(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036418
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】ローリフトトラック用アタッチメントおよび当該アタッチメントを備えたローリフトトラック
(51)【国際特許分類】
B66F 9/18 20060101AFI20240308BHJP
B62B 3/06 20060101ALI20240308BHJP
B62B 5/00 20060101ALI20240308BHJP
【FI】
B66F9/18 C
B62B3/06 C
B62B5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024011208
(22)【出願日】2024-01-29
(62)【分割の表示】P 2021092925の分割
【原出願日】2021-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000232807
【氏名又は名称】三菱ロジスネクスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】弁理士法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】國本 佳孝
(57)【要約】
【課題】ローリフトトラックの扱いやすさを維持させつつ、積載物を固定することができるローリフトトラック用アタッチメントを提供する。
【解決手段】ローリフトトラックCは、前後方向に延在するとともに昇降可能な左右一対のフォーク5と、フォーク5の昇降によって上下動しない車体2と、を備えている。アタッチメント10は、車体2に連結される連結部11と、フォークに積載される積載物の上方に配置された固定部13と、連結部11と固定部13との間に設けられた中間部と、を備えている。固定部13は、フォーク5の上昇によって積載物が上昇させられることにより、積載物を固定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マストを備えていないローリフトトラックに用いられるアタッチメントであって、
前記ローリフトトラックは、
前後方向に延在するとともに、昇降部の動力によって昇降可能な左右のフォークと、
前記フォークの昇降によって上下動しない車体と、を備え、
前記アタッチメントは、
左右の第1プレートを有し、前記左右の第1プレートによって前記車体の側面に連結される連結部と、
前記フォークに積載される積載物の上方に配置された固定部と、
左右の第2プレートを有し、前記連結部と前記固定部との間に設けられた中間部と、を備え、
前記固定部は、左右に延在するとともにその左右端を前記左右の第2プレートに固定されており、前記フォークの上昇によって前記フォークに積載された前記積載物が上昇させられ前記昇降部の動力により前記フォークとで前記積載物を上下から固定する
ことを特徴とするアタッチメント。
【請求項2】
前記車体は、前記連結部と連結させられるための雌ねじを上下方向に複数有し、
前記左右の第1プレートは、
上下方向に延びるとともにボルト孔を上下方向に複数有し、複数のボルトによって前記車体に連結されるよう構成されており、
1つまたは複数の調整用のボルト孔をさらに有し、前記積載物の高さに基づいて任意の前記ボルト孔を介して前記車体に連結されることにより前記固定部の高さを調整する
ことを特徴とする請求項1に記載のアタッチメント。
【請求項3】
前記左右の第2プレートは、前記第1プレートから連続して前後方向に延在し、
前記固定部は、前記積載された荷の上方に配置される位置で前記左右の第2プレートに連結されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載のアタッチメント。
【請求項4】
前記固定部の下部の断面形状は、正面視上面が断面円弧状に形成された荷を固定するように、正面視円弧状にくり抜かれて形成されている
ことを特徴とする請求項3に記載のアタッチメント。
【請求項5】
前記固定部は、固定部本体と、固定部本体の下面に沿って設けられ弾力性を有する弾力部と、を有する
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のアタッチメント。
【請求項6】
ローリフトトラックに用いられるアタッチメントであって、
前記ローリフトトラックは、
前後方向に延在するとともに、昇降部の動力によって昇降可能な左右のフォークと、
前記フォークの昇降によって上下動しない車体と、を備え、
前記アタッチメントは、
前記車体に連結される連結部と、
前記フォークに積載されるパレットの端部の直上に配置された固定部と、
前記連結部と前記固定部との間に設けられた中間部と、を備え、
前記固定部は、前記フォークの上昇によって前記フォークに積載された前記パレットが上昇させられ前記昇降部の動力により前記フォークとで前記パレットを上下から固定する
ことを特徴とするアタッチメント。
【請求項7】
前記固定部は、前記左右のフォークの直上、かつ前記左右のフォークに積載される前記パレットの端部の直上に配置されている
ことを特徴とする請求項6に記載のアタッチメント。
【請求項8】
前記固定部は、前記左右のフォークにまたがるように左右方向に延在する
ことを特徴とする請求項7に記載のアタッチメント。
【請求項9】
前記車体は、前記連結部と連結させられるための雌ねじを上下方向に複数有し、
前記連結部は、上下方向に延在する左右の第1プレートを有し、
前記左右の第1プレートは、
上下方向に延びるとともにボルト孔を上下方向に複数有し、複数のボルトによって前記車体に連結されるよう構成されており、
1つまたは複数の調整用のボルト孔をさらに有し、前記パレットの厚みに基づいて任意の前記ボルト孔を介して前記車体に連結されることにより前記固定部の高さを調整する
ことを特徴とする請求項6~8のいずれか1項に記載のアタッチメント。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載のアタッチメントを備える
ことを特徴とするローリフトトラック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ローリフトトラック用アタッチメントおよび当該アタッチメントを備えたローリフトトラックに関する。
【背景技術】
【0002】
荷役作業に用いられるローリフトトラックが知られている。例えば、特許文献1に開示のローリフトトラックは、電動でありながら、フォークリフト免許を取得していない人でも使用することができ、扱いやすさに優れている。このローリフトトラックは、車体と、車体の前方に設けられ車体内のリフトシリンダによって昇降させられるバッテリ格納部と、バッテリ格納部から前方に延在する左右一対のフォークと、車体の上部に旋回可能に取り付けられたステアリングハンドルと、を備えている。このローリフトトラックは、バッテリ格納部の上面に開閉可能なバッテリ取出口を有し、バッテリは、このバッテリ取出口から取り出される。また、
図7に開示のローリフトトラック100では、バッテリ取出口4aは、バッテリ格納部4の側面に配置されており、格納されたバッテリは、蓋体4bが開けられた後、左右方向にスライドされバッテリ取出口4aから取り出される。
【0003】
ところで、ローリフトトラックは、荷役中の走行や旋回などによって、積載したパレットや荷に振動や遠心力を与えることがある。そのため、積載された荷が、フォーク上で跳ねたり適切な積載位置からずれたりして荷崩れすることがあった。一方、フォークリフトであれば、荷崩れを防止するために、例えば、特許文献2および特許文献3に開示のような荷崩れ防止用のスタビライザを有するアタッチメントや装置を設けることができる。フォークリフトは、これらアタッチメントや装置によって荷をクランプすることにより、荷役走行中の荷崩れを防止することができる。
【0004】
しかしながら、このような荷崩れ防止用のアタッチメントや装置は、フォークリフト用であって、ローリフトトラックに適用されることを想定されていない。また、このようなアタッチメントや装置は、荷をクランプするための操作を荷役操作と別途行ったり、アタッチメントや装置を荷役車に設けるために、別途電気回路を設け電気的に接続したりする必要がある。このことは、ローリフトトラックの長所である扱いやすさに反する。したがって、この点においても、上記アタッチメントや装置をローリフトトラックに適用することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-230526号公報
【特許文献2】特開平06-336399号公報
【特許文献3】特開2000-327285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、ローリフトトラックの扱いやすさを維持させつつ、積載物を固定することができるローリフトトラック用アタッチメントを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係るローリフトトラック用アタッチメントは、
ローリフトトラックが、
前後方向に延在するとともに、昇降可能な左右一対のフォークと、
フォークの昇降によって上下動しない車体と、を備え、
アタッチメントは、
車体に連結される連結部と、
フォークに積載される積載物の上方に配置された固定部と、
連結部と固定部との間に設けられた中間部と、を備え、
固定部は、フォークの上昇によってフォークに積載された積載物が上昇させられることにより、積載物を固定する、ことを特徴とする。
【0008】
上記アタッチメントは、好ましくは、
ローリフトトラックが、
車体の前方に配置されバッテリを格納するバッテリ格納部と、
バッテリ格納部を昇降させる昇降部と、をさらに備え、
フォークが、バッテリ格納部から前方に向かって延在しており、
バッテリ格納部が、バッテリ取出口を有し、
昇降部が、バッテリ格納部を昇降させることにより、フォークを昇降させるよう構成されており、
連結部が、上下方向に延在する左右一対の第1プレートを有し、
左右一対の第1プレートが、連結材によって車体の側面にそれぞれ連結され、
中間部が、左右一対の第2プレートで構成され、アタッチメントがローリフトトラックに連結された状態においてバッテリ取出口を塞がないよう形成されている。
【0009】
上記アタッチメントは、好ましくは、
車体が、連結部と連結させられるための雌ねじを上下方向に複数有し、
連結材が、複数のボルトによって構成されており、
左右一対の第1プレートは、フォークに積載される積載物の高さに基づいて車体に連結される高さを調整できるようボルト孔を上下方向に複数有する。
【0010】
上記アタッチメントは、好ましくは、
左右一対の第2プレートが、コの字状または逆コの字状に形成されるとともに左右一対の第1プレートとそれぞれ一体的に構成されており、
左右一対の第1プレートと左右一対の第2プレートとで略口字状をそれぞれ形成しており、アタッチメントがローリフトトラックに連結された状態において、当該略口字状の内側にバッテリ取出口が配置される。
【0011】
上記アタッチメントは、好ましくは、
固定部が、パレットがフォークに積載されたときパレットに載置された荷に接触しないようフォークに積載されたパレットの後端部上方において左右方向に延在するよう構成されており、フォークが上昇させられるとパレットを固定する。
【0012】
上記アタッチメントは、好ましくは、
中間部が、前後方向に延在する左右一対の延長部を有し、
固定部が、積載された荷の上方に配置されるよう延長部に連結されている。
【0013】
上記アタッチメントは、好ましくは、
固定部の下部の断面形状が、上面が断面円弧状に形成された荷を固定するように、円弧状にくり抜かれて形成されている。
【0014】
上記アタッチメントは、好ましくは、
固定部が、固定部本体と、固定部本体の下面に沿って設けられ弾力性を有する弾力部と、を有する。
【0015】
上記アタッチメントは、好ましくは、
固定部が、上下に貫通する円状の孔を有する円固定部を有し、積載された上部が円柱状の荷がフォークの上昇によって上昇させられると、円状の孔の内面によって荷の円柱状の上部を囲んで固定する。
【0016】
上記課題を解決するために、本発明に係るローリフトトラックは、
上記アタッチメントを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るローリフトトラック用アタッチメントは、ローリフトトラックの扱いやすさを維持させつつ、積載物を固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るローリフトトラックを示す側面図である。
【
図2】
図1に示されたローリフトトラックの平面図である。
【
図3】
図1に示されたアタッチメントによってパレットが固定されたところを示す側面図である。
【
図4】本発明の係る第2実施形態に係るローリフトトラックを示す側面図である。
【
図5】Aは、
図4に示されたアタッチメントの変形例を示す側面図であり、Bは、B部断面図である。
【
図6】Aは、
図4に示されたアタッチメントの別の変形例を示す側面図であり、Bは、その一部を示す斜視図である。
【
図7】従来のローリフトトラックを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明に係るローリフト用アタッチメントおよび当該アタッチメントを備えたローリフトトラックについて説明する。図中において、X軸は前後方向を示し、Y軸は左右方向を示し、Z軸は上下方向を示している。また、各軸は、互いに直交している。
【0020】
<第1実施形態>
図1および
図2は、本発明の第1実施形態に係るアタッチメント10およびローリフトトラックCを示している。まず、本実施形態に係るローリフトトラックCの構成について説明する。
図1および
図2に示すように、ローリフトトラックCは、後輪1と、車体2とステアリングハンドル3と、バッテリ格納部4と、左右一対のフォーク5と、左右一対の前輪6と、揺動アーム7と、リフトシリンダ8と、を備えている。
【0021】
後輪1は、中央の駆動輪1aと、駆動輪1aの左右に設けられた従動輪1bとから構成されている。車体2は、後輪1の上に設けられており、ステアリングハンドル3は、車体2の後面に旋回可能に設けられている。車体2の両側面には、アタッチメント10を連結させられるための雌ねじ2aが縦方向に複数(本実施形態では4つ)設けられている。
【0022】
バッテリ格納部4は、その内部にバッテリ(図示略)を格納している。駆動輪1aは、バッテリの電力によって駆動させられる。バッテリ格納部4は、側面にバッテリ取出口4aと、蓋体4bとを有し、バッテリは、バッテリ取出口4aが開放された状態で、左右方向にスライドされ取り出されるかまたは格納される。
【0023】
左右一対のフォーク5は、バッテリ格納部4から前方に延在している。左右一対の前輪6は、従動輪であって、揺動アーム7を介して左右のフォーク5にそれぞれ連結されている。前輪6は、フォーク5が上昇すると後方に移動させられる。
【0024】
リフトシリンダ8は、車体2の内部に設けられており、連結部材を介してバッテリ格納部4に連結されている。リフトシリンダ8は、本発明の「昇降部」に相当する。リフトシリンダ8は、油圧シリンダであって、ステアリングハンドル3に設けられたボタンを操作されることにより上下に伸縮させられ、それによってバッテリ格納部4を昇降させる。左右のフォーク5は、バッテリ格納部4の昇降にともなって昇降させられる。本実施形態におけるリフトシリンダ8は、単なる一例であって、本発明における昇降部は、これに限定されない。なお、車体2は、リフトシリンダ8の動作によって上下動することがない。
【0025】
ユーザは、ステアリングハンドル3を操作してリフトシリンダ8を昇降および旋回させ積載すべき物をフォーク5に積載させ、ローリフトトラックをステアリングハンドル3によって牽引する。ローリフトトラックCは、バッテリの電力によってユーザによるステアリングハンドル3の操作および牽引を補助するよう構成されている。これにより、ユーザは、軽い力で、ステアリングハンドル3を操作することができるとともにローリフトトラックCを牽引することができる。
【0026】
次に、本実施形態に係るアタッチメント10の構成について説明する。本実施形態におけるアタッチメント10は、フォーク5に積載されたパレットP(積載物)を固定するよう構成されている。
図1および
図2に示すように、ローリフトトラックCは、アタッチメント10をさらに備えている。アタッチメント10は、連結部11と、中間部12と、固定部13と、左右一対のストッパ14と、を有している。
【0027】
連結部11は、上下方向に延在する左右一対のプレート110(本発明の「第1プレート」に相当)を有する。左右のプレート110は、複数(本実施形態では4つ)のボルト孔111を有する。ボルト孔111は、車体2の雌ねじ2aに重ね合わされ、連結部11は、ボルト112によって車体2の両側面に取り外し可能に連結されている。
【0028】
中間部12は、左右一対のプレート120(本発明の「第2プレート」に相当)を有する。左右一対のプレート120は、側面視コの字状または逆コの字状に形成されるとともに左右一対のプレート110とそれぞれ一体的に構成されている。そして、左右一対のプレート110と左右一対のプレート120とで略口字状がそれぞれ形成されており、当該略口字状の内側にバッテリ取出孔121が形成されている。バッテリ取出口4aおよび蓋体4bは、アタッチメント10がローリフトトラックCに連結された状態において、当該口字状の内側、すなわちバッテリ取出孔121内に配置されている。これにより、ローリフトトラックCは、アタッチメント10が車体2に連結された状態でバッテリを格納することおよび取出すことができる。
【0029】
図2に示すように、固定部13は、左右方向に延在し、中間部12の前面下部に配置されている。すなわち、固定部13は、パレットPがフォーク5に積載されたとき、パレットPに載置された荷Wに接触しないよう、フォーク5に積載されたパレットPの後端部上方において配置されている。固定部13は、固定部本体130と、弾力部131とを有する。固定部本体130は、中間部12の前面に溶接などによって固定され、弾力部131は、固定部本体130の下面にボルトなどによって固定されている。本実施形態における弾力部131の材質は、ゴムであるが単なる一例であって、フォーク5に積載されたパレットPおよびパレットPに載置された荷Wを傷つけず、かつ適切にそれらを固定できるのであれば、本発明における弾力部131の材質は、特に限定されない。
【0030】
左右一対のストッパ14は、前側上部が前方に傾斜したプレート状に形成され、プレート120から前方に突出してプレート120の内面下部にそれぞれ固定されている。これにより、ストッパ14は、パレットPのフォーク孔にフォーク5を差し込まれたとき、パレットPが中間部12に接触することを防止することができる。
【0031】
図3に示すように、ローリフトトラックCは、パレットPの差し込み孔にフォーク5を差し込み、次いで、リフトシリンダ8によってフォーク5を上昇させることにより、パレットPを固定部13の下面および左右のフォーク5の上面でクランプする。パレットPは、ストッパ14によって中間部12の前面に接触することを防止されていることにより、適切に上昇することができる。また、パレットPは、固定部13の下面が弾力部131によって覆われていることにより、固定部13の下面によって傷つくことを防止されるとともに適切に固定される。
【0032】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係るアタッチメント10について、
図4を参照しつつ説明する。なお、ローリフトトラックCにおける第1実施形態と同様の構成については、説明を省略する。また、アタッチメント10に関しても第1実施形態と同様の構成については、詳細な説明を省略することがある。
【0033】
図4に示すように、本実施形態に係るアタッチメント10は、ローリフトトラックCの車体2に連結されている。本実施形態に係るアタッチメント10は、フォーク5に積載された荷W(積載物)を固定するよう構成されている。アタッチメント10は、連結部11と、中間部12と、固定部13と、を有している。
【0034】
連結部11は、第1実施形態と同様に、上下方向に延在する左右一対のプレート110を有し、左右のプレート110に複数のボルト孔111を有する。連結部11は、第1実施形態と同様に、ボルト112によって車体2の両側面に取り外し可能に連結されている。
【0035】
中間部12は、左右一対の延長部122を有する。左右一対の延長部122は、左右のプレート110から連続して前方にそれぞれ延在している。プレート110の上端は、積載される荷Wの上面よりも高く構成されており、延長部122の前端は、フォーク5に積載される荷Wの前後方向中央よりも前方に配置されている。
【0036】
固定部13は、左右方向に延在し、延長部122の前部下面に固定されている。固定部13の前後方向中央は、積載される荷Wの前後方向中央上に配置されている。また、固定部13は、第1実施形態と同様に固定部本体130および弾力部131を有し、固定部本体130は、延長部122の下面に固定され、弾力部131は、固定部本体130の下面に固定されている。
【0037】
アタッチメント10は、上記構成を備えていることにより、ユーザによって、フォーク5が上昇させられると、フォーク5に積載された荷Wを固定部13および左右のフォーク5の上面でクランプする。これにより、荷Wは、ローリフトトラックCの走行中においても、振動や遠心力によって荷崩れすることを防止される。
【0038】
上記実施形態に係るアタッチメント10は、従来のローリフトトラックCと同様にフォーク5を上昇させるだけで、フォーク5に積載されたパレットPや荷Wを固定部13によってクランプすることができる。しかも、上記実施形態に係るアタッチメント10は、別途電気回路を設けることもなく、ローリフトトラックCにボルト112によって連結するだけで使用することができる。したがって、アタッチメント10は、ローリフトトラックCの扱いやすさを維持させつつ、積載された荷Wを固定することができる。
【0039】
さらに、上記実施形態に係るアタッチメント10は、バッテリ取出口4aを塞いでいないので、ローリフトトラックCをアタッチメント10が連結された状態でバッテリを取り出すことおよび格納することができる。なお、
図4では、フォーク5の上面に直接荷Wを積載しているが、フォーク5にパレットPを積載し、そのパレットP上に載置された荷Wを固定部13で固定してもよい。この場合、パレットPは、荷Wの下面とフォーク5の上面とによってクランプされることにより固定される。
【0040】
以上、本発明に係るアタッチメントの実施形態について説明してきたが、本発明に係るアタッチメントおよび当該アタッチメントを備えたローリフトトラックは、上記実施形態に限定されるものではない。また、本発明に係るアタッチメントおよびローリフトトラックは、上記実施形態を互いに組み合わせて実施されてもよく、例えば、下記変形例によって実施されてもよい。
【0041】
・第2実施形態における固定部13の前後方向の長さは、ローリフトトラックCに積載される荷Wの上面を覆う長さであってもよく、特に限定されない。また、第2実施形態における固定部13の数は、複数でもよい。この場合、延長部122は、荷Wの前方にまで延在してもよく、固定部13は、2つであって、延長部122の前部および後部の下面にそれぞれ設けられていてもよい。
【0042】
・プレート110は、ボルト孔111をさらに1つまたは複数有していてもよい。この場合、連結部11は、複数のボルト孔111から雌ねじ2aに重ね合わされるボルト孔111を選択して車体2に連結されることにより、車体2に対するアタッチメント10の高さを変更することができる。これにより、固定部13の下面の高さは、固定すべき積載物の高さに応じて変更することができる。また、この場合、第1実施形態におけるプレート110と120とで形成される形状を、例えば、逆U字状にすることにより、アタッチメント10の高さを変更しても、プレート120の下部によってバッテリ取出口4aを塞ぐことを防止することができる。
【0043】
・
図5Aおよび
図5Bに示すように、第2実施形態における固定部13の下面の断面形状は、上面が断面円弧状に形成された荷Wを固定するように、下部の断面形状が円弧状にくり抜かれた形状であってもよい。この場合、ローリフトトラックCは、
図5Aおよび
図5Bに示すように円柱状の荷Wを左右のフォーク5上に載置されると、フォーク5を上昇させて荷Wをフォーク5の上面および固定部13の下面で固定することができる。
【0044】
・
図6Aおよび
図6Bに示すように、固定部13は、円固定部132を有していてもよい。円固定部132は、上下に貫通する円状の孔133を有しており、延長部122の前部に設けられている。この場合、ローリフトトラックCは、
図6Aに示すように、円柱状の荷Wをフォーク5またはフォーク5に積載されたパレットPに直立させた状態で載置され、フォーク5を上昇させて荷Wの上部を円状の孔133の内面で囲んで固定する。また、この場合、円固定部132は、円状の孔133の内面を柔軟性を有する柔軟部材134によって構成されていてもよい。さらに、固定部13は、例えば、円固定部132の上方に平面状のプレートを有してもよい。この場合、固定部13は、当該平面状のプレートの下面およびフォーク5の上面によって円柱状の荷Wをクランプする。当該プレートは、弾力性を有する弾力部材によって構成されてもよい。
【符号の説明】
【0045】
C ローリフトトラック
P パレット
1 後輪
1a 駆動輪
1b 従動輪
2 車体
2a 雌ねじ
3 ステアリングハンドル
4 バッテリ格納部
4a バッテリ取出口
4b 蓋体
5 フォーク
6 前輪
7 揺動アーム
8 リフトシリンダ(昇降部)
10 アタッチメント
11 連結部
110 プレート(第1プレート)
111 ボルト孔
112 ボルト(連結材)
12 中間部
120 プレート(第2プレート)
121 バッテリ取出孔
122 延長部
13 固定部
130 固定部本体
131 弾力部
132 円固定部
133 円状の孔
134 柔軟部材
14 ストッパ