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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024037048
(43)【公開日】2024-03-18
(54)【発明の名称】包装用容器の使用方法及び包装用容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 25/04 20060101AFI20240311BHJP
【FI】
B65D25/04 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022141685
(22)【出願日】2022-09-06
(71)【出願人】
【識別番号】391011825
【氏名又は名称】中央化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003498
【氏名又は名称】弁理士法人アイピールーム
(74)【代理人】
【識別番号】100167117
【弁理士】
【氏名又は名称】打越 佑介
(72)【発明者】
【氏名】甲地 歩
(72)【発明者】
【氏名】中村 歩香
【テーマコード(参考)】
3E062
【Fターム(参考)】
3E062AA03
3E062AB14
3E062AC02
3E062BA20
3E062EA02
3E062EB02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】中皿の取り扱いの改善に寄与し、全体として使い勝手を良くする包装用容器の使用方法及び包装用容器を提供すること。
【解決手段】内容物が収容された容器本体Mの開口1aを閉じるように着脱自在に装着される別の内容物の収容用の中皿1と、ヒンジ3を介して中皿1と一体的に成形されて中皿1の開口1aを閉じる蓋体2とを備えた包装用容器の使用方法であって、ヒンジ3を回転軸にして蓋体2を開ける工程と、ヒンジ3を切断して開いた蓋体2を中皿1から分離する工程と、分離した蓋体2を逆さに置く工程と、中皿1を容器本体Mから取り外す工程と、取り外した中皿1を逆さに置かれた蓋体2に載せる工程とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が収容された容器本体の開口を閉じるように着脱自在に装着される別の内容物の収容用の中皿と、ヒンジを介して中皿と一体的に成形されて中皿の開口を閉じる蓋体とを備えた包装用容器の使用方法であって、
ヒンジを回転軸にして蓋体を開ける工程と、
ヒンジを切断して開いた蓋体を中皿から分離する工程と、
分離した蓋体を逆さに置く工程と、
中皿を容器本体から取り外す工程と、
取り外した中皿を逆さに置かれた蓋体に載せる工程とを含む
ことを特徴とする包装用容器の使用方法。
【請求項2】
請求項1に記載の使用方法を実現する包装用容器であって、
中皿は、容器本体に対して嵌合する中皿嵌合部を有し、
蓋体は、中皿嵌合部に対して嵌合する蓋体嵌合部を有し、
ヒンジは、回転軸上に形成された切断用のミシン目部を有する
ことを特徴とする包装用容器。
【請求項3】
内容物の収容用の容器本体と、
容器本体の開口を閉じるように着脱自在に装着される別の内容物の収容用の中皿と、
中皿の開口を閉じるように着脱自在に装着される蓋体とを備えた
ことを特徴とする包装用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容物を収容可能で容器本体と蓋体との間に位置する中皿を備えた包装用容器の使用方法及び包装用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えばスーパーマーケットやコンビニエンスストアといった小売店で販売される惣菜や弁当といった食品用の包装用容器は、食品を収容する容器本体と、容器本体の開口を閉じる蓋体との間に、別の食品を収容する中皿を備えた3点式のものもがあった。一般的な中皿は、食品の収容部分が容器本体内に入り、容器本体の開口縁に嵌るように装着され、食事の際に容器本体から取り外されていた。
【0003】
例えば、特許文献1には、中皿が、中皿フランジ部の外縁から外方に延出した指先で摘まれる舌片状のタブを有し、タブが、中皿フランジ部の外縁との境界部或いはその近傍に、このタブの他の部分に比して上下方向に曲げ変形容易な線状の折曲部を有する中皿付き容器が開示されており、容器本体に上蓋を装着する作業性が悪くなることがなく、容器本体に対する上蓋の装着が確実に行われる効果が期待されるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-79964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の中皿付き容器は、容器本体から取り外した中皿の取り扱いについて開示されていない。すなわち、中皿の裏面には容器本体内の食品やこれが発する蒸気が付着していることがあり、中皿をそのまま机やテーブルに置いてしまうと、これらが汚れてしまって掃除の手間が生じるおそれがある。したがって、衛生や効率の点を考慮すると、中皿の使用方法に工夫の余地があることに、発明者等は辿り着いた。
【0006】
また、中皿が容器本体と分離していると、器の点数が増えてしまうため、容器に収納された食品を購入する需要者にとって食事時の取り扱いが煩わしいばかりでなく、容器に食品を収納する小売店や容器を製造販売するメーカーにとって管理の手間やコストの上昇が生じてしまうことから、中皿を含めても器の総点数を減らすことが、需要者・小売店・メーカーにとって有益となる余地がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、中皿の取り扱いの改善に寄与し、全体として使い勝手を良くする包装用容器の使用方法及び包装用容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明は、内容物が収容された容器本体の開口を閉じるように着脱自在に装着される別の内容物の収容用の中皿と、ヒンジを介して中皿と一体的に成形されて中皿の開口を閉じる蓋体とを備えた包装用容器の使用方法であって、ヒンジを回転軸にして蓋体を開ける工程と、ヒンジを切断して開いた蓋体を中皿から分離する工程と、分離した蓋体を逆さに置く工程と、中皿を容器本体から取り外す工程と、取り外した中皿を逆さに置かれた蓋体に載せる工程とを含むことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記使用方法を実現する包装用容器であって、中皿は、容器本体に対して嵌合する中皿嵌合部を有し、蓋体は、中皿嵌合部に対して嵌合する蓋体嵌合部を有し、ヒンジは、回転軸上に形成された切断用のミシン目部を有することが望ましい。
【0010】
また、本発明は、内容物の収容用の容器本体と、容器本体の開口を閉じるように着脱自在に装着される別の内容物の収容用の中皿と、中皿の開口を閉じるように着脱自在に装着される蓋体とを備えたことを特徴とする。
【0011】
なお、本発明において、「成形」とは、製法を限定せず単に形作ること又は形作られたこと、「成型」とは、所定の型に嵌めて形作ること又は形作られたことを意味し、換言すると、「成形」は「成型」を含む表現とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、中皿の取り扱いの改善に寄与し、全体として使い勝手を良くする効果を期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態における包装用容器が閉蓋状態かつ容器本体に装着された状態の斜視図である。
図2】開蓋状態の上記包装用容器の斜視図である。
図3】開蓋状態の上記包装用容器の平面図である。
図4】開蓋状態の上記包装用容器の底面図である。
図5】開蓋状態の上記包装用容器の正面図である。
図6】開蓋状態の上記包装用容器の背面図である。
図7】開蓋状態の上記包装用容器の左側面図である。
図8】開蓋状態の上記包装用容器の右側面図である。
図9】本発明の一実施形態における別の包装用容器が閉蓋状態かつ容器本体に装着された状態の斜視図である。
図10】開蓋状態の上記包装用容器の斜視図である。
図11】開蓋状態の上記包装用容器の平面図である。
図12】開蓋状態の上記包装用容器の底面図である。
図13】開蓋状態の上記包装用容器の正面図である。
図14】開蓋状態の上記包装用容器の背面図である。
図15】開蓋状態の上記包装用容器の左側面図である。
図16】開蓋状態の上記包装用容器の右側面図である。
図17】本発明の一実施形態における別の包装用容器の使用状態を示す斜視図である。
図18】上記包装用容器の使用状態における部分拡大端面図である。
図19】本発明の一実施形態における容器本体の平面図である。
図20】上記容器本体の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図1図8を参照しつつ、本発明の一実施形態における包装用容器(以下「本包装用容器」ともいう。)及び本包装容器の使用方法について説明する。これらの図において、複数個存在する同一の部位については、一つの部位のみに付番した部分もある。説明の便宜上、所定の部位やこの引き出し線をかくれ線(破線)で示し、断面部分をハッチングで示した部分もある。説明において、上方、下方、外方、内方、垂直方向、水平方向等の方向を示す用語は、基本的に通常使用する向きで包装用容器を置いた状態を基準にし、これ以外を基準とする場合は適宜説明する。図5図9で描写された各部への付番は、図1図4で描写された各部への付番と実質的に同等なため、省略する。
【0015】
<本包装用容器の基本構成>
図1に示すように、本包装用容器は、内容物としてスーパーマーケット等の小売店内で販売される惣菜や弁当といった食品を包装するものであり、食品の収容用の容器本体Mの開口Maを閉じるように着脱自在に装着される別の食品の収容用の中皿1と、ヒンジ3を介して中皿1と一体的に成形されて中皿1の開口1aを閉じる蓋体2とを備えている。容器本体M、中皿1、蓋体2は、平面視で円形状だが、矩形でもでも楕円形でもよく、また、小売店内の陳列棚に載置できる程度のサイズであればよく、縦・横・高さといった寸法を限定しない。食品は、容器本体Mや中皿1に直に収容されても、袋や容器を介して収容されてもよい。
【0016】
<容器本体Mの概要>
詳細に図示しないが、容器本体Mは、食品を載置する本体底部と、本体底部の周端縁から連続して上方に拡がりながら立ち上がる本体側部と、本体側部の上端縁から連続して上方に形成された中皿1を嵌める内嵌合用の断面略L字状の本体嵌合部M1と、本体嵌合部M1の上端縁から連続して外方に延出する本体フランジ部とを備えている。本体底部と本体側部とで食品の収容部が形成される。本体側部の上端縁が、容器本体Mの開口Maの縁に相当する。
【0017】
ここで、「内嵌合」とは、嵌合する方(例えば、中皿に対する容器本体、蓋体に対する中皿)の篏合部分が外側、嵌合される方(例えば、容器本体に対する中皿、中皿に対する蓋体)の嵌合部分が内側に位置する構造を示し、「側面外嵌合」又は単に「外嵌合」とは、嵌合する方の嵌合部分が内側、嵌合される方の嵌合部分が外側に位置する構造を示す。
【0018】
<中皿1の概要>
図2に示すように、食品を載置する中皿底部11と、中皿底部11の周端縁から連続して上方に拡がりながら立ち上がる中皿側部12と、中皿側部12の上端縁から連続して上方に形成された断面略L字状の中皿嵌合部13と、中皿嵌合部13の上端縁から連続して外方に延出する中皿フランジ部14と、中皿底部11と中皿側部12から内側に隆起するように形成された中皿蒸気抜き部15と、中皿フランジ部14の周端縁から連続して外方に形成された中皿摘み部16とを備えている。中皿底部11と中皿側部12とで食品の収容部が形成される。
【0019】
<中皿底部11の詳細>
中皿底部11は、外側から凹んで内側に凸状の付番しないリブ及び/又は内側から凹んで外側に凸状の付番しないリブを1つ又は2つ以上有してもよいが、リブを有さず全て面一状でもよい。
【0020】
<中皿側部12の詳細>
中皿側部12の上端縁が、中皿1の開口1aの縁に相当する。中皿側部12は、外側から凹んで内側に凸状の付番しない縦方向のリブを1つ或いは2つ以上及び/又は内側から凹んで外側に凸状の付番しない縦方向のリブを1つ或いは2つ以上有してもよいが、リブを有さず全て面一状でもよい。
【0021】
<中皿嵌合部13の詳細>
中皿嵌合部13は、容器本体Mの本体嵌合部M1に嵌る内嵌合用かつ後述する蓋体2の蓋体嵌合部23aを嵌める内嵌合用である。
【0022】
<中皿蒸気抜き部15の詳細>
中皿蒸気抜き部15は、収容部内かつ中皿側部12側に位置しているが、これ以外(例えば中央)に位置してもよい。中皿蒸気抜き部15は、付番しない平坦な蒸気抜き頂上面にスリット状の蒸気抜き孔15aを有する。蒸気抜き孔15aは、直線状でも円弧状でもU字状でもよく、中皿フランジ部14及びヒンジ3と同一の高さに位置しているが、これらより低く位置しても高く位置してもよい。
【0023】
<蓋体2の概要>
蓋体2は、天面部21と、天面部21の周端縁から連続して下方に拡がりながら立ち下がる蓋体側部22と、蓋体側部22の下端縁から連続して外方に形成された蓋体フランジ部23と、蓋体フランジ部23の周端縁から連続して外方に形成された蓋体摘み部24とを備えている。天面部21と蓋体側部22とで中皿を覆うカバー部が形成される。
【0024】
<天面部21の詳細>
天面部21は、外側から凹んで内側に凸状の付番しないリブ及び/又は内側から凹んで外側に凸状の図示しないリブを1つ又は2つ以上有してもよいが、全て平坦状でもよい。
【0025】
<蓋体側部22の詳細>
蓋体側部22は、外側から凹んで内側に凸状の付番しない縦方向のリブを1つ或いは2つ以上及び/又は内側から凹んで外側に凸状の付番しない縦方向のリブを1つ或いは2つ以上有してもよいが、リブを有さず全て面一状でもよい。
【0026】
<蓋体フランジ部23の詳細>
蓋体フランジ部23は、中皿嵌合部13に嵌るように蓋体側部22の下端縁から連続して形成された断面略L字状の内嵌合用の蓋体嵌合部23aと、蓋体嵌合部23aの上端縁から連続している蓋体フランジ平坦部23bとを有する。閉蓋時に、蓋体フランジ平坦部23bは中皿フランジ部14に面し、蓋体嵌合部23aは中皿嵌合部13に隠れる。
【0027】
<ヒンジ3の概要>
ヒンジ3は、中皿1側に位置して中皿フランジ部13と連続している中皿側ヒンジ片部31と、蓋体2側に位置して蓋体フランジ平坦部23bと連続している蓋体側ヒンジ片部32と、中皿側ヒンジ片部31と蓋体側ヒンジ片部32との境界に形成された切断用のミシン目部33とを有する。
【0028】
<中皿側ヒンジ片部31の詳細>
中皿側ヒンジ片部31は、ミシン目部33の位置及び/又は切断を表示するエンボス状のミシン目表示部31aを有する。ミシン目表示部31aは、蓋体2の閉蓋状態で蓋体側ヒンジ片部32に上から覆われるが、蓋体側ヒンジ片部32が透明であることで視認可能となる。中皿側ヒンジ片部31は、蓋体2の閉蓋状態で後述するヒンジ摘み部32aと重ならないよう隅切られていてもよい。
【0029】
<蓋体側ヒンジ片部32の詳細>
蓋体側ヒンジ片部32は、ミシン目部33の切断時に摘ままれるヒンジ摘み部32aを有する。蓋体側ヒンジ片部32は、ヒンジ摘み部32aの面積分だけ中皿側ヒンジ片部31より大きくてもよい。ヒンジ摘み部32は、蓋体摘み部24より小さいことで目立ちにくくなる。
【0030】
<ミシン目部33>
ミシン目部33は、レーザー加工で形成された二つ以上の孔であり、孔は一直線状に形成されても円弧状に形成されてもよく、隣り合う孔同士は等間隔でも不規則な間隔でもよい。
【0031】
<容器本体Mの素材・形成方法・寸法等の仕様>
容器本体Mは、合成樹脂シートを基材として成型したものである。合成樹脂シートは、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂製、ポリスチレン系樹脂製のポリスチレンペーパー(PSP)、GPポリスチレンにブタジエン共重合体などの弾性体を配合して耐衝撃性を改良した耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂製であり、紙パウダーを主原料として上記オレフィン系樹脂等をバインダーとしてもよく、単層又は複数層で構成されてもよく、有色又は無色透明でも、不透明であってもよく、耐熱性を有する素材で形成されてもよい。ここで、耐熱性を有する素材としては、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂40~90質量%と、タルクなどの無機充填材10~60%とを含む複合素材非発泡製が挙げられる。合成樹脂シートは、真空成型・熱板圧空成型・真空圧空成型・両面真空成型等といった熱成型法により所望の容器本体形状へ形成される。合成樹脂シートの表面及び/又は裏面を合成樹脂フィルムで積層してもよい。合成樹脂フィルムは、耐熱性・耐油性・印刷層との積層適性・ガスバリア性等を有する単層又は複数層で構成されてもよく、合成樹脂シートの表面を積層した場合は印刷層を含んでもよい。
【0032】
合成樹脂シートは、発泡樹脂製でも非発泡樹脂製でもよいが、本発明においては発泡樹脂製のほうが所望の効果を得られやすい。合成樹脂シートの厚みは特に制限はないが、非発泡樹脂製の場合は0.18~1mmであればよく、好ましくは0.3~0.8mm、さらに好ましくは0.35~0.6mmである。発泡倍率が1.5~3倍の低発泡樹脂製の場合は0.5~3mmであればよく、好ましくは1~2mmである。また、発泡倍率が5~15倍の高発泡樹脂製の場合は1.5~5mmであればよく、好ましくは1.8~4mmであり、より好ましくは2.0~3.5mmである。なお、発泡倍率とは、発泡前のもの(発泡性組成物)と発泡後のもの(発泡シート)の比容積(単位:cc/g)を測定し、発泡後の比容積/発泡前の比容積によって算出されたものをいう。容器本体1の大きさは、例えば幅150~350mm、深さ150~350mmであってもよい。
【0033】
<中皿1・蓋体2の素材・形成方法・寸法等の仕様>
中皿1・蓋体2は、合成樹脂シートを基材として成型したものである。合成樹脂シートは、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂製、ポリスチレン系樹脂製のポリスチレンペーパー(PSP)、GPポリスチレンにブタジエン共重合体などの弾性体を配合して耐衝撃性を改良した耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂製であり、紙パウダーを主原料として上記オレフィン系樹脂等をバインダーとしてもよく、単層又は複数層で構成されてもよく、有色又は無色透明でも、不透明であってもよく、耐熱性を有する素材で形成されてもよい。ここで、耐熱性を有する素材としては、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂40~90質量%と、タルクなどの無機充填材10~60%とを含む複合素材非発泡製が挙げられる。合成樹脂シートは、真空成型・熱板圧空成型・真空圧空成型・両面真空成型等といった熱成型法により所望の容器本体形状へ形成される。合成樹脂シートの表面及び/又は裏面を合成樹脂フィルムで積層してもよい。合成樹脂フィルムは、耐熱性・耐油性・印刷層との積層適性・ガスバリア性等を有する単層又は複数層で構成されてもよく、合成樹脂シートの表面を積層した場合は印刷層を含んでもよい。
【0034】
合成樹脂シートは、発泡樹脂製でも非発泡樹脂製でもよいが、本発明においては非発泡樹脂製のほうが所望の効果を得られやすい。合成樹脂シートの厚みは特に制限はないが、非発泡樹脂製の場合は0.18~1mmであればよく、好ましくは0.3~0.8mm、さらに好ましくは0.35~0.6mmである。発泡倍率が1.5~3倍の低発泡樹脂製の場合は0.5~3mmであればよく、好ましくは1~2mmである。また、発泡倍率が5~15倍の高発泡樹脂製の場合は1.5~5mmであればよく、好ましくは1.8~4mmであり、より好ましくは2.0~3.5mmである。なお、発泡倍率とは、発泡前のもの(発泡性組成物)と発泡後のもの(発泡シート)の比容積(単位:cc/g)を測定し、発泡後の比容積/発泡前の比容積によって算出されたものをいう。中皿2の大きさは、幅150~350mm、深さ50~150mmであってもよい。蓋体2の大きさは、幅150~350mm、高さ50~150mmであってもよい。
【0035】
<本包装用容器の使用前における容器本体M・中皿1・蓋体2の相互関係>
図1に示すように、容器本体Mに中皿1が装着(嵌合)された状態で、本体嵌合部M1が外側かつ中皿嵌合部13が内側に位置して嵌合し、中皿1の中皿フランジ部14より下側が容器本体Mに収納されて隠れる。中皿1に蓋体2が装着(嵌合)された状態(すなわち閉蓋状態)で、中皿嵌合部13が外側かつ蓋体嵌合部23aが内側に位置して嵌合し、中皿側ヒンジ片部31が下側かつ蓋体側ヒンジ片部32が上側に位置して重なり、中皿摘み部16が下側かつ蓋体摘み部24が上側に位置して完全ではなく水平方向にズレて重なり合う。蓋体2はヒンジ3のミシン目部を回転軸にして中皿1に対して開け閉め自在である。ミシン目部は蓋体2の開け閉め時に加わる外力では切断されず、ヒンジ摘み部32aを摘まんで中皿側ヒンジ片部31と蓋体側ヒンジ片部32とを切り離す時に加わる外力で切断される。
【0036】
<本包装用容器の使用方法>
図1及び図2に示すように、食品が収容された容器本体Mに中皿2が装着(嵌合)され、かつ中皿1に蓋体2が装着(嵌合)された状態で、まず中皿嵌合部13と蓋体嵌合部23aとの嵌合状態を解除してヒンジ3を回転軸にして蓋体2を開ける。次にヒンジ3のミシン目部33を切断して蓋体2を中皿1から分離する。次に天面部21が机等に面するように分離した蓋体2を逆さに置く。次に本体嵌合部M1と中皿嵌合部1との嵌合状態を解除して中皿1を容器本体Mから取り出す。最後に取り外した中皿1を逆さに置かれた蓋体2に載せる。
【0037】
この構成によれば、中皿嵌合部13と蓋体嵌合部23aの嵌合状態及び本体嵌合部M1と中皿嵌合部13の嵌合状態を容易に解除でき、中皿1と蓋体2が一体的であってもヒンジ3のミシン目部33を切断して容易に中皿1から蓋体2を分離でき、分離直後から蓋体2を容器本体Mから取り出した中皿1の受け皿として流用でき、容器本体Mから取り出された中皿1を受け皿である蓋体2に直接載せれば中皿1の裏面に付着した食品や水滴で机等を汚さずに済むことから、需要者は衛生的かつ効率的な食事を行え、小売店やメーカーは中皿1と蓋体2とが一体的なため管理やコストの負担を軽減できる効果を期待できる。
【0038】
中皿1に食品が直に収容されている場合、容器本体Mから取り外した中皿1内の食品を容器本体Mの食品に投入し、その後に食品が無くなった中皿1を逆さに置かれた蓋体2に載せてもよい。
【0039】
次に、図9図16及び図17図18を参照しつつ、本発明の一実施形態における別の包装用容器について、上述した本包装用容器と相違する部分を説明し、同等の部分の説明を省略する。図1図4で示した部品又は部位と同等なものは、参照を容易にするため、図9及び図10では図1図4において一律100を加えた番号、図17及び図18では図1図4において一律100を加えた番号にしている。図11図16で描写された各部への付番は、図9及び図10で描写された各部への付番と実質的に同等なため、省略する。
【0040】
図9及び図10に示すように、別の包装用容器は、容器本体100Mに対して外嵌合する中皿101と、ヒンジ103を介して一体的に形成された中皿101に対して外嵌合する蓋体102とを備えている。ヒンジ103は、切断用のミシン目部を有していないが、有してもよい。
【0041】
中皿101は、付番しない中皿側壁部の上端縁から連続して外方に形成された中皿フランジ部114を有し、中皿フランジ部114は、中皿側壁部の上端縁から連続して外方に延出してから下方に立ち下がる中皿フランジ嵌合部114aを有する。
【0042】
蓋体102は、蓋体側壁部122と、蓋体フランジ部123とを有し、蓋体側壁部122は、この下部に位置して蓋体フランジ部123と連続する蓋体嵌合部122aを有する。
【0043】
容器本体100Mに中皿101が装着(嵌合)された状態で、図示しない本体嵌合部が内側かつ中皿フランジ嵌合部114aが外側に位置する。中皿101に蓋体102が装着(嵌合)された状態(すなわち閉蓋状態)で、中皿フランジ嵌合部114aが内側かつ蓋体嵌合部122aが外側に位置して嵌合する。
【0044】
図17に示すように、別の包装用容器は、食品の収容用の容器本体200Mと、容器本体200Mの開口を閉じるように着脱自在に装着される別の食品の収容用の中皿201と、中皿201の開口を閉じるように着脱自在に装着される蓋体202とを備えている。
【0045】
図18に示すように、容器本体200Mに中皿201が装着(嵌合)された状態で、付番しない本体嵌合部が外側かつ付番しない中皿嵌合部が内側に位置して嵌合する。蓋体202が装着された状態(すなわち閉蓋状態)で、付番しない蓋体嵌合部が外側、付番しない本体フランジ先端部が内側に位置して嵌合する。
【0046】
なお、本実施形態に示した包装用容器及びこの使用方法は、上述した内容に限定されず、同等の効果を得られる限り、あらゆる部位の位置・形状・寸法や、部位同士の関係を含む。
【符号の説明】
【0047】
1 中皿
1a 開口部
11 中皿底部
12 中皿側部
13 中皿嵌合部
14 中皿フランジ部
15 中皿蒸気抜き部
15a 蒸気抜き孔
16 中皿摘み部
2 蓋体
21 天面部
22 蓋体側部
23 蓋体フランジ部
23a 蓋体嵌合部
23b 蓋体フランジ平坦部
24 蓋体摘み部
3 ヒンジ
31 中皿側ヒンジ片部
31a ミシン目表示部
32 蓋体側ヒンジ片部
32a ヒンジ摘み部
33 ミシン目部
図1
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