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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036296
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】表示パネル及び表示パネルの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20240308BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20240308BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20240308BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20240308BHJP
   H10K 59/12 20230101ALI20240308BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20240308BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240308BHJP
   H05B 33/14 20060101ALN20240308BHJP
   H10K 50/00 20230101ALN20240308BHJP
【FI】
G09F9/30 348A
G09F9/30 365
G09F9/33
H01L29/78 618B
H01L29/78 612Z
H10K59/12
H01L33/62
G09F9/00 338
H05B33/14 Z
H10K50/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023137562
(22)【出願日】2023-08-25
(31)【優先権主張番号】10-2022-0111970
(32)【優先日】2022-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】キム,ドンウク
(72)【発明者】
【氏名】チェ,チョンギ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヒョンホ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヒョンキ
(72)【発明者】
【氏名】イ,ヒョンボム
(72)【発明者】
【氏名】イ,ホンギ
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
5F110
5F142
5G435
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107AA05
3K107BB01
3K107CC45
3K107EE04
3K107FF15
3K107GG12
3K107GG28
5C094AA21
5C094BA03
5C094BA26
5C094BA27
5C094DA13
5C094FB14
5C094FB15
5C094HA05
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5C094JA08
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5F110CC07
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5F142CG42
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5F142DB24
5F142DB37
5F142FA03
5F142GA02
5G435AA17
5G435BB04
5G435BB05
5G435CC09
5G435KK05
5G435LL04
5G435LL07
5G435LL17
(57)【要約】
【課題】水素の排出が容易なダミー孔を含む表示パネル及び表示パネルの製造方法を提供する。
【解決手段】表示パネルは、複数の絶縁層、絶縁層の上側に配置される発光素子、第1トランジスタ、第1トランジスタと離隔された第1ダミー導電パターンを含む。第1トランジスタは、酸化物半導体パターンと、酸化物半導体パターンの上側に配置される第1ゲートとを含む。厚さ方向と垂直な一方向において、第1トランジスタと離隔され、絶縁層のうち少なくとも前記第1トランジスタと接触する第1接触絶縁層を貫通する第1ダミー孔が定義されるが、第1ダミー導電パターンは前記第1ダミー孔内に配置される。第1ダミー孔が定義された表示パネルは優れた信頼性を示す。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の絶縁層と、
前記複数の絶縁層の上側に配置される発光素子と、
酸化物半導体パターンと前記酸化物半導体パターンの上側に配置される第1ゲートとを含む第1トランジスタと、
前記第1トランジスタと離隔された第1ダミー導電パターンと、を含み、
厚さ方向と垂直な一方向において、前記第1トランジスタと離隔され、前記複数の絶縁層のうち少なくとも前記第1トランジスタと接触する第1接触絶縁層を貫通する第1ダミー孔が定義され、
前記第1ダミー導電パターンは前記第1ダミー孔内に配置される、表示パネル。
【請求項2】
前記第1接触絶縁層は前記酸化物半導体パターンと前記第1ゲートとの間に配置される第1絶縁層を含み、
前記第1ダミー孔は前記第1絶縁層を貫通する、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記一方向において、前記第1ダミー孔と前記酸化物半導体パターンとの間の第1離隔距離は10μm以下である、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記表示パネルは、表示領域と非表示領域に区分され、
前記第1ダミー孔は前記表示領域に重畳する、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記第1トランジスタとは異なる層の上側に配置される第2トランジスタと、
前記第2トランジスタと離隔された第2ダミー導電パターンと、を含み、
前記第2トランジスタは、シリコン半導体パターンと、前記シリコン半導体パターンの上側に配置される第2ゲートと、を含み、
前記複数の絶縁層のうち少なくとも前記第2トランジスタと接触する第2接触絶縁層を貫通する第2ダミー孔が定義され、
前記第2ダミー導電パターンは前記第2ダミー孔内に配置される、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記一方向において、前記第2ダミー孔と前記シリコン半導体パターンとの間の第2離隔距離は10μm以下である、請求項5に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記第2接触絶縁層は前記シリコン半導体パターンと前記第2ゲートとの間に配置される第2絶縁層を含み、
前記第1ダミー孔及び前記第2ダミー孔は前記第2絶縁層を貫通する、請求項5に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記第1ダミー導電パターンと前記第2ダミー導電パターンは同じ金属物質を含む、請求項5に記載の表示パネル。
【請求項9】
前記複数の絶縁層の下側に配置されるバッファ層を更に含み、
前記第1ダミー孔を介して前記バッファ層の上面が露出される、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項10】
ベース層を準備することと、
前記ベース層の上側に酸化物半導体パターンを形成することと、
前記酸化物半導体パターンの上側に直接配置される第1絶縁層を形成することと、
前記第1絶縁層の上側に直接配置される第1ゲートを形成することと、
前記酸化物半導体パターン及び前記第1ゲートと離隔され、前記第1絶縁層を貫通するように第1ダミー孔を形成することと、
前記第1ダミー孔に第1金属物質を提供して第1ダミー導電パターンを形成することと、を含む表示パネルの製造方法。
【請求項11】
前記第1ダミー孔を形成することは、
前記第1絶縁層をエッチングすることと、
前記エッチングされた領域に熱を提供することと、を含み、
前記熱を提供することは、370℃以上390℃以下の温度で行われる、請求項10に記載の表示パネルの製造方法。
【請求項12】
前記酸化物半導体パターンを形成することの前に、
前記ベース層の上側にバッファ層を形成することと、
前記バッファ層の上側にシリコン半導体パターンを形成することと、
前記シリコン半導体パターンの上側に直接配置される第2絶縁層を形成することと、
前記第2絶縁層の上側に直接配置される第2ゲートを形成することと、を更に含み、
前記第1ゲートを形成することの後に、
前記シリコン半導体パターン及び前記第2ゲートと離隔され、前記第2絶縁層を貫通するように第2ダミー孔を形成することと、
前記第2ダミー孔に第2金属物質を提供して第2ダミー導電パターンを形成することと、を更に含む、請求項10に記載の表示パネルの製造方法。
【請求項13】
前記第1ゲートを形成することの後に、前記シリコン半導体パターンに電気的に連結される第1コンタクト孔を形成することを更に含み、
前記第1ダミー孔と前記第1コンタクト孔は同じステップで形成される、請求項12に記載の表示パネルの製造方法。
【請求項14】
前記第1ダミー孔は前記第2絶縁層を貫通するように形成される、請求項12に記載の表示パネルの製造方法。
【請求項15】
前記第1ダミー孔を形成することの後に、前記第2ゲートに電気的に連結される第2コンタクト孔を形成することをさらに含み、
前記第2コンタクト孔を形成することは、熱を提供することを含まない、請求項12に記載の表示パネルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダミー孔を含む表示パネル及び表示パネルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビ、携帯電話、タブレットPC、ナビゲーション、ゲーム機などのようなマルチメディア表示装置は映像を表示するための表示パネルを備える。表示パネルは発光素子と発光素子を駆動するためのトランジスタとを含む。表示パネルに含まれる発光素子は回路から印加された電圧によって光を発光し、映像を生成する。表示パネルの信頼性を向上させるために発光素子及びトランジスタに関する研究が進められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2021-0077861号公報
【特許文献2】韓国公開特許第10-2022-0062212号公報
【特許文献3】中国特許出願公開第113314575号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的の一つは、水素の排出が容易なダミー孔を含む表示パネルを提供することである。また、本発明の目的の一つは、水素の排出が容易なダミー孔を形成するステップ含む表示パネルの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態は、複数の絶縁層と、前記複数の絶縁層の上側に配置される発光素子と、酸化物半導体パターンと前記酸化物半導体パターンの上側に配置される第1ゲートとを含む第1トランジスタと、前記第1トランジスタと離隔された第1ダミー導電パターンと、を含み、厚さ方向と垂直な一方向において、前記第1トランジスタと離隔され、前記複数の絶縁層のうち少なくとも前記第1トランジスタと接触する第1接触絶縁層を貫通する第1ダミー孔が定義されるが、前記第1ダミー導電パターンは前記第1ダミー孔内に配置される表示パネルを提供する。
【0006】
前記第1接触絶縁層は前記酸化物半導体パターンと前記第1ゲートとの間に配置される第1絶縁層を含むが、前記第1ダミー孔は前記第1絶縁層を貫通してよい。
【0007】
前記一方向において、前記第1ダミー孔と前記酸化物半導体パターンとの間の第1離隔距離は10μm以下であってよい。
【0008】
前記表示パネルは表示領域と非表示領域に区分されるが、前記第1ダミー孔は前記表示領域に重畳してよい。
【0009】
前記表示パネルは、前記第1トランジスタとは異なる層の上側に配置される第2トランジスタと、前記第2トランジスタと離隔された第2ダミー導電パターンと、を含み、前記第2トランジスタは、シリコン半導体パターンと、前記シリコン半導体パターンの上側に配置される第2ゲートと、を含み、前記複数の絶縁層のうち少なくとも前記第2トランジスタと接触する第2接触絶縁層を貫通する第2ダミー孔が定義され、前記第2ダミー導電パターンは前記第2ダミー孔内に配置されてよい。
【0010】
前記一方向において、前記第2ダミー孔と前記シリコン半導体パターンとの間の第2離隔距離は10μm以下であってよい。
【0011】
前記第2接触絶縁層は前記シリコン半導体パターンと前記第2ゲートとの間に配置される第2絶縁層を含むが、前記第1ダミー孔及び前記第2ダミー孔は前記第2絶縁層を貫通してよい。
【0012】
前記第1ダミー孔は前記第2絶縁層を貫通してよい。
【0013】
前記第2ゲートの上側に配置される上部電極を更に含んでよい。
【0014】
前記第1ダミー導電パターンと前記第2ダミー導電パターンは同じ金属物質を含んでよい。
【0015】
前記表示パネルは前記複数の絶縁層の下側に配置されるバッファ層を更に含み、前記第1ダミー孔を介して前記バッファ層の上面が露出されてよい。
【0016】
本発明の一実施形態は、ベース層を準備することと、前記ベース層の上側に酸化物半導体パターンを形成することと、前記酸化物半導体パターンの上側に直接配置される第1絶縁層を形成することと、前記第1絶縁層の上側に直接配置される第1ゲートを形成することと、前記酸化物半導体パターン及び前記第1ゲートと離隔され、前記第1絶縁層を貫通するように第1ダミー孔を形成することと、前記第1ダミー孔に第1金属物質を提供して第1ダミー導電パターンを形成することと、を含む表示パネルの製造方法を提供する。
【0017】
前記第1ダミー孔を形成することは、前記第1絶縁層をエッチングすることと、前記エッチングされた領域に熱を提供することと、を含んでよい。
【0018】
前記熱を提供することは、370℃以上390℃以下の温度で行われてよい。
【0019】
前記表示パネルの製造方法は、前記酸化物半導体パターンを形成することの前に、前記ベース層の上側にバッファ層を形成することと、前記バッファ層の上側にシリコン半導体パターンを形成することと、前記シリコン半導体パターンの上側に直接配置される第2絶縁層を形成することと、前記第2絶縁層の上側に直接配置される第2ゲートを形成することと、を更に含み、前記第1ゲートを形成することの後に、前記シリコン半導体パターン及び前記第2ゲートと離隔され、前記第2絶縁層を貫通するように第2ダミー孔を形成することと、前記第2ダミー孔に第2金属物質を提供して第2ダミー導電パターンを形成することと、を更に含んでよい。
【0020】
前記表示パネルの製造方法は、前記第1ゲートを形成することの後に、前記シリコン半導体パターンに電気的に連結される第1コンタクト孔を形成することを更に含むが、前記第1ダミー孔と前記第1コンタクト孔は同じことで形成されてよい。
【0021】
前記第1ダミー孔と前記第2ダミー孔は同じことで形成されてよい。
【0022】
前記第1ダミー孔は前記第2絶縁層を貫通するように形成されてよい。
【0023】
前記第1金属物質と前記第2金属物質は同じであってよい。
【0024】
前記表示パネルの製造方法は、前記第1ダミー孔を形成することの後、前記第2ゲートに電気的に連結される第2コンタクト孔を形成することを更に含んでよい。
【0025】
前記第2コンタクト孔を形成することは熱を提供することを含まなくてもよい。
【0026】
前記表示パネルの製造方法は、前記第1ダミー孔を形成することの後に、前記第1ゲートに電気的に連結される第3コンタクト孔を形成することを更に含んでよい。
【0027】
前記第3コンタクト孔を形成することは熱を提供することを含まなくてもよい。
【発明の効果】
【0028】
本発明の一実施形態の表示パネルは、トランジスタと接触する絶縁層を貫通するダミー孔を含むことで優れた信頼性を示す。
【0029】
本発明の一実施形態の表示パネルの製造方法は、トランジスタと接触する絶縁層を貫通するダミー孔を形成するステップを含むことで製造の信頼性を向上する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の一実施形態の表示装置を示す平面図である。
図2】本発明の一実施形態による表示装置のブロック図である。
図3】本発明の一実施形態による画素の等価回路図である。
図4】本発明の一実施形態による画素を駆動するための駆動信号の波形図である。
図5】本発明の一実施形態による画素の一部構成を示す平面図である。
図6】本発明の一実施形態の表示パネルを示す断面図である。
図7】本発明の一実施形態の表示パネルを示す断面図である。
図8】本発明の一実施形態の表示パネルを示す断面図である。
図9】本発明の一実施形態の表示パネルの製造方法を示す順序図である。
図10】本発明の一実施形態の表示パネルの製造ステップを概略的に示す図である。
図11】本発明の一実施形態の表示パネルの製造ステップを概略的に示す図である。
図12】本発明の一実施形態の表示パネルの製造ステップを概略的に示す図である。
図13】本発明の一実施形態の表示パネルの製造ステップを概略的に示す図である。
図14】本発明の一実施形態の表示パネルの製造ステップを概略的に示す図である。
図15A】比較例の表示パネルにおける電圧による電流を示すグラフである。
図15B】本発明の一実施形態の表示パネルにおける電圧による電流を示すグラフである。
図16A】本発明の一実施形態の表示パネルにおける電圧による電流を示すグラフである。
図16B】本発明の一実施形態の表示パネルにおける電圧による電流を示すグラフである。
図16C】本発明の一実施形態の表示パネルにおける電圧による電流を示すグラフである。
図16D】本発明の一実施形態の表示パネルにおける電圧による電流を示すグラフである。
図16E】本発明の一実施形態の表示パネルにおける電圧による電流を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明は、様々な変更が可能であり、様々な形態として実施することができる。以下において、特定の実施形態を図面に例示し、本発明を詳細に説明する。しかし、本発明は、以下で説明される特定の形態に限定されるものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物又は代替物は本開示に含まれるものと理解される。
【0032】
本明細書等において、ある構成要素(または領域、層、部分など)が他の構成要素の「上にある」、「結合される」、または「結合される」と言及される場合には、それは他の構成要素の上に直接配置・連結・結合され得るか、またはそれらの間に第3の構成要素が配置され得ることを意味する。
【0033】
図面の同一の符号は同じ構成要素を指す。また、図面において、構成要素の厚さ、割合、及び寸法は技術的内容の効果的な説明のために誇張されている。「及び/または」は、関連する構成要素が定義する一つ以上の組み合わせを全て含む。
【0034】
第1、第2などの用語は、様々な構成要素の説明に使用されるが、前記の構成要素は前記の用語によって限定されない。前記の用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的で使用される。例えば、本発明の範囲を逸脱することなく、第1構成要素は第2構成要素と命名されてよく、第2構成要素が第1構成要素と命名されてもよい。単数の表現は、文脈上明白に異なることが示されない限り、複数の表現を含む。
【0035】
また、「下に」、「下側に」、「上に」、「上側に」などの用語は、図面に示される各構成要素の関係性を説明するために使用される。前記の用語は相対的な概念であって、図面に示した方向を基準に説明される。
【0036】
「含む」または「有する」などの用語は明細書の上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものを指定するものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除するものではない。
【0037】
異なることを意図して定義されない限り、本明細書等で使用された全ての用語(技術的及び科学的用語を含む)は、本発明の属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるようなものと同じ意味を有する。また、一般的に使用される辞書で定義された用語のような用語は、関連技術の脈絡で有する意味と一致する意味を有すると解釈すべきであって、ここで明示的に定義されない限り、過度に理想的であるか形式的な意味で解釈してはならない。
【0038】
以下では図面を参照して本発明の一実施形態の表示パネルについて説明する。図1は、本発明の一実施形態の表示装置を示す平面図である。
【0039】
図1を参照すると、本発明の一実施形態の表示パネルDPは、表示領域DP-AAと非表示領域DP-NAAとを含む。非表示領域DP-NAAは表示領域DP-AAと隣接し、表示領域DP-AAの少なくとも一部を囲む。表示領域DP-AAに画素PXが配置され、非表示領域DP-NAAに複数の配線及び駆動回路が配置される。非表示領域DP-NAAの一側にデータ駆動回路DDCが配置される。表示領域DP-AAは映像(または画像)が表示される領域であり、非表示領域DP-NAAは映像(または画像)が表示されない領域である。
【0040】
表示領域DP-AAは第1方向軸DR1及び第2方向軸DR2によって定義される平面を含む。本明細書等において、第1方向軸DR1と第2方向軸DR2は互いに直交し、第3方向軸DR3は第1方向軸R1と第2方向軸DR2が定義する平面に対して法線方向である。本明細書で説明される第1乃至第3方向軸DR1、DR2、DR3が指示する方向は相対的な概念であって、他の方向に変換されてもよい。また、第1乃至第3方向軸DR1、DR2、DR3が指示する方向は第1乃至第3方向と説明され、同じ符号が使用されてもよい。
【0041】
表示パネルDPの厚さ方向は、第1方向軸DR1及び第2方向軸DR2が定義する平面に対して法線方向である第3方向軸DR3に平行な方向である。本明細書等において、表示パネルDPを構成する部材の前面(または上面)と背面(または下面)は第3方向軸DR3を基準に定義される。本明細書において、「平面」とは第1方向軸DR1及び第2方向軸DR2が定義する平面を意味し、「断面」とは前記平面に垂直であって、第3方向軸DR3に平行な断面を意味する。
【0042】
表示パネルDPは発光型表示パネルである。例えば、表示パネルDPは、有機発光表示パネル、無機発光表示パネル、マイクロLED表示パネル、マイクロOLED表示パネル、またはナノLED表示パネルである。
【0043】
図2は、本発明の一実施形態による表示装置DDのブロック図である。図3は、一本発明の形態による画素PXの等価回路図である。図4は、本発明の一実施形態による画素PXを駆動するための駆動信号の波形図である。
【0044】
図2を参照すると、表示装置DDは、表示パネルDPと、タイミング制御部TCと、走査駆動回路SDCと、データ駆動回路DDCとを含む。タイミング制御部TC、走査駆動回路SDC、データ駆動回路DDCのうち少なくとも一つは駆動チップの形態として提供されるか、または表示パネルDPに直接形成される。本明細書等において、ある構成要素が他の構成要素の上に「直接形成/配置」されるとは、ある構成要素と他の構成要素との間に第3の構成要素が形成/配置されないことを意味する。また、ある構成要素が他の構成要素の上に「直接形成/配置」されるとは、ある構成要素と他の構成要素が「接触」することを意味する。
【0045】
タイミング制御部TCは入力映像信号を受信し、走査駆動回路SDCとのインターフェースの仕様に適合するように入力映像信号のデータフォーマットを変換して映像データD-RGBを生成する。タイミング制御部TCは、映像データD-RGBと各種制御信号DCS、SCSを出力する。
【0046】
走査駆動回路SDCは、タイミング制御部TCから走査制御信号SCSを受信する。走査制御信号SCSは、走査駆動回路SDCの動作を開始する垂直開始信号と、信号の出力時期を決定するクロック信号などを含む。走査駆動回路SDCは複数のスキャン信号を生成し、対応する信号ラインSL1乃至SLn、GL1乃至GLn、HL1乃至HLnにスキャン信号を順次に出力する。また、走査駆動回路SDCは走査制御信号SCSに応答して複数の発光制御信号を生成し、対応する発光ラインEL1乃至ELnに発光制御信号を出力する。
【0047】
データ駆動回路DDCは、タイミング制御部TCからデータ制御信号DCSと映像データD-RGBとを受信する。データ駆動回路DDCは映像データD-RGBをデータ信号に変換し、データ信号を後述する複数のデータラインDL1乃至DLmに出力する。データ信号は映像データD-RGBの階調値に対応するアナログ電圧である。
【0048】
複数のグループの信号ラインは、第1グループの走査ラインSL1乃至SLnと、第2グループの走査ラインGL1乃至GLnと、第3グループの走査ラインHL1乃至HLnと、発光ラインEL1乃至ELnと、データラインDL1乃至DLmと、第1電圧ラインPLと、第2電圧ラインVL1と、第3電圧ラインVL2とを含む。第1グループの走査ラインSL1乃至SLn、第2グループの走査ラインGL1乃至GLn、第3グループの走査ラインHL1乃至HLn、及び発光ラインEL1乃至ELnは第1方向DR1に延長され、第1方向DR1に交差する第2方向DR2に並べられる。データラインDL1乃至DLmは、第1グループの走査ラインSL1乃至SLn、第2グループの走査ラインGL1乃至GLn、第3グループの走査ラインHL1乃至HLn、及び発光ラインEL1乃至ELnに絶縁するように交差する。
【0049】
第1電圧ラインPL、第2電圧ラインVL1、及び第3電圧ラインVL2それぞれは、第1方向DR1に延長される成分及び第2方向DR2に延長される成分のうち少なくとも一つを含む。第1電圧ラインPL、第2電圧ラインVL1、及び第3電圧ラインVL2それぞれは、第1方向DR1に延長される成分及び第2方向DR2に延長される成分を含む。第1電圧ラインPL、第2電圧ラインVL1、及び第3電圧ラインVL2の構造及び形状は互いに独立して設計される。
【0050】
複数の画素PXそれぞれは、上述した信号ラインのうち対応する信号ラインに電気的に連結される。画素PXの駆動回路の構成によって画素PXと信号ラインの連結関係が変更される。
【0051】
第1電圧ラインPLは第1電源電圧ELVDDを受信する。表示パネルDPには第2電源電圧ELVSSが印加される。第2電源電圧ELVSSは第1電源電圧ELVDDより低いレベルを有する。
【0052】
第2電圧ラインVL1は第1初期化電圧Vintを受信する。第1初期化電圧Vintは第1電源電圧ELVSSより低いレベルを有する。第3電圧ラインVL2は第2初期化電圧VAintを受信する。第2初期化電圧VAint第1電源電圧ELVDDより低いレベルを有する。第1初期化電圧Vintと第2初期化電圧VAintは一定レベルを有するバイアス電圧である。第1初期化電圧Vintと第2初期化電圧VAintは互いに異なるレベルを有する。第2初期化電圧VAintは第1初期化電圧Vintより低い電圧を有する。
【0053】
複数の画素PXは互いに異なる色相の光を生成する複数のグループを含む。例えば、複数の画素PXは、赤色光を生成する赤色画素、緑色光を生成する緑色画素、及び青色光を生成する青色画素を含む。赤色画素の発光素子、緑色画素の発光素子、及び青色画素の発光素子は互いに異なる物質からなる発光層を含む。但し、これは例示的なものであって、本発明の一実施形態はこれに限定されない。例えば、発光素子は同じ物質からなる発光層を含み、発光層から生成される光がカラーフィルタを通過して赤色光、緑色光、及び/または青色光が生成されてもよい。
【0054】
図3では、第1グループの走査ラインSL1乃至SLnのうちi番目の走査ラインSLiに連結され、複数のデータラインDL1乃至DLmのうちj番目のデータラインDLjに連結される画素PXijを例示的に示している。画素PXijは、画素駆動回路PC(以下、画素回路)と発光素子LDを含む。
【0055】
図3を参照すると、画素回路PCは第1乃至第7トランジスタT1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、及びキャパシタCstとを含む。第1トランジスタT1、第2トランジスタT2、及び第5乃至第7トランジスタT5、T6、T7はP型トランジスタであり、第3トランジスタT3及び第4トランジスタT4はN型トランジスタである。但し、これに限らず、第1乃至第7トランジスタT1、T2、T3、T4、T5、T6、T7はP型トランジスタまたはN型トランジスタのうちいずれか一つの型であってもよい。
【0056】
以下では、N型トランジスタの入力領域(または入力電極)はドレイン(またはトレイン領域)と説明され、P型トランジスタの入力領域はソース(またはソース領域)と説明され、N型トランジスタの出力領域(または出力電極)はソース(またはソース領域)と説明され、P型トランジスタの出力領域はドレイン(またはトレイン領域)と説明される。一方、図示とは異なり、第1乃至第7トランジスタT1、T2、T3、T4、T5、T6、T7のうち少なくとも一つは省略されてもよい。
【0057】
例えば、第1トランジスタT1、第2トランジスタT2、及び第5乃至第7トランジスタT5、T6、T7はシリコントランジスタである。第3トランジスタT3及び第4トランジスタT4は酸化物トランジスタである。
【0058】
第1トランジスタT1は駆動トランジスタであり、第2トランジスタT2はスイッチングトランジスタである。キャパシタCstは、第1電源電圧ELVDDを受信する第1電圧ラインPLと基準ノードRNとの間に電気的に連結される。キャパシタCstは、基準ノードRNに電気的に連結される第1電極CE10と、第1電圧ラインPLに電気的に連結される第2電極CE20とを含む。
【0059】
第1トランジスタT1は第1電圧ラインPLと発光素子LDの一つの電極(例えば、アノード)との間に電気的に連結される。第1トランジスタT1のソースS1は第1電圧ラインPLと電気的に連結される。本明細書において、「トランジスタと信号ラインまたはトランジスタとトランジスタとの間に電気的に連結される」とは、「トランジスタのソース、ドレイン、ゲートが信号ラインと一体の形状を有するか、連結電極を介して連結される」ことを意味する。第1トランジスタT1のソースS1と第1電圧ラインPLとの間には他のトランジスタが配置されるか省略される。
【0060】
第1トランジスタT1のドレインD1は発光素子LDのアノードと電気的に連結される。第1トランジスタT1のドレインD1と発光素子LDのアノードとの間には他のトランジスタが配置されるか省略される。第1トランジスタT1のゲートG1は基準ノードRNに電気的に連結される。
【0061】
第2トランジスタT2はj番目のデータラインDLjと第1トランジスタT1のソースS1との間に電気的に連結される。第2トランジスタT2のソースS2はj番目のデータラインDLjに電気的に連結され、第2トランジスタT2のドレインD2は第1トランジスタT1のソースS1に電気的に連結される。第2トランジスタT2のゲートG2は第1グループのi番目の走査ラインSLiに電気的に連結される。
【0062】
第3トランジスタT3は基準ノードRNと第1トランジスタT1のドレインD1との間に電気的に連結される。第3トランジスタT3のドレインD3は第1トランジスタT1のドレインD1に電気的に連結され、第3トランジスタT3のソースS3は基準ノードRNに電気的に連結される。第3トランジスタT3のゲートG3-1、G3-2は第2グループのi番目の走査ラインGLiに電気的に連結される。
【0063】
第4トランジスタT4は基準ノードRNと第2電圧ラインVL1との間に電気的に連結される。第4トランジスタT4のドレインD4基準ノードRNに電気的に連結され、第4トランジスタT4のソースS4は第2電圧ラインVL1に電気的に連結される。第4トランジスタT4のゲートG4-1、G4-2は第3グループのi番目の走査ラインHLiに電気的に連結される。
【0064】
図3において、第3トランジスタT3及び第4トランジスタT4は複数のゲートを含むと示したが、本発明の一実施形態はこれに限定されない。例えば、第3トランジスタT3及び第4トランジスタT4のうち少なくとも一つは一つのゲートのみを含んでもよい。
【0065】
第5トランジスタT5第1電圧ラインPLと第1トランジスタT1のソースS1との間に電気的に連結される。第5トランジスタT4のソースS5は第1電圧ラインPLに電気的に連結され、第5トランジスタT5のドレインD5は第1トランジスタT1のソースS1に電気的に連結される。第5トランジスタT5のゲートG5はi番目の発光ラインELiに電気的に連結される。
【0066】
第6トランジスタT6は、第1トランジスタT1のドレインD1と発光素子LDとの間に電気的に連結される。第6トランジスタT6のソースS6は第1トランジスタT1のドレインD1に電気的に連結され、第6トランジスタT6のドレインD6は発光素子LDのアノードに電気的に連結される。第6トランジスタT6のゲートG6はi番目の発光ラインELiに電気的に連結される。これとは異なり、第6トランジスタT6のゲートG6は第5トランジスタT5のゲートG5とは異なる信号ラインに連結されてもよい。
【0067】
第7トランジスタT7は、第6トランジスタT6のドレインD6と第3電圧ラインVL2との間に電気的に連結される。第7トランジスタT7のソースS7は第6トランジスタT6のドレインD6に電気的に連結され、第7トランジスタT7のドレインD7は第3電圧ラインVL2に電気的に連結される。第7トランジスタT7のゲートG7は第1グループのi+1番目の走査ラインSLi+1に電気的に連結される。
【0068】
図3及び図4を参照して画素PXijの動作をより詳細に説明する。表示装置DDはフレーム区間ごとに映像を表示する。それぞれのフレーム区間の間、第1グループの走査ラインSL1乃至SLn、第2グループの走査ラインGL1乃至GLn、第3グループの走査ラインHL1乃至HLn、及び発光ラインEL1乃至ELnそれぞれの信号ラインは順次にスキャンニングされる。図4はいずれか一つのフレーム区間のうち一部を示している。
【0069】
図4を参照すると、信号EMi、GIi、GWi、GCi、GWi+1それぞれは一部区間の間にハイレベル(V-HIGH)を有し、一部区間の間にロウレベルV-LOWを有する。N型トランジスタは対応する信号がハイレベルV-HIGHを有する際にターンオンされ、P型トランジスタは対応する信号がロウレベルV-LOWを有する際にターンオンされる。
【0070】
発光制御信号EMiがハイレベルV-HIGHを有すれば、第5トランジスタT5及び第6トランジスタT6がターンオフされる。第5トランジスタT5と第6トランジスタT6がターンオフされたら、第1電圧ラインPLと発光素子LDとの間に電流パスが形成されない。よって、該当区間は非発光区間と定義される。
【0071】
第3グループのi番目の走査ラインHLiに印加されたスキャン信号GIiがハイレベルV-HIGHを有すれば、第4トランジスタT4がターンオンされる。第4トランジスタT4がターンオンされたら、第1初期化電圧Vintによって基準ノードRNが初期化される。第1グループのi番目の走査ラインSLiに印加されるスキャン信号GWiがロウレベルV-LOWを有し、第2グループのi番目の走査ラインGLiにスキャン信号GWiがハイレベルV-HIGHを有すれば、第2トランジスタT2及び第3トランジスタT3がターンオンされる。
【0072】
基準ノードRNが第1初期1化電圧Vintに初期化されているため、第1トランジスタT1がターンオンされている状態である。第1トランジスタT1がターンオンされたら、データ信号Dj(図3)に対応する電圧が基準ノードRNに提供される。この際、キャパシタCstはデータ信号Djに対応する電圧を保存する。データ信号Djに対応する電圧は、データ信号Djから第1トランジスタT1の閾値(Threshold voltage,Vth)だけ減少した電圧である。
【0073】
第1グループのi+1番目の走査ラインSLi+1に印加されたスキャン信号GWi+1がロウレベルV-LOWを有すれば、第7トランジスタT7がターンオンされる。第7トランジスタT7がターンオンされることで、発光素子LDのアノードは第2初期化電圧VAintに初期化される。発光素子LDの寄生キャパシタが放電される。
【0074】
発光制御信号EMiがロウレベルV-LOWを有すれ第5トランジスタT5及び第6トランジスタT6がターンオンされる。第5トランジスタT5がターンオンされたら、第1電源電圧EVLDDが第1トランジスタT1に提供される。第6トランジスタT6がターンオンされたら、第1トランジスタT1と発光素子LDが電気的に連結される。発光素子LDは提供される電流量に対応する輝度の光を生成する。
【0075】
図5は、図3を参照して説明した画素PXijの一部構成、コンタクト孔CH、及び連結電極CNEを示す平面図である。コンタクト孔CH及び連結電極CNEは画素PXijの構成を電気的に連結する。コンタクト孔CHは後述する第1乃至第3コンタクト孔CH1、CH2、CH3(図7)を含む。
【0076】
詳細には、図5では画素PXijの構成のうち第1乃至第7トランジスタT1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、第1グループのi番目の走査ラインSLi、i番目の発光ラインELi、第2グループのi番目の走査ラインGLi、第3グループのi番目の走査ラインHLi、第1電圧ラインPL、第2電圧ラインVL1、第3電圧ラインVL2、及びj番目のデータラインDLjを示している。但し、図5に示した画素PXijの構成の連結関係は例示的なものであって、いずれか一つの実施形態に限定されない。
【0077】
図5を参照すると、第1トランジスタT1、第3トランジスタT3、及び第4トランジスタT4に隣接するようにダミー孔DH-a、DH-b、DH-cが形成される。本発明の一実施形態の表示パネルDPはダミー孔DH-a、DH-b、DH-cが定義されたものである。図5において、ダミー孔DH-aと第3トランジスタT3との間の離隔距離DS-1は10μm以下である。第1トランジスタT1と隣接したダミー孔DH-bと第1トランジスタT1との間の離隔距離DS-2は10μm以下である。第4トランジスタT4と隣接したダミー孔DH-cの間の離隔距離DS-3は10μm以下である。ダミー孔DH-a、DH-b、DH-cは表示パネルDPの製造ステップにおいて水素を排出するために形成される。トランジスタT1、T3、T4との離隔距離が10μm以下であるダミー孔DH-a、DH-b、DH-cが形成される本発明の一実施形態の表示パネルDPは優れた信頼性を示す。詳細は後述されるが、ダミー孔は、図7を参照して説明する。
【0078】
図6は、本発明の一実施形態の表示パネルを示す断面図である。図6を参照すると、表示パネルDPは、順次に積層されるベース層110と、回路層120と、発光素子層130と、封止層140とを含む。図示とは異なり、ベース層110、回路層120、発光素子層130、及び封止層140のうち隣接した2つの層の間に機能層が更に配置されてもよい。
【0079】
ベース層110は、回路層120が配置されるベース面を提供する。ベース層110はフレキシブル(flexible)基板である。ベース層110は、ガラス基板、金属基板、または高分子基板などである。しかし、本発明の一実施形態のベース層110はこれに限らず、ベース層110は無機層、有機層、または複合材料層を含んでもよい。
【0080】
バッファ層110は単層または多層を含む。例えば、ベース層110は、第1合成樹脂層と、多層または単層の無機層と、前記多層または単層の無機層の上側に配置される第2合成樹脂層とを含む。第1合成樹脂層及び第2合成樹脂層それぞれはポリイミド系樹脂を含む。また、第1合成樹脂層及び第2合成樹脂層それぞれは、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリイソプレン系樹脂、ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、シロキサン系樹脂、ポリアミド系樹脂、及びぺリレン系樹脂のうち少なくとも一つを含む。本明細書等において、「〇〇系」樹脂とは「〇〇」の作用基を含むことを意味する。
【0081】
回路層120はベース層110の上側に配置される。回路層120は、絶縁層、半導体パターン、及び信号ラインなどを含む。発光素子層130は回路層120の上側に配置される。発光素子層130は発光素子LD(図3及び図7)を含む。例えば、発光素子LD(図3及び図7)は、有機発光物質、無機発光物質、有機-無機発光物質、量子ドット、量子ロッド、マイクロLED、またはナノLEDを含む。
【0082】
封止層140は発光素子層130の上側に配置される。封止層140は、水分、酸素、及びほこり粒子などのような異物から発光素子層130を保護する。封止層140は少なくとも一つの無機層を含む。封止層140は、無機層、有機層、及び無機層が順次に積層される構造物を含む。
【0083】
図7図6のXX’領域に対応する部分を示しており、本発明の一実施形態の表示パネルDPを具体的に示す断面図である。図7では、発光素子LD及び画素回路PCのシリコントランジスタS-TFT及び酸化物トランジスタO-TFTが示されている。また、図7図5のI-I’線に対応する部分を示す断面図であり、図7ではコンタクト孔CH1、CH3が追加に示されている。図5において、第3トランジスタT3と隣接したダミー孔DH-aは図7の第1ダミー孔DH-1に対応する。図5において、第1トランジスタT1と隣接したダミー孔DH-bは図7の第2ダミー孔DH-2に対応する。第1ダミー孔DH-1及び第2ダミー孔DH-2については後ほどより詳細に説明する。
【0084】
図3の等価回路図において、第3及び第4トランジスタT3、T4は酸化物トランジスタO-TFTであり、残りのトランジスタT1、T2、T5、T6、T7はシリコントランジスタS-TFTである。これとは異なり、画素回路PCはシリコントランジスタS-TFT及び酸化物トランジスタO-TFTのうちいずれか一つのトランジスタのみを含んでもよい。以下では、シリコントランジスタS-TFTは図3の第1トランジスタT1と説明され、酸化物トランジスタO-TFTは図3の第3トランジスタT3と説明される。
【0085】
図7を参照すると、表示パネルDPはベース層110の上側に配置されるバリア層BRを更に含む。バリア層BRは外部から異物が流入されることを防止する。バリア層BRは少なくとも一つの無機層を含む。バリア層BRは酸化シリコン層及び窒化シリコン層を含む。酸化シリコン層及び窒化シリコン層をそれぞれは複数で提供され、酸化シリコン層と窒化シリコン層は交互に積層される。
【0086】
バリア層BRの上側にバッファ層BFが配置される。バッファ層BFは、ベース層110から金属原子や不純物が上側の第1半導体パターンSP1に拡散する現象を防止する。バッファ層BFは少なくとも一つの無機層を含む。バッファ層BFは、例えば、酸化シリコン層及び窒化シリコン層を含む。
【0087】
バッファ層BFの上側に第1半導体パターンSP1が配置される。第1半導体パターンSP1はシリコン半導体パターンを含む。例えば、シリコン半導体パターンは非晶質シリコン、多結晶シリコンなどを含む。より詳細には、第1半導体パターンSP1は低温ポリシリコンを含む。
【0088】
図7は第1半導体パターンSP1の一部分を示しており、他の領域に第1半導体パターンSP1が更に配置されてもよい。第1半導体パターンSP1はドーピング可否によって電気的性質が異なり得る。第1半導体パターンSP1は伝導率が高い第1部分と伝導率が低い第2部分を含む。第1部分は、N型ドーパントまたはP型ドーパントでドーピングされる。P型トランジスタはP型ドーパントでドーピングされるドーピング部分を含み、N型トランジスタはM型ドーパントでドーピングされるドーピング部分を含む。第2部分はドーピングされていない部分であるか、第1部分に比べ低い濃度でドーピングされた部分である。
【0089】
第1部分の伝導性は第2部分の伝導性より大きく、第1部分は実質的に電極または信号ラインの役割をする。第2部分は実質的にトランジスタのチャネル領域(またはアクティブ領域)に当たる。つまり、第1半導体パターンのSP1一部分はトランジスタのチャネルであり、他の一部分はトランジスタのソースまたはドレインであり、また他の一部分は連結電極または連結信号ラインである。
【0090】
シリコントランジスタS-TFTの第1ソース領域SE1、第1チャネル領域AC1(またはアクティブ領域)、及び第1ドレイン領域DE1は第1半導体パターンSP1からなる。第1ソース領域SE1及び第1ドレイン領域DE1は断面上で第1チャネル領域AC1から互いに反対方向に延長される。第1ソース領域SE1及び第1ドレイン領域DE1は第1コンタクト孔CH1を介して対応する信号ライン及び発光素子LDに電気的に連結される。
【0091】
バッファ層BFの上側に第1絶縁層10が配置される。第1絶縁層10は第1半導体パターンSP1をカバーする。第1絶縁層10は無機層である。第1絶縁層10は、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、酸化ジルコニウム、及び酸化ハフニウムのうち少なくとも一つを含む。第1絶縁層10は単層の酸化シリコン層である。第1絶縁層10及び後述する第2乃至第5絶縁層20、30、40、50それぞれは単層または多層構造を有し、異なる物質のうち一つを含む。
【0092】
第1絶縁層10の上側にシリコントランジスタS-TFTのゲートGT1(以下、第1ゲート)が配置される。第1ゲートGT1は第2コンタクト孔CH2を介して対応する信号ラインに電気的に連結される。第1ゲートGT1は金属パターンの一部分である。第1ゲートGT1第1チャネル領域AC1に重畳する。第1半導体パターンSP1をドーピングする工程において、第1ゲートGT1マスクである。第1ゲートGT1は、銀(Ag)、銀を含む合金、モリブデニウム(Mo)、モリブデニウムを含む合金、アルミニウム(Al)、アルミニウムを含む合金、アルミニウム窒化物(AlN)、タングステン(W)、タングステン窒化物(WN)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、クロム窒化物(CrN)、チタン(Ti)、チタンを含む合金、タンタル(Ta)、白金(Pt)、スカンジウム(Sc)などを含む。例えば、第1ゲートGT1は、アルミニウム層とアルミニウム層の上側に配置されるチタン層とを含む。アルミニウム層及びチタン層を含む第1ゲートGT1は相対的に低い抵抗を有するため駆動速度が向上される。
【0093】
第1絶縁層10の上側に第2絶縁層20が配置されるが、第2絶縁層20は第1ゲートGT1をカバーする。第2絶縁層20の上側に第1ゲートGT1と重畳する上部電極UEが配置される。上部電極UEは、銀(Ag)、銀を含む合金、モリブデニウム(Mo)、モリブデニウムを含む合金、アルミニウム(Al)、アルミニウムを含む合金、アルミニウム窒化物(AlN)、タングステン(W)、タングステン窒化物(WN)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、クロム窒化物(CrN)、チタン(Ti)、チタンを含む合金、タンタル(Ta)、白金(Pt)、スカンジウム(Sc)などを含む。例えば、上部電極UEは、アルミニウム層とアルミニウム層の上側に配置されるチタン層とを含む。
【0094】
上部電極UEには開口部UE_OHが定義される。上部電極UEの開口部UE_OHはシリコントランジスタS-TFTの第1ゲートGT1と重畳する。
【0095】
第2絶縁層20の上側に第3ゲートGT2-2が配置される。酸化物トランジスタO-TFTが2つのゲートを含めば、第3ゲートGT2-2は酸化物トランジスタO-TFTの下側に配置されるゲートである。これとは異なり、酸化物トランジスタO-TFTが一つのゲートを含めば、第3ゲートGT2-2は遮蔽電極である。
【0096】
第2絶縁層20の上側に第3絶縁層30が配置される。第2半導体パターンSP2は第3絶縁層30の上側に配置される。第2半導体パターンSP2は酸化物トランジスタO-TFTのチャネル領域AC2を含む。第2半導体パターンSP2は酸化物半導体パターンを含む。第2半導体パターンSP2は、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、インジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)、インジウム錫亜鉛酸化物(ITZO)、インジウム錫ガリウム酸化物(ITGO)、インジウムガリウム錫亜鉛酸化物(IGTZO)、亜鉛酸化物(ZnO)、またはインジウム酸化物(In)などの透明導電性酸化物(transparent conductive oxide、TCO)を含む。亜鉛酸化物(ZnO)は酸化亜鉛(ZnO)及び/または過酸化亜鉛(ZnO)である。
【0097】
酸化物半導体は、透明導電性酸化物の還元可否によって区分される複数の領域を含む。透明導電性酸化物が還元された領域(以下、還元領域)は還元されていない領域(以下、非還元領域)に比べ大きい伝導性を有する。還元領域は実質的にトランジスタのソース/ドレインまたは信号ラインの役割をする。非還元領域は実質的にトランジスタの半導体領域(またはチャネル)に当たる。つまり、第2半導体パターンSP2の一部領域はトランジスタの半導体領域であり、他の一部領域はトランジスタのソース領域/ドレイン領域であり、また他の一部分は信号伝達領域である。
【0098】
第3絶縁層30の上側に第4絶縁層40が配置される。第4絶縁層40は第2半導体パターンSP2をカバーする。第4絶縁層40の上側に酸化物トランジスタO-TFTのゲートGT2-1(以下、第2ゲート)が配置される。酸化物トランジスタO-TFTは2つのゲートを含むが、2つのゲートは第2絶縁層20の上側に第3ゲートGT2-2と第4絶縁層40の上側に配置される第2ゲートGT2-1である。第2絶縁層20の上側に配置される第3ゲートGT2-2は第5絶縁層40の上側に配置される第2ゲートGT2-1は電気的に連結される。但し、本発明の一実施形態はこれに限らず、酸化物トランジスタO-TFTは一つのゲートを含んでもよい。
【0099】
酸化物トランジスタO-TFTの第2ソース領域SE2、第2チャネル領域AC2(またはアクティブ領域)、及び第2ドレイン領域DE2は第2半導体パターンSP2からなる。第2ソース領域SE2及び第2ドレイン領域DE2は、断面上で第2チャネル領域AC2から互いに反対方向に延長される。第2ソース領域SE2、第2ドレイン領域DE2、及び第2ゲートGT2-1は第3コンタクト孔CH3を介して対応する信号ライン及び発光素子LDに電気的に連結される。
【0100】
酸化物トランジスタO-TFTの第2ゲートGT2-1は金属パータンの一部分である。酸化物トランジスタO-TFTの第2ゲートGT2-1は第2チャネル領域AC2に重畳する。第2ゲートGT2-1は、(Ag)、銀を含む合金、モリブデニウム(Mo)、モリブデニウムを含む合金、アルミニウム(Al)、アルミニウムを含む合金、アルミニウム窒化物(AlN)、タングステン(W)、タングステン窒化物(WN)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、クロム窒化物(CrN)、チタン(Ti)、チタンを含む合金、タンタル(Ta)、白金(Pt)、スカンジウム(Sc)などを含む。例えば、第2ゲートGT2-1は、順次に積層されるチタン層と、アルミニウム層と、チタン層とを含む。アルミニウム層及びチタン層を含む第2ゲートGT2-1は相対的に低い抵抗を有するため駆動速度が向上される。
【0101】
第4絶縁層40の上側に第5絶縁層50が配置されるが、第5絶縁層50は第2ゲートGT2-2をカバーする。第1絶縁層10乃至第5絶縁層50それぞれは無機層である。
第5絶縁層50の上側に第6絶縁層60が配置され、第6絶縁層60の上側に第7絶縁層70が配置される。第6絶縁層60及び第7絶縁層70はそれぞれ有機層である。第6絶縁層60及び第7絶縁層70それぞれは、BCB(ベンゾシクロブテン)、ポリイミド、HMDSO(ヘキサメチルジシロキサン)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)や、ポリスチレン(PS)のような一般の汎用高分子、フェノール系グループを有する高分子誘導体、アクリル系高分子、イミド系高分子、アリールエーテル系高分子、アミド系高分子、フッ素系高分子、p-キシレン系高分子、ビニルアルコール系高分子、及びこれらのブレンドなどを含む。
【0102】
発光素子LDは、第1電極AEと、第1電極AEの上側に配置される発光層EMLと、発光層EMLの上側に配置される第2電極CEとを含む。第1電極AEは第7絶縁層70の上側に配置される。
【0103】
第1電極AEはアノードである。第1電極AEは、透明電極、半透明電極、または反射電極である。第1電極AEは、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)、またはこれらの化合物などからなる反射層と、反射層の上側に形成される透明または半透明電極層とを含む。透明または半透明電極層は、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、インジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)、亜鉛酸化物(ZnO)、インジウム酸化物(In)、及びアルミニウムドーピングされた亜鉛酸化物(AZO)を含む群から選択される少なくとも一つ以上を含む。例えば、第1電極AEはITO/Ag/ITOの積層構造を含む。
【0104】
第7絶縁層70の上側に画素定義膜PDLが配置される。画素定義膜PDLは透明な性質を有するか、光を吸収する性質を有する。例えば、光を吸収する画素定義膜PDLはブラック成分(black coloring agent)を含む。ブラック成分はブラック染料、ブラック顔料を含む。ブラック成分はカーボンブラック、クロムのような金属またはこれらの酸化物を含む。画素定義膜PDはが遮光特性を有する遮蔽パターンに該当する。
【0105】
画素定義膜PDLは第1電極AEの一部分をカバーする。例えば、画素定義膜PDLには第1電極AEの一部分を露出させる画素開口部P_OHが定義される。画素定義膜PDLは第1電極AEの縁と第2電極CEとの距離を増加させる。それによって、画素定義膜PDLによって第1電極AEの縁でアークなどが発生することを防止することができる。
【0106】
発光層EMLは、有機発光物質、無機発光物質、有機-無機発光物質、量子ドット、量子ロッド、マイクロLED、またはナノLEDを含む。図示は省略されるが、第1電極AEと発光層EMLとの間には正孔制御層が配置される。正孔制御層は、正孔注入層、正孔輸送層、及び電子阻止層のうち少なくとも一つを含む。発光層EMLと第2電極CEとの間には電子制御層が配置される。電子制御層は、電子注入層、電子輸送層、及び電子阻止層とのうち少なくとも一つを含む。
【0107】
第2電極CEはカソードである。第2電極CEは共通層として配置される。第2電極CEは共通電極と称される。例えば、第2電極CEは、Ag、Mg、Cu、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca、LiF、Mo、Ti、W、In、Sn、及びZnのうちから選択される少なくとも一つ、これらのうちから選択される2種以上の化合物、これらのうちから選択される2種以上の混合物、またはこれらの酸化物を含む。
【0108】
本発明の一実施形態において、酸化物トランジスタO-TFTと接触する第1接触絶縁層を貫通する第1ダミー孔DH-1が定義される。例えば、厚さ方向DR3を基準に、第1接触絶縁層は酸化物トランジスタO-TFTの上側で接触する。第1接触絶縁層は第4絶縁層40と第5絶縁層50とを含む。第5絶縁層50は第2ゲートGT2-1の上側で酸化物トランジスタO-TFTと接触する。第4絶縁層40は第2半導体パターンSP2と第2ゲートGT2-1との間に配置され、第2半導体パターンSP2及び第2ゲートGT2-1と接触する。第1ダミー孔DH-1は、少なくとも第4絶縁層40及び第5絶縁層50を貫通する。第1ダミー孔DH-1は第4絶縁層40及び第5絶縁層50を貫通し、第4絶縁層40の下側に配置される少なくとも一つの絶縁層を更に貫通する。
【0109】
本発明の一実施形態において、第1ダミー孔DH-1は酸化物トランジスタO-TFTと離隔されている。第1ダミー孔DH-1と第2半導体パターンSP2との間の第1離隔距離DT1は0μm超過10μm以下である。例えば、第1離隔距離DT1は3.4μm以上7.4μm以下である。但し、これは例示的なものであって、本発明の一実施形態はこれに限定されない。
【0110】
第1ダミー孔DH-1と第2半導体パターンSP2との間の第1離隔距離DT1は厚さ方向DR1に垂直な一方向における直線距離である。第1ダミー孔DH-1と第2半導体パターンSP2との間の第1離隔距離DT1は、第2半導体パターンSP2の端から第1ダミー孔DH-1までの距離である。第1ダミー孔DH-1と第2半導体パターンSP2との間の第1離隔距離DT1は、第2半導体パターンSP2及び第2ゲートGT2-1と接触する第4絶縁層40が配置される平面上における距離である。
【0111】
図7では、酸化物トランジスタO-TFTの第2ソース領域SE2から第1ダミー孔DH-1までの離隔距離を第1離隔距離DT1と示している。但し、これは例示的なものであって、第1ダミー孔DH-1の位置は図示した位置に限定されない。厚さ方向DR3に垂直な一方向において、第2半導体パターンSP2の端から10μm以下で離隔された位置に第1ダミー孔DH-1が形成される。第1ダミー孔DH-1は表示パネルの製造工程の途中に水素を排出するための通路として使用される。
【0112】
第2半導体パターンSP2の端から10μm超過で離隔された位置に形成されるダミー孔は、表示パネルの製造工程の途中で水素を排出することが容易ではないという特性を示す。排出できなかった水素は酸化物トランジスタの閾値電圧Vthを負の値になるようにする。本発明の一実施形態において、第2半導体パターンSP2の端から10μm以下で離隔された位置に第1ダミー孔DH-1が形成される表示パネルDPは、水素の排出に対する信頼性が向上される。それによって、酸化物トランジスタO-TFTの閾値電圧が負の値になることを防止し、表示パネルDPの信頼性が向上される。
【0113】
図7を参照すると、第1ダミー孔DH-1は発光素子LDに重畳する。発光素子LDは表示領域DP-AA(図1)に配置されるため、第1ダミー孔DH-1は表示領域DP-AA(図1)に重畳する。第1ダミー孔DH-1内には第1ダミー導電パターンDC-1が配置される。つまり、第1ダミー孔DH-1は金属物質で詰められている。図7では一つの第1ダミー孔DH-1を示したが、第1ダミー孔DH-1の数はこれに限らず、複数の第1ダミー孔が形成されてもよい。
【0114】
第1ダミー孔DH-1は第3絶縁層30、第3絶縁層30の下側に配置される第2絶縁層20、及び第1絶縁層10を更に貫通する。第1絶縁層10を貫通する第1ダミー孔DH-1はバッファ層BFの上面を露出させる。一方、図7の図示とは異なり、第1ダミー孔DH-1は第1絶縁層10の一部のみを通過し、厚さ方向DR3でバッファ層BFから所定距離だけ離隔されたように形成されてもよい。
【0115】
本発明の一実施形態において、シリコントランジスタS-TFTと接触する第2接触絶縁層を貫通する第2ダミー孔DH-2が定義される。例えば、厚さ方向DR3を基準に、第2接触絶縁層はシリコントランジスタS-TFTの上側で接触する。図7を参照すると、第2接触絶縁層は第1絶縁層10と第2絶縁層20とを含む。第1絶縁層10は第1半導体パターンSP1と第1ゲートGT1との間に配置され、第1半導体パターンSP1及び第1ゲートGT1と接触する。第2絶縁層20は第1ゲートGT1の上側でシリコントランジスタS-TFTと接触する。第2ダミー孔DH-2は少なくとも第1絶縁層20及び第2絶縁層20を貫通する。第2ダミー孔DH-2は第1絶縁層10及び第2絶縁層20を貫通し、第2絶縁層20の上側に配置される少なくとも一つの絶縁層を更に貫通する。
【0116】
本発明の一実施形態において、第2ダミー孔DH-2はシリコントランジスタS-TFTと離隔されている。第2ダミー孔DH-2とシリコントランジスタS-TFTが含む第1半導体パターンSP1との間の第2離隔距離DT2は0μm超過10μm以下である。
【0117】
第2ダミー孔DH-2と第1半導体パターンSP1との間の第2離隔距離DT2は厚さ方向DR3に垂直な一方向における直線距離である。第2ダミー孔DH-2と第1半導体パターンSP1との間の第2離隔距離DT2は、第1半導体パターンSP1の端から第2ダミー孔DH-2までの直線距離である。第2ダミー孔DH-2と第1半導体パターンSP1との間の第2離隔距離DT2は、第1半導体パターンSP1及び第21ゲートGT1と接触する第1絶縁層10が配置される平面上における距離である。
【0118】
図7では、シリコントランジスタS-TFTの第1ドレイン領域DE1から第2ダミー孔DH-2までの離隔距離を第2離隔距離DT2と示している。但し、これは例示的なものであって、第2ダミー孔DH-2の形成位置はこれに限定されない。厚さ方向DR3に垂直な一方向において、第1半導体パターンSP1の端から10μm以下で離隔された位置に第2ダミー孔DH-2が形成される。
【0119】
第1半導体パターンSP1の端から10μm超過で離隔された位置に形成されるダミー孔は、表示パネルの製造工程の途中に水素を排出することが容易ではないという特性を示す。また、ダミー孔が形成されていない表示パネルは不必要な水素を含むようになる。排出できなかった水素はシリコントランジスタの駆動を低下させる。本発明の一実施形態において、第2半導体パターンSP1の端から10μm以下で離隔された位置に第2ダミー孔DH-2が形成される表示パネルDPは、水素の排出に対する信頼性が向上される。それによって、シリコントランジスタS-TFTの駆動低下を防止し、表示パネルDPの信頼性が向上される。
【0120】
図7を参照すると、第2ダミー孔DH-2は発光素子LDに重畳する。発光素子LDは表示領域DP-AA(図1)に配置されるため、第2ダミー孔DH-2は表示領域DP-AA(図1)に重畳する。図7では一つの第2ダミー孔DH-2を示したが、第2ダミー孔DH-2の数はこれに限らず、複数の第2ダミー孔が形成されてもよい。
【0121】
第2ダミー孔DH-2内には第2ダミー導電パターンDC-2が配置される。つまり、第2ダミー孔DH-2には金属物質が提供される。第1ダミー孔DH-1に配置される第1ダミー導電パターンDC-1と第2ダミー孔DH-2に配置される第2ダミー導電パターンDC-2は同じ金属物質を含む。
【0122】
第2ダミー孔DH-2は第3乃至第5絶縁層30、40、50を貫通する。第2ダミー孔DH-2は第1ダミー孔DH-1と同じステップで形成される。それによって、第1ダミー孔DH-1が貫通する第3乃至第5絶縁層30、40、50を第2ダミー孔DH-2が貫通するように形成される。
【0123】
第1絶縁層10を貫通する第2ダミー孔DH-2はバッファ層BFの上面を露出させる。一方、図示とは異なり、第2ダミー孔DH-2は第1絶縁層10の一部のみを通過し、厚さ方向DR3でバッファ層BFから所定距離だけ離隔されたように形成されてもよい。
【0124】
図7を参照して説明した第1ダミー孔DH-1に関する内容は、図5に示したダミー孔DH-a、DH-cに同じく適用される。また、図7を参照して説明した第2ダミー孔DH-2に関する内容は図5に示したダミー孔DH-bに同じく適用される。
【0125】
図8は本発明の他の実施形態を示す断面図であって、図7に比べ第1ダミー孔DH-1aが貫通する第1接触絶縁層に差がある。図8に関する説明において、図1乃至図7を参照して説明した内容と重複する内容の説明は省略され、図1乃至図7を参照して説明した内容と異なる点を中心に説明する。
【0126】
図8を参照すると、第1ダミー孔DH-1aは第4絶縁層40と第5絶縁層50とを貫通する。図8に示した第1ダミー孔DH-1aは第1乃至第3絶縁層10、20、30を貫通しない。第1接触絶縁層は第4絶縁層40及び第5絶縁層50とを含み、第1乃至第3絶縁層10、20、30を含まない。
【0127】
第1ダミー孔DH-1aは第4絶縁層40及び第5絶縁層50を貫通し、第2ダミー孔DH-2は第1乃至第5絶縁層10、20、30、40、50を貫通する。後述する本発明の一実施形態の表示パネルの製造方法において、第1ダミー孔DH-1aは第1乃至第3絶縁層10、20、30を貫通せず、第4絶縁層40及び第5絶縁層50を貫通するように形成される。
【0128】
本発明の一実施形態の表示パネルは、本発明の一実施形態の表示パネルの製造方法を用いて形成される。図9は、本発明の一実施形態の表示パネルの製造方法を示す順序図である。図10乃至図14は、本発明の一実施形態の表示パネルの製造ステップを概略的に示す図である。以下、図9乃至図14を参照して説明する本発明の一実施形態に対する表示パネルの製造方法に関する説明において、図1乃至図8で説明した内容と重複する内容の説明は省略され、図1乃至図8で説明した内容と異なる点を中心に説明する。
【0129】
図9を参照すると、本発明の一実施形態の表示パネルの製造方法は、ベース層を準備するステップS100と、ベース層の上側に酸化物半導体パターンを形成するステップS200と、酸化物半導体パターンの上側に直接配置される第4絶縁層を形成するステップS300と、第4絶縁層の上側に直接配置される第2ゲートを形成するステップS400と、第1ダミー孔を形成するステップS500と、前記第1ダミー孔に金属物質を提供して第1ダミー導電パターンを形成するステップS600と、を含む。第1ダミー孔DH-1(図7)は、酸化物半導体パターン(つまり、第2半導体パターンSP2)及び酸化物半導体パターンSP2の上側に配置される第2ゲートGT2-1と離隔されたように形成される。酸化物半導体パターンSP2及び第2ゲートGT2-1を形成するステップから酸化物トランジスタO-TFTが形成される。
【0130】
図10を参照すると、酸化物トランジスタO-TFTを形成する前にシリコントランジスタS-TFTが形成される。本発明の一実施形態の表示パネルの製造方法は、酸化物半導体パターンを形成するステップS200の前に、ベース層110の上側にバッファ層BFを形成するステップと、バッファ層BFの上側にシリコン半導体パターン(つまり、第1半導体パターンSP1)を形成するステップと、シリコン半導体パターンの上側に第1絶縁層10を形成するステップと、第1絶縁層10の上側に第1ゲートGT1を形成するステップと、を更に含む。第1絶縁層10は第1半導体パターンSP1の上側に直接形成され、第1ゲートGT1は第1絶縁層10の上側に直接形成される。
【0131】
第1ゲートGT1を形成するステップの後、順次に第2絶縁層20、上部電極UE、第3絶縁層30が形成される。上部電極UEを形成するステップで酸化物トランジスタO-TFTの第3ゲートGT2-2が形成される。第3絶縁層30が形成された後、第2半導体パターンSP2が形成される。酸化物トランジスタO-TFTの第2ゲートGT2-1を形成するステップの後、第5絶縁層50が形成される。
【0132】
図11は、第1ダミー孔を形成するステップS500を示している。第1ダミー孔DH-1は第4絶縁層50及び第5絶縁層50を貫通するように形成される。上述したように、第4絶縁層40及び第5絶縁層50は第2半導体パターンSP2及び/または第2ゲートGT2-1と接触する絶縁層である。また、第2ミー孔DH-1は第4絶縁層40の下側に配置される第1乃至第3絶縁層10、20、30を更に貫通する。本発明の一実施形態の表示パネルの製造方法において、シリコントランジスタS-TFT及び酸化物トランジスタO-TFTが形成された後、第1ダミー孔DH-1が形成される。それによって、酸化物トランジスタO-TFTを形成する前に形成された第1乃至第3絶縁層10、20、30を貫通するように第1ダミー孔DH-1が形成される。
【0133】
これとは異なり、第1ダミー孔DH-1a(図8)は第4絶縁層40及び第5絶縁層50を貫通し、第1乃至第3絶縁層10、20、30は貫通しないように形成されてもよい。例えば、第4絶縁層40及び第5絶縁層50を貫通し、第1乃至第3絶縁層10、20、30は貫通しない第1ダミー孔DH-1a(図8)を形成するためにマスクが提供される。但し、これは例示的なものであって、第1ダミー孔DH-1a(図8)の形成方法はこれに限定されない。
【0134】
シリコン半導体パターンSP1が対応する信号ライン及び/または発光素子に電気的に連結されるように第1コンタクト孔CH1が形成される。第1コンタクト孔CH1を形成するステップで第1ダミー孔DH-1が形成される。第1ダミー孔DH-1と第1コンタクト孔CH1は同じステップで形成される。例えば、第1ダミー孔DH-1と第1コンタクト孔CH1は同時にエッチングされる。
【0135】
第1コンタクト孔CH1はシリコン半導体パターンSP1の上側に配置される第2乃至第5絶縁層20、30、40、50を貫通するように形成される。第1コンタクト孔CH1は第1ソース領域SE1及び第1ドレイン領域DE1に電気的に連結される。
【0136】
第1ダミー孔DH-1は第2半導体パターンSP2の端から離隔距離が10μm以下の位置に形成される。第1ダミー孔DH-1を形成するステップは、酸化物トランジスタO-TFTと接触する絶縁層をエッチングするステップと、エッチングされた領域に熱を提供するステップと、を含む。第1乃至第5絶縁層10、20、30、40、50を貫通する第1ダミー孔DH-1が形成されるようにエッチング工程が行われる。次に、エッチングされた領域に熱HTが提供される。熱HTが提供されることで、第1ダミー孔DH-1を介して水素が排出される。
【0137】
熱HTの提供は、370℃以上390℃以下の温度で行われる。370℃以上390℃以下の温度で熱HTが提供されることで水素(H)が排出される。水素が排出されなければ、水素は酸化物トランジスタの閾値電圧を負の値に移動させ、表示パネルの信頼性を低下させる。
【0138】
370℃未満の温度で熱が提供される場合には、水素の排出が容易ではなくなり、390℃超過の温度で熱が提供される場合には、表示パネルを構成する部材が損傷する。第1ダミー孔DH-1を形成するステップにおいて、370℃以上390℃以下の温度で熱が提供されるステップを含む本発明の一実施形態の表示パネルの製造方法は優れた製造信頼性を示す。本発明の一実施形態の表示パネルの製造方法から製造された本発明の一実施形態の表示パネルは優れた信頼性を示す。
【0139】
本発明の一実施形態において、第2ダミー孔DH-2は第1ダミー孔DH-1と同じステップで形成される。第2ダミー孔DH-2は第1半導体パターンSP1及び第1ゲートGT1と離隔するように形成される。第2ダミー孔DH-2は、シリコントランジスタS-TFTと接触する第1絶縁層10及び第2絶縁層20を貫通する用に形成される。また、第2ダミー孔DH-2は、酸化物トランジスタO-TFTと上側及び下側で接触する第3乃至第5絶縁層30、40、50を貫通するように形成される。第1乃至第5絶縁層10、20、30、40、50を貫通するようにエッチング工程が行われて第2ダミー孔DH-2が形成される。エッチング工程の後、熱HTが提供されて、第2ダミー孔DH-2を介して水素が排出される。
【0140】
熱HTの提供は、370℃以上390℃以下の温度で行われる。370℃以上390℃以下の温度で熱HTが提供されることで水素(H)が排出される。水素が排出されない場合には、水素はシリコントランジスタの駆動能力を低下させる。第2ダミー孔DH-2を形成するステップにおいて、370℃以上390℃以下の温度で熱が提供されるステップを含む本発明の一実施形態の表示パネルの製造方法は優れた製造信頼性を示す。本発明の一実施形態の表示パネルの製造方法から製造された本発明の一実施形態の表示パネルは優れた信頼性を示す。
【0141】
熱HTを提供して水素を排出した後、洗浄するステップが行われる。第1コンタクト孔CH1、第1ダミー孔DH-1、及び第2ダミー孔DH-2を形成するステップの後、洗浄のための溶液などが提供される。
【0142】
図12を参照すると、次に第2コンタクト孔CH2が形成される。第2コンタクト孔CH2は、シリコントランジスタS-TFTの第1ゲートGT1が対応する信号ラインまたは発光素子LDに電気的に連結されるように形成される。この際、第2コンタクト孔CH2は第1ゲートGT1の上側に配置される第2乃至第5絶縁層20、30、40、50を貫通するように形成される。
【0143】
また、第2コンタクト孔CH2は、酸化物トランジスタO-TFTの第3ゲートGT2-2が対応する信号ラインまたは発光素子LDに電気的に連結されるように形成される。この際、第2コンタクト孔CH2は第3乃至第5絶縁層30、40、50を貫通するように形成される。第2コンタクト孔CH2を形成するステップはエッチングするステップを含み、熱を提供するステップを含まない。
【0144】
図13を参照すると、第2コンタクト孔CH2が形成された後、第3コンタクト孔CH3が形成される。第3コンタクト孔CH3は、第2ゲートGT2-1が対応する信号ラインまたは発光素子LDに電気的に連結されるように形成される。この際、第3コンタクト孔CH3は第2ゲートGT2-1の上側に配置される第5絶縁層50を貫通する。
【0145】
また、第3コンタクト孔CH3は、第2半導体パターンSP2が対応する信号ラインまたは発光素子LDに電気的に連結されるように形成される。この際、第3コンタクト孔CH3は第2半導体パターンSP2の上側に配置される第4絶縁層40及び第5絶縁層50を貫通するように形成される。第3コンタクト孔CH3を形成するステップはエッチングするステップを含み、熱を提供するステップを含まない。
【0146】
図14では、第1ダミー孔DH-1に第1金属物質を提供して第1ダミー導電パターンDC-1が形成され、第2ダミー孔DH-2に第2金属物質を提供して第2ダミー導電パターンDC-2が形成されていることを示している。第1金属物質と第2金属物質は同じである。また、第1乃至第3コンタクト孔CH1、CH2、CH3に金属物質が提供される。例えば、第1乃至第3コンタクト孔CH1、CH2、CH3に提供される金属物質、第1金属物質、及び第2金属物質は同じである。但し、本発明の一実施形態はこれに限らず、第1乃至第3コンタクト孔CH1、CH2、CH3に提供される金属物質のうち少なくとも一つは第1金属物質と異なってもよい。
【0147】
以下では本発明の各実施形態及び比較例を参照しながら、本発明の一実施形態による表示パネルについて詳細に説明する。以下に示す各実施形態は本発明の理解を助けるための一例示であって、本発明の範囲はこれに限定されない。
【0148】
図15A及び図15Bは、比較例及び本発明の一実施形態の表示パネルにおける酸化物トランジスタの電圧Vgによる電流Idを測定して示すグラフである。図15Aの比較例1乃至3はダミー孔が形成されていない表示パネルであり、同じ表示パネルを3つ提供したものである。図15Bの実施形態1乃至3はダミー孔が形成されている表示パネルであり、同じ表示パネルを3つ提供したものである。つまり、図15Bの実施形態1乃至3は本発明の一実施形態による表示パネルである。
【0149】
図15A及び図15Bを参照すると、図15Aの比較例1乃至3に比べ、図15Bの実施形態1乃至3は電圧が0に近接した値を示し、電流値も類似したレベルを示すことが分かる。つまり、ダミー孔が形成されている実施形態1乃至3は駆動特性が安定化していることが分かる。ダミー孔が形成されていない比較例1乃至3は、ダミー孔が形成されていないことで電圧が負の値に移動しており、電流値の偏差が相対的に大きいことが分かる。つまり、ダミー孔が形成されていない比較例1乃至3は駆動特性が不安定なことが分かる。それによって、本発明の一実施形態において、酸化物トランジスタと接触する絶縁層を貫通するダミー孔が形成されている表示パネルは優れた信頼性を示すと判断される。
【0150】
図16A乃至図16Eは、ダミー孔が形成されている本発明の一実施形態の表示パネルにおける酸化物トランジスタの電圧Vgによる電流Idを測定して示すグラフである。図16A乃至図16Eの各実施形態はダミー孔と半導体パターンとの間の離隔距離のみ異なっており、離隔距離が10μm以下である。つまり、各実施形態EA1乃至EA3、EB1乃至EB3、EC1乃至EC3、ED1乃至ED3、及びEE1乃至EE3は本発明の一実施形態によるダミー孔と半導体パターンとの間の離隔距離の範囲を満足する。
【0151】
図16Aの各実施形態EA1乃至EA3は離隔距離が約7.4μmであって、同じ表示パネルを3つ提供したものである。図16Bの各実施形態EB1乃至EB3は離隔距離が約6.4μmであって、同じ表示パネルを3つ提供したものである。図16Cの各実施形態EC1乃至EC3は離隔距離が約5.4μmであって、同じ表示パネルを3つ提供したものである。図16Dの各実施形態ED1乃至ED3は離隔距離が約4.4μmであって、同じ表示パネルを3つ提供したものである。図16Eの各実施形態EE1乃至EE3は離隔距離が約3.4μmであって、同じ表示パネルを3つ提供したものである。
【0152】
図16A乃至図16Eを参照すると、ダミー孔と半導体パターンとの間の離隔距離が10μm以下である本発明の一実施形態の表示パネルにおいて、酸化物トランジスタは駆動特性が安定化していることが分かる。また、離隔距離が相対的に短くなるほど酸化物トランジスタは優れた駆動特性を示すことが分かる。それによって、本発明の一実施形態において、ダミー孔と半導体パターンとの間の離隔距離が10μm以下である表示パネルのトランジスタは駆動特性が安定化される。
【0153】
本発明の一実施形態の表示パネルの製造方法は、ベース層の上側に酸化物半導体パターン、第1絶縁層、ゲートを順次に形成するステップを含み、酸化物半導体パターン及びゲートと離隔されたようにダミー孔を形成するステップを含む。また、本発明の一実施形態の表示パネルの製造方法は、ダミー孔に金属物資を提供してダミー導電パターンを形成するステップを含む。第1絶縁層は酸化物半導体パターン及びゲートと接触するように形成されるが、ダミー孔は第1絶縁層を貫通するように形成される。ダミー孔は酸化物半導体パターンを含むトランジスタと接触する第1絶縁層を貫通するように形成され、不必要な水素を除去するための通路として使用される。それによって、酸化物半導体パターンを含むトランジスタと接触する第1絶縁層を貫通するようにダミー孔を形成するステップを含む本発明の一実施形態の表示パネルの製造方法は、優れた製造信頼性を示す。
【0154】
本発明の一実施形態の表示パネルは、絶縁層、絶縁層の上側に配置される発光素子、発光素子に電気的に連結されるトランジスタを含む。トランジスタは、酸化物半導体パターンと、酸化物半導体パターンの上側に配置されるゲートとを含む。本発明の一実施形態の表示パネルにおいて、絶縁層のうち酸化物半導体パターンを含むトランジスタと接触する接触絶縁層を貫通する第1ダミー孔が定義されるが、第1ダミー孔の内には第1ダミー導電パターンが配置される。第1ダミー孔が定義された本発明の一実施形態の表示パネルは、水素が排出されることで優れた信頼性を示す。
【0155】
本発明の一実施形態として例示した表示パネル及び表示パネルの製造方法の各種構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で相互に矛盾しない限り、適宜入れ替え可能である。また、本発明の一実施形態として例示した表示パネル及び表示パネルの製造方法の各種構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で相互に矛盾しない限り、適宜組み合わせてもよい。
【0156】
本発明の好ましい各実施形態を説明したが、当該技術分野における当業者または当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、後述する特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び技術領域から逸脱しない範囲内で、本発明を様々に修正及び変更可能である。
【0157】
よって、本発明の技術的範囲は明細書の詳細な説明に記載の内容に限らず、特許請求の範囲によって決められる。
【符号の説明】
【0158】
DP:表示パネル、LD:発光素子、SP2:酸化物半導体パターン、GT2-1:第1ゲート、O-TFT:第1トランジスタ、DC-1:第1ダミー導電パターン、DH-1:第1ダミー孔
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