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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036858
(43)【公開日】2024-03-18
(54)【発明の名称】端子ユニット,雌端子,雄端子
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/187 20060101AFI20240311BHJP
   H01R 13/04 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
H01R13/187 A
H01R13/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022141378
(22)【出願日】2022-09-06
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001966
【氏名又は名称】弁理士法人笠井中根国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100147717
【弁理士】
【氏名又は名称】中根 美枝
(74)【代理人】
【識別番号】100103252
【弁理士】
【氏名又は名称】笠井 美孝
(72)【発明者】
【氏名】塚本 有哉
(72)【発明者】
【氏名】大辻 俊
(57)【要約】
【課題】雌端子に対する雄端子の板幅方向での変位を抑制して、雌雄端子間の微摺動摩擦による接触抵抗値の増大を抑制できる、端子ユニットを開示する。
【解決手段】端子ユニット10が雄端子12と雌端子14とを備え、雌端子14は第1接触部18と第2接触部20を有し、雄端子12は一対の傾斜部22を有し、第1接触部18は一対の第1傾斜側縁部36を有し、第2接触部20は一対の第2傾斜側縁部46を有し、一対の第1傾斜側縁部36または一対の第2傾斜側縁部46には、別体の金属薄板によって形成された接点形成金具28が導通可能に固定されており、接点形成金具28が一対の第1接点部56を有しており、雄端子圧入隙間16に雄端子12が圧入された状態で、第1接点部56の弾性復元力により、第1接点部56が傾斜部22にそれぞれ圧接され、且つ傾斜部22が第1傾斜側縁部36と第2傾斜側縁部46の間でそれぞれ挟持されるようになっている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状をなす雄端子と、
前記雄端子に接続される雌端子と、を備え、
前記雌端子は、前記雄端子が圧入されて配置される雄端子圧入隙間を隔てて対向配置される第1接触部および第2接触部を有し、
前記雄端子は、前記雄端子圧入隙間への圧入方向に交差する板幅方向の両側に、前記雄端子の板厚方向の一方側に傾斜する一対の傾斜部を有し、
前記雌端子の前記第1接触部は、前記雄端子の前記板厚方向の前記一方側の面に対向し、前記雄端子の前記一対の傾斜部に沿ってそれぞれ傾斜する一対の第1傾斜側縁部を有し、前記雌端子の前記第2接触部は、前記雄端子の前記板厚方向の他方側の面に対向し、前記雄端子の前記一対の傾斜部に沿ってそれぞれ傾斜する一対の第2傾斜側縁部を有し、
前記一対の第1傾斜側縁部と前記一対の第2傾斜側縁部の少なくとも一方には、前記第1傾斜側縁部および前記第2傾斜側縁部よりも薄肉で撓み変形が容易な別体の金属薄板によって形成された接点形成金具が導通可能に固定されており、
前記接点形成金具が、前記雄端子圧入隙間に向かって突出する一対の第1接点部を有しており、
前記一対の第1接点部の撓み変形により前記雄端子圧入隙間への前記雄端子の圧入が許容され、前記雄端子圧入隙間に前記雄端子が圧入された状態で、前記雌端子の前記一対の第1接点部の弾性復元力により、前記一対の第1接点部が前記雄端子の前記一対の傾斜部にそれぞれ圧接され、且つ前記雄端子の前記一対の傾斜部が前記雌端子の前記一対の第1傾斜側縁部と前記一対の第2傾斜側縁部の間でそれぞれ挟持されるようになっている、
端子ユニット。
【請求項2】
前記雌端子は、前記第1接触部と前記第2接触部を導通可能に連結する連結板部を有し、前記第2接触部は外部接続部を有し、
前記雌端子の前記第1接触部の前記一対の第1傾斜側縁部に、前記接点形成金具が固定されており、
前記雌端子の前記第2接触部の前記一対の第2傾斜側縁部に、各前記第2傾斜側縁部が前記雄端子圧入隙間に向かって部分的に突出されて形成された一対の第2接点部が設けられており、
前記雄端子圧入隙間に前記雄端子が圧入された状態で、前記第1接点部の弾性復元力により前記雄端子の前記一対の傾斜部が前記雌端子の前記一対の第2接点部に圧接されるようになっている、請求項1に記載の端子ユニット。
【請求項3】
前記接点形成金具は、前記一対の第1傾斜側縁部と前記一対の第2傾斜側縁部の少なくとも一方に対して、溶接により固定される溶接固定部を有している、請求項1または請求項2に記載の端子ユニット。
【請求項4】
前記雌端子の前記接点形成金具は、前記雄端子圧入隙間への前記雄端子の圧入方向に延びる帯形状を有しており、
前記接点形成金具は、長手方向の中央部分に設けられた前記溶接固定部と、前記溶接固定部から前記長手方向の両端に向かって片持ち梁状に突出する前方突出舌片と後方突出舌片を有しており、
前記前方突出舌片と前記後方突出舌片は、側面視で前記雄端子圧入隙間に向かって凸となる湾曲形状で前記長手方向に延びており、前記前方突出舌片と前記後方突出舌片のそれぞれの前記長手方向の中間部分に前記第1接点部が設けられている、請求項3に記載の端子ユニット。
【請求項5】
前記接点形成金具は、前記一対の第1傾斜側縁部と前記一対の第2傾斜側縁部の少なくとも一方に対して、かしめにより固定されるかしめ固定部を有している、請求項1または請求項2に記載の端子ユニット。
【請求項6】
前記雌端子の前記接点形成金具は、前記雄端子圧入隙間への前記雄端子の圧入方向に延びる帯形状を有しており、
前記接点形成金具は、長手方向の中央部分に設けられた前記かしめ固定部と、前記かしめ固定部から前記長手方向の両端に向かって片持ち梁状に突出する前方突出舌片と後方突出舌片を有しており、
前記前方突出舌片と前記後方突出舌片は、側面視で前記雄端子圧入隙間に向かって凸となる湾曲形状で前記長手方向に延びており、前記前方突出舌片と前記後方突出舌片のそれぞれの前記長手方向の中間部分に前記第1接点部が設けられている、請求項5に記載の端子ユニット。
【請求項7】
前記雄端子が、前記板幅方向において前記一対の傾斜部の間に配置された中央平坦部を有し、
前記雌端子の前記第1接触部は、前記板幅方向において前記一対の第1傾斜側縁部の間に配置されて、前記雄端子の前記中央平坦部に対向して沿って広がる第1平坦部を有し、
前記雌端子の前記第2接触部は、前記板幅方向において前記一対の第2傾斜側縁部の間に配置されて、前記雄端子の前記中央平坦部に対向して沿って広がる第2平坦部を有している、請求項1または請求項2に記載の端子ユニット。
【請求項8】
請求項1または請求項2に記載の端子ユニットにおいて用いられる、雌端子。
【請求項9】
請求項1または請求項2に記載の端子ユニットにおいて用いられる、雄端子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端子ユニットおよび当該端子ユニットに用いられる雌端子と雄端子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、タブ状などと表現される板状をなす雄端子と、雄端子に接続される雌端子からなる端子ユニットが開示されている。雌端子は、雄端子挿入隙間を隔てて対向配置された一対の壁部を有し、一方の壁部には雄端子を他方の壁部に押圧する弾性接触片が設けられ、他方の壁部には複数の接点が突設されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-204396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の端子ユニットでは、平板状の雄端子を雌端子の一対の壁部の間で挟み込む構造であるため、雄端子の板幅方向の外力に対する把持力が小さい。そのため、振動等により雌雄端子間に微摺動摩擦が生じて接触抵抗値が増大することも考えられる。それゆえ、端子ユニットの更なる改良が求められていた。
【0005】
そこで、雌端子に対する雄端子の板幅方向での変位を抑制して、雌雄端子間の微摺動摩擦による接触抵抗値の増大を抑制できる、端子ユニットおよび当該端子ユニットに用いられる雌端子と雄端子を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の端子ユニットは、板状をなす雄端子と、前記雄端子に接続される雌端子と、を備え、前記雌端子は、前記雄端子が圧入されて配置される雄端子圧入隙間を隔てて対向配置される第1接触部および第2接触部を有し、前記雄端子は、前記雄端子圧入隙間への圧入方向に交差する板幅方向の両側に、前記雄端子の板厚方向の一方側に傾斜する一対の傾斜部を有し、前記雌端子の前記第1接触部は、前記雄端子の前記板厚方向の前記一方側の面に対向し、前記雄端子の前記一対の傾斜部に沿ってそれぞれ傾斜する一対の第1傾斜側縁部を有し、前記雌端子の前記第2接触部は、前記雄端子の前記板厚方向の他方側の面に対向し、前記雄端子の前記一対の傾斜部に沿ってそれぞれ傾斜する一対の第2傾斜側縁部を有し、前記一対の第1傾斜側縁部と前記一対の第2傾斜側縁部の少なくとも一方には、前記第1傾斜側縁部および前記第2傾斜側縁部よりも薄肉で撓み変形が容易な別体の金属薄板によって形成された接点形成金具が導通可能に固定されており、前記接点形成金具が、前記雄端子圧入隙間に向かって突出する一対の第1接点部を有しており、前記一対の第1接点部の撓み変形により前記雄端子圧入隙間への前記雄端子の圧入が許容され、前記雄端子圧入隙間に前記雄端子が圧入された状態で、前記雌端子の前記一対の第1接点部の弾性復元力により、前記一対の第1接点部が前記雄端子の前記一対の傾斜部にそれぞれ圧接され、且つ前記雄端子の前記一対の傾斜部が前記雌端子の前記一対の第1傾斜側縁部と前記一対の第2傾斜側縁部の間でそれぞれ挟持されるようになっている、ものである。
【0007】
本開示の雌端子は、本開示の端子ユニットにおいて用いられる雌端子である。
【0008】
本開示の雄端子は、本開示の端子ユニットにおいて用いられる雄端子である。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、雌端子に対する雄端子の板幅方向での変位を抑制して、雌雄端子間の微摺動摩擦による接触抵抗値の増大を抑制できる、端子ユニットおよび当該端子ユニットに用いられる雌端子と雄端子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態1に係る端子ユニットを雄端子と雌端子との嵌合状態で示す斜視図である。
図2図2は、図1に示された端子ユニットにおける平面図である。
図3図3は、図1に示された端子ユニットにおける縦断面図であって、図4におけるIII-III断面図である。
図4図4は、図2におけるIV-IV断面を拡大して示す横断面図である。
図5図5は、図4におけるV-V断面図である。
図6図6は、図1に示された端子ユニットを構成する雌端子を、雄端子との未嵌合状態で示す斜視図である。
図7図7は、図6に示された雌端子における縦断面図を雄端子と併せて示す図であって、図5に対応する図である。
図8図8は、図6に示された雌端子を折曲前の展開状態で示す斜視図である。
図9図9は、図6に示された雌端子を構成する接点形成金具を示す斜視図である。
図10図10は、実施形態2に係る端子ユニットを雄端子と雌端子との嵌合状態で示す斜視図である。
図11図11は、図10に示された端子ユニットにおける平面図である。
図12図12は、図11におけるXII-XII断面図である。
図13図13は、図10に示された雌端子を構成する雌端子本体を折曲前の展開状態で示す斜視図である。
図14図14は、図10に示された雌端子を構成する接点形成金具を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<本開示の実施形態の説明>
最初に、本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の端子ユニットは、
(1)板状をなす雄端子と、前記雄端子に接続される雌端子と、を備え、前記雌端子は、前記雄端子が圧入されて配置される雄端子圧入隙間を隔てて対向配置される第1接触部および第2接触部を有し、前記雄端子は、前記雄端子圧入隙間への圧入方向に交差する板幅方向の両側に、前記雄端子の板厚方向の一方側に傾斜する一対の傾斜部を有し、前記雌端子の前記第1接触部は、前記雄端子の前記板厚方向の前記一方側の面に対向し、前記雄端子の前記一対の傾斜部に沿ってそれぞれ傾斜する一対の第1傾斜側縁部を有し、前記雌端子の前記第2接触部は、前記雄端子の前記板厚方向の他方側の面に対向し、前記雄端子の前記一対の傾斜部に沿ってそれぞれ傾斜する一対の第2傾斜側縁部を有し、前記一対の第1傾斜側縁部と前記一対の第2傾斜側縁部の少なくとも一方には、前記第1傾斜側縁部および前記第2傾斜側縁部よりも薄肉で撓み変形が容易な別体の金属薄板によって形成された接点形成金具が導通可能に固定されており、前記接点形成金具が、前記雄端子圧入隙間に向かって突出する一対の第1接点部を有しており、前記一対の第1接点部の撓み変形により前記雄端子圧入隙間への前記雄端子の圧入が許容され、前記雄端子圧入隙間に前記雄端子が圧入された状態で、前記雌端子の前記一対の第1接点部の弾性復元力により、前記一対の第1接点部が前記雄端子の前記一対の傾斜部にそれぞれ圧接され、且つ前記雄端子の前記一対の傾斜部が前記雌端子の前記一対の第1傾斜側縁部と前記一対の第2傾斜側縁部の間でそれぞれ挟持されるようになっている、ものである。
【0012】
本開示の端子ユニットによれば、雌端子は、雄端子圧入隙間を隔てて対向配置された第1接触部と第2接触部を有し、第1接触部と第2接触部の間で雄端子圧入隙間に圧入された雄端子を挟持する構造を有している。そこにおいて、雄端子は、雄端子圧入隙間への圧入方向と交差する方向である雄端子の板幅方向の両側に、雄端子の板厚方向の一方側に傾斜する一対の傾斜部を有している。同様に、雌端子の第1接触部は、雄端子の板厚方向の一方側の面に対向し、雄端子の一対の傾斜部に沿ってそれぞれ傾斜する一対の第1傾斜側縁部を有し、雌端子の第2接触部は、雄端子の板厚方向の他方側の面に対向し、雄端子の一対の傾斜部に沿ってそれぞれ傾斜する一対の第2傾斜側縁部を有している。さらに、一対の第1傾斜側縁部と一対の第2傾斜側縁部の少なくとも一方には、第1傾斜側縁部および第2傾斜側縁部よりも薄肉で撓み変形が容易な別体の金属薄板によって形成された接点形成金具が固定されている。接点形成金具は、雄端子圧入隙間に向かって突出する一対の第1接点部を有している。それゆえ、一対の第1接点部の撓み変形により雄端子圧入隙間への雄端子の圧入が許容される一方、雄端子圧入隙間に雄端子が圧入された状態で、雌端子の一対の第1接点部の弾性復元力により、一対の第1接点部を雄端子の一対の傾斜部にそれぞれ圧接させ、且つ雄端子の一対の傾斜部を、雌端子の一対の第1傾斜側縁部と一対の第2傾斜側縁部の間でそれぞれ挟持することができる。
【0013】
これにより、雄端子の板幅方向に外力が及ぼされた場合には、雄端子の板幅方向の両側において雄端子の傾斜部が、同様に傾斜した雌端子の第1傾斜側縁部や第2傾斜側縁部に押圧されて、板幅方向の内方に向かう分力(第1傾斜側縁部や第2傾斜側縁部からの反力)が発生する。その結果、従来構造に比べて、雄端子の板幅方向の外方に向かう外力に対して雄端子の変位を阻止する力を大きくすることができ、雌端子に対する雄端子の板幅方向での変位を抑制することができる。
【0014】
しかも、一対の第1傾斜側縁部と一対の第2傾斜側縁部の少なくとも一方は、第1傾斜側縁部および第2傾斜側縁部よりも薄肉で撓み変形が容易な別体の金属薄板によって形成された一対の第1接点部が設けられていることから、一対の第1接点部の撓み変形により、雄端子圧入隙間へ雄端子を容易に圧入することができ、挿入力の低減を図ることができる。しかも、一対の第1接点部の弾性復元力により、雄端子圧入隙間に圧入された雄端子の一対の傾斜部を、雌端子の一対の第1傾斜側縁部と一対の第2傾斜側縁部の間でそれぞれ挟持した状態に保持することができる。それゆえ、第1接触部と第2接触部を接近方向に付勢する別体のクリップばねを必要とすることなく、雌雄端子間の接圧を確保して雌雄端子の接続状態を有利に保持することができる。特に、一対の第1接点部が、雌端子の第1傾斜側縁部および第2傾斜側縁部よりも薄肉で撓み変形が容易な別体の金属薄板によって形成された接点形成金具を用いて構成されていることから、第1傾斜側縁部および第2傾斜側縁部に直接第1接点を設ける場合に比して、第1接点部の雄端子への接触面積の増大や、雄端子の変位への第1接点部の追従性の向上も図ることができる。しかも、別体の接点形成金具によって第1接点部を設けることができるため、第1接点部の設計自由度の向上も図ることができ、使用条件に合わせた複数の接点を最適な箇所および形状にて容易に設けることも可能となる。
【0015】
ここで、一対の第1傾斜側縁部や一対の第2傾斜側縁部について、「雄端子の一対の傾斜部に沿ってそれぞれ傾斜する」とは、雄端子の傾斜部に沿うように第1傾斜側縁部や第2傾斜側縁部が傾斜していればよく、必ずしも、雄端子の傾斜部と第1/第2傾斜側縁部が平行でなくてもよい。例えば、雄端子の傾斜部の傾斜角度に対して第1/第2傾斜側縁部の傾斜角度が、0~10°程度の範囲内での相違があってもよい。
【0016】
また、一対の第1接点部は、一対の第1傾斜側縁部と一対の第2傾斜側縁部の何れか一方に設けられていてもよいし、両方に設けられていてもよい。各第1接点部の形状は、雄端子圧入隙間に圧入される雄端子に押圧されて、雄端子圧入隙間の外方に向かって撓み変形し、雄端子圧入隙間の内方に向かって弾性復帰する形状であれば、任意の形状を採用可能である。
【0017】
(2)上記(1)において、前記雌端子は、前記第1接触部と前記第2接触部を導通可能に連結する連結板部を有し、前記第2接触部は外部接続部を有し、前記雌端子の前記第1接触部の前記一対の第1傾斜側縁部に、前記接点形成金具が固定されており、前記雌端子の前記第2接触部の前記一対の第2傾斜側縁部に、各前記第2傾斜側縁部が前記雄端子圧入隙間に向かって部分的に突出されて形成された一対の第2接点部が設けられており、前記雄端子圧入隙間に前記雄端子が圧入された状態で、前記第1接点部の弾性復元力により前記雄端子の前記一対の傾斜部が前記雌端子の前記一対の第2接点部に圧接されるようになっている、ことが好ましい。
【0018】
雌端子の第2接触部に外部の電線端末や回路端末が接続される外部接続部が設けられており、同じ第2接触部の一部を部分的に突出させて形成された第2接点部が、第2接触部に設けられている。このような第2接点部に対して、雄端子の一対の傾斜部を第1接点部の弾性復元力により圧接することができ、少ない部品点数により雌雄端子の接圧の確保と、雌雄端子間の接触抵抗の低減を両立して達成することができる。
【0019】
(3)上記(1)または(2)において、前記接点形成金具は、前記一対の第1傾斜側縁部と前記一対の第2傾斜側縁部の少なくとも一方に対して、溶接により固定される溶接固定部を有している、ことが好ましい。接点形成金具が、各第1傾斜側縁部および/または各第2傾斜側縁部に対して、溶接固定部において溶接により固定されている。これにより、接点形成金具の第1接点部の各第1傾斜側縁部および/または各第2傾斜側縁部に対する導通抵抗の低減と安定した固定状態を有利に実現できる。
【0020】
(4)上記(3)において、前記雌端子の前記接点形成金具は、前記雄端子圧入隙間への前記雄端子の圧入方向に延びる帯形状を有しており、前記接点形成金具は、長手方向の中央部分に設けられた前記溶接固定部と、前記溶接固定部から前記長手方向の両端に向かって片持ち梁状に突出する前方突出舌片と後方突出舌片を有しており、前記前方突出舌片と前記後方突出舌片は、側面視で前記雄端子圧入隙間に向かって凸となる湾曲形状で前記長手方向に延びており、前記前方突出舌片と前記後方突出舌片のそれぞれの前記長手方向の中間部分に前記第1接点部が設けられている、ことが好ましい。
【0021】
接点形成金具が、雄端子の圧入方向に帯形状で延びており、その長手方向の中央部分に溶接固定部が設けられている。溶接固定部から片持ち梁状に前方突出舌片と後方突出舌片を、長手方向(雄端子の圧入方向)の両側に向かって突出させることができ、そこに、それぞれ第1接点部が設けられている。それゆえ、雄端子の前後方向(圧入方向)の変位に対する第1接点部の追従性を有利に向上させることができる。
【0022】
しかも、前方突出舌片と後方突出舌片は、側面視で雄端子圧入隙間に向かって凸となる湾曲形状で長手方向に延びており、前方突出舌片と後方突出舌片のそれぞれの長手方向の中間部分に第1接点部が設けられている。これにより、第1接点部の撓み変形量を有利に確保することができ、雄端子の変形に対する更なる追従性の向上や接触面積の増大を図ることができる。特に、後方突出舌片の湾曲形状により、後方突出舌片の突出端部の雄端子圧入隙間への突出量が第1接点部に比して小さくされており、雄端子挿入時の雄端子とのどつきのリスクを低減しつつ雄端子を圧入隙間に向かってガイドする機能も発揮することができる。
【0023】
(5)上記(1)から(4)のいずれか1つにおいて、前記接点形成金具は、前記一対の第1傾斜側縁部と前記一対の第2傾斜側縁部の少なくとも一方に対して、かしめにより固定されるかしめ固定部を有している、ことが好ましい。接点形成金具が、各第1傾斜側縁部および/または各第2傾斜側縁部に対して、かしめ固定部においてかしめにより固定されている。これにより、接点形成金具の第1接点部の各第1傾斜側縁部および/または各第2傾斜側縁部に対する導通性を確保しつつ簡単に固定することができる。
【0024】
(6)上記(5)において、前記雌端子の前記接点形成金具は、前記雄端子圧入隙間への前記雄端子の圧入方向に延びる帯形状を有しており、前記接点形成金具は、長手方向の中央部分に設けられた前記かしめ固定部と、前記かしめ固定部から前記長手方向の両端に向かって片持ち梁状に突出する前方突出舌片と後方突出舌片を有しており、前記前方突出舌片と前記後方突出舌片は、側面視で前記雄端子圧入隙間に向かって凸となる湾曲形状で前記長手方向に延びており、前記前方突出舌片と前記後方突出舌片のそれぞれの前記長手方向の中間部分に前記第1接点部が設けられている、ことが好ましい。
【0025】
接点形成金具が、雄端子の圧入方向に帯形状で延びており、その長手方向の中央部分にかしめ固定部が設けられている。かしめ固定部から片持ち梁状に前方突出舌片と後方突出舌片を、長手方向(雄端子の圧入方向)の両側に向かって突出させることができ、そこに、それぞれ第1接点部が設けられている。それゆえ、雄端子の前後方向(圧入方向)の変位に対する第1接点部の追従性を有利に向上させることができる。
【0026】
しかも、前方突出舌片と後方突出舌片は、側面視で雄端子圧入隙間に向かって凸となる湾曲形状で長手方向に延びており、前方突出舌片と後方突出舌片のそれぞれの長手方向の中間部分に第1接点部が設けられている。これにより、第1接点部の撓み変形量を有利に確保することができ、雄端子の変形に対する更なる追従性の向上や接触面積の増大を図ることができる。特に、後方突出舌片の湾曲形状により、後方突出舌片の突出端部の雄端子圧入隙間への突出量が第1接点部に比して小さくされており、雄端子挿入時の雄端子とのどつきのリスクを低減しつつ雄端子を圧入隙間に向かってガイドする機能も発揮することができる。
【0027】
(7)上記(1)から(6)のいずれか1つにおいて、前記雄端子が、前記板幅方向において前記一対の傾斜部の間に配置された中央平坦部を有し、前記雌端子の前記第1接触部は、前記板幅方向において前記一対の第1傾斜側縁部の間に配置されて、前記雄端子の前記中央平坦部に対向して沿って広がる第1平坦部を有し、前記雌端子の前記第2接触部は、前記板幅方向において前記一対の第2傾斜側縁部の間に配置されて、前記雄端子の前記中央平坦部に対向して沿って広がる第2平坦部を有している、ことが好ましい。
【0028】
雄端子が中央平坦部とその両側で板厚方向で同じ側に傾斜する一対の傾斜部を有し、雌端子の第1接触部と第2接触部が、雄端子の板厚方向両側に配置されて、雄端子と相似する形状を有している。すなわち、第1接触部は、雄端子の中央平坦部に沿って広がる第1平坦部と、第1平坦部の両側に配置されて雄端子の一対の傾斜部に沿って傾斜する第1傾斜側縁部を有しており、第2接触部は、雄端子の中央平坦部に沿って広がる第2平坦部と、第2平坦部の両側に配置されて雄端子の一対の傾斜部に沿って傾斜する第2傾斜側縁部を有している。このように、雄端子と雌端子の第1/第2接触部が相互に相似形状を有して対向配置されていることから、端子ユニット自体に無駄な隙間が発生せず、端子ユニットの小型化を図ることができる。
【0029】
本開示の雌端子は、
(8)上記(1)から(7)のいずれか1つに記載の端子ユニットにおいて用いられる、ものである。
【0030】
本開示の雌端子によれば、雄端子が接続されて端子ユニットが構成されることで、上記(1)から(7)のいずれかの効果を発揮することができる。
【0031】
本開示の雄端子は、
(9)上記(1)から(7)のいずれか1つに記載の端子ユニットにおいて用いられる、ものである。
【0032】
本開示の雄端子によれば、雌端子に接続されて端子ユニットが構成されることで、上記(1)から(7)のいずれかの効果を発揮することができる。
【0033】
<本開示の実施形態の詳細>
本開示の端子ユニットおよび当該端子ユニットに用いられる雌端子と雄端子の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0034】
<実施形態1>
以下、本開示の実施形態1の端子ユニット10について、図1から図9を用いて説明する。端子ユニット10は、板状をなす雄端子12と、雄端子12に接続される雌端子14とを備えている。雌端子14は、雄端子12が圧入されて配置される雄端子圧入隙間16を隔てて対向配置される第1接触部18および第2接触部20を有している。そして、雄端子12が雌端子14における雄端子圧入隙間16に圧入状態で挿入されて第1接触部18および第2接触部20と接触することで、雄端子12と雌端子14とが電気的に接続されるようになっている。なお、端子ユニット10は、任意の向きで配置することができるが、以下では、上方とは図4中の上方、下方とは図4中の下方、左方とは図2中の上方、右方とは図2中の下方、前方とは図2中の右方、後方とは図2中の左方として説明する。また、複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材については符号を省略する場合がある。
【0035】
<雄端子12>
雄端子12は、全体として板状をなしており、図示しない平板金具を用いて構成されている。平板金具は全体として略矩形状を有しており、所定の板幅寸法および板厚寸法を有しており、ストレートに延びている。なお、雄端子12は雌端子14における雄端子圧入隙間16に対して後方から前方に向かって圧入されるようになっており、雄端子12において雄端子圧入隙間16に圧入される部分(前方部分)は、後方部分に比べて先細形状とされている(図1,2等参照)。雄端子12は、導電性を有しており、例えば銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の電気抵抗の低い金属により形成される。
【0036】
そして、平板金具の板幅方向(左右方向)両端部分を板厚方向の一方側(上方)に屈曲させて傾斜させることで、雄端子12の板幅方向両端部分には、一対の傾斜部22,22が設けられている。すなわち、雄端子12において、雄端子圧入隙間16への圧入方向(後方から前方に向かう方向)に対して交差する方向、実施形態1では直交する方向である板幅方向の両側に一対の傾斜部22,22が設けられている。雄端子12の板幅方向で一対の傾斜部22,22の間に位置する板幅方向の中央部分には、平坦に広がる中央平坦部24が設けられている。なお、一対の傾斜部22,22は、雄端子12の長さ方向の全長にわたって設けられてもよいし、雄端子12において雄端子圧入隙間16に圧入される部分(先細形状とされた前方部分)にのみ設けられてもよい。実施形態1では、雄端子12の板厚寸法が略一定であり、一対の傾斜部22,22および中央平坦部24の厚さ寸法がそれぞれA(図4,5参照)であるが、一対の傾斜部22,22および中央平坦部24の厚さ寸法は相互に異なっていてもよい。
【0037】
一対の傾斜部22,22の中央平坦部24に対する傾斜角度はθ1となっている(図4参照)。なお、実施形態1では、雄端子12において、板幅方向の一方側(左側)の傾斜部22の中央平坦部24に対する傾斜角度と、板幅方向の他方側(右側)の傾斜部22の中央平坦部24に対する傾斜角度は、相互に等しい大きさ(θ1)であるが、左右両側の傾斜角度は相互に異なっていてもよい。
【0038】
一対の傾斜部22,22の中央平坦部24に対する傾斜角度θ1は限定されるものではないが、例えば5°以上45°以下とされることが好適であり、より好適には10°以上30°以下とされる。傾斜部22の傾斜角度θ1が5°以上とされることにより、雄端子12に板幅方向外方への外力が入力された際にも雄端子12の板幅方向外方への変位を抑制することができる。傾斜部22の傾斜角度θ1が45°以下とされることにより、雄端子12、ひいては端子ユニット10の上下方向寸法を小さく抑えることができる。
【0039】
雄端子12において、先細形状とされた前方部分よりも後方側はストレートに延びており、例えば一対の傾斜部22,22が設けられて図1等に示される状態で後方側に延びていてもよいし、一対の傾斜部22,22が設けられることなく、略平板形状をもって後方側に延びていてもよい。雄端子12における後方側部分は、例えば圧着や溶着等により電線が固着されたり、ボルト挿通孔が設けられて機器の端子部に固定されるようになっている。
【0040】
<雌端子14>
雌端子14は、図8にも示されるように、1枚の金属平板からなる雌端子本体26と、雌端子本体26に固定される一対の接点形成金具28,28を含んで構成されており、各接点形成金具28が固定された雌端子本体26が、以下に説明する所定形状に折り曲げられることで雌端子14が形成されるようになっている。すなわち、雌端子本体26は、雄端子圧入隙間16を構成する第1接触部18と第2接触部20を有しているとともに、さらに第1接触部18と第2接触部20とを導通可能に連結する連結板部30を有している。また、雌端子本体26は、図示しない電線の芯線が固着されたり、図示しない機器等の内部回路を構成するバスバー等が連結される外部接続部32を有している。実施形態1では、第2接触部20の前端部31に外部接続部32が設けられている。
【0041】
そして、第2接触部20の前端部31にはかしめ片34が形成されており、このかしめ片34により、所定形状に折り曲げられた雌端子本体26において、第1接触部18と第2接触部20の開き方向への変位(離隔変位)が防止されるようになっている。なお、このような雌端子本体26は、導電性を有しており、且つプレス加工や打抜き加工等が可能な種々の金属材料、例えば真鍮や銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等を用いて形成され得る。実施形態1では、雌端子本体26が、導電性に優れる純銅により形成されている。
【0042】
具体的には、図8に示されるように、折曲前の第1接触部18および第2接触部20はそれぞれ平面視において略矩形状であり、それぞれの板幅方向(左右方向)で並んで配置されているとともに、第1接触部18の前端部35と第2接触部20の前端部31とが連結板部30により連結されている。また、第2接触部20の前端部31において連結板部30が設けられている側と反対側(左側)には、かしめ片34が突出して設けられている。そして、第1接触部18と第2接触部20とが上下方向で対向するように連結板部30が折り曲げられてかしめ片34によりかしめ固定されることで、雌端子本体26が所定の折曲形状で維持されるようになっている。換言すれば、雌端子14において第1接触部18と第2接触部20の長手方向の一端側(各前端部35,31)が連結板部30により連結されており、当該連結された各前端部35,31から第1接触部18および第2接触部20が、それぞれ片持ち梁状に後方に向かって突出している。また、第2接触部20における前端部分が第1接触部18との連結部分よりも前方まで延び出しており、略矩形平板状の外部接続部32が構成されている。
【0043】
<第1接触部18>
折曲前の第1接触部18は全体として略矩形平板状であり、前後方向に略ストレートに延びている。以下、第1接触部18における折曲後の形状について説明する。第1接触部18は、雄端子12の板厚方向の一方側の面(上面12a)に対向して雄端子12の一対の傾斜部22,22に沿ってそれぞれ傾斜する一対の第1傾斜側縁部36,36を有している。これら各第1傾斜側縁部36は、第1接触部18における板幅方向(左右方向)両端部分を、板幅方向中央部分に対して板厚方向の一方側(上方)に屈曲させることにより形成されている。そして、第1接触部18において、一対の第1傾斜側縁部36,36の板幅方向の間には、雄端子12における中央平坦部24に対向して、且つ中央平坦部24に沿って平坦に広がる第1平坦部38が設けられている。
【0044】
実施形態1では、各第1傾斜側縁部36が、第1接触部18の後端から所定の長さにわたって設けられている。各第1傾斜側縁部36は、第1接触部18の後端部分において、第1平坦部38に対して所定の傾斜角度θ2(図4参照)をもって傾斜している。なお、実施形態1では、第1接触部18において、板幅方向の一方側(左側)の第1傾斜側縁部36の第1平坦部38に対する傾斜角度と、板幅方向の他方側(右側)の第1傾斜側縁部36の第1平坦部38に対する傾斜角度は、相互に等しい大きさ(θ2)であるが、左右両側の傾斜角度は相互に異なっていてもよい。
【0045】
また、第1接触部18の前端部35は、第1接触部18の後方部分に設けられる第1平坦部38よりも下方に位置しており、第1接触部18における前後方向中間部分には、前方に向かって次第に下方へと湾曲しつつ変化する移行部40が設けられている。なお、第1接触部18の前端部35における左右方向両端部分には各第1傾斜側縁部36が設けられておらず、第1接触部18における前端部35は、第1平坦部38に対して略平行に広がっている。すなわち、前端部35における左右方向両端部分は、左右方向中央部分に対する傾斜角度が0であり、移行部40における左右方向両端部分は、前方に向かって下方へと変化するだけでなく、左右方向中央部分に対する傾斜角度がθ2から0まで次第に小さくなるようにされている。
【0046】
なお、第1接触部18において、各第1傾斜側縁部36の左右方向外方側の端部(すなわち、第1平坦部38に接続する側と左右方向反対側の端部)には、第1平坦部38と略平行に広がる第1端縁部42,42が設けられている。各第1端縁部42は、各第1傾斜側縁部36の長さ方向(前後方向)全長にわたって設けられており、水平方向(上下方向に直交する方向)に広がっている。
【0047】
また、図5から図7にも示されるように、第1接触部18の後端部における内面には、後方になるにつれて上下方向で対向する第2接触部20から次第に離隔する、すなわち前方になるにつれて内方の雄端子圧入隙間16へと次第に接近する誘い込み面44が設けられている。同様に、後述するように、第2接触部20の後端部における内面には誘い込み面54が設けられており、雄端子12の雌端子14への圧入時において、これら各誘い込み面44,54により、雄端子12が雌端子14における雄端子圧入隙間16へ案内されるようになっている。このような誘い込み面44,54は、例えば図8に示される雌端子本体26の展開状態の際にプレス加工等により形成される。それゆえ、誘い込み面44は、第1接触部18における左右方向略全長、すなわち左右両側の各第1端縁部42、各第1傾斜側縁部36および第1平坦部38にまたがって設けられている。
【0048】
<第2接触部20>
折曲前の第2接触部20は全体として略矩形平板状であり、前後方向に略ストレートに延びている。以下、第2接触部20における折曲後の形状について説明する。第2接触部20は、雄端子12の板厚方向の他方側の面(下面12b)に対向して雄端子12の一対の傾斜部22,22に沿ってそれぞれ傾斜する一対の第2傾斜側縁部46,46を有している。これら各第2傾斜側縁部46は、第2接触部20における板幅方向(左右方向)両端部分を、板幅方向中央部分に対して板厚方向の一方側(上方)に屈曲させることにより形成されている。そして、第2接触部20において、一対の第2傾斜側縁部46,46の板幅方向の間には、雄端子12における中央平坦部24に対向して、且つ中央平坦部24に沿って平坦に広がる第2平坦部48が設けられている。
【0049】
実施形態1では、各第2傾斜側縁部46が、第2接触部20の後端から所定の長さにわたって設けられている。各第2傾斜側縁部46は、第2接触部20の後端部分において、第2平坦部48に対して所定の傾斜角度θ3(図4参照)をもって傾斜している。なお、実施形態1では、第2接触部20において、板幅方向の一方側(左側)の第2傾斜側縁部46の第2平坦部48に対する傾斜角度と、板幅方向の他方側(右側)の第2傾斜側縁部46の第2平坦部48に対する傾斜角度は、相互に等しい大きさ(θ3)であるが、左右両側の傾斜角度は相互に異なっていてもよい。
【0050】
各第1傾斜側縁部36の第1平坦部38に対する傾斜角度θ2は、雄端子12における各傾斜部22の中央平坦部24に対する傾斜角度θ1に対して、同一の大きさか、異なる場合でも角度差が10°以内であることが好ましい。同様に、各第2傾斜側縁部46の第2平坦部48に対する傾斜角度θ3は、雄端子12における各傾斜部22の中央平坦部24に対する傾斜角度θ1に対して、同一の大きさか、異なる場合でも角度差が10°以内であることが好ましい。これにより、雄端子圧入隙間16に対して雄端子12が圧入された際に、雄端子圧入隙間16内での雄端子12のがたつきを抑えることができる。
【0051】
実施形態1では、各第1傾斜側縁部36の第1平坦部38に対する傾斜角度θ2と、各第2傾斜側縁部46の第2平坦部48に対する傾斜角度θ3とが略等しくされている。それゆえ、実施形態1では、左方における第1傾斜側縁部36と第2傾斜側縁部46とが略平行に広がっているとともに、右方における第1傾斜側縁部36と第2傾斜側縁部46とが略平行に広がっている。
【0052】
また、第2接触部20の前端部31は、第2接触部20における第2平坦部48と略等しい上下方向位置にあり、第2接触部20における前後方向中間部分において、左右方向両端部分には、第2平坦部48(前端部31)に対する傾斜角度のみが変化する移行部50,50が設けられている。すなわち、第2接触部20における各移行部50は、前方に向かって、左右方向中央部分に対する傾斜角度がθ3から0まで次第に小さくなるようにされている。
【0053】
なお、第2接触部20において、各第2傾斜側縁部46の左右方向外方側の端部(すなわち、第2平坦部48に接続する側と左右方向反対側の端部)には、上方へ屈曲する第2端縁部52,52が設けられている。各第2端縁部52は、各第2傾斜側縁部46の長さ方向(前後方向)全長にわたって設けられており、上下方向に広がっている。そして、図1等に示されるように、雌端子本体26の折曲時には、各第1端縁部42と各第2端縁部52とが上下方向で相互に当接するか、僅かな離隔距離をもって対向するようになっている。
【0054】
また、図5から図7にも示されるように、第2接触部20の後端部における内面には、後方になるにつれて上下方向で対向する第1接触部18から次第に離隔する、すなわち前方になるにつれて内方の雄端子圧入隙間16へと次第に接近する誘い込み面54が設けられている。前述のように、誘い込み面54は、例えば図8に示される雌端子本体26の展開状態の際にプレス加工等により形成されることから、誘い込み面54は、第2接触部20における左右方向略全長、すなわち左右両側の各第2端縁部52、各第2傾斜側縁部46および第2平坦部48にまたがって設けられている。
【0055】
<接点形成金具28>
雄端子圧入隙間16の内面において、一対の第1傾斜側縁部36,36と一対の第2傾斜側縁部46,46の少なくとも一方には、一対の接点形成金具28,28がそれぞれ導通可能に固定されている。各接点形成金具28は、各第1傾斜側縁部36および各第2傾斜側縁部46とは別体の金属薄板によって形成されており、各第1傾斜側縁部36および各第2傾斜側縁部46よりも薄肉で撓み変形(弾性変形)が容易とされている。実施形態1では、一対の接点形成金具28,28が、一対の第1傾斜側縁部36,36のそれぞれの内面に固定されている。そして、一対の接点形成金具28,28が、雄端子圧入隙間16に向かって突出する一対の第1接点部56,56をそれぞれ有している。なお、実施形態1では、各接点形成金具28が相互に同形状とされていることから、以下、図9等を示して一方の接点形成金具28の形状について説明する。
【0056】
接点形成金具28は、全体として雄端子圧入隙間16への雄端子12の圧入方向である前後方向に延びる帯形状を有している。接点形成金具28は、導電性およびばね性を有する金属により形成され得て、実施形態1では、ばね性を有する銅合金により形成されている。また、実施形態1では、接点形成金具28が第1傾斜側縁部36に対して溶接により固定されており、接点形成金具28の長手方向(前後方向)中央部分に溶接固定部58が設けられている。溶接固定部58は、接点形成金具28において略平坦に広がっており、接点形成金具28の幅方向(左右方向)略全長にわたって形成されている。なお、接点形成金具28における第1傾斜側縁部36への溶接方法は限定されるものではないが、例えばレーザー溶接等が採用され得る。
【0057】
<第1接点部56>
接点形成金具28は、溶接固定部58から長手方向(前後方向)の両端に向かって片持ち梁状に突出する前方突出舌片60と後方突出舌片62とを有している。前方突出舌片60と後方突出舌片62は、側面視で雄端子圧入隙間16に向かって凸となる湾曲形状で前後方向に延びている。そして、前方突出舌片60と後方突出舌片62のそれぞれの前後方向中間部分に第1接点部56が設けられている。具体的には、前方突出舌片60は、全体として接点形成金具28の厚さ方向の一方側に凸となるように湾曲する形状であり、前後方向中間部分に折曲部64を有している。すなわち、前方突出舌片60は、溶接固定部58から前方になるにつれて接点形成金具28の厚さ方向で溶接固定部58から次第に離隔する方向に延び出しているとともに、折曲部64で折れ曲がり、前方になるにつれて接点形成金具28の厚さ方向で溶接固定部58に次第に接近する方向に延び出している。そして、前方突出舌片60における幅方向(左右方向)中央部分には、前方突出舌片60の湾曲凸方向(接点形成金具28の厚さ方向の一方)と同方向に突出する第1接点部56が設けられている。
【0058】
第1接点部56は、図7に示される接点形成金具28の縦断面において湾曲円弧状をもって形成されており、折曲部64を含めた前後方向両側の部分にまたがって形成されている。すなわち、第1接点部56は、平面視(上下方向の投影)において、幅方向寸法(左右方向寸法)よりも長さ方向寸法(前後方向寸法)の方が大きな略長円形状とされている。このような第1接点部56は、例えば叩き出しによって形成され得て、前方突出舌片60において第1接点部56が突出する側の面と反対側の面には、第1接点部56と対応する位置に凹部66が形成されている。
【0059】
後方突出舌片62は、前方突出舌片60と同様の形状を有している。すなわち、後方突出舌片62は、全体として前方突出舌片60と同じ方向に凸となるように湾曲する形状であり、前後方向中間部分に折曲部64を有している。そして、後方突出舌片62の左右方向中央部分において、折曲部64を含めた前後両側の部分にまたがって、前方突出舌片60の第1接点部56と同方向に突出する第1接点部56が設けられている。したがって、接点形成金具28において、一対の第1接点部56,56が前後方向で相互に離隔して設けられている。また、後方突出舌片62において第1接点部56が突出する側の面と反対側の面には、第1接点部56と対応する位置に凹部66が形成されている。
【0060】
このような形状とされた接点形成金具28は、図8に示されるように、例えば雌端子本体26の展開状態において、各第1傾斜側縁部36の内面を構成する部分に対して各接点形成金具28の溶接固定部58が重ね合わされて、レーザー溶接により固定される。この状態では、前方突出舌片60および後方突出舌片62は上方に凸となるように湾曲しており、各第1接点部56は上方に突出している。そして、各接点形成金具28が固定された雌端子本体26が前述のように折り曲げられて雌端子14が構成されることで、各第1接点部56が、下方、具体的には右下および左下方向に突出するようになっている。実施形態1では、左右方向で相互に離隔する各第1傾斜側縁部36に各接点形成金具28が固定されることから、第1接触部18には、合計で4つの第1接点部56が、前後方向および左右方向で相互に離隔して設けられている。
【0061】
なお、図7にも示されるように、各第1傾斜側縁部36の内面に対して各接点形成金具28が固定された状態において、前方突出舌片60の前端部68および後方突出舌片62の後端部70は、各第1傾斜側縁部36の内面から僅かに離隔しており、前方突出舌片60の前端部68および後方突出舌片62の後端部70がそれぞれ自由端とされている。そして、後述するように、雄端子圧入隙間16に雄端子12が圧入されて、雄端子12の各傾斜部22における上面22aが前方突出舌片60および後方突出舌片62の各第1接点部56と当接することで、前方突出舌片60および後方突出舌片62が、雄端子圧入隙間16内における各第1接点部56の突出寸法が小さくなる方向に弾性変形させられる。これにより、前方突出舌片60の前端部68および後方突出舌片62の後端部70が、弾性変形前よりもそれぞれ前方および後方に変位して、前方突出舌片60および後方突出舌片62がそれぞれ前後方向での長さ寸法が大きくなるように伸長変形させられるようになっている。
【0062】
特に、図7に示されるように、各第1傾斜側縁部36の内面に対して各接点形成金具28が固定された状態では、後方突出舌片62において第1接点部56から後端部70に至る部分は、後方になるにつれて、対向する第2傾斜側縁部46から離隔する方向に傾斜している。換言すれば、各後方突出舌片62において後端部70から第1接点部56までは、前方になるにつれて、内方の雄端子圧入隙間16へと次第に接近しており、当該部分によっても、雄端子12における雄端子圧入隙間16への案内作用が発揮され得る。
【0063】
<第2接点部72>
実施形態1では、図3から図5等にも示されるように、第2接触部20における一対の第2傾斜側縁部46,46の内面には、雄端子圧入隙間16に向かって部分的に突出して形成された一対の第2接点部72,72が設けられている。これら各第2接点部72は、各第2傾斜側縁部46の板厚方向に突出しており、上方、具体的には右上および左上方向に突出している。各第2接点部72は、各第1接点部56と同じく左右方向寸法に比して、雄端子12の圧入方向となる前後方向寸法の方が大きくされており、突出先端面が湾曲面とされている。
【0064】
なお、各第2接点部72の具体的な形状は限定されるものではないが、実施形態1では、図7等にも示されるように、各第2接点部72の突出先端面において、前後方向外方の部分が各第2傾斜側縁部46の内面に対して比較的傾斜角度の大きい湾曲面とされているとともに、前後方向内方の部分が各第2傾斜側縁部46の内面に対して比較的傾斜角度の小さい湾曲面とされている。また、実施形態1では、各第2接点部72が相互に同形状であり、各第2傾斜側縁部46において雄端子12の圧入方向となる前後方向で離隔する2箇所に設けられている。それゆえ、第2接触部20には、合計で4つの第2接点部72が、前後方向および左右方向で相互に離隔して設けられている。
【0065】
特に、実施形態1では、図4等にも示されるように、各第2接点部72が、各第1接点部56に対して上下方向で対応する位置に設けられており、上下方向の投影において各第1接点部56と各第2接点部72とが相互に重なるようになっている。また、各第1傾斜側縁部36や各第2傾斜側縁部46の厚さ方向の投影では、各第1接点部56の頂部と各第2接点部72の頂部とがずれて位置しており、各第1接点部56と各第2接点部72とが部分的に重なるようになっている。
【0066】
そして、雄端子12の未挿入時(各第1接点部56の弾性変形前)の状態において、雄端子12における各傾斜部22の厚さ方向(すなわち、各第1傾斜側縁部36や各第2傾斜側縁部46の厚さ方向)で、各第1接点部56の頂部と各第2接点部72との離隔距離はB(図7参照)である。この各第1接点部56の頂部と各第2接点部72の頂部との離隔距離Bは、雄端子12の板厚寸法Aよりも小さくされており(B<A)、これにより雄端子圧入隙間16に対して雄端子12が圧入され得る。
【0067】
なお、各第2接点部72は、例えば各第2傾斜側縁部46に対してプレス加工等を施すことによって形成されており、図4に示されるように、各第2傾斜側縁部46の外面(下面)において各第2接点部72と対応する位置には、下方に開口する凹部74が形成されている。
【0068】
<端子ユニット10の組み付け工程>
続いて、端子ユニット10の組み付け工程の具体的な一例について説明する。なお、端子ユニット10の組み付け工程は、以下の記載に限定されない。
【0069】
先ず、金属薄板に対してプレス加工等を施して、図9に示される各接点形成金具28を形成する。その後、図8に示されるように、雌端子本体26を構成する金属平板を展開状態で準備して、第1接触部18における各第1傾斜側縁部36の内面に、各接点形成金具28における溶接固定部58を重ね合わせて、レーザー溶接により固定する。また、第2接触部20における各第2傾斜側縁部46にプレス加工等を施して、各第2傾斜側縁部46に各第2接点部72を形成する。そして、各接点形成金具28が固定された雌端子本体26を前述の形状に折り曲げて、図6に示される雌端子14を形成する。
【0070】
続いて、図7に示されるように、前述の形状に折り曲げて形成された雄端子12と、上記雌端子14とを前後方向で相互に接近させる。そして、雌端子14における雄端子圧入隙間16に対して、後方から雄端子12を挿入する。その際、各第1接点部56と各第2接点部72における離隔距離Bは、雄端子12の板厚寸法Aよりも小さくされていることから、雄端子圧入隙間16に対して雄端子12は圧入状態で挿入される。なお、第1平坦部38と第2平坦部48との離隔距離は雄端子12(中央平坦部24)の板厚寸法Aよりも十分大きくされており、中央平坦部24は第1平坦部38と第2平坦部48との何れにも接触することなく、これら第1平坦部38と第2平坦部48との上下方向間に挿入される。
【0071】
それゆえ、図4,5にも示されるように、雄端子圧入隙間16へ雄端子12が圧入されることで、各第1接点部56と各傾斜部22における上面22aとが接触するとともに、各第2接点部72と各傾斜部22における下面22bとが接触する。各接点形成金具28は薄肉で弾性変形が生じ易いことから、雄端子圧入隙間16へ雄端子12が圧入されることで、各前方突出舌片60および各後方突出舌片62が、雄端子圧入隙間16内における各第1接点部56の突出寸法が小さくなる方向に弾性変形する。これにより、雄端子圧入隙間16内への雄端子12の挿入(圧入)が許容される。そして、これら各前方突出舌片60および各後方突出舌片62の弾性的な復元変形により、各第1接点部56が各傾斜部22における上面22aに押し付けられる。また、各第1接点部56により下方へと付勢された各傾斜部22が、各第2接点部72へと押圧される。
【0072】
すなわち、雄端子圧入隙間16に雄端子12が圧入された状態では、各第1接点部56の弾性復元力により各第1接点部56が、雄端子12における各傾斜部22にそれぞれ圧接されて、且つ雄端子12における各傾斜部22が、雌端子14における各第1傾斜側縁部36と各第2傾斜側縁部46との間でそれぞれ挟持されるようになっている。実施形態1では、雄端子圧入隙間16に雄端子12が圧入された状態で、各第1接点部56の弾性復元力により各傾斜部22が各第2接点部72に圧接されるようになっており、これにより、各傾斜部22が、各第1傾斜側縁部36と各第2傾斜側縁部46との間でそれぞれ挟持されている。
【0073】
この結果、雌端子14における雄端子圧入隙間16内に雄端子12が圧入されて、雄端子12と雌端子14とが電気的に接続されることで、端子ユニット10が完成する。
【0074】
雄端子12と雌端子14とが嵌合状態とされた端子ユニット10では、第1接点部56による押圧力F1(図4参照)と第2接点部72による押圧力F2(各傾斜部22から各第2接点部72に及ぼされる押圧力に対する反力、図4参照)とが何れも、各傾斜部22における板厚方向と同方向に作用することから、第1および第2接点部56,72により各傾斜部22が安定して挟持されて、雄端子12と雌端子14とをより確実に導通させることができる。特に、実施形態1では、第1接点部56による押圧力F1の作用する方向と第2接点部72による押圧力F2の作用する方向とは、各傾斜部22の板厚方向で対向しておらず、具体的には、第1接点部56による押圧力F1は、各傾斜部22の左右方向両端部分に作用しているが、第2接点部72による押圧力F2は、押圧力F1が作用する部分よりも左右方向内方で作用している。これにより、上下両側からの押圧力F1,F2が各傾斜部22における同じ位置に作用することが回避される。この結果、雄端子12における各傾斜部22が複数の位置で第1接点部56と第2接点部72との間を押し広げることから、挿入抵抗の低減を図ることもできる。
【0075】
また、図4に示されるように、第1接点部56による押圧力F1は、下方への分力F1aおよび左右方向外方への分力F1bとして作用するとともに、第2接点部72による押圧力F2は、上方への分力F2aおよび左右方向内方への分力F2bとして作用する。ここで、例えば雄端子12に対して左右方向において一方から他方へ(例えば右方から左方)向かう外力が及ぼされた場合にも、反対方向の分力(例えば左方から右方へ向かう分力F1b)や左右方向内方への分力F2bにより入力された外力に伴う雄端子12の変位が抑制される。特に、第1接点部56による下方への分力F1aと第2接点部72による上方への分力F2aとは上下方向で相互に対向していることから、雄端子12における上下方向の変位もより確実に抑制される。この結果、雌端子14に対する雄端子12の変位が抑制されて、雄端子12と雌端子14との導通状態を安定して維持することができる。
【0076】
特に、これらの押圧力F1,F2は、各第1接点部56の弾性復元力により生じるものであり、各第1接点部56を有する各接点形成金具28が、第1接触部18における左右両側に設けられている。これにより、左方における押圧力F1,F2は左方の接点形成金具28(各第1接点部56)により得ることができるとともに、右方における押圧力F1,F2は右方の接点形成金具28(各第1接点部56)により得ることができる。この結果、左右それぞれの押圧力F1,F2の大きさを各別に設定することも可能となる。
【0077】
また、実施形態1の端子ユニット10では、雄端子圧入隙間16を構成する各第1傾斜側縁部36において薄肉で弾性変形が容易な各接点形成金具28が固定されており、各接点形成金具28に形成される各第1接点部56の弾性変形を伴いつつ、雄端子圧入隙間16へ雄端子12が圧入されるようになっている。これにより、雄端子圧入隙間16へ雄端子12を挿入する際の挿入抵抗の低減が図られる。また、雄端子12に対して上下方向で揺動するような外力が及ぼされる場合や、前後方向に延びる中心軸回りで回転するような外力が及ぼされる場合にも、各第1接点部56が雄端子12の変位に追従して変形することで、各第1接点部56と各第2接点部72による各傾斜部22の挟持状態を安定して維持することができる。この結果、雄端子12に対して外力が及ぼされた際において、雄端子12と雌端子14との電気的な接続状態が悪化するおそれが低減され得る。
【0078】
特に、各傾斜部22に対して各押圧力F1,F2を及ぼす各接点形成金具28が、雄端子圧入隙間16の内部に設けられることから、例えば各傾斜部に対して各押圧力F1,F2を及ぼすばね部材が雄端子圧入隙間の外部に設けられる場合に比べて、雌端子14、ひいては端子ユニット10の大型化を回避することも可能となる。
【0079】
雌端子14において、第1接触部18において別体の各接点形成金具28が固定されて各第1接点部56が形成されているとともに、第2接触部20において一体的に各第2接点部72が形成されている。また、第2接触部20には、前端部分において、外部の電線等が接続される外部接続部32が設けられている。すなわち、各接点形成金具28と雌端子本体26とを異なる材質で形成することが可能であり、各接点形成金具28を導電性およびばね性を有する材質で形成するとともに、雌端子本体26をより導電性に優れる材質で形成することができる。そして、より導電性に優れる雌端子本体26(第2接触部20)において各第2接点部72と外部接続部32が形成されていることから、外部の電線等から雄端子12に至る導電経路を短く設定することもできて、導電性能の向上が図られる。
【0080】
各接点形成金具28は、各第1傾斜側縁部36に対して溶接により固定される溶接固定部58を備えている。これにより、各接点形成金具28が各第1傾斜側縁部36に対して、導電性能に対する影響を抑えつつ、小さなスペースで各接点形成金具28と各第1傾斜側縁部36とを固定することができる。
【0081】
特に、各接点形成金具28は、長手方向(前後方向)の中央部分に溶接固定部58を備えているとともに、溶接固定部58から長手方向の両端部に向かって片持ち梁状に突出する前方突出舌片60と後方突出舌片62とを有している。これにより、雄端子圧入隙間16に圧入された雄端子12が上下方向で揺動変位する場合にも、前方突出舌片60と後方突出舌片62の両方を安定して弾性変形させることができて、雄端子12の変位に対して各第1接点部56を安定して追従変形させることができる。また、前方突出舌片60と後方突出舌片62の長手方向(前後方向)中間部分に各第1接点部56が設けられている。これにより、例えば雄端子12の先端が上方を向くように変位したり下方を向くように変位した場合にも、すなわち上下方向の何れの方向に向かって揺動変位する場合にも、各前方突出舌片60における第1接点部56と各後方突出舌片62における第1接点部56とを安定して雄端子12に接触させることができる。それゆえ、各第1接点部56と各第2接点部72による雄端子12の挟持状態をさらに安定して維持することができる。
【0082】
雄端子12が一対の傾斜部22,22と、各傾斜部22の間の中央平坦部24を備えている。また、雌端子14は、一対の第1傾斜側縁部36,36と、各第1傾斜側縁部36の間の第1平坦部38を備えているとともに、一対の第2傾斜側縁部46,46と、各第2傾斜側縁部46の間の第2平坦部48を備えている。これにより、各傾斜部22が、各第1傾斜側縁部36と各第2傾斜側縁部46との対向間で挟持されることから、前述のように、雄端子12に対する左右方向の外力に伴う変位が効果的に抑制され得る。また、雄端子12と雄端子圧入隙間16とを相互に対応する形状とすることで、雌端子14の大型化を抑制しつつ、各第1接点部56および各第2接点部72以外の箇所での雄端子12との接触を回避して、雄端子12における雄端子圧入隙間16への挿入抵抗が増大するおそれも低減され得る。
【0083】
<実施形態2>
次に、本開示の実施形態2の端子ユニット80について、図10から図14を用いて説明する。実施形態2においても、実施形態1と同様の形状の雄端子12が採用されており、雌端子82における雄端子圧入隙間16に雄端子12が圧入されることで、端子ユニット80が構成されている。実施形態2の雌端子82は、実施形態1の雌端子14と基本的な構造は同様であるが、実施形態1の雌端子14では、雌端子本体26に対して一対の接点形成金具28,28が溶接により固定されていたのに対して、実施形態2の雌端子82では、雌端子本体84に対して1つの接点形成金具86がかしめにより固定されている。
【0084】
なお、図13では、雌端子本体84が折曲前の展開状態で示されている。また、図14では、接点形成金具86が、折り曲げられた雌端子本体84に固定された状態(雌端子本体84の図示は省略)で示されており、且つ雄端子12が挿入される前であって接点形成金具86(後述する各前方突出舌片92と各後方突出舌片94)が弾性変形する前の状態が示されている。以下の説明では、実施形態2の雌端子82と実施形態1の雌端子14との相違点について説明するとともに、実施形態1と実質的に同一の部材および部位には、図中に、実施形態1と同一の符号を付すことにより詳細な説明を省略する。
【0085】
<雌端子82>
実施形態2の雌端子82においても、第1接点部88を有する接点形成金具86が、第1接触部18に固定されている。上述のように、接点形成金具86は、第1接触部18に対してかしめにより固定されており、第1接触部18において第1平坦部38および各第1傾斜側縁部36の前後方向中央部分には接点形成金具86を固定するための貫通孔90が形成されている。図13に示されるように、各貫通孔90はそれぞれ略矩形状であり、折曲前の雌端子本体84において、各貫通孔90が、第1平坦部38および各第1傾斜側縁部36を板厚方向で貫通して形成されている。実施形態2では、第1平坦部38に設けられる貫通孔90aが第1平坦部38の左右方向中央部分に設けられているとともに、各第1傾斜側縁部36に設けられる各貫通孔90bが、各第1傾斜側縁部36の左右方向外側の端部分に設けられている。
【0086】
なお、実施形態2においても、第2接触部20における各第2傾斜側縁部46には、実施形態1と同様に、雄端子圧入隙間16に向かって部分的に突出して形成された一対の第2接点部72,72が設けられている。
【0087】
<接点形成金具86>
実施形態1では、各第1傾斜側縁部36に固定される各接点形成金具28が別個に設けられていたが、実施形態2の接点形成金具86は、実施形態1の各接点形成金具28が左右方向で連結されたような構造を有している。すなわち、実施形態2の接点形成金具86は、雄端子圧入隙間16への雄端子12の圧入方向(前後方向)に延びる帯形状とされた部分を有しており、長手方向の(前後方向)の中央部分から長手方向の両端に向かってそれぞれ片持ち梁状に突出する前方突出舌片92と後方突出舌片94とを有している。各前方突出舌片92と各後方突出舌片94とはそれぞれ前後方向の中央部分における接続部96において接続されており、左右方向の両側に設けられた一対の接続部96,96が、左右方向中央における連結部98によって連結されている。なお、接点形成金具86が第1接触部18に固定された状態では、連結部98が第1平坦部38に沿って左右方向に延びているとともに、各接続部96が各第1傾斜側縁部36に沿って左右方向外方になるにつれて上方に傾斜する方向に延びている。それゆえ、接点形成金具86が第1接触部18に固定された状態では、連結部98に対して各接続部96が上方へ曲げられた状態となっている。
【0088】
そして、左方における接続部96の左端、右方における接続部96の右端、および連結部98における前後両側のそれぞれに、第1接触部18側となる上方に向かって突出するかしめ固定片100が設けられている。このような形状とされた接点形成金具86が、第1接触部18に固定される際には、連結部98の前後両側に設けられた各かしめ固定片100aが第1平坦部38に設けられた貫通孔90aに挿通されて、各かしめ固定片100aの突出先端部が前後方向外方に折り曲げられることでかしめ固定部102が構成される。また、左右両側に設けられた各かしめ固定片100bが各第1傾斜側縁部36に設けられた各貫通孔90bに挿通されて、各かしめ固定片100bの突出先端部が左右方向内方に折り曲げられることでかしめ固定部102が構成される。
【0089】
要するに、接点形成金具86において、第1接触部18における第1平坦部38および各第1傾斜側縁部36に対してかしめにより固定されるかしめ固定部102が前後方向中央部分において3箇所(左右方向中央部分および左右方向両端部分)に設けられている。そして、かしめ固定部102が設けられる前後方向中央部分から、左右両側の各前方突出舌片92と左右両側の各後方突出舌片94とが、それぞれ前方および後方に向かって片持ち梁状に突出している。実施形態2の各前方突出舌片92と各後方突出舌片94の形状は、それぞれ実施形態1における各前方突出舌片60および各後方突出舌片62の形状と同様である。
【0090】
すなわち、各前方突出舌片92と各後方突出舌片94は、側面視で雄端子圧入隙間16に向かって凸となる湾曲形状で長手方向(前後方向)に延びており、各前方突出舌片92と各後方突出舌片94のそれぞれの前後方向中間部分に各第1接点部88が設けられている。具体的には、各前方突出舌片92と各後方突出舌片94とは、それぞれ第1接触部18から離隔する側に凸となる湾曲形状であり、前後方向中間部分に折曲部64を有している。そして、各前方突出舌片92と各後方突出舌片94において、各折曲部64を含めた前後方向両側の部分にまたがって各第1接点部88が形成されている。各前方突出舌片92と各後方突出舌片94において各第1接点部88が突出する側と反対側の面には、各第1接点部88と対応する位置に凹部66が形成されている。
【0091】
<端子ユニット80の組み付け工程>
続いて、端子ユニット80の組み付け工程の具体的な一例について説明する。なお、端子ユニット80の組み付け工程は、以下の記載に限定されない。
【0092】
先ず、金属薄板に対してプレス加工等を施して、接点形成金具86を形成する。なお、この時点では、連結部98に対して各接続部96は曲げられておらず、前述の図8に示される一対の接点形成金具28,28が前後方向中央部分において連結部98で連結されたような形状である。また、各かしめ固定片100a,100bは突出先端が曲げられておらず、各接続部96および連結部98から真っ直ぐ延び出している。
【0093】
その後、図13に示される展開状態の雌端子本体84を準備して、第1接触部18の内面に上記接点形成金具86を重ね合わせる。そして、左右方向中央部分の貫通孔90aに各かしめ固定片100aを挿通し、各かしめ固定片100aの突出先端部を前後方向外方に折り曲げて、かしめ固定部102を構成する。また、左右方向両側部分の貫通孔90bに各かしめ固定片100bを挿通し、各かしめ固定片100bの突出先端部を左右方向内方に折り曲げて、かしめ固定部102を構成する。これにより、接点形成金具86が第1接触部18に対してかしめにより固定される。
【0094】
そして、接点形成金具86が固定された雌端子本体84を前述の形状に折り曲げて、実施形態2の雌端子82を形成する。その際、第1平坦部38および各第1傾斜側縁部36に重ね合わされた連結部98および各接続部96が、第1平坦部38および各第1傾斜側縁部36とともに屈曲させられることで、連結部98に対して各接続部96が曲げられた状態とされる。なお、接点形成金具86を、図14のように連結部98に対して各接続部96が曲げられた状態で形成して、第1平坦部38に対して各第1傾斜側縁部36が曲げられた状態の第1接触部18にかしめ固定することで、接点形成金具86が第1接触部18に対して取り付けられるようになっていてもよい。
【0095】
このようにして形成された雌端子82における雄端子圧入隙間16に対して、実施形態1と同様に雄端子12が圧入されることで、実施形態2の端子ユニット80が完成する。
【0096】
実施形態2の端子ユニット80は、実施形態1において溶接により固定されていた接点形成金具をかしめにより固定したものであることから、実施形態1と同様の効果が発揮され得る。特に、接点形成金具86を第1接触部18に対してかしめにより固定することから、溶接に必要な装置や設備等を必要とすることがなく、接点形成金具86を第1接触部18に対してより容易に固定することができる。
【0097】
<変形例>
以上、本開示の具体例として、実施形態1,2について詳述したが、本開示はこの具体的な記載によって限定されない。本開示の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本開示に含まれるものである。例えば次のような実施形態の変形例も本開示の技術的範囲に含まれる。
【0098】
(1)前記実施形態では、雄端子12における中央平坦部24に対する各傾斜部22の傾斜角度θ1と、第1接触部18における第1平坦部38に対する各第1傾斜側縁部36の傾斜角度θ2と、第2接触部20における第2平坦部48に対する各第2傾斜側縁部46の傾斜角度θ3とが略等しくされており、各傾斜部22と各第1傾斜側縁部36と各第2傾斜側縁部46とが略平行であったが、この態様に限定されない。例えば、上記傾斜角度θ1に対して、傾斜角度θ2やθ3を異ならせてもよい。その場合、例えば各第1傾斜側縁部や各第2傾斜側縁部から突出する第1接点部や第2接点部の突出方向が、雄端子における各傾斜部の板厚方向と平行になるように、第1接点部や第2接点部の形成位置や形状等を調節するなどしてもよい。
【0099】
(2)前記実施形態では、雄端子12、第1接触部18、第2接触部20が、それぞれ中央平坦部24、第1平坦部38、第2平坦部48を有していたが、例えば中央平坦部と第1平坦部と第2平坦部との少なくとも1つは設けられなくてもよく、一対の傾斜部や一対の第1傾斜側縁部、一対の第2傾斜側縁部は、中央平坦部や第1平坦部、第2平坦部を介することなく相互に直接接続されていてもよい。
【0100】
(3)第1接点部と第2接点部の数や形状等は、前記実施形態に記載の態様に限定されるものではない。前記実施形態では、各第1接点部56,88および各第2接点部72がそれぞれ左右方向寸法に比して前後方向寸法の方が大きな形状とされていたが、例えば、第1接点部や第2接点部は何れも半球状であってもよいし、雌端子の左右方向両側のそれぞれにおいて雄端子の圧入方向で1つまたは3つ以上設けられてもよい。また、第1接点部と第2接点部の数や形状等は相互に異なっていてもよいし、第1接点部と第2接点部とは、相互に前後方向でずれた位置に設けられてもよい。
【0101】
(4)前記実施形態では、接点形成金具28,28,86が第1接触部18に固定されていたが、接点形成金具は第1接触部と第2接触部の少なくとも一方に固定されればよく、接点形成金具は第2接触部に固定されてもよいし、第1接触部と第2接触部の両方に固定されてもよい。なお、接点形成金具が第1接触部と第2接触部の両方に固定される場合、例えば一方を溶接により固定して、他方をかしめにより固定する等してもよい。また、接点形成金具が第1接触部と第2接触部の一方に固定される場合でも、溶接とかしめを組み合わせて固定してもよい。
【0102】
(5)前記実施形態では、各第1接点部56,88が、各前方突出舌片60,92および各後方突出舌片62,94において叩き出しにより形成されていたが、この態様に限定されるものではなく、第1接点部は、例えば切り起こしによって形成されてもよい。また、前記実施形態1では、各接点形成金具28における前後方向の中央部分に溶接固定部58が設けられていたが、溶接固定部は前後方向の両端部分に設けられてもよい。その場合、例えば接点形成金具の前後方向中央部分において、上記のように切り起こしにより第1接点部を設けてもよい。
【0103】
(6)前記実施形態2では、接点形成金具86が、各第1傾斜側縁部36に固定される部分が連結部98により繋がったような形状であったが、連結部を設けることなく、実施形態1と同様に各第1傾斜側縁部に固定される部分を別個に設けてもよい。その場合、各接点形成金具の左右方向両側にかしめ固定片(かしめ固定部)を設けてもよいし、各接点形成金具の前後方向両端部にかしめ固定片(かしめ固定部)を設けて、前後方向中央部分において、切り起こし等により第1接点部を設けてもよい。
【0104】
(7)第1接触部および/または第2接触部には、雄端子圧入隙間に雄端子が圧入された際に第1接触部と第2接触部の離隔変位(開き方向の変位)を防止する部材または部位が設けられてもよい。このような部材または部位は、第1接触部および/または第2接触部に対して一体的に設けられてもよいし、別体として形成されて後組付けされてもよい。
【符号の説明】
【0105】
10 端子ユニット(実施形態1)
12 雄端子
12a (雄端子の)上面
12b (雄端子の)下面
14 雌端子
16 雄端子圧入隙間
18 第1接触部
20 第2接触部
22 傾斜部
22a (傾斜部の)上面
22b (傾斜部の)下面
24 中央平坦部
26 雌端子本体
28 接点形成金具
30 連結板部
31 (第2接触部の)前端部
32 外部接続部
34 かしめ片
35 (第1接触部の)前端部
36 第1傾斜側縁部
38 第1平坦部
40 移行部
42 第1端縁部
44 誘い込み面
46 第2傾斜側縁部
48 第2平坦部
50 移行部
52 第2端縁部
54 誘い込み面
56 第1接点部
58 溶接固定部
60 前方突出舌片
62 後方突出舌片
64 折曲部
66 凹部
68 前端部
70 後端部
72 第2接点部
74 凹部
80 端子ユニット(実施形態2)
82 雌端子
84 雌端子本体
86 接点形成金具
88 第1接点部
90,90a,90b 貫通孔
92 前方突出舌片
94 後方突出舌片
96 接続部
98 連結部
100,100a,100b かしめ固定片
102 かしめ固定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14