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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036385
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】制御装置、作業機械および制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04845 20220101AFI20240308BHJP
   E02F 9/26 20060101ALI20240308BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20240308BHJP
【FI】
G06F3/04845
E02F9/26 A
B60R16/02 630L
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024006134
(22)【出願日】2024-01-18
(62)【分割の表示】P 2019179911の分割
【原出願日】2019-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】熊倉 祥人
(72)【発明者】
【氏名】養田 剛
(72)【発明者】
【氏名】高山 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】入江 純己
(57)【要約】
【課題】制御装置の操作性を向上させることを目的とする。
【解決手段】タッチパネルモニタの制御装置であって、複数の表示画面を含む前記タッチパネルモニタに表示するための表示信号を生成する表示信号生成部と、複数の前記表示画面ごとにタッチ操作を受け付けて、当該受け付けたタッチ操作が、前記表示画面の種類ごとに定められた受付可能タッチ操作か否かを判定する判定部と、前記受け付けたタッチ操作が前記受付可能タッチ操作である場合に、前記表示画面に対して前記受け付けたタッチ操作に応じた制御を行う制御部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルモニタの制御装置であって、
複数の表示画面を含む前記タッチパネルモニタに表示するための表示信号を生成する表示信号生成部と、
複数の前記表示画面ごとにタッチ操作を受け付けて、当該受け付けたタッチ操作が、前記表示画面の種類ごとに定められた受付可能タッチ操作か否かを判定する判定部と、
前記受け付けたタッチ操作が前記受付可能タッチ操作である場合に、前記表示画面に対して前記受け付けたタッチ操作に応じた制御を行う制御部と、
を備える制御装置。
【請求項2】
前記表示画面の種類の一つである上面図の前記受付可能タッチ操作には、少なくともローテート操作が含まれる
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記上面図の表示画面に対して前記ローテート操作を受け付けた場合に、前記上面図を、車体中心で回転させる
請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記表示画面の種類の一つである3D画面の前記受付可能タッチ操作には、少なくとも2点以上のタッチに基づくスワイプ操作が含まれる
請求項2から請求項3のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記3D画面の表示画面に対して前記2点以上のタッチに基づくスワイプ操作を受け付けた場合には、三次元空間内におけるカメラ位置を、所定点を中心に回転移動させる
請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、複数の表示画面のそれぞれで同時にタッチ操作を受け付けた場合に、当該タッチ操作を受け付けた表示画面のそれぞれに対し、同時に、各タッチ操作に応じた制御を行う
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、所定の表示画面が表示されている領域では、前記タッチ操作に応じた制御を禁止する
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の制御装置を備える
作業機械。
【請求項9】
タッチパネルモニタの制御方法であって、
複数の表示画面を含む前記タッチパネルモニタに表示するための表示信号を生成するステップと、
複数の前記表示画面ごとにタッチ操作を受け付けて、当該受け付けたタッチ操作が、前記表示画面の種類ごとに定められた受付可能タッチ操作か否かを判定するステップと、
前記受け付けたタッチ操作が前記受付可能タッチ操作である場合に、前記表示画面に対して前記受け付けたタッチ操作に応じた制御を行うステップと、
を有する制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置、作業機械および制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、モニタ画面表示を可能としつつ、タッチパネル上での誤操作入力を防止できる作業機械用タッチパネルモニタの入力制御方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015―202841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
作業機械の運転席等に取り付けられて、当該作業機械の状態を表示することでオペレータの運転を支援可能な制御装置が知られている。制御装置は、一つのモニタに、複数種類の表示画面を同時に表示できるものがある。表示画面の種類としては、例えば、作業機械の車体を横から見た状態を表示する側面図、作業機械の車体を上から見た状態を表示する上面図、作業機械の車体を正面から見た状態を表示する正面図の他、3D画面などがある。
【0005】
このような制御装置の操作性を向上させたいというニーズがある。
【0006】
上述の課題に鑑みて、本開示は、上記のような制御装置の操作性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様によれば、制御装置は、タッチパネルモニタの制御装置であって、複数の表示画面を含む前記タッチパネルモニタに表示するための表示信号を生成する表示信号生成部と、複数の前記表示画面ごとにタッチ操作を受け付けて、当該受け付けたタッチ操作が、前記表示画面の種類ごとに定められた受付可能タッチ操作か否かを判定する判定部と、前記受け付けたタッチ操作が前記受付可能タッチ操作である場合に、前記表示画面に対して前記受け付けたタッチ操作に応じた制御を行う制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
上記態様によれば、制御装置の操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態に係る作業機械の全体構成を示す図である。
図2】第1の実施形態に係る作業機械の運転室の構成を示す図である。
図3】第1の実施形態に係る制御装置の機能構成を示す図である。
図4】第1の実施形態に係る制御装置の処理フローを示す図である。
図5】第1の実施形態に係る制御部による制御の例を示す図であって、側面図におけるピンチアウトの例を示す図である。
図6】第1の実施形態に係る制御部による制御の例を示す図であって、上面図におけるピンチアウトの例を示す図である。
図7】第1の実施形態に係る制御部による制御の例を示す図であって、側面図におけるピンチインの例を示す図である。
図8】第1の実施形態に係る制御部による制御の例を示す図であって、上面図におけるローテートの例を示す図である。
図9】第1の実施形態に係る制御部による制御の例を示す図であって、側面図における1本指スワイプの例を示す図である。
図10】第1の実施形態に係る制御部による制御の例を示す図であって、上面図における1本指スワイプの例を示す図である。
図11】第1の実施形態に係る制御部による制御の例を示す図であって、側面図および上面図における同時操作の例を示す図である。
図12】第1の実施形態に係る制御部による制御の例を示す図であって、3D画面における2本指スワイプの例を示す図である。
図13】第1の実施形態に係る制御部による制御の例を示す図であって、3D画面における1本指スワイプおよび2本指スワイプの例を詳しく説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施形態>
【0011】
(作業機械の構造)
図1は、第1の実施形態に係る作業機械の構造を示す図である。
油圧ショベルである作業機械1は、作業現場等において土砂などを掘削、整地する。
図1に示すように、油圧ショベルである作業機械1は、走行するための下部走行体11と、下部走行体11の上部に設置され、鉛直方向の軸線周りに旋回可能な上部旋回体12とを有してなる。また、上部旋回体12には、運転室12A、作業機12B、及び、2つのGNSSアンテナN1、N2が設けられている。
【0012】
下部走行体11は、左側履帯CLと、右側履帯CRとを有する。作業機械1は、左側履帯CL及び右側履帯CRの回転により前進、旋回、後進する。
【0013】
運転室12Aは、作業機械1のオペレータが搭乗し、操作、操縦を行う場所である。運転室12Aは、例えば、上部旋回体12の前端部左側部分に設置される。作業機械1の運転室12Aには、制御装置2が搭載されている。
【0014】
作業機12Bは、ブームBM、アームAR及びバケットBKからなる。ブームBMは、上部旋回体12の前端部に装着される。また、ブームBMにはアームARが取り付けられる。また、アームARにはバケットBKが取り付けられる。また、上部旋回体12とブームBMとの間にはブームシリンダSL1が取り付けられる。ブームシリンダSL1を駆動することで上部旋回体12に対しブームBMを動作することができる。ブームBMとアームARとの間にはアームシリンダSL2が取り付けられる。アームシリンダSL2を駆動することで、ブームBMに対しアームARを動作することができる。アームARとバケットBKとの間にはバケットシリンダSL3が取り付けられる。バケットシリンダSL3を駆動することでアームARに対しバケットBKが動作することができる。
油圧ショベルである作業機械1が具備する上述の上部旋回体12、ブームBM、アームAR及びバケットBKは、作業機械1の可動部の一態様である。
【0015】
なお、本実施形態に係る作業機械1は、上述の構成を備えるものとして説明したが、他の実施形態においては、作業機械1は必ずしも上述の構成の全てを備えていなくともよい。例えば、他の実施形態に係る作業機械1は、GNSSアンテナN1、N2を具備しなくともよい。
【0016】
(運転室の構成)
図2は、第1の実施形態に係る作業機械の運転室の構成を示す図である。
【0017】
図2に示すように、運転室12Aには、操作レバーL1、L2と、フットペダルF1、F2と、走行レバーR1、R2と、が設けられている。
操作レバーL1及び操作レバーL2は、運転室12A内のシートSTの左右に配置される。また、フットペダルF1及びフットペダルF2は、運転室12A内、シートSTの前方、床面に配置される。
【0018】
運転室前方に向かって左側に配置される操作レバーL1は、上部旋回体12の旋回動作、及び、アームARの掘削/ダンプ動作を行うための操作機構である。また、運転室前方に向かって右側に配置される操作レバーL2は、バケットBKの掘削/ダンプ動作、及び、ブームBMの上げ/下げ動作を行うための操作機構である。
【0019】
また、走行レバーR1、R2は、下部走行体11の動作制御、すなわち作業機械1の走行制御を行うための操作機構である。運転室前方に向かって左側に配置される走行レバーR1は、下部走行体11の左側履帯CLの回転駆動に対応する。運転室前方に向かって右側に配置される走行レバーR2は、下部走行体11の右側履帯CRの回転駆動に対応する。なお、フットペダルF1、F2は、それぞれ、走行レバーR1、R2と連動しており、フットペダルF1、F2によって、走行制御することもできる。
【0020】
制御装置2は、運転室前方に向かって前方右側に設置される。以下、制御装置2の機能について詳細に説明する。なお、他の実施形態においては、制御装置2は、運転室前方に向かって前方左側等に設置されてもよい。
【0021】
(制御装置の機能構成)
図3は、第1の実施形態に係る制御装置の機能構成を示す図である。
制御装置2はタッチパネルモニタの制御装置であって、図3に示すように、CPU20と、メモリ21と、モニタ22と、タッチセンサ23と、通信インタフェース24と、ストレージ25とを備えている。なお、CPU20は、FPGA、GPU等、これに類するものであれば如何なる態様のものであってもよい。
【0022】
CPU20は、制御装置2の動作全体の制御を司るプロセッサである。CPU20が有する各種機能については後述する。
【0023】
メモリ21は、いわゆる主記憶装置である。メモリ21には、CPU20がプログラムに基づいて動作するために必要な命令及びデータが展開される。
【0024】
モニタ22は、情報を視認可能に表示可能な一つのディスプレイパネルであって、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどである。
【0025】
タッチセンサ23は、モニタ22と一体に形成され、当該モニタ22に表示された画像の位置を指定可能な入力デバイスである。
【0026】
通信インタフェース24は、及び外部サーバとの間で通信するための通信インタフェースである。
【0027】
ストレージ25は、いわゆる補助記憶装置であって、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等である。
【0028】
次に、CPU20が有する機能について詳しく説明する。CPU20は、所定のプログラムに基づいて動作することで、表示信号生成部200、判定部201、制御部202、表示画面特定部203、および、タッチ操作種類特定部204としての機能を発揮する。
なお、上記所定のプログラムは、制御装置2に発揮させる機能の一部を実現するためのものであってもよい。例えば、プログラムは、ストレージ25に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせ、または他の装置に実装された他のプログラムとの組み合わせによって機能を発揮させるものであってもよい。なお、他の実施形態においては、制御装置2は、上記構成に加えて、または上記構成に代えてPLD(Programmable Logic Device)などのカスタムLSI(Large Scale Integrated Circuit)を備えてもよい。PLDの例としては、PAL(Programmable Array Logic)、GAL(Generic Array Logic)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)が挙げられる。この場合、プロセッサによって実現される機能の一部または全部が当該集積回路によって実現されてよい。
【0029】
表示信号生成部200は、複数の表示画面を一つのモニタ22に表示するための表示信号を生成する。複数の表示画面には、以下のようにそれぞれ異なる態様で、作業機械1の状態が表示される。モニタ22は、表示信号生成部200が生成する信号に基づいて、表示画面を表示する。作業機械1の状態とは、例えば、作業機12Bの可動部の動作状態や、作業機械1と周辺地形(設計面)との位置関係である。表示画面は、作業機械1の状態が変化するにつれ、それに合わせて逐次更新されて変化する。作業機械1のオペレータは、モニタ22に表示された各種表示画面を視認しながら、作業機械1の操作、操縦を行う。
【0030】
本実施形態に係る表示信号生成部200が表示させる表示画面の種類は、以下のとおりである。
(1)側面図・・・作業機械1の車体およびその周辺地形を側面から見た状態を示す表示画面である。
(2)上面図・・・作業機械1の車体およびその周辺地形を上面から見た状態を示す表示画面である。
(3)正面図・・・作業機械1のバケットBKおよびその周辺地形を正面から見た状態を示す表示画面である。
(4)3D画面・・・作業機械1の車体およびその周辺地形を三次元映像として表示した表示画面である。
【0031】
判定部201は、複数の表示画面ごとにタッチ操作を受け付けて、当該受け付けたタッチ操作が、表示画面の種類ごとに定められた受付可能タッチ操作か否かを判定する。
【0032】
ここで、本実施形態に係る制御装置が受付可能なタッチ操作の種類は、以下のとおりである。
(a)1本指スワイプ・・・モニタ22の表面上で1本の指を移動させる操作である。(b)2本指スワイプ・・・モニタ22の表面上で2本の指の束を移動させる操作である。(c)ピンチイン・・・モニタ22の表面上で2本の指の間隔を狭めるように移動させる操作である。
(d)ピンチアウト・・・モニタ22の表面上で2本の間隔を広げるように移動させる操作である。
(e)ローテート・・・モニタ22の表面上で2本の指の間隔を一定にしたまま回転させる操作である。
なお、2本指スワイプは、少なくとも2点以上のタッチに基づくスワイプ操作の一例である。他の実施形態においては、例えば、タッチペンなどを用いる場合も含め、上記2本指スワイプに準ずる操作であれば如何なる態様のものであってよい。他のタッチ操作についても同様である。
【0033】
本実施形態において、各表示画面の種類ごとに定められた受付可能タッチ操作は、以下のとおりである。
(ア)側面図の受付可能タッチ操作・・・(a)1本指スワイプ、(c)ピンチイン、(d)ピンチアウト
(イ)上面図の受付可能タッチ操作・・・(a)1本指スワイプ、(c)ピンチイン、(d)ピンチアウト、(e)ローテート
(ウ)正面図の受付可能タッチ操作・・・(a)1本指スワイプ、(c)ピンチイン、(d)ピンチアウト
(エ)3D画面の受付可能タッチ操作・・・(a)1本指スワイプ、(b)2本指スワイプ、(c)ピンチイン、(d)ピンチアウト
上記(ア)~(エ)のように規定される、表示画面の種類と受付可能タッチセンサとの対応関係は、例えば、メモリ21、またはストレージ25等に事前に記録されている。
【0034】
制御部202は、ある表示画面の表示領域に受け付けたタッチ操作がその表示画面の受付可能タッチ操作であった場合に、その表示画面に対して受け付けたタッチ操作に応じた制御を行う。
【0035】
本実施形態において、タッチ操作に応じた制御とは、例えば、以下のとおりである。(A)1本指スワイプを受け付けた場合の制御・・・表示画面に表示されている画像をスライド移動させる。3D画面においては、三次元空間内におけるカメラ位置を、所定平面上でスライド移動させる。
(B)2本指スワイプを受け付けた場合の制御・・・3D画面において受け付けた場合に、三次元空間内におけるカメラ位置を、所定点を中心に回転移動させる。
(C)ピンチインを受け付けた場合の制御・・・表示画面に表示されている画像を、画面中心で縮小させる。
(D)ピンチアウトを受け付けた場合の制御・・・表示画面に表示されている画像を、画面中心で拡大させる。
(E)ローテートを受け付けた場合の制御・・・表示画面に表示されている画像(上面図)を、車体中心で回転させる。
【0036】
表示画面特定部203は、オペレータから、タッチセンサ23を介してタッチ操作を受け付けた場合に、当該タッチ操作を受け付けた表示領域における表示画面の種類を特定する。
【0037】
タッチ操作種類特定部204は、タッチセンサ23を介して受け付けたタッチ操作の種類を特定する。
【0038】
(制御装置の処理フロー)
図4は、第1の実施形態に係る制御装置の処理フローを示す図である。
図4に示す処理フローは、オペレータによって制御装置2に電源が投入された後、実行される。なお、制御装置2は、作業機械1の電源が投入されたことをきっかけに、自動的に起動するものであってもよい。
【0039】
まず、CPU20は、GNSSアンテナN1、N2および通信インタフェース24等を介して、作業機械1の位置示す情報を取得する(ステップS01)。ここで、作業機械1の位置を示す情報とは、グローバル座標系で示される三次元の座標情報である。また、CPU20は、取得したGNSSアンテナN1の位置と、GNSSアンテナN2の位置に基づいて、作業機械1の旋回体の方位を算出する。
なお、制御装置2のストレージ25には、三次元データとして取得された地形データである設計面が事前に記録されている。CPU20は、この地形データ、及び、GNSSアンテナN1、N2に基づく作業機械1の測位情報に基づいて、各表示画面に周辺地形を表示する。
【0040】
次に、CPU20は、バケットBKの刃先位置を計算する(ステップS02)。ここで、CPU20は、シリンダSL1、SL2、SL3の各々に取り付けられたセンサ、または、IMU等の角度センサを通じて、作業機12Bの各可動部の動作状態、即ち、上部旋回体12に対するブームBMの角度、ブームBMに対するアームARの角度、及び、アームARに対するバケットBKの角度を計算する。
なお、ストレージ25には、作業機12Bの各可動部の形状、連結位置、サイズ等が事前に記録されている。作業機12Bの各可動部の形状、連結位置、サイズ等を、以下、諸元情報とも記載する。CPU20は、各可動部の動作状態の計算結果及び地形データに加え、これらの諸元情報を組み合わせて、バケットBKの刃先から設計面までの間隔を演算する。なお、他の実施形態において、間隔は、バケットBKの刃先以外の部分から設計面までの間隔であってもよい。
【0041】
次に、CPU20は、ステップS01で取得した位置情報、および、ステップS02で行った作業機12Bの可動部の動作状態の計算結果に基づいて、各表示画面を表示、更新する(ステップS03)。これにより、作業機械1の実際の動作状態が各表示画面に反映される。
【0042】
次に、CPU20は、オペレータからタッチ操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS04)。オペレータからタッチ操作を受け付けていない場合(ステップS04;NO)、CPU20は、特段の処理を行うことなく処理フローを終了し、上述のステップS01から新たな処理フローを開始する。
他方、オペレータからタッチ操作を受け付けた場合(ステップS04;YES)、CPU20は、以下の処理を行う。
【0043】
CPU20の表示画面特定部203は、タッチ操作を受け付けた位置における表示画面の種類を特定する(ステップS05)。具体的には、表示画面特定部203は、タッチセンサ23を介してタッチを感知したモニタ22上の位置を示すタッチ座標を取得する。そして、表示画面特定部203は、当該タッチ座標が、上述の(1)~(4)のいずれの表示画面の表示領域に属しているかを特定する。表示画面特定部203の具体的な処理は、以下のとおりである。まず、表示画面特定部203によってタッチの位置が特定された場合、表示画面特定部203は、当該位置を示す座標情報(X、Y)を取得する。表示画面特定部203は、座標情報(X、Y)を取得した時点で、その時点におけるモニタ22において、どの位置にどの表示画面が表示されているかを取得する。そして、表示画面特定部203は、取得した座標情報(X、Y)に表示されている表示画面が側面図、上面図、正面図、3D画面のいずれであるか、またはそれ以外の画面であるかを特定する。このようにして、表示画面特定部203は、タッチされた位置において、現時点のモニタ22に表示されている表示画面を特定する。
【0044】
次に、CPU20のタッチ操作種類特定部204は、タッチセンサ23を介して受け付けたタッチ操作の種類を特定する(ステップS06)。具体的には、タッチ操作種類特定部204は、オペレータから受け付けたタッチ位置の数や動きをトレースして、タッチ操作の種類が、上述の(a)~(e)のいずれに該当するかを判定する。
例えば、タッチセンサ23が、モニタ22上の表面上で少なくとも1点の座標を感知し、感知した座標が所定の方向に移動することを感知した場合に、1本指スワイプと判定してよい。
また、例えば、タッチセンサ23が、モニタ22上の表面上で少なくとも2点の座標を感知し、感知した少なくとも2点の座標が同じ所定の方向に移動することを感知した場合に、2本指スワイプと判定してよい。
また、例えば、タッチセンサ23が、モニタ22上の表面上で少なくとも2点の座標を感知し、感知した少なくとも2点の座標がお互い近くなる方向に移動することを感知した場合に、ピンチインと判定してもよい。
また、例えば、タッチセンサ23が、モニタ22上の表面上で少なくとも2点の座標を感知し、感知した少なくとも2点の座標がお互い離れるなる方向に移動することを感知した場合に、ピンチアウトと判定してもよい。
また、例えば、タッチセンサ23が、モニタ22上の表面上で少なくとも2点以上の座標を感知し、感知した少なくとも2点の座標が、距離を所定の値にしたまま、回転する方向に移動することを感知した場合に、ローテートと判定してもよい。
なお、感知した座標が複数ある場合において、複数ある座標が近いものがある場合は、その座標は1点と判断してもよい。
なお、上記において、指を使用した操作の説明を行ったが、他の実施形態においては、タッチペンなど、タッチパネルモニタを感知させるその他の手段によって、操作して感知させてもよい。また、上述の(a)~(e)の判定の仕方は、上記の態様に限られることはなく、通常用いられるその他の態様で判定を行ってもよい。
【0045】
次に、CPU20の判定部201は、ステップS04で受け付けたタッチ操作の種類が、表示画面の種類ごとに定められた受付可能タッチ操作であるか否かを判定する(ステップS07)。具体的には、判定部201は、上述の(ア)~(エ)に規定された対応情報を参照しながら、ステップS06で特定されたタッチ操作の種類が、ステップS05で特定された表示画面の種類について定められた受付可能タッチ操作に該当するか否かを判定する。
【0046】
ステップS04で受け付けたタッチ操作の種類が、表示画面の種類ごとに定められた受付可能タッチ操作ではなかった場合(ステップS07;NO)、CPU20は、特段の処理を行うことなく処理フローを終了し、上述のステップS01から新たな処理フローを開始する。
他方、ステップS04で受け付けたタッチ操作の種類が、表示画面の種類ごとに定められた受付可能タッチ操作であった場合(ステップS07;YES)、CPU20の制御部202は、タッチ操作を受け付けた表示画面に対して、当該受け付けたタッチ操作に応じた制御を行う(ステップS08)。具体的には、制御部202は、上述の(A)~(E)のように定められた、タッチ操作の種類に応じた制御を、タッチ操作を受け付けた一つの表示画面に対して反映する。
【0047】
なお、図4を用いて説明した各処理フローとのうちステップS01、ステップS02は、制御装置2の必須の構成ではなく、他の実施形態においてはこのようなステップを具備しないものであってもよい。
【0048】
(制御部による制御の例)
図5図13は、第1の実施形態に係る制御部による制御の例を示す図である。
以下、図5図13を参照しながら、制御部202の制御内容について詳しく説明する。
【0049】
まず、モニタ22に表示される画像の初期状態の例について説明する。図5図13に示すように、モニタ22に表示される情報は、ガイダンス画像G0と、3つの表示画面とを含んで構成される。3つの表示画面には、オペレータによる任意の選択により、側面図G1、上面図G2、正面図G3および3D画面G4(図12参照)を表示可能とされる。
【0050】
側面図G1、上面図G2、正面図G3および3D画面G4は、いずれも現在の作業機械1の動作状態、例えば、作業機12Bを構成するブームBM、アームAR、及び、バケットBKの姿勢と、周辺地形との位置関係を示す図であって、それぞれ異なる視点から見た状態を示している。
【0051】
図5を参照しながら、ガイダンス画像G0について簡単に説明する。
ガイダンス画像G0は、バケットBKの刃先と設計面との間隔を模式的に示す図である。
図5に示すように、ガイダンス画像G0は、縦方向に配列された複数の指標画像G40で構成される。指標画像G40は有色表示又は無色表示され、有色表示された指標画像G40のうち最も下の指標画像G40がバケットBKの刃先位置に対応する。
基準位置画像G41が付された指標画像G40は設計面に対応する。基準位置画像G41が付された指標画像G40よりも上の指標画像G40は、設計面よりも高い位置に対応する。また、基準位置画像G41が付された指標画像G40よりも下の指標画像G40は、設計面よりも低い位置に対応する。
有色表示された指標画像G40のうち最も下方のものと基準位置画像G41が付された指標画像G40との間隔は、バケットBKの刃先と設計面との間隔に対応する。即ち、上述した、バケットBKの刃先と設計面との間隔の計算結果に基づき、有色表示される指標画像G40が決定される。
バケットBKの刃先が設計面よりも下方に位置する場合には、基準位置画像G41が付された指標画像G40よりも下の指標画像G40が有色表示される。
有色表示される際の指標画像G40の色は、バケットBKの刃先と設計面との距離に応じて異なる色とされる。
【0052】
(ピンチアウト(側面図))
図5は、側面図G1の表示領域においてピンチアウトの操作を受け付けた場合の制御の例を示している。図5<操作前>に示すように、オペレータが側面図G1の表示領域にて、ピンチアウトのタッチ操作を行ったとする。この場合、図5<操作後>に示すように、制御部202は、タッチ操作を受け付けた側面図G1の表示画像を、側面図G1の画面中心C1を基準に拡大する。
なお、図中に示した手は、タッチ操作を行うオペレータ自身の手、指の動きを模式的に表したものであり、実際の表示画面に表示される画像ではない。以下の図6図12においても同様である。また、図5図6図7図8図11の図中に示す画面中心C1、画面中心C2、および、作業機械中心C2’を示す印は、説明のために表示画面上の位置を示したものであって、実際の表示画面に表示される画像ではない。
なお、この場合において、制御部202は、ガイダンス画像G0、上面図G2および正面図G3の表示領域に対しては何等の制御を行わない。
【0053】
(ピンチアウト(上面図))
図6は、上面図G2の表示領域においてピンチアウトの操作を受け付けた場合の制御の例を示している。図6<操作前>に示すように、オペレータが上面図G2の表示領域にて、ピンチアウトのタッチ操作を行ったとする。この場合、図6<操作後>に示すように、制御部202は、タッチ操作を受け付けた上面図G2の表示画像を、上面図G2の画面中心C2を基準に拡大する。
なお、この場合において、制御部202は、ガイダンス画像G0、側面図G1および正面図G3の表示領域に対しては何等の制御を行わない。
【0054】
(ピンチイン(側面図))
図7は、側面図G1の表示領域においてピンチインの操作を受け付けた場合の制御の例を示している。図7<操作前>に示すように、オペレータが側面図G1の表示領域にて、ピンチインのタッチ操作を行ったとする。この場合、図7<操作後>に示すように、制御部202は、タッチ操作を受け付けた側面図G1の表示画像を、側面図G1の画面中心C1を基準に縮小する。
なお、この場合において、制御部202は、ガイダンス画像G0、上面図G2および正面図G3の表示領域に対しては何等の制御を行わない。
【0055】
(ローテート(上面図))
図8は、上面図G2の表示領域においてローテートの操作を受け付けた場合の制御の例を示している。図8<操作前>に示すように、オペレータが上面図G2の表示領域にて、ローテートのタッチ操作を行ったとする。この場合、図8<操作後>に示すように、制御部202は、タッチ操作を受け付けた上面図G2の表示画像を車体中心に、即ち、上面図G2における作業機械中心C2’を基準に回転させる。なお、上面図G2の表示画像は、上面図G2のどの領域においてローテートのタッチ操作を行ったとしても、作業機械中心C2’を基準に回転する。
なお、この場合において、制御部202は、ガイダンス画像G0、側面図G1および正面図G3の表示領域に対しては何等の制御を行わない。
また、例えば図8の上面図G2に重畳表示されたリセットボタンRESのタッチ操作を受け付けた場合、制御部202は、上面図G2の表示状態を、ローテートのタッチ操作を行う前の状態に戻す制御を行ってもよい。
【0056】
(1本指スワイプ(側面図))
図9は、側面図G1の表示領域において1本指スワイプの操作を受け付けた場合の制御の例を示している。図9<操作前>に示すように、オペレータが側面図G1の表示領域にて、1本指スワイプのタッチ操作を行ったとする。この場合、図9<操作後>に示すように、制御部202は、タッチ操作を受け付けた側面図G1の表示画像をスライド移動させる。
なお、この場合において、制御部202は、ガイダンス画像G0、上面図G2および正面図G3の表示領域に対しては何等の制御を行わない。
【0057】
(1本指スワイプ(上面図))
図10は、上面図G2の表示領域において1本指スワイプの操作を受け付けた場合の制御の例を示している。図10<操作前>に示すように、オペレータが上面図G2の表示領域にて、1本指スワイプのタッチ操作を行ったとする。この場合、図10<操作後>に示すように、制御部202は、タッチ操作を受け付けた上面図G2の表示画像をスライド移動させる。
なお、この場合において、制御部202は、ガイダンス画像G0、側面図G1および正面図G3の表示領域に対しては何等の制御を行わない。
【0058】
(同時操作の例)
図11は、側面図G1の表示領域においてピンチアウトの操作を受け付け、さらに、同時に、上面図G2の表示領域においてローテートの操作を受け付けた場合の制御の例を示している。図11<操作前>に示すように、オペレータが側面図G1の表示領域にてピンチアウトのタッチ操作を行い、さらに、同時に、上面図G2の表示領域にてローテートのタッチ操作を行ったとする。この場合、図11<操作後>に示すように、制御部202は、ピンチアウトのタッチ操作を受け付けた側面図G1の表示画像を、画面中心C1を基準に拡大させるとともに、ローテートのタッチ操作を受け付けた上面図G2の表示画像を、作業機械中心C2’を基準に回転させる。
このように、制御部202は、複数の表示画面のそれぞれで同時にタッチ操作を受け付けた場合に、当該タッチ操作を受け付けた表示画面のそれぞれに対し、同時に、各タッチ操作に応じた制御を行う。
【0059】
なお、同時のタッチ操作を行う表示画面の組み合わせ、および、タッチ操作の種類の組み合わせについては、図11の例に限られず、任意の組み合わせで受け付け可能である。例えば、側面図G1で1本指スワイプ、ピンチイン、ピンチアウトのいずれかの操作を受け付けながら、正面図G3で1本指スワイプ、ピンチイン、ピンチアウトのいずれかの操作を受け付けることが可能である。同様に、上面図G2で1本指スワイプ、ピンチイン、ピンチアウト、ローテートのいずれかの操作を受け付けながら、正面図G3で1本指スワイプ、ピンチイン、ピンチアウトのいずれかの操作を受け付けることも可能である。さらに、例えば、側面図G1で1本指スワイプ、ピンチイン、ピンチアウトのいずれかの操作を受け付けながら、後述の3D画面G4で1本指スワイプ、2本指スワイプ、ピンチイン、ピンチアウトのいずれかの操作を受け付けることも可能である。
【0060】
(2本指スワイプ(3D画面))
図12は、3D画面G4の表示領域において、2本指スワイプの操作を受け付けた場合の制御の例を示している。図12<操作前>に示すように、オペレータが3D画面G4の表示領域にて、2本指スワイプのタッチ操作を行ったとする。この場合、図12<操作後>に示すように、制御部202は、タッチ操作を受け付けた3D画面G4を映すカメラの三次元空間内におけるカメラ位置を、所定点を中心に回転移動させる。
なお、この場合において、制御部202は、ガイダンス画像G0、側面図G1および正面図G3の表示領域に対しては何等の制御を行わない。
【0061】
図13を参照しながら、3D画面G4に対する2本指スワイプおよび1本指スワイプのタッチ操作と、三次元空間内Vにおけるカメラ位置の移動との関係について説明する。
3D画面G4の表示領域において2本指スワイプのタッチ操作を受け付けた場合、制御部202は、三次元画像を映すカメラRの向きが常に所定の中心位置Oを向くように、三次元空間Vにおけるカメラ位置を、中心位置Oを中心とする球面SPに沿って移動させる。これにより、オペレータは、中心位置Oを画面中心に捉えながら、見る角度を所望に変更することができる。
3D画面G4の表示領域において1本指スワイプのタッチ操作を受け付けた場合、制御部202は、カメラRの向きを変更することなく、三次元空間Vにおけるカメラ位置を平面PLに沿って移動させる。このようにすることで、三次元空間Vにおいて表示させたいエリアを所望に変更することができる。なお、この場合、カメラ位置のRからR’への移動に併せて、中心位置の位置も、OからO’に平行移動する。
なお、図13に示す例は、1本指スワイプのタッチ操作、2本指スワイプのタッチ操作のいずれも、オペレータがモニタ22の横方向にスワイプさせた結果、カメラ位置が、三次元空間Vにおける水平方向に移動する例を示している。しかし、オペレータがモニタ22の縦方向又は斜め方向にスワイプさせた場合には、1本指スワイプのタッチ操作、2本指スワイプのタッチ操作のいずれであっても、カメラ位置は、三次元空間Vにおける高さ方向にも移動する。
【0062】
(その他の表示画面)
なお、制御部202は、ガイダンス画像G0の表示領域で、上述の(a)~(e)のいかなるタッチ操作を受け付けたとしても、当該タッチ操作に応じた制御を行わないようにする。また、制御部202は、ガイダンス画像G0の他、例えば、アイコンや、ポップアップ形式のメニューウインドウ等が表示されている領域で、上述の(a)~(e)のいかなるタッチ操作を受け付けたとしても、当該タッチ操作に応じた制御を行わないようにする。
なお、上記の制御を実現する上で、図4のステップS05は、より詳細には以下のように実行されてよい。
即ち、オペレータによるタッチ操作を受け付けた場合において(ステップS04;YES)、表示画面特定部203は、まず、当該タッチ操作を受け付けたモニタ22上の位置が、上記(1)~(4)のいずれにも属さない表示領域か否かを判定する。上記(1)~(4)のいずれにも属さない表示領域、即ち、ガイダンス画像G0、アイコン、メニューウインドウ等の表示領域であった場合には、制御部202は、特段の制御を行うことなく処理を終了する。つまり、制御部202は、受け付けたタッチ操作に応じた制御を行わないようにする。他方、表示画面特定部203は、タッチ操作を受け付けたモニタ22上の位置が上記(1)~(4)のいずれかに属する表示領域であった場合に、当該表示画面の種類を特定する。
このようにすることで、オペレータが、ガイダンス画像G0やメニューウインドウへの入力を意図してタッチ操作した場合において、各表示画面(1)~(4)に対する(a)~(e)の操作として誤認されることを抑制することができる。
【0063】
なお、各表示画面の拡大、縮小については、ピンチイン、ピンチアウト操作の他、各表示画面それぞれに重畳表示された専用のボタンをタッチ操作するものとしてもよい。例えば、制御装置2は、図5図12の各表示画面に重畳表示された「+」、「-」のボタンのタッチ操作を受け付けることで、当該表示画面の拡大、縮小を行うものとしてもよい。
【0064】
なお、モニタ22に表示される画像は、図5図12に示す態様に限定されず、種々の画面構成で表示され得る。例えば、図5図12に示す画像は、いずれも、一画面を三分割し、側面図G1、上面図G2、正面図G3および3D画面G4のうちのいずれか3つを含むものとされているが、他の実施形態においてはこれに限られない。例えば、他の実施形態に係る制御装置2は、一画面を二分割して、側面図G1、上面図G2、正面図G3および3D画面G4のいずれか2つのみを含む態様とされていてもよい。また、他の実施形態に係る制御装置2は、一画面を分割せずに、側面図G1、上面図G2、正面図G3および3D画面G4のいずれか1つのみを含む態様とされていてもよい。また、このような画面の分割数、及び、分割された各表示領域に表示する表示画面の種類をオペレータによって自由にカスタマイズできるものとされていてもよい。
【0065】
上述した実施形態では、モニタ22およびタッチセンサ23は、制御装置2の筐体と一体形成されている、いわゆるタブレット型の端末装置である態様で説明したが、他の実施形態においてはこの態様に限定されない。
他の実施形態に係る制御装置2は、モニタ22を備えないものであって、制御装置2とは別体のモニタに表示画像を表示させる信号を送信するものであってよい。同様に、他の実施形態に係る制御装置2は、タッチセンサ23を備えないものであって、制御装置2と別体のタッチセンサからタッチ操作に関する信号を受信するものであってよい。
また、他の実施形態に係る制御装置2は、制御装置2とは別体のモニタおよびタッチセンサと、第1の実施形態に係る制御装置2の構成の一部ずつを備える2台以上の制御装置とからなるシステムから実現されてもよい。
【0066】
上述した制御装置2の各種処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって上記各種処理が行われる。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
【0067】
上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。更に、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル、又は差分プログラム等であってもよい。
【0068】
以上、本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0069】
上述した実施形態では、作業機械1は、油圧ショベルとして説明したが、他の実施形態においては、ダンプトラック、ホイールローダ、ブルドーザなど種々の作業機械に適用可能である。
【0070】
また、上述した実施形態では、1台の制御装置2が作業機械1に設置されるものとして説明したが、他の実施形態においては、制御装置2の一部の構成を他の制御装置に配置し、2台以上の制御装置からなる制御システムによって実現されてもよい。なお、上述の実施形態にかかる制御装置2も制御システムの一例である。
【0071】
また、上述した実施形態に係る制御装置2は、作業機械に設置されるものとして説明したが、他の実施形態においては、制御装置2の一部、または全部の構成が作業機械の外部に設置されてもよい。
【0072】
また、上述した実施形態では、モニタが作業機械に設置されるものとして説明したが、他の実施形態においては、モニタが作業機械の外に設置されるものであってもよい。例えば、作業現場から離れた地点にモニタを儲け、制御装置2は、モニタに表示画面を表示させる信号をインターネットなどのネットワークや無線通信を介して送信するものであってよい。
【符号の説明】
【0073】
1 作業機械、2 制御装置、20 CPU、200 表示信号生成部、201 判定部、202 制御部、203 表示画面特定部、204 タッチ操作種類特定部 21 メモリ、22 モニタ、23 タッチセンサ、24 通信インタフェース、25 ストレージ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2024-02-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械用のタッチパネルモニタの制御装置であって、
前記作業機械と周辺地形との側面図を含む複数の表示画面を含む前記タッチパネルモニタに表示するための表示信号を生成する表示信号生成部と、
タッチ操作を受け付けた表示領域が、前記複数の表示画面のうちいずれに属しているか特定する表示画面特定部と、
当該受け付けたタッチ操作が前記特定した表示画面の種類ごとに定められた受付可能タッチ操作である場合に、前記一つの表示画面に対して前記受け付けたタッチ操作に応じた制御を行う制御部と、
を備える制御装置。
【請求項2】
前記表示画面の種類の一つである上面図の前記受付可能タッチ操作には、少なくともローテート操作が含まれる
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記上面図の表示画面に対して前記ローテート操作を受け付けた場合に、前記上面図を、車体中心で回転させる
請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記表示画面の種類の一つである3D画面の前記受付可能タッチ操作には、少なくとも2点以上のタッチに基づくスワイプ操作が含まれる
請求項2から請求項3のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記3D画面の表示画面に対して前記2点以上のタッチに基づくスワイプ操作を受け付けた場合には、三次元空間内におけるカメラ位置を、所定点を中心に回転移動させる
請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、複数の表示画面のそれぞれで同時にタッチ操作を受け付けた場合に、当該タッチ操作を受け付けた表示画面のそれぞれに対し、同時に、各タッチ操作に応じた制御を行う
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、所定の表示画面が表示されている領域では、前記タッチ操作に応じた制御を禁止する
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の制御装置を備える
作業機械。
【請求項9】
作業機械用のタッチパネルモニタの制御方法であって、
前記作業機械と周辺地形との側面図を含む複数の表示画面を含む前記タッチパネルモニタに表示するための表示信号を生成するステップと、
タッチ操作を受け付けた表示領域が、前記複数の表示画面のうちいずれに属しているか特定するステップと、
当該受け付けたタッチ操作が前記特定した表示画面の種類ごとに定められた受付可能タッチ操作である場合に、前記一つの表示画面に対して前記受け付けたタッチ操作に応じた制御を行うステップと、
を有する制御方法。