(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036878
(43)【公開日】2024-03-18
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240311BHJP
【FI】
A63F7/02 326Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022141414
(22)【出願日】2022-09-06
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】石黒 隆行
(72)【発明者】
【氏名】後藤 雅史
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BA02
2C088EA23
(57)【要約】
【課題】他の部材と干渉することなく、保持部によって検知センサを保持することができる遊技機を提供する。
【解決手段】第2始動口センサ22aを保持する保持部140は、後方から第2始動口センサ22aを挿入可能な収容部141と、挿入方向の終端において第2始動口センサ22aに設けられた窪み部223aに嵌まり込んで挿入方向への移動を規制する嵌合部142を有する。第2始動口センサ22aに設けられた窪み部223aに嵌合部142が嵌まり込む形状とすることで、第2始動口センサ22aの挿入方向への突出を嵌合部142によって抑えることができる。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が入球可能な入球口と、前記入球口の奥方に設けられるとともに前記入球口への遊技球の入球を検知する検知センサと、前記検知センサを保持する保持部と、を有する遊技機であって、
前記保持部は、所定の挿入方向から前記検知センサを挿入して少なくとも一部を収容する収容部と、前記挿入方向の終端において前記検知センサに設けられた窪み部に嵌まり込んで前記挿入方向への移動を規制する嵌合部を有することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記窪み部は、前記検知センサの厚み方向に連続するように形成されており、
前記嵌合部は、前記窪み部の厚み方向一端側に位置する第1嵌合部と、前記窪み部の厚み方向他端側に位置する第2嵌合部とを有することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記嵌合部は、前記窪み部に嵌まり込んだ状態で、前記窪み部内から飛び出さない構成となっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機では、遊技球が所定の入球口(例えば始動口)に入球すると当否判定が行われ、その当否判定の結果が大当たりである場合に大当たり遊技が実行される。遊技球が入球口に入球したか否かは、入球口の奥方に設けられた検知センサによって検知されるようになっており、この検知センサは、カバー材のような保持部によって所定の位置に保持されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、表示装置の巨大化により、その他の部材の設置スペースが縮小される傾向にある。その他の部材の設置スペースが縮小されたとしても、遊技球の検知に必須である検知センサの設置を省略することはできないため、その他の部材に干渉することなく、保持部によって検知センサを保持することが求められる。
【0005】
本発明は、従来における問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、他の部材と干渉することなく、保持部によって検知センサを保持することができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため本発明に係る遊技機は、遊技球が入球可能な入球口と、前記入球口の奥方に設けられるとともに前記入球口への遊技球の入球を検知する検知センサと、前記検知センサを保持する保持部と、を有する遊技機であって、前記保持部は、所定の挿入方向から前記検知センサを挿入して少なくとも一部を収容する収容部と、前記挿入方向の終端において前記検知センサに設けられた窪み部に嵌まり込んで前記挿入方向への移動を規制する嵌合部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
前記構成を有する本発明に係る遊技機によれば、他の部材と干渉することなく、保持部によって検知センサを保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】主制御基板及び周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。
【
図3】サブ制御基板及び周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。
【
図5】検知センサが保持された様子を示す保持部の後面斜視図である。
【
図7】検知センサが保持された様子を示す保持部の斜視図である。
【
図10】(a)は、前板と、保持部及び第2始動口センサの位置関係を説明する模式図、(b),(c)は、前板と、保持部及び第2始動口センサの位置関係を説明する比較例としての模式図である。
【
図11】変更例としての保持部を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態に係る遊技機としてのパチンコ遊技機について図を参照しつつ説明する。以下の説明において、パチンコ遊技機の各部の方向を説明する場合は、そのパチンコ遊技機と対向して遊技を行う遊技者から見た方向を基準とする。具体的には、パチンコ遊技機の各部の左右方向及び上下方向は、遊技者から見た左右方向及び上下方向とする。また、パチンコ遊技機を基準として遊技者に近付く方向を前方とし、遊技者から遠ざかる方向を後方とする。
【0010】
[パチンコ遊技機の主要構成]
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、遊技機枠16を備える。遊技機枠16は、前方側から順に、前面枠18、内枠(図示せず)、外枠(図示せず)によって構成される。前面枠18は、ハンドル4と、演出レバー6と、スピーカ8と、演出ボタン9と、左サイドランプ23aと、右サイドランプ23bと、打球供給皿(上皿ともいう)24と、余剰球受皿(下皿ともいう)25とを備えている。
【0011】
ハンドル4は、前面枠18のうち右下、つまり、パチンコ遊技機1と対向して遊技を行う遊技者が右手で握ることができる位置に設けられている。ハンドル4は、タッチスイッチ92(
図2)と、発射レバー4aと、発射停止ボタン4bとを備えている。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力するものであり、ハンドル4を握った遊技者の右手が触れる部分に配置されている。発射レバー4aは、遊技球の発射強度を調整するためのものであり、ハンドル4に回動可能に設けられている。発射停止ボタン4bは、遊技球が発射されているときに遊技球の発射を停止するためのものであり、ハンドル4を握った右手の親指により操作可能な位置に設けられている。
【0012】
前面枠18のうち余剰球受皿25の左方、つまり、前面枠18のうち下側の左端寄りには、演出レバー6が設けられている。換言すると、演出レバー6は、前面枠18のうち、パチンコ遊技機1と対向した遊技者が左手で操作可能な位置に設けられている。演出レバー6は、左手で把持できる形状とされており、右回転又は左回転の回転操作の他、上下左右の4方向に傾倒操作可能としている。また、演出レバー6には、演出レバー振動モータ6c(
図3)が設けられている。演出レバー振動モータ6cは、演出レバー6を振動させるものであり、演出レバー6の操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。遊技者が、演出レバー6の操作が有効な期間に演出レバー6を操作すると、特定の演出が行われる。以下、演出レバー6の操作を契機として行われる特定の演出のことをレバー演出という。
【0013】
スピーカ8は、前面枠18のうち上部の左右の隅部にそれぞれ設けられており、音楽、効果音及び報知音等の音を演出内容に応じて出力する。
演出ボタン9は、前面枠18のうち打球供給皿24の上方を覆う部分に設けられている。換言すると、演出ボタン9は、前面枠18のうち、パチンコ遊技機1と対向する遊技者が右手又は左手で押圧操作可能な位置に設けられている。また、演出ボタン9は、前面枠18のうち、遊技者が左手で演出レバー6を操作している状態で、右手で押下操作可能な位置に設けられている。演出ボタン9は、例えばプッシュオン式のボタンスイッチを採用することができる。演出ボタン9には、演出ボタン振動モータ9b(
図3)と、演出ボタンランプ9c(
図3)とが内蔵されている。演出ボタン振動モータ9bは、演出ボタン9を振動させるものであり、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。本実施形態では、演出ボタンランプ9cはLEDである。演出ボタンランプ9cは、複数色を発光可能であり、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間に演出ボタン9が押圧操作されたときや演出内容に応じて点灯又は点滅し、さらに発光色を変化させる。演出ボタン9の表面は透光性材料によって形成されており、演出ボタンランプ9cが発した光を遊技者が視認できるように工夫されている。
【0014】
演出ボタン9には、押圧操作された演出ボタン9を押圧操作前の位置に復帰させるためのバネ等の弾性部材(図示せず)が内蔵されており、演出ボタン9は、押圧操作状態が解除されると、弾性部材の復元力によって押圧操作前の状態に復帰する。遊技者が、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間に演出ボタン9を押圧操作すると、特定の演出が行われる。以下、演出ボタン9の操作を契機として行われる特定の演出のことをボタン演出という。
【0015】
前面枠18のうち、左方には左サイドランプ23aが設けられており、右方には右サイドランプ23bが設けられている。左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bが設けられている部分の前面枠18は透光性を有し、その透光性を有する部分の内側には複数のLEDが配置されている。各LEDは、それぞれ複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯又は点滅し、さらに発光色を変化させる。
【0016】
打球供給皿(上皿ともいう)24は、前面枠18のうち中央下側に設けられている。打球供給皿24は、貸球払出装置80(
図2)及び賞球払出装置400(
図2)から払い出された遊技球を貯留する、又は発射装置90(
図2)に供給する遊技球を貯留するためのものである。余剰球受皿(下皿ともいう)25は、前面枠18のうち打球供給皿24の下方に設けられている。余剰球受皿25は、打球供給皿24の貯留可能数を超えた遊技球を貯留する。
【0017】
また、パチンコ遊技機1は、遊技盤2と、ガラス板5と、演出表示装置7とを備える。
遊技盤2は、パチンコ遊技機1の略中央、つまり、遊技者の顔と略正対する位置に配置されている。遊技盤2の盤面の前方は、透明のガラス板5によって覆われている。演出表示装置7は、遊技盤2の後方に配置されており、その画面が遊技盤2の略中央から露出している。
【0018】
遊技盤2の盤面には、遊技球が流下(転動)する遊技領域3が形成されている。遊技領域3は、演出表示装置7の画面の左方に形成された左遊技領域3Aと、演出表示装置7の画面の右方に形成された右遊技領域3Bとを有する。遊技盤2の盤面には、遊技球の流下方向を変化させるための複数の遊技釘(図示せず)が打ち込まれている。遊技盤2の複数箇所には、LEDが設けられており、
図3では、それら各LEDを総称して「盤ランプ2a」と示している。盤ランプ2aを構成する各LEDは、複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯又は点滅し、さらに発光色を変化させる。
【0019】
遊技盤2は、固定入賞装置10と、ゲート12と、一般入賞口13と、センター装飾体14と、レール部材17と、普通可変入賞装置(電チューともいう)20と、大入賞装置30と、表示器類50とを備える。
【0020】
固定入賞装置10は、遊技盤2の略中央に配置されている。固定入賞装置10は、遊技球が1個ずつ入賞(入球)可能な第1始動口11を有する。第1始動口11は常時開口しており、遊技球が第1始動口11に入賞する確率は略変動しない。ゲート12は、右遊技領域3Bに配置されており、右遊技領域3Bを流下する遊技球が通過可能に構成されている。一般入賞口13は、左遊技領域3Aであって固定入賞装置10の左方に配置されている。
【0021】
遊技領域3の中央付近であって演出表示装置7の前方には、演出表示装置7の表示画面を取り囲むセンター装飾体14が設けられている。センター装飾体14は、樹脂製の成型物によって構成されるものであり、中央が開口した枠状の部品(盤部品)として、遊技盤2の表面(前面)に取り付けられるものである。
【0022】
レール部材17は、遊技盤2の周囲に沿って配置されている。レール部材17は、発射装置90(
図2)によって発射された遊技球を遊技領域3に案内する。遊技盤2の下部中央には、どこにも入賞しなかった遊技球を排出するためのアウト口19が開口している。
【0023】
普通可変入賞装置20は、右遊技領域3Bのうちゲート12の下方に配置されている。普通可変入賞装置20は、可動部材(電動チューリップ)21を備える。可動部材21は、基端を回動軸にして回動可能に構成されており、可動部材21が開閉動作することにより、第2始動口22が開閉する。可動部材21が開作動すると、第2始動口22が開口され、遊技球が第2始動口22に1個ずつ入賞(入球)し易い状態になる。また、可動部材21が閉作動すると、第2始動口22が閉口され、遊技球が第2始動口22に入賞することができない状態になる。なお、
図1に示す例では普通可変入賞装置20は遊技領域3の右方に配置されているが、遊技領域3の下方に配置してもよい。
【0024】
大入賞装置30は、右遊技領域3Bであって、固定入賞装置10の右方に配置されている。大入賞装置30は、大入賞口32を開閉する開閉部材31を備える。大入賞口32は、複数の遊技球が入賞(入球)可能な大きさに形成されている。開閉部材31は、左右方向に長い板状に形成されており、左右の下端を回動軸にして回動可能に構成されている。
【0025】
前述したように、パチンコ遊技機1では、ハンドル4の発射強度を調節することにより、遊技球の発射強度を調節できるようになっている。よって、パチンコ遊技機1では、左遊技領域3A又は右遊技領域3Bを流下するように遊技球を打ち分けることができる。左遊技領域3Aに向かって遊技球を発射したときには、遊技球は、第1始動口11、一般入賞口13に入賞し得る。一方、右遊技領域3Bに向かって遊技球を発射したときには、遊技球は、ゲート12、第2始動口22、大入賞口32に入賞し得る。
【0026】
表示器類50は、遊技盤2のうち遊技領域3の外側であって大入賞装置30の下方に設けられている。
図2に示すように、表示器類50は、第1特別図柄(第1特図)を変動表示する第1特別図柄表示器51と、第2特別図柄(第2特図)を変動表示する第2特別図柄表示器52と、普通図柄(普図)を変動表示する普通図柄表示器53とを備える。さらに、表示器類50は、第1特図保留表示器51aと、第2特図保留表示器52aと、普図保留表示器53aとを備える。第1特図保留表示器51aは、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を表示する。第2特図保留表示器52aは、第2特別図柄表示器52の作動保留の記憶数を表示する。普図保留表示器53aは、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を表示する。以下、第1特別図柄及び第2特別図柄に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄という。また、第1特別図柄表示器51及び第2特別図柄表示器52に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄表示器という。
【0027】
各特別図柄表示器51,52は、それぞれ複数のLEDにより構成されている。各特別図柄表示器51,52を構成する各LEDは、それぞれ所定の点灯パターンにて点灯し、点灯・消灯するLEDの組み合わせが特別図柄を表しており、点灯・消灯するLEDの組み合わせが変化している状態が特別図柄の変動表示を表している。以下、特別図柄が変動表示を開始してから特別図柄が確定表示されるまでの特別図柄の変動パターンを特図変動パターンという。
【0028】
また、普通図柄表示器53は、複数(例えば2個)のLEDから構成されている。点灯・消灯するLEDが普通図柄を表しており、各LEDが交互に点灯する状態が普通図柄の変動表示を表している。また、遊技球がゲート12を通過すると、当たりか否かを判定する普通図柄の抽選が実行され、普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示する。そして、普通図柄表示器53は、普通図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、普通図柄の抽選結果に対応する普通図柄を確定表示する。普通図柄表示器53が確定表示した普通図柄が、当たりを示す普通図柄であった場合は、普通可変入賞装置20が作動して可動部材21が開動作し、第2始動口22が開口する。
【0029】
遊技球が第1始動口11に入賞すると大当たりか否かを判定する大当たり判定(大当たり抽選ともいう)が実行され、第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示する。そして、第1特別図柄表示器51は、第1特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第1特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第1特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、大入賞装置30が作動して開閉部材31が開閉し、大入賞口32が開閉する。第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口11に入賞したときは、その入賞を契機とする第1特別図柄表示器51の作動が保留される。そして、その作動保留の数を示す記憶数が第1特図保留表示器51aによって表示される。以下、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を第1特図保留数という。
【0030】
また、遊技球が第2始動口22に入賞すると大当たり判定(大当たり抽選ともいう)が実行され、第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示する。そして、第2特別図柄表示器52は、第2特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第2特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第2特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、大入賞装置30が作動して開閉部材31が開閉し、大入賞口32が開閉する。第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第2始動口22に入賞したときは、その入賞を契機とする第2特別図柄表示器52の作動が保留される。そして、その作動保留の数を示す記憶数が第2特図保留表示器52aによって表示される。以下、第2特別図柄表示器52の作動保留の記憶数を第2特図保留数という。また、第1特図保留数及び第2特図保留数に共通の事項を説明する場合は、単に特図保留数という。
【0031】
以下、特別図柄表示器が特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄を確定表示するまでを特別図柄の1回の変動という。また、特別図柄が1回変動される毎に特図保留数が1個ずつ減少することを特図保留数の消化という。
【0032】
パチンコ遊技機1には、大当たり判定において大当たりと判定される確率(以下、大当たり確率という)として、通常の確率(以下、通常確率という)と、通常確率よりも高い確率(以下、高確率という)とが設定されている。以下、大当たり確率が通常確率に設定されている遊技状態を通常確率状態といい、大当たり確率が高確率に設定されている遊技状態を高確率状態という。なお、高確率状態と通常確率状態のどちらに移行するかは、大当たり時の抽選によって基本的に決定される。本実施形態のパチンコ遊技機1は、いわゆる確変機と呼ばれる機種である。
【0033】
次に、演出表示装置7について説明する。
演出表示装置7は、演出画像、メッセージ画像、デモンストレーション画像(デモ画像)等の動画像及び静止画像を表示する。遊技者は、それらの画像をパチンコ遊技機1の前方から見ながら遊技を行う。演出表示装置7は、演出画像として、演出(装飾)図柄を特別図柄の変動表示と同期させて変動表示する。演出図柄は、算用数字(例えば、1~10)を表した図柄である。なお、演出図柄には、アルファベットや特別なキャラクタ等、数字以外を表した図柄を含めてもよいし、数字以外を表した図柄と組み合わせてもよい。演出表示装置7が演出図柄を変動表示する領域として、左から順に、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域、右演出図柄表示領域が設定されている。左演出図柄表示領域では左演出図柄7Lが、中演出図柄表示領域では中演出図柄7Cが、右演出図柄表示領域では右演出図柄7Rがそれぞれ変動表示される。以下、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域及び右演出図柄表示領域に共通の事項を説明する場合は、単に演出図柄表示領域という。
【0034】
各演出図柄の主な変動パターン(変動態様)は、演出図柄が表す数字が昇順となるように画面の上から下に移動する変動パターン、つまり、縦方向にスクロールする変動パターンである。なお、変動パターンとして、演出図柄が画面の左右の一方から他方へ移動する横スクロール方式、演出図柄が同じ表示位置にて数字の昇順に順番に表示される方式等を用いることもできる。また、演出表示装置7は、演出画像として各演出図柄の背景に背景画像を表示する。例えば、背景画像は、テレビドラマや映画等の動画像、その動画像をアニメ化した動画像、アニメーション、パチンコ遊技機メーカーオリジナルの動画像等である。演出表示装置7は、液晶表示装置である。なお、演出表示装置7として、有機EL表示装置、ドットマトリクスLEDを使った表示装置等を用いることもできる。
【0035】
演出表示装置7は、特別図柄の変動表示と同期させて各演出図柄を変動表示し、特別図柄が確定表示されると同時に各演出図柄を確定表示し、大当たり判定結果を表示する。ここで、確定表示とは、演出図柄が上下に揺れたり、再変動したりすることなく、完全に停止した停止表示状態のことである。
【0036】
また、パチンコ遊技機1では、演出図柄による大当たり判定の結果の報知に加えて、演出表示装置7に表示される背景画像、スピーカ8から出力される音、盤ランプ2aの点灯等を複合的に用いて、大当たり判定の結果の報知を行う。具体的には、リーチ演出、予告演出等の各種遊技演出によって、大当たり判定の結果が報知される。予告演出は、大当たり判定の結果が大当たりとなる可能性を示唆する遊技演出の一種である。
【0037】
[パチンコ遊技機の主な電気的構成]
次に、
図2及び
図3に従って、パチンコ遊技機1の主な電気的構成について説明する。
パチンコ遊技機1は、主制御基板60(
図2)と、払出制御基板73(
図2)と、サブ制御基板100(
図3)と、画像制御基板200(
図3)と、音声制御基板78(
図3)と、ランプ制御基板79(
図3)とを備えている。
【0038】
図2に示すように、主制御基板60には、遊技制御用ワンチップマイコン(以下、遊技制御用マイコンという)61が実装されている。遊技制御用マイコン61は、CPU62と、ROM63と、RAM64とを備えている。また、主制御基板60は、入出力回路65を備えている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数等、各種の判定(抽選)にて使用する乱数を発生する。CPU62は、入賞の検出、大当たり判定、各種乱数の更新等を実行する。ROM63には、CPU62が実行するコンピュータプログラム、大当たり判定テーブル、大当たり種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン選択テーブル等の各種のテーブルが記憶されている。
【0039】
RAM64は、CPU62がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリ等として使用される。また、RAM64には、第1特図保留記憶部64aと、第2特図保留記憶部64bと、普図保留記憶部64cとが設けられている。各記憶部には、遊技球が第1始動口11、第2始動口22及びゲート12に入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した乱数値が最大保留数分だけ記憶される。
【0040】
また、入出力回路65は、主制御基板60に接続された各基板等との間でデータの送信又は受信を行う。
また、主制御基板60には、表示器類50が電気的に接続されている。前述したように、表示器類50は、第1特別図柄表示器51と、第2特別図柄表示器52と、普通図柄表示器53とを備える。さらに、表示器類50は、第1特図保留表示器51aと、第2特図保留表示器52aと、普図保留表示器53aとを備える。さらに、主制御基板60には、中継基板74を介して第1始動口センサ11aと、第2始動口センサ22aと、ゲートセンサ12aとが電気的に接続されている。同様に、主制御基板60には、中継基板74を介して大入賞口センサ32aと、一般入賞口センサ13aと、電チューソレノイド20aと、大入賞口ソレノイド30aとが電気的に接続されている。
【0041】
第1始動口センサ11aは、第1始動口11の直下に設けられており、遊技球が第1始動口11に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第2始動口センサ22aは、第2始動口22の直下に設けられており、遊技球が第2始動口22に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。ゲートセンサ12aは、ゲート12のうち遊技球の通過領域に設けられており、遊技球がゲート12を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。大入賞口センサ32aは、大入賞口32の直下に設けられており、遊技球が大入賞口32に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。一般入賞口センサ13aは、一般入賞口13の直下に設けられており、遊技球が一般入賞口13に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。電チューソレノイド20aは、普通可変入賞装置20の可動部材21を開閉駆動する。大入賞口ソレノイド30aは、大入賞装置30の開閉部材31を開閉駆動する。
【0042】
また、主制御基板60には、払出制御基板73を介してカードユニット76と、貸球払出装置80と、賞球払出装置400とが電気的に接続されている。カードユニット76は、パチンコ遊技機1に隣接して設けられており、プリペイドカードに対して残高の読取りや書き込み等を行う。貸球払出装置80は、球貸モータ81と、球貸センサ82とを備えている。球貸モータ81は、貸球としての遊技球を払い出す部材を駆動し、球貸センサ82は、その部材によって遊技球が払い出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、貸球払出装置80が払い出した貸球数を計数する。カードユニット76に挿入されたプリペイドカードに、払い出し可能な最小残高以上の残高が記録されているときに、球貸ボタン(図示せず)が操作されると、貸球払出装置80が作動し、最小単位個数の貸球が打球供給皿24に払い出される。
【0043】
賞球払出装置400は、賞球モータ401と、賞球センサ402とを備えている。賞球モータ401は、賞球としての遊技球を払い出す部材を駆動し、賞球センサ402は、その部材によって遊技球が払い出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、賞球払出装置400が払い出した賞球数を計数する。
【0044】
また、主制御基板60には、発射制御回路75を介して発射装置90が電気的に接続されている。発射装置90は、発射モータ91と、タッチスイッチ92と、発射ボリューム93とを備えている。発射モータ91は、遊技球を打撃して発射する打撃槌(図示せず)を駆動する。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力する。発射ボリューム93は、発射レバー4aの回転量に応じて打撃槌が遊技球を打撃する強度を調節する。
【0045】
また、パチンコ遊技機1は、電源基板70を備えている。電源基板70は、主制御基板60、払出制御基板73、及びサブ制御基板100に電力を供給する。また、電源基板70は、払出制御基板73に電気的に接続された各装置に対して、払出制御基板73を介して電力を供給する。また、電源基板70は、中継基板74に電気的に接続された各センサ及びソレノイドに対して、主制御基板60から中継基板74を介して電力を供給する。また、電源基板70は、主制御基板60に電気的に接続された表示器類50に対して、主制御基板60を介して電力を供給する。
【0046】
電源基板70には、バックアップ電源回路71が設けられている。バックアップ電源回路71は、パチンコ遊技機1に対して外部から電力が供給されていない場合に、主制御基板60のRAM64等に対して情報の保持に必要な電力を供給する。電源基板70には、電源基板70へ電力を供給する主電源をオンオフするための電源スイッチ72が電気的に接続されている。
【0047】
主制御基板60は、サブ制御基板100に対して各種コマンドを送信する。主制御基板60は、コマンドをサブ制御基板100へ送信することはできるが、サブ制御基板100は、主制御基板60へコマンドを送信することができない。つまり、主制御基板60とサブ制御基板100との通信は、主制御基板60からサブ制御基板100へ送信することのみが可能な単方向通信となっている。
【0048】
図3に示すように、サブ制御基板100には、演出制御用ワンチップマイコン(以下、演出制御用マイコンという)101が実装されている。演出制御用マイコン101は、CPU102と、ROM110と、RAM120とを備えている。また、サブ制御基板100は、入出力回路103を備えている。CPU102は、遊技に伴って演出を制御する。ROM110には、CPU102が演出を制御するためのコンピュータプログラムの他、各種のテーブルが記憶されている。RAM120は、CPU102がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。また、RAM120には、第1特図保留演出記憶部121と、第2特図保留演出記憶部122と、当該変動用演出記憶部123とが設けられている。第1特図保留演出記憶部121、第2特図保留演出記憶部122及び当該変動用演出記憶部123は、主制御基板60から出力される特図に関するコマンドを記憶する。
【0049】
入出力回路103は、サブ制御基板100に接続された各基板等との間でデータの送信又は受信を行う。
サブ制御基板100には、画像制御基板200が電気的に接続されている。画像制御基板200には、演出表示装置7が電気的に接続されている。画像制御基板200には、VDP201(Video Display Processor)と、画像制御用CPU202と、制御用ROM203とが実装されている。さらに、画像制御基板200には、制御用RAM204と、CGROM(Character Generator Read Only Memory)205と、VRAM(Video Random Access Memory)206とが実装されている。画像制御用CPU202は、変動演出パターン、ボタン演出画像、及び予告画像等の演出画像を表示するよう演出表示装置7を制御する。制御用ROM203には、画像制御用CPU202が演出表示装置7を制御するためのコンピュータプログラムが記憶されている。制御用RAM204は、画像制御用CPU202がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。CGROM205には、演出表示装置7が演出画像を表示するための画像データが記憶されている。VDP201は、画像制御用CPU202によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM205から画像データを読み出し、その読み出した画像データをVRAM206内の展開領域に展開する。そして、VDP201は、VRAM206内に展開した画像データを合成し、その合成した画像データをVRAM206内のフレームバッファに記憶する。そして、VDP201は、VRAM206内のフレームバッファに記憶した画像データをRGB信号に変換して演出表示装置7に出力する。これにより、演出表示装置7は演出画像を表示する。
【0050】
サブ制御基板100には、ランプ制御基板79を介して盤ランプ2a、演出ボタンランプ9c、左サイドランプ23a、右サイドランプ23bが電気的に接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて各ランプの発光態様を決める発光パターンデータを作成し、その発光パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、ランプ制御基板79は、受信した発光パターンデータに従って各ランプの発光制御を行う。
【0051】
サブ制御基板100には、音声制御基板78を介して各スピーカ8が電気的に接続されている。音声制御基板78には、音声制御用CPU(図示せず)と、音声データROM(図示せず)と、音声合成回路(図示せず)と、アンプ(図示せず)とが搭載されている。音声データROMには、各スピーカ8が音楽や効果音等の音を出力するための音声データが記憶されている。音声制御用CPUは、サブ制御基板100から受信したコマンドに基づいて音声データROMから音声データを読み出し、その読み出した音声データを音声合成回路に出力する。音声合成回路は、入力した音声データを合成するとともに、その合成した合成音声データをアナログの音声信号に変換してアンプに出力する。アンプは、入力した音声信号を増幅して各スピーカ8に出力する。そして、各スピーカ8は、入力した音声信号により示される音を出力する。
【0052】
また、サブ制御基板100には、演出レバー押込検出スイッチ6aと、演出レバー回転検出スイッチ6bと、演出ボタン検出スイッチ9aと、演出レバー振動モータ6cと、演出ボタン振動モータ9bとが電気的に接続されている。演出レバー押込検出スイッチ6aは、演出レバー6が押込操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出レバー押込検出スイッチ6aから入力した信号に基づいて、演出レバー6が押込操作されたときに行うレバー演出を実行する。演出レバー回転検出スイッチ6bは、演出レバー6が回転操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出レバー回転検出スイッチ6bから入力した信号に基づいて、演出レバー6が回転操作されたときに行うレバー演出を実行する。演出ボタン検出スイッチ9aは、演出ボタン9が押下操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出ボタン検出スイッチ9aから入力した信号に基づいて、ボタン演出を実行する。
【0053】
演出レバー振動モータ6cは、演出レバー6を振動させる部材であり、演出レバー6と接する部位又は演出レバー6の内部に設けられている。演出ボタン振動モータ9bは、演出ボタン9を振動させる部材であり、演出ボタン9の内部に収容されている。ROM110には、演出レバー振動モータ6cの動作パターンを決める動作パターンデータと、演出ボタン振動モータ9bの動作パターンを決める動作パターンデータとが記憶されている。演出制御用マイコン101は、演出レバー6を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読み出し、その読出した動作パターンデータに基づいて演出レバー振動モータ6cを駆動制御する。また、演出制御用マイコン101は、演出ボタン9を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読み出し、その読み出した動作パターンデータに基づいて演出ボタン振動モータ9bを駆動制御する。
【0054】
<検知センサについて>
前述したように、本実施形態のパチンコ遊技機1には、遊技球を検知する検知センサが設けられる。本実施形態では、「検知センサ」の一例として、第2始動口センサ22aを中心に説明するが、その他のセンサ(センサ11a,12a,13a,32a)についても同様に適用することが可能である。
【0055】
図4に示すように、第2始動口センサ22aは、いわゆる近接スイッチにより構成されるもので、一方向に長い直方体形状のケース220の長手方向一方側に遊技球が通過可能な貫通孔Hを有し、長手方向他方側に図示しない球検知用のコイルや回路等の電子部品を収納する収納部Sを有している。第2始動口センサ22aは、遊技球が通る経路上に配置、より具体的には貫通孔Hを遊技球が通る経路上に配置されている。
【0056】
ケース220は、貫通孔Hの貫通する方向に面する2つの主面221と、2つの主面221を長手方向の両側で接続する2つの第1側面222と、2つの主面221を短手方向の両側で接続する2つの第2側面223とを有して直方体形状をなしている。2つの主面221は貫通孔Hの貫通方向において互いに逆方向を向くように位置している。2つの第1側面222は、ケース220の長手方向において互いに逆方向を向くように位置している。2つの第2側面223は、ケース220の短手方向において、互いに逆方向を向くように位置している。
【0057】
第2側面223は、ケース220の短手方向に窪んだ窪み部223aを有する。窪み部223aは、第2側面223において貫通孔Hの貫通方向であって第2始動口センサ22aの厚み方向に連続するように形成されている。窪み部223aは貫通孔Hと収納部Sとの間の境界部位に形成されている。ちなみに、第2始動口センサ22aとして用いられる近接スイッチは市販品であり、第2始動口センサ22aに形成される窪み部223aは、近接スイッチの製造過程で生じるものである。
【0058】
図4~
図9に示すように、第2始動口センサ22aは、センター装飾体14に設けられる保持部140によって保持されている。ちなみに、
図4は保持部140を後面から見た図であり、
図5は第2始動口センサ22aが保持された保持部140を後面から見た図である。同様に、
図6は保持部140を前面から見た図であり、
図7及び
図8は第2始動口センサ22aが保持された保持部140を前面から見た図である。
図9は
図8に示すA1-A1線の断面図である。
【0059】
保持部140は、所定の挿入方向として、保持部140の後方から第2始動口センサ22aを挿入して当該第2始動口センサ22aを収容可能な収容部141と、挿入方向の終端において第2始動口センサ22aの窪み部223aに嵌まり込んで挿入方向への移動を規制する嵌合部142と、を有する。
【0060】
収容部141は、第2始動口センサ22aを挿入可能な大きさで後方に開口する開口部143を有する。開口部143の上部には弾性爪部144が設けられている。弾性爪部144は、開口部143の上部から後方に延出するように形成されており、弾性爪部144は、第2始動口センサ22aを開口部143から挿入する際に当接すると上方に弾性変形し、その後、第2始動口センサ22aが収容部141内に収容されると、弾性爪部144の弾性変形状態が解除される。このため、第2始動口センサ22aが収容部141の開口部143から後方に移動しようとしても弾性爪部144によって移動が規制され、収容部141から外部に脱落することが抑制されている。
【0061】
嵌合部142は、開口部143の上部であって、弾性爪部144と対向する位置に設けられている。すなわち、開口部143において弾性爪部144側が第2始動口センサ22aの挿入方向の始端となり、嵌合部142側が挿入方向の終端となる。
【0062】
さらに、嵌合部142は、窪み部223aの厚み方向一端側に位置する第1嵌合部142aと、窪み部223aの厚み方向他端側に位置する第2嵌合部142bとを有する。第1嵌合部142aと第2嵌合部142bは、厚み方向において互いに対向している。
【0063】
第1嵌合部142a及び第2嵌合部142bは、左右方向(長手方向)において窪み部223aと略同一位置に配置されている。前述したように、この第1嵌合部142a及び第2嵌合部142bが配置された位置は、第2始動口センサ22aの挿入方向の終端となる位置でもある。このため、収容部141内に第2始動口センサ22aを挿入することで、第2始動口センサ22aの窪み部223aに第1嵌合部142a及び第2嵌合部142bが嵌合し、挿入方向へのこれ以上の移動が規制されることとなる。このとき、例えば第1嵌合部142a及び第2嵌合部142bは、窪み部223aから前方へ飛び出さない構成となっている(
図9参照)。このような構成とすることで、第2始動口センサ22aよりも前方に第1嵌合部142a及び第2嵌合部142bを有する保持部140が突出することがない。また、第2始動口センサ22aが挿入方向へ飛び出すことがない。そのため、
図10(a)に示すように、保持部140並びに第2始動口センサ22aの前方に、例えば各種センサや遊技球の流下経路を隠すために前板Fを配置した場合であっても、前板Fと第2始動口センサ22aとを近付けて配置することができる。
【0064】
ここで、比較例として、
図10(b)に示すように、近接スイッチの製造過程で生じた窪み部223aを利用することなく、第2始動口センサ22aの前端部よりも前方位置に、保持部140の一部である前側受止め板部140aを設けるとする。この場合、前板Fを基準とすると、前側受止め板部140aを設けた分、
図10(a)に示す例に比してして第2始動口センサ22aが後方に配置されることとなる。これに伴って、
図10(a)に示す例に比して第2始動口センサ22aの貫通孔Hの位置も後方にずれてしまうことになる。この場合、流下した遊技球が第2始動口センサ22aの貫通孔Hを通過することができなくなるか、または遊技球が入球可能となるよう、遊技球の流下経路を再構築する必要性が生じる場合がある。
【0065】
また、別の比較例として、
図10(c)に示すように、前板Fと前側受止め板部140aとが干渉しないための解決策として、近接スイッチの製造過程で生じた窪み部223aを利用することなく、前側受止め板部140aを避けるように、前板Fに孔を設けることが考えられる。しかしながら、前側受止め板部140aと干渉しないように前板Fに孔を設けると、前板Fと前側受止め板部140aとの間に隙間が生じることになり、所謂ゴト行為のリスクが上がるといった可能性がある。
【0066】
そこで、本実施形態のように、保持部140の嵌合部142(第1嵌合部142a及び第2嵌合部142b)が、第2始動口センサ22aの窪み部223aに嵌りこんで第2始動口センサ22aの前方への移動を規制するようにしたことで、第2始動口センサ22aの前端部よりも前方に保持部140が突出することが抑えられ、前板Fとの干渉を抑えることができる。さらに、孔等を設けることなく前板Fと第2始動口センサ22aとを近付けて配置することができ、ゴト行為のリスクが上がるといったことを抑えることができる。また、本実施形態においては、第2始動口センサ22aとして用いられる近接スイッチの製造過程で生じる窪み部223aを利用し、当該窪み部223aに嵌合するように嵌合部142を形成している。つまり、従来、近接スイッチの製造過程で生じた窪み部223aを利用せずに近接スイッチを保持する態様の保持部を形成していたが、本実施形態では、従来、利用されていなかった窪み部223aの窪みをセンサ(近接スイッチ)の固定に利用している。このため、従来に比して、第2始動口センサ22aの前端部よりも前方に保持部140が突出することが抑えられ、結果的に他部材とセンサを近付けて配置することが可能となる。
【0067】
[実施形態の効果]
(1)上述した実施形態のパチンコ遊技機1を実施すれば、第2始動口センサ22aを保持する保持部140は、後方(所定の挿入方向)から第2始動口センサ22aを挿入可能な収容部141と、挿入方向の終端において第2始動口センサ22aに設けられた窪み部223aに嵌まり込んで挿入方向への移動を規制する嵌合部142を有することになる。第2始動口センサ22aに設けられた窪み部223aに嵌合部142が嵌まり込む形状とすることで、第2始動口センサ22aの挿入方向への突出を嵌合部142によって抑えることができる。このため、保持部140における挿入先の前方のスペースを確保することができ、保持部140や第2始動口センサ22aと、他の部材との干渉を抑えることができる。
【0068】
(2)また、窪み部223aは、第2始動口センサ22aの厚み方向に連続するように形成されており、嵌合部142は、窪み部223aの厚み方向一端側に位置する第1嵌合部142aと、窪み部223aの厚み方向他端側に位置する第2嵌合部142bとを有する。これにより、第1嵌合部142aと第2嵌合部142bとで第2始動口センサ22aの移動を安定して規制することができる。
【0069】
(3)嵌合部142は、窪み部223aに嵌まり込んだ状態で、窪み部223a内から飛び出さない構成となっている。嵌合部142が窪み部223a内から飛び出さない形状となっているため、保持部140における挿入先の前方のスペースを確保しつつ、保持部140や第2始動口センサ22aと、他の部材との干渉とをより一層抑えることができる。
【0070】
(4)第2始動口センサ22aの挿入方向への突出を抑制すべく、保持部140の構成要素として前側受止め板部140aを設けることも考えられる(
図10(b)参照)。この状態において、各種センサや遊技球の流下経路を隠すために前板Fを設けるとする。前板Fを基準とすると、前側受止め板部140aの厚みだけ後方に収容部141が位置するように保持部140を形成しなければならなくなり、それに伴って第2始動口センサ22aも後方に配置されることとなる。その結果、流下した遊技球が第2始動口センサ22aの貫通孔Hを通過することができなくなるか、または遊技球が入球可能となるよう遊技球の流下経路を再構築する必要性が生じる。しかしながら、本実施形態の保持部140によれば、前側受止め板部140aのような崇高な部材を設けなくても、第2始動口センサ22aの窪み部223aに嵌まり込む程度のコンパクトな部材(第1嵌合部142a及び第2嵌合部142b)にて第2始動口センサ22aを保持し、かつ挿入方向への突出を抑制することができる。また、前板Fのような他の部材に近付けて第2始動口センサ22aを配置することもできる。
【0071】
(5)第2始動口センサ22aの挿入方向への突出を抑制すべく、保持部140の構成要素として前側受止め板部140aを設け、かつ前板Fに孔を空けることも考えられる(
図10(c)参照)。前板Fに孔を設けると、前板Fと前側受止め板部140aとの間に隙間が生じることになり、所謂ゴト行為のリスクが上がる可能性がある。しかしながら、本実施形態の保持部140によれば、前板Fに孔を空けなくても済むため、ゴト行為のリスクが上がることがない。
【0072】
(6)従来、利用されていなかった窪み部223aの窪みをセンサ(近接スイッチ)の固定に利用することで、従来に比して、第2始動口センサ22aの前端部よりも前方に保持部140が突出することが抑えられ、結果的に他部材とセンサを近付けて配置することが可能となる。
【0073】
<他の実施形態>
以下、変更例について説明する。なお、以下の変更例は、互いに適宜組み合わせることが可能である。
【0074】
・前方(第2始動口センサ22aの挿入方向)への第2始動口センサ22aの飛び出しを抑えることができればよく、嵌合部142の厚みは、第2始動口センサ22aの窪み部223aの深さを考慮しなくてもよい。実施形態では、第1嵌合部142a及び第2嵌合部142bは、窪み部223aから前方へ飛び出さない構成としていた。これに代えて、窪み部223aが形成されている第2始動口センサ22aの第2側面223と、第1嵌合部142a及び第2嵌合部142bの表面がほぼ面一となるようにしてもよい。また、窪み部223aが形成されている第2始動口センサ22aの第2側面223が、第1嵌合部142a及び第2嵌合部142bの表面よりもやや前方に位置してもよい。ただし、その突出量は、他部材と近付けてセンサを配置する際に邪魔にならない程度の突出量が好ましい。
【0075】
・第1嵌合部142aと第2嵌合部142bによって第2始動口センサ22aを保持するのではなく、
図11に示すように、第1嵌合部142aと第2嵌合部142bが隙間なく連通したような連通嵌合部142cを採用してもよい。
【0076】
・第2始動口センサ22aの挿入方向は、後方からに限られない。前方から挿入されてもよいし、下方から上方に向かって挿入するものであってもよい。
・第2始動口センサ22aの形状に合わせて第2始動口センサ22aを保持することができればよく、嵌合部142は実施形態の形状に限られない。
【0077】
・第2始動口センサ22aの挿入方向への飛び出しを抑制することができればよく、保持部140の収容部141に第2始動口センサ22a全体が収容される必要はない。例えば、第2始動口センサ22aの後方が、収容部141の後方にはみ出していてもよい。
【0078】
・上記実施形態は、非封入式パチンコ遊技機を前提として説明したが、封入式パチンコ遊技機においても実施可能である。
・大入賞口(大入賞装置)は、複数(例えば2つ)あってもよい。
【0079】
・パチンコ遊技機1として、第1特別図柄のみを変動させて行うパチンコ遊技機に具体化してもよい。
・実施形態は、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機として構成したが、いわゆるV確機(大入賞口内の特定領域(V領域)の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)として構成してもよい。また、いわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)や転落機(抽選結果によって高確率状態が終了する遊技機)として構成してもよい。また、いわゆる1種2種混合機や、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。
【0080】
・上記実施形態の技術は、スロットマシン(回胴式遊技機、パチスロ遊技機)に適用してもよい。
以上、実施形態及び変更例に基づき、本発明に係る構成について説明したが、上述の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本実施形態の例に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0081】
1 パチンコ遊技機
14 センター装飾体
22 第2始動口(入球口)
22a 第2始動口センサ(検知センサ)
140 保持部
141 収容部
142 嵌合部
142a 第1嵌合部
142b 第2嵌合部
223a 窪み部
F 前板(他の部材)