(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036991
(43)【公開日】2024-03-18
(54)【発明の名称】予測モデル生成装置及び予測モデル生成のためのプログラム並びに広告出稿最適配分推定装置及び広告出稿最適配分推定のためのプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/04 20230101AFI20240311BHJP
G06Q 30/0242 20230101ALI20240311BHJP
【FI】
G06Q10/04
G06Q30/02 382
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022141598
(22)【出願日】2022-09-06
(71)【出願人】
【識別番号】503066778
【氏名又は名称】株式会社ADKマーケティング・ソリューションズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩岡 昭人
(72)【発明者】
【氏名】桑原 信行
(72)【発明者】
【氏名】李 彩銀
(72)【発明者】
【氏名】谷本 信
(72)【発明者】
【氏名】足立 生朗
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA04
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】従来技術と比較して、広告出稿媒体の出稿の配分値を最適に推定できるようにする。
【解決手段】予測モデル生成装置は、広告出稿媒体毎の出稿量の実績値を示す広告出稿実績値と、受注量の実績値を示す受注実績値を取得し、広告出稿実績値と受注実績値に基づいて、出稿量及び/又は受注量を予測するための予測モデルであって、広告出稿媒体の出稿量を説明変数とし、受注量を目的変数とする予測モデルを生成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告出稿媒体毎の出稿量の実績値を示す広告出稿実績値と、受注量の実績値を示す受注実績値を取得する実績値取得部と、
広告出稿実績値と受注実績値に基づいて、出稿量及び/又は受注量を予測するための予測モデルであって、広告出稿媒体の出稿量を説明変数とし、受注量を目的変数とする予測モデルを生成する予測モデル生成部と、
を備えた予測モデル生成装置。
【請求項2】
前記予測モデル生成部は、受注成果の間接効果元となる間接効果元広告出稿媒体の出稿量に対して、前記間接効果元広告出稿媒体の間接効果先となる間接効果先広告出稿媒体の出稿量を乗算した変数を説明変数として含む予測モデルを生成するものである、
請求項1に記載の予測モデル生成装置。
【請求項3】
前記間接効果元広告出稿媒体及び前記間接効果先広告出稿媒体を受け付ける間接効果受付部、
を備えた請求項2に記載の予測モデル生成装置。
【請求項4】
前記予測モデル生成部は、残存効果を有する広告出稿媒体に関して、当該広告出稿媒体の出稿量を説明変数とする代わりに、当該広告出稿媒体の残存効果値を説明変数とする予測モデルを生成するものである、
請求項1に記載の予測モデル生成装置。
【請求項5】
残存効果を有する広告出稿媒体を取得する広告出稿媒体取得部、
を備えた請求項4に記載の予測モデル生成装置。
【請求項6】
前記広告出稿媒体取得部は、受注実績値と、残存効果実績値との相関が所定以上となる広告出稿媒体を、残存効果を有する広告出稿媒体として取得する、
請求項5に記載の予測モデル生成装置。
【請求項7】
広告出稿媒体の残存効果値は、所定の期間毎に更新される値であって、
今回の広告出稿媒体の残存効果値は、今回の広告出稿媒体の広告指標と、前回の残存効果値に残存率を乗算した値とを加算した値で表される、
請求項4から6のいずれか一項に記載の予測モデル生成装置。
【請求項8】
コンピュータに、
広告出稿媒体毎の出稿量の実績値を示す広告出稿実績値と、受注量の実績値を示す受注実績値を取得する実績値取得処理と、
広告出稿実績値と受注実績値に基づいて、出稿量及び/又は受注量を予測するための予測モデルであって、広告出稿媒体の出稿量を説明変数とし、受注量を目的変数とする予測モデルを生成する予測モデル生成処理と、
を実行させる予測モデル生成のためのプログラム。
【請求項9】
広告出稿媒体毎の出稿量の実績値を示す広告出稿実績値と、受注量の実績値を示す受注実績値を取得する実績値取得部と、
広告出稿実績値と受注実績値に基づいて、広告出稿媒体の出稿量を説明変数とし、受注量を目的変数とする予測モデルを生成する予測モデル生成部と、
前記予測モデル生成部で生成された前記予測モデルを用いて、所望する受注量が得られるように広告出稿媒体毎の出稿量を最適に配分した最適出稿量を推定する推定部と、
を備えた広告出稿最適配分推定装置。
【請求項10】
前記予測モデル生成部は、受注成果の間接効果元となる間接効果元広告出稿媒体の出稿量に対して、前記間接効果元広告出稿媒体の間接効果先となる間接効果先広告出稿媒体の出稿量を乗算した変数を説明変数として含む予測モデルを生成するものである、
請求項9に記載の広告出稿最適配分推定装置。
【請求項11】
前記間接効果元広告出稿媒体及び前記間接効果先広告出稿媒体を受け付ける間接効果受付部、
を備えた請求項10に記載の広告出稿最適配分推定装置。
【請求項12】
前記予測モデル生成部は、残存効果を有する広告出稿媒体に関して、当該広告出稿媒体の出稿量を説明変数とする代わりに、当該広告出稿媒体の残存効果値を説明変数とする予測モデルを生成するものである、
請求項9に記載の広告出稿最適配分推定装置。
【請求項13】
残存効果を有する広告出稿媒体を取得する広告出稿媒体取得部、
を備えた請求項12に記載の広告出稿最適配分推定装置。
【請求項14】
前記広告出稿媒体取得部は、受注実績値と、残存効果実績値との相関が所定以上となる広告出稿媒体を、残存効果を有する広告出稿媒体として取得する、
請求項13に記載の広告出稿最適配分推定装置。
【請求項15】
広告出稿媒体の残存効果値は、所定の期間毎に更新される値であって、
今回の広告出稿媒体の残存効果値は、今回の広告出稿媒体の広告指標と、前回の残存効果値に残存率を乗算した値とを加算した値で表される、
請求項12から14のいずれか一項に記載の広告出稿最適配分推定装置。
【請求項16】
コンピュータに、
広告出稿媒体毎の出稿量の実績値を示す広告出稿実績値と、受注量の実績値を示す受注実績値を取得する実績値取得処理と、
広告出稿実績値と受注実績値に基づいて、出稿量及び/又は受注量を予測するための予測モデルであって、広告出稿媒体の出稿量を説明変数とし、受注量を目的変数とする予測モデルを生成する予測モデル生成処理と、
前記予測モデル生成部で生成された前記予測モデルを用いて、所望する受注量が得られるように広告出稿媒体毎の出稿量を最適に配分した最適出稿量を推定する推定処理と、
を実行させる広告出稿最適配分推定のためのプログラム。
【請求項17】
広告出稿媒体毎の出稿量の実績値を示す広告出稿実績値と、受注量の実績値を示す受注実績値を取得する実績値取得部と、
出稿量を予測する予測期間を受け付ける予測期間受付部と、
前記予測期間に対応する期間の受注実績値に応じて前記予測期間における受注量の目標値を提示する受注目標値提示部と、
前記予測期間における受注量の目標値を受け付ける受注目標値受付部と、
前記受注目標値受付部で受け付けた前記予測期間における受注量の目標値が得られるように広告出稿媒体毎の出稿量を最適に配分した最適出稿量を推定する推定部と、
を備えた広告出稿最適配分推定装置。
【請求項18】
前記受注目標値提示部は、受注実績値のトレンド及び/又は受注実績値に基づく季節指数に応じて前記予測期間における受注量の目標値を提示する、
請求項17に記載の広告出稿最適配分推定装置。
【請求項19】
広告出稿実績値に応じて前記予測期間における出稿量の上限値以下の出稿許容範囲又は下限値以上の出稿許容範囲又は上限値と下限値の間の出稿許容範囲を提示する出稿許容範囲提示部と、
前記予測期間における出稿量の上限値以下の出稿許容範囲又は下限値以上の出稿許容範囲又は上限値と下限値の間の出稿許容範囲を受け付ける出稿許容範囲受付部と、
を備え、
前記推定部は、前記出稿許容範囲受付部で受け付けた前記出稿許容範囲内で広告出稿媒体毎の出稿量を最適に配分した最適出稿量を推定する、
請求項17又は18に記載の広告出稿最適配分推定装置。
【請求項20】
広告出稿媒体毎の出稿量の実績値を示す広告出稿実績値と、受注量の実績値を示す受注実績値を取得する実績値取得部と、
出稿量及び受注量を予測する予測期間を受け付ける予測期間受付部と、
前記予測期間に対応する期間の広告出稿実績値に応じて前記予測期間における出稿量の上限値以下の出稿許容範囲又は上限値と下限値の間の出稿許容範囲を提示する出稿許容範囲提示部と、
前記予測期間における出稿量の上限値以下の出稿許容範囲又は上限値と下限値の間の出稿許容範囲を受け付ける出稿許容範囲受付部と、
前記予測期間における受注量が最大化されるように前記出稿許容範囲受付部で受け付けた前記出稿許容範囲内で広告出稿媒体毎の出稿量を最適に配分した最適出稿量を推定する推定部と、
を備えた広告出稿最適配分推定装置。
【請求項21】
前記推定部による推定は、ロジスティック回帰分析モデルを用いて行われるものであり、
当該ロジスティック回帰分析モデルは、ロジスティック関数を用いて生成され、
当該ロジスティック関数の飽和値となる定数が、受注実績値に応じた受注量上限値となるように設定される、
請求項20に記載の広告出稿最適配分推定装置。
【請求項22】
コンピュータに、
広告出稿媒体毎の出稿量の実績値を示す広告出稿実績値と、受注量の実績値を示す受注実績値を取得する実績値取得処理と、
出稿量を予測する予測期間を受け付ける予測期間受付処理と、
前記予測期間に対応する期間の受注実績値に応じて前記予測期間における受注量の目標値を提示する受注目標値提示処理と、
前記予測期間における受注量の目標値を受け付ける受注目標値受付処理と、
前記受注目標値受付部で受け付けた前記予測期間における受注量の目標値が得られるように広告出稿媒体毎の出稿量を最適に配分した最適出稿量を推定する推定処理と、
を実行させる広告出稿最適配分推定のためのプログラム。
【請求項23】
コンピュータに、
広告出稿媒体毎の出稿量の実績値を示す広告出稿実績値と、受注量の実績値を示す受注実績値を取得する実績値取得処理と、
出稿量及び受注量を予測する予測期間を受け付ける予測期間受付処理と、
前記予測期間に対応する期間の広告出稿実績値に応じて前記予測期間における出稿量の上限値以下の出稿許容範囲又は上限値と下限値の間の出稿許容範囲を提示する出稿許容範囲提示処理と、
前記予測期間における出稿量の上限値以下の出稿許容範囲又は上限値と下限値の間の出稿許容範囲を受け付ける出稿許容範囲受付処理と、
前記予測期間における受注量が最大化されるように前記出稿許容範囲受付部で受け付けた前記出稿許容範囲内で広告出稿媒体毎の出稿量を最適に配分した最適出稿量を推定する推定処理と、
を実行させる広告出稿最適配分推定のためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告出稿最適配分推定に用いられる予測モデル生成装置及び予測モデル生成のためのプログラム並びに広告出稿最適配分推定装置及び広告出稿最適配分推定のためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特許第6364581号公報)には、商品又はサービスの広告視聴状況を示す広告情報と、広告活動の成果を示す成果情報と、広告活動に関する費用情報を取得して、広告視聴状況と成果との相関関係を示す相関情報を生成し、成果の目標値又は広告費用の上限値についての条件入力を受け付けて、上記の相関情報に基づき、受け付けた条件を満たす広告費用の構成比を算出するという発明が記載されている。
【0003】
特許文献2(特開2012-88994号公報)には、集計した広告利用回数に基づいて、配信された広告による広告効果を分析し、分析された広告効果に基づいて最適出稿パターンを算出する際に、広告に関する構造方程式モデルを作成するとともに、当該構造方程式モデルに含まれる変数間の因果関係若しくは相関関係を抽出し、当該関係の係数を算出する構造方程式モデリングを用いて広告効果の分析を行う態様が記載されている。
【0004】
特許文献3(特開2022-70204号公報)には、放送地区に対する出稿量と、その出稿量での放送地区におけるターゲット層に対するリーチとの関係、放送地区におけるターゲット層の人数、および放送地区における視聴率単価に基づいて、放送地区に対する広告の出稿金額と、放送地区への広告の出稿によるターゲットの獲得人数との関係を表すモデルを生成し、モデルに基づいて、出稿金額の追加に対するターゲットの獲得人数の変化の割合が最も大きい第1の放送地区を、複数の放送地区のうちから特定し、第1の放送地区への広告の出稿量が増えるように予算を配分する態様が記載されている。
【0005】
特許文献4(特開2013-242657号公報)には、コンテンツを提供する提供装置に対してユーザ端末がアクセスする契機で取得されるユーザ情報の分量を、所定の日時毎かつ当該ユーザ情報が取得される契機となった提供装置毎に記憶しておき、記憶されている各日時に対応する提供装置毎のユーザ情報の分量と、当該日時における広告効果とを回帰分析することにより得られる当該ユーザ情報の分量と当該広告効果との相関性に応じて、提供装置毎の広告効果への貢献度を算出する態様が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第6364581号公報
【特許文献2】特開2012-88994号公報
【特許文献3】特開2022-70204号公報
【特許文献4】特開2013-242657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来技術と比較して、広告出稿媒体の出稿の配分値を最適に推定できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様は、広告出稿媒体毎の出稿量の実績値を示す広告出稿実績値と、受注量の実績値を示す受注実績値を取得する実績値取得部と、広告出稿実績値と受注実績値に基づいて、出稿量及び/又は受注量を予測するための予測モデルであって、広告出稿媒体の出稿量を説明変数とし、受注量を目的変数とする予測モデルを生成する予測モデル生成部と、を備えた予測モデル生成装置である。
【0009】
第2の態様は、第1の態様において、前記予測モデル生成部は、受注成果の間接効果元となる間接効果元広告出稿媒体の出稿量に対して、前記間接効果元広告出稿媒体の間接効果先となる間接効果先広告出稿媒体の出稿量を乗算した変数を説明変数として含む予測モデルを生成するものである、予測モデル生成装置である。
【0010】
第3の態様は、第2の態様において、前記間接効果元広告出稿媒体及び前記間接効果先広告出稿媒体を受け付ける間接効果受付部、を備えた予測モデル生成装置である。
【0011】
第4の態様は、第1の態様において、前記予測モデル生成部は、残存効果を有する広告出稿媒体に関して、当該広告出稿媒体の出稿量を説明変数とする代わりに、当該広告出稿媒体の残存効果値を説明変数とする予測モデルを生成するものである、予測モデル生成装置である。
【0012】
第5の態様は、第4の態様において、残存効果を有する広告出稿媒体を取得する広告出稿媒体取得部、を備えた予測モデル生成装置である。
【0013】
第6の態様は、第5の態様において、前記広告出稿媒体取得部は、受注実績値と、残存効果実績値との相関が所定以上となる広告出稿媒体を、残存効果を有する広告出稿媒体として取得する、予測モデル生成装置である。
【0014】
第7の態様は、第4から第6の態様のいずれかにおいて、広告出稿媒体の残存効果値は、所定の期間毎に更新される値であって、今回の広告出稿媒体の残存効果値は、今回の広告出稿媒体の広告指標と、前回の残存効果値に残存率を乗算した変数を加算した値で表される、予測モデル生成装置である。
【0015】
第8の態様は、コンピュータに、広告出稿媒体毎の出稿量の実績値を示す広告出稿実績値と、受注量の実績値を示す受注実績値を取得する実績値取得処理と、広告出稿実績値と受注実績値に基づいて、出稿量及び/又は受注量を予測するための予測モデルであって、広告出稿媒体の出稿量を説明変数とし、受注量を目的変数とする予測モデルを生成する予測モデル生成処理と、を実行させる予測モデル生成のためのプログラムである。
【0016】
第9の態様は、広告出稿媒体毎の出稿量の実績値を示す広告出稿実績値と、受注量の実績値を示す受注実績値を取得する実績値取得部と、広告出稿実績値と受注実績値に基づいて、広告出稿媒体の出稿量を説明変数とし、受注量を目的変数とする予測モデルを生成する予測モデル生成部と、前記予測モデル生成部で生成された前記予測モデルを用いて、所望する受注量が得られるように広告出稿媒体毎の出稿量を最適に配分した最適出稿量を推定する推定部と、を備えた広告出稿最適配分推定装置である。
【0017】
第10の態様は、第9の態様において、前記予測モデル生成部は、受注成果の間接効果元となる間接効果元広告出稿媒体の出稿量に対して、前記間接効果元広告出稿媒体の間接効果先となる間接効果先広告出稿媒体の出稿量を乗算した変数を説明変数として含む予測モデルを生成するものである、広告出稿最適配分推定装置である。
【0018】
第11の態様は、第10の態様において、前記間接効果元広告出稿媒体及び前記間接効果先広告出稿媒体を受け付ける間接効果受付部、を備えた広告出稿最適配分推定装置である。
【0019】
第12の態様は、第9の態様において、前記予測モデル生成部は、残存効果を有する広告出稿媒体に関して、当該広告出稿媒体の出稿量を説明変数とする代わりに、当該広告出稿媒体の残存効果値を説明変数とする予測モデルを生成するものである、広告出稿最適配分推定装置である。
【0020】
第13の態様は、第12の態様において、残存効果を有する広告出稿媒体を取得する広告出稿媒体取得部、を備えた広告出稿最適配分推定装置である。
【0021】
第14の態様は、第13の態様において、前記広告出稿媒体取得部は、受注実績値と、残存効果実績値との相関が所定以上となる広告出稿媒体を、残存効果を有する広告出稿媒体として取得する、広告出稿最適配分推定装置である。
【0022】
第15の態様は、第12から第14の態様のいずれかにおいて、広告出稿媒体の残存効果値は、所定の期間毎に更新される値であって、今回の広告出稿媒体の残存効果値は、今回の広告出稿媒体の広告指標と、前回の残存効果値に残存率を乗算した変数を加算した値で表される、広告出稿最適配分推定装置である。
【0023】
第16の態様は、コンピュータに、広告出稿媒体毎の出稿量の実績値を示す広告出稿実績値と、受注量の実績値を示す受注実績値を取得する実績値取得処理と、広告出稿実績値と受注実績値に基づいて、出稿量及び/又は受注量を予測するための予測モデルであって、広告出稿媒体の出稿量を説明変数とし、受注量を目的変数とする予測モデルを生成する予測モデル生成処理と、前記予測モデル生成部で生成された前記予測モデルを用いて、所望する受注量が得られるように広告出稿媒体毎の出稿量を最適に配分した最適出稿量を推定する推定処理と、を実行させる広告出稿最適配分推定のためのプログラムである。
【0024】
第17の態様は、広告出稿媒体毎の出稿量の実績値を示す広告出稿実績値と、受注量の実績値を示す受注実績値を取得する実績値取得部と、出稿量を予測する予測期間を受け付ける予測期間受付部と、前記予測期間に対応する期間の受注実績値に応じて前記予測期間における受注量の目標値を提示する受注目標値提示部と、前記予測期間における受注量の目標値を受け付ける受注目標値受付部と、前記受注目標値受付部で受け付けた前記予測期間における受注量の目標値が得られるように広告出稿媒体毎の出稿量を最適に配分した最適出稿量を推定する推定部と、を備えた広告出稿最適配分推定装置である。
【0025】
第18の態様は、第17の態様において、前記受注目標値提示部は、受注実績値のトレンド及び/又は受注実績値に基づく季節指数に応じて前記予測期間における受注量の目標値を提示する、広告出稿最適配分推定装置である。
【0026】
第19の態様は、第17又は第18の態様において、広告出稿実績値に応じて前記予測期間における出稿量の上限値以下の出稿許容範囲又は下限値以上の出稿許容範囲又は上限値と下限値の間の出稿許容範囲を提示する出稿許容範囲提示部と、前記予測期間における出稿量の上限値以下の出稿許容範囲又は下限値以上の出稿許容範囲又は上限値と下限値の間の出稿許容範囲を受け付ける出稿許容範囲受付部と、を備え、前記推定部は、前記出稿許容範囲受付部で受け付けた前記出稿許容範囲内で広告出稿媒体毎の出稿量を最適に配分した最適出稿量を推定する、広告出稿最適配分推定装置である。
【0027】
第20の態様は、広告出稿媒体毎の出稿量の実績値を示す広告出稿実績値と、受注量の実績値を示す受注実績値を取得する実績値取得部と、出稿量及び受注量を予測する予測期間を受け付ける予測期間受付部と、前記予測期間に対応する期間の広告出稿実績値に応じて前記予測期間における出稿量の上限値以下の出稿許容範囲又は上限値と下限値の間の出稿許容範囲を提示する出稿許容範囲提示部と、前記予測期間における出稿量の上限値以下の出稿許容範囲又は上限値と下限値の間の出稿許容範囲を受け付ける出稿許容範囲受付部と、前記予測期間における受注量が最大化されるように前記出稿許容範囲受付部で受け付けた前記出稿許容範囲内で広告出稿媒体毎の出稿量を最適に配分した最適出稿量を推定する推定部と、を備えた広告出稿最適配分推定装置である。
【0028】
第21の態様は、第20の態様において、前記推定部による推定は、ロジスティック回帰分析モデルを用いて行われるものであり、当該ロジスティック回帰分析モデルは、ロジスティック関数を用いて生成され、当該ロジスティック関数の飽和値となる定数が、受注実績値に応じた受注量上限値となるように設定される、広告出稿最適配分推定装置である。
【0029】
第22の態様は、コンピュータに、広告出稿媒体毎の出稿量の実績値を示す広告出稿実績値と、受注量の実績値を示す受注実績値を取得する実績値取得処理と、出稿量を予測する予測期間を受け付ける予測期間受付処理と、前記予測期間に対応する期間の受注実績値に応じて前記予測期間における受注量の目標値を提示する受注目標値提示処理と、前記予測期間における受注量の目標値を受け付ける受注目標値受付処理と、前記受注目標値受付部で受け付けた前記予測期間における受注量の目標値が得られるように広告出稿媒体毎の出稿量を最適に配分した最適出稿量を推定する推定処理と、を実行させる広告出稿最適配分推定のためのプログラムである。
【0030】
第23の態様は、コンピュータに、広告出稿媒体毎の出稿量の実績値を示す広告出稿実績値と、受注量の実績値を示す受注実績値を取得する実績値取得処理と、出稿量及び受注量を予測する予測期間を受け付ける予測期間受付処理と、前記予測期間に対応する期間の広告出稿実績値に応じて前記予測期間における出稿量の上限値以下の出稿許容範囲又は上限値と下限値の間の出稿許容範囲を提示する出稿許容範囲提示処理と、前記予測期間における出稿量の上限値以下の出稿許容範囲又は上限値と下限値の間の出稿許容範囲を受け付ける出稿許容範囲受付処理と、前記予測期間における受注量が最大化されるように前記出稿出稿許容範囲受付部で受け付けた前記出稿許容範囲内で広告出稿媒体毎の出稿量を最適に配分した最適出稿量を推定する推定処理と、を実行させる広告出稿最適配分推定のためのプログラムである。
【発明の効果】
【0031】
第1の態様から第23の態様によれば、従来技術と比較して、広告出稿媒体の出稿の配分値を最適に推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】
図1は、実施形態の予測モデル生成装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態の広告出稿最適配分推定装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態の広告出稿最適配分推定装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態の1又は複数のパーソナルコンピュータ端末と、サーバと、各パーソナルコンピュータ端末及びサーバを通信可能に接続するネットワークの構成図である。
【
図5】
図5は、実施形態の機能構成を実現するためのハードウェア構成図である。
【
図6A】
図6Aは、予測モデル生成装置の機能を実現させる予測モデル生成のためのプログラムの処理手順をフローチャートである。
【
図6B】
図6Bは、予測モデル生成装置の機能を実現させる予測モデル生成のためのプログラムの処理手順をフローチャートである。
【
図7A】
図7Aは、広告出稿最適配分推定装置の機能を実現させる広告出稿最適配分推定のためのプログラムの処理手順をフローチャートである。
【
図7B】
図7Bは、広告出稿最適配分推定装置の機能を実現させる広告出稿最適配分推定のためのプログラムの処理手順をフローチャートである。
【
図8A】
図8Aは、広告出稿最適配分推定装置の機能を実現させる広告出稿最適配分推定のためのプログラムの処理手順をフローチャートである。
【
図8B】
図8Bは、広告出稿最適配分推定装置の機能を実現させる広告出稿最適配分推定のためのプログラムの処理手順をフローチャートである。
【
図9】
図9は、第1実施形態を説明する図で、端末の表示装置の実績値取得画面を例示する図である。
【
図12】
図12は、端末の表示装置の間接効果受付画面を例示する図である。
【
図13】
図13は、端末の表示装置の残存効果保有広告出稿媒体取得画面を例示する図である。
【
図15】
図15は、受注実績値と、広告出稿媒体の残存効果実績値との関係を示すグラフである。
【
図17】
図20Aは、端末の表示装置の受注目標値表示画面を例示する図である。
【
図19】
図19Bは、端末の表示装置の受注目標値受付画面を例示する図である。
【
図20A】
図20Aは、端末の表示装置の出稿許容範囲提示画面を例示する図である。
【
図20B】
図20Bは、端末の表示装置の出稿許容範囲提示画面を例示する図である。
【
図21】
図21は、端末の表示装置の出稿許容範囲受付画面を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0034】
(予測モデル生成装置及び広告出稿最適配分推定装置の機能構成)
【0035】
図1は、実施形態の予測モデル生成装置100の機能構成を示すブロック図である。
【0036】
実施形態の予測モデル生成装置100は、実績値取得部110と、間接効果受付部120と、広告出稿媒体取得部130と、予測モデル生成部140を含んで構成されている。
【0037】
図2は、実施形態の広告出稿最適配分推定装置200の機能構成を示すブロック図である。
【0038】
実施形態の広告出稿最適配分推定装置200は、実績値取得部110と、間接効果受付部120と、広告出稿媒体取得部130と、予測モデル生成部140と、推定部150を含んで構成されている。
【0039】
図3は、実施形態の広告出稿最適配分推定装置300の機能構成を示すブロック図である。
【0040】
実施形態の広告出稿最適配分推定装置300は、実績値取得部110と、予測期間受付部160と、受注目標値提示部170と、出稿許容範囲提示部175と、受注目標値受付部180と、出稿許容範囲受付部185と、推定部150を含んで構成されている。
【0041】
図1、
図2及び
図3の機能は、
図4に示すように、1又は複数のパーソナルコンピュータ端末60と、サーバ70と、各パーソナルコンピュータ端末60及びサーバ70を通信可能に接続するネットワーク80の組合せで実現することができる。またパーソナルコンピュータ端末60単体でも実現することができる。
【0042】
(ハードウェア構成)
【0043】
図5は、
図1、
図2及び
図3に示す実施形態の機能構成を実現するためのハードウェア構成図である。パーソナルコンピュータ端末60又はサーバ70のハードウェア構成を例示する。
【0044】
図5に示すように、パーソナルコンピュータ端末60又はサーバ70は、CPU(Central Processing Unit)61、ROM(Read OnlY MemorY)62、RAM(Random Access MemorY)63、ストレージ64、入力装置66、表示装置67、通信I/F68、外部記憶装置69を備え、システムバス65を介して相互に通信可能に接続されている。
【0045】
CPU61は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、システムバス65に接続される各デバイスを制御したりする。すなわち、CPU61は、ROM62又はストレージ64からプログラムを読み出し、RAM63を作業領域としてプログラムを実行する。CPU61は、ROM62又はストレージ64に記録されているプログラムにしたがって、システムバス65に接続される各デバイスの制御及び各種の演算処理を行う。ROM62又はストレージ64には、CPU61が実行する制御プログラムであるBIOS(Basic Input/Output SYstem)やOS(Operating SYstem)や、本実施形態を実現するためのコンピュータで読み取りが可能で実行が可能な各種プログラム及び必要な各種データを保持している。
【0046】
ROM62は、各種制御プログラム及び各種データを格納する。RAM63は、CPU61の主メモリ、ワークエリア等として機能し作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ64は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)により構成され、BIOS、OSを含む各種プログラム及び各種データを格納する。
【0047】
入力装置66は、マウス等のポインティングデバイス、及びキーボード、スキャナなどの読み取り装置を含み、各種の入力を行うために使用される。
【0048】
表示装置67は、例えば、液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。表示装置67は、タッチパネル方式を採用して、入力装置66として機能しても良い。
【0049】
通信インタフェース68は、他のサーバ70、端末60等の機器と通信するためのインタフェースであり、例えば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。通信インタフェース68は、ネットワーク80と接続してデータの送受信の制御を行う。
【0050】
外部記憶装置69は、USBメモリなどの各種のメモリカード、HDD、SSDなどの着脱可能に接続される外部記憶媒体で構成されている。
【0051】
(予測モデル生成のためのプログラム、広告出稿最適配分推定のためのプログラム)
【0052】
図6Aは、予測モデル生成装置100の機能を実現させる予測モデル生成のためのプログラムPB1Aの処理手順をフローチャートで示している。予測モデル生成のためのプログラムPB1Aは、コンピュータに、実績値取得処理S11と、予測モデル生成処理S14とを実行させる。実績値取得処理S11は、実績値取得部110で行われる処理に相当する。予測モデル生成処理S14は、予測モデル生成部140で行われる処理に相当する。
【0053】
図6Bは、予測モデル生成装置100の機能を実現させる予測モデル生成のためのプログラムPB1Bの処理手順をフローチャートで示している。
図6Aに示す処理と同様の処理には同じ符号を付与している。予測モデル生成のためのプログラムPB1Bは、コンピュータに、実績値取得処理S11と、間接効果受付処理S12と、広告出稿媒体取得処理S13と、予測モデル生成処理S14とを実行させる。間接効果受付処理S12は、間接効果受付部120で行われる処理に相当する。広告出稿媒体取得処理S13は、広告出稿媒体取得部130で行われる処理に相当する。
【0054】
図7Aは、広告出稿最適配分推定装置200の機能を実現させる広告出稿最適配分推定のためのプログラムPB2Aの処理手順をフローチャートで示している。
図6A、
図6Bに示す処理と同様の処理には同じ符号を付与している。広告出稿最適配分推定のためのプログラムPB2Aは、コンピュータに、実績値取得処理S11と、予測モデル生成処理S14と、推定処理S15とを実行させる。推定処理S15は、推定部150で行われる処理に相当する。
【0055】
図7Bは、広告出稿最適配分推定装置200の機能を実現させる広告出稿最適配分推定のためのプログラムPB2Bの処理手順をフローチャートで示している。
図6A、
図6B、
図7Aに示す処理と同様の処理には同じ符号を付与している。広告出稿最適配分推定のためのプログラムPB2Bは、コンピュータに、実績値取得処理S11と、間接効果受付S12と、広告出稿媒体取得処理S13と、予測モデル生成処理S14と、推定処理S15とを実行させる。
【0056】
図8Aは、広告出稿最適配分推定装置300の機能を実現させる広告出稿最適配分推定のためのプログラムPB3Aの処理手順をフローチャートで示している。
図6A、
図6B、
図7A、
図7Bに示す処理と同様の処理には同じ符号を付与している。広告出稿最適配分推定のためのプログラムPB3Aは、コンピュータに、実績値取得処理S11と、予測期間受付処理S16と、受注目標値提示処理S17と、受注目標値受付処理S18と、出稿許容範囲提示処理S175と、出稿許容範囲受付処理S185と、推定処理S15とを実行させる。予測期間受付処理S16は、予測期間受付部160で行われる処理に相当する。受注目標値提示処理S17は、受注目標値提示部170で行われる処理に相当する。受注目標値受付処理S18は、受注目標値受付部180で行われる処理に相当する。出稿許容範囲提示処理S175は、出稿許容範囲提示部175で行われる処理に相当する。出稿許容範囲受付処理S185は、出稿許容範囲受付部185で行われる処理に相当する。
【0057】
図8Bは、広告出稿最適配分推定装置300の機能を実現させる広告出稿最適配分推定のためのプログラムPB3Bの処理手順をフローチャートで示している。
図6A、
図6B、
図7A、
図7B、
図8Aに示す処理と同様の処理には同じ符号を付与している。広告出稿最適配分推定のためのプログラムPB3Bは、コンピュータに、実績値取得処理S11と、予測期間受付処理S16と、出稿許容範囲提示処理S175と、出稿許容範囲受付処理S185と、推定処理S15とを実行させる。
【0058】
プログラムPB1A、PB1B、PB2A、PB2B、PB3A、PB3Bは、ROM62又はストレージ64又は外部記憶装置69に格納されている。パーソナルコンピュータ端末60又はサーバ70は、ROM62又はストレージ64又は外部記憶装置69からプログラムPB1A、PB1B、PB2A、PB2B、PB3A、PB3Bを読み出して上記各処理を実行する。
【0059】
なお、上記各処理S11~S185をパーソナルコンピュータ端末60、サーバ70のいずれで行うかはシステム構成に応じて任意に定めることができる。例えばパーソナルコンピュータ端末60に、プログラムPB1A、PB1B、PB2A、PB2B、PB3A、PB3Bをインストールしておき、プログラムPB1A、PB1B、PB2A、PB2B、PB3A、PB3Bをパーソナルコンピュータ端末60単体で実行してもよい。また例えばパーソナルコンピュータ端末60からネットワーク80を介してサーバ70にアクセスすることによってプログラムPB1A、PB1B、PB2A、PB2B、PB3A、PB3Bの処理をパーソナルコンピュータ端末60、サーバ70双方で実行してもよい。
【0060】
以下、各実施形態について説明する。
【0061】
(第1実施形態)
【0062】
第1実施形態の予測モデル生成装置100は、実績値取得部110と、予測モデル生成部140を備え、
図6Aに示す処理手順のプログラムPB1Aを実行する。
【0063】
第1実施形態の広告出稿最適配分推定装置200は、実績値取得部110と、予測モデル生成部140と、推定部150を備え、
図7Aに示す処理手順のプログラムPB2Aを実行する。
【0064】
(実績値取得部110における実績値取得処理S11)
【0065】
実績値取得部110は、広告出稿媒体1、2、3、4、5毎の出稿量の実績値を示す広告出稿実績値W1、W2、W3、W4、W5と、受注量の実績値を示す受注実績値Zを取得する(S11)。
【0066】
図9は、第1実施形態を説明する図で、パーソナルコンピュータ端末(以下、端末という)10の表示装置67の実績値取得画面としての表示画面51を例示する。実績値取得画面51は、実績値取得部110の機能を備えたインターフェース画面として構成されている。例えばユーザが実績値取得画面51上で、広告出稿実績値W1、W2、W3、W4、W5と、受注実績値Zを取得するための操作を行うことで、実績値取得画面51上に、取得された広告出稿実績値W1、W2、W3、W4、W5と、受注実績値Zが表示される。例えば過去数年間の日毎の連続した広告出稿実績値W1、W2、W3、W4、W5と、同じく過去1年間の日毎の連続した受注実績値Zがサーバ70の図示しないデータベースから読み出され、実績値取得画面51に表示される。広告出稿実績値W1、W2、W3、W4、W5と、受注実績値Zは、予測モデル生成のための演算に使用される。なお
図9中の表内のセルにおいて「・・・」とあるのは、具体的な数値を示す。他の図面についても同様である。
【0067】
ここで各広告出稿媒体1、2、3、4、5の出稿量の変数をそれぞれX1、X2、X3、X4、X5と定義する。広告対象の商品、サービスの受注量の変数をYと定義する。出稿量は、出稿数、出稿額を含む意味で使用する。また受注量は、受注数、受注額を含む意味で使用する。受注額の単位は、例えば日本円である。
【0068】
各広告出稿媒体1、2、3、4、5はそれぞれ、例えば地方新聞紙面の広告、全国新聞紙面の広告、地上波テレビ放送の広告、ラジオ放送の広告、折込みチラシである。これらは一例であり広告出稿媒体としては広告の出稿が可能な媒体であれば任意に選択し、組合せることが可能である。例えば広告出稿媒体が新聞広告である場合には、異なる新聞社あるいは異なる地方の新聞紙面の広告を選択し、組み合わせてもよく、掲載サイズ、モノクロ広告、カラー広告など、異なる掲載形態を選択し、組み合わせてもよい。また、例えば広告出稿媒体がテレビ放送の広告である場合には、地上波テレビ放送、衛星放送、有線放送など異なる放送形態の広告を選択し、組合せてもよく、特定ないし任意のテレビCM 又はテレビ番組を選択し、組合せてもよい。また、例えば広告出稿媒体がラジオ放送の広告である場合には、例えば、任意のラジオCM 又はラジオ番組を選択し、組合せてもよい。また、例えば広告出稿媒体がインターネットの広告である場合には、例えば特定ないし任意のデジタル広告、ウェブサイト、SNS、スマートフォンやパーソナルコンピュータなどの情報端末にインストールされたアプリケーションソフトウェアを選択し、組合せてもよい。また、例えば広告出稿媒体が屋外の広告である場合には、看板、デジタルサイネージ、電車、バス、自動車などの各種移動媒体における車内広告を選択し、組合せてもよい。これら新聞広告、テレビ放送の広告、ラジオ放送の広告、インターネットの広告、屋外の広告のうちいずれか一つを選択してもよく又は二以上を選択して組合せてもよい。
【0069】
広告出稿実績値W1、W2、W3、W4、W5はそれぞれ、広告出稿媒体1、2、3、4、5の出稿量X1、X2、X3、X4、X5の実績値を示す。受注実績値Zは、受注量Yの実績値を示す。
【0070】
(予測モデル生成部140における予測モデル生成処理S14)
【0071】
予測モデル生成部140は、取得された広告出稿実績値W1、W2、W3、W4、W5と受注実績値Zに基づいて、出稿量X1~X5及び/又は受注量Yを予測するための予測モデルであって、広告出稿媒体1~5の出稿量X1~X5を説明変数とし、受注量Yを目的変数とする予測モデルを生成する(S14)。
【0072】
予測モデルには、重回帰分析などの線形回帰分析などの解析手法を適用することができる。また予測モデルには、ロジスティック回帰分析、多項式回帰分析などの非線形回帰分析の解析手法を適用することができる。
【0073】
予測モデルは、下記(1)式又は下記(2)式で表すことができる。
【0074】
Y=Γ/{1+exp(β0+β1・X1+β2・X2+β3・X3+β4・X4+β5・X5)}
【0075】
・・・(1)
【0076】
Y=β0+β1・X1+β2・X2+β3・X3+β4・X4+β5・X5
【0077】
・・・(2)
【0078】
ここで、上記(1)式は、ロジスティック回帰分析モデルである予測モデル21(以下、ロジスティック回帰分析モデル21という)の式を示す。また上記(2)式は、重回帰分析を適用した予測モデル22(以下、重回帰分析モデル22という)の式を示す。回帰係数β0、β1、β2、β3、β4、β5はそれぞれ、例えば広告出稿実績値W1、W2、W3、W4、W5と受注実績値Zのデータに最小二乗法を適用して求められる。例えば広告出稿実績値W1、W2、W3、W4、W5と受注実績値Zのデータを用いて二乗誤差の平均が最小となる回帰係数β0、β1、β2、β3、β4、β5が求められる。なお、ロジスティック回帰分析モデル21は、変数変換を行うことにより、重回帰分析が適用可能となる。ロジスティック回帰分析モデル21の上限値は、上記(1)式の右辺の定数Γ(ハイパーパラメータ定数という)で規定される。ハイパーパラメータ定数Γは、回帰係数β0~β5を推定するための重回帰分析の前に決定しておくことが必要である。
【0079】
上記(1)式に示す予測モデル21あるいは上記(2)式に示す予測モデル22を生成する代わりに下記(2)´式に示す予測モデル22´を生成してもよい。この予測モデル22´は、多項式回帰分析を適用することにより生成される。
【0080】
Y=β0+β1・X+β2・X^2+β3・X^3+・・・+βn・X^n
【0081】
・・・(2)´
【0082】
上記(2)´式において、X^nは、Xのn乗を意味し、Xは、X1、X2、X3、X4、X5に対応する。
【0083】
後述するように推定部150は、予測モデル生成部140で生成された予測モデル21、22、22´を用いて、所望する受注量が得られるように広告出稿媒体1~5毎の出稿量X1~X5を最適に配分した最適出稿量を推定する。なお以下においては、予測モデル21、22を例に取り説明するが予測モデル22´を用いた場合にも同様に推定を行うことができる。
【0084】
推定部150による推定は、例えばロジスティック回帰分析モデル21を用いてもよく、
【0085】
重回帰分析モデル22を用いてもよい。
【0086】
ロジスティック回帰分析モデル21は、例えば
図10に示すロジスティック関数21F、21Gを用いて生成することができる。
図10の横軸は、出稿量X1~X5の合計X0(出稿コスト)であり、
図10の縦軸は、受注量Y(受注額総計)である。単位は円である。
図10に示すグラフは、各広告出稿媒体1、2、3、4、5に投入した出稿コストが同じという条件で作成したものである。
【0087】
ロジスティック関数21F、21Gの受注額総計の飽和値が、ハイパーパラメータ定数Γに対応する。ハイパーパラメータ定数Γは、受注実績値Zの最大値となるように設定することができる。例えば受注実績値Zの最大値が3億円であったとすると、ハイパーパラメータ定数Γは3億円に相当する値Γ1に設定される。そしてΓ1を飽和値とするロジスティック関数21Fを用いてロジスティック回帰分析モデル21が生成される。また受注実績値Zの最大値が5億円であったとすると、ハイパーパラメータ定数Γは5億円に相当する値Γ2に設定される。そしてΓ2を飽和値とするロジスティック関数21Gを用いてロジスティック回帰分析モデル21が生成される。
【0088】
ハイパーパラメータ定数Γを大きく設定するほどロジスティック関数21F、21Gの飽和点に対応するコストXc1、Xc2が大きくなる。すなわちハイパーパラメータ定数Γを大きく設定するほど受注額総計が飽和するまでに大きなコストが必要になる。
【0089】
このようにロジスティック関数21F、21Gの飽和値となるハイパーパラメータ定数Γを、受注実績値Zに応じた受注量上限値(例えば3億円、5憶円)となるように設定して、予測モデルを生成するようにしているため、予測モデルを用いて現実的な予測から外れたあり得ない受注額を予測してしまうことを回避できる。
【0090】
なお、上記(1)、(2)式の例では、出稿量X1、X2、X3、X4、X5の全てを予測モデル21、22の説明変数として選択しているが、出稿量X1、X2、X3、X4、X5のうちのいずれか一つ又は2以上の組合せを予測モデル21、22の説明変数として選択する実施も可能である。
【0091】
説明変数の選択は、ユーザが手動で行ってもよく、自動で行ってもよい。例えば総当たり法を用いて、二乗誤差が最小となる出稿量の組合せを予測モデル21、22の説明変数として選択してもよい。
【0092】
(推定部150における推定処理S15)
【0093】
推定部150は、予測モデル生成部140で生成された予測モデル21、22を用いて、所望する受注量が得られるように広告出稿媒体1、2、3、4、5毎の出稿量X1、X2、X3、X4、X5を最適に配分した最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5を推定する(S15)。
【0094】
推定条件の設定は、
図11A、Bに示すように、
図9と同様に、端末60の表示装置67の推定条件設定画面としての表示画面55A、55B上で行うことができる。
【0095】
ユーザは、例えば最適出稿量を予測する予測期間Tdと、この予測期間Tdにおける受注量Yの目標値Ydを推定条件として設定することができる。予測期間Tdにおける最適出稿量の予測は、週単位、月単位、日単位といった時間単位毎に行うことができる。
【0096】
まず推定条件設定画面55A上で「月単位」、「週単位」、「日単位」のいずれの時間単位毎の最適出稿量を推定するかが選択される。例えばラジオボタン550を押す操作を行うことで出稿量最適化の時間単位の選択が行われる。この実施例では、出稿量最適化の時間単位として「月単位」が選択される。出稿量最適化の目的の選択肢についても同様にラジオボタン550によって行われる。この実施例では、推定画面55A上で出稿量最適化の目的の選択肢、「受注量Yの目標値Yd」、「受注量Yの最大化」のうち「受注量Yの目標値Yd」が選択される。
【0097】
次に表示装置67の表示画面は、
図11Bに示す推定条件設定画面55Bに遷移する。推定条件設定画面55B上で、予測期間Tdの始期Tds(例えば「2022年11月」)及び終期Tde(例えば「2023年10月」)と、この予測期間Tdにおける受注量Yの目標値Ydの数値が設定される。
【0098】
このように予測期間Tdの始期Tds及び終期Tdeと、この予測期間Tdにおける受注量Yの目標値Ydの数値が設定されると、設定された受注量Yの目標値Ydが得られ、かつ合計X0の出稿量が最小となるような最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5が、予測モデル21、22を用いて算出される。例えば、上記(1)式のロジスティック回帰分析モデル21の左辺の受注量Yに目標値Ydを代入して、右辺の出稿量X1、X2、X3、X4、X5の合計X0が最小となるような出稿量の組合せを最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5として算出することができる。このように最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5が、予測期間Tdにおける受注量Yの目標値Ydに応じて推定される。予測期間Td、例えば2022年11月~2023年10月という期間の月単位毎に、受注量Yの目標値Ydを得るための最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5が推定される。
【0099】
表示装置67の表示画面は、
図11Cに示す推定結果表示画面55Cに遷移する。
【0100】
推定結果表示画面55Cの推定結果表示部551には、予測期間Td、例えば2022年11月~2023年10月という期間の月単位毎に、受注量Yの目標値Ydを得るための最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5が表示される。なお、最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5及び対応する回帰係数β1、β2、β3、β4、β5並びにβ0を併せて表示してもよい。
【0101】
受注量Yの目標値Ydが得られることを出稿量最適化の目的とする実施例について説明したが、受注量Yを最大化することを出稿量最適化の目的としてもよい。
【0102】
この実施例では、
図11Dに示す推定条件設定画面55D上で「月単位」、「週単位」、「日単位」のいずれ時間単位毎に最適出稿量を推定するかが選択される。この実施例では、「月単位」が選択される。また推定条件設定画面55D上で出稿量最適化の目的の選択肢、「受注量Yの目標値Yd」、「受注量Yの最大化」のうち「受注量Yの最大化」が選択される。
【0103】
つぎに表示装置67の表示画面は、
図11Eに示す推定条件設定画面55Eに遷移する。推定条件設定画面55E上で、予測期間Tdの始期Tds及び終期Tdeと、この予測期間Tdにおいて受注量Yを最大化するために許容される出稿量の出稿許容範囲ΔXの数値が設定される。出稿量X1、X2、X3、X4、X5及び出稿量合計X0それぞれについて出稿許容範囲ΔXを設定することができる。なお、出稿量X1、X2、X3、X4、X5それぞれについては出稿許容範囲を設定せずに、出稿量合計X0の出稿許容範囲ΔXのみを設定する実施も可能である。
【0104】
ユーザは、予測期間Tdにおける出稿量の上限値Xcと下限値Xlを設定することで出稿許容範囲ΔXを設定することができる。なお、予測期間Tdにおける出稿量の上限値Xcのみを設定することで出稿許容範囲ΔXをピンポイントの値で設定してもよい。本明細書における出稿許容範囲ΔXは、上限値Xcと下限値Xlが一致する場合も含むものと定義する。したがって、出稿許容範囲ΔXは、出稿量の上限値Xcを含む概念である。出稿量の上限値Xcは、例えば出稿予算最高許容額である。出稿量の下限値Xlは、例えば出稿予算最低許容額である。
【0105】
このように予測期間Tdの始期Tds及び終期Tdeと、この予測期間Tdにおける出稿許容範囲ΔXが設定されると、予測期間Tdにおける受注量Yが最大化されるように最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5が、予測モデル21、22を用いて算出される。例えば、上記(1)式のロジスティック回帰分析モデル21の右辺の出稿量X1、X2、X3、X4、X5の出稿量合計X0が出稿許容範囲ΔX内に収まり、かつ左辺の受注量Yが最大値になる出稿量の組合せを最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5として算出することができる。このように受注量Yを最大化する最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5が、予測期間Tdにおける出稿許容範囲ΔXに応じて推定される。予測期間Td、例えば2022年11月~2023年10月という期間の月単位毎に、受注量Yの最大値YMを得るための最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5が出稿許容範囲ΔX内に収まるように推定される。
【0106】
表示装置67の表示画面は、
図11Fに示す推定結果表示画面55Fに遷移する。
【0107】
推定結果表示画面55Fの推定結果表示部552には、予測期間Td、2022年11月~2023年10月の月単位毎に、受注量Yの最大値YMと、受注量Yの最大値YMを得るための最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5が出稿許容範囲ΔX内の数値で表示される。なお、最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5及び対応する回帰係数β1、β2、β3、β4、β5並びにβ0を併せて表示してもよい。
【0108】
第1実施形態によれば、広告出稿媒体の出稿の配分値を最適に推定することができる。
【0109】
(第2実施形態)
【0110】
第2実施形態の予測モデル生成装置100は、実績値取得部110と、間接効果受付部120と、広告出稿媒体取得部130と、予測モデル生成部140を備え、
図6Bに示す処理手順のプログラムPB1Bを実行する。
【0111】
第2実施形態の広告出稿最適配分推定装置200は、実績値取得部110と、間接効果受付部120と、広告出稿媒体取得部130と、予測モデル生成部140と、推定部150を備え、
図7Bに示す処理手順のプログラムPB2Bを実行する。
【0112】
以下、第1実施形態と重複する処理については適宜説明を省略する。
【0113】
(実績値取得部110における実績値取得処理S11)
【0114】
第1実施形態と同様に、実績値取得部110は、広告出稿媒体1、2、3、4、5毎の出稿量の実績値を示す広告出稿実績値W1、W2、W3、W4、W5と、受注量の実績値を示す受注実績値Zを取得する(S11)。
【0115】
(間接効果受付部120における間接効果受付処理S12)
【0116】
間接効果受付部120は、間接効果元広告出稿媒体及び間接効果先広告出稿媒体を受け付ける(S12)。
【0117】
図12は、端末60の表示装置67の間接効果受付画面としての表示画面52を例示する。間接効果受付画面52は、間接効果受付部120の機能を備えたインターフェース画面として構成されている。例えばユーザが間接効果受付画面52上の間接効果先入力部553に、間接効果元を「広告出稿媒体3」に指定して間接効果先に「広告出稿媒体1、2、5」を入力する操作を行う。例えば間接効果元「広告出稿媒体3」に対応するセル内に、広告出稿媒体1、2、5それぞれを特定する説明変数X1、X2、X5を入力することができる。この入力操作に応じて広告出稿媒体3が間接効果元広告出稿媒体であり、広告出稿媒体1、2、5が間接効果先広告出稿媒体であることが受け付けられる。
【0118】
(広告出稿媒体取得部130における広告出稿媒体取得処理S13)
【0119】
広告出稿媒体取得部130は、残存効果を有する広告出稿媒体(残存効果保有広告出稿媒体という)を取得する(S13)。
【0120】
図13は、端末60の表示装置67の残存効果保有広告出稿媒体取得画面としての表示画面53を例示する。残存効果保有広告出稿媒体取得画面53は、広告出稿媒体取得部130の機能を備えたインターフェース画面として構成されている。残存効果を有する広告出稿媒体として例えば広告出稿媒体3を取得する処理が実行されると、残存効果保有広告出稿媒体取得画面53上の残存効果保有広告出稿媒体表示部554には、取得された残存効果保有広告出稿媒体3が表示される。
【0121】
広告出稿媒体取得部130は、受注実績値Zと、各広告出稿媒体m(=1、2、3、4、5)の残存効果実績値Amtとの相関を示す相関係数rを演算し、相関関数rが所定値(例えば0.5)以上となる広告出稿媒体(例えば広告出稿媒体3)を、残存効果保有広告出稿媒体として取得する。取得された残存効果保有広告出稿媒体3についての相関係数rは、残存効果保有広告出稿媒体取得画面53上の相関係数表示部555に表示される。広告出稿媒体取得部130は、残存効果保有広告出稿媒体3の残存係数λの暫定値(初期値)λ0(例えば0.74)を取得する。取得された残存効果保有広告出稿媒体3の残存係数λの暫定値(初期値)λ0は、残存効果保有広告出稿媒体取得画面53上の残存係数表示部556に表示される。広告出稿媒体取得部130で行われる詳細な処理については、
図15を用いて後述する。
【0122】
(予測モデル生成部140における予測モデル生成処理S14)
【0123】
(間接効果を考慮した予測モデルの生成処理)
【0124】
間接効果を考慮した予測モデルを生成する処理について以下説明する。
【0125】
間接効果受付部120で、間接効果元広告出稿媒体(例えば広告出稿媒体3)及び間接効果先広告出稿媒体(例えば広告出稿媒体1、2、5)が受け付けられると、予測モデル生成部140は、広告出稿媒体1~5の出稿量X1~X5に加えて、間接効果項X3・X1、X3・X2、X3・X5を説明変数とし、受注量Y を目的変数とする予測モデルを生成する。すなわち予測モデル生成部140は、受注成果の間接効果元となる間接効果元広告出稿媒体3の出稿量X3に対して、間接効果元広告出稿媒体3の間接効果先となる間接効果先広告出稿媒体1、2、5の出稿量X1、X2、X5それぞれを乗算したX3・X1、X3・X2、X3・X5を説明変数として含む予測モデルを生成する(S14)。
【0126】
この予測モデルは、重回帰分析モデル22を適用した場合に、下記(3)式で表すことができる。
【0127】
Y=β0+β1・X1+β2・X2+β3・X3+β4・X4+β5・X5
【0128】
+γ1・X3・X1+γ2・X3・X2+γ3・X3・X5
【0129】
・・・(3)
【0130】
上記(3)式に示す重回帰分析モデル22を、
図14を用いて説明する。
【0131】
図14は、間接効果を説明するブロック図である。
図14に示すように、地上波テレビ放送の広告3が、地方新聞紙面の広告1、全国新聞紙面の広告2、折込みチラシ5それぞれに間接効果を与えているものとする。この場合、地上波テレビ放送の広告3が間接効果元広告出稿媒体となり、地方新聞紙面の広告1、全国新聞紙面の広告2、折込みチラシ5が間接効果先広告出稿媒体となる。
【0132】
間接効果元広告出稿媒体(地上波テレビ放送の広告)3が、間接効果元広告出稿媒体(地方新聞紙面の広告)1、間接効果元広告出稿媒体(全国新聞紙面の広告)2、間接効果元広告出稿媒体(折込みチラシ)5に間接効果を与える寄与率をそれぞれα1、α2、α3とすると、重回帰分析モデル22は、下記(4)式で表される。
【0133】
Y=β0+β1・(1+α1・X3)・X1+β2・(1+α2・X3)・X2+β3・X3+β4・X4
【0134】
+β5・(1+α3・X3)・X5
【0135】
・・・(4)
【0136】
上記(4)式を変形して整理すると、下記(5)式が得られる。
【0137】
Y=β0+β1・X1+β2・X2+β3・X3+β4・X4+β5・X5+α1・β1・X3・X1
【0138】
+α2・β2・X3・X2+α3・β5・X3・X5
【0139】
・・・(5)
【0140】
ここで、
【0141】
γ1=α1・β1、γ2=α2・β2、γ3=α3・β5
【0142】
・・・(6)
【0143】
と置くと、上記(5)式は、上記(3)式となる。
【0144】
上記(3)式に示される回帰係数β0、β1、β2、β3、β4、β5、γ1、γ2、γ3はそれぞれ、例えば広告出稿実績値W1、W2、W3、W4、W5と受注実績値Zのデータに最小二乗法を適用して求められる。例えば広告出稿実績値W1、W2、W3、W4、W5と受注実績値Zのデータを用いて二乗誤差の平均が最小となる回帰係数β0、β1、β2、β3、β4、β5、γ1、γ2、γ3が求められる。
【0145】
このように第2実施形態によれば、間接効果の影響を取り入れた精度の高い予測モデルを生成することができる。
【0146】
(推定部150における推定処理S15)
【0147】
第1実施形態と同様に、推定部150は、間接効果を考慮した予測モデル(例えば上記(3)式に示す重回帰分析モデル22)を用いて、所望する受注量が得られるように広告出稿媒体1、2、3、4、5毎の出稿量X1、X2、X3、X4、X5を最適に配分した最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5を推定する(S15)。
【0148】
ユーザは、
図11A、
図11Bと同様にして推定条件設定画面55A、55B上で、例えば予測期間Tdと、この予測期間Tdにおける受注量Yの目標値Ydを推定条件として設定することができる。
【0149】
このように予測期間Tdの始期Tds及び終期Tdeと、この予測期間Tdにおける受注量Yの目標値Ydの数値が設定されると、設定された受注量Yの目標値Ydが得られ、かつ合計X0の出稿量が最小となるような最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5が、上記(3)式に示す予測モデル22を用いて算出される。上記(3)式の重回帰分析モデル22の左辺の受注量Yに目標値Ydを代入して、右辺の出稿量X1、X2、X3、X4、X5の合計X0が最小となるような出稿量の組合せを最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5として算出することができる。このように最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5が、予測期間Tdにおける受注量Yの目標値Ydに応じて推定される。予測期間Td、例えば2022年11月~2023年10月という期間の月単位毎に、受注量Yの目標値Ydを得るための最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5が推定される。
【0150】
表示装置67の表示画面は、
図11Cに示す推定結果表示画面55Cに遷移する。
【0151】
推定結果表示画面55Cの推定結果表示部551には、予測期間Td、例えば2022年11月~2023年10月という期間の月単位毎に、受注量Yの目標値Ydを得るための最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5が表示される。なお、最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5及び対応する回帰係数β1、β2、β3、β4、β5並びにβ0を併せて表示してもよい。さらに、間接効果項X3・X1、X3・X2、X3・X5の回帰係数γ1、γ2、γ3を併せて表示してもよい。
【0152】
またユーザは、
図11D、
図11Eと同様にして推定条件設定画面55D、55E上で、予測期間Tdと、この予測期間Tdにおいて受注量Yを最大化するために許容される出稿許容範囲ΔXを推定条件として設定することができる。
【0153】
このように予測期間Tdの始期Tds及び終期Tdeと、この予測期間Tdにおける出稿許容範囲ΔXが設定されると、予測期間Tdにおける受注量Yが最大化されるように最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5が、上記(3)式に示す予測モデル22を用いて算出される。上記(3)式の重回帰分析モデル22の右辺の出稿量X1、X2、X3、X4、X5の合計X0が出稿許容範囲ΔX内に収まり、かつ左辺の受注量Yが最大値になる出稿量の組合せを最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5として算出することができる。このように受注量Yを最大化する最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5が、予測期間Tdにおける出稿許容範囲ΔXに応じて推定される。予測期間Td、例えば2022年11月~2023年10月という期間の月単位毎に、受注量Yの最大値YMを得るための最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5が出稿許容範囲ΔX内に収まるように推定される。
【0154】
表示装置67の表示画面は、
図11Fに示す推定結果表示画面55Fに遷移する。
【0155】
推定結果表示画面55Fの推定結果表示部552には、予測期間Td、2022年11月~2023年10月の月単位毎に、受注量Yの最大値YMと、受注量Yの最大値YMを得るための最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5が出稿許容範囲ΔX内の数値で表示される。なお、最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5及び対応する回帰係数β1、β2、β3、β4、β5並びにβ0を併せて表示してもよい。さらに、間接効果項X3・X1、X3・X2、X3・X5の回帰係数γ1、γ2、γ3を併せて表示してもよい。
【0156】
このように第2実施形態によれば、間接効果の影響を取り入れた出稿量の最適配分値を精度よく予測することができる。
【0157】
(予測モデル生成部140における予測モデル生成処理S14)
【0158】
(残存効果を考慮した予測モデルの生成処理)
【0159】
残存効果を考慮した予測モデルを生成する処理について以下説明する。
【0160】
広告出稿媒体取得部130で、残存効果保有広告出稿媒体(例えば広告出稿媒体3)が取得されると、予測モデル生成部140は、残存効果保有広告出稿媒体3に関して、この広告出稿媒体3の出稿量X3を説明変数とする代わりに、この広告出稿媒体3の残存効果値A3tを説明変数とする予測モデルを生成する(S14)。
【0161】
この予測モデルは、重回帰分析モデル22を適用した場合に、下記(7)式で表すことができる。
【0162】
Yt=β0+β1・X1t+β2・X2t+β3・A3t+β4・X4t+β5・X5t
【0163】
・・・(7)
【0164】
上記(7)式に示す重回帰分析モデル22について以下説明する。
【0165】
下記(8)式は、残存効果の基本式(アドストック基本式という)である。
【0166】
At=Tt+λ・At-1
【0167】
・・・(8)
【0168】
上記(8)式においてtは、
【0169】
t=1、2、・・・、n
【0170】
・・・(9)
【0171】
であり、期数を示す。またAtは、t期の残存効果(アドストック)を示す。Ttは、t期の出稿量を示す。λは、残存率(忘却率、減衰率)を示し、下記の範囲を取る。
【0172】
0≦λ≦1
【0173】
・・・(10)
【0174】
アドストック基本式(8)は、「t期の残存効果(アドストック)Atは、 t期の出稿量Ttとt-1期(前期)の残存効果At-1に残存率λを掛けたものを足したものである」ことを表している。
【0175】
ここで、アドストック基本式(8)におけるTtをt期の出稿量としているが、出稿量に限定されることなく、任意の広告指標としてもよい。すなわちアドストック基本式(8)におけるTtを、t期の出稿量、t期の受注量、t期のコンバージョン数、t期のクリック数、t期のインプレッション数、t期の視聴率、t期の1回以上の接触を示すリーチ数など、任意のt期の広告指標として、t期の残存効果(アドストック)Atを求めることができる。
【0176】
アドストック基本式(8)を変形すると、下記(11)式となる。
【0177】
At=Tt+λ・Tt-1+(λ)2・Tt-2+(λ)3・Tt-3・・・+(λ)s・Tt-s+(λ)s+1・Tt-( s+1)
【0178】
=SUM(λ)i・Tt-i
【0179】
・・・(11)
【0180】
上記(11)式で、(λ)sはλのs乗(i=2、3、・・・s、s+1・・・)を示す符号と定義する。SUMは、(λ)i・Tt-iをiを0から∞まで順次加算する符号と定義する。
【0181】
上記(11)式から、 t期の残存効果Atは、「(t期の出稿量)+( t-1期の出稿量Tt-1に残存率λを掛けたもの)+(t-2期の出稿量Tt-2に残存率λの二乗を掛けたもの)+(t-3期の出稿量Tt-3に残存率の三乗を掛けたもの)+・・・・」で表されていることがわかる。残存率λは1より小さいため、残存率λを累乗していくと小さな値となり、過去に出稿したものほど出稿量が受注量に及ぼす影響が少なくなることがわかる。
【0182】
広告出稿媒体3が残存効果保有広告出稿媒体であるとすると、アドストック基本式(8)は、AtをA3tに置換し、 TtをX3tに置換して、下記アドストック基本式(12)で表される。
【0183】
A3t= X3t +λ・A3(t-1)
【0184】
・・・(12)
【0185】
なお、各広告出稿媒体m(=1、2、3、4、5)一般に適用されるアドストック基本式は、下記(12)´式で表される。
【0186】
Amt= Xmt +λ・Am(t-1)
【0187】
m=1、2、3、4、5
【0188】
・・・(12)´
【0189】
Amt、Xmtの添字のmt は、二重添字と呼ばれるもので、mとtに分けることができる。添字の始めの値のmが説明変数を識別する数(例えば広告出稿媒体3の説明変数)を表し、添字の次の値tは、データの番号(サンプル番号、期)を表す。したがって、X3tは、3番目の説明変数(広告出稿媒体3)のt期の出稿量を表し、A3tは、3番目の説明変数(広告出稿媒体3)のt期の残存効果値を表す。他の説明変数についても同様である。
【0190】
上記アドストック基本式(12)´は、「広告出稿媒体mの残存効果値Amtは、所定の期間t毎に更新される値であって、今回tの広告出稿媒体mの残存効果値Amtは、今回tの広告出稿媒体mの出稿量Xmtと、前回t-1の残存効果値Am(t-1)に残存率λを乗算した値λ・Am(t-1)とを加算した値である」ことを表している。
【0191】
残存効果保有広告出稿媒体(例えば広告出稿媒体3)については、今回(今期)投入した出稿量X3tだけで今回(今期)の受注量Ytが得られたというよりも、以前に投下した出稿量に応じた残存効果λ・A3(t-1)を加えた残存効果値Atによって受注量Ytが得られたと考えるのが妥当である。この考え方を、各広告出稿媒体1、2、3、4、5の各t期毎の出稿量X1t、X2t、X3t、X4t、X5tを説明変数とする予測モデル(例えば重回帰分析モデル)22、
【0192】
Yt=β0+β1・X1t+β2・X2t+β3・X3t+β4・X4t+β5・X5t
【0193】
・・・(13)
【0194】
に適用する。すなわち上記(13)式において残存効果を有する広告出稿媒体3については、その出稿量X3を説明変数とする代わりに、残存効果値A3tを説明変数とすることが妥当であると考えられる。よって、上記(13)式のX3をA3tに置換して上記(7)式(Yt=β0+β1・X1t+β2・X2t+β3・A3t+β4・X4t+β5・X5t)が得られる。
【0195】
上記(7)式の予測モデル22に上記アドストック基本式(12)を適用すると、下記(14)式が得られる。
【0196】
Yt=β0+β1・X1t+β2・X2t+β3・(X3t +λ・A3(t-1))+β4・X4t+β5・X5t
【0197】
=β0+β1・X1t+β2・X2t+β3・X3t +δ・A3(t-1)+β4・X4t+β5・X5t
【0198】
・・・(14)
【0199】
ここで、
【0200】
δ=β3・λ
【0201】
・・・(15)
【0202】
である。
【0203】
上記(14)式に示される回帰係数β0、β1、β2、β3、β4、β5、δ(=β3・λ)はそれぞれ、例えば広告出稿実績値W1、W2、W3、W4、W5と受注実績値Zのデータに最小二乗法を適用して求められる。例えば広告出稿実績値W1、W2、W3、W4、W5と受注実績値Zのデータを用いて二乗誤差の平均が最小となる回帰係数β0、β1、β2、β3、β4、β5、δ(=β3・λ)が求められる。
【0204】
上記(14)式の予測モデル22を生成する処理が実行されると、回帰係数δ(=β3・λ)の算出結果から、残存係数λの確定値λeを算出することができる。
【0205】
ここで前述したように広告出稿媒体取得部130では、残存係数λの暫定値(初期値)λ0が取得されている。残存係数λの暫定値(初期値)λ0と、最終的に取得される残存係数λの確定値λeとの関係について以下説明する。
【0206】
広告出稿媒体取得部130では、受注実績値Zと、各広告出稿媒体m(=1、2、3、4、5)の残存効果実績値Amtとの相関を示す相関係数rをそれぞれ算出する処理が実行される。
【0207】
すなわち、上記アドストック基本式(12)´、
【0208】
Amt= Xmt +λ・Am(t-1)
【0209】
の右辺の出稿量Xmt に,各広告出稿媒体m(=1、2、3、4、5)の広告出稿実績値W1、W2、W3、W4、W5を適用して、各広告出稿媒体m(=1、2、3、4、5)の残存効果実績値Amtを演算する。そして受注実績値Zと各広告出稿媒体mの残存効果実績値Amtとの組み合わせで相関係数rが最大となるような広告出稿媒体とその残存率λを算出する。相関係数rが閾値0.5よりも大きくなる(r>0.5)ことを残存効果保有の条件とし、この残存効果保有の条件を充足する広告出稿媒体mを、残存効果保有広告出稿媒体の候補とする。
【0210】
図15は、受注実績値Zと、広告出稿媒体3の残存効果実績値A3tとの関係を示すグラフである。例えば2020年11月~2022年10月という過去の期間の月単位毎に、受注実績値Zと、広告出稿媒体3の残存効果実績値A3tを示している。
【0211】
広告出稿媒体3については、相関係数rが0.74と算出される。このため上記残存効果保有の条件(r>0.5)を充足する。
【0212】
また広告出稿媒体3についての残存率λ(0.66)が算出される。
【0213】
しかし、このとき得られる残存率λ(0.66)は、受注実績値Zと一つの説明変数(例えば説明変数X3)との関係のみに基づいて算出されたものである。受注実績値Zと一つの説明変数(例えば説明変数X3)との関係のみに基づいて算出される残存率λは確定的なものではなく、他の説明変数(X1、X2、X4、X5)を加えて残存率λを改めて計算し直す必要がある。
【0214】
そこで、他の説明変数(X1、X2、X4、X5)が加えられた上記(14)式の予測モデル22を用いて、右辺のパラメータである残存率λを最終的な確定値λeとして算出する。すなわち、上記(14)式の未知パラメータλに初期値λ0(0.66)を代入し、収束計算によって、逐次パラメータの値を更新し、未知パラメータλの真の推定値を計算する。なお、初期値λ0(0.66)が真の推定値に近ければ近いほど収束計算を早く終了させることができる。この結果、回帰係数β0、β1、β2、β3、β4、β5と共に、残存率λの確定値λe(0.24)が迅速に演算される。
【0215】
このように第2実施形態によれば、残存効果の影響を取り入れた精度の高い予測モデルを生成することができる。
【0216】
(推定部150における推定処理S15)
【0217】
第1実施形態と同様に、推定部150は、残存効果を考慮した予測モデル(例えば上記(14)式に示す重回帰分析モデル22)を用いて、所望する受注量が得られるように広告出稿媒体1、2、3、4、5毎の出稿量X1、X2、X3、X4、X5を最適に配分した最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5を推定する(S15)。
【0218】
ユーザは、
図11A、
図11Bと同様にして推定条件設定画面55A、55B上で、例えば予測期間Tdと、この予測期間Tdにおける受注量Yの目標値Ydを推定条件として設定することができる。
【0219】
このように予測期間Tdの始期Tds及び終期Tdeと、この予測期間Tdにおける受注量Yの目標値Ydの数値が設定されると、設定された受注量Yの目標値Ydが得られ、かつ合計X0の出稿量が最小となるような最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5が、上記(14)式に示す予測モデル22を用いて算出される。上記(14)式の重回帰分析モデル22の左辺の受注量Yに目標値Ydを代入して、右辺の出稿量X1、X2、X3、X4、X5の合計X0が最小となるような出稿量の組合せを最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5として算出することができる。このように最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5が、予測期間Tdにおける受注量Yの目標値Ydに応じて推定される。予測期間Td、2022年11月~2023年10月の月単位毎に、受注量Yの目標値Ydを得るための最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5が推定される。
【0220】
表示装置67の表示画面は、
図11Cに示す推定結果表示画面55Cに遷移する。
【0221】
推定結果表示画面55Cの推定結果表示部551には、予測期間Td、例えば2022年11月~2023年10月という期間の月単位毎に、受注量Yの目標値Ydを得るための最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5が表示される。なお、最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5及び対応する回帰係数β1、β2、β3、β4、β5並びにβ0を併せて表示してもよい。さらに、推定結果表示画面55Cに、広告出稿媒体3が残存効果保有広告出稿媒体である旨の表示と、その残存効果係数λの確定値λeの表示をすることができる。
【0222】
またユーザは、
図11D、
図11Eと同様にして推定条件設定画面55D、55E上で、予測期間Tdと、この予測期間Tdにおいて受注量Yを最大化するために許容される出稿許容範囲ΔXを推定条件として設定することができる。
【0223】
このように予測期間Tdの始期Tds及び終期Tdeと、この予測期間Tdにおける出稿許容範囲ΔXが設定されると、予測期間Tdにおける受注量Yが最大化されるように最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5が、上記(14)式に示す予測モデル22を用いて算出される。上記(14)式の重回帰分析モデル22の右辺の出稿量X1、X2、X3、X4、X5の合計X0が出稿許容範囲ΔX内に収まり、かつ左辺の受注量Yが最大値になる出稿量の組合せを最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5として算出することができる。このように受注量Yを最大化する最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5が、予測期間Tdにおける出稿許容範囲ΔXに応じて推定される。予測期間Td、例えば2022年11月~2023年10月という期間の月単位毎に、受注量Yの最大値YMを得るための最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5が出稿許容範囲ΔX内に収まるように推定される。
【0224】
表示装置67の表示画面は、
図11Fに示す推定結果表示画面55Fに遷移する。
【0225】
推定結果表示画面55Fの推定結果表示部552には、予測期間Td、2022年11月~2023年10月の月単位毎に、受注量Yの最大値YMと、受注量Yの最大値YMを得るための最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5が出稿許容範囲ΔX内の数値で表示される。なお、最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5及び対応する回帰係数β1、β2、β3、β4、β5並びにβ0を併せて表示してもよい。さらに、推定結果表示画面55Fに、広告出稿媒体3が残存効果保有広告出稿媒体である旨の表示と、その残存効果係数λの確定値λeの表示をすることができる。
【0226】
このように第2実施形態によれば、残存効果の影響を取り入れた出稿量の最適配分値を精度よく予測することができる。
【0227】
(第3実施形態)
【0228】
第3実施形態の広告出稿最適配分推定装置300は、実績値取得部110と、予測期間受付部160と、受注目標値提示部170と、受注目標値受付部180と、出稿許容範囲提示部175と、出稿許容範囲受付部185と、推定部150とを備え、
図8Aに示す処理手順のプログラムPB3Aを実行する。
【0229】
以下、第1実施形態、第2実施形態と重複する処理については適宜説明を省略する。
【0230】
(実績値取得部110における実績値取得処理S11)
【0231】
第1実施形態、第2実施形態と同様に、実績値取得部110は、広告出稿媒体1、2、3、4、5毎の出稿量の実績値を示す広告出稿実績値W1、W2、W3、W4、W5と、受注量の実績値を示す受注実績値Zを取得する(S11)。
【0232】
(予測期間受付部160における予測期間受付処理S16)
【0233】
予測期間受付部160は、出稿量を予測する予測期間Tdを受け付ける(S16)。
【0234】
予測期間の受け付けは、
図16A、16Bに示すように、
図11A、11Bと同様に、端末60の表示装置67の予測期間受付画面としての表示画面56A、56B上で行うことができる。
【0235】
まず
図16Aに示す予測期間受付画面56A上で「月単位」、「週単位」、「日単位」のいずれの時間単位毎の最適出稿量を推定するかが選択される。この実施例では、出稿量最適化の時間単位として「月単位」が選択される。また予測期間受付画面56A上で出稿量最適化の目的の選択肢、「受注量Yの目標値Yd」、「受注量Yの最大化」のうち「受注量Yの目標値Yd」が選択される。
【0236】
次に表示装置67の表示画面は、
図16Bに示す予測期間受付画面56Bに遷移する。予測期間受付画面56B上で、予測期間Tdの始期Tds(例えば「2022年11月」)及び終期Tde(例えば「2023年10月」)が設定される。
【0237】
(受注目標値提示部170における受注目標値提示処理S17)
【0238】
受注目標値提示部170は、予測期間Tdに対応する期間の受注実績値Zに応じて予測期間Tdにおける受注量の目標値Ydを提示する。この際に受注目標値提示部170は、受注実績値のトレンド及び/又は受注実績値に基づく季節指数に応じて予測期間Tdにおける受注量の目標値Ydを提示する(S17)。
【0239】
受注量の目標値Ydの提示は、
図17に示すように、端末60の表示装置67の受注目標値提示画面としての表示画面57上における表示の態様で行われる。受注目標値提示画面57は、受注目標値提示部170の機能を備えたインターフェース画面として構成されている。
【0240】
例えば予測期間Tdの始期Tds~終期Tdeが「2022年11月~2023年10月」に設定され、最適出稿量を「月単位」で推定するという推定条件が設定されたとすると、受注量の目標値Ydは、予測期間Td「2022年11月~2023年10月」に直近対応月の受注実績値ZのトレンドTに、月(1年の1月から12月)毎の季節指数Siを乗算した値、
【0241】
Yd=T・Si
【0242】
・・・(16)
【0243】
として演算される。
図18Aは、予測期間Td「2022年11月~2023年10月」に対応する直近の期間「2020年11月~2022年10月」の受注実績値Zと、この受注実績値ZのトレンドTを示す。
図18Bは、各月に対応して受注実績値Zの季節指数Siを示す。例えば2022年11月の受注量の目標値Ydは、直近対応月である2021年11月の受注実績値ZのトレンドTに、11月に対応する季節指数Siを乗算した値として求めることができる。
【0244】
演算された受注量の目標値Ydの数値は、受注目標値提示画面57上の目標値表示部571の各セル571C内に表示される。なお最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5及び合計出稿量X0に対応する各セル内には、直近対応月の広告出稿実績値W1、W2、W3、W4、W5及びこれらの合計値が仮の数値として表示される。
【0245】
なお、トレンドT及び季節指数Siは、EPA (Economic Planning Agency method)法に基づく解析手法によって算出することができる。受注実績値Zの時系列データ(TCSI)から、受注実績値Zのトレンド(傾向変動)T、循環変動C、季節変動S、不規則変動I、TCI、TCといった各変動要素を演算することができる。トレンドT及び季節指数Si を算出するための方法は、EPA法に限定されるわけではない。月別平均法、連環比率法、平均移動法、MITI法、DECOMP等任意の解析手法を用いてトレンドT及び季節指数Si を算出してもよい。
【0246】
トレンドTと季節指数Siの両方を用いて受注量の目標値Ydを求める実施例について説明したが、受注量の目標値Ydを、季節指数Siを用いることなくトレンドTを用いて算出してもよい。また、受注量の目標値Ydを、トレンドTを用いることなく季節指数Siを用いて算出してもよい。
【0247】
また最適出稿量を「月単位」で推定するという推定条件を設定する実施例について説明したが、最適出稿量を「週単位」で推定するという推定条件が設定された場合には、受注量の目標値Ydは、予測期間Tdの直近対応週の受注実績値ZのトレンドTに、週(例えば1年の51週)毎の季節指数Siを乗算した値として算出することができる。同様に最適出稿量を「日単位」で推定するという推定条件が設定された場合には、受注量の目標値Ydは、予測期間Tdの直近対応日の受注実績値ZのトレンドTに、日(一週の各曜日、祝日、セール日)毎の季節指数Siを乗算した値として算出することができる。
【0248】
第3実施形態によれば、現実的かつ的確な受注量の目標値Ydをユーザに提示することができる。
【0249】
(受注目標値受付部180における受注目標値受付処理S18)
【0250】
受注目標値受付部180は、予測期間Tdにおける受注量の目標値Ydを受け付ける(S18)。
【0251】
受注量の目標値Ydの受け付けは、
図19に示すように、端末60の表示装置67の受注目標値受付画面としての表示画面58上で行われる。受注目標値受付画面58は、受注目標値受付部180の機能を備えたインターフェース画面として構成されている。
【0252】
例えば目標値受付画面58上で確定ボタン581が押されると、目標値表示部571の各セル571C内に表示された受注量の目標値Ydの数値が受け付けられる。
【0253】
また目標値表示部571の各セル571C内に表示された受注量の目標値Ydの数値を変更してもよい。
【0254】
目標値表示部571の各セル571C内に表示された受注量の目標値Ydの数値を変更する入力操作を行った後に確定ボタン581が押されると、変更された受注量の目標値Ydの数値が受け付けられる。
【0255】
(出稿許容範囲提示部175における出稿許容範囲提示処理S175)
【0256】
出稿許容範囲提示部175は、予測期間Tdに対応する期間の広告出稿実績値W1、W2、W3、W4、W5に応じて予測期間Tdにおける出稿量の上限値Xc以下の出稿許容範囲ΔX又は下限値以上の出稿許容範囲ΔX又は上限値Xcと下限値Xlの間の出稿許容範囲ΔXを提示する(S175)。
【0257】
この実施例では、算出されるべき最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5及び最適出稿量合計X0それぞれについて出稿許容範囲ΔXが提示される。なお、個別の出稿量X1、X2、X3、X4、X5それぞれについては出稿許容範囲を提示せずに、出稿量合計X0の出稿許容範囲ΔXのみを提示する実施も可能である。
【0258】
出稿許容範囲ΔXの提示は、
図20A、
図20Bに示すように、端末60の表示装置67の出稿許容範囲提示画面としての表示画面575A、575B上における表示の態様で行われる。出稿許容範囲提示画面575A、575Bは、出稿許容範囲提示部175の機能を備えたインターフェース画面として構成されている。
【0259】
例えば予測期間Tdの始期Tds~終期Tdeが「2022年11月~2023年10月」に設定され、最適出稿量を「月単位」で推定するという推定条件が設定されたとすると、最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5及び最適出稿量合計X0それぞれの出稿量許容初期値Xc1´、Xc2´、Xc3´、Xc4´、Xc5´及びXc´が演算される。出稿量許容初期値Xc1´、Xc2´、Xc3´、Xc4´、Xc5´及びXc´は、予測期間Td「2022年11月~2023年10月」それぞれに月に対応する前年の同月の広告出稿実績値W1、W2、W3、W4、W5及び出稿量合計実績値W0として求められる。例えば2022年11月の最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5及び最適出稿量合計X0それぞれの出稿量許容初期値Xc1´、Xc2´、Xc3´、Xc4´、Xc5´及びXc´は、2021年11月の広告出稿実績値W1、W2、W3、W4、W5及び出稿量合計実績値W0として求められる。
【0260】
演算された出稿量許容初期値Xc1´、Xc2´、Xc3´、Xc4´、Xc5´及びXc´は、出稿許容範囲提示画面575A上の許容初期値表示部751の対応する各セル751Cに表示される。
【0261】
図20Bに示す出稿許容範囲提示画面575Bでは、出稿許容範囲ΔXを求めるために出稿許容初期値Xc1´、Xc2´、Xc3´、Xc4´、Xc5´及びXc´に対して乗算すべき上限倍率(例えば120%)、下限倍率(例えば80%)が倍率設定部752U、752Lそれぞれで設定される。倍率設定部752U、752Lで倍率を選択する操作又は入力する操作を行うことで上限倍率(例えば120%)、下限倍率(例えば80%)それぞれを設定することができる。
【0262】
出稿許容範囲提示画面575Bの出稿許容範囲表示部753には、予測期間Td「2022年11月~2023年10月」の各月毎の出稿量X1、X2、X3、X4、X5及び出稿量合計X0の出稿許容範囲ΔXが表示される。
図20Bに示す出稿許容範囲提示画面575Bは、2022年11月の最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5及び最適出稿量合計X0それぞれの出稿許容範囲ΔXを表示する画面を示している。表示画面をスクロール又は遷移させることで、予測期間Td「2022年11月~2023年10月」の他の月の出稿量X1、X2、X3、X4、X5及び出稿量合計X0の出稿許容範囲ΔXを表示させることができる。
【0263】
倍率設定部752U、752Lそれぞれで上限倍率(例えば120%)、下限倍率(例えば80%)が設定されると、出稿許容初期値Xc1´、Xc2´、Xc3´、Xc4´、Xc5´及びXc´に対して上限倍率(120%)、下限倍率(80%)それぞれを乗算した上限値Xc並びに下限値Xlが演算される。
【0264】
最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5及び最適出稿量合計X0それぞれの上限値Xcは、1.2Xc1´、1.2Xc2´、1.2Xc3´、1.2Xc4´、1.2Xc5´、1.2Xc´である。最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5及び最適出稿量合計X0それぞれの下限値Xlは、0.8Xc1´、0.8Xc2´、0.8Xc3´、0.8Xc4´、0.8Xc5´、0.8Xc´である。
【0265】
出稿許容範囲提示画面575B上の許容範囲表示部753の対応する各セル753Cには、最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5及び最適出稿量合計X0それぞれの上限値Xc並びに最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5及び最適出稿量合計X0それぞれの下限値Xlが表示される。このように出稿許容範囲提示画面575B上の許容範囲表示部753には、最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5及び最適出稿量合計Xそれぞれの出稿許容範囲ΔXが表示される。
【0266】
図20Bでは、出稿量の上限値Xcと下限値Xlの間の出稿許容範囲ΔXを表示しているが、出稿量の上限値Xc以下の出稿許容範囲ΔXを表示する実施も可能である。また下限値以上の出稿許容範囲ΔXを表示する実施も可能である。
【0267】
第3実施形態によれば、現実的かつ的確な出稿許容範囲ΔXをユーザに提示することができる。
【0268】
(出稿許容範囲受付部185における出稿許容範囲受付処理S185)
【0269】
出稿許容範囲受付部185は、予測期間Tdにおける出稿量の上限値Xc以下の出稿許容範囲ΔX又は下限値Xl以上の出稿許容範囲ΔX又は上限値Xcと下限値Xlの間の出稿許容範囲ΔXを受け付ける(S185)。
【0270】
出稿許容範囲ΔXの受け付けは、
図21に示すように、端末60の表示装置67の出稿許容範囲受付画面としての表示画面585上で行われる。出稿許容範囲受付画面585は、出稿許容範囲受付部185の機能を備えたインターフェース画面として構成されている。
【0271】
例えば出稿許容範囲受付画面585上で確定ボタン582が押されると、許容範囲表示部753の各セル753Cに表示された上限値Xcの数値、下限値Xlの数値に応じた出稿許容範囲ΔXが受け付けられる。
【0272】
また許容範囲表示部753の各セル753Cに表示された上限値Xcの数値、下限値Xlの数値を変更してもよい。
【0273】
許容範囲表示部753の各セル753Cに表示された上限値Xcの数値、下限値Xlの数値を変更する入力操作を行った後に確定ボタン582が押されると、変更された上限値Xcの数値、下限値Xlの数値に応じた出稿許容範囲ΔXが受け付けられる。
【0274】
(推定部150における推定処理S15)
【0275】
推定部150は、受注目標値受付部180で受け付けた予測期間Tdにおける受注量の目標値Ydが得られるように、かつ出稿許容範囲受付部185で受け付けた出稿許容範囲ΔX内で、広告出稿媒体1、2、3、4、5毎の出稿量X1、X2、X3、X4、X5を最適に配分した最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5を推定する(S15)。
【0276】
すなわち第1実施形態、第2実施形態と同様に、予測モデル生成部140で生成された予測モデル21、22を用いて、出稿許容範囲ΔX内で受注量Yの目標値Ydが得られるように、広告出稿媒体1、2、3、4、5毎の出稿量X1、X2、X3、X4、X5を最適に配分した最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5を、予測期間Tdにおける出稿許容範囲ΔX内に収まるように推定する。
【0277】
表示装置67の表示画面は、
図11Cに示す推定結果表示画面55Cに遷移する。
【0278】
推定結果表示画面55Cの推定結果表示部551には、予測期間Td、例えば2022年11月~2023年10月という期間の月単位毎に、受注量Yの目標値Ydを得るための最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5が、出稿許容範囲ΔX内の数値で表示される。
【0279】
このように第3実施形態によれば、ユーザに受注量の現実的かつ的確な目標数値に提示することができると共に出稿量の現実的かつ的確な許容範囲を提示することができる。このため現実的な受注予測から外れたあり得ない受注額を設定したり、現実的な予算からかけ離れた出稿コストを設定してしまうことを回避できる。
【0280】
(第4実施形態)
【0281】
第4実施形態の広告出稿最適配分推定装置300は、実績値取得部110と、予測期間受付部160と、出稿許容範囲提示部175と、出稿許容範囲受付部185と、推定部150とを備え、
図8Bに示す処理手順のプログラムPB3Bを実行する。
【0282】
以下、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態と重複する処理については適宜説明を省略する。
【0283】
(実績値取得部110における実績値取得処理S11)
【0284】
第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態と同様に、実績値取得部110は、広告出稿媒体1、2、3、4、5毎の出稿量の実績値を示す広告出稿実績値W1、W2、W3、W4、W5と、受注量の実績値を示す受注実績値Zを取得する(S11)。
【0285】
(予測期間受付部160における予測期間受付処理S16)
【0286】
予測期間受付部160は、出稿量を予測する予測期間Tdを受け付ける(S16)。
【0287】
予測期間の受け付けは、
図16C、16Bに示すように、第3実施形態と同様の予測期間受付画面56C、56B上で行うことができる。予測期間受付画面56C上で出稿量最適化の目的の選択肢、「受注量Yの目標値Yd」、「受注量Yの最大化」のうち「受注量Yの最大化」が選択される。
【0288】
(出稿許容範囲提示部175における出稿許容範囲提示処理S175)
【0289】
出稿許容範囲提示部175は、予測期間Tdに対応する期間の広告出稿実績値W1、W2、W3、W4、W5に応じて予測期間Tdにおける上限値Xc以下の出稿許容範囲ΔX又は上限値Xcと下限Xl値の間の出稿許容範囲ΔXを提示する(S175)。
【0290】
この実施例では、算出されるべき最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5及び最適出稿量合計X0それぞれについて出稿許容範囲ΔXが提示される。なお、個別の出稿量X1、X2、X3、X4、X5それぞれについては出稿許容範囲を提示せずに、出稿量合計X0の出稿許容範囲ΔXのみを提示する実施も可能である。
【0291】
出稿量許容初期値Xc1´、Xc2´、Xc3´、Xc4´、Xc5´、Xc´及び出稿許容範囲ΔXの提示は、第3実施形態と同様にして
図20A、20Bに示す出稿許容範囲提示画面575A、575B上における表示の態様で行うことができる。
図20Bでは、出稿量の上限値Xcと下限値Xlの間の出稿許容範囲ΔXを表示しているが、出稿量の上限値Xc以下の出稿許容範囲ΔXを表示する実施も可能である。
【0292】
(出稿許容範囲受付部185における出稿許容範囲受付処理S185)
【0293】
出稿許容範囲受付部185は、予測期間Tdにおける出稿量の上限値Xc以下の出稿許容範囲ΔX又は上限値Xcと下限Xl値の間の出稿許容範囲ΔXを受け付ける(S185)。
【0294】
出稿許容範囲ΔXの受け付けは、第3実施形態と同様にして
図21に示す出稿許容範囲受付画面585上で行うことができる。
【0295】
(推定部150における推定処理S15)
【0296】
推定部150は、予測期間Tdにおける受注量Yが最大化されるように出稿許容範囲受付部185で受け付けた出稿許容範囲ΔX内で、広告出稿媒体1、2、3、4、5毎の出稿量X1、X2、X3、X4、X5を最適に配分した最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5を推定する(S15)。
【0297】
表示装置67の表示画面は、
図11Fに示す推定結果表示画面55Fに遷移する。
【0298】
推定結果表示画面55Fの推定結果表示部552には、予測期間Td、例えば2022年11月~2023年10月という期間の月単位毎に、受注量Yの最大値YMと、受注量Yの最大値YMを得るための最適出稿量Xd1、Xd2、Xd3、Xd4、Xd5が、出稿許容範囲ΔX内の数値で表示される。
【0299】
このように第4実施形態によれば、ユーザに出稿量の現実的かつ的確な許容範囲を提示することができる。このため現実的な予算からかけ離れた出稿コストを設定してしまうことを回避できる。
【0300】
第4実施形態においても、第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態と同様に、ロジスティック回帰分析モデル21を用いて推定を行うことができる。ロジスティック関数21F、21Gの飽和値となるハイパーパラメータ定数Γを、受注実績値Zに応じた受注量上限値となるように設定することで、現実的な予測から外れたあり得ない受注額を予測してしまうことを回避できる。
【0301】
なお、予測モデルを用いて最適出稿量を予測する実施形態について説明したが、実施形態の予測モデルは既知の出稿量に応じて受注量を予測する実施にも適用可能である。
【符号の説明】
【0302】
100 予測モデル生成装置
110 実績値取得部
120 間接効果受付部
130 広告出稿媒体取得部
140 予測モデル生成部
150 推定部
160 予測期間受付部
170 受注目標値提示部
175 出稿許容範囲提示部
180 受注目標値受付部
185 出稿許容範囲受付部
200 広告出稿最適配分推定装置
300 広告出稿最適配分推定装置