(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036255
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】調理機
(51)【国際特許分類】
A47J 27/00 20060101AFI20240308BHJP
H05B 6/12 20060101ALI20240308BHJP
F24C 7/04 20210101ALI20240308BHJP
【FI】
A47J27/00 103M
H05B6/12 318
F24C7/04 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022141088
(22)【出願日】2022-09-05
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167438
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100166800
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 裕治
(72)【発明者】
【氏名】藤井 宏和
(72)【発明者】
【氏名】河阪 雅之
【テーマコード(参考)】
3K151
3L087
4B055
【Fターム(参考)】
3K151AA33
3K151BA93
3L087AA01
3L087AA03
3L087BB06
3L087CA12
3L087DA15
4B055AA01
4B055BA09
4B055CA16
4B055CA64
4B055CB07
4B055CC43
4B055CD02
4B055DB14
(57)【要約】
【課題】温度検知部の故障が起こり難い調理機を提供する。
【解決手段】調理機は、調理容器と調理装置とを備え、調理装置は、調理容器を装着する容器装着部と、調理容器を加熱する加熱部と、容器装着部の外側に設けられる温度検知部とを備え、温度検知部は、容器装着部の貫通孔を利用して調理容器の温度を検知する温度センサ241と、貫通孔と温度センサ241との間に配されたフィルタ247とを備える。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理容器と調理装置とを備える調理機において、
前記調理装置は、
調理容器を装着する容器装着部と、
前記調理容器を加熱する加熱部と、
前記容器装着部の外側に設けられる温度検知部とを
備え、
前記温度検知部は、
前記容器装着部の貫通孔を利用して前記調理容器の温度を検知する温度センサと、
前記貫通孔と前記温度センサとの間に配されたフィルタと
を備える、
調理機。
【請求項2】
前記温度検知部は、
前記温度センサを収容し且つ前記容器装着部の前記貫通孔の対向する部位に貫通孔を有するケースと、
前記フィルタを保持する装着体と
を備え、
前記装着体は前記ケースに密閉状に装着する、
請求項1に記載の調理機。
【請求項3】
前記加熱部は、加熱コイルを利用した誘導加熱手段であり、
前記温度検知部は、前記温度センサを囲うシールド部材を備える、
請求項1又は2に記載の調理機。
【請求項4】
前記温度検知部は、シールド部材内にスポンジを備える、
請求項3に記載の調理機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理容器と調理装置とを備えた調理機に関する。
【背景技術】
【0002】
調理機として、例えば、回転駆動可能な調理容器2を備え、加熱調理中の調理容器2の温度を検知するための温度検知手段19(赤外線センサ45)を備えた加熱調理器が開示されている(例えば、特許文献1)。
この加熱調理機は、温度検知手段19が窓部46を透過した赤外線を赤外線センサ45により検出することで、調理容器2の温度を検出するよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記調理機では、温度センサユニット42の窓部46の隙間から水が浸入する虞もあり、それにより赤外線センサ45の故障が起こり得る。なお、この課題は、調理容器を回転駆動させない調理機においても生じ得る。
本発明は、温度検知部の故障が起こり難い調理機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る調理機は、調理容器と調理装置とを備える調理機において、前記調理装置は、調理容器を装着する容器装着部と、前記調理容器を加熱する加熱部と、前記容器装着部の外側に設けられる温度検知部とを備え、前記温度検知部は、前記容器装着部の貫通孔を利用して前記調理容器の温度を検知する温度センサと、前記貫通孔と前記温度センサとの間に配されたフィルタとを備える。
【発明の効果】
【0006】
上記構成によれば、温度検知部の故障を起こり難くできる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態に係る調理機の斜視図であり、(a)は調理容器がセットされた状態の図であり、(b)は調理装置から調理容器を分離させた状態の図である。
【
図2】調理機の断面を上方から見た斜視図であり、(a)は左右方向と直交する断面であり、(b)は前後方向と直交する断面である。
【
図3】筐体を外した状態の調理装置の斜視図であり、(a)は上方から見た図であり、(b)は下方から見た図である。
【
図4】(a)は容器装着部等を下方から見た斜視図であり、(b)は容器装着部の前後方向と直交する断面図である。
【
図5】容器装着部等を分解した状態を上方から見た斜視図である。
【
図6】(a)は温度検知部の斜視図であり、(b)は支持台をセンサホルダーから離した状態の斜視図であり、(c)は温度検知部を示す斜視図である。
【
図7】温度検知部の分解状態の斜視図であり、(a)は下方から見た図であり、(b)は上方から見た図である。
【
図8】ベース部等の斜視図であり、(a)は上方から見た図であり、(b)は下方から見た図である。
【
図9】ベース部から回路部等を離した状態の斜視図であり、(a)は下方から見た図であり、(b)は上方から見た図である。
【
図10】筐体内の空気の排出経路を示す図であり、(a)は左右方向と直交する断面図であり、(b)は(a)の状態を下方から見た斜視図である。
【
図11】筐体の分解図であり、(a)は上方から見た図であり、(b)は下方から見た図である。
【
図12】(a)はスタンドの斜視図であり、(b)は姿勢調整部の拡大斜視図である。
【
図13】調理容器の分解状態の斜視図であり、(a)は下方から見た図であり、(b)は上方から見た図である。
【
図14】(a)は回転部の拡大断面図であり、(b)はつまみの分解状態を上方から見た図である。
【
図15】(a)は持ち手部周辺の断面図であり、(b)はロック体を外した状態を上方から見た斜視図である。
【0008】
<実施形態>
1.全体構成
調理機Xは、
図1に示すように、調理装置1と調理容器7とを備える。
調理容器7は調理装置1に対して着脱可能に構成される。調理容器7は調理装置1により加熱及び回転駆動される。つまり、調理機Xは、所謂、攪拌式の調理機である。
調理装置1は、調理容器7が装着される装置本体2と、装置本体2の姿勢を変更可能に支持するスタンド5とを備える。
装置本体2は、調理容器7を装着するための凹部(内釜210)の開口を上向きにして、上下方向と直交する回転軸周りに回転可能に支持されている。これにより、調理容器7の中心軸が上下方向に対して傾斜可能となる。
ここで、回転軸が延伸する方向を左右方向(第1方向)とし、上下方向と左右方向とに直交する方向を前後方向(第2方向)として、以下説明する。
【0009】
装置本体2は、
図2に示すように、筐体20に、調理容器7が装着される容器装着部21と、容器装着部21の外側に配された且つ調理容器7を加熱する加熱部22と、調理容器7を回転させるため回転部23と、容器装着部21の温度検知する温度検知部24(
図4参照)と、使用者から装置の操作を受け付ける操作部25と、操作内容にしたがって加熱部22や回転部23等を制御する制御部(29)と、商用電源から受電して加熱部22や回転部23等の駆動電力を生成する電源部(29)と、スタンド5により支持される被支持部26と、スタンド5に対して装置本体2の姿勢を調整する姿勢調整部27と、筐体20の内部と外部とで空気を連通される送風部28とを備える。なお、制御部と電源部は1つの回路部29として構成されている。
スタンド5は、
図1及び
図2に示すように、設置面に載置されるベース部51と、ベース部51から上方に延伸する一対の支持部53とを有している。なお、支持部53は、装置本体2の被支持部26を左右方向の回転軸周りに回転(正回転及び逆回転を含む)可能に支持する。
調理容器7は、容器71と、蓋73とを備える。
以下、各部について説明する。
【0010】
2.調理装置
(1)装置本体
装置本体2は、
図2に示すように、開口を上に向けて配された有底筒状の容器装着部21と、容器装着部21の下部側に配された加熱部22と、容器装着部21の底部213の下方に配された回転部23と、回転部23の下方に配された回路部29と、容器装着部21の上部側に設けられた被支持部26とを備える。この配置により、装置本体2を小型化できる。
装置本体2は、加熱部22を下方から覆うカバー部31を有している。カバー部31は、アルミニウム、スチール、ステンレス等の金属材料により構成されている。これにより、加熱部22と回路部29との間にカバー部31が位置することとなり、回路部29が過度に加熱されるのを防止したり、筐体20の下部側が熱で変形したりするのを防止できる(断熱機能)。また、カバー部31は、加熱部22の加熱手段として加熱コイルを用いた場合に、加熱コイルからのノイズを遮蔽するシールド機能を有する。
装置本体2は、
図3に示すように、筐体20に支持され且つカバー部31の下方に位置するベース部32を有し、当該ベース部32の上面に回転部23のモータ233(
図8の(a)参照)が取り付けられ、ベース部32の下面側に回路部29が取り付けられる。これにより、加熱部22と回路部29との間にベース部32が位置し、ベース部32は断熱機能とシールド機能(ベース部がない場合に比べてである)とを有することとなる。
【0011】
(1-1)容器装着部
容器装着部21は、
図5に示すように、内釜210と、容器71の回転を支持するガイドローラ218とを有する。なお、内釜210は耐熱樹脂材料により構成されている。
内釜210は、
図4の(b)に示すように、有底筒状をし、円筒部211と、湾曲部212と、底部213とを有する。湾曲部212は、縦断面において、円筒部211の下端から底部213に向かって円弧状に延伸する。底部213は、湾曲部212の内周端から下側に凹入する形状に構成されている。この凹入部分に、軸受け232とロータ231とが配される。
ガイドローラ218は、回転軸が円筒部211の筒軸と平行となるように、円筒部211の上端であって周方向に間隔を置いて、複数個(例えば、3個)設けられている。なお、ガイドローラ218は、ローラ面が筒軸に向かって張り出す状態で、固定具214により回転可能に設けられている。
容器装着部21は、内釜210の開口端から径方向の外方へ張り出す鍔部216と、鍔部216に形成され且つ容器装着部21を筐体20と連結するための連結部217とを有している。なお、連結にはねじが利用される。
【0012】
(1-2)加熱部
加熱部22は、容器装着部21の湾曲部212の外面に設けられてリブにより構成される溝部分212aに沿って、金属線(例えば、銅線)が巻きつけられた、所謂、加熱コイルにより構成される。つまり、加熱部22の加熱手段は、金属製の容器71を電磁誘導で加熱する電磁誘導加熱手段である。なお、加熱コイルの図示は省略する。
加熱コイルは、加熱コイルの外面に外方から当接する支持具221により支持される。
支持具221は、加熱コイルからの防磁用のフェライト222と、フェライト222を保持し且つ容器装着部21に装着する装着具223とを備える。
支持具221は矩形状をする。装着具223は、フェライト222が加熱コイルに対向(当接)する状態で、装着具223の下端部が容器装着部21(内釜210)の底部213の底部分に、装着具223の上端部が容器装着部21(内釜210)の円筒部211に、それぞれねじ等を利用して固定されることで、容器装着部21に装着される。
【0013】
(1-3)温度検知部
温度検知部24は、
図4に示すように、容器装着部21の底部213又はその付近、より具体的には、内釜210の湾曲部212であって底部213に近い部分に設けられている。温度検知部24は、内釜210の湾曲部212の貫通孔212bを介して、容器71の温度を検知する。
温度検知部24は、
図7に示すように、温度センサユニット241と、温度センサユニット241を保持するセンサホルダー242とを備える。ここでは、温度検知部24は、温度センサユニット241をセンサホルダー242内で位置決め(ガタツキ防止)用の弾性体243を備える。なお、この状態で、容器装着部21に取り付けてもよい。
温度検知部24は、温度センサユニット241を保持するセンサホルダー242をシールドするためのシールド部材を備える。ここでは、センサホルダー242を下側(容器装着部21と反対側)からシールドする下シールド部材244と、上側(容器装着部21側)からシールドする上シールド部材245とを備える。なお、下シールド部材244と温度センサユニット241との間に位置決め(ガタツキ防止)用の弾性体246を備える。これにより、温度センサ241aに赤外線センサを使用した場合でも、加熱コイルからのノイズと熱による影響を受け難くできる。なお、この状態で容器装着部21に取り付けてもよい。
温度検知部24は、温度センサユニット241側に液体が侵入するのを規制するフィルタ247と、フィルタ247を支持する支持台248と、フィルタ247を支持台248に装着する装着体249とを備える。これにより、調理容器7から汁や水等の液体が零れたり、溢れたりしても温度センサユニット241に液体等が付着するのを防止できる。
【0014】
温度センサユニット241は、温度センサ241aと、温度センサ241aを実装するセンサ基板241bとを備える。ここでは、回路部29と接続する配線用のコネクタ241cがセンサ基板241bに設けられている。温度センサ241aとして、例えば、赤外線センサを利用できる。
【0015】
センサホルダー242は、下方が開放する箱状をし、天板部242aに検知用の貫通孔242bが設けられている。センサホルダー242は、温度センサユニット241を装着するための装着部242cと、センサホルダー242を容器装着部21に装着するための装着部242dとを有する。装着部242cは、温度センサユニット241のセンサ基板241bに係合する係合片より構成される。装着部242dは、側板から延伸する延伸部242eと、延伸部242eに形成された貫通孔242fとにより構成される。
【0016】
下シールド部材244と上シールド部材245は、上下からセンサホルダー242を覆う。下シールド部材244は、上側が開放する箱状をする。下シールド部材244は、温度センサユニット241のコネクタ241cに対応した部位に欠け部244aと、下シールド部材244を容器装着部21に装着するための装着部244bとを有している。装着部244bは、開口端から延伸する延伸部244cと、当該延伸部244cに形成された貫通孔244dとにより構成される。
上シールド部材245は、下側が開放する箱状をする。上シールド部材245は、天板部245aに検知用の貫通孔245bを有している。
【0017】
弾性体243,246は、例えば、スポンジを利用できる。これにより、温度センサユニット241が移動するのを規制できる。また、加熱部22からの熱を吸収し、温度センサ241aに熱を伝わり難くできる。
なお、弾性体243,246は、温度センサ241aの貫通孔243aやコネクタ241c用の欠け部246aを有している。
【0018】
フィルタ247は、赤外線の通過を許可し且つ液体の通過を許可しないフィルタ機能を有する。フィルタ247は、板状をし、セラミック材料により構成されている。
支持台248は、下側が開放する箱状部248aを有する。箱状部248aの天板部248bに検知用の貫通孔248cが設けられている。なお、天板部248bには、上方に突出して、フィルタ247に当接する当接部分248dが貫通孔248cを挟んで設けられている。
支持台248は、容器装着部21に装着するための装着部248eを有している。装着部248eは、箱状部248aの開口端から外方に延伸する延伸板部248fの下面に設けられた筒部248gにより構成される。
延伸板部248fは、下方に突出し且つ断面形状が異なる2つの突起部248i,248jを有している。突起部248i,248jは、上シールド部材245の天板部245aの形状の異なる貫通孔245c,245dを挿通して、センサホルダー242の天板部242aの形状の異なる貫通孔242i,242jに嵌る。これにより、支持台248、上シールド部材245及びセンサホルダー242が位置規制される。
【0019】
装着体249は、板状の本体部249aと、本体部249aの下面に設けられた凹入部249bと、本体部249aに設けられた検知用の貫通孔249cとを有している。装着体249は、凹入部249b内にフィルタ247が配された状態で、支持台248の箱状部248aの天板部248bを覆うように装着される。装着体249は、弾性材料、例えば、ゴム材料により構成され、パッキンの機能を有している。
【0020】
温度検知部24の容器装着部21への装着は、ねじ240が下側から、下シールド部材244の装着部244b(貫通孔244d)、センサホルダー242の装着部242d(貫通孔242f)、支持台248の装着部248e(筒部248g)を挿通して、容器装着部21のねじ孔212c(
図6の(c)参照)に螺合する。
【0021】
装置本体2は、
図3の(b)に示すように、容器装着部21の内釜210の温度を検知する温度検知部33を備える。これにより、容器装着部21の温度を検知でき、安全性を向上できる。なお、温度検知部33は温度ヒューズを利用している。
装置本体2は、
図6の(c)に示すように、内釜210の溝部分212aに温度検知部34を備える。ここでの温度検知部34としてサーミスタをできる。これにより、加熱部22が過度に温度上昇するのを防止できる。また、温度検知部24,33,34により制度のよい温度管理が可能となり、安全性も向上できる。
【0022】
(1-4)回転部
回転部23は、
図2に示すように、容器71のカップリング713(
図13参照)を回転させるロータ231と、ロータ231を回転可能に支持する軸受け232と、ロータ231を回転させるためのモータ233と、モータ233の回転駆動を伝達する駆動伝達手段234とを有している。
ロータ231と軸受け232は、
図4の(b)に示すように、容器装着部21の内側に配されている。より具体的には、内釜210の底部213に配されている。軸受け232は、底部213の円形状の凹入部分213aに嵌合し、内周面にロータ231の軸部231aが嵌合する。これにより、ロータ231が内釜210に回転可能に支持される。ロータ231の軸部231aは、駆動伝達手段234の駆動軸234a(
図8の(a)、
図9の(b)参照)にねじ239により連結される。なお、軸部231aは駆動軸234aに嵌合し、軸部231a及び駆動軸234aの断面形状は円形状の一部が欠いた非円形状をしている。これにより、モータ233の回転駆動がロータ231に伝達する。
【0023】
駆動伝達手段234は、直交タイプのギアヘッドである。これにより、
図8に示すように、内釜210の筒軸に対して、モータ233の回転軸を直交させることができ、筒軸方向の回転部23の寸法を小さくできる。駆動伝達手段234は内釜210の底部213に固定される。固定は、内釜210の底部213の貫通孔213b(
図4の(a)参照)を内釜210の内側から挿通するねじが、駆動伝達手段234のねじ孔234b(
図8の(a)参照)に螺合することで、行われる。なお、駆動伝達手段234の駆動軸234aは、内釜210の底部213の中央の貫通孔213cを挿通する。
モータ233は、
図9に示すように、ベース部32の上面の凹入状のモータ配置部326に配置されている。これにより、ねじ等の固定具を利用せずに、モータ233を支持できる。なお、ベース部32は、筐体20にねじ等により取り付けられる。
【0024】
(1-5)操作部
操作部25は、
図2に示すように、筐体20の一対の取手部20aの一方に設けられている。操作部25は、使用者が、調理内容に対応した自動調理プログラムを選択したり、マニュアルで加熱時間、加熱温度、調理容器7の回転速度を設定したりする際に操作される。
操作部25は、
図3に示すように、操作ボタンの内容を示す表示シート251と、使用者の表示シート251の押圧操作を受け付ける操作ボタンを有する操作基板253とを備える。
操作部25は、調理内容を表示したり、加熱時間等の残り時間を表示したりする表示部254を操作基板253に有する。
なお、使用者の操作内容等は制御部に出力され、表示部254の表示内容は制御部から入力される。
【0025】
(1-6)被支持部
被支持部26は、スタンド5の支持部53の円形状の貫通孔531(
図12の(a)参照)に、円筒状の嵌合部261(
図4参照)が嵌合することで、スタンド5に回転可能に支持される。
被支持部26は、
図4に示すように、嵌合部261を有する第1部材262と、第1部材262とでスタンド5の支持部53を挟むように第1部材262に取り付けられる第2部材265とを備える。
第1部材262は、有底筒状をしている。底部分には、左右方向(スタンド5側)の外方に円筒状に突出する嵌合部261を有する。第1部材262は、ねじ263により、容器装着部21に固定される。固定位置は、容器装着部21の筒軸方向(高さ方向)の中央付近であり、円筒部211の下部に相当する。これにより、容器装着部21は、回転軸に対して、上下でバランスよく、スタンド5に支持される。なお、容器装着部21の下部側には、加熱部22が取り付けられるため、内釜210の開口が上方を向く状態が最も安定する。
第2部材265は、板状をし、回転軸を挟んだ2箇所で、ねじ266により第1部材262に取り付けられる。2つのねじ266により、第2部材265が第1部材262に対し回転することなく固定される。なお、2つのねじ266は、嵌合部261の内側を挿通する。
【0026】
(1-7)姿勢調整部
装置本体2は、スタンド5の一対の支持部53に形成された複数個(ここでは、3個)の凹部分532(
図12の(a)参照)の何れかに、姿勢調整部27の凸部271a(
図4参照)が嵌合(係合)することを、その姿勢が調整及び保持される。
姿勢調整部27は、
図2の(b)に示すように、筐体20の一対の取手部20aの他方に設けられている。これにより、取手部20aの一方側に操作部25が配されているため、左右方向の重量バランスが良くなる。
特に姿勢調整部27の操作体273が、取手部20aの下側に設けられているため、操作体273が使用者の調理等の邪魔になり難い。また、操作体273を上下動させることで、凸部271aが出没し、凸部271aの凹部分532への嵌合及びその解除を容易に行える。
姿勢調整部27は、
図4の(b)に示すように、凸部271aを有する嵌合体271と、凸部271aを嵌合方向に移動可能に支持するケース体272と、嵌合体271に連結する操作体273と、ケース体272内の嵌合体271を嵌合状態側(スタンド5の支持部53側)に付勢する付勢体274とを備える。
ケース体272は、
図4の(a)に示すように、容器装着部21にねじ278により固定され且つ操作体273側に開口を有するケース本体275と、ケース本体275の開口を覆い且つ回転軸側に張り出す張出部分276aを有するケースカバー体276とを有する。
なお、嵌合体271と操作体273は、ねじ279により連結されているが、一体成形等による一体物であってもよい。また、嵌合方向は、容器装着部21の回転軸と直交する方向(径方向)である。
【0027】
(1-8)回路部
回路部29は、
図9に示すように、制御部や電源部を構成するための複数の電子部品291と、複数の電子部品291を所定の回路構成で実装する回路基板292とを少なくとも備える。
回路部29は、電子部品291や回路基板292の熱を放出するためのヒートシンク293を回路基板292に備える。回路部29は、加熱部22、回転部23、温度検知部24等と接続する接続具(コネクタ)294を回路基板292に備える。
回路基板292は、ベース部32にねじ299により固定される。回路基板292は、略方形状をし、上方から見たときに、「U」字状の領域に、電子部品291、ヒートシンク293、接続具294を実装し、ベース部32の長尺状のモータ配置部326が「U」字の内側の領域に位置する。これにより、ベース部32に回路部29を取り付けた際に、回路基板292の厚み方向の寸法を小さくできる。
なお、ヒートシンク293は、駆動伝達手段234、モータ233と、一直線状に位置するように、回路基板292の端部に配されている。モータ233の回転軸と上記の一直線とは略平行である。
【0028】
(1-9)送風部
送風部28は、
図2の(a)に示すように、回路部29のヒートシンク293と対向するように、配されている。送風部28は、
図9に示すように、ベース部32に設けられる送風ファン281により構成される。ここでは、送風部28は、2個の送風ファン281により構成される。これにより、ヒートシンク293の熱を効率よく放出できる。
送風部28から送出された熱は、
図10に示すように、筐体20の下向きの排出口202cから下方に排出される。
なお、
図10の(b)に示すように、筐体20の底部(底本体部202a)に吸引口202bが形成されているが、
図9の(a)に示すように、送風ファン281のケースの周壁により、吸引口202bから吸引した空気がヒートシンク293を経由せずに(送風ファン281に直接向かって)排出されることが防止される。これにより、
図10の矢印に示すように、回路部29を通過した空気が効率よく放出される。
送風部28は、
図8の(a)に示すように、駆動伝達手段234を中央に配し、その一方側にモータ233が配され、他方側にヒートシンク293と送風ファン281とが配されている。これにより、駆動伝達手段234を基準にして、これらが並ぶ方向の重量バランスが良くなる。送風ファン281、ヒートシンク293、駆動伝達手段234、モータ233が並ぶ方向は、装置本体2がスタンド5に回転(傾斜)可能に支持される回転軸と直交する。これにより、装置本体2の安定性を向上できる。
【0029】
(1-10)カバー部
カバー部31は、
図4に示すように、加熱部22を下方から覆う被覆体311により構成される。これにより、加熱部22の熱が下方に伝わるのを防止でき、熱効率を高めることができる。また、加熱部22の下方のベース部32が熱により変形等をするのを防止できる。
被覆体311は、例えば、アルミニウム、ステンレス等の金属材料により構成される。ここでは、被覆体311は、金属板により構成される。これにより、加熱部22の下方に配されている回路部29が、加熱コイルからのノイズで誤動作することを防止できる。
被覆体311は、1枚又は複数の金属板をプレスして構成される。被覆体311は、全体として、多角錐台状をしている。ここでは、八角錐台状をしている。これにより、湾曲状の加熱部22に沿って被覆できる。したがって、被覆体311が加熱コイルに近接し、容器装着部21の筒軸方向の寸法を小さくできる。
被覆体311は、8つの錐面部から構成され、1つの錐面部は、上側が広い台形状をしている。また、被覆体311は、容器装着部21の周方向に長い形状の板材をプレス加工しており、長手方向の両端311a,311bが重ね合われている。これにより、加熱コイルの巻き方による厚みのバラツキがあっても、被覆体311の周方向の長さを調整できる。
被覆体311は、下端から容器装着部21の筒軸側に屈曲する下屈曲部312と、上端から筒軸に沿うように屈曲する上屈曲部313とを有する。下屈曲部312の一部には、カバー部31を容器装着部21に装着するための装着部分312aが設けられている。装着には、ねじ329(
図8の(a)参照)が利用され、装着部分312aは貫通孔により構成されている。
正確には、貫通孔には、容器装着部21の底部3のボス213dが嵌り、当該ボス213dのねじ穴213eにねじ329が螺号する。これにより、被覆体311をガタツキなく支持される。
カバー部31は、加熱部22の上端部を周方向から覆う第2被覆体315を有している。第2被覆体315は、バンド状をし、ねじ318により容器装着部21に取り付けられている。
【0030】
(1-11)ベース部
ベース部32はベース体321により構成されている。
ベース体321は、例えば、樹脂材料により構成されている。ベース体321は、
図9に示すように、板状のベース壁部322と、ベース壁部322の周縁から下方に立設する周壁部323と、ベース壁部322の周縁であって周方向に間隔を置いて上方に延伸する延伸部324と、ベース壁部322に設けられ且つ送風ファン281を収容する送風ファン収容部325と、ベース壁部322に設けられ且つ回転部23の駆動伝達手段234とモータ233とが配されるモータ配置部326と、送風ファン収容部325から外側に延伸するフード部327とを有する。
【0031】
ベース壁部322は、ここでは方形状をしている。これにより、方形状の回路部29を覆うようにベース部32の下側に取り付けることができ、加熱部22の熱が回路部29側に直接伝わるのを防止できる。
ベース壁部322は、ベース部32を容器装着部21(内釜210の底部213)に固定するための固定部322aを有している。固定には、
図8の(a)に示すようにねじ329により行われ、固定部322aは、上方に延伸するボスと、ボスに形成された貫通孔とで構成される。ねじ329は、内釜210の底部213のボス213dのねじ穴213e(
図4の(a)参照)に螺合する。なお、ボス213dは、カバー部31の被覆体311の装着部分(貫通孔)312aを挿通する。これにより、ベース部32の取り付けにより、被覆体311も容器装着部21に取り付けられる。
【0032】
周壁部323は、
図9に示すように、回路部29の回路基板292の周縁に向かって延伸している。これにより、回路基板292に実装された電子部品291や接続具294等を保護できる。
周壁部323とベース壁部322とに跨るようにボス323aが形成され、当該ボス323aのねじ孔323bに、回路部29をベース部32に固定するためのねじ299が螺合する。周壁部323は、加熱部22、回転部23、温度センサ241a、操作部25等を、回路部29に接続する配線用の欠け部323cを有する。
【0033】
延伸部324は、
図9に示すように、方形状のベース壁部322の角部から上方に延伸する。延伸部324は、その先端部分に筐体20にベース部32を固定するための固定部分324aが設けられている。固定には、ねじが利用され、固定部分324aはねじ用の貫通孔により構成される。
延伸部324Aは、モータ配置部326の端部の近傍から延伸している。これにより、モータ233等(
図8の(a)参照)を保護できる。
【0034】
モータ配置部326は、ベース壁部322の中央を含む領域から、方形状のベース壁部322の一辺に向かって延伸するように設けられている。モータ配置部326は、ベース壁部322から回路部29側に凹入するように設けられている。なお、回路部29の電子部品291は、モータ配置部623を避けるように設けられ、上方から見ると「U」字状に配されている。
フード部327は、送風ファン収容部325の上部(排出口202cと反対側)から、送風ファン281から送出される空気の流動方向に延伸する。これにより、送風ファン281からの空気が加熱部22側に流れるのを規制できる。
【0035】
(1-12)筐体
筐体20は、
図1に示すように、内釜210の上部の開口を塞がない状態で、容器装着部21、加熱部22等を収容する。筐体20は、スタンド5により支持された容器装着部21と、容器装着部21に装着された加熱部22と回転部23と回路部29と姿勢調整部27とを、覆うように設けられている。この観点からは、筐体20はカバー体ともいえる。
筐体20は、上部側であってスタンド5の一対の支持部53により支持される支持方向(左右方向)の両側に、使用者が調理装置1を持ち運び等する際に持つ取手部20aを有している。
筐体20は、
図11に示すように、筐体本体201と、筐体本体201の下部側に設けられる底体202と、筐体本体201の上部側に設けられる上カバー体203と、筐体本体201の側部側に設けられた側カバー体204とを備える。
【0036】
筐体本体201は、筒状の本体部201aと、本体部201aの上部側から左右方向に張り出すように設けられた下取手部201bと、スタンド5に回転可能に支持される被支持部26用の貫通孔201cと、姿勢調整部27用であって上方が開口する欠け部201dと、筐体本体201(の上部側)を容器装着部21に連結するための上連結部201eと、筐体本体201(の下部側)をベース部32に連結させるための下連結部201fと、上カバー体203と係合するための上カバー用係合部201gと、側カバー体204と係合するための側カバー用係合部201hとを有する。
【0037】
底体202は、半球状やボール状をする底本体部202aと、筐体20の内部に空気を吸引するための吸引口202bと、筐体20の内部の空気を排出するための排出口202cと、底体202をベース部32に連結するための連結部202dと、商用電源と接続するためのケーブル(図示省略)用の貫通孔202eとを有する。
排出口202cは、下向きに設けられ、筐体20内に水の侵入を防止できる(生活防水)。
貫通孔202eは、ケーブル用の貫通孔を有する蓋具206により塞がれる。
【0038】
上カバー体203は、環状部203aと、環状部203aの対向する2つの部位から外方へ張り出す上取手部203bと、上カバー体203を筐体本体201と共に容器装着部21に連結するための連結部203cと、筐体本体201の上カバー用係合部201gと係合するための係合部203dとを有する。
上取手部203bは、筐体本体201の下取手部201bとで取手部20aを構成する。上取手部203bの一方には、操作部25の操作ボタン用の弾性変形可能な弾性部分203eや、表示部254用の開口部分203fが形成されている。上取手部203bの他方には、姿勢調整部27を位置決めする位置決め部分203gが形成されている。
【0039】
側カバー体204は、カバー本体204aと、側カバー体204を筐体本体201に着脱可能に装着する装着部204bとを有している。装着部204bは、筐体本体201の側カバー用係合部201hと係合する係合部より構成される。
【0040】
容器装着部21と筐体本体201と上カバー体203との連結は、図示しないねじが下方から、筐体本体201の上連結部201eの一例である貫通孔、容器装着部21の連結部217(
図3参照)の一例である貫通孔を挿通して、上カバー体203の連結部203cの一例であるねじ穴(ボスに形成されている)に螺合することで、行われる。これにより、1つのねじで、容器装着部21と筐体本体201と上カバー体203との3つの部材を連結できる。
ベース部32と筐体本体201と底体202との連結は、ねじ209(
図11参照)が下方から、底体202の連結部202dの一例である貫通孔(ボスに形成されている)、ベース部32の固定部分324a(
図3参照)の一例である貫通孔を挿通して、筐体本体201の下連結部201fの一例であるねじ穴(突出部に形成されている)に螺合することで、行われる。これにより、1つのねじで、ベース部32と筐体本体201と底体202との3つの部材を連結できる。なお、底体202の連結部202dは蓋具208により塞がれる。
【0041】
(2)スタンド
スタンド5は、
図12に示すように、ベース部51と一対の支持部53とを有する。
一対の支持部53は円形状の貫通孔531を有する。2つの貫通孔531の中心を結ぶ仮想線は、スタンド5に対して装置本体2が回転(傾斜)可能に支持される回転軸と一致する。
一方の支持部53は、貫通孔531の中心を通り且つベース部51と反対側から中心に向かって凹入する凹部分532を貫通孔531の周方向に複数個(ここでは3個)設けられている。凹部分532には、
図12の(b)に示すように、姿勢調整部27の凸部271aが嵌る。これにより、スタンド5に対する装置本体2の姿勢が調整及び維持される。
一方の支持部53は、複数の凹部分532が並ぶ方向の両側に貫通孔531の径方向の外方へ突出する突出部分533を有する。
図12の(b)に示すように、突出部分533における凹部分532側の形状は、姿勢調整部27の凸部271aが凹部分532に嵌る状態で、嵌合体271の凸部271a側の形状に対応する。つまり、突出部分533における凹部分532側は、姿勢調整部27の凸部271a側に当接する形状をしている。これにより、スタンド5に対して装置本体2がさらに傾斜(回転)するのを規制される。換言すると、突出部分533はストッパーの機能を有する。
【0042】
3.調理容器
調理容器7は、
図1に示すように、装置本体2に対し、内釜210の筒軸周りに回転可能であって着脱可能に構成されている。
調理容器7は、容器71と蓋73とを備える。
(1)容器
容器71は、
図13に示すように、容器711とカップリング713とを備える。
容器711は、円筒部711aと湾曲部711bと底部711cとを有する。
湾曲部711bは、縦断面において、円筒部711aの下端から下方に向かって円弧状に湾曲する。容器711は、攪拌部711dを円筒部711aと湾曲部711bとに跨って有している。攪拌部711dは、容器71の中心軸(円筒部711aの筒軸)に向かって突出する。なお、攪拌部711dは、中心軸を挟んで対向する2部位に設けられている。
底部711cは、その中央部分が上方に膨らむ。容器711は、カップリング713を固定するための固定部711eを備える。固定部711eは、ここではねじ部が利用され、底部711cbから下方に突出する。
【0043】
カップリング713は、装置本体2の回転部23のロータ231(
図5参照)からの駆動を容器711に伝える。換言すると、ロータ231に結合して、ロータ231と共に回転する。
カップリング713は、円形状の平坦部713aと、平坦部713aの外周側に設けられた円環部713bと、平坦部713aに形成された嵌合部713cとを有する。
平坦部713aは、容器711の底部711c71と対向する。
円環部713bは、平坦部713aから下方(ロータ231)側に凹入する。換言すると、円環部713bの断面(容器71の周方向と直交する断面)形状は、上側(容器711側)が開口する「コ」字状をし、その内周側で平坦部713aと接続している。
カップリング713は、カップリング713を容器711に固定するための固定部713dを有している。固定部713dは、容器711の固定部(ねじ)711eが挿通する貫通孔により構成され、当該貫通孔を挿通した固定部(ねじ)711eがナット719と螺合する。
カップリング713は、ロータ231の連結部231bと連結する連結部713eを有している。ここでは、ロータ231の連結部231bは、
図5に示すようにロータ231の周面231cから径方向へ突出し、カップリング713の連結部713eは、
図13の(a)に示すように円環部713bの内周壁から中心軸に向かって「L」字に突出する。
容器711を装置本体2にセットする際には、カップリング713の円環部713bの内側に装置本体2のロータ231が位置するように、カップリング713をロータ231に嵌合させる。そして、容器711を回転駆動される方向と反対側に回転させる。これにより、ロータ231の連結部231bがカップリング713の連結部713eに嵌る。なお、この状態では、ロータ231の連結部231bの下端部分に、カップリング713の「L」の一辺であって下方に位置する部分が係合し、容器711が上方への移動により装置本体2から外れるのを防止される。
凹入状の円環部713bは、その底部分に貫通孔713fを周方向に沿って複数個有している。これにより、容器71を洗浄した際に、カップリング713内の水を取り除きしやすくできる。なお、カップリング713内に水が残留すると、調理中に水蒸気が発生し、温度センサ241aや回路部29等に付着するおそれがある。
嵌合部713cは、容器71を装置本体2にセットした際に、
図14の(a)に示すように、回転部23のロータ231の円形状に凹入する溝部分231dに嵌合する。
【0044】
(2)蓋
蓋73は、蓋本体731と、パッキン732と、つまみ733と、ロック体734とを備える。
【0045】
蓋本体731は、天板部735と持ち手部736とを有する。
天板部735は円形状をしている。持ち手部736は、天板部735の中心を挟んで対向する2部位に設けられている。持ち手部736は、天板部735の周縁から上方に延伸するように設けられている。これにより、持ち手部736の上端部分の高さを上げることができ、蓋73を開けた際に出る蒸気から手を遠ざけることが可能(火傷防止)となる。
持ち手部736は、
図15に示すように、一対の縦リブ部736aと、一対の縦リブ部736aにおける内側(容器71の中心軸側)を連結する連結部736bと、縦リブ部736aの上端部を連結する上連結部736cとを有している。
一対の縦リブ部736aは上方に延伸するが、上連結部736c及び縦リブ部736aの外側(容器71の中心軸と反対側)の端縁736dは、容器71の中心側に寄っている。つまり、上連結部736c及び縦リブ部736aの外側の端縁736dは、
図15の(a)に示すように、縦リブ部736aにおける天板部735と接続する部分であって外側(容器71の中心軸から遠い側)の端縁を通り、中心軸と平行に延伸する仮想線Aよりも内側(中心軸側)に位置している。
これにより、調理容器7における径方向の寸法を小さくできる。また、蓋73を開けた際に出る蒸気から手を遠ざけることが可能(火傷防止)となる。
【0046】
つまみ733は、
図13に示すように、蓋本体731の天板部735の中央に形成された貫通孔735aを利用して蓋本体731に装着される。
つまみ733は、蓋本体731を表裏から挟持する内部材737と外部材738と、外部材738に回転可能に設けられたつまみ体739とを有している。
外部材738は、
図14の(b)に示すように、有蓋筒状をし、その蓋部738bに貫通孔738aを有している。外部材738は、筒部738cの筒軸の中間部分から外方に張り出す鍔部738dと、筒部738cにおける鍔部738dの下側に形成されたねじ部738eと、筒部738cにおける鍔部738dの上側に形成された突条部738f,738gとを有する。
ねじ部738eが蓋本体731の貫通孔735aを挿通して内部材737のねじ部737aと螺合すると、鍔部738dと内部材737とで蓋本体731を挟持する。これにより、外部材738と内部材737とが着脱可能に蓋本体731に装着される。
【0047】
つまみ体739は、有蓋筒状をし、その蓋部分739bに蒸気口(貫通孔)739aを有している。つまみ体739は、筒部739cにつまみ部739dを有している。つまみ部739dは、つまみ体739を回転させる際に利用できる。
つまみ体739は、外部材738に対して回転した際に、外部材738の溝部内を移動する凸部739eを有している。これにより、つまみ体739が、外部材738から上方に外れ難くできる。
凸部739eは、筒部739cの内周面に形成され、上下及び周方向に離間して2個ある。なお、
図14の(b)では、下側の凸部739eのみが表れている。2個の凸部739eは、外部材738の鍔部738dと突条部738f、突条部738f,738gの間の溝部に嵌る。これにより、つまみ体739は、外部材738に対して外部材738の筒軸周りに回転可能となる。なお、つまみ体739の回転は、外部材738の凸部(ストッパー)738iにより規制される。つまみ体739の回転により、外部材738の貫通孔738aとつまみ体739の蒸気口739aとの重なり面積(開口面積)が変化し、調理中の蒸気の排出量を調整できる。このように、つまみ733は、使用者が蓋73を持ち上げる際に使用するつまみ機能と、蒸気排出量の調整機能とを有する。
【0048】
ロック体734は、
図15に示すように、持ち手部736内に嵌る状態で回転軸741周りに回転可能に支持されている。ロック体734は、回転軸741周りを第1の向きで回転すると、容器71の鍔部711fに係合して、蓋73の容器71への装着状態をロック(固定)する。
ロック体734は、上部側が凹入するように湾曲する板状の本体部734aと、本体部734aの両端に設けられた縦リブ部734bと、本体部734aの下端部(容器71側の端部)から容器71の中心軸側に延伸する係合部734cとを有する。
ロック体734は、持ち手部736の一対の縦リブ部736aに設けられた回転軸714に回転可能に支持される。支持は、一対の縦リブ部736aに形成された貫通孔734dに回転軸714が挿通することで行われる。なお、ロック体734は、係合部734cが容器71に近づく第1の向きと反対向きの第2の向きに回転すると係合部734cの係合が解除される。
ロック体734は、持ち手部736に設けられた付勢手段742により第1の向きに付勢される。これにより、係合状態の解除を外れ難くできる。付勢手段742は、回転軸741に設けられたコイルばねである。なお、ロック体734は、コイルばねの一端を固定する貫通孔734eと、コイルばねを位置規制するリブ部734fとを有している。
ロック体734は、
図15の(a)に示すように、本体部734aの上部に内側に凹入する凹入部分734gを有している。これにより、使用者は凹入部分734gを利用して調理容器7を持ち運びできる。また、凹入部分734gは本体部734aの上部に位置するため、使用者の持つ部分の高さを上げることができ、蓋73を開けた際に出る蒸気から手を遠ざけることが可能(火傷防止)となる。
ロック体734は、
図15の(a)に示すように、一対の縦リブ部734bは上方に延伸するが、本体部734aの上端734i及び縦リブ部734bにおける外側(容器71の中心軸と反対側)の端縁734jは、容器71の中心側に寄っている。つまり、上端734i及び縦リブ部734bにおける外側の端縁734jは、
図15の(a)に示すように、本体部734aの下部を通り、中心軸と平行に延伸する仮想線Aよりも容器71の中心軸側に位置している。これにより、調理容器7における径方向の寸法を小さくできる。また、蓋73を開けた際に出る蒸気から手を遠ざけることが可能(火傷防止)となる。
【0049】
持ち手部736の縦リブ部736aの下部の外側端736iと、ロック体734の縦リブ部734bの下部の外側端734kは、天板部735に対して直交する。これにより、一方の持ち手部736とロック体734とを設置面に当接する状態で、蓋73を立てることができる。あるいは、蓋73を立てた際に、一対の縦リブ部736a,734bの外側端736i,734kと、ロック体734の上端734i又は持ち手部736の上連結部736cとの3か所で設置面に当接し、安定した状態となる。なお、外側端734k,736jは、天板部735の中心から離れた側の端である。
【0050】
<変形例>
以上、実施形態を説明したが、この実施形態に限られるものではなく、例えば、以下のような変形例であってもよい。また、実施形態と変形例、変形例同士を組み合わせたものであってもよい。
また、実施形態や変形例に記載していていない例や、要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。
【0051】
1.調理装置
(1)調理装置1は、調理容器7を着脱可能であって回転駆動可能に装着しているが、調理容器7の着脱に着目しない場合は着脱不可能としてもよいし、回転機能に着目しない場合は、回転不可能としてもよい。
(2)加熱部
加熱部22は、加熱手段として加熱コイルを用いた電磁誘導を利用し、金属製の調理容器7の容器71を加熱していたが、ヒータ等の他の手段を利用してもよい。ヒータ等を利用する場合、容器装着部21を金属材料で構成し、当該容器装着部21をヒータで加熱することで、容器71を加熱するようにしてもよい。
加熱コイルは、容器装着部21における中央から下部に亘る領域(湾曲部212)に設けられているが、中央から上側に亘る領域に設けてもよいし、上部から下部に亘る領域に設けてもよいし、容器装着部21の中心軸の延伸する方向に離間する状態で複数の加熱コイルを設けてもよい。
【0052】
(3)回転部
回転部23のモータ233の回転軸は、容器装着部21の中心軸と交差するように、より具体的には直交するように、モータ233が配置されていた(これにより中心軸方向の寸法が小さくなる)が、容器装着部21の中心軸方向の寸法に着目しない場合は、中心軸と平行な方向となるようにモータが配置されてもよい。中心軸と平行に回転軸を配置する場合、モータ233とロータ231とを直接連結するようにしてもよい。
【0053】
(4)温度検知部
温度センサユニット241は、センサ基板241bにコネクタ241cを有していたが、半田等により配線と接続してもよい。
温度センサユニット241は、下方が開放する箱状のセンサホルダー242により保持されていたが、その構造は特に限定するものではない。センサホルダー242の構造として、例えば、2個の部材により温度センサユニット241を保持するような構造であってもよい。この場合、センサホルダーをケースとしてもよい。
センサホルダー242の装着部242cは係合構造を利用していたが、他の構造で温度センサユニット241を装着してもよい。他の構造としては、例えば、センサ基板241bが溝部に挿入(スライド)される溝構造、ねじを利用した螺合構造等がある。
シールド部材244,245は、加熱手段として加熱コイル(電磁誘導加熱)を利用しない場合は、備えなくてもよい。シールド部材244,245は、センサホルダー242を包むようにシールドしていたが、温度センサ241a(温度センサユニット241)を囲む構造であればよく、例えば、温度センサユニット241をシールド部材244,245が囲む状態でセンサホルダー242により保持されてもよい。
【0054】
フィルタ247は、容器装着部21の貫通孔212bと温度センサ241aとの間に存在すればよく、その位置は特に限定するものではない。例えば、実施形態のフィルタ247は、支持台248に支持されていたが、容器装着部21の貫通孔212bを覆うように容器装着部21に保持されてもよいし、センサホルダー242により保持されてもよいし、上シールド部材245により保持されてもよい。センサホルダー242や上シールド部材245にフィルタ247を設ける場合、支持台248を備えてもよいし、備えなくてもよい。フィルタ247を設ける目的に着目すると、温度センサ241aを収容するケース又は保持するセンサホルダー242における検知用の貫通孔242bを覆うように配するのが好ましい。また、この目的からは、ケースやセンサホルダー242の貫通孔242bを覆うフィルタ247を密閉状にケースやセンサホルダー242に設けるのが好ましい。
支持台248は、センサホルダー242から離間する状態のフィルタ247を支持しているが、離間距離を小さくしても大きくしてもよい。支持台248は、センサホルダー242と共に容器装着部21に装着されているが、支持台248とセンサホルダー242とで温度センサ241aを収容するケースとしてもよいし、支持台248とセンサホルダー242とシールド部材244,245とでケースとしてもよい。
装着体249は、フィルタ247をケース(実施形態では支持台248)の貫通孔248cを覆う状態で密閉状にケースに装着しているが、フィルタ247が貫通孔248cを密閉状に覆う状態でケースに装着できればよく、例えば、ケースの貫通孔248cの周囲の全領域に配された接着剤により密閉状にケースに装着(固着)してもよい。この場合の装着体249は接着剤となる。
【0055】
(5)操作部
操作部25は、一方の取手部20aを利用して設けられているが、他の部位、例えば、筐体20の筐体本体201の前面や側面に設けられてもよい。操作部25は、表示部254を備えているが、表示部254を操作部25から離れた部位に設けてもよい。離れた部位として、例えば、他方の取手部20a、筐体20の筐体本体201の前面や側面等がある。
【0056】
(6)被支持部
被支持部26は、スタンド5の支持部53に支持される構造であればよい。例えば、支持部53の貫通孔53aに嵌合する嵌合部261は、第1部材262に設けられていたが、第2部材265に設けてもよい。また、被支持部26は、第1部材262と第2部材265の2個の部材により構成されていたが、3個以上の部材により構成されてもよい。
【0057】
(7)姿勢調整部
姿勢調整部27は、一方の取手部20aを利用して設けられているが、両方の取手部20aに設けてもよい。操作体273は、取手部20aの下面側に設けられているが、上面、側面に設けられてもよい。装置本体2の姿勢は、3段階で調整可能とされていたが、2段階、又は4段階以上であってもよい。
姿勢調整部27の嵌合部261がスタンド5の支持部53の貫通孔531に嵌合するが、嵌合関係は逆であってもよい。つまり、支持部53が嵌合部を有してもよい。
【0058】
(8)回路部
回路部29は、制御部と電源部とを構成する電子部品291を1枚の回路基板292に実装しているが、制御部と電源部とで別々の基板に電子部品を実装してもよい。
電子部品291、ヒートシンク293、接続具294は、回路基板292に対して「U」の領域に実装されていたが、モータ配置部326が他の部位にある場合、ベース部32と回路基板292とが離れている場合は、電子部品291等の実装位置は特に限定するものではない。
【0059】
(9)カバー部
カバー部31は、加熱部22を下方から覆っているが、加熱部22と回路部29の間にあればよい。加熱部の熱を考慮すると、加熱部22に近い方が好ましい。また、加熱コイルの磁気やノイズを考慮すると、加熱部の全体を近い位置で覆うのが好ましい。
カバー部31は、1枚の被覆体311を利用しているが、複数枚の被覆体で加熱部を覆うようにしてもよい。被覆体311は、ねじ329で固定されているが、係止構造により支持されてもよい。
【0060】
(10)筐体
筐体20は、4個の部材201,202,203,204で構成されていたが、4個以外の個数の部材で構成されても良い。
(11)調理装置1は、容器装着部21を傾斜させる回転軸が延伸する方向(左右方向)の両側に取手部20aを備えているが、回転軸が延伸する方向と交差する方向や直交する方向に取手部を備えてもよい。
【0061】
2.調理容器
(1)つまみ733は、つまみ機能と蒸気排出量の調整機能とを有しているが、つまみ機能と蒸気排出量の調整機構との一方を有してもよい。この場合、つまみ部と調整部とが別体で設けることで実施できる。
(2)調理容器7は、蓋73の容器71への装着状態をロックするためのロック体734を備えていたが、ロック機構に着目しない場合、ロック体734を備えなくてもよい。
ロック体734は、係合構造を利用しているが、蓋73の装着状態が外れ難くできればよく、他の構造であってもよい。他の構造としては、螺合構造、バックル構造、ピン構造等がある。
【0062】
<<発明>>
実施形態及び変形例を一例として、少なくとも、以下の発明が含まれる。
<発明1>
1.先行技術
特開2009-187909号公報には、調理器として、例えば、回転駆動可能な容器2を備え、加熱調理中の容器2の温度を検知するための温度検知手段19(赤外線センサ45)を備えた加熱調理器が記載されている。
この加熱調理器は、温度検知手段19が窓部46を透過した赤外線を赤外線センサ45により検出することで、調理容器2の温度を検出するよう構成されている。
上記調理器では、温度センサユニット42の窓部46の隙間から水が浸入する虞もあり、それにより赤外線センサ45の故障が起こり得るとい問題がある(以下、便宜上、「第1の課題」とする)。なお、この課題は、容器を回転駆動させない調理機においても生じ得る。
【0063】
2.発明1
第1の調理機は、
調理容器と調理装置とを備える調理機において、
前記調理装置は、
調理容器を装着する容器装着部と、
前記調理容器を加熱する加熱部と、
前記容器装着部の外側に設けられる温度検知部とを
備え、
前記温度検知部は、
前記容器装着部の貫通孔を利用して前記調理容器の温度を検知する温度センサと、
前記貫通孔と前記温度センサとの間に配されたフィルタと
を備える。
これにより、液体等が容器装着部の貫通孔に浸入しても、フィルタが存在するため、温度センサに液体がかかり難くできる。
加熱部の加熱手段は、特に限定するものではなく、例えば、加熱コイルを用いた誘導加熱であってもよいし、ヒータを用いた加熱であってもよい。
温度センサは、赤外線センサであってもよいし、他の非接触のセンサであってもよい。なお、温度センサの保持構造は特に限定するものではない。
【0064】
第2の調理機は、第1の調理機において、
前記温度検知部は、
前記温度センサを収容し且つ前記容器装着部の前記貫通孔の対向する部位に貫通孔を有するケースと、
前記フィルタを保持する装着体と
を備え、
前記装着体は前記ケースに密閉状に装着する。
これにより、ケース内に液体が浸入し難くできる。
ここでのケースは、温度センサを内部に収容するタイプ、温度センサが露出する状態で保持されるタイプ(例えば、実施形態のセンサホルダーである)等であってもよい。
【0065】
第3の調理機は、第1又は第2の調理機において、
前記加熱部は、加熱コイルを利用した誘導加熱手段であり、
前記温度検知部は、前記温度センサを囲うシールド部材を備える。
これにより、温度検知部は加熱部のノイズと熱の影響を受け難くできる。
【0066】
第4の調理機は、第3の調理機において、
前記温度検知部は、シールド部材内にスポンジを備える。
これにより、温度検知部は加熱部の熱の影響を受け難くできる。
スポンジは、シールド部材内にあればよく、例えば、ケース内に配されたシールド部材内にあってもよいし、シールド部材内に配されたケース内にあってもよい、ケースを備えないでシールド部材内にあってもよい。
【0067】
第5の調理機は、第1~第4の調理機において、
前記調理装置は、前記容器装着部を水平方向に延伸する回転軸周りに傾斜可能に支持するスタンドを有している。
これにより、直立姿勢も含め、加熱調理中の調理容器の傾斜角度が可変であるような調理機において、その傾斜角度によって温度センサへの水の侵入リスクも高くなるため、フィルタにより止水対策の効果が大きい。
第6の調理機は、第4の調理機において、
前記温度センサは、赤外線センサである。
赤外線センサは周囲の温度やノイズ等の影響により検出のバラツキが発生しやすいが、シールド部材とフィルタを備えるため、加熱部の温度とノイズの影響を受け難くできる。
【0068】
<発明2>
1.先行技術
特開2004-267253号公報には、調理容器1を調理装置2で加熱する調理機が記載されている。この調理容器1の蓋14の取手部15が、蓋14に対して横方向に設けられている。このため、蓋14を開けた際に出る蒸気により手が熱いという問題がある(以下、便宜上、「第2の課題」とする)。
発明2に係る調理機は、蓋を開けた際に出る蒸気により、少しでも手が熱くならない構造の調理機を実現することを目的とする。
【0069】
2.発明2
調理容器と、前記調理容器を加熱する調理装置とを備える調理機において、
前記調理容器は容器と蓋とを備え、
前記蓋は、天板部と、前記天板部から上方に延伸する持ち手部とを有する。
これにより、持ち手部の持つ位置が高くなり、蓋を開けた際に出る蒸気により、少しでも手が熱くならないようにできる。
【0070】
<発明3>
1.先行技術
特開2004-267253号公報には、調理容器1を調理装置2で加熱する調理機が記載されている。この調理容器1の蓋14には、圧力調整機構16が設けられているが、蓋14を一時的に持ち上げる際には、取手部15を把持する必要があり、使い勝手がよくないという問題がある(以下、便宜上、「第3の課題」とする)。
発明3に係る調理機は、使い勝手のよい調理機を実現することを目的とする。
2.発明3
(1)第1の調理機
調理容器と、前記調理容器を加熱する調理装置とを備える調理機において、
前記調理容器は、容器と蓋とを備え、
前記蓋は、天板部と、前記天板部に設けられた蒸気排出量の調整可能なつまみとを有する。
これにより、調理メニューに応じた蒸気排出量の調整も可能であり、一時的に蓋を持ち上げる場合につまみを利用でき、使い勝手がよい。
(2)第2の調理機
第2の調理機は、第1の調理機において、
前記つまみは、蒸気が排出される蒸気口を有するつまみ体を回転可能に備える。
これにより、つまみ体の回転操作(手動で)により蒸気排出量の調整が可能となる。また、つまみは、蒸気排出量の調整機能とつまみ機能とを兼用することとなり、別体で設けるよりも安価に実施できる。
【0071】
<発明4>
1.先行技術
特開2004-267253号公報には、調理容器1を調理装置2で加熱する調理機が記載されている。この調理容器1の蓋14を利用しないときに、その置き場所に困るという問題がある(以下、便宜上、「第5の課題」とする)。
発明3に係る調理機は、蓋の置き場所に困り難い調理機を実現することを目的とする。
2.発明4
(1)第1の調理機
調理容器と、前記調理容器を加熱する調理装置とを備える調理機において、
前記調理容器は、容器と蓋とを備え、
前記蓋は、天板部と、前記天板部から上方に延伸する持ち手部とを有する。
これにより、持ち手部を下にして、蓋を起立させることでき、置き場所に困ることを少なくできる。
なお、換言すると、持ち手部は、天板部との間の角度が90度以下の端縁部を有している。端縁部の一例が、持ち手部(736)の外側端736iである。
(2)第2の調理機
調理容器と、前記調理容器を加熱する調理装置とを備える調理機において、
前記調理容器は、容器と蓋とを備え、
前記蓋は、天板部と、前記天板部から上方に延伸する持ち手部と、前記蓋の前記容器への装着をロックするロック体とを有し、
前記ロック体は、天板部との間の角度が90度以下の端縁部を有している。
ここでの端縁部の一例が、ロック体(734)の外側端(734k)である。
これにより、ロック体を下にして、蓋を起立させることでき、置き場所に困ることを少なくできる。
(3)第3の調理機
第3の調理機は、第1の調理機において、
前記持ち手部は、前記天板部から上方に離れるにしたがって、天板部の中心側に寄っている。
これにより、持ち手部の天板部からの横方向の出っ張りを小さくできる。
(4)第4の調理機
第4の調理機は、第2の調理機において、
前記ロック体は、前記天板部から上方に離れるにしたがって、天板部の中心側に寄っている。
これにより、ロック体の天板部からの横方向の出っ張りを小さくできる。
【0072】
<発明5>
1.先行技術
特開2009-187909号公報には、調理機として、例えば、回転駆動可能な容器2と、容器2を収容し且つ加熱する調理機本体3とを備える加熱調理器が記載されている。
この加熱調理器は容器2を着脱自在と構成し、容器2の容器側底面部6に調理機本体3の回転座32が当接することで、容器2が回転駆動される。
この調理器では、容器2を洗浄した際に、容器側底面部6に残留した水の取り出しについて何ら考慮されていない。なお、容器側底面部6に水が残留する状態で調理すると、調理中に容器2の外部で水蒸気が発生し、温度センサ等に悪影響を及ぼす可能性があるという問題がある(以下、便宜上、「第6の課題」とする)。なお、この課題は、調理容器を回転駆動させない調理機においても生じ得る。
【0073】
2.発明5
調理容器と調理装置とを備える調理機において、
前記調理装置は、前記調理容器を回転可能であって着脱可能に装着する容器装着部と、前記調理容器を回転駆動する回転部とを備え、
前記調理容器は、容器と、前記容器に設けられ且つ前記回転部と連結するカップリングとを備え、
前記カップリングは、前記容器に設けられ、前記容器とカップリングとの間の空間に連通する貫通孔を有する。
これにより、容器とカップリングとの間に入った水を貫通孔から排出され易くすることができる。
【0074】
<発明6>
1.先行技術
特開2009-187909号公報には、調理機として、例えば、回転駆動可能な容器2と、容器2を収容し且つ加熱する調理機本体3とを備える加熱調理器が記載されている。
この加熱調理器は、電磁誘導加熱コイルと、容器2の温度を検知する温度検知手段19とを備えている。
しかしながら、容器2の温度を検知しているが、電磁誘導加熱コイルの温度を検知しておらず、安全性を向上したいという要望がある(以下、便宜上、「第7の課題」とする)。なお、この課題は、容器を回転駆動させない調理機においても生じ得る。
【0075】
2.発明6
調理容器と調理装置とを備える調理機において、
前記調理装置は、前記調理容器を装着する容器装着部と、前記調理容器を加熱する電磁誘導型の加熱部と、前記加熱部の温度を検知する温度検知センサを備える。
これにより、加熱部の温度を検知で、安全性を高めることができる。
【0076】
<発明7>
1.先行技術
特開2009-187909号公報には、調理機として、例えば、回転駆動可能な容器2と、容器2を収容し且つ加熱する調理機本体3とを備える加熱調理器が記載されている。
この加熱調理器は、電磁誘導加熱コイル39,40と、電磁誘導加熱コイル39,40を制御する制御ユニット47とを備えている。
制御ユニットは、電磁誘導加熱コイル39,40の熱の影響を受ける可能性があり、熱対策が不十分な可能性がある(以下、便宜上、「第7の課題」とする)。なお、この課題は、容器を回転駆動させない調理機においても生じ得る。
【0077】
2.発明7
(1)第1の調理機
第1の調理機は、
調理容器と調理装置とを備える調理機において、
前記調理装置は、前記調理容器を装着する容器装着部と、前記調理容器を加熱する電磁誘導型の加熱部と、前記加熱部の加熱を制御する制御部と、前記制御部に周辺に設けられた送風ファンとを筐体に備え、
前記筐体は、吸引口と排出口を有する。
これにより、送風ファンにより空気の流れにより制御部が冷却される。送風ファンは、1個でもよいし、複数個でもよい。送風ファンと排出口の位置は、送風ファンによる空気の流れが制御部又は制御部の周辺を通過するように設定されている。
(2)第2の調理機
第2の調理機は、第1の調理機において、
前記筐体は、前記吸引口と前記排出口を底部に有する。
これにより、筐体内への水の侵入を防止(生活防水)できる。
(3)第3の調理機
第3の調理機は、第1又は第2の調理機において、
前記制御部は、電子部品とヒートシンクとを基板に備え、
前記送風ファンは、前記ヒートシンクに対向する状態で設けられている。
これにより、制御部の冷却効果を高めることができる。
(4)第4の調理機
第4の調理機は、第1~第3の調理機において、
前記加熱部は、前記容器装着部の下部側に配された電磁誘導用の加熱コイルを備え、
前記制御部は前記加熱部の下方に配され、
前記加熱部と制御部との間に、前記加熱コイルを下側から覆う金属製のカバー部を備える。
これにより、加熱コイルからのノイズによる制御部の誤動作を防止できる。
(5)第5の調理機
第5の調理機は、第4の調理機において、
前記加熱部と制御部との間に、上方から見たときに、前記筐体内の面積に対して75%以上の面積を塞ぐベース部を有し、
前記制御部は、前記ベース部の下側で保持される。
これにより、筐体内がベース部により上下に仕切られ、上側に加熱部が配され、下側に制御部が配され、制御部に加熱部の熱が伝わり難くできる。
(6)第6の調理機
第6の調理機において、第5の調理機において、
前記ベース部は前記カバー部の下側に位置する。
これにより、加熱部と制御部との間にカバー部とベース部とが存在し、制御部に加熱部の熱が伝わり難くできる。
【0078】
<その他>
各発明の発明特定事項は、他の発明の発明特定事項により限定されるものではない。また、各発明は、他の発明の発明特定事項を含んでもいいし、実施形態に記載の構成を含んでもいい。
【符号の説明】
【0079】
1 調理装置
2 装置本体
5 スタンド
7 調理容器
21 容器装着部
22 加熱部
23 回転部
24 温度検知部
25 操作部
26 被支持部
27 姿勢調整部
28 送風部
29 回路部
31 カバー部
32 ベース部
51 ベース部
53 支持部
71 容器
73 蓋