(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036949
(43)【公開日】2024-03-18
(54)【発明の名称】貯蔵庫システム、貯蔵庫、及び情報端末用プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/087 20230101AFI20240311BHJP
【FI】
G06Q10/08 330
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022141527
(22)【出願日】2022-09-06
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】倉本 尚哉
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】管理対象物に付された情報媒体が読み取られたことユーザが認知し易くする。
【解決手段】冷蔵庫システムは、貯蔵室を有する貯蔵庫と、貯蔵庫に設けられ又は貯蔵庫とは異なる外部端末に設けられ、管理対象物に付された情報媒体に記録された情報を読み取り可能な読取装置と、読取装置で読み取った情報媒体の個数を判別可能な態様で報知する報知処理を実行可能な報知処理部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵室を有する貯蔵庫と、
前記貯蔵庫に設けられ又は前記貯蔵庫とは異なる外部端末に設けられ、管理対象物に付された情報媒体に記録された情報を読み取り可能な読取装置と、
前記読取装置で読み取った前記情報媒体の個数を判別可能な態様で報知する報知処理を実行可能な報知処理部と、
を備える貯蔵庫システム。
【請求項2】
音を発することが可能な発音装置を更に備え、
前記報知処理は、前記読取装置で読み取った前記情報媒体の個数に応じた態様の音を前記発音装置から発生させる処理を含む、
請求項1に記載の貯蔵庫システム。
【請求項3】
前記報知処理は、前記読取装置が同時に又は予め設定された所定期間内に複数の前記情報媒体を読み取った場合に、前記音を発生させる間隔を前記所定期間よりも長い間隔を空けて前記発音装置から前記音を発生させる処理を含む、
請求項2に記載の貯蔵庫システム。
【請求項4】
光を発光可能な発光装置を更に備え、
前記報知処理は、前記読取装置が読み取った前記情報媒体の個数に応じた態様で前記発光装置を発光させる処理を含む、
請求項1に記載の貯蔵庫システム。
【請求項5】
前記報知処理は、前記読取装置が同時に又は予め設定された所定期間内に複数の前記情報媒体を読み取った場合に、前記発光装置を発光させる間隔を前記所定期間よりも長い間隔を空けて前記情報媒体の個数に応じた回数分、前記発光装置を発光させる処理を含む、
請求項4に記載の貯蔵庫システム。
【請求項6】
前記報知処理は、前記読取装置が同時に又は予め設定された所定時間内に複数の前記情報媒体を読み取った場合に、読み取った前記情報媒体の個数に応じた色彩又は輝度で前記発光装置を発光させる処理を含む、
請求項4に記載の貯蔵庫システム。
【請求項7】
音声を発することが可能な発声装置を更に備え、
前記報知処理は、前記読取装置が読み取った前記情報媒体の個数を示す音声を前記発声装置から発生させる処理を含む、
請求項1に記載の貯蔵庫システム。
【請求項8】
音声を発することが可能な発声装置を更に備え、
前記報知処理は、前記読取装置による前記情報媒体の読み取りが終了したことを判断する終了条件が成立した場合に一連の読み取りが完了したと判断して前記一連の読み取りで読み取った前記情報媒体の個数を示す音声を前記発声装置から発声させる処理を含む、
請求項1に記載の貯蔵庫システム。
【請求項9】
音声を発することが可能な発声装置を更に備え、
前記報知処理は、前記読取装置が複数の前記情報媒体を読み取った場合に、前記管理対象物の品目毎にまとめて前記管理対象物に関する情報及び個数を示す音声を前記発声装置から発声させる処理を含む、
請求項1に記載の貯蔵庫システム。
【請求項10】
情報を表示可能な表示装置を更に備え、
前記報知処理は、前記読取装置が読み取った前記情報媒体の個数を示す情報を前記表示装置に表示させる処理を含む、
請求項1に記載の貯蔵庫システム。
【請求項11】
前記報知処理は、前記読取装置が前記情報媒体を読み取った場合に、読み取った前記情報媒体に記録された情報に基づいて前記管理対象物に関する情報を前記表示装置に一覧で表示させる処理を含む、
請求項10に記載の貯蔵庫システム。
【請求項12】
前記報知処理は、前記読取装置が前記情報媒体を読み取った場合に、各前記対象物に関する情報を前記情報媒体の読み取り順に並べて前記表示装置に一覧で表示させる処理を含む、
請求項10に記載の貯蔵庫システム。
【請求項13】
前記報知処理は、前記読取装置が複数の前記情報媒体を読み取った場合に、前記管理対象物の品目ごとにまとめて前記管理対象物に関する情報及び個数を示す情報を前記表示装置に表示させる処理を含む、
請求項11に記載の貯蔵庫システム。
【請求項14】
前記読取装置が読み取った前記情報媒体に記憶された情報に基づいて前記管理対象物のデータベースの情報を更新する情報更新処理を実行可能な情報更新処理部と、
前記読取装置が読み取った前記情報媒体に記憶された情報に基づく前記データベースの更新の実行の可否をユーザの操作に基づいて判定する更新判定処理を実行可能な更新判定処理部と、
を更に備える請求項1に記載の貯蔵庫システム。
【請求項15】
前記更新判定処理部は、前記読取装置が複数の前記情報媒体を読み取った場合に、各前記情報媒体から読み取った情報について個別に前記更新判定処理を実行可能である、
請求項14に記載の貯蔵庫システム。
【請求項16】
前記更新判定処理部は、前記読取装置が複数の前記情報媒体を読み取った場合に、各前記情報媒体から読み取った情報についてまとめて前記更新判定処理を実行可能である、
請求項14に記載の貯蔵庫システム。
【請求項17】
前記更新判定処理は、前記読取装置で読み取った情報が重複する場合に何れの情報に基づいて前記データベースの更新を行うか否かをユーザの操作に基づいて判定する処理を含む、
請求項14に記載の貯蔵庫システム。
【請求項18】
前記読取装置で読み取った前記情報媒体が付された前記管理対象物が前記貯蔵庫に入れられたこと及び前記貯蔵庫から取り出されたことを判定する入出判定処理を実行可能な入出判定処理部を更に備え、
前記報知処理部は、前記入出判定処理によって前記管理対象物が前記貯蔵庫に入れられたと判定された場合と前記管理対象物が前記貯蔵庫から取り出されたと判定された場合とで異なる態様で前記報知処理を実行可能である、
請求項1に記載の貯蔵庫システム。
【請求項19】
前記読取装置が読み取った前記情報媒体に記憶された情報に基づいて前記管理対象物のデータベースを更新する情報更新処理を実行可能な情報更新処理部と、
前記読取装置で読み取った前記情報媒体が付された前記管理対象物が、前記貯蔵庫から取り出されたことを判定する入出判定処理を実行可能な入出判定処理部と、を更に備え、
前記情報更新処理は、前記入出判定処理によって前記管理対象物の取り出しを検知した場合に、前記管理対象物に関する情報を前記データベースから削除する処理、又は前記管理対象物に関する情報のうち前記管理対象物が取り出されたことを示す項目を更新する処理、を含む、
請求項1に記載の貯蔵庫システム。
【請求項20】
前記入出判定処理部が前記貯蔵庫から前記管理対象物が取り出されたと判定した後の所定期間内に同一の前記管理対象物が前記貯蔵庫に入れられたと判定した場合に、前記情報更新処理部は前記情報更新処理を実行しない、
請求項19に記載の貯蔵庫システム。
【請求項21】
管理対象物に付された情報媒体に記録された情報を読み取り可能な読取装置と、
記読取装置で読み取った前記情報媒体の個数を判別可能な態様で報知する報知処理を実行可能な報知処理部と、
を備える貯蔵庫。
【請求項22】
演算装置及び記憶装置を有するコンピュータと、
管理対象物に付された情報媒体に記憶された情報を読み取り可能な読取装置、又は外部に設けられた読取装置が読み取った情報を電気通信回線を介して取得可能な通信装置と、
を備える情報端末で実行されるコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記読取装置で読み取った情報又は前記通信装置を介して取得した情報に基づいて読み取った前記情報媒体の個数を判別可能な態様で報知する報知処理を実行させる、
情報端末用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、貯蔵庫システム、貯蔵庫、及び情報端末用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
地球環境保全の観点から、飲食物等のロスを低減することが重要である。そこで、近年、飲食物等に例えばICタグ等の情報媒体を取り付けて、その情報媒体を読み取ることで食品等を管理する構成が考えられている。その一例として、例えば冷蔵庫にICタグ等の情報媒体の読取装置を設け、ユーザが冷蔵庫に対して飲食物等を出し入れする際に、冷蔵庫が飲食物等に設けられた情報媒体を読み取る構成が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の構成では、ユーザは、管理対象物に付された情報媒体が読み取られたことを認知することが難かった。
【0005】
そこで、管理対象物に付された情報媒体が読み取られたことユーザが認知し易い、貯蔵庫システム、冷蔵庫、及び情報端末用プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の冷蔵庫システムは、貯蔵室を有する貯蔵庫と、前記貯蔵庫に設けられ又は前記貯蔵庫とは異なる外部端末に設けられ、管理対象物に付された情報媒体に記録された情報を読み取り可能な読取装置と、前記読取装置で読み取った前記情報媒体の個数を判別可能な態様で報知する報知処理を実行可能な報知処理部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態による貯蔵庫システムの構成を概略的に示す図
【
図2】一実施形態による貯蔵庫システムについて貯蔵庫の電気的構成を概略的に示すブロック図
【
図3】一実施形態による貯蔵庫システムについて外部端末の電気的構成を概略的に示すブロック図
【
図4】一実施形態による貯蔵庫システムの処理部を示すブロック図
【
図5】一実施形態の貯蔵システムで採用可能なRFIDについて特徴毎に示す図
【
図6】一実施形態による貯蔵庫システムについて、貯蔵庫に設けられた読取装置の設置例を示す図
【
図7】一実施形態による貯蔵庫システムについて、貯蔵庫に設けられた読取装置の設置例を示す図
【
図8】一実施形態による貯蔵庫システムについて、貯蔵庫に設けられた読取装置の設置例を示す図
【
図9】一実施形態による貯蔵庫システムについて、設定処理で設定される内容の一例を示す図
【
図10】一実施形態による貯蔵庫システムについて報知処理の一例を示す図
【
図11】一実施形態による貯蔵庫システムについて報知処理の一例を示す図
【
図12】一実施形態による貯蔵庫システムについて、音声による報知処理の内容の一例を示す図
【
図13】一実施形態による貯蔵庫システムについて、音声による報知処理の内容の一例を示す図
【
図14】一実施形態による貯蔵庫システムについて、発光による報知処理の内容の一例を示す図
【
図15】一実施形態による貯蔵庫システムについて、発光による報知処理の内容の一例を示す図
【
図16】一実施形態による貯蔵庫システムについて、表示による報知処理の内容の一例を示すもので、読取順に表示する場合を示す図
【
図17】一実施形態による貯蔵庫システムについて、表示による報知処理の内容の一例を示すもので、品名順に表示する場合を示す図
【
図18】一実施形態による貯蔵庫システムについて、表示による報知処理の内容の一例を示すもので、品名ごとに表示する場合を示す図
【
図19】一実施形態による貯蔵庫システムについて、表示による報知処理の内容の一例を示すもので、品名ごとに詳細を表示する場合を示す図
【
図20】一実施形態による貯蔵庫システムについて、表示による報知処理の内容の一例を示すもので、期限順に表示する場合を示す図
【
図21】一実施形態による貯蔵庫システムについて、表示による報知処理の内容の一例を示すもので、期限ごとに表示する場合を示す図
【
図22】一実施形態による貯蔵庫システムについて、表示による報知処理の内容の一例を示すもので、期限ごとに詳細を表示する場合を示す図
【
図23】一実施形態による貯蔵庫システムについて、入出判定処理により表示装置に表示される表示内容の一例を示す図
【
図24】一実施形態による貯蔵庫システムについて、データベースを構成する情報の一例を示す図
【
図25】一実施形態による貯蔵庫システムについて、表示による報知処理の内容の一例を示すもので、個別に更新判定処理を行う場合を示す図
【
図26】一実施形態による貯蔵庫システムについて、重複した情報を読み取って更新判定処理が実行された場合に表示装置に表示される表示内容の一例を示す図
【
図27】一実施形態による貯蔵庫システムについて、重複した情報を読み取って更新判定処理が実行された場合に表示装置に表示される表示内容であって、個別に更新判定処理を行う場合の一例を示す図
【
図28】一実施形態による貯蔵庫システムについて、重複した情報を読み取って更新判定処理が実行された場合に表示装置に表示される表示内容であって、品目ごとにまとめて更新判定処理を行う場合の一例を示す図
【
図29】一実施形態による貯蔵庫システムの各処理部で実行される処理内容の一例を示すフローチャート
【
図30】一実施形態による貯蔵庫システムの各処理部で実行される処理内容の一例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態による貯蔵庫システム、貯蔵庫、及び情報端末用プログラムについて図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、貯蔵庫システム1は、貯蔵庫10を含んで構成されている。貯蔵庫10は、図示しない冷凍サイクルを備えており、飲食物等を常温以下の温度で貯蔵する機能を有する。貯蔵庫10は、冷蔵機能及び冷凍機能の両方を備える構成であっても良いし、冷蔵機能のみを備える構成であっても良いし、更には冷凍機能のみを備える構成であっても良い。貯蔵庫10は、例えば家庭用の冷蔵庫又は冷凍庫若しくは冷蔵冷凍庫とすることができる。
【0009】
貯蔵庫システム1は、例えば貯蔵庫10単体で構成することもできるし、貯蔵庫10と他の機器とを電気通信回線NTによって通信可能に繋げたネットワークシステムとして構成することもできる。貯蔵庫システム1をネットワークシステムとして構成する場合、貯蔵庫システム1は、1又は複数の外部端末201、202を含んで構成することができ、また、1又は複数の外部処理装置301、302を含んで構成することもできる。本実施形態の貯蔵庫システム1は、貯蔵庫10、外部端末201、202、及び外部処理装置301、302を含んで構成される。
【0010】
貯蔵庫10と外部端末201、202とは、中継器2及びインターネット等の電気通信回線NTを介して、又は中継器2を介して相互に通信可能に接続される。貯蔵庫10と外部処理装置301、302とは、中継器2及びインターネット等の電気通信回線NTを介して相互に通信可能に接続される。外部端末201、202と外部処理装置301、302とは、中継器2及びインターネット等の電気通信回線NTを介して相互に通信可能に接続される。中継器2は、機器間の通信を中継する機能を有するいわゆるアクセスポイントで構成することができる。貯蔵庫10と中継器2、及び外部端末201、202と中継器2とは、例えば有線又はWi-Fi規格に準拠した無線LAN等によって通信可能に接続される。中継器2は、例えば貯蔵庫10又は外部端末201、202に内蔵されていても良い。
【0011】
貯蔵庫10は、1つ以上の貯蔵室10a~10eと、各貯蔵室10a~10eに対応して設けられて各貯蔵室10a~10eを開閉する扉101~105と、を有している。この場合、各扉101~105は、貯蔵室10a~10eの機能に対応して、ヒンジ開閉式の扉101と、引き出し式の扉102~105と、で構成されている。
【0012】
貯蔵庫10は、
図2に示すように、制御装置11、通信装置12、入力装置13、表示装置14、読取装置15、発音装置16、発声装置17、発光装置18、及び補助記憶装置19を備えている。制御装置11は、演算装置111及び主記憶装置112を有して構成されたコンピュータであり、貯蔵庫10の動作を制御する機能を有する。演算装置111は、CPUを含んで構成されており、各種の演算を行う。主記憶装置112は、例えば一時的な書き換え可能な記憶領域であり、例えば演算装置111における演算結果や各種のコンピュータプログラムを一時的に記憶する。
【0013】
通信装置12は、中継器2や外部端末201、202、及び外部処理装置301、302と相互通信する機能を有する。制御装置11は、他の装置で読み取られた情報媒体91の情報を、通信装置12を介して取得することができる。入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるためのユーザインタフェースであり、例えば機械式のスイッチ又はボタン、若しくはタッチパネル等で構成することができる。また、入力装置13は、ユーザからの音声操作を受け付けるものであっても良い。表示装置14は、ユーザに対して情報を視覚的に表示するためのユーザインタフェースであり、例えばセグメント表示装置や液晶ディスプレイ等で構成することができる。入力装置13と表示装置14とを合わせて操作パネルとすることもできる。
【0014】
貯蔵庫システム1は、例えば情報媒体91が付された飲食物等の管理対象物90を管理対象とする。情報媒体91は、当該情報媒体91が付された管理対象物90に関する情報を直接的又は間接的に有している。本実施形態において、管理対象物90は、例えば貯蔵庫10内で保管される食料品等だけではなく、貯蔵庫10の外部で保管される洗剤等の日用品も含めることができる。
【0015】
情報媒体91が管理対象物90に関する情報を直接的に有しているとは、外部の処理装置302等にアクセスすることなく管理対象物90に関する情報を取得できる態様で、管理対象物90に関する情報が情報媒体91に電子的又は光学的に記録されていることを意味する。管理対象物90に関する情報を間接的に有するとは、管理対象物90に関する情報を例えば外部の処理装置302に格納しておき、情報媒体91には、その外部の処理装置302のアクセス先を記録しておくような構成を意味する。
【0016】
管理対象物90に関する情報には、管理対象物90に関し、例えばその管理対象物90の品名すなわち一般名称、商品名又は品名を含む品目に関する情報、消費期限又は賞味期限に関、内容量、熱量、アレルゲンに関する情報、保存方法、使用されている添加物、原産地に関する情報、加工所の所在地及び加工者の氏名又は名称、販売業者名、製造日時、製造ロットに関する情報、個体を識別する情報、その他、法律及び法令等でその商品について表示義務が課せられている内容等を含めることができる。
【0017】
情報媒体91としては、例えば、管理対象に関する情報を情報媒体91内に電子的に記憶する電子的情報媒体や、管理対象に関する情報をコード化し画像として描写する光学的情報媒体等がある。電子的情報媒体としては、例えば無線タグ又はICタグ若しくはRFタグと称されるRFID(Radio Frequency Identification)を用いたものがある。光学的情報媒体としては、バーコードや、QRコード(登録商標)等の2次元コードがある。
【0018】
読取装置15は、飲食物等の管理対象に付された情報媒体91に記録された情報を読み取る機能を有する。情報媒体91が例えばRFタグである場合、読取装置15は、RFタグを読み取り可能ないわゆるRFIDリーダで構成される。読取装置15がRFIDリーダである場合、読取装置15は、読取装置15が起動している状態つまり読み取りが開始されている場合に、読取装置15の読取可能範囲内に存在する情報媒体91の情報を読み取る。ここで、RFIDの方式は、
図5に示すように、通信帯によって電磁誘導式と電波式とに大別されており、通信帯に応じて特性も異なる。
【0019】
本実施形態の貯蔵庫システム1において、例えば
図6に示すように、読取装置15を貯蔵庫10内に設けて、貯蔵庫10内の管理対象物90に設けられた情報媒体91を自動で読み取る構成とすることができる。この場合、読取装置15は、通信範囲の広い電波式のUHF帯が好ましい。また、この場合、
図6に示すように、棚板106等や棚板106に配置される収容物等の影響を低減するため、例えば貯蔵庫10の貯蔵室内において高さ位置を異ならせて複数個の読取装置15を設けることが好ましい。
【0020】
読取装置15は、例えば
図7に示すように、貯蔵庫10に対して管理対象物90を出し入れする際に高い確率で管理対象が通過する箇所、例えば各貯蔵室10a~10eの入口近傍に設けても良い。これにより、貯蔵庫10に対して管理対象が出し入れされる際に、読取装置15は、管理対象に設けられた情報媒体を読み取ることができる。また、この場合も、上述したように、棚板106等や棚板106に配置される収容物等の影響を低減するため、例えば貯蔵庫10の貯蔵室内において高さ位置を異ならせて複数個の読取装置15を設けることが好ましい。
【0021】
また、この場合、
図7に示すように、管理対象物90が出し入れされる際の移動方向に沿って複数の読取装置15を設けることで、貯蔵庫システム1は、読取装置15による読み取り順に基づいて、管理対象物90が貯蔵庫10内に入れ込まれたか又は貯蔵庫10から取り出されたかを判断することができる。この場合、読取装置15は、通信範囲が比較的狭い電磁誘導式が好ましい。
【0022】
例えば飲食物等を出し入れする際の移動方向が水平方向となる貯蔵室10aの場合、読取装置15は、貯蔵庫10の前後方向に沿って設けられている。以下、
図7の例において複数の読取装置15を区別する場合、扉101に近い方の読取装置15を読取装置151と称し、扉101から遠い方の読取装置15を読取装置152と称することがある。この構成において、同一の情報媒体91について、扉101に近い方の読取装置151で読み取られた後に、扉101から遠い方の読取装置152で読み取られた場合、その情報媒体91を有する管理対象物90が貯蔵室10a内に入れ込まれたと判断できる。逆に、同一の情報媒体91について、扉101から遠い方の読取装置152で読み取られた後に、扉101に近い方の読取装置151で読み取られた場合、その情報媒体91を有する管理対象物90が貯蔵室10aから取り出されたと判断できる。
【0023】
引き出し式の扉102~105を有する貯蔵室10b~10eの場合、扉102~105には、収容容器107等が接続されている。この場合、収容容器107に対する管理対象の出し入れの方向は上下方向となる。そのため、収容容器107に読取装置151、152を設ける場合、読取装置151、152は、上下方向に並べて配置される。また、貯蔵室10b~10eに対する収容容器107の移動方向は、前後方向となる。そのため貯蔵室10b~10eの周壁等に読取装置151、152を設ける場合、読取装置151、152は前後方向に配置される。
【0024】
管理対象物90に添付された情報媒体91をユーザが手動で読取装置15に読み取らせることを想定した場合、読取装置15は、例えば
図8に示すように、貯蔵庫10の外面に設けられていることが好ましい。この場合、読取装置15は、通信範囲が比較的狭い電磁誘導式が好ましい。また、この場合、読取装置15は、
図8に示すように、例えばヒンジ開閉式の扉101以外の扉、つまり引き出し式の扉102~105のいずれかに設けられていることが好ましい。読取装置15がヒンジ開閉式の扉101の外面に設けられていると、扉101を開いた際に読取装置15が貯蔵庫10の前面側つまりユーザ側に位置しなくなり、その結果、扉101を開けた状態での読取作業がやり難くなるからである。
【0025】
情報媒体91が例えばバーコードや二次元コード等の光学式のものである場合、読取装置15は、スキャナやカメラ等の光学装置で構成される。そして、読取装置15が光学装置である場合、ユーザが管理対象物90を貯蔵庫10に対して出し入れする際等に情報媒体91を手動で読み取らせる運用が想定される。このため、読取装置15は、例えば貯蔵庫10の外側、例えば貯蔵庫10の扉の外面側に設けられていることが好ましい。この場合も、読取装置15は、
図8に示すように、ヒンジ開閉式の扉101以外の扉、つまり引き出し式の扉102~105のいずれかに設けられていることが好ましい。
【0026】
発音装置16は、貯蔵庫10に設けられており、制御装置11からの制御に基づき、予め設定された特定又は任意の電子音を発生する機能を有する。発声装置17は、貯蔵庫10に設けられており、制御装置11からの制御に基づき、予め設定された又は任意の音声を発生させる機能を有する。なお、本実施形態において、音と音声とは異なる定義である。音声は、予め録音された人の声を再生したものや、テキストデータをソフトウェアによって機械的に読み上げたもの等を意味するものである。音声は、例えばその音声自体に文字情報つまり意味を含むものである。また、音とは、音声に準じないものであって、例えば電子音等である。音自体には、文字情報つまり意味を含まないものである。
【0027】
発声装置17は、例えば制御装置11で生成された人工音声を再生することができる。発音装置16は、例えばスピーカーを用いないブザーで構成することもできるし、スピーカーを用いた構成とすることもできる。発音装置16及び発声装置17は、例えば共通のスピーカーで構成することもできる。
【0028】
発光装置18は、図示しない光源を有して構成され、制御装置11からの制御に基づき、光を発光させる装置である。発光装置18は、例えば貯蔵庫10内を照明する照明装置としても良いし、照明装置とは別の構成としても良い。また、表示装置14が液晶ディスプレイで構成されている場合、発光装置18は、液晶ディスプレイのバックライト等で構成しても良い。発光装置18は、制御装置11からの制御に基づき、点灯、点滅、及び消灯を切り替えることができる。また、発光装置18は、例えばLEDで構成することができ、この場合、色彩や輝度を任意に調整可能である。
【0029】
補助記憶装置19は、例えば貯蔵庫システム1を実現するためのコンピュータプログラムや各種データの一部又は全部を記憶する。補助記憶装置19は、有形かつ非一時的なコンピュータ可読媒体で構成される。補助記憶装置19の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM (Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。
【0030】
外部端末201、202は、
図3に示すように、制御装置21、通信装置22、入力装置23、表示装置24、読取装置25、発音装置26、発声装置27、発光装置28、及び補助記憶装置29を内蔵している。制御装置21は、演算装置211及び主記憶装置212を有して構成されたコンピュータであり、外部端末201、202の動作を制御する機能を有する。演算装置211は、CPUを含んで構成されており、各種の演算を行う。主記憶装置212は、例えば一時的な書き換え可能な記憶領域であり、例えば演算装置211における演算結果や各種のコンピュータプログラムを一時的に記憶する。
【0031】
通信装置22は、中継器2や貯蔵庫10、及び外部処理装置301、302と相互通信する機能を有する。制御装置21は、他の装置で読み取られた情報媒体91の情報、例えば貯蔵庫10の読取装置15で読み取られた情報媒体91の情報、例えば外部端末201、202の読取装置25で読み取られた情報媒体91の情報を、通信装置22を介して取得することができる。入力装置23は、ユーザからの入力操作を受け付けるためのユーザインタフェースであり、例えばタッチパネル等で構成することができる。また、入力装置23は、ユーザからの音声操作を受け付けるものであっても良い。表示装置24は、ユーザに対して情報を視覚的に表示するためのユーザインタフェースであり、例えば液晶ディスプレイ等で構成することができる。この場合、入力装置23と表示装置24とを合わせてタッチパネルディスプレイで構成することもできる。
【0032】
読取装置25は、管理対象に付された情報媒体91に記録された情報を読み取る機能を有する。情報媒体91が例えばRFタグである場合、読取装置25は、RFタグを読み取り可能ないわゆるRFIDリーダで構成される。読取装置25がRFIDリーダである場合、読取装置25は、読取装置25が起動している状態つまり読み取りが開始されている場合に、所定の読取可能範囲内に存在する情報媒体91の情報を読み取る。情報媒体91が例えばバーコードや二次元コードである場合、読取装置25は、スキャナやカメラ等の光学装置で構成される。
【0033】
発音装置26は、制御装置21からの制御に基づき、予め設定された特定又は任意の電子音を発生する機能を有する。発声装置27は、制御装置21からの制御に基づき、予め設定された又は任意の音声を発生させる機能を有する。発声装置27は、例えば制御装置21で生成された人工音声を再生することができる。発音装置26は、例えばスピーカーを用いないブザーで構成することもできるし、スピーカーを用いた構成とすることもできる。発音装置26及び発声装置27は、例えば共通のスピーカーで構成することもできる。
【0034】
発光装置28は、図示しない光源を有して構成され、制御装置21からの制御に基づき、光を発光させる装置である。発光装置18は、例えば液晶ディスプレイで構成された表示装置24と共通の構成つまり液晶ディスプレイのバックライト等であっても良いし、外部端末201、202に設けられた照明若しくはライトで構成しても良い。発光装置28は、制御装置21からの制御に基づき、点灯、点滅、及び消灯を切り替えることができる。また、発光装置28は、色彩や輝度を任意に調整可能である。
【0035】
補助記憶装置29は、例えば貯蔵庫システム1を実現するためのコンピュータプログラムや各種データの一部又は全部を記憶する。補助記憶装置29は、有形かつ非一時的なコンピュータ可読媒体で構成される。補助記憶装置29の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM (Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。
【0036】
外部端末201、202は、例えば貯蔵庫10の外部に設けられた、貯蔵庫10とは別の装置であって、各種の情報処理が可能な情報端末である。外部端末201、202は、例えば貯蔵庫システム1の専用の装置で構成することもできるし、貯蔵庫システム1以外にも利用可能な汎用品で構成することもできる。汎用品の例としては、例えばパソコン、スマートフォン、タブレット、スマートスピーカー、スマートディスプレイ、スマートウォッチ、スマートグラス、スマートテレビ等があるが、上述した各装置21~29を備えるものであれば、これらに限られない。
【0037】
外部処理装置301、302は、例えば所定のデータを格納するデータサーバや所定の演算を行う処理サーバ、すなわち、いわゆるクラウドサーバで構成することできる。外部処理装置301、302は、詳細は図示しないが、演算装置及び記憶装置等を備えたコンピュータを含んで構成されている。本実施形態の場合、外部処理装置301は、例えば貯蔵庫10の製造販売者と関連する事業者が運営するものであり、貯蔵庫10や外部端末201、202で取得した情報を例えばユーザ毎又は貯蔵庫10毎にデータベースとして保管及び管理する機能を有する。外部処理装置302は、例え管理対象物90の製造販売者や情報媒体91の提供者と関連する事業者が運営するものである。外部処理装置302は、例えば管理対象物90に関連する情報を、管理対象物90に設けられた情報媒体91に記憶されている情報と紐付けて保管及び管理する機能を有する。
【0038】
貯蔵庫システム1は、
図4に示すように、設定処理部41、報知処理部42、情報更新処理部43、更新判定処理部44、入出判定処理部45、及び追加情報取得処理部46を備えている。貯蔵庫10、外部端末201、202、及び外部処理装置301の全体で、設定処理部41、報知処理部42、情報更新処理部43、更新判定処理部44、入出判定処理部45、及び追加情報取得処理部46を実現するためのコンピュータプログラムを記憶している。
【0039】
貯蔵庫システム1は、コンピュータプログラムを、貯蔵庫10の制御装置11、外部端末201、202の制御装置21、又は外部処理装置301の図示しない制御装置において読み出して実行することで、設定処理部41、報知処理部42、情報更新処理部43、更新判定処理部44、入出判定処理部45、及び追加情報取得処理部46をコンピュータ上で仮想的に実現することができる。このコンピュータプログラムが、外部端末201、202に保存されてインストールされることを目的としたものである場合、このコンピュータプログラムは、情報端末用プログラムと称することもできる。
【0040】
なお、各処理部41~46は、上記したハードウェアとプログラムの組み合わせに限らず、プログラムをインプリメントした集積回路のようなハードウェア単体で実現するようにしてもよいし、一部の機能を専用のハードウェアで実現し、一部を貯蔵庫10の制御装置11、外部端末201、202の制御装置21、又は外部処理装置301の図示しない制御装置とプログラムの組み合わせで実現するようにしてもよい。
【0041】
設定処理部41は、設定処理を実行可能である。設定処理は、製造販売者で予め設定された仕様として又はユーザの操作等に基づいて、
図9に示すように貯蔵庫システム1に関する各種動作の条件等を設定する処理である。設定処理は、例えば「開始条件(貯蔵庫)」、「開始条件(外部端末)」、「終了条件(貯蔵庫)」、「終了条件(外部端末)」、「報知処理の態様」、「データ保管場所」、及び「追加情報の取得」を設定する処理を含む。
【0042】
「開始条件(貯蔵庫)」は、貯蔵庫10の読取装置15を起動させる条件、つまり読取装置15が情報媒体91を読み取り可能な状態にする条件である。「開始条件(貯蔵庫)」は、例えば「常時読み取り」と、「扉開」と、「ユーザ操作」と、のうちのいずれか1つを択一的に設定する構成とすることができる。「常時読み取り」は、貯蔵庫10の運転中は常時、読取装置15を起動させておき、常に情報媒体91を読み取り可能な状態に維持する設定である。「扉開」は、貯蔵室10a~10eに対応するつまり読取装置15に対応する扉101~105が開いたことを条件として、読取装置15を起動させて情報媒体91を読み取り可能な状態にする設定である。「ユーザ操作」は、ユーザが貯蔵庫10の入力装置13又は外部端末201、202の入力装置23等に対して所定の操作を行ったことを条件として、読取装置15を起動させて情報媒体91を読み取り可能な状態にする設定である。
【0043】
「開始条件(外部端末)」は、外部端末201、202の読取装置25を起動させる条件、つまり読取装置25が情報媒体91を読み取り可能な状態にする条件である。「開始条件(外部端末)」は、例えば「常時読み取り」と、「アプリ起動」と、「ユーザ操作」と、のうちのいずれか1つを択一的に設定する構成とすることができる。「常時読み取り」は、外部端末201、202の電源が投入されている間は常時、読取装置25を起動させておき、常に情報媒体91を読み取り可能な状態に維持する設定である。
【0044】
「アプリ起動」は、貯蔵庫システム1を実現するためのアプリケーションソフトウェアつまりコンピュータプログラムが外部端末201、202において起動されたことつまり実行されたことを条件として、読取装置25を起動させて情報媒体91を読み取り可能な状態にする設定である。「ユーザ操作」は、ユーザが貯蔵庫10の入力装置13又は外部端末201、202の入力装置23等に対して所定の操作を行ったことを条件として、読取装置25を起動させて情報媒体91を読み取り可能な状態にする設定である。
【0045】
「終了条件(貯蔵庫)」は、貯蔵庫10に設けられた読取装置15による更なる情報媒体91の読み取りが行われないこと、つまり読取装置15の動作終了を判断するための条件である。「終了条件(貯蔵庫)」は、例えば「所定期間経過」と、「扉閉」と、「ユーザ操作」と、のうちのいずれか1つを択一的に設定する構成とすることができる。「所定期間経過」は、読取装置15で情報媒体91を読み取ってから新たな情報媒体91の読み取りが発生せずに所定期間、例えば数秒程度経過したことを条件として、読取装置15を停止させて情報媒体91の読み取りを終了する設定である。「扉閉」は、貯蔵室10a~10eに対応するつまり読取装置15に対応する扉101~105が閉じたことを条件として、読取装置15を停止させて情報媒体91の読み取りを終了する設定である。「ユーザ操作」は、ユーザが貯蔵庫10の入力装置13又は外部端末201、202の入力装置23等に対して所定の操作を行ったことを条件として、読取装置15を停止させて情報媒体91の読み取りを終了する設定である。
【0046】
「終了条件(外部端末)」は、外部端末201、202に設けられた読取装置25による更なる情報媒体91の読み取りが行われないこと、つまり読取装置25の動作終了を判断するための条件である。「終了条件(外部端末)」は、例えば「所定期間経過」と、「アプリ終了」と、「ユーザ操作」と、のうちのいずれか1つを択一的に設定する構成とすることができる。「所定期間経過」は、読取装置25で情報媒体91を読み取ってから新たな情報媒体91の読み取りが発生せずに所定期間、例えば数秒程度経過したことを条件として、読取装置25を停止させて情報媒体91の読み取りを終了する設定である。「アプリ終了」は、貯蔵庫システム1を実現するためのアプリケーションソフトウェアの実行が外部端末201、202において終了されたことを条件として、読取装置25における情報媒体91の読み取りを終了する設定である。「ユーザ操作」は、ユーザが貯蔵庫10の入力装置13又は外部端末201、202の入力装置23等に対して所定の操作を行ったことを条件として、読取装置25を停止させて情報媒体91の読み取り可能を終了する設定である。
【0047】
設定処理は、報知処理部42で実行される報知処理に関し、「報知処理の態様」を設定する処理を含む。報知処理は、読取装置15、25で読み取った情報媒体91の個数を判別可能な態様で報知する処理である。「報知処理の態様」は、例えば「音(電子音)」、「音声(都度)」、「音声(まとめて)」、「発光(都度)」、「発光(まとめて)」、及び「表示」の中から1つ以上を設定する構成とすることができる。「報知処理の態様」に「音(電子音)」が選択された場合、報知処理部42は、貯蔵庫10の読取装置15又は外部端末201、202の読取装置25で読み取った情報媒体91の個数に応じた態様の音を、貯蔵庫10の発音装置16又は外部端末201、202の発音装置26から発生させる態様で報知処理を行う。
【0048】
「報知処理の態様」で「音(電子音)」が選択されている場合、報知処理部42は、
図10に示すように、同時又は極短期間に連続して情報媒体91を読み取る都度、貯蔵庫10の発音装置16又は外部端末201、202の発音装置26から、読み取った情報媒体91の個数に応じた態様で電子音を発生させる。この場合、極短期間とは、同一の期間間隔で音を発生させた場合に人の聴覚によっては音の区切りを認知できない程度の期間、つまり連続した音として認知してしまう程度の期間を意味し、例えば0.025秒以下に設定することができる。この極短期間の具体的な時間は、例えば貯蔵庫システム1の提供者又はユーザ等によって任意に設定できるようにしても良い。
【0049】
この場合、報知処理は、読取装置15、25が同時に又は予め設定された所定期間つまり上記した極短期間内に複数の情報媒体91を読み取った場合に、その所定期間よりも長い間隔を空けて情報媒体91の個数に応じた音を発音装置16、26から発生させる処理を含む。所定期間は例えば0.025秒に設定することができ、この場合、音の発生間隔は0.025秒以上に設定することができる。また、好ましくは、所定期間を例えば0.05秒に設定し、音の発生間隔を0.05秒以上に設定することができる。更により好ましくは、所定期間を例えば0.075秒に設定し、音の発声間隔を0.075秒以上に設定することができる。また、所定期間を例えば0.2秒に設定し、音の発声間隔を0.2秒以上確保しても良い。
【0050】
この場合、報知処理は、例えば連続して発生させる電子音の回数で、読み取った情報媒体91の個数を表現する態様とすることができる。例えば
図10の読取順の「1」に示すように、読取装置15、25が「ソーセージ」を読み取った場合つまり1つの情報媒体91を読み取った場合、この読み取りに対して報知処理部42は、「ピッ」といったように、1回の電子音を発生させる。
【0051】
読取順の「2」に示すように、同時又は極短期間に「牛乳」と「ヨーグルト」を読み取った場合つまり2つの情報媒体91を読み取った場合、この読み取りに対して報知処理部42は、「ピッピッ」といったように、上述した発生間隔で2回の電子音を発生させる。そして、読取順の「3」に示すように、例えば同時又は極短期間に「牛乳」と「チーズ」と「ハム」を読み取った場合つまり3つの情報媒体91を読み取った場合、この読み取りに対して報知処理部42は、「ピッピッピッ」といったように、上述した発生間隔で3回の電子音を発生させる。
【0052】
ここで、読み取った情報媒体91の個数を電子音で表現する場合、読み取った情報媒体91の個数が多くなると、連続する電子音の回数も多くなり、その結果、ユーザが感覚的に個数を把握し難くなる。そこで、報知処理は、同時に又は極短期間に読み取った情報媒体91の個数が所定以上となった場合には、いずれも同一つまり一律の態様で報知する処理を含んでいても良い。例えば、同時に又は極短期間に読み取った情報媒体91の個数が5個以上である場合、報知処理部42は、
図10に示すように、「ピーーー」といったように、連続する音を所定期間例えば1秒程度発生させるようにしても良い。これにより、ユーザは、読み取った情報媒体91について、具体的な個数の把握はできなくとも、5個以上であるといったように凡その個数を把握することができるようになる。
【0053】
図9において「報知処理の態様」に「音声(都度)」が選択されている場合、報知処理部42は、
図10に示すように、同時又は極短期間に連続して情報媒体91を読み取る都度、貯蔵庫10の発声装置17又は外部端末201、202の発声装置27から、読み取った情報媒体91の個数を示す音声を発生させる。
【0054】
例えば
図10の読取順の「1」に示すように、読取装置15、25が「ソーセージ」を読み取った場合つまり1つの情報媒体91を読み取った場合、この読み取りに対して報知処理部42は、「イチ」といったように読み取った情報媒体91の個数が1つであることを示す内容の音声を再生する。読取順の「2」に示すように、同時又は極短期間に「牛乳」と「ヨーグルト」を読み取った場合つまり2つの情報媒体91を読み取った場合、この読み取りに対して報知処理部42は、「ニ」といったように読み取った情報媒体91の個数が2つであることを示す内容の音声を再生する。
【0055】
そして、読取順の「3」に示すように、例えば同時又は極短期間に「牛乳」と「チーズ」と「ハム」を読み取った場合つまり3つの情報媒体91を読み取った場合、この読み取りに対して報知処理部42は、「サン」といったように読み取った情報媒体91の個数が3つであることを示す内容の音声を再生する。これらの場合、報知処理部42は、読み取った情報媒体91の個数を示す音声に加えて、情報媒体91が付されている管理対象物90を示す音声を発声させる構成でも良い。
【0056】
図9において「報知処理の態様」に「音声(まとめて)」が選択されている場合、報知処理部42は、貯蔵庫10又は外部端末201、202において開始条件が成立してから終了条件が成立するまでの期間に読み取った情報媒体91の個数を示す音声を、発声装置17、27から発生させる。例えば貯蔵庫10又は外部端末201、202において開始条件が成立してから終了条件が成立するまでの期間に、読取装置15、25が10個の情報媒体91を読み取った場合、報知処理部42は、「ゴウケイ ジュウ」といったように、読み取った情報媒体91の個数が10個であることを示す内容の音声を再生する。
【0057】
「音声(都度)」と「音声(まとめて)」を同時に選択することもできる。また、報知処理は、読取装置15、25が情報媒体91を読み取る都度、対象物に関する情報を示す音声を発声装置17、27から発声させる処理を含んでいても良い。そして、報知処理は、終了条件が成立した場合に一連の読み取りが完了したと判断して一連の読み取りで読み取った情報媒体91の個数を示す音声を発声装置17、27から発声させる処理を含んでいても良い。本実施形態において、「一連の読み取り」とは、開始条件(貯蔵庫)又は開始条件(外部端末)が成立してから、開始条件に対応した終了条件、
図9の例では終了条件(貯蔵庫)又は終了条件(外部端末)が成立するまでに行われた情報媒体91の読み取りを意味する。すなわち、「一連の読み取り」とは、開始条件(貯蔵庫)又は開始条件(外部端末)が成立してから、例えば貯蔵庫の扉が閉められるなどして終了条件が成立して近いうちに更なる読み取りが発生しないだろうと推定された状況になるまでに行われた読み取りを意味する。
【0058】
開始条件の成立後、終了条件が未だ成立せずに、読取装置15、25による読み取りが行われている場合、つまり読取装置15、25が読み取り中である場合、報知処理部42は、情報媒体91を読み取ると、その都度、読み取った情報媒体91が付されている管理対象物90に関する情報、例えば品名等を音声で報知する。そして、終了条件が成立すると、報知処理部42は、その終了条件が成立するまでに読み取った情報媒体91の合計数を示す情報を音声で報知する。
【0059】
例えば
図12に示すように、読取装置15、25が「ソーセージ」、「牛乳」、「ヨーグルト」、「牛乳」の順で4つの情報媒体91を読み取った場合、報知処理部42は、読取装置15、25が各情報媒体91を読み取る毎に、「ソーセージ」、「ギュウニュウ」、「ヨーグルト」、「ギュウニュウ」の音声を発声装置17、27から発生させる。そして、終了条件が成立して一連の読み取りが終了すると、報知処理部42は、その終了条件が成立するまでに読み取った情報媒体91の合計数が4であることを示す「ゴウケイ ヨン」との音声を発声装置17、27から発生させる。
【0060】
また、報知処理部42は、読取装置15、25が複数の情報媒体91を読み取った場合であって終了条件が成立した場合に一連の読み取りが完了したと判断して、一連の読み取りで読み取った管理対象物90の品目毎にその品目に関する情報及び個数を示す音声を発声装置17、27から発声させる処理を含んでいても良い。この場合、品目に関する情報は、例えば商品名又は品目名であっても良いし、品目に関する情報は、「生鮮食品」、「加工食品」、「酒類」等の区分を示す情報であっても良い。
【0061】
例えば
図12に示す内容の場合、一連の読み取りでは、「牛乳」が2つ読み取られており、その他は1つずつ読み取られている。そのため、報知処理部42は、終了条件の成立後、
図13に示すように、「ギュウニュウ ニ」、「ソーセージ イチ」、「ヨーグルト イチ」といったような態様で報知する。
【0062】
図9の例において、「報知処理の態様」に「発光(都度)」が選択されている場合、報知処理部42は、
図14に示すように、同時又は極短期間に連続して情報媒体91を読み取る都度、貯蔵庫10の発光装置18又は外部端末201、202の発光装置28を、読み取った情報媒体91の個数に応じた態様で点滅させる。この場合、極短期間とは、同一の期間間隔で点滅させた場合に人の視覚によっては点滅の区切りを認知できない程度の期間、つまり連続した点灯として認知してしまう程度の期間を意味し、例えば0.025秒以下に設定することができる。この極短期間の具体的な時間は、例えば貯蔵庫システム1の提供者又はユーザ等によって任意に設定できるようにしても良い。
【0063】
この場合、報知処理は、読取装置15、25が同時に又は予め設定された所定期間つまり上記した極短期間内に複数の情報媒体91を読み取った場合に、その所定期間よりも長い間隔を空けて情報媒体91の個数に応じた対応で発光装置18、28を発光つまり点滅させる処理を含む。例えば同時に又は極短期間に読み取った情報媒体91が1つである場合、報知処理部42は、発光装置18、28を1回点滅させる。例えば同時に又は極短期間に読み取った情報媒体91が2つである場合、報知処理部42は、発光装置18、28を2回点滅させる。そして、例えば同時に又は極短期間に読み取った情報媒体91が3つである場合、報知処理部42は、発光装置18、28を3回点滅させる。
【0064】
所定期間は例えば0.025秒に設定することができ、この場合、点滅の間隔は0.025秒以上に設定することができる。また、好ましくは、所定期間を例えば0.05秒に設定し、点滅の発生間隔を0.05秒以上に設定することができる。更により好ましくは、所定期間を例えば0.075秒に設定し、点滅の発声間隔を0.075秒以上に設定することができる。また、所定期間を例えば0.2秒に設定し、点滅の発声間隔を0.2秒以上確保しても良い。
【0065】
ここで、読み取った情報媒体91の個数を発光装置18、28の点滅で表現する場合、読み取った情報媒体91の個数が多くなると、点滅する回数も多くなり、その結果、ユーザが感覚的に個数を把握し難くなる。そこで、報知処理は、同時に又は極短期間に読み取った情報媒体91の個数が所定以上である場合には、同じ態様で報知する処理を含んでいても良い。例えば、同時に又は極短期間に読み取った情報媒体91の個数が5個以上である場合、報知処理部42は、発光装置18、28を所定期間例えば1秒程度点灯させるようにしても良い。これにより、ユーザは、読み取った情報媒体91について、具体的な個数の把握はできなくとも、5個以上であるといった凡その個数を把握することができるようになる。
【0066】
「報知処理の態様」に「発光(まとめて)」が選択されている場合、例えば
図15に示すように、報知処理部42は、貯蔵庫10又は外部端末201、202において開始条件が成立してから終了条件が成立するまでの期間に読み取った情報媒体91の個数毎に対応した色彩で発光装置18、28を所定期間例えば数秒程度発光させる。この場合、報知処理部42は、例えば読み取った情報媒体91の個数が1~5個の場合、6~10個の場合、11個以上の場合、で色彩を変えて発光装置18、28を発光させる構成とすることができる。この場合、報知処理部42は、読み取った情報媒体91の個数に応じて色彩ではなく輝度を変更する構成でもよい。例えば報知処理部42は、読み取った情報媒体91の個数が増えるにつれて発光装置18、28の輝度を増やして発光させても良い。
【0067】
報知処理は、読取装置15、25が読み取った情報媒体91の個数を示す情報を表示装置14、24に表示させる処理を含む。
図9の設定内容において、「報知処理の態様」に「表示」が選択されている場合、報知処理部42は、例えば
図16に示すように、読取装置15、25で情報媒体91を読み取る都度、読み取った情報の全部又は一部を表示装置14、24に表示させる。
【0068】
報知処理は、
図16に示すように、読取装置15、25が複数の情報媒体91を読み取った場合に、読み取った情報媒体91に記録された情報に基づいて各管理対象物90に関する情報を表示装置14、24に一覧で表示させる処理を含む。なお、以下の説明は、表示装置14、24が入力装置13、23と兼用されたタッチパネルディスプレイである場合を想定している。また、本実施形態において、一覧で表示とは、特定の情報媒体91に関する情報を所定の表示形式に則して1つの画面に表示されることを含む。また、一覧で表示とは、複数の情報媒体91に関する情報を表示する場合に、特定の情報媒体91に関する情報と別の情報媒体91に関する情報とが共に所定の表示形式によって1つの画面に表示されることを含む。ここでいう1つの画面とは、実際に表示されている画面だけでなく、所定の表示形式を保ったままスクロールやページ移動などの画面遷移を伴うことによって実質的に1つの画面とみなされる場合も含む意味である。
【0069】
報知処理部42は、例えば
図16に示すように、読取装置15、25の画面上に、読み取り結果の表示欄51、読み取りの合計数を表示する合計欄52、表示欄51の表示内容を切り替えるための切替ボタン531~535、登録ボタン541、及び登録キャンセルボタン542を表示させる。なお、
図16から
図22において、切替ボタン531~535に示された斜線は、斜線が示された切替ボタン531~535がユーザによって選択されていることを意味する。
【0070】
読み取り結果の表示欄51は、読み取りの開始条件が成立してから現在までに読み取った情報媒体91の情報に基づいて表示されるものである。表示欄51には、例えば読み取り順、品目、賞味期限・消費期限、及び読み取った個数等を表示するが、情報媒体91の読み取りによって直接又は間接的に取得できる情報であれば上述した内容以外のものを表示することもできる。
【0071】
合計欄52は、一連の読み取りで読み取った情報媒体91の合計数を表示する領域である。切替ボタン531~535、登録ボタン541、及び登録キャンセルボタン542は、ユーザからのタッチ操作を受け付ける操作部である。「読取順」と表示された切替ボタン531は、表示欄51の表示順を情報媒体91の読み取り順に変更するための操作を受け付けるボタンである。ユーザによって「読取順」の切替ボタン531が選択された場合、報知処理部42は、
図16に示すように、表示欄51内を情報媒体91の読み取り順に降順又は昇順に並べて表示する。この状態で読取装置15、25が新たに情報媒体91を読み取ると、報知処理部42は、表示欄51の読み取り順の末尾に、新たに読み取った情報媒体91の行を追加する。
【0072】
「品名順」と表示された切替ボタン532は、表示欄51の表示順を、品目に基づいた順番、この場合、品名順に変更するための操作を受け付けるボタンである。ユーザによって「品名順」の切替ボタン532が操作された場合、報知処理部42は、
図17に示すように、表示欄51内を品名順に並べ替えて表示する。この状態で読取装置15、25が新たに情報媒体91を読み取ると、報知処理部42は、新たに読み取った情報媒体91の行を追加した内容で表示欄51の表示を更新する。
【0073】
「品名ごと」と表示された切替ボタン533は、表示欄51の表示順を、品目ごとにまとめて、この場合、品名ごとにまとめて表示する態様に変更するための操作を受け付けるボタンである。ユーザによって「品名ごと」の切替ボタン533が操作された場合、報知処理部42は、
図18に示すように、品目ごとにまとめて、その品目に関する情報及び個数に関する情報を、表示欄51内に表示する。この場合、品目ごとにまとめて表示するとは、例えば同じ品目の対象物は同じ行にまとめて、その品目の対象物の個数を「個数」に表示するような表示態様である。
図18等の例では、品目のうち品名ごとにまとめて表示した場合を示している。なお、まとめて表示するものは品名に限られず、例えば品目のうちの大分類又は小分類ごとにまとめて表示しても良い。
【0074】
図18の例において、例えばユーザが表示欄51のうちのある行をタッチ操作して選択すると、報知処理部42は、
図19に示すように、選択された行の内訳を表示するようにしても良い。すなわち、
図18の例では、2つの「牛乳」が読み取られて1行にまとめて表示されている。この場合に、ユーザが、「牛乳」を選択すると、
図19に示すように、報知処理部42は、2つの「牛乳」に関する情報を表示装置14、24に表示させる。この場合、報知処理部42は、例えば「次へ」ボタン551及「戻る」ボタン552を表示させて、このボタン551、552の操作に基づいて、品名の切り替えを行うようにしても良い。
【0075】
「期限順」と表示された切替ボタン534は、表示欄51の表示順を、賞味期限及び消費期限順に変更するための操作を受け付けるボタンである。ユーザによって「期限順」の切替ボタン534が選択された場合、報知処理部42は、
図20に示すように、表示欄51内を期限順に並べ替えて表示する。この状態で読取装置15、25が新たに情報媒体91を読み取ると、報知処理部42は、新たに読み取った情報媒体91の行を追加した内容で表示欄51の表示を更新する。
【0076】
「期限ごと」と表示された切替ボタン535は、表示欄51の表示順を、賞味期限及び消費期限順ごとにまとめて表示する態様に変更するための操作を受け付けるボタンである。ユーザによって「期限ごと」の切替ボタン535が選択された場合、報知処理部42は、
図21に示すように、賞味期限及び消費期限ごとにまとめて、その品目に関する情報及び個数に関する情報を、表示欄51内に表示する。この場合、賞味期限及び消費期限ごとにまとめて表示するとは、例えば賞味期限又は消費期限が同一の対象物は同じ行にまとめて、その賞味期限又は消費期限が設定された管理対象物の個数を「個数」に表示するような表示態様である。賞味期限又は消費期限が同一の管理対象物が複数存在する場合、表示欄51の「品名」には、例えば読み取り順の若いもののみ品名を表示し、他の管理対象物については「他」としてまとめて表示する構成でも良い。
【0077】
図21の例において、例えばユーザが表示欄51のうちのある行をタッチ操作して選択すると、報知処理部42は、
図22に示すように、選択された行の内訳を表示するようにしても良い。すなわち、
図21の例では、賞味期限又は消費期限が「2022/9/5」に設定された管理対象物が2つ存在する。この場合に、ユーザが、賞味・消費期限が「2022/9/5」である行を選択すると、
図22に示すように、報知処理部42は、賞味・消費期限が「2022/9/5」となる2つの管理対象物に関する情報を、表示装置14、24に表示させる。この場合、報知処理部42は、例えば「次へ」ボタン551及「戻る」ボタン552を表示させて、このボタン551、552の操作に基づいて、品名の切り替えを行うようにしても良い。
【0078】
なお、
図16等の例において、切替ボタン531~535に代えて、表示欄51の上部に表示された項目の名称、つまり「読取順」、「品目」、「品名」、「大分類」、「小分類」、「賞味・消費期限」をユーザがタッチして選択する構成としても良い。この場合、例えば「読取順」、「品目」、「品名」、「大分類」、「小分類」、「賞味・消費期限」をユーザがタッチ操作すると、それぞれ「読取順」、「品目」、「品名」、「大分類」、「小分類」、「賞味・消費期限」でまとめて表示する構成としても良いし、降順及び昇順を入れ替えて表示する構成としても良い。
【0079】
設定処理は、
図9に示すように、読み取った情報媒体91に基づいて作成及び更新されるデータベースDBのデータの保管場所を、ユーザの任意に又は予め決められた場所に設定する処理を含む。データベースDBのデータの保管場所は、例えば貯蔵庫10の補助記憶装置19、外部端末201、202の補助記憶装置29、及び外部処理装置301の図示しない記憶装置等の中から1つ以上を選択することができる。情報更新処理部43は、設定処理で設定された保管場所に、データベースDBの情報を保管する。
【0080】
設定処理は、
図9に示すように、「追加情報の取得」の有無を設定する処理を含む。追加情報は、管理対象物90に関する情報のうち情報媒体91には直接的に記録されていない情報、つまり情報媒体91からは直接的には読み取ることができない情報であって、情報媒体91から読み取った情報に基づいて外部の処理装置302等から取得可能な情報である。「追加情報の取得」が「なし」に設定されている場合、追加情報取得処理部46は、追加情報を取得しない。
【0081】
「追加情報の取得」が「あり」に設定されている場合、追加情報取得処理部46は、情報媒体91から読み取った情報に基づき、インターネット等の電気通信回線NTを介して外部処理装置302等から追加情報を取得する。この場合、報知処理部42は、読み取った情報媒体91に関して、追加情報を取得する前に報知処理を行うこともできるし、追加情報を取得した後に報知処理を行うこともできる。
【0082】
情報更新処理部43は、情報更新処理を実行可能である。情報更新処理は、読取装置15、25が読み取った情報媒体91に記憶された情報に基づいて、例えば
図24に示すような管理対象物90のデータベースDBの情報を更新する処理を含む。データベースDBには、情報媒体91から読み取った情報、及び情報媒体91に基づいて外部処理装置302等から取得した情報の他、情報媒体91の読み取り日時や情報媒体91を読み取った読取装置に関する情報を含めることができる。
図24の例において、「読取装置」の欄が「外部端末」となっている情報は、外部端末201、202の読取装置25で読み取られたことを示し、「読取装置」の欄つまりカラムが「貯蔵庫」となっている情報は、貯蔵庫10の読取装置15で読み取られたことを示している。
【0083】
データベースDBは、データベースDBに登録されている管理対象物90が貯蔵庫10から取り出された場合に、例えばその管理対象物90に関する情報をデータベースDBから削除するようにしても良いし、
図24の「取り出し」の欄つまりカラムに示すように、取り出されたことを示す項目を含んでいても良い。この場合、例えば
図24の「取り出し」の欄つまりカラムにおいて、「0」は貯蔵庫10から取り出されていないことつまり未だ貯蔵庫10内に収容されていることを示し、「1」は貯蔵庫10から取り出されたことを示す。
【0084】
更新判定処理部44は、更新判定処理を実行可能である。更新判定処理は、管理対象物90に関する情報を読取装置15、25が読み取った場合に、読み取った管理対象物90の情報に関してデータベースDBの更新の実行の可否をユーザの操作に基づいて判定する処理を含む。更新判定処理部44は、読取装置15、25が複数の異なる情報媒体91を読み取った場合に、情報媒体91が付された各管理対象物90について個別に更新判定処理を実行可能である。また、更新判定処理部44は、読取装置15、25が複数の異なる情報媒体91を読み取った場合に、情報媒体91が付された各管理対象物90についてまとめて更新判定処理を実行可能である。
【0085】
個別に更新判定処理を実行可能とは、例えば読み取った情報媒体91の情報ごとつまり管理対象物90に関する情報の個々に、更新判定処理を実行することを意味する。個別に更新判定処理を実行する例としては、例えば
図25に示すように、表示欄51に表示されている一覧の中から、ユーザが例えばデータベースDBに登録したくない情報をタッチ操作等により個別に選択する態様がある。ユーザが登録したくない情報として選択したものについては、
図25において網掛けの斜線で示している。この場合、更新判定処理部44は、選択された情報に関してデータベースDBの更新が否であると判断し、ユーザが登録したくない情報として選択された情報についてデータベースDBの更新を行わない。
【0086】
また、まとめて更新判定処理を実行可能とは、例えば読み取った情報媒体91の情報を複数まとめてつまり一括して、更新判定処理を実行することを意味する。まとめて更新判定処理を実行する例としては、例えば
図25に示すように、表示欄51に表示されている一覧の情報をまとめて更新する態様等がある。ユーザが登録したい情報は、例えば
図25の表示欄51に表示されている情報のうちユーザが登録したくない情報として選択したもの以外のもの、つまり
図25の例では網掛けで表示した以外のものとすることができる。この場合、ユーザが登録ボタン541を選択すると、更新判定処理部44は、表示欄51に表示されている情報のうち、ユーザが登録したい情報として設定したものについて、つまり網掛けがされていない情報について、データベースDBの更新が否であると判断し、当該情報に関してデータベースDBの更新を行う。
【0087】
情報媒体91に管理対象物90の個体を識別する情報が含まれている場合、貯蔵庫システム1は、その識別情報を照合することで、同一の管理対象物90に対して読み取りの重複が発生しているか否かを判断することができる。しかし、食料品等のように比較的安価な商品の場合、情報媒体91に含まれる情報はせいぜい製造ロットに関する情報までであることが多く、個体を識別可能な情報までは含まれないことが想定される。
【0088】
そこで、更新判定処理は、読取装置15、25で読み取った情報媒体91の情報が重複する場合つまり同一である場合に、何れの情報に基づいてデータベースDBの更新を行うか否かをユーザの操作に基づいて判定する処理を含む。情報媒体91の情報の重複は、例えば読取装置15、25で同時期に読み取りが行われた等、異なる読取装置15、25間でも発生し得るし、同一の読取装置15、25で複数回同一の情報媒体91を読み取ることでも発生し得る。この場合、更新判定処理部44は、例えば
図26に示すように、確認情報57を貯蔵庫10の表示装置14又は外部端末201、202の表示装置24に表示させたり、確認情報57と同様の内容の音声を発声装置17、27で再生させたりする。確認情報57は、重複して読み取った情報のうちのいずれをデータベースDBに反映させるかをユーザに確認する内容を含んでいる。
【0089】
図26の例において、ユーザは、データベースDBに登録する情報を個別に選択する場合、例えば
図27に示すように、表示欄51の中からユーザがデータベースDBに登録を希望する品名を選択する。
図27の例において、ユーザが選択した情報は、1行目の「ソーセージ」、5行目の「牛乳」、及び6行目の「ヨーグルト」である。この場合、重複する情報のうちユーザに選択されなかったものは、例えば網掛けで表示するようないわゆるグレーアウトで表示するなどして、ユーザが重複して選択できないようにする。
【0090】
また、ユーザは、データベースDBに登録する情報をまとめて選択する場合、例えば
図28に示すように、表示欄51の中からユーザがデータベースDBに登録を希望する情報に対応する「読取装置」を選択する。本実施形態の場合、ユーザは、「外部端末」又は「貯蔵庫」のいずれかを選択することができる。
図28の例は、ユーザが「貯蔵庫」を選択した場合を示している。選択されていない「外部端末」については、例えば網掛けで表示するようないわゆるグレーアウトで表示するなどして、ユーザが重複して選択できないようにする。そして、情報更新処理部43は、選択された情報に基づいて、データベースDBを更新する。
【0091】
入出判定処理部45は、入出判定処理を実行可能である。入出判定処理は、読取装置15、25で読み取った情報媒体91が付された管理対象物90が、貯蔵庫10に入れ込まれたこと及び貯蔵庫10から取り出されたことを判定する処理である。入出判定処理の具体的な方法は、読取装置15の読み取り方式や配置、及び貯蔵庫システム1の具体的構成によって異なる。
【0092】
例えば貯蔵庫システム1が、読取装置15、25で読み取った情報をデータベースで管理する構成では、入出判定処理部45は、データベースに登録されていないものを新たに読み取った場合、又は既に取り出されたことを示す態様でデータベースに登録されているものを再度読み取った場合に、その情報媒体91が付された管理対象物90が貯蔵庫10に入れ込まれたと判断する。そして、入出判定処理部45は、現在貯蔵庫10内に保管されていることを示す態様でデータベースに登録されているものを読み取った場合、その情報媒体91が付された管理対象物90が貯蔵庫10から取り出されたと判断する。
【0093】
また、例えば
図7に示すように、例えば貯蔵庫10に設けられている読取装置151、152のように、読取装置151、152による読み取りの順番によって、管理対象物90の移動方向を判断できる構成の場合、入出判定処理部45は、例えばデータベースを参照することなく、読取装置151、152による読み取りの順番によって、管理対象物90が貯蔵庫10内に入れ込まれたか又は貯蔵庫10から取り出されたかを判断する。
【0094】
また、例えば
図8に示すように貯蔵庫10の外面に読取装置15が設けられている構成で
図9の「開始条件(貯蔵庫)」に「ユーザ操作」が選択されている場合、又は外部端末201、202に設けられた読取装置25であって
図9の「開始条件(外部端末)」に「ユーザ操作」が選択されている場合、入出判定処理部45は、入力装置13、23に対するユーザの操作に基づいて、管理対象物90が貯蔵庫10内に入れ込まれたか又は貯蔵庫10から取り出されたかを判断することもできる。
【0095】
この場合、入出判定処理部45は、読取装置15、25による読み取りを開始する前に、例えば
図23に示すように、表示装置14、24に「入れる」を示すボタン561及び「取り出し」を示すボタン562を表示させる。ユーザにより「入れる」を示すボタン561が操作された場合、入出判定処理部45は、開始条件が成立したとして、読取装置15、25を起動させる。そしてこの場合、入出判定処理部45は、終了条件が成立するまで、読取装置15、25で読み取られる情報は貯蔵庫10に入れ込まれる管理対象物90のものであると判断する。
【0096】
また、ユーザにより「取り出し」を示すボタン562が操作された場合、入出判定処理部45は、開始条件が成立したとして、読取装置15、25を起動させる。そしてこの場合、入出判定処理部45は、終了条件が成立するまで、読取装置15、25で読み取られる情報は貯蔵庫10から取り出される管理対象物90のものであると判断する。
【0097】
ここで、ユーザが、貯蔵庫10内の管理対象物90の位置を変更したりする場合のように、管理対象物90を貯蔵庫10から一時的に取り出し、再度、貯蔵庫10に入れられることが想定される。このような場合にまでデータベースDBを更新すると、データベースDBの更新に伴う処理負荷が増大する。そこで、入出判定処理部45が管理対象物90の取り出しを判定した後の所定期間内に同一の管理対象物90が貯蔵庫10に入れ込まれたと判定した場合に、更新判定処理部44は、情報更新処理を実行しない、つまり出し入れが検出された情報媒体91の情報に基づいてはデータベースDBを更新しない。この場合、所定期間とは、例えば時間で設定することもできるし、例えば開始条件が成立してから終了条件が成立するまでの期間とすることもできる。
【0098】
報知処理部42は、入出判定処理によって貯蔵庫10に対して管理対象物90が入れられたことを判定した場合と、管理対象物90が貯蔵庫10から取り出されたことを判定した場合とで、異なる態様で報知処理を実行可能である。電子音の報知処理を行う場合において、報知処理部42は、管理対象物90が入れられたとされた場合と、管理対象物90が取り出されたと判定された場合とで、基本となる電子音を異ならせる。例えば入出判定処理で貯蔵庫10に対して管理対象物90が入れられたことを判定された場合、報知処理部42は、
図10に示すように、「ピッ」の音を基本とした電子音で報知を行うようにする。これに対し、入出判定処理で貯蔵庫10から管理対象物90が取り出されたことを判定された場合、報知処理部42は、
図11に示すように、「ビッ」の音を基本とした電子音で報知を行うようにする。
【0099】
また、音声の報知処理を行う場合において、報知処理部42は、貯蔵庫10に対して管理対象物90が入れられたことを判定された場合と、貯蔵庫10から管理対象物90が取り出されたことを判定された場合とで、基本となる音声を異ならせる。例えば入出判定処理で貯蔵庫10に対して管理対象物90が入れられたことを判定された場合、報知処理部42は、
図10に示すように、例えば男性の音声で報知を行うようにする。これに対し、入出判定処理で貯蔵庫10から管理対象物90が取り出されたことを判定された場合、報知処理部42は、
図11に示すように、例えば女性の音声で報知を行うようにする。
【0100】
また、上記のように構成されたデータベースDBの情報は、貯蔵庫10や外部端末201、202に対するユーザの操作に基づいて呼び出すことができる。この場合、貯蔵庫システム1は、呼び出したデータベースDBの情報を、表示装置14、24を用いた表示又は発声装置17、27を用いた音声等でユーザに提示することができる。ユーザは、例えば外出先等から外部端末201等を操作することにより、データベースDBを参照することができ、これにより、例えば貯蔵庫10内の状況を確認することができる。
【0101】
次に、貯蔵庫システム1における制御フローの一例について
図29及び
図30も参照して説明する。なお、貯蔵庫システム1における制御フローは
図29及び
図30に示すものに限られない。また、
図29及び
図30の各処理は、貯蔵庫システム1を実現出来る範囲内において入れ替え等を行っても良い。以下の説明では、貯蔵庫10の制御装置11が実行する処理、外部端末201、202の制御装置21が実行する処理、及び外部処理装置301の図示しない制御装置が実行する処理は、いずれも区別することなく貯蔵庫システム1が実行するものとして説明する。
【0102】
貯蔵庫システム1は、
図29及び
図30の制御フローを開始する前に、
図9に示す設定処理の内容を呼び出す。貯蔵庫システム1は、
図29に示すように、制御フローを開始すると、ステップS11において、貯蔵庫10又は外部端末201、202において開始条件が成立したか否かを判断する。貯蔵庫システム1は、開始条件が成立するまでステップS11を繰り返す(ステップS11でNO)。貯蔵庫システム1は、開始条件が成立すると(ステップS11でYES)、ステップS12に処理を移行させ、開始条件が成立した貯蔵庫10又は外部端末201、202が有する読取装置15、25を制御して、情報媒体91の読み取りを開始つまり情報媒体91を読み取り可能な状態にする。
【0103】
次に、貯蔵庫システム1は、ステップS13において、開始条件が成立した貯蔵庫10又は外部端末201、202で終了条件が成立したか否かを判断する。終了条件が成立していない場合(ステップS13でNO)、貯蔵庫システム1は、ステップS14へ処理を移行させる。貯蔵庫システム1は、ステップS14において、読み取りが開始された読取装置15、25において情報媒体91の読み取りの有無を判断する。読み取りが開始された読取装置15、25で情報媒体91の読み取りが無い場合(ステップS14でNO)、貯蔵庫システム1は、ステップS13へ処理を戻し、ステップS13以降を繰り返す。
【0104】
読み取りが開始された読取装置15、25で情報媒体91の読み取りが合った場合(ステップS14でYES)、貯蔵庫システム1は、ステップS15へ処理を移行させて、入出判定処理を実行する。入出判定処理によって貯蔵庫10に対して管理対象物90が入れられたことが判定されない場合、つまり貯蔵庫10から管理対象物90が取り出されたことが判定された場合(ステップS16でNO)、貯蔵庫システム1は、ステップS19へ処理を移行させる。一方、入出判定処理によって貯蔵庫10に対して管理対象物90が入れられたことが判定された場合(ステップS16でYES)、貯蔵庫システム1は、ステップS17へ処理を移行させる。
【0105】
貯蔵庫システム1は、追加情報の取得が「なし」に設定されている場合(ステップS17でNO)、ステップS19へ処理を移行させる。一方、貯蔵庫システム1は、追加情報の取得がありに設定されている場合(ステップS17でYES)、ステップS18において、読み取った情報媒体91に基づいて追加情報を取得し、ステップS19へ処理を移行させる。
【0106】
貯蔵庫システム1は、ステップS19において、報知処理の態様の設定を判断し、報知処理の態様の設定に関して「都度」が選択されている場合(ステップS19でYES)、ステップS20へ処理を移行させる。そして、貯蔵庫システム1は、ステップS20において報知処理を実行し、ステップS11へ処理を戻す。一方、報知処理の態様の設定に関して「都度」が選択されてない場合(ステップS19でNO)、貯蔵庫システム1は、ステップS19で報知処理を実行することなく、ステップS11へ処理を戻す。そして、貯蔵庫システム1は、ステップS11以降を繰り返す。
【0107】
貯蔵庫システム1は、ステップS13において終了条件が成立した場合(ステップS13でYES)、貯蔵庫システム1は、
図30のステップS21へ処理を移行させる。そして、貯蔵庫システム1は、ステップS21において、終了条件が成立した貯蔵庫10又は外部端末201、202が有する読取装置15、25を制御し、情報媒体91の読み取りを終了する、つまり一連の読み取りを終了する。
【0108】
その後、貯蔵庫システム1は、ステップS22において、報知処理の態様の設定を判断し、報知処理の態様の設定に関して「まとめて」が選択されている場合(ステップS22でYES)、ステップS23へ処理を移行させる。そして、貯蔵庫システム1は、ステップS23において、ステップS12からステップS21までの期間に読み取った情報媒体91の情報についてまとめて報知処理を実行する。その後、貯蔵庫システム1は、ステップS24へ処理を移行させる。一方、貯蔵庫システム1は、報知処理の態様の設定に関して「まとめて」が選択されていない場合(ステップS22でNO)、ステップS23で報知処理を実行することなく、ステップS24へ処理を移行させる。
【0109】
次に、貯蔵庫システム1は、ステップS24において更新判定処理を実行し、読み取った情報に基づいてデータベースDBを更新するか否かを判断する。そして、貯蔵庫システム1は、ステップS25において情報更新処理を実行し、更新判定処理の実行結果に基づいて、読み取った情報をデータベースDBに反映させる。その後、貯蔵庫システム1は、
図29のステップS11に処理を戻し、ステップS11以降を繰り返す。
【0110】
以上説明した実施形態によれば、貯蔵庫システム1は、貯蔵室10a~10eを有する貯蔵庫10と、読取装置15、25と、報知処理部42と、を備える。読取装置15、25は、貯蔵庫10に設けられ又は貯蔵庫10とは異なる外部端末201、202に設けられている。読取装置15、25は、管理対象物90に付された情報媒体91に記録された情報を読み取り可能である。報知処理部42は、読取装置15、25で読み取った情報媒体91の個数を判別可能な態様で報知する報知処理を実行可能である。
【0111】
これによれば、ユーザは、報知処理の報知内容を知ることで、読取装置15、25で読み取った情報媒体91の個数を認知することができる。すなわち、これによれば、ユーザは、報知処理により、読取装置15、25で読み取られたか否かを簡単に把握することができるようになり、その結果、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
【0112】
貯蔵庫システム1は、音を発することが可能な発音装置16、26を更に備えている。そして、報知処理は、読取装置15、25で読み取った情報媒体91の個数に応じた態様の音を発音装置16、26から発生させる処理を含む。これによれば、ユーザは、読取装置15、25で読み取った情報媒体91の個数を音によって把握することができる。このため、ユーザは、例えば表示装置14、24等に注視するために作業を止める必要がなくなる。つまり、ユーザは、作業しながら読み取った情報媒体91の個数を把握できるようになり、その結果、ユーザの更なる利便性の向上を図ることができる。
【0113】
ここで、読取装置15、25で読み取った情報媒体91の個数を音で報知する場合、例えば音の間隔が短いとユーザは連続した音と捉えてしまうおそれがあり、その結果、情報媒体91の個数に対するユーザの認識精度が低下する。そこで、報知処理は、読取装置15、25が同時に又は予め設定された所定期間内に複数の情報媒体91を読み取った場合に、所定期間よりも長い間隔を空けて情報媒体91の個数に応じた音を発音装置16、26から発生させる処理を含む。これによれば、複数の情報媒体91が同時又は短期間に読み取られた場合であっても、情報媒体91の個数に対するユーザの認識精度の低下を抑制できる。
【0114】
貯蔵庫システム1は、光を発光可能な発光装置18、28を更に備える。そして、報知処理は、読取装置15、25が読み取った情報媒体91の個数に応じた態様で発光装置18、28を発光させる処理を含む。これによれば、ユーザは、読取装置15、25で読み取った情報媒体91の個数を、発光装置18、28の発光によって把握することができる。これにより、ユーザは、読み取った情報媒体91の個数を音とは別の態様で把握できるようになり、その結果、ユーザの更なる利便性の向上を図ることができる。
【0115】
ここで、読取装置15、25で読み取った情報媒体91の個数を発光装置18、28の発光で報知する場合、例えば発光の間隔が短いとユーザは連続した発光つまり単なる店頭と捉えてしまうおそれがあり、その結果、情報媒体91の個数に対するユーザの認識精度が低下する。そこで、報知処理は、読取装置15、25が同時に又は予め設定された所定時間内に複数の情報媒体91を読み取った場合に、複数の情報媒体91を読み取った時間間隔よりも長い間隔を空けて情報媒体91の個数に応じた回数分、発光装置18、28を発光させる処理を含む。これによれば、複数の情報媒体91が同時又は短期間に読み取られた場合であっても、情報媒体91の個数に対するユーザの認識精度の低下を抑制できる。
【0116】
報知処理は、読取装置15、25が同時に又は予め設定された所定時間内に複数の情報媒体91を読み取った場合に、読み取った情報媒体91の個数に応じた色彩又は輝度で発光装置18、28を発光させる処理を含む。これよれば、ユーザは、読み取った情報媒体91の個数を、音や発光装置18、28の点滅等とは別の態様で把握できるようになり、その結果、ユーザの更なる利便性の向上を図ることができる。
【0117】
貯蔵庫システム1は、音声を発することが可能な発声装置17、27を更に備える。報知処理は、読取装置15、25が読み取った情報媒体91の個数を示す音声を発声装置17、27から発生させる処理を含む。これによれば、ユーザは、読取装置15、25が読み取った情報媒体91の個数をより確実に把握することできる。その結果、情報媒体91の個数に対するユーザの認識精度の更なる向上や、ユーザの更なる利便性の向上を図ることができる。
【0118】
報知処理は、読取装置15、25による更なる情報媒体91の読み取りが行われないことを判断する終了条件が成立した場合に一連の読み取りが完了したと判断して一連の読み取りで読み取った情報媒体91の個数つまり合計数を示す音声を発声装置17、27から発声させる処理を含む。これによれば、ユーザは、一連の読み取りで読み取った情報媒体91の合計個数を音声で把握することができ、その結果、ユーザの認識精度の更なる向上や、ユーザの更なる利便性の向上を図ることができる。
【0119】
図12に示すように、報知処理は、読取装置15、25が複数の情報媒体91を同時又は極短期間に連続して読み取った場合に、管理対象物90の品目毎にまとめて、例えば同一の品名毎にまとめて、管理対象物90に関する情報及び個数を示す音声を発声装置から発声させる処理を含む。これによれば、同一の物品が複数存在する場合に、同一の物品がまとめて音として報知されるため、ユーザの認識精度の更なる向上を図ることができる。
【0120】
貯蔵庫システム1は、情報を表示可能な表示装置14、24を更に備える。報知処理は、読取装置15、25が読み取った情報媒体91の個数を示す情報を表示装置14、24に表示させる処理を含む。これによれば、ユーザは、読取装置15、25が読み取った情報媒体91の個数を視覚的に把握することができるようになる。その結果、情報媒体91の個数に対するユーザの認識精度の更なる向上や、ユーザの更なる利便性の向上を図ることができる。
【0121】
報知処理は、読取装置15、25が情報媒体91を読み取った場合に、読み取った情報媒体91に記録された情報に基づいて管理対象物90に関する情報を表示装置14、24に一覧で表示させる処理を含む。これによれば、ユーザは、読み取った情報媒体91の個数だけでなく、管理対象物90に関する情報も把握することができる。その結果、ユーザの利便性の更なる向上を図ることができる。
【0122】
報知処理は、例えば
図16に示すように、読取装置15、25が複数の情報媒体91を読み取った場合に、各管理対象物90に関する情報を表示装置14、24に情報媒体91の読み取り順に並べて一覧で表示させる処理を含む。これによれば、ユーザは、読取装置15、25で読み取られた情報が何であるかを把握し易くなり、その結果、ユーザの更なる利便性の向上を図ることができる。
【0123】
報知処理は、例えば
図18に示すように、読取装置15、25が複数の情報媒体91を読み取った場合に管理対象物90の品目ごとにまとめて管理対象物90に関する情報及び個数を示す情報を表示装置14、24に表示させる処理を含む。これによれば、ユーザは、同一品目の管理対象物90の個数を把握し易くなり、その結果、ユーザの更なる利便性の向上を図ることができる。
【0124】
貯蔵庫システム1は、情報更新処理部43と、更新判定処理部44と、を更に備える。情報更新処理部43は、読取装置15、25が読み取った情報媒体91に記憶された情報に基づいて管理対象物90のデータベースDBの情報を更新する情報更新処理を実行可能である。更新判定処理部44は、読取装置15、25が読み取った情報媒体91に記憶された情報に基づくデータベースDBの更新の実行の可否をユーザの操作に基づいて判定する更新判定処理を実行可能である。これによれば、ユーザは、データベースDBの更新の可否をユーザ自身の操作によって決定することができる。これにより、ユーザの意図に反してデータベースDBが更新させてしまうことを抑制でき、その結果、ユーザの更なる利便性の向上を図ることができる。
【0125】
更新判定処理部44は、読取装置15、25が複数の情報媒体91を読み取った場合に、例えば
図25に示すように、情報媒体91から読み取った情報について個別に更新判定処理を実行可能である。これによれば、ユーザは、管理対象物90に関する情報をデータベースDBに登録するか否か等を、管理対象物90毎に決定することできる。これにより、ユーザの意図に反してデータベースDBが更新させてしまうことを抑制でき、その結果、ユーザの更なる利便性の向上を図ることができる。
【0126】
更新判定処理部44は、読取装置15、25が複数の情報媒体91を読み取った場合に、例えば
図25に示すように、情報媒体91から読み取った情報についてまとめて更新判定処理を実行可能である。これによれば、ユーザは、管理対象物90に関する情報をデータベースDBに登録するか否か等を、複数の管理対象物90でまとめてつまり一括で決定することできる。これにより、複数の管理対象物90に対して個別に決定する必要がなくなるためユーザの手間を低減することができ、その結果、ユーザの更なる利便性の向上を図ることができる。
【0127】
更新判定処理は、読取装置15、25で読み取った情報が重複する場合に、例えば
図26から
図28の例に示すように、何れの情報に基づいてデータベースDBの更新を行うか否かをユーザの操作に基づいて判定する処理を含む。これによれば、同一の情報媒体91が重複して読み取られてしまった場合に、データベースDB内の情報が重複してしまうことを防止できる。その結果、データベースDBの信頼性を向上させることができる。
【0128】
貯蔵庫システム1は、入出判定処理部45を更に備える。入出判定処理部45は、読取装置15、25で読み取った情報媒体91が付された管理対象物90が貯蔵庫10に入れられたこと及び貯蔵庫10から取り出されたことを判定する入出判定処理を実行可能である。報知処理部42は、入出判定処理によって管理対象物90が貯蔵庫10に入れられたと判定された場合と、管理対象物90が貯蔵庫10から取り出されたと判定された場合とで異なる態様で報知処理を実行する。これによれば、ユーザは、読取装置15、25で読み取られた情報媒体91の情報が、貯蔵庫システム1においてどのように判断されたかを把握することができ、その結果、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
【0129】
また、情報更新処理は、入出判定処理によって管理対象物90の取り出しを検知した場合に、管理対象物90に関する情報をデータベースDBから削除する処理、又は管理対象物90に関する情報のうち管理対象物90が取り出されたことを示す項目を更新する処理を含む。これによれば、データベースDBには、貯蔵庫10からの管理対象物90の取り出し状況も反映されるため、貯蔵庫10内における管理対象物90の貯蔵状況とデータベースDBの内容とを一致させることできる。
【0130】
入出判定処理部45が貯蔵庫10から管理対象物90が取り出されたと判定した後の所定期間内に同一の管理対象物90が貯蔵庫10に入れられたと判定した場合に、情報更新処理部43は当該管理対象物90について情報更新処理を実行しない。これによれば、管理対象物90を貯蔵庫10から一時的に取り出して再度貯蔵庫10に入れられた場合等には、データベースDBを更新しないため、データベースDBの更新に伴う処理や通信を低減することができる。
【0131】
報知処理部42は貯蔵庫10が備える構成であっても良い。すなわち、この場合、実施形態の貯蔵庫10は、読取装置15と、報知処理部42と、を備える。読取装置15は、管理対象物90に付された情報媒体91に記録された情報を読み取り可能である。報知処理部42は、読取装置15で読み取った情報媒体91の個数を判別可能な態様で報知する報知処理を実行可能である。これによれば、貯蔵庫10単体で貯蔵庫システム1を実現することができる。
【0132】
上記実施形態の情報端末用プログラムは、演算装置211及び記憶装置212を有するコンピュータつまり制御装置21と、管理対象物90に付された情報媒体91に記憶された情報を読み取り可能な読取装置25又は外部に設けられた読取装置25が読み取った情報を、電気通信回線NTを介して取得可能な通信装置22と、を備える外部端末201、202で実行されるコンピュータプログラムである。このコンピュータプログラムは、制御装置21に、読取装置25で読み取った情報又は通信装置22を介して取得した情報に基づいて読み取った情報媒体91の個数を判別可能な態様で報知する報知処理を実行させる。これによれば、このコンピュータプログラムを外部端末201、202にインストールし実行させることで、例えば汎用品で構成された外部端末201、202を貯蔵庫システム1の構成要素とすることができる。
【0133】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0134】
1…貯蔵庫システム、10…貯蔵庫、10a、10b、10c、10d、10e…貯蔵室、201、202…外部端末、11、21…制御装置、コンピュータ、111、211…演算装置、112、212…記憶装置、12、22…通信装置、14、24…表示装置、15、151、152、25…読取装置、16、26…発音装置、17、27…発声装置、18、28…発光装置、42…報知処理部、43…情報更新処理部、44…入出判定処理部、45…更新判定処理部、90…管理対象物、91…情報媒体