(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036625
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】洗濯機システム
(51)【国際特許分類】
D06F 33/37 20200101AFI20240308BHJP
D06F 33/57 20200101ALI20240308BHJP
【FI】
D06F33/37
D06F33/57
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024017469
(22)【出願日】2024-02-07
(62)【分割の表示】P 2020155305の分割
【原出願日】2020-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】加藤 瞬
(72)【発明者】
【氏名】内山 具典
(57)【要約】
【課題】利便性の向上を図ることができる洗濯機システムを提供することである。
【解決手段】実施形態の洗濯機システムは、洗濯槽と、自動投入装置と、情報登録部と、制御部と、を持つ。前記自動投入装置は、洗濯処理剤を個別に収容可能な複数のタンクを有する。前記制御部は、前記情報登録部により登録された情報に基づき、前記自動投入装置を制御する。前記複数のタンクは、第1タンクと、第2タンクとを含む。前記制御部は、前記複数のタンクに同一の前記洗濯処理剤が収容されたと判定される場合、前記第1タンクから前記洗濯処理剤を優先的に投入させ、前記第1タンクに収容された前記洗濯処理剤の残量が、前記第1タンクへの前記洗濯処理剤の補充または交換を促す報知を行う所定以下の残量になったことが検知された場合に、前記第1タンクから前記第2タンクに切り替えて前記第2タンクから前記洗濯処理剤を投入させる制御モードを実行可能である。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯槽と、
洗濯処理剤を個別に収容可能な複数のタンクを有し、前記複数のタンクから前記洗濯処理剤を前記洗濯槽へ自動投入する自動投入装置と、
前記複数のタンクそれぞれに収容された前記洗濯処理剤を示す処理剤情報を登録可能な情報登録部と、
前記情報登録部により登録された前記処理剤情報に基づき、前記自動投入装置を制御する制御部と、
を備え、
前記複数のタンクは、第1タンクと、第2タンクとを含み、
前記制御部は、前記複数のタンクに同一の前記洗濯処理剤が収容されたと判定される場合、前記第1タンクから前記洗濯処理剤を優先的に投入させ、前記第1タンクに収容された前記洗濯処理剤の残量が、前記第1タンクへの前記洗濯処理剤の補充または交換を促す報知を行う所定以下の残量になったことが検知された場合に、前記第1タンクから前記第2タンクに切り替えて前記第2タンクから前記洗濯処理剤を投入させる制御モードを実行可能である、
洗濯機システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記複数のタンクに同一の前記洗濯処理剤が収容されたと判定される場合、前記第1タンクに収容された前記洗濯処理剤の残量が、前記第1タンクへの前記洗濯処理剤の補充または交換を促す報知を行う前記所定以下の残量になるまで、前記第2タンクからの前記洗濯処理剤の投入を抑制しつつ、前記第1タンクから前記洗濯処理剤を優先的に投入させる、
請求項1に記載の洗濯機システム。
【請求項3】
前記第1タンクと前記第2タンクの容量が異なる、
請求項1または請求項2に記載の洗濯機システム。
【請求項4】
前記制御部は、
前記複数のタンクに同一の前記洗濯処理剤が収容されたと判定される場合、前記第1タンクから前記洗濯処理剤を優先的に投入させ、前記第1タンクに収容された前記洗濯処理剤の残量が、前記第1タンクへの前記洗濯処理剤の補充または交換を促す報知を行う前記所定以下の残量になったことが検知された場合に、前記第1タンクから前記第2タンクに切り替えて前記第2タンクから前記洗濯処理剤を投入させる第1制御モードと、
前記複数のタンクに同一の前記洗濯処理剤が収容されたと判定される場合、前記第1タンクおよび前記第2タンクの前記洗濯処理剤の残量が、前記第1タンクおよび前記第2タンクへの前記洗濯処理剤の補充または交換のタイミングが同時になるように、1回の洗濯または複数回の洗濯のなかで、前記第1タンクおよび前記第2タンクから同時または交互に前記洗濯処理剤を投入させる第2制御モードと、
を切り替え可能である、
請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の洗濯機システム。
【請求項5】
洗濯槽と、
洗濯処理剤を個別に収容可能な複数のタンクを有し、前記複数のタンクから前記洗濯処理剤を前記洗濯槽へ自動投入する自動投入装置と、
前記複数のタンクそれぞれに収容された前記洗濯処理剤を示す処理剤情報を登録可能な情報登録部と、
前記情報登録部により登録された前記処理剤情報に基づき、前記自動投入装置を制御する制御部と、
を備え、
前記複数のタンクは、第1タンクと、第2タンクとを含み、
前記制御部は、前記複数のタンクに同一の前記洗濯処理剤が収容されたと判定される場合、前記第1タンクおよび前記第2タンクの前記洗濯処理剤の残量が、前記第1タンクおよび前記第2タンクへの前記洗濯処理剤の補充または交換のタイミングが同時になるように、1回の洗濯または複数回の洗濯のなかで、前記第1タンクおよび前記第2タンクから同時または交互に前記洗濯処理剤を投入させる制御モードを実行可能である、
洗濯機システム。
【請求項6】
前記第1タンクと前記第2タンクの容量が異なる、
請求項5に記載の洗濯機システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記第1タンクと前記第2タンクの容量比に応じて、前記第1タンクから投入される前記洗濯処理剤の量と前記第2タンクから投入される前記洗濯処理剤の量とを異ならせる、
請求項6に記載の洗濯機システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、洗濯機システムに関する。
【背景技術】
【0002】
洗剤および柔軟剤を収容する複数のタンクと、当該複数のタンクから洗剤および柔軟剤を洗濯槽に自動投入するポンプとを有した洗濯機が知られている。洗濯機は、さらなる利便性の向上が期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-042265号公報
【特許文献2】特開2019-092690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、利便性の向上を図ることができる洗濯機システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の洗濯機システムは、洗濯槽と、自動投入装置と、情報登録部と、制御部と、を持つ。前記自動投入装置は、洗濯処理剤を個別に収容可能な複数のタンクを有し、前記複数のタンクから前記洗濯処理剤を前記洗濯槽へ自動投入する。前記情報登録部は、前記複数のタンクそれぞれに収容された前記洗濯処理剤を示す処理剤情報を登録可能である。前記制御部は、前記情報登録部により登録された前記処理剤情報に基づき、前記自動投入装置を制御する。前記複数のタンクは、第1タンクと、第2タンクとを含む。前記制御部は、前記複数のタンクに同一の前記洗濯処理剤が収容されたと判定される場合、前記第1タンクから前記洗濯処理剤を優先的に投入させ、前記第1タンクに収容された前記洗濯処理剤の残量が、前記第1タンクへの前記洗濯処理剤の補充または交換を促す報知を行う所定以下の残量になったことが検知された場合に、前記第1タンクから前記第2タンクに切り替えて前記第2タンクから前記洗濯処理剤を投入させる制御モードを実行可能である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図3】第1実施形態の複数のタンクに収容される洗濯処理剤の組み合わせを示す図。
【
図4】第1実施形態の自動投入装置に関するセンサを示す断面図。
【
図5】第1実施形態の制御装置のシステム構成を示すブロック図。
【
図12】第2実施形態の洗濯機システムの構成を示すブロック図。
【
図13】第2実施形態のサーバのシステム構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の洗濯機システムを、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含み得る。「XXに基づく」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含み得る。「XXまたはYY」とは、XXとYYのうちいずれか一方の場合に限定されず、XXとYYの両方の場合も含み得る。これは選択的要素が3つ以上の場合も同様である。「XX」および「YY」は、任意の要素(例えば任意の情報)である。
【0008】
以下では、いくつかの実施形態について説明する。第1実施形態は、「洗濯機システム」が個別の洗濯機により実現される例である。一方で、第2実施形態は、「洗濯機システム」の一部がサーバ装置(例えばクラウドサーバ装置)により実現される例である。また以下では、洗濯機の一例として縦型式の洗濯機について説明するが、洗濯機はドラム式の洗濯機でもよく、二槽式の洗濯機でもよい。
【0009】
(第1実施形態)
<1.洗濯機の全体構成>
図1は、第1実施形態の洗濯機100の全体構成を示す図である。洗濯機100は、例えば、筐体1、水槽3、吊り棒4、回転槽5、バランスリング7、撹拌体8、洗濯機モータ9、クラッチ機構11、排水弁12、排水ホース13、切替用モータ14、洗濯処理剤の自動投入装置15、操作パネル16、および制御装置10(
図5参照)を備える。洗濯機100は、「洗濯システム」の一例である。回転槽5は、「洗濯槽」の一例である。
【0010】
筐体(外箱)1は、底壁、上壁、前壁、後壁、および左右の側壁を含み、洗濯機100の外観を形成している。筐体1には、洗濯蓋2が開閉可能に取り付けられている。
【0011】
水槽3は、筐体1内に配置されている。水槽3は、底部が閉塞され、上面が開口した円筒容器状に形成されている。水槽3の底部には、排水口3aが設けられている。水槽3は、外箱の四隅に設けられた吊り棒4とコイルばねを主体に構成された防振装置を介して弾性的に吊り下げ支持されている。
【0012】
回転槽5は、洗濯槽と脱水槽を兼ねており、水槽3の内部に配置されている。回転槽5には、筐体1のトップカバー6の洗濯物出入口を通して洗濯物が出し入れされる。回転槽5は、底部が閉塞され、上面が開口した円筒容器状に形成されている。回転槽5の周壁部には、複数の脱水孔5aが設けられている。バランスリング7は、回転槽5の上端部に取り付けられている。撹拌体8は、回転槽5内の底部に設けられ、回転可能である。
【0013】
洗濯機モータ9は、洗濯および脱水用のモータであり、水槽3の下方に設けられている。洗濯機モータ9は、後述する制御装置10によって制御され、回転槽5を回転駆動する。クラッチ機構11は、水槽3の下方に設けられている。クラッチ機構11は、洗濯機モータ9によって駆動され、撹拌体8だけを回転させる状態と、撹拌体8と回転槽5を一体的に回転させる状態とを切り替える。排水ホース13は、排水弁12を介して水槽3の排水口3aに接続されている。排水弁12が開放されると、回転槽5内および水槽3内の水が排水ホース13を通して洗濯機100の外部へ排水される。
【0014】
切替用モータ14は、水槽3の下方に設けられ、クラッチ機構11および排水弁12の状態を連動させて切り替える。例えば、切替用モータ14は、排水弁12を開放動作させる場合、洗濯機モータ9により撹拌体8と回転槽5を一体的に回転させるようにクラッチ機構11を切り替える。一方で、切替用モータ14は、排水弁12を閉鎖動作させる場合、洗濯機モータ9により撹拌体8だけを独立させて回転させるようにクラッチ機構11を切り替える。
【0015】
洗濯処理剤の自動投入装置15は、例えば、筐体1内に配置されて、回転槽5の上方に位置する。自動投入装置15については詳しく後述する。
【0016】
操作パネル16は、トップカバー6の上面に設けられている。操作パネル16は、例えば、ユーザが押下できるボタンとディスプレイ装置を備えたパネル、またはユーザが操作可能なタッチパネルなどを含む。ユーザは、操作パネル16を操作することで、洗濯コースの選択や運転開始の操作を行うことができる。洗濯コースの例としては、標準コースと、スピーディコースと、おしゃれ着コース(丁寧洗いコース)、部屋干しコースと、がんこ汚れコースなどが挙げられる。洗濯コースにより、洗濯槽に注水される水の量や、洗濯の工程の内容が異なる。また、操作パネル16には、洗濯行程や運転終了までの残り時間、設定水位などが表示される表示画面17(
図6~
図11を参照)を含む。操作パネル16は、「報知部」の一例である。
図6は、操作パネル16が出力する表示画面17の一例であり、例えば洗濯機100の電源をONにした後に表示されるトップ画面である。
【0017】
<2.自動投入装置に関する構成>
図2は、自動投入装置15を示す斜視図である。自動投入装置15は、例えば、注水ケース21、複数のタンク22a、22b、および投入ポンプ24を有する。注水ケース21は、複数のタンク22a、22bが着脱可能に取り付けられる凹部である収容部25を有する。注水ケース21は、収容部25に取り付けられた複数のタンク22a、22bを支持する。
【0018】
複数のタンク22a、22bは、それぞれ任意の洗濯処理剤を個別に収容可能である。「洗濯処理剤」とは、洗濯時に衣類を処理する処理剤を広く意味する。なお、洗濯処理剤は、液体に限らず、粉末であっても良い。「洗濯処理剤」は、洗剤、柔軟剤、漂白剤などである。本実施形態において「同一分類の洗濯処理剤」とは、広い意味での用途が同じまたは類似の洗濯処理剤を意味する。すなわち、複数の洗剤(例えば洗剤Aと洗剤B)は、洗浄力や銘柄、狭い意味での用途などが異なる場合であっても、「同一分類の洗濯処理剤」に該当する。ここで、洗浄力や銘柄、狭い意味での用途などが異なる複数の洗剤は、「同一分類で特性が異なる洗濯処理剤」に該当する。「特性」は「機能」と読み替えられてもよい。同様に、複数の柔軟剤(例えば柔軟剤Xと柔軟剤Y)は、柔軟成分や銘柄、狭い意味での用途などが異なる場合であっても、「同一分類の洗濯処理剤」に該当する。ここで、柔軟成分や銘柄、狭い意味での用途などが異なる複数の柔軟剤は、「同一分類で特性が異なる洗濯処理剤」に該当する。一方で、洗剤、柔軟剤、漂白剤は、互いに広い意味での用途が異なるため、「異なる分類の洗濯処理剤」に該当する。本実施形態では、複数のタンク22a、22bは、種々の組み合わせの洗濯処理剤を収容可能である。
【0019】
図3は、複数のタンク22a、22bに収容される洗濯処理剤の組み合わせを示す図である。
図3は、2つのタンク22a、22bが設けられた例を示す。この場合、利用態様として次の6つのパターンが存在する。
【0020】
(1)パターン1は、第1タンク22aと第2タンク22bに同一の洗剤Aを収容する場合である。すなわち、パターン1は、第1タンク22aと第2タンク22bとを1つの大きなタンクとして使用する場合である。柔軟剤を利用しないユーザにとって好ましい態様である。
【0021】
(2)パターン2は、第1タンク22aに洗剤Aを収容し、第2タンク22bに洗剤Bを収容する場合である。洗剤A、Bは、洗浄力や銘柄、または狭い意味での用途が異なる洗剤である。例えば、洗剤Aは洗浄力を重視した洗剤(例えば通常洗剤)であり、洗剤Bは衣類へのダメージ抑制を重視した洗剤(例えばおしゃれ着洗剤)である。パターン2は、衣類などによって複数の洗剤A、Bを使い分けたい場合である。この場合、柔軟剤は、使用されないか、ユーザによって手動投入される。
【0022】
(3)パターン3は、第1タンク22aと第2タンク22bに同一の柔軟剤Xを収容する場合である。すなわち、パターン3は、第1タンク22aと第2タンク22bとを1つの大きなタンクとして使用する場合である。自動投入装置15が粉末洗剤に対応しておらず、粉末洗剤を手動投入するユーザや、ジェルボールを使用するユーザにとって好ましい態様である。
【0023】
(4)パターン4は、第1タンク22aに柔軟剤Xを収容し、第2タンク22bに柔軟剤Yを収容する場合である。柔軟剤X、Yは、柔軟成分や銘柄、または狭い意味での用途が異なる柔軟剤である。例えば、柔軟剤X、Yとは香りが異なる柔軟剤である。パターン4は、衣類などによって複数の柔軟剤X、Yを使い分けたい場合である。
【0024】
(5)パターン5は、第1タンク22aに洗剤Aを収容し、第2タンク22bに柔軟剤Xを収容する場合である。パターン5は、洗剤および柔軟剤をそれぞれ用いる一般的な態様である。
【0025】
(6)パターン6は、第1タンク22aに柔軟剤Xを収容し、第2タンク22bに洗剤Aを収容する場合である。ここで、第1タンク22aの容量と第2タンク22bの容量とは異なる場合がある。本実施形態では、第2タンク22bの容量は、第1タンク22aの容量よりも大きい。パターン6は、柔軟剤Xの使用量が洗剤Aの使用量より多いユーザ(洗剤Aが濃縮洗剤である場合など)によって好ましい態様である。
【0026】
図2に戻り説明を続ける。本実施形態では、複数のタンク22a、22bは、第1タンク22aと、第2タンク22bとを含む。例えば、第1タンク22aと第2タンク22bは、互いに容量が異なる。例えば、第1タンク22bは、700mlの洗濯処理剤を収容可能である。第2タンク22bは、1Lの洗濯処理剤を収容可能である。ただし、複数のタンク22a、22bは、互いに容量が同じでもよい。複数のタンク22a、22bの各々の下端部には、自動投入装置15の投入ポンプ24に接続される排出穴23が設けられている。以下では、タンク22a、22bを互いに区別しない場合には、単にタンク22と称する場合がある。
【0027】
投入ポンプ24は、注水ケース21に設けられている。投入ポンプ24は、注水ケース21に取り付けられた複数のタンク22a、22bに接続される。投入ポンプ24は、制御装置10による制御に基づき、複数のタンク22a、22bに収容された洗濯処理剤を個別に洗濯槽へ自動投入する。投入ポンプ24は、「ポンプ」の一例である。
【0028】
投入ポンプ24は、複数のタンク22a、22bを注水ケース21から取り外すことで、ブラシなどを用いて手動で洗浄可能である。一方で、自動投入装置15は、制御装置10による制御に基づき、投入ポンプ24の自動洗浄を行う自動洗浄装置27(
図1参照)を有してもよい。自動洗浄装置27は、例えば、投入ポンプ24の内部に水を流すことで投入ポンプ24の自動洗浄を行う。ただし、自動洗浄装置27の構成は、上記例に限定されない。
【0029】
図4は、自動投入装置15に関するセンサを示す断面図である。洗濯機100は、例えば、フロートセンサ31、筐体蓋センサ32、タンク蓋センサ33、およびタンク取り付けセンサ34を有する。これらセンサ31、32、33、34の検出結果は、制御装置10に出力される。なお、筐体蓋センサ32、タンク蓋センサ33、およびタンク取り付けセンサ34は、互いに検出対象が同じなので、これらセンサのうち1つまたは2つが省略されてもよい。
【0030】
フロートセンサ31は、タンク22の内部に設けられている。フロートセンサ31は、タンク22に収容された洗濯処理剤の残量を検出する残量センサである。例えば、フロートセンサ31は、回転軸35を中心に回転可能であるとともに、洗濯処理剤の液面に浮いている。フロートセンサ31は、タンク22に収容された洗濯処理剤の残量が所定以下になる場合に所定位置まで下降する(所定位置まで回転する)ことで、洗濯処理剤の残量が所定以下になったことを検知可能である。また、洗濯処理剤の残量が増えることは、「洗濯処理剤の補充に関する動作」の一例である。
【0031】
筐体蓋センサ32は、筐体1のトップカバー6に設けられている。筐体蓋センサ32は、第1部品32aと、第2部品32bとを有する。第1部品32aは、複数のタンク22a、22bの上方に開閉可能に設けられた蓋36に取り付けられている。一方で、第2部品32bは、タンク22または筐体1の上壁に取り付けられている。蓋36が閉められている場合、第1部品32aと第2部品32bとが接することで、筐体蓋センサ32は蓋36が閉められていることを検知する。一方で、蓋36が開かれた場合、第1部品32aと第2部品32bとが離れることで、筐体蓋センサ32は蓋36が開かれたことを検知する。筐体1の蓋36が開かれたことは、「洗濯処理剤の補充に関する動作」の別の一例である。
【0032】
タンク蓋センサ33は、各タンク22に設けられている。タンク蓋センサ33は、第1部品33aと、第2部品33bとを有する。第1部品33aは、各タンク22の蓋37に取り付けられている。一方で、第2部品33bは、各タンク22の蓋37の近傍に取り付けられている。蓋37が閉められている場合、第1部品33aと第2部品33bとが接することで、タンク蓋センサ33は蓋37が閉められていることを検知する。一方で、蓋37が開かれた場合、第1部品33aと第2部品33bとが離れることで、タンク蓋センサ33は蓋37が開かれたことを検知する。タンク22の蓋37が開かれたことは、「洗濯処理剤の補充に関する動作」のさらに別の一例である。
【0033】
タンク取り付けセンサ34は、各タンク22に設けられている。タンク取り付けセンサ34は、第1部品34aと、第2部品34bとを有する。第1部品34aは、各タンク22の底部38に取り付けられている。一方で、第2部品34bは、注水ケース21の上面において各タンク22の底部に面する位置に取り付けられている。タンク22が注水ケース21に取り付けられている場合、第1部品34aと第2部品34bとが接することで、タンク取り付けセンサ34はタンク22が取り外されていないことを検知する。一方で、タンク22が注水ケース21から取り外された場合、第1部品34aと第2部品34bとが離れることで、タンク取り付けセンサ34は注水ケース21からタンク22が取り外されたことを検知する。注水ケース21からタンク22が取り外されたことは、「洗濯処理剤の補充に関する動作」のさらに別の一例である。
【0034】
<3.制御装置のシステム構成>
図5は、制御装置10のシステム構成を示すブロック図である。制御装置10は、例えば、入力受付部110、情報登録部120、および制御部130を有する。これら機能部は、洗濯機100に搭載されたCPU(Central Processing Unit)のようなハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。ただし、これら機能部の全部または一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、またはFPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0035】
さらに、制御装置10は、記憶部140を含む。記憶部140は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、またはフラッシュメモリなどにより実現される。
【0036】
入力受付部110は、操作パネル16を介してユーザの入力を受け付ける。入力受付部110は、操作パネル16を介してユーザから処理剤情報の入力を受け付ける。処理剤情報とは、複数のタンク22それぞれに収容された洗濯処理剤を示す情報である。処理剤情報は、例えば、洗濯処理剤の分類(例えば洗剤、柔軟剤、漂白剤のいずれであるか)、販売元メーカ(または製造元メーカ)、銘柄、標準使用量、多め少なめ設定、コメント(おしゃれ着用など)を含む。処理剤情報は、タンク22への洗濯処理剤の補充日(交換日)や、洗濯処理剤の用途(普段着用、おしゃれ着用)などを含んでもよい。
【0037】
また、入力受付部110は、操作パネル16を介してユーザから、使用する洗濯処理剤の選択の入力及び洗濯処理剤の手動投入の選択の入力を受け付け可能である。また、入力受付部110は、操作パネル16を介してユーザから、洗濯コースと洗濯処理剤との対応関係を受け付ける。洗濯コースと洗濯処理剤との対応関係とは、例えば、標準コースと洗剤A(または洗剤Aが収容されたタンク22)とを対応付けるとともに、おしゃれ着コースと洗剤B(または洗剤Bが収容されたタンク22)とを対応付ける情報である。
【0038】
情報登録部120は、洗濯処理剤が収容されたタンク22を示す情報(タンク22a,22bのいずれであるかを示す情報)と、当該洗濯処理剤の処理剤情報とを関連付けて記憶部140に記憶されたデータベースに登録する。本実施形態では、情報登録部120は、複数のタンク22に種類が異なる複数の洗濯処理剤が収容される場合、および複数のタンク22に同一の洗濯処理剤が収容される場合のいずれの場合でも、処理剤情報を記憶部140に登録可能である。複数のタンク22に種類が異なる複数の洗濯処理剤が収容される場合とは、上述したパターン2、4、5、6などである。一方で、複数のタンク22に同一の洗濯処理剤が収容される場合とは、上述したパターン1、3などである。また、情報登録部120は、洗濯コースと洗濯処理剤との対応関係を対応関係情報として記憶部140内のデータベースに登録する。
【0039】
制御部130は、洗濯機100の全体を制御する。例えば、制御部130は、洗濯機モータ9、クラッチ機構11、排水弁12、切替用モータ14などを制御することで、洗濯機100による洗濯動作を制御する。本実施形態では、制御部130は、判定部131、動作制御部132、および報知制御部133を有する。
判定部131は、処理剤情報に基づき、第1タンク22a、第2タンク22bの洗濯処理剤を判定する。すなわち、判定部131は、処理剤情報に基づき、第1タンク22aおよび第2タンク22bのそれぞれに収容された洗濯処理剤の分類、標準使用量、多め少なめ設定などを判定可能である。
【0040】
動作制御部132は、洗濯機100の動作を制御する。洗濯機100の動作の例としては、洗濯に係る4つの工程(以下、洗濯工程と称する)が挙げられる。なお、洗濯機100の動作の例として、乾燥工程が含まれても良い。洗濯工程の例としては、洗いと、すすぎ1回目と、すすぎ2回目と、脱水が挙げられる。なお、洗濯工程は上記の態様に限定されない。例えば、洗濯工程は、すすぎ2回目を含めなくても良い。この場合、洗濯工程においてすすぎは1回行われる。以下、洗濯工程の詳細について説明する。
【0041】
洗いは、衣類の汚れを落とす工程である。この工程では、衣類が収容される回転槽5への注水と、回転槽5への洗剤の投入と、撹拌体8の回転と、排水が行われる。
すすぎ1回目は、衣類に付着した洗剤を落とす工程である。この工程では、回転槽5への注水と、回転槽5の回転と、排水が行われる。例えば、すすぎ1回目は、給水および排水を同時に行いながら(すなわち、水をかけ流しながら)回転槽5が回転される。
すすぎ2回目は、衣類に付着した洗剤を落とす仕上げ工程である。この工程では、回転槽5への注水と、柔軟剤の投入と、回転槽5の回転と、排水が行われる。例えば、すすぎ2回目は、回転槽5内に水を貯めた状態で回転槽5が回転される。なお、洗濯工程がすすぎ2回目を含まない場合、柔軟剤の投入はすすぎ1回目で行われる。
脱水は、衣類が含む水を衣類から排出させる工程である。この工程では、注水を行わず、排水が行われた状態で回転槽5が回転される。
【0042】
動作制御部132は、上記処理剤情報に基づき、自動投入装置15を制御することで、回転槽5に洗濯処理剤を投入する。例えば、動作制御部132は、上記処理剤情報に基づき、タンク22aに洗剤が収容され、タンク22bに柔軟剤が収容されたと判定部131により判定される場合、上記洗い工程においてタンク22aから洗濯処理剤(洗剤)を回転槽5へ自動投入し、上記すすぎ2回目の工程においてタンク22bから洗濯処理剤(柔軟剤)を回転槽5へ自動投入する。一方で、動作制御部132は、上記処理剤情報に基づき、タンク22aに柔軟剤が収容され、タンク22bに洗剤が収容されていると判定部131により判定される場合、上記洗い工程においてタンク22bから洗濯処理剤(洗剤)を回転槽5へ自動投入し、上記すすぎ2回目の工程においてタンク22aから洗濯処理剤(柔軟剤)を回転槽5へ自動投入する。
【0043】
本実施形態では、動作制御部132は、上記処理剤情報に基づき複数のタンク22に同一の洗濯処理剤が収容されたと判定部131により判定される場合、複数のタンク22のうち一方(例えば第1タンク22a)から洗濯処理剤を優先的に投入させる。「優先的に投入させる」とは、例えば、複数のタンク22のうち一方(例えば第1タンク22a)の残量の減少率が他のタンクの残量の減少率よりも大きいことを意味する。1つの例では「優先的に投入させる」とは、複数のタンク22のうち一方(例えば第1タンク22a)から洗濯処理剤を投入し、他のタンク22からの洗濯処理剤の投入は抑制することを意味する。
【0044】
この場合において、動作制御部132は、第1タンク22aに収容された洗濯処理剤の残量が所定以下になったことが検知された場合に、第1タンク22aから第2タンク22bに切り替えて、その後、第2タンク22bから洗濯処理剤を優先的に投入させる。「洗濯処理剤の残量が所定以下になった」とは、例えば、タンク22への洗濯処理剤の補充または交換を促す残量以下になったことを意味する。「洗濯処理剤の残量が所定以下になった」場合の例としては、洗濯処理剤の残量が1回の洗濯工程に要する洗濯処理剤の容量以下になった場合、ユーザが予め設定した容量以下になった場合、またはフロートセンサ31により残量が所定以下となったことを検知し、ユーザに補充を促す報知をした場合などが挙げられる。上記の動作により、第1タンク22aの洗濯処理剤の残量が少なくなった場合でも、洗濯機システムは適量の洗濯処理剤を用いて処理を行うことができる。すなわち、第1タンク22aの洗濯処理剤の残量が少なくなった場合、第2タンク22bの洗濯処理剤を使用している間、好きな時に第1タンク22aに洗濯処理剤を補充できるため、第1タンク22aが空になってから洗濯処理剤を購入しても間に合う。このため、買い置きの必要が少なくなる。
【0045】
また、動作制御部132は、上記処理剤情報に基づき複数のタンク22に同一分類で特性が異なる洗濯処理剤が収容されたと判定部131により判定される場合において、使用する洗濯処理剤の選択または洗濯処理剤の手動投入の選択が入力受付部110に入力されない場合、洗濯を開始しなくてもよい。例えば、第1タンク22aに通常洗剤が収容され、第2タンク22bにおしゃれ着洗剤が収容されている場合であって、どちらのタンク22から洗濯処理剤を投入すべきか不明な場合、使用する洗濯処理剤の選択(すなわち、使用するタンク22の選択)または洗濯処理剤の手動投入を選択するユーザの入力を待つ。上記の動作により、洗濯機システムは適切な特性を有する洗濯処理剤により処理を行うことができる。例えば、おしゃれ着に通常洗剤を使用して衣類が痛むことや、反対に通常着におしゃれ洗剤を使用して洗浄不足になることを抑制することができる。柔軟剤についても好みと異なる仕上がりになることを抑制する。
【0046】
また、動作制御部132は、上記処理剤情報に基づき洗濯処理剤の変更が判定部131により検知された場合に、投入ポンプ24の洗浄を促す通知を出力させる、または投入ポンプ24を自動で洗浄する。例えば、報知制御部133は、洗濯処理剤の変更が検知された場合に、投入ポンプ24の洗浄を促す通知を操作パネル16に出力させる。例えば、洗濯機100に自動洗浄装置27が設けられている場合は、動作制御部132は、自動洗浄装置27を動作させることで、投入ポンプ24を自動で洗浄する。上記の動作により、洗濯機システムは、投入ポンプ24における複数の洗濯処理剤の混合による、洗濯処理剤の処理力低下を防止することができる。
【0047】
また、動作制御部132は、選択された洗濯コースと対応関係とに基づき、自動投入装置15を制御する。洗濯コースにより、洗濯槽に注水される水の量や、洗濯工程の内容が変わり得る。そのため、動作制御部132は、選択された洗濯コースとの対応関係とに基づき、自動投入装置15を制御することにより、投入する洗濯処理剤の種類や量を制御する。上記の動作により、洗濯機システムは洗濯コースに対応する種類や量に係る洗濯処理剤を用いて処理を行うことができる。すなわち、洗濯機システムのユーザは、処理の度に洗濯処理剤を選択しなくても良い。洗濯機システムのユーザがおしゃれ着コースを選択した場合、間違った洗濯処理剤が投入されることを防止することができる。また、洗濯機システムのユーザがスピードコースを選択した場合、ユーザが洗濯処理剤を手動投入しなくても、すすぎ1回対応の洗濯処理剤を投入される。
【0048】
報知制御部133は、上記処理剤情報に基づき複数のタンク22に同一分類で特性が異なる複数の洗濯処理剤が収容されたと判定部131により判定される場合、毎回の洗濯時に、使用する洗濯処理剤の選択または洗濯処理剤の手動投入の選択を促す通知を出力させる。
図7は、操作パネル16が出力する表示画面17の一例を示す図である。なお、
図7は、洗濯機100がタンク22を3つ備える場合の表示画面17の一例である。
図7の表示画面17には、使用する洗濯処理剤の選択または洗濯処理剤の手動投入の選択を促す通知が表示されている。この画面に表示される情報(タンク22と洗濯処理剤の対応関係)は、報知制御部133が上記処理剤情報に基づき生成する。報知制御部133は、複数のタンク22に同一分類で特性が異なる複数の洗濯処理剤が収容されたと判定される場合、毎回の洗濯時に、
図7の表示画面17を操作パネル16に出力させる。上記の動作により、洗濯機システムのユーザは使用する洗濯処理剤を容易に洗濯することができる。
【0049】
また、報知制御部133は、上記処理剤情報に基づき洗剤または柔軟剤のどちらかが複数のタンク22のいずれにも収容されていないと判定部131により判定される場合、入力受付部110に対して、洗剤または柔軟剤の手動投入を促す通知を出力させる。
図8は、操作パネル16が出力する表示画面17の一例を示す図である。なお、
図8は、洗濯機100がタンク22を3つ備える場合の表示画面17の一例である。
図8の表示画面17には、洗剤または柔軟剤の手動投入を促す通知が表示されている。報知制御部133は、洗剤または柔軟剤のどちらかが複数のタンク22のいずれにも収容されていないと判定される場合、
図8の表示画面17を操作パネル16に出力させる。上記の動作により、洗濯機システムはユーザの洗濯処理剤の投入忘れを防止することができる。例えば、
図8に表示された例では、全てのタンク22に洗剤が収容され、柔軟剤の手動投入を促す通知が表示された例である。上記の動作により、何れかの洗濯処理剤が投入されないことで適切でない洗濯処理が行われることを防止できる。例えば、柔軟剤が投入されないことにより、仕上がりが悪くなることを防止できる。また、洗剤が投入されないことにより、洗えていないことを防止できる。
【0050】
報知制御部133は、洗濯処理剤の補充に関する動作が検知された場合に、複数のタンク22に関する現在の処理剤情報を出力させる。
図9は、操作パネル16が出力する表示画面17の一例を示す図である。なお、
図9は、洗濯機100がタンク22を3つ備える場合の表示画面17の一例である。
図9の表示画面17には、3つのタンク22に収容されている洗濯処理剤の処理剤情報が表示されている。報知制御部133は、洗濯処理剤の補充に関する動作が検知された場合に、
図9の表示画面17を操作パネル16に出力させる。上記の動作により、洗濯機システムのユーザは、補充後の複数のタンク22の状態を容易に確認することができる。また、何れかの洗濯処理剤が投入されないことで適切でない洗濯処理が行われることを防止できる。例えば、柔軟剤が投入されないことにより、仕上がりが悪くなることを防止できる。また、洗剤が投入されないことにより、洗えていないことを防止できる。
【0051】
また、報知制御部133は、洗濯処理剤の補充に関する動作が検知された場合に、処理剤情報の更新を促す通知を出力させる。
図10は、操作パネル16が出力する表示画面17の一例を示す図である。なお、
図10は、洗濯機100がタンク22を3つ備える場合の表示画面17の一例である。
図10の表示画面17には、3つのタンク22に収容されている処理剤情報の更新を促す通知が表示されている。「更新」とは、処理剤情報の内容に変更がある場合における再登録を意味する。報知制御部133は、洗濯処理剤の補充に関する動作が検知された場合に、
図10の表示画面17を操作パネル16に出力させる。上記の動作により、洗濯機システムのユーザは、補充後に処理剤情報を容易に更新することができる。
【0052】
図11は、操作パネル16が出力する表示画面17の一例を示す図である。
図10の表示画面17に対して、ユーザが処理剤情報の更新を入力すると、
図11の表示画面17が操作パネル16に出力される。ユーザは、
図11の表示画面17を用いて、洗濯処理剤のメーカと、洗濯処理剤の銘柄と、洗濯処理剤の基準量を入力することができる。基準量とは、単位洗濯容量に対する洗濯処理剤の使用容量である。
図11は、基準量が30Lの洗濯容量に対する洗濯処理剤の使用容量が20mlであることを示す。
図10の表示画面17を操作パネル16に出力させる。上記の動作により、洗濯機システムのユーザは、補充後に処理剤情報を容易に更新することができる。また、洗濯機システムは適量の洗濯処理剤により洗濯工程を行うことができる。
【0053】
なお、制御部130は操作パネル16に出力する通知を、ユーザが有する移動体端末に出力しても良い。移動体端末の例としては、スマートフォンと、タブレット端末と、ノートパソコンなどが挙げられる。例えば、制御部130は操作パネル16に出力する通知をユーザのスマートフォンに出力しても良い。
【0054】
記憶部140は、洗濯コース情報と、処理剤情報と、対応関係情報を記憶する。洗濯コース情報は、洗濯コースを示す情報であり、記憶部140に予め記録される情報である。
【0055】
<4.利点>
液体の洗濯洗剤や柔軟剤を自動で洗濯槽へ投入する洗濯機が知られている。このような洗濯機は2つのタンクを備える。何れかのタンクには柔軟剤が収容される。他方のタンクには洗剤が収容される。2つのタンクに収容される洗濯処理剤は処理の度に自動で投入される。
しかし、粉末の洗剤を使用するユーザは上記タンクを活用できない。また、柔軟剤が1つのタンクに収容されるため、柔軟剤の補充頻度が高い問題が生じ得る。また、液体の洗剤を使用するが、柔軟剤を使用しないユーザも存在する。また、それぞれのタンクには、洗剤、柔軟剤の1種類のみ収容できる。そのため、洗浄力を重視した洗剤を使用する場合と、衣類へのダメージ抑制を重視した洗剤を使い分けた自動投入が困難である。また、柔軟剤を香り別の使い分けた自動投入が困難である。そのため、洗剤又は柔軟剤の自動投入ができず、手動投入をする必要が生じる。
【0056】
第1実施形態に係る洗濯機システムは、洗濯槽と、洗濯処理剤を個別に収容可能な複数のタンク22を有し、複数のタンク22から洗濯処理剤を洗濯槽へ自動投入する自動投入装置15と、複数のタンク22それぞれに収容された洗濯処理剤を示す処理剤情報を登録可能な情報登録部120と、情報登録部120により登録された処理剤情報に基づき、自動投入装置15を制御する制御部130を備える。このような構成によれば、洗濯機システムは登録された処理剤情報に基づき、複数のタンク22に洗濯処理剤を自動投入する。これにより、複数のタンク22に任意の洗濯処理剤を収容した場合でも洗濯処理剤の自動投入を行うことができ、洗濯機システムは洗濯処理剤の投入に係る利便性を向上させることができる。例えば、洗剤又は柔軟剤の何れかのみと対応してタンク22を使用する場合に比べて、収容する洗濯処理剤のパターンの自由度が高くなるため、より個々のユーザに合わせた最適な洗濯処理剤の使い方が実現できる。
【0057】
(変形例)
動作制御部132は、上記処理剤情報に基づき複数のタンク22に同一の洗濯処理剤が収容されたと判定される場合、1回の洗濯または複数回の洗濯のなかで、第1タンク22aおよび第2タンク22bから同時または交互に洗濯処理剤を投入させても良い。なお、動作制御部132は、第1タンク22aおよび第2タンク22bから洗濯処理剤を均等に投入させても良い。「交互に」とは、1回の洗濯ごとに第1タンク22aと第2タンク22bとを切り替える場合に限定されず、2回の洗濯において第1タンク22aから洗濯処理剤が投入され、その後の1回の洗濯において第2タンク22bから洗濯処理剤が投入され、その後の2回の洗濯において第1タンク22aから洗濯処理剤が投入される場合なども含み得る。「均等に投入させる」とは、1回の洗濯での洗濯処理剤の投入量を等分してそれぞれのタンク22から投入させ、洗濯ごとに投入させるタンク22をローテーションさせることである。例えば、何れかのタンク22のみから優先して洗濯処理剤を投入させると、他方のタンク22を長期間使用しないことにより、投入ポンプ24の経路内での固着などが懸念される。また、何れかのタンク22のみから優先して洗濯処理剤を投入させると、他方のタンク22に収容された洗濯処理剤は長期間消費されずに劣化する恐れがある。上記の動作により、洗濯機システムは複数のタンク22の洗濯処理剤を満遍なく使用することにより、上記固着や劣化を防止することができる。
【0058】
例えば、動作制御部132は、第1タンク22aに収容された洗濯処理剤の残量と第2タンク22bに収容された洗濯処理剤の残量とが同程度になるように第1タンク22aおよび第2タンク22bからの洗濯処理剤の投入量を制御しても良い。この場合において、第1タンク22aの容量が第2タンク22bの容量よりも大きい場合、その容量比に応じて第1タンク22aから投入される洗濯処理の量と第2タンク22bから投入される洗濯処理の量の比が調整される。例えば、第1タンク22aの容量が第2タンク22bの容量よりも大きい場合、3回の洗濯において第1タンク22aから洗濯処理剤が投入され、その後の2回の洗濯において第2タンク22bから洗濯処理剤が投入され、…といった動作が行われてもよい。上記の動作により、洗濯機システムは、複数のタンク22に収容されている洗濯処理剤を満遍なく使用することができ、洗濯処理剤を補充する頻度を減らすことができる。また、2つのタンク22の収容された洗濯処理剤が同時に無くなるため、洗濯機システムのユーザが新しい種類の洗濯処理剤に変えるときに、2つのタンク22に収容される洗濯処理剤を同時に変えることができる。
【0059】
洗濯機システムは、上記第1実施形態の制御モードと、上記変形例の制御モードとを1つの洗濯機100で相互に切り替えできるようにしても良い。「第1実施形態の制御モード」とは、動作制御部132が、第1タンク22aに収容された洗濯処理剤の残量が所定以下になったことが検知された場合に、第1タンク22aから第2タンク22bに切り替えて、その後、第2タンク22bから洗濯処理剤を優先的に投入させるモードである。また、「変形例の制御モード」とは、動作制御部132が第1タンク22aおよび第2タンク22bから同時または交互に洗濯処理剤を投入させるモードである。
【0060】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態では、いくつかの機能部がサーバに設けられた点で、第1実施形態とは異なる。なお以下に説明する以外の構成は、第1実施形態の構成と同じである。
【0061】
図12は、第2実施形態の洗濯機システムSの構成を示すブロック図である。洗濯機システムSは、洗濯機100と、サーバ200とを含む。後述するネットワークNWは、例えば、インターネット、セルラー網、Wi-Fi網、LPWA(Low Power Wide Area)、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、その他の公衆回線、専用回線などを状況に応じて利用すればよい。
【0062】
洗濯機100は、ユーザの住居内に配置されている。洗濯機100は、例えば、ユーザUの住居内に配置された無線ルータRおよびネットワークNWを介して、サーバ200と通信可能である。
【0063】
サーバ200は、1台以上のサーバ装置200a(例えばクラウドサーバ装置200a)で構成される。サーバ200は、「サーバシステム」と称されてもよい。サーバ200は、ネットワークNW中のルータに含まれる情報処理部など、エッジコンピューティングやフォグコンピューティングを行う情報処理部を含んでもよい。サーバ200については、詳しく後述する。
【0064】
端末装置300は、洗濯機100のユーザUが利用可能な機器である。端末装置300は、例えば、スマートフォン、タブレット端末などの携帯端末機器であるが、音声対話装置(スマートスピーカ)などでもよい。端末装置300は、「報知部」の一例である。第1実施形態で洗濯機100の操作パネル16に表示された各種の通知は、表示画面を有する端末装置の場合は、表示画面に画像または映像により表示され、音声対話装置の場合は、音声により出力される。
【0065】
次に、サーバ200について詳しく説明する。
図13は、サーバ200のシステム構成を示すブロック図である。サーバ200は、例えば、入力受付部110と、情報登録部120と、判定部131と、報知制御部133と、記憶部140とを備える。入力受付部110と、情報登録部120と、判定部131と、報知制御部133の動作は、第1実施形態に係る洗濯機システムの入力受付部110と、情報登録部120と、判定部131と、報知制御部133の動作と同様である。これら機能部は、サーバ200に搭載されたCPUのようなハードウェアプロセッサがプログラムを実行することにより実現される。ただし、これら機能部の全部または一部は、ASIC、PLD、またはFPGAなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0066】
さらに、サーバ200は、記憶部140を含む。記憶部140は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、またはこれらのうち複数の組み合わせにより実現される。記憶部140は、第1実施形態に係る洗濯機システムの記憶部140と同様の情報を記憶する。
【0067】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、登録された処理剤情報に基づいて洗濯処理剤を投入する自動投入装置15を持つことにより、洗濯処理剤の投入に係る利便性を向上することができる。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0069】
1…筐体、2…洗濯蓋、3…水槽、3a…排水口、4…吊り棒、5…回転槽、5a…脱水孔、6…トップカバー、7…バランスリング、8…撹拌体、9…洗濯機モータ、10…制御装置、11…クラッチ機構、12…排水弁、13…排水ホース、14…切替用モータ、15…自動投入装置、16…操作パネル、17…表示画面、21…注水ケース、22…タンク、23…排出穴、24…投入ポンプ、25…収容部、27…自動洗浄装置、31…フロートセンサ、32…筐体蓋センサ、33…タンク蓋センサ、34…タンク取り付けセンサ、35…回転軸、36…蓋、37…蓋、38…底部、100…洗濯機、110…入力受付部、120…情報登録部、130…制御部、131…判定部、132…動作制御部、133…報知制御部、140…記憶部、200…サーバ、200a…サーバ装置、300…端末装置、NW…ネットワーク、U…ユーザ、R…無線ルータ、S…洗濯機システム