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特開2024-36959動物コミュニケーション装置、動物コミュニケーション方法、及びプログラム
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  • 特開-動物コミュニケーション装置、動物コミュニケーション方法、及びプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036959
(43)【公開日】2024-03-18
(54)【発明の名称】動物コミュニケーション装置、動物コミュニケーション方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G10L 25/51 20130101AFI20240311BHJP
   G10L 25/63 20130101ALI20240311BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240311BHJP
   G10L 15/00 20130101ALI20240311BHJP
【FI】
G10L25/51
G10L25/63
G06T7/00 350C
G06T7/00 660Z
G10L15/00 200C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022141538
(22)【出願日】2022-09-06
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】笹谷 奈翁美
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096BA16
5L096BA18
5L096DA02
5L096HA11
5L096JA16
(57)【要約】
【課題】利用者と動物の気分を表現して的確に双方向のコミュニケーションを可能とする動物コミュニケーション装置、動物コミュニケーション方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】本願に係る動物コミュニケーション装置は、利用者と動物の映像を含む撮像データ、及び利用者と動物の音声を含む音声データを取得する取得部と、撮像データと、音声データに基づいて利用者と動物の気分を判定する判定部と、判定部が判定した利用者、又は動物の気分を表現する気分表現情報を生成する生成部と、生成部が生成した気分表現情報を出力する出力部と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者と動物の映像を含む撮像データ、及び利用者と動物の音声を含む音声データを取得する取得部と、
前記撮像データと、前記音声データに基づいて利用者と動物の気分を判定する判定部と、
前記判定部が判定した利用者、又は動物の気分を表現する気分表現情報を生成する生成部と、
前記生成部が生成した気分表現情報を出力する出力部と、を備える、
動物コミュニケーション装置。
【請求項2】
前記撮像データに基づいて動物の種類を判別する判別部と、をさらに備え、
前記生成部は、前記判別部が判別した動物の種類に合わせて、前記判定部が判定した利用者の気分を前記判別部が判別した動物の種類の動物に伝える気分表現情報を生成する、
請求項1に記載の動物コミュニケーション装置。
【請求項3】
前記生成部は、前記判定部が判定した動物の気分を表現する気分表現情報を生成する、
請求項1に記載の動物コミュニケーション装置。
【請求項4】
利用者と動物の映像を含む撮像データ、及び利用者と動物の音声を含む音声データを取得するステップと、
前記撮像データと、前記音声データに基づいて利用者と動物の気分を判定するステップと、
判定した利用者、又は動物の気分を表現する気分表現情報を生成するステップと、
生成した気分表現情報を出力するステップと、を含む、
動物コミュニケーション方法。
【請求項5】
利用者と動物の映像を含む撮像データ、及び利用者と動物の音声を含む音声データを取得するステップと、
前記撮像データと、前記音声データに基づいて利用者と動物の気分を判定するステップと、
判定した利用者、又は動物の気分を表現する気分表現情報を生成するステップと、
生成した気分表現情報を出力するステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、動物コミュニケーション装置、動物コミュニケーション方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
働き方の変化によって住まいも都心と郊外で二極化し、郊外では大型犬や馬などの大型動物を飼育する家庭も増えてきた。小型動物を飼育する家庭も増加し、ペットではなく家族として暮らしている。
【0003】
そのため、家族としての動物の気持ちを知りたいというニーズがある。また、大型動物と上手く暮らすには、深刻な事故を防ぐなどの理由から、動物の状況や、気分の正確な理解が必要となる。動物もヒトの気持ちを理解することが上手く暮らすためのポイントとなる。
【0004】
例えば、下記の特許文献1には、人間と動物の間の音声コネクションシステムであって、動物の刺激、感情、事象、反応、または行為に関する動物の状態を示す信号に応じて、音声メッセージを選択し、選択した音声を発するようにラウドスピーカーを作動させる音声コネクションシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004-194651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の特許文献1に記載の音声コネクションシステムは、動物の体で検知されたパルスを電気信号に変換し、その電気信号に対応付けられた音声メッセージを選択するものであって、人間の気分を動物に伝えることはできなかった。
【0007】
本開示は上記の課題を鑑み、利用者と動物の気分を表現して的確に双方向のコミュニケーションを可能とする動物コミュニケーション装置、動物コミュニケーション方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る動物コミュニケーション装置は、利用者と動物の映像を含む撮像データ、及び利用者と動物の音声を含む音声データを取得する取得部と、前記撮像データと、前記音声データに基づいて利用者と動物の気分を判定する判定部と、前記判定部が判定した利用者、又は動物の気分を表現する気分表現情報を生成する生成部と、前記生成部が生成した気分表現情報を出力する出力部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
実施形態の一態様によれば、利用者と動物の気分を表現して的確に双方向のコミュニケーションを可能とする動物コミュニケーション装置、動物コミュニケーション方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係る情報処理の第一態様を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理の第二態様を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る動物コミュニケーション装置の構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る情報処理のフローを示すフローチャートである。
図5図5は、動物コミュニケーション装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本願に係る動物コミュニケーション装置、動物コミュニケーション方法、及びプログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する。)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る動物コミュニケーション装置、動物コミュニケーション方法、及びプログラムが限定されるものではない。
【0012】
(実施形態)
〔1.実施形態に係る情報処理〕
〔1-1.実施形態に係る情報処理の第一態様〕
まず、図1を用いて、実施形態に係る情報処理の第一態様について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理の第一態様を示す図である。まず、実施形態に係る情報処理の第一態様の概要を説明した後に、個々の処理を詳細に説明する。
【0013】
図1では、動物コミュニケーション装置10が、利用者と動物の映像を含む撮像データ及び、利用者と動物の音声を含む音声データを取得し、撮像データと音声データに基づいて利用者と動物の気分を判定し、判定した動物の気分を表現する気分表現情報を生成し、生成した気分表現情報を出力する処理が示されている。以下、図1を用いて、実施形態に係る情報処理の第一態様についてステップごとに詳細に説明する。
【0014】
まず、動物コミュニケーション装置10は、利用者と動物の映像を含む撮像データを取得する(ステップS1)。例えば、動物コミュニケーション装置10は、後述して説明する撮像部12が撮像した利用者と動物の映像を含む撮像データを後述して説明する記憶部14から読み出すことにより取得する。
【0015】
次に、動物コミュニケーション装置10は、利用者と動物の音声を含む音声データを取得する(ステップS2)。例えば、動物コミュニケーション装置10は、後述して説明する録音部13が録音した利用者と動物の音声を含む音声データを後述して説明する記憶部14から読み出すことにより取得する。
【0016】
次に、動物コミュニケーション装置10は、撮像データと、音声データに基づいて利用者と動物の気分を判定する(ステップS3)。例えば、動物コミュニケーション装置10は、撮像データと、音声データに基づいて、利用者の表情、声のトーン、しぐさや、天気、季節、時間、場所などのコンテキストを把握し、コンテキストと利用者の気分との関係を学習した学習済みモデルに把握したコンテキストを入力することにより、利用者の気分を判定する。この場合の利用者の気分は、例えば、「楽しい」、「警戒」、「疑念」、「心配」、「怒り」、「尊敬」、「親密」、「体調良好」、「ストレス軽減」などであってよい。
【0017】
次に、動物コミュニケーション装置10は、判定した動物の気分を表現する気分表現情報を生成する(ステップS4)。例えば、動物コミュニケーション装置10は、動物の気分を「楽しい」、かつ「体調良好」と判定した場合であれば、動物の気分の「楽しい」と「体調良好」を文字によって表現する気分表現情報を生成する。
【0018】
次に、動物コミュニケーション装置10は、生成した気分表現情報を出力する(ステップS5)。例えば、動物コミュニケーション装置10は、図1に示すように、後述する表示部15をなす画面Dに動物A1の気分が表現された気分表現情報G1を表示させる制御指令を与えてよい。
【0019】
これにより、動物の気分を利用者が的確に把握することが可能となる。そのため、動物の気分を的確に把握することが可能な動物コミュニケーション装置10を提供することができる。その結果、利用者と動物との生活を実りの多いものとすることができる。
【0020】
〔1-2.実施形態に係る情報処理の第二態様〕
動物コミュニケーション装置10は、撮像データに基づいて動物の種類を判別し、判別した動物の種類に合わせて、判定した利用者の気分を判別した動物の種類の動物に伝える気分表現情報を生成する。
【0021】
この情報処理について順を追って説明する。まず、動物コミュニケーション装置10は、ステップS1-2からステップS3-2の処理として、図1に示したステップS1-1からステップS3-1までと同じ処理を実行する。ステップS1-2からステップS3-2までの処理は、前述したステップS1-1からステップS3-1までの処理と同じであるから説明を省略する。
【0022】
次に、動物コミュニケーション装置10は、撮像データに基づいて動物の種類を判別する(ステップS4-2)。例えば、動物コミュニケーション装置10は、撮像データに基づいて、撮像データからオブジェクトを検出し、検出したオブジェクトを分類する処理、すなわちオブジェクト検出処理を行って、撮像データから動物の種類を判別する処理を実行する。
【0023】
次に、動物コミュニケーション装置10は、判別した動物の種類に合わせて、判定した利用者の気分を判別した動物の種類の動物に伝える気分表現情報を生成する(ステップS5-2)。例えば、動物コミュニケーション装置10がステップS4-2において動物の種類を「犬」と判定し、ステップS3-2において利用者の気分を「ストレス軽減」と判定した場合であれば、図2に示すように動物コミュニケーション装置10の画面Dに示すような犬が体を揺する様子が描かれた気分表現情報G2を生成する。
【0024】
次に、動物コミュニケーション装置10は、生成した気分表現情報を出力する(ステップS6-2)。例えば、動物コミュニケーション装置10は、図2に示すように、後述する表示部15をなす画面Dに利用者U1の気分を動物A1に伝えるように表現された気分表現情報G2を表示させる制御指令を与える。
【0025】
これにより、動物の種類に合わせて、利用者の気分を動物に的確に伝える気分表現情報を出力することができる。そのため、利用者の気分を的確に動物に伝えることが可能な動物コミュニケーション装置10を提供することができる。その結果、利用者と動物との生活を実りの多いものとすることができる。
【0026】
〔2.動物コミュニケーション装置の構成〕
次に、図3を用いて実施形態に係る動物コミュニケーション装置の構成について説明する。図3は、実施形態に係る動物コミュニケーション装置の構成例を示す図である。図2に示すように、動物コミュニケーション装置10は、通信部11と、撮像部12と、録音部13と、記憶部14と、表示部15と、制御部16を備える。
【0027】
(通信部11について)
通信部11は、動物コミュニケーション装置10の内部と外部を相互に通信可能に接続し、動物コミュニケーション装置10の内部と外部との間で相互に情報を送受信する。通信部11は、例えば、NIC(Network Interface Card)、無線LAN(Local Area Network)カード、Bluetooth(登録商標)モジュール、Wi-Fi(登録商標)モジュール、アンテナ等によって実現されてよい。
【0028】
(撮像部12について)
撮像部12は、利用者と動物の映像を撮像する。撮像部12は、例えばカメラであり、複数のカメラを組み合わせたものや、360度の全方向を撮影する全周カメラなどで構成したものでもよい。撮像部12は、利用者と動物の映像を撮像したら、撮像データを記憶部14に記憶する。
【0029】
ここで、カメラについて説明すると、カメラは、光学素子と撮像素子とを含み、光学素子は、例えばレンズ、ミラー、プリズム、フィルタなどの光学系を構成する素子である。撮像素子は、光学素子を通して入射した光を電気信号である画像信号に変換する素子である。なお、撮像素子は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)センサや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどである。
【0030】
(録音部13について)
録音部13は、利用者や動物の音声を録音する。録音部13は、例えば、マイクロフォンであり、音の空気振動をダイヤフラム等により受け止めて、ダイヤフラム等の振動を電気信号に変換する。録音部13は、利用者や動物の音声を録音したら、録音データを記憶部14に記憶する。
【0031】
(記憶部14について)
記憶部14は、各種の情報を記憶する記憶装置である。記憶部14は、主記憶装置と補助記憶装置とを備える。主記憶装置は、例えばRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等のような半導体メモリ素子によって実現されてよい。また、補助記憶装置は、例えばハードディスクやSSD(Solid State Drive)、光ディスク等によって実現されてよい。
【0032】
(表示部15について)
表示部15は、ユーザに伝達する各種の情報を表示する。表示部15は、後述して説明する出力部165の制御指令にしたがって各種の情報を表示する。なお、表示部15が出力部165の制御指令にしたがって表示する情報の具体例については、出力部165の説明の箇所において説明する。表示部15は、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、マイクロLED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等によって実現されてよい。
【0033】
(制御部16について)
制御部16は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、動物コミュニケーション装置10の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部16は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
【0034】
図3に示すように、制御部16は、取得部161と、判定部162と、判別部163と、生成部164と、出力部165を有する。制御部16は、記憶部14からプログラムを読み出して実行することで、これらを実現して、これらの処理を実行する。なお、制御部16は、1つのCPUによってこれらの処理を実行してもよいし、複数のCPUを備えて、複数のCPUで、これらの処理を並列に実行してもよい。以下、これらの構成について順に説明する。
【0035】
(取得部161について)
取得部161は、利用者と動物の映像を含む撮像データ、及び利用者と動物の音声を含む音声を含む音声データを取得する。すなわち、取得部161は、撮像部12が撮像した利用者と動物の映像を含む撮像データを記憶部14から読み出して取得する。また、取得部161は、録音部13が録音した利用者と動物の音声を含む音声データを記憶部14から読み出して取得する。
【0036】
(判定部162について)
判定部162は、撮像データと、音声データに基づいて利用者と動物の気分を判定する。例えば、判定部162は、撮像データと、音声データに基づいて、利用者の表情、声のトーン、しぐさや、天気、季節、時間、場所などのコンテキストを把握し、コンテキストと利用者の気分との関係を学習した学習済みモデルに把握したコンテキストを入力することにより、利用者の気分を判定してよい。この場合の学習モデルには、例えば、ディープニューラルネットワーク(Deep Neural Network)等を用いてよい。また、この場合の利用者の気分は任意に設定してよく、例えば、「楽しい」、「警戒」、「疑念」、「心配」、「怒り」、「尊敬」、「親密」、「体調良好」、「ストレス軽減」などであってよい。
【0037】
(判別部163について)
判別部163は、撮像データに基づいて動物の種類を判別する。判別部163は、撮像データに基づいて、撮像データからオブジェクトを検出し、検出したオブジェクトを分類する処理、すなわちオブジェクト検出処理を行って、撮像データから動物の種類を判別する処理を実行してよい。判別部163は、例えば撮像データの画素を物体クラスに分類する手法であるセマンティック・セグメンテーション(Semantic Segmentation)等を用いることにより実現されてよい。
【0038】
(生成部164について)
生成部164は、判定部162が判定した利用者、又は動物の気分を表現する気分表現情報を生成する。ここで、生成部164が生成する気分表現情報には、利用者、又は動物の気分だけではなく、利用者、又は動物の健康状態や、属性情報などが含まれていてもよい。
【0039】
生成部164は、判別部163が判別した動物の種類に合わせて、判定部162が判定した利用者の気分を判別部163が判別した動物の種類の動物に伝える気分表現情報を生成する。生成部164は、利用者の気分を表現する気分表現情報として、動物の種類に合わせたカーミングシグナルを生成してよい。カーミングシグナルは、動物のボディランゲージのことを指している。動物はストレスや不安を感じたときや、自分を落ち着かせようとするとき、不安、恐怖心、不快な刺激、他の動物や人からの威嚇などを和らげるときにカーミングシグナルを使う。そのため、カーミングシグナルは、動物の気分を表現した言葉であるともいえ、他の動物や人間と友好的に接する手段でもある。例えば、判別部163が動物の種類を「犬」と判定し、判定部162が利用者の気分を「ストレス軽減」と判定した場合であれば、図2に示す動物コミュニケーション装置10の表示部15をなす画面Dに示すような犬が体を揺する様子が描かれた気分表現情報G2を生成する。なお、犬が体を揺する様子は、カーミングシグナルの研究者の間では「ストレス軽減」を表すと捉えられている。
【0040】
生成部164は、判定部162が判定した動物の気分を表現する気分表現情報を生成する。例えば、生成部164は判定部162が動物の気分を「楽しい」かつ「体調良好」と判定した場合であれば、動物の気分の「楽しい」と「体調良好」を文字によって表現する気分表現情報を生成する。
【0041】
生成部164は、動物のコンテキストに合わせて、気分表現情報に含まれる情報の種類を変えて生成してもよい。例えば、飼育している動物の場合であれば、生成部164は、動物の健康状態や、動物の気分の情報を含む気分表現情報を生成してよい。また、例えば、散歩している動物であれば、生成部164は、動物の気分や、動物の種類、動物の名前、動物の年齢、動物の好み、動物に会ったことがあるか、動物に前回会ったときの状況などの情報を含む気分表現情報を生成してよい。また、例えば、外で遭遇した動物であれば、生成部164は、動物の気分や、動物の種類、動物が危険かどうか、動物に会ったことがあるかなどの情報を含む気分表現情報を生成してよい。また、例えば、動物園の動物であれば、生成部164は、動物の気分や、動物の種類、動物の名前、動物の年齢、動物の健康状態、動物の好みなどの情報を含む気分表現情報を生成してよい。このように、生成部164は、動物のコンテキストに合わせて、気分表現情報に含まれる情報の種類を変えて生成してよい。
【0042】
(出力部165について)
出力部165は、生成部164が生成した気分表現情報を出力する。出力部165は、例えば、表示部15に生成部164が生成した気分表現情報を表示させる制御指令を与えて表示部15に気分表現情報を表示させることにより気分表現情報を出力する。例えば、出力部165は、図1に示すように、表示部15をなす画面Dに動物A1の気分が表現された気分表現情報G1を表示させる制御指令を与えてよい。また、例えば、出力部165は、図2に示すように、表示部15をなす画面Dに利用者U1の気分を動物A1に伝えるように表現された気分表現情報G2を表示させる制御指令を与えてよい。
【0043】
出力部165は、通信部11に接続された外部の表示装置に気分表現情報を出力してもよい。この場合の外部の表示装置は、例えば、ディスプレイやプロジェクター、ホログラフィであってよい。
【0044】
〔3.情報処理のフロー〕
次に、図4を用いて、実施形態に係る動物コミュニケーション装置10による情報処理の手順について説明する。図4は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。例えば、動物コミュニケーション装置10は、利用者と動物の映像を含む撮像データ取得する(ステップS101)。そして、動物コミュニケーション装置10は、利用者と動物の音声を含む音声データを取得する(ステップS102)。そして、動物コミュニケーション装置10は、撮像データと、音声データに基づいて利用者と動物の気分を判定する(ステップS103)。そして、動物コミュニケーション装置10は、判定した利用者、又は動物の気分を表現する気分表現情報を生成する(ステップS104)。そして、動物コミュニケーション装置10は、生成した気分表現情報を出力する(ステップS105)。
【0045】
〔4.ハードウェア構成〕
また、上述した実施形態に係る動物コミュニケーション装置10は、例えば図5に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図5は、動物コミュニケーション装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0046】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが記憶される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。
【0047】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0048】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0049】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0050】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0051】
例えば、コンピュータ1000が情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、情報処理装置100の制御部130の機能を実現する。
【0052】
〔5.構成と効果〕
本開示に係る動物コミュニケーション装置10は、利用者と動物の映像を含む撮像データ、及び利用者と動物の音声を含む音声データを取得する取得部161と、撮像データと、音声データに基づいて利用者と動物の気分を判定する判定部162と、判定部162が判定した利用者、又は動物の気分を表現する気分表現情報を生成する生成部164と、生成部164が生成した気分表現情報を出力する出力部165と、を備える。
【0053】
この構成によれば、利用者と動物の気分を表現して的確に双方向のコミュニケーションを可能とする動物コミュニケーション装置10を提供することができる。
【0054】
本開示に係る動物コミュニケーション装置10は、撮像データに基づいて動物の種類を判別する判別部163と、をさらに備え、生成部164は、判別部163が判別した動物の種類に合わせて、判定部162が判定した利用者の気分を判別部163が判別した動物の種類の動物に伝える気分表現情報を生成する。
【0055】
この構成によれば、動物の種類に合わせて、利用者の気分を動物に伝える気分表現情報を出力することができる。そのため、利用者の気分を的確に動物に伝えることが可能な動物コミュニケーション装置10を提供することができる。
【0056】
本開示に係る動物コミュニケーション装置10の生成部164は、判定部162が判定した動物の気分を表現する気分表現情報を生成する。
【0057】
この構成によれば、動物の気分を利用者が的確に把握することが可能となる。そのため、利用者と動物との生活を実りの多いものとすることができる。
【0058】
本開示に係る動物コミュニケーション方法は、利用者と動物の映像を含む撮像データ、及び利用者と動物の音声を含む音声データを取得するステップと、撮像データと、音声データに基づいて利用者と動物の気分を判定するステップと、判定した利用者、又は動物の気分を表現する気分表現情報を生成するステップと、生成した気分表現情報を出力するステップと、を含む。
【0059】
この構成によれば、利用者と動物の気分を表現して的確に双方向のコミュニケーションを可能とする動物コミュニケーション方法を提供することができる。
【0060】
本開示に係るプログラムは、利用者と動物の映像を含む撮像データ、及び利用者と動物の音声を含む音声データを取得するステップと、撮像データと、音声データに基づいて利用者と動物の気分を判定するステップと、判定した利用者、又は動物の気分を表現する気分表現情報を生成するステップと、生成した気分表現情報を出力するステップと、をコンピュータに実行させる。
【0061】
この構成によれば、利用者と動物の気分を表現して的確に双方向のコミュニケーションを可能とするプログラムを提供することができる。
【0062】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0063】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部161は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0064】
10 動物コミュニケーション装置
11 通信部
12 撮像部
13 録音部
14 記憶部
15 表示部
16 制御部
161 取得部
162 判定部
163 判別部
164 生成部
165 出力部
図1
図2
図3
図4
図5