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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036337
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】塗装装置、塗装膜および塗装方法
(51)【国際特許分類】
   B05C 11/10 20060101AFI20240308BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20240308BHJP
   B05D 1/26 20060101ALI20240308BHJP
   B05B 12/00 20180101ALN20240308BHJP
【FI】
B05C11/10
B05C5/00 101
B05D1/26 Z
B05B12/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023220956
(22)【出願日】2023-12-27
(62)【分割の表示】P 2021542676の分割
【原出願日】2020-07-31
(31)【優先権主張番号】P 2019159140
(32)【優先日】2019-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】穂積 大輔
(72)【発明者】
【氏名】松元 歩
(57)【要約】
【課題】塗装品質を向上できる。
【解決手段】塗装装置は、凸状の曲面を有する被塗装物の塗装領域を塗装する。塗装装置は、ヘッドと、アームと、制御部とを備える。ヘッドは、ノズル面を有する。アームは、ヘッドを保持する。制御部は、アームを介してヘッドの動きを制御する。制御部は、塗装領域の端部側に位置するノズル面と被塗装物との間隔が、塗装領域の中央側に位置するノズル面と被塗装物との間隔よりも小さい姿勢で、塗装領域の端部に沿う第1方向にヘッドを移動させる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
凸状の曲面を有する被塗装物の塗装領域を塗装する塗装装置であって、
ノズル面を有するヘッドと、
前記ヘッドを保持するアームと、
前記アームを介して前記ヘッドの動きを制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、
前記塗装領域の端部側に位置する前記ノズル面と前記被塗装物との間隔が、前記塗装領域の中央側に位置する前記ノズル面と前記被塗装物との間隔よりも小さい姿勢で、前記塗装領域の前記端部に沿う第1方向に前記ヘッドを移動させる
塗装装置。
【請求項2】
凸状の曲面を有する被塗装物の塗装領域を塗装する塗装装置であって、
ノズル面を有するヘッドと、
前記ヘッドを保持するアームと、
前記ノズル面からの塗装材料の吐出を制御する制御部と
を備え、
前記ヘッドは、
前記塗装領域の端部と、前記塗装領域の中央部との間で、前記塗装材料の吐出滴の大きさを異ならせて吐出する
塗装装置。
【請求項3】
前記中央部に吐出される吐出滴は、前記端部に吐出される吐出滴よりも小さい
請求項2に記載の塗装装置。
【請求項4】
前記端部に吐出される吐出滴は、前記中央部に吐出される吐出滴よりも小さい
請求項2に記載の塗装装置。
【請求項5】
前記ヘッドは、前記吐出滴の大きさの異なる複数のヘッドを含む
請求項2~4のいずれか1つに記載の塗装装置。
【請求項6】
凸状の曲面を有する被塗装物の塗装領域を塗装する塗装装置であって、
ノズル面を有するヘッドと、
前記ヘッドを保持するアームと、
前記ノズル面からの塗装材料の吐出を制御する制御部と
を備え、
前記ヘッドは、
前記塗装領域の曲率の大きさに応じて、前記塗装材料の吐出滴の大きさを異ならせて吐出する
塗装装置。
【請求項7】
凸状の曲面を有する被塗装物の塗装領域を塗装する塗装装置であって、
ノズル面を有するヘッドと、
前記ノズル面からの塗装材料の吐出を制御する制御部と
を備え、
前記塗装領域の端部における前記塗装材料の吐出密度が、前記塗装領域の中央部における前記吐出密度よりも大きい
塗装装置。
【請求項8】
前記ヘッドを保持し、前記制御部の制御に基づいて前記ヘッドを動作させるアームを備え、
前記制御部は、前記ノズル面に開口する複数の吐出孔を平面視で一部重複させて前記ヘッドを移動させ、
前記吐出孔の重複部分における前記吐出密度が、重複部分以外における前記吐出密度よりも小さい
請求項7に記載の塗装装置。
【請求項9】
前記ヘッドの解像度が150dpi以上である
請求項1~8のいずれか1つに記載の塗装装置。
【請求項10】
凸状の曲面を有する被塗装物の塗装領域に塗装された塗装膜であって、
前記塗装領域の端部に沿う第1方向に延在する厚膜部を有する
塗装膜。
【請求項11】
前記第1方向に沿って前記厚膜部と隣り合う凹部を有する
請求項10に記載の塗装膜。
【請求項12】
前記塗装領域の中央部分に、前記第1方向に沿って位置する凸部を有し、
前記厚膜部の厚みが、前記凸部の厚みよりも大きい
請求項10または11に記載の塗装膜。
【請求項13】
前記塗装領域の中央部分に、前記厚膜部に並ぶように位置する凸部を有し、
前記厚膜部の厚みが、前記凸部の厚みよりも小さい
請求項10または11に記載の塗装膜。
【請求項14】
凸状の曲面を有する被塗装物の塗装領域を塗装する塗装方法であって、
前記塗装領域の端部側に位置するヘッドのノズル面と前記被塗装物との間隔が、前記塗装領域の中央側に位置する前記ノズル面と前記被塗装物との間隔よりも小さくなるように前記ヘッドを位置させる工程と、
前記塗装領域の前記端部に沿う方向に前記ヘッドを移動させる工程と
を含む塗装方法。
【請求項15】
前記塗装領域の前記端部側に吐出される吐出液が、前記中央側に吐出される吐出液よりも少なくなるように前記ノズル面から塗装材料を吐出する工程
を含む請求項14に記載の塗装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、塗装装置、塗装膜および塗装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット方式を利用した塗装装置が知られている。このようなインクジェット方式の塗装装置には、塗装材料を吐出させるためのヘッドが搭載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6-121944号公報
【特許文献2】特開平7-108212号公報
【発明の概要】
【0004】
実施形態の一態様に係る塗装装置は、凸状の曲面を有する被塗装物の塗装領域を塗装する。塗装装置は、ヘッドと、アームと、制御部とを備える。ヘッドは、ノズル面を有する。アームは、前記ヘッドを保持する。制御部は、前記アームを介して前記ヘッドの動きを制御する。前記制御部は、前記塗装領域の端部側に位置する前記ノズル面と前記被塗装物との間隔が、前記塗装領域の中央側に位置する前記ノズル面と前記被塗装物との間隔よりも小さい姿勢で、前記塗装領域の前記端部に沿う第1方向に前記ヘッドを移動させる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1図1は、実施形態に係る塗装装置の説明図である。
図2図2は、塗装された被塗装物の一例を示す断面図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る塗装装置が有するヘッドの配置の一例を示す説明図である。
図4図4は、第2の実施形態に係る塗装装置から吐出される吐出滴の一例を示す説明図である。
図5A図5Aは、塗装材料の吐出手法を比較する説明図である。
図5B図5Bは、塗装材料の吐出手法を比較する説明図である。
図6図6は、第3の実施形態に係る塗装装置から吐出される吐出滴の一例を示す説明図である。
図7図7は、図6の部分拡大図である。
図8図8は、第4の実施形態に係る塗装装置から吐出される吐出滴の一例を示す説明図である。
図9図9は、実施形態に係る塗装体の一例を示す断面図である。
図10図10は、実施形態の変形例に係るヘッドの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する塗装装置、塗装膜および塗装方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0007】
<塗装装置の構成>
まず、図1を参照して実施形態に係る塗装装置の概要について説明する。図1は、実施形態に係る塗装装置の説明図である。なお、説明を分かりやすくするために、図1には、鉛直上向きを正方向とし、鉛直下向きを負方向とするZ軸を含む3次元の直交座標系を図示している。かかる直交座標系は、後述の説明に用いる他の図面でも示す場合がある。また、図1に示す塗装装置1と同様の構成については同じ符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
【0008】
図1に示すように、塗装装置1は、ヘッド10と、ロボット20と、制御装置40とを備える。
【0009】
ヘッド10は、ロボット20に固定されている。ヘッド10は、制御装置40によって制御されるロボット20の動作に応じて移動する。ヘッド10は、例えば、バルブ方式、ピエゾ方式、またはサーマル方式のインクジェットヘッドを用いることができる。ヘッド10として、ピエゾ方式、またはサーマル方式のインクジェットヘッドを用いると、高解像度化を実現しやすい。
【0010】
ヘッド10は、ノズル面12に位置する複数の吐出孔11から吐出した塗装材料を、ノズル面12と対向する被塗装物30の表面に着弾させることにより、被塗装物30を塗装する。
【0011】
ヘッド10には、図示しないタンクから塗装材料が供給される。ヘッド10は、タンクから供給される塗装材料を吐出する。塗装材料は、揮発成分と不揮発成分とを含む混合物であり、流動性を有する。なお、タンクは、ヘッド10に収容された図示しないリザーバであってもよい。
【0012】
揮発成分は、例えば、水、有機溶剤、アルコールなどであり、例えば粘度や表面張力といった塗装材料の物性を調整する。不揮発成分は、例えば、顔料、樹脂材料、添加剤を含む。顔料は、所望する塗装色に応じて使用される1または複数の着色顔料を含む。樹脂材料は、被塗装物30に付着して成膜する。添加剤は、例えば耐候性等を目的として添加される機能性材料である。
【0013】
なお、吐出孔11に供給される塗装材料は、複数の着色顔料または塗装材料を所定の割合で混合させて所望の塗装色が発現するように調製されたものである。
【0014】
ロボット20は、ヘッド10を保持する。ロボット20は、例えば、6軸の多関節ロボットである。ロボット20は、例えば、垂直多関節ロボットまたは水平多関節ロボットであってもよい。ロボット20は、複数のアーム21を有し、アーム21の先端には、ヘッド10が固定されている。ロボット20は、床面や壁面、天井面などに固定される。なお、保持したヘッド10を適切に移動させることができれば、ロボット20が有するアーム21の自由度に制限はない。
【0015】
制御装置40は、塗装装置1を制御する。制御装置40は、塗装装置1を制御する制御部41と、記憶部45とを含む。制御部41は、吐出制御部42と、動作制御部43とを含む。
【0016】
制御部41は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Desk Drive)、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種回路を含む。かかるコンピュータのCPUは、例えば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部41として機能する。また、制御部41をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成してもよい。
【0017】
吐出制御部42は、記憶部45に記憶された設定情報に基づいてヘッド10を制御し、複数の吐出孔11から被塗装物30に向けて塗装材料を吐出させる。動作制御部43は、記憶部45に記憶された設定情報に基づいて複数のアーム21の動作を制御し、アーム21を介してヘッド10の動きを制御する。ヘッド10と被塗装物30との間の距離は、例えば、0.5~14mm程度に保持される。なお、塗装材料の吐出を含むヘッド10の詳細な動きについては後述する。
【0018】
記憶部45は、例えば、ROMおよびHDDに対応する。ROMおよびHDDは、制御装置40における各種制御のための設定情報を記憶することができる。記憶部45は、ヘッド10による塗装材料の吐出制御に関する情報を記憶する。また、記憶部45は、複数のアーム21の動作制御に関する情報を記憶する。なお、記憶部45は、図示しない端末装置を用いたユーザの教示作業によって入力されたデータを、ロボット20を動作させるための教示データとして記憶してもよい。また、制御部41は、有線や無線のネットワークで接続された他のコンピュータや可搬型記録媒体を介して設定情報を取得することとしてもよい。
【0019】
被塗装物30は、例えば、車体である。被塗装物30は、図示しない搬送装置に載置され、搬出入が行われる。実施形態に係る塗装装置1は、搬送装置を停止させた状態で被塗装物30を塗装する。なお、塗装装置1は、搬送と停止を繰り返し行う被塗装物30を塗装するものであってもよく、被塗装物30の搬送に並行して塗装するものであってもよい。
【0020】
図2は、塗装された被塗装物の一例を示す断面図である。図2に示す被塗装物30は、基材31と、プライマ層32と、第1塗装層33とを含む。基材31は、例えば所定の形状に加工された鋼板であり、必要に応じて電着処理が施されて防錆性が付与される。プライマ層32は、例えば耐候性、発色性、耐剥離性を付与するために設けられる。第1塗装層33は、例えば、平滑性および耐候性を有し、所望の塗装色を付与するベース層である。第1塗装層33の表面が、実施形態に係る塗装装置1で塗装される被塗装面30aとなる。
【0021】
被塗装面30aである第1塗装層33上には、第2塗装層34が位置している。第2塗装層34は、第1塗装層33とは異なる塗装色を有する塗装材料によって、第1塗装層33の一部を覆うように位置する。これにより、被塗装物30は、第2塗装層34が位置する領域36と、第2塗装層34が位置せずに第1塗装層33が露出した領域35とが第2塗装層34の端部37を境界として並ぶいわゆるツートーンカラーに塗装が施された塗装体38となる。
【0022】
図2に示した例では、塗装装置1は、第1塗装層33上の被塗装面30aに第2塗装層34を位置させるとして説明したが、これに限らず、例えばプライマ層32上の塗装面32aに第1塗装層33を位置させる場合に塗装装置1を適用してもよい。
【0023】
なお、塗装体38は、図2に示した例に限られない。例えば、領域35,36の表面に図示しない被覆層が位置してもよい。また、第2塗装層34を有さず、第1塗装層33のみを有してもよく、第1塗装層33の全面に第2塗装層34が位置してもよい。さらに、被塗装物30または塗装体38が、1または複数の図示しない層をさらに有してもよい。
【0024】
<第1の実施形態>
図3は、第1の実施形態に係る塗装装置が有するヘッドの配置の一例を示す説明図である。図3は、ヘッド10およびヘッド10のノズル面12と対向する被塗装物30をY軸負方向側から見た断面図に相当する。なお、説明を容易にするために、被塗装物30は、領域36のうち、X軸方向の中央部分がZ軸正方向側に突出する断面弧状のアーチ形状を有し、被塗装面30aは、被塗装物30の凸状の曲面を含むとする。被塗装物30は、例えば車体の外装のボンネット、ルーフ、あるいはピラーなどである。また、被塗装物30は、例えば車体の内装のインストルメントパネル、グローブボックス、あるいはセンターコンソールなどであってもよい。
【0025】
また、以下に説明する各実施形態では、ヘッド10が領域36に第2塗装層34を位置させる塗装材料を吐出する場合を例に挙げて説明する。また、以下に説明する各実施形態に係る塗装装置1は、ヘッド10の動作を除いて共通の構成を有している。このため、例えばロボット20や制御装置40など、ヘッド10を除く他の構成は図示を省略する。
【0026】
図3に示すヘッド10は、被塗装物30と対向させた状態で、第1方向としてのY軸方向に移動する。ヘッド10は、例えば、1m/分以上5m/分以下の面積塗装速度を達成すればよい。このような面積塗装速度を達成するためには、ヘッド10の印画領域の長さを100mmとしたときに、ヘッド10のX軸方向への移動速度は、例えば1.67×10mm/s以上41.67×10mm/s以下の所定の速度でX軸方向へ移動させればよい。なお、この例は、ヘッド10を1つ利用したものであり、ヘッド10を2つ以上用いてもよい。
【0027】
また、ヘッド10の解像度は、例えば、150dpi(dots per inch)以上とすることができる。より好ましくは、ヘッド10の解像度は、300dpi以上である。ヘッド10の解像度が、150dpi以上であることにより、レベリング性が向上し、塗装膜の品質が向上する。なお、必ずしもヘッド10の解像度は150dpi以上でなくてもよい。
【0028】
また、ヘッド10は、塗装領域としての領域36のうち、端部37a側に位置する端部領域36aでは、端部37a側に位置するノズル面12と被塗装物30との間隔d1が、領域36の中央側に位置するノズル面12と被塗装物30との間隔d2よりも小さくなるように傾いた姿勢で被塗装面30aに対して対向している。
【0029】
このように被塗装面30aに対してヘッド10を傾けて位置させることにより、ノズル面12と領域36の端部37aとの距離が小さくなる。これにより、例えば端部37a上に位置することとなる第2塗装層34の境界がシャープになり、見栄えが良くなる。このため、本実施形態に係る塗装装置1によれば、塗装品質を向上することができる。
【0030】
ここで、間隔d1は、例えば、0.5~14mm程度とすることができる。また、間隔d2は、例えば、2.0~30mm程度とすることができる。ただし、間隔d1,d2については、ヘッド10の大きさや被塗装面30aの曲率に応じて変更できる。
【0031】
また、領域36のうち、端部領域36aの間に位置する中央領域36bでは、ノズル面12と被塗装物30との間隔d3は、例えば、d1以上d2未満とすることができる。このように間隔d3を規定することにより、第2塗装層34の厚さを安定させやすくなり、塗装品質を向上することができる。
【0032】
また、端部領域36aのX軸方向に沿う長さL1は、領域36のX軸方向に沿う全長Lに対し、長さL1=0.1L程度、例えば長さL1=0.05L以上0.15L以下とすることができる。また、端部領域36aは、中央領域36bよりも傾斜している領域である。これにより、端部領域36aと中央領域36bとの境目が目立ちにくくなり、塗装品質を向上することができる。また、端部領域36aと非塗布領域との境界が明確になり、見栄えが良くなる。本実施形態では、被塗装面30aの曲率は、中央領域36bよりも端部領域36aの方が大きいとして図示したが、これに限られない。例えば、端部領域36aの曲率を中央領域36bよりも小さくしてもよく、被塗装面30aの全体にわたって、曲率を一定としてもよい。
【0033】
<第2の実施形態>
図4は、第2の実施形態に係る吐出滴の一例を示す説明図である。図4に示すように、塗装領域としての領域36のうち、端部37a側に位置する端部領域36cと、端部領域36cの間に位置する中央領域36dとでは、ノズル面12から吐出された塗装材料による吐出滴の大きさが異なる。具体的には、端部領域36cに位置する吐出滴16aが、中央領域36dに位置する吐出滴16bよりも大きい。
【0034】
このように吐出滴16aを吐出滴16bよりも大きくすることにより、例えば端部37a上に位置することとなる第2塗装層34のコントラストが強くなり、見栄えが良くなる。このため、塗装品質を向上することができる。
【0035】
ここで、端部領域36cの被塗装面30a上に吐出される塗装材料の吐出手法について、図5A図5Bを用いて説明する。図5A図5Bは、塗装材料の吐出手法を比較する説明図である。
【0036】
図5Aに示す例では、ヘッド10のノズル面12から吐出された吐出液としての塗装材料16a1に対応する大きさの吐出滴16aが被塗装面30a上に位置する。すなわち、塗装材料16a1の吐出量は、吐出滴16aの大きさに対応している。図5Aに示すヘッド10は、例えば、吐出滴16bを吐出するヘッド10とは別に用意するとよい。このため、実施形態に係る塗装装置1は、吐出滴16の大きさの異なる複数のヘッド10を含むことができる。
【0037】
一方、図5Bに示す例では、ヘッド10のノズル面12から吐出された塗装材料16a2のサイズが、吐出滴16aよりも小さい点で図5Aに示す例と相違する。塗装材料16a2の吐出間隔を制御して、被塗装面30aに到達するまでに複数の塗装材料16a2を合一させることで、塗装材料16a2よりも大きな吐出滴16aを被塗装面30a上に位置させることができる。このため、実施形態に係る塗装装置1は、吐出制御部42がノズル面12からの吐出間隔を制御することにより、被塗装面30aの単位面積あたりにヘッド10から吐出される吐出液としての塗装材料16a2の量を異ならせることができる。これにより、1種類のヘッド10で端部領域36cおよび中央領域36dを塗装することができる。
【0038】
図4に戻り、端部領域36cのX軸方向に沿う長さL2は、領域36のX軸方向に沿う全長Lに対し、長さL2=0.1L程度、例えば長さL2=0.05L以上0.15L以下とすることができる。また、端部領域36cは、中央領域36dよりも傾斜している領域である。これにより、端部領域36cと中央領域36dとの境目が目立ちにくくなり、塗装品質を向上することができる。また、端部領域36cと非塗布領域との境界が明確になり、見栄えが良くなる。
【0039】
<第3の実施形態>
図6は、第3の実施形態に係る吐出滴の一例を示す説明図である。図6に示すように、塗装領域としての領域36のうち、端部37a側に位置する端部領域36eと、端部領域36eの間に位置する中央領域36fとでは、ノズル面12から吐出された塗装材料の吐出密度が異なる。具体的には、端部領域36eに位置する吐出滴16の吐出密度が、中央領域36fに位置する吐出滴16の吐出密度よりも大きい。
【0040】
このように端部領域36eに位置する吐出滴16の吐出密度を中央領域36fに位置する吐出滴16の吐出密度よりも大きくすることにより、例えば端部37a上に位置することとなる第2塗装層34のコントラストが強くなり、見栄えが良くなる。このため、塗装品質を向上することができる。
【0041】
ここで、端部領域36eのX軸方向に沿う長さL3は、領域36のX軸方向に沿う全長Lに対し、長さL3=0.1L程度、例えば長さL3=0.05L以上0.15L以下とすることができる。また、端部領域36eは、中央領域36fよりも傾斜している領域である。これにより、端部領域36eと中央領域36fとの境目が目立ちにくくなり、塗装品質を向上することができる。また、端部領域36eと非塗布領域との境界が明確になり、見栄えが良くなる。
【0042】
また、上述したように、実施形態に係る塗装装置1は、第1方向としてのY軸方向にヘッド10を移動させた後、ノズル面12のX軸方向の寸法に応じてX軸方向にヘッド10を変位させて、再度Y軸方向に移動させる。この点につき、図7を用いて説明する。
【0043】
図7は、図6の部分拡大図である。図7に示す領域80は、図6に示す中央領域36fにおける領域80を拡大視したものに相当する。
【0044】
図7では、X軸方向の位置10-aに位置するヘッド10がY軸方向に移動することで被塗装面30a上の領域80に吐出された吐出滴16を吐出滴16-A、位置10-bに位置するヘッド10から被塗装面30a上の領域80に吐出された吐出滴16を吐出滴16-Bとして模式的に示している。
【0045】
このとき、部分81では、ノズル面12に開口する複数の吐出孔11のうち、位置10-Aに位置するヘッド10のX軸正方向側の端部に位置する吐出孔11と、位置10-Bに位置するヘッド10のX軸負方向側の端部に位置する吐出孔11とが平面視で重複している。このように吐出孔11の一部を平面視で重複させることにより、塗装の抜けやかすれを低減できる一方、塗装むらの発生が懸念される。
【0046】
そこで、図7に示すように、吐出孔11の重複部分としての部分81における吐出密度が、部分81以外における吐出密度よりも小さくなるようにノズル面12からの塗装材料の吐出を制御する。これにより、例えば部分81における塗装むらの発生が低減するため、塗装品質を向上することができる。なお、図7に示した例では部分81における吐出滴16-Aおよび吐出滴16-Bの吐出密度が同程度に低減されたが、これに限らず、吐出滴16-Aおよび吐出滴16-Bの吐出密度が異なってもよい。また、部分81における吐出密度が、ヘッド10ごとにそれぞれ部分81以外における吐出密度よりも小さくなるように吐出すればよく、例えば、部分81における吐出密度が、部分81以外における吐出密度の60%(すなわち、部分81における吐出密度は120%)であっても許容される。
【0047】
<第4の実施形態>
図8は、第4の実施形態に係る吐出滴の一例を示す説明図である。図8に示すように、塗装領域としての領域36のうち、端部37a側に位置する端部領域36gと、端部領域36gの間に位置する中央領域36hとでは、ノズル面12から吐出された塗装材料による吐出滴の大きさが異なる点で第3の実施形態と共通する。本実施形態では、端部領域36gに位置する吐出滴16aが、中央領域36hに位置する吐出滴16bよりも小さい。
【0048】
このように吐出滴16aを吐出滴16bよりも小さくすることにより、例えば中央領域36hよりも曲率が大きい端部37a上に位置する吐出滴16bが液だれしにくくなり、塗装品質を向上することができる。また、端部領域36gと非塗布領域との境界が明確になり、見栄えが良くなる。
【0049】
ここで、端部領域36gのX軸方向に沿う長さL4は、領域36のX軸方向に沿う全長Lに対し、長さL4=0.1L程度、例えば長さL4=0.05L以上0.15L以下とすることができる。また、端部領域36gは、中央領域36hよりも傾斜している領域である。これにより、端部領域36gと中央領域36hとの境目が目立ちにくくなり、塗装品質を向上することができる。また、端部領域36gと非塗布領域との境界が明確になり、見栄えが良くなる。
【0050】
<塗装膜>
次に、実施形態に係る塗装膜について説明する。図9は、実施形態に係る塗装体の一例を示す断面図である。
【0051】
図9に示すように、塗装膜としての第2塗装層34は、塗装領域としての領域36のうち、端部37a側に位置する端部領域36jに、端部37aに沿う第1方向としてのY軸方向に延在する厚膜部34aを有する。厚膜部34aの厚みd11は、端部領域36jの間に位置する中央領域36kにおける第2塗装層34の厚みd12よりも大きい。これにより、例えば第2塗装層34の端部37のコントラストが強くなり、見栄えが良くなる。このため、塗装品質を向上することができる。
【0052】
また、第2塗装層34は、Y軸方向に沿って厚膜部34aと隣り合う凹部34cを有する。これにより、厚膜部34aが存在することで生じる応力を緩和でき、被塗装面30aからの第2塗装層34の剥離が低減される。なお、凹部34cは、断面視した厚膜部34aと中央領域36kとが交差する変曲点をいい、第2塗装層34の厚みd12よりも厚みが小さいことを要しない。
【0053】
ここで、厚みd11は、例えば7μm~70μm程度とすることができる。また、厚みd12は、例えば5μm~50μm程度とすることができる。
【0054】
また、第2塗装層34は、塗装領域の中央部分としての中央領域36kに、Y軸方向に沿って位置する複数の凸部34bを有する。凸部34bにおける第2塗装層34の厚みd12が、厚膜部34aの厚みd11よりも小さいと、例えば凸部34bにおける塗装むらの発生が低減するため、塗装品質を向上することができる。一方、凸部34bにおける第2塗装層34の厚みd12が、厚膜部34aの厚みd11よりも大きいと、例えば端部37のコントラストが強くなり、見栄えが良くなる。このため、塗装品質を向上することができる。なお、第2塗装層34上に被覆層39を位置させた塗装体38では、例えば凸部34bに由来する色むらが目立たなくなり、塗装品質がさらに向上する。
【0055】
<第1の実施形態の変形例>
上記した各実施形態では、被塗装物30はアーチ形状の曲面を有するとして説明したが、これに限らず、例えばドーム形状の曲面であってもよい。また、被塗装物30の被塗装面30aは、平面であってもよく、絞り加工により作製されたものでもよい。図10は、第1の実施形態の変形例に係るヘッドの配置の一例を示す説明図である。
【0056】
図10に示す被塗装物30は、被塗装面30aが平面である点で第1の実施形態に係る塗装装置1が塗装する被塗装面30aと相違する。
【0057】
また、ヘッド10は、塗装領域としての領域36のうち、端部37a側に位置する端部領域36mでは、端部37a側に位置するノズル面12と被塗装物30との間隔d21が、領域36の中央側に位置するノズル面12と被塗装物30との間隔d22よりも小さくなるように傾いた姿勢で被塗装面30aに対して対向している。
【0058】
このように被塗装面30aに対してヘッド10を傾けて位置させることにより、ノズル面12と端部37aとの距離が小さくなる。これにより、例えば端部37a上に位置することとなる第2塗装層34の境界がシャープになり、見栄えが良くなる。このため、塗装品質を向上することができる。
【0059】
ここで、間隔d21は、例えば、0.5~20mm程度とすることができる。また、間隔d22は、例えば、2~30mm程度とすることができる。
【0060】
また、領域36のうち、端部領域36mの間に位置する中央領域36nでは、ノズル面12と被塗装物30との間隔d23は、例えば、d21以上d22未満とすることができる。このように間隔d23を規定することにより、第2塗装層34の厚さを安定させやすくなり、塗装品質を向上することができる。なお、図10に示した例では、領域36の全体にわたってヘッド10の中心14と被塗装面30aとの間隔24が常に一定となるように移動する。これにより、第2塗装層34の厚さをさらに安定させやすくなり、塗装品質を向上することができる。
【0061】
また、端部領域36mのX軸方向に沿う長さL5は、領域36のX軸方向に沿う全長Lに対し、長さL5=0.1L程度、例えば長さL5=0.05L以上0.15L以下とすることができる。
【0062】
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、上述の実施形態では、単色の塗装材料を吐出する1つのヘッド10を備える塗装装置1について説明したが、例えば、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)およびブラック(K)といった基本色の塗装材料を吐出するヘッド10をそれぞれ保持するロボット20を備えてもよい。
【0063】
また、上述の実施形態では、被塗装面30a上をZ軸正方向側から塗装する例について示したが、これに限らず、例えばZ軸負方向側から塗装してもよく、YZ平面またはZX平面に沿うように位置する側面を被塗装面30aとしてもよい。さらに、Z軸に対して斜めに位置する被塗装面30aを塗装する場合に塗装装置1を適用してもよい。
【0064】
また、第1~第4の実施形態のうち2つ以上を組み合わせてもよい。かかる場合、長さL1~L4は、それぞれ同じであってもよく、異なってもよい。
【0065】
以上のように、実施形態に係る塗装装置1は、凸状の曲面を有する被塗装物30を塗装する。塗装装置1は、ヘッド10と、アーム21と、制御部41とを備える。ヘッド10は、ノズル面12を有する。アーム21は、ヘッド10を保持する。制御部41は、アーム21を介してヘッド10の動きを制御する。制御部41は、被塗装物30の塗装領域の端部37a側に位置するノズル面12と被塗装物30との間隔d1が、塗装領域の中央側に位置するノズル面12と被塗装物30との間隔d2よりも小さくなるようにヘッド10を位置させた状態で、塗装領域の端部37aに沿う第1方向にヘッド10を移動させる。このため、塗装品質を向上できる。
【0066】
また、実施形態に係る塗装装置1は、凸状の曲面を有する被塗装物30を塗装する。塗装装置1は、ヘッド10と、アーム21と、制御部41とを備える。ヘッド10は、ノズル面12を有する。アーム21は、ヘッド10を保持する。制御部41は、アーム21を介してヘッド10の動きを制御する。ヘッド10は、塗装領域の端部と、塗装領域の中央部との間で、塗装材料の吐出滴の大きさを異ならせて吐出する。これにより、塗装品質を向上できる。
【0067】
また、実施形態に係る塗装装置1は、凸状の曲面を有する被塗装物30を塗装する。塗装装置1は、ヘッド10と、制御部41とを備える。ヘッド10は、ノズル面12を有する。制御部41は、ノズル面12からの塗装材料の吐出を制御する。被塗装物30の塗装領域の端部における塗装材料の吐出密度が、塗装領域の中央部における吐出密度よりも大きい。これにより、塗装品質を向上できる。
【0068】
また、実施形態に係る塗装膜は、被塗装物30の塗装領域の端部に沿う第1方向に延在する厚膜部34aを有する。これにより、塗装品質を向上できる。
【0069】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0070】
1 塗装装置
10 ヘッド
11 吐出孔
12 ノズル面
16 吐出滴
20 ロボット
21 アーム
30 被塗装物
30a 被塗装面
40 制御装置
41 制御部
42 吐出制御部
43 動作制御部
45 記憶部
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-01-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
凸状の曲面を有する車体の塗装領域を塗装する塗装装置であって、
ノズル面を有するインクジェットヘッドと、
前記インクジェットヘッドを保持するアームと、
前記アームを介して前記インクジェットヘッドの動きを制御する制御部と
を備え、
前記塗装領域は、端部側に位置する端部領域と、中央側に位置する中央領域とを有し、
前記制御部は、
前記端部領域において、前記塗装領域の端部側に位置する前記ノズル面と前記車体との間隔が、前記塗装領域の中央側に位置する前記ノズル面と前記車体との間隔よりも小さい姿勢で、前記塗装領域の前記端部に沿う第1方向に前記インクジェットヘッドを移動させる
塗装装置。
【請求項2】
インクジェットヘッドは、
前記端部域と、前記中央域との間で、前記ノズル面からの塗装材料の吐出滴の大きさを異ならせて吐出する
請求項1に記載の塗装装置。
【請求項3】
前記中央領域に吐出される吐出滴は、前記端部領域に吐出される吐出滴よりも小さい
請求項2に記載の塗装装置。
【請求項4】
前記端部領域に吐出される吐出滴は、前記中央領域に吐出される吐出滴よりも小さい
請求項2に記載の塗装装置。
【請求項5】
前記インクジェットヘッドは、前記吐出滴の大きさの異なる複数のインクジェットヘッドを含む
請求項2~4のいずれか1つに記載の塗装装置。
【請求項6】
インクジェットヘッドは、
前記塗装領域の曲率の大きさに応じて、前記ノズル面からの塗装材料の吐出滴の大きさを異ならせて吐出する
請求項1に記載の塗装装置。
【請求項7】
端部域における前記ノズル面からの塗装材料の吐出密度が、前記中央域における前記吐出密度よりも大きい
請求項1に記載の塗装装置。
【請求項8】
前記インクジェットヘッドを保持し、前記制御部の制御に基づいて前記インクジェットヘッドを動作させるアームを備え、
前記制御部は、前記ノズル面に開口する複数の吐出孔を平面視で一部重複させて前記インクジェットヘッドを移動させ、
前記吐出孔の重複部分における前記吐出密度が、重複部分以外における前記吐出密度よりも小さい
請求項7に記載の塗装装置。
【請求項9】
請求項1に記載の塗装装置により、凸状の曲面を有する車体の塗装領域に塗装された塗装膜であって、
前記塗装領域の端部に沿う第1方向に延在する厚膜部を有する
塗装膜。
【請求項10】
前記第1方向に沿って前記厚膜部と隣り合う凹部を有する
請求項に記載の塗装膜。
【請求項11】
前記中央域に、前記第1方向に沿って位置する凸部を有し、
前記厚膜部の厚みが、前記凸部の厚みよりも大きい
請求項または1に記載の塗装膜。
【請求項12】
前記中央域に、前記厚膜部に並ぶように位置する凸部を有し、
前記厚膜部の厚みが、前記凸部の厚みよりも小さい
請求項または1に記載の塗装膜。
【請求項13】
凸状の曲面を有する車体の塗装領域を塗装する塗装方法であって、
前記塗装領域は、端部側に位置する端部領域と、中央側に位置する中央領域とを有し、
前記端部領域において、前記塗装領域の端部側に位置するインクジェットヘッドのノズル面と前記車体との間隔が、前記塗装領域の中央側に位置する前記ノズル面と前記車体との間隔よりも小さくなるように前記インクジェットヘッドを位置させる工程と、
前記塗装領域の前記端部に沿う第1方向に前記インクジェットヘッドを移動させる工程と
を含む塗装方法。