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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036635
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20240308BHJP
【FI】
A63F5/04 651
A63F5/04 620
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024017739
(22)【出願日】2024-02-08
(62)【分割の表示】P 2020176271の分割
【原出願日】2020-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 優
(57)【要約】
【課題】従来にない興趣性の高い遊技機を提供する。
【解決手段】特典付与手段により特典が付与されるか否かを示唆可能な特定演出を、複数のゲームに跨って実行させることが可能な特定演出制御手段と、前記特定演出の実行中における特定条件の成立に基づき、前記特定演出の終了後に、所定の演出を実行させることが可能な演出再開制御手段と、前記特定演出の実行中における前記特定条件の成立に基づき、前記所定の演出が実行されることを予告する予告演出を実行させることが可能な演出予告制御手段と、を備え、前記演出予告制御手段は、前記予告演出を前記特定演出と併行して実行可能な構成とした。
【選択図】図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定条件が成立した場合、特典を付与するかを判定可能な判定手段と、
前記判定手段により前記特典を付与すると判定された場合、第1特定演出を複数のゲームに亘って実行可能であり、且つ、前記判定手段により前記特典を付与しないと判定された場合、第2特定演出を複数のゲームに亘って実行可能な特定演出実行手段と、
前記第1特定演出の実行中において前記特定条件が成立した場合、予告演出を実行可能であり、且つ、前記第2特定演出の実行中において前記特定条件が成立した場合、当該予告演出を実行可能な予告演出実行手段と、
前記第2特定演出の実行中に前記予告演出が実行された場合、当該第2特定演出の終了後において、所定演出を実行可能な所定演出実行手段と、
を備え、
前記予告演出実行手段は、
前記第1特定演出の実行中に、前記予告演出を実行可能であり、
前記第2特定演出の実行中に、前記予告演出を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記予告演出は、
第1予告演出及び第2予告演出を含み、
前記所定演出実行手段は、前記第2特定演出の実行中において、
前記第1予告演出が実行された場合よりも、前記第2予告演出が実行された場合の方が、高確率で前記所定演出を実行可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記所定演出は、
複数のゲームに亘って実行される演出である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、遊技機として、複数の識別情報による変動表示ゲームを表示可能な変動表示装置を備え、変動表示ゲームの結果に応じて、遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるようにしたパチンコ遊技機が知られている。また、複数のリールを備え、遊技者の開始操作に基づき該複数のリールを変動表示させてゲームを実行し、遊技者の停止操作に基づき複数のリールを停止させて、該複数のリールの停止表示態様に応じて、特定遊技状態を発生するようにしたスロットマシンが知られている。また、近年のスロットマシンにおいては、リールの他に画像表示装置を備えて、画像表示装置においてゲームに関連した演出を行うようにしたものが増えている。
このような遊技機においては、画像表示装置において種々の情報を表示するようにした遊技機も知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-059503公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の遊技機は、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の遊技機は、特定条件が成立した場合、特典を付与するかを判定可能な判定手段と、前記判定手段により前記特典を付与すると判定された場合、第1特定演出を複数のゲームに亘って実行可能であり、且つ、前記判定手段により前記特典を付与しないと判定された場合、第2特定演出を複数のゲームに亘って実行可能で特定演出実行手段と、前記第1特定演出の実行中において前記特定条件が成立した場合、予告演出を実行可能であり、且つ、前記第2特定演出の実行中において前記特定条件が成立した場合、当該予告演出を実行可能な予告演出実行手段と、前記第2特定演出の実行中に前記予告演出が実行された場合、当該第2特定演出の終了後において、所定演出を実行可能な所定演出実行手段と、を備え、前記予告演出実行手段は、前記第1特定演出の実行中に、前記予告演出を実行可能であり、前記第2特定演出の実行中に、前記予告演出を実行可能である構成とした。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】遊技機の外観を示す概略正面図である。
図2】遊技機の制御構成を示すブロック図である。
図3】遊技機の遊技の流れを説明するための図である。
図4】遊技状態の遷移、およびメイン表示器での表示内容を説明するためのタイミングチャートである。
図5】通常遊技状態中におけるパターンAでの当選演出を示す図である。
図6】通常遊技状態中におけるパターンBでの当選演出を示す図である。
図7】押し順ベル役当選時のパターンAでの当選演出の報知パターン1を示す図である。
図8】押し順ベル役当選時のパターンAでの当選演出の報知パターン2を示す図である。
図9】押し順ベル役当選時のパターンAでの当選演出の報知パターン3を示す図である。
図10】当選演出における特別ベル画像の配色の選択率を示す図表である。
図11】当選演出の変形例1としての押し順ベル役当選時のパターンAでの当選演出の表示例を示す図である。
図12】当選演出の変形例2としてのベル図柄が直線状に停止する場合において図柄の停止前から当選役の報知を行う場合の表示例を示す図である。
図13】当選演出の変形例2としてのベル図柄がV状に停止する場合において図柄の停止前から当選役の報知を行う場合の表示例を示す図である。
図14】フェイク前兆演出中に疑似ボーナス状態に当選した場合の遊技状態の遷移、およびメイン表示器での表示内容を説明するためのタイミングチャートである。
図15】フェイク前兆演出中に予告演出を実行する場合の表示例を示す図である。
図16】フェイク前兆演出中における予告画像の出現率を示す図表である。
図17】本前兆演出中に予告演出を実行する場合の表示例を示す図である。
図18】本前兆演出中における予告画像の出現率を示す図表である。
図19】予告演出の変形例1としてのフェイク前兆演出中に予告演出を実行する場合の表示例を示す図である。
図20】予告演出の変形例2としてのフェイク前兆演出中に予告演出を実行する場合の表示例を示す図である。
図21】予告演出の変形例3としてのフェイク前兆演出中に予告演出を実行する場合の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
ここでは、本発明の実施形態にかかる遊技機の適例としてのスロットマシンについて説明を行う。
【0008】
まず、スロットマシン1の全体構成について、図1図2を参照して説明する。
スロットマシン1は、遊技場等に設置されるものである。
図1図2に示すように、スロットマシン1は、前扉1a、ベットボタン2a、返却ボタン2c、演出ボタン2d、上部演出ボタン2f、メダル投入口2、スタートレバー3、リール4、停止ボタン5、表示窓6、メダル払出装置7、メダル払出口7b、メイン表示器8、スピーカ9、前面パネル19、ランプ11、ナビランプ12、有利区間ランプ13、確率設定装置14、表示器装飾枠15、ドラムユニット4d、主制御装置10、副制御装置20を備える。
【0009】
なお、主制御装置10、副制御装置20は、各々に記憶部、制御部が備えられ、各種演算処理、各種制御が可能な装置であり、コンピュータの概念に含まれる。各記憶部は、スロットマシン1の動作に必要なプログラム、情報等を記憶する半導体メモリ素子等の記憶装置を備える。各制御部は、CPU等を備える。各制御部は、各記憶部に記憶された各種プログラム等を適宜読み出して実行することにより、実施形態の各種機能を実現している。
【0010】
[遊技機の外観を示す概略正面図]
図1に示すように、スロットマシン1の前面には前扉1aが配設される。
前扉1aは、前扉1aの後方側に配設され島設備(図示省略)に取り付けられる本体(図示省略)の一側(前方視左側)に開閉可能に軸着され、片開形式で前方側に開閉可能に構成される。なお、以降、スロットマシン1を手前側から見た状態で左右方向を示す。
【0011】
スロットマシン1を手前側から見た状態で、前扉1aの上部における左右方向の中央の位置にはメイン表示器8が配置される。メイン表示器8は、後述するように演出(演出画像)に係る情報等、複数の情報を表示可能な液晶表示器等から構成され、表示手段を構成する。
前扉1aの上部であってメイン表示器8の前方には、中央に開口部を有する表示器装飾枠15が配設され、メイン表示器8は、表示器装飾枠15の開口部から表示面が前方に臨んだ状態で配設される。
【0012】
メイン表示器8の左右の各々には、スピーカ9が配設され、例えば、メイン表示器8で表示される演出に対応する効果音を出力可能となっている。
また、メイン表示器8の左右の各々には、LED等からなるランプ11が配設され、例えば、役の入賞時の光や、メイン表示器8で表示される演出に対応する発光態様の光を出力可能となっている。
【0013】
メイン表示器8の右側には、操作手段として例示する上部演出ボタン2fが配設される。
上部演出ボタン2fは、前後方向に移動する押圧式のボタンであり、上部演出ボタン2fの押圧操作は、非接触型のセンサ等によって検出されて、上部演出ボタン2fの操作情報として副制御装置20に出力される。また、上部演出ボタン2fの内部には、LED等からなる発光源(図示省略)が備えられ、発光源の発光により上部演出ボタン2fの操作が有効である旨を報知可能にしている。
【0014】
スロットマシン1における前扉1aの上下方向中央には、表面に装飾や各種機能表示が施された平板状の前面パネル19が配設される。
前面パネル19の後方には、変動表示手段としてのリール4を備えたドラムユニット4dが配設される。
また、前面パネル19の略中央には、リール4に付された図柄を前方から視認可能な透光性を有する部材からなる表示窓6が形成される。
【0015】
リール4は、左右方向に並んで配設される左リール4a、中リール4b、右リール4cから構成され、各リール4a~4cの回転軸は左右方向に延在して、回転中心が同一に設定されている。リール4(4a~4c)は、周面に連続する図柄(識別情報)を有し、これらの図柄が表示窓6を透して機外から識別可能に構成され、リール4が一方向に回転することにより、表示窓6内において、例えば、図柄が上から下に変動表示可能となっている。各リール4a~4cには、複数の図柄(例えば20個)が表されていて、図柄の種類は、例えば、「リプレイ」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「7」等である。
なお、リール4の形態は、これに限定されず、例えば、周面の図柄の個数は、20個以外でもよい。
【0016】
前面パネル19における表示窓6の上部には、後述する停止ボタン5の停止順序を報知可能なナビランプ12a、12b、12cが各リール4a、4b、4cに対応して配設される。
また、前面パネル19における表示窓6の下部左側には、例えば、LEDから構成される有利区間ランプ13が配設される。有利区間ランプ13は、有利区間(後述する)中に点灯するように制御される。なお、スロットマシン1は、有利区間ランプ13に代えて、例えば、メダルの払出数を表示する払出数表示部等を構成する7セグメントディスプレイ(「7セグ」ともいう)の「ドット」部分等を、点灯するように制御してもよい。
【0017】
前面パネル19における表示窓6(リール4)の右側には、サブ表示器17が配置される。
サブ表示器17は、後述するように演出(演出画像)に係る情報等、複数の情報を表示可能な液晶表示器等から構成され、表示手段を構成する。
また、サブ表示器17は、メイン表示器8よりも表示面積が小さくなっているが、メイン表示器8よりもリール4に近い位置に配設されていて、リール4の回転や停止状態を見ながら、表示されている画像を視認することが容易となっている。
なお、サブ表示器17は、表示窓6(リール4)の左側に設けてもよい。また、サブ表示器17をタッチパネル式の表示器で構成するようにしてもよい。
【0018】
前面パネル19の下方には、前方に突出する段部が形成され、段部の上面にメダル投入口2、操作手段として例示するベットボタン2a、演出ボタン2dが配設されている。
メダル投入口2は、遊技者がメダル(遊技媒体)を投入する部分である。メダル投入口2の内部には、メダル投入口2に投入されたメダルを検出するセンサ等であるメダルセレクタ2b(メダル検出手段)が備えられている。
ベットボタン2aは、ゲームの開始条件となるベット数の入力を遊技者が行うための押圧式のボタンであり、1操作によりスロットマシン1で許容された最大ベット数を入力可能となっている。
【0019】
演出ボタン2dは、上下方向に移動する押圧式のボタンであり、演出ボタン2dの押圧操作は、非接触型のセンサ等によって検出されて、演出ボタン2dの操作情報として副制御装置20に出力される。また、演出ボタン2dの内部には、LED等からなる発光源(図示省略)が備えられ、発光源の発光により対応する演出ボタン2dの操作が有効である旨を報知可能にしている。演出ボタン2dは、前述した上部演出ボタン2fよりもリール4に対して近い位置に配設されている。
【0020】
段部の前面には、スタートレバー3、返却ボタン2cおよび操作手段(停止操作手段)として例示する停止ボタン5が配設される。
スタートレバー3は、ゲームを開始させるために遊技者が操作するレバーであり、ベット数の入力後、スタートレバー3が有効となりゲームが開始可能となる。
返却ボタン2cは、前後方向に移動する押圧式のボタンで構成され、設定されたベット数のキャンセルや、クレジットメダルとして記憶されたメダルの払い出しを行う際に操作されるボタンである。
停止ボタン5は、回転するリール4を停止するためのボタンであり、前後方向に移動する押圧式のボタンで構成され、左リール4a、中リール4b、右リール4cに対応して左停止ボタン5a、中停止ボタン5b、右停止ボタン5cが横方向に所定間隔で配設される。
【0021】
スロットマシン1における前扉1aの下方には、メダル払出装置7から払い出されたメダルが排出されるメダル払出口7bが配設される。
【0022】
[遊技機の制御構成を示すブロック図]
図2は、スロットマシン1における制御系のブロック図を示している。
図2に示すように、スロットマシン1には、役の抽選や遊技の進行制御等を行う主制御装置10と、主制御装置10と通信可能に構成され主制御装置10からの制御情報に基づき各種演出制御等を行う副制御装置20と、を備えている。主制御装置10と副制御装置20との制御情報の伝達は、主制御装置10から副制御装置20に対して一方向のみに制限され、副制御装置20から主制御装置10への不正な信号の入力を防止している。
【0023】
主制御装置10は、ベットボタン2a、メダルセレクタ2b、返却ボタン2c、スタートレバー3、停止ボタン5、確率設定装置14(設定手段)、メダル払出装置7、ドラムユニット4dおよび有利区間ランプ13と通信ケーブルで接続されており各機器を制御可能となっている。また、主制御装置10には、記憶部(記憶手段)、制御部が備えられている。
【0024】
設定手段としての確率設定装置14は、特定遊技状態(例えば、疑似ボーナス状態)の当選確率を複数段階(例えば、6段階)に変更することで、遊技者にとっての有利度合いを複数段階で設定変更可能にするもので、主制御装置10は、確率設定装置14における確率設定操作に基づき、特定遊技状態の当選確率を確率の異なる複数の確率値のうちの何れか1つの確率値に設定する処理を行う。
確率設定装置14で設定される設定値は、設定1が最も低い確率値で、大きい数字ほど確率値が高くなり設定6が最も高い確率値となっている。したがって、設定1が最も遊技者に不利な設定(有利度合いが最も低い設定)であり、大きい数字ほど遊技者に有利になり設定6が最も遊技者に有利な設定(有利度合いが最も高い設定)となっている。
【0025】
なお、特定遊技状態の当選確率を確率設定装置14の設定値に影響を受けずに、固定の確率値で制御するようにしてもよい。
また、確率設定装置14における設定値により、CZ状態やAT状態の移行確率を変化させるようにすることで、遊技者の有利度合いを複数段階で変化可能としてもよい。
また、特定遊技状態の他に、所定の小役(例えば、ベル役)の当選確率を複数段階(例えば、6段階)に変更可能にしてもよい。
【0026】
ドラムユニット4dは、リール4a~4cと、リール4a~4cの各々を回転させるステッピングモータ(図示省略)とを一体的に備えた装置である。
メダル払出装置7は、メダルセレクタ2bに投入されたメダルを払い出し前のメダルとして回収するメダル貯留部(図示省略)を有し、メダル貯留部に貯留されたメダルをメダル払出口7bに払い出す装置である。メダル払出装置7には払い出されたメダルを検出するセンサが備えられる。
メダルセレクタ2bは、メダル投入口2の下流側に備えられ、メダル投入口2から投入されたメダルを検出するセンサが備えられる。
【0027】
主制御装置10の記憶部は、遊技に関する遊技プログラム、小役やAT状態の抽選を行うためのテーブル等の各種情報等を記憶する。
また、主制御装置10は、制御部およびプログラムが記憶された記憶部によって動作し、これにより、スロットマシン1の遊技の進行に関する処理等を行う。
【0028】
主制御装置10は、スタートレバー3からの信号に基づき、ゲームの開始処理や、乱数発生器(図示省略)からの乱数をサンプリングする処理等を行う。そして、サンプリングされた乱数に基づき役の抽選処理を行う。また、記憶部の制御プログラムに従って、例えば、所定タイミングで乱数を更新することで、乱数の生成処理を行い、生成された乱数に基づきCZ状態や、後述する疑似ボーナス状態の移行抽選処理、AT状態中の継続抽選処理、AT状態中の上乗せ抽選処理等を行う。
【0029】
すなわち、主制御装置10は、ゲームの実行に対応して、小役、疑似ボーナス状態、AT状態等の特典を付与するか否かを抽選(決定)する抽選手段を備えているのである。
また、乱数を使用した抽選パターンは、前述したパターン以外でもよく、ソフト的に生成された乱数に基づき役の抽選を行い、乱数発生器で生成された乱数に基づき疑似ボーナス状態やAT状態の移行抽選、上乗せ抽選等を行うようにしてもよいし、全ての抽選をソフト的に生成された乱数、或いは乱数発生器で生成された乱数で行うようにしてもよい。
【0030】
また、主制御装置10は、スタートレバー3からの信号に基づきリール4の回転制御を行う。主制御装置10は、各リール4a、4b、4cに備えられているセンサ(図示省略)からの信号に基づき、各リール4a、4b、4cの回転位置を検出して、各リール4a、4b、4c上の図柄の回転位置を把握可能となっている。そして、停止ボタン5からの信号に基づき、所望の図柄を表示窓6内に停止させる制御を行う。
【0031】
また、主制御装置10は、スタートレバー3等の操作部の操作に応じて、内部抽選処理等をともなうゲーム進行処理、記憶部に記憶した各種情報の管理、また、メダル払出装置7等の装置を制御することにより、スロットマシン1の遊技を実現する。
【0032】
副制御装置20は、演出ボタン2d、上部演出ボタン2f、スピーカ9、メイン表示器8、ランプ11、ナビランプ12、サブ表示器17と、通信ケーブルで接続されており通信可能である。副制御装置20は、主制御装置10からの制御情報に応じて、これらの装置を制御する。また、副制御装置20には、記憶部、制御部が備えられている。
【0033】
副制御装置20の記憶部は、演出に関するプログラム、演出画像データ、音声データ等の各種情報等を記憶する。
副制御装置20は、制御部およびプログラムが記憶された記憶部によって動作し、主制御装置10からのコマンド(制御情報)に応じて、スロットマシン1の遊技に同期した演出等の処理を行う。例えば、遊技状態の移行を示す演出画像、効果音の出力、ランプ演出等を、メイン表示器8、ランプ11、スピーカ9等を制御して行う。
【0034】
また、副制御装置20は、演出ボタン2dからの信号に基づき、各演出の切替タイミングを制御可能となっている。
主制御装置10および副制御装置20のうちの何れか一方或いは両方で、本発明における、特典付与手段、特定演出制御手段、演出再開制御手段、演出予告制御手段、変動表示制御手段、報知制御手段、第1報知制御手段、第2報知制御手段が構成される。
【0035】
このようなスロットマシン1は、主制御装置10による制御により、以下のようなスロットマシン遊技を実行可能に構成されている。
【0036】
ゲームの開始にあたり、メダル投入口2からのメダルを投入、或いはベットボタン2aの操作によりクレジットメダルからベット数の設定を行う。
そして、ベット数が所定数(例えば、3枚)になったときに、ゲームの開始条件の一つが成立して、1回のゲームを実行可能な権利を保有するゲーム開始可能な状態となる。
【0037】
このゲーム開始可能な状態では、スタートレバー3の操作が有効な状態となる。この有効な状態において、スタートレバー3が傾動操作されると、ゲームの開始条件の全てが成立して、ゲームが開始され、複数の図柄の表されたリール4a~4cが変動を開始するとともに、リプレイ役、小役、ボーナス役などの複数の当選役(ハズレを含む)の中から今回ゲームの抽選結果をリール4の停止前に事前に決定する内部抽選処理が実行される。
内部抽選処理では、複数の当選役の中から今回ゲームの当選役を所定の当選確率に基づいて抽選により決定する。例えば、抽選によりリプレイ役やベル役等の抽選結果が導出される。
【0038】
また、主制御装置10は、スタートレバー3からの信号を受信しても、前回のゲームでのリール4の回転開始からの経過時間が所定時間(例えば、4.1秒)経過していない場合には、リール4の回転開始を一時的に待機(待機時間を挿入)させてリール4の回転開始を遅延させることで、単位時間(例えば、1分間)当たりのゲームの実行回数が所定数(例えば、14回)以内となるようにゲーム数を制限する制限制御を行う。すなわち、主制御装置10は、単位時間当たりのゲームの実行回数を所定数以内に制限可能なゲーム数制限手段を備えている。この制御により、1ゲームに要する最短実行時間が所定時間(例えば、4.1秒)に規定されることとなる。
なお、上記最短実行時間を監視する期間は、ゲーム間におけるリール4の回転開始時点を基準に設定する以外でもよく、例えば、停止ボタン5を有効とする時点を基準にしてもよく、単位時間当たりのゲーム回数を監視できれば何れの時点を基準にしてもよい。
【0039】
各リール4a~4cは、表示手段の一例であり、各リール4a~4cの周面には、複数の図柄(リプレイ、ベル、スイカ、チェリー、7)が所定の配列で表されており、停止状態から徐々に回転速度を上げた後、一定の速度で回転する定常回転に達する。
このような定常回転に達すると、各リール4a~4cに対応して設けられた停止ボタン5a~5cが押圧操作可能な状態となる。
【0040】
この状態で各停止ボタン5a~5cが押圧操作されると、その操作タイミングと内部抽選処理の抽選結果とにより許容される図柄の組合せで停止するように、各リール4a~4cが停止制御される。
各リール4a~4cの停止制御は、各々に引き込み範囲が設定されていて、停止操作が行われた時点の図柄から逆回転方向(上方向)にある所定数(例えば、4個)の図柄が引き込み可能となり、この引き込み範囲にある図柄の何れかに限り有効ライン上に停止可能となる。
【0041】
停止状態では、リール4a~4cそれぞれに表された上下方向に連続する3つの図柄が表示窓6から機外に臨むように停止(停止表示)し、このときの停止表示態様に基づいて入賞の有無が判定される。
入賞の判定は、表示窓6内の上・中・下段のライン、右下がりのライン、右上がりのラインの計5ラインいずれかの入賞ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて判定される。
【0042】
小役、リプレイ役等の当選役の入賞は、このような入賞ライン上の図柄の組合せに基づいて判定される。
小役には、例えば、ベル役、スイカ役、チェリー役がある。
【0043】
ベル役には、対応する図柄の組合せがそれぞれ異なる二つのベル役が設けられている。例えば、対応する図柄の組合せを、入賞ライン上の「左リール4a・中リール4b・右リール4c」の順(以下同様)に、それぞれ「ベル・リプレイ・ベル」とする共通ベル役と、「ベル・ベル・ベル」とする押し順ベル役を設けることができる。
【0044】
共通ベル役は、停止ボタン5a~5cに対する操作順序(押し順という)に関係なく対応する図柄の組合せ(「ベル・リプレイ・ベル」)が直線状に停止する小役で、押し順ベル役は、特定の押し順に従うことにより対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止する小役である。
【0045】
さらに、押し順ベル役には、6通りある押し順(例えば、「5a→5b→5c」,「5c→5b→5a」など)のうちの1通りの押し順(特定の押し順)によって、停止ボタン5a~5cが操作されることで、対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が直線状に停止表示される6つの押し順ベル役1~6が設けられている。このような押し順ベル役1~6は、他の5通りの押し順(特定の押し順以外の押し順)によって停止ボタン5a~5cが操作されると、対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が直線状に停止表示されず、対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)がV字状に停止表示されることとなる。
【0046】
なお、特定の押し順以外の押し順によって停止ボタン5a~5cが操作された場合に、対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)をV字状に停止表示させずに、「ベル・ベル・リプレイ」などの他の図柄の組合せ(「ベルこぼし目」という)を停止表示させるようにしてもよいし、最初に停止した停止ボタン5のみが特定の押し順に合致した場合に、対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)をV字状に停止表示させ、それ以外の押し順で停止ボタン5a~5cが操作された場合には、「ベル・ベル・リプレイ」の図柄の組合せを停止表示させるようにしてもよい。
【0047】
また、押し順ベル役に当選したときに、2、3番目に操作する停止ボタン5を問わず、最初に操作する停止ボタン5のみが特定の押し順に従っていれば、押し順ベル役に対応する図柄の組合せが停止するようにリール4の停止制御を行うようにしてもよい。また、押し順ベルは、6通りに限らず、3通りの押し順ベル1~3を設けてもよい。
【0048】
スイカ役は、対応する図柄の組合せを「スイカ・スイカ・スイカ」とする小役(レア役)であり、「スイカ・スイカ・スイカ」が上段ライン若しくは下段ラインに停止する弱スイカ役と、「スイカ・スイカ・スイカ」が右上がりライン若しくは右下がりラインに停止する強スイカ役とがある。
チェリー役は、対応する図柄の組合せを「チェリー・ANY・ANY」とする小役(レア役)であり、「チェリー」が左リール4aの上段又は下段に停止する弱チェリー役と、「チェリー」が左リール4aの中段に停止する強チェリー役とがある。
【0049】
リプレイ役には、対応する図柄の組合せがそれぞれ異なる2つのリプレイ役が設けられ、対応する図柄の組合せを、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」とする通常リプレイ役(以下、リプレイ役と称する)と、「リプレイ・ベル・ベル」とするチャンスリプレイ役(チャンス役)とが設けられている。
「リプレイ・ベル・ベル」(チャンス目)は、チャンスリプレイ役の当選時に停止表示する図柄の組合せであり、スイカ役およびチェリー役とともに、内部抽選処理において当選確率が比較的低い、所謂レア役として設定されている。
なお、チェリー役やスイカ役をリプレイ役の一種としてもよい。
【0050】
リプレイ役およびベル役に対応する図柄は、各リール4をどのタイミングで停止操作した場合でも常に引き込み範囲内に存在するように設けられていて、「リプレイ」図柄や「ベル」図柄を狙った所謂目押し操作は不要となっている。それに対して、左リール4aの「チェリー」図柄と、中リール4bの「スイカ」図柄は、一部で引き込み範囲よりも広い間隔を設けて配置されているので、チェリー役の当選時には、左リール4aの停止操作に際して、「チェリー」図柄を狙った目押し操作が必要で、同様に、スイカ役の当選時には、中リール4bの停止操作に際して、「スイカ」図柄を狙った目押し操作が必要となっている。
なお、チェリー役およびスイカ役の当選時に、目押し操作を要するものであれば、各リール4での「チェリー」図柄および「スイカ」図柄の配置は何れでもよい。
【0051】
また、主制御装置10および副制御装置20は、押し順ベル役に関する遊技状態として、AT(アシストタイム)を発生可能となっている。ATは、押し順ベル役が当選した場合に、当選した押し順ベル役の押し順を、メイン表示器8およびナビランプ12により報知(押し順ナビを実行)する状態である。
したがって、ATの発生により遊技者が容易にメダルを獲得することが可能であり、後述する疑似ボーナス状態とAT状態中に制御される。
【0052】
以上説明したような図柄の組合せに基づいて、小役、リプレイ役の当選がそれぞれ判定され(判定手段)、判定の結果、その図柄の組合せが上記それぞれに対応する図柄の組合せであるときに、入賞が成立して各入賞の成立に応じた遊技価値が付与される。
例えば、ベル役、チェリー役、スイカ役などの小役に対応する図柄の組合せの停止により、小役入賞の成立が判定され、メダル払出装置7が駆動制御されることにより、メダル払出口7bを介して所定数のメダルが払い出される。
【0053】
具体的には、ベル役(共通ベル役、押し順ベル役)において、対応する図柄の組合せが直線状に停止表示した場合には、8枚のメダルが払い出される。
また、押し順ベル役の当選時に、特定の押し順以外の押し順(5通りの押し順)で停止ボタン5a~5cが操作されて、対応する図柄の組合せがV状に停止表示したときには、8枚よりも少ない数(例えば、1枚)のメダルが払い出される。
なお、ベル役については、後述する疑似ボーナス状態やAT状態中において、遊技者が保有するメダルが増加するような当選確率に設定されている。
【0054】
また、弱スイカ役および強スイカ役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、2枚のメダルが払い出される。
また、弱チェリー役および強チェリー役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、1枚のメダルが払い出される。
なお、各役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合に払い出されるメダルの数は、上記した枚数以外でもよい。
【0055】
また、リプレイ役およびチャンスリプレイ役(チャンス役)に対応する図柄の組合せの停止表示により、リプレイ役およびチャンスリプレイ役が判定され、次回ゲームにおいてメダルの投入を行うことなく(ベット数の設定なしで)、前ゲームで設定したベット数と同様のベット数でのゲームが可能となる。
【0056】
また、各役の当選確率は、各設定値において、ベル役>リプレイ役>弱チェリー役>弱スイカ役>チャンスリプレイ役>強スイカ役>強チェリー役の関係性、つまり、ベル役が最も当選し易く、強チェリー役が最も当選し難く設定されているものとする。
なお、各役の当選確率の関係性は、上記したもの以外でもよい。
また、弱チェリー役、弱スイカ役、チャンスリプレイ役(チャンス役)、強チェリー役、強スイカ役は、当選し難い当選役という意味でレア役と称する。
【0057】
[遊技機における遊技の流れ]
次に、スロットマシン1の遊技の流れについて、図3を参照して説明する。
図3は、実施形態に係るスロットマシン1における遊技状態を説明するための図である。
主制御装置10、副制御装置20は、スロットマシン1を、複数の遊技状態に制御可能であり、各遊技状態における各種処理、遊技状態間の移行の制御(以下単に「移行」ともいう)等を、以下のように行う。
【0058】
図3に示すように、実施形態のスロットマシン1の遊技は、通常遊技状態、CZ状態、疑似ボーナス状態、AT状態の複数の遊技状態から構成される。主制御装置10、副制御装置20は、所定の移行条件が成立することに基づいて、一の遊技状態から他の遊技状態へと移行するように制御可能となっている。
【0059】
また、スロットマシン1の遊技は、通常区間、有利区間を有する。これらの区間は、遊技状態によって区分され、さらに、AT状態等の遊技者にとって有利な遊技状態に対する当選状態によって区分けされる。
遊技者にとって有利な遊技状態に対する当選状態には、後述するように通常確率状態と高確率状態とが設定されている。
通常区間は、通常遊技状態において遊技可能な区間であって、通常遊技状態において疑似ボーナス状態が通常確率状態における抽選確率での抽選により遊技可能な区間が含まれる。
なお、通常区間においては、疑似ボーナス状態に当選しないような抽選制御を行うようにしてもよい。
また、通常区間において、疑似ボーナス状態の抽選確率を高確率状態よりもさらに高めた超高確率状態としてもよく、例えば、通常区間において、所定のレア役に当選した場合には必ず疑似ボーナス状態に当選するようにしてもよい。
有利区間は、通常区間から他の遊技状態に移行後、再度通常区間に戻るまで継続して滞在する。
【0060】
有利区間は、CZ状態、CZ状態の前兆状態、疑似ボーナス状態、疑似ボーナス状態の通常確率状態および高確率状態、疑似ボーナス状態の前兆状態、AT状態において遊技可能な区間が含まれる。主制御装置10は、有利区間に滞在中に、連続して実行されたゲームの回数をカウント(計数)する。遊技状態が有利区間中である場合には、有利区間ランプ13が点灯される。
なお、有利区間ランプ13は、CZ状態、疑似ボーナス状態、AT状態等の実際に遊技者が当該状態を有利であると認識できる間にのみ点灯するようにしてもよい。例えば、疑似ボーナス状態の高確率状態中においては有利区間ランプ13を点灯しないようにしてもよい。
【0061】
有利区間に移行後、有利区間を終了するためには、ゲームの抽選結果等により通常区間へ移行した場合の他、「有利区間での連続ゲーム回数が所定回数に到達したこと」若しくは「有利区間中に獲得したメダル数が所定枚数に到達したこと」の何れかの条件の成立が設定され、有利区間として特定される各状態からなる一連の有利区間中に獲得できるメダル数を制限する制限手段(所謂リミッタ)が設けられている。
【0062】
なお、有利区間の上記終了条件は、一例であり、例えば、「少なくとも1回の押し順ベルの報知がされたこと」を含めてもよい。また、有利区間の上記終了条件は、例えば、「ボーナス役に対応した図柄の組み合わせが停止表示されたこと」、「第一種特別役物(所謂レギュラーボーナス)の当選役に対応した図柄の組み合わせが停止表示されたこと」等を含めてもよい。また、有利区間での連続ゲーム回数の上限は、1000回や1500回等、任意の数であればどのような回数でもよく、獲得メダル数の上限は、1000枚や2400枚等、任意の数であればどのような枚数でもよい。
【0063】
次に、主制御装置10および副制御装置20の制御により実行される各遊技状態(通常遊技状態、CZ状態、疑似ボーナス状態、AT状態)、遊技状態間の移行処理、および移行処理に伴って発生する各種演出等について、遊技状態毎に詳細に説明する。
【0064】
以下、特に説明がない場合には、各遊技状態から他の遊技状態への移行時点は、基本的に、移行条件が成立したゲームの第3リール停止操作後(若しくは、メダルの払い出し終了後)である。但し、これに限定されず、移行条件が成立後、次ゲームから移行してもよい。
また、演出は、後述する前兆演出(本前兆演出又はフェイク前兆演出)、連続演出等が例示され、メイン表示器8およびサブ表示器17での画像(動画)、スピーカ9からの効果音、ランプ11での発光等による、特典の付与に対する報知や、特典が付与される前の事前報知等からなり、遊技者に対して特典の付与に対する期待感を高めるものである。
【0065】
(通常遊技状態)
通常遊技状態は、スロットマシン1の主制御装置10がリセットされた場合に滞在する遊技状態であり、遊技者にとっては不利な状態である。
図3に示すように、主制御装置10は、通常遊技状態に滞在中には、CZ状態、疑似ボーナス状態、AT状態への移行抽選処理を行う。なお、スロットマシン1の仕様等に応じて、通常遊技状態からAT状態に直接移行しないようにしてもよい。
【0066】
通常遊技状態中には、メイン表示器8あるいはサブ表示器17において、1ゲームで完結する個別演出が所定の確率で実行される。
個別演出は、主に遊技者の期待感を高めるために実行される演出であり、後述する主制御装置10での役の抽選結果に基づき実行される当選演出が含まれる。
また、その他、個別演出には、その時点の確率状態(通常確率状態あるいは高確率状態)に基づき実行されるものや、ゲームを説明するために実行されるもの等も含まれる。
当選演出は、主に役の抽選結果を報知するために実行される演出であり、所定のキャラクタの出現とともに当選したレア役を報知可能なアイテムを表示したり、所定のキャラクタの出現とともにAT状態の発生に対する期待度を示す、「チャンス」や「激アツ」の文字情報を表示したり等、当選したレア役の種類や、その当選レア役を契機とするAT状態の移行抽選結果に応じた画像が表示される演出である。
【0067】
・通常遊技状態から疑似ボーナス状態への移行処理(図3の矢印a)
通常遊技状態においては、特典付与制御手段としての主制御装置10による特典を付与するか否かの決定結果が、予め定められた特別の決定結果となったことに基づき、特別遊技状態として疑似ボーナス状態(特典)を付与するものとなっている。
【0068】
より具体的には、主制御装置10が特定の抽選結果として所定のレア役の当選に基づいて予め疑似ボーナス状態への移行抽選処理を行う。例えば、チャンス役、あるいは強チェリー役当選時の所定の確率(例えば、20%)で疑似ボーナス状態への移行処理を行う。
疑似ボーナス状態は、所定ゲーム数が実行されるまで継続するとともに、その間にAT状態の移行抽選を行う遊技状態である。疑似ボーナス状態の詳細については後述する。
【0069】
また、通常遊技状態において、所定のレア役の当選時に疑似ボーナス状態に当選する確率は、設定手段としての確率設定装置14における設定値に応じて変更可能となっていて、例えば、チャンス役当選時には、設定1では20%、設定2では22%、設定3では24%、設定4では26%、設定5では28%、設定6では30%の各確率で疑似ボーナス状態に移行するようになっている。
【0070】
なお、疑似ボーナス状態への移行、すなわち、特典を付与するか否かの決定は、抽選手段によるレア役の抽選以外で行うようにしてもよい。例えば、所定の役(例えば、ベル役)の当選(あるいは実際の成立回数)が所定回数となった時点で疑似ボーナス状態への移行を決定したり、その時点で疑似ボーナス状態の抽選を行ったりしてもよいし、前回の疑似ボーナス状態、あるいはAT状態の終了後に実行されたゲーム数が所定数となった場合に、疑似ボーナス状態への移行を決定するようにしてもよいし、役の抽選に応じてポイントを加算させるようにするとともに、当選した役の種類や、役に当選した状態に応じて加算させるポイントを変更可能にして、このポイントが所定数となった時点で疑似ボーナス状態への移行を決定したり、その時点で疑似ボーナス状態の抽選を行ったりしてもよい。
【0071】
また、後述するAT状態中に、疑似ボーナス状態を発生させるようにしてもよい。
また、本実施形態では、疑似ボーナス状態の抽選契機役を、チャンス役と強チェリー役に設定しているが、その他の役の当選時に疑似ボーナス状態を抽選するようにしてもよい。
【0072】
疑似ボーナス状態への移行抽選に当選した場合には、疑似ボーナス状態への移行前において、遊技者の疑似ボーナス状態への移行に対する期待感を高めるために、最終的に疑似ボーナス状態に移行することを報知する所定ゲーム数(例えば、18ゲーム)の本前兆演出(第1の特定演出)がメイン表示器8において実行される。
【0073】
すなわち、抽選手段としての主制御装置10は、疑似ボーナス状態への移行を予め決定した場合でも、直ぐに疑似ボーナス状態への移行を行わず、その時点から所定数(例えば、30回)のゲームが実行された後に疑似ボーナス状態を発生するようにしていて、副制御装置20は、主制御装置10が、疑似ボーナス状態の発生を事前に決定したことに基づき、疑似ボーナス状態に移行する前の所定数のゲーム実行期間において、前兆演出としての本前兆演出を実行させる制御を行うのである。
したがって、副制御装置20は、特典の付与として疑似ボーナス状態の移行が予め決定されている場合に、特典の付与前の所定期間において、複数のゲームに亘って特定演出(第1の特定演出)として本前兆演出を実行可能としているのである。
【0074】
また、疑似ボーナス状態への移行抽選の当選から本前兆演出が実行されるまでの間には、所定ゲーム数分の待機期間(例えば、12ゲーム)が設定されていて、本前兆演出は、この待機期間の終了後に実行されることとなる。
したがって、疑似ボーナス状態への移行抽選に当選しても、直ぐには疑似ボーナス状態へは移行せず、待機期間と、本前兆演出の実行後に移行することとなる。
【0075】
本前兆演出中においては、メイン表示器8において、通常遊技状態中とは異なる背景からなるステージの画像に切り替わるとともに、登場するキャラクタが通常遊技状態中とは異なる動作を行う前兆ステージ上での演出画像が実行される。例えば、キャラクタが洞窟を進んでいくような前兆ステージ上での演出が複数のゲームを通して行われる。これらの演出は1のゲームが終了しても演出内容自体は変化することはない。例えば、所定のゲームにおいて各種イベント等の発生により画面の切替等は行われても、キャラクタが洞窟を進んでいくような演出内容自体は変化することなく次のゲームでも継続して行われる。したがって、本前兆演出は、複数のゲームに亘って(跨って)実行される一連の演出となっている。
また、前兆ステージには、背景等が異なる複数パターンが用意されていて、副制御装置20の制御により、その時点の疑似ボーナス状態の当選の有無に応じて何れかのパターンの前兆ステージが選択されることとなっている。
【0076】
また、疑似ボーナス状態への移行契機となるレア役(例えば、チャンス役)に当選したが、疑似ボーナス状態への移行抽選に当選しなかった場合にも、疑似ボーナス状態に当選したときと同様に、最終的に疑似ボーナス状態へ移行しないことを報知する所定ゲーム数(例えば、18ゲーム)のフェイク前兆演出(第2前兆演出)がメイン表示器8において実行される。
なお、フェイク前兆演出は、疑似ボーナス状態への移行契機となるレア役に当選したが、疑似ボーナス状態への移行抽選に当選しなかった場合の、所定確率(例えば、50%)で実行するようにしてもよいし、必ず実行するようにしてもよい。
【0077】
すなわち、副制御装置20は、主制御装置10が疑似ボーナス状態の移行を事前に決定していない場合における所定条件の成立に基づき、複数のゲームに亘って、特定演出(第2の特定演出)としてのフェイク前兆演出を実行可能としているのである。
したがって、副制御装置20は、特典付与手段としての主制御装置10が疑似ボーナス状態への移行を事前に決定したか否かに関わらず、チャンス役の当選等の特定条件が成立した場合には、特典が付与されるか否かを示唆可能な特定演出(本前兆演出あるいはフェイク前兆演出)を、複数のゲームに跨って実行させることが可能な特定演出制御手段を備えることとなるのである。
【0078】
また、フェイク前兆演出を実行する場合にも、疑似ボーナス状態に当選したときと同様に、疑似ボーナス状態への移行契機となるレア役の当選からフェイク前兆演出が実行されるまでの間には、所定ゲーム数分のフェイク待機期間(例えば、12ゲーム)が設定される。
本前兆演出とフェイク前兆演出は、基本的には演出画像(ステージ或いは登場するキャラクタ等)は同様に設定された複数のゲームに亘る一連の演出からなり、最終的に報知する内容を異ならせることで、遊技者の期待感を最後まで引き付けることができるようになっている。
【0079】
また、前兆演出(本前兆演出またはフェイク前兆演出)中と待機期間(あるいはフェイク待機期間)中においては、詳細は後述するが、各ゲームで実行される当選演出の発生率が、その他の通常遊技状態中よりも高められる。
特に、待機期間(あるいはフェイク待機期間)中においては、その後、前兆演出が発生することとなるので、発生率が高められた状態で発生する各当選演出が、疑似ボーナス状態の発生に対する所謂煽り演出となり、遊技者の期待感を高めることとなる。
また、煽り演出としては、その他、当選演出時に特定のキャラクタの出現率が高まったり、キャラクタのセリフ画像の配色が煽り演出以外とは異なるもの(例えば、青色)となったり、背景を変化させたり等の演出が行われる。
【0080】
また、本前兆演出およびフェイク前兆演出においては、最終的に疑似ボーナス状態に移行するか否かの報知が行われるが、この場合、メイン表示器8において、前兆演出の最終ゲームの数ゲーム前(例えば、2ゲーム前)から連続的な演出(連続演出)が実行される。連続演出は、例えば、主人公キャラクタと敵キャラクタとが所定ゲーム数(例えば、3ゲーム)の間対戦する画像からなる対戦演出で実行される。
【0081】
連続演出は、ゲーム毎に主人公キャラクタと敵キャラクタが攻防を繰り返す演出画像が実行され、各ゲームの演出内容は次ゲームに引き継ぐような演出が実行される。例えば、所定のゲームで与えられた主人公キャラクタがダメージを負った場合には、そのダメージは次ゲームに持ち越すように演出(例えば、ダメージの量を示すメーターを変化させる演出)が実行される。
また、予め決定されている疑似ボーナス状態の移行の有無により、各ゲームにおける主人公キャラクタと敵キャラクタの攻防の状態が設定されていて、疑似ボーナス状態に移行する場合には、移行しない場合よりも主人公キャラクタが攻撃を行うゲームが多くなるように設定されている。
すなわち、連続演出は、複数のゲームに亘って(跨って)実行される一連の演出となっている。
また、連続演出には、ボタン演出が併行して実行される場合もある。
【0082】
そして、疑似ボーナス状態に当選していた場合(本前兆演出の場合)には、疑似ボーナス状態の当選を報知する画像として、最終的に主人公キャラクタが勝利する画像が表示され、疑似ボーナス状態に当選していなかった場合(フェイク前兆演出の場合)には、疑似ボーナス状態の非当選を報知する画像として、最終的に主人公キャラクタが敗北する画像が表示される。
なお、連続演出ではなく、本前兆演出およびフェイク前兆演出の最終ゲームのみで完結する演出を実行し、その演出結果により疑似ボーナス状態への移行に関する報知を行ってもよい。
【0083】
また、本前兆演出およびフェイク前兆演出は、疑似ボーナス状態への移行契機となるレア役に当選した場合に直ぐに発生させるようにしてもよい。また、フェイク前兆演出は、疑似ボーナス状態への移行契機となるレア役に当選した場合に、必ず発生させるようにしてもよいし、所定確率で発生させるようにしてもよい。
また、本前兆演出およびフェイク前兆演出のゲーム数は何れのゲーム数でもよいし、複数のゲーム数(例えば、15~20ゲーム)から選択的に決定するようにしてもよい。また、同様に、待機期間も複数のゲーム数(例えば、10~15ゲーム)から選択的に決定するようにして、待機期間が変化するようにしてもよい。
【0084】
なお、本前兆演出とフェイク前兆演出の実行期間として、選択し得るゲーム数を同じものに設定してもよいが、本前兆演出時には、フェイク前兆演出では選択しないゲーム数を選択可能としてもよい。このようにすれば、フェイク前兆演出ではありえない少ないゲーム数で前兆演出が終了した場合や、フェイク前兆演出ではありえない多いゲーム数まで前兆演出が継続した場合、本前兆演出が確定することとなるので、遊技者の期待感を向上させることが可能となる。
【0085】
また、通常遊技状態においては、疑似ボーナス状態への当選確率状態が異なる通常確率状態と高確率状態を有している。疑似ボーナス状態への移行抽選の当選確率は、高確率状態の方が通常確率状態よりも高くなっていて、確率状態の移行は、例えば、弱スイカ役や弱チェリー役当選時の30%の確率で、通常確率状態から高確率状態に移行するような制御が行われる。一方、所定の転落条件として、例えば、リプレイ役当選時、ベル役当選時、およびハズレ時の5%の確率で、高確率状態から通常確率状態へ移行する制御が行われる。
【0086】
疑似ボーナス状態の当選確率は、通常確率状態においては、例えば、チャンス役、あるいは強チェリー役当選時の20%の確率で設定され、高確率状態においては、チャンス役、あるいは強チェリー役当選時の50%の確率で設定されている。
なお、確率設定装置14における設定値を変更した場合や、主制御装置10がリセットされた場合には、通常区間を経て有利区間に移行した後、通常確率状態での通常遊技状態により実質的な遊技が開始可能となるが、確率設定装置14での設定値毎に、所定の確率で通常遊技状態を高確率状態で開始するようにしてもよい。
また、チャンス役と強チェリー役当選時に異なる確率で疑似ボーナス状態に当選するようにしてもよい。
【0087】
・通常遊技状態からCZ状態への移行処理(図3の矢印c)
主制御装置10は、通常遊技状態においては、所定のレア役に当選したことに基づいて、CZ状態への移行抽選処理を行う。例えば、強スイカ役当選時の所定の確率(例えば、10%)でCZ状態への移行処理を行う。CZ状態への移行条件は、この移行抽選に当選したことである。
【0088】
なお、通常遊技状態において、主制御装置10により、例えば、弱チェリー役の当選を契機にCZ状態の当選確率状態を変更可能にしてもよい。また、副制御装置20により、当選確率状態に対する報知制御を行ってもよい。報知制御を行う場合には、各確率状態を直接的に報知する形態ではなく、その時点での確率状態がどの状態であるかを、メイン表示器8の表示内容を変化させることで遊技者が予測できる程度に行うようにしてもよい。
また、通常遊技状態において、所定のレア役の当選時にCZ状態に当選する確率を、設定手段としての確率設定装置14における設定値に応じて変更可能としてもよい。
【0089】
また、CZ状態への移行抽選に当選した場合でも、直ぐにはCZ状態へは移行させずに、所定ゲーム数(例えば、5~8ゲーム)の間、CZ状態待機状態(遅延期間)を発生させ、この間CZ状態の移行を待機させた後に、CZ状態へ移行させるようにしている。
また、CZ状態待機状態中は、前述した疑似ボーナス状態の待機期間と同様に、メイン表示器8での演出内容をその他の状態と異ならせるような制御が行われる。
【0090】
すなわち、各ゲームで実行される当選演出の発生率が、その他の通常遊技状態中よりも高められることで、当選演出が、その後発生するCZ状態に対する所謂煽り演出となり、遊技者の期待感を高めることとなる。
また、煽り演出としては、その他、当選演出時に特定のキャラクタの出現率が高まったり、キャラクタのセリフ画像の配色が煽り演出以外とは異なるもの(例えば、青色)となったり、背景を変化させたり等の演出が行われる。
そして、CZ状態待機状態が終了することとなるゲームの終了時に、CZ状態に移行することがメイン表示器8において報知される。
【0091】
なお、遊技者のCZ状態への移行に対する期待感を高めるためにCZ状態待機状態中に、最終的にCZ状態に移行することを報知する所定ゲーム数(例えば、2ゲーム)のCZ状態の連続演出をメイン表示器8において実行してもよい。
【0092】
また、所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選したが、CZ状態への移行抽選に当選しなかった場合にも、上記遅延期間と同様に所定ゲーム数(例えば、5~8ゲーム)間、メイン表示器8での演出内容がその他の状態と異ならせるような演出(所謂煽り演出)の制御が行われる。
したがって、所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合には、CZ状態への移行の有無にかかわらず、遊技者の期待感が所定期間高められるのである。
【0093】
なお、最終的にCZ状態へ移行しないことを報知する所定ゲーム数(例えば、3ゲーム)のCZ状態のフェイク連続演出をメイン表示器8において実行してもよい。この場合、CZ状態の連続演出とフェイク連続演出は、基本的には登場するキャラクタ等を同様に設定して、最終的に報知する内容を異ならせることで、遊技者の期待感を最後まで引き付けるようにしてもよい。
例えば、CZ状態の連続演出(あるいはフェイク連続演出)として、各ゲームを通じてキャラクタがスポーツ競技に挑戦するような演出画像を実行してもよい。この場合、連続演出(あるいはフェイク連続演出)中はその間のゲームを通してスポーツ競技が連続して実行され、CZ状態に当選していた場合には、最終的に競技に成功(例えば、サッカーでゴールに成功)し、CZ状態に当選していない場合には、競技に失敗する演出画像が実行される。
【0094】
また、CZ状態待機状態中に、前兆演出(本前兆演出又はフェイク前兆演出)と同様のCZ状態の前兆演出(CZ本前兆演出又はCZフェイク前兆演出)をメイン表示器8において実行するようにしてもよいし、CZ状態の前兆演出(CZ本前兆演出又はCZフェイク前兆演出)の最終段階で連続演出又はフェイク連続演出を実行するようにしてもよい。
また、所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合の煽り演出が行われる期間は、複数ゲームが実行される期間であれば何れでもよく、乱数の抽出に基づき複数のゲーム数から何れか1つのゲーム数を決定してもよいし、固定のゲーム数で決定してもよい。
【0095】
・通常遊技状態からAT状態への移行処理(図3の矢印g)
主制御装置10は、通常遊技状態においては、所定のレア役に当選したことに基づいて、AT状態への移行抽選処理を行う。例えば、強チェリー役当選時に所定の確率(例えば、1%)でAT状態への移行処理を行う。AT状態への移行条件は、この移行抽選に当選したことである。
なお、通常遊技状態におけるAT状態への移行は、所定のレア役への当選を条件に行う以外に、何れの小役にも当選しなかったハズレ抽選結果が導出されたときの所定の確率(例えば、1%)で行うようにしてもよい。
【0096】
本実施形態においては、AT状態への移行は、遊技者の期待感を高めるために、主に疑似ボーナス状態を経由して実行されるようになっていることから、通常遊技状態から直接AT状態に移行する確率は極めて低い確率に設定されている。
なお、確率設定装置14での設定確率に応じて、通常遊技状態から直接AT状態に移行する確率を変更可能にしてもよいし、比較的高い設定値(例えば、設定4~6)の場合のみ通常遊技状態から直接AT状態への移行抽選に当選可能としてもよい。
また、通常遊技状態において、AT状態の移行抽選に当選した場合には、前述した疑似ボーナス状態の発生時と同様の前兆演出が実行され、前兆演出の終了後にAT状態が発生するようになっている。
【0097】
なお、通常遊技状態から直接AT状態への移行抽選に当選した場合には、疑似ボーナス状態の発生時と異なる前兆演出の選択制御を行うようにしてもよく、例えば、直接AT状態へ移行する場合には、フェイク前兆演出においては出現率が低い(あるいは出現しない)キャラクタや背景から構成される前兆演出の選択率を、疑似ボーナス状態の発生時よりも高めるようにしてもよい。また、疑似ボーナス状態の発生時には実行されない前兆演出を、直接AT状態へ移行する場合にのみ実行するようにしてもよい。
【0098】
(CZ状態)
CZ状態は、押し順ベル役当選時には押し順ナビは行われないが、通常遊技状態よりも各ゲームにおいて高確率で疑似ボーナス状態への移行抽選処理が行われるので、通常遊技状態に滞在中よりも疑似ボーナス状態へ移行しやすい遊技状態である。
なお、押し順ベル役当選時には押し順ナビは行われないが、押し順ベル役当選時に押し順ナビを実行するようにしてもよいし、押し順ベル役当選時の一部、すなわち押し順ベル役当選時の所定の確率(例えば、40%)で押し順ナビを実行するようにしてもよい。
【0099】
CZ状態に滞在中は、通常遊技状態に滞在中よりも、疑似ボーナス状態に移行しやすいので、CZ状態は、一連の遊技の流れにおいてチャンスゾーンとして位置付けられている。
CZ状態の遊技可能回数は、最大で10ゲームである。
CZ状態中においては、主制御装置10から副制御装置20に対して、CZ状態に関する制御情報が送信され、主制御装置10および副制御装置20の制御により、メイン表示器8において、CZ状態中の各種演出や残ゲーム数がメイン表示器8に表示される。
【0100】
・CZ状態から疑似ボーナス状態への移行処理(図3の矢印e)
CZ状態では、各ゲームにおいて疑似ボーナス状態の移行抽選処理を行う。
疑似ボーナス状態の移行抽選処理の当選確率は、各ゲームの当選役に応じて、当選確率が設定されている。疑似ボーナス状態の移行抽選処理の当選確率は、例えば、レア役当選時が50%、ベル役当選時およびリプレイ役当選時が10%、ハズレ役当選時が5%である。疑似ボーナス状態の移行抽選はCZ状態中のゲーム毎に行われるが、疑似ボーナス状態への移行の有無はCZ状態の最終ゲームで行われ、最終ゲームで疑似ボーナス状態への移行が報知された場合には、通常遊技状態のときと同様に、遊技状態が疑似ボーナス状態へ移行することとなる。
なお、疑似ボーナス状態の移行抽選は、各役に内部当選した時点で実行されるので、当選した役に対応する図柄がリール4に停止しない場合(取りこぼし時)でも疑似ボーナス状態の移行抽選は実行される。
【0101】
なお、各当選役の一部又は全部についての疑似ボーナス状態の移行抽選処理の当選確率は、上記以外でもよい。また、ベル役の当選時に疑似ボーナス状態の移行抽選処理を行うようにしたが、ベル役に対応する図柄が入賞することに基づいて疑似ボーナス状態の移行抽選処理を行うようにしてもよい。
【0102】
また、CZ状態中は、遊技の興趣を高めるために、所定のキャラクタが登場するCZ演出がメイン表示器8で表示される。CZ演出においては、例えば、最初の数ゲーム間(例えば、7ゲーム間)で主人公キャラクタが対戦の準備を行う演出画像が表示され、CZ状態の最後の数ゲーム間(例えば、3ゲーム間)においては、複数のゲームに亘る(跨る)一連の演出として主人公キャラクタと敵キャラクタとが対戦する演出画像が表示される。そして、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選していた場合には、最終ゲームで主人公キャラクタが勝利して疑似ボーナス状態へ移行することが報知される。
【0103】
また、CZ状態中においては、その間に実行されたゲームの当選内容に応じて、対戦準備演出中の背景や対戦演出中の攻防内容が変化して、疑似ボーナス状態への移行に対する期待感に変化を与えるようになっている。また、CZ状態における残ゲーム数はメイン表示器8に表示され、残ゲーム数はゲームが実行される毎に減算されていく。
また、CZ演出における対戦演出前の準備演出中においても、主人公キャラクタが対戦の準備を行う演出画像が各ゲームを通して連続して実行されることから、準備演出中も複数のゲームに亘る(跨る)一連の演出となる。
【0104】
なお、CZ状態中において、対戦演出を実行せずにCZ状態への移行の有無の報知を行うようにしてもよく、例えば、CZ状態中の所定のゲームで疑似ボーナス状態に当選した場合には、そのゲームの間で疑似ボーナス状態に移行することを報知する演出を実行するようにしてもよい。この場合、CZ状態中に何れのゲームでも疑似ボーナス状態に当選しなかった場合には、疑似ボーナス状態に移行することを報知する演出が行われないままCZ状態が終了することとなる。
【0105】
・CZ状態から通常遊技状態への移行処理(図3の矢印d)
CZ状態において、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選しなかった場合には、CZ状態中における規定数のゲームの実行後、通常遊技状態に移行する。このとき、CZ演出において、主人公キャラクタが敗北して疑似ボーナス状態へ移行しないことが報知される。
【0106】
なお、CZ状態から通常遊技状態への移行時に、主制御装置10および副制御装置20の制御により、確率設定装置14で設定された設定値を示唆可能な設定関連情報(設定示唆情報)を報知手段(メイン表示器8、スピーカ9)により報知してもよい。例えば、メイン表示器8やサブ表示器17において、複数のキャラクタのうちから所定のキャラクタを表示するようにする。そして、表示するキャラクタは確率設定装置14の各設定値に応じて予め設定された選択確率に応じて選択されるので、表示されたキャラクタによりある程度設定値を予測することが可能となる。
【0107】
(疑似ボーナス状態)
疑似ボーナス状態は、当該疑似ボーナス状態中のゲームにおいて、遊技者に有利な操作態様の報知として、AT状態と同様に押し順ベル役に対する押し順ナビが行われることで、メダルの獲得が容易な遊技状態である。
また、疑似ボーナス状態は、所定期間(例えば、18ゲーム~20ゲーム)継続して、その間に実行される所定のゲームにおいて、AT状態の移行抽選が行われるものとなっている。
したがって、疑似ボーナス状態は、当該スロットマシン1における主に遊技者が多数のメダルを獲得可能なAT状態を発生させるか否かを決定する遊技状態にもなっている。
なお、疑似ボーナス状態中においては、押し順ベル役に当選した場合の所定の確率(例えば、60%)で押し順ナビを実行することで、AT状態中よりも押し順ナビの頻度を低めるようにしてもよい。
また、疑似ボーナス状態が継続する期間は、実行されたゲーム数で規定する以外に、押し順ナビが実行される回数、払い出されたメダル数(払出枚数)、メダルの払い出しにより実際に増加したメダル数(純増枚数)等により規定するようにしてもよい。
【0108】
また、疑似ボーナス状態に移行した最初のゲームでは、主制御装置10の制御により、スタートレバー3の操作から停止ボタン5の操作が有効となるまでの期間が、通常のゲームよりも延長され、この期間に、リール4を逆回転させた後、リール4において特定の図柄組合せ(「7、7、7」)を一旦停止させたのちに再度正回転させる、所謂リール演出が行われて、疑似ボーナス状態が発生したことが報知される。
【0109】
リール演出が行われるリール演出期間は、例えば、15秒に設定され、この間は、停止ボタン5の操作が無効となるので、リール4が作動していてもゲームの進行が不能な状態となっている。
そして、リール演出期間の終了時には、特定の図柄組合せ(例えば、「7、7、7」)が一旦停止(自動停止)することとなるので、疑似ボーナス状態は、遊技内容的にはAT状態と同様となっているが、見た目上は所謂ビッグボーナス状態(リアルボーナス状態)が発生したようなものとなり、AT状態との差別化が図られている。
【0110】
また、リール演出期間が終了すると、リール4が正回転での回転を自動的に開始するとともに、停止ボタン5の操作が有効となり、この時点から、疑似ボーナス状態に移行した最初のゲームの停止操作が通常のゲームと同様に可能となる。
また、リール演出中においては、副制御装置20の制御により、メイン表示器8において、リール演出に対応する演出画像として疑似ボーナス状態の発生を報知する表示が行われる。
【0111】
・疑似ボーナス状態からAT状態への移行処理(図3の矢印f)
疑似ボーナス状態では、当該疑似ボーナス状態の終盤に実行される所定数のゲーム(1~3ゲーム)においてAT状態の移行抽選処理を行う。
本実施形態においては、AT状態の移行抽選処理は、最長で疑似ボーナス状態の最後の3ゲームの間に設定された抽選ゲーム期間に跨って実行され、抽選ゲーム期間おける各ゲームで実行される対戦抽選の結果態様によりAT状態に移行させるか否かが決定される。
そして、抽選ゲーム期間における各ゲームでの対戦抽選の結果が全て当選となった場合に、特別条件が成立したものと判定されてAT状態の移行が決定され、疑似ボーナス状態の終了後に遊技状態がAT状態に移行することとなる。
【0112】
すなわち、主制御装置10は、所定期間としての抽選ゲーム期間における複数のゲームの実行に関連してAT状態に移行させるか否かを決定可能であって、複数のゲームにおけるAT状態の移行に関わる抽選結果が、予め定められている特別条件を満たした場合に、所定の特典を付与することを決定可能に構成されているのである。
なお、本実施形態においては、疑似ボーナス状態の終盤に実行される所定数のゲームにおいてAT状態の移行抽選処理を行うようにしているが、疑似ボーナス状態の終了後に、AT状態の移行抽選処理を行うための所定ゲーム数の期間を設けて、疑似ボーナス状態の終了後にAT状態に移行するか否かのゲームを実行するようにしてもよい。
【0113】
また、抽選ゲーム期間に実行される各ゲームでの対戦抽選は、その当選確率が常に一定ではなく、各ゲーム間で異なる確率になるような抽選態様が設定されている。
例えば、抽選ゲーム期間中の最初のゲームでは対戦抽選の当選確率が50%で、2番目のゲームでは60%で、3番目のゲームでは70%で各ゲームの対戦抽選が実行される。
【0114】
なお、抽選態様は、所定の確率でAT状態に移行するものであれば上記した各対戦抽選の確率以外でもよい。
また、複数の抽選態様を設定して、所定条件の成立に基づき何れかの抽選態様を変更可能に構成してもよい。
例えば、抽選ゲーム期間中の3ゲームにおける対戦抽選の当選確率が全て50%で各ゲームの対戦抽選が実行される抽選態様と、最初のゲームでは対戦抽選の当選確率が25%で、2番目のゲームでは50%で、3番目のゲームでは100%で各ゲームの対戦抽選が実行される抽選態様とを設定し、何れかの抽選態様を切り替えるようにしてもよい。ただし、この場合、疑似ボーナス状態からAT状態に移行するトータルの確率は、どの抽選態様となっても同一とすることが好ましい。
【0115】
また、上記抽選態様の変更は、遊技者の操作に基づき実行可能にして、遊技者の好みに応じて抽選態様を選択可能にとしてもよい。
また、疑似ボーナス状態からAT状態に移行するトータルの確率を、設定手段としての確率設定装置14における設定値に応じて変更可能としてもよい。
【0116】
また、疑似ボーナス状態からAT状態に移行するトータルの確率を、抽選態様に応じて異なるように設定してもよく、例えば、所定のレア役(例えば、強チェリー役)の成立等、通常遊技状態中や疑似ボーナス状態中に成立する所定条件に基づき、AT状態に移行するトータルの確率が、低い抽選態様から高い抽選態様に切り替えるようにしてもよい。また、この場合に、トータルの確率が低い抽選態様においてAT状態に当選した場合には、トータルの確率が高い抽選態様においてAT状態に当選した場合よりも、遊技者に有利となるような特典を付与するようにしてもよい。例えば、トータルの確率が低い抽選態様においてAT状態に当選した場合には、AT状態の継続権利を複数記憶(ストック)したり、継続回数を多くしたAT状態(上位AT状態)を発生させたりしてもよい。
【0117】
また、上記抽選ゲーム期間中においては、ゲームの実行に対応して、主制御装置10からの制御情報の受信に基づく副制御装置20の制御により、メイン表示器8においてキャラクタによる連続演出が実行される。
疑似ボーナス状態中の連続演出は、前述した本前兆演出(あるいは、フェイク前兆演出)中に実行される連続演出とは演出内容が異なっていて、ゲーム毎に対戦演出が完結するような内容となっている。
【0118】
すなわち、本前兆演出(あるいは、フェイク前兆演出)中に実行される連続演出では、主人公キャラクタが敵キャラクタと3ゲームに亘ってそのまま対戦し、最終ゲームにおいて対戦結果が導出されるような内容となっているが、疑似ボーナス状態中の連続演出では、各ゲームにおける対戦抽選に応じて、ゲーム毎に対戦結果が導出されるような内容で対戦演出が実行される。
また、各ゲームにおける対戦演出では、ゲーム毎に設定される当選確率に基づき対戦演出が実行されるので、ゲーム毎に敵キャラクタと対戦する味方側のキャラクタ(主人公キャラクタを含む)が、上記当選確率に対応して異なる種類で登場可能となっている。
【0119】
例えば、連続演出中の1ゲーム目のゲームにおいては、50%の当選確率である対戦抽選に対応して味方キャラクタAが登場し、2ゲーム目のゲームにおいては、60%の当選確率である対戦抽選に対応して味方キャラクタBが登場し、3ゲーム目のゲームにおいては、70%の当選確率である対戦抽選に対応して味方キャラクタC(例えば、主人公キャラクタ)が登場するものとなっている。
【0120】
そして、各ゲームにおける対戦抽選が当選していた場合には、登場した味方側のキャラクタが当該ゲームの終了時に勝利し、対戦抽選が当選していなかった場合には、登場した味方側のキャラクタが当該ゲームの終了時に敗北するような演出が、ゲーム毎に完結的に行われる。その結果、全てのゲームにおける対戦抽選が当選していた場合には、味方側のキャラクタが全て勝利するものとなり、最終的にAT状態の移行が報知されることとなる。
一方、抽選ゲーム期間における対戦抽選に1回でも非当選となった場合には、その時点で抽選ゲーム期間は終了して、疑似ボーナス状態もその時点で終了することとなる。したがって、対戦抽選の結果に応じて疑似ボーナス状態の期間が変化することとなる。
【0121】
また、疑似ボーナス状態中の抽選ゲーム期間中以外の期間においては、遊技の興趣を高めるために、所定のキャラクタが登場する疑似ボーナス状態中の演出(疑似ボーナス演出)がメイン表示器8あるいはサブ表示器17で表示される。疑似ボーナス演出においては、例えば、登場する各キャラクタの紹介画像等が表示されるとともに、所定の楽曲がスピーカ9から出力される。
【0122】
一方、疑似ボーナス状態の抽選ゲーム期間中においては、各対戦抽選に応じて、対戦演出中の背景や、対戦演出中の攻防内容が変化して、AT状態への移行に対する期待感に変化を与えるようになっている。
また、疑似ボーナス状態における残ゲーム数はメイン表示器8に表示され、残ゲーム数は、ゲームが実行される毎に減算される。
【0123】
なお、本実施形態においては、疑似ボーナス状態におけるAT状態の移行抽選を行う期間を、疑似ボーナス状態の最後の3ゲームに設定するようにしているが、連続する複数のゲームにおいて移行抽選を行うものであれば何れでもよく、例えば、4ゲームや5ゲーム等でもよい。
また、AT状態の移行する条件は、複数のゲームにおける対戦抽選が全て当選した場合に設定しているが、その他の条件でもよく、例えば、1回や2回の当選によりAT状態に移行することを決定してもよい。
【0124】
また、抽選ゲーム期間における対戦抽選に1回でも非当選となった場合には、その時点で抽選ゲーム期間(疑似ボーナス状態)を終了するようにしているが、各ゲームでの抽選結果に関わらず抽選ゲーム期間での3ゲーム全てを実行するようにしてもよい。また、この場合に、全てのゲームの対戦抽選で非当選となった場合には、特別な特典としてAT状態に移行させるようにしてもよい。ただし、この場合、100%の確率で対戦抽選に当選となるゲームが実行されないことが条件となる。
【0125】
また、疑似ボーナス状態中におけるAT状態の移行抽選は、上記した抽選ゲーム期間中以外に実行してもよく、例えば、通常の操作態様(例えば、左リール4aを最初に停止操作する操作態様)でリール4を停止操作した場合には、リプレイ役に対応する図柄組合せが停止するが、通常の操作態様とは異なる変則操作態様(例えば、右リール4cを最初に停止操作する操作態様)でリール4を停止操作した場合には、特定の図柄組合せ(例えば、「7、7、7」)が停止する特定のリプレイ役を抽選可能とし、疑似ボーナス状態中の抽選ゲーム期間中以外の期間において特定のリプレイ役に当選した場合には、無条件(100%の確率)でAT状態に移行するようにしてもよい。
この場合、特定のリプレイ役に当選した場合には、メイン表示器8において、変則操作態様、および特定の図柄組合せを狙うように促す画像を表示することが好ましい。
【0126】
また、疑似ボーナス状態中の抽選ゲーム期間中以外の期間においてレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合には、所定の確率(例えば、10%)でその時点でAT状態に移行する権利を付与するようにしてもよい。
また、疑似ボーナス状態中の抽選ゲーム期間中以外の期間においてレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合に、AT状態に移行する権利を付与するのではなく、所定の確率(例えば、20%)で、抽選ゲーム期間における所定ゲーム分(1ゲーム分、2ゲーム分)の対戦抽選に当選する権利を、その時点で付与するようにしても良い。
この場合には、レア役の当選時に、メイン表示器8において、1ゲームで完結する当選演出を実行することが好ましい。
【0127】
また、疑似ボーナス状態中の抽選ゲーム期間中以外の期間におけるレア役当選時にAT状態に移行する権利が付与された場合には、抽選ゲーム期間中のゲームにおいて、対戦抽選の如何に関わらず必ず全勝するような連続演出を行うようにすることが好ましい。
また、抽選ゲーム期間において、対戦抽選とは別個に引分抽選を実行し、対戦抽選に非当選となり、かつ引分抽選に当選した場合には、その回の対戦抽選を無効とし、新たな対戦抽選を行うゲームを抽選ゲーム期間に追加実行してもよい。
また、抽選ゲーム期間における対戦抽選に全て当選となった場合には、抽選ゲーム期間を延長して、対戦抽選に非当選となるまで抽選ゲーム期間を終了させないようにしてもよい。この場合、延長されたゲームの対戦抽選で当選となった場合には、AT状態の継続権利をその都度付与するようにしてもよい。
【0128】
また、疑似ボーナス状態中の抽選ゲーム期間中における各ゲームの対戦演出中に、ボタン演出を実行してもよい。
操作演出としてのボタン演出は、先ず、メイン表示器8(あるいはサブ表示器17)に演出ボタン2dの操作を促す操作ボタンを模した画像や、操作を指示する文字情報(例えば、「PUSH」)等からなる操作画像を表示し、その後、指示された演出ボタン2d(あるいは上部演出ボタン2f)が操作された場合に、所定の画像をメイン表示器8(あるいはサブ表示器17)に表示する一連の演出であり、例えば、対戦演出が実行されるゲームの終了時に、操作ボタンを模した画像や操作画像を表示し、その後、指示された演出ボタン2dが操作された場合に、予め決定されている対戦抽選の結果を報知する画像をメイン表示器8において表示する演出である。
この場合、対戦抽選の結果が当選であった場合には、非当選の場合よりもボタン演出が実行される確率が高くなるようにすることが好ましい。
【0129】
・疑似ボーナス状態から通常遊技状態への移行処理(図3の矢印b)
疑似ボーナス状態において、特別条件が成立せずにAT状態への移行権利が付与されなかった場合、すなわち、疑似ボーナス状態における抽選ゲーム期間中の各ゲームの対戦抽選が全て当選とならなかった場合には、疑似ボーナス状態終了後に通常遊技状態に移行する。
本実施形態においては、抽選ゲーム期間中のゲームにおいて、1回でも対戦抽選が非当選となると特別条件の非成立が確定することとなるので、抽選ゲーム期間中の何れかのゲームにおいて対戦抽選が非当選となった時点で疑似ボーナス状態の終了条件が成立し、次のゲームから遊技状態が通常遊技状態に移行するものとしている。
【0130】
したがって、抽選ゲーム期間中におけるゲームの対戦抽選の結果に応じて、疑似ボーナス状態の継続期間が変化することとなる。
例えば、抽選ゲーム期間中の最初のゲームである18ゲーム目の対戦抽選が非当選となった場合には、疑似ボーナス状態の継続期間は18ゲームとなるが、最後のゲームである20ゲーム目に初めて非当選となった場合には、継続期間が20ゲームとなる。
また、抽選ゲーム期間中のゲームにおいても押し順ナビは行われるので、最終的に疑似ボーナス状態において特別条件が成立しなかった場合でも、対戦抽選が非当選とならずに抽選ゲーム期間が継続するほど、メダルを獲得する機会が増え、その分遊技者にとって有利な状態となるのである。
なお、抽選ゲーム期間中のゲームにおいても押し順ベル役に対する押し順ナビを行うようにしているが、抽選ゲーム期間中のゲームにおいては、押し順ナビを行わないか、あるいは、所定の確率(例えば、50%)でのみ押し順ナビを行うようにしてもよい。
【0131】
なお、疑似ボーナス状態から通常遊技状態への移行時に、主制御装置10および副制御装置20の制御により、確率設定装置14で設定された設定値を示唆可能な設定関連情報(設定示唆情報)を報知手段(メイン表示器8、サブ表示器17、スピーカ9)により報知してもよい。例えば、メイン表示器8やサブ表示器17において、複数のキャラクタのうちから所定のキャラクタを表示し、この表示するキャラクタを確率設定装置14の各設定値に応じて予め設定された選択確率に応じて選択することで、表示されたキャラクタによりある程度設定値を予測することが可能となる。
【0132】
(AT状態)
AT状態は、当該AT状態中のゲームにおいて、遊技者に有利な操作態様の報知として、押し順ベル役に対する押し順ナビが行われることで、メダルの獲得が容易な遊技状態である。
【0133】
AT状態中は、AT状態の初期移行時に付与された所定数のゲーム(例えば、30ゲーム)を、AT状態を継続可能な残ゲーム数として継続が管理されて、残ゲーム数がゲーム毎に減算され、残ゲーム数が無くなるまでAT状態は継続される。
そして、AT状態において残ゲーム数が無くなった場合、AT状態が終了することとなる。
【0134】
AT状態中においては、主制御装置10から副制御装置20に対して、AT状態に関する制御情報が送信され、副制御装置20の制御により、メイン表示器8において、AT状態中の各種演出の画像表示が行われる。また、AT状態中の、残ゲーム数、一連のAT状態中に獲得したメダルの総数、AT状態中に実行された総ゲーム数が、メイン表示器8に表示される。
【0135】
また、AT状態では、当該AT状態の最後に実行される所定数のゲーム(2~3ゲーム)においてAT状態の継続抽選処理を行う。
本実施形態においては、AT状態の継続抽選処理は、最長でAT状態の最後の3ゲームの間に設定された抽選ゲーム期間に跨って実行され、抽選ゲーム期間おける各ゲームで実行される対戦抽選の結果態様によりAT状態を継続させるか否かが決定される。
そして、抽選ゲーム期間おける各ゲームでの対戦抽選の結果が2回当選となった場合に、特別条件が成立したものと判定されてAT状態の継続が決定され、実行中のAT状態の終了後に新たなAT状態が開始することとなる。
すなわち、主制御装置10は、所定期間としての抽選ゲーム期間における複数のゲームの実行に関連して所定の特典(AT状態の継続)を付与するか否かを決定可能であって、複数のゲームにおける所定の特典の付与に関わる抽選結果が、予め定められている特別条件を満たした場合に、所定の特典を付与することを決定可能に構成されているのである。
【0136】
また、新たなAT状態においても、AT状態の初期移行時と同様にAT状態自体の継続が管理され、所定数(例えば、30回)のゲームが実行されると当該AT状態が終了することとなるが、この新たなAT状態の最後に実行される所定数のゲーム(2~3ゲーム)においても、初期移行時と同様にAT状態の継続抽選処理が行われる。
したがって、各AT状態中の継続抽選処理における特別条件の成立により、AT状態が繰り返して実行されることとなるのである。
【0137】
また、AT状態中の抽選ゲーム期間に実行される各ゲームでの対戦抽選は、疑似ボーナス状態中と同様に、その当選確率が常に一定でないものに設定されている。
なお、AT状態中の抽選ゲーム期間における各対戦抽選の当選確率は、疑似ボーナス状態中と同様にしてもよいし、異なるものにしてもよい。また、AT状態中の抽選ゲーム期間の抽選態様を複数設定し、所定条件の成立に基づき変更可能としてもよいし、遊技者の操作に基づき変更可能にして、遊技者の好みに応じて選択可能にしてもよい。
【0138】
また、疑似ボーナス状態中と同様に、AT状態における抽選ゲーム期間中においても、ゲームの実行に対応して、主制御装置10からの制御情報の受信に基づく副制御装置20の制御により、メイン表示器8においてキャラクタによる連続演出が実行される。
AT状態中の連続演出に関しても、疑似ボーナス状態中と同様に、ゲーム毎に対戦演出が完結するような内容となっていて、ゲーム毎に設定される当選確率に基づき対戦演出が実行され、ゲーム毎に敵キャラクタと対戦する味方側のキャラクタ(主人公キャラクタを含む)が、上記当選確率に対応して異なる種類で登場することとなる。
【0139】
そして、各ゲームにおける対戦抽選が当選していた場合には、登場した味方側のキャラクタが当該ゲームの終了時に勝利し、対戦抽選が当選していなかった場合には、登場した味方側のキャラクタが当該ゲームの終了時に敗北するような演出が、ゲーム毎に完結的に行われる。
ただし、AT状態中の継続抽選処理においては、疑似ボーナス状態中の移行抽選処理とは条件の一部が異なるものに設定されていて、疑似ボーナス状態中においては、3ゲームにおける対戦抽選の結果が全て当選となった場合にAT状態への移行が確定するものとなっていることに対して、AT状態中においては、3ゲームにおける対戦抽選の結果のうち、2ゲームが当選となった場合に次回のAT状態の継続が確定するものとなっている。
【0140】
したがって、AT状態の継続条件は、AT状態の突入条件である移行条件よりも難易度が低くなり、例えば、1ゲーム目と2ゲーム目の対戦抽選で当選となった場合には、その時点で次回のAT状態の継続が確定し、かりに3ゲーム目の対戦抽選が非当選となった場合でも、当該ゲームでの対戦演出が負けとなる結果の導出後、最終的にAT状態の継続が報知されて新たなAT状態に移行することとなる。
【0141】
また、本実施形態においては、AT状態中の抽選ゲーム期間に実行される各ゲームでの対戦抽選の結果が全て当選となった場合には、次回のAT状態の継続権利の付与の他、次々回のAT状態の継続権利を付与するようにしている。
すなわち、AT状態中の抽選ゲーム期間における対戦抽選において、2回の当選結果が導出された場合には、所定の特典の付与として次回のAT状態の継続権利が付与されるが、3回の当選結果が導出された場合には、上記所定の特典の付与の他、別の特典の付与として次々回のAT状態についても継続するように継続権利が記憶保持(ストック)されるのである。
【0142】
なお、AT状態の継続権利が記憶保持(ストック)されている場合には、無条件でAT状態が継続することとなるので、次回のAT状態中の抽選ゲーム期間中のゲームでは、前述したような対戦演出を行わずに、継続することが確定していることを報知可能な演出画像をメイン表示器8において実行することが好ましい。
【0143】
また、AT状態の継続権利が記憶保持(ストック)されている場合でも、無条件でAT状態を確定させるのではなく、次回のAT状態において通常の継続抽選処理を行い、特別条件が非成立となった場合に限りAT状態の継続権利の記憶保持情報を用いてAT状態を継続させるようにしてもよい。
したがって、この場合には、次回のAT状態中の抽選ゲーム期間中のゲームでも対戦抽選を行い、このとき特別条件が成立した場合には、AT状態の継続権利の記憶保持情報を用いずに次回以降に使用を保留した状態でAT状態が継続することとなる。
さらに、3回の当選結果の導出により付与されるAT状態の継続権利を、主制御装置10により複数記憶保持可能(ストック可能)として、例えば、3回の当選結果の導出が連続した場合には、2つの継続権利を加算記憶可能としてもよい。
この場合、AT状態の継続権利の記憶保持情報を用いたAT状態の継続が行われた場合には、その都度継続権利の記憶保持情報が減算されることとなる。
【0144】
また、AT状態中の抽選ゲーム期間中以外の期間においては、遊技の興趣を高めるために、所定のキャラクタが登場するAT状態中の演出がメイン表示器8あるいはサブ表示器17で表示される。AT状態中の演出においては、例えば、登場する各キャラクタの紹介画像等が表示されるとともに、所定の楽曲がスピーカ9から出力される。
【0145】
一方、AT状態の抽選ゲーム期間中においては、対戦抽選の種類に応じて、対戦演出中の背景や、対戦演出中の攻防内容が変化して、AT状態の継続に対する期待感に変化を与えるようになっている。
【0146】
なお、本実施形態においては、AT状態におけるAT状態の継続抽選を行う期間を、AT状態の最後の3ゲームに設定するようにしているが、連続する複数のゲームにおいて移行抽選を行うものであれば何れでもよく、例えば、4ゲームや5ゲーム等でもよい。
また、AT状態が継続する条件である特別条件は、複数のゲームにおける対戦抽選が2回当選した場合に設定しているが、その他の条件でもよく、例えば、1回や3回の当選によりAT状態が継続することを決定してもよい。
また、抽選ゲーム期間における対戦抽選に1回でも非当選となった場合には、その時点で抽選ゲーム期間(AT状態)を終了するようにしているが、各ゲームでの抽選結果に関わらず抽選ゲーム期間での3ゲーム全てを実行するようにしてもよい。また、この場合に、全てのゲームの対戦抽選で非当選となった場合には、特別な特典として次回のAT状態に継続させるようにしてもよい。ただし、この場合、100%の確率で対戦抽選に当選となるゲームが実行されないことが条件となる。
【0147】
また、AT状態中における次回のAT状態の継続抽選は、上記した抽選ゲーム期間中以外に実行してもよく、例えば、疑似ボーナス状態中と同様に、AT状態中の抽選ゲーム期間中以外の期間において特定のリプレイ役に当選した場合には、無条件(100%の確率)でAT状態が継続するようにしてもよい。
【0148】
また、AT状態中の抽選ゲーム期間中以外の期間においてレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合に、所定の確率(例えば、10%)でその時点でAT状態が継続する権利を付与するようにしてもよい。
また、AT状態中の抽選ゲーム期間中以外の期間においてレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合に、AT状態に継続する権利を付与するのではなく、所定の確率(例えば、20%)で、抽選ゲーム期間における所定ゲーム分(1~3ゲーム分)の対戦抽選に当選する権利を、その時点で付与するようにしても良い。
この場合には、レア役の当選時に、メイン表示器8において、1ゲームで完結する当選演出を実行することが好ましい。
また、疑似ボーナス状態中と同様に、AT状態の抽選ゲーム期間中の期間における各ゲームの対戦演出中に、ボタン演出を実行してもよい。
【0149】
また、AT状態中に、所定のレア役(例えば、弱チェリー役、弱スイカ役、強スイカ役、強チェリー役)に当選した場合に、AT状態のゲーム数の上乗せ抽選を行い、上乗せ抽選に当選した場合に、当選契機となったレア役に対応して予め定められた数のゲーム数を、当該実行中のAT状態の残ゲーム数に上乗せ(加算)してもよい。
【0150】
また、AT状態中において、特定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合には、上記上乗せ抽選の他に、特定期間(例えば、10ゲーム)ゲーム数が上乗せされる確率をその他の状態よりも高めた上乗せ特化ゾーンを発生可能としてもよい。
上乗せ特化ゾーンは、特定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合の所定確率(例えば、10%)で発生し、上乗せ特化ゾーン中においては、当選確率の低いレア役の他、例えば、リプレイ役以外の全ての役を上乗せの契機役とし、所定の特典として多数のゲーム数が付与(上乗せ)される可能性が高められるようにした状態である。
【0151】
また、上乗せ特化ゾーン中において、所定の役(例えば、レア役)に当選した場合の所定確率(例えば、15%)で、AT状態を継続するための権利を付与(ストック)するようにしてもよい。また、AT状態を継続するための権利を上記条件の成立毎に複数付与(ストック)するようにしてもよい。
この場合、AT状態を継続するための権利数(ストック数)が残っている状態では、AT状態中の継続抽選処理において無条件で特別条件が成立することとなる。
また、AT状態中における所定の条件の成立に基づき、AT状態を一時的に中断して、疑似ボーナス状態を発生するようにしてもよい。
【0152】
また、AT状態中の抽選ゲーム期間における対戦抽選において、3回の当選結果が導出された場合には、所定の特典の付与の他、別の特典の付与として次々回のAT状態についても継続するように継続権利を記憶保持(ストック)するようにしているが、別の特典の付与として、その時点で実行されているAT状態や次回のAT状態における残ゲーム数に所定数(例えば、20回)のゲーム数を上乗せするようにしてもよいし、別の特典の付与として、前述した上乗せ特化ゾーンをその時点で実行されているAT状態の終了後に実行するようにしてもよい。
【0153】
また、AT状態中の抽選ゲーム期間において、対戦抽選とは別個に引分抽選を実行し、対戦抽選に非当選となり、かつ引分抽選に当選した場合には、その回の対戦抽選を無効とし、新たな対戦抽選を行うゲームを抽選ゲーム期間に追加実行してもよい。
また、抽選ゲーム期間における対戦抽選に全て当選となった場合には、抽選ゲーム期間を延長して、対戦抽選に非当選となるまで抽選ゲーム期間を終了させないようにしてもよい。この場合、延長されたゲームの対戦抽選で当選となった場合には、AT状態の継続権利をその都度付与するようにしてもよい。
【0154】
・AT状態から通常遊技状態への移行処理(図3の矢印h)
AT状態において、特別条件が成立せずに次回のAT状態への継続権利が付与されなかった場合、すなわち、AT状態における抽選ゲーム期間中の各ゲームの対戦抽選において、2回の当選結果が導出されなかった場合には、AT状態終了後に通常遊技状態に移行する。
本実施形態においては、抽選ゲーム期間中のゲームにおいて、対戦抽選が非当選となる結果が2回導出されると特別条件の非成立が確定することとなるので、抽選ゲーム期間中の何れかのゲームにおいて対戦抽選が非当選となる結果が2回導出された時点でAT状態の終了条件が成立し、次のゲームから遊技状態が通常遊技状態に移行するものとしている。
【0155】
したがって、抽選ゲーム期間中におけるゲームの対戦抽選の結果に応じて、実行中のAT状態の継続期間が変化することとなる。
例えば、抽選ゲーム期間中の最初のゲームである28ゲーム目の対戦抽選が非当選となり、さらに、2回のゲームである29ゲーム目の対戦抽選も非当選となった場合には、AT状態の継続期間は29ゲームとなるが、この2回目のゲームの対戦抽選が当選となり、最後のゲームである30ゲーム目に非当選となった場合には、継続期間が30ゲームとなる。
【0156】
また、抽選ゲーム期間中のゲームにおいても押し順ナビは行われるので、最終的にAT状態における継続抽選処理において特別条件が成立しなかった場合でも、対戦抽選の非当選が2回導出されずに抽選ゲーム期間が継続するほど、メダルを獲得する機会が増え、その分遊技者にとって有利な状態となるのである。
なお、抽選ゲーム期間中のゲームにおいても押し順ベル役に対する押し順ナビを行うようにしているが、抽選ゲーム期間中のゲームにおいては、押し順ナビを行わないか、あるいは、所定の確率(例えば、50%)でのみ押し順ナビを行うようにしてもよい。
【0157】
AT状態から通常遊技状態へ移行した場合には、疑似ボーナス状態の当選確率状態は、通常確率状態となるように制御される。なお、このとき確率設定装置14での設定毎に、所定の確率で高確率状態に移行させるようにしてもよい。
また、AT状態の終了後に高確率状態に移行させる場合には、当該高確率状態中に、前述した制限手段による制限制御が行われる可能性があるが、高確率状態中に制限制御が行われた場合には、通常確率状態に移行させる。
【0158】
また、AT状態の終了時には、所定期間(例えば、5秒)のエンディング状態が設定され、エンディング状態(エンディング期間)中は、ゲームの進行が一時的に不能となり、エンディング状態終了後に通常遊技状態に移行することとなる。
エンディング状態中においては、主制御装置10および副制御装置20の制御により、確率設定装置14で設定された設定値を示唆可能な設定関連情報が報知手段により報知される。例えば、所定の画像がメイン表示器8やサブ表示器17により表示されるとともに、所定の音声がスピーカ9により出力される。
以上のようにスロットマシン1において遊技状態の移行が行われる。
【0159】
[遊技状態の遷移、およびメイン表示器での表示内容]
次に、図4のタイミングチャートを参照して、主制御装置10および副制御装置20の制御により実現する遊技状態の遷移、およびメイン表示器8での表示内容について、特に、遊技状態が通常遊技状態から疑似ボーナス状態に移行するときの遊技状態の遷移、およびメイン表示器8での表示内容について説明する。
図4は、遊技状態の通常遊技状態から疑似ボーナス状態への移行と、その間のメイン表示器8における表示内容の変化の対応関係を示している。
具体的には、主制御装置10の制御により、通常遊技状態において所定の役(例えば、チャンス役)の当選時の所定の確率(例えば、20%)で疑似ボーナス状態への移行が決定され、その後ゲームの進行により遊技状態が通常遊技状態から疑似ボーナス状態へ移行した場合の、メイン表示器8において表示される演出内容(演出画像)を示している。
【0160】
本実施形態では、各種特典の抽選、各種遊技状態の変更(変更時点も含む)に関わる制御は主制御装置10が行い、当該制御に関する制御情報を主制御装置10からの副制御装置20に送信して、副制御装置20が対応する演出画像に関わる制御を行うようにしている。
なお、遊技状態の変更に直接関係しない演出(例えば、フェイク前兆演出等)の開始時点や実行期間は、主制御装置10からの制御情報の受信に基づき副制御装置20で制御してもよいし、主制御装置10からの制御情報の受信なしで副制御装置20独自で制御してもよい。ただし、演出の契機となる制御情報(例えば、レア役の当選情報等)は受信する必要がある。
【0161】
まず、図4に示すように、疑似ボーナス状態への移行が決定されていないときの通常遊技状態中(1~3ゲーム目)は、通常遊技状態中の演出が行われる。
通常遊技状態中の演出としては、例えば、所定のキャラクタが草原を進んでいくような演出画像がメイン表示器8に示される。
また、通常遊技状態中においては、ゲーム毎に当選演出等の個別演出が実行されることもあり、個別演出が実行された場合には、上記した所定のキャラクタが草原を進んでいくような演出画像に代えて個別演出に対応する演出画像がメイン表示器8に表示される。
当選演出は、1ゲームで完結する演出であり、詳細は後述するが、各ゲームでの抽選結果に基づき所定の確率で、主制御装置10および副制御装置20により発生制御され、疑似ボーナス状態への移行が決定されていないときの通常遊技状態中においては、相対的に演出頻度が低い状態(演出頻度通常状態)で発生制御される。
【0162】
次に、通常遊技状態中の3ゲーム目のゲーム実行時(タイミングt0)に、チャンス役当選と共に疑似ボーナス状態に当選した場合には、前述したように、本前兆演出が実行されることとなるが、本前兆演出の実行前の4ゲーム目から14ゲーム目のゲームが実行される間(タイミングt1~t2)に特定期間としての待機期間が設定される。
なお、図示は省略しているが、3ゲーム目のゲーム実行時には、チャンス役に当選したので、チャンス役の当選に対応する当選演出がメイン表示器8において表示されることとなる。
【0163】
また、待機期間中においては、基本的には、疑似ボーナス状態への移行が決定されていないときと同様に、通常遊技状態中の演出が行われるが、待機期間中においては、前述したように煽り演出が行われることから、当選演出の発生制御が、主制御装置10および副制御装置20により相対的に演出頻度が高い状態(演出頻度高状態)で行われることとなる。
したがって、待機期間中においては、レア役に当選していないゲームでも、比較的高い確率で当選演出が発生することとなり、遊技者に対して前兆演出の発生に対する期待感を高めるような状態となるのである。
なお、疑似ボーナス状態に当選していないフェイク待機期間中においても、上記同様に演出頻度が高い状態(演出頻度高状態)で当選演出の発生制御が行われる特定期間となる。
【0164】
次に、15ゲーム目のゲームが開始(タイミングt2)されると、メイン表示器8において本前兆演出が実行され、例えば、所定キャラクタが洞窟を進んでいくような演出画像が表示されることとなる。
また、本前兆演出が行われる間においては、待機期間中と同様に、当選演出の発生制御が、相対的に演出頻度が高い状態(演出頻度高状態)で行われる特定期間となる。
なお、疑似ボーナス状態に当選していないフェイク前兆演出中においても、上記同様に演出頻度が高い状態(演出頻度高状態)で当選演出の発生制御が行われる特定期間となる。
【0165】
次に、本前兆演出中の終盤である31ゲーム目のゲームが開始(タイミングt3)されると、メイン表示器8において連続演出が所定ゲーム間(例えば、3ゲーム間)に亘って実行され、例えば、主人公キャラクタと敵キャラクタが対戦する対戦演出が実行される。
そして、連続演出は33ゲーム目まで継続し、前兆演出の最終ゲームである33ゲーム目のゲーム終了後に、何れかのキャラクタが勝利することにより疑似ボーナス状態の当否を報知するような演出が実行されるが、図4に示す例では、疑似ボーナス状態に当選している場合を示しているので、最終ゲーム終了から所定時間(例えば、2秒)経過後から次ゲームが開始されるまでの間においては、連続演出の結果画像として、主人公キャラクタが勝利する画像ととともに、例えば、「勝利」の文字情報や、「ボーナス確定」の文字情報がメイン表示器8において表示される。
【0166】
そして、34ゲーム目のゲーム開始(タイミングt4)から、遊技状態が通常遊技状態から疑似ボーナス状態へ移行することとなる。
疑似ボーナス状態に移行すると、登場する各キャラクタの紹介画像等からなる疑似ボーナス状態中の演出がメイン表示器8において開始される。
【0167】
なお、図4の例では、特典付与手段としての主制御装置10が疑似ボーナス状態の移行抽選に当選した場合を示しているが、疑似ボーナス状態の移行抽選に非当選であった場合には、チャンス役の当選によりメイン表示器8においてはフェイク前兆演出が実行される。
以上のように、ゲームの実行に応じて、遊技状態の遷移、およびメイン表示器8での演出表示が行われる。
【0168】
次に、図5および図6を参照して、当選演出について説明する。
当選演出は、前述したように、複数のゲームに亘って連続的に実行される連続演出等とは異なり、1ゲームで完結する演出となっている。
このような当選演出は、主制御装置10からの役の抽選結果等を示す制御情報に基づき、副制御装置20が、メイン表示器8、サブ表示器17、スピーカ9、ランプ11等を制御することで実行される。
【0169】
また、副制御装置20は、主制御装置10からの役の抽選結果やその時点の遊技状態等を示す制御情報に基づき、当選演出の実行の有無や実行態様の決定等を制御するようにしている。
したがって、当選演出には、登場するキャラクタや役の報知態様が異なる複数のパターンが設けられ、副制御装置20では、役の抽選結果やその時点の遊技状態等に応じて、何れかのパターンの当選演出を実行するものとなっている。
【0170】
図5および図6では、当選演出が実行された場合のメイン表示器8での演出画像を示している。
当選演出は、主に主制御装置10での役の抽選結果の報知や、その抽選結果に基づき付与される特典の期待度の示唆を行うもので、ゲームの実行中の所定の時期で、抽選結果の報知や特典の期待度の示唆を行う画像を表示することで実行される。
したがって、遊技者は当選演出中に表示される画像を確認することで、その後の特典の付与に対して期待を抱いたり、あるいは、リール4の停止操作を行ったりすることとなる。
【0171】
また、副制御装置20は、当選演出を実行する場合に、役の抽選結果に基づき、その実行態様を複数のパターンのうち何れかのパターンを選択して決定するようにしていて、図5および図6では、パターンAあるいはパターンBからなる当選演出について示している。
副制御装置20では、例えば、押し順ベル役の当選時には、パターンAでの当選演出を実行し、スイカ役の当選時には、パターンBでの当選演出を実行する等、役の抽選結果(ハズレも含む)に応じて、何れかのパターンの当選演出を実行するようにしている。
【0172】
また、副制御装置20では、レア役以外の役の抽選結果が導出された場合には、所定の確率で当選演出を実行するようにしていて、例えば、押し順ベル役の当選時には、通常20%の確率でパターンAでの当選演出を実行するようにし、前述した煽り演出中においては、50%の確率でパターンAでの当選演出を実行するようにしている。
一方、レア役の抽選結果が導出された場合には、レア役以外の場合よりも高い確率で当選演出を実行するようにしていて、例えば、強チェリー役の当選時には、通常50%の確率でパターンAでの当選演出を実行し、50%の確率でパターンBでの当選演出を実行するようにし、煽り演出中においては、5%の確率でパターンAでの当選演出を実行し、95%の確率でパターンBでの当選演出を実行するようにしている。
【0173】
したがって、レア役当選時には、何れかの当選演出が必ず実行されるように振分制御が行われ、レア役の当選以外の抽選結果となった場合には、パターンBでの当選演出は実行されずに、パターンAでの当選演出が所定の確率で実行されるようになっている。
なお、役の当選と同時に特典(例えば、疑似ボーナス状態)の付与も重複して当選する場合には、当選演出の実行確率を高めたり、パターンBでの当選演出が実行される比率を高めたりするようにしてもよい。
【0174】
[通常遊技状態中における当選演出(パターンA)]
まず、図5は、通常遊技状態中におけるパターンAの実行態様で実行される当選演出について説明する。
図5は、役の抽選結果に基づき、パターンAでの当選演出が実行された場合のメイン表示器8での演出画像を示していて、例えば、押し順ベル役に当選した場合の演出画像を示している。
まず、図5(a)は、パターンAでの当選演出が実行された場合におけるゲーム開始時の演出画像を示していて、ゲームが開始されると、メイン表示器8の画面の左下側に、所定のキャラクタを示す通常キャラクタ画像30aが表示されるとともに、画面の右上側に、疑問符の記号「?」を含んだ通常吹出し画像30bが表示される。
なお、図5(a)に示す演出画像は、ゲーム開始時に表示するようにしているが、ゲーム開始時以外に、ゲームが開始されてから回転中の最初のリール4が停止されるまでの間の所定の時期に表示するようにしてもよい。
【0175】
次に、図5(b)は、例えば、押し順ベル役の何れかが当選した場合であって、パターンAの当選演出におけるゲーム終了後のメイン表示器8での演出画像を示している。
図5(b)に示すように、ゲームが終了すると、メイン表示器8の画面略中央部に、リール4に表されたベル図柄と略同一の形状および配色(黄色)の画像であって、ベル(鐘)を模した通常ベル画像30cが表示される。
【0176】
ゲーム終了後に表示される画像は、そのとき当選した役を報知、あるいは示唆するもので、各当選役に対応したリール4上の図柄と形状および配色が略同等の画像が表示されることで、そのゲームでの当選役を報知するようになっている。
ただし、チャンス役は、ゲーム終了時に同一の図柄がリール4上に並んで停止するようには設定されていないので、チャンス役の当選時には、メイン表示器8に「チャンス」の文字情報を含んだ画像が表示される。
なお、詳細は後述するが、押し順ベル役の当選時には、リール4の停止順の違いにより、直線状にベル図柄が並んで停止する場合と、V字状にベル図柄が並んで停止する場合とがあるが、ベル図柄の図柄組合せ態様の違いにより報知態様を異なるようにしている。
【0177】
このようにパターンAでの当選演出が実行されて何れかの画像が表示された場合には、ゲーム終了後にそのときの当選役の種類が報知されることとなる。したがって、レア役の当選時にパターンAの当選演出が実行された場合には、ゲーム終了後に遊技者がレア役の当選を認識可能な演出が実行されるのである。
なお、何れの役にも当選していないゲームにおいても所定の確率で当選演出を実行するようにしてもよく、この場合には、ゲーム終了後に何れの役にも当選していないことを報知(あるいは示唆)する画像として、例えば、白色の配色のアイテム画像や「?」の記号等を表示すればよい。
【0178】
なお、図5(b)に示す演出画像は、ゲーム終了後に表示するようにしているが、ゲーム終了後以外に、回転中の最初のリール4が停止してから次のゲームが開始されるまでの間の所定の時期に表示するようにしてもよい。この場合、押し順ベル当選時には、例えば、2番目のリール4の停止後等、対応する押し順ベル役の入賞が確定する時期に演出画像を表示することが好ましい。
【0179】
[通常遊技状態中における当選演出(パターンB)]
次に、図6は、通常遊技状態中におけるパターンBの実行態様で実行される当選演出について説明する。
図6は、役の抽選結果に基づき、パターンBでの当選演出が実行された場合のメイン表示器8での演出画像を示していて、例えば、レア役の当選時として強チェリー役あるいは弱チェリー役の何れかが当選した場合の当選演出であって、パターンBの当選演出におけるメイン表示器8での演出画像を示している。
【0180】
まず、図6(a)は、パターンBでの当選演出が実行された場合におけるゲーム開始時の演出画像を示していて、ゲームが開始されると、メイン表示器8の画面の左側に、所定のキャラクタを示す特別キャラクタ画像31aが表示されるとともに、画面の右上側に、感嘆符の記号「!!」を含んだ特別吹出し画像31bが表示される。
特別キャラクタ画像31aは、通常キャラクタ画像30aよりも拡大したものとなっていて、特別吹出し画像31bは、通常吹出し画像30bとは異なる折れ線で囲まれた拡大したものとなっている。
【0181】
このように、パターンBの当選演出が実行された場合には、ゲーム開始時に、レア役の当選時にのみ表示される特別キャラクタ画像31aおよび特別吹出し画像31bが表示されるのである。すなわち、レア役に当選した場合でもパターンAでの当選演出が実行された場合には、ゲーム開始時には遊技者がレア役の当選を認識できないこととなるが、パターンBの当選演出が実行された場合には、ゲーム開始時に遊技者がレア役の当選を認識可能な特定演出(第1特定演出)が実行されるのである。
なお、図6(a)に示す演出画像は、ゲーム開始時(スタートレバー3の操作時)に表示するようにしているが、ゲーム開始時以外に、ゲームが開始されてから回転中の最初のリール4が停止されるまでの間の所定の時期に表示するようにしてもよい。
【0182】
次に、図6(b)は、レア役の当選時として、例えば、強チェリー役あるいは弱チェリー役の何れかが当選した場合であって、パターンBの当選演出におけるゲーム終了後のメイン表示器8での演出画像を示している。
図6(b)に示すように、ゲームが終了すると、メイン表示器8の画面略中央部に、リール4に表されたチェリー図柄と略同一の形状および配色(赤色)の画像であって、チェリーを模したチェリー画像31cが表示される。
なお、パターンBでの当選演出においてもパターンAと同様に、ゲーム終了後に表示される画像は、そのとき当選した役を報知、あるいは示唆するもので、各当選役に対応したリール4上の図柄と形状および配色が略同等の画像が表示されることで、そのゲームでの当選役を報知するようになっている。
したがって、レア役の当選時にパターンBの当選演出が実行された場合には、ゲーム開始時に何らかのレア役に当選したことが報知され、ゲーム終了時には当選したレア役の種類が報知されることとなる。
【0183】
なお、図6(b)に示す演出画像は、ゲーム終了後(全てのリール4の停止後)に表示するようにしているが、ゲーム終了後以外に、回転中の最初のリール4が停止してから次のゲームが開始されるまでの間の所定の時期に表示するようにしてもよい。
また、強チェリー役や強スイカ役に当選した場合には、対応する各画像を、弱チェリー役や弱スイカ役に当選した場合よりも拡大したものに変更するようにしてもよく、強チェリー役や強スイカ役に当選時には、弱チェリー役や弱スイカ役に当選時よりも、その後の遊技の進行が遊技者にとって有利となるように設定した場合に、当選した役の種類に応じて遊技者の期待感を変化させることが可能となる。
【0184】
以上、図5および図6で示したように、ゲーム開始時に、通常キャラクタ画像30aおよび通常吹出し画像30bが表示された場合には、レア役を含み何らかの役に当選した可能性があることが遊技者に報知されることから、遊技者は、そのゲームを期待感を高めた状態で進めていくこととなる。
一方、ゲーム開始時に、特別キャラクタ画像31aおよび特別吹出し画像31bが表示された場合には、レア役の何らかに当選したことが遊技者に報知されることから、遊技者は、そのゲームをより期待感を高めた状態で進めていくこととなる。
したがって、レア役の当選には、当選演出の種類に応じて遊技者がレア役の当選を認識する時期が異なることとなり、遊技者の期待感を種々変化させることが可能となるのである。
【0185】
また、レア役の図柄組合せには、前述したように、取りこぼしの可能性のあるチェリー役とスイカ役も含まれているので、ゲーム開始時、すなわち未だ全てのリール4が回転中の状態でレア役の当選に対応したパターンBでの当選演出が実行された場合には、遊技者は、その後の取りこぼしに注意しながらリール4の停止操作(目押し操作)を慎重に行うことが可能となるのである。
【0186】
また、各キャラクタ画像および吹出し画像が表示された後は、ゲーム終了後に、それらの画像に応じるように画像が表示されることとなるので、1ゲームを通して遊技者の期待感を高めつつスムーズにゲームを進めることが可能となり、遊技者は安心して遊技を楽しめることとなる。
【0187】
また、レア役の当選時のゲーム開始時に、特別キャラクタ画像31aおよび特別吹出し画像31bを表示する前に、操作演出としてのボタン演出を実行し、演出ボタン2d(あるいは上部演出ボタン2f)が操作された場合に、特別キャラクタ画像31aおよび特別吹出し画像31bを表示するようにしてもよい。
このようにすれば、ボタン演出の実行によりゲーム開始時に遊技者にレア役の当選を確実に報知することが可能となる。
また、ボタン演出が実行されても、遊技者が演出ボタン2d(あるいは上部演出ボタン2f)を操作しない可能性も生じるが、この場合には、ゲーム終了まで特別キャラクタ画像31aおよび特別吹出し画像31bの表示をキャンセル(中止)するようにしてもよいし、回転中のリール4に対して最初の停止操作が行われた時点で、特別キャラクタ画像31aおよび特別吹出し画像31bを表示するようにしてもよい。
【0188】
また、特別キャラクタ画像31aおよび特別吹出し画像31bを表示することで、何れかのレア役の当選をリール4が停止する以前に報知するようにしているが、リール4が停止する以前に何れかのレア役の当選を報知するものであれば、上記以外でもよく、例えば、表示するキャラクタの種類を変化させたり、背景を変化させたり、あるいは、スピーカ9からの効果音を変化させたり、ランプ11の発光態様を変化させたりするものでもよい。
また、リール4が停止する以前に何れかのレア役の当選を報知するパターンを有していれば、当選演出のパターンを3種類以上設けてもよい。
【0189】
また、ゲーム終了後に、リール4上の図柄と略同一の画像をメイン表示器8に表示することで、当選した役の種類を報知するようにしているが、当選した役の種類を遊技者が認識できれば、何れの画像を表示するようにしてもよく、また、メイン表示器8以外の報知手段(例えば、ランプ11、スピーカ9)を使用して報知するようにしてもよい。
また、当選演出は、メイン表示器8以外に、サブ表示器17で実行するようにしてもよいし、メイン表示器8とサブ表示器17の両方で実行するようにしてもよい。
以上のように、メイン表示器8において当選演出が実行される。
【0190】
[押し順ベル役当選時のパターンAでの当選演出の報知パターン1]
次に、図7~9を参照して、メイン表示器8で表示される押し順ベル役当選時のパターンAでの当選演出の報知パターンについて説明する。
前述したように、主制御装置10からの制御情報に基づき副制御装置20は、役の抽選結果に基づいて、メイン表示器8において所定の当選演出を実行するようにしているが、本実施形態においては、押し順ベル役に当選した場合には、ゲーム結果としての図柄組合せ態様の種類や、そのときの疑似ボーナス状態の当選確率状態に応じて、異なる態様の報知を行うようにしている。
【0191】
図7は、押し順ベル役当選時のパターンAでの当選演出の報知パターン1として、リール4上にベル図柄が直線状に並んで停止した場合のメイン表示器8での演出画像を示している。
なお、図7~9は、押し順ベル役の種類として、左停止ボタン5a→中停止ボタン5b→右停止ボタン5cの順に停止操作(特定の押し順による停止操作)が行われた場合にベル図柄が直線状に停止し、それ以外の順で停止操作が行われた場合にベル図柄がV字状に停止する種別の押し順ベル役(5a→5b→5c)に当選した場合を例示している。
図7に示すように、押し順ベル役(5a→5b→5c)に当選して、パターンAでの当選演出が実行されると、主制御装置10でのリール4の停止態様に応じて、副制御装置20によりメイン表示器8においてパターンAでの当選演出時の演出画像が表示される。
【0192】
まず、図7(a)、(b)は、ゲーム開始時のリール4およびメイン表示器8の状態を示していて、図示するように、パターンAでの当選演出が実行されるゲームが開始されると、各リール4の回転が開始されるとともに、図5(a)で説明したように、メイン表示器8の画面の左下側に、所定のキャラクタを示す通常キャラクタ画像30aが表示され、画面の右上側に、疑問符の記号「?」を含んだ通常吹出し画像30bが表示される。
【0193】
次に、図7(c)、(d)は、リール4のうちの一部が停止した時点、すなわち左リール4aが最初に停止され、その次に中リール4bが停止された時点のゲーム途中におけるリール4およびメイン表示器8の状態を示していて、図7(d)に示すように、左リール4a→中リール4bの順に停止ボタン5の停止操作が行われると、左リール4aおよび中リール4bにベル図柄40が直線状に並んだ、所謂テンパイ形態での途中図柄組合せ態様が形成される。
また、左リール4aおよび中リール4bが停止した時点でも、図7(c)に示すように、通常キャラクタ画像30aおよび通常吹出し画像30bは継続して表示される。
【0194】
次に、図7(e)、(f)は、全てのリール4が停止したゲーム終了後におけるリール4およびメイン表示器8の状態を示していて、図7(f)に示すように、左リール4a→中リール4b→右リール4cの順に停止ボタン5の停止操作が行われると、左リール4a、中リール4bおよび右リール4cにベル図柄40が直線状(右斜め下ライン上)に並んだ図柄組合せ態様が形成される。
また、図7(e)に示すように、ゲームが終了した時点でベル図柄40が直線状に並んだ図柄組合せ態様が形成されると、図5(b)で説明したように、メイン表示器8の画面略中央部に、ベル図柄40が直線状に並んだ図柄組合せ態様が形成されたことを報知する通常ベル画像30cが表示される。
ゲーム終了後に表示が開始された通常ベル画像30cは、次のゲームが開始されるまで継続して表示される。
【0195】
このように、主制御装置10により押し順ベル役の当選時にリール4上において、ベル図柄40が直線状に並んだ図柄組合せ態様が形成されると、主制御装置10からの制御情報に基づき副制御装置20により、成立役を示す通常ベル画像30cがメイン表示器8により表示されて成立役やそのときの賞メダル数を認識可能な報知が行われるのである。
すなわち、変動表示制御手段としての主制御装置10は、特定の抽選結果としての押し順ベル役の当選に基づき、第1の図柄組合せ態様としてのベル図柄40が直線状に並んだ図柄組合せ態様を変動表示手段としてのリール4に導出可能とし、報知制御手段(第1報知制御手段)としての副制御装置20は、ベル図柄40が直線状に並んだ第1の図柄組合せ態様が導出された場合に、通常ベル画像30cをメイン表示器8に表示させる通常の報知態様での報知を実行させるのである。
したがって、ベル図柄40が直線状に並んだ第1の図柄組合せ態様が導出された場合には、押し順ベル役が特定の押し順により成立したことを遊技者に対して確実に認識させることが可能となるのである。
【0196】
なお、停止ボタン5の停止操作順がベル図柄40を直線状に停止する停止操作順であった場合には、上記した右斜め下ライン上にベル図柄40が並ぶ図柄組合せ態様以外のライン上(例えば、中段水平ライン上)にも同様の図柄組合せ態様を停止可能となっていて、何れのラインに直線状にベル図柄40が停止した場合でも上記同様の報知が実行される。
また、共通ベル役の当選時も直線状にベル図柄40が停止することとなるので、上記同様の報知を行ってもよい。
以上のように報知パターン1での当選演出が実行される。
【0197】
[押し順ベル役当選時のパターンAでの当選演出の報知パターン2]
次に、図8は、押し順ベル役当選時のパターンAでの当選演出の報知パターン2として、リール4上にベル図柄が直線状に並んで停止した場合に、上記報知パターン1とは異なる態様の当選演出が実行された場合のメイン表示器8での演出画像を示している。
前述したように、主制御装置10では、疑似ボーナス状態の抽選に関して、通常の確率で抽選を行う通常確率状態と、通常確率状態よりも高い確率で抽選を行う高確率状態の2つの確率状態で疑似ボーナス状態の抽選を可能にしている。
【0198】
本実施形態においては、押し順ベル役当選時にパターンAでの当選演出が実行された場合に、そのときの報知態様を変更することで、疑似ボーナス状態の確率状態を示唆するようにしている。
具体的には、副制御装置20は、通常確率状態においては、上記図7で示したような報知パターン1での当選演出を実行するようにしているが、高確率状態においては、押し順ベル役当選時に直線状にベル図柄40が停止したときの所定確率(例えば、10%)で、上記報知パターン1とは異なる報知パターン2での当選演出を実行するようにしている。
したがって、高確率状態となった場合でも、押し順ベル役当選時に直線状にベル図柄40が停止した場合に必ず報知パターン2での当選演出が実行されるのではなく、高確率状態を示唆するように当選演出の報知パターンが変更されるのである。
【0199】
図8は、高確率状態中に押し順ベル役(5a→5b→5c)が当選して、報知パターン2での当選演出を実行することが決定された場合を示していて、押し順ベル役(5a→5b→5c)の当選によりパターンAでの当選演出が実行された場合における、主制御装置10でのリール4の停止態様に応じた副制御装置20によるメイン表示器8においてパターンAでの当選演出時の演出画像を示している。
【0200】
まず、図8(a)、(b)は、ゲーム開始時のリール4およびメイン表示器8の状態を示していて、図示するように、パターンAでの当選演出が実行されるゲームが開始されると、各リール4の回転が開始されるとともに、図5(a)で説明したように、メイン表示器8の画面の左下側に、所定のキャラクタを示す通常キャラクタ画像30aが表示され、画面の右上側に、疑問符の記号「?」を含んだ通常吹出し画像30bが表示される。
【0201】
次に、図8(c)、(d)は、リール4のうちの一部が停止した時点、すなわち左リール4aが最初に停止され、その次に中リール4bが停止された時点のゲーム途中におけるリール4およびメイン表示器8の状態を示していて、図8(d)に示すように、左リール4a→中リール4bの順に停止ボタン5の停止操作が行われると、左リール4aおよび中リール4bにベル図柄40が直線状に並んだ、所謂テンパイ形態での途中図柄組合せ態様が形成される。
また、左リール4aおよび中リール4bが停止した時点でも、図8(c)に示すように、通常キャラクタ画像30aおよび通常吹出し画像30bは継続して表示される。
【0202】
次に、図8(e)、(f)は、全てのリール4が停止したゲーム終了後におけるリール4およびメイン表示器8の状態を示していて、図8(f)に示すように、左リール4a→中リール4b→右リール4cの順に停止ボタン5の停止操作が行われると、左リール4a、中リール4bおよび右リール4cにベル図柄40が直線状(右斜め下ライン上)に並んだ図柄組合せ態様が形成される。
また、図8(e)に示すように、ゲームが終了した時点でベル図柄40が直線状に並んだ図柄組合せ態様が形成されると、メイン表示器8の画面略中央部に、ベル図柄40が直線状に並んだ図柄組合せ態様が形成されたことを報知する特定ベル画像30dが表示される。
このときの特定ベル画像30dは、配色は同一であるが通常ベル画像30cに比べて形状が拡大したものとなっている。
また、ゲーム終了後に表示が開始された特定ベル画像30dは、次のゲームが開始されるまで継続して表示される。
【0203】
このように、高確率状態中の一部では、主制御装置10により押し順ベル役の当選時にリール4上において、ベル図柄40が直線状に並んだ図柄組合せ態様が形成されると、主制御装置10からの制御情報に基づき副制御装置20により、通常ベル画像30cとは異なる通常ベル画像30cよりも拡大された特定ベル画像30dがメイン表示器8により表示されて、成立役やそのときの賞メダル数等を認識可能な報知が行われるのである。
したがって、高確率状態中には、当選演出時に通常ベル画像30cが表示されることもあることから、通常ベル画像30cが表示された場合には確率状態を示唆不能となるが、特定ベル画像30dが表示された場合には、そのときの確率状態を示唆可能となるのである。
【0204】
すなわち、報知制御手段(第1報知制御手段)としての副制御装置20は、ベル図柄40が直線状に並んだ第1の図柄組合せ態様が導出された場合に、所定の特典の付与に関わる情報として確率状態を示唆不能な通常ベル画像30cをメイン表示器8に表示させる通常の報知態様と、確率状態を示唆可能な特定ベル画像30dをメイン表示器8に表示させる特定の報知態様との何れかの報知態様での当選演出を実行するのである。
このように、押し順ベル役の当選時の当選演出において、特定ベル画像30dが表示された場合には、高確率状態であることが示唆されるので、遊技者の期待感を高めることが可能となるのである。
また、押し順ベル役の当選時にベル図柄40が直線状に並んだ場合の所定確率で、特定ベル画像30dが表示されるので、高確率状態の示唆を抑制することが可能となり、通常確率状態のスロットマシン1での稼働率が低下しまうことを防止することも可能なるのである。
【0205】
なお、停止ボタン5の停止操作順がベル図柄40を直線状に停止する停止操作順であった場合に、上記した右斜め下ライン上以外のラインにおいて直線状にベル図柄40が停止した場合でも上記同様の報知が実行される。
また、確率状態を示唆するものとしては、画像を拡大する以外でもよく、画像自体の形状を変更したり画像の配色を変更したりして確率状態の示唆を行うようにしてもよい。また、メイン表示器8以外で報知画像を表示することで確率状態の示唆を行うようにしてもよいし、表示以外の報知手段(ランプ11やスピーカ9)を使用して確率状態の示唆を行うようにしてもよい。
また、共通ベル役の当選時も直線状にベル図柄40が停止することとなるので、上記同様の報知を行ってもよい。
以上のように報知パターン2での当選演出が実行される。
【0206】
[押し順ベル役当選時のパターンAでの当選演出の報知パターン3]
次に、図9は、押し順ベル役当選時のパターンAでの当選演出の報知パターン3として、リール4上にベル図柄がV字状に並んで停止した場合に、上記報知パターン1および報知パターン2とは異なる態様の当選演出が実行された場合のメイン表示器8での演出画像を示している。
前述したように、主制御装置10では、押し順ベル役の何れかが当選した場合には、当選した押し順ベル役の種類に対応して設定されている停止操作順序で停止ボタン5が停止操作された場合には、リール4上にベル図柄が直線状に並んで停止し、それ以外の停止操作順序で停止ボタン5が停止操作された場合には、リール4上にベル図柄がV字状に並んで停止するようなリール制御を行うようにしている。
【0207】
本実施形態においては、押し順ベル役当選時にパターンAでの当選演出が実行された場合に、そのときの停止ボタン5の停止操作順序、すなわち、リール4上にベル図柄が直線状に並ぶか、V字状に並ぶかに応じて報知態様を変更するようにしている。
具体的には、副制御装置20は、押し順ベル役当選時にリール4上にベル図柄が直線状に並んだ場合には、上記した報知パターン1あるいは報知パターン2での当選演出を実行するようにしているが、リール4上にベル図柄がV字状に並んだ場合には、上記報知パターン1あるいは報知パターン2とは異なる報知パターン3での当選演出を実行するようにしている。
なお、押し順ベル役当選時にリール4上にベル図柄がV字状に並んだ場合には、確率状態の示唆は行われない。
【0208】
図9は、押し順ベル役(5a→5b→5c)が当選したにもかかわらず、左リール4a→右リール4c→中リール4bの順に停止操作が行われた場合の当選演出時の報知パターン3を示していて、押し順ベル役(5a→5b→5c)の当選によりパターンAでの当選演出が実行された場合における、主制御装置10でのリール4の停止態様に応じた副制御装置20によるメイン表示器8においてパターンAでの当選演出時の演出画像を示している。
【0209】
まず、図9(a)、(b)は、ゲーム開始時のリール4およびメイン表示器8の状態を示していて、図示するように、パターンAでの当選演出が実行されるゲームが開始されると、各リール4の回転が開始されるとともに、図5(a)で説明したように、メイン表示器8の画面の左下側に、所定のキャラクタを示す通常キャラクタ画像30aが表示され、画面の右上側に、疑問符の記号「?」を含んだ通常吹出し画像30bが表示される。
【0210】
次に、図9(c)、(d)は、リール4のうちの一部が停止した時点、すなわち左リール4aが最初に停止され、その次に右リール4cが停止された時点のゲーム途中におけるリール4およびメイン表示器8の状態を示していて、図9(d)に示すように、左リール4a→右リール4cの順に停止ボタン5の停止操作が行われると、左リール4aの上段と右リール4cの上段にベル図柄40が停止して、ベル図柄40が直線状もしくはV字状の何れかに停止可能な途中図柄組合せ態様が形成される。
また、左リール4aおよび中リール4bが停止した時点でも、図9(c)に示すように、通常キャラクタ画像30aおよび通常吹出し画像30bは継続して表示される。
【0211】
次に、図9(e)、(f)は、全てのリール4が停止したゲーム終了後におけるリール4およびメイン表示器8の状態を示していて、図9(f)に示すように、押し順ベル役(5a→5b→5c)の当選時に、左リール4a→右リール4c→中リール4bの順に停止ボタン5の停止操作、すなわち、ベル図柄40が直線状に停止されない停止操作が行われると、左リール4aの上段、中リール4bの中段および右リール4cの上段にかけてベル図柄40がV字状に並んだ図柄組合せ態様が形成される。
【0212】
また、図9(e)に示すように、ゲームが終了した時点でベル図柄40がV字状に並んだ図柄組合せ態様が形成されると、メイン表示器8の画面略中央部に、ベル図柄40がV字状に並んだ図柄組合せ態様が形成されたことを報知する特別ベル画像30eが表示される。
このときの特別ベル画像30eは、通常ベル画像30cおよび特定ベル画像30dとは内部の模様が異なり、例えば、斜めの斜線が描かれた模様が施されたものとなっている。また、詳細は後述するが、配色も通常ベル画像30cおよび特定ベル画像30dとは異なるものとなっていて、通常ベル画像30cおよび特定ベル画像30dが固定された配色(黄色)が施されているのに対して、特別ベル画像30eがそのときの確率設定装置14での設定値に応じた配色に変化可能となっている。
したがって、特別ベル画像30eが表示された場合には、その画像の配色を確認することで、その時点の確率設定装置14での設定値をある程度予測可能となるのである。
また、ゲーム終了後に表示が開始された特別ベル画像30eは、次のゲームが開始されるまで継続して表示される。
【0213】
以上のように、主制御装置10により押し順ベル役の当選時にリール4上において、ベル図柄40がV字状に並んだ図柄組合せ態様が形成されると、主制御装置10からの制御情報に基づき副制御装置20により、通常ベル画像30cおよび特定ベル画像30dとは異なる特別ベル画像30eがメイン表示器8により表示されて、成立役やそのときの賞メダル数等を認識可能な報知が行われるのである。
【0214】
すなわち、報知制御手段(第2報知制御手段)としての副制御装置20は、ベル図柄40がV字状に並んだ第2の図柄組合せ態様が導出された場合に、通常の報知態様(通常ベル画像30c)および特定の報知態様(特定ベル画像30d)とは異なる特別ベル画像30eをメイン表示器8に表示させる特別の報知態様での当選演出を実行するのである。
【0215】
このように、押し順ベル役の当選時の当選演出において、ベル図柄がV字状に停止した場合には、特別ベル画像30eが表示されるので、遊技者に対してベル図柄がV字状に停止したことを確実に認識させることが可能となるのである。
これは、ベル図柄がV字状に停止した場合には、直線状に停止した場合よりも、賞態様を形成する図柄の組合せとしては遊技者にとって分かり辛いものとなっているので、このような賞態様の認識性の低さを補う上で報知態様を異ならせるようにしているのである。すなわち、遊技者にとって馴染みのある報知態様とは異なる報知態様を実行させることで、遊技者に対してベル図柄がV字状に停止したことを確実に認識させることが可能となるのである。
【0216】
なお、停止ボタン5の停止操作順がベル図柄40を直線状に停止する停止操作順(特定の押し順)でなかった場合に、上記した左リール4aの上段、中リール4bの中段、右リール4cの上段にかけてV字状にベル図柄40が停止する以外の箇所において、V字状にベル図柄40が停止するようにしてもよく、この場合でも上記同様の報知を実行するようにしてもよい。
また、停止ボタン5の停止操作順が特定の押し順でなかった場合に、リール4上にV字状にベル図柄40を停止させる以外に、L字状に停止させたり、あるいは、他の図柄を含んで押し順ベル役当選時の図柄組合せ態様を形成したりするようにしてもよい。この場合でも上記同様の報知が実行することが好ましい。
【0217】
また、ベル図柄40が直線状に停止しなかった場合の報知としては、上記のような態様で画像を異ならせること以外でもよく、画像自体の形状を変更したり画像の配色を変更したりしてもよい。また、メイン表示器8以外で報知画像を表示することで上記報知を行うようにしてもよいし、表示以外の報知手段(ランプ11やスピーカ9)を使用して上記報知態様を実現するようにしてもよい。
また、当選演出が実行された場合に、押し順ベル役に関する報知を実行するようにしているが、押し順ベル役に当選して当選演出が実行されないゲームの終了後に、押し順ベル役の成立に関する報知を実行するようにしてもよい。
以上のように報知パターン3での当選演出が実行される。
【0218】
[特別ベル画像の配色の選択率]
次に、特別ベル画像の配色の選択率について図10を参照して説明する。
前述したように、押し順ベル役当選時にパターンAでの当選演出が実行された際に、リール4上にベル図柄がV字状に並んで停止した場合には、ゲーム終了後に特別ベル画像30e(図9(e)参照)をメイン表示器8に表示させるようにしているが、副制御装置20は、このときの特別ベル画像30eの配色を確率設定装置14の設定値に応じて決定するようにしている。
特別ベル画像30eの配色としては、青色、緑色、赤色、虹色の4種類が設定されていて、副制御装置20では、確率設定装置14の設定値に応じて設定されている各選択率に基づき、何れか1つの配色を決定するようにしている。
したがって、特別ベル画像30eが表示された際の配色を確認することで、その時点の確率設定装置14の設定値をある程度予想することが可能となっている。
【0219】
図10は、副制御装置20において特別ベル画像30eの配色を決定する際の、確率設定装置14における各設定値に応じた選択率を示している。
まず、図10に示すように、確率設定装置14の設定値が「設定1」であった場合には、「青色」を選択する確率が99%、「緑色」を選択する確率が1%、「赤色」を選択する確率が0%、「虹色」を選択する確率が0%となるように選択制御が行われる。
【0220】
また、確率設定装置14の設定値が「設定2」であった場合には、「青色」を選択する確率が98%、「緑色」を選択する確率が2%、「赤色」を選択する確率が0%、「虹色」を選択する確率が0%となるように選択制御が行われる。
また、確率設定装置14の設定値が「設定3」であった場合には、「青色」を選択する確率が97%、「緑色」を選択する確率が3%、「赤色」を選択する確率が0%、「虹色」を選択する確率が0%となるように選択制御が行われる。
【0221】
また、確率設定装置14の設定値が「設定4」であった場合には、「青色」を選択する確率が95%、「緑色」を選択する確率が4%、「赤色」を選択する確率が1%、「虹色」を選択する確率が0%となるように選択制御が行われる。
また、確率設定装置14の設定値が「設定5」であった場合には、「青色」を選択する確率が93%、「緑色」を選択する確率が5%、「赤色」を選択する確率が2%、「虹色」を選択する確率が0%となるように選択制御が行われる。
また、確率設定装置14の設定値が「設定6」であった場合には、「青色」を選択する確率が90%、「緑色」を選択する確率が6%、「赤色」を選択する確率が3%、「虹色」を選択する確率が1%となるように選択制御が行われる。
【0222】
以上のような各選択率で、特別ベル画像30eの配色が決定されることから、特別ベル画像30eの配色の違いにより、確率設定装置14での設定値を示唆可能となり、青色→緑色→赤色→虹色の順に確率設定装置14の設定値がより高設定となっている可能性が高まることとなる。
すなわち、第2報知制御手段としての副制御装置20は、特別の報知態様(特別ベル画像30e)の種別により、設定手段としての確率設定装置14における設定段階を示唆可能とするのである。
【0223】
したがって、遊技者は表示された特別ベル画像30eの配色を確認することで、ある程度その時点の確率設定装置14の設定値を予想することが可能となり、遊技するスロットマシン1を選定する際の参考情報といった、遊技者が満足する情報を提供することが可能となるのである。
また、特別ベル画像30eは、前述したように、ベル図柄がV字状に停止した場合にのみ表示されるので、設定示唆情報の表示に対してある程度の制限をかけることが可能となるので、遊技者と遊技店との間の利益バランスを調整することも可能となるのである。
【0224】
また、特別ベル画像30eの配色が赤色であった場合には、比較的低設定値である設定1~3での選択の可能性は無いことから、比較的高設定値である設定4~6の何れかの設定値であることが確定することとなり、遊技者の期待感や遊技意欲を高めることも可能となるのである。
さらに、特別ベル画像30eの配色が虹色であった場合には、設定1~5での選択は行われないので、最高設定値である設定6が確定することとなり、遊技者の期待感や遊技意欲を極めて高めることも可能となるのである。
【0225】
なお、特別ベル画像30eの配色の選択率は、上記した以外でもよく、例えば、奇数設定値のグループと偶数設定値のグループの何れかであることを予想できるような選択率にしてもよいし、特定の設定値(例えば、設定1や設定2)の可能性が排除される選択率にしてもよい。
【0226】
また、特別ベル画像30eの配色の違いにより確率設定装置14の設定値を示唆する他に、通常確率状態と高確率状態の示唆が行えるような配色の選択制御を行うようにしてもよい。
また、特別ベル画像30eの配色の違いにより確率設定装置14の設定値を示唆する他、例えば、疑似ボーナス状態を、実行されたゲーム数に応じて移行させるようにした場合(所謂ゲーム数管理)に、疑似ボーナス状態に移行されるまでのゲーム数等の遊技者にとって有用な情報を示唆するようにしてもよい。
以上のように特別ベル画像の配色が選択される。
【0227】
[当選演出の変形例1]
次に、図11を参照して、押し順ベル役当選時のパターンAでの当選演出の変形例1として、リール4上にベル図柄がV字状に並んで停止した場合の当選演出について説明する。
前述したように、押し順ベル役当選時にパターンAでの当選演出が実行された際に、リール4上にベル図柄がV字状に並んで停止した場合には、ゲーム終了後に特別ベル画像30eをメイン表示器8に表示させるようにしているが、前述した実施形態においては、特別ベル画像30eの表示は、次のゲームが開始されるまで継続して実行されるようになっている。
【0228】
しかしながら、特別ベル画像30eには、確率設定装置14の設定値を示唆する情報が含まれていることから、本来ならばそのスロットマシン1で遊技している遊技者のみに与えられるべき有益情報が、次のゲームの開始までといった比較的長い時間表示されることで他の遊技者に対しても開示されてしまう虞があり、このような場合には、該当遊技者に対して不満感を与えてしまうことにもなりかねない。
また、ゲーム終了後にスロットマシン1での遊技を一時的に中断する遊技者も多く、その時点で特別ベル画像30eが継続して表示されていると、中断中のスロットマシン1において不特定多数の遊技者に対して特別ベル画像30eが開示されてしまうこととなり、該当遊技者に不満感を与える他、遊技店側の営業に対して影響を与えてしまう可能性も生じてしまう。
そこで、当選演出の変形例1として、図11に示すような当選演出を実行するようにしてもよい。
【0229】
まず、図11(a)は、前述した図9(e)と同様に、ゲームが終了した時点でベル図柄40がV字状に並んだ図柄組合せ態様が形成されるときのメイン表示器8での演出画像を示している。
前述したように、ゲームが終了した時点でベル図柄40がV字状に並んだ図柄組合せ態様が形成される、メイン表示器8の画面略中央部に、ベル図柄40がV字状に並んだ図柄組合せ態様が形成されたことを報知する特別ベル画像30eが表示される。
【0230】
そして、ゲーム終了時点、すなわち特別ベル画像30eの表示が開始された時点から所定時間(例えば、5秒)経過すると、図11(b)に示すように、特別ベル画像30eの表示から通常ベル画像30cの表示に切り替える制御が副制御装置20により実行される。
また、切り替えられた通常ベル画像30cの表示は、次のゲームが開始されるまで継続して実行される。
【0231】
なお、図示は省略したが、リール4上にベル図柄が直線状に並んで停止した場合には、前述した実施形態と同様に、所定時間の経過によるベル画像の切り替えは行われずに、ゲーム終了から次のゲームが開始されるまでの間、通常ベル画像30cあるいは特定ベル画像30dの何れかが継続して表示されることとなる。
したがって、特別ベル画像30eが表示される場合には、通常ベル画像30cあるいは特定ベル画像30dが表示される場合よりも、表示が切り替えられる分その表示の時間が短くなるのである。
【0232】
すなわち、第2報知制御手段としての副制御装置20は、特別の報知態様(特別ベル画像30e)での報知の実行時間を、通常の報知態様(通常ベル画像30c)および特定の報知態様(特定ベル画像30d)での報知の実行時間よりも短く設定するのである。
また、第2報知制御手段としての副制御装置20は、特別の報知態様での報知の実行後、所定時間経過に基づき、特別の報知態様での報知を終了して別の報知態様に切り替え可能とするのである。
【0233】
このように、特別ベル画像30eが表示された場合でも、所定時間経過後には通常ベル画像30cの表示に切り替えられて、通常ベル画像30cや特定ベル画像30dが表示される場合よりも短い時間でのみ特別ベル画像30eの表示が実行されるので、確率設定装置14での設定値を示唆可能な情報を含んだ特別ベル画像30eの表示が、本来開示されるべき遊技者以外の遊技者に対しても開示されてしまう可能性を低減することが可能となるのである。
また、確率設定装置14での設定値の示唆情報といった秘匿性を有する情報が、不特定多数の遊技者に開示されてしまうといった事態を未然に防止できるので、遊技店の営業上においても問題が生じてしまう可能性を低減することが可能となるのである。
【0234】
なお、特別ベル画像30eから通常ベル画像30cに表示が切り替えられた後に、例えば、演出ボタン2dの操作等の所定操作を行うことで、最初に表示された特別ベル画像30eを再度表示することで最初の表示を復帰させる手段を設けるようにしてもよい。また、この場合でも、再度の特別ベル画像30eの表示から所定時間経過した場合は、通常ベル画像30cの表示に切り替えることが好ましい。
このようにすれば、特別ベル画像30eを再確認することが可能となり、ネット情報等を利用して特別ベル画像30eに関する調査を行う場合や、一緒に来店した友人等に画像を確認してもらう場合等で非常に便利となる。
以上のように変形例1としての当選演出が実行される。
【0235】
[当選演出の変形例2]
次に、図12を参照して、押し順ベル役当選時のパターンAでの当選演出の変形例2として、リール4上にベル図柄が直線状に並んで停止した場合の当選演出について説明する。
前述したように、押し順ベル役当選時にパターンAでの当選演出が実行された際に、リール4上にベル図柄が直線状に並んで停止した場合には、通常ベル画像30cもしくは特定ベル画像30dの何れかをメイン表示器8に表示させるようにしているが、前述した実施形態においては、通常ベル画像30cもしくは特定ベル画像30dの表示は、ゲーム終了後に実行されるようになっている。
それに対して当選演出の変形例2では、図12に示すように、通常ベル画像30cもしくは特定ベル画像30dの表示をゲームの終了前から実行するようにしている。
したがって、当選演出の変形例2では、前述した実施形態よりも通常ベル画像30cもしくは特定ベル画像30dの報知時期が早期となるのである。
【0236】
まず、図12(a)、(b)は、リール4のうちの一部が停止した時点、すなわち、押し順ベル役(5a→5b→5c)の当選時に、左リール4aが最初に停止され、その次に中リール4bが停止された時点のゲーム途中におけるリール4およびメイン表示器8の状態を示している。
なお、図示は省略するが当選演出の変形例2でも、ゲーム開始時には、前述した通常キャラクタ画像30aおよび通常吹出し画像30bがメイン表示器8に表示されることとなっている。
そして、左リール4a→中リール4bの順に停止ボタン5の停止操作が行われると、図12(b)に示すように、左リール4aおよび中リール4bにベル図柄40が直線状に並んだ、所謂テンパイ形態での途中図柄組合せ態様が形成される。
【0237】
また、図12(a)に示すように、左リール4a→中リール4bの順に停止ボタン5の停止操作が行われると、メイン表示器8に表示されていた通常キャラクタ画像30aおよび通常吹出し画像30bが消去され、替わりに画面略中央部に通常ベル画像30cが表示される。
すなわち、前述した実施形態では、ゲーム終了後に表示されていたベル画像(通常ベル画像30cもしくは特定ベル画像30d)が、変形例2においては、左リール4aと中リール4bが停止した時点で表示され、ベル図柄40が直線状に並んだ図柄組合せ態様が形成されることがゲーム終了前に事前に表示されることとなるのである。
なお、押し順ベル役(5a→5b→5c)の当選時には、左リール4a→中リール4bの順に停止ボタン5の操作が行われた時点で、ベル図柄40が直線状に並んだ図柄組合せ態様が形成されることが確定するので、通常ベル画像30cを事前に表示しても成立役の報知として何ら矛盾が生じることはない。
【0238】
次に、図12(c)~(e)は、全てのリール4が停止したゲーム終了後におけるリール4およびメイン表示器8の状態を示している。
まず、図12(e)に示すように、左リール4a→中リール4b→右リール4cの順に停止ボタン5の停止操作が行われると、左リール4a、中リール4bおよび右リール4cにベル図柄40が直線状(右斜め下ライン上)に並んだ図柄組合せ態様が形成される。
また、ゲームが終了した時点でベル図柄40が直線状に並んだ図柄組合せ態様が形成されると、メイン表示器8の画面略中央部に、ベル図柄40が直線状に並んだ図柄組合せ態様が形成されたことを報知する画像として、図12(c)に示す通常ベル画像30cか、もしくは図12(d)に示す特定ベル画像30dの何れかが表示されて、成立役やそのときの賞メダル数等を認識可能な報知が行われるのである。
また、通常ベル画像30cもしくは特定ベル画像30dは、次のゲームが開始されるまで継続して表示される。
【0239】
したがって、最終的に通常ベル画像30cが表示される場合には、ゲーム終了前から通常ベル画像30cが表示され、ゲーム終了後においても継続して通常ベル画像30cが表示されることとなる。
一方、最終的に特定ベル画像30dが表示される場合には、ゲーム終了前から通常ベル画像30cが表示され、ゲーム終了した時点で通常ベル画像30cから特定ベル画像30dの表示に切り替えられることとなる。
なお、最終的に通常ベル画像30cを表示するか、もしくは特定ベル画像30dを表示するかの選択は、前述の実施形態同様に副制御装置20により行われ、通常確率状態の場合には通常ベル画像30cが最終的に表示され、高確率状態の場合には所定確率で特定ベル画像30dが最終的に表示されることとなる。
【0240】
このように、当選演出の変形例2においては、ゲームが終了する前から、リール4においてベル図柄40が直線状に並んだ図柄組合せ態様が形成されることが報知されることとなるのである。
すなわち、報知制御手段としての副制御装置20は、リール4において図柄組合せ態様が導出される前から図柄組合せ態様に対応した報知を実行可能とするのである。
【0241】
また、最終的に特定ベル画像30dが表示される場合には、リール4においてベル図柄40が直線状に並んだ図柄組合せ態様が形成される前においては通常ベル画像30cが表示されるとともに、ベル図柄40が直線状に並んだ図柄組合せ態様が形成された後においては特定ベル画像30dを表示されるのである。
すなわち、第1報知制御手段としての副制御装置20は、特定の報知態様(特定ベル画像30d)での報知を実行する場合に、ベル図柄40が直線状に並んだ第1の図柄組合せ態様が導出される前に通常の報知態様(通常ベル画像30c)での報知を実行可能とするとともに、第1の図柄組合せ態様が導出された後に特定の報知態様での報知を実行可能とするのである。
【0242】
したがって、押し順ベル役の当選に対する報知に関して、ゲームが終了する前から比較的長い時間報知が実行されることとなり、確実かつ効率よく報知を実行することが可能となるのである。
また、最終的に特定ベル画像30dを表示する場合には、ベル画像が途中で変化することとなるので、画像の変化により特定ベル画像30dが表示されたことをより際立させることが可能となり、確実に特定ベル画像30dが表示されたことを遊技者に認識させることが可能となるのである。
【0243】
次に、図13を参照して、押し順ベル役当選時のパターンAでの当選演出の変形例2として、リール4上にベル図柄がV字状に並んで停止した場合の当選演出について説明する。
前述したように、押し順ベル役当選時にパターンAでの当選演出が実行された際に、リール4上にベル図柄がV字状に並んで停止した場合には、特別ベル画像30eをメイン表示器8に表示させるようにしているが、本変形例2では、図13に示すように、通常ベル画像30cもしくは特定ベル画像30dを表示するときと同様に、特別ベル画像30eを表示する場合でもゲームの終了前から実行するようにしている。
したがって、特別ベル画像30eを表示する場合にも、前述した実施形態よりも特別ベル画像30eの報知時期が早期となるのである。
【0244】
まず、図13(a)、(b)は、リール4のうちの一部が停止した時点、すなわち、押し順ベル役(5a→5b→5c)の当選時に、左リール4aが最初に停止され、その次に右リール4cが停止された時点のゲーム途中におけるリール4およびメイン表示器8の状態を示している。
なお、図示は省略するが、ゲーム開始時には前述した通常キャラクタ画像30aおよび通常吹出し画像30bがメイン表示器8に表示されることとなっている。
そして、左リール4a→右リール4cの順に停止ボタン5の停止操作が行われると、図13(b)に示すように、左リール4aの上段および右リール4cの上段にベル図柄40が停止して、ベル図柄がV字状に並んで停止可能な途中図柄組合せ態様が形成される。
【0245】
また、図13(a)に示すように、左リール4a→右リール4cの順に停止ボタン5の停止操作が行われると、メイン表示器8に表示されていた通常キャラクタ画像30aおよび通常吹出し画像30bが消去され、替わりに画面略中央部に特別ベル画像30eが表示される。
すなわち、前述した実施形態では、ゲーム終了後に表示されていた特別ベル画像30eが、変形例2においては、左リール4aと右リール4cが停止した時点で表示され、ベル図柄40がV字状に並んだ図柄組合せ態様が形成されることがゲーム終了前に事前に表示されることとなるのである。
なお、押し順ベル役(5a→5b→5c)の当選時には、左リール4a→右リール4cの順に停止ボタン5の操作が行われた時点で、ベル図柄40がV字状に並んだ図柄組合せ態様が形成されることが確定するので、特別ベル画像30eを事前に表示しても成立役の報知として何ら矛盾が生じることはない。
【0246】
次に、図13(c)、(d)は、全てのリール4が停止したゲーム終了後におけるリール4およびメイン表示器8の状態を示している。
まず、図13(d)に示すように、左リール4a→右リール4c→中リール4bの順に停止ボタン5の停止操作が行われると、左リール4a、中リール4bおよび右リール4cにかけてベル図柄40がV字状に並んだ図柄組合せ態様が形成される。
また、ゲームが終了した時点でベル図柄40がV字状に並んだ図柄組合せ態様が形成された後も、図13(c)に示すように、メイン表示器8の画面略中央部に表示されていた特別ベル画像30eの表示はそのまま維持されて、次のゲームが開始されるまで継続して表示されて、成立役やそのときの賞メダル数等を認識可能な報知が行われるのである。
【0247】
このように、ベル図柄40がV字状に並んだ図柄組合せ態様が形成される場合も、特別ベル画像30eの表示は、ゲームが終了する前から実行されて、ゲームの終了後においても継続して実行され、リール4においてベル図柄40がV字状に並んだ図柄組合せ態様が形成されること、および形成されたことが報知されることとなるのである。
すなわち、第2報知制御手段としての副制御装置20は、特別の報知態様(特別ベル画像30e)での報知を実行する場合に、ベル図柄40がV字状に並んだ第2の図柄組合せ態様が導出される前から第2の図柄組合せ態様が導出された後にかけて特別の報知態様での報知を継続して実行可能とするのである。
【0248】
したがって、ベル図柄40がV字状に並んだ図柄組合せ態様の形成に関する報知が、ゲームが終了する前から比較的長い時間をかけて実行されることとなり、確実かつ効率よく報知を実行することが可能となるのである。
また、前述したように最終的に特定ベル画像30dを表示する場合には、ベル画像がゲームの終了に応じて途中で変化するのに対して、特別ベル画像30eを表示する場合には、ベル画像が途中で変化しないので、このような報知態様を異ならせた表示により、図柄組合せ態様の並び方が違っていることを明確にすることが可能となり、成立役の違いやそのときの賞メダル数の違い等を確実に遊技者に認識させることが可能となるのである。
以上のように変形例2としての当選演出が実行される。
【0249】
[フェイク前兆演出中に疑似ボーナス状態に当選した場合の遊技状態の遷移、およびメイン表示器での表示内容]
次に、図14のタイミングチャートを参照して、主制御装置10および副制御装置20の制御により実現する遊技状態の遷移、およびメイン表示器8での表示内容について、特に、フェイク前兆演出中に疑似ボーナス状態に当選した場合の遊技状態の遷移、およびメイン表示器での表示内容について説明する。
【0250】
図14は、前述した図4と同様に、ゲームの進行と、その間のメイン表示器8における表示内容の変化の対応関係を示している。
ただし、図4とは異なり図14では、通常遊技状態において所定の役(例えば、チャンス役)に当選してフェイク前兆演出が実行され、そのフェイク前兆演出の実行中における所定の役(例えば、チャンス役)の当選時の所定の確率(例えば、20%)で疑似ボーナス状態への移行が決定された場合の、メイン表示器8において表示される演出内容(演出画像)を示している。
したがって、最初の所定の役(例えば、チャンス役)の当選時には、疑似ボーナス状態の移行が非当選でフェイク前兆演出のみが実行され、その後、フェイク前兆演出中に再度所定の役(例えば、チャンス役)に当選して疑似ボーナス状態の移行が決定された場合の演出内容(演出画像)を示している。
【0251】
本実施形態においては、主制御装置10および副制御装置20の制御により、既にフェイク前兆演出が実行されている間に、疑似ボーナス状態の抽選契機役(例えば、チャンス役)に当選した場合には、実行されているフェイク前兆演出の終了後に、再度前兆演出を実行可能としている。
したがって、フェイク前兆演出の終了により疑似ボーナス状態へ移行しないことが報知された場合でも、その後に前兆演出が再開されて本前兆演出が開始される場合もあり、遊技者の期待感を継続して高めるようにしている。
【0252】
また、本実施形態においては、フェイク前兆演出中における、疑似ボーナス状態の抽選契機役(例えば、チャンス役)の当選により疑似ボーナス状態への移行が決定された場合には、所定の確率(例えば、80%)でフェイク前兆演出の終了後に本前兆演出を開始することで前兆演出を再開するようにしている。
したがって、フェイク前兆演出中において疑似ボーナス状態に当選した場合でも、必ずフェイク前兆演出の終了後に前兆演出が再開するものではなく、フェイク前兆演出の終了後に前兆演出が再開されずに疑似ボーナス状態に移行することもあり、この場合には、例えば、予め決定されている疑似ボーナス状態に移行する規定ゲーム数に到達する所定ゲーム数(例えば、3ゲーム)前から連続演出が実行されることとなる。
【0253】
一方、フェイク前兆演出中における、疑似ボーナス状態の抽選契機役(例えば、チャンス役)の当選にしても疑似ボーナス状態への移行が決定されなかった場合でも、所定の確率(例えば、10%)でフェイク前兆演出の終了後に再度フェイク前兆演出を開始することで前兆演出を再開するようにしている。
したがって、最初のフェイク前兆演出の終了後に前兆演出が再開された場合でも、前兆演出の再開により本前兆演出が確定するものではなくなり、演出内容に多彩性を持たせるようにしている。
【0254】
また、前述したように疑似ボーナス状態の抽選契機役(例えば、チャンス役)に当選して前兆演出を実行する場合には、抽選契機役の当選から前兆演出が終了するまでの間のゲーム数を予め決定して、副制御装置20では、この規定ゲーム数に基づき演出の進行管理を行うようにしているが、フェイク前兆演出の終了後に前兆演出を再開する場合でも、再開した前兆演出に対して事前に決定した規定ゲーム数に基づき演出内容の制御を行うようにしている。
【0255】
したがって、フェイク前兆演出中における疑似ボーナス状態の抽選契機役の当選時期によっては、待機期間の設定により最初のフェイク前兆演出の終了直後に前兆演出が再開される場合と、再開されない場合があり、最初のフェイク前兆演出が終了した時点が、再開予定の前兆演出に対する待機期間の経過以降であった場合には、最初のフェイク前兆演出の終了直後に前兆演出が再開されて、規定ゲーム数のうちの残りのゲーム数分だけ再開された前兆演出が実行されることとなる。
一方、最初のフェイク前兆演出が終了した時点が、再開予定の前兆演出に対する待機期間の経過前であった場合には、最初のフェイク前兆演出の終了直後に前兆演出が再開されずに、一旦通常の演出に戻った後に待機期間の経過した時点で最初から前兆演出が再開されることとなる。
【0256】
なお、最初のフェイク前兆演出の終了後に再度前兆演出を実行する場合に、待機期間を無視して、必ず最初のフェイク前兆演出の終了直後から前兆演出を再開するようにしてもよい。
この場合、フェイク前兆演出が終了した時点が、再開予定の前兆演出に対する待機期間の経過前であった場合には、再開する前兆演出が通常よりも長い期間実行されることとなる。
【0257】
また、フェイク前兆演出中に疑似ボーナス状態の抽選契機役に当選して疑似ボーナス状態への移行が決定された場合には、必ずフェイク前兆演出の終了後に本前兆演出を再開するようにしてもよいし、フェイク前兆演出中に疑似ボーナス状態の抽選契機役に当選して疑似ボーナス状態への移行が決定されなかった場合には、フェイク前兆演出の終了後にフェイク前兆演出を再開しないようにしてもよい。また、上記両方の条件を併せて実行するようにしてもよい。
フェイク前兆演出の終了後にフェイク前兆演出を再開しないようにすれば、前兆演出の再開により再開された前兆演出が本前兆演出であることが確定することとなり、遊技者の期待感をより高めることが可能となる。
【0258】
まず、図14に示すように、疑似ボーナス状態への移行が決定されていないときの通常遊技状態中(1~3ゲーム目)は、前述と同様に演出頻度通常状態での通常遊技状態中の演出が行われる。
【0259】
次に、通常遊技状態中の3ゲーム目のゲーム実行時(タイミングt5)に、チャンス役に当選して、その当選を契機にした抽選により疑似ボーナス状態に非当選となった場合には、前述したように、フェイク前兆演出が実行されることとなるが、フェイク前兆演出の実行前の4ゲーム目から14ゲーム目のゲームが実行される間(タイミングt6~t7)には待機期間が設定され、この間は前述と同様に演出頻度高状態での通常遊技状態中の演出が行われる。
なお、図示は省略しているが、3ゲーム目のゲーム実行時には、チャンス役に当選したので、チャンス役の当選に対応する当選演出がメイン表示器8において表示されることとなる。
【0260】
次に、15ゲーム目のゲームが開始(タイミングt7)されると、待機期間が終了してメイン表示器8においてフェイク前兆演出が実行され、例えば、所定のキャラクタが洞窟を進んでいくような演出画像が表示されることとなる。
また、フェイク前兆演出が行われる間においては、待機期間中と同様に、当選演出の発生制御が、相対的に演出頻度が高い状態(演出頻度高状態)で行われることとなる。
【0261】
次に、フェイク前兆演出が実行されている通常遊技状態中の17ゲーム目のゲーム実行時(タイミングt8)に、チャンス役に当選して、その当選を契機にした抽選により疑似ボーナス状態に当選となった場合には、既に実行されているフェイク前兆演出と併行して、メイン表示器8において予告演出が実行される。
予告演出は、詳細は後述するがフェイク前兆演出の終了後に前兆演出が再開されることを示唆する演出であり、フェイク前兆演出の途中からその後に実行される連続演出の終了時(タイミングt8~t10)まで継続して実行される。
なお、図示は省略しているが、17ゲーム目のゲーム実行時には、チャンス役に当選したので、チャンス役の当選に対応する当選演出がメイン表示器8において表示されることとなる。
【0262】
次に、フェイク前兆演出中の終盤である31ゲーム目のゲームが開始(タイミングt9)されると、メイン表示器8において連続演出が所定ゲーム間(例えば、3ゲーム間)に亘って実行され、例えば、主人公キャラクタと敵キャラクタが対戦する対戦演出が実行される。
そして、連続演出は33ゲーム目まで継続し、前兆演出の最終ゲームである33ゲーム目のゲーム終了後に、何れかのキャラクタが勝利することにより疑似ボーナス状態の当否を報知するような演出が実行されるが、図14に示す例では、疑似ボーナス状態の非当選時におけるフェイク前兆演出の場合を示しているので、最終ゲーム終了から所定時間(例えば、2秒)経過後から次ゲームが開始されるまでの間においては、連続演出の結果画像として、主人公キャラクタが敗北する画像ととともに、例えば、「敗北」の文字情報等がメイン表示器8において表示される。
また、連続演出の実行中においても、連続演出と併行して予告演出がメイン表示器8において実行される。
【0263】
そして、34ゲーム目のゲーム開始(タイミングt10)から、17ゲーム目のゲーム実行時(タイミングt8)でのチャンス役の当選に基づいて実行される本前兆演出がメイン表示器8において実行されることとなる。
なお、34ゲーム目のゲームでは、既に本前兆演出の実行前の待機期間の経過以降であるので、フェイク前兆演出の終了直後から本前兆演出が開始され、開始された本前兆演出は規定ゲーム数の残り分の間継続して実行されることとなる。
以上のように、フェイク前兆演出中に疑似ボーナス状態に当選した場合の遊技状態の遷移、およびメイン表示器8での演出表示が行われる。
【0264】
[フェイク前兆演出中に予告演出を実行する場合の表示例]
次に、図15を参照して、メイン表示器8で表示されるフェイク前兆演出中の予告演出について説明する。
前述したように、主制御装置10からの制御情報に基づき副制御装置20は、チャンス役に当選して、その当選を契機にした抽選により疑似ボーナス状態に非当選となった場合には、フェイク前兆演出をメイン表示器8において実行し、さらに、そのフェイク前兆演出中に再度チャンス役に当選した場合には、所定の確率で予告演出を実行するようにしている。
【0265】
図15は、フェイク前兆演出中に実行されるゲームにおいてチャンス役に当選した場合のメイン表示器8の演出画像を示している。
まず、図15(a)に示すように、フェイク前兆演出が実行されると、メイン表示器8の画面主要部においてフェイク前兆演出に対応する前兆演出画像A40aとして、所定のキャラクタが洞窟を進んでいくような演出画像(動画)が表示される。
【0266】
次に、図15(b)は、フェイク前兆演出中にチャンス役に当選した後の、所定のゲームにおけるゲーム実行中のメイン表示器8での演出画像を示している。
図15(b)に示すように、フェイク前兆演出中にチャンス役に当選すると、その後のゲームの実行中において、フェイク前兆演出の終了後に前兆演出が再開することを示唆する予告画像A50aが、実行中のフェイク前兆演出と併行してメイン表示器8の右下側に現出表示される。
なお、予告画像A50aは、チャンス役に当選したゲームの次ゲームの開始時に出現するようにしているが、チャンス役の当選時には当選演出が実行されるので、チャンス役の当選ゲームにおいて、当選演出の演出内容に関連付けて予告画像A50aを出現させてもよい。
【0267】
予告画像A50aは、実行中のフェイク前兆演出の視認性を阻害しないような面積で構成され、前兆演出が再開することを示唆する「予告」の文字情報や、前兆演出の再開に対する期待度を示す、例えば「30%」の数値情報が含まれたものとなっている。
また、出現した予告画像A50aは、実行中のフェイク前兆演出が終了するまで継続して表示されることとなる。
なお、前兆演出の再開に対する期待度の表示に関しての詳細は後述する。
【0268】
次に、図15(c)は、フェイク前兆演出の終盤で実行される連続演出の最終ゲームにおけるゲーム終了後のメイン表示器8での演出画像を示している。
図15(c)に示すように、フェイク前兆演出は疑似ボーナス状態に非当選であった場合に実行されるので、連続演出の最終ゲームにおけるゲーム終了後には、主人公キャラクタが対戦演出で敗北したことを示す画像や、「敗北」の文字情報等からなる結果画像A40bがメイン表示器8の画面主要部に表示される。
また、連続演出の最終ゲームにおけるゲーム終了後においても、予告画像A50aは継続して表示される。
【0269】
次に、図15(d)は、フェイク前兆演出の終了後に実行される最初のゲームにおけるゲーム開始時のメイン表示器8での演出画像を示している。
図15(d)に示すように、フェイク前兆演出の終了後の最初のゲームが開始されると、既に表示されていた予告画像A50aが拡大予告画像50bに変化して、前兆演出の再開に対する期待感を高めるような煽り演出が実行される。
なお、拡大予告画像50bは、例えば、予告画像A50aが徐々に拡大していく動画で構成され、ゲーム開始から所定時間(例えば、2秒)の間実行される。
また、拡大予告画像50bの背景には、連続演出の敗北後のゲームであるので、通常遊技状態中の画像である通常遊技状態中画像42(図15(e)参照)が表示される。
【0270】
そして、フェイク前兆演出の終了後に前兆演出が再開されない場合には、ゲーム開始から所定時間経過後に、拡大予告画像50bを急激に収縮させて最終的に消去させることで、図15(e)に示すように、背景上に表示されていた通常遊技状態中画像42が画面全体に表示されることとなり、以降通常遊技状態中の演出がメイン表示器8で実行されることとなる。
【0271】
一方、フェイク前兆演出の終了直後から前兆演出が再開される場合には、ゲーム開始から所定時間経過後においても拡大予告画像50bの拡大を継続させて最終的に画面全体を覆った後、背景上の通常遊技状態中画像42をかき消すように破裂させる演出を行うとともに、図15(f)に示すように、新たな画像として前兆演出画像B43aを画面全体に表示させることで、以降前兆演出中の演出がメイン表示器8で実行されることとなる。
したがって、フェイク前兆演出の終了直後のゲームから前兆演出が再開することとなり、以降のゲームでは、終了したフェイク前兆演出と実行態様を同様にした複数のゲームに跨る前兆演出が実行されることとなる。
なお、図15(f)では、疑似ボーナス状態に当選した場合の前兆演出を示しているので、前兆演出画像B43aは本前兆演出に対応した演出画像となる。
【0272】
このように、副制御装置20では、例えば、チャンス役の当選を契機に、メイン表示器8において前兆演出画像A40aを表示することで、疑似ボーナス状態に移行するか否かを示唆可能な前兆演出を複数のゲームに跨って実行することが可能となっていて、さらに、その実行された前兆演出中のゲームにおいて、再度のチャンス役の当選を契機に、実行中の前兆演出の終了後に前兆演出を再開することが可能となっているのである。
すなわち、副制御装置20は、特典としての疑似ボーナス状態に移行するか否かを示唆可能な特定演出としての前兆演出を、複数のゲームに跨って実行させることが可能な特定演出制御手段と、前兆演出の実行中における特定条件の成立として、例えばチャンス役の当選に基づき、前兆演出の終了後に、所定の演出として再度前兆演出を実行させることが可能な演出再開制御手段と、を備えた構成となっているである。
【0273】
また、副制御装置20は、前兆演出の実行中において、例えばチャンス役に当選した場合には、予告画像A50aや拡大予告画像50bをメイン表示器8において表示させることで、前兆演出が実行されることを予告する予告演出を実行させることが可能な演出予告制御手段としても機能し、予告演出を実行する場合には、予告演出を特定演出としての前兆演出とメイン表示器8において併行して実行可能とするのである。
また、副制御装置20は、特典が付与されない場合の第2の特定演出としてのフェイク前兆演出の終了後に、所定の演出として前兆演出を再び実行可能とし、フェイク前兆演出の実行中において予告演出を実行可能とするのである。
【0274】
したがって、前兆演出中に再度疑似ボーナス状態の抽選契機役に当選した場合には、実行中の前兆演出に対する期待感の他に、再度の抽選契機役の当選に対する期待感が上乗せされることとなり、遊技者の期待感を効果的に高めることが可能となるのである。
また、前兆演出中に再度疑似ボーナス状態の抽選契機役に当選した場合には、予告演出が実行されるので、より分かり易い形で期待度が高まったことを遊技者に伝えることが可能となるのである。
さらに、予告演出は前兆演出と併行して実行されるので、一方の演出が他方の演出を阻害することが無くなり、両方の演出を存分に楽しめるような演出を実行することが可能となるのである。
【0275】
なお、上記実施形態においては、予告演出中に予告画像A50aを表示するようにしているが、前兆演出の再開を示唆(予告)するものであれば何れでもよく、例えば、所定のキャラクタやアイテムの画像を表示することで前兆演出の再開を示唆(予告)してもよいし、数値情報以外に配色を異ならせることで期待度を報知するようにしてもよい。
また、拡大予告画像50bを表示することで、前兆演出の再開に対する煽り演出を実行するようにしているが、前兆演出が再開するか否かに対する期待感を高めるものであれば何れでもよく、例えば、所定のキャラクタによる動作表示により前兆演出が再開するか否かの決定を示す演出を実行するようにしてもよい。
また、拡大予告画像50bを最初の前兆演出の終了直後のゲーム開始時に表示することで、前兆演出の終了直後のゲーム中に煽り演出を実行するようにしているが、前兆演出の最終ゲーム中や最終ゲームのゲーム終了後に煽り演出を実行するようにしてもよい。
【0276】
また、フェイク前兆演出の終了後に、所定の演出として前兆演出を再開させるようにしているが、フェイク前兆演出の終了後に前兆演出とは異なる演出態様の演出を実行させるようにしてもよいし、前兆演出が実行されるゲーム期間とは異なるゲーム期間で所定の演出を実行するようにしてもよい。例えば、フェイク前兆演出の終了後には、1ゲームや3ゲーム等の短い期間で完結する演出を、所定の演出として実行するようにしてもよい。
【0277】
また、前兆演出中において、例えば、メイン表示器8の画面背景を、所定条件の成立時に青色→緑色→赤色等に変化可能とするとともに、疑似ボーナス状態に当選していた場合には当選していない場合よりも、画面背景が変化する確率を高めるようにしたモードアップ制御を実行可能な機能を副制御装置20に備えて、フェイク前兆演出中に再度前兆演出を実行させる場合には、最初のフェイク前兆演出中に既に変化している画面背景を、再開した前兆演出で引き継ぐような制御を行うようにしてもよい。
すなわち、演出再開制御手段は、特定演出としての前兆演出の終了後に、所定の演出として前兆演出を再開させる場合に、最初の前兆演出での演出態様を再開する前兆演出に引き継がせる引き継ぎ制御を行ってもよいのである。
このようにすれば、前兆演出の再開時に一目で期待度の高い前兆演出が実行されたことを遊技者に認識させることが可能となるのである。
【0278】
また、上記した実施形態では、フェイク前兆演出の終了後に本前兆演出を実行する場合を示しているが、フェイク前兆演出の終了後に再びフェイク前兆演出を実行する場合には、最初のフェイク前兆演出の終了後に、再びフェイク前兆演出に対応する前兆演出画像A40aを表示すればよい。
また、前述したように待機期間の存在により、フェイク前兆演出の終了後直後から前兆演出が再開されない場合には、フェイク前兆演出の終了後に、一旦通常遊技状態中の演出画像が表示されることとなるが、この際に、予告画像A50aを通常遊技状態中画像42と併行して表示するようにし、再度の前兆演出の実行予定のゲームが開始された時点で、前述同様に拡大予告画像50bを表示した後に前兆演出画像B43aを表示すればよい。
以上のように、フェイク前兆演出中における予告演出が実行される。
【0279】
[フェイク前兆演出中の予告画像の出現率]
次に、フェイク前兆演出中の予告画像の出現率について図16を参照して説明する。
前述したように、副制御装置20では、フェイク前兆演出中に疑似ボーナス状態の抽選契機役(例えばチャンス役)に当選して、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選した場合には、所定の確率(例えば、80%)でフェイク前兆演出の終了後に本前兆演出を開始するようにしている。
一方、フェイク前兆演出中に疑似ボーナス状態の抽選契機役に当選して、疑似ボーナス状態の移行抽選に非当選となった場合には、所定の確率(例えば、10%)でフェイク前兆演出の終了後に再度フェイク前兆演出を開始するようにしている。
【0280】
また、副制御装置20では、フェイク前兆演出中における疑似ボーナス状態の抽選契機役の当選時での疑似ボーナス状態の移行抽選の当否結果、および、前兆演出を再開するか否かの結果に応じて、予告画像を出現させるか否か、および期待度の種類を決定する制御を行うようにしている。
【0281】
図16は、副制御装置20においてフェイク前兆演出中にチャンス役に当選した場合の予告画像の種類(期待度の種類)毎の予告画像の出現率(予告演出の実行確率)を示している。
まず、図16に示すように、当選内容が「チャンス役」となり、その際に疑似ボーナス状態に非当選となり前兆演出の再開無しと決定した場合には、「出現無し」、すなわち予告画像を出現しないとする確率が87%、「30%」の数値情報を含む予告画像を出現させる確率が10%、「50%」の数値情報を含む予告画像を出現させる確率が3%、「100%」の数値情報を含む予告画像を出現させる確率が0%となるように予告画像の出現制御、すなわち予告演出の実行制御が行われる。
【0282】
同様に、当選内容が「チャンス役」となり、その際に疑似ボーナス状態に非当選となり前兆演出の再開有りと決定した場合には、「出現無し」とする確率が50%、「30%」の数値情報を含む予告画像を出現させる確率が35%、「50%」の数値情報を含む予告画像を出現させる確率が15%、「100%」の数値情報を含む予告画像を出現させる確率が0%となるように予告画像の出現制御が行われる。
【0283】
同様に、当選内容が「チャンス役」となり、その際に疑似ボーナス状態に当選となり前兆演出の再開無しと決定した場合には、「出現無し」とする確率が80%、「30%」の数値情報を含む予告画像を出現させる確率が15%、「50%」の数値情報を含む予告画像を出現させる確率が5%、「100%」の数値情報を含む予告画像を出現させる確率が0%となるように予告画像の出現制御が行われる。
【0284】
同様に、当選内容が「チャンス役」となり、その際に疑似ボーナス状態に当選となり前兆演出の再開有りと決定した場合には、「出現無し」とする確率が30%、「30%」の数値情報を含む予告画像を出現させる確率が40%、「50%」の数値情報を含む予告画像を出現させる確率が25%、「100%」の数値情報を含む予告画像を出現させる確率が5%となるように予告画像の出現制御が行われる。
なお、一度予告画像の出現が決定された場合には、その後のゲームで疑似ボーナス状態の抽選契機役に当選しても、予告画像の出現の抽選としては無効とされる。
【0285】
以上のような出現率となるように、予告画像の出現制御、すなわち予告演出の実行制御が行われることから、フェイク前兆演出中にチャンス役に当選した際に予告演出が実行された場合には、フェイク前兆演出の終了後に再度前兆演出が実行される可能性が高まることとなり、予告演出が実行された際の遊技者に期待感を高めることが可能となるのである。
【0286】
また、副制御装置20は、フェイク前兆演出中にチャンス役に当選した際の、特典としての疑似ボーナス状態に移行するか否かの抽選結果に応じて、予告演出の実行態様として予告画像における期待度を示す数値情報を変更可能とするのである。
したがって、予告演出が実行された場合には、その期待度を示す数値情報が大きいほど、前兆演出の再開の可能性の他、前兆演出が再開した場合に疑似ボーナス状態に移行する確率が高まることとなり、数値情報の大きい予告画像が出現した際には、遊技者の期待感をより高めることが可能となるのである。
さらに、「100%」を含む予告画像が出現した場合には、疑似ボーナス状態に移行することが確定することとなり、遊技者の期待感を極めて高めることが可能となるのである。
【0287】
また、副制御装置20は、前兆演出が再開されない場合や、フェイク前兆演出中に疑似ボーナス状態に当選しない場合でも、予告画像が出現するようにしている。
すなわち、副制御装置20は、フェイク前兆演出の実行中において、特定条件としての疑似ボーナス状態の抽選契機役の当選の成立に基づいて、特典が付与されない場合でも予告演出を実行可能とするのである。
したがって、予告演出全体の実行確率を高めることが可能となり、遊技の興趣性や遊技者の期待感を高めることが可能となるのである。
また、予告演出が実行されない場合でも、疑似ボーナス状態に移行することもあることから、予告演出が実行されなかった場合の遊技者の落胆感を防止することも可能となるのである。
【0288】
また、図16では、フェイク前兆演出中に疑似ボーナス状態の抽選契機役として、チャンス役当選時における予告画像の出現率を例示しているが、他の役(例えば、強チェリー役)の当選時にも同様に予告画像の出現制御が行われる。
なお、チャンス役と強チェリー役の当選別に、異なる出現率で予告画像を出現させてもよい。
また、予告画像が出現した場合には、出現しない場合よりも、前兆演出が再開される可能性が高くなるものであれば、上記した出現率以外としてもよいし、さらに、数値情報が大きくなるほど、前兆演出が再開される可能性および疑似ボーナス状態に当選している可能性が高まるものであれば、上記した出現率以外としてもよい。
【0289】
また、疑似ボーナス状態の発生制御として、疑似ボーナス状態の抽選契機役の当選に基づき疑似ボーナス状態を発生させる以外に、予め定められているゲーム数分のゲームを実行した場合に疑似ボーナス状態を発生させるようにしてもよく、この場合(所謂ゲーム数管理の場合)には、フェイク前兆演出中に、予め定められているゲーム数の到達前の所定ゲーム数(例えば、30ゲーム)前の時期が到達した時点で、予告画像を出現させて予告演出を実行するようにしてもよい。
したがって、この場合には、フェイク前兆演出の終了後に、実行ゲーム数の消化を契機に移行する疑似ボーナス状態に対する本前兆演出が再開されることとなる。
以上のように、フェイク前兆演出中の予告画像の出現率が決定される。
【0290】
[本前兆演出中に予告演出を実行する場合の表示例]
次に、図17を参照して、メイン表示器8で表示される本前兆演出中の予告演出について説明する。
前述したように、副制御装置20は、フェイク前兆演出中に再度チャンス役に当選した場合には、所定の確率で予告演出を実行するようにしているが、疑似ボーナス状態の移行が決定された際に実行される本前兆演出中においても、再度のチャンス役の当選に基づき所定の確率で予告演出を実行するようにしている。
【0291】
ただし、本前兆演出は、既に疑似ボーナス状態の移行が決定された場合に実行されるので、本前兆演出中のゲームにおいては、疑似ボーナス状態の移行抽選は行われないことから、本前兆演出中に実行される予告演出は、前兆演出の再開を示唆(予告)するものではなく、本前兆演出の終了後に発生する疑似ボーナス状態に対して、付加される特典を示唆するものとなっている。
つまり、本前兆演出中においてチャンス役に当選した場合には、その後に発生する疑似ボーナス状態に対して特典を付加するか否かを決定し、その決定結果に関連して予告演出が実行されるものとなっているのである。
【0292】
本実施形態においては、本前兆演出中においてチャンス役に当選した場合には、ゲーム数の上乗せ抽選を行い、所定の確率(例えば、10%)で10ゲームの上乗せに当選し、所定の確率(例えば、5%)で20ゲームの上乗せに当選して、当選した上乗せゲーム数が疑似ボーナス状態の初期ゲーム数に対して加算(上乗せ)されるものとなっていて、これら上乗せ抽選の結果に基づいて予告演出を実行するようにしている。
【0293】
図17は、本前兆演出中に実行されるゲームにおいてチャンス役に当選した場合のメイン表示器8の演出画像を示している。
まず、図17(a)に示すように、本前兆演出が実行されると、メイン表示器8の画面主要部において本前兆演出に対応する前兆演出画像B43aが実行される。
なお、本前兆演出は、見た目上はフェイク前兆演出と区別が出来ないものとなっているので、前兆演出画像B43aとしては、前兆演出画像A40a(図15参照)と同様に、所定のキャラクタが洞窟を進んでいくような演出画像(動画)が表示されることとなる。
【0294】
次に、図17(b)は、本前兆演出中にチャンス役に当選し、その後のゲームにおけるゲーム実行中のメイン表示器8での演出画像を示している。
図17(b)に示すように、本前兆演出中にチャンス役に当選すると、その後のゲームにおいてフェイク前兆演出中にチャンス役に当選した場合と同様に、予告画像A50aが実行中の本前兆演出と併行してメイン表示器8の右下側に現出表示される。
本前兆演出中にチャンス役に当選すると、ゲーム数の上乗せ抽選が行われ、この上乗せ抽選に基づいて予告画像A50aが表示されることとなるが、実行中の前兆演出が見た目上は本前兆演出か否かが分からないので、フェイク前兆演出時の前兆演出の再開を示唆するものと同様の予告画像A50aが表示されるのである。
【0295】
予告画像A50aは、フェイク前兆演出中と同様に、「予告」の文字情報や、例えば「30%」の数値情報が含まれたものとなっている。
また、出現した予告画像A50aは、実行中の本前兆演出が終了するまで継続して表示されることとなる。
なお、期待度の表示に関しての詳細は後述する。
【0296】
次に、図17(c)は、本前兆演出の終盤で実行される連続演出の最終ゲームにおけるゲーム終了後のメイン表示器8での演出画像を示している。
図17(c)に示すように、本前兆演出は疑似ボーナス状態に当選であった場合に実行されるので、連続演出の最終ゲームにおけるゲーム終了後には、主人公キャラクタが対戦演出で勝利したことを示す画像や、「勝利」の文字情報等を含む結果画像B43bがメイン表示器8の画面主要部に表示される。
また、連続演出の最終ゲームにおけるゲーム終了後においても、予告画像A50aは継続して表示される。
【0297】
次に、図17(d)は、本前兆演出の終了後に実行される最初のゲームにおけるゲーム開始時のメイン表示器8での演出画像を示している。
図17(d)に示すように、本前兆演出の終了後の最初のゲームが開始されると、既に表示されていた予告画像A50aが拡大予告画像50bに変化して、前述同様に前兆演出の再開に対する期待感を高めるような煽り演出と同様の煽り演出が実行される。
なお、拡大予告画像50bは、例えば、予告画像A50aが徐々に拡大していく動画で構成され、ゲーム開始から所定時間(例えば、2秒)の間実行される。
また、拡大予告画像50bの背景には、連続演出が勝利となった後のゲームであるので、疑似ボーナス状態中の画像である疑似ボーナス状態中画像44(図17(e)参照)が表示される。
【0298】
そして、本前兆演出中のチャンス役の当選時に上乗せ抽選に当選しなかった場合には、ゲーム開始から所定時間経過後に、拡大予告画像50bを急激に収縮させて最終的に消去させることで、図17(e)に示すように、背景上に表示されていた疑似ボーナス状態中画像44が画面全体に表示されることとなり、以降疑似ボーナス状態中の演出がメイン表示器8で実行されることとなる。
【0299】
一方、本前兆演出中のチャンス役の当選時に上乗せ抽選に当選した場合には、ゲーム開始から所定時間経過後においても拡大予告画像50bの拡大を継続させて最終的に画面全体を覆った後に破裂させる演出を行うとともに、図17(f)に示すように、疑似ボーナス状態中画像44の前面に新たな画像として上乗せ画像60を現出表示させることで、疑似ボーナス状態の残ゲーム数にゲーム数が上乗せされたことが報知されることとなる。
なお、図17(f)では、上乗せ抽選により10ゲームの上乗せに当選した場合を例示しているので、上乗せ画像60として「+10G」の情報が表示されている。
【0300】
このように、本前兆演出の実行中に予告演出が実行された場合には、予告演出の終了時に上乗せゲーム数を報知する上乗せ演出が実行されることとなる。
すなわち、演出予告制御手段として副制御装置20は、第1の特定演出としての本前兆演出の実行中においても、例えばチャンス役に当選した場合には、予告画像A50aや拡大予告画像50bを表示させることで予告演出を実行させることが可能となっている。そして、予告演出に関連して、付与される特典に関わる特典関連演出として、疑似ボーナス状態のゲーム数に上乗せされるゲーム数を報知可能な上乗せ演出を実行可能とするのである。
【0301】
したがって、本前兆演出中に再度疑似ボーナス状態の抽選契機役に当選した場合でも予告演出が実行されることとなり、前兆演出中の予告演出の実行の有無により、実行中の前兆演出が本前兆演出かフェイク前兆演出かを遊技者に事前に認識されてしまうことを防止でき、前兆演出に対する遊技者の興味を最後まで持続させることが可能となるのである。
【0302】
これは、フェイク前兆演出中の予告演出は、前兆演出の再開を示唆するものであるので、予告演出が実行された時点で、実行中の前兆演出がフェイク前兆演出であることが確定してしまうこととなるので、予告演出の実行が遊技者の期待感を低下させてしまうといった一面もあるが、本実施形態においては、本前兆演出においても予告演出を実行し、この予告演出を利用して上乗せ演出を実行するようにしているので、遊技者にゲーム数の上乗せに対する期待感を高めた上で、最初に実行されている前兆演出がフェイク前兆演出であることが確定しまうことを防止でき、前兆演出に対する遊技者の期待感が低下してしまうことを防止することが可能となるのである。
以上のように、本前兆演出中における予告演出が実行される。
【0303】
[本前兆演出中の予告画像の出現率]
次に、本前兆演出中の予告画像の出現率について図18を参照して説明する。
前述したように、主制御装置10では、本前兆演出中に疑似ボーナス状態の抽選契機役(例えばチャンス役)に当選した場合には、所定の確率(例えば、10%)で10ゲームの上乗せに当選し、所定の確率(例えば、5%)で20ゲームの上乗せに当選するようなゲーム数の上乗せ抽選を行っている。
また、副制御装置20では、上記ゲーム数の上乗せ抽選の結果に基づき、予告画像をメイン表示器8に出現させるか否かの制御を行うようにしている。
【0304】
図18は、副制御装置20において本前兆演出中にチャンス役に当選した場合の予告画像の種類(期待度の種類)毎の予告画像の出現率(予告演出の実行確率)を示している。
まず、図18に示すように、当選内容が「チャンス役」となり、その際の上乗せ抽選で上乗せ無しと決定した場合には、「出現無し」、すなわち予告画像を出現しないとする確率が75%、「30%」の数値情報を含む予告画像を出現させる確率が20%、「50%」の数値情報を含む予告画像を出現させる確率が5%、「100%」の数値情報を含む予告画像を出現させる確率が0%、「上乗せ100%」の数値情報を含む予告画像を出現させる確率が0%となるように予告画像の出現制御、すなわち予告演出の実行制御が行われる。
なお、「上乗せ100%」の予告画像は、フェイク前兆演出中には出現しない予告画像であり、抽選結果が100%で当選であることの他、抽選内容が上乗せであること、すなわち実行中の前兆演出が本前兆演出であることを報知するものとなっている。
【0305】
同様に、当選内容が「チャンス役」となり、その際の上乗せ抽選で10ゲームの上乗せに当選した場合には、「出現無し」、すなわち予告画像を出現しないとする確率が60%、「30%」の数値情報を含む予告画像を出現させる確率が25%、「50%」の数値情報を含む予告画像を出現させる確率が12%、「100%」の数値情報を含む予告画像を出現させる確率が3%、「上乗せ100%」の数値情報を含む予告画像を出現させる確率が0%となるように予告画像の出現制御、すなわち予告演出の実行制御が行われる。
【0306】
同様に、当選内容が「チャンス役」となり、その際の上乗せ抽選で20ゲームの上乗せに当選した場合には、「出現無し」、すなわち予告画像を出現しないとする確率が50%、「30%」の数値情報を含む予告画像を出現させる確率が30%、「50%」の数値情報を含む予告画像を出現させる確率が15%、「100%」の数値情報を含む予告画像を出現させる確率が4%、「上乗せ100%」の数値情報を含む予告画像を出現させる確率が1%となるように予告画像の出現制御、すなわち予告演出の実行制御が行われる。
【0307】
以上のような出現率となるように、予告画像の出現制御(予告演出の実行制御)が行われることから、本前兆演出中にチャンス役に当選した際に予告画像が出現した場合には、本前兆演出の終了後に実行される疑似ボーナス状態の継続ゲームに対して、ゲーム数が上乗せされる可能性が高まることとなり、遊技者の期待感を高めることが可能となるのである。
【0308】
また、本前兆演出中に予告画像が出現した場合には、その期待度を示す数値情報が多いほど、ゲーム数の上乗せの可能性の他、上乗せされるゲーム数が多くなる確率が高まることとなり、数値情報の多い予告画像が出現した際には、遊技者の期待感をより高めることが可能となるのである。
また、「100%」を含む予告画像が出現した場合には、ゲーム数の上乗せが確定することとなり、遊技者の期待感をより高めることが可能となるのである。
また、「上乗せ100%」を含む予告画像が出現した場合には、ゲーム数の上乗せが確定する他、実行中の前兆演出が本前兆演出であることが確定することとなり、遊技者の期待感を極めて高めることが可能となるのである。
【0309】
また、ゲーム数の上乗せが行われない場合でも、予告画像が出現するような出現制御が行われることから、その分本前兆演出中における予告画像全体の出現率を高めることが可能となり、遊技の興趣性を高めることが可能となるとともに、予告画像の出現により実行中の前兆演出がフェイク前兆演出であることが確定してしまうことを効率よく防止することが可能となるのである。
また、予告画像が出現しない場合でも、ゲーム数の上乗せが行われることもあることから、予告画像が出現しない場合の遊技者の落胆感を防止することが可能となるのである。
【0310】
また、図18では、本前兆演出中に疑似ボーナス状態の抽選契機役として、チャンス役当選時における予告画像の出現率を例示しているが、他の役(例えば、強チェリー役)の当選時にも同様に予告画像の出現制御が行われる。
なお、チャンス役と強チェリー役の当選別に、異なる出現率で予告画像を出現させてもよい。
また、予告画像が出現した場合には、出現しない場合よりも、ゲーム数の上乗せが行われる可能性が高くなるものであれば、上記した出現率以外としてもよいし、さらに、数値情報が多くなるほど、ゲーム数の上乗せされる可能性およびより多くのゲーム数が上乗せされる可能性が高まるものであれば、上記した出現率以外としてもよい。
以上のように、本前兆演出中の予告画像の出現率が決定される。
【0311】
[予告演出の変形例1]
次に、図19を参照して、予告演出の変形例1として、フェイク前兆演出中に表示される予告画像を変化させる予告演出について説明する。
前述したように、フェイク前兆演出中に疑似ボーナス状態の抽選契機役として、例えばチャンス役に当選した場合には、所定の確率で予告画像をメイン表示器8に表示することで予告演出を実行するようにしているが、その際の予告画像の種類である数値情報は、予告画像の出現の決定時に図15で示した確率で決定するようにしている。
前述した実施形態では、最初に出現させた予告画像を、予告演出が終了するまで継続して表示するようにしているが、予告演出の変形例1では、最初に出現させた予告画像を、その後のゲームにおける疑似ボーナス状態の抽選契機役の当選を契機に変更可能にしている。
【0312】
副制御装置20では、予告画像の変更に関して、予告画像が変更された場合には、変更されない場合よりも、前兆演出の再開や、本前兆演出が再開されることに対する期待度が高まるような制御を行うようにしていて、例えば、既に「30%」の数値情報を含む予告画像が出現している間に実行されたゲームにおいて、疑似ボーナス状態の抽選契機役に当選した際には、前兆演出を再開すると既に決定されていた場合では、20%の確率で「50%」の数値情報を含む予告画像に変更し、前兆演出を再開すると決定されていない場合では、10%の確率で「50%」の数値情報を含む予告画像に変更するような変更制御を行うようにしている。
【0313】
同様に、既に「50%」の数値情報を含む予告画像が出現している間に実行されたゲームにおいて、疑似ボーナス状態の抽選契機役に当選した際には、本前兆演出を再開すると既に決定されていた場合にのみ、3%の確率で「100%」の数値情報を含む予告画像に変更するような変更制御を行うようにしている。
したがって、予告画像が変更された場合には、前兆演出が再開される期待度や、再開された前兆演出が本前兆演出である期待度が高まるのである。
なお、既に「100%」の数値情報を含む予告画像が出現している間に実行されたゲームにおいて、疑似ボーナス状態の抽選契機役に当選した際には、予告画像の変更は行われない。
【0314】
まず、図19(a)は、フェイク前兆演出中において予告演出が実行され、「30%」の数値情報を含む予告画像A50aの表示が決定された場合のメイン表示器8での演出画像を示している。
図19(a)に示すように、フェイク前兆演出中において、例えばチャンス役に当選して予告演出を実行すると決定されると、前述同様に前兆演出画像A40aとともに予告画像A50aがメイン表示器8において表示される。
【0315】
次に、図19(b)は、既に予告演出が実行されている間に、例えばチャンス役に当選して予告画像を変更することが決定された場合のメイン表示器8での演出画像を示している。
図19(b)に示すように、既に予告演出が実行されている間に予告画像を変更することが決定された場合には、メイン表示器8に表示されていた予告画像A50aが、「50%」の数値情報を含む予告画像B50cに変更される。
なお、予告画像が変更されても、前兆演出画像A40aは影響を受けずにそのまま表示される。
その後、図示は省略するが前述同様に、煽り演出の実行後に通常遊技状態中の画像に復帰するか、あるいは前兆演出が再開することとなる。
【0316】
以上のように、予告演出の変形例1においては、既に予告演出が実行されているフェイク前兆演出中における疑似ボーナス状態の抽選契機役の当選に基づき、予告画像が期待度の高い予告画像に変更可能とするのである。
すなわち、副制御装置20は、特定演出としての前兆演出の実行中において、疑似ボーナス状態の抽選契機役に当選する毎に、予告演出の実行態様を変化させるか否かの抽選を行い、予告演出の実行態様を変化させると決定した場合には、既に実行されている予告演出に対して、その実行態様を変化させるのである。
したがって、フェイク前兆演出中に疑似ボーナス状態の抽選契機役に当選する度に、前兆演出の再開や、本前兆演出の再開に対する遊技者の期待感を高めることが可能となり、また、予告演出の実行態様の変化といったより分かり易い形で、期待度が高まったことを報知することができ、遊技者の期待感を効率よく高めることが可能となるのである。
【0317】
なお、既に前兆演出の再開が決定されているか否かに応じて、予告画像を変更するか否かを決定するようにしているが、例えば、前兆演出を再開しない場合に予告画像を出現させている間に、その前兆演出中に疑似ボーナス状態の抽選契機役の当選に基づき前兆演出を再開させる新たな抽選を行い、この抽選結果により前兆演出を再開すると改めて決定した場合や、疑似ボーナス状態の抽選契機役の当選により疑似ボーナス状態の移行抽選に当選した場合に、予告画像を変更するようにしてもよい。
また、本前兆演出中の予告画像についても、疑似ボーナス状態の抽選契機役の当選を契機に、ゲーム数の上乗せが行われる確率が高まるように予告画像を変更するようにしてもよい。
以上のように、予告演出の変形例1が実現される。
【0318】
[予告演出の変形例2]
次に、図20を参照して、予告演出の変形例2として、フェイク前兆演出中に表示される予告画像を追加表示する予告演出について説明する。
上記した予告演出の変形例1では、最初に出現させた予告画像を途中で変更するようにしているが、予告演出の変形例2では、最初に出現させた予告画像に加え、その後のゲームにおける疑似ボーナス状態の抽選契機役の当選を契機に、新たな予告画像を追加表示可能にしている。
【0319】
副制御装置20では、前述した図16の出現率となるように予告画像を出現させるような制御を行うようにしているが、一度予告画像の出現が決定された場合には、その後のゲームで疑似ボーナス状態の抽選契機役に当選しても、予告画像の出現の抽選としては無効とするような制御を行うようにしている。
【0320】
それに対して、予告演出の変形例2では、予告画像が出現しているか否かに関わらず、疑似ボーナス状態の抽選契機役の当選毎に、予告画像を出現させるか否かを決定するようにしている。
したがって、既に予告画像が出現している場合でも、その後のゲームにおいて疑似ボーナス状態の抽選契機役に当選した場合には、その抽選に基づく新たな予告画像を出現させる制御が行われ、複数の予告画像の出現の抽選に当選した場合には、複数の予告画像をメイン表示器8において表示可能としているのである。
【0321】
なお、既に予告画像が出現している後のゲームにおいて疑似ボーナス状態の抽選契機役に当選した場合にも、前述の図16に示す出現率となるように予告画像の出現制御が行われる。
ただし、メイン表示器8の画面面積の関係上、予告画像の数には所定の上限数(例えば、3個)を設けることが好ましい。
【0322】
まず、図20(a)は、フェイク前兆演出中において予告演出が実行され、「30%」の数値情報を含む予告画像A50aの表示が決定された場合のメイン表示器8での演出画像を示している。
図20(a)に示すように、フェイク前兆演出中において、例えばチャンス役に当選して予告演出を実行すると決定されると、前述同様に前兆演出画像A40aとともに予告画像A50aがメイン表示器8において表示される。
【0323】
次に、図20(b)は、既に予告演出が実行されている間に、例えばチャンス役の当選に基づき、予告画像を追加表示することが決定された場合のメイン表示器8での演出画像を示している。
図20(b)に示すように、既に予告演出が実行されている間に、例えばチャンス役の当選に基づき、「50%」の数値情報を含む予告画像を出現することが決定された場合には、メイン表示器8に既に表示されていた予告画像A50aの他に、新たに「50%」の数値情報を含む予告画像B50cが追加表示される。
なお、予告画像が追加表示されても、前兆演出画像A40aは影響を受けずにそのまま表示される。
【0324】
その後、図示は省略するが前述同様に、煽り演出の実行後に通常遊技状態中の画像あるいは前兆演出が再開することとなるが、煽り演出は、予告画像の出現順かつ予告画像毎に実行され、最初の予告画像に対する煽り演出の後に前兆演出が再開された場合には、残りの予告画像の煽り演出は無効となり、最初の予告画像に対する煽り演出の後に前兆演出が再開されなかった場合には、次いで最初の予告画像の煽り演出と同様に次の予告演出に対する煽り演出が実行されることとなる。
なお、何れかの煽り演出中に、例えば、リール4に対する最初の停止操作が行われた場合に煽り演出をキャンセル可能としてもよい。
【0325】
以上のように、予告演出の変形例2においては、フェイク前兆演出中における疑似ボーナス状態の抽選契機役の当選毎に予告画像を出現させて、複数の予告画像を出現可能とするのである。
すなわち、副制御装置20は、特定演出としての前兆演出の実行中において、疑似ボーナス状態の抽選契機役に当選する毎に、予告演出を実行させるか否か抽選を行い、予告演出を実行させると決定した場合には、既に実行されている予告演出の他に、新たな予告演出を実行させるのである。
したがって、前兆演出中における疑似ボーナス状態の抽選契機役の当選毎に、前兆演出の再開や、本前兆演出の再開に対する遊技者の期待感を高めることが可能となるのである。
【0326】
なお、既に予告画像が出現している場合と、出現していない場合とで異なる予告画像の出現率となるように予告画像を出現させる制御を行うようにしてもよい。
また、本前兆演出中の予告画像についても、疑似ボーナス状態の抽選契機役の当選毎に、予告画像を出現させる抽選を行うことで、複数の予告画像を出現可能とするようにしてもよい。
以上のように、予告演出の変形例2が実現される。
【0327】
[予告演出の変形例3]
次に、図21を参照して、予告演出の変形例3として、フェイク前兆演出中に、付与される特典に対して異なる種類の予告画像を併行して表示する予告演出について説明する。
上記した予告演出の変形例2では、複数の予告画像を出現可能としているが、出現した予告画像は全て、前兆演出の再開や、疑似ボーナス状態の移行等の疑似ボーナス状態に関する予告(示唆)となっている。
それに対して、予告演出の変形例3では、疑似ボーナス状態に関する予告(示唆)の他に、CZ状態に関する予告(示唆)も可能としている。
したがって、予告演出の変形例3における副制御装置20では、フェイク前兆演出中のゲームにおいて、CZ状態の抽選契機役(例えば、強スイカ役)の当選に基づき、CZ状態の移行に関する予告(示唆)を行うことが可能となっているのである。
【0328】
また、副制御装置20では、例えば、フェイク前兆演出中のゲームにおいてCZ状態の抽選契機役に当選して、CZ状態の移行抽選に当選した場合には、50%の確率でCZ状態の移行に対する予告画像を表示し、CZ状態の移行抽選に当選していない場合には、10%の確率でCZ状態の移行に対する予告画像を表示することで、CZ状態の移行に対する予告画像が表示された場合には、CZ状態の移行に対する期待感を高めるようにしている。
【0329】
また、既に予告画像が出現している場合でも、その後のゲームにおいてCZ状態の抽選契機役に当選した場合には、その抽選に基づく新たな予告画像を出現させる制御が行われ、複数の予告画像の出現の抽選に当選した場合には、複数の予告画像をメイン表示器8において表示可能としているのである。
ただし、メイン表示器8の画面面積の関係上、予告画像の数には所定の上限数(例えば、3個)を設けることが好ましい。
【0330】
まず、図21(a)は、フェイク前兆演出中において予告演出が実行され、疑似ボーナス状態に関する予告画像である、「30%」の数値情報を含む予告画像A50aの表示が決定された場合のメイン表示器8での演出画像を示している。
図21(a)に示すように、フェイク前兆演出中において、例えばチャンス役に当選して予告演出を実行すると決定されると、前述同様に前兆演出画像A40aとともに予告画像A50aがメイン表示器8において表示される。
【0331】
次に、図21(b)は、既に予告演出が実行されている間に、例えば強スイカ役の当選に基づき、予告画像を追加表示することが決定された場合のメイン表示器8での演出画像を示している。
図21(b)に示すように、既に予告演出が実行されている間に、例えば強スイカ役の当選に基づき、予告画像を出現することが決定された場合には、メイン表示器8に既に表示されていた予告画像A50aの他に、CZ状態に関する予告画像であるCZ予告画像50eが新たに追加表示される。
なお、予告画像が追加表示されても、前兆演出画像A40aは影響を受けずにそのまま表示される。
【0332】
また、図21(b)には、CZ予告画像50e中の期待度として「50%」が含まれたものとなっているが、この際の期待度は、疑似ボーナス状態に関する予告画像と同様に、期待度が高いほどCZ状態の移行に対する確率が高くなるような画像の選択制御を行えばよい。
また、CZ状態に関する予告画像であるCZ予告画像50eは、予告画像A50aとは異なる配色、模様、大きさ、および登場キャラクタ等にすることが好ましい。
【0333】
その後、図示は省略するが前述同様に、煽り演出の実行後に通常遊技状態の画像あるいは前兆演出が再開することとなるが、煽り演出は、疑似ボーナス状態に関する予告画像である予告画像A50aから実行され、予告画像A50aに対する煽り演出の後に前兆演出が再開された場合には、残りの予告画像の煽り演出は無効となり、予告画像A50aに対する煽り演出の後に前兆演出が再開されなかった場合には、次いで予告画像A50aに対する煽り演出と同様にCZ状態に関する予告画像であるCZ予告画像50eに対する煽り演出が実行されることとなる。
【0334】
なお、何れかの煽り演出中に、例えば、リール4に対する最初の停止操作が行われた場合に煽り演出をキャンセル可能としてもよい。
また、予告画像A50aよりも前にCZ予告画像50eが出現する可能性もあるが、この場合でも、遊技者の期待感が低下しないように、予告画像A50a→CZ予告画像50eの順に煽り演出を行うことが好ましい。
【0335】
また、予告演出の変形例3では、CZ状態に移行する場合にも、複数のゲームに跨るCZ前兆演出を実行するようにしているので、フェイク前兆演出中にCZ状態の移行抽選に当選して予告画像が表示された場合には、フェイク前兆演出の終了後に、CZ前兆演出が再開されることとなる。
なお、CZ状態の抽選契機役に当選してから実際にCZ状態を発生させるまでの期間(遅延期間)が短い場合には、フェイク前兆演出が終了する前にCZ状態に移行する時期に到達する場合もあるが、その場合には、その時点でCZ予告画像50eに対する煽り演出を実行して、CZ状態に当選していた場合には、その後CZ状態中の画像に変更して、CZ状態に移行させることようにしてもよいし、このような場合には、遅延期間を延長させてフェイク前兆演出の終了後にCZ状態を発生させるようにしてもよい。
【0336】
以上のように、予告演出の変形例3においては、フェイク前兆演出中における疑似ボーナス状態に関する予告画像の他に、CZ状態に関する予告画像も出現して、複数の予告画像が出現する可能性があるので、特典付与の抽選契機役の当選毎に、遊技者の期待感を高めることが可能となるのである。
また、遊技者にとっての有利度合いの異なる特典に対する予告画像を個別に表示するので、その分予告画像全体の出現確率が高まり遊技者の期待感を高めることが可能となるし、より多彩な演出が可能となり、遊技の興趣性を高めることも可能となるのである。
【0337】
なお、本前兆演出中の予告画像についても、疑似ボーナス状態の抽選契機役の当選、およびCZ状態の抽選契機役の当選毎に、予告画像を出現させる抽選を行うことで、複数の予告画像を出現可能とするようにしてもよい。
この場合には、CZ状態の抽選契機役の当選にもゲーム数の上乗せ抽選を行うことで、予告演出を上乗せ演出に利用することが好ましい。
また、フェイク前兆演出中(通常遊技状態中)において、AT状態に直接当選した場合にも、AT状態に直接当選したことを予告(示唆)する予告画像を表示するようにしてもよい。
【0338】
また、疑似ボーナス状態に関する予告画像と、CZ状態に関する予告画像をそれぞれ複数出現可能としてもよいが、演出の煩雑化を防止するために、予告画像の数に所定の上限数(例えば、3個)を設けることが好ましい。さらに、所定の上限数を設定した場合には、所定の上限数に達した状態において疑似ボーナス状態に関する予告画像の追加が生じた際には、既に表示されているCZ状態に関する予告画像を消去することで、有利度の高い疑似ボーナス状態に関する予告画像を優先的に追加表示するようにしてもよい。
以上のように、予告演出の変形例3が実現される。
【0339】
以上説明したように、本発明においては、遊技者による操作に基づきゲームを実行するとともに、前記ゲームに関連した演出を実行するようにした遊技機(スロットマシン1)において、特定条件の成立に基づき、特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置10)と、前記特典付与手段により特典が付与されるか否かを示唆可能な特定演出(前兆演出)を、複数のゲームに跨って実行させることが可能な特定演出制御手段(副制御装置20)と、前記特定演出の実行中における前記特定条件の成立に基づき、前記特定演出の終了後に、所定の演出(例えば、前兆演出)を実行させることが可能な演出再開制御手段(副制御装置20)と、前記特定演出の実行中における前記特定条件の成立に基づき、前記所定の演出が実行されることを予告する予告演出を実行させることが可能な演出予告制御手段(副制御装置20)と、を備え、前記演出予告制御手段は、前記予告演出を前記特定演出と併行して実行可能な構成としている。
【0340】
ここで、特典付与手段、特定演出制御手段、演出再開制御手段は、演出予告制御手段は、主制御装置10が備えるものであってもよいし副制御装置20が備えるものであってもよい。また、主制御装置10と副制御装置20の協働により構成されるものであってもよい。
また、演出は、液晶表示器、LED表示器、EL表示器等の複数の情報を表示する表示手段で実行されるものでもよいし、スピーカや、ランプ等の発光手段で実行されるものでもよい。
【0341】
したがって、特定演出中の実行中において特定条件が成立した場合には、実行中の特定演出に対する期待感の他に、特定演出中の実行中の特定条件の成立に対する期待感も上乗せされることとなり、遊技者の期待感を効果的に高めることが可能となるのである。
また、特定演出中の実行中において特定条件が成立した場合には、予告演出が実行されるので、より分かり易い形で期待度が高まったことを遊技者に伝えることが可能となるのである。
さらに、予告演出は特定演出と併行して実行されるので、一方の演出が他方の演出を阻害することが無くなり、両方の演出を存分に楽しめるような演出を実行することが可能となるのである。
【0342】
また、前記演出再開制御手段は、前記特定演出と関連した態様で前記所定の演出を複数のゲームに跨って実行可能な構成としている。
したがって、より分かり易い形の演出で長時間遊技者の期待感を高めることが可能となる。
【0343】
また、前記特定演出制御手段は、前記特典付与手段により特典が付与される場合の第1の特定演出(本前兆演出)と、前記特典付与手段により特典が付与されない場合の第2の特定演出(フェイク前兆演出)と、を実行可能とし、前記演出再開制御手段は、前記第2の特定演出の終了後に、前記所定の演出を実行可能とし、前記演出予告制御手段は、前記第2の特定演出の実行中において前記予告演出を実行可能な構成としている。
したがって、特典が付与されない場合の第2の特定演出が実行された場合でも、第2の特定演出の終了後に所定の演出が実行される可能性が生じるので、特定演出全体に対する遊技者の期待感が低下してしまうことを防止することが可能となる。
【0344】
また、前記演出予告制御手段は、前記第1の特定演出の実行中においても前記予告演出を実行可能とし、前記第1の特定演出の終了に基づき、前記予告演出に関連して、付与される特典に関わる特典関連演出を実行可能な構成としている。
したがって、第1の特定演出の実行中に特定条件が成立した場合でも予告演出が実行されることとなり、特定演出の実行中における予告演出の実行の有無により、実行中の特定演出が第1の特定演出か、あるいは第2の特定演出かを遊技者に覚られてしまうことを防止でき、特定演出に対する遊技者の興味を最後まで持続させることが可能となる。
【0345】
また、前記演出予告制御手段は、前記特定演出の実行中における前記特定条件の成立に基づいて前記特典付与手段により特典が付与されない場合でも、前記予告演出を実行させることを可能な構成としている。
したがって、予告演出全体の実行確率を高めることが可能となり、遊技の興趣性や遊技者の期待感を高めることが可能となる。
【0346】
また、前記演出予告制御手段は、前記特定演出の実行中における前記特定条件の成立に基づいて前記特典付与手段により特典が付与されるか否かに応じて、前記予告演出の実行態様を変更可能な構成としている。
したがって、予告演出の実行態様に応じて特典が付与される期待度が変化することとなり、遊技者の期待感が種々変化するような興趣性の高い遊技を実行することが可能となる。
【0347】
また、前記演出予告制御手段は、前記特定演出の実行中における前記特定条件の成立毎に、前記予告演出を実行可能な構成としている。
したがって、特定演出中における特定条件の成立毎に、遊技者の期待感を高めることが可能となる。
【0348】
また、前記演出予告制御手段は、前記特定演出の実行中における前記特定条件の成立に基づき、既に実行されている予告演出の実行態様を変化可能な構成としている。
したがって、予告演出の実行態様の変化といったより分かり易い形で、期待度が高まったことを報知することが可能となり、遊技者の期待感を効率よく高めることが可能となる。
【0349】
一方、特許文献1には、リールの他に表示装置(画像表示装置)を備えて、表示装置において種々の情報を表示するようにした遊技機が開示されている。
しかしながら、従来の遊技機における表示装置での情報表示では、興趣性の向上として十分ではなく、また、そのときの状態に応じた的確な報知が行えず、遊技者の期待感を高める上でも不十分なものであった。
このように、本発明のスロットマシン1によれば、従来の遊技機が改善すべき、このような課題の全部又は一部などを解決することができる。
【0350】
以上、本発明の遊技機の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技機は前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
例えば、本実施形態では、特典としてAT状態(AT)を付与するものとしたが、ART又はRTを付与するようにしてもよい。また、疑似ボーナス状態の他にボーナス状態を発生させるようにしてもよい。
【0351】
また、本実施形態では、AT状態のタイプとして、所定のゲーム数単位で実行されるAT状態を複数回継続可能なタイプにしているが、AT状態中の残りゲーム数が無くなった場合に終了するようなタイプにしてもよい。
【0352】
また、本実施形態では、操作手段として演出ボタン2dや上部演出ボタン2fを例示しているが、遊技者の操作により入力信号を出力するものであれば、その他でもよく、ベットボタン2a、停止ボタン5、スタートレバー3等でもよい。
【0353】
また、前扉1aにモータやスピーカ等の作動により当該前扉1aを振動させる振動手段を設けて、当選演出、前兆演出および予告演出中の所定の時期に、振動手段を作動させることで、遊技者の期待感を高めるようにしてもよいし、当選演出、前兆演出および予告演出が実行された場合に振動手段を作動させるようにしてもよい。
また、前扉1aに遊技者に向けて風を吹き付ける送風手段を設けて、当選演出、前兆演出および予告演出中の所定の時期に、送風手段を作動させることで、遊技者の期待感を高めるようにしてもよい。
【0354】
また、表示手段として、メイン表示器8、サブ表示器17を設けているが、当選演出、前兆演出および予告演出を、何れか1つの表示手段で実行してもよいし、2つの表示手段の両方で実行するようにしてもよい。
【0355】
また、メイン表示器8での表示態様を変更することで当選演出の報知パターンを変更するようにしているが、メイン表示器8やサブ表示器17の表示態様や、その他の報知手段(ランプ11やスピーカ9)の報知態様を変更することで当選演出の報知パターンを変更するようにしてもよい。
【0356】
また、前述の実施形態では、抽選手段などの各種手段としての動作を主制御装置10が行ったが、副制御装置20がその一部又は全部を行い、副制御装置20が各種手段として動作することもできる。
また、反対に、副制御装置20が実行する動作を、主制御装置10がその一部又は全部を行い、主制御装置10が各種手段として動作することもできる。
【0357】
また、本発明をスロットマシンに適用したがパチンコ(例えば、玉スロ)などその他の遊技機に適用することもできる。
また、メダル、遊技球等の現物の遊技媒体を用いることなく、データ形式の疑似遊技媒体を用いてゲームを実行可能な、いわゆる封入式遊技機にも、本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0358】
1:スロットマシン
2:ベットボタン
4:リール
5:停止ボタン
8:メイン表示器
10:主制御装置
17:サブ表示器
20:副制御装置
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