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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036254
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】OCT装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 3/10 20060101AFI20240308BHJP
【FI】
A61B3/10 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022141086
(22)【出願日】2022-09-05
(71)【出願人】
【識別番号】000135184
【氏名又は名称】株式会社ニデック
(72)【発明者】
【氏名】近藤 萌恵
(72)【発明者】
【氏名】藤生 賢士朗
(72)【発明者】
【氏名】加納 徹哉
(72)【発明者】
【氏名】樋口 幸弘
【テーマコード(参考)】
4C316
【Fターム(参考)】
4C316AA01
4C316AB02
4C316AB08
4C316AB11
4C316AB16
4C316FA06
4C316FA08
4C316FA09
4C316FB12
4C316FB13
(57)【要約】
【課題】 被検者を繰り返し撮影するうえで操作が容易なGUIを有するOCT装置を提供すること。
【解決手段】OCT装置は、被検眼のOCT画像を取得するためのOCT光学系と、被検眼の観察画像を取得するための観察光学系と、を含む撮影ユニットと、画面上にグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を表示すると共に、前記撮影ユニットを制御することによって前記観察画像および前記OCT画像を取得する、制御手段と、を有し、前記制御手段は、複数のスキャンパターンで続けてOCT画像を撮影可能であり、前記GUIは、前記スキャンパターンが切り替わる度にユーザーに要求される複数の操作と対応する複数のUI要素が、操作が要求される順に呈示される第1のUI群を、画面の上下左右いずれか一方の端部に有し、更に、前記第1のUI群に対して画面反対側に、観察画像およびOCT画像の表示領域を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検眼のOCT画像を取得するためのOCT光学系と、被検眼の観察画像を取得するための観察光学系と、を含む撮影ユニットと、
画面上にグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を表示すると共に、前記撮影ユニットを制御することによって前記観察画像および前記OCT画像を取得する、制御手段と、を有し、
前記制御手段は、複数のスキャンパターンで続けてOCT画像を撮影可能であり、
前記GUIは、前記スキャンパターンが切り替わる度にユーザーに要求される複数の操作と対応する複数のUI要素が、操作が要求される順に呈示される第1のUI群を、画面の上下左右いずれか一方の端部に有し、更に、前記第1のUI群に対して画面反対側に、観察画像およびOCT画像の表示領域を有する、OCT装置。
【請求項2】
前記第1のUI群には、前記OCT光学系における被検眼の検出条件を調整する操作、前記OCT画像の撮影のトリガとなる操作、のとのそれぞれに対応するUI要素が、少なくとも順に一列に配置される、請求項1記載のOCT装置。
【請求項3】
前記第1のUI群には、更に、今回の撮影で使用されるスキャンパターンを選択する操作と対応するUI要素が配置される、請求項2記載のOCT装置。
【請求項4】
前記観察画像は前眼部観察画像を含み、前記前眼部観察画像の周辺領域には、マニュアルアライメント用の第2のUI群を有する、請求項1から3のいずれかに記載のOCT装置。
【請求項5】
前記観察画像は眼底観察画像を含み、前記眼底観察画像の周辺領域には、前記スキャンパターンにおけるスキャン条件を調整するための第3のUI群を有する、請求項1から4のいずれかに記載のOCT装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、OCT装置に関する。
【背景技術】
【0002】
眼科分野では、被検眼の組織の断層画像を撮影する装置である、OCT装置(Optical Coherence Tomography:光干渉断層計)が利用されている。
【0003】
OCT装置では、スキャンパターン等の各種撮影条件を設定する設定操作、および、撮影開始のトリガ操作、等の各種操作を検者が入力するために、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)が利用される(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1には、GUIの一例として、図5に示す画面500が示されている。画面500には、図5に示すように、前眼部画像表示領域510、眼底画像表示領域520、OCT画像表示領域530が設けられている。また、リスト540,第1のUI群550、第2のUI群560、第3のUI群570、等が設けられている。
【0005】
ここで、前眼部画像表示領域510には、前眼部観察画像が表示される。眼底画像表示領域520には、眼底観察画像等の眼底正面画像が表示される。眼底正面画像上で、OCT画像の取得位置(言い換えるとスキャン位置)が確認可能である。OCT画像表示領域530には、随時取得されるOCT画像(Bスキャン画像)のライブ画像が表示される。検者はこれらの画像を参考にして、アライメント、撮影条件、スキャン位置等を調整する。
【0006】
図5において、リスト540には、スキャンパターンのタイトルのリスト、および、コンビネーション撮影のタイトルのリスト、の一方が選択的に表示される。所望のタイトルを選択することによって、選択に応じたスキャンパターンで撮影可能になる。第1のUI群550には、シングル撮影およびコンビネーション撮影のいずれかを選択するための選択部や、固視標や、撮影時の感度の設定を行うためのウィジェットが配置される。
【0007】
第2のUI群560には、いわゆるオートオプティマイズを開始するためのOptimizeボタン、撮影用のOCT画像の取得を開始させるトリガとなる撮影ボタン、等の各種ボタンが配置される。
【0008】
第3のUI群570には、フォーカス、光路長、偏光等をマニュアルで調整するためのスクロールバー等が配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2014-90748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
OCT装置では、1度の検査で、複数のスキャンパターンを用いて繰り返し撮影することが、多くの施設で取り入れられている。この場合において、多数配置されたUIのうち、頻繁に操作されるUIは一部に限られている。
【0011】
図5に示した画面500では、画像が表示される領域510,520,530とリスト540およびUI(第1~第の3UI群550,560,570)が表示される領域とが、お互いに入り組んでいる。例えば、第2のUI群560と第3のUI群570とが、画像が表示される領域510,520,530に取り囲まれており、第1のUI群550と、第2のUI群560および第3のUI群570とは、異なる列に配置されている。また、図5に示した画面500では、第2のUI群560において、各ボタンが横一列に配置されているところ、リスト540,第1のUI群550,第3のUI群570のそれぞれでは、縦方向にUI要素が配置されている。結果、不慣れな検者にとって撮影までの操作の手順を直感的に把握しにくく、操作に戸惑いやすかった。
【0012】
これに対し、本開示は従来技術の問題点のいずれか1つに鑑みてなされたものであり、被検者を繰り返し撮影するうえで操作が容易なGUIを有するOCT装置を提供することを技術課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1態様に係るOCT装置は、被検眼のOCT画像を取得するためのOCT光学系と、被検眼の観察画像を取得するための観察光学系と、を含む撮影ユニットと、画面上にグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を表示すると共に、前記撮影ユニットを制御することによって前記観察画像および前記OCT画像を取得する、制御手段と、を有し、前記制御手段は、複数のスキャンパターンで続けてOCT画像を撮影可能であり、前記GUIは、前記スキャンパターンが切り替わる度にユーザーに要求される複数の操作と対応する複数のUI要素が、操作が要求される順に呈示される第1のUI群を、画面の上下左右いずれか一方の端部に有し、更に、前記第1のUI群に対して画面反対側に、観察画像およびOCT画像の表示領域を有する。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、被検者を繰り返し撮影するうえで操作が容易なGUIを有するOCT装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施例におけるOCT装置の装置構成を示す図である。
図2】実施例の画面構成を示した図であって、撮影が開始される前の画面を示している。
図3】実施例の画面構成を示した図であって、撮影中の画面を示している。
図4】実施例の画面構成を示した図であって、撮影結果の確認画面を示している。
図5】従来技術における画面構成を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
「概要」
本実施形態のOCT装置は、撮影ユニットと、制御部(制御手段)と、を少なくとも有する。撮影ユニットは、被検眼のOCT画像を取得するためのOCT光学系と、被検眼の観察画像を取得するための観察光学系と、を含む。制御部は、画面上にグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を表示する。また、制御部は、撮影ユニットを制御することによって観察画像およびOCT画像を取得する。
【0017】
本実施形態の制御手段は、複数のスキャンパターンで続けてOCT画像を撮影可能である。また、GUIは、第1のUI群を、画面の上下左右いずれか一方の端部に有し、更に、第1のUI群に対して画面反対側に、観察画像およびOCT画像の表示領域を有する。第1のUI群では、スキャンパターンが切り替わる度にユーザーに要求される複数の操作と対応する複数のUI要素が、操作が要求される順に呈示されるので、ユーザーは、第1のUI群に配置されたUI要素を、呈示される順序に沿って操作することで、撮影を進めていくことができる。なお、第1のUI群において、複数のUI要素は、操作が要求される順に配列されていてもよいし、切換表示されてもよい。
【0018】
例えば、第1のUI群には、OCT光学系における被検眼の検出条件を調整する操作、OCT画像の撮影のトリガとなる操作、のそれぞれに対応するUI要素が、少なくとも順に一列に配置される。OCT光学系における検出条件は、眼組織の検出能力に関わる種々の条件のいずれかであって、具体的には、光路長差(以下、OPL)、および、フォーカス、検出感度、偏光状態、等が挙げられる。光路長差およびフォーカスの少なくともいずれかを調整するための操作が、第1のUI群を介して入力される。追加的に、他の検出条件を調整するための操作が、第1のUI群を介して入力されても良い。
【0019】
また、第1のUI群には、更に、今回の撮影で使用されるスキャンパターンを選択する操作と対応するUI要素が配置されていてもよい。
【0020】
また、本実施形態において、観察画像は前眼部観察画像を含んでいてもよく、前眼部観察画像の周辺領域には、マニュアルアライメント用の第2のUI群を有していてもよい。また、観察画像は眼底観察画像を含んでいてもよく、眼底観察画像の周辺領域には、予め定められたスキャンパターンにおけるスキャン条件を調整するための第3のUI群を有していてもよい。スキャン条件としては、例えば、眼底上におけるスキャンパターンの位置、スキャン長、角度、ピッチ、等が挙げられる。第2のUI群および第3のUI群については、それぞれのUI群に対する操作の結果が反映される観察画像の周辺に配置されているため、操作性が良好である。特に、タッチパネルデバイスを利用して、操作入力を受け付ける場合に有用である。
【0021】
「実施例」
図面を参照して、本開示の一実施例を示す。実施例に係るOCT装置1は、被検眼のOCTデータを取得する。説明の便宜上、本実施例では、特に断りが無い限り、OCT装置1は、眼底のOCTデータを撮影するものとする。
【0022】
最初に、図1を参照しつつ、OCT装置1の構成を説明する。図1は、眼底のOCTデータを撮影可能な状態における装置構成を示している。実施例の説明においては、被検眼Eの軸方向をZ方向、水平方向をX方向、鉛直方向をY方向として説明する。
【0023】
図1,2に示すように、実施例に係るOCT装置1は、撮影ユニット2、駆動部5、顔支持ユニット7、および、制御部70を、有している。
【0024】
<撮影ユニット>
撮影ユニット2は、OCT装置1における主要な光学系を有する。本実施例において、撮影ユニット2は、OCT光学系(干渉光学系)10と、導光光学系10aと、眼底観察光学系(SLO光学系)30と、前眼部観察光学系40(前眼部観察光学系)と、を有する。OCT光学系10、眼底観察光学系30、前眼部観察光学系40、の光路は、ビームスプリッタ/コンバイナ16,17によって分岐/結合される。
【0025】
<OCT光学系>
OCT光学系10は、被検眼Eの眼底に照射される測定光と参照光とのスペクトル干渉信号を検出する。OCT光学系10は、例えば、SD-OCTであってもよいし、SS-OCTであってもよいし、その他の撮影原理によるOCTであってもよい。
【0026】
OCT光学系10は、OCT光源11、光分割器12、参照光学系20、および、検出器25を少なくとも有する。なお、本実施例における参照光学系20は、反射型の光学系であるものとして説明するが、透過型の光学系であってもよい。
【0027】
OCT光源11は、低コヒーレント光を発する。OCT光源11から出射された光は、光分割器12によって、測定光と参照光とに分割される。本実施例において、光分割器12は、カップラ(スプリッタ)が利用される。測定光は、導光光学系10aを介して被検眼Eへ導かれ、参照光は、参照光学系20へ導かれる。図1において、ポラライザ13は、参照光路上に配置されている。参照光は、参照光路上に配置された図示なきミラーによって折り返され、光分割器12によって、測定光の戻り光と合波された状態で、検出器25へ入射する。これにより、戻り光と、参照光とのスペクトル干渉信号が検出される。例えば、SD-OCTにおいては、スペクトロメータが検出器25として利用される。
【0028】
本実施例において、参照光学系20配置される図示なきミラーは、光軸に沿って移動可能であって、ミラーの位置に応じて測定光と参照光との光路長差が調整される。また、ポラライザ13によって、測定光と参照光との偏光が調整される。
【0029】
その他、光分割器12と被検眼Eとの間の光路上には、フォーカシングレンズ14、走査部(光スキャナ)15、および、対物レンズ60、が配置されている。フォーカシングレンズ14、走査部(光スキャナ)15、および、対物レンズ60、を含む、光分割器12と被検眼Eとの間の光学系によって、本実施例における導光光学系10aが形成されている。
【0030】
本実施例では、フォーカシングレンズ14が光軸方向へ変位されることによって、OCT光学系10におけるフォーカス位置が変更される。
【0031】
走査部15は、OCT画像の取得位置を変更するために利用される。走査部15は、測定光を、被検眼Eの眼底において二次元的に走査させるために利用されてもよい。走査部15は、例えば、走査方向が互いに異なる2つの光スキャナを含んでいてもよい。各々の光スキャナは、ガルバノミラーであってもよいし、その他の光スキャナであってもよい。
【0032】
対物レンズ60は、測定光を被検眼における眼底へ導く。対物レンズ60を介して走査部15と共役な位置を旋回点として、測定光は旋回される。図1に示すように、旋回点に被検眼の前眼部が位置する場合、測定光は虹彩でケラレることなく眼底に到達し、走査部15の駆動に基づいて眼底上で測定光が走査される。この場合、測定光の集光面は眼底上に形成される。
【0033】
<眼底観察光学系>
眼底観察光学系30は、観察画像として、眼底の正面画像を取得するために利用される。眼底観察光学系30を介して、眼底の正面画像が、観察画像として取得される。
【0034】
図1では、眼底観察光学系30の一例として、SLO光学系が示されている。眼底観察光学系30は、照射光学系と、受光光学系と、を少なくとも有していてもよい。照射光学系は、被検眼の撮影部位に対して観察光を照射する。受光光学系は、観察光による眼底反射光を受光素子39によって受光する。受光素子30からの出力信号に基づいて観察画像が逐次取得される。
【0035】
眼底観察光学系30は、更に、フォーカス調整部を有する。フォーカス調整部は、フォーカシングレンズ34を含む。
【0036】
観察光源31には、例えば、レーザダイオード光源が用いられる。観察光路には、フォーカシングレンズ34の他に、走査部35、および、対物レンズ60が配置されている。走査部35は、被検眼の撮影部位において二次元的に光を走査する。走査部35は、例えば、ポリゴンミラーと、ガルバノスキャナとの組み合わせを含んでいてもよい。
【0037】
また、観察光源31とフォーカシングレンズ34との間には、ビームスプリッタ33が配置されている。そして、ビームスプリッタ33の透過方向には、共焦点開口37と、受光素子39と、が配置されている。
【0038】
観察光は、ビームスプリッタ33によって反射された後、フォーカシングレンズ34を介して、走査部35に達する。走査部35を経た光は、ビームスプリッタ17を透過した後、対物レンズ60を介して、被検眼の眼底に照射される。
【0039】
眼底からの反射光は、投光経路を遡って、ビームスプリッタ33まで導かれる。眼底からの反射光は、ビームスプリッタ33を透過し、更に、共焦点開口37を介して、受光素子39によって受光される。受光素子39からの受光信号に基づいて、眼底の正面画像が形成される。形成された正面画像は、メモリ72に記憶されてもよい。
【0040】
<前眼部観察光学系>
前眼部観察光学系40は、被検眼Eの前眼部の正面画像(観察画像という)を観察するために利用される。前眼部観察光学系40は、少なくとも撮像素子45を有する。本実施例では、撮像素子45に前眼部の像が結像する。前眼部観察光学系40を介して取得される前眼部の観察画像は、眼底撮影時における被検眼Eする撮影ユニット2のアライメントおよび追従制御(トラッキング)に利用される。
【0041】
<固視投影光学系>
OCT装置1は、固視標投影光学系を更に有する。固視標投影光学系は、内部固視灯であってもよい。固視標投影光学系は、被検眼Eに対して固視標(固視光束)を投影することによって、被検眼Eの視線方向を誘導する。本実施例において、固視標投影光学系は、固視標の呈示位置を2次元的に変更でき、被検眼Eを複数の方向に誘導できる。結果的に撮像部位が変更される。本実施例において、固視投影光学系は、SLO光学系である眼底観察光学系30によって兼用される。観察光源とは異なる可視光源を設け、可視光の投影タイミングを制御することによって、被検眼Eに対して固視標が投影される。
【0042】
<駆動部>
駆動部5は、撮影ユニット3を、被検眼Eに対してXYZの各方向に移動させる。駆動部5は、各方向に撮影ユニット2を移動させるためのアクチュエータを有しており、制御部70からの制御信号に基づいて駆動される。
【0043】
<顔支持ユニット>
顔支持ユニット7は、撮影ユニット2に対して被検眼Eが向き合うように、被検者の顔を支持する。顔支持ユニット7は、例えば、顎台7aを備えてもよい。顎台7aには、被検者の顔が載置される。本実施例において、顔支持ユニット7は、顎台7aの位置を上下方向に移動させるアクチュエータを有する。また、顎台7aには、被検者の顔が載置されたことを検出するセンサを有していてもよい。
【0044】
<制御系>
次に、OCT装置1の制御系について説明する。
【0045】
OCT装置1の制御部70は、OCT装置1における各種動作を司る。また、本実施例では、制御部70によって、各種の画像処理が行われる。つまり、制御部70によって、画像処理器が兼用される。制御部70は、例えば、CPU、RAM、および、ROM等によって構成されてもよい。
【0046】
また、本実施例において、制御部70は、モニタ80に接続されており、モニタ80の表示制御を行う。更に、制御部70は、メモリ72、操作部85、等と接続されている。
【0047】
操作部85として、本実施例では、マウス等のポインティングデバイスを有していてもよい。また、モニタ80が、タッチパネルディスプレイであってもよく 、この場合は、モニタ80が操作部85を兼用するい。モニタ80および操作部85は、ネットワーク等を介して、OCT装置1とは遠隔地に配置されていてもよい。
【0048】
<ユーザーインターフェース(GUI)>
次に、図2図4を参照して、OCT装置1において撮影に用いるグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を説明する。画面100には、被検眼Eの画像の表示領域(第1領域110、第2領域120、および、第3領域130)と共に、撮影条件を設定したり、装置の状態を表示したり、するためのGUIが配置されている。
【0049】
本実施例において、画面100は、撮影の進捗に応じて、図2図4の間で遷移する。図2図4に示すように、本実施例では、画像の表示領域、および、UI要素のレイアウトを、大きく相違させることなく、画面100が遷移される。例えば、図2~4の間で、画面100上における、それぞれの表示領域110,120,130の配置は一定である。第1領域110は、前眼部の正面画像を表示するために利用される。例えば、前眼部観察光学系40を介して取得される観察画像が、第1領域110に表示されてもよい。第2領域120は、眼底観察光学系30を介して取得される眼底の観察画像が表示される。第3領域130は、眼底のOCT画像を表示するために利用される。例えば、Bスキャン画像が、第3領域130に表示されてもよい。
【0050】
<撮影前の態様>
画面100は、図2に示した態様で、撮影条件の設定操作、および、撮影開始操作を受け付けるために利用される。
【0051】
<コンビネーション設定部>
画面100の左側上端に、コンビネーション設定部210が配置される。本実施例において、コンビネーション設定部210を介して、1以上のスキャン設定からなるスキャン設定の組み合わせが選択される。本実施例において、スキャン設定の組み合わせは、疾患および用途に応じて予め複数用意されている。複数のスキャン設定を含むいずれかの組み合わせが選択された場合、当該複数のスキャン設定で被検者が続けて撮影される。本実施例では、用途および疾患種別等に対応するタイトル(標題)が各々の組み合わせに対して用意されており、コンビネーション設定部210を介してタイトルが選択されることによって、被検者に対するスキャン設定の組み合わせが設定される。例えば、図2では、プルダウン方式で、複数のタイトルが展開され、展開された複数のタイトルのいずれかを選択する操作を受け付ける。
【0052】
本実施例において、各々のスキャン設定において、1つのスキャンパターンと、そのスキャンパターンで撮影される撮影位置と、が特定される。スキャンパターンには、ライン、クロス、マルチ、マップ、ラジアル、サークル、等の種々のものが知られており、撮影においてスキャンパターンに応じて走査部15が制御される。また、撮影位置の例として、黄斑、および、乳頭等が挙げられる。撮影位置に応じて、固視灯の呈示位置、および/または、走査部15、が制御される。追加的に、本実施例では、各々のスキャン設定には、撮影対象眼(左右のいずれか)が特定される。コンビネーション設定部210を介して選択された組み合わせと対応するスキャン設定で、被検者が撮影される。更に、追加的に、各々のスキャン設定において、画像の加算枚数(1つのスキャンラインに対してスキャンを繰り返す回数)、検出感度、ゼロディレイ位置の目標位置、等が特定されていてもよい。本実施例のように、SD-OCTの場合は、露光時間を調整することで検出感度が変更されても良い。
【0053】
被検者における過去の撮影で使用されたスキャン設定の組み合わせを示す情報が、予め記憶されている場合は、当該情報に基づいて、自動的に、当該組み合わせが設定されてもよい。また、コンビネーション設定部210において、フォローアップ撮影が選択可能であって、フォローアップ撮影が選択された場合に、過去に撮影されたスキャンパターン(スキャン設定)の組み合わせが設定されてもよい。
【0054】
<第1のUI群>
図2に示すように、本実施例では、画面100の左側端部に、第1のUI群220が配置される。第1のUI群220には、スキャン設定(スキャンパターン)が切り替わる度にユーザーに要求される複数の操作と対応する複数のUI要素が含まれている。
【0055】
図2には、第1のUI群220として、リスト221、検出条件コントローラー222、Captureボタン227が、画面100上に表示される。
【0056】
リスト221には、コンビネーション設定部210を介して選択した組み合わせに含まれるスキャン設定がリストアップされる。本実施例においてリスト221においては、スキャン毎のスキャン設定を示すテキストが表示される。テキストには、スキャン設定として、撮影対象眼(左右のいずれか)と、撮影部位と、スキャンパターンと、が含まれている。
【0057】
リスト221に表示されるスキャン設定に従って順次、撮影が実施される。通常、リスト221の上から下へ順番にスキャン設定が変更されつつ撮影が実施される。次の撮影における(次にCaptureボタン227を操作したときに実行される)スキャン設定が選択されている場合に、選択されたスキャン設定と対応するテキストが、リスト221上で強調される。更に、本実施例では、選択されたスキャン設定における撮影対象眼が撮影されるように、撮影ユニット2が左右方向に移動される。また、所望のスキャン設定と対応するテキストに対して選択操作を行うことで、次の撮影で用いるスキャン設定を、検者が随意に変更可能である。
【0058】
検出条件コントローラー222は、OCT光学系10による被検眼Eの検出条件を調整するために操作される。検出条件は、眼組織の検出能力に関わる種々の条件のいずれかであって、具体的には、光路長差(以下、OPL)、フォーカス、検出感度、偏光状態、等が挙げられる。
【0059】
図2では、検出条件コントローラー222として、Optimizeボタン223、フォーカスコントローラ224、OPLコントローラー225、および、感度設定ボタン226、が配置されている。
【0060】
Optimizeボタン223が操作された場合、制御部70は、OCT光学系10の調整処理を実行する。本実施例では、一例として、OPL、フォーカス、および、偏光の各々が、所定の状態へ調整される。
【0061】
フォーカスコントローラ224およびOPLコントローラー225は、それぞれ、検出条件を手動で調整するために操作される。本実施例において、フォーカスコントローラ224およびOPLコントローラー225は、スライダーであって“つまみ”の位置が、ドラッグ操作等に基づいて移動される。つまみの位置に応じて、それぞれの検出条件が設定される。例えば、より高感度に撮影したい層領域の深さ位置に応じて、フォーカスコントローラ224および/またはOPLコントローラー225のスライダーが操作される。
【0062】
Captureボタン227は、撮影を開始するトリガとなる操作を受け付ける。Captureボタン227が操作されることによって、予め選択されたスキャン設定で、撮影用のスキャンが実行される。
【0063】
また、後述するように、第1のUI群220に含まれる複数のUI要素は、操作が要求される順に、一列に(図2では、上から順番に)配置されている。
【0064】
なお、第1のUI群220において、撮影対象眼として、左眼、右眼、および、両眼のいずれかを選択するためのUI要素が、追加的に配置されていてもよい。例えば、両眼が撮影対象眼として予め設定されている場合に、左右のいずれかの被検眼のうち、検者が撮影不要と判断する一方に対する撮影を省略できる。
【0065】
<第2のUI群>
図2に示す第2のUI群240は、被検眼Eと撮影ユニット2との位置関係の調整に利用される。本実施例において、第2のUI群240として、アライメント方式選択ボタン241と、顎台高さ調整ボタン242と、前後調整ボタン243と、が画面100上に配置される。第2のUI群240は、前眼部の観察画像が表示される第1領域110の周辺に配置される。よって、検者は、前眼部の観察画像を介して被検眼Eと撮影ユニット2との位置関係を把握しながら位置関係を手動で調整しやすい。また、本実施例では、第1領域110も、第2のUI群240の一部として利用される。
【0066】
アライメント方式選択ボタン241は、自動アライメントと、手動アライメントと、の間でいずれかを選択するために操作される。操作に応じて、自動アライメント機能のon/offが切換わる。本実施例では、デフォルトで、自動アライメント機能が有効化されている。
【0067】
例えば、白内障患者を撮影する場合は、光軸の位置を混濁の影響を受けない位置にずらしたほうが良好に眼底を撮影できる場合がある。そのような場合に、アライメント方式選択ボタン241を操作して、自動アライメント機能を無効化することができる。
【0068】
顎台高さ調整ボタン242は、顔支持ユニット7における顎台7aの位置を上下に変更するために操作される。顎台高さ調整ボタン242は、上下に対応する一対のボタンを含み、移動させたい方向と対応するボタンに対して選択操作が行われている間、対応する方向へ顎台7aが上下移動される。被検者毎にアイレベル(顎から被検眼までの高さ)は異なるので、被検者毎に顎台7aの高さ調整が必要となり得る。
【0069】
また、本実施例では、顎台7aに顎が載置されていないことが顔支持ユニット7の図示なきセンサによって検出された場合に、顎台高さ調整ボタン242の隣に配置された頭部のアイコンが点滅する。これにより、被検者の姿勢が適切であるか否かが、容易に把握される。
【0070】
前後調整ボタン243は、撮影ユニット2の位置を、前後方向に変更するために操作される。前後調整ボタン243は、前後に対応する一対のボタンを含み、移動させたい方向と対応するボタンに対して選択操作が行われている間、対応する方向へ撮影ユニット2が移動される。また、本実施例では、撮影部2と被検眼とが接近しすぎている場合に、前後調整ボタン243の上方に配置された頭部のアイコンが警告色(例えば黄色)で点滅する。これにより、前後調整ボタン243を介した撮影部2の後退操作を、被検者に対して適切に促すことができる。
【0071】
また、本実施例では、前眼部観察画像が表示される第1領域110を介して、撮影ユニット2の位置を変更するための操作入力を受け付ける。例えば、制御部70は、第2領域における前眼部の正面画像上で位置を指定する操作入力を、ポインティングデバイスを介して受け付ける。制御部70は、指定された位置に表示される前眼部の組織が第1領域110内の所定位置(例えば、中心)に表示されるように、被検眼Eに対して撮影ユニット2をXY方向に関して移動させてもよい。但し、ポインティングデバイスを介した操作入力として、他の操作入力が採用されても良い。例えば、第1領域に表示される前眼部の正面画像がポインティングデバイスによってドラッグされる場合、ドラッグの移動方向および移動量に応じて、ドラッグの移動方向とは反対方向に撮影ユニット2が移動されるように、駆動部が制御されても良い。また、更に、XY方向に関して撮影ユニット2の位置を変更するための操作入力とは異なる操作入力に基づいて、撮影ユニット2の位置がZ方向に移動されても良い。
【0072】
<第3のUI群>
第3のUI群250は、予め選択されたスキャンパターンにおけるスキャン条件を変更するために利用される。図2に示すように、第3のUI群250は、眼底観察画像が表示される第2領域120の周辺に配置される。第2領域120において、眼底観察画像上には、固視標の呈示位置と対応するグラフィック121、および、スキャン位置を示すグラフィック122が表示される。これにより、検者は、眼底観察画像を介してスキャン位置を適切に把握しながらスキャン条件を手動で調整できる。また、本実施例では、第2領域120も、第2のUI群240の一部として利用される。
【0073】
第3のUI群250としては、固視標設定部251と、スキャン条件変更部252と、が配置される。
【0074】
本実施例において、固視標設定部251は、内部固視灯と外部固視灯(図示せず)との切換操作を受け付ける。また、内部固視標のサイズの変更操作を受け付ける。また、内部固視灯の呈示位置の変更操作を、眼底観察画像が表示される第2領域120を介して受け付けても良い。また、グラフィック121の位置は、例えば、ドラッグ操作等によって第2領域120上で変更可能であり、グラフィック121の位置に応じて、内部固視標の呈示位置が、変更されてもよい。
【0075】
スキャン条件変更部252は、スキャン条件として、スキャン長、角度、ピッチの変更操作を受け付ける。スキャン長、角度、ピッチの変更操作は、第2領域120を介して受け付けても良い。例えば、眼底観察画像が表示される第2領域120上で、グラフィック122を動かすと、スキャン長、角度、ピッチが調整されてもよい。
【0076】
第1領域110の眼底観察画像上には、スキャン位置(スキャンライン)を示すグラフィック(以下、スキャンラインSLと記す)が重畳される。選択中のスキャン設定(スキャンパターン)と対応するスキャン位置に、スキャンラインSLは重畳される。本実施例では、第1領域110上で、スキャンラインSLの位置を移動させる操作が入力可能であってもよく、当該操作に基づいて眼底上のスキャン位置が変更可能であってもよい。スキャンラインSLの位置を移動させる操作としては、スキャンラインSLの平行移動、回転移動、端点の移動、(複数のスキャンラインの)交点の移動、のうちもいずれかが利用されてもよい。
【0077】
第1領域110の眼底観察画像を介して、例えば、固視標の呈示位置が変更可能であっても良い。例えば、検者が眼底観察画像上の1点を選択した場合に、当該1点が第1領域110において画像中心に位置するように、固視標の呈示位置が制御されてもよい。
【0078】
また、本実施例では、第3のUI群250として、リセットボタン253が配置されている。リセットボタン253は、固視標設定部251と、スキャン条件変更部252に対する操作に基づいて変更された各種パラメータを規定値にリセットする。
【0079】
<OCT画像の表示領域>
また、第3領域130および第3領域130上方の補助領域131,132,133において、OCT観察画像が表示される。第3領域130および第3領域130上方の補助領域131,132,133は、画面100の右側を占めているので、深さ方向の撮影範囲が向上した結果、従来よりも縦長化した断層画像を、適切に表示しやすい。本実施例では、第3領域130に、基準となるスキャンラインで得られるOCT観察画像が表示される。第1補助領域131には、スキャンパターンが、クロス、マルチ、ラジアル、および、マップのいずれかである場合に、基準となるスキャンラインに対して直交するスキャンラインで得られたOCT観察画像を表示する。また、第2補助領域132および第3補助領域133には、スキャンパターンがマップである場合に、マップスキャンの始端ライン、および、終端ラインにそれぞれ対応するOCT観察画像がそれぞれ表示される。
【0080】
<撮影途中における態様>
図3に示すように、撮影用のスキャンの実行途中で、画面100の左側端部に配置された第1のUI群220には、Cancelボタン228とSkipボタン229とが配置される。
【0081】
Cancelボタン228は、実行中のスキャンを中止して、もう一度同じスキャン設定で撮影を行うために操作される。例えば、検者は、実行中のスキャンが不要であると判断した場合に、Cancelボタン228を操作する。Cancelボタン228の操作に基づいて、実行中のスキャンを中止され、当該スキャンによって取得されたOCTデータは破棄される。また、画面の態様が図2に示すものに遷移されると共に、中止されたスキャン設定が選択された状態となる。
【0082】
Skipボタン229は、眼底トラッキング撮影が実行されている場合において、眼底トラッキングが不要と判断されたり、撮影の完了を早めたい場合に操作される。眼底トラッキング撮影では、随時取得されるOCT画像および/またはOCT画像と並行して取得される眼底観察画像に基づいて、撮影の良否が判定され、判定結果に応じて再スキャンが行われる。このため、例えば、被検者の固視が不安定であることで、撮影の時間が長引く場合があり得る。このような場合に、検者は、Skipボタン229を操作する。Skipボタン229が操作された場合、眼底トラッキングをOFFして、既定のスキャンラインにおけるOCTデータを取得する。取得したOCTデータは保持されたうえで、図4の画面100に遷移する。
【0083】
撮影用のスキャンの実行途中において、画面100の第3領域130の上方には進捗バー260が表示される。進捗バー260には撮影の進捗状況が表示される。また、随時得られる前眼部観察画像、眼底観察画像、OCT観察画像、のそれぞれが、第1領域110、第2領域120、第3領域130のそれぞれにおいて、随時表示される。ユーザーは、これらの画像および進捗バー260に基づいて、撮影が順調に進んでいるか否かを確認できる。
【0084】
<撮影結果の確認時の態様>
第3領域130には、撮影されたOCTデータが表示される。
【0085】
図4では、第1のUI群220として、Retryボタン230と、Saveボタン231と、が配置される。
【0086】
Retryボタンは、再撮影を行うために操作される。本実施例では、Retryボタン230が操作された場合、撮影されたOCTデータを破棄し、図2の画面に遷移する。この場合において、リスト221には、直近の撮影と同一のスキャン設定が選択されている。
【0087】
Saveボタンは、撮影結果を保存するために操作される。Saveボタン231が操作された場合、図2の画面に遷移する。この場合において、リスト221において、撮影前のスキャン設定が存在する場合は、次の順序のスキャン設定が選択される。
【0088】
図4では、第1領域110の周辺に、撮影されたOCT画像の画質に関する情報が配置される。具体的には、SSI,SQI,加算枚数,検出感度等の各種情報が配置される。
【0089】
図4では、第2領域120の周辺に、Autoplayボタン271、OCT fundus overlayボタン272が配置される。追加的に、フォローアップ撮影に使う為のベースラインにする/しないの設定ボタンを配置しても良い。
【0090】
Autoplayボタン271は、複数枚のOCT画像によるAutoplayを、第3領域130において実行するために操作される。Autoplayでは、複数枚撮影を行うスキャンパターンでOCT画像が撮影された場合に、自動的にOCT画像の切換表示が実行される。
【0091】
OCT fundus overlayボタン272は、第2領域120に表示される眼底の観察画像(本実施例では、SLOによる正面画像)に、OCT正面画像を重畳表示させるか否かを切換えるために操作される。
【0092】
<動作説明>
次に、以上のような装置構成およびGUIを有するOCT装置1における、撮影動作の流れを説明する。まず、検者は、被検者の顎を顔支持ユニット7の顎台7aに載置させる。次に、顎台高さ調整ボタン242を操作して、第1領域110上に被検眼の前眼部が表示されるように、顎台7aの高さを変更する。あわせて、検者は、コンビネーション設定部210を操作して、疾患および目的に応じたスキャン設定の組み合わせを選択する。
【0093】
その後は、オートアライメントや、固視等に問題が無ければ、第2のUI群240および第3のUI群250に対する操作入力は必要とすることなく、第1のUI群220に配置されたUI要素を、呈示される順序に沿って操作することで、予め選択されたスキャン設定の組み合わせで、撮影を進めていくことができる。
【0094】
詳細には、まず、検者は、撮影が必要と考えられるスキャン設定が選択されているかをリスト221上で確認し、必要に応じて、他のスキャン設定を選択する。
【0095】
次に、検出条件コントローラー222が操作され、OCT光学系10における被検眼の検出条件が調整される。検者がOptimizeボタン223を操作することによって、OPL、フォーカス、および、偏光の各々が、所定の状態へ調整される。検出条件の調整結果は、第3領域130におけるOCT観察画像に反映される。例えば、OPLの調整結果は、第3領域130におけるZ方向に関する眼底の像位置に反映される。また、眼底においてゼロディレイに近い側の層領域の輝度が相対的に高くなる。また、合焦位置における組織の解像度が相対的に高くなる。検者は、第3領域130におけるOCT観察画像を確認し、自動調整に失敗していた場合、または、所望の層領域を詳細に撮影したい場合、等に、フォーカスコントローラ224および/またはOPLコントローラー225を操作する。例えば、網膜表層側よりも脈絡膜側が高感度に撮影したい場合に、ゼロディレイ位置およびフォーカス位置が手動で変更されてもよい。
【0096】
OCT光学系10における検出条件が適切に調整された後、検者は、Captureボタン227を操作する。これにより、リスト221上において選択されているスキャン設定で、撮影用のスキャンが開始される。
【0097】
撮影用のスキャンが開始されると、画面100が図3に示す態様に遷移する。第1のUI群220には、図2の態様において、Optimizeボタン223およびCaptureボタン227が配置されていた位置に、Cancelボタン228とSkipボタン229とが配置される。但し、Cancelボタン228とSkipボタン229とは、撮影を途中で止めるためのボタンであるため、検者は必ずしも操作する必要はない。
【0098】
撮影が完了すると、画面100が図4に示す態様に遷移する。第1のUI群220として、図2の態様において、Optimizeボタン223およびCaptureボタン227が配置されていた位置(図3の態様において、Cancelボタン228およびSkipボタン229が配置されていた位置)に、Retryボタン230とSaveボタン231と、が配置される。検者は、第3領域130に表示される撮影結果に応じて、いずれかを選択する。いずれを選択しても、画面100が図2に示す態様に遷移する。よって、検者は、再度、リスト221上でスキャン設定を確認すると共に、第1のUI群220として画面100の左端に操作の順番に並べて、更には、時系列に切り替えられて表示されるUI要素を操作することで、リスト221に示されたすべてのスキャン設定に対して撮影を進めることができる。従って、本実施例では、多くのケースでは、スキャン設定が切り替わる度にユーザーに要求される複数の操作を、第1のUI群220に配置されたUI要素を、呈示される順序に沿って操作することで、撮影を進めていくことができる。特に、マウスを用いて操作する場合には、ポインタの移動範囲は、第1のUI群220の範囲での上下方向への移動で足り、左右方向への移動は必ずしも必要ではないので、操作がスムーズになる。また、ヒトは、画面上で視線を左上から右下にかけて動かす傾向にあると言われている。これに対し、本実施例において、第1のUI群220は、画面左端に配置されているので、検者に、良好に認識させやすい。
【0099】
更に、第1のUI群220に比べて操作の頻度が少ない第2のUI群240および第3のUI群250については、それぞれのUI群に対する操作の結果が反映される観察画像の周辺に配置されているため、タッチパネルデバイスを利用して、操作入力を受け付ける場合も、操作性が良好である。
【0100】
本実施例において、画面100は、第1のUI群220のエリア、第2のUI群240、第2のUI群240、第1領域110(前眼部観察画像)、第2領域120(眼底観察画像)のエリア、第3領域130(OCT画像)および第1~第3補助領域131,132,133のエリア、の3つのエリアに横方向に分割されているため、上記のように、操作性が良好であるうえ、深さ方向に関する解像度が向上したことによって従来よりも縦長化した断層画像を、第3領域130において適切に表示しやすい。
【0101】
<変形例>
以上、実施形態に基づいて本開示を説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【0102】
例えば、上記実施例の図2に示す態様において、検出条件の変更操作が、第2領域120および第3領域130を介して入力されてもよい。例えば、ポインティングデバイスとしてマウスが利用される場合において、第2領域120上でのマウスのホイール操作に応じて、フォーカスが変更されても良い。また、第3領域130上でのマウスのホイール操作に応じて、OPLが変更されても良い。
【符号の説明】
【0103】
1 OCT装置
2 撮影ユニット
10 OCT光学系
30 眼底観察光学系
40 前眼部観察光学系
70 制御部
100 画面
110 第1領域
120 第2領域
130 第3領域
220 第1のUI群
図1
図2
図3
図4
図5