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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036826
(43)【公開日】2024-03-18
(54)【発明の名称】商品搬送装置
(51)【国際特許分類】
   A47F 5/00 20060101AFI20240311BHJP
   B65G 1/04 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
A47F5/00 Z
B65G1/04 503
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022141320
(22)【出願日】2022-09-06
(71)【出願人】
【識別番号】000213493
【氏名又は名称】中野冷機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088720
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 眞一
(72)【発明者】
【氏名】篠塚 賢一
【テーマコード(参考)】
3B118
3F022
【Fターム(参考)】
3B118DA31
3F022AA09
3F022FF01
3F022JJ09
3F022KK18
3F022MM03
3F022MM11
(57)【要約】
【課題】商品載置部に載置されている商品を保持し、保持した商品を搬送して商品陳列棚上に陳列する場合に、その商品が縦長商品や横長商品であっても、保持及び搬送を良好に行えるようにする。
【解決手段】商品が載置される商品載置部と商品が陳列される商品陳列棚との間に配置され、商品載置部上の商品を保持・搬送して商品陳列棚上に陳列する商品搬送装置5であって、この商品搬送装置5は一対のハンド爪部12を有し、一対のハンド爪部を水平方向で対向させて縦長商品を外側から挟持する縦長商品挟持機構部と、一対のハンド爪部を水平状態で対向する位置から上方向きに回動させて隣合って位置させる立上げ機構部と、立上り位置に回動した一対のハンド爪部をその先端部が下方へ移動して横長商品を上方から抑える横長商品抑え機構部とを有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品が載置される商品載置部と商品が陳列される商品陳列棚との間に配置され、前記商品載置部に載置されている商品を保持し及び保持した状態で搬送して前記商品陳列棚上に陳列する商品搬送装置であって、
前記商品陳列棚の長手方向に沿って移動可能な水平方向移動体と、
前記水平方向移動体に設けられた支持部と、
前記支持部に支持され、この支持部の回りに水平面内で回動可能な回動体と、
前記回動体に設けられ、水平方向に延出してその延出方向に伸縮可能なアームと、
前記アームの先端部に設けられ、水平方向で対向する一対のハンド爪部と、
前記アームの先端部に前記ハンド爪部の下方に位置して伸縮可能に設けられ、伸長することにより前記商品載置部に載置されている商品の底部に入り込む底部支持板と、
前記アームに設けられ、水平方向で対向する前記ハンド爪部を互いに接近する方向に回動させて縦長商品をその外側から挟持する挟持位置と、前記縦長商品を挟持する前記ハンド爪部を互いに離反する方向に回動させて前記縦長商品の挟持状態を解放する解放位置とに移動させる縦長商品挟持機構部と、
前記アームに設けられ、水平方向で対向して位置する前記ハンド爪部をこのハンド爪部の外側部が上方向きに回動して隣合って位置する立上り位置に回動させる立上げ機構部と、
立上り位置に回動した一対の前記ハンド爪部を、その先端部が下方へ移動して横長商品を上から抑える位置に回動させる横長商品抑え機構部と、
を有することを特徴とする商品搬送装置。
【請求項2】
前記縦長商品挟持機構部は、
前記アームの延出方向に延出する支軸と、この支軸にスライド可能に嵌合されるスライド部材と、このスライド部材をスライドさせる駆動部とを有し、
前記スライド部材のスライド動作に伴って前記ハンド爪部が前記挟持位置と前記解放位置とに回動することを特徴とする請求項1記載の商品搬送装置。
【請求項3】
前記立上げ機構部は、
前記アームの延出方向に延出する支軸と、この支軸にスライド可能に嵌合される第1の筒体と、この第1の筒体をスライドさせる駆動部と、前記第1の筒体に回動可能に嵌合されて前記第1の筒体のスライド動作により押圧されて回動する第2の筒体とを有し、
前記第2筒体に前記ハンド爪部が連結され、前記第2の筒体が回動することにより前記ハンド爪部が水平方向で対向する位置と立上り位置とに回動することを特徴とする請求項1記載の商品搬送装置。
【請求項4】
前記支持部は上下方向に延出して設けられ、前記回動体は前記支持部に沿って上下方向に位置調節可能に設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の商品搬送装置。
【請求項5】
前記縦長商品挟持機構部と前記横長商品抑え機構部とは、同じ構成部材により構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の商品搬送装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品載置部に載置されている商品を保持し、保持した商品を商品陳列棚上へ搬送する商品搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗では、下記特許文献1の図1に記載されているような大型のショーケースを使用している場合がある。このようなショーケースでは、ショーケース本体内に商品載置部と商品陳列棚とが設けられ、商品載置部に載置された商品を取り出し、取り出した商品を商品陳列棚上に陳列するようにしている。商品載置部から商品を取り出し、取り出した商品を商品陳列棚上へ陳列する作業は、ショーケース本体内に入り込んだ作業員が手作業で行っている。
【0003】
また、商品陳列棚上に陳列されている商品を取り出して目的とする場所に搬送するようにしたロボット装置が知られており、例えば、下記特許文献2に記載されているものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6990013号公報
【特許文献2】特開2021-111148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
商品載置部から商品を取り出し、取り出した商品を商品陳列棚上に陳列する作業を作業員が手作業で行うことは、煩雑であり多大な手間がかかっている。
【0006】
また、特許文献2では、搬送する商品を保持する方式として、吸着パッド方式、マジックハンド型の把持方式、フォーク等によるすくい上げ方式が開示されている。しかし、商品陳列棚上に陳列されている商品には、ペットボトル飲料や缶飲料等の縦長商品や、弁当やパック入り総菜等の横長商品、袋包装された不定形商品等の様々な形状があり、これらの形状の異なる様々な商品を安定して保持し搬送することは難しい。特に、不定形商品を吸着パッド方式で保持するためには、その不定形商品に応じた専用パッドを準備しなければならない。また、不定形商品をマジックハンド方式やフォーク方式で保持しようとすると、商品が変形してしまい、安定して保持することが難しい。
【0007】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、商品載置部に載置されている商品を保持し、保持した商品を搬送して商品陳列棚上に陳列することができ、しかも、その商品が縦長商品や横長商品や不定形商品等のように形状が異なる場合であっても、それらの商品を安定して保持することができるとともに保持した状態で搬送することができる商品搬送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る商品搬送装置は、商品が載置される商品載置部と商品が陳列される商品陳列棚との間に配置され、前記商品載置部に載置されている商品を保持し及び保持した状態で搬送して前記商品陳列棚上に陳列する商品搬送装置であって、前記商品陳列棚の長手方向に沿って移動可能な水平方向移動体と、前記水平方向移動体に設けられた支持部と、前記支持部に支持され、この支持部の回りに水平面内で回動可能な回動体と、前記回動体に設けられ、水平方向に延出してその延出方向に伸縮可能なアームと、前記アームの先端部に設けられ、水平方向で対向する一対のハンド爪部と、前記アームの先端部に前記ハンド爪部の下方に位置して伸縮可能に設けられ、伸長することにより前記商品載置部に載置されている商品の底部に入り込む底部支持板と、前記アームに設けられ、水平方向で対向する前記ハンド爪部を互いに接近する方向に回動させて縦長商品をその外側から挟持する挟持位置と、前記縦長商品を挟持する前記ハンド爪部を互いに離反する方向に回動させて前記縦長商品の挟持状態を解放する解放位置とに移動させる縦長商品挟持機構部と、前記アームに設けられ、水平方向で対向して位置する前記ハンド爪部をこのハンド爪部の外側部が上方向きに回動して隣合って位置する立上り位置に回動させる立上げ機構部と、立上り位置に回動した一対の前記ハンド爪部を、その先端部が下方へ移動して横長商品を上から抑える位置に回動させる横長商品抑え機構部と、を有することを特徴とする。
【0009】
また、前述の商品搬送装置において、前記縦長商品挟持機構部は、前記アームの延出方向に延出する支軸と、この支軸にスライド可能に嵌合されるスライド部材と、このスライド部材をスライドさせる駆動部とを有し、前記スライド部材のスライド動作に伴って前記ハンド爪部が前記挟持位置と前記解放位置とに回動することが望ましい。
【0010】
また、前述の商品搬送装置において、前記立上げ機構部は、前記アームの延出方向に延出する支軸と、この支軸にスライド可能に嵌合される第1の筒体と、この第1の筒体をスライドさせる駆動部と、前記第1の筒体に回動可能に嵌合されて前記第1の筒体のスライド動作により押圧されて回動する第2の筒体とを有し、前記第2筒体に前記ハンド爪部が連結され、前記第2の筒体が回動することにより前記ハンド爪部が水平方向で対向する位置と立上り位置とに回動することが望ましい。
【0011】
また、前述の商品搬送装置において、前記支持部は上下方向に延出して設けられ、前記回動体は前記支持部に沿って上下方向に位置調節可能に設けられていることが望ましい。
【0012】
また、前述の商品搬送装置において、前記縦長商品挟持機構部と前記横長商品抑え機構部とは、同じ構成部材により構成されていることが望ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る商品搬送装置によれば、商品載置部に載置されている商品を保持し及び保持した状態で搬送して商品陳列棚上に陳列する場合には、商品載置部上の商品をハンド爪部と底部支持板とで保持し、水平方向移動体を商品陳列棚の長手方向に沿って移動させ、さらに、回動体を回動させ、及び、アームを伸縮させ、保持した商品を商品陳列棚上の目的とする位置に搬送し、ハンド爪部と底部支持板による商品の保持を解除することによりその商品を商品陳列棚上に陳列する。ここで、搬送対象となる商品には、ペットボトル飲料や缶飲料等の縦長商品や、弁当やパック入り惣菜等の横長商品があり、この商品搬送装置では、商品が縦長商品であるか横長商品であるかによって保持する形式を変更することができる。例えば、商品が縦長商品である場合には、水平方向で対向している一対のハンド爪部を互いに接近する方向に移動させて縦長商品を外側から挟持し、さらに、底部支持板を縦長商品の底部に入り込ませることによりその縦長商品を保持し、保持した状態でその商品を搬送する。また、商品が横長商品である場合には、立上げ機構部を駆動させて一対のハンド爪部を立上り位置に移動させ、ついで、商品抑え機構部を駆動させてハンド爪部をその先端部が下方へ移動する向きに回動させてハンド爪部により横長商品を上から抑え、さらに、底部支持板を横長商品の底部に入り込ませることによりその横長商品を保持し、保持した状態でその商品を搬送する。このようにして、商品の形状が縦長商品であっても横長商品であっても、それらの商品を安定して保持することができ、保持した状態で商品陳列棚上に搬送することができる。
【0014】
縦長商品挟持機構部は、ハンド爪部を挟持位置と解放位置とに回動させるための機構を、ステッピングモータやギヤを用いた高精度の制御機構を用いることなくスライド部材をスライドさせるという簡単な構成とすることができる。
【0015】
立上げ機構部は、ハンド爪部を水平方向で対向する位置と立上り位置とに回動させるための機構を、ステッピングモータやギヤを用いた高精度の制御機構を用いることなく、第1の筒体をスライドさせるという簡単な構成とすることができる。
【0016】
また、商品搬送装置は、水平方向に移動可能な水平方向移動体を有し、この水平方向移動体に支持部が設けられ、支持部に回動体が設けられ、回動体にアームが設けられ、アームにハンド爪部と底部支持板とが設けられている。そして、回動体は、支持部に沿って上下方向に位置調節可能であるので、商品載置部に載置されている商品の位置や、商品陳列棚における商品を陳列する位置が上下方向で異なる場合であっても、回動体を上下方向に位置調節することにより、商品載置部上の商品を保持し、保持した商品を商品陳列棚上に陳列する作業を円滑に行える。
【0017】
また、商品水平挟持機構部と商品抑え機構部とは、同じ構成部材により構成されているので、商品搬送装置の構成部材の数を少なくすることができ、構造の簡略化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】ショーケース内に設けられている商品陳列棚と商品載置部と商品搬送装置との位置関係を示す概略図である。
図2】ハンド爪部が解放位置に回動した状態を示す斜視図である。
図3】ハンド爪部が挟持位置に回動した状態を示す斜視図である。
図4】ハンド爪部が解放位置に回動したときの商品水平挟持機構部の動作状態を示す平面図である。
図5】ハンド爪部が挟持位置に回動したときの商品水平挟持機構部の動作状態を示す平面図である。
図6】ハンド爪部が上方向きに回動した状態を示す斜視図である。
図7】上方向きに回動したハンド爪部の先端部が下向きに回動した状態を示す斜視図である。
図8】立上げ機構部の動作を説明する側面図であり、(a)はハンド爪部が水平位置で対向している状態、(b)はハンド爪部が立上り位置に回動した状態である。
図9】横長商品抑え機構部の動作を説明する側面図であり、(a)はハンド爪部が立上り位置に回動した状態、(b)は立上り位置に位置するハンド爪部が下向きに回動してその先端部が下方に移動した状態である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の一実施形態について、図面に基づいて説明する。図1は、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗内に設置されている大型のショーケース1を示す概略図である。このショーケース1は、ショーケース本体2を有し、ショーケース本体2内には、販売する商品が陳列される商品陳列棚3と、陳列される商品が載置して保管される商品載置部4と、商品載置部4に載置されている商品を保持し及び保持した状態で搬送して商品陳列棚3上に陳列する商品搬送装置5とが設けられている。
【0020】
商品陳列棚3は、ショーケース本体2の一面に対向して配置され、商品が陳列される部分である棚板が上下方向に複数段設けられている。ショーケース本体2における商品陳列棚3に対向する部分であって買物客が歩行する通路に面している部分には、商品陳列棚3上に陳列されている商品を取り出すために買物客が開閉できる複数の開閉扉6が設けられている。開閉扉6の開閉方式としては、スライド方式、回動方式のいずれであってもよい。
【0021】
商品載置部4は、ショーケース本体2内における商品陳列棚3が設けられている側の反対側に設けられており、各種の商品が載置される載置板が上下方向に複数段設けられている。商品載置部4に載置されている商品の形状としては、ペットボトル飲料や缶飲料等の縦長商品A(図4図5参照)や、弁当やパック入り総菜等の横長商品B(図7図9参照)等の様々な形状がある。
【0022】
商品搬送装置5は、商品陳列棚3と商品載置部4との間に配置されている。そして、この商品搬送装置5をスライド可能に案内するスライドレール7が、商品陳列棚3と商品載置部4との間に敷設されている。スライドレール7は、商品陳列棚3の長手方向に沿って商品陳列棚3と平行に敷設されている。
【0023】
以下、商品搬送装置5について説明する。商品搬送装置5は水平方向移動体8を有しており、この水平方向移動体8はスライドレール7に嵌合する走行輪を有し、スライドレール7に沿ってスライド可能とされている。水平方向移動体8には、上方に延出する支持部9が設けられている。支持部9には、この支持部9の回りに回動可能に回動体10が設けられている。回動体10には、水平方向に延出してその延出方向に向けて伸縮可能なアーム11が設けられている。なお、アーム11の伸縮は、アーム11に連結されているモータやシリンダ等の駆動部(図示せず)を駆動させることにより行われる。そして、このアーム11は、回動体10が回動することによりその先端部の向く方向が変更され、例えば、商品載置部4の方向や商品陳列棚3の方向を向くようになっている。さらに、回動体10は、支持部9に沿って上下方向にスライドして上下方向の位置調節が可能とされている。
【0024】
アーム11の先端部には、一対の弧状のハンド爪部12が設けられている。一対のハンド爪部12は、図1ないし図5に示すように水平方向で対向する位置と、図6ないし図9に示すように上向きに立上がった位置とに切替可能とされている。ハンド爪部12が水平方向で対向する場合、ハンド爪部12は外向きに凸状となっている。
【0025】
さらに、アーム11の先端部には、ハンド爪部12の下方に位置して底部支持板13が設けられている。この底部支持板13は、アーム11の延出方向に沿って伸縮可能であり、図2において実線で示す位置と仮想線で示す位置とに伸縮する。仮想線で示す位置に伸長することにより、商品載置部4に載置されている商品(縦長商品Aや横長商品B)の底部に入り込むようになっている。なお、底部支持板13の伸縮は、底部支持板13に連結されているモータやシリンダ等の駆動部(図示せず)を駆動させることにより行われる。
【0026】
つぎに、商品搬送装置5により商品載置部4に載置されている商品を保持し、保持した商品を搬送して商品陳列棚3上に陳列するための構造及びその動作について説明する。
【0027】
アーム11には、図4図5に示すようにアーム11の延出方向に向けて円柱状の一対の支軸14が設けられている。これらの支軸14にはスライド可能に第1の筒体15が嵌合され、各支軸14に嵌合されている第1の筒体15は連結部16により連結されて一体にスライドするようになっている。連結部16にはアーム11の長手方向に沿って延出するスライド軸17の一端側が連結され、スライド軸17の他端側にはこのスライド軸17を軸心方向に沿ってスライドさせる油圧シリンダや空気圧シリンダ等の駆動部が連結されている。
【0028】
第1の筒体15の外周部の一端側には、この第1の筒体15の回りに回動可能に第2の筒体18が嵌合されている。これらの第2の筒体18には、爪ホルダ19が連結されている。爪ホルダ19には支軸20が設けられ、支軸20にはハンド爪部12の一端側が回動可能に支持されている。
【0029】
支軸14の先端側には、支軸14の長手方向に沿ってスライド可能にスライド部材21が連結されている。スライド部材21の一部が爪ホルダ19内に入り込んでおり、この入り込んだ部分には凸部22が設けられている。爪ホルダ19内には、爪ホルダ19の一端側から支軸20を挟んだ反対側に延出する延出部23が設けられており、この延出部23には支軸20から離反する方向に延びる長孔24が形成されている。そして、この長孔24に凸部22が移動可能に嵌合されている。スライド部材21には、これらのスライド部材21をスライドさせる部材である第2のスライド部材25が連結されており、このスライド部材25にスライド軸17aの一端が連結されている。このスライド軸17aは、スライド軸17の下方に配置され、スライド軸17と同様にアーム11の長手方向に沿って延出している。スライド軸17aの他端には、このスライド軸17aを軸心方向に沿ってスライドさせる油圧シリンダや空気圧シリンダ等の駆動部が連列されている。
【0030】
ここで、図2図4は、ハンド爪部12が縦長商品Aを挟持していない解放位置に回動している状態を示している。この状態から駆動部を駆動させてスライド軸17a右方向(図4の矢印a方向)にスライドさせると、スライド部材21と共に凸部22が同方向にスライドし、凸部22が長孔24内を移動する。凸部22が長孔24内を移動することにより、延出部23とハンド爪部12とが支軸20の回りに矢印b方向に回動する。二つのハンド爪部12が矢印b方向に回動することにより、二つのハンド爪部12は互いに接近する方向に回動し、やがて図3図5に示すように縦長商品Aをその外側から挟持する挟持位置に回動する。
【0031】
一方、図5に示すようにハンド爪部12が挟持位置に位置している状態からスライド軸17、スライド部材25、21を左方向(矢印c方向)へスライドさせると、ハンド爪部12と延出部23とが支軸20の回りに矢印d方向に回動し、ハンド爪部12は図4に示す解放位置に回動する。ここで、スライド軸17、スライド軸17をスライドさせる駆動部、支軸14、支軸14にスライド可能に嵌合されているスライド部材21、スライド部材21に連結されているスライド部材25、延出部23等により、ハンド爪部12を互いに接近する方向に回動させて縦長商品Aをその外側から挟持する挟持位置と、ハンド爪部12を互いに離反する方向に回動させて縦長商品Aの挟持状態を解放する解放位置とに移動させる縦長商品挟持機構部が構成されている。
【0032】
なお、ハンド爪部12が縦長商品Aを外側から挟持したタイミングで底部支持板13が伸長する方向に駆動され、伸長した底部支持板13が縦長商品Aの底部に入り込み、縦長商品Aの底部を支えるようになっている。
【0033】
つぎに、図4に示すように、ハンド爪部12が解放位置に回動している状態からスライド軸17を左方向(図8(a)の矢印e方向)にスライドさせると、第1筒体15も同方向にスライドする。
【0034】
ここで、第2の筒体18における第1の筒体15に対向する側の端面には、斜めにカットされたテーパ状端面部26が形成されている。また、第1の筒体15における第2の筒体18に対向する側の外周部には、外方に突出してテーパ状端面部26に当接する凸部27が形成されている。
【0035】
このため、第1の筒体15が矢印e方向にスライドした場合、第2の筒体18は凸部27に押圧されて第1の筒体15の回りに回動し、図8(a)に示す状態から図8(b)に示す状態に変化する。この第2の筒体18の回動により、第2の筒体18に連結されている爪ホルダ19及びハンド爪部12も一体に回動し、ハンド爪部12は水平方向で対向する位置(図8(a)に示す位置)から、ハンド爪部12の凸状側(外側部側)が上方向きに回動して隣合って位置する立上り位置(図8(b)に示す位置)に回動する。そして、これらのテーパ状端面部26を有して回動可能な第2の筒体18、テーパ状端面部26に当接する凸部27を有する第1の筒体15、第1の筒体15をスライドさせるためのスライド軸17、スライド軸17をスライドさせる駆動部等により、ハンド爪部12を水平方向で対向する位置から凸状側が上方向きに回動して隣合って位置する立上り位置に回動させる立上げ機構部が構成されている。
【0036】
なお、第2の筒体18には、この第2の筒体18をハンド爪部12が水平方向で対向する位置に回動させるように付勢する戻しバネ(図示せず)が取付けられている。このため、第1の筒体15を矢印e方向と逆方向にスライドさせることにより、第1の筒体15から第2の筒体18に作用していた押圧力がなくなり、第2の筒体18は戻しバネの付勢力により回動し、図4に示す位置に戻る。
【0037】
図8(b)及び図9(a)に示す立上り位置に回動した一対のハンド爪部12は、支軸20の回りに矢印f方向に回動することによりハンド爪部12の先端部が下方へ移動し、その先端部は横長商品Bを上から抑えるようになる。ここで、スライド部材21、25、そのスライド部材21、25をスライドさせるスライド軸17a、スライド軸17aをスライドさせる駆動部、延出部23、延出部23に形成された長孔24、長孔24に嵌合された凸部22等により、立上げ位置に回動したハンド爪部12をその先端部が下方へ移動するように回動させる横長商品抑え機構部が構成されている。なお、ハンド爪部12の先端部が横長商品Bを上方から抑えたタイミングで底部支持板13が伸長する方向に駆動され、伸長した底部支持板13が横長商品Bの底部に入り込み、横長商品Bの底部を支えるようになっている。ここで、この横長商品抑え機構部は、上述した縦長商品挟持機構部と同じ構成部材により構成されている。
【0038】
このような構成において、商品載置部4には縦長商品Aや横長商品B等の様々な商品が載置されており、商品搬送装置5は、商品載置部4に載置されている商品を保持し、及び、保持した商品を搬送し、商品陳列棚3上に陳列する。
【0039】
まず、商品載置部4の商品を商品搬送装置5で保持する場合には、商品搬送装置5をスライドレール7に沿ってスライドさせ、商品載置部4の正面に対向する位置で停止させる。商品搬送装置5を停止させた後、回動体10を支持部9の回りに回動させ、及び、回動体10を支持部9に沿って上下に位置調節し、アーム11の先端部を保持しようとする商品に対向させる。そして、アーム11を必要に応じて伸ばし、アーム11の先端部に設けられているハンド爪部12と底部支持板13とを用いて商品を保持する。
【0040】
商品を保持した後は、回動体10を支持部9の回りに回動させてアーム11の先端部を商品陳列棚3の方向に向け、商品搬送装置5をスライドレール7に沿ってスライドさせ、及び、回動体10を上下に位置調節し、アーム11の先端部を商品陳列棚3における商品を陳列しようとする位置に対向させる。そして、アーム11を伸ばし、ハンド爪部12と底部支持板13とによる商品の保持を解除することにより、保持していた商品を商品陳列棚3上に陳列する。
【0041】
ここで、ハンド爪部12と底部支持板13とを用いて縦長商品Aを保持して搬送する場合の動作について、図2ないし図5に基いて説明する。図2及び図4に示すように、ハンド爪部12を解放位置に回動させてアーム11を伸ばし、ハンド爪部12を保持しようとする縦長商品Aの外側に位置させる。
【0042】
図4に示した状態からスライド軸17aをスライドさせ、スライド部材25、21を右方向(矢印a方向)にスライドさせる。このスライド動作により、凸部22が長孔24内を移動し、この移動により延出部23とハンド爪部12とが支軸20の回りに矢印b方向に回動する。これにより、一対のハンド爪部12は互いに接近する方向に回動し、図5に示すように、一対のハンド爪部12は縦長商品Aを外側から挟持する。そして、回動したハンド爪部12が縦長商品Aの外側を挟持した後のタイミングで底部支持板13が延び出す方向にスライドし、縦長商品Aの底部に入り込む。このようにして、縦長商品Aは一対のハンド爪部12と底部支持板13とにより確実に保持される。
【0043】
保持された縦長商品Aは商品陳列棚3上に搬送され、搬送後に底部支持板13が縮む方向にスライドし、及び、ハンド爪部12が図4に示すような解放位置に回動する。これにより、搬送された縦長商品Aが商品陳列棚3上に載置される。
【0044】
つぎに、ハンド爪部12と底部支持板13とを用いて横長商品Bを保持して搬送する場合の動作について、図6ないし図9に基いて説明する。横長商品Bを保持して搬送する場合には、ハンド爪部12が解放位置に位置する状態(図2図4に示す状態)からスライド軸17をスライドさせ、第1の筒体15を矢印e方向(図8)にスライドさせる。第1の筒体15が矢印e方向にスライドすることにより、第1の筒体15に設けられている凸部27が第2の筒体18のテーパ状端面部26を押圧し、押圧された第2の筒体18は図8(a)の状態から図8(b)に示す状態へと第1の筒体15の回りに回動する。第2の筒体18が回動することにより、爪ホルダ19とハンド爪部12とが一体に回動する。そして、この回動により、一対のハンド爪部12は、水平方向で対向する位置(図8(a)、図2に示す位置)から、ハンド爪部12の凸状側が上方向きに回動して隣合って位置する立上り位置(図8(b)、図6に示す位置)に回動する。
【0045】
ハンド爪部12が立上り位置(図8(b)、図9(a)に示す位置)に回動した後、アーム11を伸ばし、ハンド爪部12を横長商品Bの上方に位置させる。ついで、スライド部材21を矢印a方向にスライドさせる。このスライド動作により、延出部23とハンド爪部12とが支軸20の軸心回りに矢印f方向に回動する(図9(b)、図7参照)。この回動により、ハンド爪部12はその先端部が下方へ移動し、横長商品Bを上から抑える(図9(b)参照)。そして、ハンド爪部12が横長商品Bを上から抑えた後のタイミングで底部支持板13が延び出す方向にスライドし、横長商品Bの底部に入り込む。このようにして、横長商品Bは一対のハンド爪部12と底部支持板13とにより上下から挟まれ、確実に保持される。
【0046】
保持された横長商品Bは商品陳列棚3上に搬送され、搬送後に底部支持板13が縮む方向にスライドし、及び、ハンド爪部12が図9(a)、図6に示すような上方位置に回動することにより、搬送された横長商品Bが商品陳列棚3上に載置される。なお、不定形商品を保持する場合には、その不定形商品ごとに縦長商品を保持する方法又は横長商品を保持する方法のいずれかを選択するようにする。
【0047】
以上説明したように、この商品搬送装置5は、搬送する商品が縦長商品Aであっても横長商品Bであっても、それらの商品を確実に保持することができ、保持した商品を落下させることなく商品陳列棚3上へ搬送し、陳列することができる。
【0048】
また、ハンド爪部12を縦長商品Aを外側から挟持する位置へ回動させる縦長商品挟持機構部と、ハンド爪部12を横長商品Bを上から抑える位置へ回動させる横長商品抑え機構部とは、同じ構成部材により構成されているため、この商品搬送装置5を構成する部品点数を少なくして構造の簡単化を図ることができる。
【符号の説明】
【0049】
1 ショーケース
2 ショーケース本体
3 商品陳列棚
4 商品載置部
5 商品搬送装置
6 開閉扉
7 スライドレール
8 水平方向移動体
9 支持部
10 回動体
11 アーム
12 ハンド爪部
13 底部支持板
14 支軸
15 第1の筒体
16 連結部
17 スライド軸
17a スライド軸
18 第2の筒体
19 爪ホルダ
20 支軸
21 スライド部材
22 凸部
23 延出部
24 長孔
25 スライド部材
26 テーパ状端面部
27 凸部
A 縦長商品
B 横長商品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9