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  • 特開-支持機構 図1
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  • 特開-支持機構 図3
  • 特開-支持機構 図4
  • 特開-支持機構 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036529
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】支持機構
(51)【国際特許分類】
   B62J 11/00 20200101AFI20240308BHJP
   B62J 45/20 20200101ALI20240308BHJP
   B62J 29/00 20060101ALI20240308BHJP
   B62J 45/422 20200101ALI20240308BHJP
【FI】
B62J11/00
B62J45/20
B62J29/00 B
B62J45/422
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024016236
(22)【出願日】2024-02-06
(62)【分割の表示】P 2019211484の分割
【原出願日】2019-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120189
【弁理士】
【氏名又は名称】奥 和幸
(72)【発明者】
【氏名】北村 明司
(72)【発明者】
【氏名】小林 仁太
(57)【要約】
【課題】二輪車等のハンドルの外側端部に取付けられた装置等を転倒による破損から保護することが可能な支持機構を提供する。
【解決手段】二輪車又は三輪車のハンドルHの外側端部からハンドルHの延在方向に交わる方向に延びた支持部1と、支持部1のハンドルH側と反対の端部から、ハンドル1の内側方向に屈曲して延在する屈曲部2と、を備え、屈曲部2を介して支持部1に被支持装置Cが備えられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二輪車又は三輪車のハンドルの外側端部から当該ハンドルの延在方向に交わる方向に延びた支持部と、
前記支持部の前記ハンドルの側と反対の端部から、当該ハンドルの内側方向に屈曲して延在する屈曲部と、
を備え、
当該屈曲部を介して前記支持部に被支持装置が備えられることを特徴とする支持機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、支持機構の技術分野に属する。より詳細には、二輪車又は三輪車のハンドルの外側端部に取り付けられる機器を当該外側端部に対して支持するための支持機構の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
二輪車や三輪車(以下の説明では、二輪車及び三輪車を、纏めて単に「二輪車等」と称する)は、四輪車と異なり、その運行(運転)を補助する装置等を取り付けることができる場所が限られている。このような観点に基づいた、二輪車等のハンドルへの上記装置等の取り付けに関する従来技術を開示している先行技術文献としては、例えば下記特許文献1が挙げられる。この特許文献1に記載されている従来技術では、ハンドルの握り部分内に加温装置を埋め込むことで、当該握り部分を使った上記操作を妨げることなく、走行中に指先等を温める構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭63-34790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、上記装置等を取り付けられる二輪車の部分としては、上記握り部分の他に、ハンドルの外側端部(いわゆるバーエンド)が考えられる。しかしながら、当該バーエンドに種々の装置等を取り付けることを考える場合には、それが取付けられる二輪車等が転倒する事態を考慮し、当該転倒による破損からバーエンドに取付けられた装置等を保護することが求められるが、このような観点の技術については、上記特許文献1では何ら開示されていない。よって、上記バーエンドに取り付けた上記装置等を転倒等による破損から有効に保護することが求められる。
【0005】
そこで本願は、上記の要請に鑑みて為されたもので、その課題の一例は、二輪車等のハンドルの外側端部に取付けられた装置等を転倒による破損から保護することが可能な支持機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、二輪車又は三輪車のハンドルの外側端部から当該ハンドルの延在方向に交わる方向に延びた支持部と、前記支持部の前記ハンドルの側と反対の端部から、当該ハンドルの内側方向に屈曲して延在する屈曲部と、を備え、当該屈曲部を介して前記支持部に被支持装置が備えられるように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態の支持機構の概要構成を示す平面視概念図である。
図2】実施例のカメラユニットの構成を示す外観図であり、(a)は平面図であり、(b)は左側面図であり、(c)は正面図であり、(d)は右側面図である。
図3】実施例のカメラユニットの右ハンドルへの取付機構を示す図である。
図4】実施例のカメラユニットの構成を示す拡大外観平面図である。
図5】実施例のカメラユニットの構成を示す拡大外観右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本願を実施するための形態について、図1を用いて説明する。なお図1は、実施形態の支持機構の概要構成を示す平面視概念図である。
【0009】
図1に示すように、実施形態の支持機構Sは、二輪車又は三輪車のハンドルHの外側端部から当該ハンドルHの延在方向(図1において右方向)に交わる方向(図1において上方向)に延びた支持部1を介して被支持装置Cを支持するための支持機構である。そして支持機構Sは、上記支持部1と、屈曲部2と、により構成されている。
【0010】
以上の構成において、屈曲部2は、支持部1のハンドルHの側と反対の端部から、当該ハンドルHの内側方向に屈曲して延在する。そして、屈曲部2を介して支持部1に被支持装置Cが備えられる。
【0011】
以上説明したように、実施形態の支持機構Sの構成によれば、ハンドルHの外側端部からハンドルHの延在方向に交わる方向に延びた支持部1のハンドルHの側と反対の端部からハンドルHの内側方向に屈曲して延在する屈曲部2を介して支持部1に被支持装置Cが備えられるので、例えば転倒による破損から被支持装置Cを保護することができる。
【実施例0012】
次に、上述した実施形態に対応する具体的な実施例について、図2乃至図5を用いて説明する。なお以下に説明する実施例では、二輪車等の右ハンドルのバーエンドに、例えば全天球型の撮像機能を有するカメラを内蔵したカメラユニットを取り付け、当該右ハンドルの操作をしながら当該カメラの機能を制御する場合に本願を適用する。
【0013】
また、図2は実施例のカメラユニットの構成を示す外観図であり、図3は当該カメラユニットのハンドルへの取付機構を示す図であり、図4は当該カメラユニットの構成を示す拡大外観平面図であり、図5は当該カメラユニットの構成を示す拡大外観右側面図である。このとき、図2乃至図5では、図1に示した実施形態の支持機構Sにおける各構成部材に対応する実施例の構成部材それぞれについて、当該支持機構Sにおける各構成部材と同一の部材番号を用いている。
【0014】
図2にその平面図等を示すように、実施例のカメラユニットCUは、アタッチメント21を介して、取付軸20により二輪車等の右ハンドルHのバーエンドに取り付けられるカメラユニットCUである。この右ハンドルが、実施形態のハンドルHの一例に相当する。そしてカメラユニットCUは、右ハンドルHのバーエンドから右ハンドルHの延在方向(図2(a)及び図2(c)において左方向)に交わる方向、即ち図2において右ハンドルHを備えた二輪車等が前進する方向(図2白抜き矢印参照)に延びた支持部1を備えている。支持部1の右ハンドルHの側と反対側の端には、右ハンドルHの内側方向に屈曲して延在する屈曲部2を介して、上記カメラCを内蔵するカメラ収納部3が備えられている。なお、上記支持部1、上記屈曲部2及び上記カメラ収納部3は、例えばいわゆるジュラコン樹脂により覆われた部材により一体成形で形成されていてもよい。これに対し、支持部1及び屈曲部2の外側側面部は、例えばステンレス等により形成されているのが好ましい。
【0015】
一方、上記屈曲部2は、上述したように、支持部1の右ハンドルHの側と反対側の端部から右ハンドルHの内側方向に屈曲して延在しており、その外側外縁は曲線形状とされている。換言すれば、当該外側外縁な滑らかな表面を有しており、角部や突出部は形成されていない。そして、上記カメラ収納部3は、屈曲部2を介して、支持部1の右ハンドルHの側と反対側の端部に対して一体的に接続されている。
【0016】
次に、カメラ収納部3には、図2(a)、図2(b)及び図2(d)に破線で示すように上記カメラCが内蔵されており、当該カメラCの撮像範囲を確保するための窓部4及び窓部5が、その表裏両面に設けられている。なお、窓部4及び窓部5に、カメラC用のレンズが内蔵されていてもよい。このとき、カメラCが実施形態の被支持装置Cの一例に相当する。また、支持部1、屈曲部2、カメラC及び右ハンドルHにより、実施形態の支持機構Sの一例を構成している。
【0017】
他方、支持部1の基部(右ハンドルHへの取付部)は、図3に示すように、右ハンドルHの取付座部Bに対して、取付軸20により、座金22、付勢バネ23、座金24、アタッチメント21、座金25及び固定部26を介して固定されている。このとき、カメラユニットCUは、例えば、図2に示す窓部4の中心と窓部5の中心とを結んだ線が、右ハンドルHが備えられている二輪車等が停止している状態で水平且つ二輪車の進行方向(図2に示す白抜き矢印参照)と平行となるように、右ハンドルHに固定される。このときの、支持部1を含むカメラユニットCUの右ハンドルHに対する位置(特に図2(b)及び図2(d)参照)を、以下、「規制位置」と称する。また、取付軸20、座金22、座金24、アタッチメント21、座金25及び固定部26が、本願の「回動部」の一例及び「規制部」の一例にそれぞれ相当する。
【0018】
これに加えてカメラユニットCUは、上記取付軸20等により、上記規制位置から、図2(b)、図2(c)及び図2(d)並びに図5における上方向(図2に示す破線矢印参照)に、取付軸20(即ち、右ハンドルHの中心軸)を中心として回動可能とされている。このとき、付勢バネ23は、規制位置から上方に回動したカメラユニットCUを元の規制位置に戻す方向に支持部1(即ちカメラユニットCU)を付勢する。これにより、規制位置から図2に破線矢印で示す方向に回動したカメラユニットCUは、元の規制位置まで自律的に戻る(即ち反対方向に回動する)。このとき、付勢バネ23が本願の「付勢手段」の一例に相当する。
【0019】
次に、支持部1の上記基部の内側(右ハンドルH側)には、図2(a)、図2(c)及び図2(d)並びに図4及び図5に示すように、カメラCのオン/オフを制御する際に操作される板状の操作子(スイッチ)10が備えられている。この操作子10は、当該操作子10の基部に備えられた回動軸10Bを中心として、図2(a)及び図4に実線両矢印でそれぞれ示される両方向(即ち、支持部1に近付く方向及び支持部1から離れる方向)に回動可能とされている。この回転軸10Bは、右ハンドルHの延在方向(即ち、右ハンドルHの中心軸方向)と、右ハンドルHへの取付部からみた支持部1の延在方向のそれぞれに対して垂直となるように備えられている。この結果として、操作子10が、図2(a)及び図4に実線両矢印で示される両方向に回動可能となっている。このとき操作子10は、当該操作子10が支持部1に近付く方向に回動されると、自動的に元の位置にまで(即ち支持部1から離れる方向に)回動するように、例えば図示しない付勢バネにより付勢されている。更に、操作子10の右ハンドルH側と反対側の端部が、右ハンドルHの内側方向に屈曲した屈曲部10Aとされている。更にまた、操作子10の右ハンドルH側の表面には、図2(d)及び図5に示すように、滑り止めの凹凸領域10Cが形成されている。以上の操作子10の構成により、右ハンドルHの握り部を握っている右手の例えば小指を使って、容易に操作子10を両方向(図2(a)及び図4に示す実線両矢印参照)に回動させることが可能となる。
【0020】
一方、カメラCのオン/オフを制御するための制御信号を操作子10の回動に基づいて生成するための制御信号出力部11が、例えば支持部1に内蔵されている。制御信号出力部11は、例えば、操作子10が支持部1に近付く方に一度回動されるとカメラCをオンとする制御信号を生成して当該カメラCに出力する。そして、支持部1から離れる方向の上記自律的回動により元の位置に戻った操作子10が、再度支持部1に近付く方向に回動されると、制御信号出力部11は、今度はカメラCをオフとする制御信号を生成して当該カメラCに出力する。この操作子10の回動に対応した制御信号出力部11の機能により、例えば上記小指の簡単な操作により、カメラCのオン/オフが制御される。
【0021】
ここで、上記カメラC及び上記制御信号生成部11を動作させるための電源電力は、カメラユニットCU自体が備える必要はなく、例えば、カメラユニットCUが取り付けられる二輪車等のバッテリから供給を受けるように構成するのが好ましい。
【0022】
以上説明したように、実施例のカメラユニットCUを支持する支持部1及び屈曲部2の構成によれば、右ハンドルHの外側端部から右ハンドルHの延在方向に交わる方向に延びた支持部1の右ハンドルH側と反対側の端部から右ハンドルHの内側方向に屈曲して延在する屈曲部2の先端にカメラCを内蔵するカメラ収納部3が備えられるので、例えば転倒による破損からカメラCを保護することができる。
【0023】
また、屈曲部2における右ハンドルHの外側方向外縁が曲線形状であるので、屈曲部2を介してカメラCに加わる衝撃をより緩和することができる。
【0024】
更に、カメラユニットCU全体の右ハンドルHの中心軸を中心とした回動及び元の規制位置に向けた付勢バネ23による付勢により、例えばカメラユニットCUが取り付けられた二輪車等の転倒によりカメラユニットCUに外部から強い衝撃が加わっても、その衝撃をより吸収することができ、カメラCをより有効に保護することができる。
【0025】
更にまた、支持部1及び屈曲部2の回動範囲が右ハンドルHへの取り付け位置に対応した規制位置により規制されるので、カメラCの機能を有効としつつ、これを保護することができる。
【0026】
また、支持部1及び屈曲部2の回動を規制位置の方向に付勢バネ23により付勢するので、例えば転倒によりカメラユニットCU全体の回動が起こっても、自動的に元の規制位置に戻すことができる。
【0027】
更に、支持部1及び屈曲部2の形状並びに上記規制位置がカメラCの撮像範囲に対応しているので、撮像範囲を確保しつつ、カメラCを有効に保護することができる。
【0028】
更にまた、右ハンドルHの外側端部から右ハンドルHの延在方向に交わる方向に延びた支持部1を介して取り付けられたカメラCを制御する場合に、支持部1に沿って支持部1の右ハンドルH側に設けられた操作子10の、支持部1に近付く方向又は支持部から離れる方向の移動により、例えばカメラCのオン/オフを制御する。よって、右ハンドルHを握ったままの手の例えば小指による操作でカメラCの制御ができるので、右ハンドルHの操作等を妨げることなく、カメラCに対する必要な制御を行うことができる。
【0029】
また、操作子10の右ハンドルH側と反対側の端部が、右ハンドルH側に屈曲した屈曲部10Aとされているので、操作子10に対する操作の確実性を向上させることができる。
【0030】
更に、操作子10が、支持部1の右ハンドルH側の面に沿って延在する板状の操作子(スイッチ)であるので、操作子10の操作性を更に向上させることができる。
【0031】
更にまた、操作子10の右ハンドルH側の端部に備えられ且つ操作子10の延在方向及び右ハンドルHの延在方向にそれぞれ垂直な回動軸10Bを中心とした回動が可能とされているので、右ハンドルHの操作等を妨げることなく、カメラCに対する必要な制御をスムーズに行うことができる。
【0032】
なお、上述した実施例では、支持部1及び屈曲部2を介して右ハンドルHに取り付けられる対象がカメラCである場合について説明したが、これ以外に、測距センサやバーエンド取付型のミラーを、同様の支持部及び屈曲部を介して右ハンドルHに取り付ける場合に本願を適用することも可能である。
【符号の説明】
【0033】
1 支持部
2 屈曲部
H ハンドル(右ハンドル)
C 被支持装置(カメラ)
S 支持機構
CU カメラユニット
図1
図2
図3
図4
図5