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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036961
(43)【公開日】2024-03-18
(54)【発明の名称】情報処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/10 20200101AFI20240311BHJP
   G06T 15/08 20110101ALI20240311BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20240311BHJP
【FI】
G06F30/10 100
G06T15/08
G06T19/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022141540
(22)【出願日】2022-09-06
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118108
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 洋之
(72)【発明者】
【氏名】古川 泰之
(72)【発明者】
【氏名】道村 唯夫
【テーマコード(参考)】
5B050
5B080
5B146
【Fターム(参考)】
5B050AA03
5B050BA09
5B050CA01
5B050EA13
5B050EA15
5B050EA26
5B050FA02
5B050FA05
5B050FA17
5B080AA17
5B080CA00
5B080FA02
5B080FA08
5B080FA17
5B080GA00
5B146DE06
5B146DG07
5B146DL06
5B146EA01
5B146EA10
(57)【要約】
【課題】ボクセルデータの変更部分を形状データと注釈データとで同じ表示態様で表示する構成を採用した場合に比較して、ボクセルデータの変更部分のうち、形状データにおける変更部分と、注釈データにおける変更部分とを区別し易くする。
【解決手段】1又は複数のプロセッサを備え、1又は複数のプロセッサは、三次元形状及び三次元形状の注釈を示すボクセルデータから、三次元形状を示す形状データと、注釈を示す注釈データとを特定し、ボクセルデータの変更部分を、形状データにおいては第1の表示態様で表示するように制御し、注釈データにおいては第1の表示態様とは異なる第2の表示態様で表示するように制御する、情報処理システム。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数のプロセッサを備え、
前記1又は複数のプロセッサは、
三次元形状及び当該三次元形状の注釈を示すボクセルデータから、当該三次元形状を示す形状データと、当該注釈を示す注釈データとを特定し、
前記ボクセルデータの変更部分を、前記形状データにおいては第1の表示態様で表示するように制御し、前記注釈データにおいては当該第1の表示態様とは異なる第2の表示態様で表示するように制御する、
情報処理システム。
【請求項2】
前記1又は複数のプロセッサは、前記ボクセルデータを構成するボクセル群のうち、第1の閾値より大きい断面積を有するボクセル群を、前記形状データとして特定し、当該第1の閾値より小さい断面積を有するボクセル群を、前記注釈データとして特定する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記第1の表示態様は、前記変更部分を強調する強調処理のうち前記第2の表示態様で表示する際に行われる少なくとも1つの強調処理を行わずに表示する表示態様であり、
前記第2の表示態様は、前記少なくとも1つの強調処理を含む強調処理を行って表示する表示態様である、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記1又は複数のプロセッサは、前記変更部分を透過させずに表示するように制御し、前記ボクセルデータの未変更部分を透過させて表示するように制御し、
前記少なくとも1つの強調処理は、前記未変更部分のうちの前記変更部分に隣接するボクセルを透過させない設定とする処理を含む、請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの強調処理は、前記未変更部分のうちの前記隣接するボクセルの周辺のボクセルを、透過させる設定としたまま、当該未変更部分とは異なる表示属性を有する設定とする処理を更に含む、請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記第1の表示態様は、前記変更部分を削減する削減処理を行った後に前記少なくとも1つの強調処理を行わずに表示する表示態様であり、
前記第2の表示態様は、前記削減処理を行った後に前記少なくとも1つの強調処理を含む強調処理を行って表示する表示態様である、請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記1又は複数のプロセッサは、前記変更部分を透過させずに表示するように制御し、前記ボクセルデータの未変更部分を透過させて表示するように制御し、
前記削減処理は、前記変更部分のうちの前記未変更部分に隣接するボクセルを透過させる設定とする処理を含む、請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記1又は複数のプロセッサは、前記変更部分を、前記形状データの第1の部分形状データにおいては第3の表示態様で表示するように制御し、前記形状データの第2の部分形状データにおいては当該第3の表示態様とは異なる第4の表示態様で表示するように制御する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記1又は複数のプロセッサは、前記形状データを構成するボクセル群のうち、第2の閾値より大きい断面積を有するボクセル群を、前記第1の部分形状データとして特定し、当該第2の閾値より小さい断面積を有するボクセル群を、前記第2の部分形状データとして特定し、
前記第3の表示態様は、前記変更部分を強調する形状強調処理のうち前記第4の表示態様で表示する際に行われる少なくとも1つの形状強調処理を行わずに表示する表示態様であり、
前記第4の表示態様は、前記少なくとも1つの形状強調処理を含む形状強調処理を行って表示する表示態様である、請求項8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記1又は複数のプロセッサは、前記ボクセルデータの未変更部分を、前記形状データにおいては第1の透過度で透過させて表示するように制御し、前記注釈データにおいては当該第1の透過度とは異なる第2の透過度で透過させて表示するように制御する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記第2の透過度は、前記第1の透過度よりも高い、請求項10に記載の情報処理システム。
【請求項12】
コンピュータに、
三次元形状及び当該三次元形状の注釈を示すボクセルデータから、当該三次元形状を示す形状データと、当該注釈を示す注釈データとを特定する機能と、
前記ボクセルデータの変更部分を、前記形状データにおいては第1の表示態様で表示するように制御し、前記注釈データにおいては当該第1の表示態様とは異なる第2の表示態様で表示するように制御する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、第1の3次元イメージと第2の3次元イメージとを取得し、ボクセル化した上で比較して、第1の3次元イメージと第2の3次元イメージとの一致部および差異部を視覚的に表現した3次元差異イメージを生成し、3次元差異イメージの表面ボクセル毎に、表面ボクセルに対して生成された第1の3次元イメージと第2の3次元イメージの細密イメージにおける不一致ボクセルをカウントし、得られたカウント値に応じて表面ボクセルの表示形式を決定する、3次元イメージ比較方法が記載されている。
特許文献2には、検査対象の鋳造品を実測して形成した鋳造品の複数の断面の断面画像を受け取り、それら複数の断面断層画像に基づき、鋳造品の三次元形状モデルを形成し、実測モデルを複数個の鋳造品について形成し、複数個の実測モデルに分割領域を設け各実測モデルの対応する位置の分割領域を重ね合わせ、形成された三次元形状モデルから、鋳造品内の空洞に該当する部分を識別する、鋳造内部欠陥検査支援方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4001600号公報
【特許文献2】特許第4131400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば三次元形状及び三次元形状の注釈を示すCADデータを編集することにより、CADデータから得られるボクセルデータに変更部分が生じる場合がある。このような場合に、ボクセルデータの変更部分を、三次元形状を示す形状データと、注釈を示す注釈データとで、同じ表示態様で表示する構成を採用したのでは、ボクセルデータの変更部分のうち、形状データにおける変更部分と、注釈データにおける変更部分とを区別し難くなる。
【0005】
本発明の目的は、ボクセルデータの変更部分を形状データと注釈データとで同じ表示態様で表示する構成を採用した場合に比較して、ボクセルデータの変更部分のうち、形状データにおける変更部分と、注釈データにおける変更部分とを区別し易くすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、1又は複数のプロセッサを備え、前記1又は複数のプロセッサは、三次元形状及び当該三次元形状の注釈を示すボクセルデータから、当該三次元形状を示す形状データと、当該注釈を示す注釈データとを特定し、前記ボクセルデータの変更部分を、前記形状データにおいては第1の表示態様で表示するように制御し、前記注釈データにおいては当該第1の表示態様とは異なる第2の表示態様で表示するように制御する、情報処理システムである。
請求項2に記載の発明は、前記1又は複数のプロセッサは、前記ボクセルデータを構成するボクセル群のうち、第1の閾値より大きい断面積を有するボクセル群を、前記形状データとして特定し、当該第1の閾値より小さい断面積を有するボクセル群を、前記注釈データとして特定する、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項3に記載の発明は、前記第1の表示態様は、前記変更部分を強調する強調処理のうち前記第2の表示態様で表示する際に行われる少なくとも1つの強調処理を行わずに表示する表示態様であり、前記第2の表示態様は、前記少なくとも1つの強調処理を含む強調処理を行って表示する表示態様である、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項4に記載の発明は、前記1又は複数のプロセッサは、前記変更部分を透過させずに表示するように制御し、前記ボクセルデータの未変更部分を透過させて表示するように制御し、前記少なくとも1つの強調処理は、前記未変更部分のうちの前記変更部分に隣接するボクセルを透過させない設定とする処理を含む、請求項3に記載の情報処理システムである。
請求項5に記載の発明は、前記少なくとも1つの強調処理は、前記未変更部分のうちの前記隣接するボクセルの周辺のボクセルを、透過させる設定としたまま、当該未変更部分とは異なる表示属性を有する設定とする処理を更に含む、請求項4に記載の情報処理システムである。
請求項6に記載の発明は、前記第1の表示態様は、前記変更部分を削減する削減処理を行った後に前記少なくとも1つの強調処理を行わずに表示する表示態様であり、前記第2の表示態様は、前記削減処理を行った後に前記少なくとも1つの強調処理を含む強調処理を行って表示する表示態様である、請求項3に記載の情報処理システムである。
請求項7に記載の発明は、前記1又は複数のプロセッサは、前記変更部分を透過させずに表示するように制御し、前記ボクセルデータの未変更部分を透過させて表示するように制御し、前記削減処理は、前記変更部分のうちの前記未変更部分に隣接するボクセルを透過させる設定とする処理を含む、請求項6に記載の情報処理システムである。
請求項8に記載の発明は、前記1又は複数のプロセッサは、前記変更部分を、前記形状データの第1の部分形状データにおいては第3の表示態様で表示するように制御し、前記形状データの第2の部分形状データにおいては当該第3の表示態様とは異なる第4の表示態様で表示するように制御する、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項9に記載の発明は、前記1又は複数のプロセッサは、前記形状データを構成するボクセル群のうち、第2の閾値より大きい断面積を有するボクセル群を、前記第1の部分形状データとして特定し、当該第2の閾値より小さい断面積を有するボクセル群を、前記第2の部分形状データとして特定し、前記第3の表示態様は、前記変更部分を強調する形状強調処理のうち前記第4の表示態様で表示する際に行われる少なくとも1つの形状強調処理を行わずに表示する表示態様であり、前記第4の表示態様は、前記少なくとも1つの形状強調処理を含む形状強調処理を行って表示する表示態様である、請求項8に記載の情報処理システムである。
請求項10に記載の発明は、前記1又は複数のプロセッサは、前記ボクセルデータの未変更部分を、前記形状データにおいては第1の透過度で透過させて表示するように制御し、前記注釈データにおいては当該第1の透過度とは異なる第2の透過度で透過させて表示するように制御する、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項11に記載の発明は、前記第2の透過度は、前記第1の透過度よりも高い、請求項10に記載の情報処理システムである。
請求項12に記載の発明は、コンピュータに、三次元形状及び当該三次元形状の注釈を示すボクセルデータから、当該三次元形状を示す形状データと、当該注釈を示す注釈データとを特定する機能と、前記ボクセルデータの変更部分を、前記形状データにおいては第1の表示態様で表示するように制御し、前記注釈データにおいては当該第1の表示態様とは異なる第2の表示態様で表示するように制御する機能と、を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、ボクセルデータの変更部分を形状データと注釈データとで同じ表示態様で表示する構成を採用した場合に比較して、ボクセルデータの変更部分のうち、形状データにおける変更部分と、注釈データにおける変更部分とが区別し易くなる。
請求項2の発明によれば、ボクセルデータに特別な情報を含めたりすることなく、ボクセルデータから形状データと注釈データとを特定することができる。
請求項3の発明によれば、形状データにおける変更部分に比べて注釈データにおける変更部分をより強調することができる。
請求項4の発明によれば、注釈データにおける変更部分を強調する処理を簡単に行うことができる。
請求項5の発明によれば、注釈データにおける変更部分をより目立たせることができる。
請求項6の発明によれば、ボクセルデータの変更部分を削減した後に、形状データにおける変更部分に比べて注釈データにおける変更部分をより強調することができる。
請求項7の発明によれば、ボクセルデータの変更部分を削減する処理を簡単に行うことができる。
請求項8の発明によれば、ボクセルデータの変更部分を第1の部分形状データと第2の部分形状データとで同じ表示態様で表示する構成を採用した場合に比較して、ボクセルデータの変更部分のうち、第1の部分形状データにおける変更部分と、第2の部分形状データにおける変更部分とが区別し易くなる。
請求項9の発明によれば、ボクセルデータに特別な情報を含めたりすることなく、形状データから、第2の部分形状データについて行われる少なくとも1つの形状強調処理が行われない第1の部分形状データと、その少なくとも1つの形状強調処理が行われる第2の部分形状データとを、特定することができる。
請求項10の発明によれば、形状データにおける変更部分と注釈データにおける変更部分とで見え方を変えることができる。
請求項11の発明によれば、形状データにおける変更部分よりも注釈データにおける変更部分をよく見えるようにすることができる。
請求項12の発明によれば、ボクセルデータの変更部分を形状データと注釈データとで同じ表示態様で表示する構成を採用した場合に比較して、ボクセルデータの変更部分のうち、形状データにおける変更部分と、注釈データにおける変更部分とが区別し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施の形態における差分表示システムの全体構成例を示す図である。
図2】本実施の形態における差分表示装置のハードウェア構成例を示す図である。
図3】第1の実施の形態における差分表示装置の機能構成例を示すブロック図である。
図4】ボクセル化部が生成したボクセルデータの例を示す図である。
図5】(a)~(e)は、分離部が形状データ及び注釈データを抽出する方法について、具体的に示す図である。
図6】差分検出部が生成した差分付きボクセルデータの例を示す図である。
図7】(a)~(e)は、ノイズ除去部がノイズを除去する方法について、具体的に示す図である。
図8】ノイズ除去部が生成したノイズ除去済みボクセルデータの例を示す図である。
図9】(a)~(e)は、差分強調部が差分部分を強調する方法について、具体的に示す図である。
図10】差分強調部が生成した強調済みボクセルデータの例を示す図である。
図11】ブロック強調部が生成するブロック強調済みボクセルデータの例を示す図である。
図12】第1の実施の形態における差分表示装置の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0010】
[本実施の形態の概要]
本実施の形態は、三次元形状及び三次元形状の注釈を示すボクセルデータから、三次元形状を示す形状データと、注釈を示す注釈データとを特定し、ボクセルデータの変更部分を、形状データにおいては第1の表示態様で表示し、注釈データにおいては第1の表示態様とは異なる第2の表示態様で表示する情報処理システムを提供する。
ここで、ボクセルデータとは、コンピュータで三次元形状を表現する際の最小単位であるボクセルのデータである。ボクセルデータは、三次元形状データから生成される。三次元形状データは、三次元の形状を表すデータであれば、如何なるソフトウェアで作成されたものであってもよいが、以下では、3DCAD(3 Dimensional Computer Aided Design)ソフトウェアで作成された立体的なモデルデータである3DCADデータ(以下、単に「CADデータ」という)を例にとって説明する。
また、表示態様とは、広く表示の仕方のことをいうものとする。従って、第1の表示態様、第2の表示態様というときは、表示の仕方が異なることを意味し、この表示の仕方が異なることには、見た目は同じであるが内部的に異なる処理を行ってその結果を表示するものも含まれる。
また、情報処理システムとしては、3DCADソフトウェアを用いて機械、建築等を設計する際の検図工程において、編集前後のCADデータの差分を表示する差分表示システムを例にとって説明する。ここで、検図工程とは、設計者が作成したモデルの機能実現性、設計妥当性、適応性、拡張性、生産性、費用等を、設計者以外の第三者である検図者が評価する工程である。CADデータは、設計や試作の段階で検出された不具合や仕様変更等に伴って編集されることがあるので、検図工程において、編集前後のCADデータの差分を表示することは有用である。
【0011】
[差分表示システムの全体構成]
図1は、本実施の形態における差分表示システム1の全体構成例を示す図である。図示するように、差分表示システム1は、差分表示装置10と、端末装置30とが通信回線80に接続されることにより構成されている。尚、図では、差分表示装置10及び端末装置30を1つずつしか示していないが、各装置は2つ以上設けられていてもよい。
【0012】
差分表示装置10は、編集による変更前のCADデータと編集による変更後のCADデータとを取得し、変更前のCADデータと変更後のCADデータとの差分を示すレンダリング画像を端末装置30へ送信する。差分表示装置10としては、例えば、汎用のパーソナルコンピュータを用いるとよい。
端末装置30は、差分表示装置10から変更前のCADデータと変更後のCADデータとの差分を示すレンダリング画像を受信し、このレンダリング画像を表示デバイスに表示する。端末装置30としては、例えば、デスクトップPC、ノートPC、携帯情報端末等を用いるとよい。
通信回線80は、差分表示装置10と端末装置30との間の情報通信に用いられる回線である。通信回線80としては、例えば、LAN(Local Area Network)やインターネットを用いるとよい。
【0013】
[差分表示装置のハードウェア構成]
図2は、本実施の形態における差分表示装置10のハードウェア構成例を示す図である。図示するように、差分表示装置10は、プロセッサ11と、RAM(Random Access Memory)12と、HDD(Hard Disk Drive)13と、通信インターフェース(以下、「通信I/F」と表記する)14と、表示デバイス15と、入力デバイス16とを備える。
プロセッサ11は、OS(Operating System)やアプリケーション等の各種ソフトウェアを実行し、後述する各機能を実現する。
RAM12は、プロセッサ11の作業用メモリ等として用いられるメモリである。
HDD13は、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する例えば磁気ディスク装置である。
通信I/F14は、通信回線80を介して端末装置30等との間で各種情報の送受信を行う。
表示デバイス15は、各種情報を表示する例えばディスプレイである。
入力デバイス16は、ユーザが情報を入力するために用いる例えばキーボードやマウスである。
【0014】
[第1の実施の形態における差分表示装置の機能構成]
図3は、第1の実施の形態における差分表示装置10の機能構成例を示すブロック図である。図示するように、差分表示装置10は、受信部21と、ボクセル化部22と、分離部23と、差分検出部24と、ノイズ除去部25と、差分強調部26と、ブロック強調部27と、レンダリング画像生成部28と、送信部29とを備える。
【0015】
受信部21は、変更前CADデータと変更後CADデータとを受信する。例えば、受信部21は、変更前CADデータと変更後CADデータとを、設計者が使用する端末装置(図示せず)から受信するとよい。また、例えば、受信部21は、変更前CADデータと変更後CADデータとを、これらを文書内に埋め込んでPDF(Portable Document Format)形式としたデータとして受信するとよい。
【0016】
ボクセル化部22は、受信部21が受信した変更前CADデータと変更後CADデータとをボクセルデータに変換する。以下では、変更前CADデータから変換されたボクセルデータを「変更前ボクセルデータ」と称し、変更後CADデータから変換されたボクセルデータを「変更後ボクセルデータ」と称する。
【0017】
分離部23は、変更前ボクセルデータ及び変更後ボクセルデータを、それぞれ、形状を表すボクセルデータと注釈を表すボクセルデータとに分離する。ここでは、ボクセルデータは、形状及び形状に対する注釈を表しているものとする。注釈とは、形状の補足的な説明であり、例えば、公差、寸法、素材等を含む。また、注釈は、主に文字情報であるが、形状と文字情報との関係を示す矢印等の記号を含んでもよい。以下では、変更前ボクセルデータから分離された形状を表すボクセルデータを「変更前形状データ」と称し、変更前ボクセルデータから分離された注釈を表すボクセルデータを「変更前注釈データ」と称する。また、変更後ボクセルデータから分離された形状を表すボクセルデータを「変更後形状データ」と称し、変更後ボクセルデータから分離された注釈を表すボクセルデータを「変更後注釈データ」と称する。本実施の形態では、三次元形状及び三次元形状の注釈を示すボクセルデータの一例として、変更前ボクセルデータ及び変更後ボクセルデータを用いている。また、本実施の形態では、三次元形状を示す形状データの一例として、変更前形状データ及び変更後形状データを用いており、注釈を示す注釈データの一例として、変更前注釈データ及び変更後注釈データを用いている。更に、本実施の形態では、ボクセルデータから形状データと注釈データとを特定することの一例として、分離部23の処理を行っている。
【0018】
差分検出部24は、変更前形状データと変更後形状データとの差分、及び、変更前注釈データと変更後注釈データとの差分を検出する。この場合の差分の検出は、例えば、既存の二次元の差分検出技術を応用して実現可能であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
また、差分検出部24は、形状データ及び注釈データのそれぞれにおいて、差分がない部分(以下、「共通部分」という)のボクセルに透過度を設定する。その際、差分検出部24は、検図者により予め指定された透過度に応じて、透過度を設定するとよい。以下では、共通部分に透過度を設定して差分部分が分かるようにした形状データを「差分付き形状データ」と称し、共通部分に透過度を設定して差分部分が分かるようにした注釈データを「差分付き注釈データ」と称する。本実施の形態では、ボクセルデータの変更部分の一例として、差分部分を用いており、ボクセルデータの未変更部分の一例として、共通部分を用いている。また、本実施の形態では、変更部分を透過させずに表示するように制御し、未変更部分を透過させて表示するように制御することの一例として、差分検出部24のこの処理を行っている。
【0019】
更に、差分検出部24は、変更前形状データと変更後形状データとの共通部分と、変更前注釈データと変更後注釈データとの共通部分とに、異なる透過度を設定してもよい。例えば、差分検出部24は、前者の共通部分よりも後者の共通部分に高い透過度を設定し、目立ち難い文字や矢印を強調するようにしてもよい。本実施の形態では、未変更部分を、形状データにおいては第1の透過度で透過させて表示するように制御し、注釈データにおいては第1の透過度とは異なる第2の透過度で透過させて表示するように制御することの一例として、差分検出部24のこの処理を行っている。
【0020】
ノイズ除去部25は、差分付き形状データ及び差分付き注釈データのそれぞれにおいて、共通部分のボクセルを膨張させることにより、差分部分のボクセルの少なくとも一部をノイズとして除去する。具体的には、ノイズ除去部25は、共通部分のボクセルに隣接する差分部分のボクセルを、その透過度を共通部分と同じ透過度とすることにより、共通部分のボクセルに変換する。ここで、2つのボクセルが隣接するとは、2つのボクセルが互いの頂点を共有することであってもよいし、2つのボクセルが互いの辺を共有することであってもよいし、2つのボクセルが互いの面を共有することであってもよい。また、第1のボクセルに隣接する第2のボクセルに隣接する第3のボクセルを、第1のボクセルに隣接するとしてもよいし、第3のボクセルに更に隣接する第4のボクセルを、第1のボクセルに隣接するとしてもよい。この場合、極端に離れた距離にある2つのボクセルが隣接することにならないように、このような隣接するボクセルを見つける操作の回数には上限を設ける必要がある。以下では、ノイズが除去された差分付き形状データを「ノイズ除去済み形状データ」と称し、ノイズが除去された差分付き注釈データを「ノイズ除去済み注釈データ」と称する。本実施の形態では、変更部分を削減する削減処理の一例として、ノイズ除去部25の処理を行っている。
【0021】
差分強調部26は、ノイズ除去済み注釈データにおいて、差分部分のボクセルを膨張させることにより、差分部分のボクセルを強調する。具体的には、差分強調部26は、差分部分のボクセルに隣接する共通部分のボクセルを、その透過度を削除することにより、差分部分のボクセルに変換する。ここで、2つのボクセルが隣接するとは、ノイズ除去部25について説明したことと同じである。この場合も、極端に離れた距離にある2つのボクセルが隣接することにならないように、隣接するボクセルを見つける操作の回数には上限を設ける必要があるが、その上限はノイズ除去部25の場合の上限よりも大きくてよい。以下では、差分強調部26により差分部分が強調されたノイズ除去済み注釈データを「強調済み注釈データ」と称する。本実施の形態では、変更部分を強調する強調処理のうち第2の表示態様で表示する際に行われる少なくとも1つの強調処理の一例として、差分強調部26の処理を行っている。
【0022】
ブロック強調部27は、強調済み注釈データにおいて、膨張により差分部分となったボクセルの周辺の共通部分のボクセルを、共通部分の他のボクセルとは異なる属性の強調ブロックとすることで、差分部分があることをより強調する。例えば、ブロック強調部27は、差分部分となったボクセルの周辺の共通部分のボクセルの透過度を変えずに色を変えて強調ブロックとするとよい。ここで、あるボクセルの周辺とは、そのボクセルに隣接するボクセルが存在する領域のことである。この場合も、極端に離れた距離にある2つのボクセルが隣接することにならないように、隣接するボクセルを見つける操作の回数には上限を設ける必要があるが、その上限は差分強調部26の場合の上限よりも更に大きくてよい。以下では、ブロック強調部27により差分部分が強調された強調済み注釈データを「ブロック強調済み注釈データ」と称する。本実施の形態では、未変更部分のうちの隣接するボクセルの周辺のボクセルを、透過させる設定としたまま、未変更部分とは異なる表示属性を有する設定とする処理の一例として、ブロック強調部27の処理を行っている。また、本実施の形態では、変更部分を強調する強調処理のうち第2の表示態様で表示する際に行われる少なくとも1つの強調処理の一例として、ブロック強調部27の処理を行っている。尚、このブロック強調部27は、必ずしも設けなくてもよい。
【0023】
レンダリング画像生成部28は、ノイズ除去済み形状データと、強調済み注釈データ又はブロック強調済注釈データとをマージして、レンダリングすることにより、レンダリング画像を生成する。
【0024】
送信部29は、レンダリング画像生成部28が生成したレンダリング画像を表示するように端末装置30へ送信する。本実施の形態では、ボクセルデータの変更部分を、形状データにおいては第1の表示態様で表示するように制御し、注釈データにおいては第1の表示態様とは異なる第2の表示態様で表示するように制御することの一例として、送信部29の処理を行っている。
【0025】
尚、図3では、ノイズ除去済み形状データについては差分部分の強調処理が全く行われないこととしたが、これには限らない。例えば、ノイズ除去済み形状データ及びノイズ除去済み注釈データに共通の強調処理が行われた後、差分強調部26及びブロック強調部27が、ノイズ除去済み注釈データについてのみ強調処理を更に行ってもよい。この場合、差分強調部26及びブロック強調部27がノイズ除去済み注釈データについてのみ強調処理を行った結果を表示する表示態様は、少なくとも1つの強調処理を含む強調処理を行って表示する第2の表示態様、又は、削減処理を行った後に少なくとも1つの強調処理を含む強調処理を行って表示する第2の表示態様の一例である。また、ノイズ除去済み形状データについてノイズ除去済み注釈データと共通の強調処理を行った結果を表示する表示態様は、少なくとも1つの強調処理を行わずに表示する第1の表示態様、又は、削減処理を行った後に少なくとも1つの強調処理を行わずに表示する第1の表示態様の一例である。
【0026】
次に、分離部23の処理内容について詳細に説明する。
図4は、ボクセル化部22が生成したボクセルデータ400の例を示す図である。図示するように、ボクセルデータ400は、形状データ410と、注釈データ420とを含む。尚、図3には、変更前ボクセルデータ及び変更後ボクセルデータ、変更前形状データ及び変更後形状データ、変更前注釈データ及び変更後注釈データを示したが、ここでは、変更前か変更後かは問わず、ボクセルデータ400、形状データ410、注釈データ420として説明することにする。また、注釈データ420は、簡素化のため、図4に示すように、YZ面に水平に描かれていることが分かっていることを前提とする。
【0027】
分離部23は、第1の処理として、断面抽出処理を行う。具体的には、分離部23は、あるZ座標値に対するXY面でボクセルデータ400の断面を抽出する。
分離部23は、第2の処理として、XY面上の注釈データ420のボクセル群の判別処理を行う。具体的には、分離部23は、XY面上で断面積が閾値以下のボクセル群を見つける。そして、分離部23は、このボクセル群を、XY面上の注釈データ420のボクセル群とする。
分離部23は、第3の処理として、XYZ空間内の注釈データ420のボクセル群の判定処理を行う。具体的には、分離部23は、XY面をZ方向に1つのボクセルの高さ分移動して、第2の処理で判別されたボクセル群と隣接し、かつ、移動後のXY面上で断面積が閾値以下のボクセル群を見つける。そして、分離部23は、この第3の処理を繰り返して、各XY面上の注釈データ420のボクセル群を見つけ、見つかったボクセル群を、XYZ空間内の注釈データ420のボクセル群とする。
【0028】
図5(a)~(e)は、分離部23が形状データ410及び注釈データ420を抽出する方法について、具体的に示す図である。図示するように、分離部23は、Z座標値Z1~Z5(図4参照)に対するXY面431~435でボクセルデータ400を切断することにより、断面441~445を抽出している。この場合、図5(a)の断面441a,441b、図5(b)の断面442a~442c、図5(c)の断面443a~443d、図5(d)の断面444a~444eの断面積は何れも閾値以下であるので、これらは注釈データ420のボクセル群と判別される。一方、図5(e)の断面445の断面積は閾値以上であるので、これは形状データ410のボクセル群と判別される。
【0029】
尚、上記では、注釈データ420がYZ面に水平に描かれていることが分かっていることを前提としたが、注釈データ420がどのような方向に描かれているか分からない場合もある。このような場合、分離部23は、断面を抽出するためのXZ面をY方向へ移動させたり、断面を抽出するためのYZ面をX方向へ移動させたりしながら、第1の処理乃至第3の処理を行えばよい。
【0030】
本実施の形態では、ボクセルデータを構成するボクセル群のうち、第1の閾値より大きい断面積を有するボクセル群を、形状データとして特定し、第1の閾値より小さい断面積を有するボクセル群を、注釈データとして特定することの一例として、分離部23のこの処理を行っている。
【0031】
尚、上記では、分離部23は、形状データ410及び注釈データ420の断面積に基づいて、ボクセルデータ400を形状データ410及び注釈データ420に分離したが、これには限らない。例えば、分離部23は、CADデータに注釈データである旨の情報が付されている場合は、その情報に基づいて、ボクセルデータ400を形状データ410及び注釈データ420に分離してもよい。
【0032】
次に、ノイズ除去部25の処理内容について詳細に説明する。
図6は、差分検出部24が生成した差分付きボクセルデータ500の例を示す図である。図示するように、差分付きボクセルデータ500は、差分付き形状データ510と、差分付き注釈データ520とを含む。尚、図3には、差分付き形状データ及び差分付き注釈データを別々に示したが、ここでは、便宜上、差分付き形状データ510及び差分付き注釈データ520を合成した差分付きボクセルデータ500として説明することにする。
差分付き形状データ510は、差分部分511~514を含み、差分付き注釈データ520は、差分部分521~526を含む。差分部分のうち、追加した部分は太斜線ハッチングで示し、削除した部分は細斜線ハッチングで示している。
差分部分511は、穴を浅く変更したことによる差分部分である。一方、差分部分512~514はレンダリング誤差による差分部分、つまり、ノイズである。
差分部分521~523は、図4の変更前ボクセルデータ400の「50」を「60」に変更したことによる差分部分である。一方、差分部分524~526はレンダリング誤差による差分部分、つまり、ノイズである。
【0033】
ノイズ除去部25は、このようなノイズを除去する。
図7(a)~(e)は、ノイズ除去部25がノイズを除去する方法について、具体的に示す図である。ノイズ除去部25は、実際には、三次元の差分付きボクセルデータ500を処理対象とするが、ここでは、理解し易いように、二次元の差分付きボクセルデータ550を用いて説明する。
【0034】
図7(a)は、ノイズ除去部25に入力される差分付きボクセルデータ550を示している。図示するように、差分付きボクセルデータ550は、共通部分551と、差分部分552~555とを含む。共通部分は、ドットハッチングで示している。差分部分のうち、追加した部分は太斜線ハッチングで示し、削除した部分は細斜線ハッチングで示している。尚、差分部分554,555は、レンダリング誤差による差分部分であるものとする。
【0035】
ノイズ除去部25は、第1の処理として、共通部分の抽出処理を行う。具体的には、ノイズ除去部25は、図7(a)の差分付きボクセルデータ550から共通部分551を抽出する。具体的には、ノイズ除去部25は、差分付きボクセルデータ550から、透過度が設定されている部分を抽出し、これをマスク用ボクセルデータとする。
図7(b)は、このようにして抽出されたマスク用ボクセルデータ561を示している。
ノイズ除去部25は、第2の処理として、マスク膨張処理を行う。具体的には、ノイズ除去部25は、モルフォロジー変換により、マスク用ボクセルデータ561を膨張させる。
図7(c)は、マスク膨張処理後のマスク用ボクセルデータ571を示している。
ノイズ除去部25は、第3の処理として、透過度付与処理を行う。具体的には、ノイズ除去部25は、マスク膨張処理後のマスク用ボクセルデータ571に重なっている差分部分552,554,555のボクセルに透過度を付与し、共通部分551と同じ扱いにする。
図7(d)は、透過度を付与する際の差分付きボクセルデータ550を示している。ここでは、差分部分552のボクセル552a,552b、差分部分554のボクセル554a、及び、差分部分555のボクセル555aに透過度が付与される。
図7(e)は、ノイズ除去部25が出力するノイズ除去済みボクセルデータ650を示している。図7(d)の差分部分552のボクセル552a,552bが、透過度が付与されることにより、図7(e)では、共通部分651のボクセルとなっており、図7(d)の差分部分552は、図7(e)では、その分削減された差分部分652となっている。また、図7(d)の差分部分554,555が、透過度が付与されることにより、図7(e)では、共通部分651のボクセルとなっている。
【0036】
本実施の形態では、変更部分のうちの未変更部分に隣接するボクセルを透過させる設定とする処理を含む削減処理の一例として、ノイズ除去部25の処理を行っている。
【0037】
次に、差分強調部26の処理内容について詳細に説明する。
図8は、ノイズ除去部25が生成したノイズ除去済みボクセルデータ600の例を示す図である。図示するように、ノイズ除去済みボクセルデータ600は、ノイズ除去済み形状データ610と、ノイズ除去済み注釈データ620とを含む。尚、図3には、ノイズ除去済み形状データ及びノイズ除去済み注釈データを別々に示したが、ここでは、便宜上、ノイズ除去済み形状データ610及びノイズ除去済み注釈データ620を合成したノイズ除去済みボクセルデータ600として説明することにする。
ノイズ除去済み形状データ610は、差分部分611を含み、ノイズ除去済み注釈データ620は、差分部分621を含む。差分部分611は、図6の差分部分511に対してノイズ除去処理を行ったものであり、差分部分621は、図6の差分部分521に対してノイズ除去処理を行ったものである。
【0038】
差分強調部26は、ノイズ除去だけだと注釈データの差分部分が小さくなり埋もれてしまうので、注釈データの差分部分を強調する。
図9(a)~(e)は、差分強調部26が差分部分を強調する方法について、具体的に示す図である。差分強調部26は、実際には、三次元のノイズ除去済みボクセルデータ600を処理対象とするが、ここでは、理解し易いように、二次元のノイズ除去済みボクセルデータ650を用いて説明する。
【0039】
図9(a)は、差分強調部26に入力されるノイズ除去済みボクセルデータ650を示している。図示するように、ノイズ除去済みボクセルデータ650は、共通部分651と、差分部分652,653とを含む。共通部分は、ドットハッチングで示している。差分部分のうち、追加した部分は太斜線ハッチングで示し、削除した部分は細斜線ハッチングで示している。
【0040】
差分強調部26は、第1の処理として、差分部分の抽出処理を行う。具体的には、差分強調部26は、図9(a)のノイズ除去済みボクセルデータ650から差分部分652,653を抽出する。具体的には、差分強調部26は、ノイズ除去済みボクセルデータ650から、透過度が設定されていない部分を抽出し、これをマスク用ボクセルデータとする。
図9(b)は、このようにして抽出されたマスク用ボクセルデータ662,663を示している。
差分強調部26は、第2の処理として、マスク膨張処理を行う。具体的には、差分強調部26は、モルフォロジー変換により、マスク用ボクセルデータ662,663を膨張させる。例えば、ノイズ除去部25のマスク膨張処理で隣接する1つ分膨張させたならば、差分強調部26は、隣接する2つ分乃至4つ分膨張させるとよい。これにより、ノイズ除去処理で縮小した差分部分のボクセルがより広範囲に目立つようになる。
図9(c)は、マスク膨張処理後のマスク用ボクセルデータ672,673を示している。
差分強調部26は、第3の処理として、透過度削除処理を行う。具体的には、差分強調部26は、マスク膨張処理後のマスク用ボクセルデータ672,673に重なっている共通部分651のボクセルから透過度を削除し、差分部分652,653と同じ扱いにする。
図9(d)は、透過度を削除する際のノイズ除去済みボクセルデータ650を示している。ここでは、共通部分651のボクセル651a~651eから透過度が削除される。
図9(e)は、差分強調部26が出力する強調済みボクセルデータ750を示している。図9(d)の共通部分651のボクセル651a~651eが、透過度が削除されることにより、図9(e)では、差分部分752のボクセルとなっており、図9(d)の共通部分651は、図9(e)では、その分削減された共通部分751となっている。
【0041】
本実施の形態では、未変更部分のうちの変更部分に隣接するボクセルを透過させない設定とする処理を含む少なくとも1つの強調処理の一例として、差分強調部26の処理を行っている。
【0042】
図10は、差分強調部26が生成した強調済みボクセルデータ700の例を示す図である。図示するように、強調済みボクセルデータ700は、ノイズ除去済み形状データ610と、強調済み注釈データ720とを含む。尚、図3には、ノイズ除去済み形状データ及び強調済み注釈データを別々に示したが、ここでは、便宜上、ノイズ除去済み形状データ610及び強調済み注釈データ720を合成した強調済みボクセルデータ700として説明することにする。
ノイズ除去済み形状データ610は、差分部分611を含み、強調済み注釈データ720は、差分部分721を含む。差分部分611は、図8の差分部分611と同じである。一方、差分部分721は、図8の差分部分621に対して強調処理を行ったものであり、大きく見え易くなっている。
【0043】
次に、ブロック強調部27の処理内容について詳細に説明する。
図11は、ブロック強調部27が生成するブロック強調済みボクセルデータ800の例を示す図である。図示するように、ブロック強調済みボクセルデータ800は、ノイズ除去済み形状データ610と、ブロック強調済み注釈データ820とを含む。尚、図3には、ノイズ除去済み形状データ及びブロック強調済み注釈データを別々に示したが、ここでは、便宜上、ノイズ除去済み形状データ610及びブロック強調済み注釈データ820を合成したブロック強調済みボクセルデータ800として説明することにする。
ノイズ除去済み形状データ610は、差分部分611を含み、ブロック強調済み注釈データ820は、差分部分721と、強調ブロック821とを含む。差分部分611は、図8及び図10の差分部分611と同じである。一方、差分部分721は、図10の差分部分721と同じであるが、強調ブロック821を付加することで気付き易くなっている。ここで、強調ブロック821としては、共通部分と同じ透過度が設定されたまま、例えば、色を付する等の処理を行ったボクセル群を用いればよい。
【0044】
[第1の実施の形態における差分表示装置の動作例]
図12は、第1の実施の形態における差分表示装置10の動作例を示すフローチャートである。
差分表示装置10では、まず、受信部21が、変更前CADデータ及び変更後CADデータを受信する(ステップ201)。
【0045】
次に、差分表示装置10では、ボクセル化部22が、変更前ボクセルデータ及び変更後ボクセルデータを生成する(ステップ202)。具体的には、ボクセル化部22は、ステップ201で受信された変更前CADデータをボクセル化することにより変更前ボクセルデータを生成し、ステップ201で受信された変更後CADデータをボクセル化することにより変更後ボクセルデータを生成する。
【0046】
次に、差分表示装置10では、分離部23が、変更前形状データ、変更前注釈データ、変更後形状データ、及び変更後注釈データを生成する(ステップ203)。具体的には、分離部23は、ステップ202で生成された変更前ボクセルデータを分離することにより変更前形状データ及び変更前注釈データを生成する。また、分離部23は、ステップ202で生成された変更後ボクセルデータを分離することにより変更後形状データ及び変更後注釈データを生成する。
【0047】
次に、差分表示装置10では、差分検出部24が、差分付き形状データ及び差分付き注釈データを生成する(ステップ204)。具体的には、差分検出部24は、ステップ203で生成された変更前形状データ及び変更後形状データの差分を検出することにより差分付き形状データを生成する。また、差分検出部24は、ステップ203で生成された変更前注釈データ及び変更後注釈データの差分を検出することにより差分付き注釈データを生成する。
【0048】
次に、差分表示装置10では、ノイズ除去部25が、ノイズ除去済み形状データ及びノイズ除去済み注釈データを生成する(ステップ205)。具体的には、ノイズ除去部25は、ステップ204で生成された差分付き形状データに対してノイズ除去処理を行うことによりノイズ除去済み形状データを生成する。また、ノイズ除去部25は、ステップ204で生成された差分付き注釈データに対してノイズ除去処理を行うことによりノイズ除去済み注釈データを生成する。
【0049】
次に、差分表示装置10では、差分強調部26が、強調済み注釈データを生成する(ステップ206)。具体的には、差分強調部26は、ステップ205で生成されたノイズ除去済み注釈データに対して強調処理を行うことにより強調済み注釈データを生成する。
次に、差分表示装置10では、ブロック強調部27が、ブロック強調済み注釈データを生成する(ステップ207)。具体的には、ブロック強調部27は、ステップ206で生成された強調済み注釈データに強調ブロックを設定することによりブロック強調済み注釈データを生成する。
【0050】
次に、差分表示装置10では、レンダリング画像生成部28が、レンダリング画像を生成する(ステップ208)。具体的には、レンダリング画像生成部28は、ステップ205で生成されたノイズ除去済み形状データと、ステップ207で生成されたブロック強調済み注釈データとを合成して、レンダリングすることにより、レンダリング画像を生成する。
最後に、差分表示装置10では、送信部29が、ステップ208で生成されたレンダリング画像を端末装置30へ送信する(ステップ209)。
【0051】
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態における差分表示装置10は、形状データに対して一律に同じ処理を行ったが、第2の実施の形態における差分表示装置10は、形状データの種類に応じて異なる処理を行う。例えば、第2の実施の形態における差分表示装置10は、ねじ穴等の細かい形状を含まない形状データについては強調処理を行わず、ねじ穴等の細かい形状を含む形状データについてのみ強調処理を行う。以下では、細かい形状を含まない形状データを「第1形状データ」と称し、細かい形状を含む形状データを「第2形状データ」と称する。第1形状データは、第1の部分形状データの一例であり、第2形状データは、第2の部分形状データの一例である。
【0052】
第2の実施の形態における差分表示装置10は、第1の実施の形態における差分表示装置10と同じ構成要素を備えるが、その機能は異なるものがあるので、各構成要素について詳細に説明する。
受信部21及びボクセル化部22は、第1の実施の形態における差分表示装置10が備える受信部21及びボクセル化部22と機能も同じである。
【0053】
分離部23は、変更前ボクセルデータ及び変更後ボクセルデータを、それぞれ、第1形状データを表すボクセルデータと、第2形状データを表すボクセルデータと、注釈を表すボクセルデータとに分離する。以下では、変更前ボクセルデータから分離された第1形状データを表すボクセルデータを「変更前第1形状データ」と称し、変更前ボクセルデータから分離された第2形状データを表すボクセルデータを「変更前第2形状データ」と称する。また、変更後ボクセルデータから分離された第1形状データを表すボクセルデータを「変更後第1形状データ」と称し、変更後ボクセルデータから分離された第2形状データを表すボクセルデータを「変更後第2形状データ」と称する。分離部23は、図4及び図5で説明したように、第1形状データ及び第2形状データの断面積に基づいて、ボクセルデータを第1形状データ及び第2注釈データに分離するとよい。
本実施の形態では、形状データを構成するボクセル群のうち、第2の閾値より大きい断面積を有するボクセル群を、第1の部分形状データとして特定し、第2の閾値より小さい断面積を有するボクセル群を、第2の部分形状データとして特定することの一例として、分離部23のこの処理を行っている。
【0054】
差分検出部24は、変更前第1形状データと変更後第1形状データとの差分、変更前第2形状データと変更後第2形状データとの差分、及び、変更前注釈データと変更後注釈データとの差分を検出する。また、差分検出部24は、第1形状データ、第2形状データ、及び注釈データのそれぞれにおいて、共通部分のボクセルに透過度を設定する。以下では、共通部分に透過度を設定して差分部分が分かるようにした第1形状データを「差分付き第1形状データ」と称し、共通部分に透過度を設定して差分部分が分かるようにした第2形状データを「差分付き第2形状データ」と称する。
【0055】
ノイズ除去部25は、差分付き第1形状データ、差分付き第2形状データ、及び、差分付き注釈データのそれぞれにおいて、共通部分のボクセルを膨張させることにより、差分部分のボクセルの少なくとも一部をノイズとして除去する。具体的には、ノイズ除去部25は、共通部分のボクセルに隣接する差分部分のボクセルを、その透過度を共通部分と同じ透過度とすることにより、共通部分のボクセルに変換する。以下では、ノイズが除去された差分付き第1形状データを「ノイズ除去済み第1形状データ」と称し、ノイズが除去された差分付き第2形状データを「ノイズ除去済み第2形状データ」と称する。
【0056】
差分強調部26は、ノイズ除去済み注釈データ及びノイズ除去済み第2形状データにおいて、差分部分のボクセルを膨張させることにより、差分部分のボクセルを強調する。具体的には、差分強調部26は、差分部分のボクセルに隣接する共通部分のボクセルを、その透過度を削除することにより、差分部分のボクセルに変換する。尚、ノイズ除去済み注釈データとノイズ除去済み第2形状データとで強調処理を異ならせてもよい。以下では、差分強調部26により差分部分が強調された第2形状データを「強調済み第2形状データ」と称する。本実施の形態では、変更部分を強調する形状強調処理のうち第4の表示態様で表示する際に行われる少なくとも1つの形状強調処理の一例として、差分強調部26の処理を行っている。
【0057】
ブロック強調部27は、強調済み注釈データ及び強調済み第2形状データにおいて、膨張により差分部分となったボクセルの周辺の共通部分のボクセルを、共通部分の他のボクセルとは異なる属性の強調ブロックとすることで、差分部分があることをより強調する。例えば、ブロック強調部27は、差分部分となったボクセルの周辺の共通部分のボクセルの透過度を変えずに色を変えて強調ブロックとするとよい。尚、強調済み注釈データと強調済み第2形状データとで強調ブロックの設定方法を異ならせてもよい。以下では、ブロック強調部27により差分部分が強調された強調済み第2形状データを「ブロック強調済み第2形状データ」と称する。本実施の形態では、変更部分を強調する形状強調処理のうち第4の表示態様で表示する際に行われる少なくとも1つの形状強調処理の一例として、差分強調部26の処理を行っている。尚、このブロック強調部27は、必ずしも設けなくてもよい。
【0058】
レンダリング画像生成部28は、ノイズ除去済み第1形状データと、強調済み第2形状データ又はブロック強調済第2形状データと、強調済み注釈データ又はブロック強調済注釈データとをマージして、レンダリングすることにより、レンダリング画像を生成する。
【0059】
送信部29は、レンダリング画像生成部28が生成したレンダリング画像を表示するように端末装置30へ送信する。本実施の形態では、ボクセルデータの変更部分を、形状データの第1の部分形状データにおいては第3の表示態様で表示するように制御し、形状データの第2の部分形状データにおいては第3の表示態様とは異なる第4の表示態様で表示するように制御することの一例として、送信部29の処理を行っている。
【0060】
尚、上記では、ノイズ除去済み第1形状データについては差分部分の強調処理が全く行われないこととしたが、これには限らない。例えば、ノイズ除去済み第1形状データ、ノイズ除去済み第2形状データ、及び、ノイズ除去済み注釈データに共通の強調処理が行われた後、差分強調部26及びブロック強調部27が、ノイズ除去済み第2形状データについてのみ強調処理を更に行ってもよい。この場合、差分強調部26及びブロック強調部27がノイズ除去済み第2データ及びノイズ除去済み注釈データについてのみ強調処理を行った結果を表示する表示態様は、少なくとも1つの形状強調処理を含む形状強調処理を行って表示する第4の表示態様の一例である。また、ノイズ除去済み第1形状データについてノイズ除去済み第2形状データ及びノイズ除去済み注釈データと共通の強調処理を行った結果を表示する表示態様は、少なくとも1つの形状強調処理を行わずに表示する第3の表示態様の一例である。
【0061】
[変形例]
上記では、差分表示装置10と端末装置30とからなる差分表示システム1が本実施の形態を実現することとしたが、これには限らない。例えば、差分表示装置10が本実施の形態を実現することとしてもよい。この場合、差分表示装置10の送信部29が端末装置30へレンダリング画像を送信して端末装置30にレンダリング画像を表示するのではなく、差分表示装置10の表示制御部が自装置の表示デバイスにレンダリング画像を表示する。
【0062】
[プロセッサ]
本実施の形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
また、本実施の形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、本実施の形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、変更してもよい。
【0063】
[プログラム]
本実施の形態における差分表示装置10が行う処理は、例えば、アプリケーションソフトウェア等のプログラムとして用意される。
この場合、本実施の形態を実現するプログラムは、コンピュータに、三次元形状及び三次元形状の注釈を示すボクセルデータから、三次元形状を示す形状データと、注釈を示す注釈データとを特定する機能と、ボクセルデータの変更部分を、形状データにおいては第1の表示態様で表示するように制御し、注釈データにおいては第1の表示態様とは異なる第2の表示態様で表示するように制御する機能と、を実現させるためのプログラムとして捉えられる。
尚、本実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD-ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
【0064】
[付記]
(((1)))
1又は複数のプロセッサを備え、
前記1又は複数のプロセッサは、
三次元形状及び当該三次元形状の注釈を示すボクセルデータから、当該三次元形状を示す形状データと、当該注釈を示す注釈データとを特定し、
前記ボクセルデータの変更部分を、前記形状データにおいては第1の表示態様で表示するように制御し、前記注釈データにおいては当該第1の表示態様とは異なる第2の表示態様で表示するように制御する、
情報処理システム。
(((2)))
前記1又は複数のプロセッサは、前記ボクセルデータを構成するボクセル群のうち、第1の閾値より大きい断面積を有するボクセル群を、前記形状データとして特定し、当該第1の閾値より小さい断面積を有するボクセル群を、前記注釈データとして特定する、(((1)))に記載の情報処理システム。
(((3)))
前記第1の表示態様は、前記変更部分を強調する強調処理のうち前記第2の表示態様で表示する際に行われる少なくとも1つの強調処理を行わずに表示する表示態様であり、
前記第2の表示態様は、前記少なくとも1つの強調処理を含む強調処理を行って表示する表示態様である、(((1)))又は請求項(((2)))に記載の情報処理システム。
(((4)))
前記1又は複数のプロセッサは、前記変更部分を透過させずに表示するように制御し、前記ボクセルデータの未変更部分を透過させて表示するように制御し、
前記少なくとも1つの強調処理は、前記未変更部分のうちの前記変更部分に隣接するボクセルを透過させない設定とする処理を含む、(((3)))に記載の情報処理システム。
(((5)))
前記少なくとも1つの強調処理は、前記未変更部分のうちの前記隣接するボクセルの周辺のボクセルを、透過させる設定としたまま、当該未変更部分とは異なる表示属性を有する設定とする処理を更に含む、(((4)))に記載の情報処理システム。
(((6)))
前記第1の表示態様は、前記変更部分を削減する削減処理を行った後に前記少なくとも1つの強調処理を行わずに表示する表示態様であり、
前記第2の表示態様は、前記削減処理を行った後に前記少なくとも1つの強調処理を含む強調処理を行って表示する表示態様である、(((3)))に記載の情報処理システム。
(((7)))
前記1又は複数のプロセッサは、前記変更部分を透過させずに表示するように制御し、前記ボクセルデータの未変更部分を透過させて表示するように制御し、
前記削減処理は、前記変更部分のうちの前記未変更部分に隣接するボクセルを透過させる設定とする処理を含む、(((6)))に記載の情報処理システム。
(((8)))
前記1又は複数のプロセッサは、前記変更部分を、前記形状データの第1の部分形状データにおいては第3の表示態様で表示するように制御し、前記形状データの第2の部分形状データにおいては当該第3の表示態様とは異なる第4の表示態様で表示するように制御する、(((1)))乃至請求項(((7)))の何れか1項に記載の情報処理システム。
(((9)))
前記1又は複数のプロセッサは、前記形状データを構成するボクセル群のうち、第2の閾値より大きい断面積を有するボクセル群を、前記第1の部分形状データとして特定し、当該第2の閾値より小さい断面積を有するボクセル群を、前記第2の部分形状データとして特定し、
前記第3の表示態様は、前記変更部分を強調する形状強調処理のうち前記第4の表示態様で表示する際に行われる少なくとも1つの形状強調処理を行わずに表示する表示態様であり、
前記第4の表示態様は、前記少なくとも1つの形状強調処理を含む形状強調処理を行って表示する表示態様である、(((8)))に記載の情報処理システム。
(((10)))
前記1又は複数のプロセッサは、前記ボクセルデータの未変更部分を、前記形状データにおいては第1の透過度で透過させて表示するように制御し、前記注釈データにおいては当該第1の透過度とは異なる第2の透過度で透過させて表示するように制御する、(((1)))乃至請求項(((9)))の何れか1項に記載の情報処理システム。
(((11)))
前記第2の透過度は、前記第1の透過度よりも高い、(((10)))に記載の情報処理システム。
(((12)))
コンピュータに、
三次元形状及び当該三次元形状の注釈を示すボクセルデータから、当該三次元形状を示す形状データと、当該注釈を示す注釈データとを特定する機能と、
前記ボクセルデータの変更部分を、前記形状データにおいては第1の表示態様で表示するように制御し、前記注釈データにおいては当該第1の表示態様とは異なる第2の表示態様で表示するように制御する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【0065】
(((1)))の発明によれば、ボクセルデータの変更部分を形状データと注釈データとで同じ表示態様で表示する構成を採用した場合に比較して、ボクセルデータの変更部分のうち、形状データにおける変更部分と、注釈データにおける変更部分とが区別し易くなる。
(((2)))の発明によれば、ボクセルデータに特別な情報を含めたりすることなく、ボクセルデータから形状データと注釈データとを特定することができる。
(((3)))の発明によれば、形状データにおける変更部分に比べて注釈データにおける変更部分をより強調することができる。
(((4)))の発明によれば、注釈データにおける変更部分を強調する処理を簡単に行うことができる。
(((5)))の発明によれば、注釈データにおける変更部分をより目立たせることができる。
(((6)))の発明によれば、ボクセルデータの変更部分を削減した後に、形状データにおける変更部分に比べて注釈データにおける変更部分をより強調することができる。
(((7)))の発明によれば、ボクセルデータの変更部分を削減する処理を簡単に行うことができる。
(((8)))の発明によれば、ボクセルデータの変更部分を第1の部分形状データと第2の部分形状データとで同じ表示態様で表示する構成を採用した場合に比較して、ボクセルデータの変更部分のうち、第1の部分形状データにおける変更部分と、第2の部分形状データにおける変更部分とが区別し易くなる。
(((9)))の発明によれば、ボクセルデータに特別な情報を含めたりすることなく、形状データから、第2の部分形状データについて行われる少なくとも1つの形状強調処理が行われない第1の部分形状データと、その少なくとも1つの形状強調処理が行われる第2の部分形状データとを、特定することができる。
(((10)))の発明によれば、形状データにおける変更部分と注釈データにおける変更部分とで見え方を変えることができる。
(((11)))の発明によれば、形状データにおける変更部分よりも注釈データにおける変更部分をよく見えるようにすることができる。
(((12)))の発明によれば、ボクセルデータの変更部分を形状データと注釈データとで同じ表示態様で表示する構成を採用した場合に比較して、ボクセルデータの変更部分のうち、形状データにおける変更部分と、注釈データにおける変更部分とが区別し易くなる。
【符号の説明】
【0066】
1…差分表示システム、10…差分表示装置、21…受信部、22…ボクセル化部、23…分離部、24…差分検出部、25…ノイズ除去部、26…差分強調部、27…ブロック強調部、28…レンダリング画像生成部、29…送信部、30…端末装置
図1
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図12