(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036302
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】熱発光装置
(51)【国際特許分類】
H05B 3/10 20060101AFI20240308BHJP
G02B 3/00 20060101ALI20240308BHJP
G02B 1/02 20060101ALI20240308BHJP
G02B 5/10 20060101ALN20240308BHJP
【FI】
H05B3/10 B
G02B3/00 Z
G02B1/02
G02B5/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023140717
(22)【出願日】2023-08-31
(31)【優先権主張番号】22193994
(32)【優先日】2022-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】523331717
【氏名又は名称】フォーケイ-メムス・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100208258
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 友子
(72)【発明者】
【氏名】ロス・スタンリー
(72)【発明者】
【氏名】マティアス・インボーデン
【テーマコード(参考)】
2H042
3K092
【Fターム(参考)】
2H042DA22
2H042DB03
2H042DD05
2H042DE00
3K092PP20
3K092VV04
3K092VV34
(57)【要約】 (修正有)
【課題】熱発光膜を用いた熱発光装置の効率又は寿命を改良する。
【解決手段】本発明は熱発光装置(1)に関し、この熱発光装置は、1表面(11、12)を備える熱発光膜(10)であって、前記熱発光膜(10)が熱発光温度に加熱されると前記1表面が赤外線又は可視光を放射するように配置されていて、前記1表面(11、12)の放射率が0.7より低い、熱発光膜(10)と、レンズ表面(21)を備えるレンズ(2)であって、前記レンズ表面は前記熱発光膜(10)の1表面(11、12)に対向していて、前記レンズが前記レンズ表面に垂直な反射率を4%から40%の範囲で持ち、放射IR光又は放射可視光を部分的に反射する、レンズ(2)と、を備え、レンズ表面(21)と1表面(11、12)との間の距離(d)が、L/4以下であり、Lは前記熱発光膜の長尺である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
- 1表面(11、12)を備える熱発光膜(10)であって、前記熱発光膜(10)が熱発光温度に加熱されると前記1表面が赤外線又は可視光を放射するように配置されていて、前記1表面(11、12)の放射率が0.7より低い、熱発光膜(10)と、
- レンズ表面(21)を備えるレンズ(2)であって、前記レンズ表面は前記熱発光膜(10)の前記1表面(11、12)に対向していて、前記レンズが前記レンズ表面に垂直な反射率を4%から40%の範囲で持ち、放射IR光又は放射可視光を部分的に反射する、レンズ(2)と、
を備える熱発光装置(1)において、
前記レンズ表面(21)と前記1表面(11、12)との間の距離(d)が、L/4以下であり、前記Lは前記熱発光膜の長尺であることで、
前記レンズ(2)で反射された前記IR光又は前記可視光の一部が前記熱発光膜(10)によって再吸収され、前記レンズ(2)で反射された前記IR光又は前記可視光の別の部分が前記熱発光膜(10)によって前記レンズ(2)に向かって反射され前記レンズを通過する別の機会があって、それによって前記熱発光装置(1)の効率が向上する、
熱発光装置(1)。
【請求項2】
前記レンズ(2)と前記1表面(11、12)との間の距離は、L/8以下である、請求項1に記載の熱発光装置(1)
【請求項3】
前記レンズ(2)は、ガラス、シリコン、サファイア、石英、ゲルマニウムと、フッ化カルシウム(CaF2)、フッ化マグネシウム(MgF2)、セレン化亜鉛(ZnSe)、硫化亜鉛(ZnS)、塩化ナトリウム(NaCl)の熱材料のようなMID-FAR熱材料の少なくともいずれかでできている、請求項1に記載の熱発光装置(1)
【請求項4】
前記熱発光装置が、蓋を備え、前記レンズ(2)が、前記蓋の中又は前記蓋上に配置されている、請求項1に記載の熱発光装置(1)
【請求項5】
前記熱発光膜(10)が耐火材料でできているか、耐火材料を含有している、請求項1に記載の熱発光装置(1)
【請求項6】
前記レンズ(2)のレンズ見かけ厚みがL/4以下である、請求項1に記載の熱発光装置(1)
【請求項7】
前記レンズ(2)のレンズ見かけ厚みがL/4超である、請求項1に記載の熱発光装置(1)
【請求項8】
前記レンズ表面がレンズ入射面(21)であり、前記レンズ(2)がレンズ出射面(22)を備え、前記レンズ出射面(22)が前記熱発光膜(10)に光を戻すため光を再集束することと、放射を多少程度指向性にすることとの少なくとも一方のため少なくとも部分的に湾曲している、請求項7に記載の熱発光装置(1)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐熱材料からなる熱と光を放出する(以下では熱発光)装置に関する。この装置は、高温、例えば1600Kを超える温度、又は3000Kかそれより高い温度で広帯域の可視光線及び赤外線を放出できるものである。
【背景技術】
【0002】
この内容においては、赤外(IR)光は0.8μmから12μmの範囲に属する波長を持ち、可視光は0.4mから0.8mの範囲に属する波長を持つ。
【0003】
多様な用途の熱発光器具としては、例えば(しかし、これらに限定されない)赤外分光法、ガス検知照明、ハイパースペクトル撮像装置、機械的視覚装置、が知られている。
【0004】
公知の熱発光装置の例は、本願出願人の特許文献1から特許文献3に記載されている。
【0005】
熱発光器は、放射の黒体理論に従って発光する。これにより、発光強度が温度と波長によってどのように変化するかについての詳細な情報が得られる。
【0006】
しかしながら、実際の物質は真に黒ではないため、黒体放射率は、波長と温度の関数である放射率εと呼ばれる変数によって設計変更する必要がある。
【0007】
ほとんどの熱発光器は、可能な限り黒色の材料、すなわち、1.0に近い波長範囲にεを持つ材料に基づいている。問題は、放射率の高い材料がほとんどなく、ほとんどの材料が耐えられるのは一般に比較的低い温度、すなわち2000K未満の温度ということである。
【0008】
一部のIR熱発光器は高融点(耐火)材料で作られている。耐火材料の例は、タングステン、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、タンタル、モリブデン及びそれらの窒化物、酸化物及び炭化物である。高融点金属は、融点が2000K超の金属である。
【0009】
赤外(IR)波長では、高融点金属は高反射性(反射率は30%から99%超の範囲)で、対応する放射率は一般に0.7から0.01の範囲に入る。高融点金属の有利点は、それらが高温で安定していることであるが、問題はそれらの低い固有放射率である。
【0010】
平らな熱発光装置、すなわち、実質的に平らな発光膜を備える熱発光装置は、ランバートタイプの熱発光装置である。ワイヤー熱発光装置は、1本の軸(一般にフィラメントの軸)でランバートタイプであり、第2軸で均一である。ランバート発光の場合、パワーの大部分は45°の円錐で放出される。
【0011】
熱発光装置は、一般に、主に放出を酸化から保護する筐体を備える。この格納は、光学系における熱発光器の性能を向上させる要素を備えてよい。一般的な問題は、熱発光器から光学システムに光を取り込む方法である。可能な限り最大のパワーを利用するには、非常に高角度(すなわち、60°超の角度又は-60°未満の角度)の光を収集する必要がある。また、熱発光装置をできるだけコンパクトにすることも望まれる。
【0012】
特にワイヤー熱発光装置に使用される一般的な解決策は、熱発光装置を放物面の反射器に配置することである。しかしながら、放物面反射体(又はミラー)のサイズが熱発光装置のサイズに類似している場合、シャドーイングが生じる、すなわち、熱発光装置自体が放物面反射器から反射された光を遮断する。さらに、この解決手段は平らな熱発光装置には適していない。最後に、放物面反射器は、熱発光装置の上面からの集光効率が低い。
【0013】
別の解決の方向性は、単にレンズを使用するのみで、第1レンズ面と第2レンズ面(第1レンズ面とは反対側)と、熱放出膜の一方の表面に対向する少なくとも1つのレンズ面とを備えるものとすることである。レンズは、収集光の最大化には非常に大きくする必要がある。しかしながら、この場合、高角度の光は反射により失われることとなる。
【0014】
ランダム偏光で放出するランバート熱膜を仮定すると、反射により第1レンズ面で光の一部が失われる。別の画分は第2レンズ表面で失われる。
【0015】
これらの損失を克服する通常の方法は、反射防止コーティングを使用して反射を減らすことである。いくつかの刊行物は、放射装置の放射率を改良する膜の下に配置される反射層の利用(特許文献4(US 2021246016 A1)又は特許文献5(AT 519870 B1))又は放射装置の側壁上の反射層の利用(特許文献6(US 2019195602A1))を開示している。
【0016】
しかしながら、反射防止コーティングは高価であり、それらは広い波長範囲のため製造が複雑であり、そしてまたそれらが機能する、角度の範囲が限られている。最後に、反射防止コーティングは、波長範囲が広く、例えば1μmから3.5μmであり、放射角度の範囲も非常に大きい(ランバート光源)ため、熱源を扱う場合には明らかに理想的ではない。
【0017】
他の広帯域技術には、いわゆる「モスアイ構造」(反射防止形状の1種)のようなサブ波長構造が含まれる。モスアイ構造も製造に費用がかかり、一般的に標準的な商業的処理工程では利用できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】国際公開第2020/012042号
【特許文献2】国際公開第2021/144463号
【特許文献3】国際公開第2021144464号
【特許文献4】米国特許出願公開第2021/246016号明細書
【特許文献5】オーストリア国特許発明第519870号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2019/195602号明細書
【特許文献7】欧州特許出願番号第20220155542号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
それゆえ、放出光が可能な限り効率的に使用され、最新の従来技術の欠点及び制限を克服する熱発光装置の必要性がある。
【0020】
本発明の目的は、最新技術の欠点及び制限を克服する熱発光装置の提供である。
【0021】
本発明の別の目的は、効率の向上と、製造容易との少なくとも一方である熱発光装置を提供することである。
【0022】
本発明の別の目的は、放出光ができるだけ効率的に使用される熱発光装置の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明では、これらの目的は、特許請求の範囲の主題によって、特に請求項1に記載の熱発光装置によって達成される。
【0024】
本発明による熱発光装置は、表面を備える熱発光膜を備え、その熱発光膜は、表面が赤外(IR)光又は可視光を放出するように熱発光温度に加熱されるように配置されている。
【0025】
この内容では、「膜」という用語は、その厚みの値がその他の2寸法よりも小さい要素を示す。この内容において、用語「膜」は、用語「(熱)板」と同義である。
この内容では、膜は温度上で独立してそれ自身の形状を保つように配置され、それはいくつかの点で保持される。換言すると、この内容では、膜は高温で座屈又は破壊しない。
好ましい一実施形態において、膜は実質的に平面である。好ましい一実施形態において、膜はそれ自体を支持できて、すなわち、構造的に独立している。別の実施形態では、膜は、全ての側面に取り付けられない限り、それ自体を支持できない。
【0026】
本発明では、表面の放射率は0.7より低い。実際、本発明は、低放射率材料、すなわち、0.7より低い放射率を持つ材料に対して有用である。すなわち、良好な放出材料、すなわち放射率が0.7以上の材料の放射率を高めることにはあまり関心がない。
【0027】
本発明による熱発光装置は、レンズを備え、このレンズは、前記熱発光膜の表面に対向するレンズ面と、前記レンズ表面に垂直な反射率を4%から40%の範囲で持ち、放射されたIR光又は可視光を部分的に反射するようになっている。
【0028】
この内容において、用語「レンズ」は、必ずしも平面レンズと同義ではない。換言すると、レンズは平らであってもよく、又は平らではない、例えば凸形状を持ってよい。
【0029】
本発明では、前述のレンズ表面と前述の第1表面又は第2表面のうちの1つとの間の距離は、L/4以下である。ここでは、Lは前記熱発光膜の長尺である。換言すると、本発明では、レンズは、熱発光装置に実に「近い」位置に配置される。このようにして、レンズで反射されたIR光又は可視光の一部が熱発光膜によって再吸収され、レンズで反射された光の別の部分が熱発光膜によってレンズに向かって反射されるので、レンズを通過する別の機会があって、それによって熱発光装置の効率が向上する。
【0030】
効率が上がるので、すると一定の放射輝度には温度低下が可能になる。低温で動作する熱発光装置は、典型的には、より長い動作寿命となる。換言すると、特定のスペクトル放射輝度を必要とするユーザーが動作温度を下げると、これにより寿命が延びる。
【0031】
本発明による熱発光装置は、完全な黒体ではない。それらは、波長及び材料に応じて0.7より低い放射率を持つ。これは、反射率が30%以上であることを意味する。本発明では、熱発光装置は、部分的に反射するレンズの「近くに」配置され、したがって、放出光の一部はレンズを通過し、放出光の別の部分はレンズによって反射され、放出表面に当たり、熱発光装置によって再吸収されるか、又は熱発光装置によってレンズに向かって反射され、その後、レンズを通過する2回目の機会がある。
【0032】
熱発光装置の反射のため、透過率が向上する。さらに、残りのパワーは熱発光装置によって吸収されるため、放出効率と装置の寿命との少なくとも一方が向上するため、追加の利得(よい結果)がある。
【0033】
一実施形態では、熱発光膜は、耐火材料、例えば、高融点金属と、高融点セラミック(炭化物又は窒化物のような)と、高融点金属の合金との少なくともいずれかによって作製されるか、又はそれ(それら)を含有する。
【0034】
一実施形態では、レンズと発光膜の表面との間の距離は、L/8以下である。この実施形態では、レンズは発光膜に近く、それによって熱発光装置の効率と、寿命との少なくとも一方がより増加する。
【0035】
一実施形態では、レンズは、ガラス、シリコン、サファイア、石英、ゲルマニウムと、フッ化カルシウム(CaF2)、フッ化マグネシウム(MgF2)、セレン化亜鉛(ZnSe)、硫化亜鉛(ZnS)、塩化ナトリウム(NaCl)のようなMID-FAR熱材料の少なくともいずれかでできている。
【0036】
一実施形態では、熱発光装置は、蓋を備え、レンズは、蓋の中又は蓋上に配置されている。一実施形態では、レンズは蓋である。
【0037】
一実施形態では、レンズ表面はレンズ入射面であり、レンズはレンズ出射面を備える。
【0038】
一実施形態では、レンズは「薄い」。本実施形態では、レンズの厚みは、レンズ出射面も放出表面に「近い」とみなされるようなものである。この実施形態では、「薄い」レンズの厚みを計算する際には、レンズ材料中の光の屈折を考慮に入れるべきであり、レンズの見かけの厚みが使われるべきである。
【0039】
所与の屈折率nを持つレンズ材料のレンズの見かけの厚みの式は周知であり、レンズへの入射角に依存する。角度が45°の場合、レンズの見かけの厚みの式は、レンズの実際の厚みに1を(2n^2-1)の平方根で割った値(薄いレンズに適用される公式の1つ)に等しい、スケール因子を掛けたものである。
【0040】
この実施形態では、レンズの見かけの厚みがL/4(又はL/8)未満である場合、レンズは「薄い」ものとする。本実施形態では、レンズ入射面と熱発光膜の(第1)面との距離は、L/4(又はL/8)未満である。
【0041】
一実施形態では、レンズは平面レンズである。この内容では、両方のレンズ表面が平らで感覚的に平行なら、レンズは平らである。
【0042】
一実施形態では、レンズは「厚い」。この実施形態では、レンズの見かけの厚みがL/4(又はL/8)よりも大きな場合、レンズは「厚い」ものとする。本実施形態では、レンズ入射面と熱発光膜の(第1)面との距離は、L/4(又はL/8)未満である。
【0043】
一実施形態では、レンズ出射面は、発光装置に光を戻すため光を再集束することと、放射をより指向性にすることとの少なくとも一方のため湾曲している。
【0044】
一実施形態では、熱発光装置は、レンズ出射面の少なくとも一部にミラーを備える。
【0045】
一実施形態では、ミラーは軸外、軸からずれている。レンズは一般に対称軸を持つ。この文脈において、「ミラーが軸外である」という表現は、レンズの対称軸がミラーを通過しないことを示すものとする。
【0046】
一実施形態では、ミラーは、コールドミラー、すなわち、ミラー表面に垂直な反射率が80%より高いミラー(すなわち、高反射ミラーである)である。
【0047】
一実施形態では、ミラーは開口部を備える。
【0048】
一実施形態では、開口部に面するレンズの部分は、開口部に面していないレンズの形状とは異なる形状を持ち、これは出射光をさらに制御するためである。
【0049】
一実施形態では、熱発光装置は、熱発光膜に接続された複数の抵抗腕部を備え、その熱発光膜はその抵抗腕部によって吊られていて、その熱発光膜は、その抵抗腕部を介して熱発光温度に加熱される。
【0050】
一実施形態では、表面が第1表面であり、その第1表面と反対側にある第2表面を備える装置において、
前述の熱発光膜は、第1表面及び第2表面が熱光を放射するように前述の熱発光温度に加熱されるように配置され、
前述のミラーは、熱発光膜の第1表面又は第2表面のどちらか一方に面していて、
前述の熱発光膜の少なくとも一部は、複数の貫通孔を備え、
前述の複数の孔の熱発光膜の第1表面又は第2表面の1つに平行な平面における任意の断面が、所定領域の最長波長よりも大きい最大寸法を持ち、
前述の複数孔の面積の合計は、熱発光膜の第1表面又は第2表面の各々の面積の少なくとも10%である。
【0051】
本発明の例示的な実施形態は、説明に開示され、図面によって図示される。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る熱発光装置の切断図を示す。
【
図2】
図2は、本発明の他の実施形態に係る熱発光装置のレンズの切断図を示す。
【
図3】
図3は、本発明の他の実施形態による熱発光装置の切断図を示す。
【
図4】
図4は、本発明の別の実施形態による「薄い」レンズを備える熱発光装置の切断図を示す。
【
図5】
図5は、本発明の別の実施形態による熱発光装置の「厚い」レンズの切断図を示す。
【
図6】
図6は、
図5の熱発光装置の「厚い」レンズの切断図を、レンズ出射面を越える光伝搬の一実施形態と共に示す。
【
図7】
図7は、本発明の別の実施形態による、レンズ出射面の一部における熱発光装置の「厚い」レンズ及びミラーの切断図を示す。
【
図8】
図8は、コールドミラー、すなわち、対象の波長で放射しないミラーを備えた熱発光システムを概略的に示す。
【
図9】
図9は、本発明の一実施形態による熱発光装置の切断図を示し、レンズ出射面に軸外ミラーを備える。
【
図10】
図10は、本発明の別の実施形態による熱発光装置の切断図を示し、レンズ出射面に軸外ミラーを備える。
【
図11】
図11は、本発明の別の実施形態による熱発光装置の切断図を示し、レンズ出射面に軸外ミラーを備える。
【
図12】
図12は、本発明の他の実施形態に係る熱発光装置の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0053】
図1は、本発明の一実施形態に係る熱発光装置1の一部の切断部を示す。本実施形態において、熱発光装置1は、第1表面11と第2表面12とを備える熱発光膜10を備え、第2表面12は、第1表面11に対向する。ここでは、熱発光温度にて第1表面11及び第2表面12が光100を放射するようにその熱発光温度に加熱されるように、熱発光膜1が配置される。
図1に示されている異なる要素のサイズと比率はあくまでも目安であり、必ずしも実際のサイズそれぞれの比率に対応しているわけではない。
【0054】
本発明では、表面、例えば第1表面11の放射率εは、0.7よりも低い。一実施形態において、膜10はモノリシックである。膜10がモノリシックである場合、第2表面12は、第1表面11と同じ放射率εを持つ。一実施形態では、第1表面11及び第2表面12は、同じ材料によって作製される。別の実施形態では、第1表面11及び第2表面12は、異なる材料によって作られるが、両方とも0.7より低い放射率を持つ。赤外(IR)及び可視スペクトルにおいて0.7より低い放射率を持つ材料の非限定的な例には、耐火材料、例えば、高融点金属とそれらの合金が含まれる。高融点金属の例は、タングステン、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、タンタル、モリブデン、並びにそれらの窒化物、酸化物及び炭化物である。
【0055】
第1表面11及び第2表面12は平行として表されているが、これは本発明にとって必須ではない。なお、第1表面11及び第2表面12は略板状として表されているが、これもまた本発明にとって必須ではない。しかしながら、本発明は、特に平らな熱発光膜10に適合している。
【0056】
図示の実施形態では、熱発光膜10は単片の膜である。(図示しない)別の実施形態では、熱発光膜10は、多層膜、すなわち、第1表面11及び第2表面12の間に(異なる材料の)少なくとも1層を備える。
【0057】
図1の態様において、熱発光装置1は、熱発光膜10に接続された複数の抵抗腕部4を備える。
図1の態様では、抵抗腕部4は、熱発光膜10を支持体13に接続する。熱発光膜10は、抵抗腕部4によって吊り下げられ、それらの抵抗腕部4を介して熱発光温度まで加熱される。
【0058】
本発明では、熱発光装置1は、レンズ2も備える。レンズ2は、
図1の熱発光膜10の第1表面11に対向するレンズ入射面21を備える。レンズ2は、レンズ出射面22と、レンズ入射面21と対向する。
【0059】
図1の態様では、レンズ入射面21は略平坦であり、レンズ出射面22は湾曲部24、特に凸部24を備える。
【0060】
図1の実施形態では、レンズは単一ブロックであり、同じ材料によって作られる。他の実施形態では、レンズは、2つ又はそれより多い数の部品を備えることと、異なる材料で作られていることとの少なくとも一方であり得る。一実施形態では、(平凸)レンズは、例えば接着剤又は他の任意の適合された固定手段を用いて、蓋上に置かれる。
【0061】
図1の実施形態では、熱発光膜10は、レンズ2及び支持体13によって画定される筐体8内に配置されている。一実施形態では、この筐体8は、真空又は制御された雰囲気、例えば、高温で発光材料と反応するかもしれない酸素又は他のガスを含まない。
【0062】
本発明では、レンズ2は、レンズ表面に垂直な反射率を持ち、例えば、レンズ入射面21を、4%から40%の範囲で構成し、放射光を部分的に反射するようにする。
【0063】
一実施形態では、レンズ2は、ガラス、シリコン、サファイア、石英、ゲルマニウムと、CaF2、MgF2、ZnSe、ZnS、NaClサーマルのようなMID-FAR熱材料との少なくとも一方からなる。
【0064】
本発明では、レンズ入射面21と熱発光膜10の第1表面11との距離dは、L/4以下であり、ここで、Lは熱発光膜10の長寸法である。
【0065】
熱発光膜10が矩形断面を持つ場合、その主寸法Lは矩形断面の長辺となる。熱発光膜10が円形断面を持つ場合、その主寸法Lは円形断面の直径となる。
【0066】
換言すると、本発明では、レンズ2は、熱発光装置10に実に「近く」配置される。このようにして、レンズ2で反射された光の一部が熱発光膜10によって再吸収され、レンズ2で反射された光の別の一部が熱発光膜10によってレンズ2に向かって反射され、したがってレンズを通過する別の機会を持つ。これにより、熱発光装置の効率と寿命との少なくとも一方(の値)を増やせるようにする。
【0067】
一実施形態では、レンズ入射面21と熱発光膜10の第1表面11との距離dは、L/8以下である。この実施形態では、レンズ2は熱発光膜10に近くなり、それによって熱発光装置装置の効率と寿命との少なくとも一方をより増やせる。
【0068】
一実施形態では、熱発光装置1は蓋を備え、レンズ2は蓋の中又は蓋上に配置される。
【0069】
熱発光膜10に近いレンズ2を用いて、熱放射光の角度分散を変化させる。筐体8とレンズ入射面21との界面における屈折は、全ての角度の変換を可能にし、その結果、全ての光は、レンズ2の材質に起因する表面21における全内部反射の角度に関する最大角度未満の角度で伝播する。例えば、レンズがガラス製の場合、最大角度は約40°である。レンズ2がシリコン製の場合、最大角度は約16°である。
【0070】
図2は、本発明の別の実施形態に係る熱発光装置のレンズ2の切断図を示す。本実施形態では、レンズ2はシリコン製であり、入射面レンズ21と略平行な出射面レンズ22を備え、入射面レンズ21と出射面レンズ22はいずれも略平坦である。
【0071】
ランダム偏光を持つ例えば1.5マイクロメートルの波長で発光する(及び熱発光膜10を模式的に表す)ランバート光源Sを仮定すると、光の約32%が反射によりレンズ入射面21で失われる。わずかに小さい割合27%がレンズ出射面22で失われる。レンズの総透過率はそれゆえ50%である。
【数1】
【0072】
この損失を改善すべき欠点として考慮すること、例えば、反射防止コーティングの使用に替えて、本発明による熱発光装置1は完全な黒体ではない熱発光膜10を使い、それらの反射を利用する。
【0073】
熱発光膜10は、波長及び材料に応じて、0.7未満の放射率を持つ。これは、反射率が30%以上であることを意味する。本発明では、熱発光膜10がレンズの近くに配置され、したがって、レンズ2から反射された光は、熱発光膜10の第1表面11に当たり、熱発光膜10によって再吸収されるか、又は熱発光膜10によってレンズに向かって反射され、 その後、レンズ2を通過する2回目の機会がある。
【0074】
T
lensをレンズ21の第1表面の透過とすると、最初の経路で透過する光は単にT
lensである。レンズをレンズで反射した光とする。反射率R
emitterで熱発光膜10からR
lensを反射した後、1往復後、追加のR
lensR
emitterの光がレンズ2に衝突する。したがって、最初の経路と1回の往復の後に透過する全光は、以下となる。
【数2】
そしてn往復後は以下となる。
【数3】
【0075】
表1は、放射率が0.4で反射率R
emitterが0.6の熱発光装置の場合、特定の往復後の全光の透過率を示し、表2は、放射率が0.2で反射率R
emitterが0.8の熱発光装置の場合、特定の往復回数の後に透過する全光を示す。
【表1】
【0076】
【0077】
これら2実施例は、透過のほとんどが熱発光膜10からの反射を介して生じることを示す。上述したように、残りのパワーは、熱発光膜10によって吸収され、したがってその効率を増加させるので、真に失われないという追加の利得もある。
【0078】
出願人は、熱発光膜10から反射される光からの利得の大部分を与えるには、2往復で十分であることを見出した。レンズ2と熱発光膜10との「近い」距離は、それらの考察に基づいて決められている。
【0079】
図3は、本発明の他の実施形態に係る熱発光装置1の切断図を示す。
【0080】
本発明による熱放射装置を用いて本出願人によって行われた光線の軌跡追跡ソフトウェアによる完全な数値シミュレーションは、屈折率3.5を持つレンズ2と、放射率0.4を持つ熱発光膜10とが、熱放射光の最大84.4%がレンズ2を透過できて、残りの15.4%は熱発光膜10に吸収されることを示す。
【0081】
同様の利点は、レンズ2が「薄い」限り、レンズ出射面22を利用することによって得られる。換言すると、レンズ2の厚みは、レンズ出射面22が上記で定義したレンズ入射面21に近いとみなせる。
【0082】
本出願人によって実施された光線の軌跡追跡ソフトウェアによる完全な数値シミュレーションは、レンズ2自体が「薄い」場合、本発明による熱発光装置を通る透過率が増強されることを示している。
【0083】
この内容では、レンズの見かけの厚みがL/4(又はL/8)未満の場合、レンズ2は「薄い」ものである。本実施形態では、レンズ入射面21と熱発光膜の表面11との距離は、L/4(又はL/8)未満である。
【0084】
図4は、本発明の別の実施形態による「薄い」レンズ2を備える熱発光装置1の切断図を示す。レンズ2の屈折率は、
図4では3.5前後としている。
【0085】
例えば、屈折率が3.5のレンズ材料では、45°の光は11.6°に屈折する。11.6°の正接は0.2である。より具体的には、厚みは45°で見たときのレンズの見かけの厚みである。例えば、屈折率nが3.5の場合、スケール因子は0.21であるため、窓部が実際の0.21倍近くに表示される。n=1.5の場合、スケール因子は0.53である。
【0086】
本出願人が直径100μmの熱発光膜10を用いて行った光線の軌跡追跡ソフトウェアによる完全な数値シミュレーションは、レンズ入射面21が第1表面11から20μm離れて、近くなる。薄いレンズの寸法を変えた厚みも同様に20μmである必要がある。屈折率が3.5の場合、これはレンズの実際の厚みが20/0.21=95μmになる可能性があることを意味する。
【0087】
一実施形態では、「薄い」レンズ2のレンズ入射面21及びレンズ出射面22は実質的に平らである。
【0088】
図5は、本発明の別の実施形態による熱発光装置の「厚い」レンズ2の切断図を示す。示されたマップ縮尺は、「厚い」レンズ2の可能なサイズの指標を与えるだけであり、限定的であると考えるべきではない。
【0089】
図5の実施形態では、レンズ出射面22は(少なくとも部分的に)湾曲していて、光の少なくとも一部を、反射を介して熱発光膜10上に戻すようになっている。一実施形態では、レンズ出射面22の少なくとも一部は凸状である。
図5の実施形態では、全レンズ出射面22が凸状である。
【0090】
本出願人によって実施された複数試験は、「厚い」レンズ2による正味透過率が約71%であり、残りの29%が熱発光膜10によって再吸収されると推定可能であることを示す。
【0091】
曲面のレンズ出射面22を備えるレンズ2の使用にはさらなる利点がある。それは、熱発光装置1の効率を高めるだけでなく、放出をより指向性にする。
【0092】
出願人が実施した複数の試験は、屈折率が3.5のレンズの場合、レンズ入射面での屈折だけで光ビームの角度広がりが+/-11.6°であることを示す。熱発光膜10の開口についての数値NAは0.95から約0.2に変更されていて、他の外部光学素子を必要としないため、多くの用途において大きな有利点を持つ。
【0093】
一実施形態では、熱発光装置1は、放射光をさらにコリメートする外部光学系を備える。
【0094】
図6は、
図5の熱放射装置1の「厚い」レンズ2の切断図を、レンズ出射面を越えた光伝搬の一実施形態と共に示す。図示の実施形態では、光線はレンズ出射面22においてずれていない。別の(非図示)実施形態では、光線はレンズ出射面22においてずれているものがあり得る。示されたマップ縮尺は、「厚い」レンズ2の可能なサイズの指標を与えるだけであり、限定的であると考えるべきではない。
【0095】
レンズ2の開口を制限するため、レンズ2の形状を変更するか、レンズの出射面22の一部にミラーを置いてよい。このミラーは、光を遮断して熱発光膜10に反射し、熱発光膜10で光を反射するか、熱発光膜10で再吸収できるという二倍の有利点を持つ。
【0096】
図7は、本発明の別の実施形態による、レンズ出射面22の一部23上にミラーを備える熱発光装置の「厚い」レンズ2の切断図を示す。示されたマップ縮尺は、「厚い」レンズ2の可能なサイズの指標を与えるだけであり、限定的であると考えるべきではない。
【0097】
図7の実施形態では、レンズ出射面22は湾曲部24を備える。ミラー23は、湾曲部24の両端に配置され、それゆえ光束の出射角度を制限することにより、その指向性を向上できる。
【0098】
好ましい一実施形態において、熱発光膜10は湾曲している(
図7では見えない)。これにより、レンズ2における出射光の往復回数をより多くできる。
【0099】
レンズ2上のミラー23から反射された光及び熱発光膜から反射された光が逃げるために、一実施形態では、ミラー部23はわずかに焦点がずれている、すなわち、放出が正確な焦点に配置されていないため、ぼけは放出寸法のスケールで小さいままでなければならない。別の実施形態では、熱発光膜はわずかに湾曲している(レンズに向かって上向きに弓の形に曲がっている)ので、ミラー23から反射された光は元の経路に正確に後退しない。上向きの弓形の形態は、放出寸法の設定値で小さくする必要がある。
【0100】
本出願人によって実施された試験は、弓形のミラー23がミラー23から反射された光を逃げ円錐部に結合し、それによって熱発光装置の効率を直接改善することを示している。
【0101】
一実施形態では、ミラー部23は、出射レンズ表面に軸外開口を備える。これにより、装置の放射率を向上できる。
【0102】
一実施形態では、装置の放射率は、(コールド)ミラーを使用することによって改善される。
【0103】
図8は、コールドミラー200を備える、すなわち、対象の波長で熱発光しないミラーを備えた熱発光システム1000を概略的に示す。
図8ではミラーを湾曲したものとして図示しているが、本発明は曲面ミラーに限定されず、任意の形状の鏡、例えば平面鏡を包含する。
図8の異なる要素のサイズと比率はあくまでも目安であり、必ずしも実際のサイズそれぞれ比率に対応しているわけではない。同じことが描かれた矢印の傾きにも当てはまる。
【0104】
吸収材料の場合、ε=1-Rm、ここでRmは材料の反射率である。材料から放出光の一部を同じ表面から反射することにより、実効放射率を高められる。
【0105】
この実施形態は、第1熱発光装置100から放射された光の一部が同じ表面から戻ってくるコールドミラー200による反射に基づいて、実効放射率又は第1熱発光装置100を増加させるためである。
【0106】
P
1を第1熱発光装置100が光学300及びミラー200に向かって放射するパワーとする。その後は以下である。
【数4】
【0107】
反射率Rを持つコールドミラー200によって第1熱発光装置100に向けて反射されたパワーは、その後、以下になる。
【数5】
【0108】
コールドミラー200によって反射されたパワーP2は、その後、熱発光装置によって以下のP3として反射される。
【数6】
ここでR
mは、第1熱発光装置100の材料の反射率である。
【数7】
【0109】
総放出パワーが保存されるため、ミラー200での損失の可能性も少なくなる。光学に対するパワーはdA1・Ω1を決して超えられないので、熱力学の第二法則が満たされる。
【0110】
本発明の一実施形態による熱発光装置は、
図8に描かれている、(本願発明の)考え方の1実装形態である。
【0111】
図9は、本発明の一実施形態による熱発光装置1の切断図を示し、軸外ミラー23を備える。ミラーは開口部26を備える。
図9の熱発光装置1は、この開示では(非図示であるが)レンズも備えるものとする。
【0112】
図9の態様では、円錐体W1でミラー23に向かう発光(熱)が熱発光膜10に反射されて戻ってくる。パワーの一部は熱発光膜10で再吸収され、パワーの一部は開口部26を介して反射され、開口部26に向かって放出された元のパワーと合算して、パワー出力を増強する。
【0113】
図10は、本発明の別の実施形態による熱発光装置1の切断図を示し、レンズ出射面22上に軸外ミラーを備える。
【0114】
この実施形態では、開口部26はレンズ出射面22 22上にあるので、光はより指向性がある。この実施形態は、(集光角度に)(近い)レンズと、試料から光を反射するミラー23の有利点を兼ね備えている。
【0115】
図11は、本発明の別の実施形態による熱発光装置1の切断図を示し、レンズ出射面22上に軸外ミラーを備える。
【0116】
この構成では、光をさらに制御するため、開口部はレンズ2の他の部分とは異なる形状を持ち得るだろう。
【0117】
図12は、本発明による熱発光装置1の一例を示し、ここでは、熱発光膜10は、熱発光膜10に接続された複数の抵抗腕部4を備え、熱発光膜10は抵抗腕部によって吊られていて、熱発光膜10は、それらの抵抗腕部4を介して熱発光温度まで加熱されるものである。
図12の図示例における腕部4の各々は、長さ5、幅6及び厚み7を持ち、断面積は膜10のそれよりはるかに小さい。
接続パッド3は、(熱発光)膜10が腕部4及びパッド3によって基板に対してのみ支持されるように、基板への機械的接続を提供するように設計されている。接続パッド3は、腕部4への電気的接続を提供し、それによって膜10への電気的接続を提供する。膜10、パッド3及び腕部4は、単一の連続した材料片からなることが好ましい。この熱発光装置1とこの(熱)発光膜10との少なくとも一方の他の特徴及び他の実施形態は、出願人によって提出され、参照によりここに同封される特許文献1、特許文献2又は特許文献3(WO2020012042、WO2021144463又はWO2021144464)に記載されている。
【0118】
図12の実施形態では、膜10は、出願人によって提出された特許文献7(出願番号EP20220155542を持つ特許出願)に記載されているように、異なる孔を備えるものであり、その出願内容は参照することでここに入れることとする。
【0119】
特許文献7(出願番号EP20220155542の特許出願)に記載されている膜10上の孔の存在は、
図12の実施形態に限定されるものではない。ミラーを備える本発明の他の実施形態についても同様である。
【符号の説明】
【0120】
1 熱発光装置
2 レンズ
3 接続パッド
4 腕部
5 腕部の長さ
6 腕部の幅
7 腕部の太さ
8 筐体
10 熱発光膜
11 第1表面
12 第2表面
13 支持部
21 入射レンズ表面
22 出射レンズ表面
23 鏡面部
24 湾曲部
26 開口
20 コールドミラー
100 放出光
200 コールドミラー
300 光学系
400 第2熱発光装置
1000 熱発光システム
D 距離
P1、…Pj (発光、発熱の)パワー
T レンズの厚み
S ランバート光源
Ω1,Ω2 立体角
【外国語明細書】