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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036947
(43)【公開日】2024-03-18
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240311BHJP
【FI】
A63F7/02 311A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022141523
(22)【出願日】2022-09-06
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】石黒 隆行
(72)【発明者】
【氏名】後藤 雅史
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088DA07
2C088EB05
(57)【要約】
【課題】入球口への円滑な入球を図ることができる遊技機を提供する。
【解決手段】第2一般入賞口43において、透明パネル5側の前面が下方に切り欠かれて前後方向に貫通した切欠き部430と、切欠き部430の周縁全体に亘り形成されたすり鉢型の面取り部431と、を形成した。このように、第2一般入賞口43における切欠き部430の周縁全体に亘ってすり鉢型の面取り部431が形成されることで、遊技盤2の上流から遊技球が第2一般入賞口43内に流入する際に遊技球が面取り部431と接触し、面取り部431の形状に合わせて遊技球が引っかかることなく滑らかに案内経路434へと案内される。これにより、所謂、球掛かりを抑え、第2一般入賞口43への円滑な入球を図ることができる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明パネルと、該透明パネルの後方に設けられるとともに遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技盤と、前記遊技盤に設けられ遊技球が入球可能な入球口と、該入球口から流入した遊技球を通すための案内経路と、を有する遊技機であって、
前記入球口は、前記透明パネル側の前面が下方に切り欠かれて前後方向に貫通した切欠き部と、該切欠き部の周縁全体に亘り形成されたすり鉢型の面取り部と、を有することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記切欠き部は、上方ほど幅が広く、下方ほど幅が狭くなるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記切欠き部は、下方に湾曲したU字形状をなすように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項4】
前記入球口は、前記面取り部よりも下流側に前記遊技球を前記案内経路に案内する傾斜案内部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のうち何れか一項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記傾斜案内部は、前記面取り部から連続するように形成されていることを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
【請求項6】
前記傾斜案内部は、前記面取り部のうち、前記切欠き部の下端中央部に位置する前記面取り部から連続するように形成されていることを特徴とする請求項5に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機では、遊技球が所定の入球口(例えば始動口)に入球すると当否判定が行われ、その当否判定の結果が大当たりである場合に大当たり遊技が実行される。この遊技球は、遊技盤に植設された複数の遊技釘等によって形成された球通路を転動して入球口に導かれる。この球通路は、ガラスやアクリル樹脂製の透明パネルと、該透明パネルに対向する遊技盤との間に形成されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-101768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、球通路を流下した遊技球がスムーズに入球口に入球しないと、透明パネルと遊技盤との間で遊技球の球掛かりが発生するおそれがあり、円滑に遊技球を入球口に入球させることが求められていた。
【0005】
本発明は、従来における問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、入球口への円滑な入球を図ることができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため本発明に係る遊技機は、透明パネルと、該透明パネルの後方に設けられるとともに遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技盤と、前記遊技盤に設けられ遊技球が入球可能な入球口と、該入球口から流入した遊技球を通すための案内経路と、を有する遊技機であって、前記入球口は、前記透明パネル側の前面が下方に切り欠かれて前後方向に貫通した切欠き部と、該切欠き部の周縁全体に亘り形成されたすり鉢型の面取り部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
前記構成を有する本発明に係る遊技機によれば、入球口への円滑な入球を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】パチンコ遊技機の正面図である。
図2】(a),(b)は、第2大入賞装置の動作態様を示す模式図である。
図3】主制御基板及び周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。
図4】サブ制御基板及び周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。
図5】第2一般入賞口を裏から見た斜視図である。
図6】第2一般入賞口の断面図である。
図7】第2一般入賞口内を遊技球が転動する様子を示す模式図である。
図8】比較例としての入球口の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態に係る遊技機としてのパチンコ遊技機について図を参照しつつ説明する。以下の説明において、パチンコ遊技機の各部の方向を説明する場合は、そのパチンコ遊技機と対向して遊技を行う遊技者から見た方向を基準とする。具体的には、パチンコ遊技機の各部の左右方向及び上下方向は、遊技者から見た左右方向及び上下方向とする。また、パチンコ遊技機を基準として遊技者に近づく方向を前方とし、遊技者から遠ざかる方向を後方とする。
【0010】
[パチンコ遊技機の主要構成]
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、遊技機枠16を備える。遊技機枠16は、前方側から順に、前面枠18、内枠(図示せず)、外枠(図示せず)によって構成される。前面枠18は、ハンドル4と、演出レバー6と、スピーカ8と、演出ボタン9と、左サイドランプ23aと、右サイドランプ23bと、打球供給皿(上皿ともいう)24と、余剰球受皿(下皿ともいう)25とを備えている。
【0011】
ハンドル4は、前面枠18のうち右下、つまり、パチンコ遊技機1と対向して遊技を行う遊技者が右手で握ることができる位置に設けられている。ハンドル4は、タッチスイッチ92(図3)と、発射レバー4aと、発射停止ボタン4bとを備えている。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力するものであり、ハンドル4を握った遊技者の右手が触れる部分に配置されている。発射レバー4aは、遊技球の発射強度を調整するためのものであり、ハンドル4に回動可能に設けられている。発射停止ボタン4bは、遊技球が発射されているときに遊技球の発射を停止するためのものであり、ハンドル4を握った右手の親指により操作可能な位置に設けられている。
【0012】
前面枠18のうち余剰球受皿25の左方、つまり、前面枠18のうち下側の左端寄りには、演出レバー6が設けられている。換言すると、演出レバー6は、前面枠18のうち、パチンコ遊技機1と対向した遊技者が左手で操作可能な位置に設けられている。演出レバー6は、左手で把持できる形状とされており、右回転又は左回転の回転操作の他、上下左右の4方向に傾倒操作可能としている。また、演出レバー6には、演出レバー振動モータ6c(図4)が設けられている。演出レバー振動モータ6cは、演出レバー6を振動させるものであり、演出レバー6の操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。遊技者が、演出レバー6の操作が有効な期間に演出レバー6を操作すると、特定の演出が行われる。以下、演出レバー6の操作を契機として行われる特定の演出のことをレバー演出という。
【0013】
スピーカ8は、前面枠18のうち上部の左右の隅部にそれぞれ設けられており、音楽、効果音及び報知音等の音を演出内容に応じて出力する。
演出ボタン9は、前面枠18のうち打球供給皿24の上方を覆う部分に設けられている。換言すると、演出ボタン9は、前面枠18のうち、パチンコ遊技機1と対向する遊技者が右手又は左手で押圧操作可能な位置に設けられている。また、演出ボタン9は、前面枠18のうち、遊技者が左手で演出レバー6を操作している状態で、右手で押下操作可能な位置に設けられている。演出ボタン9は、例えばプッシュオン式のボタンスイッチを採用することができる。演出ボタン9には、演出ボタン振動モータ9b(図4)と、演出ボタンランプ9c(図4)とが内蔵されている。演出ボタン振動モータ9bは、演出ボタン9を振動させるものであり、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。本実施形態では、演出ボタンランプ9cはLEDである。演出ボタンランプ9cは、複数色を発光可能であり、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間に演出ボタン9が押圧操作されたときや演出内容に応じて点灯又は点滅し、さらに発光色を変化させる。演出ボタン9の表面は透光性材料によって形成されており、演出ボタンランプ9cが発した光を遊技者が視認できるように工夫されている。
【0014】
演出ボタン9には、押圧操作された演出ボタン9を押圧操作前の位置に復帰させるためのバネ等の弾性部材(図示せず)が内蔵されており、演出ボタン9は、押圧操作状態が解除されると、弾性部材の復元力によって押圧操作前の状態に復帰する。遊技者が、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間に演出ボタン9を押圧操作すると、特定の演出が行われる。以下、演出ボタン9の操作を契機として行われる特定の演出のことをボタン演出という。
【0015】
前面枠18のうち、左方には左サイドランプ23aが設けられており、右方には右サイドランプ23bが設けられている。左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bが設けられている部分の前面枠18は透光性を有し、その透光性を有する部分の内側には複数のLEDが配置されている。各LEDは、それぞれ複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯又は点滅し、さらに発光色を変化させる。
【0016】
打球供給皿(上皿ともいう)24は、前面枠18のうち中央下側に設けられている。打球供給皿24は、貸球払出装置80(図3)及び賞球払出装置400(図3)から払い出された遊技球を貯留する、又は発射装置90(図3)に供給する遊技球を貯留するためのものである。余剰球受皿(下皿ともいう)25は、前面枠18のうち打球供給皿24の下方に設けられている。余剰球受皿25は、打球供給皿24の貯留可能数を超えた遊技球を貯留する。
【0017】
また、パチンコ遊技機1は、遊技盤2と、透明パネル5と、演出表示装置7とを備える。遊技盤2は、パチンコ遊技機1の略中央、つまり、遊技者の顔と略正対する位置に配置されている。遊技盤2の盤面の前方は、透明パネル5によって覆われている。本実施形態における透明パネル5はガラス板であるが、透明な合成樹脂板であってもよい。即ち透明パネル5は、前方から遊技領域3を視認可能なものであればよい。演出表示装置7は、遊技盤2の後方に配置されており、その画面が遊技盤2の略中央から露出している。
【0018】
遊技盤2の盤面には、遊技盤2の周囲に沿ってレール部材17が配置されている。レール部材17は、発射装置90(図3)によって発射された遊技球を遊技領域3に案内する。このレール部材17の内側に略円形状の遊技領域3が形成されている。発射装置90によって発射された遊技球は、レール部材17を通って、レール部材17の内側に位置する遊技領域3内に誘導されて遊技領域3内を流下(転動)する。
【0019】
遊技領域3は、演出表示装置7の画面の左方に形成された左遊技領域3Lと、演出表示装置7の画面の右方に形成された右遊技領域3Rとを有する。遊技盤2の盤面には、遊技球の流下方向を変化させるための複数の遊技釘(図示せず)が打ち込まれている。遊技盤2の複数箇所には、LEDが設けられており、図4では、それら各LEDを総称して「盤ランプ2a」と示している。盤ランプ2aを構成する各LEDは、複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯又は点滅し、さらに発光色を変化させる。
【0020】
遊技盤2は、固定入賞装置10と、ゲート12と、第1一般入賞口13と、普通可変入賞装置(電チューともいう)20と、第1大入賞装置30と、第2大入賞装置40と、第2一般入賞口43と、表示器類50とを備える。また、遊技盤2の下部中央には、どこにも入賞しなかった遊技球を排出するためのアウト口19が開口している。
【0021】
固定入賞装置10は、遊技盤2の略中央に配置されている。固定入賞装置10は、遊技球が1個ずつ入賞(入球)可能な第1始動口11を有する。第1始動口11は常時開口しており、遊技球が第1始動口11に入賞する確率は略変動しない。ゲート12は、右遊技領域3Rに配置されており、右遊技領域3Rを流下する遊技球が通過可能に構成されてい
る。第1一般入賞口13は、左遊技領域3Lであって固定入賞装置10の左方に配置されている。
【0022】
普通可変入賞装置20は、右遊技領域3Rのうちゲート12の下方に配置されている。普通可変入賞装置20は、可動部材21を備える。可動部材21は、前後方向(盤面に対して垂直方向)に作動する左右方向に長い板状の部材であり、第2始動口22の右側に配置されている。第2始動口22は常時開放しており、その開口は右側に形成されている。可動部材21が閉鎖した状態では、可動部材21が盤面の奥方に収容された状態となっているため、遊技領域3を流下した遊技球は、可動部材21の天面を転動することができず、第2始動口22に入賞することなく下方に流下する。一方、可動部材21が開放した状態では、可動部材21が盤面の前方に突出した状態となる。この状態では、遊技球が可動部材21の天面を転動し、第2始動口22に入賞し易い状態となる。
【0023】
第1大入賞装置30は、右遊技領域3Rであって、固定入賞装置10の右方に配置されている。第1大入賞装置30は、第1大入賞口32を開閉する第1開閉部材31を備える。第1大入賞口32は、複数の遊技球が同時に入賞(入球)可能な大きさに形成されている。第1開閉部材31は、左右方向に長い板状に形成されており、左右の下端を回動軸にして回動可能に構成されている。
【0024】
第2大入賞装置40は、右遊技領域3Rであって、第1大入賞装置30の下方に配置されている。第2大入賞装置40は、第2大入賞口42を開閉する第2開閉部材41を備える。第2大入賞口42は、複数の遊技球が同時に入賞(入球)可能な大きさに形成されている。第2開閉部材41は、左右方向に長い板状に形成されている。ただし、第1開閉部材31とは異なり、第2開閉部材41は、第2大入賞口42の上方に配置されており、盤面の前方に突出した状態(第2大入賞口42を塞いだ状態)と、盤面の奥側に収容された状態(第2大入賞口42を開放した状態)とを切り替え可能に構成されている。
【0025】
第2一般入賞口43は、右遊技領域3Rであって第2大入賞装置40の下方に配置されている。
図2(a),(b)に従って、第2大入賞装置40について詳しく説明する。なお、図中、第2開閉部材41及び振分部材44に関し、これらの部材を実線で示す場合は、第2開閉部材41又は振分部材44が、盤面の前方に突出している状態を示す。一方、第2開閉部材41及び振分部材44に関し、これらの部材を破線で示す場合は、第2開閉部材41又は振分部材44が、盤面の奥側に収容されている状態を示す。
【0026】
第2大入賞装置40の内部には、第2大入賞口42に入賞した遊技球Pが通過可能な特定領域Ta(V入賞領域ともいう)と、非特定領域Tbと、が形成されている。また、第2大入賞装置40の内部には、第2大入賞口42に入賞した遊技球Pを特定領域Ta又は非特定領域Tbに振り分ける振分部材(可動片)44と、この振分部材44を駆動する振分部材ソレノイド44a(図3)と、が設けられている。
【0027】
振分部材44は、左右方向に長い板状に形成されており、非特定領域Tbの上方に配置されている。第2大入賞口42内においては特定領域Taよりも非特定領域Tbの方が上流に位置する。従って、振分部材44によって非特定領域Tbが開放された状態(振分部材44が盤面の奥方に収容されている状態)では、第2大入賞口42に入賞した遊技球Pは、非特定領域Tbに誘導されることとなる。その一方、図2(a)に示すように、振分部材44によって非特定領域Tbが閉鎖された状態(振分部材44が盤面の前方に突出している状態)では、第2大入賞口42に入賞した遊技球Pは、振分部材44の天面を転動し、特定領域Taに誘導されることとなる。なお、振分部材44は通常時において開放状態(非特定領域Tbが開放された状態)にあり、小当たり当選時に一時的に閉鎖状態(非
特定領域Tbが閉鎖された状態)となる。
【0028】
一方、図2(b)に示すように、第2大入賞装置40が作動しておらず、第2開閉部材41が盤面の前方に突出した状態(第2大入賞口42を塞いだ状態)では、遊技球Pは、第2大入賞口42に入賞することなく、第2開閉部材41の天面を転動する。そして、第2開閉部材41の天面を流下した遊技球Pは、第2開閉部材41の下方に位置する第2一般入賞口43側に誘導され、第2一般入賞口43に入賞し得る。つまり、発射した遊技球Pが第2大入賞口42に入賞しなかったとしても、第2大入賞装置40の下方に第2一般入賞口43が形成されていることで、第2一般入賞口43に入賞し得ることがある。
【0029】
前述したように、パチンコ遊技機1では、ハンドル4の発射強度を調節することにより、遊技球の発射強度を調節できるようになっている。よって、パチンコ遊技機1では、左遊技領域3L又は右遊技領域3Rを流下するように遊技球を打ち分けることができる。左遊技領域3Lに向かって遊技球を発射したときには、遊技球は、第1始動口11、第1一般入賞口13に入賞し得る。一方、右遊技領域3Rに向かって遊技球を発射したときには、遊技球は、ゲート12、第2始動口22、第1大入賞装置30、第2大入賞装置40、第2一般入賞口43に入賞し得る。
【0030】
図1の説明に戻り、表示器類50は、遊技盤2のうち遊技領域3の外側であって第2大入賞装置40の下方に設けられている。図3に示すように、表示器類50は、第1特別図柄(第1特図)を変動表示する第1特別図柄表示器51と、第2特別図柄(第2特図)を変動表示する第2特別図柄表示器52と、普通図柄(普図)を変動表示する普通図柄表示器53とを備える。さらに、表示器類50は、第1特図保留表示器51aと、第2特図保留表示器52aと、普図保留表示器53aとを備える。第1特図保留表示器51aは、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を表示する。第2特図保留表示器52aは、第2特別図柄表示器52の作動保留の記憶数を表示する。普図保留表示器53aは、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を表示する。以下、第1特別図柄及び第2特別図柄に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄という。また、第1特別図柄表示器51及び第2特別図柄表示器52に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄表示器という。
【0031】
各特別図柄表示器51,52は、それぞれ複数のLEDにより構成されている。各特別図柄表示器51,52を構成する各LEDは、それぞれ所定の点灯パターンにて点灯し、点灯・消灯するLEDの組み合わせが特別図柄を表しており、点灯・消灯するLEDの組み合わせが変化している状態が特別図柄の変動表示を表している。以下、特別図柄が変動表示を開始してから特別図柄が確定表示されるまでの特別図柄の変動パターンを特図変動パターンという。
【0032】
また、普通図柄表示器53は、複数(例えば2個)のLEDから構成されている。点灯・消灯するLEDが普通図柄を表しており、各LEDが交互に点灯する状態が普通図柄の変動表示を表している。また、遊技球がゲート12を通過すると、当たりか否かを判定する普通図柄の抽選が実行され、普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示する。そして、普通図柄表示器53は、普通図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、普通図柄の抽選結果に対応する普通図柄を確定表示する。普通図柄表示器53が確定表示した普通図柄が、当たりを示す普通図柄であった場合は、普通可変入賞装置20が作動して可動部材21が開動作し、第2始動口22に遊技球が入賞可能な状態となる。
【0033】
遊技球が第1始動口11に入賞すると大当たりか否かを判定する大当たり判定(大当たり抽選ともいう)が実行され、第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示する。そして、第1特別図柄表示器51は、第1特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第1特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示
された第1特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、第1大入賞装置30が作動して第1開閉部材31が開閉し、第1大入賞口32が開閉する。一方、確定表示された第1特別図柄が、後述する小当たりを示す特別図柄であった場合は、小当たりが発生し、第2大入賞装置40が作動して第2開閉部材41が開閉し、第2大入賞口42が開閉する。第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口11に入賞したときは、その入賞を契機とする第1特別図柄表示器51の作動が保留される。そして、その作動保留の数を示す記憶数が第1特図保留表示器51aによって表示される。以下、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を第1特図保留数という。
【0034】
また、遊技球が第2始動口22に入賞すると大当たり判定(大当たり抽選ともいう)が実行され、第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示する。そして、第2特別図柄表示器52は、第2特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第2特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第2特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、第1大入賞装置30が作動して第1開閉部材31が開閉し、第1大入賞口32が開閉する。
【0035】
また、パチンコ遊技機1には大当たり以外に小当たりと呼ばれる当たりも存在する。小当たりに当選した場合には、大当たり遊技は行われないが第2大入賞口42が所定期間のみ開放される。これにより、確定表示された第2特別図柄が、後述する小当たりを示す特別図柄であった場合は、小当たりが発生し、第2大入賞装置40が作動して第2開閉部材41が開閉し、第2大入賞口42が開閉する。さらに、所定のタイミングで振分部材ソレノイド44aが作動し、所定期間のみ特定領域Ta(V入賞領域)を遊技球が通過可能な状態となる。第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第2始動口22に入賞したときは、その入賞を契機とする第2特別図柄表示器52の作動が保留される。そして、その作動保留の数を示す記憶数が第2特図保留表示器52aによって表示される。以下、第2特別図柄表示器52の作動保留の記憶数を第2特図保留数という。また、第1特図保留数及び第2特図保留数に共通の事項を説明する場合は、単に特図保留数という。以下、特別図柄表示器が特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄を確定表示するまでを特別図柄の1回の変動という。また、特別図柄が1回変動される毎に特図保留数が1個ずつ減少することを特図保留数の消化という。
【0036】
また、本実施形態のパチンコ遊技機1では、通常の大当たり判定において大当たりと判定された場合に加えて、遊技中に第2大入賞口42に入賞した遊技球が、前述した特定領域Taを通過(V入賞)した場合にも大当たり遊技が開始される。本実施形態のパチンコ遊技機1は、いわゆる1種2種混合機と呼ばれる機種である。また、大当たり判定において大当たりと判定される確率(以下、大当たり確率という)は基本的に固定であり、大当たり確率が通常よりも高い状態となる高確率状態は本機種では存在しない。
【0037】
次に、演出表示装置7について説明する。
演出表示装置7は、演出画像、メッセージ画像、デモンストレーション画像(デモ画像)等の動画像及び静止画像を表示する。遊技者は、それらの画像をパチンコ遊技機1の前方から見ながら遊技を行う。演出表示装置7は、演出画像として、演出(装飾)図柄を特別図柄の変動表示と同期させて変動表示する。演出図柄は、算用数字(例えば、1~10)を表した図柄である。なお、演出図柄には、アルファベットや特別なキャラクタ等、数字以外を表した図柄を含めてもよいし、数字以外を表した図柄と組み合わせてもよい。演出表示装置7が演出図柄を変動表示する領域として、左から順に、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域、右演出図柄表示領域が設定されている。左演出図柄表示領域では左演出図柄7Lが、中演出図柄表示領域では中演出図柄7Cが、右演出図柄表示領域では右演出図柄7Rがそれぞれ変動表示される。以下、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領
域及び右演出図柄表示領域に共通の事項を説明する場合は、単に演出図柄表示領域という。
【0038】
各演出図柄の主な変動パターン(変動態様)は、演出図柄が表す数字が昇順となるように画面の上から下に移動する変動パターン、つまり、縦方向にスクロールする変動パターンである。なお、変動パターンとして、演出図柄が画面の左右の一方から他方へ移動する横スクロール方式、演出図柄が同じ表示位置にて数字の昇順に順番に表示される方式等を用いることもできる。また、演出表示装置7は、演出画像として各演出図柄の背景に背景画像を表示する。例えば、背景画像は、テレビドラマや映画等の動画像、その動画像をアニメ化した動画像、アニメーション、パチンコ遊技機メーカーオリジナルの動画像等である。演出表示装置7は、液晶表示装置である。なお、演出表示装置7として、有機EL表示装置、ドットマトリクスLEDを使った表示装置等を用いることもできる。
【0039】
演出表示装置7は、特別図柄の変動表示と同期させて各演出図柄を変動表示し、特別図柄が確定表示されると同時に各演出図柄を確定表示し、大当たり判定結果を表示する。ここで、確定表示とは、演出図柄が上下に揺れたり、再変動したりすることなく、完全に停止した停止表示状態のことである。
【0040】
また、パチンコ遊技機1では、演出図柄による大当たり判定の結果の報知に加えて、演出表示装置7に表示される背景画像、スピーカ8から出力される音、盤ランプ2aの点灯等を複合的に用いて、大当たり判定の結果の報知を行う。具体的には、リーチ演出、予告演出等の各種遊技演出によって、大当たり判定の結果が報知される。予告演出は、大当たり判定の結果が大当たりとなる可能性を示唆する遊技演出の一種である。
【0041】
[パチンコ遊技機の主な電気的構成]
次に、図3及び図4に従って、パチンコ遊技機1の主な電気的構成について説明する。
パチンコ遊技機1は、主制御基板60(図3)と、払出制御基板73(図3)と、サブ制御基板100(図4)と、画像制御基板200(図4)と、音声制御基板78(図4)と、ランプ制御基板79(図4)とを備えている。
【0042】
図3に示すように、主制御基板60には、遊技制御用ワンチップマイコン(以下、遊技制御用マイコンという)61が実装されている。遊技制御用マイコン61は、CPU62と、ROM63と、RAM64とを備えている。また、主制御基板60は、入出力回路65を備えている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数等、各種の判定(抽選)にて使用する乱数を発生する。CPU62は、入賞の検出、大当たり判定、各種乱数の更新等を実行する。ROM63には、CPU62が実行するコンピュータプログラム、大当たり判定テーブル、大当たり種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン選択テーブル等の各種のテーブルが記憶されている。
【0043】
RAM64は、CPU62がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリ等として使用される。また、RAM64には、第1特図保留記憶部64aと、第2特図保留記憶部64bと、普図保留記憶部64cとが設けられている。各記憶部には、遊技球が第1始動口11、第2始動口22及びゲート12に入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した乱数値が最大保留数分だけ記憶される。
【0044】
また、入出力回路65は、主制御基板60に接続された各基板等との間でデータの送信又は受信を行う。
また、主制御基板60には、表示器類50が電気的に接続されている。前述したように、表示器類50は、第1特別図柄表示器51と、第2特別図柄表示器52と、普通図柄表
示器53とを備える。さらに、表示器類50は、第1特図保留表示器51aと、第2特図保留表示器52aと、普図保留表示器53aとを備える。さらに、主制御基板60には、中継基板74を介して第1始動口センサ11aと、第2始動口センサ22aと、ゲートセンサ12aとが電気的に接続されている。同様に、主制御基板60には、中継基板74を介して第1大入賞口センサ32aと、第2大入賞口センサ42aと、特定領域センサSaと、非特定領域センサSbと、第1一般入賞口センサ13aと、第2一般入賞口センサScと、電チューソレノイド20aと、第1大入賞口ソレノイド30aと、第2大入賞口ソレノイド40aと、振分部材ソレノイド44aと、が電気的に接続されている。
【0045】
第1始動口センサ11aは、第1始動口11の直下に設けられており、遊技球が第1始動口11に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第2始動口センサ22aは、第2始動口22の直下に設けられており、遊技球が第2始動口22に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。ゲートセンサ12aは、ゲート12のうち遊技球の通過領域に設けられており、遊技球がゲート12を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第1大入賞口センサ32aは、第1大入賞口32の直下に設けられており、遊技球が第1大入賞口32に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第2大入賞口センサ42aは、第2大入賞口42の直下に設けられており、遊技球が第2大入賞口42に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。特定領域センサSaは、特定領域Ta内に設けられており、遊技球が特定領域Taを通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。非特定領域センサSbは、非特定領域Tb内に設けられており、遊技球が非特定領域Tbを通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第1一般入賞口センサ13aは、第1一般入賞口13の直下に設けられており、遊技球が第1一般入賞口13に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第2一般入賞口センサScは、第2一般入賞口43の直下に設けられており、遊技球が第2一般入賞口43に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。電チューソレノイド20aは、普通可変入賞装置20の可動部材21を開閉駆動する。第1大入賞口ソレノイド30aは、第1大入賞装置30の第1開閉部材31を開閉駆動する。第2大入賞口ソレノイド40aは、第2大入賞装置40の第2開閉部材41を開閉駆動する。振分部材ソレノイド44aは、第2大入賞装置40の内部に設けられた振分部材44を駆動する。特に小当たりに当選した場合において振分部材ソレノイド44aが作動し、所定期間のみ特定領域Ta(V入賞領域)を遊技球が通過可能な状態となる(図2(a))。所定期間が経過すると特定領域Taを遊技球が通過不可な状態へと戻る。
【0046】
また、主制御基板60には、払出制御基板73を介してカードユニット76と、貸球払出装置80と、賞球払出装置400とが電気的に接続されている。カードユニット76は、パチンコ遊技機1に隣接して設けられており、プリペイドカードに対して残高の読み取りや書き込み等を行う。貸球払出装置80は、球貸モータ81と、球貸センサ82とを備えている。球貸モータ81は、貸球としての遊技球を払い出す部材を駆動し、球貸センサ82は、その部材によって遊技球が払い出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、貸球払出装置80が払い出した貸球数を計数する。カードユニット76に挿入されたプリペイドカードに、払い出し可能な最小残高以上の残高が記録されているときに、球貸ボタン(図示せず)が操作されると、貸球払出装置80が作動し、最小単位個数の貸球が打球供給皿24に払い出される。
【0047】
賞球払出装置400は、賞球モータ401と、賞球センサ402とを備えている。賞球モータ401は、賞球としての遊技球を払い出す部材を駆動し、賞球センサ402は、その部材によって遊技球が払い出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、賞球払出装置400が払い出した賞球数を計数する。
【0048】
また、主制御基板60には、発射制御回路75を介して発射装置90が電気的に接続されている。発射装置90は、発射モータ91と、タッチスイッチ92と、発射ボリューム93とを備えている。発射モータ91は、遊技球を打撃して発射する打撃槌(図示せず)を駆動する。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力する。発射ボリューム93は、発射レバー4aの回転量に応じて打撃槌が遊技球を打撃する強度を調節する。
【0049】
また、パチンコ遊技機1は、電源基板70を備えている。電源基板70は、主制御基板60、払出制御基板73、及びサブ制御基板100に電力を供給する。また、電源基板70は、払出制御基板73に電気的に接続された各装置に対して、払出制御基板73を介して電力を供給する。また、電源基板70は、中継基板74に電気的に接続された各センサ及びソレノイドに対して、主制御基板60から中継基板74を介して電力を供給する。また、電源基板70は、主制御基板60に電気的に接続された表示器類50に対して、主制御基板60を介して電力を供給する。
【0050】
電源基板70には、バックアップ電源回路71が設けられている。バックアップ電源回路71は、パチンコ遊技機1に対して外部から電力が供給されていない場合に、主制御基板60のRAM64等に対して情報の保持に必要な電力を供給する。電源基板70には、電源基板70へ電力を供給する主電源をオンオフするための電源スイッチ72が電気的に接続されている。
【0051】
主制御基板60は、サブ制御基板100に対して各種コマンドを送信する。主制御基板60は、コマンドをサブ制御基板100へ送信することはできるが、サブ制御基板100は、主制御基板60へコマンドを送信することができない。つまり、主制御基板60とサブ制御基板100との通信は、主制御基板60からサブ制御基板100へ送信することのみが可能な単方向通信となっている。
【0052】
図4に示すように、サブ制御基板100には、演出制御用ワンチップマイコン(以下、演出制御用マイコンという)101が実装されている。演出制御用マイコン101は、CPU102と、ROM110と、RAM120とを備えている。また、サブ制御基板100は、入出力回路103を備えている。CPU102は、遊技に伴って演出を制御する。ROM110には、CPU102が演出を制御するためのコンピュータプログラムの他、各種のテーブルが記憶されている。RAM120は、CPU102がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。また、RAM120には、第1特図保留演出記憶部121と、第2特図保留演出記憶部122と、当該変動用演出記憶部123とが設けられている。第1特図保留演出記憶部121、第2特図保留演出記憶部122及び当該変動用演出記憶部123は、主制御基板60から出力される特図に関するコマンドを記憶する。
【0053】
入出力回路103は、サブ制御基板100に接続された各基板等との間でデータの送信又は受信を行う。
サブ制御基板100には、画像制御基板200が電気的に接続されている。画像制御基板200には、演出表示装置7が電気的に接続されている。画像制御基板200には、VDP201(Video Display Processor)と、画像制御用CPU202と、制御用ROM203とが実装されている。さらに、画像制御基板200には、制御用RAM204と、CGROM(Character Generator Read Only Memory)205と、VRAM(Video Random Access Memory)206とが実装されている。画像制御用CPU202は、変動演出パターン、ボタン演出画像、及び予告画像等の演出画像を表示するよう演出表示装置7を制御する。制御用ROM203には、画像制御用CPU202が演出表示装置7を制御するためのコンピュータプログラムが記憶されている。制御用RAM204は、画像制御用CPU2
02がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。CGROM205には、演出表示装置7が演出画像を表示するための画像データが記憶されている。VDP201は、画像制御用CPU202によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM205から画像データを読み出し、その読み出した画像データをVRAM206内の展開領域に展開する。そして、VDP201は、VRAM206内に展開した画像データを合成し、その合成した画像データをVRAM206内のフレームバッファに記憶する。そして、VDP201は、VRAM206内のフレームバッファに記憶した画像データをRGB信号に変換して演出表示装置7に出力する。これにより、演出表示装置7は演出画像を表示する。
【0054】
サブ制御基板100には、ランプ制御基板79を介して盤ランプ2a、演出ボタンランプ9c、左サイドランプ23a、右サイドランプ23bが電気的に接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて各ランプの発光態様を決める発光パターンデータを作成し、その発光パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、ランプ制御基板79は、受信した発光パターンデータに従って各ランプの発光制御を行う。
【0055】
サブ制御基板100には、音声制御基板78を介して各スピーカ8が電気的に接続されている。音声制御基板78には、音声制御用CPU(図示せず)と、音声データROM(図示せず)と、音声合成回路(図示せず)と、アンプ(図示せず)とが搭載されている。音声データROMには、各スピーカ8が音楽や効果音等の音を出力するための音声データが記憶されている。音声制御用CPUは、サブ制御基板100から受信したコマンドに基づいて音声データROMから音声データを読み出し、その読み出した音声データを音声合成回路に出力する。音声合成回路は、入力した音声データを合成するとともに、その合成した合成音声データをアナログの音声信号に変換してアンプに出力する。アンプは、入力した音声信号を増幅して各スピーカ8に出力する。そして、各スピーカ8は、入力した音声信号により示される音を出力する。
【0056】
また、サブ制御基板100には、演出レバー押込検出スイッチ6aと、演出レバー回転検出スイッチ6bと、演出ボタン検出スイッチ9aと、演出レバー振動モータ6cと、演出ボタン振動モータ9bとが電気的に接続されている。
【0057】
演出レバー押込検出スイッチ6aは、演出レバー6が押込操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出レバー押込検出スイッチ6aから入力した信号に基づいて、演出レバー6が押込操作されたときに行うレバー演出を実行する。演出レバー回転検出スイッチ6bは、演出レバー6が回転操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出レバー回転検出スイッチ6bから入力した信号に基づいて、演出レバー6が回転操作されたときに行うレバー演出を実行する。演出ボタン検出スイッチ9aは、演出ボタン9が押下操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出ボタン検出スイッチ9aから入力した信号に基づいて、ボタン演出を実行する。
【0058】
演出レバー振動モータ6cは、演出レバー6を振動させる部材であり、演出レバー6と接する部位又は演出レバー6の内部に設けられている。演出ボタン振動モータ9bは、演出ボタン9を振動させる部材であり、演出ボタン9の内部に収容されている。ROM110には、演出レバー振動モータ6cの動作パターンを決める動作パターンデータと、演出ボタン振動モータ9bの動作パターンを決める動作パターンデータとが記憶されている。演出制御用マイコン101は、演出レバー6を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読み出し、その読み出した動作パターンデータに基づいて演出レバー振動モータ6cを駆動制御する。また、演出制御用マイコン101
は、演出ボタン9を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読み出し、その読み出した動作パターンデータに基づいて演出ボタン振動モータ9bを駆動制御する。
【0059】
[第2一般入賞口]
以下、図5及び図6に従って、本発明の「入球口」に相当する第2一般入賞口43の構成について詳しく説明する。
【0060】
図2(b)を用いて前述したように、第2大入賞装置40が作動しておらず、第2開閉部材41が盤面の前方に突出した状態(第2大入賞口42を塞いだ状態)では、遊技球Pは、第2大入賞口42に入賞することなく、第2開閉部材41の天面を転動する。そして、第2開閉部材41の天面を流下した遊技球Pは、第2開閉部材41の下方に位置する第2一般入賞口43側に誘導され、第2一般入賞口43に入賞し得るようになっている。
【0061】
第2一般入賞口43は、前面としての前壁部43aと、前壁部43aの左右方向両側からそれぞれ後方に延びる側壁部43bと、前壁部43a及び側壁部43bの下方に位置する底部43cとを有する。
【0062】
前壁部43aは、下方に切り欠かれて構成された切欠き部430を有する。つまり、切欠き部430は、該切欠き部430の左右方向に位置する前壁部43aの上端面jから下方に向かって凹むように切り欠かれているため、切欠き部430の前後方向には障害物となる壁が存在しないことになる。切欠き部430の下端部kは、前壁部43aの上端面jよりも低い。また、切欠き部430は、その切欠き形状が、上方ほど幅が広く、下方ほど幅が狭くなるような略台形形状をなしている。ちなみに、切欠き部430において最も広い開口幅W1(切欠き部430上端の開口幅に相当)は、遊技球1個分の直径よりも長いが、遊技球2個分の直径よりも短い。つまり、1球の遊技球が余裕をもって通過できるような幅となっている。
【0063】
切欠き部430は、左方に位置する左辺部430aと下方に位置する下端部kとが交差する角部が弧状に湾曲し、右方に位置する右辺部430bと下方に位置する下端部kとが交差する角部が弧状に湾曲して、全体が下方に湾曲したU字形状をなしている。
【0064】
本実施形態の第2一般入賞口43は、切欠き部430の周縁全体に亘り形成された面取り部431を有する。面取り部431は、切欠き部430の周縁全体に亘って形成されているため、切欠き部430に沿った形状となる。面取り部431は、切欠き部430の左辺部430aに沿った第1面431aと、切欠き部430の右辺部430bに沿った第2面431bと、切欠き部430の下端部kに沿った第3面431cとを有する。第1面431aは、前方から後方に向かって切欠き部430の左右方向中心から徐々に遠ざかるような斜面となっている。第2面431bは、前方から後方に向かって切欠き部430の左右方向中心から徐々に遠ざかるような斜面となっている。すなわち、第1面431aと第2面431bとは、前方から後方に向かって互いに離間するような斜面となっている。言い換えると第1面431aと第2面431bとで、前方から後方に向かって開口幅が広がる形状となっている。第3面431cは、前方から後方に向かって下方に傾斜した斜面となっている。このような構成とすることで、面取り部431は、切欠き部430の周縁全体に亘ってすり鉢形状となる。
【0065】
また、本実施形態の第2一般入賞口43には、その底部43cに傾斜案内部432が形成されている。本実施形態の傾斜案内部432は、前方側の第1傾斜案内部432aと、後方側の第2傾斜案内部432b(図6参照)とを含む。第1傾斜案内部432aは面取り部431から連続するように形成されている。より詳しくは、第1傾斜案内部432a
は、面取り部431のうち、切欠き部430の下端部kの中央に位置する面取り部431、つまり第3面431cから連続するように形成されている。第1傾斜案内部432aは、面取り部431よりも後方(下流側)に位置し、後方に行くほど下方に傾斜した側面視略三角形状の薄板となっている。なお、第1傾斜案内部432a及び第2傾斜案内部432bは、互いに別の部材上に形成してもよいし、同一部材上に形成してもよい。本実施形態では、図6に示すように第1傾斜案内部432a及び第2傾斜案内部432bは、別の部材上に形成している。
【0066】
傾斜案内部432に対して左右方向に隣り合う側壁433と傾斜案内部432との間は、それぞれ遊技球よりも狭くなっている。このため、側壁433と傾斜案内部432との間に遊技球が挟まることが抑えられている。このような構成とすることで、傾斜案内部432は、後方(下流側)に位置する案内経路434に遊技球を案内可能となっている。つまり、傾斜案内部432は、遊技球を案内経路434下流へと案内するガイド機能を有する。本実施形態の案内経路434は1球の遊技球が余裕を持って通過できるような開口幅(開口面積)を有している。
【0067】
そして、案内経路434の途中には、第2一般入賞口センサScが設けられている。第2一般入賞口センサScは、長方形板状又は直方体形状をなすように形成されており、その厚み方向に遊技球が通過可能な貫通孔Hが形成されている。第2一般入賞口センサScは、例えば近接スイッチである。
【0068】
次に、図7に従って、遊技球が第2一般入賞口43に入球する流れについて説明する。
最初に、図8に従って、比較例としての入球口Nの形状について説明する。
比較例としての入球口Nにおいては、第2一般入賞口43の前壁部43aに相当する箇所に切欠きが形成されていない。すなわち、透明パネル5と対向する位置に前壁部Naが形成されている。ただし、透明パネル5と対向する位置に前壁部Naが存在すると入球口Nへの入球効率が低下してしまうため、入球口Nと、該入球口Nと対向する透明パネル5との間での球掛かりの発生を抑制すべく、前壁部Naにおいて、その厚み方向の前方から後方に向かって傾斜するよう面取りを行い、傾斜面Nbを形成している。面取りによる傾斜面Nbを形成することで遊技球Pが傾斜面Nbを転動し易くなるため、傾斜面Nbを形成しない場合に比して、入球口Nと透明パネル5との間で球掛かりが発生し難くなる。しかしながら、第2一般入賞口43の前壁部Naに傾斜面Nbを形成したとしても、透明パネル5と対向する入球口Nの入り口においてその前後方向に障害物となる壁(前壁部Na)が存在する事実に変わりはない。これにより、遊技領域3を流下した遊技球Pが、仮に傾斜面Nbの角部Ncに当接して流下速度が低下した状態で新たな遊技球Pが入球口Nに入球すると、先に入球した遊技球Pに新たな遊技球Pが当接してしまうことで遊技球Pの流れが停滞し、結果的に球掛かりが発生するおそれがある。
【0069】
一方、入球口の形状を本実施形態の第2一般入賞口43のような形状とすることで、図7に示すように、透明パネル5と対向する入球口の入り口においてその前後方向に障害物となる壁が存在しないことになる。すなわち、遊技領域3を流下した遊技球が透明パネル5に接触したとしても、透明パネル5と対向する位置に障害物となる壁が存在しないため、第2一般入賞口43の入り口で球掛かりが発生することがない。また、切欠き部430において最も広い開口幅は、1球の遊技球が余裕をもって通過できるような幅であるため、より一層、第2一般入賞口43の入り口で球掛かりが発生し難い。
【0070】
そして、第2一般入賞口43には、切欠き部430の周縁全体に亘って面取り部431が形成されている。この面取り部431も、該面取り部431を構成する第1面431aと第2面431bとによって、前方から後方に向かって開口幅が広がる形状となっている。加えて、第3面431cは、前方から後方に向かって下方に傾斜した斜面とされている
。これにより、遊技盤2の上流から遊技球が第2一般入賞口43内に流入する際に遊技球が面取り部431と接触し、面取り部431の形状に合わせて遊技球が引っかかることなく滑らかに案内経路434へと案内されることになる。そして、面取り部431を転動した遊技球Pは、傾斜案内部432によって案内経路434へと案内され、経路途中に位置する第2一般入賞口センサScによって検知される。
【0071】
[実施形態の効果]
(1)実施形態のパチンコ遊技機1を実施すれば、第2一般入賞口43(入球口)は、透明パネル5側の前面が下方に切り欠かれて前後方向に貫通した切欠き部430と、切欠き部430の周縁全体に亘り形成されたすり鉢型の面取り部431と、を有することになる。このように、第2一般入賞口43における切欠き部430の周縁全体に亘ってすり鉢型の面取り部431が形成されることで、遊技盤2の上流から遊技球が第2一般入賞口43内に流入する際に遊技球が面取り部431と接触し、面取り部431の形状に合わせて遊技球が引っかかることなく滑らかに案内経路434へと案内される。これにより、所謂、球掛かりを抑え、第2一般入賞口43への円滑な入球を図ることができる。
【0072】
(2)また、切欠き部430を、上方ほど幅が広く、下方ほど幅が狭くなるように形成した。切欠き部430の上方側が広いため、遊技球を容易に第2一般入賞口43内に流入させることができる。また、切欠き部430の下方側が狭いため、切欠き部430周縁の面取り部431と遊技球が接触して、遊技球を案内経路434へ案内することが可能となる。
【0073】
(3)また、切欠き部430を、下方に湾曲したU字形状をなすように形成した。U字状の切欠き部430を採用することで、遊技球を容易に第2一般入賞口43内に流入させることができ、切欠き部430周縁の面取り部431と遊技球が接触して、遊技球を案内経路434へ案内することが可能となる。
【0074】
(4)また、第2一般入賞口43は、面取り部431よりも下流側に遊技球を案内経路434に案内する傾斜案内部432を有する。傾斜案内部432を有することで、第2一般入賞口43内に流入した遊技球をスムーズに案内経路434側に案内することができ、入球口の上流側で球掛かりすることを抑えることができる。
【0075】
(5)また、傾斜案内部432は、面取り部431から連続するように形成されている。面取り部431から傾斜案内部432が連続するため、遊技球をひっかかりなく案内経路434へ案内することができる。
【0076】
(6)また、傾斜案内部432を、面取り部431のうち、切欠き部430の下端中央部に位置する面取り部431から連続するように形成した。切欠き部430の下端部kの中央(下端中央部)の面取り部431から連続するように傾斜案内部432を形成することで、遊技球をひっかかりなく案内経路434へ案内することができる。
【0077】
<他の実施形態>
以下、変更例について説明する。なお、以下の変更例は、互いに適宜組み合わせることが可能である。
【0078】
・案内経路434に遊技球を導くことができれば、傾斜案内部432の位置は、実施形態の例に限られない。例えば、面取り部431(第3面431c)の中央よりもやや左方又は右方から連続するように形成されていてもよい。
【0079】
・案内経路434に遊技球を導くことができれば、傾斜案内部432は面取り部431
に連続していなくてもよい。例えば、面取り部431と傾斜案内部432の間に、案内経路434への誘導を阻害しない程度の隙間が形成されていてもよい。
【0080】
・遊技球を案内経路434に誘導することができれば、傾斜案内部432の形状は、実施形態の例に限られない。例えば、カーブを有さない直線形状の傾斜であってもよい。
・傾斜案内部432は設けなくてもよい。
【0081】
・第2一般入賞口43において、透明パネル5と対向する入球口の入り口においてその前後方向に障害物となる壁が存在しなければよく、その切欠形状はU字形状でなくてもよい。
【0082】
・切欠き部430の開口幅は、上方と下方とにおいて同一の開口幅であってもよい。
・また、切欠き部430の後方に遊技球が転動し易い傾斜を有する面取り部431が形成されていればよく、面取り部431は、切欠き部430の形状に沿った形状でなくてもよい。例えば、切欠き部は正方形状をなすが、面取り部431は、前方から後方に向かって開口幅が広がる形状としてもよい。
【0083】
・実施形態では、第2一般入賞口43を例に説明したが、遊技球が入球し得る入球口であれば、どの入球口に適用してもよい。始動口や一般入賞口はもちろんのこと、ワープ入口やアウト口等の賞と無関係の入球口に適用してもよい。
【0084】
・上記実施形態は、非封入式パチンコ遊技機を前提として説明したが、封入式パチンコ遊技機においても実施可能である。
・大入賞口(大入賞装置)は、1つでもよい。
【0085】
・パチンコ遊技機1として、第1特別図柄のみを変動させて行うパチンコ遊技機に具体化してもよい。
・実施形態は、いわゆるV確機(大入賞口内の特定領域(V入賞領域)の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)として構成したが、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機としてもよい。また、いわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)や転落機(抽選結果によって高確率状態が終了する遊技機)として構成してもよい。また、いわゆる1種2種混合機や、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。
【0086】
・上記実施形態の技術は、スロットマシン(回胴式遊技機、パチスロ遊技機)に適用してもよい。
以上、実施形態及び変更例に基づき、本発明に係る構成について説明したが、上述の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本実施形態の例に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0087】
1 パチンコ遊技機
2 遊技盤
3 遊技領域
5 透明パネル
43 第2一般入賞口(入球口)
43a 前壁部(前面)
43b 側壁部
43c 底部
430 切欠き部
431 面取り部
431a 第1面
431b 第2面
431c 第3面
432 傾斜案内部
433 側壁
434 案内経路
j 上端面
k 下端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8