(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024003703
(43)【公開日】2024-01-15
(54)【発明の名称】集積装置
(51)【国際特許分類】
B65H 31/26 20060101AFI20240105BHJP
B65G 57/03 20060101ALI20240105BHJP
B65G 60/00 20060101ALI20240105BHJP
B65H 31/10 20060101ALI20240105BHJP
B65H 31/30 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
B65H31/26
B65G57/03 E
B65G60/00 G
B65H31/10
B65H31/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022103034
(22)【出願日】2022-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】000199979
【氏名又は名称】川上産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】揚野 朋広
(72)【発明者】
【氏名】舟久保 知輝
【テーマコード(参考)】
3F029
3F054
【Fターム(参考)】
3F029BA09
3F029CA06
3F029CA21
3F029EA04
3F054AA06
3F054AB03
3F054AC09
3F054BA02
3F054BA04
3F054BA08
3F054BB16
3F054BC02
3F054BD02
3F054BD10
3F054BG03
3F054BJ05
3F054BJ08
3F054CA06
3F054DA16
(57)【要約】 (修正有)
【課題】嵩高い可撓性のある物品であっても良好に集積することができる集積装置を提供する。
【解決手段】搬送コンベア20を含む搬送部2と、搬送コンベア20によって送られてきた物品200を集積する集積部3とを備え、集積部3は、昇降可能な集積台30と、送られてきた物品200を上方から押さえつけることが可能であり、かつ、昇降可能な押さえ部材36とを備え、押さえ部材36が、物品200が集積部3に送られてくる毎に下降して物品200を上方から押さえつけ、次いで、後続の物品200が送られてくるよりも前に上昇して退避し、集積台30が、送られてきた物品200の数量に応じて徐々に下降し、所定の数量の物品200が集積台30上に集積されると、下降した押さえ部材36が物品200を押さえつけた状態のまま、押さえ部材36とともに搬出位置までさらに下降する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送コンベアを含む搬送部と、
前記搬送コンベアによって送られてきた物品を集積する集積部と
を備え、
前記集積部は、
昇降可能な集積台と、
送られてきた前記物品を上方から押さえつけることが可能であり、かつ、昇降可能な押さえ部材と
を備え、
前記押さえ部材が、前記物品が前記集積部に送られてくる毎に下降して前記物品を上方から押さえつけ、次いで、後続の前記物品が送られてくるよりも前に上昇して退避し、
前記集積台が、送られてきた前記物品の数量に応じて徐々に下降し、所定の数量の前記物品が前記集積台上に集積されると、下降した前記押さえ部材が前記物品を押さえつけた状態のまま、前記押さえ部材とともに搬出位置までさらに下降することを特徴とする集積装置。
【請求項2】
前記搬送コンベアの下流側の末端部近傍に、前記搬送コンベアによって送られてきた前記物品の下面側に向けて、空気を吹き付けるエアブロー機構を備える請求項1に記載の集積装置。
【請求項3】
前記集積部は、前記物品の送り方向に沿った長さに応じて、位置調整が可能なガイド部材と、前記物品の送り方向後端側で、前記物品に対して前後に揺動する揺動部材とを備える請求項1に記載の集積装置。
【請求項4】
前記集積部は、前記集積台の上方に進退可能に配設された仮受台を備える請求項1~3のいずれか一項に記載の集積装置。
【請求項5】
前記集積台が、集積された前記物品を搬出する搬出部材が通過可能に離間して配設された第一集積部材と第二集積部材とを備え、
前記第一集積部材が水平に固定され、
前記第二集積部材が、集積された前記物品の搬出方向に沿って前記第二集積部材に隣接して配設されたガイド壁部に向かって下向きに傾斜した状態と、前記第一集積部材と同レベルの水平な状態との間で変位可能とされ、
前記集積台が前記搬出位置まで下降すると、前記第二集積部材が、前記傾斜した状態から前記水平な状態に変位する請求項1~3のいずれか一項に記載の集積装置。
【請求項6】
集積された前記物品の搬出方向の下流側に、集積された前記物品を結束する結束部を備える請求項1~3のいずれか一項に記載の集積装置。
【請求項7】
前記結束部が、集積された前記物品を上方から押圧する押圧体を備え、前記押圧体に、結束紐が巻き付けられる部位まで突出する結束補助ピンが進退可能に設けられている請求項6に記載の集積装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、中空状に膨出する多数の突起部が成形されたキャップフィルムに、突起部内に空気を封入するバックフィルムを積層することによって製造された、独立した多数の気泡を有する気泡緩衝シートが、包装用の緩衝材をはじめとする各種の用途に広く利用されている。
【0003】
この種の気泡緩衝シートは、例えば、多数のキャビティ孔が設けられた成形ロールの外周面に、フィルム状に押し出された樹脂材料を接触させて中空状に膨出する突起を真空成形した後に、成形された突起内に空気を封入するバックフィルムを積層するなどして製造することができる(特許文献1参照)。そして、このようにして製造される気泡緩衝シートは、ロール状に巻き取られて市場に供給される外、用途に応じて所定形状に切り揃えられたり、袋状に製袋されたりしてから市場に供給される場合もある(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4393577号公報
【特許文献2】特許第6192994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願人は、気泡緩衝シートを所定形状に切り揃えたり、袋状に製袋したりすることによって製造された製品を集積して、これらを出荷するに際し、気泡緩衝シートの嵩高さや可撓性に起因する不具合に着目して鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、嵩高い可撓性のある物品であっても良好に集積することができる集積装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る集積装置は、搬送コンベアを含む搬送部と、前記搬送コンベアによって送られてきた物品を集積する集積部とを備え、前記集積部は、昇降可能な集積台と、送られてきた前記物品を上方から押さえつけることが可能であり、かつ、昇降可能な押さえ部材とを備え、前記押さえ部材が、前記物品が前記集積部に送られてくる毎に下降して前記物品を上方から押さえつけ、次いで、後続の前記物品が送られてくるよりも前に上昇して退避し、前記集積台が、送られてきた前記物品の数量に応じて徐々に下降し、所定の数量の前記物品が前記集積台上に集積されると、下降した前記押さえ部材が前記物品を押さえつけた状態のまま、前記押さえ部材とともに搬出位置までさらに下降する構成としてある。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、嵩高い可撓性のある物品であっても良好に集積することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る集積搬置によって集積される物品の一例についての説明図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る集積搬置によって集積される物品の一例についての説明図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る集積装置の動作を示す説明図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る集積装置の動作を示す説明図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る集積装置の動作を示す説明図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る集積装置の動作を示す説明図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る集積装置の動作を示す説明図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る集積装置の動作を示す説明図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る集積装置の動作を示す説明図である。
【
図10】本発明の実施形態に係る集積装置の動作を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1及び
図2は、本実施形態に係る集積装置によって集積される物品の一例についての説明図であり、
図3~
図10は、当該集積装置の動作を模式的に示す説明図である。
【0011】
まず、集積装置1によって集積される物品について説明する。当該物品としては、例えば、
図1に示すような気泡緩衝シート100を製袋してなる包装袋200を例示することができる。
【0012】
図1には、中空状に膨出する多数の突起110が形成されたキャップフィルム111に、突起110内に空気を封入するバックフィルム112が積層され、キャップフィルム111に形成された突起110の頂面側にライナーフィルム113がさらに積層された三層構造の気泡緩衝シート100を示しているが、気泡緩衝シート100の具体的な構成は、これに限定されない。特に図示しないが、ライナーフィルム113を省略した二層構造であってもよく、印刷が施された加飾層や、遮光層などの所望の機能を備えた層などがさらに積層されていてもよい。
【0013】
このような気泡緩衝シート100を製袋するには、例えば、
図2に示すように、ロール状に巻き取られた気泡緩衝シート100を二つ折りにして繰り出しながら、所定の間隔毎にヒートシールバー120を用いて熱溶断するなどすればよい。これによって、両側部がヒートシールされた包装袋200を連続して製造することができ、端縁をずらして二つ折りにすれば、製造される包装袋200の形態を、開口部側にベロが形成された封筒状とすることもできる。集積装置1は、このようにして製造される包装袋200を集積するために、特に好適に利用することができる。
【0014】
次に、上記のようにして包装袋200を連続して製造するに際し、順次送られてくる包装袋200を好適に集積できるように設計された集積装置1について説明する。
【0015】
本実施形態において、集積装置1は、搬送コンベア20を含む搬送部2と、搬送コンベア20によって送られてきた包装袋200を集積する集積部3とを備えている。そして、搬送コンベア20の上流側で製造された包装袋200が、搬送コンベア20によって勢い付けられながら搬送されてきて、搬送コンベア20の下流側の末端部から包装袋200が離昇して、集積部3に順次送られていくように構成されている(
図3等参照)。その際、離昇した包装袋200が、良好な姿勢で滑空しながら集積部3に送られていくように、搬送コンベア20の下流側の末端部近傍に、搬送コンベア20によって送られてきた包装袋200の下面側に向けて、空気を吹き付けるエアブロー機構21を備えているのが好ましい。
【0016】
また、集積部3は、昇降可能な集積台30と、送られてきた包装袋200を上方から押さえつけることが可能であり、かつ、昇降可能な押さえ部材36とを備えている。これらに加えて、集積部3は、包装袋200の送り方向に沿った長さに応じて、位置調整が可能なガイド部材37と、包装袋200の送り方向後端側で、包装袋200に対して前後に揺動する揺動部材38と、集積台30の上方に進退可能に配設された仮受台39とをさらに備えているのが好ましい。
【0017】
このような集積部3に送られてきた包装袋200は、先ずは、ガイド部材37にガイドされながら、仮受台39上に順次積み重ねられていく(
図3参照)。その際、押さえ部材36は、包装袋200が送られてくる毎に下降して包装袋200を上方から押さえつけ、次いで、後続の包装袋200が送られてくるよりも前に上昇して退避する動作を繰り返す。これによって、後続の包装袋200が、先に送られてきた包装袋200と干渉したりするなどの不具合を抑制しつつ、包装袋200が整然と積み重ねられていくようにして、包装袋200の集積に支障を来さないようにしている。これとともに、包装袋200の送り方向後端側で揺動する揺動部材38によって、ガイド部材37との間に、包装袋200の送り方向の前後を揃えて積み重ねられていくようにしている。
【0018】
なお、
図3~10では図示を省略しているが、集積部3は、包装袋200の送り方向に直交する両端側を揃えるガイド部材を備えるようにしてもよい。
また、図面には示されていないが、押さえ部材36とガイド部材37は、それぞれ複数の棒状又は細板状の構成部材が櫛歯状に配設されてなり、押さえ部材36が昇降する際に、ガイド部材37と干渉しないように設計されている。さらに、仮受台39は、複数の長尺状の構成部材が所定の間隔で平行に並設されてなり、その構成部材の間に、ガイド部材37と揺動部材38とが配設されるようにして、仮受台39が進退する際に、これらと干渉しないように設計されている。
また、上記のように押さえ部材36を昇降させるには、例えば、任意の動力伝達装置によって、押さえ部材36を適宜のタイミングで鉛直方向に持ち上げて、次いで、自重で落下させるという操作を繰り返すなどして昇降させるように設計することができる。
【0019】
このようにして仮受台39上に包装袋200が積み重ねられていくと、所定のタイミングで仮受台39が後退する。そして、集積台30が、仮受台39上に積み重ねられた包装袋200を受け取って、包装袋200の集積が継続されるようにしているが(
図4参照)、仮受台39が後退するタイミングや、仮受台39の果たす役割などについては後述する。
【0020】
集積台30が、仮受台39上に積み重ねられた包装袋200を受け取った後も、集積台30上に包装袋200が整然と積み重ねられていくように、押さえ部材36などの動作を継続する。すなわち、押さえ部材36は、包装袋200が送られてくる毎に下降して包装袋200を上方から押さえつけ、次いで、後続の包装袋200が送られてくるよりも前に上昇して退避する上記と同様の動作を繰り返し継続する。揺動部材38も同様に、包装袋200の送り方向後端側で揺動する動作を継続する。そして、仮受台39上に積み重ねられた包装袋200を受け取った集積台30は、送られてきた包装袋200の数量に応じて徐々に下降する(
図5参照)。
【0021】
集積台30を徐々に下降させるに際しては、先に送られてきた包装袋200と後続の包装袋200との干渉を避ける上で、集積台30上に積み重ねられた包装袋200のうち、最上位に送られてきた包装袋200のレベルが一定となるように調整するのが好ましい。
【0022】
気泡緩衝シート100を製袋してなる包装袋200は、嵩高い可撓性の物品であり、積み重ねられた包装袋200を押さえ部材36で押さえつけると、その押圧力が加わる方向に圧縮され、押さえ部材36が上昇して押圧力が解除されると、元の状態に復元するという特性がある。このような特性が、先に送られてきた包装袋200と後続の包装袋200との干渉を避けて、順次送られてくる包装袋200が整然と積み重ねられていくようにする上での妨げにもなり得るが、本実施形態によれば、そのタイミングを調整しつつ集積台30を徐々に下降させていくことで、このような嵩高い可撓性のある物品であっても良好に集積することができる。
【0023】
しかる後に、所定の数量の包装袋200が集積台30上に集積されると、搬送コンベア20による包装袋200の搬送を停止し、揺動部材38の揺動も必要に応じて停止する。これとともに、下降した押さえ部材36が包装袋200を押さえつけた状態のまま、押さえ部材36とともに、集積台30が搬出位置までさらに下降する(
図6参照)。
【0024】
集積台30が搬出位置まで下降すると、搬出部材33の上部に進退可能に設けられた棒状の把持部材34が前進し(
図7参照)、集積台30上に集積された包装袋200を、押さえ部材36を避けて上方から押さえつけて把持する一方で、それと入れ替わりに押さえ部材36が上昇する(
図8参照)。次いで、集積台30上に集積された包装袋200は、把持部材34によって把持された状態で、搬出部材33に押されるようにして集積台30から搬出レール35に移送され、搬出レール35上を移動して搬出される(
図9参照)。その際、集積された包装袋200(以下、「包装袋200が集積された集積体201」、又は単に「集積体201」ともいう)を下方からも把持して浮き上がらせるようにして、集積台30や搬出レール35と擦れてしまわないようにするのが好ましい。
【0025】
なお、図示する例において、集積台30と搬出レール35は、それぞれ離間して配設された二つの構成部材からなっており、その間を搬出部材33が通過可能となるように設計されているが、これについては後述する。
【0026】
包装袋200が集積された集積体201を搬出するに際しては、包装袋200の搬送を停止した状態のまま、集積台30と搬出部材33が原状に復帰するのを待ってもよいが、図示する例では、集積体201を搬出するのと同時に又はそれと前後して、仮受台39を前進させて、包装袋200の搬送を再開することによって、包装袋200の搬送を停止させている時間を短縮できるようにしている(
図9参照)。より詳細には、集積台30と搬出部材33が原状に復帰するまでの間は、前述したようにして、集積部3に送られてきた包装袋200が、仮受台39上に順次積み重ねられていくようにしている。そして、集積台30と搬出部材33が原状に復帰すると(
図10参照)、それと同時に又はその後の適宜のタイミングで仮受台39が後退し(
図4参照)、引き続き、前述した動作を繰り返すことによって、連続して製造されて順次送られてくる包装袋200を効率よく集積することができるようにしている。
【0027】
また、以上のようにして包装袋200を集積するにあたり、
図2に示すようにして製袋される包装袋200は、二つ折りにされた底部側が特に嵩高い。このため、先に送られてきた包装袋200の上に、後続の包装袋200が順次積み重ねられていくと、底部側の嵩高さに起因して、上方に積み重ねられた包装袋200が崩れ落ちてしまうことが懸念される。このような不具合を有効に回避するために、集積台30は、例えば、
図11及び
図12に示すような構成とするのが好ましい。
【0028】
図11及び
図12は、それぞれ包装袋200の搬出方向の下流側から集積台30をみた説明図であって、
図11は、集積台30が搬出位置に向かって下降する途中の状態を模式的に示しており、
図12は、集積台30が搬出位置まで下降した状態を模式的に示している。
【0029】
これらの図に示す例において、集積台30は、集積された包装袋200を搬出する搬出部材33が通過可能に離間して配設された、第一集積部材30aと第二集積部材30bとを備えており、昇降装置31に片持ち梁状に平行に取り付けられた第一集積部材30aと第二集積部材30bとの間に、搬出部材33が配設されている。
【0030】
特に図示しないが、搬出レール35も同様に、搬出部材33が通過可能に離間して配設された、第一レール部材と第二レール部材とを備えており、第一レール部材は、第一集積部材30aの長手方向に沿った延長線上に配設され、第二レール部材は、第二集積部材30bの長手方向に沿った延長線上に配設されている。
【0031】
第一集積部材30aと第二集積部材30bとは、第一集積部材30aが水平に固定されている一方で、第二集積部材30bが、集積された包装袋200の搬出方向に沿って第二集積部材30bに隣接して配設されたガイド部材であって、壁状に形成されたガイド壁部37fに向かって下向きに傾斜した状態と、第一集積部材30aと同レベルの水平な状態との間で変位可能となるように、回動可能に軸支されている。図示する例において、第二集積部材30bは、その幅方向の一端側が軸支されており、包装袋200が集積部3に送られている間は、ガイド壁部37fに向かって下向きに傾斜した状態とされている(
図11参照)。そして、包装袋200の搬送が停止した後に、集積台30が搬出位置まで下降すると、例えば、搬出レール35の末端に突設するなどして設けられた押上部材32により、第二集積部材30bの軸支された側とは反対側が押し上げられて回動することによって、傾斜した状態から水平な状態に変位するようにしている(
図12参照)。
【0032】
集積台30をこのように構成し、送られてきた包装袋200が集積台30上に積み重ねられていく際に、包装袋200の底部側がガイド壁部37fの方を向くようにすることで、傾斜した第二集積部材30b上に、包装袋200の底部側が傾斜に沿って納まりよく積み重ねられるようにすることができる。その結果、上方に積み重ねられた包装袋200が崩れ落ちてしまったりすることなく、包装袋200の底部側がガイド壁部37fによって揃えられながら、先に送られてきた包装袋200の上に、後続の包装袋200が整然と積み重ねられていくようにすることができる。さらに、集積台30が搬出位置まで下降したときに、第二集積部材30bが水平な状態に変位することで、集積された包装袋200を搬出する際の集積台30から搬出レール35への移送に支障が生じることもない。
【0033】
また、本実施形態において、集積装置1は、集積された包装袋200の搬出方向の下流側に、集積された包装袋200を結束する結束部4を備えているのが好ましく、例えば、搬出レール35の末端側まで移動してきた集積体201が、集積体201を上下から挟むようにして把持する結束用把持具40に受け渡されて、結束用把持具40に把持されたまま、結束部4まで運ばれて結束されるように設計するのが好ましい。
【0034】
集積体201を結束用把持具40に受け渡すに際しては、特に図示しないが、搬出レール35上で集積体201を押さえつけている把持部材34と入れ替わるようにして、複数の棒状部材を当該把持部材34と干渉しないように配設してなる仮押さえ部材によって、集積体201が押さえつけられるようにするのが好ましい。このようにすることで、集積体201を押さえつけていた把持部材34が、その役割から解放され、仮押さえ部材と入れ替わったタイミングで、搬出部材33の原状への復帰動作を開始することができるため、搬出部材33が原状に復帰する時期を早めることが可能になる。
【0035】
また、結束用把持具40は、第一レール部材と第二レール部材との間を通って、搬出レール35上の集積体201を下方から把持する下側把持部材41と、下側把持部材41と対向して集積体201を上方から把持する上側把持部材42とを備え、上側把持部材42が上下動して、集積体201を把持できるように設計することができる。さらに、結束用把持具40は、例えば、X-Yテーブルなどに取り付けられて、把持した集積体201を結束部4まで運んでいくように設計することができる。
【0036】
結束部4まで運ばれてきた集積体201を結束するには、回転アームによって結束紐を巻き付けて結束するように構成された市販の結束装置を利用できるが、嵩高い可撓性の包装袋200が集積された集積体201を結束するに際しては、集積体201を上方から押圧して圧縮して、その状態で集積体201を結束するのが好ましい。このようにすることで、結束後に押圧力が解除されると、圧縮された集積体201が結束されたまま、元の状態に復元しようと膨らんでいくことを利用して、結束が緩み難くなるように、集積体201を良好に結束することができる。
【0037】
ここで、
図13及び
図14は、第一の押圧体43と第二の押圧体44とによって、結束用把持具40に把持された集積体201を上方から押圧している例を模式的に示す説明図であって、
図13では、集積体201を上方からみており、
図14では、集積体201を結束される側からみている。
【0038】
これらの図に示す例において、一方の第一の押圧体43は、結束紐が巻き付けられる部位を避けて、結束用把持具40から離れた集積体201の端縁側の部位を押圧するように、昇降可能に設けられている。他方の第二の押圧体44は、結束紐が巻き付けられる部位を避けて、結束用把持具40に近い集積体201の端縁側の部位を押圧するように、昇降可能に設けられている。そして、第一の押圧体43には、結束紐が巻き付けられる部位まで突出する結束補助ピン43pが、その突出位置と後退位置との間で進退可能に設けられているのが好ましい。
【0039】
なお、第一の押圧体43と第二の押圧体44とは、集積された物品(包装袋200)の形状や大きさなどに応じて、昇降する位置を適宜調整できるように設計するのが好ましい。
【0040】
また、集積体201を結束する際には、図示するように、結束部4に運ばれてきた集積体201の近傍に、結束された集積体201を搬出する搬出具45を待機させておくことができる。この場合、搬出具45には、結束紐が巻き付けられる部位まで突出する係止ピン45pが、その突出位置と後退位置との間で進退可能に設けられているのが好ましい。
【0041】
図示する例において、結束部4に運ばれてきた集積体201を結束して搬出する手順について、以下に説明する。
【0042】
まず、結束用把持具40に把持された集積体201が結束部4に運ばれてくると、第一の押圧体43と第二の押圧体44とが下降して、集積体201を上方から押圧して圧縮する。その際、第一の押圧体43に設けられた結束補助ピン43pを、結束紐が巻き付けられる部位まで突出させておく。集積体201の近傍で待機する搬出具45に設けられた係止ピン45pも同様に、結束紐が巻き付けられる部位まで突出させておく。
【0043】
次いで、集積体201を結束される側からみた
図14において反時計回りとなるように、図示しない回転アームを回転させて、集積体201に結束紐を巻き付ける。このとき、結束紐が巻き付けられる部位まで突出させた、結束補助ピン43pと係止ピン45pにも結束紐が巻き付けられるため、結束紐を巻き付ける際の衝撃が、集積体201に結束紐を直接巻き付ける場合に比べて格段に緩和される。これによって、集積体201が損傷したりしてしまうなどの不具合を有効に回避することができる。
【0044】
結束後は、第一の押圧体43に設けられた結束補助ピン43pを後退させて、第一の押圧体43と第二の押圧体44とを上昇させるとともに、結束用把持具40を退避させる。その一方で、搬出具45に設けられた係止ピン45pを突出させたまま、搬出具45を移動させる。これにより、結束紐が係止ピン45pに引っ張られるようにして、結束された集積体201が搬出されるようにすることができる。そして、例えば、搬出された集積体201が、搬出経路に設けられた搬出コンベアに到達したときに、係止ピン45pを後退させて集積体201を解放することで、当該搬出コンベアに受け渡して、その先まで搬出されていくようにすることができる。
【0045】
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
【0046】
例えば、前述した実施形態では、気泡緩衝シート100を袋状に製袋することによって製造された製品(包装袋200)を集積する例を挙げて説明したが、気泡緩衝シート100を所定形状に切り揃えて製造された製品など、嵩高い可撓性のある種々の物品を集積する場合にも適用することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 集積装置
2 搬送部
20 搬送コンベア
21 エアブロー機構
3 集積部
30 集積台
30a 第一集積部材
30b 第二集積部材
36 押さえ部材
37 ガイド部材
37f ガイド壁部
38 揺動部材
39 仮受台
4 結束部
43 第一の押圧体
43p 結束補助ピン
200 包装袋(物品)