(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036299
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20240308BHJP
G06T 19/20 20110101ALI20240308BHJP
A41H 1/02 20060101ALI20240308BHJP
A41H 3/00 20060101ALI20240308BHJP
【FI】
G06Q30/0601 320
G06T19/20
A41H1/02 Z
A41H3/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023139959
(22)【出願日】2023-08-30
(31)【優先権主張番号】P 2022141019
(32)【優先日】2022-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】516206761
【氏名又は名称】株式会社ELEMENTS
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】久田 康弘
【テーマコード(参考)】
5B050
5L049
【Fターム(参考)】
5B050AA10
5B050BA09
5B050BA12
5B050CA07
5B050CA08
5B050EA09
5B050EA27
5B050FA02
5B050FA05
5B050FA08
5B050FA13
5L049BB58
(57)【要約】
【課題】よりフィットする衣服を提案する際の利便性を向上させること。
【解決手段】ユーザ指示取得部54は、店舗端末に対するユーザの指示を取得する。ユーザマスタボディ生成部55は、ユーザの指示に基づいて、マッチングマスタボディをカスタマイズすることで、カスタムマスタボディを生成してユーザマスタボディDB62に格納する。ユーザマスタボディ更新部57は、カスタムマスタボディがユーザマスタボディDB62に前回格納されてから所定時間経過して所定のトリガがあったとき、当該所定時間の経過による人間の身体の変化を考慮してカスタムマスタボディCMB1を更新してユーザマスタボディDB62に格納する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数人の身体の3次元スキャンデータを、所定手法で複数のグループにクラスタリングすることで得られる複数種類の統計的ボディが、前記複数のグループ毎に記憶された第1データベースから、ユーザの身体の特徴を示すユーザボディデータに基づいて、所定種類の統計的ボディをユーザベースボディとして取得する統計的ボディ取得手段と、
前記ユーザの指示に基づいて、前記ユーザベースボディをカスタマイズすることで、ユーザマスタボディを生成して第2データベースに格納するユーザマスタボディ生成手段と、
前記ユーザマスタボディが前記第2データベースに前回格納されてから所定時間経過して所定のトリガがあったとき、当該所定時間の経過による人間の身体の変化を考慮して当該ユーザマスタボディを更新して前記第2データベースに格納するユーザマスタボディ更新手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記複数のグループ毎に、基準となる統計的ボディから作られた所定アイテムの型紙を、グループ基準型紙として前記第1データベースに記憶されており、
前記ユーザマスタボディが前記第2データベースに格納される毎に、前記ユーザベースボディが属していたグループの前記基準となる統計的ボディ及びそれから作られた前記グループ基準型紙、並びに、前記ユーザマスタボディに基づいて、前記ユーザに適用する前記所定アイテムの型紙を、ユーザ用型紙として生成するユーザ用型紙生成手段、
をさらに備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
仮想空間において、前記ユーザ用型紙から作られた前記所定アイテムのオブジェクトを、前記ユーザマスタボディに装着させた様子を示す画像を生成して、前記ユーザに提示する画像生成手段と、
前記画像が提示された前記ユーザの指示に基づいて、前記ユーザ用型紙を更新するユーザ用型紙更新手段、
をさらに備える請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記画像生成手段は、さらに、実世界の前記所定アイテムの特徴を反映した前記オブジェクトを、前記ユーザマスタボディに装着させた様子を示す前記画像を生成して、前記ユーザに提示する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
情報処理装置が実行する情報処理方法において、
複数人の身体の3次元スキャンデータを、所定手法で複数のグループにクラスタリングすることで得られる複数種類の統計的ボディが、前記複数のグループ毎に記憶された第1データベースから、ユーザの身体の特徴を示すユーザボディデータに基づいて、所定種類の統計的ボディをユーザベースボディとして取得する統計的ボディ取得ステップと、
前記ユーザの指示に基づいて、前記ユーザベースボディをカスタマイズすることで、ユーザマスタボディを生成して第2データベースに格納するユーザマスタボディ生成ステップと、
前記ユーザマスタボディが前記第2データベースに前回格納されてから所定時間経過して所定のトリガがあったとき、当該所定時間の経過による人間の身体の変化を考慮して当該ユーザマスタボディを更新して前記第2データベースに格納するユーザマスタボディ更新ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータに、
複数人の身体の3次元スキャンデータを、所定手法で複数のグループにクラスタリングすることで得られる複数種類の統計的ボディが、前記複数のグループ毎に記憶された第1データベースから、ユーザの身体の特徴を示すユーザボディデータに基づいて、所定種類の統計的ボディをユーザベースボディとして取得する統計的ボディ取得ステップと、
前記ユーザの指示に基づいて、前記ユーザベースボディをカスタマイズすることで、ユーザマスタボディを生成して第2データベースに格納するユーザマスタボディ生成ステップと、
前記ユーザマスタボディが前記第2データベースに前回格納されてから所定時間経過して所定のトリガがあったとき、当該所定時間の経過による人間の身体の変化を考慮して当該ユーザマスタボディを更新して前記第2データベースに格納するユーザマスタボディ更新ステップと、
を含む制御処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、人が着用する衣類や靴等のアイテムは、固有の寸法を持つ人体モデルに合わせて制作されている。このような人体モデルは、所定ユーザの採寸データに基づいて生成された3次元データからなる人体モデルであり、マスタボディとも呼ばれる。このマスタボディをベースにグレーディング等が行われ、サイズが夫々異なる複数種類のマスタボディが生成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の手法で生成されたマスタボディに合わせて制作されたアイテムは、ユーザによっては、既存のどのサイズにも身体がフィットしない場合がある。具体的には例えば、あるユーザが、長袖シャツを購入するために試着をした際、袖の長さはLサイズにジャストフィットするが、首回りはLサイズにフィットせず、むしろMサイズがフィットするといった場合がある。このような場合、ユーザとしては、長袖シャツの購入を諦めざるを得なくなり、長袖シャツの提供者としては、目前に長袖シャツを購入しようとするユーザがいるにも関わらず商機を逸してしまうという好ましくない事態が生じることとなる。
このようにユーザ側にも提供者側にも好ましくない事態が生じてしまう理由は、従来のマスタボディの生成過程において、上述のように所定ユーザの採寸データのみに基づいてマスタボディが生成されるからである。即ち、市場における多数人の体型分布が考慮されることなくマスタボディが生成されているからである。
このため、市場における多数人の体型分布の幅を持つ複数種類のマスタボディを効率良く生成するための簡易な手法が求められている状況である。
さらに言えば、人の体型は、変化するものであり、マスタボディの更新の手間が存在した。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、よりフィットする衣服を提案する際の利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理装置は、
複数人の身体の3次元スキャンデータを、所定手法で複数のグループにクラスタリングすることで得られる複数種類の統計的ボディが、前記複数のグループ毎に記憶された第1データベースから、ユーザの身体の特徴を示すユーザボディデータに基づいて、所定種類の統計的ボディをユーザベースボディとして取得する統計的ボディ取得手段と、
前記ユーザの指示に基づいて、前記ユーザベースボディをカスタマイズすることで、ユーザマスタボディを生成して第2データベースに格納するユーザマスタボディ生成手段と、
前記ユーザマスタボディが前記第2データベースに前回格納されてから所定時間経過して所定のトリガがあったとき、当該所定時間の経過による人間の身体の変化を考慮して当該ユーザマスタボディを更新して前記第2データベースに格納するユーザマスタボディ更新手段と、
を備える。
【0007】
本発明の一態様の情報処理方法及びプログラムは、上述の本発明の一態様の情報処理装置に対応する処理方法及びプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、対象となるユーザに、よりフィットする衣服を提案することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバを含む情報処理システムを用いて実現されるサービスの概要を示すイメージ図である。
【
図2】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバを含む情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図3】
図2の情報処理システムのうち、サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】
図2のサーバの機能的構成の一例を示す図である。
【
図5】
図1の本サービスのフローの概略を示す図である。
【
図6】
図1のマッチングマスタボディの生成の一例を示す図である。
【
図7】
図1の時系列変化モデルによるカスタムマスタボディの時系列変化の一例を示す図である。
【
図8】
図1のマッチングマスタボディのマッチングと、カスタムマスタボディの生成におけるUIの一例を示す図である。
【
図9】
図1のマッチングマスタボディのマッチングと、カスタムマスタボディの生成におけるUIの一例を示す図である。
【
図10】
図1の衣類のための型紙の生成コストの一例を示す図である。
【
図11】
図1の衣類のためのユーザに提示する画像の計算コストの一例を示す図である。
【
図12】
図1のカスタマイズデータの入力の一例を示す図である。
【
図13】本サービスの3次元スキャンデータやカスタムマスタボディを利用したサービスの一例を示す図である。
【
図14】本サービスのカスタムマスタボディを利用した製品設計や生産計画への活用例を示す図である。
【
図15】本サービスのカスタムマスタボディを利用した製品設計や生産計画への活用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。そこで、まずは
図1を参照しつつ本発明の一実施形態に係る情報処理システムの適用対象となるサービス(以下、「本サービス」と呼ぶ)の概要について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムを用いて実現されるサービスの概要を示すイメージ図である。
【0011】
本サービスは、多人数の身体の3次元スキャンデータ(以下「多数人サンプルデータ」と適宜呼ぶ)から、アイテム(例えば、Tシャツ、長袖シャツ等)毎にマスタボディを生成し、本サービスの適用対象となるユーザに対して、そのユーザの統計的ボディを提供することにより、よりフィットする衣類を提供するサービスである。
【0012】
即ち、本サービスは、マスタボディの生成を行うサービスである。
具体的には、多人数サンプルデータから、その多人数の夫々が分類されたクラスタにクラスタリングを行うことで統計的ボディを作成する。
図1の例においては、多人数のスキャンデータに基づいて、その多人数の夫々は、3つのクラスタCS、CM、CLにクラスタリングされている。そして、各クラスタ毎に、型紙が生成される。即ち、
図1の例においては、3つのクラスタCS、CM、CLの夫々の型として、型KS、KM、KLとが生成されている。この型紙は、後述するフィッティング型紙を生成するときに用いられる。
また、各クラスタ毎に、統計的マスタボディが生成される。
図1の例においては、クラスタCMの統計的マスタボディとして後述するマッチングマスタボディMMBが図示されている。
【0013】
ここで、多人数のスキャンデータには、その多人数のうち、ある人の複数時点(例えば、過去と現在)におけるスキャンデータが含まれる。本サービスでは、複数時点におけるスキャンデータに基づいて、時系列変化モデルが生成される。時系列変化モデルは、ある人が、時系列にどのように体型変化するかを推定するモデルである。
なお、時系列変化モデルは、ある人の複数時点におけるスキャンデータのみならず、同様の性質を持つ人のスキャンデータの統計処理用いて生成されてもよい。具体的には例えば、スポーツ体型ではない男性について、30歳から40歳にかけての体型変化を統計処理することにより、スポーツ体型ではない男性の時系列変化モデルが生成される。
【0014】
上述のように、予め統計的マスタボディと時系列変化モデルが生成された上で、ユーザUが自身の体型を反映したマスタボディとフィットする衣類を注文等するためのサービスを受けることが出来る。
即ち、ユーザUは、自身の体型について、マッチング用データDMを提供する。具体的には例えば、ユーザUは、自身の身長や体重、年齢等のデータを提供する。これにより、そのユーザUが上述のクラスタのいずれに属するかがマッチングされる。
その結果、ユーザUに対して、ユーザUが属するクラスタに対応付けられたマッチングマスタボディがマッチングされる。
図1の例においては、ユーザUに対して、クラスタCMに対応付けられたマッチングマスタボディMMBがマッチングされる。
即ち、「マッチングマスタボディ」とは、予めクラスタリングされたクラスタと対応付けられた3次元の体型を示すマスタボディである。
【0015】
次に、ユーザUは、自身の体型について、カスタム用データDCを提供する。具体的には例えば、ユーザUは、自身の肩幅はマッチングマスタボディMMBと比較して広い旨に対応する情報を、カスタム用データDCとして提供する。
このように、ユーザは各種項目(例えば、肩幅や胸囲等)について、マッチングマスタボディMMBと比較した結果の情報をカスタム用データDCとして提供する。
なお、カスタム用データDCは、マッチングマスタボディMMBとの比較結果のみならず、別途用意された写真との比較結果や、実寸値の形態で提供されてもよい。
このようにユーザUにより提供されたカスタム用データDCに基づいて、カスタマイズされたカスタムマスタボディが生成される。
図1の例においては、ユーザUが2022年にカスタムした結果として、カスタムマスタボディCMB1が生成されている。
カスタムマスタボディCMB1は、統計的に生成されたマッチングマスタボディMMBから、ユーザUから提供されたカスタム用データDCに基づいて、ユーザUの体型へとカスタムされたマスタボディである。
【0016】
次に、カスタムマスタボディCMB1に対して、フィッティング型紙K1が作成される。
即ち、上述したように、ユーザUが属するクラスタCMには、対応付けられて型KMが作成されている。そして、クラスタCMに対応付けられた型KMに基づいて作成された衣類は、クラスタCMに対応付けられたマッチングマスタボディMMBの体型に対して、基本的にフィットする。
しかしながら、上述したように、ユーザUの体型を示すカスタムマスタボディCMB1は、マッチングマスタボディMMBからカスタマイズされているため、型KMに基づいて作成された衣類は必ずしもフィットしないことが考えられる。
そこで、本サービスでは、ユーザUの体型へとカスタムされたカスタムマスタボディCMB1に対して、仮想的な3次元空間において、型KMに基づいて作成される衣類を装着させることにより、実際にユーザUが着た時の様子をシミュレーションすることが出来る。
ユーザUは、シミュレーションされた、自身が着た時の様子(例えば、シルエットや生地のあまり方等)を確認し、自身の好みにフィッティング型紙K1を編集することが出来る。
そして、衣類製造業者にこのフィッティング型紙K1が提供されることにより、ユーザUは自身にあった衣類を取得することが出来るようになるのである。
【0017】
ユーザUは、フィッティング型紙K1を用いて衣類を注文等することにより、自身にあった衣類を取得できるが、上述したように、ユーザUの体型は日々変化し得るものである。
即ち、ユーザUは、恒常的にフィッティング型紙K1を用いることはできない。また、カスタマイズした2022年時点のカスタムマスタボディCMB1も同様である。
【0018】
そこで、本サービスでは、カスタマイズした2022年時点のカスタムマスタボディCMB1から、所定期間経過後(ここでは翌年である2023年時点)のカスタムマスタボディCMB2を、時系列変化モデルを用いて生成する。
そして、ユーザUは、時系列変化モデルを用いて生成されたカスタムマスタボディCMB2を用いて、フィッティング型紙K2をも生成する。
これにより、ユーザUは、所定期間経過後、改めて自身マッチングやカスタムマスタボディを作るためのカスタマイズを行わずとも、自身の体型にあったカスタムマスタボディCMB2を用いることが出来る。そして、ユーザUは、自身の体型にあった衣類を取得することが出来るのである。
なお、図示はしないが、時系列変化モデルを用いてカスタムマスタボディCMB2が生成された後、ユーザUは、さらに自身に合わせてカスタマイズすることもできる。
本サービスはこのような仕組みを採用することにより、ユーザUは自身のカスタムマスタボディを容易に利用することができ、自身の体型にあった衣類を取得することが出来るようになるのである。
【0019】
次に、上述したサービスの提供を実現させる本発明の情報処理装置を含む、情報処理システムの構成について説明する。
【0020】
図2は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバを含む情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【0021】
図2に示す情報処理システムは、サーバ1と、店舗端末2とを含むように構成されている。
サーバ1と、店舗端末2との夫々は、インターネット(Internet)等のネットワークNを介して相互に接続されている。
【0022】
サーバ1は、多数人のスキャンデータに基づいて、複数クラスタへの分類、マスタボディ及びカスタムマスタボディ、型紙の生成等の処理を実行する情報処理装置である。
店舗端末2は、店舗に配置され、ユーザU(あるいは、図示せぬ店員)が各種情報を入力し、カスタムマスタボディCMB1の生成や型紙K1の生成に利用する端末である。
【0023】
図3は、
図2の情報処理システムのうち、サーバ1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0024】
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、入力部16と、出力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、を備えている。
【0025】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0026】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、入力部16、出力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0027】
入力部16は、キーボードやマウス等で構成され、各種情報を入力する。
出力部17は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、各種情報を画像や音声として出力する。
【0028】
記憶部18は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(
図2の例では店舗端末2)との間で通信を行う。
【0029】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア30が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア30から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。
また、リムーバブルメディア30は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0030】
なお、図示はしないが、
図2の情報処理システムのうち、店舗端末2も
図3と同様の構成とすることができる。
図4は、
図2のサーバの機能的構成の一例を示す図である。
【0031】
図4に示すように、サーバ1のCPU11においては、統計的ボディ生成部51と、ユーザボディデータ取得部52と、統計的ボディ取得部53と、ユーザ指示取得部54と、ユーザマスタボディ生成部55と、ユーザ用型紙生成部56と、ユーザマスタボディ更新部57と、ユーザ用型紙更新部58と、画像生成部59とが機能する。
なお、記憶部18の一領域には、3次元スキャンデータDB60と、統計的ボディDB61と、ユーザマスタボディDB62と、が設けられている。
【0032】
統計的ボディ生成部51は、3次元スキャンデータDB60に格納された多数人サンプルデータから、アイテム毎に統計的マスタボディを生成する。
統計的ボディ生成部51は、クラスタリング部と時系列モデル生成部とを有している。
クラスタリング部は、多数人サンプルデータに基づいて、クラスタリングを実行する。統計的ボディ生成部51は、クラスタCS,CM,CLの夫々に対応づく統計的マスタボディを生成して管理する。
時系列モデル生成部は、3次元スキャンデータDB60に格納された多数人サンプルデータから、時系列変化モデルを生成する。
統計的マスタボディ及び時系列変化モデルは、統計的ボディDB61に格納して管理される。
また、複数のグループ毎(クラスタCS,CM,CL毎)に、基準となる統計的ボディから作られた所定アイテムの型紙が、適宜、グループの基準の型紙として統計的ボディDB61に格納される。
【0033】
ユーザボディデータ取得部52は、店舗端末2からユーザボディデータを取得する。ユーザボディデータは、ユーザの体型等に関するデータである。ユーザマスタボディには、例えば、
図1のマッチング用データDMが含まれる。
【0034】
統計的ボディ取得部53は、統計的ボディDB61から、ユーザの身体の特徴を示すユーザボディデータに基づいて、統計的マスタボディのうち、ユーザの身体が属するクラスタに対応付けられた統計的マスタボディをマッチングマスタボディとして取得する。
【0035】
ユーザ指示取得部54は、店舗端末に対するユーザの指示を取得する。ユーザの指示には、カスタム用データDCを指定する指示が含まれている。具体的には例えば、マッチングマスタボディMMBの所定部位の寸法を調整する指示が、ユーザの指示として取得される。
【0036】
ユーザマスタボディ生成部55は、ユーザの指示に基づいて、マッチングマスタボディをカスタマイズすることで、カスタムマスタボディCMB1(ユーザマスタボディと適宜呼ぶ)を生成してユーザマスタボディDB62に格納する。
【0037】
ユーザ用型紙生成部56は、カスタムマスタボディCMB1がユーザマスタボディDB62に格納される毎に、マッチングマスタボディMMBが属していたグループの基準となる統計的ボディ及びそれから作られたグループの基準となる型紙、並びに、ユーザマスタボディに基づいて、ユーザに適用する所定アイテムの型紙を、ユーザ用型紙として生成する。
【0038】
ユーザマスタボディ更新部57は、カスタムマスタボディCMB1がユーザマスタボディDB62に前回格納されてから所定時間経過して所定のトリガがあったとき、当該所定時間の経過による人間の身体の変化を考慮してカスタムマスタボディCMB1を更新してカスタムマスタボディCMB2としてユーザマスタボディDB62に格納する。
【0039】
画像生成部59は、仮想空間において、ユーザ用型紙から作られた所定アイテムのオブジェクトを、ユーザマスタボディに装着させた様子を示す画像を生成して、ユーザに提示する。
ここで、画像生成部59は、実世界の所定アイテムの特徴を反映したオブジェクトを、ユーザマスタボディに装着させた様子を示す画像を生成して、ユーザに提示することもできる。
【0040】
ユーザ用型紙更新部58は、画像が提示されたユーザの指示に基づいて、ユーザ用型紙を更新する。
【0041】
図5は、
図1の本サービスのフローの概略を示す図である。
図5に示すように、ユーザUは、端末操作で簡単に3Dボディを作成することが出来る。
即ち、
図1を用いて説明したように、ユーザUは、店舗端末2(あるいは、自身の所有するスマートフォン等)を用いて、自身の体型の3次元スキャンなどをせずとも、カスタムマスタボディCMB1を得ることが出来る。
【0042】
そして、本サービスでは、
図5に示すように、既存の採寸情報から、そのアイテムのサイズ感を示す3Dデータを自動生成することが出来る。
即ち、
図1の説明では、各クラスタ毎に、型紙が作成されて対応付けらるとしたが、サーバ1は、この型紙を既存の採寸情報等からアイテムのサイズ感を示す3Dデータとして作成することが出来る。
これにより、ユーザUは、自身の体型のカスタムマスタボディCMB1を用いて、丈感や着用感を直観的に確認することが出来るのである。
【0043】
図6は、
図1のマッチングマスタボディの生成の一例を示す図である。
図6に示すように、まず、ボディスキャナで大量に集めた高精度なスキャンデータ(多人数のスキャンデータ)をAIで解析する。即ち、
図1の説明で上述したように、マッチングマスタボディが、AI処理(統計処理)により生成される。
この時、クラスタリングが行われる。
図6の右上に示す例においては、あるバストサイズにおける各身長のクラスタが生成されている。また、
図6の右下に示す例においては、ある身長における各バストサイズのクラスタが生成されている。
そして、この各クラスタ毎に、マッチングマスタボディが生成されている。
このように、各種各様な項目(肩幅、身長、バスト等)を用いてクラスタリングとマッチングマスタボディの生成が行われるのである。
【0044】
図7は、
図1の時系列変化モデルによるカスタムマスタボディの時系列変化を反映するUIの一例を示す図である。
図7のUIの左方には、ある時点のカスタムマスタボディ(例えば、カスタムマスタボディCMB1)が表示されている。
図7のUIの右方には、所定期間経過後のカスタムマスタボディ(例えば、カスタムマスタボディCMB2)が表示されている。
そして、
図7のUIの右端には、身体の特徴の各項目がスライダとして表示されている。
サーバ1は、ユーザUの属性(例えば、性別や年齢)に基づいて、時系列変化を自動で演算し、カスタムマスタボディCMBの更新に反映することが出来る。
そして、ユーザUは、自動で演算された時系列変化から、さらにカスタマイズすることが出来る。具体的には例えば、サーバ1によれば、ユーザUの属性に基づいて、胸囲が105cmになると演算された場合において、ユーザUは、実際には胸囲が110cmになっていたとする。その場合、ユーザUは、
図7のUIを操作して、自動で演算された時系列変化から、さらにカスタマイズしてカスタムマスタボディCMB2を生成させることが出来る。
【0045】
図8は、
図1のマッチングマスタボディのマッチングと、カスタムマスタボディの生成におけるUIの一例を示す図である。
図9は、
図1のマッチングマスタボディのマッチングと、カスタムマスタボディの生成におけるUIの一例を示す図である。
まず、サーバ1は、ユーザUにより入力された身長や体重、自身の属性(性別、年齢)等(マッチング用データDM)に基づいて、標準体型の3次元モデル(マッチングマスタデータ)を提示する。
ユーザは、
図8(B)及び
図9(A)のUIを操作することで、自身の体型のカスタム用データDCを入力する。
これにより、ユーザUは、
図9(B)に示すように、自身のカスタム用データDCに基づいてカスタムされたカスタムマスタボディCMB1を得ることが出来るのである。
【0046】
図10は、
図1の衣類のための型紙の生成コストの一例を示す図である。
図10に示す表には、ジャンル、特徴、マスター3D、ブランドの個別SKU、追加作成が必要な3Dデータの項目が列として採用されている。
即ち、ジャンルとは、衣類の種類である。また、特徴とは、そのジャンルにおける衣類の分類である。また、マスター3Dとは、そのジャンル及び特徴の衣類に対して紐づけられた3次元のモデル(あるいは型紙)を特定する情報である。また、ブランドの個別SKUとは、そのジャンル及び特徴の衣類について実際に発注する際に必要となるブランドとその個別のSKUである。また、追加作成が必要な3Dデータとは、そのジャンル及び特徴の衣類について、仮想空間においてカスタムマスタボディにフィッティングさせる際、その仮想空間で用いる衣類のモデルおして追加作成が必要な3Dデータを示す情報である。
即ち、
図10に示すように、衣類の各ジャンル及び各特徴により、基本となるマスター3Dに対して、追加作成が必要な3Dデータを別途管理し、適宜追加作成することにより、サーバ1は、ユーザUに提示するフィッティング結果の画像データ生成のコストを削減することが出来るようになるである。
【0047】
図11は、
図1の衣類のためのユーザに提示する画像の計算コストの一例を示す図である。
図11に示す表には、ジャンル、特徴、素材、物理計算の必要精度の項目が列として採用されている。
即ち、ジャンルとは、衣類の種類である。また、特徴とは、そのジャンルにおける衣類の分類である。また、素材とは、ジャンル及び特徴の衣類に対して想定されている素材の種類である。また、物理系さんの必要精度とは、そのジャンル、特徴及び素材における物理計算の必要精度を示す指標である。
即ち、衣類の各ジャンル及び各特徴、各素材の組み合わせにより、衣類の伸びやゆがみ、フィット感が異なる。そこで、
図11に示すように、サーバ1は、物理系際の必要精度に基づいて、ユーザUに提示するフィッティング結果の画像データ生成のコストを削減する。これにより、ユーザUはよりフィッティング結果の画像を確認することができ、ひいては、フィッティングの微調整も可能となるのである。
【0048】
図12は、
図1のカスタマイズデータの入力の一例を示す図である。
図12(A)に示すマッチングマスタボディMMBを確認するのみでは、ユーザは自身との相違点や相違の量を把握することは困難である。そこで、本サービスでは、
図12(B)に示すように、カスタムマスタボディCMBと、自身の写真とを並列して表示、或いは重畳して表示することによりカスタムマスタボディCMBとの相違点とその量について入力することができる。
なお、サーバ1は、
図12(B)に示すユーザUの写真を受付、画像解析により、カスタムマスタボディCMBとの相違点やその量について算出してカスタム用データDCとして取得することもできる。
【0049】
図13は、本サービスの3次元スキャンデータやカスタムマスタボディを利用したサービスの一例を示す図である。
図13(A)に示すように、従来の身体データはメジャメントやランドマークベースの体型分析にすぎなかった。
しかしながら、本サービスでは、
図13(B)に示すように、3次元のスキャンデータや、カスタムマスタボディCMBの情報を収集できるため、3D形状の分布解析や、全身形状の数値化やデータベース化が可能となる。このため、衣類メーカ等は、製品設計や生産計画へのフィードバックや、新たな軸でのマーケティングやサービス提供が可能となるのである。
【0050】
図14は、本サービスのカスタムマスタボディを利用した製品設計や生産計画への活用例を示す図である。
また、本サービスでは、3次元のスキャンデータやカスタムマスタボディの情報が収集されるため、時系列変化や、ユーザUによるカスタム用データDCの入力に伴ったカスタムマスタボディCMB1の形状の変化をより好適に行うことができる。
即ち、ある部位の形状が増減した時に、どこの部位がどう連動するのかが分析される。その結果、体積や表面積、手計測においては困難な複雑なメジャメントであっても、容易に数値化ができるの。
これにより、従来は困難であったグレーディングルールの定量的な構築が可能となる。
また、加齢による変化(時系列変化)が解析されるため、年齢に合わせた製品づくりが可能となるのである。
【0051】
図15は、本サービスのカスタムマスタボディを利用した製品設計や生産計画への活用例を示す図である。
また、本サービスでは、3次元のスキャンデータやカスタムマスタボディの情報が収集されるため、
図15に示すように、在庫の最適化が可能となる。即ち、架台として、ある商品AのLLサイズの売れ行きが不調であったとする。この場合、LLサイズが対象となる体型のユーザの絶対数が少ないという第1仮説が考えられる。また例えば、LLサイズの範囲に該当するユーザはいるが、他の部位が想定から外れ、意図したシルエットになっていないという第2仮説が考えられる。
従来のメジャメントにおいては、このような仮説の検証は困難でった。
しかしながら本サービスの3次元のスキャンデータやカスタムマスタボディの情報を用いることで、このような仮説の検証(特に第2仮説の検証)が可能となるのである。
【0052】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0053】
また例えば、本サービスの提供者は、一般的に臀部はきつさを感じやすいので臀部に関する高いペナルティを課すというように、部位による統計的ボディの「幅」からの外れ値に対する評価に重み付けを課してもよい。これにより、ユーザがアイテムを着用したときに感じる「きつさ」や「余裕さ」が考慮されたマッチングが実現する。
【0054】
また、上述した実施形態において、多人数のスキャンデータに基づいてクラスタリングを行う例について説明したが、特にこれに限定されない。
即ち、本サービスの提供者は、例えば、身長や胸囲といった典型的なパラメータに基づいてクラスタリングを行うだけでなく、さらに独自の指標を用いてスポーツマンタイプやメタボタイプといった抽象的なクラスタに分類できるような仕組みを採用してもよい。
【0055】
また例えば、上述した実施形態において、取得された多数人サンプルのスキャンデータには、スキャンされた人体に関する様々な情報を紐付けることができる。具体的には例えば、性別、年齢、体重等、スキャンされた人体に関する客観的な情報や、よく着用するアイテムや興味がないアイテム等、スキャンされた人体に関する主観的な情報を紐付けることができる。さらに、住所や職業等、スキャンされた人体に関する個人的な情報など、あらゆる情報を多数人サンプルのスキャンデータに紐付けることができる。さらに言えば、これらの多数人のスキャンデータ、及びこれに紐付られた各種情報は、ビッグデータとして活用することもできる。
【0056】
また例えば、上述した実施形態において、クラスタリングにって4種類の統計的ボディについて作成しているが、これに限られない。即ち、クラスタリングによって作成される統計的ボディの種類は4種類以上でも以下であってもよい。
【0057】
また例えば、上述した実施形態において、アイテムの具体例として、Tシャツと長袖シャツとが挙げているが、これらに限られない。ユーザが身に付けることができる衣類であればよく、例えばレディスジャケット、ラグラン袖シャツ、メンズジャケット、メンズベスト、スカート、レディスパンツ、メンズパンツ等もアイテムの一例である。
さらに言えば、アイテムには、衣類だけでなくユーザが着用することができるあらゆる物品が含まれてもよい。具体的には、例えば、スポーツシューズやハイヒール等の靴が含まれてもよい。
このような場合、本サービスの提供者は、例えば、3次元スキャンデータから取得するデータの項目として、「足囲」、「足幅」、「足長」、「かかと形状」、「つま先高さ」、「つま先形状」等を採用することができる。
【0058】
さらに例えば、アイテムとして靴を採用する場合の優先度の具体手例としては、例えば、以下のような例が想定される。
即ち、アイテムとして「バンプス」を採用した場合、例えば「足囲」、「かかと形状」の優先度を高く設定してもよい。また、デザイン性を考慮し、「つま先形状」の優先度を高く設定してもよい。
また例えば、アイテムとして「ヒールシューズ」を採用した場合、例えば「足囲」、「かかと形状」、「つま先形状」の優先度を高く設定してもよい。また、デザイン性を考慮し、例えば、「つま先高さ」の優先度を高く設定してもよい。
また例えば、アイテムとして「ドレスシューズ」を採用した場合、例えば「足囲」、「つま先高さ」の優先度を高く設定してもよい。また、デザイン性を考慮し、例えば、「かかと形状」の優先度を高く設定してもよい。
また例えば、アイテムとして「スニーカー」を採用した場合、例えば「足幅」の優先度を高く設定してもよい。また、デザイン性を考慮し、例えば、「つま先形状」の優先度を高く設定してもよい。
また例えば、アイテムとして「競技用シューズ」を採用した場合、例えば「足囲」、「かかと形状」、「つま先形状」、「足幅」の優先度を高く設定してもよい。また、デザイン性を考慮し、例えば、「つま先高さ」の優先度を高く設定してもよい。
また例えば、アイテムとして「ブーツ」を採用した場合、例えば「足囲」の優先度を高く設定してもよい。また、デザイン性を考慮し、例えば、「つま先高さ」の優先度を高く設定してもよい。
【0059】
また例えば上述した実施形態において、アイテムに関する複数のパラメータとして、寸法項目の優先度が挙げられているが、これに限られない。
具体的に例えば、本サービスの提供者は、「着やすさ」、「履きやすさ」、「脱ぎやすさ」、「歩きやすさ」のような機能性に関するパラメータや「見た目の美しさ」、「色合い」のようなデザイン性に関するパラメータ等を自由に採用してもよい。
また例えば、本サービスの提供者は、「紐やチャックなどの調整を目的とした部位」や、「ゴムなどの伸縮性を有する部位」等、アイテムを構成要素に関するパラメータを採用しても良い。
また例えば、本サービスの提供者は、「男性が着用するアイテムなのか」、「女性が着用するアイテムなのか」、「男女ともに着用するアイテムなのか」等の着用するユーザの性別に関するパラメータを採用してもよい。
【0060】
また例えば、本サービスの提供者は、ユーザのブランドに対する主観の期待値をパラメータとして採用してもよい。具体的に例えば、ユーザがスポーツブランドでランニング用のシューズの提供を期待している場合、ランニングに必要とされる項目の分布に基づいて、複数種類のパターンで統計的ボディを作成することで、よりユーザのニーズに沿ったアイテムの提供が可能になる。
さらに例えば、本サービスの提供者は、ユーザが女性用のパンプスを期待している場合、例えば、「痛み」という項目を特に重要視しているような場合がある。このような場合、上述したパラメータ(特に機能性に関するパラメータ)で考慮すべき加重や優先度項目を変化させてもよい。
具体的に例えば、アイテムがハイヒールであり、かつ統計的ボディのつま先高さの幅が3~5cmに分布しているような場合、例えば、統計的ボディのつま先高さの幅を3~6cmに広げる設定(最大値を増やす設定)を行うことができる。
こうすることで、本サービスの提供者は、(ハイヒールのつま先の高さは3cm以下になることはないため)ハイヒールの内側にユーザのつま先が接触するようなことなく、ハイヒールのデザイン性を向上(商品のラインナップを増やすこと)ができる。
【0061】
また、
図3に示す各ハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。
【0062】
また、
図5及び
図10に示す機能ブロック図は、例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行出来る機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは、特に
図5及び
図10の例に限定されない。
【0063】
また、機能ブロックの存在場所も、
図4に示す場所に限定されず、任意でよい。例えばサーバ1側の機能ブロックの少なくとも一部を店舗端末2側に設けてもよいし、その逆でもよい。
そして、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体との組み合わせで構成してもよい。
【0064】
各機能ブロックの処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0065】
このようなプログラムを含む記録媒体は、各ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される、リムーバブルメディアにより構成されるだけではなく、装置本体に予め組み込まれた状態で各ユーザに提供される記録媒体等で構成される。
【0066】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に添って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
【0067】
以上まとめると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置は、
複数人の身体の3次元スキャンデータを、所定手法で複数のグループにクラスタリングすることで得られる複数種類の統計的ボディが、前記複数のグループ毎に記憶された第1データベースから、ユーザの身体の特徴を示すユーザボディデータに基づいて、所定種類の統計的ボディをユーザベースボディとして取得する統計的ボディ取得手段と、
前記ユーザの指示に基づいて、前記ユーザベースボディをカスタマイズすることで、ユーザマスタボディを生成して第2データベースに格納するユーザマスタボディ生成手段と、
前記ユーザマスタボディが前記第2データベースに前回格納されてから所定時間経過して所定のトリガがあったとき、当該所定時間の経過による人間の身体の変化を考慮して当該ユーザマスタボディを更新して前記第2データベースに格納するユーザマスタボディ更新手段と、
を備えれば足りる。
これにより、よりフィットする衣服を提案する際の利便性を向上させることができる。
【0068】
前記複数のグループ毎に、基準となる統計的ボディから作られた所定アイテムの型紙を、グループ基準型紙として前記第1データベースに記憶されており、
前記ユーザマスタボディが前記第2データベースに格納される毎に、前記ユーザベースボディが属していたグループの前記基準となる統計的ボディ及びそれから作られた前記グループ基準型紙、並びに、前記ユーザマスタボディに基づいて、前記ユーザに適用する前記所定アイテムの型紙を、ユーザ用型紙として生成するユーザ用型紙生成手段、
をさらに備えることができる。
【0069】
仮想空間において、前記ユーザ用型紙から作られた前記所定アイテムのオブジェクトを、前記ユーザマスタボディに装着させた様子を示す画像を生成して、前記ユーザに提示する画像生成手段と、
前記画像が提示された前記ユーザの指示に基づいて、前記ユーザ用型紙を更新するユーザ用型紙更新手段、
をさらに備えることができる。
【0070】
前記画像生成手段は、さらに、実世界の前記所定アイテムの特徴を反映した前記オブジェクトを、前記ユーザマスタボディに装着させた様子を示す前記画像を生成して、前記ユーザに提示する、ことができる。
【符号の説明】
【0071】
1:サーバ
2:店舗端末
11:CPU
12:ROM
13:RAM
14:バス
15:入出力インターフェース
16:入力部
17:出力部
18:記憶部
19:通信部
20:ドライブ
30:リムーバブルメディア
51:統計的ボディ生成部51
52:ユーザボディデータ取得部52
53:統計的ボディ取得部53
54:ユーザ指示取得部54
55:ユーザマスタボディ生成部55
56:ユーザ用型紙生成部56
57:ユーザマスタボディ更新部57
58:ユーザ用型紙更新部58
59:画像生成部59
60:3次元スキャンデータDB
61:統計的ボディDB
62:ユーザマスタボディDB