(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036262
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】環状扇型トイレットペーパー
(51)【国際特許分類】
A47K 10/16 20060101AFI20240308BHJP
【FI】
A47K10/16 C
A47K10/16 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022153082
(22)【出願日】2022-09-05
(71)【出願人】
【識別番号】522377549
【氏名又は名称】大関 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】大関 隆弘
【テーマコード(参考)】
2D135
【Fターム(参考)】
2D135AA20
2D135AB02
2D135AB08
2D135AC03
(57)【要約】
【課題】現在のトイレットペーパーは1枚では薄く、折りたたむ事を前提としている上、凹凸がないため臀部までの移動の間に意図せず位置ずれが生じてしまう。
身体機能が十分発揮出来ない人にとっては適切に使用できず、排泄物が指に付着してしまう事がある。また付着した排泄物が感染症蔓延の一因にもなっている。
【解決手段】指を広げた形に合うようトイレットペーパーを環状扇型にし、位置ずれ防止のため裏面にひれ状の折り目をつけて、2本の指で挟んで使用出来るようにした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
指を開いた状態の形に合うよう扇型に形成した、シングルトイレットペーパー約6枚から8枚分くらいの厚みがあって折りたたむ必要がなく、排泄の処理が未熟な子供や身体機能の衰えた高齢者、身体機能が十分に発揮出来ない障がいや疾患を持つ人、が使いやすいように、人差し指と中指で挟める扇型の裏側中心線に山折りにされたひれ状の折り目を有する、環状扇型のトイレットペーパー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指に排泄物が付きにくく、折りたたむ必要のない、裏面にひれ状の折り目を有する環状扇型のトイレットペーパー
【背景技術】
【0002】
現在のトイレットペーパーは一枚では薄く、折りたたんで使う事を前提としている。そのため、排泄物の処理に未熟な子供や身体機能が低下した高齢者、身体機能が十分に発揮できない障がいや疾患を持つ人、は現在のトイレットペーパーをうまくたためないため、排泄物をふき取るためにたたんだトイレットペーパーが適度な形にならず、ふき取る際に手に排泄物を付けてしまう可能性が高い。
【0003】
トイレットペーパー使用者の手に排泄物が付く事で、子供の監督者や高齢者の面倒を見ている人の二次的な排泄物処理の負担を増やしている上、トイレのドアノブなど、排泄物が付いた指で室内の建具に触れる事で排泄物由来の感染症を広げ、感染症罹患リスクを高めてしまう一因となっている。
【0004】
トイレットペーパーを手のひらに乗せて臀部に移動させる間、手のひらを水平から垂直に近い状態に動かさねばならず、トイレットペーパーは移動時に発生する空気との摩擦と重力の作用で、最初に乗せた手のひらの位置からずれてしまい、使用者の想定外の位置となったトイレットペーパーで排泄物をふき取る事で、指や手のひらに排泄物が付着してしまう。
【0005】
排泄物を上手く処理出来ない事は、本人の自尊心を傷つけてしまっており、人格の形成や自尊心維持に悪影響を及ぼす。またトイレの中での排泄行為は高度にプライベートな事である事と、排泄処理が上手く出来ない事実を他者に知られる事で自尊心が傷つく事態を恐れる心理により、排泄物の処理がどのように行われているかについて、トイレの使用者は監督者や介護者に言いにくい側面がある。排泄物処理を他者に言いにくい側面や使用者の身体的機能の制限を考慮すると、本人の排泄物の処理のやり方を改善するよりも、トイレットペーパーの構造自体を変えて排泄物処理が上手くいくようにした方が、問題の解決に結び付きやすい。
【0006】
指先に排泄物が付着する事態を改善するため、折りたたまずに使用出来て排泄物をふき取る際に指先がトイレットペーパーから出にくい、かつ、人差し指と中指の2本でひれ状の折り目を挟む事でトイレットペーパーの位置ずれを防止した、新しい形のトイレットペーパーが必要となってくる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
現在のトイレットペーパーは一枚では薄く、折りたたんで使う事を前提としているが、人によっては折りたたむ事が難しく、適切な形にならずに排泄物をふき取る際に手に排泄物を付けてしまう。
【0008】
現在のトイレットペーパーは凹凸がないため、手のひらに乗せて臀部へ移動させる間に意図しない位置にずれてしまい、排泄物をふき取る際に指や手のひらに排泄物をつけてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
トイレットペーパーの形を指を広げた形に合うように環状扇型にし、折りたたむ必要がない厚さに形成する事でトイレットペーパーから指がはみ出さないようにして、排泄物が指に付着しにくくする。
【0010】
手のひらに乗せたトイレットペーパーが臀部へ移動するまでの間に、意図せずずれてしまう事を防止するため、環状扇型トイレットペーパーの裏側に山折りにしたひれ状の折り目をつける事で、使用者が人差し指と中指でトイレットペーパーを挟む事が出来、臀部までの移動の間にトイレットペーパーが手のひらの上でずれる事を防止する。
【発明の効果】
【0011】
排泄物が使用者の指に付着する可能性を減らす。
排泄物由来の感染症リスクを低減させる。
排泄物を自分で処理出来ない事からもたらされる、人格形成への悪影響の防止および自尊心が傷つく事の防止。
使用者の監督者、介護者の二次的な排泄物処理の負担低減。
【図面の簡単な説明】
)
【0012】
【
図1】本発明の環状扇型トイレットペーパーの斜視図である。
【
図2】環状扇型トイレットペーパーの上面図と背面図、側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
環状扇型トイレットペーパーの裏面を上部にして設置しておき、使用者の人差し指と中指の2本でひれ状の折り目を挟み、手首をひねって手のひらを上部に向ける。トイレットペーパーが扇型に広がっている事を確認して、2本指でトイレットペーパーの折り目を挟んだまま臀部に移動させ、排泄物をふき取る。一回目のふき取りが終わった後は、排泄物が付着した表面が中に入るように折りたたんで、裏面で2回目のふき取りを行う。
【産業上の利用可能性】
【0014】
排泄物処理が未熟な子供や、身体機能が衰えた高齢者、身体機能が十分発揮出来ない障がいや疾患を持つ人、が居住する家庭での使用。
社会福祉法人や介護関連施設での使用。
排泄はほぼ毎日行われる行為なので、継続的な利用が見込まれる。
【0015】
環状扇型トイレットペーパーの左直線と右直線の交点の交差角を45度にする事で、環状の円を8分割する製造方法が利用出来る。環状のトイレットペーパーをらせんに製造し重ねていく事で円柱形の環状トイレットペーパーが出来上がる。それを一気に8分割すると、基本の環状扇型トイレットペーパーが出来上がる。その基本的な環状扇型トイレットペーパーの中心線を谷型のプレス機で上下からプレスする事で裏側のひれ状の折り目が付けられる。製造の工程数が少なく、一度に大量の環状扇型トイレットペーパーを製造する事でコストの削減を図る事が出来、利用者が購入しやすい価格にする事で継続的な利用が見込まれる。