IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 石割 伸一の特許一覧

<>
  • 特開-クロスワードパズルの設問作成方法 図1
  • 特開-クロスワードパズルの設問作成方法 図2
  • 特開-クロスワードパズルの設問作成方法 図3
  • 特開-クロスワードパズルの設問作成方法 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036263
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】クロスワードパズルの設問作成方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 9/00 20060101AFI20240308BHJP
【FI】
A63F9/00 503B
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022154223
(22)【出願日】2022-09-05
(71)【出願人】
【識別番号】522381948
【氏名又は名称】石割 伸一
(72)【発明者】
【氏名】石割 伸一
(57)【要約】
【課題】クロスワードパズルの答えを名詞に限定しているため、テーマの内容が抽象的になりがちとなる。このため、設問どうしの関係が必ずしも明確でなくなり、解答者に、テーマとパズル作成者の意図が伝わりにくい。
【解決手段】クロスワードパズルのテーマを特定の物語の内容に限定する。また、テーマと設問間の関係を明確にするため、設問の出典先を明確にしてクロスワードパズルの答えを名詞に限定しない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロスワードパズルであって、出典が明確な文書を含む設問と少なくとも1つ以上の連続した単語からなる答えとの組み合わせが複数作られているものと、前記答えを書き込む盤面からからなり、前記設問を構成する文書は、1つの読みにつき1つの記号によって隠されており、前記記号によって隠されている文字を前記文書と前記盤面から推理して、前記記号によって隠されていた文字に順に並べて得られる文字列を答えとすることを特徴とするクロスワードパズル。これまでクロスワードパズルとして一般に認識されている盤面の構成の形態や答えの配置に関するルールについては、請求の範囲としない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
この発明は、クロスワードパズルの設問と答えとの作成法に関する。
【背景技術】
四角形の升目状の盤面に名詞をクロスワードの配置のルールに従って縦方向および横方向に並べて、事前に決めたテーマに関連するワードを配置するゲームで、テーマに沿った設問とその設問の答えを盤面上に配置するゲーム。盤面の答えの黒マスを使った配置方法については、各々のものがある。
クロスワードパズルは、あるテーマに決めて、そのテーマに沿った設問を考えて、その設問に対する答えを読者に推定させるゲームであるが、その答えは名詞に限られるのが通常である。しかし、このように答えを名詞に限るクロスワードパズルは、作者の意図が読者に伝わりにくいという欠点があった。 このことを改善しようとして、名詞以外のワード群を答えとしたクロスワードパズルとしては、例えば特許文献1に開示されているように、振り込め詐欺、交通安全など、市民の巻き込まれ得る災厄に対し、警察、役所、交通安全協会などが市民に配布し、事前の注意を喚起する啓発用印刷物に関するものがある。またこのパズルは、他方面への応用範囲として、商品の魅力を問題と回答にすることで民間企業の商品プロモーションに応用できるとされている。これは、読者に何かを明確に伝えたいという作者の目的があるクロスワードパズルである。
しかし、このパズルは、設問と答えとの関係とが一体となってはじめて啓蒙が達成されるため、解答がすぐに確認できることが前提となっている。つまりもし、設問とそれの答えに対する知識がない場合には、答えを見る以外に、答えを思い出すあるいは調べる方法が与えられていない。クロスワードパズルを解く楽しみの一つに、既知の内容を思い出すという側面があると思われるが、この啓蒙を目的としたクロスワードパズルには、このようなことは実現できない。
これに対して、本発明では、クロスワードパズルで使用される設問群を既知の内容や容易に出典を確認できる内容に限ることにより、設問間の関係が明瞭なクロスワードパズルをつくるものである。また、このための設問と答えの作り方を規定するものである。
【先行技術文献】
【実用新案文献1】
実用新案登録第3151265号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
読者とくに年配の読者がパズルをとくには、はっきりと関心のあるテーマやそのテーマについてより深い内容についての知識に対する好奇心がパズルを解く意欲となっている。
しかし、現状のクロスワードパズルは、テーマが決まっているもののそのテーマと設問どうしの関係が必ずしも明確でなく、解答者は、設問の意図が計りかねることがある。これでは、テーマとパズル作成者の意図が伝わりにくく、パズルを解く意欲が低下しかねないものとなっている。
これまでように名詞を答えに限定したクロスワードパズルは、テーマと設問との間に乖離が生じやすい。通常クロスワードパズルではあらかじめテーマが定められているが、そのテーマはほとんど抽象的なもので、そのテーマから想像される設問の範囲が作者の経験や考え方が反映しているためで、必ずしも設問の意図が読者の共通理解を得られるものではない。
このことが起きる原因は、このテーマが決まると、そのテーマに関連するとパズルの作者が盤面を埋めることができる名詞を探して、それを答えとする設問を考えるためである。このときにそのテーマに関連する設問は、作者の膨大で個人的な知識や経験に依存するもので、必ずしも一般の読者がそのテーマと設問との関係性について納得して了解できるものではない。
このため、作者の頭の中の設問群の関連性に納得感がない読者は、クロスワードパズルのテーマそのものに興味を失ってしまう。このことは、現在のクロスワードパズルのテーマが、抽象的で答えを名詞に限定していることが一つの原因であると考えられる。
【課題を解決するための手段】
このテーマと設問群との関係が希薄と感じてしまう問題を解決するには、クロスワードパズルのテーマをある物語に限定して、そこに登場する登場人物の名前や関係性、それを記述するあらずじや、登場人物のつかう独特な言い回し、地方色豊かな方言、それを演じている役者の職業や名前などを記述する文章をクロスワードパズルの設問として、その答えとしてその文章の一部を構成する少なくとも1つ以上以上の単語の組み合わせを答えとするパズルを考えた。そして、パズルの答えを名詞に限定せずに少なくとも1つ以上の単語の組み合わせを含むワードを答えとするとする。このようなルールのもとならば、パズルの設問は、この物語に関連するものに限ることができる。
【発明の効果】
ある物語をテーマとした場合、その物語の章やその物語の構成を示す区分番号を表示することにより、設問に記述された文章の内容が明確になり、パズルの作者の意図がわかりやすくなる。ただし、この効果が期待できるためには、この物語を知っているか、少なくとも興味を持っていることが前提条件となる。この物語をある程度知っている場合には、たとえ一部の設問について知識がない場合でも、その設問に対して好奇心を刺激され、それがきっかけで内容を調べなおすことも可能となる。
また、この発明が高齢者の読者に期待される効果について述べる。年齢が高くなると興味をもっている分野の物語であっても、その詳細については、すぐには思いだすことができないという特性が現れやすくなる。これは、思いだす力が衰えてきて、頭の中にはあるのにそれが言葉に出てこないためとされている。この思いだす力を高めることが、高齢者にとっては重要であると考えられる。このため、興味を持って鑑賞したドラマや、映画などの物語の詳細な場面についての記述についてクロスワードパズルの設問としている本発明は、この思いだす力を高める効果が期待できる。
クロスワードパズルは、高齢者の認知機能の維持のための効果が期待されていて比較的高い年齢層がパズル雑誌の愛読者である。これは、パズルを解く作業は、文章理解力、記憶力や推理力などの総合的な能力が必要とされ、脳の機能維持に有用であると考えられているからと思われる。
【図面の簡単な説明】
図1図1は、解答前のクロスワードパズルの盤面を示しています。
図2】解答済みのクロスワードパズルを示しています。
図3】縦方向の設問と答えを書き込む場所と答えが書いてあります。
図4】横方向の設問と答えを書き込む場所と答えが書いてあります。
【符号の説明】
(1,1) クロスワードパズルの盤面の座標を示すもので、縦方向が1、横方向が1であることを示す。
(5,7) クロスワードパズルの盤面の座標を示すもので、縦方向が5、横方向が7であることを示す。
* 設問の文書に描かれた1音のカタカナの読みをあらわすもの。例「複雑な***がし ました。」における *** ⇒“オモイ” を表す。
【発明を実施するための形態】
【実施例
実施例について、図1図4を使い説明する。
本発明による実施形態について、図1は、解答前のクロスワードパズルの盤面を示している。
図2は、解答済みのクロスワードパズルを示している。
盤面上の位置(座標)は、縦方向の位置(縦座標)と横方向の位置(横座標)からなり、(縦座標,横座標)で表示される。
このパズルのテーマは、カムカムエヴリバディという連続テレビ小説からとったもの。このテレビ小説は、NHKが2021年11月1日(月)[から2022年4月8日(金)まで放送した原作脚本・藤本有紀「連続テレビ小説 カムカムエヴリバディ 」です。この物語は安子、るい、ひなたの3世代の女性のものがたりで、全105話 で構成されます。
パズルに使用した物語は、るいの物語で、39話~59話の内容について作成したものです。パズルでは、全17の設問を設けています。このうち14の設問の答えは、名詞ですが、第9設問と第11設問と第15設問の答えは、名詞ではありません。
第9設問の答えは、モンジヤですが、これは、岡山弁の「もんじゃ」からきているもので、意味は、「ものじゃ」という意味であり、名詞ではありません。また、第11設問の答えは、ハイリであり、「入り」の意味で名詞ではなく動詞です。また、第15設問のこたえは、キヨシですが、これは、京都弁の「きよし」からきているもので、「きなさい」という意味でこれも名詞ではありません。これらの名詞以外のワードを許すことによって、設問1~設問17間の関わりが明確になるという長所があります。
図1
図2
図3
図4