(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036261
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】電動爪削り器
(51)【国際特許分類】
A45D 29/05 20060101AFI20240308BHJP
A45D 29/02 20060101ALI20240308BHJP
【FI】
A45D29/05
A45D29/02 A
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022151933
(22)【出願日】2022-09-05
(71)【出願人】
【識別番号】595018020
【氏名又は名称】東都産業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】阿部 猛
(57)【要約】
【課題】従来の電動爪削り器は、手の爪削りを短く削ることが基本構造のものであって、爪の挿入口に対して足の厚い爪に対処できない不便と、ネイルケア時、手の爪の長さが、一定に均等に削れない問題があった。それに、爪の削り粉の除去の方法にも問題があった。これは、爪の挿入口の形状の問題と、削り粉用除去ファンの配置の方法が悪いからである。
【解決手段】ヤスリカバー3内に、爪下皮当て突端部材4を上部と下部とにそれぞれ分離して配置し、これらの上下間を爪の挿入口8として、上部と下部とによって手及び足の爪削りに分けて用いる。爪下皮当て突端部材4の外面を指先の爪下皮に挿入して添え当てがい、回転ヤスリ5に爪を接して削る。爪の削り粉の除去には、ヤスリカバー3の外周にホース接続口19を設け、ホースを連結して外部からの掃除機による吸引方法を行う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ケース内のモーターと、ヤスリカバー内の円柱状縦軸向け回転ヤスリ5との連接による電動爪削り器において、前記円柱状縦軸向け回転ヤスリ5を介し、上部と下部とに分離して爪下皮当て突端部材4を取り付け、前記爪下皮当て突端部材4の外周端面36を、半円U状の略半楕円状に形成して、前記上部と下部との爪下皮当て突端部材4の間に、前記略半楕円状に沿って爪の挿入口8を構成し、前記外周端面36に突端状のへりを設けて、前記突端状のへりを爪裏の爪下皮33まで挿入して爪下皮33に添え当てながら爪を回転ヤスリに接触して爪削りを行うことを特徴とした電動爪削り器
【請求項2】
前記爪下皮当て突端部材4を配置して覆い被せたヤスリカバー3の外周面に、前記爪下皮当て突端部材4の外周端面36とする突端状のへりに沿って、指先の誘導経路とする指先移動空間15及び誘導凹壁面18を構成した請求項1に記載の電動爪削り器
【請求項3】
前記爪下皮当て突端部材4の前方7側に面する外周端面36を、前方7の方向に可動させて円柱状縦軸向け回転ヤスリ5から離し、前記爪下皮当て突端部材4の前方出幅17の出入り調整を行うことを特徴とした請求項1乃至請求項2に記載の電動爪削り器
【請求項4】
本体ケース内のモーターと、ヤスリカバー内の円柱状横軸向け回転ヤスリ5との連接による電動爪削り器において、前記円柱状横軸向け回転ヤスリ5を介し、上部と下部とに分離した爪下皮当て突端部材4を取り付け、前記上部と下部との爪下皮当て突端部材4の間に爪の挿入口8を構成すると共に、前記爪下皮当て突端部材4の外面を、前記円柱状横軸向け回転ヤスリ5の円柱状外周面に沿って、アール状に覆い被せて形成し、前記下部と下部との爪下皮当て突端部材4の前方端面40に突端状のへりを設けて、前記突端状のへりを爪裏の爪下皮33まで挿入して爪下皮33に添え当てながら爪を回転ヤスリに接触して爪削りを行うことを特徴とした電動爪削り器
【請求項5】
前記下部の爪下皮当て突端部材4の前方7側に面する前方端面40を、前方7の方向に可動させて円柱状横軸向け回転ヤスリ5から離し、前記下部の爪下皮当て突端部材4の前方出幅17の出入り調整を行うことを特徴とした請求項4に記載の電動爪削り器
【請求項6】
前記回転ヤスリ5を内蔵したヤスリカバー3の外周に、ホース接続口を設けてホースを連結し、外部からの吸引によって、ヤスリカバー3の内外からの爪の削り紛を吸引除去する請求項1乃至請求項5に記載の電動爪削り器
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転ヤスリをモーターで回転させて爪を削る電動爪削り器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電動爪削り器には、下記の特許文献1によると、ケース2内にモーター6を内蔵し、ケースの上端部に円柱状縦軸向け回転ヤスリ7を、ヤスリ収納部3に装着して、略四角状の爪挿入孔31を取り付けたものがある。それに、やすり収納部3の内部に削り粉を吸引するファン8が取り付けられている。これは、円柱状縦軸回転ヤスリ7と支軸面(出力軸)61を縦軸向けにして爪削りを行うものがある。(例えば特許文献1参照)
【0003】
また、上述のような従来の電動爪削り器で、円柱状縦軸向け回転ヤスリの外周に、ヤスリカバーを覆い被せて、これらのヤスリカバーの外面に、略四角状に形成された爪の挿入口の開口部を設け、これも回転ヤスリと支軸面を縦軸向けにして爪削りを行うものである。(例えば非特許文献1参照)
【0004】
さらに、円筒状本体ケースのヤスリカバー内に、円柱状横軸向け回転ヤスリを内蔵して、横軸向け回転ヤスリの横軸面に沿って爪の挿入口が設けられて使用時、回転ヤスリと支軸面を横軸向けにして爪削りを行うものがある。(例えば、非特許文献2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】製造元中国製、名称NAILOVE(ネイラブ)、型式番号NL8503、日本国内電子商取引による販売
【非特許文献2】日本国小泉成器(株)製、形式番号KLC-0590 日本国内電子商取引による販売(取扱説明書参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1及び非特許文献1はモーター入り本体ケースに、円柱状縦軸向け回転ヤスリを内蔵されたもので使用時は、本体ケース及び回転ヤスリの支軸を縦方向に向けて爪削りを行うのが基本であるから円柱状縦軸向け回転ヤスリと本明細書で称する。
【0008】
非特許文献2及び本明細書の図面8では、円柱状横軸向け回転ヤスリを内蔵されて横軸向け回転ヤスリの支軸に沿って爪の挿入口が設けられている。
これらの使用する場合は、回転ヤスリと支軸を横方向に向けて爪削りを行うのが基本であるから円柱状横軸向け回転ヤスリと本明細書で称する。
【0009】
上述のように、円柱状回転ヤスリの回転支軸が、縦軸向け回転ヤスリ式と横軸向け回転ヤスリ式がある。
尚、本発明の下記で述べる実施例1~実施例4の
図1~
図7は、円柱状縦軸向け回転ヤスリを配置し、実施例5の
図8は、円柱状横軸向け回転ヤスリが配置されている。
【0010】
特許文献1及び非特許文献1で述べた電動爪削り器は、何れも本体ケースのヤスリカバー内に内蔵した円柱状縦軸向け回転ヤスリを回転させるもので、これらの円柱状縦軸向け回転ヤスリの外周にヤスリカバーを覆い被せてヤスリカバーの外面に、略四角状に形成された爪の挿入口の開口部によって、爪を挿入して短く削るだけのものであった。
【0011】
このような略四角状の爪の挿入口に対して、回転ヤスリの円柱外周面に沿って、U状に爪先及び指先を誘導させて削ることができない問題があった。
これは、爪の挿入口が略四角状の開口で形成されているためで、その開口が回転ヤスリの円柱外周面に沿ってU状に爪の挿入口が形成されていないからである。
【0012】
前記略四角状の爪の挿入口の形状であるから、爪を挿入して短く削るだけで、ネイルケア(爪の美装)等において、爪先を一定の長さに伸ばして削る場合、回転ヤスリに接触すると回転振動で爪先及び指先が手振れのため、それぞれの爪の長さが不揃いになり均等に削れない問題があった。
【0013】
特許文献1及び非特許文献1による略四角状の爪の挿入口とした形状では、下記で述べる本明細書の爪下皮当て突端部材に設けた突端状のへりの形状と違い、爪裏の爪下皮まで挿入させて爪下皮に添え当てることができない爪の挿入口の形状であった。
【0014】
上述の爪下皮に添え当てるとは、爪裏の爪下皮にぴったりとくっつけて微弱に押しあてがうことである。尚、爪の名称である爪下皮とは、爪先の裏側と指先との間のくっついている根元(付け根)に位置するところで、別名ハイポニキウムとも呼ばれている(
図2の爪下皮33参照)。下記で述べる左右両端の爪甲側縁26方向も爪の名称で、通称、爪のストレスポイント(負荷点)の位置である。
【0015】
それに、特許文献1で示すやすり収納部3内に、爪の削り粉を吸引するための吸引ファン8が内蔵され、爪の削り紛が内部に溜まると掃除が大変であった。
【0016】
本発明は、上述のような従来の構成が有していた問題を解決しようとするものであり、本発明の本体ケースに取り付けたヤスリカバー内に、回転ヤスリを介して爪下皮当て突端部材を上下にそれぞれ分離配置し、上下何れか一方の爪下皮当て突端部材で、爪裏の爪下皮に添え当てながら回転ヤスリに接触して削り、且つヤスリカバーの外周及び爪の挿入口付近に指先を導くための誘導経路とする指先移動空間や誘導凹壁面を構成することである。
【0017】
さらに、爪下皮当て突端部材を前後の出し入れし、前方出幅調整を行い、爪の美装として、爪の長さを自在に調整して削れて爪の長さや形を整えるようにすることである。
それに、ヤスリカバー内に溜まる爪の削り粉を外部の掃除機等にホースを連結して除去することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本体ケース内のモーターと、ヤスリカバー内の円柱状縦軸向け回転ヤスリ式との連接による電動爪削り器において、本明細書の
図1~
図7で示せば、前記円柱状縦軸向け回転ヤスリ5を介して上部と下部とに分離して配置した爪下皮当て突端部材4の外周端面36を、半円U状の略半楕円状に形成すると共に、爪の挿入口8を構成し、前記外周端面36に突端状のへりを構成して、前記突端状のへりを、爪裏の爪下皮33まで挿入して爪下皮に添え当てながら爪を回転ヤスリ5に接触して爪削りを行う。
【0019】
それに、前記爪下皮当て突端部材4を配置したヤスリカバー3の外周面に対して、前記半円U状の略半楕円状に形成された爪下皮当て突端部材4の外周端面36とする突端状のへりに沿って、指先の誘導経路とする指先移動空間15及び誘導凹壁面18を構成する。
指先及び爪先を前記半円U状の略半楕円状に沿って導くようにすることである。
【0020】
また、前記爪下皮当て突端部材4の前方7側に面する外周端面36を前方7の方向に可動させて回転ヤスリ5から離し離間させて、前記爪下皮当て突端部材4の前方出幅17の出入り調整を行えるようにする。
そのようにすることで、ネイルケア(爪の美装)等による手指の爪先を削るための長さ調整による前方出幅17の出入り調整を行い、U状形の爪下皮当て突端部材4の形状に沿って指先を導き爪の長さや形を整えるようにする。
【0021】
上述のほかの手段として、本体ケース内のモーターと、ヤスリカバー内の円柱状横軸向け回転ヤスリ式との連接による電動爪削り器において、本明細書の
図8で示せば、前記円柱状横軸向け回転ヤスリ5を介して、回転ヤスリの横軸向け方向に沿って、上部と下部とに分離して配置した爪下皮当て突端部材4による爪の挿入口8側の前方端面40に、突端状のへりを構成する。
【0022】
それに、前記爪下皮当て突端部材4の外面を、前記円柱状横軸向け回転ヤスリ5の円柱状外周面に沿って、アール状に覆い被せて形成し、前記アール状に覆い被せた外側に指先の誘導経路とする指先移動空間15を設けることである。
前記突端状のへりを爪裏の爪下皮まで挿入して爪下皮に添え当てながら爪を回転ヤスリ5に接触して、指先を前記指先移動空間15に沿って誘導しながら爪削りを行う。
【0023】
前記円柱状横軸向け回転ヤスリ5に対しても、前記下部の爪下皮当て突端部材4の前方7側に面する前方端面40を、前方7側の方向に可動させて円柱状横軸向け回転ヤスリ5から離し、前記下部とする爪下皮当て突端部材4の前方出幅17の出入り調整を行う。
【0024】
そして、本体ケース内のモーターと、ヤスリカバー内の回転ヤスリとの連接による電動爪削り器において、前記ヤスリカバーの外周に、ホース接続口を設けてホースを連結し、外部から掃除機等の吸引方法によって、ヤスリカバー内外の爪の削り紛を吸引除去する。
【0025】
上述で上下部の爪下皮当て突端部材をそれぞれ分離し、配置して用いられるように説明されているが、上下の配置方法は使用の扱いを便利で容易にするためであり、その旨を本特許請求の範囲の請求項1及び請求項4にも記載している。
しかしながら、爪下皮当て突端部材を上下部に必ずしも分離して用いるとは限らず用途によっては、上下部の爪下皮当て突端部材の何れか一方のみを単独配置して用いても用を成すもので、下記の段落番号0070でこの方法を例で述べている。
【発明の効果】
【0026】
上下部に分離した爪下皮当て突端部材4の突端状のへりによって、手及び足の爪の爪下皮に微弱に添え当てることで動かないように押さえて、爪先及び指先の手振れ防止を行い容易に削ることができる。それに、爪下皮に添え当てる突端状のへりが、ストッパー代わりになって深爪切りの防止となり安全である。
【0027】
縦軸向け回転ヤスリ5に配置した上下の爪下皮当て突端部材4の外周を、半円U状の略半楕円状に形成すると共に、ヤスリカバー3の外周面においても前記半円U状の略半楕円状に沿って指先移動空間15や誘導凹面18を設けることで、指先の誘導経路が容易となって左右両端の爪甲側縁26方向を短く削ることができて爪の形を整えることができる。
【0028】
図8による横軸向け回転ヤスリの略アール状外面に形成されて配置された爪下皮当て突端部材4の外面外側の指先移動空間15においても、指先の誘導経路が容易となる。
【0029】
爪下皮当て突端部材4を前方7方向に可動させて回転ヤスリ5から離し、離間させて前方出幅17の調整により、自在に爪の長さを一定の長さで均等に削れ、爪の美装時に形を整えることができる。
【0030】
ヤスリカバー3の外周辺に設けたホース接続口19に細い蛇腹ホース27を接続して、外部から掃除機に連結し、ヤスリカバー3に設けた離間口30及び吸気孔35からヤスリカバー内外の削り紛の吸引除去で掃除が容易となり、常時清潔に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】 本発明の第一実施形態を示す縦軸向け回転ヤスリ式時の側面部分断面図
【
図2】 同上、一部指の想像線で使用状態を示す
図1における側面図
【
図4】 同上、
図3のA―A線切断による指の想像線で使用状態を示す平断面図
【
図5】 本発明の第二実施形態を示す縦軸向け回転ヤスリ式時の側面部分断面図
【
図6】 本発明の第三実施形態を示す縦軸向け回転ヤスリ式時の側面部分断面図
【
図7】 本発明の第四実施形態を示す単体品の爪下皮当て突端部材で、(a)は平面図、(b)は(a)のB-B線切断による側面断面図
【
図8】 本発明の第五実施形態を示す横軸向け回転ヤスリ式時の側面部分断面図
【発明を実施するための形態】
【0032】
【実施例0033】
以下、本発明の実施例1の形態を
図1~
図4に基づいて説明する。尚、本発明の爪下皮当て突端部材4とは、名称の如く、爪下皮(付け根)に添え当てるための突端部材である。
【0034】
図1~
図4による実施例1に基づいて説明すると、モーター1を内蔵した本体ケース2の上面に、ヤスリカバー3を接続し、そのヤスリカバー3内に上部と下部とに、爪下皮当て突端部材4をそれぞれ分離して配置する。
【0035】
前記上下部の爪下皮当て突端部材4の側面形状は、日本国片仮名のコの字状に形成してこれらを一体化にし、平面外周を半円U状の略半楕円状(
図4及び
図7参照)に形成して、外周端面36に斜面取り9を、前記略半楕円状に沿って設け、上下共、互い違いの斜面取り9の傾斜面に形成して前記外周端面36に突端状のへりを構成する。
【0036】
これらの上部の爪下皮当て突端部材4と下部の爪下皮当て突端部材4との間に縦長方向に伸びた円柱状の縦軸向け回転ヤスリ5をサンドイッチ状に挟んで装着し、回転ヤスリ5及びヤスリ支軸6を連結出力軸24(
図1参照)によって連結し、モーター1で回転する。
【0037】
それに、下記で述べる前方7及び後方11とは、
図1による側面図に対して左右方向で示しており、
図3の正面図は前方7側から見たところで、その裏側を後方11と称する。
図1~
図4で示すように、上下部の爪下皮当て突端部材4の前方7側に面する先端の外周端面36を円柱状のヤスリ表面10のアール形状に合わせて沿うように半円形状に形成する。そして、平行幅12(
図4参照)を保ちながら後方11の方向に連ねて伸ばして、上下部の爪下皮当て突端部材4による平面状の外周端面36を半円U状の略半楕円状(
図4参照)に一体化形成する。
【0038】
前記上下部の爪下皮当て突端部材4のそれぞれの厚みを約2mm前後の薄い平板で、半円U状の外周に沿って、外周端面36に斜面取り9を設けて突端状のへりを構成し、これらの上部の爪下皮当て突端部材4と下部の爪下皮当て突端部材4との隙間を約3mm開口部の爪の挿入口8(
図1~2参照)を設けて足の厚い爪が挿入できるようにしている。
【0039】
このように形成された上下部の爪下皮当て突端部材4に、ヤスリ支軸6(
図1及び
図4参照)を通過させるための楕円状孔の通行孔20(
図1及び
図4参照)を上下部の爪下皮当て突端部材4に貫通して設けている。
【0040】
それに
図1及び
図4で示すように、上下部の爪下皮当て突端部材4の後面には、上下部の爪下皮当て突端部材4を前方7の方向に可動させるための、ねじ付ボルト38(
図1及び
図4参照)を設けた可動操作つまみ21を馬鹿穴22(
図1及び
図4参照)から、ねじ付ボルト38を貫通させ、ストッパーリング41(
図1及び
図4参照)を貫通させて爪下皮当て突端部材4の後面に設けたねじ切り孔23(
図1及び
図4参照)に、ねじ付ボルト38をかみ合わせて装着する。
【0041】
ストッパーリング41内はリング形状で、ヤスリカバー3の後面の肉厚面に可動操作つまみ21とサンドイッチ状に挟み、ストッパーリング41をねじ付ボルト38に、止めネジ34(
図1参照)等で前後の移動及び空回りしないように固定する。
【0042】
使用操作時、可動操作つまみ21を左右の回動によって、ねじ切り孔23にかみ合ったねじ付ボルト38が一体化の上下部の爪下皮当て突端部材4を前方7及び後方11に伸縮自在に可動させて、前方7側に面するアール状の先端外周端面36の前方出幅17(
図1参照)の出入り調整を行う。
図2では、爪下皮33に、下部の爪下皮当て突端部材4の外周端面36とする突端状のへりを挿入して添え当てて、爪先16を回転ヤスリ5に接触して削る状態を示している。
【0043】
図1~
図4で示す誘導凹壁面18は、下部の爪下皮当て突端部材4の前方7側から後方11側へ、奥行方向に連れて凹壁面を形成して指先を導くための誘導経路を構成する。
そして、前記誘導凹壁面18と同時に爪削り時、指先を導くための誘導経路とする指先移動空間15(
図1~
図3参照)を設けている。
それに、上部の爪下皮当て突端部材4の上面にも、足の爪削り時に足指先を導くための誘導経路とする指先移動空間15を設ける。
【0044】
爪下皮当て突端部材4は、前方7側に面する外周端面36を最短伸縮時、前方出幅17(
図1参照)を回転ヤスリ5のヤスリ表面10から約1mm前後突出させてギャップを設け、外周端面36からヤスリ表面10が露出しないようにして深爪切りの防止としている。
【0045】
前記上下部の爪下皮当て突端部材4を前方可動操作時、前方7側に面するアール状の先端面とする外周端面36による前方出幅17の寸法が長く伸びて変化しても、回転ヤスリ5は固定されて動かないため平行幅12(
図4参照)の両側面の左右側面出幅31(
図4参照)の出幅寸法は変わらず、常時一定の約1mm前後の突出ギャップで保ち、深爪切りの防止と左右両端の爪甲側縁26方向(
図4参照)を短く削れるようにしている。
半円U状に形成された上下部の爪下皮当て突端部材4の外周端面36の突端状のへりにそって爪の爪下皮33(
図2参照)まで挿入し、爪下皮に添え当てできるようにしている。
【0046】
突端状のへりに形成した外周端面36の斜面取り9は、片斜面形状にすることで、爪下皮当て突端部材4が若干厚い部材であっても爪下皮33にフィットしやすい形状ができる。
尚、必ずしも斜面取り9の面は片斜面状とは限らず、例えば薄い平板形状部材を用いてアール面状やくさび面状等、微小の研磨を施した突端状のへりに形成して爪下皮33にフィットしやすいようにすることは言うまででもない。
【0047】
それに、ヤスリカバー3にホース接続口19(
図1参照)を設けて蛇腹ホース27を接続し、外部からハンディクリーナー小型掃除機等に連結して空洞化のヤスリカバー3の内部と、離間口30(
図3参照)及び吸気孔35(
図1~
図4参照)から削り粉を吸引し除去する。
【0048】
左右両脇の爪甲側縁26(
図4参照)方向の爪を削る場合、指先14及び爪先16を後方11方向の左右の誘導凹壁面18に沿って回転ヤスリ軸6の中心側面方向まで導き移動させることで、爪先16を長く伸ばしても両側面の側面出幅31(
図4参照)の出幅寸法は一定であるため、左右両端の爪甲側縁26方向の爪を短く削れて爪の形を整えることができる。以上、実施例1による説明である。
【0049】
下部の爪下皮当て突端部材4には、ヤスリ支軸6が通過するための通行孔20を形成し、後部をL状に立ち上げて馬鹿穴22を設け、その部分にねじ付ボルト38の先端部を挿入して外れないようにピン止めし、ねじ付ボルト38を馬鹿穴22によって、空回り回転させて連結する。
後部のL状に立ち上げて連結した、ねじ付ボルト38の先端部は、馬鹿穴22によって左右回転空回りして下部の爪下皮当て突端部材4に連結され、ヤスリカバー3のねじ切り孔23とかみ合ったねじ付ボルト38の可動操作つまみ21の左右回動によって、下部の爪下皮当て突端部材4を前後方向に可動させて前方出幅17の調整を行い、手の爪先の長さを自在に調整して削れるようにする。