(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024037053
(43)【公開日】2024-03-18
(54)【発明の名称】シューズ
(51)【国際特許分類】
A43B 23/26 20060101AFI20240311BHJP
A43C 11/20 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
A43B23/26
A43C11/20
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022141692
(22)【出願日】2022-09-06
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】512299347
【氏名又は名称】株式会社ティーワン
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】松本 哲也
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050BC15
4F050BC49
4F050JA09
4F050JA12
4F050JA13
4F050JA15
4F050JA17
(57)【要約】
【課題】シュータンを容易に交換可能なシューズを提供する。
【解決手段】シュータン本体201は、シューズ本体10と分離して設けられる。シューズ本体10に設けられた第1先端孔51-1および第2先端孔51-2の間隔と、シュータン本体201に設けられた第1固定用孔20h-1および第2固定用孔20h-2の間隔とが等しい。シュータン本体201は、第1固定用孔20h-1の上に第1先端孔51-1が重なるとともに、第2固定用孔20h-2の上に第2先端孔51-2が重なるようにシューズ本体10の内側に配置された状態で、紐3が第1固定用孔20h-1と第1先端孔51-1とを連続して貫通するとともに、紐3が第2固定用孔20h-2と第2先端孔51-2とを連続して貫通することでシューズ本体10に取り付けられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
足を挿入する第1開口および前記第1開口と連続し足の甲の部分に対向する第2開口を有するシューズ本体と、
前記シューズ本体の内側で少なくとも前記第2開口を覆うように配置されるシュータンと、
を備え、
前記シューズ本体は、前記第2開口の縁部分に設けられ紐を通す複数の紐通し孔を有し、
前記シュータンは、第1固定用孔および第2固定用孔がつま先側に設けられたシュータン本体を有し、
前記シュータン本体は、前記シューズ本体と分離して設けられ、
複数の前記紐通し孔は、つま先側に設けられた第1先端孔および第2先端孔を含み、
前記シューズ本体に設けられた前記第1先端孔および前記第2先端孔の間隔と、前記シュータン本体に設けられた前記第1固定用孔および前記第2固定用孔の間隔とが等しく、
前記シュータン本体は、前記第1固定用孔の上に前記第1先端孔が重なるとともに、前記第2固定用孔の上に前記第2先端孔が重なるように前記シューズ本体の内側に配置された状態で、前記紐が前記第1固定用孔と前記第1先端孔とを連続して貫通するとともに、前記紐が前記第2固定用孔と前記第2先端孔とを連続して貫通することで前記シューズ本体に取り付けられる、
シューズ。
【請求項2】
前記第1先端孔および前記第2先端孔は、前記第2開口の最もつま先側の縁よりも更につま先側に設けられている、
請求項1に記載のシューズ。
【請求項3】
足を挿入する第1開口および前記第1開口と連続し足の甲の部分に対向する第2開口を有するシューズ本体と、
前記シューズ本体の内側で少なくとも前記第2開口を覆うように配置されるシュータンと、
を備え、
前記シューズ本体は、前記第2開口の縁部分に設けられ紐を通す複数の紐通し孔を有し、
前記シュータンは、第1固定用孔および第2固定用孔がつま先側に設けられたシュータン本体を有し、
前記シュータン本体は、前記シューズ本体と分離して設けられ、
複数の前記紐通し孔は、つま先側に設けられた第1先端孔および第2先端孔を含み、
前記第1先端孔および前記第2先端孔は、前記第2開口の最もつま先側の縁よりも更につま先側に設けられており、
前記シュータン本体は、前記シューズ本体の内側に配置された状態で、前記紐が前記第1固定用孔と前記第1先端孔とを連続して貫通するとともに、前記紐が前記第2固定用孔と前記第2先端孔とを連続して貫通することで前記シューズ本体に取り付けられる、
シューズ。
【請求項4】
前記シュータン本体は、少なくとも表部材と裏部材とを合わせた構造を有し、
前記第1固定用孔および前記第2固定用孔は、前記表部材を貫通して設けられ、
前記裏部材は、前記第1固定用孔および前記第2固定用孔を裏側から覆う、
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載のシューズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シュータンを備えたシューズに関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献には、シュータンを着脱可能にしたシューズが記載されている。この特許文献の
図6~
図8に記載されるシューズ(200)において、シュータン(210)のつま先側の中央部には、横方向に細長いスロット状の孔(222)が形成されており、この孔(222)に靴紐(212)が挿通される。また、シュータン(210)のつま先側の上面には、面ファスナーや粘着テープなどによる取付部(238)が設けられており、この取り付け部(238)によってアッパー(204)の内側にシュータン(210)のつま先側の上面が取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0227045号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の特許文献に記載されるシューズ(200)においてシュータン(210)を使用する場合、シュータン(210)のスロット状の孔(222)に靴紐(212)を挿通させるとともに、シュータン(210)のつま先側の上面を取付部(238)によりアッパー(204)の内側へ取り付ける必要がある。取付部(238)が面ファスナーや粘着テープの場合、アッパー(204)の内側におけるシュータン(210)の取り付け場所が定まらないため、不適切な場所にシュータン(210)を取り付けてしまい易い。その場合、シュータン(210)を一旦取り外し、場所を変更して取り付け直す作業が発生することになる。従って、シュータン(210)の交換作業が面倒になり易いという不利益がある。
【0005】
上記の特許文献に記載されるシューズ(200)においてアッパー(204)へのシュータン(210)の取り付けを容易にするため、シュータン(210)の取付部(238)を省略することも考えられる。しかしながら、シュータン(210)に設けられたスロット状の孔(222)は、取付部(238)が形成されている場所を避けるようにシュータン(210)の中央付近に位置しており(特許文献1の
図6)、アッパー(204)の孔(222)から離れている。アッパー(204)の孔(222)とシュータン(210)の孔(222)とが離れているため、これらの孔(222)に靴紐(212)を通しても、シュータン(210)の孔(222)の位置が靴紐(212)に沿って容易に変化してしまう。すなわち、シュータン(210)が取付部(238)によりアッパー(204)に固定されていない状態では、アッパー(204)に対してシュータン(210)の位置が容易に変化してしまう。従って、アッパー(204)の内側でシュータン(210)の位置ずれが生じ易くなる。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、シュータンを容易に交換可能なシューズを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様に係るシューズは、足を挿入する第1開口および第1開口と連続し足の甲の部分に対向する第2開口を有するシューズ本体と、シューズ本体の内側で少なくとも第2開口を覆うように配置されるシュータンとを備え、シューズ本体は、第2開口の縁部分に設けられ紐を通す複数の紐通し孔を有し、シュータンは、第1固定用孔および第2固定用孔がつま先側に設けられたシュータン本体を有し、シュータン本体は、シューズ本体と分離して設けられ、複数の紐通し孔は、つま先側に設けられた第1先端孔および第2先端孔を含み、シューズ本体に設けられた第1先端孔および第2先端孔の間隔と、シュータン本体に設けられた第1固定用孔および第2固定用孔の間隔とが等しく、シュータン本体は、第1固定用孔の上に第1先端孔が重なるとともに、第2固定用孔の上に第2先端孔が重なるようにシューズ本体の内側に配置された状態で、紐が第1固定用孔と第1先端孔とを連続して貫通するとともに、紐が第2固定用孔と第2先端孔とを連続して貫通することでシューズ本体に取り付けられる。
【0008】
この構成によれば、シュータン本体がシューズ本体と分離して設けられているため、シューズ本体に対してシュータン本体を交換することが可能となる。
また、シューズ本体の第1先端孔および第2先端孔と、シュータン本体の第1固定用孔および第2固定用孔とに紐を通すことでシュータン本体がシューズ本体に取り付けられるため、面ファスナーや粘着テープなどの部材を用いた取り付け作業が不要であり、シュータン本体を容易に交換することが可能となる。
また、シューズ本体に設けられた第1先端孔および第2先端孔の間隔と、シュータン本体に設けられた第1固定用孔および第2固定用孔の間隔とが等しいことから、第1固定用孔の上に第1先端孔が重なるとともに、第2固定用孔の上に第2先端孔が重なるような状態でシューズ本体の内側にシュータン本体を配置することが可能である。この配置の状態において、紐が第1固定用孔と第1先端孔とを連続して貫通するとともに、紐が第2固定用孔と第2先端孔とを連続して貫通することにより、第1先端孔に対する第1固定用孔の位置、および、第2先端孔に対する第2固定用孔の位置が固定され易くなる。従って、シューズ本体の内側でシュータン本体の位置がずれ難くなる。
【0009】
好適に、第1先端孔および第2先端孔は、第2開口の最もつま先側の縁よりも更につま先側に設けられている。
この構成によれば、シュータン本体の第1固定用孔および第2固定用孔が、シューズ本体の内部でつま先に近い場所に位置し易くなる。つま先に近い場所は、シューズ本体の内部で比較的空間の余裕が生じ易い場所であるため、シュータン本体のつま先側の部分がユーザの足に当たり難くなる。
【0010】
本発明の第2の態様に係るシューズは、足を挿入する第1開口および第1開口と連続し足の甲の部分に対向する第2開口を有するシューズ本体と、シューズ本体の内側で少なくとも第2開口を覆うように配置されるシュータンとを備え、シューズ本体は、第2開口の縁部分に設けられ紐を通す複数の紐通し孔を有し、シュータンは、第1固定用孔および第2固定用孔がつま先側に設けられたシュータン本体を有し、シュータン本体は、シューズ本体と分離して設けられ、複数の紐通し孔は、つま先側に設けられた第1先端孔および第2先端孔を含み、第1先端孔および第2先端孔は、第2開口の最もつま先側の縁よりも更につま先側に設けられており、シュータン本体は、シューズ本体の内側に配置された状態で、紐が第1固定用孔と第1先端孔とを連続して貫通するとともに、紐が第2固定用孔と第2先端孔とを連続して貫通することでシューズ本体に取り付けられる。
【0011】
この構成によれば、シュータン本体がシューズ本体と分離して設けられているため、シューズ本体に対してシュータン本体を交換することが可能となる。
また、シューズ本体の第1先端孔および第2先端孔と、シュータン本体の第1固定用孔および第2固定用孔とに紐を通すことでシュータン本体がシューズ本体に取り付けられるため、面ファスナーや粘着テープなどの部材を用いた取り付け作業が不要であり、シュータン本体を容易に交換することが可能となる。
また、シューズ本体の第1先端孔および第2先端孔が第2開口の最もつま先側の縁よりも更につま先側に設けられていることにより、シュータン本体の第1固定用孔および第2固定用孔が、シューズ本体の内部でつま先に近い場所に位置し易くなる。つま先に近い場所は、シューズ本体の内部で比較的空間の余裕が生じ易い場所であるため、シュータン本体のつま先側の部分がユーザの足に当たり難くなる。
【0012】
好適に、シュータン本体は、少なくとも表部材と裏部材とを合わせた構造を有し、固定用孔は、表部材を貫通して設けられ、裏部材は、固定用孔を裏側から覆う。
この構成によれば、シュータン本体を取り付けるための紐が表部材と裏部材との間に挿通されることになり、シュータン本体の裏部材から紐が露出して足に当たることを防止できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、シュータンを容易に交換可能なシューズを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本実施形態に係るシューズを例示する斜視図である。
【
図2】
図2は、シュータンを例示する斜視図である。
【
図3】
図3は、シュータンの裏面を例示する斜視図である。
【
図4】
図4は、シュータンの取り付けについて例示する図である。
【
図5】
図5は、シュータンの取り付けについて例示する図である。
【
図6】
図6は、シュータンの取り付けについて例示する図である。
【
図7】
図7は、シュータンの取り付けについて例示する図である。
【
図8】
図8は、他の例のシューズにおけるシュータンを例示する斜視図である。
【
図9】
図9は、
図8に示すシュータンの裏面を例示する斜視図である。
【
図12】
図12は、他の例のシューズにおけるシュータンの取り付けについて例示する図である。
【
図13】
図13は、他の例のシューズにおけるシュータンの取り付けについて例示する図である。
【
図14】
図14は、他の例のシューズにおけるシュータンの取り付けについて例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、同一の部材には同一の符号を付し、一度説明した部材については適宜その説明を省略する。また、説明の便宜上、本実施形態では靴の左右における左足側を例として説明するが、右足側であっても同様である。
【0016】
(シューズ)
図1は、本実施形態に係るシューズを例示する斜視図である。
本実施形態に係るシューズ1は、シューズ本体10とシュータン20を有する。シューズ本体10は、足を挿入する第1開口10h1および第1開口10h1と連続し足の甲の部分に対向する第2開口10h2を有する。シューズ1においてシューズ本体10は、アッパー部101と、ソール部102とを有する。
【0017】
アッパー部101は足の形に対応して成形されており、足の周りを囲むような形状になっている。すなわち、アッパー部101は、つま先に対応した先端部分111、足の外側に対応した外側部分112、足の内側に対応した内側部分113、かかとに対応した後端部分114およびくるぶしから足首に対応した上方延出部分115を有し、これらが一体に成形されている。アッパー部101には足を入れる第1開口10h1が設けられ、第1開口10h1の前方から先端部分111にかけて第2開口10h2が設けられる。第1開口10h1および第2開口10h2は、足を入れる際にはアッパー部101を拡げやすく、また足を入れた状態ではアッパー部101を締めやすくするために設けられる。
【0018】
アッパー部101の第2開口10h2の縁部分には紐3を通す紐通し孔50が設けられる。紐通し孔50は、舌型に設けられた第2開口10h2の縁部分の両側に所定のピッチで複数設けられる。第2開口10h2の上方(足首部分に対応する箇所)にはフック40がカシメ41によって取り付けられる。紐通し孔50に紐3を通して締めて、紐3の端部をフック40に掛けて結ぶことにより、足の甲から足首の部分までしっかり締めて固定することができる。
【0019】
シューズ本体10(アッパー部101)に設けられた複数の紐通し孔50は、つま先側に設けられた第1先端孔51-1および第2先端孔51-2を含む。以下、第1先端孔51-1および第2先端孔51-2の各々を区別せずに「先端孔51」と記す場合がある。
図1の例において、2つの先端孔51は複数の紐通し孔50の中で最もつま先側に位置する。
【0020】
ソール部102は、アッパー部101の底側に設けられる。ソール部102は、つま先部分121、かかと部分122および土踏まず部分123を有する。シューズ1において、ソール部102は、アッパー部101と一体に成形されていてもよい。これにより、シューズ1としてアッパー部101からソール部102にかけてシェル型のワンピース構造が構成される。
【0021】
シュータン20は、シューズ本体10(アッパー部101)の内側で少なくとも第2開口10h2を覆うように配置される。シュータン20が第2開口10h2を覆うように配置されることで、第2開口10h2を紐3で締める際、シュータン20によって足の甲への押圧力を分散させることができる。
【0022】
(シュータン)
次に、シュータン20について説明する。
図2は、シュータンを例示する斜視図である。
図3は、シュータンの裏面を例示する斜視図である。
シュータン20は、第1固定用孔20h-1および第2固定用孔20h-2がつま先側に設けられたシュータン本体201を有する。以下、第1固定用孔20h-1および第2固定用孔20h-2の各々を区別せずに「固定用孔20h」と記す場合がある。シュータン本体201はシューズ本体10と分離して設けられる。すなわち、シュータン本体201は、シューズ本体10に縫い付けられていないし、取り付け部材によって取り付けられてもいない。
【0023】
このシュータン本体201に設けられた第1固定用孔20h-1および第2固定用孔20h-2の間隔は、シューズ本体10に設けられた第1先端孔51-1および第2先端孔51-2の間隔と概ね等しい。すなわち、第1固定用孔20h-1の中心と第2固定用孔20h-2の中心との距離が、第1先端孔51-1の中心と第2先端孔51-2の中心との距離に概ね等しい。そのため、シュータン本体201は、第1固定用孔20h-1の上に第1先端孔51-1が重なるとともに、第2固定用孔20h-2の上に第2先端孔51-2が重なるように、シューズ本体10の内側に配置させることが可能である。
【0024】
シュータン本体201は、シューズ本体10の内側に配置された状態で、2つの先端孔51と2つの固定用孔20hとに紐3を通すことでシューズ本体10に取り付けられる。すなわち、シュータン本体201は、第1固定用孔20h-1の上に第1先端孔51-1が重なるとともに、第2固定用孔20h-2の上に第2先端孔51-2が重なるように、シューズ本体10の内側に配置された状態で、紐3が第1固定用孔20h-1と第1先端孔51-1とを連続して貫通するとともに、紐3が第2固定用孔20h-2と第2先端孔51-2とを連続して貫通することでシューズ本体10に取り付けられる。
【0025】
シュータン本体201は、少なくとも表部材211と裏部材212とを合わせた構造を有する。表部材211には例えば皮革が用いられる。裏部材212には例えばメッシュ生地が用いられる。表部材211や裏部材212は特性の異なる材料を用いた複層構造であってもよい。例えば、足の甲の部分と接する裏部材212には、クッション材(ウレタンフォーム)などが含まれていてもよい。また、表部材211と裏部材212とは一体的に設けられていてもよい。表部材211と裏部材212との間には、用途に応じた適度な硬さの芯部材が設けられていてもよい。
【0026】
図4から
図7は、シュータンの取り付けについて例示する図である。
シュータン本体201をシューズ本体10に取り付ける場合、先ず、
図4に示すように、シュータン本体201の2つの固定用孔20hに紐3が通される。例えば、紐3の両端がそれぞれシュータン本体201の裏側から固定用孔20hに通され、表側に引き出される。
【0027】
次に、
図5に示すように、紐3の両端が、それぞれシューズ本体10のつま先側に設けられた2つの先端孔51に通される。紐3の両端は、シューズ本体10の内側から外側に向けて2つの先端孔51に通される。これにより、紐3が第1固定用孔20h-1と第1先端孔51-1とを連続して貫通するとともに、紐3が第2固定用孔20h-2と第2先端孔51-2とを連続して貫通する。この状態で紐3の両端が引っ張られることにより、シュータン本体201のつま先側がシューズ本体10の内側に取り付けられる。第1固定用孔20h-1および第2固定用孔20h-2の間隔と第1先端孔51-1および第2先端孔51-2の間隔とが概ね等しいため、紐3の両端が引っ張られることにより、第1固定用孔20h-1の上に第1先端孔51-1が重なるとともに、第2固定用孔20h-2の上に第2先端孔51-2が重なった状態になる。
【0028】
次に、
図6から
図7に示すように、紐3の両端が他の紐通し孔50に例えばクロスさせながら順次通されて、引き締められる。シューズ本体10に足を入れた状態で紐3が締め上げられることで、シューズ本体10がシュータン20とともに足に固定される。なお、紐3の締め方は上記に限定されない。
【0029】
このように、本実施形態によれば、シュータン本体201がシューズ本体10と分離して設けられているため、シューズ本体10に対してシュータン本体201を好みのものに交換することができる。また、シューズ本体10に設けられた第1先端孔51-1および第2先端孔51-2と、シュータン本体201に設けられた第1固定用孔20h-1および第2固定用孔20h-2とに紐3を通すことでシュータン本体201がシューズ本体10に取り付けられるため、面ファスナーや粘着テープなどの部材を用いた取り付け作業が不要であり、シュータン本体201を容易に交換することが可能となる。
【0030】
更に、本実施形態によれば、シューズ本体10に設けられた第1先端孔51-1および第2先端孔51-2の間隔と、シュータン本体201に設けられた第1固定用孔20h-1および第2固定用孔20h-2の間隔とが等しいことから、第1固定用孔20h-1の上に第1先端孔51-1が重なるとともに、第2固定用孔20h-2の上に第2先端孔51-2が重なるような状態でシューズ本体10の内側にシュータン本体201を配置させることが可能となる。この配置の状態において、紐3が第1固定用孔20h-1と第1先端孔51-1とを連続して貫通するとともに、紐3が第2固定用孔20h-2と第2先端孔51-2とを連続して貫通することにより、第1先端孔51-1に対する第1固定用孔20h-1の位置、および、第2先端孔51-2に対する第2固定用孔20h-2の位置が概ね固定される。従って、シューズ本体10に対するシュータン本体201の位置ずれを生じ難くすることができる。シュータン本体201の位置ずれが生じ難くなることで、比較的強い運動をした場合でもシューズ本体10内でのシュータン本体201の位置が安定するため、シューズ1の履き心地を向上させることができる。
【0031】
(シューズの他の例)
次に、本実施形態に係るシューズの他の例について説明する。
図8は、他の例のシューズ1におけるシュータン20を例示する斜視図である。
図9は、
図8に示すシュータン20の裏面を例示する斜視図である。
図10および
図11は、
図8に示すシュータン20に紐3を通した状態を例示する図である。
図12~
図14は、他の例のシューズ1におけるシュータン20の取り付けについて例示する図である。
【0032】
他の例のシューズ1において、シュータン20(シュータン本体201)の固定用孔20h(20h-1,20h-2)は、
図8および
図9に示すように、表部材211を貫通して設けられており、裏部材212には設けられていない。すなわち裏部材212は、固定用孔20h(20h-1,20h-2)を裏側から覆っている。
【0033】
また、他の例のシューズ1において、シューズ本体10の第1先端孔51-1および第2先端孔51-2は、
図12および
図13に示すように、第2開口10h2の最もつま先側の縁11よりも更につま先側に設けられている。
【0034】
シュータン本体201に設けられた第1固定用孔20h-1および第2固定用孔20h-2の間隔は、他の例のシューズ1においても、シューズ本体10に設けられた第1先端孔51-1および第2先端孔51-2の間隔と概ね等しい。そのため、他の例のシューズ1においても、第1固定用孔20h-1の上に第1先端孔51-1が重なるとともに、第2固定用孔20h-2の上に第2先端孔51-2が重なるように、シューズ本体10の内側にシュータン本体201を配置させることが可能である。
【0035】
他の例のシューズ1における第1固定用孔20h-1および第2固定用孔20h-2の間隔(第1先端孔51-1および第2先端孔51-2の間隔)は、
図4等において例示したシューズ1に比べて狭い。
【0036】
他の例におけるシューズ1においてシュータン本体201をシューズ本体10に取り付ける場合、先ず、
図10および
図11に示すように、シュータン本体201の2つの固定用孔20hにそれぞれ紐3が通される。他の例のシューズ1においては、紐3の両端がそれぞれシュータン本体201の表側から左右の固定用孔20hに通される。固定用孔20hは表部材211のみを貫通し、裏部材212には設けられていないため、紐3は表側から表部材211と裏部材212との間に通される(
図11参照)。
【0037】
次に、
図12に示すように、紐3の両端が、それぞれシューズ本体10のつま先側の2つの先端孔51に通される。シューズ本体10には、シュータン本体201の2つの固定用孔20hに対応する2つの先端孔51がつま先側に設けられている。紐3の両端は、シューズ本体10の内側から外側に向けて2つの先端孔51に通される。これにより、紐3が第1固定用孔20h-1と第1先端孔51-1とを連続して貫通するとともに、紐3が第2固定用孔20h-2と第2先端孔51-2とを連続して貫通する。この状態で紐3の両端が引っ張られることにより、シュータン本体201のつま先側がシューズ本体10の内側に取り付けられる。第1固定用孔20h-1および第2固定用孔20h-2の間隔と第1先端孔51-1および第2先端孔51-2の間隔とが概ね等しいため、紐3の両端が引っ張られることにより、第1固定用孔20h-1の上に第1先端孔51-1が重なるとともに、第2固定用孔20h-2の上に第2先端孔51-2が重なった状態になる。
【0038】
次に、
図13に示すように、紐3の両端が一つ上の紐通し孔50に通された後、
図14に示すように、紐3の両端が他の紐通し孔50に例えばクロスさせながら順次通されて、引き締められる。シューズ本体10に足を入れた状態で紐3が締め上げられることで、シューズ本体10がシュータン20とともに足に固定される。なお、紐3の締め方は上記に限定されない。
【0039】
このような他の例のシューズ1では、シューズ本体10の第1先端孔51-1および第2先端孔51-2が、第2開口10h2の最もつま先側の縁11よりも更につま先側に設けられている。そのため、シュータン本体201の第1固定用孔20h-1および第2固定用孔20h-2が、シューズ本体の内部でつま先に近い場所に位置し易くなる。つま先に近い場所は、シューズ本体の内部で比較的空間の余裕が生じ易い場所であるため、第1固定用孔20h-1および第2固定用孔20h-2がこの場所の近くに位置することにより、シュータン本体201のつま先側の部分がユーザの足に当たり難くすることができる。
【0040】
また、他の例のシューズ1では、シュータン本体201を取り付けるための紐3が表部材211と裏部材212との間に挿通されるため、シュータン本体201の裏部材212から紐3が露出しない。これにより、紐3が足に当たることを防止できる。
【0041】
また、他の例のシューズ1においても、第1先端孔51-1および第2先端孔51-2の間隔と第1固定用孔20h-1および第2固定用孔20h-2の間隔とが等しいことから、紐3が第1固定用孔20h-1と第1先端孔51-1とを連続して貫通するとともに、紐3が第2固定用孔20h-2と第2先端孔51-2とを連続して貫通することにより、第1先端孔51-1に対する第1固定用孔20h-1の位置、および、第2先端孔51-2に対する第2固定用孔20h-2の位置は概ね固定される。従って、シューズ本体10に対するシュータン本体201の位置ずれを生じ難くすることができる。
【0042】
以上説明したように、本実施形態によれば、シュータン本体201を容易に交換可能にしたシューズ1を提供することが可能となる。これにより、好みのシュータン20を取り付けてシューズ1のデザイン変化やアクセントを加えるといったファッション性を楽しむことができる。また、シューズ1をスポーツに用いる場合、シュータン本体201を容易に交換可能にすることでシュータン本体201の選択の幅が広がり、シューズ1の機能性向上が期待される。
【0043】
なお、本発明は上述した例に限定されない。
例えば、上述した例ではシュータン本体201に2つの固定用孔20hが設けられた例を示したが、3つ以上の固定用孔20hが設けられていてもよい。この場合、シューズ本体10には、3つ以上の固定用孔20hに対応した3つ以上の先端孔51が設けられていてもよい。
また、シュータン本体201のシューズ本体10への取り付けにおいて、シューズ本体10の第2開口10h2を締める紐3とは別の紐を用いてもよい。これにより、シュータン20を交換する際、紐3を紐通し孔50から外すことなく、シュータン20を取り付けている別の紐だけを外せば、シュータン20を独立して着脱することができるようになる。
【0044】
本発明は、シュータンを備えた任意のシューズに適用可能であり、例えばスニーカーなどの日常用のシューズ、スポーツ用シューズ(スキー靴、スケート靴、スノーボードブーツ、自転車用シューズ、ランニング用シューズ、登山用シューズ、トレッキング用シューズなど)、他の用途のシューズに適用可能である。
【0045】
また、前述の各実施形態またはその適用例に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、各実施形態の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0046】
1…シューズ、3…紐、10…シューズ本体、10h1…第1開口、10h2…第2開口、20…シュータン、20h…固定用孔、20h-1…第1固定用孔、20h-2…第2固定用孔、40…フック、41…カシメ、50…紐通し孔、51…先端孔、51-1…第1先端孔、51-2…第2先端孔、101…アッパー部、102…ソール部、111…先端部分、112…外側部分、113…内側部分、114…後端部分、115…上方延出部分、121…つま先部分、122…かかと部分、123…土踏まず部分、201…シュータン本体、211…表部材、212…裏部材