(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024003660
(43)【公開日】2024-01-15
(54)【発明の名称】焼却装置
(51)【国際特許分類】
F23C 6/04 20060101AFI20240105BHJP
F23H 9/02 20060101ALI20240105BHJP
F23J 1/06 20060101ALI20240105BHJP
F23J 1/02 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
F23C6/04
F23H9/02
F23J1/06
F23J1/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022102952
(22)【出願日】2022-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】500427017
【氏名又は名称】伊藤レーシングサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 猛志郎
【テーマコード(参考)】
3K091
3K161
【Fターム(参考)】
3K091AA20
3K091BB06
3K161AA40
3K161CA01
3K161DA62
3K161DA63
3K161GA17
3K161HA35
3K161HA38
3K161HA55
3K161HA78
(57)【要約】
【課題】より可燃性ガスが漏れにくい、より安全な焼却装置を提供する。
【解決手段】焼却装置であって、一次燃焼部の底部の一部を構成し、複数の孔部を備え、対象物の燃焼に伴って生じる灰を複数の孔部から排出するための火格子部と、一次燃焼部の側部に沿って配置され、対象物を火格子部に向けて移動させるためのガイド部と、ガイド部よりも上方に配置され、対象物を一次燃焼部内に投入するための投入口とを備え、一次燃焼部と二次燃焼部とを接続する接続管は、一次燃焼部の側部における火格子部の上端と前記ガイド部の上端との間の部位に接続されて構成される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼却装置であって、
対象物を燃焼させるための一次燃焼部と、
前記一次燃焼部にて生じる排気及び空気が導入され、前記排気に含まれる可燃性ガスを燃焼させるための二次燃焼部と、
前記一次燃焼部及び前記二次燃焼部を接続し、前記排気が流通する流路として構成される接続管と、
を備え、
前記一次燃焼部は、
当該一次燃焼部の底部の一部を構成し、複数の孔部を備え、前記対象物の燃焼に伴って生じる灰を前記複数の孔部から排出するための火格子部と、
当該一次燃焼部の側部に沿って配置され、前記対象物を前記火格子部に向けて移動させるためのガイド部と、
前記ガイド部よりも上方に配置され、前記対象物を当該一次燃焼部内に投入するための投入口と
を備え、
前記接続管は、前記一次燃焼部の側部における前記火格子部の上端と前記ガイド部の上端との間の部位に接続される
ように構成された焼却装置。
【請求項2】
請求項1に記載の焼却装置であって、
前記二次燃焼部は、前記一次燃焼部の下部に配置される
焼却装置。
【請求項3】
請求項2に記載の焼却装置であって、
前記二次燃焼部は、前記一次燃焼部の下部の周囲を取り囲むように配置される
焼却装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の焼却装置であって、
前記二次燃焼部は、内部に電力で発熱する熱源を備える
焼却装置。
【請求項5】
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の焼却装置であって、
前記火格子部は、下方に向かうにつれて仮想水平面での断面積が徐々に小さくなるように構成され、
当該焼却装置は、
前記複数の孔部を用いて前記一次燃焼部の外部から内部に送風するように構成された送風部、
をさらに備える焼却装置。
【請求項6】
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の焼却装置であって、
前記火格子部の下部に、前記火格子部から落下した灰を上面にて受けるように構成された受灰部と、
前記上面に堆積した灰を前記受灰部の側方から灰を排出するように構成された排出部と、
をさらに備える焼却装置。
【請求項7】
請求項6に記載の焼却装置であって、
前記排出部は、前記上面に堆積した灰を側方に押し出す機能を有するアームを備え、
前記火格子部は、前記アームとともに回転する
ように構成された焼却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、対象物を焼却するように構成された焼却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、焼却装置として、一次燃焼部内において排気に含まれる可燃性ガスを、二次燃焼部にて燃焼させて、可燃性ガスが大気に放出されることを抑制するための構成が提案されている。上記焼却装置においては、一時焼却部の上部に位置する投入口から対象物が投入される構成であり、投入の際に可燃性ガスが漏れにくいように投入口の構成が工夫されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記焼却装置においては、さらに可燃性ガスが漏れにくくすることが要求される。本開示の1つの局面は、可燃性ガスが漏れにくい、より安全な焼却装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様は、焼却装置であって、対象物を燃焼させるための一次燃焼部と、一次燃焼部にて生じる排気及び空気が導入され、排気に含まれる可燃性ガスを燃焼させるための二次燃焼部と、一次燃焼部及び二次燃焼部を接続し、排気が流通する流路として構成される接続管と、を備える。
【0006】
一次燃焼部は、当該一次燃焼部の底部の一部を構成し、複数の孔部を備え、対象物の燃焼に伴って生じる灰を複数の孔部から排出するための火格子部と、当該一次燃焼部の側部に沿って配置され、対象物を火格子部に向けて移動させるためのガイド部と、ガイド部よりも上方に配置され、対象物を当該一次燃焼部内に投入するための投入口とを備え、接続管は、一次燃焼部の側部における火格子部の上端とガイド部の上端との間の部位に接続されるように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の構成は、日本国特許出願第2019-185231号及び日本国特許出願第2021-011770号の全内容を本出願に参照により援用することができる。
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。
【0009】
[1.実施形態]
[1-1.概要]
図1以下に示す本開示の一態様の焼却装置1は、空気が供給される焼却炉にて、対象物を燃焼させる機能を有する装置である。焼却装置1(特に一次燃焼部30)は、低熱分解焼却炉として機能する。なお、本実施形態中での「燃焼」とは、必ずしも炎が生じる燃焼を意味するわけではなく、炎が生じることなく、対象物が熱分解し、ガス化するような現象を含む。
【0010】
焼却装置1では、運搬装置10(投入口)から対象物が投入されると、対象物は、運搬装置10の内部を経て、一次燃焼部30に移動する。一次燃焼部30にて、対象物は、熱分解によって火の粉になり、やがて焼却灰に遷移する。一次燃焼部30は、炉部31を備える。炉部31の内部では、火格子部から空気が供給され、良好な燃焼が行われる。その後、この焼却灰は、排出部80に移動し、焼却装置1の外部に排出される。
【0011】
一次燃焼部30では、対象物から可燃性ガスを発生させ、この際、火炎がない状態が維持される。炉部31では、火の粉により対象物の熱分解が促進され、対象物は焼却灰と可燃性ガスとに分解される。対象物がガス化した可燃性ガスは、二次燃焼部50にて燃焼される。二次燃焼部50による燃焼後のガスである二次排気は、冷却部60にて冷却され、大気温近くまで温度が下げられる。
【0012】
なお、冷却部60にて生じる結露水は、浄化部70にて回収される。浄化部70では、結露水が中和及び浄化される。
[1-2.全体構成]
焼却装置1は、
図1以下に示すように、運搬装置10と、ブロア23(送風部)と、一次燃焼部30と、二次燃焼部50と、冷却部60と、浄化部70と、排出部80と、を備える。これらのうち、一次燃焼部30及び二次燃焼部50以外の構成は必須構成ではない。
【0013】
[1-3.特徴構成]
以下、焼却装置1内を流れる気体、すなわち空気及び排気、の流れを説明するとともに、本開示の特徴構成について説明する。焼却装置1内の気体は、焼却装置1の上部に配置されたブロア23によって動かされる。
【0014】
ブロア23は、一次燃焼部30の炉部31内の気体を吸い出すことで、炉部31の内部を負圧にする。ブロア23は、炉部31から吸い出した気体よりも少ない量の気体を、運搬装置10及び点検口の部位に供給する。点検口は、炉部31の内部を点検する際に開閉可能に構成された開口部である。点検口は、炉部31の側面であって運搬装置10に対向する位置に配置される。
【0015】
このような構成により、運搬装置10及び点検口の部位の気圧は、炉部31の内部よりもやや高くなる。このため焼却装置1では、対象物の投入時や運転後の点検時に、運搬装置10及び点検口が開放されたときに、炉部31内の排気が外部に放出されることを抑制できる。また、これらの運搬装置10や点検口から炎が噴き出す逆火現象を抑制することができる。
【0016】
また、
図7~
図10に示すように、一次燃焼部30の炉部31の底部には、火格子部を備える。火格子部は、炉部31における火格子として機能する。
火格子部の下方には、大気と連通する空気入口が配置され、炉部31の内部が減圧されると、空気入口から空気が導入され、火格子部に設けられた複数の孔部を通じて、炉部31の内部に空気が供給される。
【0017】
火格子部は、下方に向かうにつれて仮想水平面での断面積が徐々に小さくなるように構成される。換言すれば、火格子部は、下方が細くなるテーパ形状、或いは漏斗形状である。なお、仮想水平面は、水平面と平行な仮想的な平面である。
【0018】
火格子部は、金属製のメッシュ構造を備え、メッシュの隙間が多数の孔部を形成する。火格子部は、メッシュ構造による網目よりも小さくなった灰のみを通過させる。火格子部は、鉛直方向の軸回りに回転するように構成される。火格子部が回転する構成については後述する。
【0019】
このような構成の火格子部は、炉部31における底部の大きさ(水平面での断面積)の割に、メッシュ構造の部位の面積を増やすことができる。つまり、メッシュ構造の部位から対象物に向けて良好に空気を供給することができる。
【0020】
この構成では、火格子部内には、対象物が炭化されたことによる灰が堆積する。この灰の温度は、セ氏800度程度まで上昇し、対象物によっては、灰は白色化し、セラミックス化される。また、この形状の火格子部では、内部の灰は、メッシュ構造の周辺部位にて高温となり、この場合、内部の灰は周囲が赤色となった火の玉を構成する。この火の玉が、投入された直後の対象物を良好に加熱し、炭化を促進させる。つまり、焼却装置1は、対象物を連続投入できる構成を実現する。
【0021】
ここで、
図10及び
図11に示すように、一次燃焼部30は炉部31にてガイド部を備える。ガイド部は、炉部31の側面の内周面に沿って円環状に配置された金属板であって、外周部分が最も上方に位置し、内周側に向かうにつれて、下方に位置するような傾斜が設けられている。ガイド部は、重力により対象物を火格子部に向けて移動させる機能を有する。
【0022】
また、ガイド部の下方には、ガイド部とほぼ平行に配置された環状の隔壁部を備える。隔壁部は、ガイド部と同様に、炉部31の周囲に沿って円環状に配置された金属板であって、隔壁部の内周側の端部は、炉部31の底部に隙間なく接続される。また、隔壁部の外周側の端部は、炉部31の側面の内周面に隙間なく接続される。隔壁部は、ガイド部と同様に傾斜して配置されるので、隔壁部は、一次燃焼部30の内部の空間を炉部31側の空間と、それよりも下部の空間(以下、加熱空間)とに分ける隔壁として機能する。
【0023】
ここで、一次燃焼部30の炉部31からブロア23までの経路上には、接続管、二次燃焼部50、冷却部60等が配置される。つまりブロア23は、これらを介して炉部31内の気体を吸い出す。
【0024】
接続管は、
図1及び
図8に示すように、一次燃焼部30及び二次燃焼部50を接続し、排気が流通する流路として構成される。接続管は、炉部31において、ガイド部と隔壁部との間に接続される。換言すれば、接続管は、火格子部の上端とガイド部の上端との間の部位に接続される。
【0025】
この構成により、炉部31内部の気体は、炉部31の比較的下方であって、対象物の炭化が促進されている部位(火格子部のそば)にて吸い出される。このような構成では、ガイド部と隔壁部との隙間が炉部31の全周に渡って形成されているため、この隙間での空気の流れが円滑になり、火格子部の上方の全周部分から良好に気体を吸い出すことができる。つまり、炉部31から気体を吸い出す箇所は1カ所であるが、気体が周方向に沿って流れやすくすることができる。この結果、炉部31内の燃焼状態を均一化することができる。
【0026】
接続管の中間部位には、排ガスリザーブタンクが配置される。排ガスリザーブタンクは、気体に含まれる水分を結露させ、乾燥した気体のみを二次燃焼部50に供給するための機能を備える。なお、結露によって生じた水分は、
図3に示す結露水タンクに貯留される。
【0027】
排ガスリザーブタンクにて乾燥後の気体は、
図12に示すように、気体の流れを転向させる転向部を通じて二次燃焼部50に導入される。転向部は、二次燃焼部50に接続される直管に対して直交するように一次燃焼部30からの気体を導入するための部位である。直管には、転向部から見て、二次燃焼部50の反対側に、この直管をそのまま延伸させた形状に構成された延伸部を備える。延伸部は、直管同様の直線的に伸びる管であり、焼却装置1の側面部付近まで伸びる。延伸部は、二次燃焼部50とは反対側の端部が閉塞される。延伸部は、二次燃焼部50内での燃焼による気体の脈動を軽減する、バランスチューブとして機能する。
【0028】
二次燃焼部50は、一次燃焼部30の下部に配置される。また、二次燃焼部50は、
図9に示すように、一次燃焼部30の下部(ここでは火格子部)の周囲を取り囲むように配置される。二次燃焼部50は、長手方向の断面形状が長方形である中空筒状の部位を備える。二次燃焼部50は、中空筒状の部位の内部に、点火装置及び電熱線を備える。点火装置は、可燃性ガスを含む気体を燃焼させるために着火するための装置である。また、電熱線は、例えば、
図9、
図10、
図12に示すように、二次燃焼部50の内部における気体の導入口付近に配置され、電力で発熱する熱源として機能する。なお、電熱線が点火装置を兼ねてもよい。
【0029】
電熱線は、焼却装置1の起動直後等、炉部31の温度が低いときに作動する。電熱線を利用する構成では、ガスバーナ等を用いる構成では必要となるブロア23による送風が不要であり、電熱線を配置した部位の周囲を局所的に加熱することができる。ブロア23は着火後において所定温度に到達したときに作動を開始し、電熱線は作動を停止するように構成される。電熱線は、例えば、二次燃焼部50の温度がセ氏830度程度で停止される。なお、電熱線以外の、電力によって加熱する構成を採用してもよい。例えば、電磁誘導による加熱方式を採用できる。
【0030】
二次燃焼部50での燃焼を終えた気体は、
図9に示すように、火格子部の周囲をほぼ1周した後、二次燃焼部50の上部に設けられた接続孔から上方に移動する。
接続孔は、二次燃焼部50の内部の空間と、一次燃焼部30における加熱空間とを連通するための孔である。加熱空間において、接続孔のすぐそばには、加熱空間と冷却部60とを接続する排気管が接続されている。ただし、加熱空間において、接続孔と排気管との間には、仕切板が配置されており、接続孔から導入された気体は、加熱空間内において隔壁部に沿って炉部31の下方をほぼ1周しなければ、排気管に到達できないように設定されている。このような構成により、炉部31は、接続孔から導入された気体によって良好に加温されるようにしている。
【0031】
ところで、火格子部の下部には、
図6及び
図7に示すように、火格子部から落下した灰を上面にて受けるように構成された受灰部と、排出部80とを備える。排出部80は、受灰部の上面に堆積した灰を受灰部の側方から灰を排出するように構成される。
【0032】
詳細には、受灰部は、上面が円形に構成され、その中心が、火格子部の中心軸と一致するように構成される。受灰部の中心には、アームが回転可能に固定される。アームは、回転に伴って、上面に堆積した灰を側方の外側に押し出す機能を有する。
【0033】
排出部80は、受灰部のさらに下方に配置されたモータ等の駆動装置(灰取出用モータ)と、駆動装置にて回転駆動される駆動軸と、をさらに備える。アームは、駆動軸に取り付けられ、駆動装置によって回転駆動される。駆動軸には、火格子部も取り付けられている。つまり、アームを回転駆動させるための駆動軸と、火格子部の駆動軸とは一体に構成されており、駆動装置は、アームと共に火格子部を回転駆動させる。
【0034】
なお、炉部31においては、対象物の重量の大部分がガイド部にて受けられる。このため、火格子部には対象物の重量の一部のみがかかるように設計されている。よって、火格子部は、対象物の量にかかわらず、良好に回転することができる。
【0035】
受灰部には、外周部分に沿って立設された外周壁を備え、その一部に開口部が形成されている。アームによって側方に押し出された灰は、この開口部から受灰部の外部に排出される。
【0036】
開口部の外側には、排出部80の一部として、灰排出器が備えられる。灰排出器は、内部にスパイラル状、或いは多数のプロペラを備え、モータによって駆動されるプロペラの作動により、開口部から導入された灰を、灰出口まで送る。
[1-4.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果を奏する。
【0037】
本開示の一態様は、焼却装置であって、対象物を燃焼させるための一次燃焼部と、一次燃焼部にて生じる排気及び空気が導入され、排気に含まれる可燃性ガスを燃焼させるための二次燃焼部と、一次燃焼部及び二次燃焼部を接続し、排気が流通する流路として構成される接続管と、を備える。
【0038】
一次燃焼部は、当該一次燃焼部の底部の一部を構成し、複数の孔部を備え、対象物の燃焼に伴って生じる灰を複数の孔部から排出するための火格子部と、当該一次燃焼部の側部に沿って配置され、対象物を火格子部に向けて移動させるためのガイド部と、ガイド部よりも上方に配置され、対象物を当該一次燃焼部内に投入するための投入口とを備え、接続管は、一次燃焼部の側部における火格子部の上端とガイド部の上端との間の部位に接続されるように構成される。
【0039】
このような構成によれば、接続管が火格子部の上端とガイド部の上端との間の部位(接続部位)に接続され、この接続部位から排気を排出するので、排気に含まれる可燃性ガスが一次燃焼部内の上部の投入口まで上昇しにくくすることができる。また、接続部位付近は、可燃性ガスが多く発生する部位であるため、この可燃性ガスが拡散する前に、接続部位から排出しやすく構成することができる。よって、可燃性ガスが投入口から漏れにくくすることできるので、より安全な焼却装置を提供することができる。
【0040】
本開示の一態様において、二次燃焼部は、一次燃焼部の下部に配置される。このような構成によれば、二次燃焼部から発生する熱を利用して一次燃焼部を加温することができる。
本開示の一態様において、二次燃焼部は、一次燃焼部の下部の周囲を取り囲むように配置される。このような構成によれば、二次燃焼部が一次燃焼部の下部の全体を加温することができる。
【0041】
本開示の一態様において、二次燃焼部は、内部に電力で発熱する熱源を備える。このような構成によれば、燃焼熱を利用することなく一次燃焼部を加温することができる。
本開示の一態様において、火格子部は、下方に向かうにつれて仮想水平面での断面積が徐々に小さくなるように構成される。そして、焼却装置は、複数の孔部を用いて一次燃焼部の外部から内部に送風するように構成された送風部、をさらに備える。
【0042】
このような構成によれば、火格子部がテーパ形状に構成されるので、火格子部を水平面に沿って配置する場合よりも、火格子部の表面積を大きくし、対象物に複数の孔部から送風される空気を良好に供給することができる。よって、対象物を良好に燃焼させることができる。
【0043】
本開示の一態様においては、火格子部の下部に、火格子部から落下した灰を上面にて受けるように構成された受灰部と、上面に堆積した灰を受灰部の側方から灰を排出するように構成された排出部と、をさらに備える。
【0044】
このような構成によれば、受灰部の側方から灰を排出するので、受灰部の下方から灰を排出する構成と比較して、焼却装置の高さを低くすることができる。
本開示の一態様において、排出部は、上面に堆積した灰を側方に押し出す機能を有するアームを備え、火格子部は、アームとともに回転するように構成される。このような構成によれば、火格子部をアームと共に回転させる構成とすることができる。
【0045】
[3.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は前述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0046】
(3a)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
【0047】
(3b)前述した焼却装置1の他、当該焼却装置1を構成要素とするシステム、当該焼却装置1としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実体的記録媒体、焼却方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
【符号の説明】
【0048】
10…運搬装置、23…ブロア、30…一次燃焼部、50…二次燃焼部、60…冷却部、70…浄化部、80…排出部。