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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036294
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】ブレーキ装置用ブレーキ力発生器
(51)【国際特許分類】
   B60T 13/12 20060101AFI20240308BHJP
   B60T 13/138 20060101ALI20240308BHJP
   F16H 1/28 20060101ALI20240308BHJP
【FI】
B60T13/12
B60T13/138 Z
F16H1/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023136331
(22)【出願日】2023-08-24
(31)【優先権主張番号】10 2022 209 189.2
(32)【優先日】2022-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】ハウフェ,ベンジャミン
【テーマコード(参考)】
3D048
3J027
【Fターム(参考)】
3D048BB31
3D048CC05
3D048CC54
3D048HH15
3D048HH18
3D048LL06
3D048PP10
3J027FA11
3J027FA37
3J027FB01
3J027GB03
3J027GC13
3J027GC22
3J027GE11
3J027GE26
3J027GE27
3J027GE29
(57)【要約】      (修正有)
【課題】寿命全体にわたって遊びなしの状態を維持し、騒音の発生がわずかな、ブレーキ装置用ブレーキ力発生器を提供する。
【解決手段】ブレーキ力発生器(1)は、電動機(4)と、遊星歯車装置(12)の入力側(8)と協働し、前記遊星歯車装置は、内歯歯車受容部(40)内で受容されている内歯歯車(24)を含んでいる。軸線方向において前記内歯歯車と前記内歯歯車受容部との間に公差補償要素(44)が配置され、前記公差補償要素を介して、前記内歯歯車が、前記内歯歯車受容部(40)と内歯歯車保持要素(56)との間で遊びなしに配置されているとともに、前記内歯歯車の、軸線方向において前記内歯歯車受容部とは逆の側で保持されている。前記内歯歯車と前記内歯歯車受容部との間に、前記公差補償要素に加えて、前記内歯歯車の軸線方向の力を吸収するために弾性硬化性材料(52)が配置されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊星歯車装置(12)の入力側(8)と協働する、駆動回転数を発生させるための電動機(4)を備えた、ブレーキ装置用ブレーキ力発生器(1)であって、前記遊星歯車装置(12)が、内歯歯車受容部(40)内で受容されている内歯歯車(24)を含み、軸線方向において内歯歯車(24)と内歯歯車受容部(40)との間に公差補償要素(44)が配置され、前記公差補償要素を介して、前記内歯歯車(24)が、前記内歯歯車受容部(40)と内歯歯車保持要素(56)との間で遊びなしに配置されているとともに、前記内歯歯車(24)の、軸線方向において前記内歯歯車受容部(40)とは逆の側で保持され、ブレーキ圧発生のために前記遊星歯車装置(12)の出力側(26)と結合されている液圧モジュール(32)が設けられている前記ブレーキ力発生器(1)において、
内歯歯車(24)と内歯歯車受容部(40)との間に、前記公差補償要素(44)に加えて、前記内歯歯車(24)の軸線方向の力を吸収するために弾性硬化性材料(52)が配置されていることを特徴とするブレーキ力発生器(1)。
【請求項2】
前記弾性硬化性材料(52)が、前記内歯歯車(24)および前記内歯歯車受容部(40)と固定結合されていることを特徴とする、請求項1に記載のブレーキ力発生器(1)。
【請求項3】
前記内歯歯車(24)が、前記公差補償要素(44)を有していることを特徴とする、請求項1または2に記載のブレーキ力発生器(1)。
【請求項4】
前記弾性硬化性材料(52)がシリコーン材であることを特徴とする、請求項1または2に記載のブレーキ力発生器(1)。
【請求項5】
前記弾性硬化性材料(52)が、リング状に且つ前記内歯歯車(24)に対し同軸に形成されていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のブレーキ力発生器(1)。
【請求項6】
前記弾性硬化性材料(52)が、連続的な材料軌道として形成されていることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のブレーキ力発生器(1)。
【請求項7】
前記弾性硬化性材料(52)が、局部的な材料軌道として形成されていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のブレーキ力発生器(1)。
【請求項8】
前記内歯歯車(24)が斜歯に形成されていることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のブレーキ力発生器(1)。
【請求項9】
前記内歯歯車(24)がプラスチック材から形成されていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載のブレーキ力発生器(1)。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載のブレーキ力発生器(1)を製造する方法において、次のステップ、すなわち、
-ペースト状の弾性硬化性材料(52)を前記内歯歯車(24)または前記内歯歯車受容部(40)に塗布するステップと、
-前記内歯歯車(24)を前記内歯歯車受容部(40)に嵌め込むステップと、
-前記弾性硬化性材料(52)を硬化させるステップと、
を含んでいる方法。
【請求項11】
前記弾性硬化性材料(52)が両構成部材(24,40)と接触しているように前記内歯歯車(24)を前記内歯歯車受容部(40)に嵌め込むことを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレーキ装置用ブレーキ力発生器およびブレーキ力発生器を製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車を制動するには、ドライバーの踏み力はほとんどの場合十分でなく、その結果通常は自動車にブレーキ倍力装置を装備する。従来のブレーキ倍力装置は、内燃機関によって発生させた負圧で作動するのが通例である。その際、ドライバーの踏み力に加えて増強力を調達するため、エンジン圧と周囲圧との圧力差が利用される。従来型の真空式ブレーキ倍力装置を作動させるために負圧は使用できないので、自動車の将来の駆動コンセプトに対しては、代替のブレーキ圧発生装置が必要になる。
【0003】
その際、操作力は電動機を用いて発生させ、電動機は伝動装置を介して液圧ピストンの運動を制御することでブレーキ圧を発生させる。この種の電気機械式ブレーキ圧発生器は、補助力を提供するために使用できるばかりでなく、ブレーキ・バイ・ワイヤーシステムにおいて、操作力を単独で提供するためにも使用できる。それ故、電気機械式ブレーキ圧発生器は特に自律運転の点で有利である。
【0004】
特許文献1は、電気機械式に駆動可能な、車両の液圧式ブレーキシステム用ブレーキ圧発生器を開示している。その際、このブレーキ圧発生器は遊星歯車装置を有し、遊星歯車装置は入力側で電動機によって駆動されており、回転数の伝達を緩速にて行う。その際、遊星歯車装置は、内歯歯車受容部で相対回転不能に受容されている内歯歯車を含んでいる。内歯歯車は、内歯歯車受容部の繰り抜き部と協働するトルク支持部を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第102019217551A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の基礎となる課題は、寿命全体にわたって遊びなしの状態を維持し、したがって騒音の発生がわずかな、ブレーキ装置用ブレーキ力発生器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、請求項1に記載の構成要件を備えたブレーキ力発生器によって解決される。加えて、請求項10の構成要件を備えた、このようなブレーキ力発生器を製造する方法を提供する。それぞれに従属する従属請求項は、本発明の有利な更なる構成を表している。
【0008】
本発明は、駆動回転数を発生させるための電動機を備えたブレーキ装置用ブレーキ力発生器を提供する。その際、電動機は遊星歯車装置の入力側と協働し、この場合遊星歯車装置は、内歯歯車受容部内で受容されている内歯歯車を含んでいる。軸線方向において内歯歯車と内歯歯車受容部との間に公差補償要素が配置され、公差補償要素を介して、内歯歯車が、内歯歯車受容部と内歯歯車保持要素との間で遊びなしに配置されているとともに、内歯歯車の、軸線方向において内歯歯車受容部とは逆の側で保持されている。ブレーキ力発生器は、加えて、ブレーキ圧発生のために遊星歯車装置の出力側と結合されている液圧モジュールを含んでいる。内歯歯車と内歯歯車受容部との間には、公差補償要素に加えて、内歯歯車の軸線方向の力を吸収するために弾性硬化性材料が配置されている。
【0009】
公差補償要素とは、内歯歯車と内歯歯車受容部との間の隙間を、嵌め合わせの後に埋めて、その結果内歯歯車受容部と内歯歯車保持要素との間での内歯歯車の遊びなしの着座を実現するような要素と理解される。有利には、この公差補償要素は、組み立ての際にその長さが対応的に実寸に正確に適合するような押しつぶし要素として形成されている。なお、本発明の意味での弾性硬化性材料とは、硬化の前に変形可能であるが、硬化後は弾性の特性を有する材料である。
【0010】
この材料を内歯歯車と内歯歯車受容部との間に配置することにより、この材料は嵌め合わせプロセスの間に内歯歯車と内歯歯車受容部との間の隙間に応じて変形することができる。弾性硬化性材料が硬化した後、この材料は内歯歯車の軸線方向の力を吸収することができる。これによって、軸線方向の力はより大きな面積に配分され、その結果公差補償要素でのより小さな面圧が得られる。これにより、作動中に公差補償要素がさらに変形することが回避され、その結果内歯歯車を内歯歯車受容部と内歯歯車保持要素との間で引き続き遊びなしに保持することができる。これにより、このような遊びによって生じる騒音を回避できる。
【0011】
本発明の有利な実施形態では、弾性硬化性材料は、内歯歯車および内歯歯車受容部と固定結合されている。その際、弾性硬化性材料により、内歯歯車および内歯歯車受容部に対する素材結合を付着によって形成させることを目的としている。これにより、押圧力または内歯歯車受容部の方向での内歯歯車の軸線方向の力を吸収できるばかりでなく、引張り力または内歯歯車保持要素の方向での内歯歯車の軸線方向の力をも吸収できる。したがって、この結合により、弾性硬化性材料による効果がさらにまた改善される。
【0012】
本発明の更なる有利な実施形態では、内歯歯車が公差補償要素を有している。内歯歯車受容部は、通常深絞り部材である。これにより、内歯歯車受容部に公差補償要素を形成することは困難でしかない。公差補償要素を内歯歯車に形成することにより、この要素をより簡単に形成することができる。
【0013】
有利な態様では、弾性硬化性材料はシリコーン材である。ブレーキ力発生器の組み立てプロセスの間、すでにシリコーン材はパッキンとして電動機において使用される。同じ作業ステップで、同じシリコーンディスペンサを用いて、シリコーン材を内歯歯車と内歯歯車受容部との間に塗布することができる。これによって、付加的な材料と付加的なプロセスステップは必要ない。したがって、シリコーン材を内歯歯車と内歯歯車受容部との間に使用することは簡単にプロセスの進行に受け入れることができ、その結果これは経済的に実施可能である。
【0014】
好ましくは、弾性硬化性材料は、リング状に且つ内歯歯車に対し同軸に形成されている。したがって、弾性硬化性材料は対称に配置されている。これによって、軸線方向の力は均等に構成部材に導入される。内歯歯車の不慮の傾斜は、これによって回避される。
【0015】
有利な更なる構成では、弾性硬化性材料は、連続的な材料軌道として形成されている。その際、弾性硬化性材料が中断なく形成されているようなこの材料の分布を連続的な材料軌道と解釈する。このような連続的な材料軌道には、力を大きな面に配分させることができるという利点がある。これによって、公差補償要素に対する面圧が減少する。また、弾性硬化性材料の塗布が簡単になる。
【0016】
有利な態様では、弾性硬化性材料は、局部的な材料軌道として形成されている。材料に少なくとも1つの中断部があることを局部的な材料軌道と解釈する。有利な態様では、少なくとも2つの中断部がある。局部的な材料軌道により、必要とする弾性硬化性材料の量が本質的に減少する。これによって、必要とする弾性硬化性材料に対するコストを減少させることができ、その結果このようなブレーキ力発生器をより経済的に製造可能である。
【0017】
更なる有利な実施形態では、内歯歯車は斜歯に形成されている。斜歯に形成された内歯歯車により、遊星歯車装置の特性が改善される。
【0018】
好ましくは、内歯歯車はプラスチック材から形成されている。プラスチック材には、内歯歯車を射出成形法で簡単に製造できるという利点がある。加えて、このようにして製造された内歯歯車はコスト上より好ましく、より軽量である。また、内歯歯車に設けた公差補償要素を射出成形によって簡単に製造できる。
【0019】
さらに、本発明はこのようなブレーキ力発生器を製造する方法を提供する。その際、この方法は、ペースト状の弾性硬化性材料を内歯歯車または内歯歯車受容部に塗布するステップと、前記内歯歯車を前記内歯歯車受容部に嵌め込むステップと、弾性硬化性材料を硬化させるステップとを含んでいる。この方法を介して、ペースト状の弾性硬化性材料を、硬化する前に適宜変形させることが可能である。しかしながら、この材料は、硬化させた後、軸線方向の力を吸収するために十分に堅固である。加えて、このような方法は、ブレーキ力発生器に対し取り上げた利点を有する。
【0020】
更なる合目的的な実施形態によれば、弾性硬化性材料が両構成部材と接触しているように内歯歯車を内歯歯車受容部に嵌め込む。このようなステップには、弾性硬化性材料が軸線方向の圧力も引張力も吸収できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図面には本発明の実施例が図示されており、以下の説明でより詳細に説明する。
図1】本発明の一実施例によるブレーキ力発生器を示す図である。
図2】第1実施例による内歯歯車上の材料軌道を示す図である。
図3】第2実施例による内歯歯車上の材料軌道を示す図である。
図4】ブレーキ圧発生器を製造する方法の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1には、本発明の一実施例によるブレーキ力発生器1が示されている。その際、ブレーキ力発生器1は電動機4を有し、電動機を介して遊星歯車装置12の入力側8で太陽歯車16が駆動されている。この太陽歯車16は、太陽歯車16と内歯歯車24との間に配置されている遊星歯車20を駆動する。遊星歯車装置12の出力側26では、遊星歯車20の遊星軸28が液圧モジュール32と結合され、その結果遊星歯車20の回転の際に、スピンドル36が軸線方向に移動可能である。これにより、図示していないピストンを介してブレーキ圧を発生させることができる。
【0023】
内歯歯車24は、内歯歯車受容部40内に配置されている。内歯歯車24の軸線方向には公差補償要素44が配置され、公差補償要素は、軸線方向に延びて内歯歯車受容部40で支持されており、その結果内歯歯車24は遊びなしに配置されている。公差補償要素44の領域には、内歯歯車24と内歯歯車受容部40との間に弾性硬化性材料52が配置されている。ここに示した実施例では、弾性硬化性材料52はシリコーンである。弾性硬化性材料52を介して、内歯歯車24と内歯歯車受容部40とはさらに互いに固定結合されている。軸線方向において内歯歯車受容部40とは逆の側には内歯歯車保持要素56が配置され、内歯歯車保持要素で内歯歯車24が軸線方向において支持されている。
【0024】
図2は、第1実施例による内歯歯車24上の材料軌道を示している。その際、内歯歯車24を内歯歯車受容部40と組み合わせる前には、弾性硬化性材料52は、内歯歯車24に対し同軸に配置されるリング状の材料軌道として形成されている。
【0025】
材料軌道は、ここでは一貫した軌道として形成されている。これとは異なり、図3の材料軌道は、弾性硬化性材料52が単に点状に塗布されている局部的な軌道として形成されているにすぎない。点状の塗布の場合、一貫した材料軌道に比べて弾性硬化性材料52の量を低減できる。
【0026】
図4には、ブレーキ圧発生器1を製造する方法の一実施例が示されている。この場合、第1のステップAで、ペースト状の弾性硬化性材料52を内歯歯車24に塗布する。続く第2のステップBで、内歯歯車24を内歯歯車受容部40内へ嵌め込む。内歯歯車保持要素56を介して内歯歯車24を内歯歯車受容部40内でプレス処理した後、第3のステップCで、弾性硬化性材料52を硬化させる。これは通常自動的に行う。
【符号の説明】
【0027】
1 ブレーキ力発生器
4 電動機
8 遊星歯車装置の入力側
12 遊星歯車装置
24 内歯歯車
26 遊星歯車装置の出力側
32 液圧モジュール
40 内歯歯車受容部
44 公差補償要素
52 弾性硬化性材料
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-12-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊星歯車装置(12)の入力側(8)と協働する、駆動回転数を発生させるための電動機(4)を備えた、ブレーキ装置用ブレーキ力発生器(1)であって、前記遊星歯車装置(12)が、内歯歯車受容部(40)内で受容されている内歯歯車(24)を含み、軸線方向において内歯歯車(24)と内歯歯車受容部(40)との間に公差補償要素(44)が配置され、前記公差補償要素を介して、前記内歯歯車(24)が、前記内歯歯車受容部(40)と内歯歯車保持要素(56)との間で遊びなしに配置されているとともに、前記内歯歯車(24)の、軸線方向において前記内歯歯車受容部(40)とは逆の側で保持され、ブレーキ圧発生のために前記遊星歯車装置(12)の出力側(26)と結合されている液圧モジュール(32)が設けられている前記ブレーキ力発生器(1)において、
内歯歯車(24)と内歯歯車受容部(40)との間に、前記公差補償要素(44)に加えて、前記内歯歯車(24)の軸線方向の力を吸収するために弾性硬化性材料(52)が配置されていることを特徴とするブレーキ力発生器(1)。
【請求項2】
前記弾性硬化性材料(52)が、前記内歯歯車(24)および前記内歯歯車受容部(40)と固定結合されていることを特徴とする、請求項1に記載のブレーキ力発生器(1)。
【請求項3】
前記内歯歯車(24)が、前記公差補償要素(44)を有していることを特徴とする、請求項1または2に記載のブレーキ力発生器(1)。
【請求項4】
前記弾性硬化性材料(52)がシリコーン材であることを特徴とする、請求項1または2に記載のブレーキ力発生器(1)。
【請求項5】
前記弾性硬化性材料(52)が、リング状に且つ前記内歯歯車(24)に対し同軸に形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のブレーキ力発生器(1)。
【請求項6】
前記弾性硬化性材料(52)が、連続的な材料軌道として形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のブレーキ力発生器(1)。
【請求項7】
前記弾性硬化性材料(52)が、局部的な材料軌道として形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のブレーキ力発生器(1)。
【請求項8】
前記内歯歯車(24)が斜歯に形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のブレーキ力発生器(1)。
【請求項9】
前記内歯歯車(24)がプラスチック材から形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のブレーキ力発生器(1)。
【請求項10】
請求項1または2に記載のブレーキ力発生器(1)を製造する方法において、次のステップ、すなわち、
-ペースト状の弾性硬化性材料(52)を前記内歯歯車(24)または前記内歯歯車受容部(40)に塗布するステップと、
-前記内歯歯車(24)を前記内歯歯車受容部(40)に嵌め込むステップと、
-前記弾性硬化性材料(52)を硬化させるステップと、
を含んでいる方法。
【請求項11】
前記弾性硬化性材料(52)が両構成部材(24,40)と接触しているように前記内歯歯車(24)を前記内歯歯車受容部(40)に嵌め込むことを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【外国語明細書】