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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036258
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】湯張制御装置
(51)【国際特許分類】
   F24H 9/16 20220101AFI20240308BHJP
【FI】
F24H9/16 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022141091
(22)【出願日】2022-09-05
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111970
【弁理士】
【氏名又は名称】三林 大介
(72)【発明者】
【氏名】武部 重樹
(57)【要約】
【課題】湯張制御装置の水抜きを容易としながら、断水などの際に大気開放通路を通って排出されるべき湯水が給湯装置側に逆流するのを回避する。
【解決手段】給湯装置から浴槽に湯水を導く給湯通路20に電磁弁31を備え、電磁弁よりも給湯装置側にフィルタ33を設け、電磁弁よりも浴槽側に2つの逆止弁34,35を直列で設ける。また、2つ逆止弁の間から分岐した大気開放通路36に大気開放弁37を設ける。大気開放弁は、給湯装置に上水を導く給水通路から分岐した上水圧力通路18を介して上水の圧力を受けることで開弁バネの付勢力に抗して閉弁する。そして、給水通路および上水圧力通路の水抜き時に開栓される水抜栓から流入する空気を、上流逆止弁34とフィルタとの間に導入可能に連通通路38を接続し、連通通路を開閉可能な空気流入弁39を設ける。空気流入弁は、開弁方向に付勢されており、水抜栓の閉栓状態で上水の圧力を受けることで閉弁する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給湯装置から浴槽に湯水を導く給湯通路に設けられ、前記浴槽の湯張りを制御する湯張制御装置において、
前記給湯通路を開閉する電磁弁と、
前記電磁弁よりも前記給湯装置側に設けられ、該給湯装置からの湯水に混入する異物を除去するフィルタと、
前記電磁弁よりも前記浴槽側に直列で2つ設けられ、前記給湯通路を閉じる閉弁方向に付勢されていると共に、前記給湯装置から供給される湯水の圧力が所定の開弁圧力を上回ると開弁する逆止弁と、
前記給湯通路の前記2つの逆止弁の間から分岐した大気開放通路を開閉可能に設けられ、前記給湯装置に上水を導く給水通路から分岐した上水圧力通路を介して上水の圧力を受けることで開弁バネの付勢力に抗して閉弁すると共に、上水の圧力が低下すると前記開弁バネの付勢力によって開弁して前記2つの逆止弁の間の湯水を排出する大気開放弁と、
前記給水通路および前記上水圧力通路の水抜き時に開栓される水抜栓から流入する空気を、前記2つの逆止弁のうち前記電磁弁側の上流逆止弁と前記フィルタとの間に導入可能に接続された連通通路と、
前記連通通路を開閉可能に設けられ、開弁方向に付勢されていると共に、前記水抜栓の閉栓状態で上水の圧力を受けることで閉弁する空気流入弁と
を備えることを特徴とする湯張制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の湯張制御装置において、
前記大気開放弁は、前記上水圧力通路が接続された一次室と、前記大気開放通路が接続された二次室とがダイヤフラムで仕切られていると共に、前記開弁バネによって前記ダイヤフラムが前記一次室に向けて付勢されており、前記上水圧力通路を介して上水の圧力が前記一次室にかかると、前記ダイヤフラムが前記二次室側に押し込まれることで閉弁し、
前記連通通路は、一端が前記給湯通路の前記上流逆止弁と前記フィルタとの間に接続されており、他端が前記大気開放弁の前記一次室に接続されている
ことを特徴とする湯張制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯装置から浴槽に湯水を導く給湯通路に設けられ、浴槽の湯張りを制御する湯張制御装置に関し、詳しくは、給湯装置の水抜きに伴い湯張制御装置から水抜きする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
給湯装置で生成した湯を用いて浴槽に湯張りするシステムでは、給湯装置から浴槽に湯水を導く給湯通路に、湯張りを制御する湯張制御装置が設けられており、この湯張制御装置は、電磁弁やフィルタや逆止弁などを備えている。電磁弁は、給湯通路を開閉可能であり、電磁弁の開弁によって湯張りが開始され、電磁弁の閉弁によって湯張りが停止される。フィルタは、電磁弁よりも上流側(給湯装置側)に設けられ、給湯装置からの湯水に混入する異物を除去して、電磁弁に異物が挟まるのを防止している。逆止弁は、電磁弁よりも下流側(浴槽側)に設けられ、給湯通路を閉じる閉弁方向に付勢されている。電磁弁の開弁によって給湯装置から供給される湯水の圧力が所定の開弁圧力を上回ると、逆止弁が開弁して湯水を通過させる。一方、湯張り中に断水などの理由で上水の圧力が低下すると、給湯装置から供給される湯水の圧力が低下することで逆止弁が閉弁するので、給湯通路を通って浴槽側から給湯装置側に湯水が逆流するのを阻止できる。そして、2つの逆止弁を直列に設置しておくことによって、逆止弁が1つの場合よりも確実に湯水の逆流を阻止することが可能となる。
【0003】
また、こうした湯張制御装置では、給湯通路の2つの逆止弁の間から分岐した大気開放通路に大気開放弁を設置したものが知られている。大気開放弁は、開弁バネによって開弁方向に付勢されていると共に、給湯装置に上水を供給する給水通路から分岐した上水圧力通路が接続されており、上水圧力通路を介して上水の圧力を受けることで開弁バネの付勢力に抗して閉弁状態になっている。そして、断水などで上水の圧力が低下すると、開弁バネの付勢力で大気開放弁が開弁し、2つの逆止弁の間の湯水が排出されると共に、大気開放弁から流入する空気で置換される。そのため、仮に逆止弁の閉弁が不完全であったとしても、浴槽側から給湯装置側への湯水の逆流を防ぐことができる。さらに、大気開放弁は、給湯装置の水抜きの際にも、給水通路の止水栓を閉めて上水の供給が停止されるのに伴って開弁するので、湯張制御装置の水抜きに利用できる。
【0004】
ただし、湯張制御装置の水抜きでは、次のような理由から、フィルタと上流側(電磁弁側)の逆止弁との間の湯水が抜け難く残ってしまうことがある。まず、水抜きの際には、電磁弁を開弁させても逆止弁が閉弁したままであり、大気開放弁から流入する空気が上流側の逆止弁を通って電磁弁側に導入される(大気圧が作用する)ことはない。一方、給湯装置の水抜きに伴いフィルタよりも上流側(給湯装置側)の湯水が抜けると、フィルタの上流側から下流側の湯水に大気圧が作用する。また、フィルタの細かい目で水の表面張力が生じることで上流側から空気が入り込み難くなる。このため、フィルタと上流側の逆止弁との間では、湯水がフィルタ側から流れ出ようとしても、置換される空気の流入がなく、フィルタにおける水の表面張力と、フィルタの上流側から作用する大気圧とで湯水の重量が支えられる。その結果、フィルタと上流側の逆止弁との間の湯水が閉じ込められたまま残ってしまう。
【0005】
そこで、給湯通路のフィルタと上流側の逆止弁との間に大気開放通路と連通させる連通通路を接続すると共に、この連通通路に空気流入弁を設置することが提案されている(特許文献1)。空気流入弁は、開弁方向に付勢されているものの、給湯装置から湯水が供給されていれば、給湯通路側から湯水の圧力を受けて閉弁状態になっている。そして、水抜き時には給湯装置からの湯水の圧力が低下するのに伴って空気流入弁が開弁し、大気開放弁から連通通路を通って導入される空気でフィルタと上流側の逆止弁との間の湯水を置換可能となるため、フィルタにおける水の表面張力を破って湯水が流れ出ることで湯張制御装置の水抜きが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2021-046990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述のような構成を有する湯張制御装置では、逆止弁の閉弁が不完全な状態で浴槽側から逆流する湯水が大気開放通路を通って大気開放弁から排出される際に、空気流入弁が開弁しているため、大気開放通路から湯水が連通通路を通ってフィルタと上流側の逆止弁との間に流れ込んで給湯装置側に逆流してしまう虞があるという問題があった。
【0008】
この発明は従来の技術における上述した課題に対応してなされたものであり、湯張制御装置の水抜きを容易としながら、断水などの際に大気開放通路を通って排出されるべき湯水が給湯装置側に逆流するのを回避可能な技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明の湯張制御装置は次の構成を採用した。すなわち、
給湯装置から浴槽に湯水を導く給湯通路に設けられ、前記浴槽の湯張りを制御する湯張制御装置において、
前記給湯通路を開閉する電磁弁と、
前記電磁弁よりも前記給湯装置側に設けられ、該給湯装置からの湯水に混入する異物を除去するフィルタと、
前記電磁弁よりも前記浴槽側に直列で2つ設けられ、前記給湯通路を閉じる閉弁方向に付勢されていると共に、前記給湯装置から供給される湯水の圧力が所定の開弁圧力を上回ると開弁する逆止弁と、
前記給湯通路の前記2つの逆止弁の間から分岐した大気開放通路を開閉可能に設けられ、前記給湯装置に上水を導く給水通路から分岐した上水圧力通路を介して上水の圧力を受けることで開弁バネの付勢力に抗して閉弁すると共に、上水の圧力が低下すると前記開弁バネの付勢力によって開弁して前記2つの逆止弁の間の湯水を排出する大気開放弁と、
前記給水通路および前記上水圧力通路の水抜き時に開栓される水抜栓から流入する空気を、前記2つの逆止弁のうち前記電磁弁側の上流逆止弁と前記フィルタとの間に導入可能に接続された連通通路と、
前記連通通路を開閉可能に設けられ、開弁方向に付勢されていると共に、前記水抜栓の閉栓状態で上水の圧力を受けることで閉弁する空気流入弁と
を備えることを特徴とする。
【0010】
このような本発明の湯張制御装置では、給湯装置に上水が供給されていれば、上水の圧力を受けて大気開放弁および空気流入弁が閉弁状態となるので、給湯装置からの湯水が大気開放通路や連通通路を流れることはなく、電磁弁を開弁することで浴槽に湯張りすることができる。そして、給湯装置の水抜き時には、水抜栓の開栓によって給水通路および上水圧力通路の水が排出されると共に水抜栓から空気が流入するのに伴い、空気流入弁が開弁し、連通通路を通って空気が上流逆止弁とフィルタとの間に導入される(大気圧が作用する)。すると、上流逆止弁とフィルタとの間では、フィルタにおける水の表面張力だけでは湯水の重量を支えきれなくなるので、表面張力を破って湯水が流れ出ることで容易に水抜きすることが可能となる。さらに、断水などの際に逆止弁の閉弁が不完全な状態で浴槽側から湯水が逆流すると、大気開放通路を通って大気開放弁から湯水が排出されるものの、大気開放通路と連通通路とが完全に独立しているので、大気開放通路を通って排出されるべき湯水が給湯装置側に逆流するのを回避可能となる。
【0011】
上述した本発明の湯張制御装置では、次のようにしてもよい。まず、大気開放弁は、ダイヤフラムで一次室と二次室とに仕切られており、一次室に上水圧力通路が接続され、二次室に大気開放通路が接続されている。また、開弁バネによってダイヤフラムが一次室に向けて付勢されており、上水圧力通路を介して上水の圧力が一次室にかかると、ダイヤフラムが二次室に押し込まれることで閉弁する。そして、連通通路は、一端が給湯通路の上流逆止弁とフィルタとの間に接続されており、他端が大気開放弁の一次室に接続されている。
【0012】
このようにすれば、水抜栓の開栓によって給水通路および上水圧力通路の水が排出されると、空気流入弁が開弁し、水抜栓から流入する空気が上水圧力通路、一次室、連通通路を通って上流逆止弁とフィルタとの間に導入されるので、湯張制御装置の上流逆止弁とフィルタとの間を容易に水抜きすることが可能となる。そして、フィルタ、電磁弁、2つの逆止弁、および大気開放通路の大気開放弁に加えて、連通通路の空気流入弁までを含めて一体として湯張制御装置をユニット化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施例の湯張制御装置30を備える湯張システム1の全体構成を示した説明図である。
図2】本実施例の湯張制御装置30の構成を概念的に示した説明図である。
図3】本実施例の大気開放弁37の詳細な構造を示した断面図である。
図4】本実施例の空気流入弁39の詳細な構造を示した説明図である。
図5】連通通路38や空気流入弁39を備えていない従来の湯張制御装置30から水抜きする様子を示した説明図である。
図6】本実施例の湯張制御装置30から水抜きする様子を示した説明図である。
図7】比較例の湯張制御装置30の構成を概念的に示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本実施例の湯張制御装置30を備える湯張システム1の全体構成を示した説明図である。図示されるように湯張システム1は、湯を生成する給湯装置10と、湯を溜める浴槽2と、給湯装置10から浴槽2に湯水を導くための給湯通路20と、給湯通路20の途中に設けられた湯張制御装置30とを備えている。
【0015】
給湯装置10は、ガス通路11を通じて供給された燃料ガスを燃焼させるバーナ12と、バーナ12に燃焼用空気を送る燃焼ファン13と、バーナ12での燃焼によって生じた燃焼排気と熱交換するための熱交換器14とを備えている。熱交換器14には、給水通路15を通じて上水が供給されており、供給された上水は熱交換器14で燃焼排気との熱交換によって加熱された後、湯となって給湯通路20へと流出する。熱交換器14の上流側に接続された給水通路15には、給湯装置10への上水の供給を停止するための止水栓16や、止水栓16よりも下流側で給湯装置10の水抜きの際に開栓する第1水抜栓17が設けられている。尚、本実施例の第1水抜栓17は、本発明の「水抜栓」に相当している。
【0016】
熱交換器14の下流側に接続された給湯通路20は、湯張制御装置30の手前で2つに分岐して、一方が浴槽2(湯張制御装置30)に接続され、他方がカラン21に接続されており、カラン21側の途中に第2水抜栓22が設けられている。また、湯張制御装置30には、給水通路15の第1水抜栓17よりも下流側から分岐した上水圧力通路18が接続されている。さらに、湯張制御装置30は、湯張システム1を制御するコントローラ40と電気的に接続されている。
【0017】
図2は、本実施例の湯張制御装置30の構成を概念的に示した説明図である。図示されるように本実施例の湯張制御装置30は、給湯通路20上に湯張電磁弁31と、流量センサ32と、フィルタ33と、2つの逆止弁(上流逆止弁34および下流逆止弁35)とを備えている。
【0018】
湯張電磁弁31は、給湯通路20を開閉可能であり、コントローラ40によって開閉動作が制御される。本実施例の湯張電磁弁31には、周知のパイロット式電磁弁を用いているが、直動式電磁弁を用いてもよい。差圧を利用するパイロット式電磁弁は、一般的に直動式電磁弁に比べて小さな力で開閉するので、ソレノイドの小型化を図ると共に、消費電力を抑えることが可能である。尚、本実施例の湯張電磁弁31は、本発明の「電磁弁」に相当している。
【0019】
流量センサ32は、湯張電磁弁31よりも上流側(給湯装置10側)に設けられており、給湯通路20を通過する湯水の流量を計測する。本実施例の流量センサ32には、給湯通路20内の湯水の流れによって回転する羽根車が内蔵されており、羽根車の回転速度に基づいて湯水の流量を計測してコントローラ40に出力する。また、流量センサ32よりも上流側には、目の細かいフィルタ33が設けられており、給湯装置10からの湯水に混入する異物を除去する。このため、異物によって流量センサ32や湯張電磁弁31が正常に動作しなくなる事態を防止できる。
【0020】
上流逆止弁34および下流逆止弁35は、湯張電磁弁31よりも下流側(浴槽2側)に直列で設けられている。2つの逆止弁のうち湯張電磁弁31側に位置する上流逆止弁34は、給湯通路20を開閉可能に移動する弁体34aと、給湯通路20を閉じる閉弁方向に弁体34aを付勢する閉弁バネ34bとを備えている。湯張電磁弁31の開弁によって給湯装置10から供給される湯水の圧力が上昇して所定の開弁圧力を上回ると、閉弁バネ34bの付勢力に抗して弁体34aが開弁方向に移動することで、上流逆止弁34は開弁状態となる。また、2つの逆止弁のうち浴槽2側の下流逆止弁35も、基本的には上流逆止弁34と同様の構成で閉弁方向に付勢されており、上流逆止弁34の開弁によって給湯装置10から供給される湯水の圧力が所定の開弁圧力を上回ると開弁状態となる。こうして上流逆止弁34および下流逆止弁35が開弁状態となって湯水を通過させることで、浴槽2に湯張りが行われる。
【0021】
一方、湯張り中に断水などの理由で給湯装置10から供給される湯水の圧力が低下すると、閉弁バネ34bの付勢力によって弁体34aが閉弁方向に押し戻され、上流逆止弁34は閉弁状態となる。また、下流逆止弁35も同様に閉弁状態となることにより、浴槽2側から給湯装置10側への湯水の逆流を阻止する。このように2つの逆止弁(上流逆止弁34および下流逆止弁35)を直列に設置しておくことにより、逆止弁が1つの場合よりも確実に湯水の逆流を阻止できる。
【0022】
また、上流逆止弁34と下流逆止弁35との間で給湯通路20から分岐して大気開放通路36が設けられていると共に、この大気開放通路36を開閉可能に大気開放弁37が設置されている。大気開放弁37の詳細については別図を用いて後述するが、開弁方向に付勢されており、上水圧力通路18を介して上水の圧力を受けることで付勢に抗して閉弁状態になっている。そして、断水などで上水の圧力が低下すると、大気開放弁37が開弁して上流逆止弁34と下流逆止弁35との間の湯水が排出されるので、仮に上流逆止弁34や下流逆止弁35の故障で閉弁が不完全であったとしても、浴槽2側から給湯装置10側への湯水の逆流を防ぐことができる。
【0023】
さらに、大気開放弁37には、給湯通路20の流量センサ32とフィルタ33との間に連通させる連通通路38が接続されており、この連通通路38を開閉可能に空気流入弁39が設置されている。空気流入弁39の詳細については別図を用いて後述するが、開弁方向に付勢されていると共に、大気開放弁37側から上水の圧力を受けることで付勢に抗して閉弁状態になっている。そして、上水の圧力が低下することにより、大気開放弁37が開弁するのに伴い、空気流入弁39も開弁状態となる。尚、連通通路38および空気流入弁39の役割については、後ほど詳しく説明する。
【0024】
図3は、本実施例の大気開放弁37の詳細な構造を示した断面図である。まず、図3(a)には、大気開放弁37が閉弁した状態が示されている。図示されるように大気開放弁37は、ダイヤフラム50によって一次室51と二次室52とに仕切られた構造になっている。一次室51には、給水通路15から分岐した上水圧力通路18が接続されており、上水圧力通路18を通って上水が導かれる。また、一次室51には、前述した連通通路38が接続されており、一次室51を介して上水の圧力が空気流入弁39に作用する。
【0025】
一方、二次室52は、大気開放通路36と連通する弁孔53が形成された弁座54や、ダイヤフラム50で支持された弁体55や、弁体55およびダイヤフラム50を一次室51に向けて付勢する開弁バネ56を備えている。また、二次室52には、大気に開放された排出通路57が接続されている。
【0026】
給湯装置10に上水が供給されていれば、上水圧力通路18を介して一次室51に供給される上水の圧力によってダイヤフラム50が二次室52側に押し込まれ、開弁バネ56の付勢力に抗して弁体55が弁座54に押し付けられることで弁孔53を塞ぐため、大気開放弁37は閉弁状態になっている。
【0027】
尚、浴槽2の湯張りの際に湯張電磁弁31が開弁すると、上流逆止弁34と下流逆止弁35との間から湯水が大気開放通路36を通って大気開放弁37へと導かれるものの、一般に、給湯装置10を介して大気開放通路36で供給される湯水の圧力よりも、上水圧力通路18を通って供給される上水の圧力の方が高いため、大気開放弁37は閉弁状態が維持される。
【0028】
そして、断水などが発生し、上水圧力通路18で一次室51に供給される上水の圧力が低下すると、図3(b)に示されるように、開弁バネ56の付勢力で弁体55およびダイヤフラム50が一次室51側に押し戻され、弁体55が弁座54から離れることで、大気開放弁37は開弁状態となる。その結果、上流逆止弁34と下流逆止弁35との間の湯水が大気開放通路36を介して弁孔53を通過可能となり、排出通路57から排出される。また、湯水の排出に伴い、代わりに空気が吸い込まれ、上流逆止弁34と下流逆止弁35との間が空気で置換される。
【0029】
このように断水時に大気開放弁37が開弁することで、仮に上流逆止弁34や下流逆止弁35の閉弁が不完全でも、浴槽2側から給湯装置10側への湯水の逆流を防ぐことができる。また、大気開放弁37は、給湯装置10の水抜きの際にも、給水通路15の止水栓16を閉めて上水の供給が停止されるのに伴って開弁し、上流逆止弁34と下流逆止弁35との間の湯水が排出されることになるので、湯張制御装置30の水抜きに利用できる。尚、止水栓16の閉栓に続いて第1水抜栓17を開栓すると、給水通路15および上水圧力通路18の水が排出されるのに伴い、第1水抜栓17から流入する空気が上水圧力通路18を通って一次室51へと導入される。
【0030】
図4は、本実施例の空気流入弁39の詳細な構造を示した説明図である。前述したように空気流入弁39が設置された連通通路38は、一端が給湯通路20の流量センサ32とフィルタ33との間に接続されており、他端が大気開放弁37の一次室51に接続されている。まず、図4(a)には、空気流入弁39が閉弁した状態が断面図で示されている。図示されるように空気流入弁39は、円筒形状の弁室60の一端(図中の右側)に、給湯通路20と連通する弁孔61が形成された弁座62が設けられており、弁室60の他端(図中の左側)に、大気開放弁37の一次室51と連通する導入孔63が開口している。
【0031】
また、弁室60には、弁体64が収容されており、弁体64における弁座62側の端部に、ゴムなどの弾性材料で形成された円環形状のシール材65が取り付けられていると共に、弁体64を弁座62から引き離す方向に付勢する付勢バネ66が設けられている。そして、大気開放弁37の一次室51を介して供給される上水の圧力が導入孔63側から弁体64に作用することにより、付勢バネ66の付勢力に抗して弁体64(シール材65)が弁座62に押し付けられることで弁孔61を塞ぐため、空気流入弁39は閉弁状態になっている。
【0032】
尚、空気流入弁39には、給湯装置10から供給される湯水が給湯通路20の流量センサ32とフィルタ33との間から連通通路38を通って導かれるものの、一般に、給湯装置10を介して給湯通路20側から供給される湯水の圧力よりも、上水圧力通路18を介して大気開放弁37の一次室51側から供給される上水の圧力の方が高いため、空気流入弁39は閉弁状態が維持される。
【0033】
図4(b)には、本実施例の弁体64が拡大した斜視図で示されている。図示されるように弁体64は、連通通路38の通路方向に配置される弁軸64aの略中央に、弁室60の内周面に沿って摺動可能な円形の大径部64bが設けられている。また、弁軸64aにおける弁座62側の端部に、前述したシール材65が取り付けられており、弁軸64aにおける導入孔63側の端部に、大径部64bよりも小径な円形の鍔部64cが設けられている。さらに、弁体64の内部には、流通通路64dが形成され、流通通路64dの一端は、弁軸64aにおける導入孔63側の端面に開口しており、流通通路64dの他端は、複数(図示した例では2つ)に分岐して大径部64bよりも弁座62側で弁体64の外周面に開口している。
【0034】
そして、給湯装置10の水抜きの際に給水通路15の止水栓16を閉めて上水の供給が停止されると、大気開放弁37の一次室51を介して導入孔63側から作用していた上水の圧力が低下するため、図4(c)に示されるように、付勢バネ66の付勢力で弁体64が導入孔63側に押し戻され、鍔部64cが導入孔63の周りに当接する。こうして弁体64(シール材65)が弁座62から離れることで、空気流入弁39は開弁状態となる。
【0035】
また、止水栓16の閉栓後に第1水抜栓17を開栓することで給水通路15および上水圧力通路18の水が排出されるのに伴い(図1参照)、第1水抜栓17から流入する空気が上水圧力通路18および大気開放弁37の一次室51を通って連通通路38へと導かれる。こうして空気流入弁39の導入孔63へと導かれた空気は、弁体64の鍔部64cが導入孔63の周りに当接した状態であっても、弁体64内の流通通路64dを通り抜けて大径部64bよりも弁座62側に進み、さらにシール材65と弁座62との隙間を通って弁孔61から流出した空気が給湯通路20の流量センサ32とフィルタ33との間に導かれる。このように本実施例の空気流入弁39では、弁室60の内周面に沿って弁体64の大径部64bを摺動させることで弁室60内における弁体64のブレを抑制して閉弁の精度を高めつつ、弁体64内に形成された流通通路64dによって開弁時の空気の流通を確保することができる。
【0036】
以上のような構成の本実施例の湯張制御装置30では、連通通路38および空気流入弁39を備えることにより、給湯装置10の水抜きに伴って湯張制御装置30の水抜きも容易に行うことができる。以下では、この点について説明するが、比較として、連通通路38や空気流入弁39を備えていない従来の湯張制御装置30の水抜きについて先に説明する。
【0037】
図5は、連通通路38や空気流入弁39を備えていない従来の湯張制御装置30から水抜きする様子を示した説明図である。まず、図5(a)には、水抜き前の状態が示されており、図中のハッチングを付した部分は湯水で満たされていることを表している。尚、水抜き前には浴槽2の湯水が抜かれているものとし、浴槽2に連通する下流逆止弁35よりも下流側の給湯通路20の湯水も抜かれている。また、水抜きに際して湯張りが行われることはないので、湯張電磁弁31は閉じた状態となっており、それに伴って上流逆止弁34および下流逆止弁35も閉じた状態になっている。加えて、上水圧力通路18を通って導かれる上水の圧力が大気開放弁37の一次室51にかかっているため、大気開放弁37は閉弁状態になっている。従って、下流逆止弁35よりも上流側の給湯通路20および大気開放通路36は湯水で満たされている。
【0038】
水抜きの際には、作業者が給水通路15の止水栓16を閉めて上水の供給を停止した後、第1水抜栓17および第2水抜栓22を開栓する(図1参照)。すると、図5(b)に示されるように、給湯通路20のフィルタ33よりも上流側(給湯装置10側)の湯水は、第2水抜栓22(あるいは第1水抜栓17)から排出される。尚、第2水抜栓22の代わりにカラン21を開けることによっても、湯水の排出は可能である。また、上水圧力通路18の水が第1水抜栓17から排出され、大気開放弁37の一次室51に上水の圧力がかからなくなるため、大気開放弁37が開弁する。その結果、上流逆止弁34と下流逆止弁35との間の湯水が大気開放弁37から排出される。
【0039】
ただし、フィルタ33から上流逆止弁34までの間については、湯張電磁弁31を開弁させても、上流逆止弁34が閉弁したままであり、大気開放弁37から流入した空気が上流逆止弁34を通って湯張電磁弁31側に導入される(大気圧が作用する)ことはない。一方、フィルタ33よりも上流側では給湯通路20の湯水が抜けたことにより、フィルタ33の上流側から下流側の湯水に大気圧が作用する。また、フィルタ33の細かい目で水の表面張力が生じることで上流側から空気が入り込み難くなる。このため、フィルタ33と上流逆止弁34との間では、湯水がフィルタ33側から流れ出ようとしても、置換される空気の流入がなく、フィルタ33における水の表面張力と、フィルタ33の上流側から作用する大気圧とで湯水の重量が支えられる。その結果、フィルタ33から上流逆止弁34までの間の湯水が閉じ込められたまま残ってしまう。
【0040】
これに対して、図6は、本実施例の湯張制御装置30から水抜きする様子を示した説明図である。まず、図6(a)には、水抜き前の状態が示されており、図中のハッチングを付した部分は湯水で満たされていることを表している。前述した図5(a)の従来の湯張制御装置30と同様に、本実施例の湯張制御装置30においても、水抜き前には湯張電磁弁31が閉じた状態になっているのに伴って上流逆止弁34および下流逆止弁35も閉じた状態になっている。また、上水圧力通路18を通って導かれる上水の圧力が大気開放弁37の一次室51にかかっており、大気開放弁37は閉弁状態になっている。これにより、下流逆止弁35よりも上流側の給湯通路20および大気開放通路36は湯水で満たされている。
【0041】
さらに、一次室51を介して上水の圧力が連通通路38の空気流入弁39に作用するため、空気流入弁39は閉弁状態になっている。この空気流入弁39は、上水が供給されていれば閉弁状態が維持されるので、給湯装置10からの湯水が連通通路38の空気流入弁39を通って大気開放弁37側に流れることはなく、湯張電磁弁31を開弁することで浴槽2に湯張りすることができる。
【0042】
続いて、図6(b)には、水抜きに際して給水通路15の止水栓16を閉めた後に第1水抜栓17および第2水抜栓22を開栓した状態が示されている。前述した図5(b)の従来の湯張制御装置30と同様に、給湯通路20のフィルタ33よりも上流側(給湯装置10側)の湯水は、第2水抜栓22(あるいは第1水抜栓17)から排出される。また、給水通路15および上水圧力通路18の水が第1水抜栓17から排出され、大気開放弁37の一次室51に上水の圧力がかからなくなることで大気開放弁37が開弁し、上流逆止弁34と下流逆止弁35との間の湯水が大気開放弁37から排出される。
【0043】
そして、大気開放弁37の一次室51に接続された連通通路38の空気流入弁39にも上水の圧力が作用しなくなるため、空気流入弁39が開弁する。これにより、給水通路15および上水圧力通路18の排水に伴って第1水抜栓17から流入する空気が、上水圧力通路18、大気開放弁37の一次室51、連通通路38(空気流入弁39)を順に通って給湯通路20の流量センサ32とフィルタ33との間に導入される(大気圧が作用する)。すると、フィルタ33と上流逆止弁34との間では、閉じ込められていた湯水の重量を、フィルタ33における水の表面張力だけでは支えきれなくなるので、表面張力を破って湯水がフィルタ33側から流れ出て、第2水抜栓22から排出される。尚、水抜き時には湯張電磁弁31を開弁させておくものとする。
【0044】
以上に説明したように本実施例の湯張制御装置30では、給湯通路20の流量センサ32とフィルタ33との間に、大気開放弁37の一次室51と連通させる連通通路38が接続されており、この連通通路38に空気流入弁39が設けられている。給湯装置10に上水が供給されていれば、空気流入弁39が閉弁状態となるので、給湯装置10からの湯水が連通通路38を流れることはない。そして、給湯装置10の水抜き時に給水通路15の止水栓16を閉めて第1水抜栓17を開栓することにより、給水通路15および上水圧力通路18の水が排出されると共に第1水抜栓17から空気が流入するのに伴い、空気流入弁39が開弁し、上水圧力通路18、一次室51、連通通路38を通って置換用の空気が給湯通路20の流量センサ32とフィルタ33との間に導入されるので、湯張電磁弁31を開弁させておけば、湯張制御装置30のフィルタ33から上流逆止弁34までの間を容易に水抜きすることが可能となる。
【0045】
ここで、図2に示した本実施例の湯張制御装置30とは異なり、図7(a)に示されるように給湯通路20の流量センサ32とフィルタ33との間に、大気開放通路36と連通させる連通通路70が接続されていると共に、この連通通路70に空気流入弁71が設けられた比較例の湯張制御装置30について簡単に説明する。尚、比較例の説明では、本実施例と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
【0046】
比較例の空気流入弁71は、開弁方向に付勢されているものの、給湯装置10から湯水が供給されていれば、給湯通路20側から湯水の圧力を受けることで付勢に抗して閉弁状態になっているため、給湯装置10からの湯水が連通通路70(空気流入弁71)を通って大気開放通路36に流れることはなく、湯張電磁弁31を開弁することで浴槽2に湯張りすることができる。
【0047】
そして、水抜きの際に給水通路15の止水栓16を閉めて上水の供給が停止されると、上水圧力通路18の上水の圧力が低下して大気開放弁37が開弁するため、上流逆止弁34と下流逆止弁35との間の湯水が排出されると共に、大気開放弁37から空気が流入する。また、給湯装置10からの湯水の圧力が低下することで空気流入弁71が開弁し、大気開放弁37から流入した空気が連通通路70を通って給湯通路20の流量センサ32とフィルタ33との間に導入される。その結果、前述した本実施例の湯張制御装置30と同様に、フィルタ33から上流逆止弁34までの間の湯水が、フィルタ33における水の表面張力を破って流れ出ることで水抜きが可能である。
【0048】
ただし、図7(b)に示されるように、湯張り中に断水などが発生し、上流逆止弁34および下流逆止弁35の故障で開弁した状態(閉弁が不完全な状態)で浴槽2側から逆流する湯水が大気開放通路36を通って大気開放弁37から排出される際に、空気流入弁71が開弁しているため、大気開放通路36から湯水が連通通路70を通って給湯通路20の流量センサ32とフィルタ33との間に流れ込んで給湯装置10側に逆流してしまう虞がある。
【0049】
これに対して、本実施例の湯張制御装置30では、断水などの際に上流逆止弁34および下流逆止弁35の閉弁が不完全な状態で浴槽2側から湯水が逆流すると、大気開放通路36を通って大気開放弁37から湯水が排出されるのは同様であるものの(図2参照)、大気開放通路36と連通通路38とが完全に独立しているので、大気開放通路36の湯水が連通通路38を通って給湯装置10側に逆流することはない。従って、給湯装置10の水抜きに伴う湯張制御装置30の水抜きを容易としつつ、断水などで大気開放通路36を通って排出されるべき湯水が給湯装置10側に逆流するのを回避可能となる。
【0050】
以上、本実施例の湯張制御装置30について説明したが、本発明は上記の実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
【0051】
例えば、前述した実施例では、連通通路38が給湯通路20の流量センサ32とフィルタ33との間に接続されていた。しかし、給湯通路20への連通通路38の接続箇所は、これに限られず、水抜き時に湯水が閉じ込められたまま残ってしまい易いフィルタ33から上流逆止弁34までの間であればよい。
【0052】
また、前述した実施例では、連通通路38が大気開放弁37の一次室51に接続されていた。しかし、連通通路38の接続箇所は、開栓した第1水抜栓17から流入する空気を給湯通路20のフィルタ33と上流逆止弁34との間に導入可能であれば、一次室51に限られない。例えば、連通通路38を上水圧力通路18に接続しておいてもよいし、給水通路15の止水栓16よりも下流側に接続しておいてもよい。但し、前述した実施例のように連通通路38が大気開放弁37の一次室51に接続されていれば、フィルタ33、流量センサ32、湯張電磁弁31、2つの逆止弁34,35、および大気開放通路36の大気開放弁37に加えて、連通通路38の空気流入弁39までを含めて一体として湯張制御装置30をユニット化することが可能となる。
【符号の説明】
【0053】
1…湯張システム、 2…浴槽、 10…給湯装置、
11…ガス通路、 12…バーナ、 13…燃焼ファン、
14…熱交換器、 15…給水通路、 16…止水栓、
17…第1水抜栓、 18…上水圧力通路、 20…給湯通路、
21…カラン、 22…第2水抜栓、 30…湯張制御装置、
31…湯張電磁弁、 32…流量センサ、 33…フィルタ、
34…上流逆止弁、 34a…弁体、 34b…閉弁バネ、
35…下流逆止弁、 36…大気開放通路、 37…大気開放弁、
38…連通通路、 39…空気流入弁、 40…コントローラ、
50…ダイヤフラム、 51…一次室、 52…二次室、
53…弁孔、 54…弁座、 55…弁体、
56…開弁バネ、 57…排出通路、 60…弁室、
61…弁孔、 62…弁座、 63…導入孔、
64…弁体、 64a…弁軸、 64b…大径部、
64c…鍔部、 64d…流通通路、 65…シール材、
66…付勢バネ、 70…連通通路、 71…空気流入弁。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7