であり、保護管391が保護管の例である。ノズル駆動部400がノズル駆動部の例であり、漏液センサ760が漏液センサの例であり、現像装置1が基板処理装置の例であり、溝部630が溝部の例である。ユニットベース600がユニットベースの例であり、排液孔631が排液孔の例であり、バット700がバットの例であり、保持部392が保持部の例であり、ノズルヘッド300Hがノズルヘッドの例である。
【0122】
8.実施の形態の総括
(第1項)第1項に係る基板処理装置は、
処理対象の基板に処理液を吐出するノズルと、
前記ノズルに接続される配管と、
前記配管の外周を取り囲む保護管と、
前記ノズルを移動させるノズル駆動部と、
前記配管からの漏液を検出する漏液センサとを備える。
【0123】
この基板処理装置においては、ノズル駆動部によりノズルが移動され、配管を通してノズルから処理対象の基板に処理液が吐出される。ここで、ノズルが移動することにより、配管に変形が発生する。配管に変形が繰り返し発生すると、配管が破損し、液漏れが発生することがある。そこで、配管の外周が保護管により取り囲まれる。
【0124】
この構成によれば、配管が破損した場合でも、漏液は保護管の内周面により受け止められる。これにより、漏液が飛散することが防止される。また、配管からの漏液は漏液センサにより検出されるので、適切な措置を行うことが可能になる。その結果、液漏れによる弊害を防止することができる。
【0125】
(第2項)第1項に記載の基板処理装置は、
溝部を有し、前記保護管の下方に配置されるユニットベースをさらに備え、
前記溝部には、前記ユニットベースを上下に貫通する排液孔が形成され、
前記漏液センサは、前記排液孔を通過した前記配管からの漏液を検出してもよい。
【0126】
この場合、配管からの漏液を簡単な構成で検出することができる。
【0127】
(第3項)第2項に記載の基板処理装置において、
前記配管の一部は、前記ユニットベースの前記溝部内に収容されてもよい。
【0128】
この場合、配管からの漏液は、配管を伝って溝部内に導かれ、排液孔を通過する。これにより、配管からの漏液をより確実に検出することができる。
【0129】
(第4項)第2項または第3項に記載の基板処理装置は、
前記ユニットベースの下方に配置され、前記排液孔を通過した前記配管からの漏液を受けるバットをさらに備え、
前記漏液センサは、前記バットに設けられてもよい。
【0130】
この場合、バットにおいて、配管からの漏液を容易に検出することができる。
【0131】
(第5項)第4項に記載の基板処理装置において、
前記バットはテーパ形状を有し、
前記漏液センサは、前記バットのテーパ部分における最も低い位置に設けられてもよい。
【0132】
この場合、バットにおいて、配管からの漏液をより確実に検出することができる。
【0133】
(第6項)第1項~第5項のいずれか一項に記載の基板処理装置において、
前記保護管は、蛇腹形状を有してもよい。
【0134】
この場合、配管の変形の自由度が保護管により制限されることがない。これにより、ノズルをより円滑に移動させることができる。
【0135】
(第7項)第6項に記載の基板処理装置は、
前記保護管の蛇腹の谷部を保持する保持部をさらに備えてもよい。
【0136】
この場合、保護管の柔軟性を維持しつつ保護管を容易に保持することができる。
【0137】
(第8項)第1項~第7項のいずれか一項に記載の基板処理装置は、
複数の前記ノズルが取り付けられ、前記ノズル駆動部により移動されるノズルヘッドをさらに備え、
前記保護管は、複数の前記ノズルにそれぞれ接続される複数の前記配管の外周を取り囲んでもよい。
【0138】
この場合、複数のノズルにより基板を短期間で処理することができる。ここで、配管同士の擦れによりいずれかの配管が破損し、液漏れが発生した場合でも、漏液は保護管の内周面により受け止められることにより、漏液が飛散することが防止される。また、漏液は漏液センサにより検出されるので、適切な措置を行うことが可能になる。したがって、基板処理装置に複数の配管が設けられる場合でも、液漏れによる弊害を防止することができる。
【符号の説明】
【0139】
1…現像装置,1w…第1の側壁板,2w…第2の側壁板,3w…第3の側壁板,4w…第4の側壁板,5w…床板,6w…天井板,10…気体供給部,11…流体供給部,12…流体供給経路,40…カップ,41…筒状壁部,42…液受け部,49…昇降駆動部,50…収容器,51…側壁部,52…底部,61…排気管,62…排液管,70…基板保持装置,71…吸着保持部,72…スピンモータ,73,401…回転軸,78…吸引装置,79…モータカバー,90…制御部,91…第1の昇降制御部,92…流体制御部,93…第1の回転制御部,94…吸引制御部,95…第2の昇降制御部,96…第2の回転制御部,97…漏液判定部,100…区画板,100C…区画板中心,110…ノズル開口,200…筒部材,300…ノズルアームユニット,300H…ノズルヘッド,310…ノズル,310a,310b…流体導入部,310c…噴射部,311,312…配管,320…支持体,321…一端部,322…他端部,323…ノズル固定部,324…配管固定部,325…カバー取り付け部,329…配管固定片,330…カバー部材,331…上面部,331h,H,711…貫通孔,332,720…一方端面部,333,730…他方端面部,333N…切り欠き,334,740…一方側面部,335,750…他方側面部,391…保護管,392…保持部,400…ノズル駆動部,500…待機ポッド,510…待機孔,600…ユニットベース,610…ベースプレート,620…ユニット配置領域,621,op1…開口,630…溝部,631~636…排液孔,700…バット,710…下面部,760…漏液センサ,A1…中央領域,A2…外周領域,AG…空気ガイド,CA…筐体,DU…給気ダクト,FL…フィルタ,LPA,LPB…液処理ユニット,P1…待機位置,ph…搬入搬出口,SP…内部空間,SPa…処理空間,SPb…非処理空間,SS…支持面,vc1,vc2…仮想円,W…基板
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