IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝テック株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-会計装置およびプログラム 図1
  • 特開-会計装置およびプログラム 図2
  • 特開-会計装置およびプログラム 図3
  • 特開-会計装置およびプログラム 図4
  • 特開-会計装置およびプログラム 図5
  • 特開-会計装置およびプログラム 図6
  • 特開-会計装置およびプログラム 図7
  • 特開-会計装置およびプログラム 図8
  • 特開-会計装置およびプログラム 図9
  • 特開-会計装置およびプログラム 図10
  • 特開-会計装置およびプログラム 図11
  • 特開-会計装置およびプログラム 図12
  • 特開-会計装置およびプログラム 図13
  • 特開-会計装置およびプログラム 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024003635
(43)【公開日】2024-01-15
(54)【発明の名称】会計装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/01 20060101AFI20240105BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20240105BHJP
   G06Q 30/0207 20230101ALI20240105BHJP
【FI】
G07G1/01 301D
G07G1/12 321N
G06Q30/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022102912
(22)【出願日】2022-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 尉修
【テーマコード(参考)】
3E142
5L049
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142CA12
3E142CA17
3E142DA08
3E142EA04
3E142EA21
3E142EA23
3E142FA18
3E142FA42
3E142GA02
3E142JA01
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】本発明が解決しようとする課題は、オペレータの操作を容易にすることが可能な会計装置およびプログラムを提供することである。
【解決手段】実施形態の会計装置は、商品の取引に係る会計処理を実行する会計処理部と、前記取引を行う顧客を識別する顧客識別情報が入力される入力部と、前記入力部に入力された顧客識別情報によって識別される顧客の会員種別を取得する取得部と、前記取得部が取得した会員種別に応じて、表示部に異なる画面を表示させる表示制御部と、を備える。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の取引に係る会計処理を実行する会計処理部と、
前記取引を行う顧客を識別する顧客識別情報が入力される入力部と、
前記入力部に入力された顧客識別情報によって識別される顧客の会員種別を取得する取得部と、
前記取得部が取得した会員種別に応じて、表示部に異なる画面を表示させる表示制御部と、
を備える会計装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記取得部が取得した会員種別がクーポンの発行対象となった特定会員種別である場合、クーポンを識別するクーポン識別情報の入力を案内する画面を表示させる、
請求項1に記載の会計装置。
【請求項3】
媒体に示されたコードシンボルから前記顧客識別情報、前記クーポン識別情報、および購入対象の商品の商品識別情報のいずれかを読取って前記入力部に対して出力するスキャナをさらに備え、
前記表示制御部は、前記表示部に前記顧客識別情報の入力を案内する画面を表示させている状態で、前記スキャナによって前記クーポン識別情報または前記商品識別情報がスキャンされた場合、当該画面の表示を維持させる、
請求項2に記載の会計装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記表示部に前記顧客識別情報の入力を案内する画面を表示させている状態で、前記スキャナによって前記商品識別情報がスキャンされた場合、前記表示部にエラー情報を表示させる、
請求項3に記載の会計装置。
【請求項5】
媒体に示されたコードシンボルから前記顧客識別情報、前記クーポン識別情報、および購入対象の商品の商品識別情報のいずれかを読取って前記入力部に対して出力するスキャナをさらに備え、
前記表示制御部は、前記表示部に前記クーポン識別情報の入力を案内する画面を表示させている状態で、前記スキャナによって前記顧客識別情報または前記商品識別情報がスキャンされた場合、当該画面の表示を維持させる、
請求項2に記載の会計装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記表示部に前記クーポン識別情報の入力を案内する画面を表示させている状態で、前記スキャナによって前記商品識別情報がスキャンされた場合、前記表示部にエラー情報を表示させる、
請求項5に記載の会計装置。
【請求項7】
会計装置をコンピュータで制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
商品の取引に係る会計処理を実行する会計処理部と、
前記取引を行う顧客を識別する顧客識別情報が入力される入力部と、
前記入力部に入力された顧客識別情報によって識別される顧客の会員種別を取得する取得部と、
前記取得部が取得した会員種別に応じて、表示部に異なる画面を表示させる表示制御部と、
して機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、会計装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品やサービス(以下、総称して「商品」という)を販売する店舗では、顧客の囲い込みを図るために、会員登録を行った顧客に対して特典を付与するサービスを実施している。例えば、店舗は、購入金額に対する所定比率のポイントを会員に付与するサービスなどを展開している。
【0003】
また、近年では顧客の特性に合わせたプロモーションを実行するために、サービスの異なる複数種類の会員制度を採用する企業や店舗(以下、総称して「店舗」ともいう)も増えてきている。店舗は、顧客の要望に応じて、会員IDを保持したカードを保有するカード会員や、スマートフォン等の携帯端末に会員用アプリケーションプログラムをインストールしたアプリ会員などを設定している。
【0004】
このようにサービスが異なる複数種類の会員制度を採用している場合、商品を購入する顧客によって会計装置の操作が異なる場合がある。例えば、アプリ会員のみにクーポンが配信されると、顧客が当該アプリ会員である場合にはクーポン情報の入力が生じる場合がある。このため、会計装置を操作するオペレータ(店員や顧客)の操作が煩雑であるという問題が生じていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、オペレータの操作を容易にすることが可能な会計装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の会計装置は、商品の取引に係る会計処理を実行する会計処理部と、前記取引を行う顧客を識別する顧客識別情報が入力される入力部と、前記入力部に入力された顧客識別情報によって識別される顧客の会員種別を取得する取得部と、前記取得部が取得した会員種別に応じて、表示部に異なる画面を表示させる表示制御部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態の店舗システムの概略を示す図である。
図2図2は、実施形態のPOS端末の主たるハードウェア構成を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態のPOS端末の記憶部に記憶される商品マスタのデータ構成を示す図である。
図4図4は、実施形態のPOS端末の記憶部に記憶される識別情報管理テーブルのデータ構成を示す図である。
図5図5は、実施形態のPOS端末の記憶部に記憶される会員種別管理テーブルのデータ構成を示す図である。
図6図6は、実施形態のPOS端末の制御部の主たる機能構成を示すブロック図である。
図7図7は、実施形態のサーバ装置の主たるハードウェア構成を示すブロック図である。
図8図8は、実施形態のサーバ装置の記憶部に記憶される会員マスタのデータ構成を示す図である。
図9図9は、実施形態のサーバ装置の記憶部に記憶されるクーポン管理ファイルのデータ構成を示す図である。
図10図10は、実施形態のサーバ装置の制御部の主たる機能構成を示すブロック図である。
図11図11は、実施形態のPOS端末の制御部による取引処理の流れを示すフローチャートである。
図12図12は、実施形態のPOS端末の表示部が表示する会員ID入力案内画面を示す図である。
図13図13は、実施形態のPOS端末の表示部が表示するクーポンID入力案内画面を示す図である。
図14図14は、実施形態のサーバ装置の制御部による会員種別選定処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して実施形態の会計装置およびプログラムについて説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。例えば、以下に説明する実施形態では、顧客が商品登録および会計処理に係る操作を行うセルフPOS(Point Of Sales)端末を会計装置とした例について説明するが、これに限らない。会計装置は、店員が商品登録および会計処理に係る操作を行うPOS端末、店員が登録装置で商品登録に係る操作を行い顧客が会計装置で会計処理に係る操作を行うセミセルフPOSの会計装置、顧客がスマートフォンやタブレット端末を操作して商品登録された情報を取得して会計処理を行う会計装置などとしてもよい。
【0009】
また、以下に説明する実施形態では、会員種別を会員制度の種類とした例について説明するが、これに限らない。会員種別は、同じ会員制度の会員に設定される会員ランクの種類としてもよい。
【0010】
図1は、実施形態の店舗システム1の概略を示す図である。本実施形態の店舗システム1は、例えば、アパレル商品など特定のジャンルの商品を中心に販売する専門店や、スーパーマーケットなどの量販店に適用される。店舗システム1は、複数のPOS端末2と、サーバ装置3とを有する。各POS端末2とサーバ装置3とはLAN(Local Area Network)等のネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。
【0011】
POS端末2は、顧客が商品登録および会計処理に係る操作を行うセルフPOS端末である。POS端末2は、商品を購入する顧客自身の操作によって、当該顧客が購入する商品の商品コードを読取り、読取った商品コードに基づいて取得した商品情報を記憶することによって商品登録を実行する。また、POS端末2は、商品登録された情報に基づいて会計処理を実行する。
【0012】
会計処理は、顧客が支払を行うための処理であって、算出処理、決済処理、レシート発行処理を含む。算出処理は、取引金額を算出する処理等である。決済処理は、算出処理にて算出された取引金額の支払を完了させるための処理で、現金決済においては釣銭の算出および払出等、キャッシュレス決済においては決済用サーバとの通信等を含む。レシート発行処理は、紙レシートあるいは電子レシートを発行するための処理である。POS端末2は、会計装置の一例である。
【0013】
POS端末2は、会計処理において、オペレータに操作を案内する各種画面を表示する。また、POS端末2は、会計処理において、顧客の会員IDを受け付け、当該会員IDで特定される顧客の会員種別、言い換えれば当該顧客が利用する会員制度の種類を取得する。POS端末2は、受付けた会員IDに基づいてサーバ装置3から会員種別を取得してもよいし、会員IDが記憶されたカードなどの媒体から会員種別を取得してもよい。POS端末2は、取得した顧客の会員種別に応じて、オペレータに操作を案内する画面を異ならせる。
【0014】
また、POS端末2は、会計処理が完了した取引の取引データをサーバ装置3に送信する。取引データは、取引日時、取引No、取引金額、購入された商品の商品情報、顧客の会員ID、取引において使用されたクーポンのクーポンID等を含む。
【0015】
ここで、クーポンとは顧客が特典を得るためのクーポン情報が示された媒体であり、例えばクーポン情報が印字された紙クーポン、顧客の端末にクーポン情報が表示されたデジタルクーポンなどがある。また、クーポンIDとはクーポンを特定する情報である。ユーザがクーポンによって得られる特典としては、販売価格から一定の金額を差し引く値引きや販売価格から一定の割合の金額を差し引く割引(以下、総称して「値引き」ともいう)、粗品やグッズなどの無償での受領、金銭価値を有するポイントの受領などがある。本実施形態においては、クーポンによってユーザが得られる特典は値引きであるものとする。
【0016】
サーバ装置3は、会計処理にて決済された取引データをPOS端末2から受信して管理する。サーバ装置3は、POS端末2から受信した取引データ等に基づいて、自身が発行したクーポンの使用状況も管理する。また、サーバ装置3は、店舗で扱う商品の商品情報を記憶した商品マスタを適宜更新し、各POS端末2に送信する。
【0017】
次に、POS端末2について詳細に説明する。図2は、POS端末2の主たるハードウェア構成を示すブロック図である。POS端末2は、制御部20と、記憶部21と、表示部22と、操作部23と、スキャナ24と、プリンタ25と、カードリーダ26と、釣銭機27と、通信部28と、を備えている。制御部20、記憶部21、表示部22、操作部23、スキャナ24、プリンタ25、カードリーダ26、釣銭機27、および通信部28は、バス29等を介して互いに接続されている。
【0018】
制御部20は、CPU201(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203を備えたコンピュータ構成となっている。CPU201、ROM202、およびRAM203は、バス29を介して互いに接続されている。
【0019】
CPU201はPOS端末2の全体の動作を制御する。ROM202は、CPU201の駆動に用いられるプログラムなどの各種プログラムや各種データを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用され、ROM202や記憶部21に記憶された各種プログラムや各種データを展開する。制御部20は、CPU201がROM202や記憶部21に記憶されてRAM203に展開された制御プログラムにしたがって動作することによって、POS端末2の各種制御処理を実行する。
【0020】
また、RAM203は、商品情報部2031および会員種別情報部2032を備える。商品情報部2031は、顧客が購入する商品の商品情報を記憶する。商品情報部2031に記憶される商品情報は、例えば、スキャナ24が商品に付されたコードシンボルから読取った商品コードに基づいて記憶部21から読み出される。商品情報部2031に商品情報が記憶(登録)されることを商品登録ともいう。
【0021】
会員種別情報部2032は、顧客が会員である場合に当該顧客の会員種別等を記憶する。本実施形態においては、会員種別情報部2032には、カード会員、アプリ会員、クーポンなし会員のいずれかを示す情報が記憶される。なお、以下の説明において、カード会員、アプリ会員、クーポンなし会員を総称して会員種別等という場合がある。
【0022】
カード会員は、会員IDが保持された会員カードを所有する顧客であって、商品購入時に購入金額に応じたポイントを得ることができる。ポイントは、次回以降の店舗での買い物で利用できる金銭相当の価値を有するもので、店舗がカード会員に付与する特典である。アプリ会員は、会員用アプリケーションプログラムをインストールしたスマートフォンを所有する顧客であって、上述したポイントを得ることができることに加えてデジタルクーポン(以下、単に「クーポン」ともいう)の発行を受けることができる。クーポンなし会員は、発行されたクーポン全てを使用して利用可能なクーポンを所有していないアプリ会員である。
【0023】
会員種別情報部2032に記憶される会員種別等は、例えば、取引開始時にスキャナ24が顧客の携帯端末に表示されたコードシンボルから読取った会員IDに基づいてサーバ装置3から取得される。あるいは、会員種別情報部2032に記憶される会員種別は、取引開始時にカードリーダ26が顧客の会員カードから読取った会員IDに基づいてサーバ装置3から取得される。
【0024】
記憶部21は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部21は、制御プログラム211、商品マスタ212、識別情報管理テーブル213、および会員種別管理テーブル214を記憶する。
【0025】
制御プログラム211は、スキャナ24で読取られた商品コードに基づいて商品登録を行うためのプログラム、商品情報部2031に記憶された情報に基づいて一取引の会計処理を行うためのプログラム、会員種別情報部2032に記憶された情報に基づいて表示部22の表示を制御するためのプログラム、サーバ装置3と各種情報を送受信するためのプログラムなどである。
【0026】
商品マスタ212は、店舗が販売する商品の商品情報を記憶したマスタファイルであり、サーバ装置3から送信されて記憶部21に記憶される。店舗で扱う商品は日々変化するため、商品マスタ212は適宜更新される。図3は、商品マスタ212のデータ構成を示す図である。商品マスタ212は、商品コードに対応付けて、商品情報を記憶する。記憶される商品情報は、商品名、価格、画像などである。
【0027】
商品コードは、商品を識別する商品識別情報である。商品名は、商品の名称である。価格は、商品の価格である。価格に登録される金額は、税込価格でも税抜価格でもよい。画像は、商品の外観を示す画像データである。
【0028】
識別情報管理テーブル213は、スキャナ24の読み取り対象のバーコードが何を示すものであるかを認識するために設定されたフラグを管理するテーブルである。識別情報管理テーブル213は、店舗の運用、詳細にはスキャナ24で読取るバーコードが示す情報の種類によって任意に設定される。図4は、識別情報管理テーブル213のデータ構成を示す図である。識別情報管理テーブル213は、バーコードフラグと情報種別とを対応付けて記憶する。
【0029】
バーコードフラグは、スキャナ24の読み取り対象である各種バーコードの末尾に設定フラグである。各種バーコードとは、顧客が所有する携帯端末に表示される会員IDを示すバーコード(以下、「会員バーコード」ともいう)、顧客が所有する携帯端末に表示されるクーポンIDを示すバーコード(以下、「クーポンバーコード」ともいう)、商品に付されたバーコード(以下、「商品バーコード」ともいう)である。なお、会員バーコードやクーポンバーコードを示す携帯端末、および商品バーコードを示す商品は、コードシンボルを示す媒体の一例である。全ての会員バーコードの末尾はフラグ「1」を示し、全てのクーポンバーコードの末尾はフラグ「2」を示し、全ての商品バーコードの末尾はフラグ「3」を示すものとなっている。情報種別は、バーコードが示す情報の種別である。
【0030】
これにより、POS端末2は、スキャナ24が認識したバーコードが会員IDを示すものなのか、クーポンIDを示すものなのか、商品コードを示すものなのかを認識することができる。したがって、例えば、表示部22が会員バーコードの入力を案内する画面であるとき、言い換えれば会員バーコードが入力されるべきタイミングのときに、商品バーコードやクーポンバーコードを認識した場合、POS端末2は、認識したバーコードの種類に応じた表示を行うことができる。
【0031】
なお、識別情報管理テーブル213に登録される情報は図示の例に限らない。例えば、識別情報管理テーブル213には、店員がPOS端末2を操作する場合に入力される店員ID(店員識別情報)を示すバーコード等に関する情報が登録されていてもよい。
【0032】
会員種別管理テーブル214は、特定会員種別を設定するためのテーブルである。会員種別管理テーブル214は、店舗の運用、詳細には店舗がどの会員種別を特定会員種別に設定するかによって任意に設定される。本実施形態では、クーポンの発行を受けるアプリ会員を特定会員種別としている。図5は、会員種別管理テーブル214のデータ構成を示す図である。会員種別管理テーブル214は、会員種別等と特定会員種別フラグとを対応付けて記憶する。
【0033】
会員種別等は、店舗が採用する会員制度の種別などである。本実施形態においては、会員種別等は、カード会員、アプリ会員、およびクーポンなし会員である。特定会員種別フラグは、対応する会員種別等が特定会員種別であるか否かを示す情報である。本実施形態においては、カード会員、クーポンなし会員には特定会員種別でないことを示す情報が登録され、アプリ会員には特定会員種別であることを示す情報が登録される。アプリ会員は特定会員種別の一例である。
【0034】
ここで、商品マスタ212、識別情報管理テーブル213、および会員種別管理テーブル214は、記憶部21でなく例えばサーバ装置3などの外部装置に記憶されていてもよい。この場合、POS端末2は、外部装置に記憶された商品マスタ、識別情報管理テーブル、および会員識別管理テーブルを参照することで、商品マスタ212、識別情報管理テーブル213、および会員種別管理テーブル214を記憶部21に記憶した場合と同様の処理を実行することができる。
【0035】
図2に戻って、POS端末2のハードウェア構成を説明する。
【0036】
表示部22は、表示デバイスであり、液晶ディスプレイなどで構成される。表示部22は、制御部20の制御の下、各種情報を表示する。例えば、表示部22は、商品登録された商品の商品情報や、取引金額(一取引の合計金額)などを表示する。また、表示部22は、オペレータに各種情報の入力を案内するガイダンス画面を表示する。
【0037】
操作部23は、入力デバイスであり、表示部22の表面に設けられたタッチパネル、表示部22とは別に設けられたキーボードなどで構成される。操作部23は、オペレータの操作により入力された各種情報を制御部20に入力する。例えば、操作部23は、会計処理の開始を指示する取引開始入力を制御部20に入力する。
【0038】
スキャナ24は、媒体に示された各種コードシンボルから情報を読取る。例えば、スキャナ24は、商品等に付された商品バーコードから商品コードを読取る。また、スキャナ24は、アプリ会員の携帯端末に表示された会員バーコードから会員IDを読取る。さらに、スキャナ24は、アプリ会員の携帯端末に表示されたクーポンバーコードからクーポンIDを読取る。スキャナ24は、POS端末2に固定的に設けられたものでもよいし、オペレータが手に取って操作可能なハンディ式のものでもよい。
【0039】
プリンタ25は、制御部20の制御の下、一取引に係るレシートを印字して発行する。プリンタ25は、レシートに取引金額を含む取引情報や各種メッセージを印字する。プリンタ25は、レシートに会員種別を印字してもよい。
【0040】
カードリーダ26は、各種カードから情報を読取る。例えば、カードリーダ26は、顧客のクレジットカードからクレジットカード決済に必要な顧客情報を読取る。また、カードリーダ26は、カード会員が所有する会員カードから会員IDを読取る。カードリーダ26は、磁気カードから情報を読取る磁気カードリーダでもよいし、ICチップを内蔵したカードから情報を読取るICカードリーダでもよい。
【0041】
釣銭機27は、顧客が購入代金を現金で支払った際に、顧客の支払った紙幣と硬貨を受け付け、必要に応じて釣り銭を払い出す。
【0042】
通信部28は、サーバ装置3などの外部装置と通信するためのインターフェイスである。制御部20は、通信部28を介して外部装置と接続されることで、当該外部装置と情報(データ)の送受信が可能となる。
【0043】
続いて、POS端末2の制御部20の機能構成について説明する。図6は、POS端末2の制御部20の主たる機能構成を示すブロック図である。制御部20は、CPU201がROM202や記憶部21に記憶された制御プログラムにしたがって動作することで、送受信部2001、入力部2002、登録部2003、会計処理部2004、判定部2005、および表示制御部2006として機能する。なお、これら各機能を専用回路等のハードウェアを用いて構成してもよい。
【0044】
送受信部2001は、サーバ装置3等の外部装置との間で各種情報を送受信する。例えば、送受信部2001は、入力部2002に入力された会員IDをサーバ装置3に送信する。そして、送受信部2001は、送信した会員IDで識別される会員の会員種別等をサーバ装置3から受信する。送受信部2001は、入力部2002に入力された顧客識別情報によって識別される顧客の会員種別を取得する取得部として機能する。
【0045】
なお、送受信部2001は、会員種別のみを受信、言い換えればアプリ会員またはカード会員のいずれかを示す情報のみを受信するものであってもよい。この場合、サーバ装置3は、アプリ会員がクーポンを所有しているか否かの判断を行う必要がない。また、送受信部2001は、入力部2002に入力されたクーポンIDで特定されるクーポンの特典を示す情報を受信する。例えば、送受信部2001は、クーポンの特典を示す情報として値引き額を受信する。
【0046】
入力部2002には、取引を行う顧客を識別する顧客識別情報が入力される。具体的には、入力部2002には、スキャナ24からアプリ会員の会員IDが入力され、カードリーダ26からカード会員の会員IDが入力される。また、入力部2002には、スキャナ24からクーポンIDや商品コードが入力される。さらに、入力部2002には、操作部23から会計処理の開始を指示する取引開始入力等が入力される。入力部2002には、スキャナ24からバーコードフラグも入力される。
【0047】
登録部2003は、商品登録を実行する。具体的には、登録部2003は、入力部2002に入力された商品コードに対応する商品情報を商品マスタ212から読み出して商品情報部2031に登録(記憶)する。また、登録部2003は、送受信部2001がサーバ装置3から受信した会員種別等を会員種別情報部2032に登録する。
【0048】
会計処理部2004は、商品の取引に係る会計処理を実行する。具体的には、会計処理部2004は、商品情報部2031に記憶された情報に基づいて一取引の取引金額を算出する。会計処理部2004は、算出した取引金額の支払を完了させるための決済処理を実行する。顧客が現金決済による支払を行う場合、会計処理部2004は、釣銭機27に投入された金額から取引金額を差し引いて釣銭を算出し、算出した釣銭を釣銭機27から払い出させる。また、顧客がキャッシュレス決済による支払を行う場合、会計処理部2004は、送受信部2001を介して決済サーバと通信する。会計処理部2004は、取引の決済が完了すると、プリンタ25を制御してレシートを発行させる。
【0049】
判定部2005は、送受信部2001が受信した会員種別等が特定会員種別であるか否か判定する。具体的には、判定部2005は、会員種別管理テーブル214を参照して、送受信部2001が受信した会員種別等に対応する特定会員種別フラグに特定会員種別であることを示す情報が登録されているか否か判断する。
【0050】
判定部2005は、入力部2002に入力されたコードフラグに基づいてスキャナ24が認識したバーコードが何を示す情報であるか判定する。具体的には、判定部2005は、識別情報管理テーブル213を参照して、入力部2002に入力されたバーコードフラグに対応する情報種別を抽出する。
【0051】
表示制御部2006は、表示部22に各種情報を表示させる。例えば、表示制御部2006は、商品登録された商品の商品情報や一取引の取引金額などを表示部22に表示させる。また、表示制御部2006は、オペレータに各種情報の入力を案内するガイダンス画面を表示部22に表示させる。
【0052】
表示制御部2006は、送受信部2001が受信した会員種別等に応じて表示部22に異なる画面を表示させる。例えば、送受信部2001が受信した会員種別等がアプリ会員である場合、表示制御部2006は、クーポンIDの入力を案内する画面を表示させる。また、送受信部2001が受信した会員種別等がカード会員あるいはクーポンなし会員である場合、表示制御部2006は、クーポンIDの入力を案内する画面を表示させることなく、支払方法選択画面等を表示させる。
【0053】
次に、サーバ装置3について詳細に説明する。図7は、サーバ装置3の主たるハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ装置3は、制御部30と、記憶部31と、表示部32と、操作部33と、通信部34と、を備えている。制御部30、記憶部31、表示部32、操作部33、および通信部34は、バス35等を介して互いに接続されている。
【0054】
制御部30は、CPU301、ROM302、RAM303を備えたコンピュータ構成となっている。CPU301、ROM302、およびRAM303は、バス35を介して互いに接続されている。
【0055】
CPU301はサーバ装置3の全体の動作を制御する。ROM302は、CPU301の駆動に用いられるプログラムなどの各種プログラムや各種データを記憶する。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用され、ROM302や記憶部31に記憶された各種プログラムや各種データを展開する。制御部30は、CPU301がROM302や、記憶部31に記憶されRAM303に展開された制御プログラムにしたがって動作することによって、サーバ装置3の各種制御処理を実行する。
【0056】
記憶部31は、HDDやフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部31は、制御プログラム311、会員マスタ312、クーポン管理ファイル313、および商品マスタ314を記憶する。
【0057】
制御プログラム311は、POS端末2から取引データを取得するためのプログラム、取得した取引データに基づいてクーポンの使用状況を管理するためのプログラム、POS端末2から受信した会員IDに対応する会員種別等を選定して当該POS端末2に送信するためのプログラムなどである。
【0058】
会員マスタ312は、店舗会員の情報すなわち顧客の情報を記憶するマスタファイルである。図8は、会員マスタ312のデータ構成を示す図である。会員マスタ312は、会員IDに対応付けて、氏名、性別、年齢、通知先、および会員種別を記憶する。通知先は、例えば会員が所有する携帯端末のメールアドレスである。会員種別は、カード会員またはアプリ会員を示す情報である。
【0059】
クーポン管理ファイル313は、アプリ会員に発行したクーポンの情報を管理するファイルである。クーポン管理ファイル313は、POS端末2から受信した取引データに含まれるクーポン情報に基づいて更新される。クーポン情報は、クーポンが使用されたことを示す情報である。図9は、クーポン管理ファイル313のデータ構成を示す図である。クーポン管理ファイル313は、クーポンIDに対応付けて、特典、会員ID、および使用フラグを記憶する。
【0060】
クーポンIDは、発行されたクーポンを識別するクーポン識別情報である。特典は、クーポンの特典を示す情報であって、本実施形態では値引額が記憶される。値引額は、クーポンを使用することによって取引金額から値引きされる金額である。
【0061】
会員IDは、会員である顧客を識別する顧客識別情報である。会員IDの項目には、クーポンが発行されたアプリ会員の会員IDが登録される。店舗は、通常アプリ会員にクーポンを一斉配信するので、クーポンIDに対して複数の会員IDが登録される。使用フラグは、クーポンが使用されたか否かを示す情報である。使用フラグは、会員IDに1対1で対応して登録される。
【0062】
図7に戻ってサーバ装置3のハードウェア構成について説明する。
【0063】
表示部32は、例えば液晶パネルで構成されており、各種情報を表示する。表示部32は、例えば会員マスタ312、クーポン管理ファイル313、商品マスタ314に記憶された情報を必要に応じて表示する。
【0064】
操作部33は、制御部30に情報を入力するためのもので、キーボード、タッチパネル、マウスなどで構成される。
【0065】
通信部34は、POS端末2などの外部装置と通信するためのインターフェイスである。制御部30は、通信部34を介して外部装置と接続されることで、当該外部装置と情報(データ)の送受信が可能となる。
【0066】
続いて、サーバ装置3の制御部30の機能構成について説明する。図10は、サーバ装置3の制御部30の主たる機能構成を示すブロック図である。制御部30は、CPU301がROM302や記憶部31に記憶された制御プログラムにしたがって動作することで、送受信部3001、入力部3002、およびデータ管理部3003として機能する。なお、これら各機能を専用回路等のハードウェアで構成してもよい。
【0067】
送受信部3001は、POS端末2との間で各種情報を送受信する。例えば、送受信部3001は、POS端末2から取引を行う会員の会員IDを受信し、当該会員IDで識別される会員の会員種別等を当該POS端末2に送信する。このとき、送受信部3001は、POS端末2から受信した会員IDの会員が所有するクーポンのクーポン情報も併せてPOS端末2に送信する。送信されるクーポン情報には、クーポンIDおよび特典が含まれる。また、送受信部3001は、取引の終了時にPOS端末2から取引データを受信する。
【0068】
入力部3002には、操作部33から各種情報が入力される。例えば、入力部3002には、会員マスタ312、クーポン管理ファイル313、商品マスタ314を手動で更新する場合に、更新するための情報が入力される。
【0069】
データ管理部3003は、記憶部31に記憶される各種データの登録、更新を行う。また、データ管理部3003は、記憶部31に記憶された情報を必要に応じて読み出す。例えば、データ管理部3003は、送受信部3001がPOS端末2から取引データを受信すると、当該取引データに基づいてクーポン管理ファイル313を更新する。また、データ管理部3003は、送受信部3001がPOS端末2から会員IDを受信すると、当該会員IDに対応する会員種別を会員マスタ312から抽出する。データ管理部3003は、送受信部2001が受信した会員IDの会員種別がアプリ会員である場合、クーポン管理ファイル313を参照して当該会員IDに対応する未使用のクーポンのクーポン情報を読み出す。
【0070】
上記構成の店舗システム1において、取引時にPOS端末2が実行する取引処理について説明する。図11は、POS端末2の制御部20による取引処理の流れを示すフローチャートである。
【0071】
制御部20は、入力部2002に取引開始入力がなされたか否か判断し(ステップS1)、入力されていなければ(ステップS1のN)、ステップS1の処理に戻って待機する。
【0072】
入力部2002に取引開始入力がなされると(ステップS1のY)、制御部20は、入力部2002に商品コードが入力されたか否か判断し(ステップS2)、入力されていなければ(ステップS2のN)、ステップS2の処理に戻って待機する。
【0073】
入力部2002に商品コードが入力されると(ステップS2のY)、登録部2003は、商品登録を実行する(ステップS3)。具体的には、登録部2003は、入力部2002に入力された商品コードに対応する商品情報を商品マスタ212から読み出して、商品情報部2031に記憶する。
【0074】
表示制御部2006は、表示部22に登録画面を表示させる(ステップS4)。登録画面は、商品登録された商品の商品名、価格、画像などの商品情報を表示するとともに、ガイダンスを表示する。表示されるガイダンスは、購入する商品全てについて商品バーコードの読み取りを完了させること、上記商品バーコードの読み取りが完了した場合は会計指示の入力を行うこと、などを案内するものである。
【0075】
続いて、制御部20は、入力部2002に会計指示入力がなされたか否か判断し(ステップS5)、入力されなければ(ステップS5のN)、ステップS2の処理に戻る。入力部2002に会計指示入力がなされると(ステップS5のY)、制御部20は、入力部2002に会員入力がなされたか否か判断する(ステップS6)。このとき、表示制御部2006は、例えば、表示部22に「ポイントカードをお持ちですか?」とのメッセージ、はいボタン、いいえボタンなどを表示させる。制御部20は、はいボタンが操作されたことを認識すると会員入力がなされたと判断し、いいえボタンが操作されたことを認識すると会員入力がなされなかったと判断する。
【0076】
入力部2002に会員入力がなされると(ステップS6のY)、表示制御部2006は、表示部22に会員ID入力案内画面を表示させる(ステップS7)。会員ID入力案内画面は、顧客識別情報の入力を案内する画面の一例である。
【0077】
ここで、表示部22が表示する会員ID入力案内画面について説明する。図12は、表示部22が表示する会員ID入力案内画面を示す図である。会員ID入力案内画面は、メッセージ表示領域221およびガイダンス表示領域222を有する。
【0078】
メッセージ表示領域221には、日時とメッセージとが表示される。日時は、その時点の年月日および時刻を示す。メッセージは、顧客がアプリ会員あるいはカード会員であることを問い合わせるメッセージ、例えば「会員カードまたはアプリのバーコードを読み取ってください。」などのメッセージである。
【0079】
ガイダンス表示領域222は、アプリ会員用ガイダンス部2221、カード会員用ガイダンス部2222、キャンセルボタン2223、および店員呼出ボタン2224を有する。
【0080】
アプリ会員用ガイダンス部2221は、アプリ会員に対する操作ガイダンスを表示する。アプリ会員用ガイダンス部2221は、会員用アプリケーションプログラムによって顧客の携帯端末に表示される複数のバーコードのうち、会員バーコードを赤枠で囲うとともに赤の矢印で指定する表示を行う。これにより、顧客は指定された会員バーコードをスキャナ24でスキャンすればよいことを認識することができる。
【0081】
なお、本実施形態における会員用アプリケーションプログラムは、顧客の携帯端末の表示において、上段に会員バーコード、下段にクーポンバーコードが表示されるようになっている。これにより、顧客は、取引処理においてスキャナ24でスキャンする可能性のある会員バーコードおよびクーポンバーコードを一度の操作で携帯端末の表示部に表示させることができる。一方、POS端末2は、会員バーコードを読み取るタイミングでは、会員バーコードをスキャンさせるための操作ガイダンスの表示を行う。携帯端末におけるバーコードの表示およびPOS端末2におけるガイダンスの表示によって、顧客がスキャナ24で会員バーコードをスキャンする際の操作性を向上させることができる。
【0082】
カード会員用ガイダンス部2222は、カード会員に対する操作ガイダンスを表示する。カード会員用ガイダンス部2222は、カードリーダ26に会員カードを挿入することを案内する表示を行う。これにより、顧客は会員カードをカードリーダ26に挿入させればよいことを認識することができる。
【0083】
キャンセルボタン2223は、会員IDの入力をキャンセルするための操作子である。会員となっていない顧客が誤って会員入力をしてしまった場合、当該顧客は、キャンセルボタン2223を操作することで会員IDの入力をキャンセルすることができる。店員呼出ボタン2224は、店員を呼び出すための操作子である。顧客は、POS端末2の操作がわからない場合やPOS端末2にトラブルが発生した場合に店員呼出ボタン2224を操作して店員を呼び出すことができる。
【0084】
図11に戻って、取引処理について説明する。顧客は、図12に示す会員ID入力案内画面の操作ガイダンスにしたがって操作することによって、スキャナ24あるいはカードリーダ26に会員IDを読取らせる。判定部2005は、スキャナ24あるいはカードリーダ26から入力部2002に会員IDが入力されたか否か判断する(ステップS8)。
【0085】
入力部2002に会員IDが入力されると(ステップS8のY)、送受信部2001は、会員IDをサーバ装置3に送信する(ステップS9)。次いで、制御部20は、送受信部2001がサーバ装置3から会員種別等を受信したか否か判断し(ステップS10)、受信しなければステップS10の処理に戻って待機する。
【0086】
送受信部2001が会員種別等を受信すると(ステップS10のY)、判定部2005は、受信した会員種別等が特定会員種別であるか否か判断する(ステップS11)。すなわち、判定部2005は、送受信部2001が受信した会員種別等が、クーポンを所有するアプリ会員であることを示す会員種別であるか否か判断する。
【0087】
送受信部2001が受信した会員種別等が特定会員種別であると(ステップS11のY)、表示制御部2006は、表示部22にクーポンID入力案内画面を表示させる(ステップS12)。クーポンID入力案内画面は、クーポンを識別するクーポン識別情報の入力を案内する画面の一例である。
【0088】
ここで、表示部22が表示するクーポンID入力案内画面について説明する。図13は、表示部22が表示するクーポンID入力案内画面を示す図である。クーポンID入力案内画面は、メッセージ表示領域223およびガイダンス表示領域224を有する。
【0089】
メッセージ表示領域223には、日時とメッセージとが表示される。日時は、その時点の年月日および時刻を示す。メッセージは、顧客に対してクーポンIDの読取りを促すメッセージ、例えば「アプリクーポンを読取ってください。利用するクーポンをお持ちでない方は「お持ちでない方」ボタンを押してください」などのメッセージである。
【0090】
ガイダンス表示領域224は、ガイダンス部2241、お持ちでない方ボタン2242、および店員呼出ボタン2243を有する。
【0091】
ガイダンス部2241は、スキャンさせるクーポンバーコードを案内する操作ガイダンスを表示する。ガイダンス部2241は、会員用アプリケーションプログラムによって顧客の携帯端末に表示される複数のバーコードのうち、クーポンバーコードを赤枠で囲うとともに赤の矢印で指定する表示を行う。これにより、顧客は指定されたクーポンバーコードをスキャナ24でスキャンすればよいことを認識することができる。
【0092】
お持ちでない方ボタン2242は、クーポンを利用しない場合に操作される操作子である。顧客は、所有しているクーポンを利用する意思がない場合、お持ちでない方ボタン2242を操作する。
【0093】
本実施形態のPOS端末2は、顧客の会員種別等がクーポンなし会員である場合、すなわちクーポン会員であるものの現時点ではクーポンを所有していない顧客である場合には、クーポンID入力案内画面を表示させない構成となっているが、表示させてもよい。この場合、クーポンなし会員は、利用可能なクーポンを所有していないので、メッセージ表示領域223に表示されたメッセージにしたがって、お持ちでない方ボタン2242を操作することになる。しかし、本実施形態によれば、クーポンなし会員に対してクーポンID入力画面を表示しないことによって、クーポンなし会員の操作を簡略化することができる利点がある。
【0094】
店員呼出ボタン2223は、店員を呼び出すための操作子である。顧客は、POS端末2の操作がわからない場合やPOS端末2にトラブルが発生した場合に店員呼出ボタン2223を操作して店員を呼び出すことができる。
【0095】
図11に戻って、取引処理について説明する。顧客は、図13に示すクーポンID入力案内画面の操作ガイダンスにしたがって操作することによって、スキャナ24にクーポンIDを読取らせる。判定部2005は、スキャナ24から入力部2002にクーポンIDが入力されたか否か判断する(ステップS13)。
【0096】
入力部2002にクーポンIDが入力されると(ステップS13のY)、会計処理部2004は、送受信部2001がサーバ装置3から受信したクーポン情報に基づいて値引き会計処理を実行する(ステップS14)。値引き会計処理は、クーポンの特典に基づいて取引金額から値引きを行い、かつ、顧客にポイントを付与するための会計処理である。続いて、送受信部2001は決済が完了した取引の取引データをサーバ装置3に送信する(ステップS15)。そして、制御部20は取引処理を終了する。
【0097】
ステップS6の処理において、顧客が会員でない場合(ステップS6のN)、会計処理部2004は、非会員に対する通常会計処理を実行する(ステップS16)。非会員に対する通常会計処理は、値引きおよびポイント付与を伴わない会計処理である。非会員に対する通常会計処理の後、制御部20は、ステップS15の処理に移行する。
【0098】
ステップS8の処理において、会員IDの入力がなされない場合(ステップS8のN)、判定部2005は、入力部2002にクーポンIDが入力されたか否か判断する(ステップS17)。具体的には、判定部2005は、スキャナ24が認識したバーコードのバーコードフラグが2であるか否か判断する。
【0099】
入力部2002にクーポンIDが入力された場合(ステップS17のY)、制御部20は、ステップS8の処理に戻る。言い換えると、表示部22に会員ID入力案内画面が表示されている状態でクーポンIDが入力された場合、制御部20は、格別な制御を行わず会員IDの入力を待つ。上述のように、携帯端末の表示部には会員バーコードとクーポンバーコードとが同一画面に表示されているため、会員IDのスキャン時に誤ってクーポンIDがスキャンされることが発生しやすい。この場合、都度表示部22にエラー表示等を行うと、オペレータがエラー解除の操作を行う必要が生じ、当該オペレータの操作が煩雑になる。このため、本実施形態においては、会員ID入力案内画面が表示されている状態でクーポンIDが入力された場合、エラー表示等を行わないことでオペレータの操作性の向上を図っている。
【0100】
入力部2002にクーポンIDが入力されない場合(ステップS17のN)、判定部2005は、入力部2002に商品コードが入力されたか否か判断する(ステップS18)。具体的には、判定部2005は、スキャナ24が認識したバーコードのバーコードフラグが3であるか否か判断する。入力部2002に商品コードが入力されなければ(ステップS18のN)、制御部20は、ステップS8の処理に戻る。
【0101】
入力部2002に商品コードが入力されると(ステップS18のY)、表示制御部2006は、表示部22にエラー情報を表示させる(ステップS19)。例えば、表示部22は、エラー情報として会員IDの入力を促すメッセージを表示する。商品コードが入力されたということは、顧客がスキャナ24に商品を近づけて商品バーコードをスキャンしているということである。この場合、顧客が勘違いによるスキャンを行っていることが明らかであるので、表示制御部2006は、表示部22にエラー表示を行なわせることで顧客に正しい操作を促すようにしている。そして、制御部20は、ステップS8の処理に戻る。
【0102】
ステップS11の処理において、特定会員種別でない場合(ステップS11のN)、会計処理部2004は、顧客がクーポンを利用しない会員であると判断して会員に対する通常会計処理を実行する(ステップS20)。会員に対する通常会計処理は、ポイント付与を伴う会計処理である。POS端末2は、クーポンを所有しない顧客の取引に対しては、クーポンID入力案内画面を表示させないため、この点においてもオペレータの操作性を向上させることができる。会員に対する通常会計処理の後、制御部20は、ステップS15の処理に移行する。
【0103】
ステップS13の処理において、クーポンIDの入力がなされない場合(ステップS13のN)、判定部2005は、入力部2002に会員IDが入力されたか否か判断する(ステップS21)。
【0104】
入力部2002に会員IDが入力された場合(ステップS21のY)、制御部20は、ステップS13の処理に戻る。言い換えると、表示部22にクーポンID入力案内画面が表示されている状態で会員IDが入力された場合、制御部20は、格別な制御を行わずクーポンIDの入力を待つ。この点は、表示部22に会員ID入力案内画面が表示されている状態でクーポンIDが入力された場合と同様に、オペレータの操作性の向上を図るためである。
【0105】
入力部2002に会員IDが入力されない場合(ステップS21のN)、判定部2005は、入力部2002に商品コードが入力されたか否か判断する(ステップS22)。入力部2002に商品コードが入力されない場合(ステップS22のN)、制御部20は、ステップS20の処理に移行する。この場合、クーポンを利用しないことを示す情報が操作部23から入力部2002に入力されたことを条件とすることが望ましい。つまり、オペレータの操作によってクーポンを利用しないことが宣言された後に、会計処理部2004は、会員に対する通常会計処理を実行することが望ましい。
【0106】
入力部2002に商品コードが入力されると(ステップS22のY)、表示制御部2006は、表示部22にエラー情報を表示させる(ステップS23)。この点は、表示部22に会員ID入力案内画面が表示されている状態で商品コードが入力された場合と同様に、顧客に正しい操作を促すためである。そして、制御部20は、ステップS13の処理に戻る。
【0107】
上記取引処理により、POS端末2は、顧客の会員種別に応じて操作ガイダンスを表示したり当該操作ガイダンスの表示を省略したりすることによって、オペレータの操作性を向上させることができる。
【0108】
次に、サーバ装置3が実行する会員種別選定処理について説明する。図14は、サーバ装置3の制御部30による会員種別選定処理の流れを示すフローチャートである。
【0109】
制御部30は、送受信部3001が会員IDを受信したか否か判断し(ステップS31)、受信していなければ(ステップS31のN)、ステップS31の処理に戻って待機する。
【0110】
送受信部3001が会員IDを受信すると(ステップS31のY)、データ管理部3003は、会員種別の選定を行う(ステップS32)。具体的には、データ管理部3003は、会員マスタ312を参照し、送受信部3001が受信した会員IDに対応する会員種別を読み出す。
【0111】
続いて、制御部30は、データ管理部3003が読み出した会員種別が特定会員種別すなわちアプリ会員であるか否か判断する(ステップS33)。特定会員種別であると(ステップS33のY)、データ管理部3003は、顧客が利用可能なクーポンを所有しているか否か判断する(ステップS34)。具体的には、データ管理部3003は、クーポン管理ファイル313を参照し、送受信部3001が受信した会員IDに対応するクーポンIDであって使用フラグに未使用を示す情報が登録されているクーポンIDがあるか否か判断する。
【0112】
利用可能なクーポンがあると(ステップS34のY)、送受信部3001は会員種別をPOS端末2に送信する(ステップS35)。この場合、送受信部3001が送信する会員種別はアプリ会員となる。そして、制御部30は会員種別選定処理を終了する。
【0113】
ステップS33の処理において、顧客が特定会員種別でない場合(ステップS33のN)すなわち顧客がアプリ会員でなくカード会員である場合、制御部30は、ステップS34の処理をスキップしてステップS35の処理に移行する。この場合、ステップS35の処理で送受信部3001が送信する会員種別はカード会員となる。
【0114】
ステップS34の処理において、利用可能なクーポンがない場合(ステップS34のN)、送受信部3001は、クーポンなし会員である旨の情報をPOS端末2に送信する(ステップS36)。そして、制御部30は会員種別選定処理を終了する。
【0115】
上記会員種別選定処理により、サーバ装置3は、受信した会員IDの会員がアプリ会員かカード会員かを判断するだけでなく、クーポンを所有するアプリ会員か否かも判断することができる。言い換えれば、サーバ装置3は、受信した会員IDの会員の会員種別等を判断することができる。
【0116】
以上説明したとおり、実施形態のPOS端末2は、商品の取引に係る会計処理を実行する会計処理部2004と、前記取引を行う顧客を識別する会員IDが入力される入力部2002と、入力部2002に入力された会員IDによって識別される顧客の会員種別を取得する送受信部2001と、送受信部2001が取得した会員種別に応じて、表示部22に異なる画面を表示させる表示制御部2006と、を備える。
【0117】
これにより、POS端末2は、取引を行う顧客の会員種別に適した画面を表示部22に表示させることができる。このため、POS端末2を操作するオペレータの操作を容易にすることが可能となる。
【0118】
また、実施形態のPOS端末2は、送受信部2001が取得した会員種別がクーポンの発行対象となったアプリ会員である場合、クーポンを識別するクーポンIDの入力を案内するクーポンID入力案内画面を表示させる。
【0119】
これにより、POS端末2は、クーポンが発行されている会員種別の顧客の取引である場合、当該顧客にクーポンを利用するかどうかを確認することが可能となる。このため、顧客が所有しているクーポンを利用し忘れることを抑制でき、クーポンの活用が促進される。また、POS端末2は、クーポンが発行されていない会員種別の顧客の取引についてはクーポンID入力案内画面を表示させないことで、オペレータの操作を簡略化することができる。
【0120】
さらに、実施形態のPOS端末2は、媒体に示されたコードシンボルから会員ID、クーポンID、および購入対象の商品の商品コードのいずれかを読取って入力部2002に対して出力するスキャナ24をさらに備え、表示制御部2006は、表示部22に会員IDの入力を案内する画面を表示させている状態で、スキャナ24によってクーポンIDまたは商品コードがスキャンされた場合、当該画面の表示を維持させる。
【0121】
これにより、顧客の携帯端末の一画面(媒体)に会員IDとクーポンIDとが表示されるような場合、つまり、会員IDを読取る際にクーポンIDを読取ってしまう可能性が高い使用形態である場合、POS端末2は、当該クーポンIDを読取ってもエラー表示等を行わない。このため、オペレータは、頻繁に起こり得るエラー表示の解除操作を行う必要がなく、操作性が向上する。
【0122】
加えて、実施形態のPOS端末2において、表示制御部2006は、表示部22に会員IDの入力を案内する画面を表示させている状態で、スキャナ24によって商品コードがスキャンされた場合、表示部22にエラー情報を表示させる。
【0123】
これにより、POS端末2は、会員IDが入力されるタイミングで異なった情報が入力された場合、必要と認識したときにエラー表示を行ない、不必要と認識したときにはエラー表示を行わない。このため、POS端末2は、オペレータの操作を必要以上に煩雑にすることなく、当該オペレータが正しい操作を行うことを可能とする。
【0124】
また、実施形態のPOS端末2は、媒体に示されたコードシンボルから会員ID、クーポンID、および購入対象の商品の商品コードのいずれかを読取って入力部2002に対して出力するスキャナ24をさらに備え、表示制御部2006は、表示部22にクーポンIDの入力を案内する画面を表示させている状態で、スキャナ24によって会員IDまたは商品コードがスキャンされた場合、当該画面の表示を維持させる。
【0125】
これにより、顧客の携帯端末の一画面(媒体)に会員IDとクーポンIDとが表示されるような場合、つまり、クーポンIDを読取る際に会員IDを読取ってしまう可能性が高い使用形態である場合、POS端末2は、当該会員IDを読取ってもエラー表示等を行わない。このため、オペレータは、頻繁に起こり得るエラー表示の解除操作を行う必要がなく、操作性が向上する。
【0126】
さらに、実施形態のPOS端末2において、表示制御部2006は、表示部22にクーポンIDの入力を案内する画面を表示させている状態で、スキャナ24によって商品コードがスキャンされた場合、表示部22にエラー情報を表示させる。
【0127】
これにより、POS端末2は、クーポンIDが入力されるタイミングで異なった情報が入力された場合、必要と認識したときにエラー表示を行ない、不必要と認識したときにはエラー表示を行わない。このため、POS端末2は、オペレータの操作を必要以上に煩雑にすることなく、当該オペレータが正しい操作を行うことを可能とする。
【0128】
なお、上記実施形態において、POS端末2およびサーバ装置3の各装置で実行される制御プログラムは、CD-ROM等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。また、上記各装置で実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良く、さらには、インターネット等のネットワーク経由で提供するように構成しても良い。
【0129】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0130】
2 POS端末(会計装置)
22 表示部
24 スキャナ
2001 送受信部(取得部)
2002 入力部
2004 会計処理部
2006 表示制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0131】
【特許文献1】特開2022-47262号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14