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特開2024-36301端子ソケット、端子ピン、端子システム、および端子アセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036301
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】端子ソケット、端子ピン、端子システム、および端子アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/11 20060101AFI20240308BHJP
   H01R 4/18 20060101ALI20240308BHJP
【FI】
H01R13/11 Z
H01R13/11 A
H01R4/18 A
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023140673
(22)【出願日】2023-08-31
(31)【優先権主張番号】202241050566
(32)【優先日】2022-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(71)【出願人】
【識別番号】514095099
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ インディア プライベート リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TE CONNECTIVITY INDIA PRIVATE LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】シャトランジ コッテル
【テーマコード(参考)】
5E085
【Fターム(参考)】
5E085BB01
5E085BB12
5E085CC03
5E085DD14
5E085EE02
5E085JJ40
(57)【要約】      (修正有)
【課題】小型化とハウジングへの誤挿入防止が可能な端子ソケットを提供する。
【解決手段】本発明は、嵌合方向xに沿って端子ピンと嵌合するように構成され、配線部3および電気接触部5を備え、電気接触部5は、相手側端子ピンを受け入れるための中空空間33を有する本体19を備えた、特にプリント回路基板コネクタシステム用の電気端子システムのための端子ソケットに関する。この端子ソケットにおいて、本体19が、嵌合方向xに垂直な平面において2回回転対称性を示さない外形を有し、中空空間33が、当該平面において2回回転対称性を示さず、または、本体19が、特に嵌合方向xに垂直な平面において三角形である三角形部分を備える外形を有することを特徴とする。本発明はさらに、相手側端子ソケット用の電気接触部を備える端子ピン、ならびに端子システム、そのアセンブリ、および端子ソケットを備えるコネクタに関する。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気端子システム、特にプリント回路基板コネクタシステム(201)用の電気端子システムのための端子ソケットであって、嵌合方向(x)に沿って端子ピン(101、101’)と嵌合するように構成され、
配線部(3)および電気接触部(5)を備え、前記電気接触部(5)は、相手側端子ピン(101、101’)を受け入れるための中空空間(33、333、433)を有する本体(19、319、419)を備えた、端子ソケットにおいて、
前記本体(19、319、419)が、前記嵌合方向(x)に垂直な平面(A)において2回回転対称性を示さない外形を有し、前記中空空間(33、333、433)が、前記平面(A)において2回回転対称性を示さないことを特徴とする、
端子ソケット。
【請求項2】
電気端子システムのための、特にプリント回路基板コネクタシステム(201)用の電気端子システムのための請求項1に記載の端子ソケットであって、嵌合方向(x)に沿って端子ピン(101、101’)と嵌合するように構成され、
配線部(3)および電気接触部(5)を備え、前記電気接触部(5)は、相手側端子ピン(101、101’)を受け入れるための中空空間(33、433)を有する本体(19、419)を備えた、端子ソケットにおいて、
前記本体(19、419)が、特に前記嵌合方向(x)に垂直な平面(A)において三角形である三角形部分(P)を備える外形を有することを特徴とする、
端子ソケット。
【請求項3】
前記中空空間(33、433)は、三角形部分、特に前記平面(A)における三角形部分を備える、請求項1または2に記載の端子ソケット。
【請求項4】
前記中空空間(33、333、433)は、前記相手側端子ピン(101、101’)と接触するように構成されている3つの電気接触部を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の端子ソケット。
【請求項5】
前記本体(19、319、419)は、前記本体(19、319、419)の内面(l1;l1’;l1’’、l2、l3)に形成されている少なくとも1つの膨出部(41a、41b、41c;341a、341b、341c;441a、441b;441c)を備え、前記少なくとも1つの膨出部(41a、41b、41c;341a、341b、341c;441a、441b;441c)は、前記3つの接触部のうちの1つを実現するように構成されている、請求項4に記載の端子ソケット。
【請求項6】
前記本体(19、419)は、前記三角形の各辺(l1/l1’’、l2、l3)に膨出部を1つずつ、合計3つの膨出部(41a、41b、41c;441a、441b;441c)を備える、請求項2と組み合わせた請求項5に記載の端子ソケット。
【請求項7】
前記電気接触部(5)は、前記中空空間(33)に配置されているばね要素(35)をさらに備え、
前記ばね要素(35)は、前記少なくとも1つの膨出部(41c、341c、441c)を備え、
特に、前記少なくとも1つの膨出部(41c、341c、441c)は、相手側端子ピン(101、101’)が前記中空空間(33、333、433)に受け入れられたときに摩擦嵌合するように構成されている、
請求項4から6のいずれか一項に記載の端子ソケット。
【請求項8】
前記本体(19、319、419)の前記三角形部分(P)は鋭角である、請求項2と組み合わせた請求項2から7のいずれか一項に記載の端子ソケット。
【請求項9】
前記本体(19)の前記三角形部分(P)は二等辺または不等辺である、請求項2と組み合わせた請求項2から8のいずれか一項に記載の端子ソケット。
【請求項10】
前記端子ソケット(1、301、401)は、金属薄板からスタンピングされ曲げられており、特に0.2mm未満の厚さを有する薄板からスタンピングされている、請求項1から9のいずれか一項に記載の端子ソケット。
【請求項11】
前記本体(19、319、419)の前記三角形部分(P)は、前記曲げられた金属薄板が重なる領域(OL、OL’、OL’’)を備える、請求項2と組み合わせた請求項10に記載の端子ソケット。
【請求項12】
前記本体(19、319)の前記三角形部分(P)は、前記曲げられた金属薄板が溶接で閉じられている、特にレーザ溶接による溶接で閉じられている領域(432a)を備える、請求項2と組み合わせた請求項10または請求項11に記載の端子ソケット。
【請求項13】
特に請求項1から12のいずれか一項に記載の、電気端子システムの相手側端子ソケットと嵌合するための端子ピンであって、
前記相手側端子ソケット(401)に受け入れられるように構成されている三角形部分(P)を有する電気接触部(105’)
を備える、端子ピン。
【請求項14】
前記電気接触部(105’)全体が三角形である、請求項13に記載の端子ピン。
【請求項15】
請求項1から12のいずれか一項に記載の端子ソケット(1)と、前記端子ソケット(1、301、401)と嵌合するように構成されている相手側端子ピン(101、101’)とを備え、
特に、前記相手側端子ピン(101)は、先の尖った円柱の形状を有する電気接触部(105)を備える、
端子システム。
【請求項16】
前記相手側端子ピンは、請求項13または14に記載の端子ピン(101’)である、請求項15に記載の、端子ソケット(1)を備える端子システム。
【請求項17】
複数の端子ソケット(1、301、401)を備え、
前記端子ソケット(1、301、401)のうちの少なくとも1つ、好ましくは全てが、請求項1から12のいずれか一項に記載の端子ソケット(1、301、401)である、
コネクタ。
【請求項18】
請求項1から12のいずれか一項に記載の複数の端子ソケット(1、301、401)からなる少なくとも2つの列を備え、
1つの列における前記複数の端子ソケット(1、301、401)は、隣接する端子ソケット(1、301、401)の列における前記複数の端子ソケット(1、301、401)に対して180°回転しており、
複数の端子ソケット(1、301、401)からなる1つの列は、前記隣接する端子ソケット(1、301、401)の列に対して千鳥状に配置されている、
請求項17に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気端子システムのための端子ソケット、特にプリント回路基板コネクタシステムのための電気端子ソケットに関する。本発明はさらに、端子ピン、端子システム、およびそのアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
端子ソケットおよび相手側端子ピンを含む電気端子システムが当技術分野において知られている。端子ソケットは、電気接触部を有する中空空間を備える。相手側端子ピンが中空空間に受け入れられ、電気接触部に接触すると、端子システムが組み立てられ、電気的接続を確立する。そのような端子ソケットは、一例として、プリント回路基板(PCB)コネクタシステムのメス型コネクタ、またはレセプタクルコネクタにおいて用いられる。メス型コネクタは、PCBの電子回路に複数の電気信号伝送アクセスポイントを形成するために、ピンヘッダ、タブヘッダ、またはヘッダコネクタとも称されるPCBヘッダと嵌合するように構成される。別の例として、そのような端子ソケットは、インラインコネクタシステムにおいて用いられる場合がある。
【0003】
当技術分野において知られているそのような電気端子システムについて、図1A図1Dを参照して説明する。図1Aは、嵌合方向xに沿って図1Cに示すような相手側端子ピンP101と嵌合することが可能な先行技術の端子ソケットP1の模式的斜視図を示す。図1Dは、図1Aに示すような端子ソケットP1のための、スロットP3の2つの列RA、RBを有する、当技術分野において知られているメス型コネクタハウジングP201の背面図を模式的に示す。列RAにおける端子ソケットP1は、列RBにおける端子ソケットP1に対して180°回転している。
【0004】
端子ソケットP1は、導電性ワイヤを取り付けるためのワイヤ圧着部P3aおよび絶縁体圧着部P3bを有する配線部P3を備える。端子ソケットP1は、端子ピンP101との電気的接触を確立するための電気接触部P5をさらに備える。電気接触部P5は、配線部P3から嵌合方向xに沿って延びる本体P7を備える。
【0005】
端子ピンP101は、ワイヤに接続される後部P103、および、電気的接続を実現するために端子ソケットP1に入る電気接触部P105を備える。後部P103は、ワイヤに接続されるか、またはPCBへの接続を確立するために用いられる。電気接触部P105は、尖った先端部P107、および、嵌合方向xに垂直な平面において矩形の断面を有するように形成される胴部(body)P109を備える。特に、胴部P109は、全体が矩形の形状である。
【0006】
図1Bは、嵌合方向xの反対方向において見た場合の、開口部P11を通して相手側端子ピンP101を受け入れるための中空空間P9を画定する本体P7の正面図を示す。さらに、本体P7は、中空空間P9に隣接する極性付け空間(polarizing space)P13を備える。隔壁P15が、2つの空間を分離する。極性付け空間P13は、平面y-zにおいて直角台形の断面を有する。端子ソケットは原料からスタンピングされるので、端子ソケットの外形は概ね、その外形として矩形および不等辺四辺形の組み合わせを有する。
【0007】
2つのコンタクト膨出部P17a、P17bが、端子ピンP101との機械的接触および電気的接触を促進する。本体P7は、本体P7から外方に弾性的に突出し、端子ソケットをコネクタハウジングにロックするために用いられるロックランス部P21をさらに備える。
【0008】
y-zにおける開口部P11および中空空間P9の断面は、矩形の断面を有するピンP101を受け入れるために実質的に矩形である。
【0009】
非対称な外形に起因して、端子ソケットP1は、コネクタハウジングP201に対してただ1つの向きでしか差し込むことができない。よって、極性付け空間P13は、いわゆる極性付け機構を端子ソケットP1に提供し、これにより、コネクタハウジングP201への端子ソケットP1の設置がフールプルーフ化(foolproofed)される。正しい向きにすることにより、例えば、コネクタハウジングP201における対応するロック凹部にロックランス部P21が端子ソケットP1を正しくロックすることが可能となる。また、嵌合中に端子ピンP101を正しく案内し、端子ソケットP1がコネクタハウジングP201に誤挿入された場合のロックランス部P21に対する損傷を防止することが可能となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
電子部品のサイズをますます低減することを追求して、本発明は、端子ソケットの対応するコネクタハウジングへの望ましくない上下逆さの誤挿入に対するフールプルーフ設計を妥協することなく、先行技術と比較してサイズが低減した端子ソケットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、電気端子システム、特にプリント回路基板コネクタシステム用の電気端子システムのための端子ソケットであって、嵌合方向に沿って端子ピンと嵌合するように構成され、配線部および電気接触部を備え、電気接触部は、本体を備え、本体は、相手側端子ピンを受け入れるための中空空間を有する、端子ソケットにおいて、本体が、嵌合方向に垂直な平面において2回回転対称性(twofold rotational symmetry)を示さない外形を有し、中空空間が、当該平面において2回回転対称性を示さないことを特徴とする、端子ソケットにより実現される。
【0012】
本体の外形、および相手側端子ピンを受け入れるための中空空間の両方について、2回回転対称性を有しない形状を選択することにより、端子ソケットをヘッダに装着するためのフールプルーフ設計を失うことなく、先行技術におけるような追加の極性付け空間を省くことができる。よって、端子ソケット全体を、また結果としてそのような端子ソケットを用いる端子システムを、さらに小型化することができる。特に、メス型コネクタハウジングにおける端子ソケットスロットをより小さくすることにより、メス型コネクタの全体的なサイズを低減することもでき、よりコンパクトであり、必要とするスペースがより小さいメス型コネクタが得られる。したがって、相手側のPCBヘッダをよりコンパクトにすることもできる。
【0013】
本発明の目的はまた、電気端子システム、特にプリント回路基板コネクタシステム用の電気端子システムのための端子ソケットであって、嵌合方向に沿って端子ピンと嵌合するように構成され、配線部および電気接触部を備え、電気接触部は、本体を備え、本体は、相手側端子ピンを受け入れるための中空空間を有する、端子ソケットにおいて、本体が、特に嵌合方向に垂直な平面において三角形である三角形部分を備える外形を有することを特徴とする、端子ソケットにより実現される。
【0014】
三角形部分を備える外形を有することにより、2回回転対称性の回避が実現される。よって、突出する極性付け機構が必要でなくなり、極性付け機構を端子ソケット設計から省きつつも、同時にメス型コネクタへのフールプルーフな挿入を実現することができる。これにより、端子ソケットの周長および断面寸法が低減し、端子ソケットスロットを備えるメス型コネクタのサイズを低減することができ、よって必要なスペースがより小さくなる。これに対応して、PCBヘッダも、低減したスペース要件を有することができる。
【0015】
本発明の一態様において、中空空間は、三角形部分、特に当該平面における三角形部分を備えてよい。内側および外側で同じ形状を有することにより、例えば銅またはアルミニウムから作製される金属薄板を用いて端子ソケットを得ることが可能となる。金属薄板は、所望の形状に曲げることができる。これにより、製造プロセスが簡略化する。
【0016】
本発明の一態様において、中空空間は、相手側端子ピンと接触するように構成される3つの電気接触部を備えてよい。図1bに示すような先行技術が2つの接触部のみを用いるところ、3つの接触部を用いることにより、接触抵抗を低減することができる。よって、電気信号伝送性能を向上させつつ、組み立てられた電気端子システムの動的荷重安定性(dynamic load stability)をさらに増大させることができる。
【0017】
本発明の一態様において、本体は、本体の内面に形成される少なくとも1つの膨出部を備えてよく、少なくとも1つの膨出部は、3つの接触部のうちの1つを実現するように構成される。少なくとも1つの膨出部を用いることにより、ソケットに差し込まれたときの相手側コンタクトピンへの接触力が増大する。
【0018】
1つのさらなる態様において、本体は、三角形の各辺に膨出部を1つずつ、合計3つの膨出部を備えてよい。この構成において三角形の内面に形成される膨出部により、コンタクトピンとの3つの接触点が存在することを確実にすることができ、端子ソケットの動的荷重安定性を向上させることができる。
【0019】
本発明の一態様において、電気接触部は、中空空間に配置されるばね要素を備えてよく、ばね要素は、少なくとも1つの膨出部を備え、特に、少なくとも1つの膨出部は、相手側端子ピンが中空空間に受け入れられたときに摩擦嵌合するように構成される。よって、ばね要素により、端子ソケットおよび端子ピンの接触を向上させることができ、それにより、接触抵抗が低減し、全体的な電気的接続性が向上する。
【0020】
本発明の一態様において、本体の三角形部分は、鋭角であってよい。三角形部分が全ての角を90°未満として形成される場合、三角形の複数の角部を、三角形の中心のより近くに保持することができる。したがって、端子ソケットの堅牢性および安定性が増大する。
【0021】
本発明の一態様において、本体の三角形部分は、二等辺または不等辺であってよい。このジオメトリにおいては、3回回転対称性(threefold rotational symmetry)がなくなるため、特に等辺三角形と比較して、形状のフールプルーフ機能がさらに向上する。
【0022】
本発明の一態様において、第2の部分の三角形部分の各側辺は、2mm未満、好ましくは1.5mm未満、特に1mm未満の辺長を有してよい。これにより、PCBコネクタシステムまたは他の小型化したコネクタシステム用の電気端子システムなどの小型の電気端子システムに適合するようなソケットの寸法にすることができる。例えば、端子ソケットを、自動車用の先進運転支援システム(ADAS)において用いられるPCBコネクタシステムに適合させることができる。
【0023】
本発明の一態様において、端子ソケットは、金属薄板からスタンピングされ曲げられてよく、特に0.2mm未満の厚さを有する薄板からスタンピングされてよい。よって、特にPCBヘッダコネクタシステムの小型化されたメス型コネクタ用の端子ソケットを得るために、コスト効率の高い製造方法を用いることができる。
【0024】
本発明の一態様において、本体の三角形部分は、曲げられた金属薄板が重なる領域を備えてよい。これにより、さらなる非対称要素を三角形部分の断面に追加し、よって端子ソケットの極性付け機能を向上させることができる。
【0025】
本発明の一態様において、本体の三角形部分は、曲げられた金属薄板が溶接で閉じられている、特にレーザ溶接により溶接で閉じられている領域を備えてよい。これにより、ソケットの構造的堅牢性および/または一体性を維持または向上させつつ、同時に必要なソケット本体材料の総量を低減することができる。例えば、ソケットの一体性の増大を目的とする曲げ領域を、代わりにソケット本体材料の端部どうしを溶接することにより、省くことができる。
【0026】
本発明の目的はまた、特にプリント回路基板コネクタシステム用の、電気端子システムの端子ソケットと嵌合するための端子ピンであって、特に、端子ソケットは、上述の態様のうちのいずれか1つに係る端子ソケットである、端子ピンにより実現することができる。端子ピンは、相手側端子ソケットに受け入れられるように構成される三角形部分を有する電気接触部を備え、特に、三角形部分は先端部である。端子ピンの断面を端子ソケットの相手側中空空間の断面と合致させることにより、ピンの自己中心合わせおよび取り付けの改善が実現される。すなわち、接触品質を向上させつつ、ピンを製造するために必要な本体材料、例えば銅またはアルミニウムなどの金属の薄板の量を低減させることができる。
【0027】
端子ピンの一態様において、端子ピンの電気接触部全体が三角形である。この構成においては、相手側端子ソケットに受け入れられるように構成されるピンの電気接触部全体が三角形であり、したがって、1つのステップ、例えば1つのスタンピングステップまたは1つのワイヤ伸線ステップで有利に生産することができ、これはコスト効率が高い。
【0028】
本発明の目的はさらに、上述の態様のうちのいずれか1つに係る端子ソケットと、端子ソケットと嵌合するように構成されている相手側端子ピンとを備え、特に、相手側端子ピンは、先の尖った円柱(pointed cylinder)の形状を有する電気接触部を備える、端子システムにより実現することができる。そのような端子ピンは、スタンピングステップの後の金属薄板から、または機械加工プロセスにより、形成することができる。この端子システムは、従来の、例えば規格化された、矩形断面の端子ピンに用いることにより生じる互換性の問題なしで、上述した本発明の端子ソケットの利点の恩恵を受けることができる。
【0029】
端子システムの一態様において、相手側端子ピンは、上述の端子ピンの態様のうちの1つに係る端子ピンである。よって、本発明の端子ソケットの利点を、少なくとも部分的に三角形のピンの利点と組み合わせることができる。すなわち、追加の極性付けのための体積(additional polarization volume)を設ける必要がないため、システムのコスト効率を高めつつ、同時に向上した接触特性およびより小さい空間的要件を提供することができる。
【0030】
本発明の目的はさらに、端子ソケットの3つの膨出部の各々が相手側端子ピンの電気接触部と接触する、上述の端子システムの端子システムアセンブリにより実現することができる。この端子システムアセンブリは、これも上述した本発明のソケットにおける自己中心合わせされた(self-centred)端子ピンの利点を実現する。
【0031】
本発明の目的はまた、複数の端子ソケットを備え、端子ソケットのうちの少なくとも1つ、好ましくは全てが、上述の端子ソケットの態様のうちの1つに係る端子ソケットである、ヘッダコネクタにより実現される。よりコンパクトな端子ソケットに起因して、メス型コネクタの全体的なサイズを低減することができる。よって、メス型コネクタは、例えばPCBコネクタシステムまたはインラインコネクタシステムにおいて、先行技術のコネクタと比較して占有するスペースがより小さい。
【0032】
コネクタの一態様において、コネクタは、上述の端子ソケットの態様のうちの1つに係る端子ソケットの少なくとも2つの列を備えてよく、1つの列における端子ソケットは、隣接する端子ソケットの列の端子ソケットに対して180°回転しており、1つの端子ソケットの列は、隣接する端子ソケットの列に対して千鳥状に配置される。コネクタにおける端子ソケットの千鳥状配置により、コネクタの体積をよりいっそう低減することができる。
【0033】
本発明のこれらの目的および利点ならびに他の目的および利点が、本発明の現在好適である例示的態様および実施形態の以下のより詳細な説明を添付の図面と併せて入念に検討することにより、より完全に理解および認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1A】先行技術から知られている端子ソケットの斜視図である。
図1B図1Aの端子ソケットの電気接触部の正面図である。
図1C】先行技術から知られている端子ピンの斜視図である。
図1D】先行技術から知られているメス型ヘッダコネクタの一部分の模式的背面図である。
図2A】本発明の一実施形態に係る端子ソケットの斜視図である。
図2B図2Aの端子ソケットの電気接触部の正面図である。
図2C】本発明の第2の実施形態に係る電気端子システムの端子ピンの斜視図である。
図3】本発明の第3の実施形態に係る端子システムアセンブリの断面の模式図である。
図4】本発明の第4の実施形態に係る端子システムアセンブリの断面の模式図である。
図5A】本発明の第5の実施形態に係るメス型コネクタハウジングの背面図である。
図5B】本発明の第6の実施形態に係るメス型コネクタハウジングの背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
ここで、本発明の第1の実施形態に係る端子ソケットについて、図面の図2Aを参照して説明する。図2Aは、嵌合方向xに沿って延びる端子ソケット1の斜視図を示し、嵌合方向xは、例えば相手側端子ピンと共に負のx方向に移動することにより、端子ソケットおよび相手側端子ピンが接続される方向である。端子ソケット1および相手側端子ピン、例えば図2Cの端子ピン101は、例えばプリント回路基板コネクタシステムまたはインラインコネクタシステムにおいて用いられ得る、本発明に係る電気端子アセンブリを構成する。
【0036】
端子ソケット1は、配線部3および電気接触部5を備える。配線部3は、嵌合方向xとは反対の端子ソケット1の側に配置され、絶縁体圧着部7およびワイヤ圧着部9を備える。
【0037】
絶縁体圧着部7は、絶縁電気ワイヤの絶縁部に圧着されるように構成される側方翼部11a、11bを備える。ワイヤ圧着部9は、絶縁ワイヤの絶縁されていない端部に圧着されるように構成される圧着アーム13a、13bを備える。側方翼部11a、11bは、側方翼部11a、11bの曲げを容易にするための切抜き開口部15a、15bを備えてよい。圧着アーム13a、13bは、電気的接触コンダクタンスに関する圧着効果を向上させるための凹凸構造形態、例えばここでは嵌合方向xに垂直な3つの平行なノッチ17を備えてよい。ワイヤ圧着部9は、ワイヤの絶縁されていない端部とのソケット1の電気的接触を向上させるために、貴金属、好ましくは銀またはセレンでめっきされることが好ましい。
【0038】
電気接触部5は、嵌合方向xに向く端子ソケット1の側に配置され、第1の部分21および第2の部分23を有する本体19を備える。第1の部分21は、配線部3に隣接するブリッジ部分25を備える。ブリッジ部分25は、本体19に対して幅狭になっており、それにより本体19と配線部3との間に間隙27を形成する。間隙27は、ソケット1が収容されるコネクタハウジングにおけるロック機構を収容してよい。これは、コネクタハウジングからのソケット1の取り外しに対する抵抗を提供し、ソケット1をコネクタハウジングにロックする助けとなる。よって、間隙27は、一次ロック機構、すなわちロックランス29を補完する二次ロック領域に相当する。
【0039】
第2の部分23は、ロックランス29を備える。ロックランス29は、嵌合方向xに平行な嵌合軸Axに実質的に沿って延びる本体19から離れるように曲げられている、特に、ロックランス29が嵌合方向xに対して斜めに延びるように、嵌合方向xに垂直な方向zに部分的に向かって嵌合方向xから離れるように曲げられている、本体19の一部分である。ロックランス29は、ロックランス29をその斜めの静止位置から本体5に向かって戻るように方向zの反対方向に弾性的に曲げるためのてこ作用を提供する自由遠位端部31を備える。ロックランス29は、ソケット1の、対応するコネクタハウジング、例えば図5Aおよび図5Bを参照して説明するコネクタハウジングのスロットへのロックを容易にする。
例えば、ソケット1が嵌合方向xに沿ってコネクタハウジングに挿入されると、ロックランス29は、下方、すなわち嵌合方向xの反対方向に弾性的に曲がって開口部に収まり、次いで緩和により対応する凹部に入って形状嵌合接続を確立することができる。
【0040】
本実施形態において、端子ソケット1は、20mm未満、特に15mm未満、好ましくは10mm未満の嵌合方向xに沿った長さを有してよい。例えば、端子ソケット1は、3Aまでの最大ピーク電流を伝導するような寸法であってよい。さらに、端子ソケット1全体が、コンダクタンスおよび耐腐食性の向上のために、金属薄板または原料からスタンピングされた、特にアルミニウムもしくは銅または合金、特に銅ニッケルケイ素マンガン合金のような銅系合金などの金属からスタンピングされた、一体構造の物体であってよい。本実施形態において、端子ソケット1は、0.12mmの厚さを有する原料からスタンピングされる。
【0041】
本体19の第1の部分21はまた、後部曲げ部(rear bent portion)30を備える。後部曲げ部30は、端子ソケット1がスタンピングされる金属薄板の第1の端部の、金属薄板の第2の端部を覆うように曲げられた一部分であり、よって金属薄板の一部分に重なる。後部曲げ部30は、金属薄板の端部を共に曲げることに形状嵌合機能を追加することにより、端子ソケット1の構造的堅牢性に寄与する。よって、後部曲げ部30は、ソケット1を塑性変形させるおそれのある力を抑制する。
【0042】
変形例において、ソケット1の構造的堅牢性をさらに向上させるために、後部曲げ部30は、後部曲げ部30が重なっている金属薄板の部分に追加的に溶接されてよく、特にレーザビーム溶接されてよい。例えば、後部曲げ部30を、後部曲げ部30が重なっている金属薄板の部分と共に溶接することにより、領域30aが溶接で閉じられてよい。
【0043】
異なる変形例において、本体19の第1の部分21は、後部曲げ部30、または何らかの同等の後部曲げ部を備えず、代わりに、曲げられた金属薄板の先端部が合わさる領域において溶接で閉じられる。例えば、図2Aに示す後部曲げ部30が省かれ、代わりに、本体19が領域30bにおいて溶接で閉じられる。これは、金属薄板の全体的な必要量を低減しつつ、本体19の求められる構造的堅牢性を提供する。
【0044】
本体19は、図2Bに関してさらに説明する中空空間33を備える。本体19の第2の部分23は、中空空間33において嵌合方向xに沿って本体19への固定の固定部36から先端部37に向かって延びるばね要素35を備える。ばね要素35は、嵌合軸Axから離れるように曲げられている、特に方向zの反対方向に部分的に向かって嵌合方向xから離れるように曲げられている、本体19の一部分である。
【0045】
嵌合方向xに向く本体19の先端部において、中空空間33への開口部39が、本体19に形成される中空空間33に相手側端子ピンを受け入れることを可能とするように配置される。図2Aは、特に、開口部39、中空空間33、および本体19の第2の部分23の少なくとも部分Pが三角形であることを示す。ここで、第2の部分23の部分Pおよび中空空間33は、図2Aに示すように、嵌合方向xに垂直な断面Aにおいて三角形である。断面Aは、嵌合方向xに垂直であり、嵌合方向xの反対方向において開口部39から距離Dを空けて部分Pに配置される。距離Dは、嵌合方向xに沿った中空胴部33の長さの10%未満の値を有する。
【0046】
本体19の三角形の外形の領域OLにおいて、曲げられた金属薄板が重なる。特に、本体19を構成し中空空間33を形成する金属薄板は、金属薄板の第1の端部の一部分が金属薄板の第2の端部の一部分に重なるように曲げられている。これについては、それぞれ図3の領域OL’および図4の領域OL’’を参照してさらに説明する。金属薄板の重なりは、本体19の外形における段差形状43を実現する。段差形状43は、本体19の外形の非対称性にさらに寄与する。
【0047】
図2Bは、嵌合方向xの反対方向において見た場合の、端子ソケット1の電気接触部5の正面図を示す。図2Bの断面図は、ロックランス29およびその遠位端部31、ならびにばね要素35およびその先端部37を示す。理解を容易にするために、図2Bは、端子ソケット1の中空空間33に差し込まれたときの、図2Cを参照して以下で説明する端子ピン101の模式的断面を含む。
【0048】
ばね要素35の先端部37は、例えば擦過による劣化を低減しつつ端子ピンに対して画定された接触領域を提供するために、中空空間33の中心へと内方に向く丸みを有する。
【0049】
ばね要素35の先端部37は、ピン101が挿入されると、その静止位置から上方に、すなわち嵌合方向xに直交する方向zに弾性的に移動する。以下でさらに説明するように、相手側端子ピン101が中空空間33に受け入れられたときに向上した機械的荷重を提供するために、ばね要素35に予荷重がかけられる。この機械的荷重は、本体19の壁と共に、相手側端子ピン101との摩擦嵌合接続を提供する。
【0050】
図2Aに関して既に示したように、本体19の第2の部分23の少なくとも部分Pは、三角形の外形を有する。加えて、中空空間33の少なくとも一部分が三角形である。
【0051】
図2Bはまた、中空空間33が開口部39から本体19全体にわたって延びることを示す。より具体的には、図2Bは、本実施形態において、中空空間33全体が嵌合方向xに沿って三角形であり、丸み付き角部α1、α2、α3および側辺l1、l2、l3を有する三角形T1を形成することを示す。側辺l1およびl2は、本体19の内方向きの面、すなわち内面に対応し、l3は、本体19のばね要素35の先端部37の内方向きの面に対応する。側辺l1、l2、l3はまた、中空空間33の外周面に対応する。
【0052】
各側辺l1、l2、l3は、2mm未満、好ましくは1.5mm未満、特に1mm未満の辺長を有する。側辺l3は、ばね要素35の先端部37に対応し、角α1、α2に隣接する。側辺l1、l2は、角α3に隣接する。
【0053】
中空空間33は、二等辺三角形を形成するような三角形であり、l1およびl2は長さが等しく、l3はl1およびl2よりも短い。加えて、角α1、α2は等しく、α3よりも大きい。ただし、角α1、α2、α3の各々が鋭角であり、すなわち90°よりも小さく、したがって、中空空間33により形成される三角形も鋭角である。図面に示されていない変形例によれば、三角形の全ての3辺が異なる長さであってもよく、よって不等辺タイプの三角形が得られる。
【0054】
本体19は原料からスタンピングされ、よって単一の金属製の一体構造物体からなるので、中空空間33のジオメトリ、すなわち本体19の内周ジオメトリは、本体19の対応する部分の外形のジオメトリに対応する。すなわち、第2の部分23の三角形部分の三角形T2は、同じ角α1、α2、α3を有し、同様に二等辺かつ鋭角である。
【0055】
辺l1、l2、l3の各々には、それぞれの突出膨出部41a、41b、41cが形成される。図2Aの膨出部41a、41b、41cは、接触抵抗を低減し耐腐食性を向上させるために、貴金属、例えば銀またはセレンでめっきされることが好ましい。代替的実施形態においては、端子ソケット1全体が、貴金属でめっきされるか、または複数の異なる金属の層でめっきされ、例えばニッケルの下塗りの上にすずめっきが施される。
【0056】
膨出部は、3つの辺における、開口部39を通して中空空間33に受け入れられる相手側端子ピンとの電気的接触の確立を可能とするとともに、端子ソケットの自己中心合わせ機能を確立する。すなわち、例えば図1Aおよび図1Bに示すような先行技術に係るソケットに受け入れられる端子ピンとは対照的に、ソケット1に受け入れられる端子ピンは、ピンがばね要素35およびその膨出部41cにより膨出部41aおよび41bに押し付けられることに伴い、膨出部41aおよび41bの間で中心合わせされる。よって、電気コンタクト接続部の動的荷重安定性が向上する。
【0057】
端子ソケット1の本体19の外形は、2回回転対称でない。よって、これは、背景技術のセクションで説明した極性付け空間P13のような、特定の極性付け機構の突出部を必要としない。実際、本体19の第2の部分23の外形の部分Pのみが三角形である場合、意図せず中心軸周りに180°回転して同じ形状のままとなる可能性がなくなる。よって、端子ソケット1をメス型コネクタハウジングに誤ってまたは上下逆さに差し込むリスクを軽減することができる。
【0058】
本体19の第2の部分23全体が三角形であり、かつ本体19の三角形が二等辺三角形または不等辺三角形に相当するので、この効果をさらに向上させることができる。したがって、図5Aおよび図5Bにおいてさらに示すように、メス型ヘッダコネクタの対応するスロットに1つの向きでのみ差し込むことができる。
【0059】
本発明に係る端子ソケット1は、特に図1Aに示すような端子ソケットP1などの先行技術のソケットと比較した場合に、よりコンパクトであり、すなわちサイズがより小さく、より軽量であり、また連続生産において必要とする製造材料および製造ステップがより少ない。
【0060】
3つの膨出部を用いる変形例においては、ばね要素35による挿入された端子ピンの自己中心合わせにより、動的荷重安定性の向上が可能となる。例えば、挿入された相手側端子ピンの三点接触により、嵌合方向xおよび方向zの両方に垂直な方向yに沿った振動に対する固定がより堅牢になる。したがって、金属めっきの劣化およびフレッティング腐食などのネガティブな振動により生じる材料摩耗のリスクが低減し、よって、全体的な接触抵抗も低減することで電気信号伝送が向上する。
【0061】
図2Cは、本発明の一実施形態に係る電気端子システムの端子ピンの斜視図を示す。端子ピン101は、図2Bに示すように、ワイヤに接続されることになる後部103、および、電気的接続を実現するために端子ソケット1に差し込まれるように適合された電気接触部105を備える。後部103は、ワイヤに接続されるか、またはPCBへの接続を確立するために用いられる。電気接触部105は、先の尖った円柱の形状を有する。すなわち、電気接触部105の胴部109は、嵌合方向xに垂直な平面において円形の断面を有する円柱形であり、尖った先端部107を備える。図2Bを参照して説明したように、ピン101は、ソケット1に差し込まれたときに自己中心合わせされ、3つの接触点の恩恵を受けるように適合される。
【0062】
端子ソケット1および図2Cの端子ピン101は、本発明の第2の実施形態に係る端子システムを形成する。電気接触部105が先端部107により開口部39を通して中空空間33に挿入されると、電気接触部105がばね要素35によりソケット1に摩擦嵌合する。これにより、少なくとも膨出部41a、41b、41cと端子ピン101の電気接触部105の円柱形胴部のそれぞれの外面点との間の接触部において、電気的接触が実現される。よって、本発明の一実施形態に係る端子システムアセンブリが実現される。
【0063】
本発明の第3の実施形態について、図3を参照して説明する。図3は、本発明に係る端子ソケット301の断面の模式図を示す。図3の断面は、図2Bと同様に、嵌合方向xに垂直な平面に形成される断面である。
【0064】
図2Cに関して説明したピン101が、本発明に係る端子システムアセンブリ300を形成するように、端子ソケット301の開口部を通して受け入れられている。第3の実施形態に係る端子ソケット301と第1の実施形態の端子ソケット1との間の唯一の差異は、断面の形状である。
【0065】
実際、端子ソケット301は、断面における本体319の外形が三角形でない点で、端子ソケット1とは異なる。代わりに、外形は、「切り取られた」三角形の形状に相当し、すなわち、三角形の角部Cが追加の辺l4により置き換わっている。よって、端子ソケット301の本体319の外形は、もはや三角形ではなく台形であり、中空空間333の対応する形状も、三角形ではなく台形である。端子ソケット301は、第1の実施形態と同様に、金属薄板または原料からスタンピングされる。
【0066】
しかしながら、第1の実施形態と同様に、2回回転対称性を有しない本体319の外形に起因して、メス型ヘッダコネクタへのソケット301のフールプルーフな挿入に関する本発明の利点が、ここでも実現される。実際、本実施形態においても、先行技術において知られているような極性付け空間P13は必要でない。
【0067】
中空胴部333を画定し取り囲む本体319は、本体319のスタンピングされた原料が、図2Aおよび図2Bにおいて説明した実施形態の重なり領域OLと同様の領域OL’において、それ自体に重なるように曲げられている。領域OL’は、スタンピングされた原料の本体301が単層構造でなく2層構造になっている、本体319の外形の一部分である。図3の実施形態において、重なり領域OL’は、本体の台形の外形の4辺のうちの辺l1’に沿って延びる。特に、重なり領域OL’は、部分的にのみ辺l1’に沿って、すなわち辺l1’の長さの10~40%の間に沿って延びる。したがって、段差形状343が本体319の外形に形成される。段差形状43と同様に、重なり領域OL’により形成される段差343は、外形の非対称性を有利に増大させ、よってさらなる極性付け要素を追加する。
【0068】
形状の差異に加えて、第1の実施形態において実現される全ての他の特徴および特性が、第3の実施形態に係る端子ソケット301においても存在する。例えば、本実施形態においても、ピンは、3つの膨出部341a、341bおよび341cと接触する。加えて、異なる実施形態においては、第4の膨出部が台形形状の第4の辺の内面に、例えば追加の側辺l4に形成されてもよい。
【0069】
図4は、第4の実施形態に係る端子システムアセンブリ400の断面の模式図を示す。図4は、本体419、および、ピン101’が開口部を通して受け入れられている中空空間433を有する端子ソケット401を示す。本体419は、重なり領域OL、OL’に対応する重なり領域OL’’をさらに備える。図4の断面も、図2Bまたは図3と同様に、嵌合方向xに垂直な平面における断面である。
【0070】
端子ソケット401は、断面における本体419の外形が不等辺である点で、第1の実施形態の端子ソケット1とは異なる。加えて、端子ピン101’は、101のように円柱形ではなく、三角形、特に本体419の中空部433の断面に合致するような三角形である電気接触部を有する。端子ピン101’は、金属薄板または原料、特に0.4mmの原料からスタンピングされ、電気接触部105’は、好適な形状に形成される。ただし、代替例においては、端子ピン101’が伸線加工されてもよい。
【0071】
端子システムアセンブリ400において、三角形の電気接触部105の各辺は、それぞれ膨出部441a、441b、441cを備える。よって、第1の実施形態と同様に、膨出部441a、441b、441cにより形成される3つの電気接触部を介して、電気的接続が確立される。
【0072】
代替的実施形態においては、端子システムが、本発明の第1の実施形態のソケット1と、ソケット1の中空空間33の形状に合致する、すなわち二等辺かつ鋭角の電気接触部形状を有する端子ピンとを備える。
【0073】
さらなる代替的実施形態においては、端子システムが、第3の実施形態のソケット301と、ソケット301の中空空間333の形状と合致する台形の電気接触部を有する端子ピンとを備える。
【0074】
形状の差異に加えて、第1~第3の実施形態において実現される全ての他の特徴および特性が、第4の実施形態に係る端子アセンブリ400および/または端子ソケット401によっても実現される。
【0075】
本発明の変形例においては、曲げられた金属薄板が重なる領域が溶接で閉じられ、すなわち、曲げられた金属薄板の重なる先端部どうしが、レーザビーム溶接により溶接される。例えば、第4の実施形態において、領域OL’’において重なる曲げられた金属薄板の先端部どうしが、溶接される。同様に、第1の実施形態および/または第3の実施形態に関しても、領域OLおよびOL’がそれぞれ溶接で閉じられてよい。図2Aの後部曲げ部30に関して既に示したように、重なり領域OL、OL’、OL’’の溶接により、ソケット1、301、401の構造的一体性を向上させることができる。
【0076】
図4に示す第4の実施形態に関して説明される本発明の関連する変形例において、ソケット本体419の重なり部432は、ソケット本体の設計から完全に省かれてもよい。この変形例においては、図4において側辺l1’’に対応する、重なり領域OL’’を含む本体419の辺が延長され、すなわちより長くなる。よって、ソケット本体419が溶接で閉じられる、すなわちソケット本体419の曲げられた金属薄板の2つの先端部どうしが溶接される領域432aが得られる。精度および信頼性のために、溶接はレーザビーム溶接により実現されることが好ましい。よって、ソケット本体419の構造的一体性が向上し、同時に製造に必要なソケット本体材料の総量が低減する。
【0077】
図2A図4に関して説明されている実施形態の各々は、本体の外形、および相手側端子ピンを受け入れるための中空空間の両方について、2回回転対称性を有しない形状を有する。したがって、いずれの場合にも、先行技術において知られているような極性付け空間、案内部材、キー機構等のような追加の拡大をもたらす機構の利用を必要とすることなく、端子ソケットが、コネクタハウジングへの端子ソケットの装着に関してフールプルーフになっている。よって、端子ソケット全体を、また結果としてそのような端子ソケットを用いる端子システムを、さらに小型化することができる。
【0078】
加えて、内側および外側で同じ形状を有することにより、例えば銅またはアルミニウムから作製される金属薄板を用いて端子ソケットを得ることが可能となる。金属薄板は、所望の形状に曲げることができる。よって、ソケットを原料からスタンピングすることができ、これは特にコスト効率が高い場合がある。
【0079】
図5Aおよび図5Bは、それぞれ本発明の第5の実施形態および第6の実施形態に係るメス型コネクタハウジング201、251の背面図を示す。例えば、メス型コネクタハウジング201、251は、複数の電気導体のフレキシブルフラットケーブルをPCBと接続するための移動コネクタのハウジングであってよい。メス型コネクタハウジング201、251は、特に、PCBに実装され複数の端子ピンを備えるオス型ヘッダコネクタまたはピンヘッダコネクタと接続されるように構成されてよい。オス型ヘッダコネクタは、コネクタハウジング201、251の前側、すなわち図5Aおよび図5Bに示されている後側の反対側と嵌合する。
【0080】
図5Aに示すメス型コネクタハウジング201には、上記で説明した本発明の第1の実施形態に係る端子ソケット1のためのスロット203が設けられる。スロット203の内側には、端子ソケット1が収容される。スロット203は、図5Aの背面図に示されている側に後部開口部205を有する。後部開口部205は、本体19の外形の三角形部分Pを含む、端子ソケット1の本体19の外形を収容するように構成される形状を有する。特に、段差形状243が、端子ソケット1の段差形状43に合致することにより、さらなる回転非対称性を提供してよい。
【0081】
加えて、スロット203は、端子ソケット1の嵌合側、すなわち第1の実施形態または第4の実施形態に係る開口部39における嵌合方向xに向く側のための三角形の前部開口部209を備える。三角形の前部開口部209は、相手側のオス型端子ピンを受け入れるように構成される。特に、三角形の前部開口部209は、前部開口部209の形状に合致する形状を有する相手側のオス型端子ピンを受け入れるように構成される。前部開口部はまた、図2Cに関して説明した端子ピン101を受け入れるように、図2Bに示すように構成される。変形例によれば、前部開口部および後部開口部の形状は、それぞれ図3に関して説明されているような端子ソケット301および図4に関して説明されているような端子ソケット401の形状に適合されてもよく、用いられる端子ピン、例えば端子ピン101’に応じて適合されてもよい。これは、下記で説明する図5Bにも示されている。
【0082】
よって、追加の極性付け形状を用いなくとも、嵌合方向に垂直な平面において2回回転対称性を示さない外形を有する本体を、当該平面において2回回転対称性を示さない中空空間と共に用いることのみにより、または三角形を有する本体を用いる場合に、スロット203へのソケット1の挿入をフールプルーフ化しつつ、同時により単純かつよりコスト効率の高い設計を実現することができる。
【0083】
ソケット1のためのスロット203は、コネクタハウジング201において2列で配置され、一方の列のスロット203の三角形部分の向きは、他方の列の三角形に対して180°転回している。すなわち、スロット203に収容されるソケット1は、隣接する端子ソケットの列の端子ソケットに対して180°回転している。
【0084】
加えて、一方の列のソケット1またはスロット203は、隣接する列に対して千鳥状に配置される。本実施形態において、2つの列は、交互の歯状に配置され、スロットの三角形部分の角部が、互いの間で絡み合う、または噛み合う。よって、本発明の一実施形態において、本発明に係るコネクタは、コネクタハウジング201と、それぞれのスロット203に挿入される複数のソケット1とを備えてよい。
【0085】
よって、図1Dの配置と比較すると、スロット203の形状および/または千鳥状配置により、メス型コネクタハウジング201の全体的なサイズを低減することが可能となる。
【0086】
図5Bに示す第6の実施形態は、本発明に係るコネクタのためのコネクタハウジングのさらなる実施形態に対応する。図5Aと同様に、図5Bは、ハウジング251の視認可能な後側に端子ソケットスロット253を有するコネクタハウジング251を示す。コネクタハウジング201と同様に、ハウジング251は、端子ソケット1を後部開口部255を通してスロット253に受け入れるように構成される。
【0087】
図5Aに対して、図5Bは、スロット253の内部空間のさらなる構造的詳細を含む。例えば、図5Bは、ソケットスロット253が、嵌合方向xに沿って、部分的に丸みの付いた外形を有する第1の部分254aと、完全に三角形の外形254bを有する第2の部分とを備えることを示す。これにより、スロット253の三角形の第2の部分254bにおいて安定させる前の、ハウジング251へのソケット1のより簡便な第1の挿入段階が可能となる。
【0088】
加えて、図5Bは、内部リム256を示す。内部リム256の下で、ソケット1のロックランス29を弾性的に曲げることができ、内部リム256の後方で、嵌合方向xに沿って、ロックランス29が静止位置に戻ったときにロックランス29の先端部31を収容することができる。よって、コネクタハウジング251へのソケット1の形状嵌合ロックが実現される。さらに、図5Bは、図5Aと同様に、スロット253の外形が、ロックランス29を収容するとともにさらなる非対称性を得るための段差形状293を備えることを示す。
【0089】
コネクタ251は、図5Aを参照して説明したものと同じ、2列のスロット253の千鳥状配置を有し、これは全体的な空間的要件の低減という同じ利点を提供する。ただし、第6の実施形態のコネクタハウジング251は、前部開口部259の形状に関して、第5の実施形態のコネクタハウジング201とは異なる。コネクタハウジング201の前部開口部209は、三角形のオス型ピンを収容するために三角形であるが、前部開口部259は、図2Bおよび図2Cを参照して説明した円柱形の端子ピン101を収容するために円形である。
【0090】
実施形態を特定の例に関して説明したが、本発明は限定されるものではなく、本発明の範囲から逸脱しない限りにおいて開示の実施形態に対する多数の変更が行われてよい。様々な実施形態および例は、本発明に係るさらなる実施形態または例を得るために互いに自由に組み合わされ得る個々の特徴を含む。
【符号の説明】
【0091】
1 端子ソケット
3 配線部
5 電気接触部
7 絶縁体圧着部
9 ワイヤ圧着部
11a、11b 絶縁体圧着部の側方翼部
13a、13b ワイヤ圧着部の圧着アーム
15a、15b 絶縁体圧着部の側方翼部の切抜き開口部
17 ワイヤ圧着部の圧着アームのノッチ
19 本体
21 電気接触部の第1の部分
23 電気接触部の第2の部分
25 ブリッジ部分
27 二次ロック領域の間隙
29 ロックランス
30 後部曲げ部
30a 後部曲げ部を有する一実施形態における溶接領域
30b 後部曲げ部を有しない一実施形態における溶接領域
31 ロックランスの遠位端部
33 中空空間
35 ばね要素
36 固定部
37 ばね要素の先端部
39 中空空間への開口部
41a、41b、41c 膨出部
43 本体の段差形状
101 電気接触部における円形の断面を有する端子ピン
103 端子ピン後部
105 端子ピン電気接触部
107 端子ピン電気接触部先端部
109 端子ピン胴部
101’ 電気接触部における三角形の断面を有する端子ピン
105’ 三角形の断面を有する端子ピンの電気接触部
201 コネクタハウジング(第5の実施形態)
203 コネクタハウジングにおける端子ソケットスロット
205 スロットの後部開口部
209 スロットの前部開口部
243 スロットの段差形状
251 コネクタハウジング(第6の実施形態)
253 コネクタハウジングにおける端子ソケットスロット
254a、254b スロットの第1の部分および第2の部分
255 スロットの後部開口部
256 スロットにおける内部リム
259 スロットの前部開口部
293 スロットの段差形状
300 端子システムアセンブリ(第3の実施形態)
301 端子ソケット
319 端子ソケット本体
333 端子ソケット中空空間
341a、341b、341c 端子ソケット膨出部
343 本体の段差形状
400 端子システムアセンブリ(第4の実施形態)
401 端子ソケット
419 端子ソケット本体
432 本体の重なり部
432a 重なり部を有しない一実施形態における溶接領域
433 端子ソケット中空空間
441a、441b、441c 端子ソケット膨出部
P1 先行技術の端子ソケット
P3 先行技術の端子ソケット配線部
P3a ワイヤ圧着部
P3b 絶縁体圧着部
P5 先行技術の端子ソケット電気接触部
P7 先行技術の端子ソケット本体
P9 先行技術の端子ソケット中空空間
P11 先行技術の端子ソケット中空空間開口部
P13 先行技術の端子ソケット極性付け空間
P15 先行技術の端子ソケット隔壁
P17a、P17b 先行技術の端子ソケット接触部
P21 先行技術の端子ソケットロックランス
P101 先行技術の端子ピン
P103 先行技術の端子ピン後部
P105 先行技術の端子ピン電気接触部
P107 先行技術の端子ピン電気接触部先端部
P109 先行技術の端子ピン胴部
P201 先行技術のメス型コネクタハウジング
A 平面
Ax 嵌合方向に平行な軸
C 切り取られた角部
P 本体の第2の部分23の部分
OL、OL’、OL’’ 重なり領域
RA スロット列A
RB スロット列B
x 嵌合方向
y、z 直交する方向
l1、l2、l3 中空空間により形成される三角形の側辺
l1’、l1’’ 代替的実施形態における側辺l1
l4 切り取られた三角形の側辺
α1、α2、α3 中空空間および第2の部分により形成される三角形の角
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5A
図5B
【手続補正書】
【提出日】2023-11-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気端子システムのための端子ソケットであって、嵌合方向(x)に沿って端子ピン(101、101’)と嵌合するように構成され、
配線部(3)および電気接触部(5)を備え、前記電気接触部(5)は、相手側端子ピン(101、101’)を受け入れるための中空空間(33、333、433)を有する本体(19、319、419)を備えた、端子ソケットにおいて、
前記本体(19、319、419)が、前記嵌合方向(x)に垂直な平面(A)において2回回転対称性を示さない外形を有し、前記中空空間(33、333、433)が、前記平面(A)において2回回転対称性を示さないことを特徴とする、
端子ソケット。
【請求項2】
求項1に記載の端子ソケットであって、嵌合方向(x)に沿って端子ピン(101、101’)と嵌合するように構成され、
配線部(3)および電気接触部(5)を備え、前記電気接触部(5)は、相手側端子ピン(101、101’)を受け入れるための中空空間(33、433)を有する本体(19、419)を備えた、端子ソケットにおいて、
前記本体(19、419)が、前記嵌合方向(x)に垂直な平面(A)において三角形である三角形部分(P)を備える外形を有することを特徴とする、
端子ソケット。
【請求項3】
前記中空空間(33、433)は、前記平面(A)における三角形部分を備える、
請求項1に記載の端子ソケット。
【請求項4】
前記中空空間(33、333、433)は、前記相手側端子ピン(101、101’)と接触するように構成されている3つの電気接触部を備える、
請求項1に記載の端子ソケット。
【請求項5】
前記本体(19、319、419)は、前記本体(19、319、419)の内面(l1;l1’;l1’’、l2、l3)に形成されている少なくとも1つの膨出部(41a、41b、41c;341a、341b、341c;441a、441b;441c)を備え、前記少なくとも1つの膨出部(41a、41b、41c;341a、341b、341c;441a、441b;441c)は、前記3つの電気接触部のうちの1つを実現するように構成されている、
請求項4に記載の端子ソケット。
【請求項6】
前記本体(19、419)は、前記三角形の各辺(l1/l1’’、l2、l3)に膨出部を1つずつ、合計3つの膨出部(41a、41b、41c;441a、441b;441c)を備える、
請求項2と組み合わせた請求項5に記載の端子ソケット。
【請求項7】
前記電気接触部(5)は、前記中空空間(33)に配置されているばね要素(35)をさらに備え、
前記ばね要素(35)は、前記少なくとも1つの膨出部(41c、341c、441c)を備え
記少なくとも1つの膨出部(41c、341c、441c)は、前記相手側端子ピン(101、101’)が前記中空空間(33、333、433)に受け入れられたときに摩擦嵌合するように構成されている、
請求項4に記載の端子ソケット。
【請求項8】
前記本体(19、319、419)の前記三角形部分(P)は鋭角である、
請求項2と組み合わせた請求項3に記載の端子ソケット。
【請求項9】
前記本体(19)の前記三角形部分(P)は二等辺または不等辺である、
請求項2と組み合わせた請求項3に記載の端子ソケット。
【請求項10】
前記端子ソケット(1、301、401)は、金属薄板からスタンピングされ曲げられている、
請求項1または2に記載の端子ソケット。
【請求項11】
前記端子ソケット(1、301、401)は、金属薄板からスタンピングされ曲げられており、
前記本体(19、319、419)の前記三角形部分(P)は、前記曲げられた金属薄板が重なる領域(OL、OL’、OL’’)を備える、
請求項2に記載の端子ソケット。
【請求項12】
前記端子ソケット(1、301、401)は、金属薄板からスタンピングされ曲げられており、
前記本体(19、319)の前記三角形部分(P)は、前記曲げられた金属薄板が溶接で閉じられている領域(432a)を備える、
請求項2に記載の端子ソケット。
【請求項13】
求項1に記載の、電気端子システムの相手側端子ソケット(401)と嵌合するための端子ピンであって、
前記相手側端子ソケット(401)に受け入れられるように構成されている三角形部分(P)を有する電気接触部(105’)
を備える、端子ピン。
【請求項14】
前記電気接触部(105’)全体が三角形である、
請求項13に記載の端子ピン。
【請求項15】
請求項1に記載の端子ソケット(1)と、前記端子ソケット(1、301、401)と嵌合するように構成されている相手側端子ピン(101、101’)とを備え、
記相手側端子ピン(101)は、先の尖った円柱の形状を有する電気接触部(105)を備える、
端子システム。
【請求項16】
前記相手側端子ピンは、請求項13に記載の端子ピン(101’)である、
請求項15に記載の、端子ソケット(1)を備える端子システム。
【請求項17】
複数の端子ソケット(1、301、401)を備え、
前記端子ソケット(1、301、401)のうちの少なくとも1つ、または全てが、請求項1に記載の端子ソケット(1、301、401)である、
コネクタ。
【請求項18】
請求項1または2に記載の複数の端子ソケット(1、301、401)からなる少なくとも2つの列を備え、
1つの列における前記複数の端子ソケット(1、301、401)は、隣接する端子ソケット(1、301、401)の列における前記複数の端子ソケット(1、301、401)に対して180°回転しており、
複数の端子ソケット(1、301、401)からなる1つの列は、前記隣接する端子ソケット(1、301、401)の列に対して千鳥状に配置されている、
請求項17に記載のコネクタ。
【請求項19】
前記電気端子システムは、プリント回路基板コネクタシステム(201)用の電気端子システムである、
請求項1または2に記載の端子ソケット。
【外国語明細書】