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特開2024-36455入力装置、ゲームコントローラ、情報処理装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036455
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】入力装置、ゲームコントローラ、情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/24 20140101AFI20240308BHJP
【FI】
A63F13/24
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024013936
(22)【出願日】2024-02-01
(62)【分割の表示】P 2022569643の分割
【原出願日】2020-12-17
(71)【出願人】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100158780
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100121359
【弁理士】
【氏名又は名称】小沢 昌弘
(74)【代理人】
【識別番号】100130269
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 盛規
(72)【発明者】
【氏名】郡山 和彦
(72)【発明者】
【氏名】岡村 考師
(57)【要約】
【課題】操作部材の操作を検出する新たな手法を提供する。
【解決手段】コントローラは開口を有するハウジングと、開口から一部が露出される操作部材とを備える。操作部材は、開口から露出され、ユーザによって操作されるキートップと、キートップから下方に延びる軸部と、軸部から突出する突出部とを有する。また、ハウジング内には、操作部材が傾倒されたときに、操作部材の突出部が接触する台座が設けられる。突出部が台座に接触することにより操作部材の傾倒が制限される。また、台座の上に圧力を検出するためのセンサが設けられる。
【選択図】図23
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有するハウジングと、当該開口から一部が露出し、当該開口の周縁方向に移動可能な操作部材とを備え、
前記操作部材は、
前記開口から露出され、ユーザにより操作されるキートップと、
前記キートップから前記開口を通って前記ハウジング内部に延びる軸部と、
前記ハウジング内部に位置する第1部分とを有し、
前記ハウジングの内部に設けられ、前記操作部材が前記開口の周縁方向に移動した場合に、前記第1部分が接触することで前記移動を制限する第2部分と、
前記第1部分または前記第2部分に設けられ、前記第1部分と前記第2部分との接触によって加わる力に応じた出力をする第1センサと、を更に備え、
前記操作部材が第1方向に移動した場合、当該第1方向側において、前記第1部分と前記第2部分とが接触する、入力装置。
【請求項2】
前記操作部材の移動方向を検出する第2センサをさらに備える、請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記第1部分と前記第2部分とは、前記第1センサを介して接触する、請求項1又は2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記第1部分は、前記軸部の中心から離れる方向、かつ前記ハウジングの内部方向に突出する、請求項1から3の何れかに記載の入力装置。
【請求項5】
前記操作部材が前記開口の周縁方向に移動した場合に、前記第1部分の先端が前記第2部分に接触する、請求項1から4の何れかに記載の入力装置。
【請求項6】
前記第1部分の先端は丸みを帯びた形状である、請求項5に記載の入力装置。
【請求項7】
前記第2部分は、前記第1部分が接触する接触面と、当該接触面から前記ハウジングの外側方向に延びる壁部とを有する、請求項1から6の何れかに記載の入力装置。
【請求項8】
前記壁部は、前記接触面のうち前記軸部の中心側の端部に設けられる、請求項7に記載の入力装置。
【請求項9】
前記操作部材が前記開口の任意の周縁方向に移動したとしても、前記第1部分は前記第2部分に接触する、請求項1から8の何れかに記載の入力装置。
【請求項10】
前記第1部分のうち前記第2部分に接触する部分は円形状であり、
前記第2部分のうち前記第1部分に接触する部分は円形状である、請求項9に記載の入力装置。
【請求項11】
前記第1部分における前記第2部分と接触する部分の長さと、前記第2部分における前記第1部分と接触する部分の長さとの差は、前記軸部の周長と前記開口の周長との差よりも小さい、請求項1から10の何れかに記載の入力装置。
【請求項12】
開口を有するハウジングと、当該開口から一部が露出し、当該開口の周縁方向に移動可能な操作部材とを備え、
前記操作部材は、
前記開口から露出され、ユーザにより操作されるキートップと、
前記キートップから前記開口を通って前記ハウジング内部に延びる軸部と、
前記ハウジング内部に位置する第1部分とを有し、
前記ハウジングの内部に設けられ、前記操作部材が前記開口の周縁方向に移動した場合に、前記第1部分が接触することで前記移動を制限する第2部分と、
前記第1部分または前記第2部分に設けられ、前記第1部分と前記第2部分との接触によって加わる力に応じた出力をするセンサと、を更に備え、
前記操作部材が第1方向に移動した場合、当該第1方向側において、前記第1部分と前記第2部分とが接触する、ゲームコントローラ。
【請求項13】
入力装置を備える情報処理装置であって、
前記入力装置は、開口を有するハウジングと、当該開口から一部が露出し、当該開口の周縁方向に移動可能な操作部材とを備え、
前記操作部材は、
前記開口から露出され、ユーザにより操作されるキートップと、
前記キートップから前記開口を通って前記ハウジング内部に延びる軸部と、
前記ハウジング内部に位置する第1部分とを有し、
前記入力装置は、
前記ハウジングの内部に設けられ、前記操作部材が前記開口の周縁方向に移動した場合に、前記第1部分が接触することで前記移動を制限する第2部分と、
前記第1部分または前記第2部分に設けられ、前記第1部分と前記第2部分との接触によって加わる力に応じた出力をするセンサと、を更に備え、
前記操作部材が第1方向に移動した場合、当該第1方向側において、前記第1部分と前記第2部分とが接触する、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置、ゲームコントローラ、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、多方向入力部を備えるゲームコントローラが存在する。例えば、特許文献1に記載のコントローラは、多方向入力部としてアナログスティックを備え、コントローラのハウジングに設けられた開口からアナログスティックが露出され、ユーザによってアナログスティックが操作される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-61225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、操作部材の操作を検出する新たな手法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決すべく、本発明は、以下の構成を採用した。
【0006】
本発明の一例は、開口を有するハウジングと、当該開口から一部が露出し、当該開口の周縁方向に移動可能な操作部材とを備える入力装置であって、前記操作部材は、前記開口から露出され、ユーザにより操作されるキートップと、前記キートップから前記開口を通って前記ハウジング内部に延びる軸部と、前記ハウジング内部に位置する第1部分とを有し、前記入力装置は、前記ハウジングの内部に設けられ、前記操作部材が前記開口の周縁方向に移動した場合に、前記第1部分が接触することで前記移動を制限する第2部分と、前記第1部分または前記第2部分に設けられ、前記第1部分と前記第2部分との接触によって加わる力に応じた出力をする第1センサと、を更に備える。
【0007】
上記によれば、操作部材が開口の周縁方向に移動した場合に、操作部材の第1部分がハウジング内部の第2部分に接触することで、操作部材の動きが制限される。また、第1部分と第2部分との接触によって加わる力に応じた出力をするセンサを備えるため、当該センサの出力を用いて入力を行うことができる。
【0008】
また、他の構成では、前記操作部材の移動方向を検出する第2センサをさらに備えてもよい。
【0009】
また、他の構成では、前記第1部分と前記第2部分とは、前記第1センサを介して接触してもよい。
【0010】
また、他の構成では、前記第1部分は、前記軸部の中心から離れる方向、かつ前記ハウジングの内部方向に突出してもよい。
【0011】
また、他の構成では、前記操作部材が前記開口の周縁方向に移動した場合に、前記第1部分の先端が前記第2部分に接触してもよい。
【0012】
また、他の構成では、前記第1部分の先端は丸みを帯びた形状であってもよい。
【0013】
また、他の構成では、前記操作部材が第1方向に移動した場合、当該第1方向側において、前記第1部分と前記第2部分とが接触してもよい。
【0014】
また、他の構成では、前記第2部分は、前記第1部分が接触する接触面と、当該接触面から前記ハウジングの外側方向に延びる壁部とを有してもよい。
【0015】
また、他の構成では、前記壁部は、前記接触面のうち前記軸部の中心側の端部に設けられてもよい。
【0016】
また、他の構成では、前記第2部分は、少なくとも前記ハウジングのうちの前記開口の周縁部分よりも摩擦係数の低い素材で構成されてもよい。
【0017】
また、他の構成では、前記操作部材が前記開口の周縁方向に移動した場合に、前記軸部が前記ハウジングに接触することなく、前記第1部分が前記第2部分に接触してもよい。
【0018】
また、他の構成では、前記操作部材が前記開口の周縁方向に移動した場合に、前記第1部分が前記第2部分に接触した後、さらに前記操作部材が前記周縁方向に移動することで、前記軸部が前記ハウジングに接触してもよい。
【0019】
また、他の構成では、前記操作部材が第1方向に移動した場合、当該第1方向と逆の第2方向側において、前記第1部分と前記第2部分とが接触してもよい。
【0020】
また、他の構成では、前記第2部分は、前記ハウジングの裏側に設けられ、前記操作部材が前記開口の周縁方向に移動した場合、前記第1部分の外側面が前記第2部分に接触することにより、前記移動が制限されてもよい。
【0021】
また、他の構成では、前記操作部材が前記開口の任意の周縁方向に移動したとしても、前記第1部分は前記第2部分に接触してもよい。
【0022】
また、他の構成では、前記第1部分のうち前記第2部分に接触する部分は円形状であり、前記第2部分のうち前記第1部分に接触する部分は円形状であってもよい。
【0023】
また、他の構成では、前記第1部分と前記第2部分とが接触する部分には、クッション材が設けられてもよい。
【0024】
また、他の構成では、前記第1部分における前記第2部分と接触する部分の長さと、前記第2部分における前記第1部分と接触する部分の長さとの差は、前記軸部の周長と前記開口の周長との差よりも小さくてもよい。
【0025】
また、他の構成では、前記操作部材、前記第2部分および前記センサを備えるゲームコントローラであってもよい。また、他の構成では、前記入力装置を備える情報処理装置であってもよい。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、操作部材の操作を従来にない手法で検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】ゲームコントローラ1の外観図
図2】ユーザが両手でゲームコントローラ1を把持する様子を示す図
図3】ゲームコントローラ1の分解斜視図
図4】アナログスティック4の操作部材41の外観図
図5A】操作部材41の正面側斜視図
図5B】操作部材41の背面側斜視図
図6図4の(a)のA-A線断面図
図7】アナログスティック4の台座42の外観図
図8A】台座42を背面側から見た斜視図
図8B】台座42を上面側から見た斜視図
図9図7の(a)のA-A線断面図
図10】操作部材41が傾倒されていない場合のゲームコントローラ1をアナログスティック4の中心で切断したときの端面の一例を示す図
図11図10の状態から操作部材41が左方向に傾倒したときの一例を示す図
図12図10の状態から操作部材41が右方向に傾倒したときの一例を示す図
図13】操作部材41の軸部412と第1ハウジング10との接触によって操作部材41の傾倒を制限する場合について接触点が移動する様子の一例を示す図
図14】台座42が設けられない構成において操作部材41の軸部412と第1ハウジング10とが接触する様子の一例を示す図
図15】操作部材41の突出部413と台座42との接触によって操作部材41の傾倒を制限する場合において接触点の軌跡の一例を示す図
図16】操作部材41の突出部413と台座42とが接触する様子の一例を示す図
図17】第1ハウジング10の開口部11にリング部材12が設けられたときの部分拡大図の一例を示す図
図18】第1ハウジング10の開口部11の周縁にリング部材12が設けられた構成においてゲームコントローラ1をアナログスティック4の中心で切断したときの端面の一例を示す図
図19】台座42の接触面421に凹部を形成したときの接触面421の一例を示す図
図20】他の実施形態の構成の一例を示す図
図21】本実施形態におけるゲームコントローラのアナログスティック4の一部を示す分解斜視図
図22】本実施形態のゲームコントローラをアナログスティック4の中心で切断したときの端面の一例を示す図
図23】操作部材41が右方向に傾倒されたときの端面の一例を示す図
図24】本実施形態の変形例1を示す図
図25図24の操作部材41が右方向に傾倒されたときの図
図26】本実施形態の変形例2を示す図
図27図26の操作部材41が左方向に傾倒されたときの図
図28】本実施形態の変形例3を示す図
図29図28の操作部材41が左方向に傾倒されたときの図
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して、一実施形態に係るゲームコントローラ1(入力装置の一例)について説明する。本実施形態のゲームコントローラ1は、図示しないゲーム装置に無線または有線で接続され、ゲーム装置において行われるゲームの操作を行うために用いられる。なお、ゲームコントローラ1が接続されるゲーム装置は、携帯型のゲーム装置であってもよいし、据置型のゲーム装置であってもよい。また、ゲームコントローラ1は、ゲーム装置に限らず、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置に接続され、当該情報処理装置を用いて行われるゲームの操作のために用いられてもよい。
【0029】
図1は、ゲームコントローラ1の外観図の一例である。図1の(a)は、ゲームコントローラ1の正面図である。図1の(b)は、ゲームコントローラ1の左側面図である。図1の(c)は、ゲームコントローラ1の右側面図である。図1の(d)は、ゲームコントローラ1の上面図である。図2の(e)は、ゲームコントローラ1の下面図である。図1の(f)は、ゲームコントローラ1の背面図である。図1におけるxyz座標系は、ゲームコントローラ1を基準とした座標系であり、ゲームコントローラ1の前面に垂直な方向(例えばボタン2の押下方向)をz軸方向、ゲームコントローラ1の左右方向(例えばAボタン2とYボタン2とを結ぶ方向)をx軸方向、ゲームコントローラ1の上下方向(例えばBボタン2とXボタン2とを結ぶ方向)をy軸方向として定める。
【0030】
図1に示されるように、ゲームコントローラ1は、ゲームコントローラ1における前面側の第1ハウジング10と、ゲームコントローラ1における背面側の第2ハウジング20とを有する。第1ハウジング10と第2ハウジング20とが接続されることにより、ゲームコントローラ1のハウジングが形成される。第1ハウジング10及び第2ハウジング20は、例えばABS樹脂、ポリカABS樹脂、アクリルABS樹脂等で形成されてもよいし、これら3つの素材のうちの少なくとも2つを含むポリマーアロイで形成されてもよい。また、ゲームコントローラ1は、左側のグリップ部8aと、右側のグリップ部8bとを有する。
【0031】
また、図1に示されるように、ゲームコントローラ1の前面の右側領域には、4つのボタン(Aボタン、Bボタン、Xボタン、Yボタン)2が設けられる。また、4つのボタン2の左側には、4つのボタン(「+」ボタン、「-」ボタン、ホームボタン、キャプチャボタン)3が設けられる。また、ゲームコントローラ1の前面の右側領域であって、Yボタン2の左斜め下方には、右アナログスティック4bが設けられる。
【0032】
また、ゲームコントローラ1の前面の左側領域であって、「-」ボタン3の左側には、左アナログスティック4aが配置される。また、ゲームコントローラ1の前面の左側領域であって、左アナログスティック4aの右斜め下方には、十字キー5が配置される。
【0033】
また、図1の(d)に示されるように、ゲームコントローラ1の上面には、Lボタン6aと、ZLボタン7aと、Rボタン6bと、ZRボタン7bとが設けられる。具体的には、Lボタン6aは、ゲームコントローラ1の上面における左端部に設けられる。ZLボタン7aは、Lボタン6aのゲームコントローラ1における背面側(z軸正方向側)に設けられる。また、Rボタン6bは、ゲームコントローラ1の上面における右端部に設けられる。ZRボタン7bは、Rボタン6bのゲームコントローラ1における背面側(z軸正方向側)に設けられる。
【0034】
4つのボタン2は、図1の(a)の奥方向(z軸正方向)に押下可能なボタンであり、ゲーム操作に用いられるボタンである。また、4つのボタン3は、z軸正方向に押下可能なボタンである。また、十字キー5は、上下左右の方向を指示するデバイスである。
【0035】
また、左アナログスティック4aおよび右アナログスティック4bは、方向を指示するデバイスであり、ユーザの指で操作されるキートップが任意の方向(上下左右および斜め方向の任意の角度)に傾倒可能に構成されている。左アナログスティック4aおよび右アナログスティック4bは、z軸正方向に押下可能に構成されてもよい。なお、以下では、左アナログスティック4aおよび右アナログスティック4bを「アナログスティック4」と総称することがある。アナログスティック4は、傾倒された方向に関する情報と、その傾倒角に関する情報とを含む信号を出力し、ゲーム装置は、この信号に基づいてゲーム処理を実行可能である。アナログスティック4の詳細については後述する。
【0036】
図2は、ユーザが両手でゲームコントローラ1を把持する様子を示す図である。図2に示されるように、ユーザが左手でグリップ部8aを把持し、右手でグリップ部8bを把持した場合、左手の親指で左アナログスティック4aおよび十字キー5を操作可能である。また、ユーザは、左手の親指で2つのボタン3(「-」ボタンおよびキャプチャボタン)を操作可能である。また、ユーザは、左手の人差し指(又は中指)でLボタン6aおよびZLボタン7aを操作可能である。また、ユーザは、右手の親指で、4つのボタン2(Aボタン、Bボタン、Xボタン、Yボタン)、右アナログスティック4b、2つのボタン3(「+」ボタン、ホームボタン)を操作可能である。また、ユーザは右手の人差し指(又は中指)でRボタン6bおよびZRボタン7bを操作可能である。なお、図2ではゲームコントローラ1の典型的な持ち方を示しており、ユーザによっては異なる持ち方で持たれてもよい。
【0037】
以下では、まず、アナログスティックの傾倒の制限にかかる構造について説明する。図3は、ゲームコントローラ1の分解斜視図である。図3に示されるように、ゲームコントローラ1の内部(第1ハウジング10および第2ハウジング20によって形成されるハウジングの内部)には、様々な部材が収納される。
【0038】
具体的には、ゲームコントローラ1の内部には、基板30と、左アナログスティック本体部品43aと、台座42aと、左操作部材41aとが収納される。また、ゲームコントローラ1の内部には、右アナログスティック本体部品43bと、台座42bと、右操作部材41bとが収納される。なお、これらの他にも様々な部品がゲームコントローラ1の内部に収納されるが、以下ではアナログスティック4に関連する部分についてのみ説明する。
【0039】
左アナログスティック本体部品43aと、台座42aと、左操作部材41aとにより、左アナログスティック4aが構成される。また、右アナログスティック本体部品43bと、台座42bと、右操作部材41bとにより、右アナログスティック4bが構成される。なお、以下では、左アナログスティック本体部品43aおよび右アナログスティック本体部品43bを、「アナログスティック本体部品43」と総称することがある。また、台座42aおよび台座42bを、「台座42」(第2部分の一例)と総称することがある。同様に、左操作部材41aおよび右操作部材41bを、「操作部材41」と総称することがある。
【0040】
アナログスティック本体部品43は、基板30上に固定される。アナログスティック本体部品43は、スティック軸431を有する(図10参照)。詳細は後述するが、アナログスティック本体部品43のスティック軸431を操作部材41に設けられた軸挿入口415に挿入することで、操作部材41がアナログスティック本体部品43に固定される。そして、操作部材41のキートップが、第1ハウジング10に設けられた開口部11(左開口部11aおよび右開口部11b)から露出される。アナログスティック本体部品43は、入力方向(操作部材41の傾倒方向)を検出するセンサである。
【0041】
ユーザによって操作部材41が傾倒されることで、方向入力が行われる。詳細は後述するが、操作部材41は、台座42によって傾倒の角度が制限される。
【0042】
(アナログスティック4の操作部材41の詳細)
次に、アナログスティック4の操作部材41の詳細について説明する。図4は、アナログスティック4の操作部材41の外観図の一例である。図4の(a)は、操作部材41の正面図(操作部材41がゲームコントローラ1に固定された場合においてゲームコントローラ1の正面から操作部材41のみを見た図)である。図4の(b)は、操作部材41の左側面図である。図4の(c)は、操作部材41の右側面図である。図4の(d)は、操作部材41の上面図である。図4の(e)は、操作部材41の下面図である。図4の(f)は、操作部材41の背面図である。なお、図4におけるx軸、y軸、z軸は、図1におけるx軸、y軸、z軸とそれぞれ対応する。
【0043】
図5Aは、操作部材41の正面側斜視図である。図5Bは、操作部材41の背面側斜視図である。また、図6は、図4の(a)のA-A線断面図である。
【0044】
図4に示されるように、操作部材41は、キートップ411と、軸部412と、突出部413とを有する。キートップ411は、第1ハウジング10の開口部11から露出され、ユーザによって操作される(触れられる)部分である。キートップ411は、ゲームコントローラ1を正面から見たときに円形となる形状である。
【0045】
軸部412は、キートップ411から下方(ゲームコントローラ1のボタン2の押下方向;z軸正方向)に延びる。操作部材41がゲームコントローラ1に設けられた場合、軸部412は、キートップ411からゲームコントローラ1のハウジングの内部に向かう方向に延びる。軸部412は、例えば円柱形状であり、底面の半径はL1である。操作部材41が基板30上に設けられたアナログスティック本体部品43に固定された場合、軸部412は、第1ハウジング10の開口部11を貫通し、キートップ411をハウジングの外部に露出させる。
【0046】
突出部413(第1部分の一例)は、傘状に構成され、軸部412の下方(z軸正方向)に行くにしたがって広がるように構成される。突出部413は、操作部材41が傾倒された場合に台座42と接触する接触部である。突出部413と台座42とは、直接接触してもよいし、後述するシートを介して接触してもよい。また、突出部413と台座42とは、後述する圧力センサを介して接触してもよい。すなわち、「突出部413と台座42とが接触する」とは、突出部413と台座42とが直接的に接触することを意味してもよいし、例えば他の部材を挟んで間接的に接触することを意味してもよい。具体的には、突出部413は、軸部412から下方、かつ、軸部412の中心から離れる方向(x軸方向およびy軸方向。すなわち、ボタン2の押下方向と垂直な方向)に突出する。より具体的には、突出部413は、図4の(e)に示されるように、中空の球の約1/2~2/3を切ったような形状であり、xy平面と並行な方向から見た場合にその側面は円弧状となる。図4の(f)に示されるように、突出部413の下方端部(先端)は、操作部材41を背面から見た場合に円状となる。また、突出部413の先端は、丸みを帯びた形状であってもよい。図4の(d)に示されるように、軸部412の中心から突出部413の先端までの距離(すなわち、突出部413の先端の円の半径)はL3(>L1)である。突出部413の先端は、丸みを帯びた形状ではなく、側面方向に突出した突起を有してもよい。
【0047】
また、図4の(f)、図5B図6に示されるように、突出部413の内側には、複数のリブ414が設けられる。リブ414は、突出部413の先端に向かって内側に沿うように設けられ、操作部材41が操作されたときに突出部413が変形することを防止する。なお、リブ414は、突出部413の先端まで延びるように設けられてもよい。
【0048】
また、突出部413の内側には、軸挿入口415が設けられる。この軸挿入口415にアナログスティック本体部品43のスティック軸431(図10参照)が挿入される。これにより、操作部材41がアナログスティック本体部品43に固定される。
【0049】
キートップ411は、第1ハウジング10及び第2ハウジング20とは異なる素材によって構成され、ユーザが操作したときに滑り難いように第1ハウジング10及び第2ハウジング20よりも摩擦係数の高い素材によって構成される。また、軸部412および突出部413(リブ414および軸挿入口415も)は、ポリプロピレンにより構成されてもよい。また、軸部412および突出部413は、第1ハウジング10及び第2ハウジング20と同じ素材によって構成されてもよい。キートップ411、軸部412、および突出部413(リブ414および軸挿入口415も)は、2色成形により一体成形されてもよい。なお、キートップ411は、第1ハウジング10と同じ素材によって構成されてもよい。また、軸部412および突出部413は、異なる素材によって構成されてもよい。
【0050】
(アナログスティック4の台座42の詳細)
図7は、アナログスティック4の台座42の外観図の一例である。図7の(a)は、台座42の正面図である。図7の(b)は、台座42の左側面図である。図7の(c)は、台座42の右側面図である。図7の(d)は、台座42の上面図である。図7の(e)は、台座42の下面図である。図7の(f)は、台座42の背面図である。なお、図7におけるz軸は、図1におけるz軸と一致する。
【0051】
図8Aは、台座42を背面側から見た斜視図である。図8Bは、台座42を上面側から見た斜視図である。また、図9は、図7の(a)のA-A線断面図である。
【0052】
台座42(第2部分の一例)は、操作部材41が傾倒された場合に突出部413と接触する被接触部である。図7の(d)に示されるように、台座42は、リング状の部材である。台座42は、接触面421と、内壁422と、外壁423とを有する。また、台座42は、2つのネジ穴424を有する。台座42は、一体成形により成形される。ネジ穴424にネジを挿入してネジ止めすることにより、台座42は、第1ハウジング10に固定される。台座42は、接触面421がゲームコントローラ1の前面側を向くように(すなわち、接触面421の法線ベクトルがゲームコントローラ1のz軸負方向を向くように)ハウジング内に固定される。図3に示されるように、台座42は、基板30およびアナログスティック本体部品43よりもゲームコントローラ1の前面側に配設され、アナログスティック本体部品43の周りを囲むようにリング状の台座42が配設される。
【0053】
図9に示されるように、接触面421は、xy平面に平行な平面である。外壁423は、接触面421から上方(z軸負方向)に延び、例えば接触面421に対して垂直な面である。また、内壁422の少なくとも内側の面(接触面421と接する面)は、例えば、接触面421から上方(z軸負方向)および台座42の中心(内側)に向かって延び、接触面421に対して90度よりも大きな角度を有するように形成される。なお、内壁422および外壁423の少なくとも何れか一方は形成されなくてもよい。
【0054】
台座42は、第1ハウジング10及び第2ハウジング20よりも摺動性の高い(摩擦係数の低い)素材で構成されてもよい。また、台座42は、操作部材41の突出部413よりも摺動性の高い素材で構成されてもよい。例えば、台座42は、POM(ポリアセタール)樹脂、PA(ナイロン/ポリアミド)樹脂、PBT樹脂等により構成されてもよい。なお、台座42は、どのような素材で構成されてもよい。例えば、台座42は、突出部413と同じ素材によって構成されてもよいし、第1ハウジング10及び第2ハウジング20と同じ素材によって構成されてもよい。
【0055】
(台座42による操作部材41の傾倒の制限)
図10は、操作部材41が傾倒されていない場合のゲームコントローラ1をアナログスティック4の中心で切断したときの端面の一例を示す図である。なお、図10においては、台座42による操作部材41の傾倒の制限に関係する部分を概念的に示し、操作部材41の傾倒の制限に関係しない部分については表示を省略している。また、図10の下方向は、図1図4等のz軸方向と一致するものとする。
【0056】
図10に示されるように、操作部材41の軸挿入口415にアナログスティック本体部品43のスティック軸431が挿入され、操作部材41がアナログスティック本体部品43に固定される。操作部材41のキートップ411は、第1ハウジング10の開口部11から露出される。
【0057】
アナログスティック本体部品43のスティック軸431は、点Pを支点として傾倒可能に構成されている。なお、図10において、点Pを通る上下方向の破線は、アナログスティック本体部品43のスティック軸431の中心を示している。この軸431の中心は、操作部材41の軸部412の中心と一致する。例えばユーザによって操作部材41のキートップ411に対して図10の左右方向に力が加えられると、アナログスティック本体部品43のスティック軸431は左右方向に傾く。また、操作部材41のキートップ411に対して図10の紙面に垂直な方向に力が加えられると、アナログスティック本体部品43のスティック軸431は、図10の紙面に垂直な方向に傾く。
【0058】
図11は、図10の状態から操作部材41が左方向に傾倒したときの一例を示す図である。図12は、図10の状態から操作部材41が右方向に傾倒したときの一例を示す図である。なお、図11および図12においては、説明のため、点Pおよびスティック軸431の中心を除いてアナログスティック本体部品43を省略している。
【0059】
図11に示されるように、操作部材41のキートップ411に左方向の力が加わると、操作部材41は左側に傾き、開口部11の左側の周縁方向に移動する。そして、第1ハウジング10の内部において、突出部413の先端が台座42の接触面421に接触する。このため、操作部材41は、これ以上左方向に傾かない。すなわち、突出部413の先端が台座42に接触することによって、操作部材41の左方向への傾倒が制限される。このとき、操作部材41の軸部412は、第1ハウジング10に接触しない。
【0060】
また、図12に示されるように、操作部材41のキートップ411に右方向の力が加わると、操作部材41は右側に傾き、開口部11の右側の周縁方向に移動する。そして、ハウジング10の内部において、突出部413の先端が台座42の接触面421に接触する。このため、操作部材41は、これ以上右方向に傾かない。すなわち、突出部413の先端が台座42に接触することによって、操作部材41の右方向への傾倒が制限される。このとき、操作部材41の軸部412は、第1ハウジング10に接触しない。
【0061】
キートップ411に他の任意の方向の力が加わった場合も同様である。すなわち、キートップ411に任意の方向に力が加わると、その力の方向に操作部材41が傾き、突出部413の先端が台座42の接触面421に接触する。これにより、操作部材41の傾倒(開口部11の周縁方向への移動)が制限される。操作部材41が任意の方向に傾倒されても、操作部材41の軸部412は第1ハウジング10に接触しない。したがって、ユーザは従来にない操作感を得ることができる。また、第1ハウジング10の内部において突出部413と台座42が接触するため、接触に伴う音が外部に漏れ難くなる。
【0062】
アナログスティック本体部品43のスティック軸431自体は、他の部材によって傾倒が制限されていない場合、図11及び図12に示される角度よりも大きな角度まで傾倒可能である。アナログスティック本体部品43のスティック軸431は、他の部材によって傾倒が制限されていない場合、図10に示す状態を傾倒角「0度」として、任意の方向に、所定の角度(例えば、20度でもよいし、30度でもよいし、45度でもよい)を上限として任意の角度で傾倒可能である。しかしながら、アナログスティック本体部品43がゲームコントローラ1のハウジング内に収納された場合、上記のように、突出部413および台座42によって操作部材41が傾倒する角度が制限される。
【0063】
なお、突出部413および台座42によって操作部材41の傾倒が制限される場合においても、操作部材41の軸部412と第1ハウジング10とが接触してもよい。この場合において、操作部材41が傾倒した場合、軸部412と第1ハウジング10とが接触する前に、突出部413と台座42とが接触してもよい。すなわち、操作部材41が傾倒されて突出部413と台座42とが接触し、さらに力が加わることにより突出部413又は台座42が弾性変形することで、操作部材41の軸部412と第1ハウジング10とが接触することがあってもよい。また、操作部材41が傾倒した場合、突出部413と台座42とが接触すると同時に軸部412と第1ハウジング10とが接触してもよい。
【0064】
また、台座42の接触面421上には、台座42及び突出部413よりも摺動性の高いシート(例えば、ナイロンシート、フッ素シート等)が設けられてもよい。摺動性の高いシートが接触面421上に設けられることにより、突出部413と接触面421との間に生じる抵抗を小さくすることができる。また、突出部413が台座42よりも摺動性の高い素材により構成されてもよい。すなわち、少なくとも突出部413と台座42とが接触する部分に摺動性の高い素材が用いられてもよい。
【0065】
また、台座42の接触面421上には、衝撃を吸収するためのシート状のクッション材が設けられてもよい。クッション材は、台座42の素材よりも衝撃吸収性の高い素材であってもよく、例えば、発泡ポリウレタン、発泡ポリエチレン等の発泡樹脂によって構成されてもよい。接触面421にクッション材が設けられることにより、接触面421に突出部413が接触したときに発生する音を小さくすることができる。また、クッション材は、突出部413の先端に設けられてもよいし、突出部413全体がクッション材により構成されてもよい。すなわち、少なくとも突出部413と台座42とが接触する部分にクッション材が設けられてもよい。
【0066】
操作部材41の突出部412の素材、台座42の素材、台座42の接触面421上のシートの有無、及び、シートの素材は任意に組み合わされてもよい。例えば、台座42の素材として、突出部413よりも摺動性の高い素材が選択される場合、シートが設けられなくてもよいし、クッション性の高いシートが設けられてもよい。また、台座42の素材として、突出部413と同じ素材が選択される場合は、接触面421に台座42よりも摺動性の高いシートやクッション性の高いシート、又はこれらの特性を有するシートが設けられてもよい。
【0067】
また、台座42の接触面421、及び/又は、突出部413の先端が金属により構成されてもよい。この場合、突出部413の先端が接触面421に接触するときに金属音が出る。これにより、アナログスティック4を操作することにより比較的大きな操作音を出すことができ、第1ハウジング10の外部にも操作音を伝えることができる。このようにすることで、操作音を好むユーザにとってより好ましいゲームコントローラ1を構成することができる。
【0068】
ここで、操作部材41の軸部412と第1ハウジング10とを接触させることによって、操作部材41の傾倒を制限することも考えられる。以下では、操作部材41の軸部412と第1ハウジング10との接触によって操作部材41の傾倒を制限する構成と、本実施形態のように突出部413と台座42との接触によって操作部材41の傾倒を制限する構成との違いについて説明する。
【0069】
図13は、操作部材41の軸部412と第1ハウジング10との接触によって操作部材41の傾倒を制限する場合について接触点が移動する様子の一例を示す図である。図13では、操作部材41の軸部412と第1ハウジング10とをゲームコントローラ1の正面から見たときの一部が示されており、図13の紙面奥方向が図1のz軸と一致する。
【0070】
図14は、台座42が設けられない構成において操作部材41の軸部412と第1ハウジング10とが接触する様子の一例を示す図である。図14では、傾倒される前の操作部材41を実線で示し、操作部材41が傾倒されて軸部412が第1ハウジング10と接触しているときの操作部材41を破線で示している。
【0071】
図13に示されるように、操作部材41が傾倒される前は、操作部材41の軸部412の中心は第1ハウジング10の円形の開口部11の中心に位置する。図13及び図14に示されるように、操作部材41の軸部412の半径はL1であり、第1ハウジング10の開口部11の半径はL2(>L1)である。
【0072】
図13に示されるように、例えば操作部材41が上方向に傾倒されると、操作部材41の軸部412と第1ハウジング10とが接触する。このとき、軸部412側の接触点を点CPa、第1ハウジング10側の接触点を点CPhとする。
【0073】
円を描くように操作部材41が操作される場合(すなわち、軸部412が第1ハウジング10に接触したままアナログスティック4の入力方向が変化される場合)、図13に示されるように、接触点CPaは、軸部412の周上を図13の矢印の方向に移動する。また、接触点CPhは、開口部11の周縁に沿って、図13の矢印の方向に移動する。操作部材41の軸部412は、軸部412周りに回転しないため、接触点CPaが移動する距離は、接触点CPhが移動する距離よりも短くなる。このため、円弧を描くように操作部材41が操作される場合(軸部412が第1ハウジング10に接触したままアナログスティック4の入力方向が上方向から右方向に変化される場合)、軸部412は、第1ハウジング10の開口部11の周縁を滑りながら、図13の上図から下図の位置まで移動する。
【0074】
すなわち、軸部412における第1ハウジング10と接触する部分の長さ(軸部412の周長)と、第1ハウジング10における軸部412と接触する部分の長さ(開口部11の周長)とは、差(以下、この差を「DF1」とする)がある。具体的には、この差DF1は、2π×(L2-L1)となる。軸部412が第1ハウジング10と接触しながら円を描く場合、この差DF1の分だけ軸部412が滑ることになる。
【0075】
したがって、円を描くように操作部材41を操作する際に、操作方向と逆方向の抵抗が生じ、操作性に影響を与える可能性がある。
【0076】
これに対して、本実施形態では、操作部材41の突出部413と台座42との接触によって操作部材41の傾倒が制限される。
【0077】
図15は、操作部材41の突出部413と台座42との接触によって操作部材41の傾倒を制限する場合において接触点の軌跡の一例を示す図である。図15では、操作部材41の台座42をゲームコントローラ1の正面から見たときの図が示されており、図15の紙面奥方向が図1のz軸と一致する。
【0078】
図16は、操作部材41の突出部413と台座42とが接触する様子の一例を示す図である。図16では、傾倒される前の操作部材41を実線で示し、操作部材41が傾倒されて突出部413が台座42と接触しているときの操作部材41を破線で示している。
【0079】
図16に示されるように、操作部材41の突出部413の先端と台座42とが接触している場合の突出部413側の接触点を点CPa、台座42側の接触点を点CPbとする。円を描くように操作部材41が操作される場合(すなわち、突出部413が台座42に接触したままアナログスティック4の入力方向が変化される場合)、台座42の接触点CPbは、図15に示されるように、円を描くように移動する。図15の破線は接触点CPbの軌跡を示している。
【0080】
図16に示されるように、操作部材41が傾倒されていないときの接触点CPa(突出部413の先端)とスティック軸431の中心との距離(すなわち、突出部413の先端の円の半径)は、L3である。操作部材41が右方向に傾倒されると、突出部413の先端は移動し、台座42と接触する。このとき、スティック軸431の中心と台座42の接触点CPbとの距離はL4になる。ここで、距離L3と距離L4とは、略等しい。すなわち、突出部413の先端(接触点CPa)の円周の長さは、図15に示される台座42の接触点CPbの軌跡の円周の長さと略等しい。つまり、円を描くように操作部材41が操作される場合(すなわち、突出部413の先端が台座42に接触したままアナログスティック4の入力方向が変化される場合)、突出部413の先端における接触点CPaが移動する距離と、図15に示される台座42の接触点CPbが移動する距離とは、略等しい。
【0081】
すなわち、突出部413における台座42と接触する部分の長さ(突出部413の先端の周長)と、台座42における突出部413と接触する部分の長さ(台座42の接触面421の周長)との差(以下、この差を「DF2」とする)は、上記DF1よりも小さい。突出部413が台座42と接触しながら円を描くように操作部材41が操作される場合、この差DF2の分だけ突出部413の先端が滑ることになるが、この差DF2は略「0」である。
【0082】
このため、円を描くように操作部材41が操作される場合、突出部413の先端は台座42の接触面421上を滑らずに転がることになる。したがって、円を描くように操作部材41を操作する際に、操作時の抵抗を抑えることができる。
【0083】
また、突出部413の先端は、丸みを帯びた形状に構成される。このため、突出部413の先端が台座42の接触面421に接触するときに力が分散される。なお、突出部413の先端は、面状に形成され、突出部413の先端と接触面421とは面接触するように構成されてもよい。
【0084】
また、台座42には、接触面421の上方(z軸負方向)に延びる内壁422および外壁423が設けられる。このため、操作部材41と台座42とが位置ずれすることを抑制できる。
【0085】
また、台座42の内壁422は、上方および軸部412の中心に向かって延びるように構成される。このため、操作部材41が傾倒されたときに突出部413が移動する経路を確保することができ、操作部材41が傾倒されたときでも突出部413が内壁422に当らないようにすることができる。また、製造上又は組み立て上の誤差が生じる場合でも、突出部413が移動する経路を十分に確保することができる。
【0086】
なお、上記差DF2は、必ずしも「0」でなくてもよい。すなわち、突出部413における台座42と接触する部分の長さ(突出部413の先端の周長)と、台座42における突出部413と接触する部分の長さ(台座42の接触面421の周長)とはある程度差があってもよい。この場合においても、差DF2は上記差DF1よりも小さい。
【0087】
なお、第1ハウジング10の開口部11の周縁に、リング部材が設けられてもよい。図17は、第1ハウジング10の開口部11にリング部材12が設けられたときの部分拡大図の一例を示す図である。図17に示されるように、開口部11の周縁を覆うようにリング部材12が設けられる。リング部材12は、第1ハウジング10よりも摺動性の高い素材(例えば、POM樹脂、PA(ナイロン/ポリアミド)樹脂、PBT樹脂等)によって構成されてもよい。リング部材12は、第1ハウジング10とは別の部品として構成され、第1ハウジング10に接着されてもよいし、第1ハウジング10と一体成形により構成されてもよい。また、リング部材12は、第1ハウジング10と異なる色で構成されてもよい。
【0088】
図18は、第1ハウジング10の開口部11の周縁にリング部材12が設けられた構成においてゲームコントローラ1をアナログスティック4の中心で切断したときの端面の一例を示す図である。図18に示されるように、操作部材41が右方向に傾倒した場合、台座42によって操作部材41の傾倒が制限される。この場合、操作部材41の軸部412は、リング部材12に接触しない。操作部材41が任意の方向に傾倒された場合も同様である。
【0089】
このように、第1ハウジングの開口部11の周縁に摺動性の高いリング部材12が設けられる場合、仮に、軸部412とリング部材12とが接触しても、円を描くよう操作部材41を操作するときに軸部412とリング部材12との間に生じる抵抗を比較的小さくすることができる。
【0090】
以上のように、本実施形態のゲームコントローラ1は、開口部11を有するハウジングと操作部材41を備える。操作部材41は、ユーザによって操作されるキートップ411と、キートップ411から下方に延びる軸部412と、軸部412から突出する突出部413とを有する。ハウジング(第1ハウジング10及び第2ハウジング)の内部には、操作部材41が傾倒されたときに突出部413と接触する台座42が設けられ、この台座42と突出部413とによって操作部材41の傾倒を制限することができる。すなわち、突出部413と台座42とによって操作部材41の開口部11の周縁方向への移動を制限することができる。また、台座42が摺動性の高い素材で構成される場合は、台座42と突出部413の先端とに生じる抵抗を抑制することができる。
【0091】
また、突出部413の先端の周長と、台座42の接触面421における突出部413の先端と接触する部分の周長とは略等しいため、円を描くように操作部材41を操作する場合、突出部413は台座42の接触面421上を滑らずに転がる。これにより、操作性を良好なものとすることができる。
【0092】
また、第1ハウジング10の開口部11の周縁にリング部材12が設けられる場合は、軸部412はリング部材12と接触し、軸部412と第1ハウジング10とは直接接触しない。リング部材12は、第1ハウジング10よりも摺動性の高い素材で構成されるため、軸部412とリング部材12とが接触することで生じる抵抗力を、軸部412と第1ハウジング10とが接触することで生じる抵抗力よりも低減することができる。
【0093】
(変形例)
以上、本実施形態について説明したが、他の実施形態では、様々な変形が加えられてもよい。
【0094】
例えば、上記実施形態では、台座42はリング状の部材であり、接触面421は平面であるとした。他の実施形態では接触面421には、凹凸があってもよい。例えば、接触面421は、上下左右の4方向、又は、上下左右及び斜めの8方向に凹部又は凸部を有してもよい。
【0095】
図19は、台座42の接触面421に凹部を形成したときの接触面421の一例を示す図である。図19では、台座42の接触面421が示されている。図19に示されるように、リング状の接触面421の上下左右の4方向、および、斜めの4方向には、凹部425(425a~425h)が形成されてもよい。凹部425は、図19の紙面奥方向に凹状に形成された部分であり、例えば、円弧状に形成されてもよい。凹部425と凹部425との間の接触面421は、平面で構成されてもよいし、凸状に構成されてもよい。このような台座42を用いた場合、8方向への入力を誘導することができる。例えば、ユーザが上方向を入力した場合、操作部材41の突出部413の先端が凹部425aにはまり、上方向を入力し易くなる。
【0096】
なお、図19に示す凹凸は突出部413に設けられてもよい。すなわち、突出部413の先端に凹凸が設けられることにより、所定の方向(上下左右の4方向、斜めの4方向、又はその他の方向)への入力を誘導するように構成されてもよい。
【0097】
また、上記実施形態では、第1ハウジング10の開口部11は円形としたが、他の実施形態では、開口部11は楕円であってもよいし、多角形(例えば8角形)であってもよい。この場合においても、上述のように操作部材41の突出部413と台座42とが接触することによって操作部材41の傾倒が制限され、操作部材41の軸部412が第1ハウジング10の開口部の周縁に接触しない又は接触しにくいように構成される。
【0098】
また、上述した操作部材41のキートップ411、軸部412、突出部413、台座42等の形状は一例に過ぎず、これらは他の形状を有してもよい。例えば、上記実施形態では、台座42は中心部分が空いたリング状に形成されたが、他の実施形態では、台座42は円板であってもよい。また、操作部材41の突出部413は、上述した傘状に限らず、他の形状であってもよい。例えば、突出部413は、軸部412の横方向(軸部412の中心から離れる方向)に延び、途中で下方に折れ曲がって延びる形状であってもよい。そして、操作部材41が傾倒された場合に、突出部413が台座42に接触し、当該接触によって操作部材41の傾倒が制限されてもよい。
【0099】
また、上記実施形態では、台座42はハウジングとは別部材として構成された。他の実施形態では、台座はハウジングの一部として構成されてもよい。図20は、他の実施形態の構成の一例を示す図である。
【0100】
図20では、台座42が第1ハウジング10の一部として構成されるときのゲームコントローラをアナログスティック4の中心で切断したときの端面の一例が概念的に示されている。図20に示されるように、第1ハウジング10と台座42とは一体として形成される。すなわち、第1ハウジング10は、操作部材41が傾倒された場合に、その内部において操作部材41の突出部413と接触する接触面421を有する。また、第1ハウジング10の一部としての台座42は、内壁422と、外壁423とを有する。この第1ハウジング10の一部としての台座42によって、操作部材41の傾倒が制限される。また、第1ハウジング10の開口部11の周縁には図18で示したリング部材12が設けられてもよい。
【0101】
また、上記実施形態では、第1ハウジング10に開口部11が設けられ当該開口部11から一部が露出される操作部材41と、台座42と、アナログスティック本体部品43とによってアナログスティック4が構成された。他の実施形態では、アナログスティック4の一部がハウジングの一部として構成されてもよい。すなわち、アナログスティック4は、外部に露出するハウジング部材と、操作部材41と、台座42と、アナログスティック本体部品43とによって構成されてもよい。そして、コントローラの外形を形成するコントローラ本体のハウジングに開口を設け、この開口からアナログスティック4の一部としてのハウジング部材および操作部材41が露出されてもよい。
【0102】
また、上記実施形態では、操作部材41の突出部413の先端が、下方(z軸方向)に設けられた台座42と接触することにより操作部材41の傾倒が制限された。他の実施形態では、突出部413の他の部分が台座と接触することにより操作部材の傾倒が制限されてもよい。例えば、操作部材が傾倒された場合に、操作部材の突出部の側面が台座に接触し、当該接触によって操作部材の傾倒が制限されてもよい。
【0103】
また、上記実施形態では、任意の方向に傾倒可能なアナログスティック本体部品43を用い、操作部材41および台座42によってアナログスティック4の傾倒が制限された。他の実施形態では、水平方向(ハウジングの面と平行な方向)にスライド可能なスライドパッドに適用されてもよい。
【0104】
また、入力装置を備える情報処理装置に、上述したアナログスティック4が適用されてもよい。すなわち、入力装置と一体となった情報処理装置において、入力装置がアナログスティック4を有してもよい。例えば、携帯型のゲーム装置が上述したアナログスティック4を備えてもよい。また、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータが、上述したアナログスティック4を備えてもよい。
【0105】
次に、本実施形態のゲームコントローラに設けられる圧力センサについて説明する。本実施形態のゲームコントローラでは、上述した操作部材41と台座42との間に、圧力を検出するための圧力センサ44が設けられる。図21は、本実施形態におけるゲームコントローラのアナログスティック4の一部を示す分解斜視図の一例である。図22は、本実施形態のゲームコントローラをアナログスティック4の中心で切断したときの端面の一例を示す図である。図23は、操作部材41が右方向に傾倒されたときの端面の一例を示す図である。なお、図22及び図23では、図10と同様に主要な部分についてのみ示し、その他は省略されている。
【0106】
図21及び図22に示されるように、操作部材41と台座42との間には、圧力センサ44が設けられる。圧力センサ44は、台座42の接触面421に載置される。例えば、圧力センサ44の裏面(又は接触面421)には接着剤が塗布され、台座42の接触面421に圧力センサ44が固定されてもよい。操作部材41が傾倒された場合、操作部材41の突出部413の先端が圧力センサ44の表面に接触する。なお、圧力センサ44の表面は、摺動性の高い(摩擦係数の低い)素材によって構成されてもよい。また、圧力センサ44の表面に、摺動性の高い部材が別途設けられてもよい。例えばシートが貼付されてもよい。
【0107】
圧力センサ44は、加えられた力に応じた圧力値を出力する。圧力センサ44は、円環状に形成された薄板状の部材によって構成される。圧力センサ44としては、抵抗式の圧力センサが用いられてもよいし、静電容量式の圧力センサが用いられてもよいし、その他任意の方式による圧力センサが用いられてもよい。なお、圧力センサ44に代えて、加えられた力を検出する歪みゲージが用いられてもよい。すなわち、加えられた力を検出可能なセンサであれば適宜のセンサが用いられてもよい。
【0108】
図23に示されるように、操作部材41が例えば右方向に傾倒された場合、突出部413の先端が圧力センサ44を介して台座42に接触する。すなわち、突出部413の先端は、圧力センサ44に直接接触し、台座42に間接的に接触していると言える。この接触によって、操作部材41の更なる右方向への傾倒が制限される。また、圧力センサ44は、この接触に応じた圧力を検出する。
【0109】
なお、図示は省略するが、圧力センサ44には、加わった圧力に応じた信号を出力するリード線が接続される。リード線は、例えば基板30に接続される。基板30上には、アナログスティック本体部品43からの信号(傾倒方向および傾倒角に関する情報を含む信号)と、圧力センサ44からの信号とを処理する回路が設けられる。当該回路によって処理された情報(傾倒方向、傾倒角、及び、傾倒時の圧力に関する情報)が、ゲームコントローラからゲーム装置に送信され、ゲーム装置において、これらの情報に基づくゲーム処理が行われる。例えば、傾倒方向に応じて仮想オブジェクトの移動方向が制御されるとともに、検出された圧力値に応じたゲーム処理が行われてもよい。なお、検出された圧力値または圧力値に応じた値が所定値以上のときには所定のゲーム処理を行い、所定値未満のときには所定のゲーム処理を行わないようにしてもよい。さらに、検出された圧力値または圧力値に応じた値が所定値以上のときに、当該圧力値または圧力値に応じたゲーム処理を行ってもよい。
【0110】
操作部材41が他の任意の方向に傾倒された場合も、同様に、突出部413の先端が圧力センサ44を介して台座42に接触する。
【0111】
なお、圧力センサ44、台座42、及び、操作部材41のうちの少なくとも何れか1つが比較的柔らかい部材で構成されている場合や、圧力センサ44の上に柔らかい部材が載置されている場合は、突出部413の先端が圧力センサ44に接触しているときに操作部材41に対して傾倒方向への力が加えられた場合、これら柔らかい部材が弾性変形することがある。この弾性変形によって、操作部材41は、台座42及びセンサ44によって制限された傾倒角よりもさらに傾倒することになる。この場合でも、台座42及びセンサ44は、操作部材41の傾倒を制限する。すなわち、「台座42が操作部材41の傾倒(操作部材41の移動)を制限する」ことは、操作部材41が台座42に(直接的に又は間接的に)接触することでそれ以上傾倒しないようにすることと、操作部材41が台座42に接触した後にさらに弾性変形により僅かに傾倒することとを含む。
【0112】
なお、図23に示されるように、操作部材41が傾倒されている状態では、第1ハウジング10と軸部412とは接触しないが、この状態で、第1ハウジング10と軸部412とが接触してもよい。すなわち、操作部材41の傾倒が台座42及び圧力センサ44によって制限されている場合において、第1ハウジング10と軸部412とが接触してもよい。また、上記のような弾性変形をしうる構造において、操作部材41の傾倒が台座42及び圧力センサ44によって制限されている場合であって、上記のような弾性変形が実質的に生じていない場合には、第1ハウジング10と軸部412とが接触せず、弾性変形が生じた場合には、第1ハウジング10と軸部412とが接触してもよい。この場合、台座42及び圧力センサ44によって操作部材41の傾倒が制限されている場合において、更なる力が操作部材41に加えられた場合、圧力センサ44にかかる力が分散され、過剰な力が圧力センサ44にかかりにくくすることができる。なお、弾性変形が生じた場合であっても、第1ハウジング10と軸部412とは接触しない構成としてもよい。また、図18と同様に、開口部11の周縁にリング部材12が設けられ、操作部材41が傾倒されている状態で、軸部412とリング部材12とが接触してもよい。すなわち、操作部材41の傾倒が台座42及び圧力センサ44によって制限されている場合において、上記のような弾性変形が実質的に生じていない場合でも、リング部材12と軸部412とが接触してもよい。また、操作部材41の傾倒が台座42及び圧力センサ44によって制限されている場合において、上記のような弾性変形が実質的に生じていない場合には、リング部材12と軸部412とが接触せず、弾性変形が生じた場合には、リング部材12と軸部412とが接触してもよい。
【0113】
また、図22では、台座42(第2部分)に圧力センサ44が設けられたが、操作部材41の突出部413(第1部分)の先端に圧力センサ44が設けられてもよい。例えば、突出部413の先端に圧力センサ44が接着剤で接着されて固定されてもよい。ここで、「台座42又は突出部413に圧力センサ44が設けられる」とは、台座42又は突出部413に圧力センサ44が設置されることを意味する。圧力センサ44は、台座42と突出部413との接触による圧力を検出することができれば、必ずしも台座42又は突出部413に接着剤やその他の固定手段により固定されなくてもよい。
【0114】
また、図22では、台座42の上に圧力センサ44が設けられ、操作部材41の突出部413と圧力センサ44とが直接接触するようにした。変形例としては、圧力センサ44と操作部材41の突出部413とが間接的に接触してもよい。例えば、台座42の上に圧力センサ44を載置し、さらに圧力センサ44の上の薄板状の円環部材を載置してもよい。操作部材41の突出部413がその円環部材に接触し、その円環部材にかかる荷重を間接的に圧力センサ44で検出してもよい。
【0115】
なお、圧力センサ44の位置は図22に限られない。以下では、本実施形態の変形例について説明する。
【0116】
図24は、本実施形態の変形例1を示す図である。変形例1では、図24に示されるように、圧力センサ44は、第1ハウジング10の裏面に設けられる。具体的には、第1ハウジング10の裏面(ハウジング内部の面)には、台座42が設けられる。台座42は、操作部材41の傾倒(移動)を制限する部材であり、第2部分の一例である。台座42は、第1ハウジング10の裏面に固定される。台座42は、円環状に形成され、開口部11の周縁近傍に固定される。また、台座42には、円環状の圧力センサ44が固定される。また、操作部材41の突出部413の先端には、突出部413の外側面から周方向に突出した突起413aが設けられる。
【0117】
図25は、図24の操作部材41が右方向に傾倒されたときの図である。図25に示されるように、操作部材41が右方向に傾倒された場合、操作部材41の突出部413の先端に設けられた突起413a(突出部413の外側面)が、圧力センサ44を介して台座42に接触する。当該台座42と突起413aとの接触によって操作部材41の更なる右方向への傾倒が制限される。具体的には、突起413a(突出部413の外側面)は、直接的に圧力センサ44に接触する。圧力センサ44は、この接触に応じた圧力を検出する。操作部材41が他の任意の方向に傾倒された場合も、同様に、台座42によって操作部材41の傾倒が制限され、圧力センサ44によって傾倒時に加えられた圧力が検出される。なお、図24及び図25は単なる一例であって、各部材の形状は図に示されるようなものに限られない。例えば、操作部材41が例えば右方向に傾倒された場合に、左側の突出部413の外側面が圧力センサ44に接触するような構造であれば、これらの部材の形状はどのようなものでもよい。例えば、圧力センサ44は、図24では傾いた円環状に形成されているが、このような形状に限らない。例えば、圧力センサ44は、図21に示すような平板状の円環であり、図24において水平となるように第1ハウジング10の裏側に固定される。操作部材41が傾倒された場合に、突出部413の外側面が平板状の圧力センサ44に面接触するように、突出部413の先端部の外側面の形状が形成されてもよい。また、第1ハウジング10の裏側の一部が図24に示される台座44のように成形されてもよい。この場合、第1ハウジング10の裏側の一部が、操作部材41の傾倒を制限する第2部分として機能する。この場合、第2部分は、第1ハウジング10あるいは第1ハウジング10の裏面のうちの、突起413aが接触する部分周辺を言う。
【0118】
このように、第1ハウジングの裏側に、操作部材41の傾倒(移動)を制限する第2部分と圧力センサ44とが設けられてもよい。操作部材41が傾倒された場合、操作部材41の突出部413の外側面と第1ハウジングの裏側の第2部分とが接触する。この接触によって、操作部材41の傾倒が制限される。第2部分には圧力センサ44が設けられる。圧力センサ44は、突出部413の外側面と第1ハウジングの裏側の第2部分との接触によって加わる圧力を検出する。
【0119】
なお、突起413aは、突出部413の先端に設けられず、突出部413の外側面の任意の位置に設けられてもよい。例えば、突起413aは、突出部413の先端と、突出部413の根元との間に設けられてもよい。この場合、図25に示される場合よりも、操作部材41の傾倒角が小さくなる。また、操作部材41の傾倒(移動)が制限される構造であれば、突起413aは必ずしも設けられなくてもよい。
【0120】
図26は、本実施形態の変形例2を示す図である。変形例2では、図26に示されるように、第1ハウジング10の裏面の開口部11の近傍に、台座42と圧力センサ44とが設けれる。具体的には、第1ハウジング10の裏面の開口部11の周縁に、円環状の圧力センサ44が設けられる。圧力センサ44の外周に円環状の台座42が設けられる。台座42は、操作部材41の傾倒(移動)を制限する部材であり、第2部分の一例である。圧力センサ44は、操作部材41と台座42とが接触するときの圧力を検出する。また、操作部材41の軸部412の下端(軸部412と突出部413との接続部分)には、凸部412aが設けられる。
【0121】
図27は、図26の操作部材41が左方向に傾倒されたときの図である。図27に示されるように、操作部材41が例えば左方向に傾倒された場合、軸部412の凸部412aが、圧力センサ44を介して台座42に接触し、当該接触によって操作部材41の更なる左方向への傾倒が制限される。具体的には、凸部412aは、直接的に圧力センサ44に接触する。圧力センサ44は、この接触に応じた圧力を検出する。操作部材41が他の任意の方向に傾倒された場合も、同様である。
【0122】
なお、変形例2では、台座42を設け、台座42によって操作部材41の傾倒(移動)を制限したが、第1ハウジング10によって操作部材41の傾倒が制限されてもよい。この場合、第1ハウジング10の裏面の一部が、操作部材41の傾倒を制限する第2部分として機能する。すなわち、この場合、第2部分は、第1ハウジング10あるいは第1ハウジング10の裏面のうちの操作部材41が接触する部分周辺を言う。また、開口部11にリング部材12が設けられ、当該リング部材12によって操作部材41の傾倒が制限されてもよい。この場合、リング部材12に圧力センサ44が設けられてもよい。
【0123】
図28は、本実施形態の変形例3を示す図である。変形例3では、図28に示されるように、操作部材41のキートップ411の裏側から傘状の突出部413が形成される。第1ハウジング10の開口部11の近傍は、上方向に膨らんでおり、傘状の突出部413の一部は、この膨らんだ第1ハウジング10の部分によって覆われる。このような構成でも、操作部材41は、軸431を軸として傾倒可能である。すなわち、図28に示される操作部材41は、ユーザによって操作されるキートップ411と、キートップ411から開口部11を通ってハウジング内部に延びる軸部(例えば、軸挿入口415を形成する肉部)とを有する。変形例3では、操作部材41の傾倒を制限する台座42に圧力センサ44が設けられる。
【0124】
図29は、図28の操作部材41が左方向に傾倒されたときの図である。図29に示されるように、操作部材41が例えば左方向に傾倒された場合、操作部材41の突出部413の先端が、圧力センサ44を介して台座42に接触し、当該接触によって操作部材41の更なる左方向への傾倒が制限される。具体的には、突出部413の先端は、直接的に圧力センサ44に接触する。圧力センサ44は、この接触に応じた圧力を検出する。操作部材41が他の任意の方向に傾倒された場合も、同様である。
【0125】
以上のように、本実施形態に係るゲームコントローラは、開口11を有するハウジング10と、当該開口から一部が露出し、当該開口の周縁方向に移動可能な操作部材41とを備える。操作部材41は、開口から露出されるキートップ411と、キートップ411から開口を通ってハウジング内部に延びる軸部(例えば412)と、ハウジング内部に位置する第1部分(突出部413)とを有する。また、ゲームコントローラは、ハウジングの内部に設けられ、操作部材が開口の周縁方向に移動した場合に、第1部分が接触することで当該移動を制限する第2部分(例えば、台座42。ハウジングの一部でもよい)を備える。また、ゲームコントローラは、第1部分又は第2部分に設けられる、第1部分と第2部分との接触によって加わる力に応じた出力をするセンサを備える。
【0126】
なお、本実施形態では、圧力値を検出する圧力センサ44が用いられたが、加えられた力を検出する他のセンサが用いられてもよい。例えば、圧力センサ44は、圧力値として連続的な値を出力するものではなく、所定以上の力が加わった場合に「1」を出力し、所定未満の力が加わった場合には「0」を出力するセンサであってもよい。
【0127】
以上、本発明について説明したが、上記説明は本発明の例示に過ぎず、種々の改良や変形が加えられてもよい。また、上記実施形態、及びそれらの変形例に係る構成は、互いに矛盾しない限り、任意に組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0128】
1 ゲームコントローラ
2 Aボタン
2 Bボタン
2 Xボタン
2 Yボタン
4a 左アナログスティック
4b 右アナログスティック
5 十字キー
10 第1ハウジング
20 第2ハウジング
30 基板
41 操作部材
411 キートップ
412 軸部
413 突出部
42 台座
421 接触面
422 内壁
423 外壁
43 アナログスティック本体部品
431 スティック軸
44 圧力センサ
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29