(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036257
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】ポール
(51)【国際特許分類】
E04H 12/00 20060101AFI20240308BHJP
【FI】
E04H12/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022141090
(22)【出願日】2022-09-05
(71)【出願人】
【識別番号】000227722
【氏名又は名称】株式会社日本ネットワークサポート
(74)【代理人】
【識別番号】100103517
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 寛之
(72)【発明者】
【氏名】市原 賢一
(72)【発明者】
【氏名】青木 又次
(57)【要約】
【課題】
超音波センサを雨水から保護できるポールを提供する。
【解決手段】
ポール1は、屋外に設置される。ポール1は、ポール本体2と、収容部3と、透湿防水シート6とを備える。収容部3は、超音波センサSを収容可能である。収容部3は、超音波センサSからの超音波が通過可能な開口31を有する。透湿防水シート6は、開口31を閉鎖する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋外に設置されるポールであって、
ポール本体と、
超音波センサを収容可能であり、前記超音波センサからの超音波が通過可能な開口を有する収容部と、
前記開口を閉鎖する透湿防水シートと
を備える、ポール。
【請求項2】
前記超音波センサからの超音波が通過可能な貫通穴を有し、前記開口を覆う第1カバーと、
前記超音波センサからの超音波が通過可能な貫通穴を有し、前記第1カバーに重なる第2カバーと
をさらに備え、
前記透湿防水シートは、前記第1カバーと前記第2カバーとの間に配置される、請求項1に記載のポール。
【請求項3】
前記収容部は、前記ポール本体の内部に配置され、
前記開口は、前記ポール本体の側面に配置される、請求項1に記載のポール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電柱に設置された電柱広告塔にソナーセンサを設け、死角から接近する自動車などの物体を検知する交通安全システムが提案されている(下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載される交通安全システムのように、電柱等のポールにソナーセンサを設ける場合、ソナーセンサを雨水から保護したい場合がある。
【0005】
本発明の目的は、超音波センサを雨水から保護できるポールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明[1]は、屋外に設置されるポールであって、ポール本体と、超音波センサを収容可能であり、前記超音波センサからの超音波が通過可能な開口を有する収容部と、前記開口を閉鎖する透湿防水シートとを備える、ポールを含む。
【0007】
このような構成によれば、超音波センサを収容部内に収容して、超音波センサを雨水等から保護できる。
【0008】
さらに、超音波センサからの超音波が通過可能な開口が収容部に設けられているので、超音波センサからの超音波の放射が収容部によって阻害されることを抑制できる。
【0009】
また、収容部の開口は、透湿防水シートによって閉鎖される。透湿防水シートは、気体(水蒸気)を通し、液体(水)を通さない。
【0010】
そのため、超音波センサからの超音波は、透湿防水シートを通過する一方、雨水は、透湿防水シートを通過しない。
【0011】
これにより、超音波センサからの超音波が開口を通って収容部外に伝わることを許容しつつ、開口から収容部内に雨水が入ることを抑制できる。
【0012】
その結果、超音波センサからの超音波の放射が阻害されることを抑制しつつ、超音波センサを雨水から保護できる。
【0013】
本発明[2]は、前記超音波センサからの超音波が通過可能な貫通穴を有し、前記開口を覆う第1カバーと、前記超音波センサからの超音波が通過可能な貫通穴を有し、前記第1カバーと重なる第2カバーとをさらに備え、前記透湿防水シートは、前記第1カバーと前記第2カバーとの間に配置される、上記[1]のポールを含む。
【0014】
このような構成によれば、第1カバーおよび第2カバーによって、透湿防水シートを保護できる。
【0015】
その結果、透湿防水シートが破れて収容部内に雨水が入ることを、抑制できる。
【0016】
本発明[3]は、前記収容部が、前記ポール本体の内部に配置され、前記開口が、前記ポール本体の側面に配置される、上記[1]または[2]のポールを含む。
【0017】
このような構成によれば、ポール本体の内部のスペースを利用して、超音波センサを収容できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のポールによれば、超音波センサを雨水から保護できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態としてのポールの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
1.ポール
図1に示すように、ポール1は、屋外に設置される。ポール1の用途は、限定されない。ポール1は、例えば、引込柱、照明柱、無線
柱として用いられる。
図1および
図2に示すように、ポール1は、ポール本体2と、収容部3と、第1カバー4(
図2参照)と、パッキン5(
図2参照)と、透湿防水シート6(
図2参照)と、第2カバー7(
図2参照)とを備える。
【0021】
(1)ポール本体
ポール本体2は、鋼材からなる。ポール本体2は、例えば、鋼管からなる。鋼管として、例えば、一般構造用炭素鋼鋼管(JIS G 3444:2021)が挙げられる。ポール本体2は、コンクリートからなってもよい。ポール本体2は、例えば、円筒形状または円柱形状を有する。ポール本体2の外面は、塗装されていてもよい。
【0022】
(2)収容部
図2に示すように、収容部3は、超音波センサSを収容可能である。本実施形態では、収容部3は、ポール本体2の一部である。収容部3は、ポール本体2の内部に配置される。ポール本体2が鋼管である場合、鋼管の内部空間内に収容部3を設けることができる。収容部3は、少なくとも、超音波センサSを支持する支持部材を有する。支持部材は、図示されていない。支持部材は、ポール本体2の内面に取り付けられる。収容部3は、ポール本体2の外部に配置されるボックスであってもよい。収容部3は、開口31を有する。
【0023】
開口31は、ポール本体2の側面21に配置される。ポール本体2が鋼管である場合、開口31は、鋼管の周壁に貫通穴として形成される。開口31は、収容部3の内部空間と通じる。超音波センサSからの超音波は、開口31を通過可能である。超音波センサSからの超音波が通過可能であれば、開口31のサイズおよび形状は、限定されない。本実施形態では、開口31は、略矩形状である。
【0024】
(3)第1カバー
第1カバー4は、開口31の全部を覆う。第1カバー4は、透湿防水シート6を支持する。第1カバー4は、ポール本体2の側面21に沿って延びる。第1カバー4は、板状である。第1カバー4の縁は、開口31の縁と重なる。開口31の全部を覆うことができれば、第1カバー4のサイズおよび形状は、限定されない。本実施形態では、第1カバー4は、開口31よりも大きい略矩形状である。第1カバー4は、複数の貫通穴41を有する。複数の貫通穴41は、開口31と重なる位置に配置される。複数の貫通穴41は、開口31と通じる。超音波センサSからの超音波は、複数の貫通穴41を通過可能である。貫通穴41の形状は、限定されない。例えば、貫通穴41は、上下方向に延びるスリットであってもよい。
【0025】
第1カバー4の材料として、例えば、金属および樹脂が挙げられる。金属として、例えば、鉄およびステンレスが挙げられる。樹脂として、例えば、ポリエチレンテレフタレート、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニルおよびポリカーボネートが挙げられる。
【0026】
(4)パッキン
パッキン5は、ポール本体2の側面21と第1カバー4との隙間を塞ぐ。パッキン5は、開口31の縁に配置される。パッキン5は、開口31を囲む。本実施形態では、パッキン5は、枠形状を有する。パッキン5の形状は、限定されない。パッキン5は、開口31の縁において、ポール本体2の側面21と第1カバー4との間に配置される。パッキン5は、ゴムまたは樹脂からなる。
【0027】
(5)透湿防水シート
透湿防水シート6は、第1カバー4と第2カバー7との間に配置される。透湿防水シート6は、第1カバー4の複数の貫通穴41を全て閉鎖する。これにより、透湿防水シート6は、第1カバー4とともに、開口31を閉鎖する。透湿防水シート6は、気体(水蒸気)を通し、液体(水)を通さない。そのため、超音波センサSからの超音波は、透湿防水シート6を通過する一方、雨水は、透湿防水シート6を通過しない。これにより、超音波センサSからの超音波が開口31を通って収容部3外に伝わることを許容しつつ、開口31から収容部3内に雨水が浸入することを抑制できる。透湿防水シート6の厚みは、超音波センサSからの超音波を通すことができれば、限定されない。
【0028】
(6)第2カバー
第2カバー7は、透湿防水シート6を覆う。第2カバー7は、透湿防水シート6を保護する。第2カバー7は、透湿防水シート6および第1カバー4と重なる。本実施形態では、第2カバー7は、第1カバー4、パッキン5および透湿防水シート6とともに、ポール本体2にねじ止めされている。第2カバー7は、複数の貫通穴71を有する。複数の貫通穴71は、開口31と重なる位置に配置される。貫通穴71の少なくとも一部は、第1カバー4の貫通穴41と重なる。超音波センサSからの超音波は、複数の貫通穴71を通過可能である。貫通穴71の形状は、限定されない。例えば、貫通穴71は、上下方向に延びるスリットであってもよい。
【0029】
第2カバー7の材料として、例えば、上記した第1カバー4の材料と同じ材料が挙げられる。
【0030】
2.効果
(1)ポール1によれば、
図2に示すように、超音波センサSを収容部3内に収容して、超音波センサSを雨水等から保護できる。
【0031】
さらに、超音波センサSからの超音波が通過可能な開口31が収容部3に設けられているので、超音波センサSからの超音波の放射が収容部3によって阻害されることを抑制できる。
【0032】
また、収容部3の開口31は、透湿防水シート6によって閉鎖される。透湿防水シート6は、気体(水蒸気)を通し、液体(水)を通さない。
【0033】
そのため、超音波センサSからの超音波は、透湿防水シート6を通過する一方、雨水は、透湿防水シート6を通過しない。
【0034】
これにより、超音波センサSからの超音波が開口31を通って収容部3外に伝わることを許容しつつ、開口31から収容部3内に雨水が入ることを抑制できる。
【0035】
その結果、超音波センサSからの超音波の放射が阻害されることを抑制しつつ、超音波センサSを雨水から保護できる。
【0036】
(2)ポール1によれば、
図2に示すように、透湿防水シート6は、第1カバー4と第2カバー7との間に配置される。
【0037】
そのため、第1カバー4および第2カバー7によって、透湿防水シート6を保護できる。
【0038】
その結果、透湿防水シート6が破れて収容部3内に雨水が入ることを、抑制できる。
【0039】
(3)ポール1によれば、
図2に示すように、収容部3は、ポール本体2の内部に配置される。
【0040】
そのため、ポール本体2の内部のスペースを利用して、超音波センサSを収容できる。
【符号の説明】
【0041】
1 ポール
2 ポール本体
3 収容部
4 第1カバー
6 透湿防水シート
7 第2カバー
21 側面
31 開口
41 貫通穴
71 貫通穴
S 超音波センサ