(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024003647
(43)【公開日】2024-01-15
(54)【発明の名称】回路構成体
(51)【国際特許分類】
F28D 15/02 20060101AFI20240105BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20240105BHJP
H01L 23/427 20060101ALI20240105BHJP
H02G 3/16 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
F28D15/02 G
H05K7/20 R
H05K7/20 B
F28D15/02 102Z
H01L23/46 B
H02G3/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022102933
(22)【出願日】2022-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001966
【氏名又は名称】弁理士法人笠井中根国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100147717
【弁理士】
【氏名又は名称】中根 美枝
(74)【代理人】
【識別番号】100103252
【弁理士】
【氏名又は名称】笠井 美孝
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 成
(72)【発明者】
【氏名】久保木 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】伊佐治 優介
【テーマコード(参考)】
5E322
5F136
5G361
【Fターム(参考)】
5E322AA01
5E322AA03
5E322AB01
5E322AB06
5E322AB08
5E322DB08
5E322DB10
5E322EA10
5E322FA04
5F136BC01
5F136BC07
5F136CC11
5F136FA02
5F136FA03
5F136GA12
5G361BA03
5G361BA07
5G361BC01
5G361BC02
5G361BC03
(57)【要約】
【課題】発熱部品の端子部からバスバーを引き回すことなくダイレクトに熱引きが可能で、スペース効率よく発熱部品の放熱経路を構築できる、回路構成体を開示する。
【解決手段】回路構成体10が、発熱部品12と、中空筒状の密封容器34と、減圧された密封容器34内に密封された作動液36と、密封容器34の内壁に設けられた毛細管構造38とを有して構成されたヒートパイプ14と、ヒートパイプ14の一端部に連接して設けられて、発熱部品12の端子部16に接続された通電用の第1接続部18と、ヒートパイプ14の他端部に連接して設けられた通電用の第2接続部20と、を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱部品と、
中空筒状の密封容器と、減圧された前記密封容器内に密封された作動液と、前記密封容器の内壁に設けられた毛細管構造とを有して構成されたヒートパイプと、
前記ヒートパイプの一端部に連接して設けられて、前記発熱部品の端子部に接続された通電用の第1接続部と、
前記ヒートパイプの他端部に連接して設けられた通電用の第2接続部と、
を含む、回路構成体。
【請求項2】
前記ヒートパイプの前記第1接続部と前記第2接続部は、前記一端部と前記他端部にそれぞれ一体的に設けられている、請求項1に記載の回路構成体。
【請求項3】
前記ヒートパイプの前記第1接続部が前記第2接続部よりも鉛直下方に配置されている、請求項1または請求項2に記載の回路構成体。
【請求項4】
前記ヒートパイプの前記第2接続部に接続されるバスバーと、
前記発熱部品と前記ヒートパイプと前記バスバーを収容するケースと、をさらに備え、
前記ケースは、前記発熱部品や他の電気部品が収容されるロアケースと、前記ロアケースの開口を覆うアッパケースと、を有し、
前記バスバーは、前記ヒートパイプの前記第2接続部への接続部位と、前記接続部位の近傍に設けられた接触部を有し、
前記バスバーの前記接触部が、前記アッパケースの接触領域に対して熱的に接触されている、請求項3に記載の回路構成体。
【請求項5】
前記アッパケースの前記接触領域において、前記バスバーの前記接触部が熱的に接触する面と反対側の面には、ヒートシンクが設けられている、請求項4に記載の回路構成体。
【請求項6】
前記ロアケースには、前記発熱部品に隣接して前記他の電気部品が載置されており、
前記アッパケースの前記接触領域が前記他の電気部品の上方を覆っている、請求項4に記載の回路構成体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発熱部品を含む回路構成体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両には、リレー等の発熱部品を含む回路構成体が搭載されている。例えば、特許文献1には、バッテリの出力端子に接続される第1バスバーと負荷の入力端子に接続される第2バスバーと、第1/第2バスバー間に接続されるリレーがケースに収容されてなる回路構成体が開示されている。このような回路構成体では、発熱部品であるリレーで発生する熱を外部に放熱するため、リレーに接続されたバスバーをシート状の熱伝導部材と絶縁部材を介して放熱対象であるバッテリの筐体に圧接し、リレーの熱を筐体に伝熱する構造が採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の構造では、バスバーを放熱対象であるバッテリの筐体に熱的に接触させるために、ケースの下面にバスバーの放熱部位を接触させる接触領域を確保し、接触領域においてバスバーの放熱部位を放熱対象に熱的に接触させている。ところが、発熱部位であるリレーからバスバーの放熱部位を接触させる接触領域までバスバーを引き回す必要があり、引き回す距離が長くなる分放熱効率が低下するおそれがあった。加えて、近年の車載部品の増加や高機能化により、回路構成体に搭載される部品数が増加しており、ケースの放熱対象である筐体側に配置されるケースの下面等にバスバーの放熱部位を接触させる接触領域を確保すること自体難しくなっている。
【0005】
そこで、発熱部品の端子部からバスバーを引き回すことなくダイレクトに熱引きが可能で、スペース効率よく発熱部品の放熱経路を構築できる、回路構成体を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の回路構成体は、発熱部品と、中空筒状の密封容器と、減圧された前記密封容器内に密封された作動液と、前記密封容器の内壁に設けられた毛細管構造とを有して構成されたヒートパイプと、前記ヒートパイプの一端部に連接して設けられて、前記発熱部品の端子部に接続された通電用の第1接続部と、前記ヒートパイプの他端部に連接して設けられた通電用の第2接続部と、を含む、ものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、発熱部品の端子部からバスバーを引き回すことなくダイレクトに熱引きが可能で、スペース効率よく発熱部品の放熱経路を構築できる、回路構成体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る回路構成体を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示された回路構成体における平面図である。
【
図3】
図3は、
図2におけるIII-III断面を拡大して示す縦断面図である。
【
図4】
図4は、
図1に示された回路構成体における分解斜視図である。
【
図5】
図5は、
図1に示された回路構成体においてアッパケースとヒートシンクを取り外した状態を示す正面側からの斜視図である。
【
図6】
図6は、
図1に示された回路構成体においてアッパケースとヒートシンクを取り外した状態を示す背面側からの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<本開示の実施形態の説明>
最初に、本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の回路構成体は、
発熱部品と、中空筒状の密封容器と、減圧された前記密封容器内に密封された作動液と、前記密封容器の内壁に設けられた毛細管構造とを有して構成されたヒートパイプと、前記ヒートパイプの一端部に連接して設けられて、前記発熱部品の端子部に接続された通電用の第1接続部と、前記ヒートパイプの他端部に連接して設けられた通電用の第2接続部と、を含む、ものである。
【0010】
本開示の回路構成体によれば、発熱部品の接続部に対して、通電用のヒートパイプの第1接続部が、接続されている。そして、ヒートパイプは、中空筒状の密封容器と、減圧された密封容器内に密封された作動液と、密封容器の内壁に設けられた毛細管構造とを有して構成されている。それゆえ、発熱部品で発生した熱が、発熱部品の端子部からヒートパイプの一端部に設けられた第1接続部に伝達されると、ヒートパイプの一端部が加熱されて、内部の水等の作動液が蒸発してヒートパイプの他端部に蒸気として高速に移動する。ヒートパイプの他端部は発熱部品によって加熱される一端部に比べて低温であるため、他端部に移動した蒸気が他端部の内壁に触れて伝熱しながら液体に戻り、他端部において凝縮潜熱による熱の放出が行われる。液体に戻った作動液は毛細管構造を伝って一端側に戻り、一端側に熱が有れば、作動液の蒸発・移動・凝縮が繰り返され、発熱部品の発熱がヒートパイプを介して放熱される。これにより、発熱部品の端子部からバスバーを引き回す必要がなく、端子部から引き回したバスバーを放熱対象に熱的に接触させるためのスペースを確保する必要もない。それゆえ、発熱部品の端子部からヒートパイプへのダイレクトな熱引きが可能となり、発熱部品の放熱効率が向上された回路構成体をスペース効率良く提供することができる。
【0011】
さらに、ヒートパイプの一端部と他端部には、通電用の第1接続部と第2接続部が連接して設けられていることから、ヒートパイプを通電経路としても用いることができ、限られたスペースにおいて、スペース効率よく発熱部品の放熱経路を構築することが可能となる。
【0012】
なお、ヒートパイプの第1接続部と第2接続部の形状は、発熱部品の端子部の構造や接続先の構造に対応したものを任意に採用することができる。例えば、相手方とボルト締結される場合には、ボルト挿通孔を備えた形状が採用可能であり、相手方がコネクタ構造の場合には、相手方のコネクタに嵌合可能な形状が採用可能である。
【0013】
加えて、ヒートパイプの第1接続部と第2接続部は、ヒートパイプの一端部と他端部に連接されていればよく、一体的に設けられていてもよいし、別体で形成されて任意の締結構造により締結されていてもよい。
【0014】
前記ヒートパイプの前記第1接続部と前記第2接続部は、前記一端部と前記他端部にそれぞれ一体的に設けられている、ことが好ましい。ヒートパイプの第1接続部と第2接続部が、一端部と他端部にそれぞれ一体的に設けられていることから、各接続部とヒートパイプ間の導通抵抗の低減や伝熱効率の向上を図ることができる。さらに、ヒートパイプの一端部と他端部をプレス加工することにより、容易に第1・第2接続部を構成することもでき、製造性の向上を図ることができる。
【0015】
前記ヒートパイプの前記第1接続部が前記第2接続部よりも鉛直下方に配置されている、ことが好ましい。ヒートパイプの第1接続部が第2接続部よりも鉛直下方に配置されていることから、ヒートパイプ内の作動液の蒸発による他端側への移動や液体に戻った作動液の一端側への移動がより速やかに発現される。これにより、ヒートパイプの放熱性能を有利に発現させることができ、発熱部品の放熱効率を一層有利に向上させることができる。
【0016】
前記ヒートパイプの前記第2接続部に接続されるバスバーと、前記発熱部品と前記ヒートパイプと前記バスバーを収容するケースと、をさらに備え、前記ケースは、前記発熱部品や他の電気部品が収容されるロアケースと、前記ロアケースの開口を覆うアッパケースと、を有し、前記バスバーは、前記ヒートパイプの前記第2接続部への接続部位と、前記接続部位の近傍に設けられた接触部を有し、前記バスバーの前記接触部が、前記アッパケースの接触領域に対して熱的に接触されている、ことが好ましい。ヒートパイプの第1接続部よりも鉛直上方に配置された第2接続部に対して接続されたバスバーを利用して、アッパケースへの放熱経路を確保することができる。特に、発熱部品や他の電気部品が収容されるロアケース側には、接触領域を確保することが難しい場合が多いが、ロアケースの開口を覆うアッパケースに接触領域を確保することは、比較的容易であることから、限られたスペースにさらなる放熱経路を有利に確保することができる。
【0017】
前記アッパケースの前記接触領域において、前記バスバーの前記接触部が熱的に接触する面と反対側の面には、ヒートシンクが設けられている、ことが好ましい。アッパケースの接触領域には、バスバーの接触部が熱的に接触する面と反対側の面にヒートシンクが設けられていることから、ヒートパイプの第2接続部に接続されたバスバーを利用した放熱経路の更なる放熱効率の向上を図ることができる。
【0018】
前記ロアケースには、前記発熱部品に隣接して前記他の電気部品が載置されており、前記アッパケースの前記接触領域が前記他の電気部品の上方を覆っている、ことが好ましい。ロアケースに複数の電気部品が収容されてロアケース側への放熱経路が確保し難い場合でも、隣接する電気部品のアッパケース側のスペースを利用して、ヒートパイプの第2接続部に接続されたバスバーを利用した放熱経路を設けることができ、ケース内の限られたスペースを有効に利用して発熱部品の放熱性能を高めることができる。
【0019】
<本開示の実施形態の詳細>
本開示の回路構成体の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0020】
<実施形態1>
以下、本開示の実施形態1の回路構成体10について、
図1から
図6を用いて説明する。回路構成体10は、例えば電気自動車やハイブリッド自動車等の車両(図示せず)に搭載され、図示しないバッテリ等の電源から図示しないモータ等の負荷への電力の供給、制御を行う。なお、回路構成体10は、任意の向きで配置することができるが、以下の説明では、上方とは
図3中の上方、下方とは
図3中の下方、前方とは
図2中の右方、後方とは
図2中の左方、左方とは
図2中の下方、右方とは
図2中の上方をいう。また、複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材については符号を省略する場合がある。
【0021】
<回路構成体10>
回路構成体10は、発熱部品としてのリレー12と、ヒートパイプ14と、ヒートパイプ14の一端部に連接して設けられてリレー12の端子部16に接続された通電用の第1接続部18と、ヒートパイプ14の他端部に連接して設けられた通電用の第2接続部20と、を含んでいる。
【0022】
<発熱部品(リレー12)>
図3,4等にも示されるように、実施形態1ではリレー12が前方に向かって配置されており、略直方体形状とされたリレー本体22の前面において、一対の端子部16,16(第1端子部16aおよび第2端子部16b)が左右方向で相互に離隔して設けられている。これら第1端子部16aと第2端子部16bとの間には、それぞれを仕切る仕切板24が前方に突出して設けられている。また、リレー本体22の上端部には、左右方向両側において外方に突出する脚部26が設けられている。これらの脚部26には、上下方向で貫通するボルト挿通孔28が設けられており、各ボルト挿通孔28に挿通されるボルト30により、リレー12が後述するケース72を構成するアッパケース74に固定されるようになっている。
【0023】
後述するように、リレー12における左側の第1端子部16aにはヒートパイプ14における第1接続部18が前後方向で重ね合わされて、第1端子部16aと第1接続部18に設けられるボルト挿通孔42とが相互に連通される。そして、ボルト挿通孔42にボルト32が挿通されて第1端子部16aに締結されることにより、リレー12とヒートパイプ14とが電気的且つ熱的に接続されるようになっている。また、リレー12における右側の第2端子部16bには、例えば図示しないバスバー等の導電部材が接続されて、当該導電部材がケース72に設けられる図示しない貫通孔等を通じてケース72の外部に延び出しており、この導電部材がケース72の外部において図示しないモータ等の負荷に電気的に接続されている。
【0024】
<ヒートパイプ14>
ヒートパイプ14の基本的な構造は従来公知のヒートパイプの構造と同様であり、
図3に示されるように、中空筒状の金属製の密封容器34と、減圧された密封容器34内に密封された作動液36と、密封容器34の内壁に設けられたウイックと呼ばれる毛細管構造38とを有している。なお、毛細管構造38(ウイック)は従来公知の構造が採用されることから、詳細な図示を省略する。
【0025】
ヒートパイプ14(密封容器34)は、銅(銅合金を含む)やアルミニウム(アルミニウム合金を含む)等の導電性能および熱伝導性能の良い金属により形成されており、実施形態1では、銅により形成されている。特に、実施形態1では、銅製の管状体における長さ方向両端部に対してプレス加工等を施して当該管状体における長さ方向両端部を封止することで、当該管状体の長さ方向中間部分において、中空筒状の密封容器34が構成されている。これにより、密封容器34が所定の長さ寸法をもって形成されている。密封容器34内は、内部に密封された作動液36の蒸発や凝縮が生じ易いように減圧されており、略真空状態とされている。
【0026】
ヒートパイプ14(密封容器34)内に密封される作動液36も従来公知の作動液が採用され得て、例えばフロン(代替フロンを含む)系の冷媒や水、アルコール等が採用され得る。
【0027】
また、密封容器34の内壁に設けられる毛細管構造38は、例えば密封容器34の内壁の略全面にわたって設けられる。このような毛細管構造38は、密封容器34を構成する銅製の管状体において、長さ方向両端部に対してプレス加工等を施す前の略ストレートに延びる状態で、例えば長さ方向の略全長にわたって内周面の略全面に設けられていてもよいし、長さ方向の中間部分においてプレス加工等が行われず密封容器34を構成する部分の内周面の略全面にのみ設けられてもよい。密封容器34の毛細管構造38は、密封容器34の径方向(例えば前後方向や左右方向)で対向する相手側までは至らない寸法をもって形成されており、密封容器34内において毛細管構造38よりも内側には、密封容器34の長さ方向に延びる空洞40が構成されている。
【0028】
実施形態1では、ヒートパイプ14が鉛直方向(上下方向)に延びるように配置されており、後述するように、ヒートパイプ14の一端部となる下端部に連接して設けられる第1接続部18が発熱部材であるリレー12の第1端子部16aに接続されているとともに、ヒートパイプ14の他端部となる上端部に連接して設けられる第2接続部20がヒートシンク98に対して熱的に接触している。すなわち、ヒートパイプ14における第1接続部18が第2接続部20よりも鉛直下方に配置されており、ヒートパイプ14における下側が加温される高温部であるとともに、ヒートパイプ14における上側が冷却される低温部である。
【0029】
要するに、密封容器34の下側においてリレー12で発生する熱を吸熱して作動液36が蒸発し空洞40内を上方へ移動するとともに、上方へ移動した作動液36の蒸気が密封容器34の上側において液体に凝縮する際に放熱することで、リレー12において発生する熱の上方への移動が実現される。そして、ヒートパイプ14(密封容器34)の上方へ移動した熱が、第2接続部20およびヒートシンク98を介して大気中へ放熱されるようになっている。なお、密封容器34の上側において液体に凝縮した作動液36は、毛細管構造38を通じて密封容器34の下側に移動するようになっており、これにより、作動液36の蒸発と凝縮が連続して生じるようになっている。
【0030】
<第1接続部18>
上述のように、ヒートパイプ14(密封容器34)は、銅製の管状体における長さ方向両端部(すなわち、上下方向両端部)に対してプレス加工等を施すことにより構成されている。
図4にも示されるように、ヒートパイプ14の下端部には、銅製の管状体を略平板状にプレス加工等することで、リレー12の第1端子部16aに接続される第1接続部18が連接して設けられている。要するに、ヒートパイプ14(密封容器34)の一端部(下端部)に対して第1接続部18が一体的に設けられている。第1接続部18は上下方向に広がっており、第1接続部18の略中央部分において板厚方向(前後方向)に貫通するボルト挿通孔42が形成されている。
【0031】
<第2接続部20>
同様に、
図4にも示されるように、ヒートパイプ14の上端部には、銅製の管状体を略平板状にプレス加工等することで、第2接続部20が連接して設けられている。要するに、ヒートパイプ14(密封容器34)の他端部(上端部)に対して第2接続部20が一体的に設けられている。なお、密封容器34の上端部と第2接続部20との間には前方に屈曲する屈曲部44が設けられており、第2接続部20は水平方向(上下方向に対して直交する方向)に広がっている。そして、第2接続部20の略中央部分には、板厚方向(上下方向)に貫通するボルト挿通孔46が形成されている。
【0032】
図3,4等にも示されるように、第2接続部20には、バスバー48が接続されている。バスバー48は全体として前後方向に延びており、導電性能および熱伝導性能の良い金属により形成されている。このバスバー48は、後述する電気部品108を迂回して上方から覆うように配設されており、電気部品108の上方に位置する後方部分50と、電気部品108の前方に位置する前方部分52と、これら後方部分50と前方部分52とを連結する連結部分54とを含んでいる。後方部分50は前方部分52よりも上方に位置しており、連結部分54が上下方向に広がっている。
【0033】
また、バスバー48の長さ方向両端部(前後方向両端部)には、それぞれ厚さ方向(上下方向)で貫通するボルト挿通孔56,58が形成されている。すなわち、バスバー48の前方部分52にボルト挿通孔56が設けられているとともに、後方部分50における後端部にボルト挿通孔58が設けられている。そして、後方部分50における後端部においてボルト挿通孔58の周囲の部分が、ヒートパイプ14の第2接続部20への接続部位60とされている。要するに、ヒートパイプ14における第2接続部20とバスバー48における接続部位60とが上下方向で重ね合わされて、それぞれのボルト挿通孔46,58が相互に連通される。さらに、これらのボルト挿通孔46,58にボルト62が挿通されて、後述するアッパケース74におけるボルト締結部90に締結されることで、ヒートパイプ14の第2接続部20とバスバー48とが、電気的且つ熱的に接続されるようになっている。
【0034】
なお、バスバー48において接続部位60の近傍には接触部64が設けられている。実施形態1では、バスバー48における後方部分50において接続部位60よりも前方の部分が接触部64とされており、後述するアッパケース74の接触領域92と熱的に接触するようになっている。
【0035】
また、バスバー48の前方部分52には、外部バスバー66が接続されている。外部バスバー66の後端部にはボルト挿通孔68が設けられており、バスバー48の前方部分52と外部バスバー66の後方部分とが重ね合わされて、それぞれのボルト挿通孔56,68が相互に連通される。そして、これらのボルト挿通孔56,68にボルト70が挿通されて、後述するロアケース76におけるナット収容部104に収容される図示しないナットに締結されることで、バスバー48と外部バスバー66とが電気的に接続されるようになっている。この外部バスバー66は、前方部分において、例えば図示しないバッテリ等の電源に電気的に接続されている。これにより、例えば図示しないバッテリ等の電源から、外部バスバー66、バスバー48およびヒートパイプ14を経由してリレー12における第1端子部16aに至る導通経路71が構成されている。
【0036】
<ケース72>
実施形態1の回路構成体10は、上記のリレー12、ヒートパイプ14およびバスバー48等を収容するケース72を備えている。ケース72は絶縁性を有する合成樹脂により形成されており、実施形態1では、上下方向で相互に組付けおよび分離可能な上側のアッパケース74と下側のロアケース76とから構成されている。なお、アッパケース74とロアケース76とは、例えば図示しないロック機構等により解除可能に固定され得る。
【0037】
アッパケース74は全体として下方に開口する略箱形状であり、アッパケース74は、平面視において略矩形状とされた上底壁部78と、上底壁部78の外周縁部から下方に突出する上周壁部80とを備えている。なお、アッパケース74の前後方向中間部分には、ケース72内に収容される後述する電気部品108との干渉を避けるために上方に突出する上方突出部82が設けられている。すなわち、上底壁部78は、前後方向中間部分において上方突出部82を構成する部分78aと、上方突出部82を構成する部分78aよりも下方に位置してアッパケース74の前後方向両側部分を構成する部分78bとを含んでいる。
【0038】
また、上方突出部82よりも後方の部分における上底壁部78bには、後述するケース72へのリレー12の組付時において、リレー12が載置されるリレー載置部84が下方に突出して設けられている。さらに、上方突出部82よりも前方の部分における上底壁部78bには、ロアケース76における後述するナット収容部104と対応する位置に設けられた略矩形の貫通窓86が、厚さ方向(上下方向)で貫通して形成されている。
【0039】
そして、上方突出部82における上底壁部78aの前後方向中間部分には段差88が設けられており、段差88よりも前方部分が、後方部分よりも下方に位置している。上底壁部78aにおける段差88よりも後方の部分には、ボルト62が締結されるボルト締結部90が下方に突出して設けられており、図示しないナットが収容されている。また、上底壁部78aにおける段差88よりも前方の部分において、左右方向の中間部分には、回路構成体10の組立時にバスバー48における接触部64と熱的に接触する接触領域92が設けられている。すなわち、回路構成体10の組立時には、アッパケース74の接触領域92の下面に対して、バスバー48の接触部64が熱的に接触するようになっている。接触領域92の大きさは厳密に規定されるものではないが、例えば
図4において二点鎖線で示されるように、上下方向の投影においてバスバー48における接触部64と重なる領域が接触領域92とされ得る。
【0040】
実施形態1では、段差88よりも前方の部分における上底壁部78aの下面において下方に開口する収容凹部94が設けられており、この収容凹部94には、熱伝導部材として略矩形シート状の熱伝導シート96が収容されている。熱伝導シート96は空気よりも熱伝導率の大きな合成樹脂からなり、具体的には、シリコーン系の樹脂や非シリコーン系のアクリル系樹脂やセラミック系樹脂等が利用できる。より詳細には、熱伝導性シリコーンゴム等が挙げられる。熱伝導シート96は柔軟性および弾性を有しており、上下方向に加えられる力に応じて、厚さ寸法が変化するように弾性変形可能である。なお、実施形態1では、熱伝導部材として略矩形シート状の熱伝導シート96が採用されているが、熱伝導部材はこの態様に限定されず任意の形状の熱伝導部材が採用可能である。熱伝導部材としては、例えば、シリコーン系の樹脂からなる、放熱ギャップフィラーや熱伝導グリースを用いてもよい。
【0041】
このような熱伝導シート96が設けられることにより、回路構成体10の組立時には、バスバー48における接触部64とアッパケース74における接触領域92とが熱伝導シート96を介して重ね合わされるようになっている。なお、熱伝導シート96は、バスバー48がアッパケース74に組み付けられる前に、予め接触部64の上面に固着されていてもよいし、接触領域92の下面(収容凹部94の底面)に固着されていてもよい。実施形態1では、熱伝導シート96の幅方向寸法(左右方向寸法)が、バスバー48における接触部64の幅方向寸法(左右方向寸法)と略等しいか、僅かに大きくされている。
【0042】
また、アッパケース74の接触領域92において、バスバー48の接触部64が熱的に接触する面(下面)と反対側の面である上面には、ヒートシンク98が設けられている。ヒートシンク98としては従来公知のものが採用され得るが、実施形態1では、表面積が大きくなるようにヒートシンク98の上面において複数の凹凸が前後方向で連続して形成されている。ヒートシンク98は、例えば熱伝導性能の良いアルミニウム、銅、鉄等の金属により形成され得る。これにより、発熱部品としてのリレー12からヒートパイプ14、バスバー48における接触部64、熱伝導シート96およびアッパケース74における接触領域92を経由してヒートシンク98に至る放熱経路99が構成されている。そして、リレー12から放熱経路99を通じてヒートシンク98に伝わった熱が、ヒートシンク98から外部空間に放熱されるようになっている。
【0043】
このヒートシンク98は、上方突出部82における上底壁部78aにおいて段差88が設けられることで後方部分より下方に位置する前方部分に設けられており、この結果、ヒートシンク98の上方への突出量、ひいては回路構成体10の上下方向寸法が小さく抑えられている。なお、ヒートシンク98におけるアッパケース74への固定方法は限定されるものではなく、接着や溶着等であってもよいし、ボルト固定や凹凸嵌合等、従来公知の固定方法が採用され得る。
【0044】
ロアケース76は全体として上方に開口する略箱形状であり、ロアケース76は、平面視において略矩形状とされた底壁部100と、底壁部100の外周縁部から上方に突出する下周壁部102とを備えている。底壁部100における前方部分には、上方に突出するナット収容部104が設けられており、ナット収容部104の上端において図示しないナットが収容されている。
【0045】
また、底壁部100においてナット収容部104の後方には、上方に突出する電気部品載置部106が設けられており、リレー12とは別の所定の電気部品108が載置されてボルト110により固定されている。電気部品108は限定されるものではないが、例えばマイクロコンピュータやヒューズ等が採用され得て、電気部品108が図示しないバスバーや電線等の導電部材により電気的に適切に接続された状態で電気部品載置部106に載置されて固定される。実施形態1では、ロアケース76における電気部品載置部106が、アッパケース74におけるリレー載置部84と前後方向で近接した位置に設けられており、電気部品108とリレー12とが前後方向で隣接した状態でロアケース76に収容されている。また、電気部品108は所定の高さ寸法(上下方向寸法)を有しており、実施形態1では、電気部品108の上端がリレー12の上端より上方に位置している。これにより、例えば図示しないバッテリ等の電源からリレー12の第1端子部16aに至る導通経路71が、電気部品108に対して上方へ迂回するように設けられており、アッパケース74の接触領域92が電気部品108の上方を覆っている。
【0046】
なお、後述するように、回路構成体10は、例えば電気自動車やハイブリッド自動車等の車両における電池パックの金属製筐体112に重ね合わされて固定される。すなわち、ロアケース76における底壁部100の下面に対して金属製筐体112が重ね合わされるようになっており、例えば電気部品108が通電により発熱する場合には、電気部品108の熱をロアケース76の底壁部100および金属製筐体112を通じて放熱することも可能である。なお、電気部品108から底壁部100を経て金属製筐体112へ至る放熱経路上には、熱伝導シート等の適切な熱伝導部材が設けられてもよい。
【0047】
<回路構成体10の組付工程>
続いて、回路構成体10の組付工程の具体的な一例について説明する。なお、回路構成体10の組付工程は、以下の記載に限定されない。
【0048】
先ず、上下反転させたアッパケース74における上方突出部82の上底壁部78aに対して、バスバー48における後方部分50とヒートパイプ14における第2接続部20とを重ね合わせて、アッパケース74に対してバスバー48およびヒートパイプ14をボルト62により固定する。なお、前述のように、アッパケース74における接触領域92の下面またはバスバー48における接触部64の上面には予め熱伝導シート96が固着されており、アッパケース74に対してバスバー48が固定されることにより、接触領域92と接触部64とが熱伝導シート96を介して重ね合わされるようになっている。また、アッパケース74に対してバスバー48が固定された状態では、バスバー48の前方部分52が、アッパケース74の前方の上底壁部78bに設けられた貫通窓86を通じて外部に露出している。ヒートシンク98は、上底壁部78aにおける接触領域92の上面に対して任意のタイミングで取り付けられ得る。
【0049】
さらに、アッパケース74の後方の上底壁部78bに設けられたリレー載置部84に対してリレー12を載置してボルト30により固定する。このようにアッパケース74に対してヒートパイプ14およびリレー12を固定した状態では、ヒートパイプ14における第1接続部18とリレー12における第1端子部16aとが前後方向で対向している。そして、第1接続部18におけるボルト挿通孔42にボルト32を挿通して第1端子部16aに締結する。これにより、リレー12における第1端子部16aに対して、ヒートパイプ14およびバスバー48が電気的且つ熱的に接続される。
【0050】
次に、ロアケース76における電気部品載置部106に対して電気部品108を載置してボルト110により固定する。その後、リレー12、ヒートパイプ14およびバスバー48が固定されたアッパケース74を上下反転させて、ロアケース76の上方への開口に対して上方から覆うようにアッパケース74を重ね合わせて、図示しないロック機構によりアッパケース74とロアケース76とを相互に固定する。これにより、ケース72が完成して、ケース72内にリレー12、ヒートパイプ14およびバスバー48が収容された状態とされる。また、このようにアッパケース74とロアケース76とが固定された状態では、貫通窓86を通じて外部に露出するバスバー48の前方部分52に対してロアケース76のナット収容部104が下方から重ね合わされている。この結果、前方部分52におけるボルト挿通孔56とナット収容部104における図示しないナットの内孔とが相互に連通している。
【0051】
そして、外部に露出するバスバー48の前方部分52に対して上方から外部バスバー66を重ね合わせて、それぞれのボルト挿通孔56,68を連通させ、これらのボルト挿通孔56,68にボルト70を挿通してナット収容部104における図示しないナットに締結する。これにより、図示しないバッテリ等の電源からリレー12の第1端子部16aに至る導通経路71が構成されて、回路構成体10が完成する。なお、回路構成体10は外部バスバー66を含んでいなくてもよく、アッパケース74とロアケース76とが相互に固定された時点で回路構成体10が完成するようになっていてもよい。また、リレー12における第2端子部16bや電気部品108に電気的に接続される図示しない導電部材は、適切なタイミングで、且つ適切な接続態様をもって接続される。
【0052】
以上のように組み付けられた回路構成体10は、例えば電気自動車やハイブリッド自動車等の車両における電池パックの金属製筐体112に重ね合わされて、図示しないボルト等により固定される。そして、例えば外部バスバー66が図示しないバッテリ等の電源に電気的に接続されるとともに、リレー12における第2端子部16bに接続される図示しない導電部材が図示しないモータ等の負荷に電気的に接続されることで、電源から負荷へ電力が供給されるようになっている。
【0053】
ここにおいて、実施形態1の回路構成体10は、リレー12における第1端子部16aに対してヒートパイプ14が接続されており、ヒートパイプ14の一端部(下端部)に通電用の第1接続部18が連接されているとともに、ヒートパイプ14の他端部(上端部)に通電用の第2接続部20が連接されている。すなわち、実施形態1では、ヒートパイプ14によりリレー12において発生する熱を放熱するだけでなく、ヒートパイプ14により、例えば電源等から負荷等への電力の供給等も行うことができる。要するに、ヒートパイプ14を含んで、電源等からリレー12の第1端子部16aへ至る導通経路71が構成されるとともに、リレー12からヒートシンク98へ至る放熱経路99が構成されている。これにより、ヒートパイプ14を通電兼放熱用の部材として利用することができて、部品点数の削減や構造の簡略化が図られる。また、回路構成体10内にスペース効率良く部材を配置することができて、回路構成体10の小型化も図られる。
【0054】
ヒートパイプ14の第1接続部18と第2接続部20は、一端部(下端部)と他端部(上端部)にそれぞれ一体的に設けられている。実施形態1では、銅製の管状体に対してプレス加工等を施して長さ方向一端部に略平板状の第1接続部18が構成されているとともに、長さ方向他端部に略平板状の第2接続部20が構成されている。これにより、第1および第2接続部20としてヒートパイプ14とは別の部材を採用することがなく、部品点数の増加が回避されるとともに、第1および第2接続部18,20を容易に形成することができる。
【0055】
ヒートパイプ14の第1接続部18が第2接続部20よりも鉛直下方に配置されている。すなわち、ヒートパイプ14が鉛直方向(上下方向)に延びることとなり、ヒートパイプ14の密封容器34(空洞40)内における作動液36の上昇や毛細管構造38による作動液36の下方への移動が、特別な構造を採用することなく、安定して実現され得る。
【0056】
ヒートパイプ14の第2接続部20にはバスバー48が接続されるとともに、バスバー48における接触部64が、アッパケース74における接触領域92に対して熱的に接触するようになっている。これにより、ヒートパイプ14およびバスバー48を含んで放熱経路99が構成されることとなり、リレー12において発生する熱をアッパケース74の接触領域92から外部空間へ放熱することも可能となる。実施形態1では、ロアケース76にリレー12や電気部品108が収容されていることから、例えばリレーにおいて発生する熱を従来構造のようにロアケースを介して電池パックの筐体等から放熱することが困難であるが、放熱経路99を電気部品108を迂回するように上方へ延び出させて、アッパケース74を通じて放熱させることでリレー12における発熱を安定して放熱させることができる。
【0057】
特に、アッパケース74における接触領域92の上面にはヒートシンク98が設けられている。これにより、リレー12から接触領域92へ伝達された熱が、より効率的にヒートシンク98から放熱され得る。
【0058】
ロアケース76には、リレー12に隣接して電気部品108が載置されている。これにより、リレー12から延びる導通経路71や放熱経路99を電気部品108を避けるように構成する必要がある。このように、ロアケース76側に十分なスペースがない場合であっても、実施形態1のようにこれら導通経路71や放熱経路99をヒートパイプ14を含んで構成して、ヒートパイプ14をリレー12から上方へ延び出させるように配設することで、導通性能や放熱性能を損なうことなく導通経路71や放熱経路99を構成することが可能となる。しかも、ロアケース76の開口を覆うアッパケース74を利用してバスバー48の接触部64を接触させる接触領域92を確保することができ、スペース効率良く放熱性能の向上を図ることができる。
【0059】
<他の実施形態>
本明細書に記載された技術は上記記述および図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本明細書に記載された技術の技術的範囲に含まれる。
【0060】
(1)前記実施形態では、銅製の管状体における一端部(下端部)と他端部(上端部)に対してプレス加工等を施すことでヒートパイプ14に対して第1および第2接続部18,20が一体的に設けられていたが、これに限定されない。第1接続部と第2接続部は、ヒートパイプの一端部と他端部に連接して設けられていれば任意の構成が採用可能であり、例えばヒートパイプとは別体とされた金属製で略平板形状の第1および第2接続部を採用して、それぞれヒートパイプの一端部と他端部に後固着されるようになっていてもよい。また、前記実施形態では、第1および第2接続部18,20にそれぞれボルト挿通孔42,46が設けられて、リレー12における第1端子部16aおよびバスバー48における接続部位60にボルト固定されるようになっていたが、この態様に限定されるものではない。すなわち、ヒートパイプにおける第1接続部と発熱部品における端子部との固定、および/またはヒートパイプにおける第2接続部とバスバーにおける接続部位との固定は、ボルト固定の他、接着や溶着(溶接)、コネクタ構造等、従来公知の固定手段が採用され得る。
【0061】
(2)前記実施形態では、ヒートパイプ14における第2接続部20にバスバー48が接続されているとともに、バスバー48が接触部64を有する後方部分50や外部バスバー66が接続される前方部分52を備えていたが、この態様に限定されるものではない。すなわち、ヒートパイプにおける第2接続部はより前方まで延び出して、バスバー48における接触部64や前方部分52に相当する部分を有していてもよい。要するに、本開示に係る回路構成体において、バスバー48は必須なものではない。
【0062】
(3)前記実施形態では、リレー12がアッパケース74に固定されていたが、ロアケースに固定されてもよい。また、前記実施形態では、発熱部品としてリレー12を例示したが、例えばヒューズ等であってもよい。
【符号の説明】
【0063】
10 回路構成体
12 リレー(発熱部品)
14 ヒートパイプ
16 端子部
16a 第1端子部
16b 第2端子部
18 第1接続部
20 第2接続部
22 リレー本体
24 仕切板
26 脚部
28 ボルト挿通孔
30,32 ボルト
34 密封容器
36 作動液
38 毛細管構造
40 空洞
42 ボルト挿通孔
44 屈曲部
46 ボルト挿通孔
48 バスバー
50 後方部分
52 前方部分
54 連結部分
56,58 ボルト挿通孔
60 接続部位
62 ボルト
64 接触部
66 外部バスバー
68 ボルト挿通孔
70 ボルト
71 導通経路
72 ケース
74 アッパケース
76 ロアケース
78,78a,78b 上底壁部
80 上周壁部
82 上方突出部
84 リレー載置部
86 貫通窓
88 段差
90 ボルト締結部
92 接触領域
94 収容凹部
96 熱伝導シート
98 ヒートシンク
99 放熱経路
100 底壁部
102 下周壁部
104 ナット収容部
106 電気部品載置部
108 電気部品
110 ボルト
112 金属製筐体