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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036653
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】商品補充システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20240308BHJP
【FI】
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024017938
(22)【出願日】2024-02-08
(62)【分割の表示】P 2020053062の分割
【原出願日】2020-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】川口 剛
(57)【要約】
【課題】店舗従業員によらない商品補充を可能とする。
【解決手段】商品補充システムは、特定手段と、第1の個数検出手段と、第2の個数検出手段と、登録手段とを備える。特定手段は、店舗への入店者及び退店者を特定する。第1の個数検出手段は、特定手段により入店者が商品補充の依頼を受けた補充担当者であると特定したとき、店舗内の指定された陳列場所に補充するべく店舗内に持ち込んだ補充商品の個数を検出する。第2の個数検出手段は、特定手段により退店者が補充担当者であると特定したとき、店舗から持ち出そうとする補充商品の個数を検出する。登録手段は、第1及び第2の個数検出手段が検出した補充商品の個数の差を算出し、その算出した個数を補充商品の補充数として登録する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗への入店者及び退店者を特定するための特定手段と、
前記特定手段により前記入店者が商品補充の依頼を受けた補充担当者であると特定したとき、前記店舗内の指定された陳列場所に補充するべく前記店舗内に持ち込んだ補充商品の個数を検出する第1の個数検出手段と、
前記特定手段により前記退店者が前記補充担当者であると特定したとき、前記店舗から持ち出そうとする前記補充商品の個数を検出する第2の個数検出手段と、
前記第1及び第2の個数検出手段が検出した前記補充商品の個数の差を算出し、その算出した個数を前記補充商品の補充数として登録する登録手段と、
を備える、商品補充システム。
【請求項2】
前記店舗内の各商品の陳列場所を監視する監視手段と、
前記監視手段の監視結果に基づいて、前記補充商品が前記指定された陳列場所に補充されたか否かを判定することで、前記補充担当者による前記商品補充を検収する検収手段と、
をさらに備える、請求項1記載の商品補充システム。
【請求項3】
前記店舗内の各商品の陳列場所を監視する監視手段と、
前記監視手段の監視結果に基づいて、各商品の補充の要否を判定し、前記補充担当者を管理する管理装置へ、補充が必要な商品の補充を依頼する発注指示を送信する発注手段と、
をさらに備える、請求項1または請求項2記載の商品補充システム。
【請求項4】
前記発注手段は、前記発注指示に、前記店舗内の前記指定された陳列場所として、前記補充が必要な商品が陳列されている陳列場所を示す位置情報を含める、請求項3記載の商品補充システム。
【請求項5】
前記商品補充システムは、前記店舗の商品を販売するオンラインショッピングシステムを含み、
前記発注手段は、前記オンラインショッピングシステムに対し、前記位置情報で示される前記陳列場所を配送先として、前記発注指示を送信し、
前記オンラインショッピングシステムは、前記補充担当者を管理する前記管理装置へ、前記店舗の前記位置情報で示される前記陳列場所を配送先とした前記補充商品の配送指示を送信する、
請求項4記載の商品補充システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品補充システムに関する。
【背景技術】
【0002】
店舗に陳列された商品を店員の関与なしに販売可能とする販売管理システムは種々考案されている。
【0003】
一例としての販売管理システムは、店内に設置された多数のカメラで客の行動を追跡するとともに、商品棚等に設けられたセンサによって商品を監視する。そして販売管理システムは、カメラで撮影された画像とセンサからの信号とにより客が購入した商品を特定し、その商品のデータを客の購買リストに登録する。販売管理システムは、購買リストに登録されたデータを基に、客の会計を処理する。
【0004】
一方、このような販売管理システムを導入して無人化を図ったとしても、商品を陳列する商品棚への商品補充に関しては、未だ店舗従業員の人手に頼るしかなく、店舗の完全な無人化までは至っていない。商品補充の無人化のためにロボットを使用することは解決策の一つとして考えられるが、初期投資が膨大になる。無人店舗を運用する上で初期投資を最小限にし、必要最低限のシステムで無人店舗を運用したいというニーズがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6376582号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、店舗従業員によらない商品補充を可能とする商品補充システムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態において、商品補充システムは、特定手段と、第1の個数検出手段と、第2の個数検出手段と、登録手段とを備える。特定手段は、店舗への入店者及び退店者を特定する。第1の個数検出手段は、特定手段により入店者が商品補充の依頼を受けた補充担当者であると特定したとき、店舗内の指定された陳列場所に補充するべく店舗内に持ち込んだ補充商品の個数を検出する。第2の個数検出手段は、特定手段により退店者が補充担当者であると特定したとき、店舗から持ち出そうとする補充商品の個数を検出する。登録手段は、第1及び第2の個数検出手段が検出した補充商品の個数の差を算出し、その算出した個数を補充商品の補充数として登録する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態の商品補充システムの概略構成を示すブロック図。
図2】同システムにおける店舗サーバの要部回路構成を示すブロック図。
図3】店舗サーバが有する配送確認テーブルのデータ構造を示す模式図。
図4】店舗サーバが一時的に作成する補充員テーブルのデータ構造を示す模式図。
図5】店舗サーバが有する在庫データベースのデータ構造を示す模式図。
図6】店舗サーバのプロセッサが定期的に実行する在庫データベース更新処理の手順を示す流れ図。
図7】店舗サーバのプロセッサが定期的に実行する商品発注処理の手順を示す流れ図。
図8】一般的な商品発注指示における発注元情報と発注内容情報のデータ構造を示す模式図。
図9】第1実施形態の商品補充システムによる商品発注指示における発注元情報のデータ構造を示す模式図。
図10】オンラインショッピングサーバから配送者サーバへ送信されるオンラインショッピングユーザへの配送指示における配送先情報と配送内容情報のデータ構造を示す模式図。
図11】オンラインショッピングサーバから配送者サーバへ送信される店舗への配送指示における配送先情報と配送内容情報のデータ構造を示す模式図。
図12】店舗サーバのプロセッサが補充員入店時に実行する入店時個数登録処理の手順を示す流れ図。
図13】店舗サーバのプロセッサが補充員退店時に実行する商品検収処理の手順を示す流れ図。
図14】第2実施形態の商品補充システムにおける店舗サーバが有する在庫データベースのデータ構造を示す模式図。
図15】第2実施形態の店舗サーバのプロセッサが補充員退店時に実行する商品検収処理の手順を示す流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、商品補充システムの実施形態について、図面を用いて説明する。
【0010】
[第1実施形態]
本実施形態において、商品補充システムは、店舗に陳列された商品を店員等の店舗従業員の関与なしに販売可能とする販売管理システムを利用するものである。そこで始めに、販売管理システムについて説明する。
【0011】
図1は、第1実施形態の商品補充システムの概略構成を示すブロック図である。この商品補充システムは、店舗1に構成された販売管理システムを利用する。販売管理システムは、ゲート装置10、人物追跡装置20、商品監視装置30、会計機40、店舗サーバ50及び販売管理装置60を含む。ゲート装置10は、人物追跡装置20と通信手段によって接続されている。人物追跡装置20、商品監視装置30、会計機40及び店舗サーバ50は、それぞれ販売管理装置60と通信手段によって接続されている。ゲート装置10は、店舗サーバ50及び販売管理装置60の少なくとも一方と通信手段によってさらに接続されていてもよい。通信手段は、例えばLAN(Local Area Network)である。LANは、有線LANであってもよいし、無線LANであってもよい。
【0012】
次に、ゲート装置10、人物追跡装置20、商品監視装置30、会計機40及び店舗サーバ50について順番に説明する。
【0013】
ゲート装置10は、来店者である客が入店するためのチェックイン操作及び退店するためのチェックアウト操作を受け付ける。そしてゲート装置10は、客の入店または退店を許容する開放状態と、客の入店または退店を阻止する閉鎖状態とを選択的に形成する。
【0014】
ゲート装置10には、コードリーダ101とタグリーダ102とが接続されている。また、特に図示はしていないが、ゲート装置10は、ゲートを開閉するための扉と、人物がゲートを通過したことを検出するセンサ、つまりはゲート通過センサとを含む、ゲート機構を有する。
【0015】
コードリーダ101は、チェックインまたはチェックアウトする客が提示する顧客IDを読み取る。顧客IDは、店舗1を利用する客に対して割り当てられた一意の識別コードである。顧客IDは、例えば客が携帯するスマートフォンのディスプレイにバーコードの形態で表示される。この場合、コードリーダ101は、バーコードリーダとなる。顧客IDは、例えば客が携帯するカード媒体のICチップに保存されていてもよい。この場合、コードリーダ101は、カードリーダとなる。
【0016】
タグリーダ102は、チェックアウトする客が所持する商品に付された商品タグを読み取る。商品タグは、商品に対して割り当てられた一意の商品コードを有している。商品タグは、商品コードを埋め込んだRFタグであってよい。この場合、タグリーダ102は、RFIDリーダとなる。一度に多数の商品の商品コードを読み取ることができ、また客が商品タグをタグリーダ102にかざす手間も無いので、商品タグはRFタグとしている。しかしながら、商品のパッケージに印刷されたバーコードを利用してもよい。この場合は、タグリーダ102は、バーコードリーダとなる。
【0017】
ゲート装置10は、入店しようとする客の顧客IDがコードリーダ101で読み取られると、その顧客IDの有効性を問い合わせる。問い合わせ先は、例えば店舗サーバ50である。顧客IDの有効性が認められると、ゲート装置10は、ゲート機構のゲートを開放するとともに、通信手段を介して顧客IDを人物追跡装置20へと通知する。顧客IDの有効性が認められなかった場合には、ゲート装置10は、ゲート機構のゲートを閉塞して客の入店を阻止するとともに、図示しない表示手段に、入店拒否を客に通知するための画像を表示させる。
【0018】
さらにゲート装置10は、開放されたゲートを通過して客が店舗内に入る際、タグリーダ102により、客が店舗1に持ち込む商品の商品タグを読み取る。そして、ゲート装置10は、読み取った各商品の商品コードを送信する。送信先は、例えば店舗サーバ50である。
【0019】
また、ゲート装置10は、退店しようとする客の顧客IDがコードリーダ101で読み取られると、タグリーダ102により客が所持する商品の商品タグから商品の商品コードを読み取り、その顧客IDと商品の商品コードにより退店の可否を問い合わせる。問い合わせ先は、例えば店舗サーバ50である。店舗サーバ50は、問い合わせされた商品コードのうち、入店時に客が持ち込んだ商品の商品コードを除いた、残りの商品コードの商品について、決済が終了しているか確認する。商品コードに対応する決済が終了していれば、店舗サーバ50は、退店を認める応答をゲート装置10に返却する。それに応じて、ゲート装置10は、ゲート機構のゲートを開放する。退店が認められなかった場合には、ゲート装置10は、ゲート機構のゲートを閉塞して客の退店を阻止するとともに、図示しない表示手段に、未決済の商品があることを客に通知するための画像を表示させる。
【0020】
なお、図1では、ゲート装置10を1つだけ示しているが、ゲート装置10の数は特に限定されない。販売管理システムは、複数のゲート装置10を備えていてもよい。
【0021】
人物追跡装置20は、ゲート装置10のゲートを通って入店した人物である客が退店するまでの行動を追跡するための装置である。人物追跡装置20には、店舗の天井等に取り付けられた多数のカメラ201が接続されている。人物追跡装置20は、これらのカメラ201で撮影される画像を分析することで、客の行動を追跡する。
【0022】
すなわち、人物追跡装置20は、ゲート装置10から顧客IDを受信すると、その顧客IDを設定した追跡ファイルを作成する。また、人物追跡装置20は、ゲート装置10のゲート付近を撮影するカメラ201によって撮影されている画像から、ゲートを通過した人物を捕捉し、当該顧客IDの客として特定する。そして、人物追跡装置20は、店舗内を移動する客を追跡するための複数のカメラ201によって撮影されている画像から、当該顧客IDの客を追跡する。人物追跡装置20は、例えば1秒毎に客の位置情報を取得して、当該顧客IDの追跡ファイルにその時刻と位置情報とを時系列に記述する。位置情報は、例えば床面の任意地点をX-Y平面の原点Oとし、この原点Oから客の地点までのX方向とY方向の距離を所定の分解能で分割して求めたX-Y座標で特定したものである。
【0023】
商品監視装置30は、商品棚、商品ケース、販売スペース等の陳列場所に陳列されている各商品の移動を監視するための装置である。商品監視装置30には、多数のセンサ301と多数のカメラ302とが接続されている。
【0024】
商品監視装置30は、商品が陳列場所から離れる方向に移動しているのか、商品が陳列場所に置かれる方向に移動しているのかをセンサ301で監視する。センサ301は、例えば光センサと重量センサである。すなわち、商品の移動が光センサによって検出されるとともに、陳列場所に陳列されている商品の総重量が減少したことが重量センサによって検出されると、商品監視装置30は、商品が陳列場所から離れる方向に移動したと認識する。同様に、商品の移動が光センサによって検出されるとともに、陳列場所に陳列されている商品の総重量が増加したことが重量センサによって検出されると、商品監視装置30は、商品が陳列場所に置かれる方向に移動したと認識する。
【0025】
また商品監視装置30は、移動した商品を識別する機能を有している。具体的には、各商品の陳列場所にカメラ302が備えられており、商品監視装置30は、このカメラ302によって撮影された画像の特徴から商品を識別する。商品を撮影した画像から商品を識別する技術は周知であるので、ここでの説明は省略する。
【0026】
商品監視装置30は、センサ301からの信号で商品の移動を監視する。そして、商品が移動したことを検出すると、商品監視装置30は、その移動方向、移動時刻、場所コードを取得する。移動方向は、商品が陳列場所から取り出された方向に移動したのか、商品が陳列場所に戻される方向に移動したのかを特定する情報である。以下では、商品が陳列場所から取り出された方向は買上方向と称する。商品が陳列場所に戻される方向は返品方向と称する。移動時刻は、商品の移動が検出された時点の時刻である。場所コードは、移動した商品の陳列場所を示すコードである。各商品の陳列場所には、予め固有の場所コードが設定されている。
【0027】
商品監視装置30は、カメラ302で撮影した画像から、移動した商品を識別する。そして商品監視装置30は、移動した商品の商品コードと、移動個数とを取得する。具体的には、商品監視装置30は、各商品の商品コードと関連付けて、外観特徴量データと単位重量データとを記憶したデータベースを備えている。商品監視装置30は、カメラ302で撮影された商品画像の特徴量と各商品の外観特徴量データとを照合し、最も類似度が高い外観特徴量データと関連付けられた商品コードと単位重量データとを取得する。そして商品監視装置30は、単位重量データを重量センサで検出された重量の変位量で除算することにより、移動した商品の個数を取得する。
【0028】
こうして、移動方向、移動時刻、場所コード、商品コード及び移動個数を取得したならば、商品監視装置30は、通信手段により販売管理装置60に移動通知コマンドを送信する。この移動通知コマンドは、移動方向、移動時刻、場所コード、商品コード、移動個数の各情報を含む。すなわち、商品監視装置30は、センサ301の信号及びカメラ302による撮影画像を基に商品の移動を検出する毎に、その移動方向、移動時刻、場所コード、商品コード、移動個数の各情報を含む移動通知コマンドを作成し、販売管理装置60へと出力する。かくして、商品監視装置30は、店舗内の各商品の陳列場所を監視する監視手段として機能する。
【0029】
会計機40は、客との商取引を決済するための端末である。会計機40は、現金決済、クレジットカード決済、電子マネー決済、ポイント決済、コード決済(モバイル決済又はスマートフォン決済等とも称される)等、周知の決済方式により商取引を決済することができる。会計機40は、特に図示はしないが、顧客IDを読み取るためのコードリーダを備える。
【0030】
会計機40は、コードリーダによってチェックイン操作で使用される顧客IDが読み取られると、その顧客IDを含む会計指示コマンドを販売管理装置60へと出力する。これにより、販売管理装置60からその顧客IDで識別される客の会計データが送られてくるので、会計機40は、その会計データを基に商取引の決済を行う。会計データは、客が購入した商品の販売データを含む。
【0031】
この種の会計機40には、店員が決済のための情報を入力するようにした有人会計機と、客が決済のための情報を入力するようにしたセルフ会計機とがある。店員等の店舗従業員を配置していない無人店舗では、セルフ会計機を備えることができる。セルフ会計機としては、従来周知のセルフ式又はセミセルフ方式の会計機を適用することができる。
【0032】
店舗サーバ50は、店舗業務全般を支援するのに特化したコンピュータである。その支援のために店舗サーバ50は、会員データベース、商品情報データベース等の種々のデータベースを管理する。
【0033】
図2は、店舗サーバ50の要部回路構成を示すブロック図である。店舗サーバ50は、プロセッサ51、メインメモリ52、補助記憶デバイス53、時計54、ネットワークインタフェース56、通信インタフェース55、及びシステム伝送路57を備えている。プロセッサ51、メインメモリ52、補助記憶デバイス53、時計54、ネットワークインタフェース56、及び通信インタフェース55は、それぞれシステム伝送路57と接続している。システム伝送路57は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。店舗サーバ50では、プロセッサ51、メインメモリ52及び補助記憶デバイス53がシステム伝送路57で接続されて、店舗サーバ50を制御するための情報処理を行うコンピュータが構成されている。
【0034】
プロセッサ51は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ51は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、店舗サーバ50としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ51は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
【0035】
メインメモリ52は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ52は、不揮発性のメモリ領域及び揮発性のメモリ領域を含む。メインメモリ52は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ52は、プロセッサ51が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを揮発性のメモリ領域で記憶する。またメインメモリ52は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ51によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0036】
補助記憶デバイス53は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス53としては、例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の周知の記憶デバイスを単独で、あるいは複数組み合わせて用いられる。補助記憶デバイス53は、プロセッサ51が各種の処理を行う上で使用するデータや、プロセッサ51での処理によって生成されたデータを保存する。例えば、補助記憶デバイス53は、POS精算データベース531、会員データベース532、商品情報データベース533、在庫データベース534、等の各種データベースを記憶することができる。なお、図2では、データベースをDBと略記している。補助記憶デバイス53は、アプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0037】
POS精算データベース531は、会計機40で商取引の決済を行う毎に、その決済に関するPOS精算データを記述したPOS精算データレコードの集合体である。POS精算データレコードには、商品、部門、時間帯、日付、週、月等のデータ項目を含む。POS精算データは、売上点数、売上金額等を含む。
【0038】
会員データベース532は、店舗利用者として会員登録を行った客、いわゆる会員に関するデータを記述した会員レコードの集合体である。会員レコードには、顧客ID、有効期間、累積ポイント等のデータ項目を含む。有効期間は、会員としての有効な期間を示すデータである。データは、期間の開始日と終了日であってもよいし、開始日と期間の日数であってもよい。累積ポイントは、会員との商取引においてその会員である消費者に付与されたポイントを累積したものである。
【0039】
商品情報データベース533は、店舗1で販売されている各商品のデータを記述した商品レコードの集合体である。商品レコードは、商品コード、商品名、価格等のデータ項目で構成される。商品コードは、各商品を個々に識別するために商品毎に設定された一意の識別コードである。
【0040】
在庫データベース534は、各商品の当該店舗1における在庫数に関するデータを記述した在庫データレコードの集合体である。在庫データレコードには、商品コードと在庫数のデータ項目を含む。在庫数は、陳列場所に陳列されている商品の個数である。
【0041】
時計54は、現在の日時を計時する。
【0042】
通信インタフェース55は、通信手段であるLANを介して接続された他の機器とデータ通信を行うための回路である。
【0043】
ネットワークインタフェース56は、インターネット等の外部ネットワーク2を介して、店舗外部の機器とデータ通信を行うための回路である。
【0044】
かかる構成を備える店舗サーバ50は、ゲート装置10から顧客IDの有効性について問い合わせを受けると、会員データベース532を検索する。そして店舗サーバ50は、問い合わせのあった顧客IDを含む会員レコードの有効期間を調べる。店舗サーバ50は、現在の日時が有効期間内の場合、ゲート装置10に対して有効性有りの応答を返す。現在の日時が有効期間外の場合には、ゲート装置10に対して有効性無しの応答を返す。なお、有効性有無の判定条件は、有効期限に限定されるものでない。例えば過去の店舗利用実績から入店禁止の設定がなされている顧客IDについては、有効性無しの応答を返してもよい。
【0045】
販売管理装置60は、ゲート装置10でのチェックイン操作により有効性が承認され、人物追跡装置20によって追跡されている客の購買商品に係るデータを管理する。すなわち、販売管理装置60は、人物追跡装置20からの客の追跡結果と商品監視装置30からの移動コマンドにより、客が購入した商品を特定し、その商品のデータを客の購買リストに登録する。そして販売管理装置60は、その購買リストに登録されたデータを基に会計データを生成し、会計機40へと出力する。
【0046】
このような販売管理システムにより、店舗に陳列された商品を店員等の店舗従業員の関与なしに販売を行うことができる。
【0047】
本実施形態の商品補充システムは、上記販売管理システムにおける店舗サーバ50のメインメモリに、補充員テーブルを一時的に作成する。また、店舗サーバ50の補助記憶デバイス53に記憶される商品情報データベース533において、各商品に対する商品レコードには、さらに、在庫下限個数と発注個数のデータ項目が追加される。在庫下限個数は、商品補充の発注をかけるか否か判断するための閾値である。発注個数は、発注する際に当該商品を何個発注するのかを示す。本実施形態の商品補充システムは、さらに、店舗サーバ50の補助記憶デバイス53に、後述するような配送確認テーブル535を記憶する。なお、店舗サーバ50は、通信インタフェース55により、ゲート装置10と商品監視装置30と接続される。また、インターネット等の外部ネットワーク2を介して、店舗サーバ50が通信可能な受注者サーバ3を備える。
【0048】
図3は、店舗サーバ50の補助記憶デバイス53に記憶される配送確認テーブル535のデータ構造を示す模式図である。配送確認テーブル535は、場所IDと関連付けて、商品コード、補充員ID、納品個数、納品時刻及び検収フラグを一つのレコード5351として記憶している。場所IDは、各商品の陳列場所を識別するために陳列場所毎に設定された一意の識別コードである。商品コードは、その陳列場所に陳列される商品に対応するものである。補充員IDは、その商品を補充した補充員を特定するためのものである。補充員IDは、店舗1に商品を配送する補充員に対して割り当てられた一意の識別コードである。納品個数及び納品時刻は、補充員IDで示される補充員が補充した商品の個数と、その補充を行った日時である。検収フラグは、店舗サーバ50が商品を検収した際にセットされるフラグである。なお、図3では、フラグをFと略記している。配送確認テーブル535は、このようなレコード5351を陳列場所毎に含む。
【0049】
商品補充システムにおける会員データベース532は、店舗1を利用する客についての会員レコードに加えて、補充員に関するデータを記述した補充員レコードも含むことができる。もちろん、補助記憶デバイス53は、会員データベース532とは別に、補充員レコードのみを有するデータベースを記憶するようにしてもよい。補充員レコードには、補充員ID、氏名、所属等のデータ項目を含む。
【0050】
図4は、店舗サーバ50がメインメモリ52に一時的に作成する補充員テーブルのデータ構造を示す模式図である。補充員テーブルは、補充員ID521に対し、商品コードと関連付けて、入店時個数、退店時個数、納品個数を一つのレコードとした商品レコード522を、商品毎に記憶する。入店時個数は、ゲート装置10がタグリーダ102により読み取った、補充員が入店時に店舗1に持ち込んだ商品の個数である。退店時個数は、ゲート装置10がタグリーダ102により読み取った、補充員が退店時に店舗1から持ち出す商品の個数である。納品個数は、補充員が店舗1の指定された陳列場所に陳列した商品の個数である。
【0051】
図5は、店舗サーバ50の補助記憶デバイス53に記憶される在庫データベース534のデータ構造を示す模式図である。在庫データベース534は、前述したように、各商品の当該店舗1における在庫数に関するデータを記述した在庫データレコード5341の集合体である。販売管理システムでは、在庫データレコード5341には、商品コードと在庫数のデータ項目を含む。商品補充システムでは、各在庫データレコード5341は、それら商品コードと在庫数に加えて、移動後個数のデータ項目を含む。移動後個数は、商品監視装置30からの移動通知コマンドに含まれる当該商品の移動個数により変化するであろう在庫の個数を示す。客が商品の決済を行うまで、在庫数と移動後個数は一致しない。会計機40にて決済が行われると、店舗サーバ50のPOS精算データベース531及び在庫データベース534が更新され、在庫数と移動後個数とが一致する。
【0052】
店舗サーバ50は、商品の陳列数である在庫数が決められた下限数を下回ったとき、外部ネットワーク2を介して受注者サーバ3に商品の補充を依頼する発注指示を送信する。受注者サーバ3は、例えば、商品を供給するメーカのサーバ、または、メーカと店舗1の間で商品取引を仲介する問屋のサーバである。受注者サーバ3は、店舗サーバ50から、図1に破線の矢印で示すように、補充が必要な商品の補充を依頼する発注指示を受信する。受注者サーバ3は、この発注指示の受信に応じて、その補充するべき商品を、受注者サーバが管理する配送員、例えば、自社または契約している配送業者の配送員に配送させる手配を行う。
【0053】
また、店舗1は、当該店舗1が販売している商品のオンライン注文を受けて発送するオンラインショッピングシステムを運営している場合がある。オンラインショッピングシステムは、図1に破線の矢印で示すように、店舗サーバ50が外部ネットワーク2を介して通信可能なオンラインショッピングサーバ4を含む。このオンラインショッピングサーバ4には、図1に破線の矢印で示すように、オンラインショッピングユーザ端末5が外部ネットワーク2を介して通信可能である。オンラインショッピングユーザ端末5は、そのオンラインショッピングシステムの登録ユーザである客が利用する端末である。このオンラインショッピングユーザ端末5の客にも、店舗1を利用する客と同様に、顧客IDが割り当てられる。オンラインショッピングサーバ4は、オンラインショッピングユーザ端末5から商品の購入注文を受信すると、図1に破線の矢印で示すように、外部ネットワーク2を介して配送指示を配送者サーバ6に送信する。この配送指示は、契約している配送業者の配送員に、物流倉庫に保管してある、注文商品を注文元の客に配送させる指示である。
【0054】
本実施形態の商品補充システムは、このオンラインショッピングシステムを含むことができる。すなわち、店舗サーバ50は、商品の陳列数である在庫数が決められた下限数を下回ったとき、外部ネットワーク2を介してオンラインショッピングサーバ4に商品の補充を依頼する発注指示を送信する。オンラインショッピングサーバ4は、店舗サーバ50から、図1に破線の矢印で示すように、補充が必要な商品の補充を依頼する発注指示を受信する。オンラインショッピングサーバ4は、この発注指示の受信に応じて、図1に破線の矢印で示すように、外部ネットワーク2を介してその補充するべき商品の配送指示を配送者サーバ6に送信する。
【0055】
図6図7図12及び図13は、店舗サーバ50のプロセッサ51が制御プログラムに従って実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図である。以下、各図を用いて商品補充システムの動作について説明する。なお、以下に説明する動作説明は一例である。同様な結果が得られるのであれば、その手順等は特に限定されるものではない。
【0056】
図6は、店舗サーバ50のプロセッサ51が制御プログラムに従って定期的に、例えば数秒毎に、実行する在庫データベース更新処理の手順を示す流れ図である。
【0057】
プロセッサ51は、各商品について、前回の在庫データベース更新処理から今回の在庫データベース更新処理の間に、商品監視装置30から移動通知コマンドを受信したか否かを確認する(ACT11)。前述したように、移動通知コマンドは、商品の移動が検出された場合に商品監視装置30から出力される。例えば、販売管理装置60は、商品監視装置30から移動通知コマンドを受信したとき、その受信時刻を記録する。従って、プロセッサ51は、この販売管理装置60に対して移動通知コマンドの受信記録を問い合わせることで、この確認を行うことができる。あるいは、プロセッサ51は、商品監視装置30からの移動通知コマンドを監視し、それが有った場合にはメインメモリに一時的に保存しておくようにしてもよい。商品は複数の陳列場所に陳列される場合があり、そのような場合には、それぞれについて確認する。何れの商品についても移動通知コマンドを受信していない場合(ACT11のNO)、プロセッサ51は、この在庫データベース更新処理を終了する。
【0058】
これに対して、何れかの商品について移動通知コマンドを受信していた場合(ACT11のYES)、プロセッサ51は、移動後個数を取得する(ACT12)。すなわち、プロセッサ51は、一つの移動通知コマンドに含まれる商品コードに基づいて、在庫データベース534の当該商品に対応する在庫データレコード5341から移動後個数を取得する。
【0059】
次に、移動通知コマンドで示される移動方向が買上方向を示しているのか返品方向を示しているのかを確認する(ACT13)。
【0060】
移動方向が買上方向を示している場合(ACT13のYES)、プロセッサ51は、ACT12で取得した移動後個数から移動通知コマンドで示される移動個数を減算する(ACT14)。
【0061】
また、移動方向が返品方向を示している場合には(ACT13のNO)、プロセッサ51は、ACT12で取得した移動後個数に移動通知コマンドで示される移動個数を加算する(ACT15)。
【0062】
そして、プロセッサ51は、ACT14またはACT15の処理での算出結果を、新たな移動後個数として、在庫データベース534の当該商品に対応する在庫データレコード5341に更新記録する(ACT16)。
【0063】
その後、プロセッサ51は、移動通知コマンドを受信した全ての商品について処理が終了したか否か判断する(ACT17)。未だ処理していない商品が有る場合には(ACT17のNO)、プロセッサ51は、ACT12の処理に戻る。これに対して、全ての商品について処理が終了した場合には(ACT17のYES)、この在庫データベース更新処理を終了する。
【0064】
例えば、ある商品の在庫数及び移動後個数が10個であったとき、客が1個の商品を陳列場所から取ると、買上方向の移動個数が1個となる。この場合、ACT14にて移動後個数が9個と算出される。在庫数は10個のままである。そして、会計機40にて決済が行われると、在庫数が9個に更新され、移動後個数と一致する。また、決済せずに、当該商品を元の陳列場所に返却すると、返品方向の移動個数が1個となる。これにより、ACT15にて移動後個数が10個と算出され、在庫数の10個と一致する。
【0065】
図7は、店舗サーバ50のプロセッサ51が実行する商品発注処理の手順を示す流れ図である。図7に示す商品発注処理は、一つの商品を対象とした処理である。プロセッサ51は、この商品発注処理を全商品について順次実行していく。プロセッサ51は、全ての商品を対象とした処理を終了したとき、直ちに最初の商品から処理を繰り返す。もちろん、プロセッサ51は、直ちに繰り返すのではなくて、所定期間を置いた後に、最初の商品から処理を繰り返すようにしてもよい。
【0066】
プロセッサ51は、在庫データベース534の処理対象の商品の在庫データレコード5341から在庫数を取得する(ACT21)。さらに、プロセッサ51は、その在庫データレコード5341から移動後個数を取得する(ACT22)。そして、それら取得した在庫数と移動後個数が一致するか否か確認する(ACT23)。
【0067】
ここで、両者が一致しない場合には(ACT23のNO)、プロセッサ51は、この商品発注処理を終了する。すなわちプロセッサ51は、客に取られた商品の決済が行われて在庫数が確定するのを待つ。一旦客に取られた商品が元の陳列場所に返却されることがあるため、プロセッサ51は、返却されないことが確実になった上で、発注処理を進めるようにしている。
【0068】
取得した在庫数と移動後個数が一致する場合(ACT23のYES)、プロセッサ51は、発注が必要か否かを判断する(ACT24)。すなわち、プロセッサ51は、現在の在庫数が在庫下限個数より少なくないか否かにより、この発注の要否を判断する。在庫下限個数は、当該商品の商品コードに対応する商品情報データベース533の商品レコードに記憶されている。ここで、発注が不要である場合(ACT24のNO)、プロセッサ51は、この商品発注処理を終了する。
【0069】
これに対して、発注が必要である場合(ACT24のYES)、プロセッサ51は、発注を行う(ACT25)。このときの発注個数は、当該商品の商品コードに対応する商品情報データベース533の商品レコードに記憶されている。かくして、プロセッサ51は、店舗内の各商品の陳列場所の監視結果に基づいて、各商品の補充の要否を判定し、補充担当者を管理する管理装置へ、補充が必要な商品の補充を依頼する発注指示を送信する発注手段として機能する。そしてその後、プロセッサ51は、この商品発注処理を終了する。
【0070】
ここで、ACT125の発注処理について、より詳細に説明する。
この発注処理において、プロセッサ51は、商品発注指示を作成して、それをネットワークインタフェース56により、インターネット等の外部ネットワーク2を介してメーカや問屋などの受注者サーバ3へ送信する。
【0071】
図8は、一般的な商品発注指示における発注元情報と発注内容情報のデータ構造を示す模式図である。また、図9は、本実施形態の商品補充システムによる商品発注指示における発注元情報のデータ構造を示す模式図である。
【0072】
図8に示すように、受注者サーバ3への一般的な商品発注指示は、発注を行った店舗に関する情報である発注元情報31と、発注する個々の商品に関する情報である発注内容情報32と、を含む。1回の発注において、発注する商品が複数ある場合には、複数の発注内容情報32が送信される。
【0073】
発注元情報31は、店舗IDと、店舗名と、納品先住所と、納品日と、を含む。店舗IDは、発注元の店舗1を特定するために、店舗毎に設定された一意の識別コードである。店舗名は、店舗IDで示される店舗1の名称である。納品先住所は、商品の納品先の住所であり、店舗1の物流倉庫の住所が指定される。納品日は、納品を希望する日時である。
【0074】
発注内容情報32は、商品コードと、商品名と、個数と、を含む。商品コードは、発注する商品を特定するための情報である。商品名は、発注する商品の名称である。個数は、発注個数である。
【0075】
本実施形態の商品補充システムでは、発注内容情報32は一般的な商品発注指示と同様であるが、発注元情報は、図9に示すような発注元情報33とする。プロセッサ51は、この発注元情報33の納品先住所として、店舗1の物流倉庫の住所ではなく、店舗1の住所と陳列場所を示す位置情報を設定する。すなわち、プロセッサ51は、発注する商品が実際に陳列される店舗1の商品棚、商品ケース、販売スペース等の陳列場所を、納品先として指定する。
【0076】
このような商品発注指示を受けた受注者サーバ3は、発注内容情報32で指定された商品を、受注者サーバ3が管理する配送員、例えば、自社または契約している配送業者の配送員に配送させる手配を行う。そして、配送員は、発注元情報33に従って、商品を店舗1の指定の陳列場所に陳列する。つまり、配送員は、商品を発注元の店舗1に配送するだけでなく、商品を当該店舗1の実際の陳列場所に補充する補充員としても働く。よって、受注者サーバ3は、補充担当者を管理する管理装置である。
【0077】
また、店舗1の物流倉庫に商品が有る場合には、プロセッサ51は、外部ネットワーク2を介してオンラインショッピングサーバ4に対して、商品発注指示を送信する。具体的には、オンラインショッピングサーバ4が提供する商品購入フォームに対し、プロセッサ51は、顧客ID及び顧客名として店舗1の店舗ID及び店舗名を自動入力し、顧客住所を店舗1の住所及び陳列場所を自動入力する。そして、プロセッサ51は、商品を特定する商品ID及び商品名を自動入力し、さらに、購入個数と購入金額を自動入力する。この場合、自店舗の商品の移動であるため、購入金額は、0円とする。
【0078】
オンラインショッピングサーバ4は、注文が一般のオンラインショッピングユーザが操作するオンラインショッピングユーザ端末5からのものであるのか、店舗サーバ50からのものであるのかを判断する。これは、配送先住所が自店舗1となっているか否かにより、容易に判断することができる。そして、オンラインショッピングサーバ4は、その判断結果に基づく配送指示を、外部ネットワーク2を介して自社が契約している配送業者の配送者サーバ6に送信する。
【0079】
図10は、オンラインショッピングサーバ4から配送者サーバ6へ送信されるオンラインショッピングユーザへの配送指示における配送先情報と配送内容情報のデータ構造を示す模式図である。また、図11は、オンラインショッピングサーバ4から配送者サーバ6へ送信される店舗1への配送指示における配送先情報と配送内容情報のデータ構造を示す模式図である。配送指示は、店舗1が契約している配送業者の配送員に、物流倉庫に保管してある注文商品を、注文元のオンラインショッピングユーザすなわち客または店舗1の元に配送させる指示である。
【0080】
図10に示すように、商品を客元に配送させる配送指示は、配送先の客に関する情報である配送先情報61と、配送する個々の商品に関する情報である配送内容情報62と、を含む。1回の注文において、配送する商品が複数ある場合には、複数の配送内容情報62が送信される。
【0081】
配送先情報61は、顧客IDと、顧客名と、配送先住所と、配送日と、を含む。顧客IDは、店舗1を利用する客と同様に、オンラインユーザに対して割り当てられた一意の識別コードである。顧客名は、顧客IDで示されるオンラインユーザの氏名である。配送先住所は、商品の配送先となるオンラインユーザの住所である。配送日は、配送を希望する日時である。
【0082】
配送内容情報62は、商品コードと、商品名と、個数と、保管場所と、を含む。商品コードは、配送する商品を特定するための情報である。商品名は、配送する商品の名称である。個数は、配送する個数である。保管場所は、配送するべき商品が物流倉庫のどこに保管されているかを示す。
【0083】
また、店舗1に商品を配送させる配送指示は、図11に示すように、配送先の店舗1に関する情報である配送先情報63と、配送する個々の商品に関する情報である配送内容情報64と、を含む。1回の注文において、配送する商品が複数ある場合には、複数の配送内容情報64が送信される。
【0084】
配送先が店舗1である場合の配送先情報63では、顧客IDは店舗IDとなり、顧客名は店舗名となる。また、配送先住所は店舗1の住所となる。
【0085】
配送内容情報64は、配送先が客である場合の配送内容情報62と同様に、商品コードと、商品名と、個数と、保管場所と、を含むみ、さらに、陳列場所を含む。陳列場所は、商品が実際に陳列される店舗1の商品棚、商品ケース、販売スペース等の陳列場所を示す。
【0086】
このような配送指示を受けた配送者サーバ6は、配送内容情報62または64で指定された商品を、配送者サーバ6が管理する配送員に配送させる手配を行う。そして、配送員は、配送内容情報62に従って物流倉庫に保管してある注文商品をピックアップし、それを配送先情報61に従って指定のオンラインユーザへ配送する。また、配送員は、配送内容情報64に従って物流倉庫に保管してある注文商品をピックアップし、それを配送先情報63に従って指定の店舗1の指定の陳列場所に陳列する。つまり、配送員は、商品を発注元の店舗1に配送するだけでなく、商品を当該店舗1の実際の陳列場所に補充する補充員としても働く。よって、配送者サーバ6は、補充担当者を管理する管理装置である。
【0087】
図12は、店舗サーバ50のプロセッサ51が補充員入店時に実行する入店時個数登録処理の手順を示す流れ図である。これは、受注者サーバ3が手配した配送員または配送者サーバ6が手配した配送員が、陳列場所に商品を補充する補充員として店舗1に来店したときの、プロセッサ51の処理の手順を示している。
【0088】
ゲート装置10は、前述したように、入店しようとする客の顧客IDがコードリーダ101で読み取られると、その顧客IDの有効性を、例えば店舗サーバ50に問い合わせる。店舗サーバ50のプロセッサ51は、会員データベース532を参照して、その顧客IDの有効性を判断し、その判断結果をゲート装置10へ返却する。ゲート装置10は、顧客IDの有効性が認められると、ゲート機構のゲートを開放する。
【0089】
これと同様にして、商品を補充する補充員としての配送員が店舗1に入店する際、コードリーダ101に補充員IDを読み取らせる。ゲート装置10は、顧客IDと補充員IDとを区別しない。従って、ゲート装置10は、読み取った補充員IDを顧客IDとして、有効性を店舗サーバ50に問い合わせる。店舗サーバ50のプロセッサ51は、会員データベース532を参照して、その顧客IDの有効性を判断し、その判断結果をゲート装置10へ返却する。ゲート装置10は、顧客IDの有効性が認められると、ゲート機構のゲートを開放する。
【0090】
店舗サーバ50のプロセッサ51は、この顧客IDの有効性の問い合わせに対して有効性を認めた際、有効性有りの応答をゲート装置10へ返却するとともに、図12に示す入店時個数登録処理を実行する。
【0091】
プロセッサ51は、入店しようとしているのが補充員であるのか、客であるのかを判断する(ACT31)。これは、ゲート装置10から送信されてきた顧客IDが補充員を示す補充員IDであるか否かにより判断することができる。かくして、プロセッサ51は、店舗1への入店者を特定する特定手段として機能する。入店しようとしているのが客である場合(ACT31のNO)、プロセッサ51は、この入店時個数登録処理を終了する。
【0092】
これに対して、入店しようとしているのが補充員である場合には(ACT31のYES)、プロセッサ51は、その補充員の補充員IDを補充員テーブルに登録する(ACT32)。すなわちプロセッサ51は、メインメモリ52に補充員テーブルを作成し、その補充員テーブルの補充員ID521として、この補充員IDを記憶する。
【0093】
その後、プロセッサ51は、ゲート装置10から送信されてくる、補充員が店舗1に持ち込む商品それぞれについて、その個数を補充員テーブルに入店時個数として登録する(ACT33)。すなわち、ゲート装置10は、タグリーダ102によって、入店者が店舗1に持ち込む商品それぞれの商品タグを読み取り、その商品コードを店舗サーバ50に送信する。プロセッサ51は、各商品コードに対応付けて、その個数を、メインメモリ52の補充員テーブルの商品レコード522に入店時個数として記憶する。かくして、プロセッサ51は、店舗内の指定された陳列場所に補充するべく店舗内に持ち込んだ補充商品の個数を検出する第1の個数検出手段として機能する。
【0094】
そして、プロセッサ51は、この入店時個数登録処理を終了する。
【0095】
補充員としての配送員は、店舗1に持ち込んだ各商品を、配送内容情報64で指定されていた陳列場所に陳列する。この際、図6を参照して説明した在庫データベース更新処理により、プロセッサ51は、陳列場所への商品の陳列作業に応じて、在庫データベース534の当該商品に対応する在庫データレコード5341の移動後個数を更新していく。
【0096】
そして、補充員としての配送員は、が商品の指定された陳列場所への補充が完了すると、退店しようとして、ゲート装置10のコードリーダ101に補充員IDを読み取らせる。これに応じて、ゲート装置10は、タグリーダ102により、配送員が店舗1から持ち出そうとする商品の商品タグから商品コードを読み取る。ゲート装置10は、顧客IDと補充員IDとを区別しない。従って、ゲート装置10は、読み取った補充員IDを顧客IDとして、その顧客IDと商品の商品コードにより退店の可否を店舗サーバ50に問い合わせる。店舗サーバ50のプロセッサ51は、顧客IDと商品の商品コードにより退店の可否を判断し、退店可否を示す応答をゲート装置10に返却する。それに応じて、ゲート装置10は、ゲート機構のゲートを開放または閉塞する。
【0097】
店舗サーバ50のプロセッサ51は、この退店可否の問い合わせに対して退店可の応答をゲート装置10へ返却するとともに、図13に示す商品検収処理を実行する。図13は、店舗サーバ50のプロセッサ51が補充員退店時に実行する商品検収処理の手順を示す流れ図である。
【0098】
プロセッサ51は、退店しようとしているのが補充員であるのか、客であるのかを判断する(ACT41)。これは、ゲート装置10から送信されてきた顧客IDが補充員を示す補充員IDであるか否かにより判断することができる。かくして、プロセッサ51は、店舗1からの退店者を特定する特定手段として機能する。退店しようとしているのが客である場合(ACT41のNO)、プロセッサ51は、この商品検収処理を終了する。
【0099】
これに対して、退店しようとしているのが補充員である場合には(ACT41のYES)、プロセッサ51は、メインメモリ52に作成されている補充員テーブルの各商品レコード522に、各商品の退店時個数を登録する(ACT42)。この退店時個数は、ゲート装置10からの問い合わせに含まれる商品コードに基づく。かくして、プロセッサ51は、店舗から持ち出そうとする補充商品の個数を検出する第2の個数検出手段として機能する。
【0100】
次に、プロセッサ51は、補充員テーブルに登録されている各商品について、補充員による納品個数を算出し、補充員テーブルの各商品の商品レコード522に納品個数として登録する(ACT43)。すなわちプロセッサ51は、各商品レコード522の入店時個数と退店時個数との差を算出することで、納品個数を求める。
【0101】
そして、プロセッサ51は、補充員テーブルの登録内容に基づいて、配送確認テーブル535の商品コードに対応する各レコード5351に、補充員ID及び納品個数を登録する(ACT44)。このとき、プロセッサ51は、時計54が計時している現在日時を、納品時刻として登録してよい。かくして、プロセッサ51は、店舗内に持ち込んだ補充商品と店舗から持ち出そうとする補充商品の個数の差を算出し、その算出した個数を補充商品の補充数として登録する登録手段として機能する。
【0102】
そして、プロセッサ51は、当該商品の納品が確認できたとして、配送確認テーブル535の商品コードに対応する各レコード5351に、検収フラグをセットする(ACT45)。
【0103】
その後、プロセッサ51は、在庫データベース534から各商品の在庫数を取得する(ACT46)。この場合、プロセッサ51は、全ての商品について在庫数を取得する必要はなく、補充員テーブルに登録されている商品についてのみ在庫数を取得すればよい。
【0104】
そして、プロセッサ51は、取得した在庫数に、その商品の納品個数を加算することで、納品後の在庫数として想定される想定在庫数を算出する(ACT47)。プロセッサ51は、この算出した想定在庫数により、在庫データベース534の当該商品の在庫数を更新する(ACT48)。そして、プロセッサ51は、この商品検収処理を終了する。
【0105】
例えば、補充員である配送員が、在庫数及び移動後個数が10個である、ある商品を30個持ち込み、退店時に、例えば当該商品を10個持ち出そうとしていることが検出されたとする。この場合、プロセッサ51は、ACT43において納品個数は30-10=20個であると算出する。補充員が商品をその陳列場所に補充することで、図6に示した在庫データベース更新処理により、プロセッサ51は、20個の返品方向の移動個数を取得し、移動後個数を10+20=30個と算出する。このとき、在庫数は10個のままであるので、この移動後個数と一致しない。プロセッサ51は、ACT47にて在庫数10個と納品個数20個とを加算して、想定在庫数30個を算出する。そして、プロセッサ51は、ACT48にて、在庫数を、この想定在庫数30個に更新する。こうして、在庫数と移動後個数とが一致する。
【0106】
また、補充員が商品を陳列場所に補充してからゲート装置10でチェックアウト操作を行うまでには、ある程度時間がかかる。従って、その間に、客が当該商品を陳列場所から取ることがある。そのような場合、上記例では、移動後個数が30個ではなくなる。例えば、客が1個の商品を取ると、買上方向の移動個数が1個となって、プロセッサ51は、移動後個数は29個と算出する。この場合、プロセッサ51がACT48にて在庫数を30個に更新しても、在庫数と移動後個数とは一致しない。しかし、当該商品を取った客が会計機40にて決済を行うと、在庫数が29個に更新され、在庫数と移動後個数とがともに29個となって、一致する。また、客が決済せずに、当該商品を元の陳列場所に返却すると、返品方向の移動個数が1個となる。これにより、プロセッサ51は移動後個数を30個と算出し、在庫数の30個と一致することになる。
【0107】
なお、補充員は、店舗1に、注文個数よりも多くの商品を持ち込む。これは、発注時点からこの補充時点までの間に、客にさらに商品が取られて、陳列場所に陳列されている商品の個数が少なくなっている場合が想定される故である。従って、発注個数と納品個数とは一致しない場合があり、実際の納品個数を検出することが重要である。
【0108】
なお、メインメモリ52に作成した補充員テーブルは、ACT48において在庫数を更新した際に削除してよい。あるいは、補充員テーブルは、対応する補充員が店舗1から退店したことを確認した際に削除するようにしてもよい。また、補充員テーブルは、例えば店舗1の1日の営業終了時等、任意の時点に削除するようにしてもよい。
【0109】
以上のように、第1実施形態の商品補充システムにおいては、店舗サーバ50のプロセッサ51は、店舗1への入店者及び退店者を特定し、入店者が商品補充の依頼を受けた補充担当者であると特定したときには、店舗1内の指定された陳列場所に補充するべく店舗1内に持ち込んだ補充商品の個数を検出する。また、プロセッサ51は、退店者が補充担当者であると特定したとき、店舗1から持ち出そうとする補充商品の個数を検出する。そして、プロセッサ51は、補充担当者が店舗1に持ち込んだ補充商品の個数と店舗1から持ち出そうとする補充商品の個数との差を算出し、その算出した個数を補充商品の補充数として配送確認テーブル535に登録する。
【0110】
このように、店舗1の商品の陳列場所に商品を補充する補充担当者が、店舗1の外部から補充商品を持ち込み、店舗1への持ち込み数と持ち出し数との差を補充数として計上することで、店舗従業員によらない商品補充を可能とする商品補充システムを提供することができる。例えば、補充担当者は、メーカや問屋、物流倉庫から補充商品を配送する配送業者の配送員としてよい。
【0111】
また、第1実施形態の商品補充システムは、店舗内の各商品の陳列場所を監視する監視手段である商品監視装置30を備え、プロセッサ51は、その監視結果に基づいて、各商品の補充の要否を判定し、補充担当者を管理する管理装置である受注者サーバ3または配送者サーバ6へ、補充が必要な商品の補充を依頼する発注指示を送信する。
【0112】
このように、補充が必要となった商品の発注を自動的に行うことができるので、店舗従業員によらない商品発注が可能となる。
【0113】
また、第1実施形態の商品補充システムでは、プロセッサ51は、発注指示に、商品を補充する指定の陳列場所として、補充が必要な商品が陳列されている陳列場所を示す位置情報を含める。
【0114】
この位置情報を参照することで、補充者は、補充するべき陳列場所を確認でき、その陳列場所に補充商品を補充することができる。
【0115】
また、第1実施形態の商品補充システムは、前記店舗の商品を販売するオンラインショッピングシステムを含み、プロセッサ51は、このオンラインショッピングシステムのオンラインショッピングサーバ4に対し、補充が必要な商品が陳列されている陳列場所を示す位置情報で示される陳列場所を配送先として、発注指示を送信する。これを受けたオンラインショッピングサーバ4は、補充担当者を管理する管理装置としての配送者サーバ6へ、店舗1の位置情報で示される陳列場所を配送先とした補充商品の配送指示を送信する。
【0116】
このように、既存のオンラインショッピングシステムを利用することで、初期投資を最小限に、補充が必要となった商品の発注を自動的に行うシステムを構成することができる。
【0117】
[第2実施形態]
第2実施形態の販売管理システムの構成は、店舗サーバ50の補助記憶デバイス53に記憶される在庫データベース534のデータ構造が異なる点を除いて、第1実施形態と同様である。
【0118】
図14は、この第2実施形態の商品補充システムにおける在庫データベース534のデータ構造を示す模式図である。本実施形態では、在庫データベース534においては、各商品の在庫データレコード5341には、商品コード、在庫数及び移動後個数に加えて、発注先と発注個数のデータ項目を含む。発注先は、当該商品について発注を行った受注者サーバ3またはオンラインショッピングサーバ4を示す。発注個数は、当該商品について発注を行った個数を示す。
【0119】
この第2実施形態の販売管理システムの動作に関しては、店舗サーバ50のプロセッサ51が補充商品の発注を行う商品発注処理と、補充員退店時に行う商品検収処理とを除いて、第1実施形態と同様である。
【0120】
商品発注処理においては、プロセッサ51は、第1実施形態で説明したACT25の処理で、発注を行う際に、次の処理を追加する。すなわち、プロセッサ51は、補充商品の発注個数を、当該商品に対応する在庫データベース534の在庫データレコード5341に記憶する。なお、本実施形態では、発注個数は、この発注時点の在庫数よりも多いことを要件とする。すなわち、ACT24での発注要否を判断するための在庫下限個数は、在庫上限個数の半分より少ない任意の値とする。
【0121】
なお、ACT25において発注を行う際の発注個数は、第1実施形態のように、当該商品の商品コードに対応する商品情報データベース533の商品レコードに記憶させてもよい。
【0122】
図15は、第2実施形態の商品補充システムにおける店舗サーバのプロセッサ51が補充員退店時に実行する商品検収処理の手順を示す流れ図である。なお、以下に説明する動作説明は一例である。同様な結果が得られるのであれば、その手順等は特に限定されるものではない。
【0123】
図15において、ACT41乃至ACT45の処理は、第1実施形態で説明した通りである。このACT45の処理の後、第1実施形態では検収フラグをセットしているが、本実施形態では、この時点では未だそれを行わない。
【0124】
本実施形態においては、プロセッサ51は、続けてACT46の処理を実行して、補充員テーブルに登録されている各商品について、在庫データベース534の当該商品の在庫データレコード5341から在庫数を取得する。そして、ACT47の処理により、プロセッサ51は、取得した在庫数に、その商品の納品個数を加算することで、各商品の納品後の想定在庫数を算出する。
【0125】
その後、プロセッサ51は、各商品の在庫データレコード5341から移動後個数を取得する(ACT51)。そして、各商品について、算出した想定在庫数と移動後個数が一致するか否か確認する(ACT52)。
【0126】
ここで、両者が一致する場合には(ACT52のYES)、プロセッサ51は、当該商品の納品が確認できたとして、配送確認テーブル535の商品コードに対応する各レコード5351に、検収フラグをセットする(ACT53)。かくして、プロセッサ51は、商品監視装置30の監視結果に基づいて、補充商品が指定された陳列場所に補充されたか否かを判定することで、補充担当者による商品補充を検収する検収手段として機能する。その後、プロセッサ51は、ACT48の処理に進んで、ACT47で算出した想定在庫数により、在庫データベース534の当該商品の在庫数を更新する。そして、プロセッサ51は、この商品検収処理を終了する。
【0127】
また、ACT52において想定在庫数と移動後個数が一致しない場合には(ACT52のNO)、プロセッサ51は、その一致しない商品の発注数を取得する(ACT54)。すなわちプロセッサ51は、当該商品の商品コードに対応する在庫データベース534の在庫データレコード5341に発注個数として登録されている、当該商品の発注数を取得する。
【0128】
そして、この取得した発注数と、ACT51で取得した移動後個数とを比較し、移動後個数の方が発注数よりも多いか否か判断する(ACT55)。ここで、移動個数の方が多い場合(ACT55のYES)、プロセッサ51は、ACT53の処理に進んで、配送確認テーブル535の当該商品の商品コードに対応するレコード5351に、検収フラグをセットする。
【0129】
これに対して、移動後個数の方が発注数よりも多くない場合(ACT55のNO)、プロセッサ51は、警告を発生する(ACT56)。例えば、プロセッサ51は、ゲート装置10が有する図示しない表示手段に、補充商品が陳列場所に補充されていないことを補充員である配送員に通知するための画像を表示させる。
【0130】
その後、プロセッサ51は、ゲート装置10のゲート通過センサにより補充員がゲートを通過したことを検出したか否か、つまり補充員が退店したか否かを判断する(ACT57)。ここで、補充員が退店していない場合(ACT57のNO)、プロセッサ51は、この商品検収処理を終了する。
【0131】
また、補充員が退店した場合(ACT57のYES)、プロセッサ51は、補充員が陳列場所に商品を陳列しなかったことの報告を発生する(ACT58)。プロセッサ51は、この報告を、例えば、当該商品の商品コードに対応する在庫データベース534の在庫データレコード5341に登録されている発注先に送信する。また、プロセッサ51は、ネットワークインタフェース56により、外部ネットワーク2を介して、店舗サーバ50を管理する管理者の情報端末に、この報告を送信してもよい。
【0132】
この報告発生後、プロセッサ51は、ACT48の処理へ進んで、ACT47で算出した想定在庫数により、在庫データベース534の当該商品の在庫数を更新する。そして、プロセッサ51は、この商品検収処理を終了する。
【0133】
例えば、補充員である配送員が、在庫数及び移動後個数が10個である、ある商品を30個持ち込み、退店時に、例えば当該商品を10個持ち出そうとしていることが検出されたとする。この場合、プロセッサ51は、ACT43において納品個数は30-10=20個であると算出する。補充員が商品をその陳列場所に補充することで、図6に示した在庫データベース更新処理により、プロセッサ51は、20個の返品方向の移動個数を取得し、移動後個数を10+20=30個と算出する。このとき、在庫数は10個のままであるので、移動後個数と一致しない。プロセッサ51は、ACT47にて在庫数10個と納品個数20個とを加算して、想定在庫数30個を算出する。ここで、本実施形態では、プロセッサ51は、ACT52において、想定在庫数と移動後個数との一致を判断する。この場合、両者とも30個であるので一致する。よって、プロセッサ51は、ACT48にて、在庫数を、この想定在庫数30個に更新する。こうして、在庫数と移動後個数とが一致する。また、想定在庫数と移動後個数とが一致しているので、補充商品が対応する指定の陳列場所に陳列されたことが確認される。これにより、プロセッサ51は、ACT53にて、検収フラグをセットする。
【0134】
また、補充員が商品を陳列場所に補充してからゲート装置10でチェックアウト操作を行うまでには、ある程度時間がかかる。従って、その間に、客が当該商品を陳列場所から取ることがある。そのような場合、上記例では、移動後個数が30個ではなくなる。例えば、客が1個の商品を取ると、買上方向の移動個数が1個となって、プロセッサ51は、移動後個数は29個と算出する。この場合、ACT47にてプロセッサ51が算出する想定在庫数は30個であるので、プロセッサ51は、ACT52では、想定在庫数と移動後個数とが一致しないと判断する。そこで、プロセッサ51は、ACT54にて、当該商品の発注数、例えば15個を取得する。そして、プロセッサ51は、ACT55にて、発注数と移動後個数との比較を行い、この場合は、発注数15個よりも移動後個数29個の方が多いと判断する。これにより、プロセッサ51は、検収フラグのセット及び在庫数の更新を行う。このようにプロセッサ51がACT48にて在庫数を30個に更新しても、在庫数と移動後個数とは一致しない。しかし、当該商品を取った客が会計機40にて決済を行うと、在庫数が29個に更新され、在庫数と移動後個数とがともに29個となって、一致する。また、客が決済せずに、当該商品を元の陳列場所に返却すると、返品方向の移動個数が1個となる。これにより、プロセッサ51は移動後個数を30個と算出し、在庫数の30個と一致することになる。
【0135】
一方、補充員が補充商品を店舗1に持ち込んだだけ、あるいは、指定の補充場所以外の場所に陳列してしまった場合には、次のようになる。そのような場合、上記例では、プロセッサ51は、当該商品について、ACT43において納品個数は20個と算出し、在庫数は10個であるのでACT47では想定在庫数を30個と算出する。また、プロセッサ51は、ACT31で移動後個数10個をと取得する。よって、プロセッサ51は、ACT52にて、想定在庫数と移動後個数とが一致しないと判断することとなり、ACT54にて、当該商品の発注数、例えば15個を取得する。そして、プロセッサ51は、ACT55にて、発注数と移動後個数との比較を行い、この場合は、発注数15個よりも移動後個数10個の方が少ないと判断する。これにより、プロセッサ51は、ACT56にて、警告を発生する。この警告を受けた補充員は、補充商品を指定された陳列位置に陳列する。その後、補充員が再度、ゲート装置10にてチェックアウト操作をすることで、上記正しく陳列した場合と同様の流れとなる。
【0136】
また、補充員が警告を無視して退店した場合には、プロセッサ51は、ACT58にて警告を発生した上で、ACT48にて在庫数を30個に更新する。これにより、在庫数と移動後個数とがともに30個となって、一致する。但しこの場合は、ACT53の処理を行っていないので、配送確認テーブル535の当該商品の商品コードに対応するレコード5351の検収フラグはセットされていない。よって、警告を受けた受注者サーバ3またはオンラインショッピングサーバ4から、どの補充員がどの補充商品の陳列を行っていないのかの問い合わせを受けたとき、プロセッサ51は、配送確認テーブル535の検収フラグを確認することで、該当する補充員及び商品を容易に特定することができる。
【0137】
以上のように、第2実施形態の商品補充システムにおいては、店舗サーバ50のプロセッサ51は、商品監視装置30の監視結果に基づいて、補充商品が指定された陳列場所に補充されたか否かを判定することで、補充担当者による商品補充を検収する。
【0138】
これにより、補充員が指定の陳列場所に商品を補充したか否かを確認することが可能となる。
【0139】
以上、店舗に陳列された商品を店員の関与なしに販売可能とする商品補充システムの情報処理に要する負荷を低減できる販売管理装置の実施形態について説明したが、かかる実施形態はこれに限定されるものではない。
【0140】
例えば前記実施形態では、会計機40を備える無人店舗を例に説明した。しかしながら、販売管理装置60が、客の支払口座から決済金額を引き落とす会計処理を行う機能を持つことで、会計機40を有しない形態の無人店舗であってもよい。
【0141】
また、商品の発注要否の判断を、在庫数と移動後個数とが一致するのを待って、つまり客が決済するのを待ってから行っている。しかしながら、その一致を待たないで、移動後個数のみによって、発注要否の判断を行うようにしてもよい。逆に、移動後個数ではなく、在庫数のみによって発注要否の判断を行うようにしてもよい。また、発注要否の判断は、商品単位ではなく、陳列場所単位で行うようにしてもよい。
【0142】
なお、指定の補充場所に補充商品を補充する補充担当者についても、配送業者の配送員に限らない。補充員は、商品を持って複数の店舗1を巡回するラウンダーであってもよい。この場合、ラウンダーは、受注者サーバ3、オンラインショッピングサーバ4または配送者サーバ6、あるいは店舗サーバ50を管理する管理者の情報端末等の、管理装置の管理の下、巡回コースが設定される。
【0143】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0144】
1…店舗、 2…外部ネットワーク、 3…受注者サーバ、 4…オンラインショッピングサーバ、 5…オンラインショッピングユーザ端末、 6…配送者サーバ、 10…ゲート装置、 20…人物追跡装置、 30…商品監視装置、 31,33…発注元情報、 32…発注内容情報、 40…会計機、 50…店舗サーバ、 51…プロセッサ、 52…メインメモリ、 53…補助記憶デバイス、 54…時計、 55…通信インタフェース、 56…ネットワークインタフェース、 57…システム伝送路、 60…販売管理装置、 61,63…配送先情報、 62,64…配送内容情報、 101…コードリーダ、 102…タグリーダ、 201,302…カメラ、 301…センサ、 521…補充員ID、 522…商品レコード、 531…POS精算データベース、 532…会員データベース、 533…商品情報データベース、 534…在庫データベース、 5341…在庫データレコード、 535…配送確認テーブル、 5351…レコード。
図1
図2
図3
図4
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