(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036894
(43)【公開日】2024-03-18
(54)【発明の名称】駆動回路装置、及び振動搬送装置
(51)【国際特許分類】
H02N 2/06 20060101AFI20240311BHJP
B65G 27/32 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
H02N2/06
B65G27/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022141434
(22)【出願日】2022-09-06
(71)【出願人】
【識別番号】000002059
【氏名又は名称】シンフォニアテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】河合 遼
(72)【発明者】
【氏名】忽那 真志
【テーマコード(参考)】
3F037
5H681
【Fターム(参考)】
3F037BA03
3F037CA14
3F037CA17
3F037CB06
3F037CC05
5H681AA00
5H681BC00
5H681CC07
5H681DD15
5H681EE24
5H681FF25
5H681FF30
5H681FF32
(57)【要約】
【課題】複数の容量性負荷を駆動する駆動回路装置において、各容量性負荷への印加電圧の意図しない変動を抑制する。
【解決手段】駆動回路装置50は、第1容量性負荷73の電源であるコンデンサ66と、第1レグ71と、第2レグ72と、第2容量性負荷83の電源であるコンデンサ69と、第3レグ81と、第4レグ82とを備える。第1容量性負荷73は、第1端子T1と第2端子T2との間に配置されている。第1容量性負荷73は、第3端子T3と第4端子T4との間に配置されている。第2端子T2と第4端子T4とは、電気的に短絡されている。コンデンサ66とコンデンサ69とは、互いに電気的に絶縁されている。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の容量成分を有する第1容量性負荷と、第2の容量成分を有する第2容量性負荷と、を駆動する駆動回路装置であって、
前記第1容量性負荷の電源である第1直流電源と、
前記第1直流電源と直列に接続された一対の第1スイッチング素子を有する第1レグと、
前記一対の第1スイッチング素子と並列に接続された一対の第2スイッチング素子を有する第2レグと、
前記第2容量性負荷の電源である、前記第1直流電源とは別の第2直流電源と、
前記第2直流電源と直列に接続された一対の第3スイッチング素子を有する第3レグと、
前記一対の第3スイッチング素子と並列に接続された一対の第4スイッチング素子を有する第4レグと、を備え、
前記第1容量性負荷は、前記第1レグにおいて前記一対の第1スイッチング素子の間に配置された第1端子と、前記第2レグにおいて前記一対の第2スイッチング素子の間に配置された第2端子との間に配置され、
前記第2容量性負荷は、前記第3レグにおいて前記一対の第3スイッチング素子の間に配置された第3端子と、前記第4レグにおいて前記一対の第4スイッチング素子の間に配置された第4端子との間に配置され、
前記第2端子と前記第4端子とは、電気的に短絡され、
前記第1直流電源と前記第2直流電源とは、互いに電気的に絶縁されていることを特徴とする駆動回路装置。
【請求項2】
請求項1に記載の駆動回路装置と、
前記駆動回路装置によって駆動されることで搬送品を搬送するように構成された搬送部と、を備える振動搬送装置であって、
前記第1容量性負荷は、前記搬送部を振動させるように構成された第1圧電素子を含み、
前記第2容量性負荷は、前記搬送部を振動させるように構成された第2圧電素子を含むことを特徴とする振動搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容量性負荷を駆動する駆動回路装置、及び、当該駆動回路装置を備える振動搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、圧電素子(容量性負荷)が取り付けられた搬送部を振動させることによって搬送品を搬送するパーツフィーダが開示されている。当該パーツフィーダは、圧電素子に交流電圧を印加するための電源回路(駆動回路)として、いわゆるハーフブリッジインバータ回路を有する。ハーフブリッジインバータ回路は、直流電源と、直流電源と直列に接続された一対のスイッチング素子(レグとも呼ばれる)と、を有する。圧電素子は、一対のスイッチング素子の間に配置された端子(第1端子)と、電位がゼロになる端子(第2端子)との間に配置されている。また、第1端子と第2端子との間において、インダクタンスの成分を有するリアクトルが、圧電素子と直列に接続されている。一対のスイッチング素子に、位相が互いに180°異なる所定周波数のスイッチング信号が印加されることにより、第1端子と第2端子との間に上記所定周波数の電位差が発生する。このような電位差によって、圧電素子が上記所定周波数で駆動される。以下、上記所定周波数を駆動周波数と呼ぶ。
【0003】
上記ハーフブリッジインバータ回路は、特許文献2に記載のリニアフィーダに設けられた2つの圧電素子の各々に対応して適用可能である。当該リニアフィーダは、一方の圧電素子及びその周辺部の共振周波数(第1共振周波数)、並びに他方の圧電素子及びその周辺部の共振周波数(第2共振周波数)の両方に近い駆動周波数で2つの圧電素子を駆動するように構成されている。当該リニアフィーダにおいては、一方の圧電素子に印加される交流電圧の位相と他方の圧電素子に印加される交流電圧の位相との差を所定値(90°)に維持するための制御が行われる。これにより、リニアフィーダに設けられた搬送部において、搬送品を安定的に高速搬送するための進行波が生成される。また、当該リニアフィーダは、駆動周波数が最適な値になるよう駆動周波数を自動的に調節する追尾手段を有する。追尾手段は、一方の圧電素子による搬送部の振動の振幅と、他方の圧電素子による搬送部の振動の振幅とを略一致させるために駆動周波数を調節するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-193432号公報
【特許文献2】特開2019-193340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した第1共振周波数及び第2共振周波数は、一般的に、各圧電素子の動作時の温度上昇等に起因して変動する。上述した追尾手段は、このような変動に追随するために駆動周波数の調整を行う。しかしながら、第1共振周波数及び第2共振周波数の近傍において駆動周波数が調整されたときに、搬送品の搬送が不安定になることが分かった。搬送の不安定化の原因は、上述したハーフブリッジインバータ回路において各圧電素子に印加される交流電圧の振幅及び位相が、各々の共振周波数の近傍において急激に変化することである、と本願発明者によって知見された。
【0006】
本発明の目的は、複数の容量性負荷を駆動する駆動回路装置において、各容量性負荷への印加電圧の意図しない変動を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明の駆動回路装置は、第1の容量成分を有する第1容量性負荷と、第2の容量成分を有する第2容量性負荷と、を駆動する駆動回路装置であって、前記第1容量性負荷の電源である第1直流電源と、前記第1直流電源と直列に接続された一対の第1スイッチング素子を有する第1レグと、前記一対の第1スイッチング素子と並列に接続された一対の第2スイッチング素子を有する第2レグと、前記第2容量性負荷の電源である、前記第1直流電源とは別の第2直流電源と、前記第2直流電源と直列に接続された一対の第3スイッチング素子を有する第3レグと、前記一対の第3スイッチング素子と並列に接続された一対の第4スイッチング素子を有する第4レグと、を備え、前記第1容量性負荷は、前記第1レグにおいて前記一対の第1スイッチング素子の間に配置された第1端子と、前記第2レグにおいて前記一対の第2スイッチング素子の間に配置された第2端子との間に配置され、前記第2容量性負荷は、前記第3レグにおいて前記一対の第3スイッチング素子の間に配置された第3端子と、前記第4レグにおいて前記一対の第4スイッチング素子の間に配置された第4端子との間に配置され、前記第2端子と前記第4端子とは、電気的に短絡され、前記第1直流電源と前記第2直流電源とは、互いに電気的に絶縁されていることを特徴とする。
【0008】
従来のハーフブリッジインバータ回路で、容量性負荷の共振周波数の近傍において容量性負荷に印加される交流電圧の振幅及び位相は、リアクトルのインピーダンスに起因して大きく変化することが本願発明者によって知見された。そこで、本願発明者は、リアクトルを除去し又はリアクトルのインダクタンスを非常に小さくすることで、容量性負荷への印加電圧の変化を抑制することに思い至った。しかし、単にハーフブリッジインバータ回路においてリアクトルを除去すると、一対のスイッチング素子の両方がオフされているときに、容量性負荷から電荷を解放できなくなる(すなわち、容量性負荷が放電できなくなる)。これにより、一対のスイッチング素子に印加されるスイッチング信号のデューティ比を変更しても、容量性負荷への印加電圧の実効値を変更できず、当該実効値を制御できないことが分かった(詳細については、後述の実施形態において説明する)。
【0009】
そこで、本発明では、まず、第1容量性負荷が、第1レグの第1端子と第2レグの第2端子との間に配置され、第2容量性負荷が、第3レグの第3端子と第4レグの第4端子との間に配置されている。言い換えれば、第1容量性負荷及び第2容量性負荷の各々がフルブリッジインバータ回路に接続されている。フルブリッジインバータ回路においては、一対の第1スイッチング素子のいずれか1つ及び一対の第2スイッチング素子のいずれか1つがオンになっている状態を維持することにより、第1容量性負荷の放電経路を確保できる。同様に、第2容量性負荷の放電経路も確保できる。このような構成において、第1レグへのスイッチング信号と第2レグへのスイッチング信号との位相差を制御することにより、第1容量性負荷への印加電圧の実効値を調節できる。同様に、第2容量性負荷への印加電圧の実効値も調節できる。詳細については、後述の実施形態において説明する。
【0010】
また、本発明では、第2端子と第4端子とが電気的に短絡されている。これにより、第1容量性負荷の一方の端子と第2容量性負荷の一方の端子とが等電位化される。さらに、本発明では、第1直流電源と第2直流電源とが互いに電気的に絶縁されている。これにより、各スイッチング素子の作動状態によらず、第1直流電源と第2直流電源との短絡を防止できる。したがって、当該短絡による駆動回路装置の故障を防止できる。
【0011】
以上より、複数の容量性負荷を駆動する駆動回路装置において、各容量性負荷への印加電圧の意図しない変動を抑制できる。
【0012】
第2の発明の振動搬送装置は、前記第1の発明の駆動回路装置と、前記駆動回路装置によって駆動されることで搬送品を搬送するように構成された搬送部と、を備える振動搬送装置であって、前記第1容量性負荷は、前記搬送部を振動させるように構成された第1圧電素子を含み、前記第2容量性負荷は、前記搬送部を振動させるように構成された第2圧電素子を含むことを特徴とする。
【0013】
本発明では、第1容量性負荷の共振周波数及び第2容量性負荷の共振周波数の近傍で駆動周波数を調整しても、第1圧電素子による搬送部の振動の振幅及び位相の急激な変化、及び、第2圧電素子による搬送部の振動の振幅及び位相の急激な変化を抑制できる。したがって、パーツを安定的に搬送できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本実施形態に係るパーツフィーダの斜視図である。
【
図3】(a)は、リニアフィーダの断面斜視図であり、(b)は、
図2のIII(b)-III(b)線断面図である。
【
図4】(a)~(c)は、駆動手段の模式図である。
【
図7】リアクトルを有する従来の駆動回路装置を示す回路図である。
【
図8】(a)、(b)は、従来の駆動回路装置に印加されるスイッチング信号を示すグラフであり、(c)、(d)は、所定部分に印加される電圧を示すグラフである。
【
図9】(a)は、圧電素子に印加される交流電圧の振幅の駆動周波数依存性を示すグラフであり、(b)は、当該交流電圧の位相の駆動周波数依存性を示すグラフである。
【
図10】(a)~(d)の各々は、従来の駆動回路装置から単にリアクトルを除いた構成における制御信号又は電圧を示すグラフである。
【
図11】本実施形態に係る駆動回路装置を示す回路図である。
【
図12】(a)~(d)の各々は、駆動回路装置に印加されるスイッチング信号を示すグラフである。
【
図13】(a)~(c)の各々は、駆動回路装置における所定部分に印加される電圧を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の実施形態について説明する。説明の便宜上、
図1に示す方向を前後左右上下方向とする。上下方向は、重力が作用する鉛直方向である。前後方向は、上下方向と直交する所定の方向である。左右方向は、上下方向及び前後方向の両方と直交する方向である。
【0016】
(パーツフィーダの概略構成)
本実施形態に係るパーツフィーダ1の概略構成について、
図1を参照しつつ説明する。
図1は、パーツフィーダ1の斜視図である。パーツフィーダ1は、ボウルフィーダ2と、リニアフィーダ3(本発明の振動搬送装置)とを備える。ボウルフィーダ2は、ワークW(本発明の搬送品)をリニアフィーダ3に供給するための装置である。リニアフィーダ3は、ボウルフィーダ2の前端部に接続されている。ボウルフィーダ2及びリニアフィーダ3は、いずれもたわみ進行波を利用してワークWを搬送する。本実施形態では、リニアフィーダ3に本発明を適用した場合について説明する。なお、ボウルフィーダ2に本発明を適用することも可能である。
【0017】
ボウルフィーダ2は、ワークWが収容されるボウル本体11を有する。ボウル本体11は、略逆円錐台状の部材である。ボウル本体11は、上部が開口している。ボウル本体11の内周壁には、底部から螺旋状に上昇するらせんトラック12が形成されている。ボウル本体11は、ボウル駆動手段(不図示)によって振動させられる。ワークWは、らせんトラック12に沿ってリニアフィーダ3に向かって上昇する。
【0018】
リニアフィーダ3は、ボウルフィーダ2から供給されたワークWを前方に搬送するように構成されている。リニアフィーダ3は、搬送部21と、進行波生成部22とを有する。搬送部21は、たわみ進行波が生成される部材である。進行波生成部22は、搬送部21を超音波振動させるように構成されている。進行波生成部22が搬送部21を振動させると、搬送部21の上面に形成された搬送面31にたわみ進行波が発生する。このたわみ進行波によって、ワークWは搬送面31に沿って前方に搬送され、次工程に供給される。
【0019】
(リニアフィーダの詳細構成)
次に、リニアフィーダ3の詳細構成について説明する。前述したように、リニアフィーダ3は、搬送部21と、進行波生成部22とを有する。
【0020】
搬送部21について、
図2、
図3(a)及び
図3(b)を参照しつつ説明する。
図2は、リニアフィーダ3の平面図である。
図3(a)は、リニアフィーダ3の断面斜視図である。
図3(b)は、
図2のIII(b)-III(b)線断面図であり、リニアフィーダ3の前後方向に直交する断面図である。
【0021】
搬送部21は、例えば金属製の略平板状の部材である。搬送部21は、上下方向から見たときに略矩形状である。搬送部21は、長手方向に直交する断面が略凹状になっている(
図3(b)参照)。
図2、
図3(a)及び
図3(b)に示すように、搬送部21は、固定部21Fと振動部21Vとを有する。
図3(b)において、一点鎖線で囲まれた部分が固定部21Fであり、二点鎖線で囲まれた部分が振動部21Vである。固定部21Fは、搬送部21の平面視中央部に形成された部分である。固定部21Fは、平面視周辺部よりも厚みが小さい略長円形状の部分である。固定部21Fは、上下方向において押さえ板38及び押さえ板39によって挟まれ、複数の止着具40によって押さえ板38及び押さえ板39に固定されている。振動部21Vは、固定部21Fの平面視外側に形成された部分である。振動部21Vは、固定部21Fよりも厚みが大きい部分である。
【0022】
図3(b)に示すように、振動部21Vは、断面視で略矩形状である。振動部21Vの上面には、搬送トラック27(
図2のハッチング部分参照)が形成されている。搬送トラック27は、ワークWが搬送される溝である。搬送トラック27は、メイントラック28とリターントラック29とを有する。メイントラック28は、ワークWを次工程の装置へ供給するための経路である。メイントラック28は、搬送部21の後端部から前端部に亘って延びている。メイントラック28は、ワークWが載る搬送面31を有する。リターントラック29は、一部のワークWをボウルフィーダ2に戻すための経路である。リターントラック29は、平面視略U字状の搬送面32を有する。
【0023】
進行波生成部22について、
図4(a)~
図4(c)及び
図5を参照しつつ説明する。
図4(a)~
図4(c)は、後述する駆動手段23を示す図である。
図4(a)は駆動手段23の平面図である。
図4(b)は駆動手段23の側面図である。
図4(c)は駆動手段23の裏面図である。
図5は、進行波生成部22の構成を示す模式図である。
【0024】
進行波生成部22は、例えば、2つの駆動手段23(駆動手段23a、23b)と、スイッチング信号生成部41と、駆動回路部42とを有する(
図5参照)。進行波生成部22は、スイッチング信号生成部41によって生成されたスイッチング信号に基づき、駆動回路部42が2つの駆動手段23を振動させるように構成されている。本実施形態において、振動部21Vと、駆動手段23a、23bと、駆動回路部42とを有する装置を駆動回路装置50と呼ぶ。駆動回路装置50のより詳細については後述する。
【0025】
2つの駆動手段23は、振動部21Vに沿って伸縮することで振動部21Vを振動させるように構成されている。2つの駆動手段23は、振動部21Vの搬送トラック27の裏面に貼り付けられている(
図3(a)、
図3(b)参照)。より詳細には、搬送トラック27は、それぞれ前後方向に延びた2つの直線部分を有する。2つの直線部分は、左右方向において固定部21Fを隔てて互いに反対側に配置されている。2つの駆動手段23の一方は、一方の直線部分の裏面に貼り付けられている。2つの駆動手段23の他方は、他方の直線部分の裏面に貼り付けられている。
【0026】
各駆動手段23は、
図4(a)~
図4(c)に示すように、例えば4つの圧電素子16を有する。各圧電素子16は、電圧が印加されたときに変形する素子である。
【0027】
より具体的な構成の例として、4つの圧電素子16は、セラミックス部17と、4つの電極18と、電極19とを有する。セラミックス部17は、矩形の薄板状の部材である。4つの電極18は、セラミックス部17を平面視したときの上面(説明の便宜上、表面と呼ぶ)に貼り付けられている。電極19は、セラミックス部17を平面視したときの下面(説明の便宜上、裏面と呼ぶ)に貼り付けられている。
【0028】
セラミックス部17は、電圧を印加されることによりたわむ圧電体セラミックスの部材である。セラミックス部17は、所定方向に沿って長く延びている。セラミックス部17は、4つの圧電素子16における共通の部材である。予め定められた波長をλとしたとき、セラミックス部17には、所定方向においてλ/2の間隔で、極性(+、-)が交互に反転するように分極処理が施されている。4つの電極18は、セラミックス部17の分極した部分の表面に、所定方向においてλ/2の間隔で貼り付けられている。電極19は、セラミックス部17の裏面の電位を同電位(コモン電位)にするためのものである。電極19は、セラミックス部の裏面と同程度の面積を有する。電極19も、4つの圧電素子16における共通の部材である。これらの構成によって、4つの圧電素子16が、所定方向においてλ/2の間隔で、極性を交互に反転させつつ並べられている。
【0029】
搬送トラック27の一方の直線部分の裏面に駆動手段23aが配置されている。搬送トラック27の他方の直線部分の裏面に駆動手段23bが配置されている。駆動手段23aは、4つの圧電素子16a(本発明の第1圧電素子)を有する。各圧電素子16aは、容量成分(本発明の第1の容量成分)を有する。駆動手段23bは、4つの圧電素子16b(本発明の第2圧電素子)を有する。各圧電素子16bは、容量成分(本発明の第2の容量成分)を有する。4つの圧電素子16aのうち最も前方の圧電素子16aの中央部と、4つの圧電素子16bのうち最も前方の圧電素子16bの中央部との間には、振動部21Vに沿って(n+1/4)λの隔たりがある(図示省略)。nは、0以上の整数である。
【0030】
なお、電極19の代わりに、電極18と同程度の面積を有する4つの電極が、セラミックス部17を挟んで電極18と対向するように裏面に貼り付けられていても良い。その場合、裏面に貼り付けられた4つの電極の電位は、例えばジャンパ線等で共通化される。また、各駆動手段23が有する圧電素子16の数は、4つに限られない。
【0031】
スイッチング信号生成部41は、駆動回路部42に送られる複数のスイッチング信号を生成するように構成されている。複数のスイッチング信号は、駆動回路部42が有する複数のスイッチング素子(後述)のオンオフを所定のタイミングで切り替えるための信号である。スイッチング信号生成部41は、所定の周波数、デューティ比及び位相を有するスイッチング信号を生成及び出力可能に構成されている。スイッチング信号の周波数は、例えば超音波領域の周波数であっても良い。スイッチング信号の周波数は、例えば、後述する追尾部44によって自動的に調整されることが可能であっても良い。スイッチング信号生成部41は、駆動回路部42と電気的に接続されている。スイッチング信号生成部41によって生成される信号の詳細については後述する。なお、
図5に示された「第1の信号群」とは、駆動回路部42に送られる複数のスイッチング信号のうち、駆動手段23aを動作させるための複数のスイッチング信号を意味する。同じく、「第2の信号群」とは、駆動手段23bを動作させるための複数のスイッチング信号を意味する。
【0032】
駆動回路部42は、振動部21Vを加振するための交流電圧を2つの駆動手段23に印加するように構成されている。駆動回路部42は、スイッチング信号生成部41から送られてきた複数のスイッチング信号に基づいて、所定の波形、振幅、周波数及び位相を有する交流電圧を出力するように構成されている。駆動回路部42は、駆動手段23aに印加される第1交流電圧及び駆動手段23bに印加される第2交流電圧を出力するように構成されている。なお、第1交流電圧の位相と第2交流電圧の位相が互いに90°異なるように、スイッチング信号生成部41から駆動回路部42に複数のスイッチング信号が送られる。駆動回路部42のより詳細な構成については後述する。
【0033】
第1交流電圧が駆動手段23aに印加され且つ第2交流電圧が駆動手段23bに印加されたとき、駆動手段23aと駆動手段23bが伸縮する。これにより、振動部21V全体において、上下方向にのみ振動する2つの定在波が発生する。2つの定在波の波長は、上述したλと概ね等しい。2つの定在波の位相は、互いに約90°異なる。一方の定在波の節の位置と他方の定在波の節の位置は、概ねλ/4ずれている。2つの定在波が重なり合ったとき、搬送面31、32において一方向へ進行するたわみ進行波が生じる。たわみ進行波によって、搬送面31、32の各点が上下方向及び水平方向に振動する。
【0034】
さらに、進行波生成部22は、例えば、差分検出部43と、追尾部44とを有する(
図5参照)。進行波生成部22は、差分検出部43によって2つの定在波の振幅の差分を検出し、当該差分をゼロに近づけるために、追尾部44によってスイッチング信号の周波数を調整する。詳細については、例えば特開2019-193340号公報を参照されたい。
【0035】
(たわみ進行波の具体例)
搬送面31に発生するたわみ進行波について、
図6(a)~
図6(d)を参照しつつ説明する。
図6(a)~
図6(d)は、搬送面31に発生するたわみ進行波を側面から見た図である。たわみ進行波は、
図6(a)において実線の矢印で示す方向(後方)へ、周期Tで進行する。振動部21Vの振動の中立軸Nは、例えば振動部21Vの上下方向における中心に位置している。
【0036】
時刻t=0において、搬送面31上のある質点Zが、最も上昇した状態であるとする(
図6(a)参照)。その後、質点Zは下降するとともに前方に移動し、時刻t=T/4において最も前方に位置する(
図6(b)参照)。また、質点Zは、時刻t=2T/4においては最も下方に位置し(
図6(c)参照)、時刻3T/4においては最も後方にある(
図6(d)参照)。このように、質点Zは、楕円軌道EOを描くように上下方向及び前後方向に運動する。楕円軌道EOにおいて、質点Zが最も上方にあるとき、搬送面31とワークWとの間の摩擦力による水平方向(搬送方向)の推進力が発生し、たわみ進行波の進行方向とは逆方向へワークWが搬送される。このように、搬送面31上の各部分が、搬送方向の速度成分と上下方向の速度成分とを有するように楕円運動することで、ワークWが搬送方向へ搬送される。搬送面32についても同様である。
【0037】
(従来の駆動回路部の問題点等)
本実施形態の駆動回路装置50の詳細について説明する前に、従来の駆動回路装置100(
図7参照)の問題点等について以下説明する。より具体的には、駆動回路装置100の構成の例、駆動回路装置100を駆動するためのスイッチング信号等の例、駆動回路装置100において発生する問題点、及び、後述のリアクトル123、133を駆動回路装置100から除いた場合に発生する問題点を述べる。
【0038】
まず、駆動回路装置100の構成について、
図7の回路図を参照しつつ説明する。駆動回路装置100は、電源部101と、ハーフブリッジインバータ回路102と、ハーフブリッジインバータ回路103とを有する(それぞれ、
図7の二点鎖線で囲まれた部分を参照)。駆動回路装置100は、電源部101によって駆動されるハーフブリッジインバータ回路102によって、第1容量性負荷124を駆動するように構成されている。第1容量性負荷124は、上述した振動部21Vと駆動手段23a(
図5参照)とを有する。また、駆動回路装置100は、同じく電源部101によって駆動されるハーフブリッジインバータ回路103によって、上述した振動部21Vと駆動手段23b(
図5参照)を含む第2容量性負荷134を駆動するように構成されている。
【0039】
電源部101は、例えば、直流電源111と、コンデンサ112、113とを有する。電源部101は、直流電源111の電源電圧(以下、説明の便宜上Vsと呼ぶ)をコンデンサ112及びコンデンサ113によって分割するように構成されている。コンデンサ112及びコンデンサ113は、直流電源111と直列に接続されている。コンデンサ112は、直流電源111の正端子に電気的に接続されている。コンデンサ113は、直流電源111の負端子に電気的に接続されている。コンデンサ112の容量とコンデンサ113の容量は略等しい。コンデンサ112とコンデンサ113との間の端子の電位が、駆動回路装置100の基準電位である。
【0040】
ハーフブリッジインバータ回路102は、直流電源111と直列に接続されている。ハーフブリッジインバータ回路102は、スイッチング素子121、122と、リアクトル123と、第1容量性負荷124とを有する。スイッチング素子121、122は、例えば一般的なN型の電界効果トランジスタ(FET)である。スイッチング素子121、122の各々は、上述したスイッチング信号生成部41(
図5参照)において生成されたスイッチング信号によってオンオフされる。スイッチング信号は、各スイッチング素子121、122のゲートに入力される。スイッチング素子121、122は、直流電源111と直列に接続されている。スイッチング素子121のドレインは、直流電源の正端子と接続されている。スイッチング素子121のソースは、スイッチング素子122のドレインと接続されている。スイッチング素子122のソースは、直流電源の負端子と接続されている。このように配置された一対のスイッチング素子121、122は、一般的にレグとも呼ばれる。スイッチング素子121には、還流ダイオード121Dが並列に接続されている。スイッチング素子122には、還流ダイオード122Dが並列に接続されている。スイッチング素子121、122の各々の構成は、上述したものに限られない。
【0041】
リアクトル123は、第1容量性負荷124に流れる電流が急激に変化することを抑制するための素子である。リアクトル123は、インダクタンスの成分を有する。リアクトル123は、第1容量性負荷124と直列に接続されている。リアクトル123の一方の端子は、スイッチング素子121とスイッチング素子122との間の端子に接続されている。リアクトル123の他方の端子は、第1容量性負荷124の一方の端子に接続されている。第1容量性負荷124は、上述したように、振動部21Vと駆動手段23a(
図5参照)とを含む。第1容量性負荷124は、容量成分を有する。第1容量性負荷124の一方の端は、リアクトル123の他方の端子に接続されている。第1容量性負荷124の他方の端子は、コンデンサ112とコンデンサ113との間の端子に接続されている。以上の配置により、リアクトル123及び第1容量性負荷124の両端に印加される電圧(以下、説明の便宜上Voと呼ぶ)は、-Vs/2から+Vs/2までの範囲で変化する。第1容量性負荷124の両端に印加される電圧(以下、説明の便宜上Vpと呼ぶ)も、-Vs/2から+Vs/2までの範囲で変化する。
【0042】
ハーフブリッジインバータ回路103は、スイッチング素子131、132と、リアクトル133と、第2容量性負荷134とを有する。ハーフブリッジインバータ回路103は、直流電源111と直列に接続されている。ハーフブリッジインバータ回路103は、ハーフブリッジインバータ回路102と並列に接続されている。スイッチング素子131、132は、ハーフブリッジインバータ回路102のスイッチング素子121、122と同様の構成をそれぞれ有し、且つ、ハーフブリッジインバータ回路103内においてスイッチング素子121、122と同様に配置されている。スイッチング素子131、132には、還流ダイオード131D、132Dがそれぞれ並列に接続されている。
【0043】
リアクトル133は、ハーフブリッジインバータ回路102のリアクトル123と同様の構成を有し、且つ、ハーフブリッジインバータ回路103内においてリアクトル123と同様に配置されている。第2容量性負荷134は、上述したように、振動部21Vと駆動手段23b(
図5参照)とを含む。第2容量性負荷134は、容量成分を有する。第2容量性負荷134は、ハーフブリッジインバータ回路103内において、第1容量性負荷124と同様に配置されている。
【0044】
次に、駆動回路装置100を駆動するためのスイッチング信号等の例について、
図8(a)~
図8(d)を参照しつつ説明する。
図8(a)~
図8(d)のグラフの横軸は全て時間を示す。
図8(a)は、スイッチング素子121に印加される第1スイッチング信号の時間変化を示すグラフである。
図8(a)のグラフの縦軸は、第1スイッチング信号のオン、オフを示す。
図8(b)は、スイッチング素子122に印加される第2スイッチング信号の時間変化を示すグラフである。
図8(b)のグラフの縦軸は、第2スイッチング信号のオン、オフを示す。
図8(c)は、上述したVoの時間変化を示すグラフである。
図8(c)のグラフの縦軸は、Voを示す。
図8(d)は、上述したVpの時間変化を示すグラフである。
図8(d)のグラフの縦軸は、Vpを示す。
【0045】
以下では、ハーフブリッジインバータ回路102及びハーフブリッジインバータ回路103のうち、ハーフブリッジインバータ回路102の動作の詳細について説明する。ハーフブリッジインバータ回路103の動作の詳細な説明は省略する。ハーフブリッジインバータ回路103において、第2容量性負荷134に印加される交流電圧の位相が第1容量性負荷124に印加される交流電圧の位相に対して90°ずれるように、スイッチング信号生成部41(
図5参照)においてスイッチング信号が生成される。
【0046】
ハーフブリッジインバータ回路102は、電源部101及びスイッチング信号生成部41(
図5参照)によって動作させられる。スイッチング信号生成部41は、スイッチング素子121に印加される第1スイッチング信号(
図8(a)参照)と、スイッチング素子122に印加される第2スイッチング信号(
図8(b)参照)とを生成可能である。第1スイッチング信号の周波数と第2スイッチング信号の周波数は略同じである。以下、説明の便宜上、当該周波数をスイッチング周波数(fs)とする。第1スイッチング信号の周期及び第2スイッチング信号の周期をTsとしたとき、Ts=1/fsである(
図8(a)及び
図8(b)参照)。第1スイッチング信号の位相と第2スイッチング信号の位相は略180°異なる。第1スイッチング信号のデューティ比と第2スイッチング信号のデューティ比は略同じである。第1スイッチング信号のデューティ比及び第2スイッチング信号のデューティ比は、いずれも50%以下である。すなわち、第1スイッチング信号及び第2スイッチング信号のうち一方がオンであるとき、他方はオフである。
【0047】
Voの時間変化について、
図8(c)を参照しつつ、順を追って簡単に説明する。まず、第1スイッチング信号が所定のタイミングでオンになったとき、電流がスイッチング素子121、リアクトル123、第1容量性負荷124及びコンデンサ112を流れる。このとき、Voは+Vs/2になる。また、第1容量性負荷124が充電される。第1スイッチング信号がオフになったとき、リアクトル123に流れる電流が維持されようとするため、電流が還流ダイオード122D、リアクトル123、第1容量性負荷124及びコンデンサ113を流れる。このとき、Voは-Vs/2になる。なお、当該電流は時間経過に伴って減衰し、Voはゼロになる(又はゼロに近づく)。次に、第2スイッチング信号がオンになったとき、電流がスイッチング素子122、リアクトル123、第1容量性負荷124及びコンデンサ113を流れる。このとき、Voは-Vs/2になる。また、第1容量性負荷124が充電される。第2スイッチング信号がオフになったとき、電流が還流ダイオード121D、リアクトル123、第1容量性負荷124及びコンデンサ112を流れる。このとき、Voは+Vs/2になる。この繰り返しによって、Voは-Vs/2と+Vs/2との間で周期的に変化する。Voの周期は上述したTsである。Voの周波数は上述したfsである。Voの時間変化の波形は、例えば
図8(c)に示すように、概ね矩形波状である。Voの実効値は、第1スイッチング信号及び第2スイッチング信号のデューティ比に応じて変化する。
【0048】
Vpは、リアクトル123によって電流変化が抑制されることに起因して、Voと比べて波形が滑らかになる(
図8(d)参照)。Vpの位相はVoの位相に対してややずれている。Vpが第1容量性負荷124に印加されることによって、駆動手段23a及び振動部21Vが振動する。同様に、Vpの位相と略90°異なる交流電圧が第2容量性負荷134に印加されることによって、駆動手段23b及び振動部21Vが振動する。
【0049】
次に、駆動回路装置100において発生する問題点について説明する。スイッチング周波数は、各駆動手段23及び振動部21Vの振動効率(すなわち、振幅)を極力大きくするため、第1容量性負荷124の共振周波数及び第2容量性負荷134の共振周波数に概ね等しくなるように設定される。以下、第1容量性負荷124の共振周波数を第1共振周波数と呼ぶ。第2容量性負荷134の共振周波数を第2共振周波数と呼ぶ。第1共振周波数及び第2共振周波数は、例えば超音波領域の周波数(20kHz以上)である。また、上述した差分検出部43及び追尾部44によって、スイッチング周波数が頻繁に微調整される。スイッチング周波数が微調整されたときに、駆動回路装置100を備える従来のパーツフィーダ(不図示)によるワークWの搬送が不安定化すること(例えば、搬送速度の大きな変動など)が、本願発明者によって知見された。
【0050】
搬送の不安定化の原因について、
図9(a)及び
図9(b)を参照しつつ説明する。
図9(a)は、Vpの実効値とスイッチング周波数との関係を示すグラフである。
図9(b)は、VoとVpとの位相差と、スイッチング周波数との関係を示すグラフである。
【0051】
第1共振周波数をf1としたとき、スイッチング周波数がf1の近傍で変化したときに、Vpの実効値(
図9(a)参照)及びVoとVpとの位相差(
図9(b)参照)が大きく変動することが分かった。この現象は、第1容量性負荷124及び第2容量性負荷134の両方において生じる。また、第1共振周波数と第2共振周波数とを完全に同一にすることは一般的に困難であり、第1共振周波数と第2共振周波数との間に多少の差が生じる。これにより、スイッチング周波数の変化によって第1容量性負荷124の振動の振幅と第2容量性負荷134の振動の振幅との比が大きく変動する。さらに、スイッチング周波数の変化に伴い、第1容量性負荷124の振動と第2容量性負荷134の振動との位相差も大きく変動する。このような位相差の変動に起因して、スイッチング周波数の微調整が行われた際に、上述した2つの定在波の位相差が変動し、たわみ進行波の生成が困難になり、ワークWの搬送が不安定になるという問題がある。
【0052】
上述したVoとVpとの位相差の発生は、駆動回路装置100にリアクトル123、133が設けられていることに起因すると本願発明者は考えた。この理由は以下のとおりである。リアクトル123のインピーダンスをZLとし、第1容量性負荷124のインピーダンスをZpとしたとき、VpとVoとの関係は下記の数式によって示される。
【0053】
Vp=Vo×Zp/(ZL+Zp)
【0054】
上記の式によれば、駆動回路装置100からリアクトル123、133を取り除くことによって、ZLが実質的にゼロとなり、VpがVoと略等しくなる。また、Voの実効値及び位相は、スイッチング周波数には依存しない。したがって、VpがVoと略等しければ、スイッチング周波数の変化によるVpの実効値及び位相の大きな変化も起こらない。本願発明者は以上のように考察した。
【0055】
しかしながら、駆動回路装置100から単純にリアクトル123、133を取り除くと、別の問題が発生することが分かった。この問題について、
図10(a)~
図10(d)を参照しつつ説明する。
図10(a)及び
図10(b)は、
図8(a)及び
図8(b)とそれぞれ同じグラフである。
図10(c)は、
図8(c)と同様に、Voの時間変化を示すグラフである。
図10(d)は、
図8(d)と同様に、Vpの時間変化を示すグラフである。
【0056】
駆動回路装置100からリアクトル123、133が取り除かれた構成では、Vp(≒Vo)は以下のように振る舞う。第1スイッチング信号(
図10(a)参照)がオンになったとき、Voは+Vs/2になる(
図10(c)参照)。また、リアクトル123による電流変化の抑制が行われないため、第1容量性負荷124が一瞬で充電される。したがって、Voが+Vs/2になるのと略同時に、Vpが+Vs/2になる(
図10(d)参照)。第1スイッチング信号がオフになったとき、第1容量性負荷124から電荷が解放されず、Vo及びVpは+Vs/2に維持される。第2スイッチング信号(
図10(b)参照)がオンになったとき、Voは-Vs/2になる(
図10(c)参照)。また、リアクトル123による電流の抑制が行われないため、第1容量性負荷124が一瞬で充電される。したがって、Voが-Vs/2になるのと略同時に、Vpが-Vs/2になる(
図10(d)参照)。第2スイッチング信号がオフになったとき、第1容量性負荷124から電荷が解放されず、Voは-Vs/2に維持される(
図10(c)参照)。これの繰り返しにより、第1スイッチング信号及び第2スイッチング信号のデューティ比によらず、Vo及びVpは、デューティ比50%の矩形波になる。このため、Vpの実効値を制御できなくなる。したがって、駆動回路装置100から単にリアクトル123、133を取り除いても、駆動回路装置100を正常に動作させることができない。
【0057】
そこで、各容量性負荷を正常に動作させつつ、各容量性負荷への印加電圧の意図しない変動を抑制するため、駆動回路装置50は以下のように構成されている。
【0058】
(駆動回路装置の詳細構成)
本実施形態の駆動回路装置50の詳細構成について、
図11の回路図を参照しつつ説明する。駆動回路装置50は、電源部51と、フルブリッジインバータ回路52と、フルブリッジインバータ回路53とを有する。フルブリッジインバータ回路52は、後述の第1容量性負荷73を駆動するための回路である。フルブリッジインバータ回路53は、後述の第2容量性負荷83を駆動するための回路である。
【0059】
電源部51は、交流電源61と、第1直流電源部62と、第2直流電源部63とを有する。第1直流電源部62は、フルブリッジインバータ回路52を駆動するための直流電源回路である。第2直流電源部63は、フルブリッジインバータ回路53を駆動するための直流電源回路である。
【0060】
第1直流電源部62は、交流電源61と合わせて、例えば公知の絶縁型フライバック・コンバータを構成している。第1直流電源部62は、トランス64と、ダイオード65と、コンデンサ66(本発明の第1直流電源)とを有する。トランス64は、電磁誘導を利用して交流電源61の電源電圧(交流電圧)を変圧する機器である。トランス64は、1次コイル及び2次コイルを有する。1次コイルは、交流電源61と直列に接続されている。2次コイルは、ダイオード65及びコンデンサ66と直列に接続されている。ダイオード65は、変圧された交流電圧を整流する。コンデンサ66は、ダイオード65によって整流された交流電圧を直流電圧に変換する。
【0061】
第2直流電源部63は、第1直流電源部62と同様、交流電源61と合わせて、例えば絶縁型フライバック・コンバータを構成している。第2直流電源部63は、トランス67と、ダイオード68と、コンデンサ69(本発明の第2直流電源)とを有する。トランス67の1次コイルは、交流電源61と直列に接続され、且つトランス64の1次コイルと並列に接続されている。トランス67の2次コイルは、ダイオード68及びコンデンサ69と直列に接続されている。ダイオード68はダイオード65と同様の機能を有する。コンデンサ69はコンデンサ66と同様の機能を有する。コンデンサ69は、コンデンサ66と電気的に絶縁されている。
【0062】
フルブリッジインバータ回路52は、第1レグ71と、第2レグ72と、第1容量性負荷73とを有する。第1レグ71は、第1直流電源部62と直列に接続されている。第1レグ71は、一対の第1スイッチング素子74(第1スイッチング素子74A、74B)を有する。第1スイッチング素子74A、74Bは直列に接続されている。第1スイッチング素子74Aには還流ダイオード74ADが並列に接続されている。第1スイッチング素子74Bには還流ダイオード74BDが並列に接続されている。第1スイッチング素子74Aと第1スイッチング素子74Bとの間には、第1端子T1が配置されている。
【0063】
第2レグ72は、第1直流電源部62と直列且つ第1レグ71と並列に接続されている。第2レグ72は、一対の第2スイッチング素子75(第2スイッチング素子75A、75B)を有する。第2スイッチング素子75A、75Bは直列に接続されている。第2スイッチング素子75Aには還流ダイオード75ADが並列に接続されている。第2スイッチング素子75Bには還流ダイオード75BDが並列に接続されている。第2スイッチング素子75Aと第2スイッチング素子75Bとの間には、第2端子T2が配置されている。
【0064】
第1容量性負荷73は、上述した振動部21Vと駆動手段23a(
図5参照)とを有する。第1容量性負荷73は、第1端子T1と第2端子T2との間に配置されている。第1端子T1と第2端子T2との間には、リアクトルが配置されていない。第1端子T1と第1容量性負荷73との間には、配線のみが設けられている。第2端子T2と第1容量性負荷73との間には、同じく配線のみが設けられている。第1容量性負荷73の共振周波数は、例えば20kHz以上である。
【0065】
フルブリッジインバータ回路53は、第3レグ81と、第4レグ82と、第2容量性負荷83とを有する。第3レグ81は、第2直流電源部63と直列に接続されている。第3レグ81は、一対の第3スイッチング素子84(第3スイッチング素子84A、84B)を有する。第3スイッチング素子84A、84Bは直列に接続されている。第3スイッチング素子84Aには還流ダイオード84ADが並列に接続されている。第3スイッチング素子84Bには還流ダイオード84BDが並列に接続されている。第3スイッチング素子84Aと第3スイッチング素子84Bとの間には、第3端子T3が配置されている。
【0066】
第4レグ82は、第2直流電源部63と直列且つ第3レグ81と並列に接続されている。第4レグ82は、一対の第4スイッチング素子85(第4スイッチング素子85A、85B)を有する。第4スイッチング素子85A、85Bは直列に接続されている。第4スイッチング素子85Aには還流ダイオード85ADが並列に接続されている。第4スイッチング素子85Bには還流ダイオード85BDが並列に接続されている。第4スイッチング素子85Aと第4スイッチング素子85Bとの間には、第4端子T4が配置されている。
【0067】
第2容量性負荷83は、上述した振動部21Vと駆動手段23b(
図5参照)とを有する。第2容量性負荷83は、第3端子T3と第4端子T4との間に配置されている。第3端子T3と第4端子T4との間には、リアクトルが配置されていない。第3端子T3と第2容量性負荷83との間には、配線のみが設けられている。第4端子T4と第2容量性負荷83との間には、同じく配線のみが設けられている。第2容量性負荷83の共振周波数は、例えば20kHz以上である。
【0068】
第2端子T2と第4端子T4は、電気的に互いに短絡されている。これにより、第1容量性負荷73の一方(第2端子T2側)の端子の電位と、第2容量性負荷83の一方(第4端子T4側)の端子の電位は略等しい。当該電位が、フルブリッジインバータ回路52、53における基準電位である。
【0069】
(駆動回路装置の動作)
以上の構成を有する駆動回路装置50の動作について、
図12(a)~
図13(c)を参照しつつ説明する。
図12(a)~
図13(c)のグラフの横軸は、全て時間を示す。
図12(a)は、第1スイッチング素子74Aに印加されるスイッチング信号(以下、説明の便宜上、信号Aと呼ぶ)の時間変化を示すグラフである。
図12(a)のグラフの縦軸は、信号Aのオン、オフを示す。
図12(b)は、第1スイッチング素子74Bに印加されるスイッチング信号(以下、説明の便宜上、信号Bと呼ぶ)の時間変化を示すグラフである。
図12(b)のグラフの縦軸は、信号Bのオン、オフを示す。
図12(c)は、第2スイッチング素子75Aに印加されるスイッチング信号(以下、説明の便宜上、信号Cと呼ぶ)の時間変化を示すグラフである。
図12(c)のグラフの縦軸は、信号Cのオン、オフを示す。
図12(d)は、第2スイッチング素子75Bに印加されるスイッチング信号(以下、説明の便宜上、信号Dと呼ぶ)の時間変化を示すグラフである。
図12(d)のグラフの縦軸は、信号Dのオン、オフを示す。
【0070】
図13(a)は、第1スイッチング素子74Bのドレインとソースとの間に印加される電圧(以下、説明の便宜上VoLと呼ぶ)の時間変化を示すグラフである。
図13(a)のグラフの縦軸は、VoLを示す。
図13(b)は、第2スイッチング素子75Bのドレインとソースとの間に印加される電圧(以下、説明の便宜上VoRと呼ぶ)の時間変化を示すグラフである。
図13(b)のグラフの縦軸は、VoRを示す。
図13(c)は、第1容量性負荷73に印加される電圧(以下、説明の便宜上Vp1と呼ぶ)の時間変化を示すグラフである。
図13(c)のグラフの縦軸は、Vp1を示す。
【0071】
以下では、フルブリッジインバータ回路52及びフルブリッジインバータ回路53のうち、フルブリッジインバータ回路52の動作の詳細について説明する。説明の便宜上、第1直流電源部62の電源電圧をVdcとする。上述したように、第1スイッチング素子74Bに印加される電圧をVoLとする。第2スイッチング素子75Bに印加される電圧をVoRとする。第1容量性負荷73に印加される電圧をVp1とする。Vp1=VoL-VoRである。
【0072】
スイッチング信号生成部41(
図5参照)は、所定のスイッチング周波数(fs)を有する信号A(
図12(a)参照)を生成及び出力する。スイッチング周波数は、例えば20kHz以上である。信号Aのデューティ比は、例えば50%である。信号Aは、第1スイッチング素子74Aのゲートに印加される。また、スイッチング信号生成部41は、信号Aと略同じ周波数の信号B(
図12(b)参照)を生成及び出力する。信号Bのデューティ比は、例えば50%である。信号Bは、第1スイッチング素子74Bのゲートに印加される。信号Bの位相は、信号Aの位相と略180°異なる。信号A及び信号Bの一方がオンのとき、他方はオフである。
【0073】
また、スイッチング信号生成部41は、信号C(
図12(c)参照)を生成及び出力する。信号Cの周波数は、信号Aの周波数と略等しい。信号Cの位相は、信号Aの位相に対して所定の位相だけ異なる。信号Aと信号Cとの位相差を、例えばΦと呼ぶ(
図12(a)及び
図12(c)においては図示省略。
図13(a)及び
図13(b)を参照されたい)。信号Cのデューティ比は、例えば50%である。信号Cは、第2スイッチング素子75Aのゲートに印加される。また、スイッチング信号生成部41は、信号Cと略同じ周波数の信号D(
図12(d)参照)を生成及び出力する。信号Dのデューティ比は、例えば50%である。信号Dは、第2スイッチング素子75Bのゲートに印加される。信号Dの位相は、信号Cの位相と略180°異なる。信号C及び信号Dの一方がオンのとき、他方はオフである。
【0074】
信号Aがオン且つ信号Bがオフのとき、第1スイッチング素子74Aはオン、且つ第1スイッチング素子74Bはオフである。このとき、第1直流電源部62の電源電圧のほぼ全てが第1スイッチング素子74Bに印加される。したがって、VoLはVdcと略等しい(
図13(a)参照)。また、信号Aがオフ且つ信号Bがオンのとき、第1スイッチング素子74Aはオフ、且つ第1スイッチング素子74Bはオンである。このとき、VoLはゼロと略等しい(
図13(a)参照)。このように、VoLの波形は、デューティ比50%の矩形波状になる。
【0075】
同様に、信号Cがオン且つ信号Dがオフのとき、VoRはVdcと略等しい(
図13(b)参照)。信号Cがオフ且つ信号Dがオンのとき、VoRはゼロと略等しい(
図13(b)参照)。このように、VoRの波形は、デューティ比50%の矩形波状になる。VoRの位相は、VoLの位相とΦだけ異なる(
図13(a)及び
図13(b)参照)。
【0076】
これにより、Vp1(=VoL-VoR)は、-Vdcと+Vdcとの間で振動する(
図13(c)参照)。振動の周波数はfsと略等しい。これにより、第1容量性負荷73をfsと略同じ周波数で駆動できる。
【0077】
スイッチング信号生成部41がVoLとVoRとの位相差(すなわち、Φ)を変化させることによって、Vp1の実効値を調節することが可能である。Φが0°に近いほど、Vp1の実効値は小さい。Φが180°に近いほど、Vp1の実効値は大きい。このようにして、リアクトルが設けられていないフルブリッジインバータ回路52において、第1容量性負荷73の振動の大きさを調節できる。また、スイッチング周波数が変更されても、第1容量性負荷73の振動の大きさ及び位相が大きく変動することを抑制できる。なお、Φは、第2容量性負荷83の振動の大きさ等との関係を考慮して、駆動回路装置50の駆動前又は駆動中に適切に設定されることが求められる。
【0078】
フルブリッジインバータ回路53の動作の詳細な説明は省略する。第2容量性負荷83に印加される交流電圧の位相が第1容量性負荷73に印加される交流電圧の位相に対して90°ずれるように、スイッチング信号生成部41(
図5参照)においてスイッチング信号が生成される。これによって、第2容量性負荷83が駆動される。なお、第3スイッチング素子84A、84Bに印加されるスイッチング信号の位相と、第4スイッチング素子85A、85Bに印加されるスイッチング信号の位相との差は、駆動回路装置50の駆動前又は駆動中に適切に設定されることが求められる。
【0079】
以上のように、第1容量性負荷73及び第2容量性負荷83がフルブリッジインバータ回路52、53にそれぞれ接続されている。フルブリッジインバータ回路52においては、一対の第1スイッチング素子74のいずれか1つ及び一対の第2スイッチング素子75のいずれか1つがオンになっている状態を維持することにより、第1容量性負荷73の放電経路を確保できる。同様に、フルブリッジインバータ回路53において、第2容量性負荷83の放電経路も確保できる。このような構成において、第1レグ71へのスイッチング信号と第2レグ72へのスイッチング信号との位相差を調節することにより、第1容量性負荷への印加電圧の実効値を調節できる。同様に、第2容量性負荷への印加電圧の実効値も調節できる。
【0080】
また、第2端子T2と第4端子T4とが電気的に短絡されている。これにより、第1容量性負荷73の一方の端子と第2容量性負荷83の一方の端子とが等電位化される。さらに、第1直流電源として機能するコンデンサ66と、第2直流電源として機能するコンデンサ69とが互いに電気的に絶縁されている。これにより、各スイッチング素子の作動状態によらず、コンデンサ66とコンデンサ69との短絡を防止できる。したがって、当該短絡による駆動回路装置50の故障を防止できる。以上より、駆動回路装置50において、各容量性負荷への印加電圧の意図しない変動を抑制できる。
【0081】
また、従来の駆動回路装置100においては、リアクトルと容量性負荷によって構成されるインピーダンスの共振周波数が存在する。当該共振周波数は、駆動周波数と比較すると非常に低い。このため、誤って低周波数のスイッチング信号が駆動回路装置100に印加された場合に、駆動回路装置100に大電流が流れることにより駆動回路装置100が故障するおそれがあった。本実施形態の駆動回路装置50においては、リアクトルが設けられていないため、当該共振周波数は存在しない。このため、上述した大電流が駆動回路装置50に流れるリスクを回避できる。
【0082】
また、第1容量性負荷73の共振周波数の近傍でスイッチング周波数(駆動周波数)を調整しても、圧電素子16aによる搬送部21の振動の振幅及び位相の急激な変化を抑制できる。また、第2容量性負荷83の共振周波数の近傍で駆動周波数を調整しても、圧電素子16bによる搬送部21の振動の振幅及び位相の急激な変化を抑制できる。したがって、ワークWを安定的に搬送できる。
【0083】
次に、前記実施形態に変更を加えた変形例について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
【0084】
(1)前記実施形態において、駆動回路装置50は、20kHz以上の高周波数のスイッチング信号によって駆動されるリニアフィーダ3に適用されるものとした。しかしながら、これには限られない。駆動回路装置50は、より低い周波数のスイッチング信号によって駆動される振動搬送装置に適用されても良い。
【0085】
(2)前記までの実施形態において、フルブリッジインバータ回路52、53は、Vp1が2つの電圧レベル(-Vdc及び+Vdc)の間で振動するように構成されているものとした。このようなフルブリッジインバータ回路は、一般的に「2レベルのフルブリッジインバータ回路」と呼ばれる。しかしながら、これには限られない。フルブリッジインバータ回路52、53は、3つ以上の電圧のレベルを有する、いわゆる「3レベル以上のフルブリッジインバータ回路」であっても良い。
【0086】
(3)前記までの実施形態において、駆動回路装置50に印加されるスイッチング信号のデューティ比は50%であるものとした。しかしながら、これには限られない。デューティ比は、例えば50%未満であっても良い。
【0087】
(4)前記までの実施形態において、フルブリッジインバータ回路52、53にはリアクトルが設けられていないものとした。しかしながら、これには限られない。例えば、上述したVp1の周波数依存性が問題とならない程度の微小なインダクタンス成分を有するリアクトルが、フルブリッジインバータ回路52及び/又は53に設けられていても良い。
【0088】
(5)前記までの実施形態において、駆動回路装置50によって2つの駆動手段23(駆動手段23a、23b)が駆動されるものとした。しかしながら、これには限られない。リニアフィーダ3などの振動搬送装置は、例えば、圧電素子を有する3つ以上の駆動手段(不図示)を備えていても良い。駆動回路装置50は、3つ以上の駆動手段を駆動可能に構成されていても良い。
【0089】
(6)前記までの実施形態において、電源部51の例として、絶縁型フライバック・コンバータを挙げた。しかしながら、これには限られない。電源部51は、他の構成を有していても良い。或いは、電源部51は、互いに電気的に絶縁された2つの直流電源を有していても良い。
【符号の説明】
【0090】
3 リニアフィーダ(振動搬送装置)
16a 圧電素子(第1圧電素子)
16b 圧電素子(第2圧電素子)
21 搬送部
50 駆動回路装置
66 コンデンサ(第1直流電源)
69 コンデンサ(第2直流電源)
71 第1レグ
72 第2レグ
73 第1容量性負荷
74 第1スイッチング素子
74A 第1スイッチング素子
74B 第1スイッチング素子
75 第2スイッチング素子
75A 第2スイッチング素子
75B 第2スイッチング素子
81 第3レグ
82 第4レグ
83 第2容量性負荷
84 第3スイッチング素子
84A 第3スイッチング素子
84B 第3スイッチング素子
85 第4スイッチング素子
85A 第4スイッチング素子
85B 第4スイッチング素子
T1 第1端子
T2 第2端子
T3 第3端子
T4 第4端子
W ワーク(搬送品)