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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024036993
(43)【公開日】2024-03-18
(54)【発明の名称】超音波撮像装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/14 20060101AFI20240311BHJP
【FI】
A61B8/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022141600
(22)【出願日】2022-09-06
(71)【出願人】
【識別番号】320011683
【氏名又は名称】富士フイルムヘルスケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 貞一郎
(72)【発明者】
【氏名】辻田 剛啓
(72)【発明者】
【氏名】大竹 敦子
(72)【発明者】
【氏名】白丸 淳
(72)【発明者】
【氏名】横沢 玲衣
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601EE11
4C601JC11
4C601JC15
4C601JC37
4C601KK25
4C601KK31
4C601KK46
(57)【要約】
【課題】超音波撮像装置を用いた超音波検査のワークフローを改善することを目的とする。
【解決手段】確度算出部28は、超音波の送受信によって生成された超音波画像46を受けて、超音波画像46の撮像シーンを特定するための複数種類の特定処理によって撮像シーンを特定する。また、確度算出部28は、特定処理毎に撮像シーンの特定の確度を算出する。決定部30は、確度算出部28による算出の結果に基づいて、次に行うべき検査アクションを決定する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波の送受信によって生成された超音波画像を受けて、超音波画像の撮像シーンを特定するための複数種類の特定処理によって撮像シーンを特定し、特定処理毎に撮像シーンの特定の確度を算出する確度算出手段と、
前記確度算出手段による算出の結果に基づいて、次に行うべき検査アクションを決定する決定手段と、
を含むことを特徴とする超音波撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の超音波撮像装置において、
前記複数種類の特定処理は、超音波が送受信された断面の識別処理を含み、
前記確度算出手段は、予め定められた標準断面の画像と超音波が送受信された断面の画像とを比較することで、超音波が送受信された断面を識別し、その識別の確度を、撮像シーンの特定の確度として算出する、
ことを特徴とする超音波撮像装置。
【請求項3】
請求項2に記載の超音波撮像装置において、
前記複数種類の特定処理は、更に、超音波画像に表されている異常を検出する処理を含み、
前記確度算出手段は、更に、超音波画像から異常を検出し、その検出の確度を、撮像シーンの特定の確度として算出する、
ことを特徴とする超音波撮像装置。
【請求項4】
請求項3に記載の超音波撮像装置において、
前記複数種類の特定処理は、更に、超音波画像に表されている部位を特定する処理を含み、
前記確度算出手段は、更に、超音波画像に表されている部位を特定し、その特定の確度を、撮像シーンの特定の確度として算出する、
ことを特徴とする超音波撮像装置。
【請求項5】
請求項4に記載の超音波撮像装置において、
前記確度算出手段による算出の結果及びその算出の結果に基づいて決定された結果の中の少なくとも1つが、前記次に行うべき検査アクションの決定に用いられる、
ことを特徴とする超音波撮像装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の超音波撮像装置において、
前記決定手段は、超音波画像に設定すべきボディマークの設定を、前記次に行うべき検査アクションとして決定する、
ことを特徴とする超音波撮像装置。
【請求項7】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の超音波撮像装置において、
前記決定手段は、レポートへの超音波画像の貼付を、前記次に行うべき検査アクションとして決定する、
ことを特徴とする超音波撮像装置。
【請求項8】
コンピュータを、
超音波の送受信によって生成された超音波画像を受けて、超音波画像の撮像シーンを特定するための複数種類の特定処理によって撮像シーンを特定し、特定処理毎に撮像シーンの特定の確度を算出する確度算出手段、
前記確度算出手段による算出の結果に基づいて、次に行うべき検査アクションを決定する決定手段、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波撮像装置において、検査者をサポートする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波撮像装置を用いた検査においては、一般的に、技師や医師等の検査者は、検査ワークフロー中の次に行うべき検査アクションをリアルタイムで判断しながら、検査を行っている。
【0003】
特許文献1には、複数のスケールの学習データを用いて、目的断面の断面画像を抽出する装置が記載されている。
【0004】
特許文献2には、3次元画像データからストレスエコー検査に必要なMPR画像を検出し、その検出したMPR画像に基づいて他の必要なMPR画像を検出する装置が記載されている。
【0005】
特許文献3には、3次元の超音波画像上においてマーキングすることによって関心位置Mを特定する装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-68797号公報
【特許文献2】特開2010-279499号公報
【特許文献3】特開2014-184341号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、超音波検査のワークフローを改善して検査者の負担を軽減するためには、超音波撮像装置が検査者をサポートすることが有効である。しかし、従来においては、上記の特許文献に記載されているように、検査断面の認識のみが行われたり、領域の抽出のみが行われたりして、超音波検査のワークフローの全体を最適化することは行われていない。
【0008】
本発明の目的は、超音波撮像装置を用いた超音波検査のワークフローを改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1つの態様は、超音波の送受信によって生成された超音波画像を受けて、超音波画像の撮像シーンを特定するための複数種類の特定処理によって撮像シーンを特定し、特定処理毎に撮像シーンの特定の確度を算出する確度算出手段と、前記確度算出手段による算出の結果に基づいて、次に行うべき検査アクションを決定する決定手段と、を含むことを特徴とする超音波撮像装置である。
【0010】
上記の構成によれば、複数種類の特定処理によって撮像シーンが特定され、その特定の結果と確度とに基づいて、次に行うべき検査アクションを決定される。これにより、検査断面の認識のみや領域の抽出のみを行う場合と比べて、超音波検査のワークフローの全体を最適化することができる。つまり、複数種類の特定処理によって撮像シーンを特定することで、1つの特定処理によって撮像シーンを特定する場合と比べて、撮像シーンの特性の精度が高くなる。その結果、次に行うべき検査アクションの決定の精度を向上させることができる。
【0011】
前記複数種類の特定処理は、超音波が送受信された断面の識別処理を含んでもよい。前記確度算出手段は、予め定められた標準断面の画像と超音波が送受信された断面の画像とを比較することで、超音波が送受信された断面を識別し、その識別の確度を、撮像シーンの特定の確度として算出してもよい。
【0012】
前記複数種類の特定処理は、更に、超音波画像に表されている異常を検出する処理を含んでもよい。前記確度算出手段は、更に、超音波画像から異常を検出し、その検出の確度を、撮像シーンの特定の確度として算出してもよい。
【0013】
前記複数種類の特定処理は、更に、超音波画像に表されている部位を特定する処理を含んでもよい。前記確度算出手段は、更に、超音波画像に表されている部位を特定し、その特定の確度を、撮像シーンの特定の確度として算出してもよい。
【0014】
前記確度算出手段による算出の結果及びその算出の結果に基づいて決定された結果の中の少なくとも1つが、前記次に行うべき検査アクションの決定に用いられてもよい。
【0015】
前記決定手段は、超音波画像に設定すべきボディマークの設定を、前記次に行うべき検査アクションとして決定してもよい。
【0016】
前記決定手段は、レポートへの超音波画像の貼付を、前記次に行うべき検査アクションとして決定してもよい。
【0017】
本発明の1つの態様は、コンピュータを、超音波の送受信によって生成された超音波画像を受けて、超音波画像の撮像シーンを特定するための複数種類の特定処理によって撮像シーンを特定し、特定処理毎に撮像シーンの特定の確度を算出する確度算出手段、前記確度算出手段による算出の結果に基づいて、次に行うべき検査アクションを決定する決定手段、として機能させるプログラムである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、超音波撮像装置を用いた超音波検査のワークフローを改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態に係る超音波撮像装置の構成を示すブロック図である。
図2】実施形態に係る分析部の構成を示すブロック図である。
図3】検査断面の認識の確度を示すグラフである。
図4】確度の表示例を示す図である。
図5】確度の表示例を示す図である。
図6】確度の表示例を示す図である。
図7】確度の表示例を示す図である。
図8】確度の表示例を示す図である。
図9】超音波画像の表示例を示す図である。
図10】超音波画像の表示例を示す図である。
図11】超音波画像の表示例を示す図である。
図12】ボディマークを示す図である。
図13】複数の超音波画像を示す図である。
図14】複数の超音波画像を示す図である。
図15】超音波画像の表示例を示す図である。
図16】レポートの表示例を示す図である。
図17】複数の超音波画像を示す図である。
図18】レポートの表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1を参照して、実施形態に係る超音波撮像装置について説明する。図1には、実施形態に係る超音波撮像装置の構成が示されている。
【0021】
超音波撮像装置は、超音波プローブ10を用いた超音波の送受信によって画像データを生成する。例えば、超音波撮像装置は、被検体内に超音波を送信し、被検体の内部にて反射した超音波を受信することで、被検体の内部の組織を表す超音波画像データを生成する。
【0022】
超音波プローブ10は、超音波を送受信する装置である。超音波プローブ10は、例えば1Dアレイ振動子を含む。1Dアレイ振動子は、複数の超音波振動子が一次元的に配列されることで構成される。1Dアレイ振動子によって超音波ビームが形成され、超音波ビームが繰り返し電子走査される。これにより、電子走査毎に生体内に走査面が形成される。走査面は、二次元エコーデータ取込空間に相当する。また、1Dアレイ振動子の短軸方向に自由度を付与した1.25Dアレイ振動子、1.5Dアレイ振動子、又は、1.75Dアレイ振動子による電子操作で操作面を形成してもよい。超音波プローブ10は、1Dアレイ振動子でなく、複数の振動素子が二次元的に配列されて形成された2Dアレイ振動子を含んでもよい。2Dアレイ振動子によって超音波ビームが形成され、超音波ビームが繰り返し電子走査されると、電子走査毎に二次元エコーデータ取込空間としての走査面が形成される。超音波ビームが二次元的に走査されると、三次元エコーデータ取込空間としての三次元空間が形成される。走査方式として、セクタ走査、リニア走査又はコンベックス走査等が用いられる。また、血管内超音波診断装置(IVUS:Intra Vascular Ultrasound)や内視鏡超音波(EUS:Endoscopic Ultrasound)等で用いられるエンドファイヤ型もしく単板素子によるラジアル走査による二次元エコーデータで走査面を形成してもよい。
【0023】
送受信部12は、送信ビームフォーマと受信ビームフォーマとして機能する。送信時において、送受信部12は、超音波プローブ10に含まれる複数の超音波振動子に対して一定の遅延関係をもった複数の送信信号を供給する。これにより、超音波の送信ビームが形成される。受信時において、生体内からの反射波(RF信号)が超音波プローブ10により受信され、これにより超音波プローブ10から送受信部12へ複数の受信信号が出力される。送受信部12は、複数の受信信号に対して整相加算処理を適用することで、受信ビームを形成する。そのビームデータが信号処理部14に出力される。すなわち、送受信部12は、各超音波振動子から得られる受信信号に対して、各超音波振動子に対する遅延処理条件に従って遅延処理を施し、複数の超音波振動子から得られる複数の受信信号を加算処理することで受信ビームを形成する。遅延処理条件は、遅延時間を示す受信遅延データによって規定される。複数の超音波振動子に対応する受信遅延データセット(つまり遅延時間のセット)は制御部24から供給される。
【0024】
送受信部12の作用によって、超音波ビーム(つまり送信ビーム及び受信ビーム)が電子的に走査され、これによって、走査面が形成される。走査面は複数のビームデータに相当し、それらは受信フレームデータ(具体的にはRF信号フレームデータ)を構成する。なお、各ビームデータは深さ方向に並ぶ複数のエコーデータにより構成される。超音波ビームの電子走査を繰り返すことで、時間軸上に並ぶ複数の受信フレームデータが送受信部12から信号処理部14に出力される。複数の受信フレームデータが受信フレーム列を構成する。
【0025】
送受信部12の作用によって超音波ビームが二次元的に電子走査されると、三次元エコーデータ取込空間が形成され、その三次元エコーデータ取込空間からエコーデータ集合体としてのボリュームデータが取得される。超音波ビームの電子走査を繰り返すことにより、時間軸上に並ぶ複数のボリュームデータが送受信部12から信号処理部14に出力される。複数のボリュームデータがボリュームデータ列を構成する。
【0026】
信号処理部14は、送受信部12から出力されたビームデータに対して、検波、対数圧縮等の振幅圧縮(振幅変換)及びコンバート機能(DSC(デジタルスキャンコンバータ)による座標変換機能及び補間処理機能等)等の信号処理を適用することで、超音波画像データ(例えばBモード画像データ)を生成する。以下では、画像データを適宜「画像」と称する。例えば、超音波画像データを適宜「超音波画像」と称したり、Bモード画像データを適宜「Bモード画像」と称したりする。なお、本実施形態に係る超音波画像は、Bモード画像に限られず、超音波診断装置によって生成されるいかなる画像データであってもよい。例えば、本実施形態に係る超音波画像は、カラードプラ画像、パルスドプラ画像、ひずみイメージング画像(Strain Image)、又は、剪断波イメージング(Shear Wave Elastography Image)等でもよい。
【0027】
表示処理部16は、超音波画像データに対して必要なグラフィックデータをオーバーレイ処理し、これにより表示画像データを生成する。表示画像データは表示部18に出力され、表示モードに従った表示態様で1又は複数の画像が並べて表示される。
【0028】
表示部18は、液晶ディスプレイやELディスプレイ等のディスプレイである。表示部18には、Bモード画像等の超音波画像が表示される。表示部18は、ディスプレイと入力部26とを兼ね備えた装置であってもよい。例えば、GUI(Graphic User Interface)が、表示部18によって実現されてもよい。また、タッチパネル等のユーザインターフェースが、表示部18によって実現されてもよい。
【0029】
分析部20は、超音波の送受信によって生成された超音波画像を受けて、超音波画像の撮像シーンを特定するための複数種類の特定処理を超音波画像に適用することで、撮像シーンを特定する。例えば、分析部20は、特定処理毎に撮像シーンを特定する。また、分析部20は、特定処理毎に撮像シーンの特定の確度を算出する。また、分析部20は、その特定処理の結果に基づいて、次に行うべき検査アクションを決定する。
【0030】
超音波検査のワークフロー(つまり検査プロトコルや検査手順)は、複数の検査アクションを含む。
【0031】
検査アクションは、検査者が行うべき作業や検査等である。例えば、超音波画像の撮像、その超音波画像の表示、超音波画像に表されている異常の検出、その異常の表示、レポートの表示や作成、計測、及び、画質の調整等が、検査アクションの一例に相当する。
【0032】
ワークフローにおいては、各検査アクションが実行されるべき順番が定められている、例えば、超音波画像の撮像、その超音波画像に表されている異常の検出、その異常の計測及びレポートの作成が、それらの順番で実行されることが、ワークフローに定められている。超音波画像の撮像について詳しく説明すると、超音波で撮像される複数の断面(つまり検査断面)や複数の領域(つまり検査領域)、及び、各検査断面や各検査領域を撮像する順番が、ワークフローに定められている。
【0033】
例えば、診断領域毎(例えば、腹部、血管、頸部、泌尿器等)や診療科毎(例えば産科等)に典型的なワークフローが予め定められている。診断領域毎や診療科毎のワークフローを示す情報は、分析部20や超音波撮像装置の記憶部等に記憶されている。また、ワークフローを示す情報が、ネットワーク等の通信経路を介して超音波撮像装置に送信されてもよい。
【0034】
撮像シーンは、例えば、ワークフローの中で現在行われている検査アクション、現在行われている検査の場面、又は、現在の検査の状況である。撮像シーンの具体例として、超音波による検査断面や検査領域の撮像、超音波による部位の撮像、及び、超音波画像に表されている異常の検出等が挙げられる。例えば、ある検査断面が超音波によって撮像されている場合、当該検査断面が撮像されていることは、撮像シーンの一例に相当する。部位の撮像や異常の検出についても同様である。
【0035】
特定処理は、例えば、超音波画像の識別処理、検査断面や検査領域の識別処理、超音波画像中に撮像されている部位の特定処理、又は、超音波画像に表されている異常の検出処理等である。
【0036】
分析部20は、複数種類の特定処理を超音波画像に適用することで、撮像シーンを特定する。例えば、分析部20は、検査断面を識別する処理を超音波画像に適用することで、今現在超音波で撮像されている検査断面を特定し、当該検査断面が撮像されていることを撮像シーンとして特定する。上述したように、ワークフローには、各検査アクションが実行されるべき順番が定められている。超音波画像の撮像については、検査断面が撮像される順番が定められている。今現在超音波で撮像されている検査断面が特定されることで、ワークフローにおいて今現在実行されている検査アクション(つまり撮像シーン)が特定される。
【0037】
例えば、特定処理には、人工知能(AI)や機械学習が用いられる。特定処理毎に異なる人工知能や機械学習が用いられてもよい。用いられる人工知能や機械学習の種類に限定はなく、どのようなアルゴリズムやモデルが用いられてもよい。例えば、CNN(Convolutional Neural Network:畳み込みニューラルネットワーク)、RNN(Recurrent Neural Network:再起型ニューラルネットワーク)、GAN(Generative Adversarial Networks:敵対的生成ネットワーク)、線形モデル(linear models)、ランダムフォレスト・決定木学習(decision tree learning)、サポートベクターマシン (SVM: Support Vector Machine)、アンサンブル分類器(Ensamble Classifier)、又は、その他のアルゴリズムが用いられる。また、テンプレートマッチング等のパターンマッチングや、相関係数や類似度演算などの学習を要しないアルゴリズムを、特定処理に用いてもよい。
【0038】
また、分析部20は、撮像シーンの特定の確度(つまり、特定された撮像シーンの確からしさの度合い)を算出する。例えば、分析部20は、機械学習を用いた特定処理を実行し、その機械学習を用いた特定の確度を算出する。分析部20は、特定処理毎に確度を算出する。例えば、分析部20は、検査断面を識別する処理を超音波画像に適用することで、検査断面を識別し、その識別の確度を算出する。また、分析部20は、部位を特定する処理を超音波画像に適用することで、超音波によって撮像されている部位を特定し、その特定の確度を算出する。その他の特定処理についても同様である。
【0039】
分析部20は、特定処理の結果に基づいて、当該ワークフローにおいて次に行うべき検査アクションを決定する。例えば、分析部20は、特定処理毎に特定された撮像シーンと特定処理毎の特定の確度とに基づいて、次に行うべき検査アクションを決定する。
【0040】
例えば、当該ワークフローにおいて、ある検査断面の撮像の次に行うべき検査アクションとして「計測」が定められている場合において、撮像シーンとして当該検査断面の撮像が特定された場合、次に行うべき検査アクションとして「計測」が決定される。つまり、今現在行われている検査アクション(つまり撮像シーン)は、当該検査断面の撮像であるため、次に行うべき検査アクションとして「計測」が決定される。
【0041】
実行部22は、分析部20によって決定された、次に行うべき検査アクションを実行したり、次に行うべき検査アクションに関連する処理を実行したりする。検査アクションに関連する処理は、例えば、当該検査アクションを実行するための情報を表示したり、当該検査アクションの実行を検査者に促す情報を表示したりすることである。
【0042】
制御部24は、超音波撮像装置の各部の動作を制御する。
【0043】
入力部26は、ユーザが撮像に必要な条件や命令等を超音波撮像装置に入力するための装置である。例えば、入力部26、操作パネル、スイッチ、ボタン、キーボード、マウス、トラックボール又はジョイスティック等である。
【0044】
超音波撮像装置は、図示しない記憶部を含む。記憶部は、データを記憶する1又は複数の記憶領域を構成する装置である。記憶部は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、各種のメモリ(例えばRAM、DRAM、ROM等)、その他の記憶装置(例えば光ディスク等)、又は、それらの組み合わせである。例えば、超音波画像データ、超音波検査のワークフローを示す情報、及び、撮像条件を示す情報等が、記憶部に記憶される。
【0045】
以下、図2を参照して、分析部20について詳しく説明する。図2は、分析部20を示すブロック図である。
【0046】
分析部20は、確度算出部28と決定部30と格納部32とを含む。
【0047】
確度算出部28は、複数種類の特定処理を超音波画像に適用することで撮像シーンを特定し、特定処理毎の撮像シーンの特定の確度を算出する。上述したように、特定処理には、人工知能や機械学習、もしくはパターンマッチング、類似度演算などの学習を要しない確度算出アルゴリズムが用いられる。
【0048】
決定部30は、確度算出部28による算出結果(例えば、特定処理毎に特定された撮像シーンと特定処理毎の特定の確度)に基づいて、次に行うべき検査アクションを決定する。決定部30は、特定された撮像シーンと確度とを分析することで、次に行うべき検査アクションを決定する。例えば、決定部30は、ワークフローのデータベースを参照したり、パターンマッチングを適用したりすることで、次に行うべき検査アクションを決定する。
【0049】
格納部32は、撮像シーンの特定処理に用いられるデータ、及び、次に行うべき検査アクションの決定に用いられるデータを格納する記憶装置である。診断領域毎や診療科毎のワークフローを示す情報が、格納部32に記憶されてもよい。
【0050】
確度算出部28は、例えば、断面識別部34と異常検出部36と部位特定部38とを含む。
【0051】
断面識別部34は、断面識別処理を超音波画像に適用することで、超音波で撮像されている検査断面を識別する。
【0052】
格納部32には、検査断面を識別するための複数の標準断面画像40(例えばBモード画像)が格納されている。例えば、診断領域毎に1又は複数の標準断面画像40が予め用意されて、格納部32に格納される。標準断面画像40は、標準の検査断面を超音波で撮像することで得られる超音波画像である。標準の検査断面は、例えば、検査において撮像されるべき断面や、代表的な断面等である。標準断面画像40は、その標準の検査断面を識別し得る画像である。
【0053】
断面識別部34は、超音波を送受信することで生成された超音波画像46(例えばBモード画像)と格納部32に格納されている複数の標準断面画像40(つまり、複数の標準のBモード画像)とを比較することで、超音波が送受信された検査断面(つまり当該超音波画像46が得られた検査断面)を識別し、その識別の確度を、撮像シーンの特定の確度として算出する。
【0054】
異常検出部36は、異常検出処理を超音波画像に適用することで、超音波画像に表されている異常を検出する。
【0055】
格納部32には、超音波画像に表されている異常に関する情報42が格納されている。異常に関する情報42は、例えば、超音波画像に表されている異常物(例えば腫瘍等)の画像、診断領域において異常が生じる場所や位置を示す情報、異常物の形状や大きさを示す情報、及び、異常物の濃淡を示す情報等である。
【0056】
異常検出部36は、超音波を送受信することで生成された超音波画像46(例えばBモード画像)と異常に関する情報42とを比較することで、当該超音波画像46から異常を検出したり(例えば、腫瘍等を特定したり)、異常の有無を判断したりする。また、異常検出部36は、その検出の確度を、撮像シーンの特定の確度として算出する。
【0057】
部位特定部38は、部位特定処理を超音波画像に適用することで、超音波画像に表されている部位を特定する。
【0058】
格納部32には、超音波画像に表されている部位に関する情報44が格納されている。部位に関する情報44は、例えば、超音波画像に表されている部位の位置、大きさ、形状、及び、濃淡を示す情報等である。
【0059】
部位特定部38は、超音波を送受信することで生成された超音波画像46(例えばBモード画像)と部位に関する情報44とを比較することで、当該超音波画像に表されている部位を特定する。また、部位特定部38は、その特定の確度を、撮像シーンの特定の確度として算出する。
【0060】
図2には、符号48が指し示すように、次に行うべき検査アクションの候補が示されている。例えば、ワークフローの手順の表示、撮像シーンの表示(例えば超音波画像の表示)、検出された異常の表示、レポートの表示や作成、異常の計測、表示される超音波画像の画質の調整、及び、検査者に対するサポートやアドバイスの表示等が、次の検査アクションの一例として示されている。例えば、決定部30は、これら複数の検査アクションの候補の中から、1又は複数の検査アクションを、次に行うべき検査アクションとして決定する。
【0061】
次に行うべき検査アクションの具体例として以下の検査アクションが挙げられる。
・ボディマークを表示したり超音波画像に紐付けたりする。
・異常の有無が反映されたボディマークを表示したり超音波画像に紐付けたりする。
・異常の有無が反映されたアノテーションを表示したり超音波画像に紐付けたりする。
・プローブマークを表示する。
・関心領域(ROI)を拡大表示する。
・標準断面からの逸脱の分析結果を表示する。
・異常が検出された場合に計測を行う。
・レポートを自動的に作成したり超音波画像をレポートに挿入したりする。
・計測の選択。
具体的には、IMT/NT(胎児の首の後ろの肥厚、染色体異常の指標)
シンプソン法の実行。
ドップラー自動計測(サンプルゲートを弁の近くに配置する。僧帽弁や大動脈弁が検出された場合、その検出された箇所にサンプルゲートを配置する。)
頭臀長や頭長や腹の周囲長さの計測。大腿骨長さの計測。
・画像調整。
具体的には、バンドパスフィルタ(BPF:Band Pass Filter)等の各種フィルタパラメータのセット、ゲインカーブ、ガンマカーブ、送信フォーカス等の調整。
・目的の検査断面が撮像されている場合、フリーズ機能を実行。
・フリーズ機能を実行した後に、最も高い確度が得られる検査断面を選択する。
・腫瘍等の異常が検出された場合に、フリーズ機能を実行。
・目的の検査断面が撮像された場合、その検査断面の超音波画像を記憶部に記憶させる。
・フィードバック処理。
【0062】
なお、確度算出部28による算出結果、及び、その算出結果に基づいて決定された結果、の中の少なくとも1つが、フィードバックとして、次に行うべき検査アクションの決定に用いられてもよい。つまり、算出結果とその算出結果に基づいて決定された結果のうち、算出結果そのものが用いられてもよいし、算出結果に基づいて決定された結果が用いられてもよいし、算出結果とその算出結果に基づいて決定された結果の両方が、用いられてもよい。例えば、確度算出部28による算出結果に基づいて決定された結果(例えば、次に行うべき検査アクション)を示す情報が、フィードバック情報として格納部32に格納される。決定部30は、その結果を示す情報をも参照して、次に行うべき検査アクションを決定してもよい。
【0063】
また、検査者が実際に次に行った検査アクションを示す情報が、フィードバック情報として格納部32に格納され、決定部30は、その情報をも参照して、次に行うべき検査アクションを決定してもよい。
【0064】
信号処理部14、表示処理部16、分析部20、実行部22及び制御部24は、例えばプロセッサや電子回路等のハードウェア資源を利用して実現することができ、その実現において必要に応じてメモリ等のデバイスが利用されてもよい。また、信号処理部14、表示処理部16、分析部20、実行部22及び制御部24は、例えばコンピュータによって実現されてもよい。つまり、コンピュータが備えるCPU(Central Processing Unit)やメモリ等のハードウェア資源と、CPU等の動作を規定するソフトウェア(プログラム)との協働により、信号処理部14、表示処理部16、分析部20、実行部22及び制御部24の全部又は一部が実現されてもよい。当該プログラムは、CDやDVD等の記録媒体を経由して、又は、ネットワーク等の通信経路を経由して、超音波撮像装置の記憶部又はその他の記憶装置に記憶される。別の例として、信号処理部14、表示処理部16、分析部20、実行部22及び制御部24は、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等により実現されてもよい。もちろん、GPU(Graphics Processing Unit)等が用いられてもよい。信号処理部14、表示処理部16、分析部20、実行部22及び制御部24は、単一の装置によって実現されてもよいし、信号処理部14、表示処理部16、分析部20、実行部22及び制御部24のそれぞれが有する各機能が、1又は複数の装置によって実現されてもよい。
【0065】
以下、確度算出部28及び決定部30による処理の具体例について説明する。ここでは一例として、診断領域毎の具体例について説明する。
【0066】
(具体例1:腹部)
腹部、特に消化器領域のスクリーニングにおいては、肝臓、腎臓、脾臓及び膵臓等が撮像される。例えば、検査室や人間ドック等に関する、腹部超音波検査のプロトコルにおいては、20以上の標準断面画像(撮像シーンの一例に相当する)が定められる。標準断面画像の数は、国や地域によって異なり、多い場合は50程度になる。20以上の標準断面画像が、上述した標準断面画像40の一例である。
【0067】
例えば、確度算出部28は、超音波撮像装置が現在撮像している撮像断面(つまり検査断面)の画像が、上述した20以上の標準断面画像の中のどの画像と一致しているのかを判断し、その一致の判断についての確度(つまり断面識別の確度)を算出する。例えば、確度算出部28は、標準断面画像毎に、標準断面画像と現在撮像されている断面の画像とを比較し、標準断面画像毎に一致度を算出する。その一致度が、断面識別の確度の一例に相当する。
【0068】
決定部30は、確度算出部28による識別の結果に基づいて、次に行うべき検査アクションを決定する。例えば、決定部30は、検査室での腹部ルーチン検査の実行を決定したり、人間ドック等での腹部検査におけるレポート表示の一部又は全部の実行を決定したりする。
【0069】
例えば、現在撮像されている断面の画像と脾臓の標準断面画像との一致度が80%以上である場合、決定部30は、脾臓を検査するためのワークフローに基づいて、次に行うべき検査アクションを決定する。例えば、決定部30は、レポートへの超音波画像の貼付や配置を、次に行うべき検査アクションとして決定する。実行部22は、決定部30によって決定された検査アクションを実行する。この例では、実行部22は、レポートを表示部18に表示させ、当該レポートにおいて脾臓画像が配置される場所に、現在撮像されている断面の画像を表示する。これにより、保存された画像群から検査者が脾臓画像をマニュアルで選択するという手間が省ける。その結果、検査時間が削減され、ワークフローが改善される。また、撮像されるべき断面が撮像されなかったことを示すアラートが、出力されてもよい。
【0070】
確度算出部28は、標準断面画像との一致度と異常物の検出の確度とを算出してもよい。つまり、確度算出部28は、現在撮像されている断面の画像と標準断面画像との一致度を算出する。また、確度算出部28は、現在撮像されている断面の画像から異常物を検出し、その検出の確度を算出する。この場合、決定部30は、標準断面画像との一致度と異常物の検出の確度とに基づいて、次に行うべき検査アクションを決定する。
【0071】
例えば、がんのない健常者の肝臓の画像からの逸脱度が用いられる。例えば、現在撮像されている断面の画像と肝臓のある標準断面画像との一致度が80%以上であり、かつ、現在撮像されている断面の画像から異常物が検出され、その検出の確度が80%以上である場合、決定部30は、予め設定された判断基準に基づいて、腫瘍の検査モードを、次に行うべき検査アクションとして決定する。この場合、実行部22は、検査者から起動の指示を受けなくても、腫瘍の精査モードを自動的に起動させる。実行部22は、精査モードを起動させるか否かの判断を検査者に促す情報(例えばアラートを示す情報)を、表示部18に表示させてもよい。
【0072】
(具体例2:血管)
血管検査においては、例えば、頸動脈中のプラークの有無の判別に関して、ワークフローを改善することができる。
【0073】
腹部と同様に、頸動脈についても、5~10程度(場合によっては20以上)の標準断面画像が存在する。頸動脈についても、標準断面画像毎に一致度の確度が算出される。その算出結果に基づいて、レポートへの画像の貼付やその他の検査アクションが、次に行うべき検査アクションとして決定される。そして、その決定された検査アクションが実行される。これにより、検査者のマニュアル操作が省かれ、ワークフローを改善することができる。
【0074】
また、確度算出部28は、現在撮像されている断面の画像に表されている血管の輝度変化や、輝度の大きさ等に基づいて、血管壁のスムース度を算出してもよい。また、確度算出部28は、プラークのない通常血管からの逸脱度を算出することで、血管壁にプラーク(異常物の一例)が存在する確率を算出してもよい。
【0075】
例えば、現在撮像されている断面の画像に血管分岐部が表されていることの確度が80%以上であり、かつ、血管壁にプラーク等の異常物が存在する確度が80%以上である場合、決定部30は、予め定められた判断基準に基づいて、IMT(血管壁厚さ)の計測モードの実行を、次に行うべき検査アクションとして決定する。この場合、実行部22は、IMTの計測モードを自動的に起動させたり、当該計測モードを起動させるか否かの判断を検査者に促す情報(例えばアラートを示す情報)を表示部18に表示させたりする。実行部22は、プラークプロトコルを新たに検査中のワークフローに加えることを検査者に促す情報を、表示部18に表示させてもよい。これにより、より正確な検査を実現することができる。
【0076】
また、IMTの計測結果を示す情報が、分析部20に入力されて格納部32に格納されてもよい。例えば、IMT計測によって得られた血管の厚さが、予め定められた厚さよりも厚い場合、実行部22は、「プラークの可能性あり」等の予め定められた推奨所見を検査者に提案してもよい。実行部22は、当該推奨所見をレポートに挿入してもよいし、その挿入を検査者に促す情報(例えばアラートを示す情報)を表示部18に表示させてもよい。検査者はこれらの作業をマニュアルで行わずに済むため、作業の自動化や操作時間の削減が可能となり、ワークフローを改善することができる。
【0077】
(具体例3:循環器)
循環器領域では、Ejection Fraction(EF)計測や心臓壁のスペックトラッキング等、ルーチン検査における特殊な計測が多い。そのため、本実施形態は、次に行うべき検査アクションを決定することに対して有効である。
【0078】
心臓の検査では、標準断面毎の検査項目が定められている。例えば、確度算出部28は、撮像されている断面の画像とA4C(心尖部4腔断面:Apical 4 chamber view)等の標準断面の画像との一致度を確度として算出する。決定部30は、その算出結果に基づいて、右心室、左心室、右心房及び左心房の容積を計測する検査アクションや、血管系や弁を計測する検査アクションを、次に行うべき検査アクションとして決定する。
【0079】
また、確度算出部28は、現在撮像されている断面の画像と標準断面画像との一致度、及び、各計測に適した断面が描出されているかについての確度、を算出してもよい。例えば、左室を計測する場合において、左室壁面にてエコーのドロップアウトが大きいと、左室が過大評価されてしまう。この場合、確度算出部28は、左室壁面の描出正確度等を撮像シーンの確度として算出してもよい。決定部30は、上記の一致度と当該抽出正確度とに基づいて、左室容積以外の部位を自動計測するという検査アクションと、左室駆出量については「左室駆出量が正確に計測できない可能性があります」等のメッセージを検査者に通知するという検査アクションとを、次に行うべき検査アクションとして決定する。これにより、より正確でより迅速な、循環器分野のルーチン検査を実現することができる。
【0080】
(具体例4:産科)
産科の検査では、循環器の検査と同様に、検査項目が多いため、本実施形態は、次に行うべき検査アクションを決定することに対して有効である。
【0081】
具体例として、胎児の検査を例に挙げて説明する。確度算出部28は、胎児に対する超音波の送受信によって現在撮像されている断面の画像と、胎児超音波検査の標準断面の画像と、の一致度を算出する。決定部30は、その一致度に基づいて、頭殿長(CRL)、児頭大横径(BPD)や大腿骨長(FL)等を計測する計測モードを、次に行うべき検査アクションとして決定する。実行部22は、その決定された計測モードを実行する。
【0082】
確度算出部28は、異常部位や先天性疾患特有の特徴等を正常からの逸脱度として、現在撮像されている断面の画像から算出してもよい。決定部30は、標準断面画像との一致度と当該特徴とに基づいて、異常がある場合と異常がない場合の分岐を含む検査アクションを、次に行うべき検査アクションとして決定する。
【0083】
以上のように、産科においても、より正確でより迅速な胎児スクリーニング検査を実現することができる。
【0084】
(具体例5:乳腺)
乳腺の検査では、主に乳がん等の腫瘍が判別される。その判別に適した断面が撮像されているか否かが、確度算出部28によって判定される。決定部30は、その判定結果に基づいて、乳がんの有無を判定する検査アクションを、次に行うべき検査アクションとして決定する。
【0085】
例えば、確度算出部28は、現在撮像されている断面の画像の画質が、乳がんの有無を判定することができる程度の画質であるか否かを判定し、その画質についての確度を算出する。確度算出部28は、現在撮像されている断面の画像に表されている乳房領域の面積や、画像のコントラストや、無効領域等の、各種パラメータに基づいて、画質についての確度を算出する。例えば、その確度が80%以上である場合、決定部30は、乳がんの有無を判定する検査アクションを、次に行うべき検査アクションとして決定する。
【0086】
確度算出部28は、現在撮像されている断面の画像に正常部位とは異なる異常部位が表されている確率を、異常部位の検出の確度として算出してもよい。
【0087】
決定部30は、上記のようにして確度算出部28によって算出された結果を受けて、予め定められた判断基準に基づいて、乳がん検出の自動計測アプリケーションを、次に行うべき検査アクションとして決定する。この場合、実行部22は、当該自動計測アプリケーションを自動的に起動させる。
【0088】
別の例として、決定部30は、「異常部位の可能性あり」等のメッセージ(例えばアラート)を表示する処理を、次に行うべき検査アクションとして決定してもよい。この場合、実行部22は、当該メッセージを表示部18に表示させる。
【0089】
以上のように、乳腺検査において、より正確でより迅速な乳がん検査を実現することができる。また、技師等の検査者の負担を軽減することができる。
【0090】
(検査断面の識別結果の表示例)
以下、図3から図10を参照して、断面識別部34による識別の結果の表示例について説明する。
【0091】
図3には、検査断面の識別の確度を示すグラフが示されている。横軸は、時間を示しており、縦軸は、識別の確度を示している。
【0092】
グラフ50,52,54は、確度の時間変化を示している。グラフ50は、現在撮像されている断面が検査断面Aであることの確度の時間変化を示している。グラフ52は、現在撮像されている断面が検査断面Bであることの確度の時間変化を示している。グラフ54は、現在撮像されている断面が検査断面Cであることの確度の時間変化を示している。
【0093】
検査者が、超音波プローブ10の位置や向きを変えることで、超音波によって撮像される断面が変わる。これにより、例えば図3に示すように、時間の経過に伴って、各検査断面の確度が変わる。
【0094】
表示処理部16は、図3に示されている各グラフを表示部18に表示させてもよい。これにより、検査者は、現在撮像されている断面がどの断面であるのかを認識したり、確度を確認したりすることができる。
【0095】
図4に示すように、各検査断面の確度がバーによって表現されてもよい。バーの長さは確度に対応しており、バーが長いほど、確度は高い。
【0096】
図5及び図6に示すように、各検査断面の確度が数値として表示されてもよい。図5に示す例では、各検査断面の確度を示す文字列の大きさは、同じ大きさである。図6に示す例では、文字列の大きさは、確度の高さを反映している。文字列が大きいほど、確度は高い。
【0097】
図7に示すように、各検査断面の確度がバーによって表現されてもよい。図7に示す例では、各検査断面の確度に対応するバーが連なって表示される。
【0098】
図8に示すように、各検査断面の確度が、二次元の図形によって表現されてもよい。図形の大きさ(つまり面積)は、確度に対応しており、面積が大きいほど、確度は高い。
【0099】
上述したバー、文字列又は図形等が、表示部18に表示される。例えば、図8に示されている各図形が表示部18に表示される。検査者が、ある図形(例えば検査断面Aの図形)を選択すると、検査断面Aを示す情報(例えば部位を示す情報)が、現在撮像されている断面の画像に紐付けられてもよい。
【0100】
表示処理部16は、現在撮像されている断面の画像と、検査断面の確度を示す情報とを、表示部18に表示させてもよい。図9には、その表示例が示されている。表示部18の画面60には、Bモード画像等の超音波画像62が表示されている。また、識別された検査断面を示す文字列と、その識別の確度を表す画像64が、画面60が表示されている。ここでは一例として、検査断面「Left Kidney」が識別されており、その確度が画像64によって表現されている。例えば、画像64の色や大きさや形状によって、確度が表現される。例えば、緑色の画像64は、高い確度を表し、黄色の画像64は、中程度の確度を表し、赤の画像64は、低い確度を表す。もちろん、数値によって確度が表現されてもよい。また、検査断面「Left Kidney」以外の検査断面の候補(例えば「Liver」、「Spleen」等)を示す情報が、画面60に表示されてもよい。
【0101】
超音波画像62と確度を表す画像64とを表示することで、検査者は、現在撮像されている断面の画像が標準断面画像とどの程度一致しているのかを判断することができる。また、これらの情報は、検査者の教育や育成に役立つ。また、検査者は、標準断面画像と超音波画像62との差異を確認することで、超音波画像62に異常物が表されているか否かを確認することができる。また、これらの情報を表示することは、検査者に対する注意喚起にもなり得る。
【0102】
図10に示すように、標準断面画像66が、現在撮像されている断面の超音波画像62と共に画面60に表示されてもよい。こうすることで、検査者は、標準断面画像66と超音波画像62とを比較しながら検査を行うことができる。また、検査者に次の判断を促したり、挿入をサポートしたり、撮像されるべき断面が撮像されていない可能性を示唆したりするアラートやコメント67が、共に画面60に表示されていてもよい。
【0103】
(ボディマークの表示)
以下、図11及び図12を参照して、超音波画像にボディマークを設定する処理について説明する。図11は、超音波画像の表示例を示す図である。図12は、ボディマークを示す図である。
【0104】
ここでは一例として、次に行うべき検査アクションは、超音波画像にボディマークを設定することである。
【0105】
確度算出部28は、現在撮像されている断面の画像と各標準断面画像との間の一致度を、撮像シーンの確度として算出する。
【0106】
決定部30は、その算出された一致度が閾値以上となる標準断面に対応付けられているボディマークを特定する。例えば、標準断面毎に、標準断面とその標準断面の撮像を表すボディマークとが予め対応付けられており、その対応付けを示す情報(例えば対応付けテーブル等)が、格納部32に格納されている。決定部30は、その対応付けテーブルにおいて一致度が閾値以上となる標準断面に対応付けられているボディマークを特定し、そのボディマークの設定を、次に行うべき検査アクションとして決定する。
【0107】
例えば、実行部22は、決定部30によって決定されたボディマークを、現在撮像されている断面の画像と共に表示部18に表示させる。
【0108】
図11には、ボディマークの表示例が示されている。画面60には、超音波画像62とボディマーク68と画像74とが表示されている。超音波画像62は、現在撮像されている断面の画像である。ボディマーク68は、一致度が閾値以上となる標準断面に対応付けられているボディマークである。画像74は、ボディマーク68の確度を表す画像である。例えば、確度に応じた色で画像74が表示される。ここでは一例として、その確度は85%である。つまり、確度が85%のボディマーク68が表示されている。
【0109】
図12には、ボディマークの別の表示例が示されている。例えば、実行部22は、複数のボディマークの候補を表示部18に表示させる。また、実行部22は、ボディマーク毎に確度を示す情報を表示部18に表示させる。ここでの確度は、ボディマークが、現在撮像されている断面に対応するボディマークに適していることの確からしさであり、換言すると、現在撮像されている断面と標準断面との一致度に相当する。
【0110】
例えば、ボディマーク68の確度は85%であり、ボディマーク70の確度は10%であり、ボディマーク72の確度は5%である。
【0111】
検査者が、図12に示されている候補の一覧から目的のボディマークを選択すると、表示処理部16は、その選択されたボディマークを超音波画像62と共に表示部18に表示させる。例えば、確度が表示されているため、検査者は、表示されている確度を参考にしてボディマークを選択することができる。
【0112】
また、候補となる断面の名称の一覧が表示されてもよいし、プローブマークの一覧が表示されてもよい。ボディマーク、プローブマーク、及び、断面の名称の中の少なくとも1つが表示されてもよい。
【0113】
(最適画像の選択)
標準断面画像との関係で最適画像が撮像された場合、その最適画像が選択されて表示されてもよい。最適画像は、例えば、現在撮像されている複数の超音波画像の中で、標準断面画像との一致度が閾値以上になる超音波画像であってもよいし、一致度が最も高い超音波画像であってもよい。例えば、フリーズ機能が実行されることで、最適画像が表示される。
【0114】
以下、図13を参照して、最適画像の選択について説明する。図13には、超音波画像76~86が示されている。超音波画像76~86はそれぞれ、現在撮像されている断面のBモード画像である。超音波画像76~86の順番で、各超音波画像が撮像されている。
【0115】
確度算出部28は、現在撮像されている断面の画像と標準断面画像との間の一致度を算出する。標準断面画像は、診断領域や診療科に基づいて定められる。例えば、脾臓の標準断面画像が指定された場合、確度算出部28は、現在撮像されている断面の画像と脾臓の標準断面画像との間の一致度を算出する。
【0116】
超音波画像76~86のそれぞれの超音波画像が順次撮像され、確度算出部28は、撮像された超音波画像と脾臓の標準断面画像との間の一致度を順次算出する。
【0117】
図13に示す例では、超音波画像76~80は、標準断面画像と一致していない。例えば、超音波画像76と脾臓の標準断面画像との間の一致度が閾値未満である。超音波画像78,80についても同様である。超音波画像76~80のそれぞれには、画像88が重畳して表されている。画像88は、一致度が低いことを表すアイコンやマーク等である。
【0118】
一方、超音波画像82~86は、標準断面画像と一致している。例えば、超音波画像82と脾臓の標準断面画像との間の一致度が閾値以上である。超音波画像84,86についても同様である。超音波画像82~86のそれぞれには、画像90が重畳して表示されている。画像90は、一致度が高いことを表すアイコンやマーク等である。
【0119】
例えば、一致度が閾値以上となる複数の超音波画像が連続して撮像され、その連続の撮像の数が、数の閾値以上となった場合、決定部30は、フリーズ機能を、次に行うべき検査アクションとして決定する。実行部22は、フリーズ機能を自動的に実行する。
【0120】
例えば、超音波画像86が撮像された時点で、上記の連続の撮像の数が、数の閾値以上となった場合、実行部22は、フリーズ機能を実行する。これにより、現在撮像されている断面の超音波画像86が、静止した状態で表示部18に表示される。検査者は、標準断面画像と一致する超音波画像86を静止した状態で観察することができる。
【0121】
(超音波画像の検索)
確度算出部28は、既に撮像されて記憶部に格納されている複数の超音波画像の中から最適画像を検索してもよい。例えば、実行部22は、その検索された超音波画像を表示部18に表示させる。
【0122】
図14を参照して、超音波画像の検索について説明する。図14には、超音波画像92~104が示されている。超音波画像92~104は、既に撮像されて記憶部に格納されているBモード画像である。例えば、超音波画像92~104のそれぞれが撮像されたときにフリーズ機能が実行されることで、超音波画像92~104が記憶部に格納される。
【0123】
確度算出部28は、超音波画像92~104のそれぞれと標準断面画像との間の一致度を算出する。上述したように、標準断面画像は、診断領域や診療科に基づいて定められる。
【0124】
図14に示す例では、超音波画像92~96は、標準断面画像と一致していない。例えば、超音波画像92~96の一致度は閾値未満である。
【0125】
一方、超音波画像98~104は、標準断面画像と一致している。例えば、超音波画像98~104の一致度は閾値以上である。具体的には、超音波画像98の一致度は90%であり、超音波画像100の一致度は99%であり、超音波画像102の一致度は93%であり、超音波画像104の一致度は85%である。
【0126】
図14に示す例では、超音波画像100の一致度が最も高いため、確度算出部28は、超音波画像100を選択する。実行部22は、その選択された超音波画像100を表示部18に表示させる。もちろん、実行部22は、一致度が閾値以上となる全て又は一部の超音波画像を表示部18に表示させてもよい。
【0127】
(自動画質調整)
超音波画像に表されている特徴に適合するように、超音波画像の画質が自動的に調整されてもよい。例えば、決定部30は、現在撮像されている断面の画像を対象としてリアルタイムで画質調整の設定値(例えばパラメータ)を決定する。別の例として、決定部30は、フリーズ機能が実行されたときに撮像された画像を対象として画質調整の設定値を決定する。更に別の例として、決定部30は、検査者の指示に従って画質調整の設定値を決定してもよい。例えば、検査者が、保存対象の画像を確定したときに、画質調整を指示するためのボタンを押下すると、決定部30は、画質調整の設定値を決定する。
【0128】
腹部領域を例に挙げて自動画質調整について説明する。画質調整の設定値が予め定められている。確度算出部28は、撮像されたBモード画像に目的の部位(例えば撮像対象の臓器等)が表されているか否かを判定する。目的の部位がBモード画像から認識できる場合、画質調整の設定値は維持される。
【0129】
目的の部位がBモード画像に表されていない場合や、撮像対象の臓器が深部に存在する場合、決定部30は、深部用の設定値を選択する。実行部22は、画質調整の設定値を深部用の設定値に変更する。これにより、検査者が画質調整の設定値を深部用の設定にマニュアルで選択しなくても、深部用の設置値に従って画質が調整される。
【0130】
カラードプラ法においても画質調整が自動的に行われてもよい。例えば、腹部の動脈系が撮像されている場合、決定部30は、予め定められた標準の設定値を選択する。実行部22は、画質調整の設定値を標準の設定値に維持する。
【0131】
腎血流が撮像されている場合、決定部30は、腎臓用の設定値を選択する。実行部22は、画質調整の設定値を腎臓用の設定値に変更する。これにより、検査者が画質調整の設定値を腎臓用の設定値にマニュアルで選択しなくても、腎臓用の設定値に従って画質が調整される。
【0132】
(計測領域の設定)
超音波画像を対象として計測が行われる場合に、超音波画像に表されている特徴に適合するように、計測領域が自動的に設定されてもよい。
【0133】
例えば、決定部30は、確度算出部28の算出結果に基づいて、計測の対象となる領域を指定するためのROI(Region Of Interest)の位置と大きさを決定する。
【0134】
頸動脈のIMT計測を例に挙げて、ROIの自動設定について説明する。図15には、超音波画像106が示されている。超音波画像106には、頸動脈108が表示されている。また、ROI110が表示されている。ROI110は、IMT計測の対象となる領域を指定するための図形である。
【0135】
頸動脈のIMT計測においては、頸動脈の分岐部からおよそ1cm離れた位置が計測される。確度算出部28は、超音波画像106がIMT計測用の画像であることを特定し、超音波画像106に表されている血管(例えば頸動脈108)の位置を特定し、各特定の確度を算出する。決定部30は、確度算出部28の算出結果に基づいて、ROI110の位置と大きさを決定する。実行部22は、決定部30によって決定された位置に、その決定された大きさを有するROI110を表示する。
【0136】
従来においては、予め定められた大きさを有するROIが、予め定められた位置(例えば超音波画像の中央)に表示される。そのため、検査者が、IMT計測の対象となる領域にROIを移動させ、ROIの大きさを変更する必要がある。本実施形態によれば、IMT計測の対象となる領域に、その領域の大きさに適合する大きさを有するROI110が自動的に設定される。それ故、検査者がROIをマニュアルで設定するという手間が省ける。
【0137】
(レポートへの超音波画像の貼付)
決定部30は、レポートへの超音波画像の貼付を、次に行うべき検査アクションとして決定してもよい。例えば、決定部30は、標準断面画像との一致度が閾値以上となる超音波画像をレポートに貼付する処理を、次に行うべき検査アクションとして決定する。実行部22は、標準断面画像との一致度が閾値以上となる超音波画像を自動的にレポートに貼付する。
【0138】
以下、図16から図18を参照して、レポートに超音波画像を添付する処理について説明する。図16には、超音波画像が貼付されていないレポート112が示されている。図17には、超音波画像132~142が示されている。図18には、超音波画像が添付されたレポート112が示されている。
【0139】
レポート112は、電子化されたレポートや電子カルテ等である。図16に示すように、レポート112には、超音波画像が貼付される領域114~130が定められている。例えば、領域毎に、貼付されるべき超音波画像が定められている。具体的には、各領域に部位や臓器等が対応付けられている。例えば、領域120には肝臓が対応付けられている。つまり、領域120は、肝臓を表す超音波画像が貼付される領域である。
【0140】
図17に示されている超音波画像132,134,136は、それぞれ標準断面画像との一致度が閾値以上となる画像である。超音波画像138,140,142は、それぞれ標準断面画像との一致度が閾値未満となる画像である。
【0141】
超音波画像132は、胆嚢の標準断面画像との一致度が閾値以上となる画像である。したがって、超音波画像132は、レポートにおいて胆嚢の領域に貼付されるべき画像である。超音波画像134は、肝臓の標準断面画像との一致度が閾値以上となる画像である。したがって、超音波画像134は、レポートにおいて肝臓の領域に貼付されるべき画像である。超音波画像136は、腎臓の標準断面画像との一致度が閾値以上となる画像である。したがって、超音波画像136は、レポートにおいて腎臓の領域に貼付されるべき画像である。これらの一致度は、確度算出部28によって算出される。超音波画像132,134,136のそれぞれが貼付される領域は、決定部30によって特定される。
【0142】
図18には、超音波画像132,134,136が貼付されたレポート112が示されている。超音波画像132は、胆嚢の領域118に貼付されている。超音波画像134は、肝臓の領域120に貼付されている。超音波画像136は、腎臓の領域130に貼付されている。これらの貼付は、実行部22によって行われる。
【0143】
例えば、実行部22は、レポート112を表示部18に表示させる。また、実行部22は、領域118に超音波画像132を表示し、領域120に超音波画像134を表示し、領域130に超音波画像136を表示する。また、実行部22は、領域118に超音波画像132を対応付け、領域120に超音波画像134を対応付け、領域130に超音波画像136を対応付けて、レポート112と超音波画像132,134,136とを記憶部に格納してもよい。
【0144】
以上のように超音波画像がレポートに自動的に貼付されるので、検査者が超音波画像を選択してレポートに貼付する手間が省ける。
【0145】
超音波画像がレポートに自動的に貼付された場合であっても、検査者は、貼付された超音波画像を他の超音波画像に変えたり、貼付された超音波画像を削除したりすることは可能である。また、超音波画像の一致度が閾値未満となる部位や臓器については、検査者が、レポートに貼付される超音波画像を選択する。
【0146】
レポート112に所見が記載された場合、超音波画像と共に所見が表示される。実行部22は、予め設定された所見リストの中から、レポート112に貼付された超音波画像に表されている部位や臓器に関連する所見の候補を選択し、その選択した所見の候補を表示部18に表示させてもよい。検査者は、その候補の中から所見を選択することができる。
【0147】
実行部22は、撮像された複数の超音波画像のそれぞれをサムネール画像として表示部18に表示させてもよい。検査者が、複数のサムネール画像の中からレポートに貼付すべきサムネール画像を選択した場合、その選択されたサムネール画像に対応する超音波画像が、レポートに貼付される。標準断面画像との一致度が閾値以上となる超音波画像がレポートに自動的に貼付された場合、レポートに貼付された超音波画像のサムネール画像に、選択済みを表す情報が紐付けられてもよい。例えば、選択済みを表す画像や文字列が、サムネール画像に重畳して表示される。
【符号の説明】
【0148】
20 分析部、22 実行部、28 確度算出部、30 決定部、32 格納部、34 断面識別部、36 異常検出部、38 部位特定部。
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