(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024003692
(43)【公開日】2024-01-15
(54)【発明の名称】運行装置、運行方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 5/00 20060101AFI20240105BHJP
G06Q 50/40 20240101ALI20240105BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240105BHJP
【FI】
G08G5/00 A
G06Q50/30
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022103015
(22)【出願日】2022-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】水田 高弘
(72)【発明者】
【氏名】田靡 哲也
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】徳見 栄一
【テーマコード(参考)】
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181AA25
5H181AA26
5H181BB04
5H181CC04
5H181MB04
5L049CC42
(57)【要約】
【課題】正式に移動体の運行をしていることを客観的に通知可能な運行装置等を提供する。
【解決手段】運行装置11は、許可情報取得部111、証明情報生成部112および発信部113を有する。許可情報取得部111は、運行者が所定の移動体を運行することについて許可を受けていることを示す許可情報を取得する。証明情報生成部112は、受け取った許可情報と、運行者を特定する情報とに基づいて証明情報を生成する。発信部113は、所定の通信回線を介して他者が認識可能に証明情報を発信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運行者が所定の移動体を運行することについて許可を受けていることを示す許可情報を取得する許可情報取得部と、
受け取った前記許可情報と、前記運行者を特定する情報とに基づいて証明情報を生成する証明情報生成部と、
所定の通信回線を介して他者が認識可能に前記証明情報を発信する発信部と、を備える
運行装置。
【請求項2】
前記許可情報取得部は、前記許可にかかる前記運行の時間および場所の少なくともいずれか1つを含む前記許可情報を取得する、
請求項1に記載の運行装置。
【請求項3】
前記証明情報生成部は、自機の固有識別子を含む前記証明情報を生成する、
請求項1に記載の運行装置。
【請求項4】
前記証明情報生成部は、自機の位置情報を含む前記証明情報を生成する
請求項1に記載の運行装置。
【請求項5】
前記発信部は、前記運行の前記許可を受けている時間内は、前記許可にかかる前記証明情報を発信し、
前記運行の前記許可を受けている時間外は、前記許可にかかる前記証明情報の発信を抑制する、
請求項1に記載の運行装置。
【請求項6】
前記許可情報を発行する許可装置に対して前記許可情報を要求する要求部をさらに備え、
前記許可情報取得部は、要求に対する応答として前記許可情報を取得する、
請求項1~5のいずれか一項に記載の運行装置。
【請求項7】
前記運行者の認証をするための認証部をさらに備え、
前記許可情報取得部は、前記認証が成功した場合に前記許可情報を取得する、
請求項6に記載の運行装置。
【請求項8】
前記発信部は、前記通信回線として他者が所持する端末に直接前記証明情報を送信する、
請求項1~5のいずれか一項に記載の運行装置。
【請求項9】
所定の移動体を運行する運行者が有する運行装置が、
前記移動体を運行することについて許可を受けていることを示す許可情報を取得し、
受け取った前記許可情報と、前記運行者を特定する情報とに基づいて証明情報を生成し、
所定の通信回線を介して他者が認識可能に前記証明情報を発信する、
運行方法。
【請求項10】
運行者が所定の移動体を運行することについて許可を受けていることを示す許可情報を取得し、
受け取った前記許可情報と、前記運行者を特定する情報とに基づいて証明情報を生成し、
所定の通信回線を介して他者が認識可能に前記証明情報を発信する、
運行方法
を、コンピュータに実行させる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は運行装置、運行方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ドローン(無人航空機またはUAV(Unmanned Aerial Vehicle)等とも称される)の利用が拡大している。またこれに伴いドローンを円滑に活用するための提案が行われている。
【0003】
例えば特許文献1は、相互作用する各種の構成要素(UAV等)と関係者(ユーザ、所有者等)を一意的に識別し、上記関係者のための構成要素の登録、管理、および認証を支援するシステムについて開示する。
【0004】
特許文献2は、認証システムを用いてUAVおよびユーザ識別情報を確認し、ユーザとUAVとの間にセキュリティ保護された通信を提供する技術について開示する。
【0005】
特許文献3は、登録済アカウント識別子とパスワードとの組み合わせが指定された当該組み合わせの認証依頼に応答して、当該組み合わせの認証を行う技術等について開示する。
【0006】
特許文献4は、無人機運用管理手段から受信した運用許可情報を格納するとともに、運用端末から希望移動経路情報を受信し、希望移動経路情報が運用許可情報に適合していると判定した移動経路情報を無人機に送信する技術について開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表2019-530067号公報
【特許文献2】特表2017-532237号公報
【特許文献3】特開2018-032201号公報
【特許文献4】特開2016-173722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところでドローンを運行する場合において、そのドローンを操作する者(すなわち操作者)は、例えば所定の組織、団体または自治体等から運行の許可を予め受けていることが要件となる場合がある。しかしながら、操作者が許可を受けてあるいは合法にドローンの運行をしている場合であっても、客観的には合法であるか否かを判定する術がない。
【0009】
本開示の目的は、上述した課題を鑑み、正式にドローンの運行をしていることを客観的に通知可能な運行装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示にかかる運行装置は、許可情報取得部、証明情報生成部および発信部を有する。許可情報取得部は、運行者が所定の移動体を運行することについて許可を受けていることを示す許可情報を取得する。証明情報生成部は、受け取った許可情報と、運行者を特定する情報とに基づいて証明情報を生成する。発信部は、所定の通信回線を介して他者が認識可能に証明情報を発信する。
【0011】
本開示にかかる運行方法は、所定の移動体を運行する運行者が有する運行装置が、以下の方法を実行する。運行装置は、移動体を運行することについて許可を受けていることを示す許可情報を取得する。運行装置は、受け取った許可情報と、運行者を特定する情報とに基づいて証明情報を生成する。運行装置は、所定の通信回線を介して他者が認識可能に証明情報を発信する。
【0012】
本開示にかかるプログラムは、所定の移動体を運行する運行者が有する運行装置に、以下の運行方法を実行させる。運行装置は、移動体を運行することについて許可を受けていることを示す許可情報を取得する。運行装置は、受け取った許可情報と、運行者を特定する情報とに基づいて証明情報を生成する。運行装置は、所定の通信回線を介して他者が認識可能に証明情報を発信する。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、正式にドローンの運行をしていることを客観的に通知可能な運行装置等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施の形態1にかかる運行装置のブロック図である。
【
図2】実施の形態1にかかる運行方法のフローチャートである。
【
図3】実施の形態2にかかる運行装置を含むシステム構成図である。
【
図4】実施の形態2にかかる運行装置のブロック図である。
【
図5】実施の形態2にかかる他者端末のブロック図である。
【
図10】実施の形態3にかかる運行装置を含むシステム構成図である。
【
図11】実施の形態3にかかる運行装置のブロック図である。
【
図12】実施の形態3にかかる許可装置のブロック図である。
【
図13】実施の形態3にかかる運行装置と許可装置とが実行するシーケンス図である。
【
図14】実施の形態3にかかる運行装置と他者端末とが実行するシーケンス図である。
【
図15】コンピュータのハードウェア構成を例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、特許請求の範囲にかかる発明を以下の実施形態に限定するものではない。また、実施形態で説明する構成の全てが課題を解決するための手段として必須であるとは限らない。説明の明確化のため、以下の記載および図面は、適宜、省略、および簡略化がなされている。なお、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0016】
<実施の形態1>
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、実施の形態1にかかる運行装置のブロック図である。
図1に示す運行装置11は、所定の移動体を運行するための装置である。本開示における移動体とは、例えば遠隔操縦により移動する移動体または所定の管理下に置いて自律移動する移動体である。より具体的には、移動体は、無人航空機、自動運転車、自律移動ロボット、その他遠隔操作または自律移動により移動する船舶、工事車両、歩行ロボット等を含み得る。
【0017】
運行装置11は、移動体を運行する者が許可を受けてその移動体の運行を行っていることを他者に示す機能を有している。運行装置11は主な構成として、許可情報取得部111、証明情報生成部112および発信部113を有する。運行装置11は、移動体を制御する機能を有していてもよい。
【0018】
許可情報取得部111は、運行者が所定の移動体を運行することについて許可を受けていることを示す許可情報を取得する。許可情報は、移動体が移動する空間における移動体の運行を管轄する管轄団体等から発行される。許可情報は、その運行にかかる時間、場所および運行者に関する情報を含み得る。許可情報は運行にかかる移動体を識別するための機体情報を含み得る。許可情報取得部111は例えば、上記管轄団体が管理する許可装置から通信回線を介してこの許可情報を取得してもよい。許可情報取得部111はあるいは、許可情報を、所定の不揮発性の情報媒体を介して取得してもよい。
【0019】
証明情報生成部112は、証明情報を生成する。証明情報は、運行者が正式に許可を受けて移動体を運行していることを他者に対して証明するための情報である。すなわち証明情報は、運行者が正式に許可を受けて移動体を運行していることを他者が認識可能な内容を含む。よって、証明情報は、許可情報の少なくとも一部を含む。また証明情報は、運行者を特定する情報を含む。
【0020】
運行者を特定する情報は、例えば運行者の名称または所定の固有識別子を含み得る。運行者を特定する情報は、運行者が現在存在する位置に関する情報を含んでいてもよい。運行者を特定する情報は、運行者と運行装置11とを紐づける情報を含んでいてもよい。また運行者を特定する情報は、運行装置11を特定する情報であってもよい。
【0021】
発信部113は、所定の通信回線を介して他者が認識可能に証明情報を発信する。所定の通信回線は、有線であっても無線であってもよい。また所定の回線は、通信端末同士を直接通信可能に繋ぐ回線であってもよいし、所定のネットワークを介して他者が証明情報にアクセスできるものであってもよい。
【0022】
次に、
図2を参照して運行装置11が実行する処理について説明する。
図2は、実施の形態1にかかる運行方法のフローチャートである。
図2に示す処理は例えば、運行装置11を使用する運行者の操作により実行されてもよい。
【0023】
まず、運行装置11の許可情報取得部111は、移動体を運行することについて許可を受けていることを示す許可情報を所定の許可装置から取得する(ステップS11)。許可情報取得部111は、取得した許可情報を証明情報生成部112に供給する。
【0024】
次に、証明情報生成部112は、許可情報取得部111から受け取った許可情報と、運行者を特定する情報とから、証明情報を生成する(ステップS12)。証明情報生成部112は、証明情報を生成すると、生成した証明情報を発信部113に供給する。
【0025】
次に、発信部113は、証明情報生成部112から受け取った証明情報を発信する(ステップS13)。このとき発信部113は、証明情報を、他者が認識可能に発信する。運行装置11は、証明情報を発信すると、一連の処理を終了する。
【0026】
以上、運行装置11が実行する処理について説明した。上述の処理により、他者は、運用者が正式に許可を受けて移動体を運行していることを認識できる。これにより、運行装置11を使用する者は、円滑に移動体を運行できる。なお、ステップS13は繰り返して実行されてもよい。
【0027】
以上、実施の形態1にかかる運行装置について説明した。尚、運行装置11は、図示しない構成としてプロセッサ及び記憶装置を有するものである。運行装置11が有する記憶装置は、例えばフラッシュメモリやSSD(Solid State Drive)などの不揮発性メモリを含む記憶装置を含む。この場合に、運行装置11が有する記憶装置は、上述の方法を実行するためのコンピュータプログラム(以降、単にプログラムとも称する)を記憶している。またプロセッサは、記憶装置からコンピュータプログラムをDRAM(Dynamic Random Access Memory)等のバッファメモリへ読み込ませ、当該プログラムを実行する。
【0028】
運行装置11が有する各構成は、それぞれが専用のハードウェアで実現されていてもよい。また、各構成要素の一部又は全部は、汎用または専用の回路(circuitry)、プロセッサ等やこれらの組合せによって実現されてもよい。これらは、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。各装置の各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組合せによって実現されてもよい。また、プロセッサとして、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(field-programmable gate array)等を用いることができる。なお、ここに説明した構成に関する説明は、本開示において以下に説明するその他の装置またはシステムにおいても、適用され得る。
【0029】
また、運行装置11の各構成要素の一部または全部が複数の運行装置や回路等により実現される場合には、複数の運行装置や回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、運行装置や回路等は、クライアントサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。また、運行装置11の機能がSaaS(Software as a Service)形式で提供されてもよい。また上述の方法は、コンピュータに上述の方法を実行させるためにコンピュータ可読媒体に格納されるものであってもよい。
【0030】
許可情報および証明情報は、所定の電子的な暗号、トークンまたはNFT(Non-Fungible Token)を含んでいてもよい。これにより運行装置11は、証明情報が正規なものであることを他者に示すことができる。
【0031】
以上、本実施の形態によれば、正式に移動体の運行をしていることを客観的に通知可能な運行装置等を提供することができる。
【0032】
<実施形態2>
次に、
図3を参照して運行装置について説明する。
図3は、実施の形態2にかかる運行装置を含む運行システム1の構成図である。運行システム1は、運行装置12と、移動体100とを有している。運行装置12は移動体100と無線通信可能に接続し、移動体100を制御する。移動体100の運行者P1は、運行装置12を所持し、運行装置12を操作して移動体100を運行する。
【0033】
また運行装置12は、他者が有する端末(他者端末)に対して証明情報を発信可能である。このとき、移動体100を制御するための電波の周波数帯と、他者端末に対して証明情報を発信するための周波数帯とは、同じものであってもよいし異なるものであってもよい。運行装置12が使用する周波数帯は例えば2.4ギガヘルツ帯域である。運行装置12は、移動体100を制御するための信号に、証明情報を含んで発信してもよい。あるいは運行装置12は、移動体100を制御する信号とは異なるチャンネルから証明情報を発信してもよい。
【0034】
他者端末30は他者であるユーザP2が所持する無線通信機能付きのコンピュータである。他者端末30はより具体的には例えばスマートフォン、携帯電話またはタブレット端末等である。他者端末30は運行装置12が発信する信号を受信可能に構成されている。
【0035】
上述の構成において、運行者P1は、許可を受けた条件に従い、移動体100の運行を行う。このとき、運行者P1は、移動体100を制御するとともに、自身が許可を受けて移動体100の運行を行っていることを示す証明情報を発信する。ユーザP2が所持する他者端末30は、運行装置12が発信する信号を受け取り、受け取った信号から証明情報を読み取る。さらに他者端末30は読み取った証明情報をユーザP2が認識可能に表示する。このように、運行システム1において、移動体100を運行する運行者P1は、証明情報を発信し、ユーザP2にこれを認識させることができる。
【0036】
次に、
図4を参照して、運行装置12についてさらに説明する。
図4は、実施の形態2にかかる運行装置のブロック図である。運行装置12は主な構成として、移動体制御部110、許可情報取得部111、証明情報生成部112、発信部113および記憶部120を有している。
【0037】
移動体制御部110は、移動体100の制御を司る。移動体制御部110は、運行者P1が移動体を操作するための操作受付部や、受け付けた操作にかかる信号を移動体100に送信する送信部を含み得る。
【0038】
許可情報取得部111は、許可情報を取得する。許可情報取得部111は、所定の管轄団体等が管理する許可装置から通信回線を介してこの許可情報を取得してもよい。許可情報取得部111はあるいは、許可情報を、所定の不揮発性の情報媒体を介して取得してもよい。許可情報取得部111は許可情報を取得すると、取得した許可情報を記憶部120に記憶させる。
【0039】
証明情報生成部112は、証明情報を生成する。証明情報を生成する際に、本実施形態にかかる証明情報生成部112は、記憶部が記憶する固有識別子と証明情報とを利用する。固有識別子は、移動体の機体情報に紐付けられたものであり得る。固有識別子は、自機の固有識別子を意味するものであってもよいし、運行装置12を使用する運行者P1の固有識別子を意味するものであってもよい。ここで、「自機」とは、運行装置12それ自体を示す。
【0040】
発信部113は、所定の通信回線を介して他者が認識可能に証明情報を発信する。本実施形態にかかる所定の通信回線は、例えば他者が所持する端末に直接証明情報を送信できるものである。より具体的には、発信部113が用いる通信回線は、Bluetooth(登録商標)であってもよい。発信部113が用いる通信回線は、Wi-Fiを利用したWi-Fiダイレクト、Wi-Fi AwareまたはWi-Fi Beaconであってもよい。また発信部113が用いる通信回線は、上述の機能を実現可能なその他の通信規格に準拠するものであってもよい。
【0041】
本実施形態にかかる発信部113は、証明情報の内容に応じて証明情報の発信を制御するものであってもよい。例えば発信部113は、運行の許可を受けている時間内(許可時間内)は、許可にかかる証明情報を発信し、運行の許可を受けている時間ではない時間(許可時間外)は、許可にかかる証明情報の発信を抑制するものであってもよい。
【0042】
また例えば発信部113は、運行装置12が運行の許可を受けている領域内(許可領域内)に存在している場合は、許可にかかる証明情報を発信し、運行装置12が運行の許可を受けている領域の外(許可領域外)に存在している場合は、許可にかかる証明情報の発信を抑制するものであってもよい。
【0043】
次に、
図5を参照して他者端末30について説明する。
図5は、実施の形態2にかかる他者端末30のブロック図である。他者端末30は主な構成として、ネットワーク通信部311、ダイレクト通信部312、カメラ313、表示部314、操作受付部315、制御部316および記憶部320を有している。
【0044】
ネットワーク通信部311は、所定のネットワーク回線に接続するための機能を有する。ネットワーク通信部311が接続するネットワーク回線は、例えばインターネット、イーサネットおよび公衆電話回線などである。ネットワーク通信部311は、ネットワーク回線に接続するためのアンテナや暗号化や復号のための回路等を含み得る。
【0045】
ダイレクト通信部312は、所定のダイレクト通信が可能な他の機器との通信を実現するための機能を有する。ダイレクト通信は、例えばBluetooth(登録商標)や、Wi-Fiを用いたWi-Fiダイレクト、Wi-Fi AwareまたはWi-Fi Beaconであってもよい。ダイレクト通信は他の機器と直接通信が可能な、その他の通信規格に準拠したものであってもよい。ダイレクト通信部312は、他の機器と通信するためのアンテナや送受信回路等を含み得る。
【0046】
本実施形態にかかるダイレクト通信部312は、運行装置12から発信される証明情報を受信する。ダイレクト通信部312は、証明情報を受信すると、受信した情報を制御部316に供給する。
【0047】
カメラ313は、他者端末30の外部の風景を撮影し、撮影した風景の画像にかかる画像データを生成する。カメラ313は、対物レンズ、撮像素子および画像処理回路等を含む。
【0048】
表示部314は、他者端末30に種々の情報を提示するための表示装置である。表示部314は、液晶パネルや有機エレクトロルミネッセンスを含む。
【0049】
操作受付部315は、他者端末30を使用するユーザからの操作を受け付ける。操作受付部315は例えばボタン、スイッチ、タッチセンサ等を含み得る。操作受付部315は、表示部314に重畳されたタッチパネルであって、表示部314と協調して機能するものであってもよい。
【0050】
制御部316は、他者端末30の各構成から適宜信号を受け取り、受け取った信号を処理し、各構成に対して指示を出す。制御部316はCPU(Central Processing Unit)やMCU(Micro Controller Unit)などの演算装置を含む。制御部316は記憶部320が記憶するアプリケーションプログラムを起動し、このアプリケーションプログラムにしたがって所定の処理を実行する。具体的な処理の一つとして、制御部316は、運行装置12から証明情報を受け取った場合に、受け取った証明情報を表示する。
【0051】
記憶部320は、SSD(Solid State Drive)やフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを含む記憶装置である。記憶部320は、少なくとも所定のアプリケーションプログラムを記憶している。所定のアプリケーションプログラムは、運行装置12から受け取った証明情報を表示するためのプログラムである。
【0052】
次に、
図6を参照して、許可情報について説明する。
図6は、許可情報を示す図である。
図6に示す許可情報は、許可番号、時間、場所、運行者の識別番号、運行者の氏名、機体情報等を含む。
【0053】
許可番号は、運行の許否を管理する管轄団体等が許可情報ごとに割り当てる番号である。時間は、許可にかかる運行の時間であって、例えば運行開始時刻と運行終了時刻とを含む。すなわち許可を受けた運行者はこの運行開始時刻から運行終了時刻の間の期間に、移動体を運行できる。
【0054】
場所は、許可にかかる運行の場所を示す情報である。
図6は、2か所の地点にかかる緯度と経度とが示されている。この場合、運行が許可される場所は、2つの地点を結ぶ線を対角線とした矩形により定義される領域により、許可にかかる場所が定義されている。なお、場所は、場所の名称により定義されてもよいし、予め設定された区画により定義されてもよい。場所は、高度を含んでもよい。場所は、運行を禁止する場所に関する情報を含んでいてもよい。
【0055】
運行者の識別番号は例えば、運行者を特定するための番号である。運行者の名称は、個人としての運行者の氏名であってもよいし、法人としての運行者の名称であってもよい。機体情報は、運行にかかる機体の識別番号や、機種名、その他運行の許可にかかる機能や性能を含むものであってもよい。
【0056】
以上、許可情報について説明したが、許可情報は上述の内容に限られない。許可情報は、許可にかかる時間や場所を、複数含んでいてもよい。例えば許可情報は、時間ごとに場所が変動するものであってもよい。許可情報は、リモートID(ID=Identifier)を含んでいてもよい。
【0057】
リモートIDは、ドローン等の移動体を離れた場所から識別するための情報である。リモートIDは、移動体を識別可能な情報として、例えば、登録記号、製造番号、位置情報、時刻等を含み得る。またリモートIDはこれらの情報に限られず、移動体の動作状態を表す情報を含んでもよい。
【0058】
次に、
図7を参照して、証明情報について説明する。
図7は、証明情報を示す図である。証明情報は、許可情報の少なくとも一部を含み得る。例えば証明情報は、運行の許可時間および許可場所を含み得る。
【0059】
証明情報は、許可情報に加えて、固有識別子を含む。固有識別子は、運行装置12であることを特定するための情報である。固有識別子は、移動体の機体情報および運行者の識別情報を含むものであってもよい。
【0060】
また証明情報は、現在時刻および現在位置に関する情報を含み得る。現在時刻は、証明情報を生成する時点における時刻である。現在位置は、証明情報を生成する時点における位置であって、例えば緯度、経度および高度を示す。
【0061】
以上、証明情報の一例について説明した。運行装置12は、証明情報を所定期間毎に更新しながら発信してもよい。
【0062】
次に、
図8を参照して、証明情報の表示態様の例について説明する。
図8は、証明情報の表示の例を示す第1の図である。
図8には、他者端末30の表示部314が示されている。また表示部314は、地図画像G10を表示している。地図画像G10は、アイコンG11および情報表示G12を含む。
【0063】
アイコンG11は、地図上における所定の地点を示すアイコンである。アイコンG11は、他者端末30が受け取った証明情報に含まれる運行者P1の位置を示している。
【0064】
情報表示G12は、アイコンG11に紐づく証明情報の少なくとも一部の文字情報を表示している。例えば
図8に示す情報表示G12は、「許可運行者」「登録番号***」という情報を表示している。
【0065】
このように、他者端末30は、証明情報に含まれる運行装置12の位置情報から、他者端末30が有する表示部314に運行装置12の位置を表示する。また他者端末30は、運行装置12から取得した証明情報に含まれる所定の情報を、表示部314に表示できる。他者端末30を使用するユーザP2は、表示部314を視認することにより、運行者P1の存在する位置を認識できる。またユーザP2は、運行者P1が正式に許可を受けて移動体を運行している者であることを認識できる。
【0066】
次に、
図9を参照して、証明情報の表示態様についてさらに説明する。
図9は、証明情報の表示の例を示す第2の図である。
図9に示す表示部314は、他者端末30のカメラ313が撮影した画像に所定の情報が重畳されたカメラ画像G20を表示している。カメラ画像G20の中央には、運行者P1が表示されている。すなわち、カメラ画像G20は、ユーザP2が他者端末30のカメラ313により運行者P1を撮影している状態であることを示している。
【0067】
また、カメラ画像G20は、アイコンG21と、情報表示G12とを含む。アイコンG21は、運行装置12が存在する方向を撮影したカメラ画像G20において、運行装置12が存在すると推定される位置に重畳された画像である。他者端末30は、証明情報に含まれる運行装置12の位置と、他者端末30の姿勢とを対応させて、他者端末30が有する表示部314に運行装置12の位置を表示する。
図9に示すアイコンG21は、点線により描かれた円である。これは、運行装置12がアイコンG21にかかる円の範囲に存在することを示すものである。
【0068】
なおこのとき、他者端末30は例えば証明情報を含む電波の強度を測定し、測定した電波強度に応じて、アイコンG21の位置や大きさ等を設定してもよい。例えば、他者端末30は、相対的に電波強度が強いほど、アイコンG21として表示する円の直径を大きく、相対的に電波強度が弱いほど、アイコンG21として表示する円の直径を小さく表示してもよい。
【0069】
上述のように、他者端末30は、表示部314に、他者端末が存在する方向の風景を撮影した画像と、運行装置12の位置とを重畳して表示してもよい。このように表示することにより、他者端末30は、ユーザP2に対して直感的に運行者の位置を把握させることができる。
【0070】
なお、
図9の例において、他者端末30は、撮影した画像そのままを表示する代わりに、人物の表示に所定の加工を施してもよい。より具体的には例えば、他者端末30は、カメラ画像G20に含まれる人物の画像を検出するとともに、検出した人物の画像上に所定のアバターなどの代替画像を重畳してもよい。これにより、他者端末30は、撮影されている運行者P1のプライバシーに配慮しながらユーザP2に対して必要な情報を表示できる。
【0071】
以上、実施の形態2について説明したが、実施の形態2にかかる運行装置12は、上述の構成に限られない。例えば運行装置12は、移動体制御部110と一体となっていない構成であってもよい。
【0072】
上述の運行装置12は、証明情報を所定の他者に認識させることができる。他者であるユーザP2は、他者端末30を有していれば、移動体の運行者の存在を認識できる。これにより移動体の運行者P1も、他者であるユーザP2も、互いに、移動体100の運行にかかる不安を解消できる。このように、実施の形態2によれば、正式にドローンの運行をしていることを客観的に通知可能な運行装置等を提供することができる。
【0073】
<実施の形態3>
次に、実施の形態3について説明する。
図10は、実施の形態3にかかる運行装置を含むシステム構成図である。
図10は、運行システム2と、他者端末30とが示されている。本実施の形態にかかる運行システム2および他者端末30は、いずれもネットワークN1に接続している点が、上述の実施の形態と異なる。
【0074】
本実施の形態にかかる運行システム2は、運行装置12に代えて運行装置13を有する。さらに、運行システム2は、ネットワークN1を介して運行装置13と互いに通信可能に接続する許可装置20を有する。運行装置13と許可装置20とは、ネットワークN1を介して互いに通信可能に接続している。なお、ネットワークN1は、電話回線、ワイドエリアネットワークまたはローカルエリアネットワークであってもよい。
【0075】
運行システム2において、運行装置13はネットワークN1を介して許可装置20から許可情報を取得可能である。また運行システム2において、運行装置13は、ネットワークN1を介して他者端末30に証明情報を発信できる。他者端末30は、ネットワークN1を介して運行装置13が発信する証明情報を取得できる。また他者端末30は、許可装置20と通信可能に接続し、運行装置13から受け取った証明情報を許可装置20に照会できる。
【0076】
図11を参照して、運行装置13について説明する。運行装置13は、要求部114および認証部115をさらに有する点が、上述の運行装置12と異なる。
【0077】
要求部114は、許可装置20に対して許可情報を要求する。すなわち例えば運行装置13は、運行者P1の操作により、許可装置20に対して許可情報を発行することを要求する。この場合、許可情報取得部111は、この要求に対する応答として、許可装置20から許可情報を取得する。
【0078】
認証部115は、運行者P1の認証をする。この場合、認証部115は例えば予め登録されている認証情報と、所定の操作において取得する認証情報とを照合することにより、運行者P1の認証をする。なお、ここで認証の仕組みについての詳述は省略するが、例えば認証部115は、運行者P1の生体情報を予め登録して記憶しておいてもよい。生体情報は、指紋、虹彩、顔画像等である。
【0079】
認証部115による認証が成功した場合に、許可情報取得部111は許可装置20から許可情報を取得する。一方、認証部115による認証が成功しなかった場合には、許可情報取得部111は許可装置20から許可情報を取得しない。
【0080】
次に、
図12を参照して、許可装置20について説明する。
図12は、実施の形態3にかかる許可装置20のブロック図である。許可装置20は主な構成として、通信部211、許可情報処理部212、照会情報処理部213、認証部214および記憶部220を有している。
【0081】
通信部211は、ネットワークN1に接続するためのインタフェースである。通信部211はネットワークN1を介して所定の情報を受け取ると、受け取った情報を、適宜許可装置20の各構成に供給する。一方、通信部211は、許可装置20の各構成から所定の情報を受け取ると、受け取った情報を運行装置13や他者端末30に対してネットワークN1を介して供給する。
【0082】
許可情報処理部212は、運行装置13から許可情報の発行に関する要求信号を受け取り、受け取った要求信号に対応した許可情報を運行装置13に供給する。
【0083】
照会情報処理部213は、他者端末30から供給された証明情報を、記憶部220が記憶する許可情報と照合し、証明情報の真贋判定を行う。照会情報処理部213は、証明情報の真贋判定を行った場合は、その判定の結果を、他者端末30に供給する。
【0084】
なお、本実施の形態にかかる他者端末30は、許可装置20から真贋判定の結果を受け取った場合に、この判定の結果に応じて、所定の通報先に判定の結果を通報する機能を有している。すなわち例えば、許可装置20による照会の結果、運行装置13が発行する証明情報が正式に許可を受けたものと認められなかった場合、他者端末30はこの結果に関する情報を、例えば警察等の所定の取締り機関または管理者(すなわち管理者等)に通報できる。ここで、上述の結果に関する情報は、例えば運行者を特定する情報や、運行装置13の位置情報等を含み得る。
【0085】
認証部214は、運行装置13から受け取った要求信号に対する許可情報を発行する場合に、要求信号にかかる運行者P1または要求信号の発信元である運行装置13の認証を行う。
【0086】
記憶部220は、SSD(Solid State Drive)またはフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを含む記憶装置である。記憶部220は、複数の許可情報を記憶している。
【0087】
次に、
図13を参照して、運行装置13と許可装置20とが行う処理について説明する。
図13は、実施の形態3にかかる運行装置13と許可装置20とが実行する処理を示すシーケンス図である。
【0088】
まず、運行装置13は、自機の運行にかかる許可情報の発行を許可装置20に対して要求する(ステップS101)。
【0089】
次に、運行装置13からの要求を受けた許可装置20は、これに対応した許可情報を記憶部220から読み取り、読み取った許可情報を運行装置13に対して送信する(ステップS102)。
【0090】
次に、運行装置13は、上述の要求に対する応答として、許可装置20から許可情報を、ネットワークN1を介して取得する(ステップS103)。なお、運行装置13が許可情報を取得した後の処理は、
図2に示した処理と同様である。
【0091】
次に、
図14を参照して、他者端末30と許可装置20とが行う処理について説明する。
図14は、実施の形態3にかかる運行装置と他者端末とが実行する処理を示すシーケンス図である。なお、本実施の形態にかかる他者端末30は証明情報を照会するためのプログラムを有しているものとする。また、本実施の形態にかかる他者端末30は、取得した証明情報の結果に応じて、所定の通報先へ通報を行うためのプログラムを有しているものとする。
【0092】
まず、他者端末30は、運行装置13が発信した証明情報を取得する(ステップS201)。次に、他者端末30は、取得した証明情報を照会する処理を実行する(ステップS202)。より具体的には例えば他者端末30は、所定のアプリケーションプログラムを用いて、許可装置20に証明情報を含む照会情報を供給し、証明情報に関する照会を要求する。
【0093】
次に、許可装置20の照会情報処理部213は、他者端末30から照会情報を受け取ると、受け取った照会情報に含まれる証明情報を、記憶部220が記憶する許可情報と照合し、照会の結果である結果情報を他者端末30に送信する(ステップS203)。すなわち許可装置20は、受け取った照会情報について、運行の許否を判定し、この判定の結果を結果情報として他者端末30に送信する。
【0094】
次に、他者端末30は、許可装置20から結果情報を取得する(ステップS204)。さらに他者端末30は、結果情報に対して、通報を行うか否かを判定する(ステップS205)。結果情報において、照会した証明情報が正式に許可を受けているものとであると示された場合には、他者端末30は通報を行わない。すなわちこの場合には他者端末30は、通報を行うと判定しない。この場合(ステップS205:NO)、他者端末30は通報を行わず、処理を終了する。一方、結果情報において、照会した証明情報が正式に許可を受けているものであると示されなかった場合には、他者端末30は通報を行う。この場合(ステップS205:YES)、他者端末30は、予め登録されている管理者等に、正式に許可を受けていない運行にかかる証明情報を受け取ったことを示す通報を行う(ステップS206)。他者端末30は、上述の通報を行うと、一連の処理を終了する。
【0095】
以上、実施の形態3について説明した。上述の構成によれば、運行装置13は、許可を受けて移動体を運行していることを、好適に他者に認識させることができる。また上述の構成によれば、正式に許可を受けて運行しているものでない場合には、これを他者が認識して管理者に通報等できる。なお、上述のフローチャートにおいて、照会した証明情報が正式に許可を受けているものであると示されなかった場合(ステップS205:YES)に、他者端末30は、通報を行うか否かを他者であるユーザP2に判断または選択させる機能を有していてもよい。この場合、他者端末30において、表示部314は、通報を行うか行わないかについて選択を促すメッセージを表示する。そして操作受付部315は、ユーザP2が行う選択にかかる操作を受け付ける。ユーザP2が通報することを選択した場合には、他者端末30は通報を行う(ステップS206)。一方、ユーザP2が通報することを選択しなかった場合には、他者端末30は通報を行わずに処理を終了する。
【0096】
以上のとおり、本実施の形態によれば、正式に移動体の運行をしていることを客観的に通知可能な運行装置等を提供することができる。
【0097】
<ハードウェア構成の例>
以下、本開示における判定装置の各機能構成がハードウェアとソフトウェアとの組み合わせで実現される場合について説明する。
【0098】
図15は、コンピュータのハードウェア構成を例示するブロック図である。本開示における管理装置は、図に示すハードウェア構成を含むコンピュータ500により上述の機能を実現できる。コンピュータ500は、スマートフォンやタブレット端末などといった可搬型のコンピュータであってもよいし、PCなどの据え置き型のコンピュータであってもよい。コンピュータ500は、各装置を実現するために設計された専用のコンピュータであってもよいし、汎用のコンピュータであってもよい。コンピュータ500は、所定のプログラムをインストールされることにより、所望の機能を実現できる。
【0099】
コンピュータ500は、バス502、プロセッサ504、メモリ506、ストレージデバイス508、入出力インタフェース510(インタフェースはI/F(Interface)とも称される)およびネットワークインタフェース512を有する。バス502は、プロセッサ504、メモリ506、ストレージデバイス508、入出力インタフェース510、およびネットワークインタフェース512が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ504などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0100】
プロセッサ504は、CPU、GPUまたはFPGAなどの種々のプロセッサである。メモリ506は、RAM(Random Access Memory)などを用いて実現される主記憶装置である。
【0101】
ストレージデバイス508は、ハードディスク、SSD、メモリカード、またはROM(Read Only Memory)などを用いて実現される補助記憶装置である。ストレージデバイス508は、所望の機能を実現するためのプログラムが格納されている。プロセッサ504は、このプログラムをメモリ506に読み出して実行することで、各装置の各機能構成部を実現する。
【0102】
入出力インタフェース510は、コンピュータ500と入出力デバイスとを接続するためのインタフェースである。例えば入出力インタフェース510には、キーボードなどの入力装置や、ディスプレイ装置などの出力装置が接続される。
【0103】
ネットワークインタフェース512は、コンピュータ500をネットワークに接続するためのインタフェースである。
【0104】
以上、本開示におけるハードウェア構成の例を説明したが、上述の実施形態は、これに限定されるものではない。本開示は、任意の処理を、プロセッサにコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0105】
上述の例において、プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1またはそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(またはソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体または実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体または実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)またはその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスクまたはその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージまたはその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体または通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体または通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0106】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0107】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)
運行者が所定の移動体を運行することについて許可を受けていることを示す許可情報を取得する許可情報取得部と、
受け取った前記許可情報と、前記運行者を特定する情報とに基づいて証明情報を生成する証明情報生成部と、
所定の通信回線を介して他者が認識可能に前記証明情報を発信する発信部と、を備える
運行装置。
(付記2)
前記許可情報取得部は、前記許可にかかる前記運行の時間および場所の少なくともいずれか1つを含む前記許可情報を取得する、
付記1に記載の運行装置。
(付記3)
前記証明情報生成部は、自機の固有識別子を含む前記証明情報を生成する、
付記1に記載の運行装置。
(付記4)
前記証明情報生成部は、自機の位置情報を含む前記証明情報を生成する
付記1に記載の運行装置。
(付記5)
前記発信部は、前記運行の前記許可を受けている時間内は、前記許可にかかる前記証明情報を発信し、
前記運行の前記許可を受けている時間外は、前記許可にかかる前記証明情報の発信を抑制する、
付記1に記載の運行装置。
(付記6)
前記許可情報を発行する許可装置に対して前記許可情報を要求する要求部をさらに備え、
前記許可情報取得部は、要求に対する応答として前記許可情報を取得する、
付記1~5のいずれか一項に記載の運行装置。
(付記7)
前記運行者の認証をするための認証部をさらに備え、
前記許可情報取得部は、前記認証が成功した場合に前記許可情報を取得する、
付記6に記載の運行装置。
(付記8)
前記発信部は、前記通信回線として他者が所持する端末に直接前記証明情報を送信する、
付記1~5のいずれか一項に記載の運行装置。
(付記9)
所定の移動体を運行する運行者が有する運行装置が、
前記移動体を運行することについて許可を受けていることを示す許可情報を取得し、
受け取った前記許可情報と、前記運行者を特定する情報とに基づいて証明情報を生成し、
所定の通信回線を介して他者が認識可能に前記証明情報を発信する、
運行方法。
(付記10)
運行者が所定の移動体を運行することについて許可を受けていることを示す許可情報を取得し、
受け取った前記許可情報と、前記運行者を特定する情報とに基づいて証明情報を生成し、
所定の通信回線を介して他者が認識可能に前記証明情報を発信する、
運行方法
を、コンピュータに実行させる
プログラム。
(付記11)
前記他者が有する他者端末が、
前記証明情報を受け取り、
受け取った前記証明情報に基づく照会情報を所定の許可装置に照会し、
前記照会の結果情報を前記許可装置から受け取る
付記9に記載の運行方法。
(付記12)
前記他者端末は、
前記運行装置の位置と、前記他者端末の姿勢とを対応させて、前記他者端末が有する画像表示部に前記運行装置の位置および前記結果情報を表示する、
付記11に記載の運行方法。
(付記13)
前記他者端末は、
前記画像表示部に、前記他者端末が存在する方向の風景を撮影した画像と、前記運行装置の位置とを重畳して表示する、
付記12に記載の運行方法。
(付記14)
前記許可装置は、前記照会情報に基づいて前記運行の許否を判定し、判定の結果を前記結果情報として前記他者端末に送信する、
付記11~13のいずれか一項に記載の運行方法。
(付記15)
前記他者端末は、前記結果情報において前記運行が許可されていることを示さない場合には、所定の管理者へ前記運行装置に関する情報を通報する、
付記14に記載の運行方法。
【符号の説明】
【0108】
1 運行システム
2 運行システム
11 運行装置
12 運行装置
13 運行装置
20 許可装置
30 他者端末
100 移動体
110 移動体制御部
111 許可情報取得部
112 証明情報生成部
113 発信部
114 要求部
115 認証部
120 記憶部
211 通信部
212 許可情報処理部
213 照会情報処理部
214 認証部
220 記憶部
311 ネットワーク通信部
312 ダイレクト通信部
313 カメラ
314 表示部
315 操作受付部
316 制御部
320 記憶部
N1 ネットワーク
P1 運行者
P2 ユーザ