IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ リライン コーポレイションの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036679
(43)【公開日】2024-03-15
(54)【発明の名称】関節鏡装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/3205 20060101AFI20240308BHJP
   A61B 18/14 20060101ALI20240308BHJP
   A61B 17/56 20060101ALN20240308BHJP
   A61B 17/16 20060101ALN20240308BHJP
【FI】
A61B17/3205
A61B18/14
A61B17/56
A61B17/16
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024018344
(22)【出願日】2024-02-09
(62)【分割の表示】P 2022556454の分割
【原出願日】2020-11-24
(31)【優先権主張番号】62/940,455
(32)【優先日】2019-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/792,099
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】522206906
【氏名又は名称】リライン コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】アーロン ジャーメイン
(72)【発明者】
【氏名】ジェフ ノートン
(57)【要約】
【課題】本発明は、医療装置及び方法に関し、より詳細には、機械的切断及び電気外科的切断の両方、切除及び血液凝固処置のために構成された組織切除装置及びこれを有する組織切除システムに関する。
【解決手段】
組織切除装置は近位端から遠位端まで長手方向軸に沿って延在し、遠位端付近の外窓に開口する軸方向孔を有する外側スリーブを含む。内側スリーブは、外側スリーブの軸方向孔内に回転可能に受け入れられ、負圧源と連通するように適合された軸方向チャネルを有する。遠位ハウジングは、内側スリーブの遠位端に取り付けられ、環状誘電性部分と、軸方向チャネルに開口する円周方向に離間した鋭利な切れ刃を有する内窓を有する円周方向に隣接した環状金属部分とを有する。環状誘電性部分によって活性電極が担持され、内側スリーブが外側スリーブ内で回転されると、内窓と活性電極が交互に回転して外窓と整列するように、内窓は活性電極から円周方向に離間されている。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織切除装置であって、
近位端から遠位端まで長手方向軸に沿って延在し、前記遠位端の近傍の外窓に対して開口する軸方向孔を有する外側スリーブと、
前記外側スリーブの軸方向孔内に回転可能に受容され、負圧源と連通するように適合された軸方向チャネルを有する内側スリーブと、
前記内側スリーブと共に回転するための該内側スリーブの遠位端に取り付けられた遠位ハウジングであって、環状誘電性部分と、周方向で隣接する環状金属部分であって、円周方向に離間した第1の鋭利な金属切れ刃と第2の鋭利な金属切れ刃を有する内窓を備え、該内窓は前記軸方向チャネルに開口する、環状金属部分と、を有する遠位ハウジングと、
前記環状誘電性部分によって担持される活性電極と、を備え、
前記内窓は前記活性電極から円周方向に離間し、前記内窓と前記活性電極は、前記内側スリーブが前記外側スリーブ内で回転するときに、前記外窓と整列して交互に回転し、
前記外側スリーブ内の前記外窓は、前記遠位ハウジングの前記環状誘電性部分よりも周方向に広く、前記環状誘電性部分は、該環状誘電性部分と前記外窓の少なくとも一つのエッジとの間に露出する環状金属部分のマージン部分を残して前記外窓内で停止でき、前記外窓の前記少なくとも一つのエッジは第3の鋭利な金属切れ刃を提供し、
前記露出した環状金属部分は、前記第3の鋭利な金属切れ刃での電流集中を阻止する第1のリターン電極として作用し、前記第3の鋭利な金属切れ刃は前記組織切除装置内で第2のリターン電極として作用するように構成されている、
組織切除装置。
【請求項2】
前記環状金属部分及び前記環状誘電性部分は、横断面で見て、前記内窓に近位の前記遠位ハウジングの周りで360°延在する、請求項1に記載の組織切除装置。
【請求項3】
前記活性電極の外側は横断面で見て少なくとも20°の円弧上に延在し、前記環状誘電性部分の外側は、横断面で見て前記活性電極の各側で少なくとも10°の円弧上に延在する、請求項1に記載の組織切除装置。
【請求項4】
前記環状金属部分のそれぞれの鋭利な切れ刃と前記環状誘電性部分との間の距離は、少なくとも10°の円弧上に延在する、請求項3に記載の組織切除装置。
【請求項5】
前記活性電極及び前記環状誘電性部分の外面は、横断面で見て第1の円弧に亘って延在し、前記外側スリーブの前記外窓は横断面で見て第2の円弧に亘って延在し、前記第2の円弧は前記第1の円弧よりも大きい、請求項1に記載の組織切除装置。
【請求項6】
前記活性電極は円周方向に少なくとも0.762mm延びる外面を有する、請求項5に記載の組織切除装置。
【請求項7】
活性電極エッジが、前記環状金属部分の最も近い表面から少なくとも0.254mmだけ離間している、請求項6に記載の組織切除装置。
【請求項8】
前記活性電極の外面は半径R1を有し、前記環状誘電性部分の外面は半径R2を有し、前記環状金属部分の外面は半径R3を有する、請求項1に記載の組織切除装置。
【請求項9】
前記半径R1は前記半径R2より0.508mm以下だけ小さい、請求項8に記載の組織切除装置。
【請求項10】
前記半径R2は前記半径R3より0.508mm以下だけ小さい、請求項9に記載の組織切除装置。
【請求項11】
前記活性電極は前記内窓と正反対の外面を有する、請求項1に記載の組織切除装置。
【請求項12】
前記活性電極は前記内窓に非対称に対向する外面を有する、請求項1に記載の組織切除装置。
【請求項13】
前記鋭利な切れ刃は、一群の直線切れ刃、鋸歯状切れ刃、及び歯付き切れ刃から選択される特徴を含む、請求項1に記載の組織切除装置。
【請求項14】
前記遠位ハウジングは、軸方向チャネルと、該軸方向チャネル内に配置された誘電性インサートとを有する導電性の略管状構造を備える、請求項1に記載の組織切除装置。
【請求項15】
前記遠位ハウジングは、前記誘電性インサートの外面の溝に配置された活性電極インサートを更に備える、請求項14に記載の組織切除装置。
【請求項16】
前記内側スリーブの前記軸方向孔内に配置され、前記活性電極に取り付けられた遠位端を有する細長い電気導体をさらに備える、請求項1に記載の組織切除装置。
【請求項17】
前記電気導体は前記内側スリーブの前記軸方向孔内に支持された保護チューブ内にある、請求項16に記載の組織切除装置。
【請求項18】
近位ハブをさらに備え、前記外側スリーブは前記近位ハブに固定的に取り付けられ、前記内側スリーブは前記近位ハブに回転可能に取り付けられる、請求項1に記載の組織切除装置。
【請求項19】
組織切除システムであって、
請求項18に記載の組織切除装置と、
近位ハブに取り外し可能に接続するように構成されたハンドピースと、備え、
該ハンドピースは、
(a)窓開放位置及び窓閉鎖位置を介して前記外窓に対し、前記内側スリーブ及び前記内窓を回転させるように適合されたモータ駆動ユニットと、
(b)モータを選択的に駆動して前記内側スリーブを回転させ、前記内側スリーブのモータ駆動された回転を停止させ、前記活性電極に切除電流を供給し、活性電極に焼灼電流を供給するように構成されたコントローラと、
を有する組織切除システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、医療装置及び方法に関し、より詳細には、機械的切断及び電気外科的切断の両方、切除及び血液凝固処置のために構成されたモータ駆動管状カッター部分を含む医療システムに関する。
(関連出願の相互参照)
本出願は2020年2月14日に出願された米国特許出願第16/792,099号明細書(代理人整理番号第41879-750.201号)の優先権を主張し、これは2019年11月26日に出願された米国仮特許出願第62/940,455号明細書(代理人整理番号第41879-750.101号)の利益を主張し、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
肩峰下除圧術、切痕形成を含む前十字靭帯再建術、肩鎖関節の関節鏡切除術を含む内視鏡などの外科的処置では、骨・軟組織の切断・除去が必要となる。現在、外科医はこのような処置において硬組織を除去するために、回転切断面を有する関節鏡シェーバ及びカッターを使用する。
【0003】
効率を促進するために、再利用可能なハンドピース及び異なる作用端を有する交換可能なツールプローブの選択を含む内視鏡ツールシステムが提案されている。そのような作用端は、それぞれ、軟組織除去及び硬組織切除のような2つ以上の機能を有してもよく、そのため、そのようなツールシステムは数十の特定の機能を提供することができ、大きな柔軟性を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明にとって特に興味深いことに、ツールプローブには、機械的切断及び電気外科的切除能力の両方を提供することができる。機械的カッターはしばしば、骨のような硬組織を切断及び切除するための最も効率的な選択であり、一方、電気外科的切除はしばしば、軟組織を処置するために好ましい。しかしながら、このようなツール上の切除電極はまた、処置中の切除、切断、又は他の外傷から生じる出血組織を焼灼するために電流を供給するのに使用され得る。
【0005】
しかしながら、そのような機械的/電気外科的切除プローブの組み合わせに伴う1つの課題は、切除電極からの切除電流の供給が機械的切断ブレードを劣化させ得ることである。このような劣化は鋭利な金属切れ刃に特有の問題であり、ここで、本発明者らは切除電流が鋭利な金属切れ刃に焦点を当てることができ、急速にそれらを硬い組織の切除を不適切にすることを発見した。
【0006】
したがって、本発明の目的は、関節又は他の部位から骨又は軟組織を切断及び除去するためのモータ駆動電気外科装置が提供される、改善された関節鏡組織切断及び除去システムなどの、改善された外科システム及びその使用方法を提供することである。本発明のさらなる目的は、機械的切断要素の劣化が低減又は排除される、機械的/電気外科的カッターの組み合わせを提供することである。特に、骨のような硬い組織を機械的に切断する能力を失うことなく、切除及び焼灼電流の両方に曝され得る鋭利な切れ刃を有する切断窓を有する金属カッターを提供することが望ましい。これらの目的の少なくともいくつかは、本明細書に記載の発明によって満たされる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、関節鏡検査及び他の内視鏡検査及び最小侵襲医療処置に適した機械的切除と電気外科治療プローブとの組み合わせを提供する。特に、本発明のプローブは、協働する鋭利な金属切れ刃を有する遠位外窓を有する外側スリーブ内で回転可能な鋭利な金属切れ刃を有する遠位内窓を有する回転内側スリーブ部分を含む。回転する内側スリーブ部分は典型的には管状構成を有し、それを通る真空補助抽出チャネルを有する。活性電気外科用電極は回転する内側スリーブ上に担持され、典型的には、内窓に対向する遠位端又はその近くの位置に、又はその近くに配置される。使用方法では、内側スリーブ部分の回転を停止させて、外側スリーブの外窓内に活性電気外科用電極を位置決めし、露出させることができる。活性外科用電極は、焼灼電流と同様に焼灼電流を選択的に供給するために使用される。活性手術用電極が外窓の鋭利な金属切れ刃に近接しているときの切除電流の供給はこのような鋭利な切れ刃に集中した電流束のために、鋭利な外窓切れ刃を劣化させる実質的なリスクを提示することが、本発明者らによって見出された。しかしながら、本発明者らは活性外科用電極が外側切断窓内に位置決めされる(典型的には回転中心に位置決めされる)ときに、リターン電極表面が切除電極と外窓の鋭利な切れ刃との間に位置決めされる回転内側スリーブ部分上にリターン電極表面を位置決めすることによって、外窓の鋭利な金属切れ刃を保護し、保存することができることをさらに見出した。特に、外窓切れ刃よりも切除電極に近くなるように(治療環境において双極電流が流れを可能にするのに十分な距離を維持しつつ)内側スリーブ部分上のリターン電極表面を位置させることによって、リターン電流はリターン電極表面を形成する外窓の金属切れ刃によって受けられる電流がより少なくなるように、内側スリーブのリターン電極表面に優先的に導くことができる。このようにして、本発明者らは、外窓の鋭利な切れ刃における電流集中を十分に低減して、このような鋭利な切れ刃の劣化を低減又は排除することができると考える。このような鋭利な外窓切れ刃は全ての鋭利な金属切れ刃に見られる電流集中のために、少なくとも部分的に劣化する危険性が高い。リターン電流を、一般にこのような電流集中特徴を伴わない、かつ外窓切れ刃から離れたリターン電極表面に向けることによって、外窓切れ刃の鋭さを保持することができる。
【0008】
本発明の第1の態様では、組織切除装置が外側スリーブ及び内側スリーブを備える。外側スリーブは近位端部から遠位端部まで長手軸線に沿って延び、遠位端部付近の外窓に開口する軸方向孔を有する。内側スリーブ部分は、外側スリーブの軸方向孔内に回転可能に受け入れられ、負圧源と連通するように適合された軸方向チャネルを有する。遠位ハウジングは内側スリーブの遠位端部に取り付けられ、遠位ハウジングは環状誘電性部分と、軸方向チャネルに開口する円周方向に離間した部分の鋭利な切れ刃を有する内窓を有する円周方向に隣接した環状金属部分とを備える。環状誘電性部分上に活性電極が担持され、内側スリーブ部分が外側スリーブ内で回転されるときに、内部窓と活性電極が外窓との整列に交互に回転するように、内部窓は活性電極から円周方向に離間されている。
【0009】
特定の実施態様において、外側スリーブ内の外窓は環状誘電性部分が環状誘電性部分と外窓の少なくとも1つのエッジとの間に露出する環状金属部分の縁部分を残して、環状誘電性部分が外窓内で停止され得るように、遠位ハウジングの環状誘電性部分よりも周方向に広く、その結果、露出された環状金属部分は外窓の少なくとも1つのエッジにおける電流集中を防止するリターン電極として作用する。すなわち、遠位ハウジングの環状金属部分によって画定されるリターン電極はリターン電極が外窓の切れ刃により近く、かつそれよりも大きいので、活性電極から電流を優先的に収集し、したがって、切れ刃が主リターン電極として作用した場合に起こり得る外窓の切れ刃への損傷を制限又は排除する。
【0010】
さらなる実施形態では、環状金属部分及び環状誘電性部分が内窓の近位側にある遠位ハウジング部分の横断面を中心にして、完全に360°延在するのであろう。特定の例では電極が環状誘電性部分上に(典型的には活性電極の外面が環状誘電性部分と同じ外側曲率に従うようにチャネル又は凹部内に)取り付けられ、横断面の少なくとも約20°の範囲に渡って円弧状に延在する表面を有し、一方、環状誘電性部分は横断面の少なくとも10°の範囲に亘って電極の各側に円弧状に延在する表面を有し、環状金属部分は横断面の少なくとも10°の範囲の円弧上に延在する内窓の各側に側壁を有する。
【0011】
更なる例では、環状金属部分の各鋭利な切れ刃と隣接する環状誘電性部分との間の距離が少なくとも10°の円弧上に延在する。このような距離によって、活性電極と隣接するリターン電極とが最小距離だけ離れて、最適な双極動作を可能にすることが保証される。典型的には活性電極の表面が少なくとも0.762mm(0.030インチ)の円周方向距離にわたり、活性電極切れ刃は環状金属部分(リターン電極を形成する)の最も近い表面から少なくとも0.254mm(0.010インチ)離間している。
【0012】
他の例示的な実施形態では遠位ハウジングの断面、及び活性電極、誘電体表面及びリターン電極の領域はほぼ円形の断面を有し、活性電極は半径R1を有し、環状誘電性部分の外側は半径R2を有し、環状金属部分の外側は半径R3を有する。典型的にはR1が0.508mm(0.020インチ)以下の距離だけR2より小さく、R2は0.508mm(0.020インチ)以下の距離だけR3より小さくてもよい。このような小さな差によって、電極及び環状誘電性部分は環状金属部分の円筒面に対してわずかに挿入されることが可能になり、回転中の活性電極の摩耗及び劣化のリスクが低減される。
【0013】
本発明の組織切除装置の特定の実施形態では、活性電極が遠位ハウジングの環状金属部分に形成された内窓と正反対の外面を有する。また、誘電体部は、内窓に直径方向に対向している。装置の使用中、コントローラは外側スリーブの外窓内の電極及び誘電体部分を位置して露出させるために、内側スリーブの回転を停止させるように構成される。活性電極と外窓の鋭利な切れ刃との間に選択された円周方向の間隔を設け、その空間内に内側スリーブのリターン電極部分を位置決めすることによって、外窓の鋭利な切れ刃の劣化が最小限に抑えられる。特に、活性電極と外窓の鋭利な金属切れ刃との間の環状金属部分によって形成されるリターン電極の表面積の位置決めは、外窓切れ刃によって受ける電流集中を減少させる。本発明は活性電極及び誘電体部分が内窓に直径方向に対向していることに限定されず、電極及び誘電体部分は内側スリーブが停止位置にあるとき、内側スリーブの十分な利用可能なリターン電極領域が活性電極と外窓の鋭利な切れ刃との間に維持される限り、他の実施形態では内窓に対して非対称的に位置することができる。
【0014】
本発明の組織切除装置の他の特定の実施形態では、内窓上の鋭利な切れ刃が直線切れ刃、鋸歯状切れ刃、その中に形成された切断歯を有する切れ刃、及びあらゆるタイプの組織、特に骨などの硬組織に有効であることが知られている任意の他の形態の切除切れ刃の形態であってもよい。
【0015】
本発明の組織切除装置のさらに他の特定の態様では、遠位ハウジングがその壁に形成された軸方向チャネルを有する導電性管状構造を含むことができる。軸方向チャネル内に誘電体インサートを配置して、環状誘電性部分を形成してもよく、ここで、遠位ハウジングの環状金属部分は、導電性管状構造の隣接壁によって提供される。
【0016】
本発明のさらに別の態様では、組織を切除する方法がそれぞれの遠位端に外側及び内側切除窓を有する同軸の外側及び内側スリーブを有する細長いシャフトを有するプローブを提供することを含む。内側スリーブ部分は外側スリーブ内で回転可能であり、内側スリーブ部分は、活性電極及びリターン電極を担持する。内側及び外側切除窓は内側スリーブ部分を回転又は回転振動させながら組織に対して係合され、それによって組織を切除し、RF電流が活性電極に供給されて、組織にエネルギーを印加する。切除RF電流は第1のモードで組織を切除するために、その停止位置にある内側スリーブと共に供給され得る。凝固RF電流は第2のモードで出血組織を凝固させるために、その停止位置にある内側スリーブと共に供給され得る。また、第3のモードで組織を同時に切除して凝固させるために、内側スリーブを回転させながら凝固RF電流を供給することができる。
【0017】
このような場合、細長い電気導体は内側スリーブの軸方向孔内に配置され得、遠位端において活性電極に接続され得、そして電気外科電源(代表的には以下により詳細に記載されるようなハブ)に接続され得る近位端を有し得る。
【0018】
さらなる例では近位ハブが組織切除装置に取り付けられてもよく、典型的には外側スリーブの近位端に固定して取り付けられ、内側スリーブの近位端に回転可能に取り付けられる。近位ハブは、典型的には外側スリーブ及び近位ハブに対して内側スリーブ部分を回転させるように構成されたモータを有するハンドル又は他の手持ち式ユニットに着脱自在に接続可能である。
【0019】
また、本発明はハンドル他の手持ち式ユニット、特に、外側スリーブに対して内側スリーブ部分を回転させ、活性電極及びリターン電極への電気的接続を提供するように構成された近位ハブを有する組織切除装置と組み合わせて、前述の任意の組織切除装置を備える組織切除システムを提供する。このような組織切除システムは、近位ハブに取り外し可能に接続するように構成されたハンドピースをさらに備え得る。ハンドピースは、典型的には内側スリーブ部分及び内窓を、外側スリーブ内の外窓に対して、窓開閉位置を通して回転させるように構成されたモータ駆動ユニットを含む。コントローラは又はンドル又は他の手持ち式ユニットに設けられてもよく、コントローラはモータを選択的に駆動して、内側スリーブを回転させ、内側スリーブのモータ駆動回転を停止させ、切除電流を活性電極に供給し、焼灼電流を活性電極に個別に又は様々な組合せで供給するように適合される。
【0020】
このような組織切除システムを使用して、本発明の方法は、外側スリーブの外窓を標的組織部位に係合させるステップと、コントローラを操作して、内側スリーブ部分及び内窓を外窓に対して回転させて、鋭利な切れ刃を有する組織を機械的に切除するステップとを含む。任意の組織が切除され得るが、鋭利な切れ刃は軟組織及び骨を切除するために特に有効である。
【0021】
本方法は外側スリーブの外窓に整列された活性電極を有する内側スリーブ部分の回転を停止し、組織を切除するために活性電極に切除電流を供給するように、コントローラを動作させるステップをさらに含む。任意のタイプの組織が切除され得るが、高周波及び関連する形態の電気外科的切除は軟組織に対して特に有効である。
【0022】
骨などの硬組織を治療するために利用可能な機械的組織切除、ならびに軟組織を治療するために利用可能な電気外科組織切除を有することによって、同じ装置は最初の手順が第1のプローブ又はツールで完了した後に、第2のプローブ又はツールを再配置することが困難であり得る関節鏡処置などの器具を交換することが困難又は望ましくない手順において、骨及び軟組織の両方を治療するために便利に使用され得る。
【0023】
さらに別の態様では、本発明の組織切除プローブがハブ内の電気接点の近位側及び遠位側にシールを有する。例えば、近位ハブは長手方向軸の周りに延在する細長い外側スリーブに連結されてもよく、ハブの筐体はその中に開口部を有する遠位端を有する。回転可能な内側スリーブ部分はハブ及び外側スリーブ内で回転するように構成することができ、この場合、内側スリーブ部分は、開口を通過する作用端まで延びる。内側スリーブ部分はハブの内部において非回転電気接触を回転可能に接触させるように構成された電気接触リングを担持することができ、第1及び第2の環状シールは、接触リングの近位側及び遠位側において内側スリーブ部分を接触及びシールするハブによって担持されて、接触リング及び非回転接触の周囲に流体密封シールを提供することができる。
【0024】
特定の例ではコンタクトリングが電気リード線によって、内側スリーブの前記作用端部に担持された活性電極に結合されてもよく、電気リード線は内側スリーブの壁の内側の通路に担持されてもよい。電気リード線は電流経路を完成させるために、外壁上に、又は内側スリーブ部分の軸方向孔内に位置決めされてもよい。ハブはモータ駆動ユニットを運ぶハンドピース内の受容チャネルと着脱自在に結合するように構成することができ、受容チャネルはプローブがハンドピースに取り付けられたときに、ハブの非回転接触と電気的に結合するように構成された活性接触を運ぶことができる。また、受容チャネルは、外側スリーブによって担持されたリターン電極にRF電流を供給するハブ内の電気接点と係合するリターン接点を担持することができる。
【0025】
さらに別の態様では、本発明の遠位ハウジングが半径方向に厚さを有する連続した(通常は円形状の)壁を有する。壁の第1の部分、典型的には環状セグメントは完全に金属である完全な壁厚を有し、壁の第2の部分、典型的には環状セグメントは半径方向に完全にセラミックである完全な壁厚を有する、すなわち、壁構造は、壁厚を増加させ、組織破片抽出を収容するために必要な軸方向孔に利用可能な断面積を減少させる層状ではない。
【0026】
例えば、組織切除プローブは長手方向軸の周りに延在する細長い外側スリーブを備えてもよく、遠位部分はその中の軸方向孔に開口する外窓を有する。内側スリーブ部分は孔内で回転するように構成することができ、内側スリーブ部分は、内側チャネルに開口する内部窓を有する遠位ハウジングアセンブリを含むことができる。ハウジングアセンブリは金属壁部分と、前記内側チャネルを画定するセラミック又は他の誘電体壁部分とを含むことができ、任意の半径方向ベクトルに沿った全壁厚は、金属又は誘電体、典型的にはセラミックである。典型的には、誘電体壁部分の内面が内側チャネルの表面を含もう。誘電体壁部分の外面は電極を担持してもよく、金属壁部分は内窓の横切れ刃を画定してもよい。
【0027】
以下、添付図面を参照して、本発明の様々な実施形態について説明する。図面は本発明の典型的な実施形態のみを示し、したがって、範囲を限定すると見なされるべきではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、モータ駆動ユニット及び着脱可能な一回使用の切断プローブを備えた再使用可能ハンドピースを含む、関節鏡切断システムの斜視図であり、切断プローブはハンドピースと共にハンドピースに結合されてもよく、かつハンドピースに対して上向き又は下向きの向きであってもよいように、2つの向きで示され、ハンドピースは、制御アクチュエータと共に使用中にシステムの動作パラメータをハンドピース上に表示するためのLCD画面を含む。
図2A図2Aは、図1の2A-2A線に沿って切断された、図1のプローブのハブの、ハンドピースに対してハブ及びプローブが上向きの配向を有する拡大縦断面図であり、さらに、ハンドピースによって運ばれるホール効果センサと、プローブの配向及びハンドピースに対するプローブのモータ駆動要素の位置を決定するための、装置識別のためにプローブハブによって運ばれる複数の磁石とを示す。
図2B図2Bは、図1の2B-2B線に沿って切り取られた、図1のハブの断面図であり、ハブ及びプローブは、図2Aのものと比較して異なる配向を有するホール効果センサ及び磁石を示すハンドピースに対して下向きの配向をしている。
図3A図3Aは、カッター部分の窓が外側スリーブの窓と位置合わせされた、外側スリーブに対して第1の位置にある回転可能なカッター部分と共に上向きに配置された、図1のプローブの作用端の拡大斜視図である。
図3B図3Bは、カッター部分によって担持された電極が外側スリーブの窓の中心線と位置合わせされている、外側スリーブに対して第2の位置にある回転可能なカッター部分と共に上向きに配置された図1の作用端の斜視図である。
図4図4は、図1のハンドピースに着脱可能に連結され得るプローブの変形例の作用端の斜視図であり、作用端は、外側スリーブから遠位に延在する骨カッター部分を含む。
図5図5は、図1のハンドピースに着脱可能に結合され得るプローブの変形例の作用端の斜視図であり、作用端は往復運動電極を有する。
図6図6は、図1のハンドピースに着脱可能に結合され得るプローブの別の変形例の作用端の斜視図であり、作用端は、延長位置及び非延長位置を有するフック状電極を有する。
図7図7は、図1のハンドピースに着脱可能に結合され得るプローブのさらに別の変形例の作用端の斜視図であり、作用端は、組織を切断するための開閉可能な顎構造を有する。
図8図8は、選択されたデフォルト位置でカッター部分の回転を停止するための制御アルゴリズムによって使用される方法を概略的に示す、図1及び3Aのような回転カッター部分を有するプローブについての設定速度に関するチャートである。
図9A図9Aは、図2Aのハブを除いて、図2Aのハブと同様のプローブハブの縦断面図である。ただし、図9Aのハブは図5の作用端におけるように、回転運動を直線運動に変換して電極を軸方向に往復運動させるための内部カム機構を有しており、図9Aはハブ内の磁石及び駆動結合が図2Aのものと同じであり、ハブは、ハンドピースに対して上向きの位置にある。
図9B図9Bは、ハンドピースに対して下向きの位置で180°回転した図9Aのハブの断面図である。
図10図10は、長手方向導電性金属部分に結合された長手方向誘電性構造部分を含む、モータ駆動された回転する内側切断スリーブを示す、プローブの別の変形例の斜視図であり、誘電性構造部分は活性電極を担持し、長手方向導電性金属部分はリターン電極を含む。
図11図11は、図10の作用端の拡大斜視図であり、内側スリーブ部分が外側スリーブから分離されている。
図12図12は、図11のような作用端部の斜視図であり、内側スリーブ部分が180°回転されている。
図13図13は、図10のプローブの作用端部の構成要素を示す分解図の斜視図である。
図14図14は、その構成要素の別の側面を示すために180°回転された図13のような作用端の分解斜視図である。
図15図10図14の作用端の斜視図であり、部分的に組み立てられた図であり、その中の電気的接続を示す。
図16A図16Aは、構成要素及びその特徴の半径方向寸法を示す、図10~15の作用端の構成要素の端面図である。
図16B図16Bは、分解図における図1の作用端の構成要素の端面図である。
図16C図16Cは、図14の16C-16C線に沿って切り取られた図13~14の作用端の構成要素の断面図であり、構成要素が離れるように移動された状態で90°回転されている。
図17図17は、図10~15の作用端の斜視図であり、活性電極とリターン電極との間のRF電流経路を示す。
図18図18図10と同様のプローブの別の変形例の作用端の分解斜視図であり、その構成要素を示す。
図19図19は、図18の作用端の構成要素の端面図である。
図20図20は、図10及び図18と同様のプローブの別の変形例の分解斜視図であり、その構成要素を示す。
図21図21は、図20の作用端の構成要素の端面図である。
図22図22は、図10及び図18と同様のプローブの別の変形例の部分分解斜視図であり、その構成要素を示す。
図23図23図22の作用端の構成要素の別の斜視図である。
図24図24は、図22及び図23のプローブの構成要素の分解図である。
図25A図25Aは、プローブのハブ及びシャフトを示す、図22及び23のプローブの斜視図である。
図25B図25Bは、図25Aのプローブの縦断面図である。
図26図26は、図25Bのプローブのハブの一部の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、骨切断及び組織除去装置、ならびに関連する使用方法に関する。ここで、本明細書に開示される装置の使用の形態、機能、及び方法の原理の全体的な理解を提供するために、本発明のいくつかの変形形態を説明する。一般に、本開示は、骨、軟組織、半月板組織を切断するため、ならびにRF切除及び凝固のために適合された関節鏡検査ツールの変形例を提供する。関節鏡ツールは典型的には使い捨てであり、モータ駆動要素を担持する使い捨てでないハンドピースに着脱可能に結合するように構成される。本発明の一般原理のこの説明は、添付の特許請求の範囲における発明概念を限定することを意味しない。
【0030】
図1に示す1つの変形例では、本発明の関節鏡システム100がハンドピース104に、モータ駆動ユニット105と、ハンドピース104のレシーバ又は通路孔122によって受け入れることができる近位のハブ120を有する使い捨てシェーバアセンブリ又はプローブ110とを提供する。一態様では、プローブ110が肩、膝、股関節、手首、足首、及び脊椎の骨を治療することを含むが、これらに限定されない、多くの関節鏡外科用途で使用するように構成された高速回転カッターを担持する作用端112を有する。
【0031】
図1図2A及び図3Aでは、プローブ110が外側スリーブ140及び内側スリーブ部分142を備え、内側スリーブ部分142が遠位セラミックカッター部分145(図3A)を担持する、長手方向軸128に沿って延びるシャフト125を有することが分かる。シャフト125は近位のハブ120から延び、ここで、外側スリーブ140はハブ120に固定された様式で連結され、このハブは例えば、射出成形プラスチックであり得、外側スリーブ140はその中にインサート成形される。内側スリーブ部分142は、モータ駆動ユニット105の回転モータ駆動軸151に連結するように構成された駆動カップリング150に連結されている。より詳細には、回転可能なカッター部分145が軟組織を切断するために、窓154の対向する側面152a及び152b上に鋭利な切れ刃を有するセラミック材料から作製される。モータ駆動ユニット105は、セラミックカッターに操作自在に連結され、1,000rpmから20,000rpmの範囲の速度でカッター部分を回転させる。図3Bにおいて、カッター部分145は、窓154に対向する表面にRF電極155も担持していることが分かる。カッター部分145は回転し、外側スリーブ140(図3A)の歯付き開口部又は窓158内の組織を剪断する。図1に示されるタイプのプローブは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、ARTHROSCOPIC DEVICES AND METHODSという名称の、2017年1月31日に出願された同時係属中の共有の米国特許出願第15/421,264号明細書(代理人整理番号41879-714.201)により詳細に記載されている。
【0032】
図1から分かるように、プローブ110は、ハンドピース104に着脱自在に結合するための2つの向きで示されている。より具体的には、ハブ120がUPで示される上方向及びDNで示される下方向でハンドピース104に結合することができ、この場合、向きは互いに180°反対である。上向き及び下向きの向きは、ハンドピース104に対して上向き又は下向きのいずれかに作用端112を向けるために必要であり、医師が組織にアクセスするためにハンドピースを360°で操作する必要なしに、標的組織とカッター部分145をすべての方向で接することを可能にすることが理解され得る。
【0033】
図1において、ハンドピース104は、電気ケーブル160によって、モータ駆動ユニット105を制御するコントローラ165に動作可能に結合されていることが分かる。ハンドピース104上のアクチュエータボタン166a、166b又は166cは、セラミックカッター部分145のための種々の回転モードなどの運転モードを選択するために使用することができる。一変更形態では、ジョイスティック168を前後に動かして、セラミックカッター部分145の回転速度を調整することができる。カッターの回転速度は連続的に調整可能である。又は、20,000rpmまで漸次調整できる。ハンドピース内には、カッター部分の回転速度、動作モードなどの動作パラメータを表示するためのLCD画面170が設けられている。
【0034】
システム100及びハンドピース104は、様々な異なる機能及び処置のために設計され得る様々な使い捨てプローブを使用するために適合することが、図1から理解され得る。例えば、図4は、セラミックカッター部分205が外側スリーブ206から遠位に延在し、カッター部分が骨を切断するためのカッター切れ刃208を有することを除いて、図3A~3Bのプローブ110の作用端112と同様であるプローブの作用端200Aの異なる変形例を示す。図4のプローブは、ARTHROSCOPIC DEVICES AND METHODSという名称で、2016年9月20日に出願された同時係属中の共有の米国特許出願第15/271,184号明細書(代理人整理番号41879-728.201)により詳細に記載されている。図5は、ARTHROSCOPIC DEVICES AND METHODSの名称で、2017年1月19日に出願された同時係属中の共有の米国特許出願第15/410,723号明細書(代理人整理番号41879-713.201)により詳細に記載されたプローブのタイプの往復運動電極210を有するプローブ200Bの作用端の異なる変形例を示す。別の例では、図6がARTHROSCOPIC DEVICES AND METHODSという名称で、2017年3月9日に出願された同時係属中の共有の米国特許出願第15/454,342号明細書(代理人整理番号41879-715.201)により詳細に記載されたプローブタイプの伸縮可能なフック形状電極212を有するプローブ200Cの作用端の別の変形例を示す。さらに別の例では、図7がARTHROSCOPIC DEVICES AND METHODSという名称で、2017年4月10日に出願された同時係属中の共有の米国特許出願第15/483,940号明細書(代理人整理番号41879-721.201)にさらに詳細に記載されているように、半月板組織又は他の組織をトリミングするための往復運動部分218によって作動される開閉可能な顎構造215を有するプローブタイプ200Dの作用端の変形例を示す。図4図7のプローブはすべて、図1の同じハンドピース104に結合するための図1のプローブ110のハブ120と同様のハブを有することができ、プローブの一部(図5図7参照)は、回転運動を直線運動に変換するためのハブ機構を有する。この段落で識別されたばかりの特許出願の全ては、参照により本明細書に組み込まれる。
【0035】
図1は、システム100がハンドピース104内の流路224と連通し、図1~3B、4、5、及び6のプローブ110、200A、200B、又は200Cのいずれかと協働することができる吸引管222に結合された負圧源220も含むことをさらに示す。図1では、システム100が図1~3B、4、5、及び6のプローブ110、200A、200B、又は200Cのいずれかの電極に接続することができるRF源225を含むことが示されている。コントローラ165及びその中にある制御アルゴリズムを有するマイクロプロセッサは、全ての機能を作動及び制御するために設けられており、これは、モータ駆動ユニット105を制御して、任意のプローブ110、200A、200B又は200Cの作用端をモータ駆動要素を移動させるとともに、RF源225及び流体及び組織の破片を収集リザーバ230に吸引できる負圧源220を制御することを含む。
【0036】
システム100及びハンドピース104の上記の説明から理解され得るように、コントローラ165及び制御アルゴリズムは、システム機能を提供するために多くのタスクを実行及び自動化するように構成される必要がある。第1の態様では、制御アルゴリズムが装置識別のために必要とされ、その結果、図1及び図4~7の異なるタイプのプローブ110、200A、200B、200C又は200Dのいずれかがハンドピース104に結合されると、コントローラ165はプローブタイプを認識し、次いで、特定のプローブに必要なように、モータ駆動ユニット105、RF源225及び負圧源220を動作させるためのアルゴリズムを選択する。第2の態様ではコントローラがハンドピースに対して上向き又は下向きでハンドピース104に結合されているかどうかを識別するアルゴリズムを備えて構成され、各向きは動作アルゴリズムの異なるサブセットを必要とする。別の態様では、コントローラがプローブの種類ごとに別個の制御アルゴリズムを有し、ここで、いくつかのプローブは回転可能なカッターを有し、他のプローブは往復電極又は顎構造を有する。別の態様ではほとんどの場合、プローブ110、200A、200B、200C及び200D(図1、4~7)の全てが、モータ駆動要素が作用端内の特定の向きで停止されるデフォルトの「停止」位置を必要とするわけではない。例えば、電極155を備えた回転可能なカッター145は、図3Bに描かれているようなデフォルト位置で外側スリーブ窓158内の中心に電極を有する必要がある。これらのシステム、アルゴリズム、及び使用方法のいくつかを次に説明する。
【0037】
図1及び図2A図2Bを参照すると、ハンドピース104は、プローブ110のハブ120を受け入れる受容通路孔122に隣接するハンドピース104の遠位領域に第1のホール効果センサ240を担持していることが分かる。図2Aはプローブ110に対応し、図1の作用端112はUPで上方配向にある。図2B図1のプローブ110に対応し、図1の作用端112はDNで示される下方配向にある。ハンドピース104は、プローブ110の回転可能な駆動カップリング150に隣接して第2のホール効果センサ245を担持する。プローブ110は(i)ハンドピースに結合されたプローブのタイプの識別、(ii)ハンドピース104に対するプローブハブ120の上向き又は下向きの向き、及び(iii)回転又は往復モータ駆動要素のいずれかの位置を決定することができる回転駆動カップリング150の回転位置及び速度を含む、制御アルゴリズムと協働して複数の制御機能を提供するために、以下で説明するようにホール効果センサ240、245と相互作用する複数の磁石を担持する。
【0038】
図2A~2Bの断面図は、プローブ110のハブ120がその表面部分に第1及び第2の磁石250a、250bを担持することを示す。ハンドピース104内のホールセンサ240は、プローブハブ120がハンドピース104に上方(図1及び図2A)又は下方(図1及び図2B)で結合されている場合、磁石250a、250bのいずれかと軸方向で整列している。上で概説したような一態様では、磁石250a、250bとホールセンサ240との組み合わせを使用して、プローブの種類を識別することができる。例えば、製品ポートフォリオは図1及び図4図7に示すように、2~10又はそれ以上のタイプのプローブを有することができ、そのような各プローブタイプは、特定の異なる磁場強度を有する磁石250a、250bを担持することができる。次いで、ホールセンサ240及び制御アルゴリズムは、特定のプローブタイプに対応する場の強度のライブラリと比較することができるプローブ内の特定の磁石の磁場強度を読み取るように適合させることができる。次いで、ホール識別信号を生成するか、又は別様に、コントローラ165に供給して、識別されたプローブを作動させるための制御アルゴリズムを選択することができ、この制御アルゴリズムはプローブの種類に必要とされる場合があるように、モータ駆動ユニット105、負圧源220及び/又はRF源225を作動させるためのパラメータを含むことができる。図1、2A及び2Bから分かるように、プローブハブ120は、磁石250a、250bの北(N)及び南(S)磁極がプローブの長手方向軸128に対して反転される、上方及び下向きの方向でハンドピース104に結合され得る。したがって、ホールセンサ240及び関連するアルゴリズムは、極性に関係なく磁界強度を探して、プローブの種類を識別する。
【0039】
次に図1、2A~2B及び3A~3Bを参照すると、ハブ120の中心長手方向軸128に対する北(N)磁極及び南(S)磁極の異なる配向を有する第1及び第2の磁石250a、250bも、ハブ120及び作用端112の上方配向UP又は下方配向DNを識別するために使用される。使用に際して、上述のように、医師は、自分の好み及び標的組織に基づいて、作用端112を上向き又は下向きにして、プローブ110をハンドピース受容通路孔122に連結し得る。ハンドピース及びホールセンサ240に対するカッター部分145の向き又は回転が180°変化するので、作用端112の外側スリーブ104の窓158におけるカッター部分145の回転を止めるように構成された制御アルゴリズムは、作用端が上向きであるか下向きであるかを「学習」する必要があることが理解され得る。ホール効果センサ240は制御アルゴリズムと共に、磁石250a、250bのいずれかの北(N)極又は南(S)極が上向きであり、ホール効果センサ240に近接しているかどうかを感知することによって、上方配向UP又は下方配向DNを決定することができる。
【0040】
本発明の別の態様ではプローブ110(図1)及び他のプローブにおいて、図1及び図3A図3Bの作用端112の回転カッター部分145のような作用端のモータ駆動部分は外側スリーブ140内の切断開口又は窓158に対して選択された回転位置で停止させる必要がある。他のプローブタイプは、往復運動部分、又は上述のような顎構造を有してもよく、これもまた、図5図6の軸方向に移動する電極及び図7の顎構造のような、選択された位置における移動要素の移動を停止する制御アルゴリズムを必要とする。全てのプローブにおいて、モータ駆動ユニット105は回転駆動カップリング150に連結しており、従って駆動カップリング150の回転位置を検知することは、作用端におけるモータ駆動要素の向きを決定するために使用することができる。より詳細には、図1及び図2A図2Bを参照すると、駆動カップリング150は第3及び第4の磁石255a又は255bを担持し、磁石255a又は255bの北(N)及び南(S)磁極がプローブの長手方向軸128に対して反転される。したがって、ホール効果センサ245は各磁石がホールセンサを通過するときを検知し、それによって、その各回転(各磁石255a、255bに対して1回)上で2回、駆動カップリング150の正確な回転位置を決定することができる。その後、クロックを使用する制御タコメータアルゴリズムは駆動カップリング150及び、例えば、図3Aのカッター部分145の回転数RPMを決定し、任意選択で表示することができる。
【0041】
本発明の別の態様では、ホール効果センサ245及び磁石255a、255b(図1及び図2A)が一組の制御アルゴリズムで使用されて、作用端、例えば、図1及び図3A~3Bのカッター部分145の、予め選択された回転位置におけるモータ駆動要素の回転を停止する。図3Aでは、内側スリーブ部分142及びその中のカッター部分145及び窓154「第1の側面」が外側スリーブ140の窓158の中央に停止して配置されていることが分かる。図3Aのカッター部分145及び窓154の静止位置はプローブを通る最大流体流出を可能にするために、作動空間の潅水又はフラッシングのために使用されてもよい。
【0042】
図3Bは、内側スリーブ部分142と、外側スリーブ140内の窓158の中心線の周りに配置されたカッター部分145の「第2の側面」とを示す。図3Bにおけるカッター部分145の静止又は停止位置は、組織を切除又は凝固するためにRF電極155を使用するために必要とされる。外側スリーブ140は典型的にはリターン電極260を含むので、RF電極155は外側スリーブの窓158の中心線に沿って維持されることが重要である。図3BのRF電極155の位置は、本明細書では「中心線デフォルト位置」と呼ばれる。外側スリーブ140内の窓158のエッジ262a又は262bに近くなるようにカッター部分145及び電極155を回転させると、RF電流は電極155及び260間にアークを発生させ、潜在的にプローブを不能にする短絡を引き起こす可能性がある。従って、次に説明するような堅牢で信頼性のある停止機構が必要とされる。
【0043】
図1及び図2A図2Bから理解されるように、コントローラ165は駆動カップリング150の回転位置をリアルタイムで常に決定することができ、したがって、セラミックカッター部分145及びRF電極155の角度位置又は回転位置を決定することができる。制御アルゴリズムはさらに、駆動カップリング150内の磁石255a又は255bが中心線デフォルト位置から遠ざかるようにRF電極155を回転させるときに、ホール効果センサ245が磁場強度の減少を感知できるので、中心線デフォルト位置から遠ざかるRF電極155の回転角度を計算することができる。各磁石は指定された既知の強度を有し、アルゴリズムは、デフォルト位置から離れる回転の度合いに対応する磁界強度をリストするルックアップテーブルを使用することができる。従って、磁石255a又は255bの回転位置に応答するホール信号が中心線初期位置における既知のピーク値から特定量だけ低下した場合には、それは電極155が窓158の中心から離れるように移動する手段である。一変形例では、電極155が電極へのRFエネルギー供給中に中心線位置から離れるように選択された回転角度を移動する場合、アルゴリズムはRF電流を瞬時にオフにし、ハンドピース104上のLCD画面170上及び/又はコントローラコンソール(図示せず)上の画面上の警告など、聴覚信号及び/又は視覚信号によって医師に警告する。したがって、RF電流供給の終端は、電極155と外側スリーブの電極260との間の電気アークの電位を防止する。
【0044】
使用中、RF電極155が図3Bに示される位置にあるとき、医師は組織を切除又は凝固させるために、エネルギーを与えられた電極を組織上で移動させ得ることが理解され得る。このような使用中、カッター部分145及び電極155は、電極155を不注意にデフォルト設定中心線位置から回転させる組織に係合又は捕捉し得る。したがって、システムは本明細書では「活性電極監視」アルゴリズムと呼ばれる制御アルゴリズムを提供し、コントローラは切除モード及び凝固モードの両方において、RFエネルギー供給中にホール効果センサ245によって生成される位置信号を連続的に監視し、電極155及び内側スリーブ部分142が中心線位置から突き出たか否かを判断する。変形例では、電極155が中心線位置から外れてバンプされていた場合、制御アルゴリズムは次に、モータ駆動ユニット105を再起動して、内側スリーブ部分142及び電極155をデフォルトの中心線位置スリーブに戻すように構成することができる。別の変形例において、制御アルゴリズムはRF電極155がデフォルトの中心線位置に戻されたときに、RF電流を再び自動的にRF電極155に供給するように構成することができる。これに代えて、コントローラ165は、医者がRF電極155へのRF電流の供給を、中心線位置に戻るまで移動させたときに手動で再開始することを要求することができる。本発明の一態様では、駆動カップリング150、ひいては磁石255a、255bは長手方向軸128に対して所定の角度関係で内側スリーブ部分142及びカッター部分145に取り付けられ、その結果、ホールセンサは磁石255a、255bに応答する信号を生成するように、プローブタイプ内のすべてのプローブについて同じであり、したがって、制御アルゴリズムが適切に機能することを可能にする。
【0045】
次に、作用端112のモータ駆動要素の移動を停止させる停止機構又はアルゴリズムに移り、図8は、停止機構のアルゴリズム及びステップを概略的に示す。一変形例では、図8を参照すると、本発明に対応する停止機構は、(i)動的ブレーキ方法及びアルゴリズムを使用して内側スリーブ部分142及びカッター部分145(図1、3A~3B)の回転を初期位置で停止させ、その後、(ii)動的ブレーキアルゴリズムによって達成された初期停止位置をチェックするために、2次チェックアルゴリズムを使用し、必要に応じて、停止アルゴリズムはカッター部分145及び電極155を目標中心線デフォルト位置の中心線位置内又は0°~5°内に位置付けるために、必要に応じて、駆動カップリング150及び内側スリーブ部分142の回転をわずかに逆転(又は前進)させるために、モータ駆動ユニット105を再起動することができる。動的ブレーキについては、以下にさらに説明する。図8はカッター部分の回転速度を制御し、カッター部分145をデフォルトの中心線位置に停止させるための制御アルゴリズムの種々の態様を概略的に示す。
【0046】
図8において、コントローラ165は、図1及び図3A図3Bのプローブ110を、PID制御された連続回転モードであるか、又はモータ駆動ユニット105がカッター部分145を一方向に回転させ、次いで、当技術分野で知られているように回転を逆転させる振動モードである「設定速度」で動作させていることを理解することができる。1,000RPM~20,000RPMなどのより高い回転速度では停止アルゴリズムを適用するために、駆動カップリング150内の磁石255a又は255bの位置を示す信号をホールセンサ245から取得することは実際的ではないか、又は実行可能ではない。図8において、医者がアクチュエータボタン又はフットペダルの作動を解除することによってプローブ110による切断を停止すると、モータ駆動ユニット105への電流がオフになる。その後、制御アルゴリズムは、より遅い回転速度に達するまで、ホールセンサ245を使用して、駆動カップリング150及び内側スリーブ部分142の回転の減速を監視する。減速期間は10ms~1秒とすることができ、典型的には約100msである。ここで「サーチ速度」と呼ばれる適切なより遅い回転速度に到達すると(図8参照)、コントローラ165は、モータ駆動ユニット105を再起動させて、10RPM~1,000RPMの範囲の低速度で駆動カップリングを回転させ、1つの変動において、50RPM~250RPMの間である。PIDコントローラが選択されたサーチ速度で回転速度を安定化させることを可能にするために、50ms~500msの範囲の初期「サーチ遅延」期間が提供される。その後、制御アルゴリズムは磁石強度のホール位置信号を監視し、磁石パラメータが所定の閾値に達したとき、例えば、駆動カップリング150及び電極155の回転位置が図3Bの中心線デフォルト位置に対応するとき、制御アルゴリズムは次に、動的ブレーキを適用して、モータ駆動軸151、駆動カップリング150及びプローブのモータ駆動要素の回転を瞬時に停止する。図8は、制御装置がブレーキステップ及び停止ステップの後に、磁石/駆動カップリング150位置をチェックできることを更に示している。ホール位置信号が、目標のデフォルト位置からモータ駆動要素が外れていることを示す場合、モータ駆動ユニット105を再起動して、モータ駆動要素を動かすことができ、その後、上記のようにブレーキを再びかけることができる。
【0047】
図8に概略的に示されるような動的ブレーキは、典型的に、標的とされる停止位置の約0o~15oまでのばらつきで駆動カップリング150の回転を停止させることができるが、これは、異なるタイプの組織が切断されてカッター部分145の回転を阻害しているとき、及び、モータ駆動が解除されたときに医師がカッター部分を組織界面から完全に離したかどうかに依存してさらに変動することがある。したがって、動的ブレーキ単独では、デフォルト位置又は停止位置が所望のばらつき内にあることを保証することができない。
【0048】
背景として、動的ブレーキングの考え方はhttps://www.ab.com/support/abdrives/documentation/techpapers/RegenOverview01.pdfとhttp://literature.rockwellautomation.com/idc/groups/literature/documents/wp/drives-wp004_-en-p.pdfの文献で述べている。基本的に、動的ブレーキシステムは、回生電気エネルギーを熱エネルギーに変換する電力抵抗器に給電するAC PWMドライブのDCバス上にチョッパトランジスタを提供する。熱エネルギーは、局所環境に放散される。このプロセスは、一般にチョッパトランジスタによる動的ブレーキと呼ばれ、チョッパモジュールと呼ばれる関連する制御及び要素、及び動的ブレーキ抵抗と呼ばれる電力抵抗と呼ばれる。動的ブレーキ抵抗器付きチョッパモジュールのアセンブリ全体は、動的ブレーキモジュールと呼ばれることもある。動的・ブレーキ抵抗器により、その回路の寄生インダクタンスに蓄積された任意の磁気エネルギーを、チョッパトランジスタのターンオフ中に安全に放散させることができる。
【0049】
負荷が減速することにつれて、適用できるブレーキトルクの量が動的に変化するため、この方法を動的ブレーキと呼ぶ。つまり、ブレーキエネルギーは回転する質量内の運動エネルギーの関数であり、それが低下することにつれて、ブレーキ能力も低下する。したがって、スピンが速いほど、又は慣性が大きいほど、ブレーキをかけることは難しくなるが、ブレーキが遅くなるにつれて、収穫逓減の法則にぶつかり、ある時点ではもはやブレーキ力は残らない。
【0050】
本発明の別の態様では、上述の位置決めアルゴリズムの構成要素である停止機構の精度を高める方法が開発されている。単一使用プローブ内の各磁石は、その指定された強度からわずかに変化し得ることが分かっている。上述のように、位置決めアルゴリズムはホール効果センサ245を使用して、磁石255a、255bの磁界強度を、駆動カップリング150が回転するときに連続的に監視し、アルゴリズムは磁石がホールセンサを通過して回転するときに磁界強度が上昇及び下降するときに、磁石及び駆動カップリングの回転位置を、磁界強度に基づいて決定する。したがって、アルゴリズムは、磁石がセンサ245に隣接している場合に、ピークホール信号から離れる回転の度合いに正確に対応する磁界強度のライブラリを有することが重要である。このため、位置決めアルゴリズムの初期ステップは、指定された強度から変化し得る磁石255a及び255bの実際の場の強度をコントローラが学習できるようにする「学習」ステップを含む。新しい使い捨てプローブ110(図1)がハンドピース104に結合された後、モータ駆動ユニット105の作動後、位置決めアルゴリズムは、ホールセンサ245が特定のプローブの磁石255a及び255bの磁界強度を定量化する間、駆動カップリングを少なくとも180°、より頻繁には少なくとも360°回転させる。次いで、位置決めアルゴリズムは最大及び最小ホール信号(北極及び南極に対応する)を格納し、磁石がホールセンサに隣接している場合に、ホール最小-最大信号位置から離れた各種回転度に対応する電界強度のライブラリを較正する。
【0051】
一般に、学習アルゴリズムに関する使用方法はハンドピースに着脱自在に連結するように構成された近位ハブを備えたハンドピースを提供することを含み、前記モータ駆動ユニットは前記ハブ内の回転駆動カップリングに連結するように構成され、前記駆動カップリングは前記軸に対して異なるように配置された北極及び南極を有する第1及び第2の磁石を担持し、前記ハブを前記ハンドピースに連結し、前記モータ駆動ユニットを起動して、前記駆動カップリング及び磁石を少なくとも180°回転させ、各磁石の強度を検知するためにハンドピースセンサを使用し、前記磁石の検知強度を前記回転駆動カップリング内の磁石の変動強度に応答する位置決めアルゴリズムにおいて較正のために前記磁石の検知強度を使用し、それによって前記駆動カップリング150の回転位置を計算する際の精度を向上させることを特徴とする。
【0052】
本発明の別の態様は、図1及び図3Bの作用端112のような電極を有するプローブ作用端を使用する強化された使用方法に関する。上述のように、位置決めアルゴリズムは、図3Bのデフォルトの中心線位置における電極155の回転を停止するために使用される。追加の「わずかな振動」アルゴリズムが、電極155へのRF電流、特に組織切除のためのRF切断波形で、同時期にモータ駆動ユニット105を起動するために使用される。このようにわずかな振動は、振動RF切除の形態を提供する。わずかな振動アルゴリズムは電極155を所定の回転度まで一方向に回転させ、これは制御アルゴリズムがホール位置信号から決定する。次いで、ホール位置信号が電極のデフォルト設定中心線位置から離れた反対方向に所定の回転度が達成されたことを示すまで、アルゴリズムは、反対方向に回転するようにモータ駆動の方向を反転する。所定の角度運動は外側スリーブ窓の寸法に適した任意の好適な回転であってもよく、一変形例では中心線初期位置から離れるそれぞれの方向において1°~30°である。より多くの場合、所定の角度運動の度合いは、中心線の不履行から離れるそれぞれの方向において5°~15°である。わずかな発振アルゴリズムは任意の適切なPID制御されたモータシャフト速度を使用することができ、1つの変形において、モータシャフト速度は50RPM~5,000RPMまでであり、より多くの場合、100RPM~1,000RPMまでである。別の方法で言えば、発振の周波数は、20Hz~2,000Hz、典型的には40Hz~400Hzであり得る。
【0053】
わずかな振動アルゴリズムの上述の説明は図3Bの回転カッター部分145上の電極155を参照して提供されるが、図6の端部の作用端200Cに示されるような往復運動電極212もまた、わずかな振動で作動され得ることが理解されるべきである。換言すれば、図6のフック形状電極212には、20Hz~2,000Hzの範囲、及び典型的には40Hz~400Hzの範囲の振動周波数を提供することができる。
【0054】
図9A図9Bは、往復電極210を有する図5の作用端200Bに対応するプローブハブ120’の縦断面図である。図9A~9Bでは、ハンドピース104及びホールがセンサ240、245に影響を及ぼすのは異なる種類のプローブについてハンドピース104に変化がない場合と同様であることは勿論である。図9A~9Bのプローブハブ120’は、第1及び第2の識別/オリエンテーション磁石250a、250bが同じで図2A~2Bのハブ120と非常に類似している。第3及び第4の回転位置磁石255a、255bも同じであり、駆動カップリング150’によって担持される。図9A~9Bのプローブハブ120’は、駆動カップリング150が回転運動を直線運動に変換して図5の作用端200B内の電極210を往復運動させるために、内側スリーブ部分142’に動作可能に結合されたカム機構と共に回転する点でのみ異なる。回転運動を直線運動に変換するための同様のハブが図6及び図7の作用端200C及び200Dに対してそれぞれ設けられており、これらの作用端はそれぞれ、その作用端に往復運動部分(212、218)を有する。
【0055】
次に、図10図11及び図12を参照すると、図1図2及び図3A図3Bのものと幾分類似した関節鏡シェーバ又は切除プローブ400の別の変形例が示されており、このプローブは、中心長手方向軸406の周りに延びる細長いシャフト405に連結された近位のハブ402を有する管状カッター部分を備える。シャフトアセンブリは、外側スリーブ410と、遠位端又は作用端418まで延びる同軸又は同心の内側スリーブ部分415とを備える。ハブ402は再び、コントローラ420Aによって制御されるハンドピース及びモータ駆動ユニットに結合するようになっている。コントローラ420Aは前述のように、RF源420B及び負圧源420Cをさらに制御する。コントローラ420Aは内側スリーブ部分415を回転させるだけでなく、窓閉鎖又は窓開放位置のような選択された回転位置で内側スリーブ部分415を停止させるために、先の実施態様で説明した特徴を有するアルゴリズムを含む。遠位端又は作用端418は再び、外側スリーブアセンブリ410内に外側スリーブ切除窓422を有し、これは、組織を係合し、切除するために内側スリーブ部分415内の内側スリーブ部分切除窓425(図12)と協働する。
【0056】
図10図11及び図12の変形例又はプローブ400は、典型的にはインサートとして形成され、導電性構造部分又は構造体442を含む第2の長手方向部分、典型的には誘電性インサートを受け入れるための軸方向チャネルを有するほぼ管状の構造に結合された誘電性構造部分又は構造体440を含む第1の長手方向部分の組合せからなる遠位端又は作用端418(図11図12)の内側スリーブ部分415が構成されている点で、先の実施形態とは異なる。誘電性構造部分440はセラミック又はガラス材料であってもよく、長手方向導電性構造部分442は典型的にはステンレス鋼又は他の導電性金属である。組み立てられると、誘電性構造部分440及び長手方向導電性構造部分442は、より詳細に後述する理由から重要な界面444に沿って互いに接触する長手方向表面を有する。
【0057】
分離された内側スリーブ部分415の要素を示す図11に見られるように、長手方向誘電性構造部分440は、本明細書では「第1の極性」電極とも呼ばれ得る活性電極445を担持する。便宜上、電極445を支持する内側スリーブ部分415の側は電極側ESと呼ばれ、内窓425を支持する反対側は窓側WSと呼ばれる。図12を参照すると、内側スリーブ部分切除窓425は、外側スリーブ窓422の切れ刃450a、450bに隣接して回転又は回転振動するときに、切れ刃448a、448bが組織を剪断するように、機械的に組織を切除するために鋭利で円周方向に離間した第1及び第2の切れ刃448a、448bを有する。図12に示す1つの変形例では、第1及び第2の切れ刃448a、448bが一方の側に歯を有し、反対側にそのような歯を有しない非対称である。鋸歯状、直線状、歯状などの任意のタイプの対称又は非対称切れ刃が可能であることを理解されたい。
【0058】
特に興味深いことに、長手方向導電性金属構造部分442は第1のリターン電極455A(これは本明細書では「第2の極性」電極とも呼ばれる)を備え、これは第1の極性又は活性電極445と協働して、組織にエネルギーを供給する。以下に記載されるように、外側スリーブ410の遠位部分は、第2のリターン電極455Bを備える。活性電極445及びリターン電極455A、455Bは、RF源420B及びコントローラ420Aに動作可能に結合される。外側スリーブアセンブリ410はハブ402の近位側に延在し、外側スリーブ窓422を担持する遠位端部分又は遠位ハウジング459の遠位側に延在する軸方向孔458を内部に有する導電性金属製の外側管状部分456を有する。内側スリーブ部分415はハブ402の近位側に延在し、長手方向誘電性構造部分440及び長手方向導電性金属構造部分442のアセンブリに結合するように遠位側に延在する同軸導電性金属内側管状部分460を有する。同軸導電性金属内側管状部分460は、外側管状部分456の軸方向孔458内で回転する。
【0059】
図12及び図14から最もよく分かるように、長手方向導電性金属構造部分442は円周方向に離間した第1及び第2の切れ刃448a、448bを有する内側切除窓425を担持し、図10の窓閉鎖位置にあるときにも、以下にさらに説明するように、リターン電極455Aとして機能するという二重の機能を有する。
【0060】
さて、図12を参照すると、再び内側スリーブ部分415は。外側スリーブアセンブリ410から分離されて示され、電極側ESが下方を向き、窓側WSが上方の位置にあるように180°回転される。長手方向導電性金属構造部分442は、内側切除窓425を担持していることが分かる。さらに、長手方向導電性金属構造部分442は内側スリーブ部分415の先端部分462の周囲で遠位側に延在し、したがって、先端部分462が誘電性構造部分440の遠位端464の対向する側で長手方向誘電性構造部分440を遠位側に囲むときに、実質的なフープ強度を提供する。図15から分かるように、長手方向誘電性構造部分440及び長手方向導電性金属構造部分442のアセンブリの近位端465は、薄い壁の管状部分460の軸方向チャネル又は軸方向孔466に挿入するために寸法決めされ、内側スリーブ部分415の要素を完成させる。したがって、軸方向チャネル又は軸方向孔466を有する管状部分460がどのように長手方向誘電性構造部分440及び長手方向導電性金属構造部分442上を摺動し、これらと係合して、要素の近位端465の周りに強力な接続を提供するかが分かる。図13から最もよく分かるように、長手方向誘電性構造部分440の側面470a、470bは、長手方向導電性金属構造部分442内の開いた軸方向チャネル474の両側の受入凹部又は受入溝472a、472bに滑り込ませて、それによって2つの部分440及び442を互いにロックするように構成される。
【0061】
図14は180°回転させた図13の構成要素の分解図を示しており、誘電性構造部分440の側面470a、470bは長手方向導電性金属構造部分442の軸方向チャネル474の両側の受入溝472a、472bに差し込まれるように構成されている。
【0062】
次に、図13及び図15を参照すると、活性電極445及びリターン電極455A、455Bへの電気的接続を説明することができる。図13の分解組立図では、細長い電気リード線475が内側管状部分460(図15)にわたって長手方向に延在するように、長手方向誘電性構造部分440内のパッド凹部478に曲げ可能であり、挿入されるように適合されたパッド部分477に適合されていることが分かる。電気リード線475は、パッド部分477を除いて、絶縁体(図示せず)で覆われている。容易に理解できるように、活性電極445は、ステンレス鋼、タングステン、又はパッド凹部478内に延在する誘電性構造部分440内の受容チャネル482a、482bを通して挿入するように適合された第1及び第2の脚部478a、478bを有する任意の他の適切な導電性金属などの金属を含む。したがって、電極445は、誘電性構造部分440内の二つの受容チャネル482a、482bから遠位側にある誘電性構造部分440の溝部分484上を片持ち支持されていることが理解できる。次いで、電気リード線475のパッド部分477は、電極445の脚部478a、478bと接触して配置され、凹部478内でハンダ付けされるか、又は別様に電気的に結合される。最後に、ポッティング材料(図示せず)を使用して、電気パッド部分477及び凹部478を覆って充填する。さらに、図15を参照すると、管状部分460は、この管状部分460及びその中の軸方向チャネル又は軸方向孔466が誘電性構造部分440及び導電性金属構造部分442の近位端465の上を滑るときに、電気リード線475を収容するための平坦化表面486を有することが分かる。図15に見られるように、管状部分460の平坦化された表面486は、仮想図で示される絶縁体層488(熱収縮材料など)が管状部分460、絶縁された電気リード線475、誘電性構造部分440の近位端465及び中間部分490、ならびに長手方向導電性金属構造部分442の全体を覆うことを可能にする。これは、誘電性構造部分440内に担持された活性電極445まで延びる電気リード線475を記述する。電気リード線475の近位端(図示せず)はハブ402(図10)内に延び、その後、前述の実施形態で説明したように、内側スリーブ部分415の回転を可能にし、電気エネルギーを電気リード線475に結合するモータ駆動ハンドピース内の電気接点に接続する。
【0063】
上述のように、内側スリーブ部分415(図13図15)の長手方向導電性構造部分442は、第1のリターン電極455Aを含む。しかし、内側スリーブ部分415は、長手方向導電性構造部分442に電気リード線を担持しない。むしろ、図10、11及び12の外側スリーブアセンブリ410は電気導体を含み、ハブ402から外側スリーブアセンブリ410の遠位端部分又は遠位ハウジング459に電流を運ぶようになっている細長い金属製の外側管状部分456を含む。内側スリーブ部分415の長手方向導電性金属構造部分442は、外側管状部分456の軸方向孔458内に密着して回転するため、長手方向導電性金属構造部分442は外側管状部分456とのその接触により、リターン電極455Aとなる。したがって、図12を参照すると、外側管状部分456の長手方向導電性金属構造部分442及び遠位ハウジング459は、それぞれ、第1のリターン電極455A及び第2のリターン電極455Bを備える。
【0064】
本発明の別の態様では図15及び16Aを参照すると、活性電極445は横断面図(図16A)で見たときに電極445のドームの外面495が誘電性構造部分440の外側円筒面496及び長手方向導電性構造部分442の外面498と実質的に整列するように、円柱状のセグメントである半径又は曲率を有する外面495を有するドーム形状である。電極445のドーム形状の外面495は、平坦表面電極とは対照的に外側に突出するので、組織に接触するのに有利である。さらに、活性電極445のより厚いドーム形状の中心表面は、長期間の使用の間、電極445のはるかに遅い分解及び崩壊を生じる。活性電極445の耐久性は、本発明の電気外科要素を何分間も使用することができる関節鏡処置にとって重要である。図16Aを参照すると、活性電極445の外面495の半径R1は、誘電性構造部分440の外面496の半径R2にほぼ等しい。一変形例では電極445の外面495の半径R1が誘電性構造部分440の外面496の半径R2よりも0.508mm(0.020インチ)以下である。同様に、誘電性構造部分440の外面496の半径R2は長手方向導電性構造部分442の外面498の半径R3とほぼ等しい。一変形例では誘電性構造部分440の半径R2が導電性構造部分442の半径R3よりも0.508mm(0.020インチ)以下である。これらの寸法は内側スリーブ部分415に、外側管状部分456及び遠位ハウジング459の軸方向孔458内に回転密着嵌合を設けるために重要である。
【0065】
図16B及び図16Cを参照すると、本発明の一態様において、長手方向誘電性構造部分440は、湾曲した環状誘電性部分として形成される。長手方向導電性構造部分442はまた、当技術分野で知られているように、内側管状部分460内の軸方向チャネル又は軸方向孔466内で連通する内側チャネル502の周りに壁500(金属壁部分501a及び誘電性壁部分501bを有する)と、作業空間から組織片及び流体を吸引するための負圧源420Cとを形成するために、C字形環状部分又はセグメントとして形成することができる。環状誘電性構造部分440は、C字形の環状金属部分と共に組み立てられて、略管状又は円筒状の遠位ハウジングを形成することができる。
【0066】
以下にさらに説明するように、活性電極445、誘電性構造部分440、及び導電性構造部分442の外側スリーブ窓422に関連する幾つかの要素の寸法及び配向が重要である。図16Aに示す変形例では、活性電極445が少なくとも20°の半径方向角度RA1にわたって延在する外面495を有する。しばしば、電極445の外面495は、少なくとも40°の半径方向角度RA1にわたって延在する。この変形例では、横電極切れ刃504a及び504bが界面444において、導電性構造部分442の最も近い面から、少なくとも10°、しばしば少なくとも20°の半径方向角度RA2だけ離間している。電極切れ刃504a、504b及び界面444の間の最小角度RA2は、プラズマ切除モードでプローブを使用する場合に最適なプラズマ点火を提供するために必要である。
【0067】
図16A及び16Bはまた、内窓425のいずれかの側に延在する導電性構造部分442の側壁部分505a及び505bの最小半径方向角度RA3を示す。この半径方向角度RA3は、使用中に必要な強度を有する誘電性構造部分440及び導電性構造部分442のアセンブリを提供する、歯508(図12及び16A)間の凹部506から界面444までの、そのような側壁部分505a、505bの最小高さを示す。図16Aに見られるように、金属側壁部分505a、550bはそれぞれの内窓切れ刃448a、448bを形成し、側壁部分505a、505bの外面498は、少なくとも10°、しばしば少なくとも20°の半径方向角度にわたって延在する。
【0068】
次に、図16Bを参照すると、本発明の別の態様において、活性電極445、誘電性構造部分440、及び長手方向導電性構造部分442の重要な特性は、他の半径方向角度である特定の寸法によってさらに記述することができる。一態様では、活性電極445が少なくとも0.762mm(0.030インチ)の円周方向に延在する外面495を有する。内窓425の切れ刃を形成する金属側壁部分505a及び505bが少なくとも0.381mm(0.015インチ)の寸法D2を円周方向に延在する外面498を有する。さらに、電極445の横電極切れ刃504a及び504bは、導電性構造部分442の最も近い表面から少なくとも0.254mm(0.010インチ)だけ離間した寸法D3である。図16Bにおいて、寸法D3は、誘電性構造部分440の露出した外面496にわたる距離に等しいことが分かる。図16A~16B及び17では活性電極445が誘電性構造部分440及び内窓425に対して円周方向に対称な外面495を伴って示されているが、電極445は誘電性構造部分440及び/又は内窓425に対して円周方向に非対称であり得ることが理解されるべきである。
【0069】
次に、図16Cを参照すると、誘電性構造部分440及び導電性構造部分442の断面、分解図が、窓425(図13を参照)の近位に取られた部分とともに示される。図16Cに見られるように、壁500は、環状金属の部分501aと、長手方向軸406及び内側チャネル502の周囲に半径方向に延在する環状誘電性部分501bとを有する。金属壁部分501aは、典型的には少なくとも120°又は少なくとも180°の半径方向角度RA4で内側チャネル502の周りに半径方向に延びる。図16Cのように半径方向角度RA4に延びる金属壁部分501aを本明細書で説明するとき、窓425の近位にある金属壁部分501aを指すことを意味する。半径方向角度RA4の寸法は、導電性構造部分442、従って内側スリーブ部分の遠位端に必要なフープ強度を与える。この変形例では図16Cを参照すると、誘電性構造部分440の壁部分501bは少なくとも45°又は少なくとも60°の半径方向角度RA5で、窓425に近接した内側チャネル502の周りに半径方向に延びている。
【0070】
ここで図17を参照すると、本発明の別の重要な態様を説明することができる。図17から分かるように、内側スリーブ部分415は選択された回転位置での回転から停止されており、ここで、誘電性構造部分440によって担持された活性電極445は、外側スリーブアセンブリ410の切除窓422の中央に位置決めされている。この変形例では外側スリーブ窓422が歯又は鋸歯のない鋭利な金属切れ刃を有するように示されているが、外側スリーブ窓422は任意の形態の鋭利な歯、鋸歯などを有することができ、本発明の範囲内に入ることを理解されたい。
【0071】
図17において、電極445が切除窓422の中央に位置する回転位置で外側スリーブアセンブリ415が停止されたときに、内側スリーブ部分415の長手方向導電性構造部分442が外側スリーブ窓422で露出されることも分かる。上述のように、内側スリーブ部分415の長手方向導電性構造部分442は第1のリターン電極455Aを備え、外側スリーブアセンブリ410のハウジング459の遠位部分は第2のリターン電極455Bを備える。図17は導電性塩水環境で動作する場合に、活性電極445とリターン電極との間のRF電流のための最短経路を示すRF電流経路CPを示す。図17から分かるように、最も短いRF電流経路CPは、活性電極445から、誘電性構造部分440及び導電性構造部分442の界面444に沿った長手方向導電性構造部分442(すなわち、第1のリターン電極455A)までのものである。換言すれば、最も短いRF電流経路は、第2のリターン電極455Bを構成する遠位ハウジング459内の、活性電極445から外窓422の切れ刃450a及び450bまでではない。本発明の1つの態様において、選択された停止位置(又は窓閉鎖位置)における誘電性構造部分440と導電性構造部分442との間の界面444の位置は外窓422(即ち、第2のリターン電極)の切れ刃450a及び450bへの短い電流経路CPを防止するために重要である。実質的なRF電流経路が電極445から切れ刃450a、450bまで直接的であった場合、切れ刃のRFプラズマは急速に劣化し、そのような鋭利な切れ刃450a、450bを鈍らせるのであろう。今度は外側スリーブ窓422のこのような鈍い切れ刃450a、450bは内側スリーブ部分415及び内窓425を外側スリーブ窓422内で回転又は振動させることから生じる切除率を減少させるのであろう。
【0072】
一般に、本発明に対応する組織を切除するための外科用プローブ(図10~17)は、その遠位端にそれぞれ外側及び内側切除窓422及び425を有する同軸の外側スリーブ410及び内側スリーブ部分415を備える長手方向軸406の周りに延在する細長いシャフトを備え、内側スリーブ部分は(i)第1の極性又は活性電極445を担持する長手方向誘電性壁部分と、(ii)第1のリターン電極455Aを備える内側切除窓425の周りに延在する側壁部分505a、505bを備える導電性導電性構造部分442とを有し、活性電極445は、上述のように、側壁部分505a、505bから少なくとも0.254mm(0.010インチ)だけ離間される。
【0073】
一般に、図17を参照すると、本発明に対応する組織切除プローブは長手方向軸406の周りに延在する細長いシャフト405を備え、その遠位端にそれぞれ外側切除窓422及び内側切除窓425を有する同軸の外側スリーブ410及び内側スリーブ部分415をさらに備え、内側スリーブ部分415はその中に第1の極性又は活性電極445を担持し、内窓422の周りの構造は第2の極性又はリターン電極455Aを備える。この変形例では、外窓425を少なくとも部分的に取り囲む構造が第2の極性又はリターン電極を備える。
【0074】
本発明の別の態様では再度、図17を参照すると、外科用リセットプローブは窓付き外側スリーブアセンブリ410内で回転可能な窓付き内側スリーブ部分415を備え、コントローラ420A及びモータ駆動要素は窓開閉位置を通じて内側スリーブ外側部分を回転させるように構成され、コントローラ420Aは選択された位置において、内側スリーブ外側部分のモータ駆動回転を停止するように構成され、ここで、活性電極445は外側スリーブ窓422の切れ刃450a及び450b(すなわち、第2のリターン電極455B)から離間して配置され、第1のリターン電極455Aは活性電極445及び外側スリーブ窓422の切れ刃450a及び450b(すなわち、第2のリターン電極455B)の中間に配置される。本発明のこの態様は、外側スリーブ410の外窓422に対する内側スリーブ部分の表面の寸法によっても説明することができる。図16Aから分かるように、電極445の半径方向角度RA1と、電極の両側の誘電性構造部分440の半径方向角度RA2とを組み合わせて、第1の半径方向角度を規定することができ、外側スリーブ410内の外窓422は、RA6で示される第2の半径方向角度を規定する。この態様では第2の半径方向角度RA6が内側スリーブ部分415の電極445及び誘電性構造部分440の表面によって画定される組み合わせ半径方向角度よりも大きく、この半径方向角度は外側スリーブ410の外窓425内で回転され、次いで停止させることができる。典型的には、外窓422の半径方向角度RA6が少なくとも90°又は少なくとも135°である。
【0075】
本発明の別の態様では図13~15、16A及び16Cを参照すると、切除プローブ400(図10)は窓付き外側スリーブアセンブリ410内で回転可能な窓付き内側スリーブ部分415を備え、ここで、コントローラ420A(図10)及びモータ駆動ユニットは窓開閉位置を通して内側スリーブ部分415を回転させるように構成され、内側スリーブ部分415の遠位部は内側チャネル502の周囲の外面及び内面510を画定する円筒壁500を備える(図16A、16C参照)。図16Cにおいて、内側チャネル502は導電性構造部分442の内面512aを有する第1の壁部分501aと、長手方向誘電性構造部分440の内面512bを有する第2の壁部分501bとによって囲まれ、第1及び第2の壁部分501a及び501bのそれぞれは、円筒壁500の全厚を含み、壁の構造強度を提供することが分かる。本発明のこの態様はアセンブリ430の外径に対する内側チャネル502の最大直径を可能にし、このようなより大きな内側チャネルは、流体の流れ及び組織片の抽出を容易にする。壁500を組み立てる上述の手段は例えば、金属内側スリーブ及び誘電体外側スリーブ又は部分スリーブを用いて積層された壁を有するよりも好ましい。図16Cに見られるように、内面512a及び512bの半径R及びR’は、それぞれほぼ同じ寸法である。ここでも、本明細書で使用される用語「壁」500は、窓425又は窓に対向する誘電体構造の近位の金属壁構造を記載することが理解されるべきである。
【0076】
図10~15において、誘電性構造部分440は、電極445内のV状切欠518の下に存在するポート516を内部に有することが分かる。ポート516はプラズマが生成されるにつれて活性電極445の近傍からの気泡を減少させることができる切除モードで、RFエネルギー供給中に、そこを通る流体の吸引に適合される。更に、図10及び図17は、外側スリーブ410の遠位ハウジング459内のポート520を示し、図10及び図17に示すような窓閉鎖位置においてシャフトアセンブリを通る流体の流れを提供し、窓開放位置及び窓閉鎖置を通して高速回転速度で回転する内側スリーブ部分415の他の場合のように変動する流出に対して、一定の流出量を維持するようにしている。
【0077】
次に図18図19を参照すると、プローブの作用端525の別の変形例が示されており、より詳細には、内側スリーブ部分415’の遠位端が分解図で示されており、図10図16の実施形態と同様である。図18の変形例は再び、長手方向誘電性構造部分440’と、長手方向導電性金属構造部分442’とを含む。この変形例は、誘電性構造部分440’及び導電性金属構造部分442’を共にしっかりと結合するために設けられる構造が異なる点で、図13に示される先の実施形態と異なる。図18及び図19から分かるように、誘電性構造部分440’は、長手方向導電性金属構造部分442’の壁545の内面544に摺動して係合するように適合された部分円筒形の形成で延在する側壁部分540a、540bを有する。図19から最もよく分かるように、誘電性構造部分440’の側壁部分540a及び540bは、導電性金属構造部分442’の内面544及び半径RRに適合する半径RRを有する外面548を有する。したがって、誘電性構造部分440’を軸方向に摺動させ、導電性金属構造部分442’内の長手方向開口部又はチャネル550内に挿入することによって、誘電性構造部分440’及び導電性金属構造部分442’との間に、確実で耐久性のある接続部を設けることができることが理解され得る。図19において、電極445の表面の半径方向角度RA1、誘電性構造部分440’の一部の半径方向角度RA2、及び導電性金属構造部分442’の壁部分の半径方向角度RA3は、前述したものと同じであり得る。
【0078】
図20では、内側スリーブ部分615の作用端600の別の変形例が長手方向誘電性構造部分620を長手方向金属構造部分622にしっかりと接続するように適合された構成要素を示すために、分解図で提供される。この変形では、誘電性構造部分620の横エッジ624a及び624bが金属構造部分622の横エッジ628a及び628bと連動しないか、又は前述の変形例のように重複しない。図20及び図21から分かるように、構造部分620、622の横エッジの界面は単に互いに当接し、構造部分622を共に誘電性構造部分620内の環状切欠又は凹部644に嵌合するように適合された保持カラー640によって互いにしっかりと固定されて、要素を互いにしっかりと保持する。理解されるように、金属保持カラー640は、その円周内に不連続又は間隙648を有して、カラーが張力を受けて、構造部分620及び622の上を滑って凹部644に入ることができるようにすることができる。その後、カラー640内の間隙648を溶接して、したがって、誘電性構造部分620及び金属構造部分622を永久的に結合することができる。
【0079】
図20に示す変形例では、脚部652a、652bを有する活性電極650が図13図15で前述したものと同様であることが分かる。図20において、脚部652a、652bは、誘電性構造部分620内の受容チャネル654a及び654b内に延在することが分かる。図20における電気リード線660は再び、その中の電気リード線665と接触するために、誘電性構造部分620内の凹部664によって受け取られるパッド要素662を有する。この変形例では凹部664内の電気リード線655が裸であって、パッド要素662と電気的に接触するが、そのようなリード線が誘電性構造部分620を通って延在し、電極650の脚部652a及び652bと接触する場所において、絶縁体668で被覆される。他のすべての点において、図20における構成要素のアセンブリは、前述したのと同様に機能する。
【0080】
次に、図22~26を参照すると、プローブ700の別の変形例が示され、ハブ702及びシャフト705(図25A参照)は、縦軸706を中心として、図22に示される作用端708まで延在される。図22は内側スリーブ部分715と共に、外側スリーブアセンブリ710の遠位部分及びその中の軸方向孔712を示す。図23は内側スリーブによって担持される電気リード線718をより良く示すために、異なる角度からの内側スリーブ部分715を示す。次に、内側スリーブ部分715の分解図である図24を参照すると、長手方向誘電性構造部分720は、再び長手方向金属構造部分722に固定され、保持カラー725で管状部分724に結合されることが分かる。誘電性構造部分720と金属構造部分722とを一緒に固定するために使用されるこのような保持カラー725は、図20の実施形態で説明したものと同様とすることができる。
【0081】
図24を参照すると、この変形は、電気リード線718が誘電性構造部分720内の凹部730を貫通して延在し、活性電極735の脚部732に結合する点で、以前の実施形態と異なる。電気リード線718は、管状部分724の外面に担持されない。代わりに、電気リード線718は、管状部分の内部孔742を通って活性電極735まで延びる。図22に見られるように、電気リード線718は電極735から近位方向に延び、屈曲部744で曲げられて、内側管状部分724の内部孔742に入り、この変形例では、管状部分740の壁に結合されたハイポチューブ745を通って延びる。スロット748が、ハイポチューブ745を管状部分724内の孔742の内面に溶接することを可能にする管状部分724の壁内に設けられていることが分かる。ハイポチューブ745を所定の位置に固定するために、管状部分724の長さに沿って少なくとも1つの同様のスロット(図示せず)を設けることができる。潜在的な損傷からそれを保護するために、管状部分724の内部孔742内で電気リード線718を担持することが重要であることが分かっている。先の実施形態において、例えば、図15のバージョンでは、電気リード線475が内側管状部分460の外面に沿って平坦な表面486内に延在され、次いで、絶縁体層488で覆われていた。図15の先の実施形態ではプローブ400(図10)のシャフト405が処置中にトルクを与えられ、大きく曲げられ得るので、内側スリーブ部分415の高速回転は電気的短絡を引き起こし得る電気リード線425を覆う絶縁体スリーブ488を磨耗させ、劣化させる可能性を有していた。したがって、図22図24に示されるような本発明の1つの態様は高い回転速度で内側スリーブ部分715を動作させている間にシャフト705上で曲げ又はトルクが電気リード線718を損傷することができないことを確実にするために、金属管状部分724の内部孔742に電気リード線718を担持させることを含む。図22及び図24はまた、前述のようにポッティング材料で充填される凹部730を覆うように適合された環状ブッシング746を示す。再び図22を参照すると、管状部分724及びブッシュ746の少なくとも一部を覆う熱収縮絶縁体スリーブ749がある。したがって、高速回転では、絶縁体スリーブ749及びブッシュ746が外側スリーブ710内で回転するときの内側スリーブ部分715の軸受面である。
【0082】
図22~24から、内側管状部分724及びハイポチューブ745は、管状部分724の内側チャネル755を通って流れる導電性生理食塩水を有するリターン電極750を備えることが理解され得る。したがって、明らかに、電気リード線718は、それ自体の実質的な絶縁層をその表面に担持する。一変形例において、電気リード線718は、ステンレス鋼ワイヤが抵抗加熱されるので、ステンレス鋼ワイヤの代わる、銅ワイヤ、白金ワイヤ等である。本発明の一態様では、電気リード線718がチャネル755を通って移動する生理食塩水の流出を加熱し、望ましくないハンドピースの温度を上昇させるので、抵抗加熱されない原料からなる。
【0083】
ここで図25A及び25Bを参照すると、ハブ702の斜視図及び切断図が示されている。図26は、ハブ702の内部部分の拡大切断図である。図25B及び図26に見られるように、ハイポチューブ745は、内側管状部分724を通って延在する電気リード線718を担持する。図25Bに見られるように、管状部分724はハブ702を通って延び、ハイポチューブ745は、ハブの内部に近位端758を有する。電気リード線718の近位端部760は管状部分724内のスロット762を通って外向きに湾曲し、次いで、電気リード線718上の絶縁層の上及び周囲のシールを一緒に提供する2つのポリマーカラー766及び768の間の界面765内に延在する。その後、FEPのような熱収縮材料769をカラー766及び768の上に配置することができる(図26)。図25B及び図26では、ハンドピース(図示せず)のモータ駆動要素に結合するように適合された駆動カプラ774まで近位に延在する管状部分の近位端部分772に、ポリマー結合スリーブ770が固定されていることが分かる。図25B及び図26はさらに、導電性金属接触リング775が絶縁結合スリーブ770の上に配置されていることを示している。図26に見られるように、接触リング775の近位側には、FEP又は他の熱収縮材料で再び覆われた別のポリマーカラー776が示されている。さらに図26を参照すると、その絶縁体層が除去された電気リード線718の近位端777は回転接触リング775と接触し、電気的に結合される。次に、接触リング775はハンドピース(図示せず)内のばね式ボール接点780a及び780bと接合し、RF源720Bから活性電極735(図22)へRF電流を運ぶ。ハブ内のばね式ボール接点782a及び782bは、リターン電極を備える外側スリーブアセンブリ710へ又はそこから電流を運ぶようになっている。当然のことながら、導電性流体はハブ702の様々な部分に移動することができ、ばね式ボール接点780a及び780bと回転接触リング775との間の界面への導電性流体のいかなる移動も防止することが必要である。いかなる移動する導電性流体も、実質的にリターン電極であり、短絡を引き起こす可能性がある。接触リング775に接触する移動導電性流体が存在しないことを保証するために、図25B及び26は、回転接触リング775から近位及び遠位の両方にある可撓性環状シール要素788a及び788bを有する可撓性シール785を図示する。この手段によって、ばね式ボール接点780a及び780bが接触リング775と係合する室790は、流体密のままである。
【0084】
以上、本発明の特定の実施形態を詳細に説明したが、この説明は単に例示を目的としたものであり、本発明の上記説明は網羅的なものではないことを理解されたい。本発明の特定の特徴はいくつかの図面に示されており、他の図面には示されておらず、これは便宜上のものにすぎず、任意の特徴は本発明による別の特徴と組み合わせることができる。当該技術において通常の技能を有するものには、多くのバリエーション及び代替案があることが明らかであろう。そのような代替及び変形は、特許請求の範囲内に含まれることが意図される。従属請求項に提示される特定の特徴は組み合わせることができ、本発明の範囲内に入る。また、本発明は、従属請求項が他の独立請求項を参照して複数の従属請求項形式で代替的に書かれたかのような実施形態を包含する。
【0085】
他の変形は、本発明の精神の範囲内である。したがって、本発明は様々な改変及び代替構造を受け入れることができるが、その一定の例示された実施形態が図面に示され、上記で詳細に説明されている。しかしながら、本発明を開示された特定の形態に限定する意図はなく、反対に、本発明は添付の特許請求の範囲に定義されるように、本発明の精神及び範囲内にあるすべての修正、代替構成、及び均等物を包含することを意図することを理解されたい。
【0086】
本発明を説明する文脈(特に添付の特許請求の文脈)における用語「a」及び「an」及び「The」並びに同様の指示対象の使用は本明細書に別段の指示がないか又は明らかに文脈に矛盾しない限り、単数及び複数の両方を含むと解釈されるべきである。語句「備える」、「有する」、「含む」及び「包含する」は特に断りのない限り、オープンエンドターム(すなわち「~を含むが限定しない」という意味)として解釈される。用語「接続された」は、何かが介在している場合であっても、部分的に又は全体的に内部に含まれる、取り付けられる、又は一緒に結合されるものとして解釈されるべきである。本明細書中の数値範囲の具陳は本明細書中で特に指摘しない限り、単にその範囲内に該当する各値を個々に言及するための略記法としての役割を果たすことだけを意図しており、各値は本明細書中で個々に列挙されるかのように、明細書に組み込まれる。本明細書で記載した全ての方法は本明細書に別段の指示がない限り、或いは明らかに文脈に矛盾しない限り、任意の好適な順序で実行され得る。本明細書で提供される任意の及びすべての例、又は例示的な言語(例えば、「など」)の使用は単に本発明の実施形態をより明確にすることを意図したものであり、特に主張しない限り、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書中の言葉使いは、主張されていない如何なる要素も本発明の実施に不可欠であることを指示していると解釈されてはならない。
【0087】
本発明の好ましい実施態様を、発明者らが知っている本発明を実施するための最良の形態を含めて本明細書で記載している。これらの好ましい実施態様の変形は、上述の記載を読めば当業者には明らかとなり得る。本発明者は熟練者が適宜このような変形を適用することを期待しており、本明細書中で具体的に説明される以外の方法で発明が実施されることを予定している。従って本発明は準拠法で許されているように、本明細書に添付された請求項に記載の内容の修正及び均等物をすべて含む。更に、上述の要素のあらゆる可能な変形でのあらゆる組み合わせが、本明細書に別段の指示がない限り、又は明らかに文脈に矛盾しない限り、本発明に包含される。
【0088】
本明細書中で引用する刊行物、特許出願及び特許を含むすべての文献は、各文献が個々に具体的に示され、参照して組み込まれるのと、また、その内容の全てがここで述べるのと同じ限度で、ここに参照して組み込まれる。
なお、本発明の構成として以下に示すものがある。
[構成1]
組織切除装置であって、
近位端から遠位端まで長手方向軸に沿って延在し、前記遠位端の近傍の外窓に対して開口する軸方向孔を有する外側スリーブと、
前記外側スリーブの軸方向孔内に回転可能に受容され、負圧源と連通するように適合された軸方向チャネルを有する内側スリーブと、
前記内側スリーブの遠位端に取り付けられた遠位ハウジングであって、環状誘電性部分と、周方向で隣接する環状金属部分であって、前記軸方向チャネルに開口する円周方向に離間した鋭利な切れ刃を有する内窓を備える環状金属部分と、を有する遠位ハウジングと、
前記環状誘電性部分によって担持される活性電極と、を備え、
前記内窓は前記活性電極から円周方向に離間し、前記内窓と前記活性電極は、前記内側スリーブが前記外側スリーブ内で回転するときに、前記外窓と整列して交互に回転する、組織切除装置。
[構成2]
前記外側スリーブ内の前記外窓は前記遠位ハウジングの前記環状誘電性部分よりも周方向に広く、前記環状誘電性部分は、前記環状誘電性部分と前記外窓の少なくとも一つのエッジとの間に露出する前記環状金属部分のマージン部分を残して、前記外窓内で停止でき、露出した前記環状金属部分は前記外窓の前記少なくとも一つのエッジでの電流集中を阻止するリターン電極として作用する、構成1に記載の組織切除装置。
[構成3]
前記環状金属部分及び前記環状誘電性部分は、横断面で見て、前記内窓に近位の前記遠位ハウジングの周りで360°延在する、構成1に記載の組織切除装置。
[構成4]
前記活性電極の外側は横断面で見て少なくとも20°の円弧上に延在し、前記環状誘電性部分の外側は、横断面で見て前記活性電極の各側で少なくとも10°の円弧上に延在する、構成1に記載の組織切除装置。
[構成5]
前記環状金属部分のそれぞれの鋭利な切れ刃と前記環状誘電性部分との間の距離は、少なくとも10°の円弧上に延在する、構成4に記載の組織切除装置。
[構成6]
前記活性電極及び前記環状誘電性部分の外面は、横断面で見て第1の円弧に亘って延在し、前記外側スリーブの前記外窓は横断面で見て第2の円弧に亘って延在し、前記第2の円弧は前記第1の円弧よりも大きい、構成1に記載の組織切除装置。
[構成7]
前記活性電極は円周方向に少なくとも0.762mm延びる外面を有する、構成6に記載の組織切除装置。
[構成8]
活性電極エッジが、前記環状金属部分の最も近い表面から少なくとも0.254mmだけ離間している、構成7に記載の組織切除装置。
[構成9]
前記活性電極の外面は半径R1を有し、前記環状誘電性部分の外面は半径R2を有し、前記環状金属部分の外面は半径R3を有する、構成1に記載の組織切除装置。
[構成10]
前記半径R1は前記半径R2より0.508mm以下だけ小さい、構成9に記載の組織切除装置。
[構成11]
前記半径R2は前記半径R3より0.508mm以下だけ小さい、構成10に記載の組織切除装置。
[構成12]
前記活性電極は前記内窓と正反対の外面を有する、構成1に記載の組織切除装置。
[構成13]
前記活性電極は前記内窓に非対称に対向する外面を有する、構成1に記載の組織切除装置。
[構成14]
前記鋭利な切れ刃は、一群の直線切れ刃、鋸歯状切れ刃、及び歯付き切れ刃から選択される特徴を含む、構成1に記載の組織切除装置。
[構成15]
前記遠位ハウジングは、軸方向チャネルと、該軸方向チャネル内に配置された誘電性インサートとを有する導電性の略管状構造を備える、構成1に記載の組織切除装置。
[構成16]
前記遠位ハウジングは、前記誘電性インサートの外面の溝に配置された活性電極インサートを更に備える、構成15に記載の組織切除装置。
[構成17]
前記内側スリーブの前記軸方向孔内に配置され、前記活性電極に取り付けられた遠位端を有する細長い電気導体をさらに備える、構成1に記載の組織切除装置。
[構成18]
前記電気導体は前記内側スリーブの前記軸方向孔内に支持された保護チューブ内にある、構成17に記載の組織切除装置。
[構成19]
近位ハブをさらに備え、前記外側スリーブは前記近位ハブに固定的に取り付けられ、前記内側スリーブは前記近位ハブに回転可能に取り付けられる、構成1に記載の組織切除装置。
[構成20]
組織切除システムであって、
構成19に記載の組織切除装置と、
近位ハブに取り外し可能に接続するように構成されたハンドピースと、備え、
該ハンドピースは、
(a)窓開放位置及び窓閉鎖位置を介して前記外窓に対し、前記内側スリーブ及び前記内窓を回転させるように適合されたモータ駆動ユニットと、
(b)モータを選択的に駆動して前記内側スリーブを回転させ、前記内側スリーブのモータ駆動された回転を停止させ、前記活性電極に切除電流を供給し、活性電極に焼灼電流を供給するように構成されたコントローラと、
を有する組織切除システム。
[構成21]
組織の治療方法であって、
構成20に記載の組織切除装置を提供するステップと、
前記外側スリーブの前記外窓を標的組織部位に係合させるステップと、
前記内側スリーブ及び前記内窓を前記外窓に対して回転させて、前記鋭利な切れ刃を有する組織を機械的に切除するために、前記コントローラを操作するステップと、
を有する組織の治療方法。
[構成22]
切除される組織が軟組織及び骨のうちの少なくとも1つを含む、構成21に記載の組織の治療方法。
[構成23]
前記外窓に位置合わせされた前記活性電極で前記内側スリーブの回転を停止させるために前記コントローラを操作し、組織を切除するために前記活性電極に切除電流を供給するステップを更に備える構成21に記載の組織の治療方法。
[構成24]
切除される組織が軟組織を含む、構成22に記載の組織の治療方法。
[構成25]
前記外窓に位置合わせされた前記活性電極で前記内側スリーブの回転を停止させるために前記コントローラを操作し、組織を焼灼するために前記活性電極に焼灼電流を供給するステップを更に備える構成22に記載の組織の治療方法。
[構成26]
前記内窓が組織を切除し、前記活性電極が組織を焼灼するように、前記内側スリーブが回転されている間に前記活性電極に焼灼電流を供給する構成21に記載の組織の治療方法。
[構成27]
組織が軟組織を含む、構成26に記載の組織の治療方法。
[構成28]
組織が骨組織を含む、構成26に記載の組織の治療方法。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図16C
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25A
図25B
図26
【手続補正書】
【提出日】2024-02-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織切除装置であって、
近位端から遠位端まで長手方向軸に沿って延在し、前記遠位端の近傍の外窓に対して開口する軸方向孔を有する外側スリーブと、
前記外側スリーブの軸方向孔内に回転可能に受容され、負圧源と連通するように適合された軸方向チャネルを有する内側スリーブと、
前記内側スリーブの遠位端に取り付けられた遠位ハウジングであって、環状誘電性部分と、周方向で隣接する環状金属部分であって、前記軸方向チャネルに開口する円周方向に離間した鋭利な切れ刃を有する内窓を備える環状金属部分と、を有する遠位ハウジングと、
前記環状誘電性部分を有する第1の長手方向部分と、
前記環状金属部分を有する第2の長手方向部分であって、前記第1の長手方向部分は前記第2の長手方向部分に連結され、前記第1の長手方向部分及び前記第2の長手方向部分のアセンブリの近位端は前記内側スリーブの前記軸方向チャネルに挿入するための寸法に形成され、前記内側スリーブは、前記第1の長手方向部分及び前記第2の長手方向部分と係合して、前記アセンブリの前記近位端の周りに接続を提供する、第2の長手方向部分と、
前記環状誘電性部分によって担持される活性電極と、を備え、
前記内窓は前記活性電極から円周方向に離間し、前記内窓と前記活性電極は、前記内側スリーブが前記外側スリーブ内で回転するときに、前記外窓と整列して交互に回転する、組織切除装置。
【請求項2】
前記外側スリーブ内の前記外窓は前記遠位ハウジングの前記環状誘電性部分よりも周方向に広く、前記環状誘電性部分は、前記環状誘電性部分と前記外窓の少なくとも一つのエッジとの間に露出する前記環状金属部分のマージン部分を残して、前記外窓内で停止でき、露出した前記環状金属部分は前記外窓の前記少なくとも一つのエッジでの電流集中を阻止するリターン電極として作用する、請求項1に記載の組織切除装置。
【請求項3】
前記環状金属部分及び前記環状誘電性部分は、横断面で見て、前記内窓に近位の前記遠位ハウジングの周りで360°延在する、請求項1に記載の組織切除装置。
【請求項4】
前記活性電極の外は横断面で見て少なくとも20°の円弧上に延在し、前記環状誘電性部分の外は、横断面で見て前記活性電極の各側で少なくとも10°の円弧上に延在する、請求項1に記載の組織切除装置。
【請求項5】
前記環状金属部分のそれぞれの鋭利な切れ刃と前記環状誘電性部分との間の距離は、少なくとも10°の円弧上に延在する、請求項に記載の組織切除装置。
【請求項6】
前記活性電極及び前記環状誘電性部分の外面は、横断面で見て第1の円弧に亘って延在し、前記外側スリーブの前記外窓は横断面で見て第2の円弧に亘って延在し、前記第2の円弧は前記第1の円弧よりも大きい、請求項1に記載の組織切除装置。
【請求項7】
前記活性電極は円周方向に少なくとも0.762mm延びる外面を有する、請求項に記載の組織切除装置。
【請求項8】
前記活性電極の横電極切れ刃が、前記環状金属部分の最も近い表面から少なくとも0.254mmだけ離間している、請求項に記載の組織切除装置。
【請求項9】
前記活性電極の外面は半径R1を有し、前記環状誘電性部分の外面は半径R2を有し、前記環状金属部分の外面は半径R3を有する、請求項1に記載の組織切除装置。
【請求項10】
前記半径R1は前記半径R2より0.508mm以下だけ小さい、請求項に記載の組織切除装置。
【請求項11】
前記半径R2は前記半径R3より0.508mm以下だけ小さい、請求項10に記載の組織切除装置。
【請求項12】
前記活性電極は前記内窓と正反対の外面を有する、請求項1に記載の組織切除装置。
【請求項13】
前記活性電極は前記内窓に非対称に対向する外面を有する、請求項1に記載の組織切除装置。
【請求項14】
前記鋭利な切れ刃は、一群の直線切れ刃、鋸歯状切れ刃、及び歯付き切れ刃から選択される特徴を含む、請求項1に記載の組織切除装置。
【請求項15】
前記第2の長手方向部分は、軸方向チャネルを有する導電性の略管状構造を備え前記第1の長手方向部分は前記軸方向チャネル内に配置された誘電性インサートとを有する、請求項1に記載の組織切除装置。
【請求項16】
前記略管状構造及び前記誘電性インサートは係合する長手方向表面を有し、該長手方向表面は前記略管状構造及び前記誘電性インサートとの間の界面に沿って延びる、請求項15に記載の組織切除装置。
【請求項17】
前記活性電極は、前記誘電性インサートの外面の溝に配置された活性電極インサートを更に備える、請求項15に記載の組織切除装置。
【請求項18】
前記活性電極インサートは前記誘電性インサートの受容チャネルに受容される少なくとも第1の脚部を有する、請求項17に記載の組織切除装置。
【請求項19】
前記外側スリーブの前記軸方向孔内に配置され、前記活性電極に取り付けられた遠位端を有する細長い電気導体をさらに備える、請求項1に記載の組織切除装置。
【請求項20】
前記電気導体は前記内側スリーブの前記軸方向孔内に支持された保護チューブ内にある、請求項19に記載の組織切除装置。
【請求項21】
近位ハブをさらに備え、前記外側スリーブは前記近位ハブに固定的に取り付けられ、前記内側スリーブは前記近位ハブに回転可能に取り付けられる、請求項1に記載の組織切除装置。
【請求項22】
組織切除システムであって、
請求項21に記載の組織切除装置と、
近位ハブに取り外し可能に接続するように構成されたハンドピースと、備え、
該ハンドピースは、
(a)窓開放位置及び窓閉鎖位置を介して前記外窓に対し、前記内側スリーブ及び前記内窓を回転させるように適合されたモータ駆動ユニットと、
(b)前記モータ駆動ユニットを選択的に駆動して前記内側スリーブを回転させ、前記内側スリーブのモータ駆動された回転を停止させ、前記活性電極に切除電流を供給し、活性電極に焼灼電流を供給するように構成されたコントローラと、
を有する組織切除システム。