(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024003671
(43)【公開日】2024-01-15
(54)【発明の名称】制御システムおよび制御方法
(51)【国際特許分類】
H02J 13/00 20060101AFI20240105BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20240105BHJP
H02J 3/32 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
H02J13/00 311T
H02J3/38 130
H02J3/38 110
H02J3/32
H02J13/00 301A
H02J13/00 301B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022102970
(22)【出願日】2022-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】303046244
【氏名又は名称】旭化成ホームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100189337
【弁理士】
【氏名又は名称】宮本 龍
(72)【発明者】
【氏名】岡本 幹夫
(72)【発明者】
【氏名】高橋 浩介
(72)【発明者】
【氏名】山口 健太郎
【テーマコード(参考)】
5G064
5G066
【Fターム(参考)】
5G064AC05
5G064AC08
5G064CA08
5G064CB06
5G064CB14
5G064CB21
5G064DA05
5G066AA05
5G066HB06
5G066HB09
5G066JA02
5G066JB03
(57)【要約】
【課題】停電が発生した場合に、限られた電力を、既存の配線で共有できる制御システムおよび制御方法を提供する。
【解決手段】制御システムは、集合住宅の複数の区分の各々に設置され、区分での消費電力を測定する複数のスマートメーターと、系統から供給される電力が停電したことを検出するセンサーと、複数のスマートメーターの管理を行うスマートメーター管理サーバーとを備え、複数のスマートメーターの各々は、受電盤を介して系統と接続され、スマートメーター管理サーバーからの制御信号によって、電流値の上限を制限する機能を有し、センサーは、停電を検出した場合に、停電を示す情報をスマートメーター管理サーバーに通知し、スマートメーター管理サーバーは、センサーが通知した停電を示す情報に基づいて、複数のスマートメーターの各々に電流値の上限を制限するための制御信号を送信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集合住宅の複数の区分の各々に設置され、受電盤を介して系統と接続され、前記区分での消費電力を測定する複数のスマートメーターと、
系統から供給される電力が停電したことを検出するセンサーと、
複数の前記スマートメーターの管理を行うスマートメーター管理サーバーと
を備え、
複数の前記スマートメーターの各々は、系統と接続され、前記スマートメーター管理サーバーからの制御信号によって、電流値の上限を制限する機能を有し、
前記センサーは、停電を検出した場合に、停電を示す情報を前記スマートメーター管理サーバーに通知し、
前記スマートメーター管理サーバーは、前記センサーが通知した停電を示す前記情報に基づいて、複数の前記スマートメーターの各々に電流値の上限を制限するための制御信号を送信する、制御システム。
【請求項2】
複数の前記スマートメーターの各々には、前記受電盤を介して、V2H機器又は蓄電池が接続され、
前記センサーが停電を検出した場合に、複数の前記スマートメーターには、前記受電盤を経由して前記V2H機器又は前記蓄電池から電力が供給される、請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記V2H機器に接続された電気自動車と蓄電池とのいずれか一方又は両方の蓄電量を管理する蓄電管理サーバー
をさらに備え、
前記蓄電管理サーバーは、前記蓄電量を示す情報を、前記スマートメーター管理サーバーへ通知し、
前記スマートメーター管理サーバーは、前記蓄電管理サーバーが通知した前記蓄電量を示す情報に基づいて、複数の前記スマートメーターの各々に電流値の上限を制限するための制御信号を送信する、請求項2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記スマートメーター管理サーバーは、前記集合住宅の複数の前記区分の各々の居住者の数と設備状況とのいずれか一方又は両方に基づいて複数の前記スマートメーターの各々に電流値の上限を制限するための制御信号を送信する、請求項1又は請求項2に記載の制御システム。
【請求項5】
複数の前記スマートメーターの各々には、前記受電盤を介して、太陽電池パネルが接続され、
前記スマートメーター管理サーバーは、前記太陽電池パネルによって供給される電力に基づいて、複数の前記スマートメーターの各々に電流値の上限を制限するための制御信号を送信する、請求項1又は請求項2に記載の制御システム。
【請求項6】
複数の前記スマートメーターの各々には、前記受電盤を介して、分散型電源が接続され、
前記スマートメーター管理サーバーは、前記分散型電源によって供給される電力に基づいて、複数の前記スマートメーターの各々に電流値の上限を制限するための制御信号を送信する、請求項1又は請求項2に記載の制御システム。
【請求項7】
複数の前記集合住宅と接続され、接続された複数の前記集合住宅のネットワークの状況を監視するネットワーク監視サーバー
をさらに備え、
前記ネットワーク監視サーバーは、複数の前記集合住宅のネットワークの状況に基づいて、停電を検出し、
前記スマートメーター管理サーバーは、前記ネットワーク監視サーバーによって停電が検出された場合に、複数の前記スマートメーターの各々に電流値の上限を制限するための制御信号を送信する、請求項1に記載の制御システム。
【請求項8】
複数の前記集合住宅と接続され、接続された複数の前記集合住宅のネットワークの状況を監視するネットワーク監視サーバー
をさらに備え、
前記ネットワーク監視サーバーは、複数の前記集合住宅のネットワークの状況に基づいて、停電の復旧を検出し、
前記スマートメーター管理サーバーは、前記ネットワーク監視サーバーによって停電の復旧が検出された場合に、複数の前記スマートメーターの電流値の上限の制限を解除するための制御信号を送信する、請求項1に記載の制御システム。
【請求項9】
集合住宅の複数の区分の各々に設置され、前記区分での消費電力を測定する複数のスマートメーターと、
系統から供給される電力が停電したことを検出するセンサーと、
複数の前記スマートメーターの管理を行うスマートメーター管理サーバーと
を備える、制御システムが実行する制御方法であって、
複数の前記スマートメーターの各々は、受電盤を介して系統と接続され、前記スマートメーター管理サーバーからの制御信号によって、電流値の上限を制限する機能を有し、
前記センサーが、停電を検出した場合に、停電を示す情報を前記スマートメーター管理サーバーに通知するステップと、
前記スマートメーター管理サーバーが、前記センサーが通知した停電を示す前記情報に基づいて、複数の前記スマートメーターの各々に電流値の上限を制限するための制御信号を送信するステップと
を有する、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御システムおよび制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
共同住宅の共用部に分散型電源を設置し、停電時には分散型電源の電力を共同住宅の各住戸に供給する電力供給システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この電力供給システムによれば、少なくとも2つの住戸部を有する集合住宅に電力網及び分散型電源から電力を供給する。電力供給システムは、各住戸部に設けられており、分散型電源から受電した電力を第1負荷に給電可能な第1給電部と、各住戸部に設けられており、電力網から受電した電力を第2負荷に給電可能な第2給電部とを備える。第1給電部の定格電力は、第2給電部の定格電力よりも小さい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した電力供給システムでは、分散型電源の電力を共同住宅の各住戸に供給するための非常用の配線が必要になり、停電時には電気器具の差し替えが生じる。非常用コンセントでは、壁付けの照明などには給電できない。各戸の非常用コンセントの合計容量が蓄電池の出力容量以下である必要がある。各戸、最初に定められた容量範囲に固定される。非常用コンセントが接続される蓄電池の出力容量が上限である。
本発明の目的は、停電が発生した場合に、限られた電力を、既存の配線で共有できる制御システムおよび制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)上記課題を解決するため、本発明の一実施形態は、集合住宅の複数の区分の各々に設置され、前記区分での消費電力を測定する複数のスマートメーターと、系統から供給される電力が停電したことを検出するセンサーと、複数の前記スマートメーターの管理を行うスマートメーター管理サーバーとを備え、複数の前記スマートメーターの各々は、受電盤を介して系統と接続され、前記スマートメーター管理サーバーからの制御信号によって、電流値の上限を制限する機能を有し、前記センサーは、停電を検出した場合に、停電を示す情報を前記スマートメーター管理サーバーに通知し、前記スマートメーター管理サーバーは、前記センサーが通知した停電を示す前記情報に基づいて、複数の前記スマートメーターの各々に電流値の上限を制限するための制御信号を送信する、制御システムである。
【0006】
本実施形態に係る制御システムによれば、制御システムは、集合住宅の複数の区分の各々に設置され、区分での消費電力を測定する複数のスマートメーターを備える。制御システムは、系統から供給される電力が停電したことを検出するセンサーを備える。制御システムは、複数のスマートメーターの管理を行うスマートメーター管理サーバーを備える。複数のスマートメーターの各々は、受電盤を介して系統と接続され、スマートメーター管理サーバーからの制御信号によって、電流値の上限を制限する機能を有する。センサーは、停電を検出した場合に、停電を示す情報をスマートメーター管理サーバーに通知する。スマートメーター管理サーバーは、センサーが通知した停電を示す情報に基づいて、複数のスマートメーターの各々に電流値の上限を制限するための制御信号を送信する。
【0007】
このように構成することによって、スマートメーター管理サーバーは、センサーが通知した停電を示す情報に基づいて、複数のスマートメーターの各々に電流値の上限を制限するための制御信号を送信できる。複数のスマートメーターの電流値の上限を制限することができるため、例えば、分散型電源の電力などの限られた電力を、集合住宅の複数の区分の各々で共有する場合に、既存の配線を使用できる。
【0008】
(2)本発明の一実施形態は、前述した制御システムにおいて、複数の前記スマートメーターの各々には、前記受電盤を介して、V2H機器又は蓄電池が接続され、前記センサーが停電を検出した場合に、複数の前記スマートメーターには、前記受電盤を経由して前記V2H機器又は前記蓄電池から電力が供給されるようにしてもよい。
このように構成することによって、制御システムにおいて、複数のスマートメーターの各々には、受電盤を介して、V2H機器又は蓄電池が接続される。センサーが停電を検出した場合に、複数のスマートメーターには、受電盤を経由してV2H機器又は蓄電池から電力が供給されるため、既存の配線を使用して限られた電力を共有できる。
【0009】
(3)本発明の一実施形態は、前述した制御システムにおいて、前記V2H機器に接続された電気自動車と蓄電池とのいずれか一方又は両方の蓄電量を管理する蓄電管理サーバーをさらに備え、前記蓄電管理サーバーは、前記蓄電量を示す情報を、前記スマートメーター管理サーバーへ通知し、前記スマートメーター管理サーバーは、前記蓄電管理サーバーが通知した前記蓄電量を示す情報に基づいて、複数の前記スマートメーターの各々に電流値の上限を制限するための制御信号を送信することとしてもよい。
このように構成することによって、制御システムにおいて、V2H機器に接続された電気自動車と蓄電池とのいずれか一方又は両方の蓄電量を管理する蓄電管理サーバーをさらに備えることができる。蓄電管理サーバーは、蓄電量を示す情報を、スマートメーター管理サーバーへ通知する。スマートメーター管理サーバーは、蓄電管理サーバーが通知した蓄電量を示す情報に基づいて、複数のスマートメーターの各々に電流値の上限を制限するための制御信号を送信できる。このため、スマートメーター管理サーバーは、蓄電管理サーバーによって管理される蓄電量に基づいて、複数のスマートメーターの電流値の上限を制限することができる。
【0010】
(4)本発明の一実施形態は、前述した制御システムにおいて、前記スマートメーター管理サーバーは、前記集合住宅の複数の前記区分の各々の居住者の数と設備状況とのいずれか一方又は両方に基づいて複数の前記スマートメーターの各々に電流値の上限を制限するための制御信号を送信することとしてもよい。
このように構成することによって、スマートメーター管理サーバーは、集合住宅の複数の区分の各々の居住者の数と設備状況とのいずれか一方又は両方に基づいて複数のスマートメーターの各々に電流値の上限を制限するための制御信号を送信できる。このため、集合住宅の複数の区分の各々の実情に応じて、複数のスマートメーターの各々の電流値の上限の制限を行うことができる。
【0011】
(5)本発明の一実施形態は、前述した制御システムにおいて、複数の前記スマートメーターの各々には、前記受電盤を介して、太陽電池パネルが接続され、前記スマートメーター管理サーバーは、前記太陽電池パネルによって供給される電力に基づいて、複数の前記スマートメーターの各々に電流値の上限を制限するための制御信号を送信することとしてもよい。
このように構成することによって、制御システムにおいて、複数のスマートメーターの各々には、受電盤を介して、太陽電池パネルが接続される。スマートメーター管理サーバーは、太陽電池パネルによって供給される電力に基づいて、複数のスマートメーターの各々に電流値の上限を制限するための制御信号を送信することができる。このため、集合住宅の実情に応じて、複数のスマートメーターの各々の電流値の上限の制限を行うことができる。
【0012】
(6)本発明の一実施形態は、前述した制御システムにおいて、複数の前記スマートメーターの各々には、前記受電盤を介して、分散型電源が接続され、前記スマートメーター管理サーバーは、前記分散型電源によって供給される電力に基づいて、複数の前記スマートメーターの各々に電流値の上限を制限するための制御信号を送信することとしてもよい。
このように構成することによって、制御システムにおいて、複数のスマートメーターの各々には、受電盤を介して、分散型電源が接続される。スマートメーター管理サーバーは、分散型電源によって供給される電力に基づいて、複数の前記スマートメーターの各々に電流値の上限を制限するための制御信号を送信できる。このため、集合住宅の実情に応じて、複数のスマートメーターの各々の電流制限を行うことができる。
【0013】
(7)本発明の一実施形態は、前述した制御システムにおいて、複数の前記集合住宅と接続され、接続された複数の前記集合住宅のネットワークの状況を監視するネットワーク監視サーバーをさらに備え、前記ネットワーク監視サーバーは、複数の前記集合住宅のネットワークの状況に基づいて、停電を検出し、前記スマートメーター管理サーバーは、前記ネットワーク監視サーバーによって停電が検出された場合に、複数の前記スマートメーターの各々に電流値の上限を制限するための制御信号を送信することとしてもよい。
このように構成することによって、制御システムにおいて、複数の集合住宅と接続され、接続された複数の集合住宅のネットワークの状況を監視するネットワーク監視サーバーをさらに備えることができる。ネットワーク監視サーバーは、複数の集合住宅のネットワークの状況に基づいて、停電を検出する。スマートメーター管理サーバーは、ネットワーク監視サーバーによって停電が検出された場合に、複数のスマートメーターの各々に電流値の上限を制限するための制御信号を送信できる。このため、例えば、停電が発生し、分散型電源の電力などの限られた電力を、集合住宅の複数の区分の各々で共有する場合に、既存の配線を使用できる。
【0014】
(8)本発明の一実施形態は、複数の前記集合住宅と接続され、接続された複数の前記集合住宅のネットワークの状況を監視するネットワーク監視サーバーをさらに備え、前記ネットワーク監視サーバーは、複数の前記集合住宅のネットワークの状況に基づいて、停電の復旧を検出し、前記スマートメーター管理サーバーは、前記ネットワーク監視サーバーによって停電の復旧が検出された場合に、複数の前記スマートメーターの電流値の上限の制限を解除するための制御信号を送信することとしてもよい。
このように構成することによって、制御システムにおいて、複数の集合住宅と接続され、接続された複数の集合住宅のネットワークの状況を監視するネットワーク監視サーバーをさらに備えることができる。スマートメーター管理サーバーは、ネットワーク監視サーバーによって停電の復旧が検出された場合に、複数のスマートメーターの電流値の上限の制限を解除するための制御信号を送信できる。このため、例えば、分散型電源の電力などの限られた電力を、集合住宅の複数の区分の各々で共有している場合に、停電の復旧が検出された場合に、複数のスマートメーターの電流値の上限の制限を解除するための制御信号を送信できる。集合住宅の複数の区分の各々は、系統から電源の供給を受けることができる。
【0015】
(9)本発明の一実施形態は、集合住宅の複数の区分の各々に設置され、前記区分での消費電力を測定する複数のスマートメーターと、系統から供給される電力が停電したことを検出するセンサーと、複数の前記スマートメーターの管理を行うスマートメーター管理サーバーとを備える、制御システムが実行する制御方法であって、複数の前記スマートメーターの各々は、受電盤を介して系統と接続され、前記スマートメーター管理サーバーからの制御信号によって、電流値の上限を制限する機能を有し、前記センサーが、停電を検出した場合に、停電を示す情報を前記スマートメーター管理サーバーに通知するステップと、前記スマートメーター管理サーバーが、前記センサーが通知した停電を示す前記情報に基づいて、複数の前記スマートメーターの各々に電流値の上限を制限するための制御信号を送信するステップとを有する、制御方法である。
本発明の一実施形態に係る制御方法によれば、制御システムとカテゴリが異なるだけで、実質的に同一の発明であり、同様の作用および効果を奏する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、停電が発生した場合に、限られた電力を、既存の配線で共有できる制御システムおよび制御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態に係る制御システムの構成例を示す図である。
【
図2】本実施形態に係るスマートメーター管理サーバーの一例を示す図である。
【
図3】本実施形態に係る制御システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図5】実施形態の変形例1に係る制御システムの構成例を示す図である。
【
図6】実施形態の変形例1に係るスマートメーター管理サーバーと蓄電管理サーバーとの一例を示す図である。
【
図7】実施形態の変形例1に係る制御システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図8】実施形態の変形例2に係る制御システムの構成例を示す図である。
【
図9】実施形態の変形例2に係るスマートメーター管理サーバーとネットワーク監視サーバーとの一例を示す図である。
【
図10】実施形態の変形例2に係る制御システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本実施形態に係る制御システムおよび制御方法を、図面を参照しつつ説明する。以下で説明する実施形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施形態は、以下の実施形態に限られない。
なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
また、本願でいう「XXに基づいて」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含む。また、「XXに基づいて」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含む。「XX」は、任意の要素(例えば、任意の情報)である。
【0019】
(実施形態)
(制御システム)
図1は、本発明の実施形態に係る制御システムの構成例を示す図である。
図1において、制御システムは、建物BUに設置されている。建物BUの一例は、集合住宅であり、複数のフロアを備える。一例として、建物BUが集合住宅であり、1階と2階との二つのフロアを備える場合について説明を続ける。
集合住宅は、一つの建物の中に複数の世帯が入居し、複数の世帯に対応する複数の区画を含む。複数の区画の各々には、電力供給システム(図示なし)によって電力が供給され、供給された電力を需要家が使用する。
【0020】
建物BUの一例は、1階に区分50-1と区分50-2と共用部60-1とが含まれ、2階に区分50-3と区分50-4と共用部60-2とが含まれる。共用部60-1と共用部60-2との各々には、共用廊下(内廊下、外廊下)が含まれてもよい。共用部60-1と共用部60-2とのうち、任意の共用部を共用部60という。共用部60には、例えば、照明、集合玄関機、電気錠制御装置、コンセント、電話保安ボックスなどが備えられている。
【0021】
区分50-1は、分電盤35-1とスマートメーター(smart meter: SM)36-1とを備える。区分50-1では需要家30-1が電力を使用する。区分50-1は、需要家30-1の専有部である。分電盤35-1は、区分50-1に給電する。スマートメーター36-1は、区分50-1の消費電力を測定するメーターであり、電流制限機能を備えている。電流制限機能とは、電力値の上限を制限する機能である。
【0022】
区分50-2は、分電盤35-2とスマートメーター36-2とを備える。区分50-2では需要家30-2が電力を使用する。区分50-2は、需要家30-2の専有部である。分電盤35-2は、区分50-2に給電する。スマートメーター36-2は、区分50-2の消費電力を測定するメーターであり、電流制限機能を備えている。
【0023】
区分50-3は、分電盤35-3とスマートメーター36-3とを備える。区分50-3では需要家30-3が電力を使用する。区分50-3は、需要家30-3の専有部である。分電盤35-3は、区分50-3に給電する。スマートメーター36-3は、区分50-3の消費電力を測定するメーターであり、電流制限機能を備えている。
【0024】
区分50-4は、分電盤35-4とスマートメーター36-4とを備える。区分50-4では需要家30-4が電力を使用する。区分50-4は、需要家30-4の専有部である。分電盤35-4は、区分50-4に給電する。スマートメーター36-4は、区分50-4の消費電力を測定するメーターであり、電流制限機能を備えている。
【0025】
また、建物BUには、駐車場PAが併設されている。駐車場PAは、一又は複数の駐車場を含む。一又は複数の駐車場の各々は、駐車している電気自動車(EV: Electric Vehicle)のバッテリーの充電を行う充電装置を備える。一又は複数の駐車場のうち、少なくとも一つには、電気自動車に貯めている電力を住宅で使用できるようにするためにV2H(Vehicle to Home)機器CDDを備える。
【0026】
建物BUは、親メーター33と、センサーSENと、遮断器CBと、一括受電盤20と、分電盤40と、蓄電池70とを備える。
図1に示される例では、遮断器CBと、一括受電盤20と、分電盤40と、蓄電池70とは、共用部60に設置され、親メーター33と、センサーSENとは、集合住宅において、区分50-1から区分50-4および共用部60以外の部分に設置される。親メーター33と、センサーSENと、遮断器CBと、一括受電盤20と、分電盤40と、蓄電池70との設置位置については、適宜変更可能である。
【0027】
親メーター33の一例は、電力計測装置であり、系統に接続され、系統から供給される電力量を計測する。
センサーSENは、例えば、停電検出器であり、親メーター33に接続され、系統の停電を検出する。センサーSENは、系統の停電を検出した場合に、遮断器CBに系統から集合住宅の棟内への電流を遮断させるための制御情報を作成し、作成した制御情報を遮断器CBに出力する。また、センサーSENは、系統の停電を検出した場合に、系統の停電が発生したことを通知するための停電通知情報を作成し、作成した停電通知情報を、スマートメーター管理サーバー100へ送信する。
【0028】
遮断器CBは、センサーSENと接続され、系統から集合住宅の棟内への電流を遮断する。例えば、遮断器CBは、センサーSENが出力した制御情報を取得した場合に、制御情報に基づいて系統から集合住宅の棟内への電流を遮断する。また、遮断器CBは、各戸で必要な電力を太陽光パネルから十分賄えている場合に、系統側へ逆潮流しないように動作する。
【0029】
一括受電盤20は、親メーター33とセンサーSENと遮断器CBとを介して、系統と接続され、系統からの電力を受電する。一括受電盤20が受電した電力は、区分50-1から区分50-4の各々と共用部60-1と共用部60-2とに供給される。具体的には、一括受電盤20は、スマートメーター36-1、スマートメーター36-2、スマートメーター36-3及びスマートメーター36-4と接続される。スマートメーター36-1、スマートメーター36-2、スマートメーター36-3及びスマートメーター36-4はそれぞれ、分電盤35-1、分電盤35-2、分電盤35-3及び分電盤35-4と接続される。一括受電盤20は、スマートメーター36-1を経由して分電盤35-1に電力を供給し、スマートメーター36-2を経由して分電盤35-2に電力を供給し、スマートメーター36-3を経由して分電盤35-3に電力を供給し、スマートメーター36-4を経由して分電盤35-4に電力を供給する。
【0030】
蓄電池70は分電盤40と接続され、分電盤40は一括受電盤20と接続される。蓄電池70の一例は、定置型蓄電池であり、分散型電源によって発電された電力と、系統電源からの電力とのいずれか一方又は両方を蓄積する。分散型電源の一例は、太陽光発電システムPVである。太陽光発電システムPVの太陽電池モジュールSCは、分電盤40と接続される。太陽光発電システムPVの太陽電池モジュールSCによって発電された電力は、分電盤40に供給される。分電盤40は、太陽電池モジュールSCによって供給された電力を、蓄電池70に供給する。蓄電池70は、分電盤40から供給された電力を蓄積する。
【0031】
一括受電盤20は、系統電源からの電力と分電盤40からの太陽電池モジュールSCで発生する直流電力とを交流電力に変換し、交流電力を、需要家30-1から需要家30-4の各々と共用部60-1から共用部60-2とへ供給する。
また、一括受電盤20は、系統電源からの電力を、分電盤40に供給する。分電盤40は、一括受電盤20からの電力を、蓄電池70に蓄電する。
また、一括受電盤20は、分電盤40を介して、蓄電池70からの電力を取得し、取得した電力を交流電力に変換し、交流電力を、需要家30-1から需要家30-4の各々と共用部60-1から共用部60-2とへ供給する。
また、一括受電盤20は、分電盤40を介して、太陽電池モジュールSCで発生する直流電力を取得し、取得した直流電力を交流電力に変換し、交流電力を、需要家30-1から需要家30-4の各々と共用部60-1から共用部60-2とへ供給する。
【0032】
制御システムは、スマートメーター(SM)管理サーバー100を備える。スマートメーター管理サーバー100は、スマートメーター36-1からスマートメーター36-4と、センサーSENと有線または無線によって接続される。一例として、スマートメーター管理サーバー100が、ネットワークNWを介して、スマートメーター36-1からスマートメーター36-4と、センサーSENと、無線によって接続される場合について説明を続ける。
ネットワークNWは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、プロバイダ装置、無線基地局などを含む。
【0033】
スマートメーター管理サーバー100は、スマートメーター36-1からスマートメーター36-4の各々を制御する。例えば、スマートメーター管理サーバー100は、センサーSENが系統から供給される電力が停電したことを検出した場合に、スマートメーター36-1からスマートメーター36-4の各々の電流制限を行う。
以下、スマートメーター36-1からスマートメーター36-4のうち、任意のスマートメーターを、スマートメーター36と記載する。
【0034】
図2は、本実施形態に係るスマートメーター管理サーバーの一例を示す図である。
スマートメーター管理サーバー100は、パーソナルコンピュータ、サーバー、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。スマートメーター管理サーバー100は、例えば、通信部102と、処理部104と、作成部106と、記憶部108とを備える。
【0035】
通信部102は、通信モジュールによって実現される。通信部102は、基地局(図示なし)と、通信網NWとを経由して、LTE(Long Term Evolution)などの携帯電話の通信規格にしたがって、センサーSEN、スマートメーター36などの他の装置と通信を行う。具体的には、通信部102は、センサーSENが送信した停電通知情報を受信する。通信部102は、作成部106が出力した制御情報を取得し、取得した制御情報を、スマートメーター36へ送信する。
【0036】
記憶部108は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などにより実現される。記憶部108は、一または複数の建物BUの識別情報と、一または複数の建物BUの識別情報の各々について、センサーSENの識別情報と、一または複数のスマートメーター36の識別情報と、一または複数のスマートメーター36の各々について、スマートメーター36のアドレスとを関連づけたスマートメーター関連情報を記憶する。スマートメーター36のアドレスの一例は、IPアドレスである。
【0037】
処理部104は、通信部102が受信した停電通知情報を取得する。停電通知情報には、センサーSENの識別情報と、停電が発生したことを示す情報とが含まれる。処理部104は、停電通知情報に含まれるセンサーSENの識別情報に関連付けられる一または複数のスマートメーター36の各々のアドレスを、記憶部108に記憶されているスマートメーター関連情報から取得する。
作成部106は、処理部104から一または複数のスマートメーター36の各々のアドレスを取得する。作成部106は、取得した一または複数のスマートメーター36の各々のアドレスを宛先とし、電流制限を行うことを示す情報とを含む制御情報を複数作成する。作成部106は、作成した制御情報を、通信部102へ出力する。電流制限を行うことを示す情報の一例は、5Aなどの所定の電流値下げることで、電流値の上限の制限を行うことを示す情報である。
【0038】
処理部104および作成部106は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサが記憶部108に格納されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。
また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0039】
(制御システムの動作)
図3は、本実施形態に係る制御システムの動作の一例を示すフローチャートである。
(ステップS1-1)
停電が発生する。
(ステップS2-1)
センサーSENは、停電を検出する。
(ステップS3-1)
センサーSENは、遮断器CBに集合住宅の棟内を系統から遮断させるための制御情報を作成し、作成した制御情報を遮断器CBへ出力する。
【0040】
(ステップS4-1)
遮断器CBは、センサーSENが出力した制御情報を受信し、受信した制御情報に基づいて集合住宅の棟内を系統から遮断させる。
(ステップS5-1)
センサーSENは、スマートメーター管理サーバー100に停電が発生したことを通知するための停電通知情報を作成する。
(ステップS6-1)
センサーSENは、作成した停電通知情報を、スマートメーター管理サーバー100へ送信する。
【0041】
(ステップS7-1)
スマートメーター管理サーバー100において、通信部102は、センサーSENが送信した停電通知情報を受信する。処理部104は、通信部102が受信した停電通知情報を取得する。処理部104は、停電通知情報に含まれるセンサーSENの識別情報に関連付けられる一または複数のスマートメーター36の各々のアドレスを、記憶部108に記憶されているスマートメーター関連情報から取得する。作成部106は、処理部104から一または複数のスマートメーター36の各々のアドレスを取得する。作成部106は、取得した一または複数のスマートメーター36の各々のアドレスを宛先とし、電流制限を行うことを示す情報を含む制御情報を複数作成する。
【0042】
(ステップS8-1)
蓄電池70は、遮断器CBによって集合住宅の棟内が系統から遮断されたことによって、電力が供給されないことを検出し、放電を開始する。蓄電池70が放電する電力によって、スマートメーター36-1からスマートメーター36-4の各々は、起動する。
(ステップS9-1)
スマートメーター管理サーバー100において、処理部104は、スマートメーター36-1からのアクセスによって、スマートメーター36-1が起動したことを検出する。作成部106は、作成したスマートメーター36-1のアドレスを宛先とし、電流制限を行うことを示す情報を含む制御情報を、通信部102へ出力する。通信部102は、作成部106が出力した制御情報を、スマートメーター36-1へ送信する。
【0043】
(ステップS10-1)
スマートメーター36-1は、スマートメーター管理サーバー100が送信した制御情報を受信し、受信した制御情報に基づいて、電流制限を行う。
(ステップS11-1)
スマートメーター管理サーバー100において、処理部104は、スマートメーター36-2からのアクセスによって、スマートメーター36-2が起動したことを検出する。作成部106は、作成したスマートメーター36-2のアドレスを宛先とし、電流制限を行うことを示す情報を含む制御情報を、通信部102へ出力する。通信部102は、作成部106が出力した制御情報を、スマートメーター36-2へ送信する。
【0044】
(ステップS12-1)
スマートメーター36-2は、スマートメーター管理サーバー100が送信した制御情報を受信し、受信した制御情報に基づいて、電流制限を行う。
(ステップS13-1)
スマートメーター管理サーバー100において、処理部104は、スマートメーター36-3からのアクセスによって、スマートメーター36-3が起動したことを検出する。作成部106は、作成したスマートメーター36-3のアドレスを宛先とし、電流制限を行うことを示す情報を含む制御情報を、通信部102へ出力する。通信部102は、作成部106が出力した制御情報を、スマートメーター36-3へ送信する。
(ステップS14-1)
スマートメーター36-3は、スマートメーター管理サーバー100が送信した制御情報を受信し、受信した制御情報に基づいて、電流制限を行う。
【0045】
(ステップS15-1)
スマートメーター管理サーバー100において、処理部104は、スマートメーター36-4からのアクセスによって、スマートメーター36-4が起動したことを検出する。作成部106は、作成したスマートメーター36-4のアドレスを宛先とし、電流制限を行うことを示す情報を含む制御情報を、通信部102へ出力する。通信部102は、作成部106が出力した制御情報を、スマートメーター36-4へ送信する。
(ステップS16-1)
スマートメーター36-4は、スマートメーター管理サーバー100が送信した制御情報を受信し、受信した制御情報に基づいて、電流制限を行う。
【0046】
前述した実施形態では、建物BUが1階と2階との二つのフロアを備える場合について説明したが、この例に限られない。例えば、建物BUが3階以上のフロアを備えていてもよい。
前述した実施形態では、遮断器CBによって集合住宅の棟内が系統から遮断された場合に、蓄電池70が放電する電力によって、スマートメーター36-1からスマートメーター36-4の各々が起動し、動作する場合について説明したがこの例にかぎられない。例えば、V2H機器に接続された電気自動車のバッテリーが放電した電力によって、スマートメーター36-1からスマートメーター36-4の各々が起動し、動作するようにしてもよい。
【0047】
前述した実施形態において、スマートメーター管理サーバー100は、集合住宅の複数の区分の各々と、複数の区分の各々について居住者と設備状況とのいずれか一方又は両方とを関連付けた情報を記憶するようにしてもよい。スマートメーター管理サーバー100は、集合住宅の複数の区分の各々について、居住者と設備状況とのいずれか一方又は両方に基づいて複数のスマートメーターの各々の電流制限を行うこととしてもよい。つまり、スマートメーター管理サーバー100は、集合住宅の複数の区分の各々の電流制限を行う場合に、複数の区分の各々で電流制限量を異なるようにしてもよい。
例えば、スマートメーター管理サーバー100において、記憶部108は、一または複数の建物BUの識別情報と、一または複数の建物BUの識別情報の各々について、一または複数のスマートメーター36の識別情報と、一または複数のスマートメーター36の各々について、スマートメーター36を備える区分について、居住者情報と、設備状況とを関連づけた居住者関連情報を記憶する。居住者情報の一例は居住者の人数であり、設備状況の一例は区分に設置されている電気製品(家電)である。
処理部104は、集合住宅の複数の区分の各々の居住者に基づいて、居住者の人数が多くなるほど電流制限量が少なく、居住者の人数が少なくなるほど電流制限量が多くなるようにする。処理部104は、集合住宅の複数の区分の各々の設備状況に基づいて、電気製品の消費電力が多くなるほど電流制限量が少なく、電気製品の消費電力が少なくなるほど電流制限量が多くなるようにする。
【0048】
前述した実施形態において、スマートメーター管理サーバー100は、集合住宅が備える分散型電源によって供給される電力量に基づいて、複数のスマートメーター36の各々の電流制限を行うようにしてもよい。分散型電源の一例は、太陽電池パネルである。例えば、処理部104は、集合住宅が備える分散型電源によって供給される電力量に基づいて、電力量が多くなるほど電流制限量が少なく、電力量が少なくなるほど電流制限量が多くなるようにしてもよい。例えば、太陽光発電が発電している晴天昼間などは、その時間だけ、電流制限を緩く(電流制限量を少なく)する。
前述した実施形態において、スマートメーター管理サーバー100は、停電が復旧した場合には、複数のスマートメーター36の電流制限を解除するようにしてもよい。例えば、センサーSENは、停電の復旧を検出した場合に、遮断器CBに系統から集合住宅の棟内への電流の遮断を解除させるための制御情報を作成し、作成した制御情報を遮断器CBに出力する。センサーSENは、停電から復旧したことを検出した場合に、停電から復旧したことを通知するための停電復旧通知情報を作成し、作成した停電復旧通知情報を、スマートメーター管理サーバー100へ送信する。
遮断器CBは、センサーSENが出力した遮断器CBに系統から集合住宅の棟内への電流の遮断を解除させるための制御情報を取得した場合に、制御情報に基づいて系統から集合住宅の棟内への電流の遮断を解除する。
スマートメーター管理サーバー100は、センサーSENが送信した停電復旧通知情報を受信する。スマートメーター管理サーバー100は、受信した停電復旧通知情報に基づいて、複数のスマートメーター36の電流制限を解除する。
【0049】
本実施形態に係る制御システムによれば、制御システムは、集合住宅の複数の区分の各々に設置され、区分での消費電力を測定する複数のスマートメーター36と、系統から供給される電力が停電したことを検出するセンサーSENと、複数のスマートメーター36の管理を行うスマートメーター管理サーバー100とを備え、複数のスマートメーター36の各々は、一括受電盤20としての受電盤を介して系統と接続され、スマートメーター管理サーバー100からの制御信号によって、電流値の上限を制限する機能を有し、センサーSENは、停電を検出した場合に、停電を示す情報をスマートメーター管理サーバー100に通知し、スマートメーター管理サーバー100は、センサーSENが通知した停電を示す情報に基づいて、複数のスマートメーター36の各々に電流値の上限を制限するための制御信号を送信する。
このように構成することによって、スマートメーター管理サーバーは、センサーが通知した停電を示す情報に基づいて、複数のスマートメーターの各々に電流値の上限を制限するための制御信号を送信できる。複数のスマートメーター36の電流値の上限を制限することができるため、例えば、分散型電源の電力などの限られた電力を、集合住宅の複数の区分の各々で共有する場合に、既存の配線を使用できる。
【0050】
図4は、建物BUの一例を示す図である。建物BUの一例は、集合住宅であり、複数のフロアを備える。一例として、建物BUが集合住宅であり、1階と2階との二つのフロアを備える場合について説明を続ける。
建物BUの一例は、
図1と同様であり、1階に区分50-1と区分50-2と共用部60-1とが含まれ、2階に区分50-3と区分50-4と共用部60-2とが含まれる。共用部60-1と共用部60-2とのうち、任意の共用部を共用部60という。共用部60には、例えば、照明、集合玄関機、電気錠制御装置、コンセント、電話保安ボックスなどが備えられている。
【0051】
区分50-1は、分電盤35-1とスマートメーター36a-1と容量制限付き非常用コンセント37-1とを備える。分電盤35-1は、区分50-1に給電する。スマートメーター36a-1は、区分50-1の消費電力を測定するメーターであり、電流制限機能は有さない。
区分50-2は、分電盤35-2とスマートメーター36a-2と容量制限付き非常用コンセント37-2とを備える。分電盤35-2は、区分50-2に給電する。スマートメーター36a-2は、区分50-2の消費電力を測定するメーターであり、電流制限機能は有さない。
【0052】
区分50-3は、分電盤35-3とスマートメーター36a-3と容量制限付き非常用コンセント37-3とを備える。分電盤35-3は、区分50-3に給電する。スマートメーター36a-3は、区分50-3の消費電力を測定するメーターであり、電流制限機能は有さない。
区分50-4は、分電盤35-4とスマートメーター36a-4と容量制限付き非常用コンセント37-4とを備える。分電盤35-4は、区分50-4に給電する。スマートメーター36a-4は、区分50-4の消費電力を測定するメーターであり、電流制限機能は有さない。
【0053】
仮に、停電が発生した場合に、蓄電池70に蓄電された電力が、スマートメーター36a-1からスマートメーター36a-4の各々に供給される場合には、スマートメーター36a-1からスマートメーター36a-4の各々は電流制限機能を有さないため、蓄電池70が放電した電力が速く消費される。このため、電力が不足することが想定される。
【0054】
蓄電池70が放電した電力が速く消費されることを回避するため、区分50-1から区分50-4に、それぞれ蓄電池70と非常用の配線で接続された容量制限付き非常用コンセント37-1から容量制限付き非常用コンセント37-4が設置される。容量制限付き非常用コンセント37-1から容量制限付き非常用コンセント37-4を使用する場合には、非常用の配線が必要になり、停電が発生した場合には電気器具の差し替えが生じる。非常用コンセントでは、壁付けの照明などには給電できない。各区分の非常用コンセントの合計容量が蓄電池70の出力容量以下である必要があり、各区分では最初に定められた容量範囲に固定される。非常用コンセントが接続される蓄電池70の出力容量が上限となる。
本実施形態では、複数のスマートメーターの電流制限を行うことができるため、蓄電池70に蓄電された電力を、集合住宅の複数の区分の各々で共有する場合に、既存の配線を使用できる。
【0055】
制御システムにおいて、複数の前記スマートメーター36の各々には、受電盤を介して、V2H機器又は蓄電池が接続され、センサーが停電を検出した場合に、複数のスマートメーター36には、受電盤を経由してV2H機器又は蓄電池から電力が供給される。
このように構成することによって、制御システムにおいて、複数のスマートメーター36の各々には、受電盤を介して、V2H機器又は蓄電池が接続される。センサーSENが停電を検出した場合に、複数のスマートメーター36には、受電盤を経由してV2H機器又は蓄電池から電力が供給されるため、既存の配線を使用して限られた電力を共有できる。
【0056】
制御システムにおいて、スマートメーター管理サーバー100は、集合住宅の複数の区分の各々の居住者の数と設備状況とのいずれか一方又は両方に基づいて複数のスマートメーター36の各々に電流値の上限を制限するための制御信号を送信する。
このように構成することによって、スマートメーター管理サーバー100は、集合住宅の複数の区分の各々の居住者の数と設備状況とのいずれか一方又は両方に基づいて複数のスマートメーター36の各々に電流値の上限を制限するための制御情報を送信することができる。このため、集合住宅の複数の区分の各々の実情に応じて、複数のスマートメーター36の各々の電流値の上限の制限を行うことができる。
【0057】
制御システムにおいて、複数のスマートメーター36の各々には、受電盤を介して、太陽電池パネルが接続され、スマートメーター管理サーバー100は、太陽電池パネルによって供給される電力に基づいて、複数のスマートメーター36の各々に電流値の上限を制限するための制御信号を送信する複数のスマートメーター36の各々の電流制限を行う。
このように構成することによって、制御システムにおいて、複数のスマートメーター36の各々には、受電盤を介して、太陽電池パネルが接続される。スマートメーター管理サーバー100は、太陽電池パネルによって供給される電力に基づいて、複数のスマートメーター36の各々に電流値の上限を制限するための制御信号を送信することができる。このため、集合住宅の実情に応じて、複数のスマートメーター36の各々の電流値の上限の制限を行うことができる。
【0058】
制御システムにおいて、複数のスマートメーター36の各々には、受電盤を介して、分散型電源が接続され、スマートメーター管理サーバー100は、分散型電源によって供給される電力量に基づいて、複数のスマートメーター36の各々に電流値の上限を制限するための制御信号を送信する。
このように構成することによって、制御システムにおいて、複数のスマートメーター36の各々には、受電盤を介して、分散型電源が接続される。スマートメーター管理サーバー100は、分散型電源によって供給される電力量に基づいて、複数のスマートメーター36の各々に電流値の上限を制限するための制御信号を送信できる。このため、集合住宅の実情に応じて、複数のスマートメーター36の各々の電流制限を行うことができる。
【0059】
(実施形態の変形例1)
図5は、実施形態の変形例1に係る制御システムの構成例を示す図である。制御システムは、実施形態に係る充放電制御システムにおいて、蓄電管理サーバー200を備え、スマートメーター管理サーバー100の代わりにスマートメーター管理サーバー100aを備える点で、実施形態に係る充放電制御システムとは異なる。
蓄電管理サーバー200は、V2H機器CDDに接続された電気自動車のバッテリーと蓄電池70とのいずれか一方又は両方の蓄電量を管理する。スマートメーター管理サーバー100aは、蓄電管理サーバー200によって管理される蓄電量に基づいて、複数のスマートメーター36の電流制限を行う。
【0060】
図6は、実施形態の変形例1に係るスマートメーター管理サーバーと蓄電管理サーバーとの一例を示す図である。
(スマートメーター管理サーバー100a)
スマートメーター管理サーバー100aは、パーソナルコンピュータ、サーバー、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。スマートメーター管理サーバー100aは、例えば、通信部102と、処理部104aと、作成部106と、記憶部108とを備える。
通信部102は、蓄電管理サーバー200が送信した蓄電情報通知を一又は複数受信する。
【0061】
処理部104aは、通信部102が受信した一又は複数の蓄電情報通知を取得する。蓄電情報通知には、建物BUの識別情報と、建物BUに設置されている蓄電池70の蓄電量を示す情報とが含まれる。処理部104aは、取得した蓄電情報通知に含まれる蓄電池70の蓄電量を示す情報に基づいて、蓄電量が多いほど電流制限量が少なく、蓄電量が少ないほど電流制限量が多くなるように電流制限量を設定する。例えば、処理部104aは、5Aを単位として電流制限量を設定する。
【0062】
通信部102は、センサーSENが送信した停電通知情報を受信する。
処理部104aは、通信部102が受信した停電通知情報を取得する。停電通知情報には、センサーSENの識別情報と、停電が発生したことを示す情報とが含まれる。処理部104aは、取得した一又は複数の蓄電情報通知から、停電通知情報に含まれるセンサーSENの識別情報に関連付けられる建物BUの識別情報を含む蓄電情報通知を取得する。処理部104aは取得した蓄電情報通知に含まれる蓄電池70の蓄電量を示す情報に基づいて、蓄電量が多いほど電流制限量が少なく、蓄電量が少ないほど電流制限量が多くなるように電流制限量を設定する。例えば、処理部104aは、5Aを単位として電流制限量を設定する。
【0063】
処理部104aは、停電通知情報に含まれるセンサーSENの識別情報に関連付けられる一または複数のスマートメーター36の各々のアドレスを、記憶部108に記憶されているスマートメーター関連情報から取得する。
作成部106は、処理部104aから一または複数のスマートメーター36の各々のアドレスと、設定した電流制限量を示す情報とを取得する。作成部106は、取得した一または複数のスマートメーター36の各々のアドレスを宛先とし、設定した電流制限量を示す情報とを含む制御情報を複数作成する。作成部106は、作成した制御情報を、通信部102へ出力する。
【0064】
処理部104aは、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサが記憶部208に格納されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0065】
(蓄電管理サーバー200)
蓄電管理サーバー200は、パーソナルコンピュータ、サーバー、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。蓄電管理サーバー200は、例えば、通信部202と、処理部204と、作成部206と、記憶部208とを備える。
通信部202は、通信モジュールによって実現される。通信部202は、基地局(図示なし)と、通信網NWとを経由して、LTEなどの携帯電話の通信規格にしたがって、蓄電池70、スマートメーター管理サーバー100aなどの他の装置と通信を行う。具体的には、通信部202は、蓄電池70が送信した蓄電情報を受信する。通信部202は、作成部206が出力した蓄電情報通知を取得し、取得した蓄電情報通知を、スマートメーター管理サーバー100へ送信する。
【0066】
記憶部208は、HDDやフラッシュメモリ、RAM、ROMなどにより実現される。記憶部108は、一または複数の建物BUの識別情報と、一または複数の建物BUの識別情報の各々について、設置されている蓄電池70の識別情報を関連づけた蓄電池関連情報を記憶する。
処理部204は、通信部102が受信した蓄電情報を取得する。蓄電情報には、蓄電池70の識別情報と、蓄電池70の蓄電量を示す情報とが含まれる。処理部204は、蓄電情報に含まれる蓄電池70の識別情報に関連付けられる建物BUの識別情報を、記憶部208に記憶されている蓄電池関連情報から取得する。
【0067】
作成部106は、処理部104から建物BUの識別情報と蓄電池70の蓄電量を示す情報とを取得する。作成部106は、スマートメーター管理サーバー100のアドレスを宛先とし、建物BUの識別情報と蓄電池70の蓄電量を示す情報とを含む蓄電情報通知を作成する。作成部106は、作成した蓄電情報通知を、通信部102へ出力する。
処理部204および作成部206は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサが記憶部208に格納されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0068】
(制御システムの動作)
図7は、実施形態の変形例1に係る制御システムの動作の一例を示すフローチャートである。ステップS7-2からステップS12-2は、
図3を参照して説明したステップS1-1からステップS6-1を適用できるため、ここでの説明は省略する。
(ステップS1-2)
蓄電池70は、蓄電情報を作成する。蓄電情報には、蓄電池70の識別情報と、蓄電池70の蓄電量を示す情報とが含まれる。
(ステップS2-2)
蓄電池70は、作成した蓄電情報を、蓄電管理サーバー200へ送信する。
(ステップS3-2)
蓄電管理サーバー200において、通信部202は、蓄電池70が送信した蓄電情報を受信する。処理部204は、通信部102が受信した蓄電情報を取得する。
【0069】
(ステップS4-2)
蓄電管理サーバー200において、処理部204は、蓄電情報に含まれる蓄電池70の識別情報に関連付けられる建物BUの識別情報を、記憶部208に記憶されている蓄電池関連情報から取得する。作成部106は、処理部104から建物BUの識別情報と蓄電池70の蓄電量を示す情報とを取得する。作成部106は、スマートメーター管理サーバー100のアドレスを宛先とし、建物BUの識別情報と蓄電池70の蓄電量を示す情報とを含む蓄電情報通知を作成する。
(ステップS5-2)
蓄電管理サーバー200において、作成部206は、作成した蓄電情報通知を、通信部202へ出力する。通信部202は、作成部206が出力した蓄電情報通知を取得し、取得した蓄電情報通知を、スマートメーター管理サーバー100へ送信する。
(ステップS6-2)
スマートメーター管理サーバー100aにおいて、通信部102は、蓄電管理サーバー200が送信した蓄電情報通知を受信する。処理部104aは、通信部102が受信した蓄電情報通知を取得する。
【0070】
(ステップS13-2)
スマートメーター管理サーバー100aにおいて、通信部102は、センサーSENが送信した停電通知情報を受信する。処理部104aは、通信部102が受信した停電通知情報を取得する。処理部104aは、取得した蓄電情報通知に、停電通知情報に含まれるセンサーSENの識別情報に関連付けられる建物BUの識別情報が含まれることを確認する。処理部104aは蓄電情報通知に含まれる蓄電池の蓄電量を示す情報に基づいて、蓄電量が多いほど電流制限量が少なく、蓄電量が少ないほど電流制限量が多くなるように電流制限量を設定する。
処理部104aは、停電通知情報に含まれるセンサーSENの識別情報に関連付けられる一または複数のスマートメーター36の各々のアドレスを、記憶部108に記憶されているスマートメーター関連情報から取得する。
作成部106は、処理部104aから一または複数のスマートメーター36の各々のアドレスと、設定した電流制限量を示す情報とを取得する。作成部106は、取得した一または複数のスマートメーター36の各々のアドレスを宛先とし、設定した電流制限量を示す情報とを含む制御情報を複数作成する。
その後、
図3を参照して説明したステップS9-1からステップS16-1の処理が実行される。
【0071】
前述した実施形態の変形例1では、蓄電管理サーバー200が、蓄電池70の蓄電量を管理する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、蓄電管理サーバー200が、V2H機器CDDに接続される電気自動車の蓄電量を管理するようにしてもよい。この場合、スマートメーター管理サーバー100は、蓄電管理サーバー200によって管理されるV2H機器CDDに接続される電気自動車の蓄電量に基づいて、複数のスマートメーター36の電流制限を行う。
前述した実施形態の変形例1では、スマートメーター管理サーバー100aと蓄電管理サーバー200とが別体のものである場合について説明したが、スマートメーター管理サーバー100aと蓄電管理サーバー200とが一体化されていてもよい。
【0072】
実施形態の変形例1に係る制御システムによれば、実施形態に係る制御システムにおいて、V2H機器CDDに接続された電気自動車と蓄電池70とのいずれか一方又は両方の蓄電量を管理する蓄電管理サーバー200をさらに備える。蓄電管理サーバー200は、蓄電量を示す情報を、スマートメーター管理サーバー100aへ通知し、スマートメーター管理サーバー100aは、蓄電管理サーバー200が通知した蓄電量を示す情報に基づいて、複数のスマートメーター36の各々に電流値の上限を制限するための制御信号を送信する。
このように構成することによって、制御システムにおいて、V2H機器CDDに接続された電気自動車と蓄電池70とのいずれか一方又は両方の蓄電量を管理する蓄電管理サーバー200をさらに備えることができる。蓄電管理サーバー200は、蓄電量を示す情報を、スマートメーター管理サーバー100aへ通知する。スマートメーター管理サーバー100aは、蓄電管理サーバー200が通知した蓄電量を示す情報に基づいて、複数のスマートメーター36の各々に電流値の上限を制限するための制御信号を送信できる。このため、スマートメーター管理サーバー100aは、蓄電管理サーバー200によって管理される蓄電量に基づいて、複数のスマートメーター36の電流値の上限を制限することができる。
【0073】
(実施形態の変形例2)
図8は、実施形態の変形例2に係る制御システムの構成例を示す図である。制御システムは、実施形態に係る制御システムにおいて、ネットワーク監視サーバー300を備え、スマートメーター管理サーバー100の代わりにスマートメーター管理サーバー100bを備える点で、実施形態に係る制御システムとは異なる。
さらに、建物BUにおいて、区分50-1から区分50-4は、それぞれアクセスポイント(AP)38-1からアクセスポイント38-4を備え、共用部60は、主配線盤(Main Distribution Frame)80を備える。主配線盤80は、通信網NWと、アクセスポイント38-1からアクセスポイント38-4と接続される。
【0074】
ネットワーク監視サーバー300は、一又は複数の建物BUの各々に備えられている主配線盤80に含まれるルータ85を監視している。ネットワーク監視サーバー300は、一又は複数の建物BUの各々に備えられている主配線盤80に含まれるルータ85が動作しているか否かに基づいて、停電が発生したか否かを判定する。例えば、ネットワーク監視サーバー300は、動作していないルータを含む主配線盤80が設置されている建物BUの位置に基づいて、拠点一帯で停電が発生したことを検出する。ここで、動作していないルータを含む主配線盤80が設置されている建物BUは、蓄電池70が設置されていない建物であってもよい。
【0075】
停電が発生した場合には、ルータ85の電源は電力系統からの電力供給が切れるため、一旦電力が落ちる(ゼロ[V]になる)。その後、ルータは、蓄電池70から電力が供給される。電力が落ちて、蓄電池70に切り替わることで、ルータ85は自動的に再起動する。ネットワーク監視サーバー300は、ルータが再起動したことを検出することによって蓄電池70が動作したことを検出する。
【0076】
ネットワーク監視サーバー300は、動作していないルータを含む主配線盤80が設置されている建物BUの位置情報に基づいて停電が発生しているか否かを判定し、停電が発生していると判定した場合に、停電が発生している領域を特定し、特定した領域に含まれる建物BUで停電が発生したことを、スマートメーター管理サーバー100bに通知する。
スマートメーター管理サーバー100bは、ネットワーク監視サーバー300から、停電が発生している領域に含まれる建物BUが通知された場合に、停電が発生している領域に含まれる建物BUに含まれる複数のスマートメーターの電流制限を行う。
【0077】
図9は、実施形態の変形例2に係るスマートメーター管理サーバーとネットワーク監視サーバーとの一例を示す図である。
(スマートメーター管理サーバー100b)
スマートメーター管理サーバー100bは、パーソナルコンピュータ、サーバー、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。スマートメーター管理サーバー100bは、例えば、通信部102と、処理部104bと、作成部106と、記憶部108とを備える。
【0078】
記憶部108は、一または複数の建物BUの識別情報と、一または複数の建物BUの識別情報の各々について、センサーSENの識別情報と、一または複数のスマートメーター36の識別情報と、一または複数のスマートメーター36の各々について、スマートメーター36のアドレスとを関連づけたスマートメーター関連情報を記憶する。スマートメーター36のアドレスの一例は、IPアドレスである。
【0079】
通信部102は、ネットワーク監視サーバー300が送信した停電通知情報を受信する。
処理部104bは、通信部102が受信した停電通知情報を取得する。停電通知情報には、停電が発生した建物BUの識別情報と、停電が発生したことを示す情報とが含まれる。処理部104bは、停電通知情報に含まれる停電が発生した建物BUの識別情報に関連付けられる一または複数のスマートメーター36の各々のアドレスを、記憶部108に記憶されているスマートメーター関連情報から取得する。
作成部106は、処理部104bから一または複数のスマートメーター36の各々のアドレスと、電流制限を行うことを示す情報とを取得する。作成部106は、取得した一または複数のスマートメーター36の各々のアドレスを宛先とし、電流制限を行うことを示す情報とを含む制御情報を複数作成する。作成部106は、作成した制御情報を、通信部102へ出力する。
【0080】
(ネットワーク監視サーバー300)
ネットワーク監視サーバー300は、パーソナルコンピュータ、サーバー、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。ネットワーク監視サーバー300は、例えば、通信部302と、処理部304と、作成部306と、記憶部308とを備える。
通信部302は、通信モジュールによって実現される。通信部302は、基地局(図示なし)と、通信網NWとを経由して、LTEなどの携帯電話の通信規格にしたがって、主配線盤80に備えられるルータ85、スマートメーター管理サーバー100bなどの他の装置と通信を行う。
【0081】
記憶部308は、HDDやフラッシュメモリ、RAM、ROMなどにより実現される。記憶部308は、一または複数の建物BUの識別情報と、一または複数の建物BUの識別情報の各々について、位置情報と設置されている主配線盤80の識別情報とを関連づけた主配線盤関連情報を記憶する。
処理部304は、通信部302との間で通信が途絶えたルータ85を検出し、検出したルータ85を含む主配線盤80の識別情報を取得する。処理部304は、取得した主配線盤80の識別情報に関連付けられる建物BUの識別情報と位置情報とを、記憶部308に記憶されている主配線盤関連情報から取得する。
処理部304は、取得した建物BUの位置情報に基づいて、停電が発生したか否かを判定する。例えば、処理部304は、所定の領域に含まれる建物BUの数が閾値以上である場合にその所定の領域で停電が発生したと判定し、所定の領域に含まれる建物BUの数が閾値未満である場合には停電は発生していないと判定する。
【0082】
作成部306は、処理部304で所定の領域で停電が発生したと判定された場合に、処理部304から停電が発生したと判定された所定の領域に含まれる建物BUの識別情報を取得する。作成部306は、スマートメーター管理サーバー100bのアドレスを宛先とし、取得した建物BUの識別情報を含む停電通知情報を作成する。作成部306は、作成した停電通知情報を、通信部102へ出力する。
処理部304および作成部306は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサが記憶部208に格納されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0083】
(制御システムの動作)
図10は、実施形態の変形例2に係る制御システムの動作の一例を示すフローチャートである。ステップS1-3からステップS4-3は、
図3を参照して説明したステップS1-1からステップS4-1を適用できるため、ここでの説明は省略する。
(ステップS5-3)
ネットワーク監視サーバー300において、処理部304は、通信部302と主配線盤80に含まれるルータ85との間で通信が行われているかを監視している。
(ステップS6-3)
ネットワーク監視サーバー300において、処理部304は、通信部302との間で通信が途絶えたルータ85を検出し、検出したルータ85を含む主配線盤80の識別情報を取得する。処理部304は、取得した主配線盤80の識別情報に関連付けられる建物BUの識別情報と位置情報とを、記憶部308に記憶されている主配線盤関連情報から取得する。処理部304は、取得した建物BUの位置情報に基づいて、停電が発生したか否かを判定する。停電が発生したと判定した場合について説明を続ける。
【0084】
(ステップS7-3)
ネットワーク監視サーバー300において、作成部306は、処理部304で停電が発生したと判定された場合に、停電が発生したと判定した所定の領域に含まれる建物BUの識別情報を取得し、取得した建物BUの識別情報と、停電が発生したことを示す情報とを含む、スマートメーター管理サーバー100のアドレスを宛先とする停電通知情報を作成する。
(ステップS8-3)
ネットワーク監視サーバー300において、作成部306は、作成した停電通知情報を、通信部302に出力する。通信部302は、作成部306が出力した停電通知情報を、スマートメーター管理サーバー100bへ送信する。
【0085】
(ステップS9-3)
スマートメーター管理サーバー100bにおいて、通信部102は、ネットワーク監視サーバー300が送信した停電通知情報を受信する。処理部104bは、通信部102が受信した停電通知情報を取得する。
処理部104bは、停電通知情報に含まれる停電が発生した建物BUの識別情報に関連付けられる一または複数のスマートメーター36の各々のアドレスを、記憶部108に記憶されているスマートメーター関連情報から取得する。
作成部106は、処理部104bから一または複数のスマートメーター36の各々のアドレスと、電流制限を行うことを示す情報とを取得する。作成部106は、取得した一または複数のスマートメーター36の各々のアドレスを宛先とし、電流制限を行うことを示す情報とを含む制御情報を複数作成する。
その後、
図3を参照して説明したステップS9-1からステップS16-1の処理が実行される。
【0086】
前述した実施形態の変形例2では、スマートメーター管理サーバー100bとネットワーク監視サーバー300とが別体のものである場合について説明したが、スマートメーター管理サーバー100bとネットワーク監視サーバー300とが一体化されていてもよい。
前述した実施形態の変形例2において、処理部304は、動作していないルータを含む主配線盤80が設置されている建物BUの位置情報に基づいて所定の領域に含まれる建物BUの数が閾値未満であることによって停電は発生していないと判定した場合に、所定の領域に含まれる動作していないルータは故障していると判定してもよい。
この場合、作成部306は、故障しているルータの識別情報を含む故障ルータ通知を作成し、作成した故障ルータ通知を、ネットワーク監視サーバー300の管理者の端末装置(図示なし)へ送信してもよい。このように構成することによって、ネットワーク監視サーバー300の管理者へ、故障しているルータを通知できるため、対応を促すことができる。
前述した実施形態において、スマートメーター管理サーバー100bは、停電が復旧した場合には、複数のスマートメーター36の電流値の上限の制限を解除するようにしてもよい。例えば、ネットワーク監視サーバー300は、停電が発生していると判定した後に、動作していないルータを含む主配線盤80が設置されている建物BUの位置情報に基づいて所定の領域に含まれる建物BUの数が閾値未満であることによって停電が復旧したと判定した場合に、停電が復旧している領域を特定し、特定した領域に含まれる建物BUで停電が復旧したことを、スマートメーター管理サーバー100bに通知する。
スマートメーター管理サーバー100bは、ネットワーク監視サーバー300から、停電が復旧している領域に含まれる建物BUが通知された場合に、停電が復旧している領域に含まれる建物BUに含まれる複数のスマートメーターの電流制限を解除する。
【0087】
実施形態の変形例2に係る制御システムによれば、実施形態に係る制御システムにおいて、複数の集合住宅と接続され、接続された複数の集合住宅のネットワークの状況を監視するネットワーク監視サーバー300をさらに備える。ネットワーク監視サーバー300は、複数の集合住宅のネットワークの状況に基づいて、停電を検出し、スマートメーター管理サーバー100bは、ネットワーク監視サーバー300によって停電が検出された場合に、複数のスマートメーター36の各々に電流値の上限を制限するための制御信号を送信する。
このように構成することによって、制御システムにおいて、複数の集合住宅と接続され、接続された複数の集合住宅のネットワークの状況を監視するネットワーク監視サーバー300をさらに備えることができる。ネットワーク監視サーバー300は、複数の集合住宅のネットワークの状況に基づいて、停電を検出する。スマートメーター管理サーバー100bは、ネットワーク監視サーバー300によって停電が検出された場合に、複数のスマートメーター36の各々に電流値の上限を制限するための制御信号を送信できる。このため、例えば、停電が発生し、分散型電源の電力などの限られた電力を、集合住宅の複数の区分の各々で共有する場合に、既存の配線を使用できる。
【0088】
実施形態の変形例2に係る制御システムによれば、実施形態に係る制御システムにおいて、複数の集合住宅と接続され、接続された複数の集合住宅のネットワークの状況を監視するネットワーク監視サーバー300をさらに備える。ネットワーク監視サーバー300は、複数の集合住宅のネットワークの状況に基づいて、停電の復旧を検出し、スマートメーター管理サーバー100bは、ネットワーク監視サーバー300によって停電の復旧が検出された場合に、複数のスマートメーターの電流値の上限の制限を解除するための制御信号を送信する。
このように構成することによって、制御システムにおいて、複数の集合住宅と接続され、接続された複数の集合住宅のネットワークの状況を監視するネットワーク監視サーバー300をさらに備えることができる。スマートメーター管理サーバー100bは、ネットワーク監視サーバー300によって停電の復旧が検出された場合に、複数のスマートメーター36の電流値の上限の制限を解除するための制御信号を送信できる。このため、例えば、分散型電源の電力などの限られた電力を、集合住宅の複数の区分の各々で共有している場合に、停電の復旧が検出された場合に、複数のスマートメーター36の電流値の上限の制限を解除するための制御信号を送信できる。集合住宅の複数の区分の各々は、系統から電源の供給を受けることができる。
【0089】
以上、実施形態およびその変形例を説明したが、これらの実施形態およびその変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態およびその変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組合せを行うことができる。例えば、実施形態の変形例1と実施形態の変形例2とが組み合わされてもよい。これら実施形態およびその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると同時に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0090】
なお、上述したスマートメーター管理サーバー100、100a、100b、蓄電管理サーバー200、ネットワーク監視サーバー300は、前述したように、コンピュータを含んで実現される。この場合、各機能ブロックの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録する。この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、CPUが実行することで実現してもよい。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体のことをいう。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」は、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置を含む。
【0091】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、短時間の間、動的にプログラムを保持するものを含んでいてもよい。短時間の間、動的にプログラムを保持するものは、例えば、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線である。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」には、サーバーやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。
また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。また、上記プログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
また、上記プログラムは、プログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。プログラマブルロジックデバイスは、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)である。
【0092】
なお、上述のスマートメーター管理サーバー100、100a、100b、蓄電管理サーバー200、ネットワーク監視サーバー300は内部にコンピュータを有している。そして、上述したスマートメーター管理サーバー100、100a、100b、蓄電管理サーバー200、ネットワーク監視サーバー300の各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0093】
20 一括受電盤
30-1、30-2、30-3、30-4 需要家
33 親メーター
35-1、35-2、35-3、35-4 分電盤
36-1、36-2、36-3、36-4、36a-1、36a-2、36a-3、36a-4 スマートメーター
40 分電盤
50-1、50-2、50-3、50-4 区分
60-1、60-2、60 共用部
70 蓄電池
80 主配線盤
85 ルータ
100、100a、100b スマートメーター管理サーバー
102 通信部
104、104a、104b 処理部
106 作成部
108 記憶部
200 蓄電管理サーバー
202 通信部
204 処理部
206 作成部
208 記憶部
300 ネットワーク監視サーバー
302 通信部
304 処理部
306 作成部
308 記憶部