(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024037057
(43)【公開日】2024-03-18
(54)【発明の名称】証憑データ管理システム、および証憑データ管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/42 20120101AFI20240311BHJP
【FI】
G06Q20/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022141700
(22)【出願日】2022-09-06
(71)【出願人】
【識別番号】522355189
【氏名又は名称】トイトイトイ・コネクト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135781
【弁理士】
【氏名又は名称】西原 広徳
(74)【代理人】
【識別番号】100217227
【弁理士】
【氏名又は名称】野呂 亮仁
(72)【発明者】
【氏名】秋吉 誠也
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA78
(57)【要約】
【課題】証憑データを発行する事業者および証憑データを受領する消費者の双方の利便性を向上させることができる。
【解決手段】証憑データ管理システム1は、事業者において使用される事業者側端末4と、消費者が使用する消費者側端末3と、管理サーバ2を有する。証憑データ管理システム1は、商品等の取引金額および取引金額にかかる税率を含む取引データを取得し、取引データに基づいて証憑データを生成し、証憑データを管理サーバ2に記憶し、証憑データに紐付けられた読出キーデータを作成し、読出キーデータを消費者側端末3に取得させ、消費者側端末3で読出キーデータを取得したときに、読出キーデータに紐付けられた証憑データを消費者側端末3に送信し、事業者側端末4からの入力操作に応じて証憑データの一部内容を修正し、かつ、修正部分に修正後表示を付加した修正済の証憑データを生成する。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品またはサービスを提供する事業者において使用される事業者側端末と、商品またはサービスの提供を受ける消費者が使用する消費者側端末と、記憶部を備えた管理サーバとを有する証憑データ管理システムであって、
商品またはサービスの取引金額および前記取引金額にかかる税率を含む取引データを取得する取引データ取得手段と、
前記取引データに基づいて証憑データを生成する証憑データ生成手段と、
前記証憑データを前記記憶部に記憶する記憶手段と、
前記証憑データに紐付けられた読出キーデータを作成し、前記読出キーデータを前記消費者側端末に取得させるキー発行手段と、
前記消費者側端末で前記読出キーデータを取得したときに、前記読出キーデータに紐付けられた前記証憑データを前記消費者側端末に送信する証憑データ送信手段と、
前記事業者側端末からの入力操作に応じて前記証憑データの一部内容を修正し、かつ、修正部分に修正後表示を付加した修正済の証憑データを生成する修正手段を備えた
証憑データ管理システム。
【請求項2】
前記事業者側端末からの入力操作に応じて前記事業者が発行する証憑データにおいて前記取引金額にかかる税率のデータを事前登録する税率登録手段をさらに備える、
請求項1記載の証憑データ管理システム。
【請求項3】
前記事業者側端末からの入力操作に応じて前記事業者が発行する証憑データにおける宛名のデータを事前登録する宛名登録手段をさらに備える、
請求項1記載の証憑データ管理システム。
【請求項4】
複数の消費者が前記取引金額を割り勘で支払う際に、各消費者が負担する負担金額を算出する割り勘額算出手段をさらに備え、
前記証憑データ生成手段は、負担金額に応じて消費者毎に証憑データを生成する
請求項1、2または3記載の証憑データ管理システム。
【請求項5】
第1の画像と、第2の画像とを重ね合わせた証憑データのデザインのデータを事前登録するデザイン登録手段をさらに備える、
請求項4記載の証憑データ管理システム。
【請求項6】
商品またはサービスを提供する事業者において使用される事業者側端末と、商品またはサービスの提供を受ける消費者が使用する消費者側端末と、記憶部を備えた管理サーバを有する証憑データ管理システムにおける証憑データ管理方法であって、
商品またはサービスの取引金額および前記取引金額にかかる税率を含む取引データを取得し、
前記取引データに基づいて証憑データを生成し、
前記証憑データを前記記憶部に記憶し、
前記証憑データに紐付けられた読出キーデータを作成し、前記読出キーデータを前記消費者側端末に取得させ、
前記消費者側端末で前記読出キーデータを取得したときに、前記読出キーデータに紐付けられた前記証憑データを前記消費者側端末に送信し、
前記事業者側端末からの入力操作に応じて前記証憑データの一部内容を修正し、かつ、修正部分に修正後表示を付加した修正済の証憑データを生成する
証憑データ管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、たとえば、証憑を電子化したデータ(証憑データ)を発行ないし管理するような、証憑データ管理システム、および証憑データ管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、物を購入した又はサービスを受けたときの金額を含む領収書に記載する領収書情報をサーバに記憶させておき、QRコード(登録商標)のような二次元バーコードを読出情報として使用し、スマートフォン等で読出情報を読み込んで領収書情報を読み出すことができるシステムが提案されている(特許文献1参照)。この従来技術のシステムでは、消費者側端末から領収書情報に対して追加情報の記載を行うことができる。
【0003】
しなしながら、従来技術では、領収書の発行元である店舗側端末からは領収書情報を修正することができず、さらに、消費者側端末から修正があった場合に修正後の領収書情報が原本として保存されてしまう。このため、修正があった場合に追加修正済であること、およびその部分が追加修正されたかがわかり難く、発行者である事業者だけでなく消費者にとっても不便である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、上述の問題に鑑みて、証憑データを発行する事業者および証憑データを受領する消費者の双方の利便性を向上させることができる、証憑データ管理システム、および証憑データ管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、商品またはサービスを提供する事業者において使用される事業者側端末と、商品またはサービスの提供を受ける消費者が使用する消費者側端末と、記憶部を備えた管理サーバとを有する証憑データ管理システムであって、前記事業者側端末で入力された商品またはサービスを提供したときの取引金額および前記取引金額にかかる税率を含む取引データを取得する取引データ取得手段と、前記取引データに基づいて証憑データを生成する証憑データ生成手段と、前記証憑データを前記記憶部に記憶する記憶手段と、前記証憑データに紐付けられた読出キーデータを作成し、前記読出キーデータを消費者側端末に取得させるキー発行手段と、前記消費者側端末で前記読出キーデータを取得したときに、前記読出キーデータに紐付けられた前記証憑データを前記消費者側端末に送信する修正済証憑データ送信手段と、前記事業者側端末からの入力操作に応じて前記証憑データの一部内容を修正し、かつ、修正部分に修正後表示を付加した修正済の証憑データを生成する修正手段とを備えた証憑データ管理システム、および証憑データ管理方法であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明により、証憑データを発行する事業者および証憑データを受領する消費者の双方の利便性を向上させることができる証憑データ管理システム、および証憑データ管理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】この発明の証憑データ管理システムの構成の一例を示す説明図。
【
図2】管理サーバの補助記憶部に記憶されるデータの一例を示す説明図。
【
図6】領収書データ確認画面の一形態の画面構成の説明図。
【
図7】メニューウインドウを含む領収書データ確認画面の一形態の画面構成の説明図。
【
図11】再発行時の領収書データ確認画面の一形態の画面構成の説明図。
【
図12】修正発行時の領収書データ確認画面の一形態の画面構成の説明図。
【
図13】修正発行時の修正事項表示画面の一形態の画面構成の説明図。
【
図14】変形例における領収書データ確認画面の一形態の画面構成の説明図。
【
図15】事前登録画面の一形態の画面構成の説明図。
【
図16】事前登録画面の他の形態の画面構成の説明図。
【
図17】割り勘金額入力画面の一形態の画面構成の説明図。
【
図18】割り勘金額入力画面の他の形態の画面構成の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の一実施形態を図面と共に説明する。
<システム構成>
【0010】
図1は、証憑データ管理システム1のシステム構成の一例を示すブロック図である。本発明の証憑データ管理システム1は、取引の成立を証明するための証憑を電子化したデータ(証憑データ)を管理するためのシステムである。
【0011】
本発明の証憑データ管理システム1で取り扱われる証憑データは、見積書、発注書、注文書、納品書、請求書、契約書、レシート、領収書、小切手、手形、借用証書、入庫伝票、出庫伝票、入金伝票、出金伝票等の証憑書類を電子化したものである。この証憑データは、証憑書類に記載されていた事項のデータを含有している。たとえば、証憑データは、取引の日付、取引に係る商品またはサービスの名称、取引金額、取引金額にかかる税率、取引者の氏名または名称、および商品またはサービスを提供した事業者の登録番号等のデータを含有している。また、証憑データには、取引毎に、各取引を識別(特定)するための識別データが紐づけられる。識別データとしては、通し番号や任意のID(英文字、数字、記号あるいはこれらの組み合わせによる文字列)等を用いることができる。
【0012】
図1に示すように、証憑データ管理システム1は、管理サーバ2、複数の消費者側端末3、および複数の事業者側端末4を含み、管理サーバ2、複数の消費者側端末3のそれぞれ、および複数の事業者側端末4のそれぞれは、インターネットのような公衆回線等のネットワーク5に接続される。本実施形態では、管理サーバ2、複数の消費者側端末3のそれぞれ、および複数の事業者側端末4のそれぞれは、ネットワーク5を介して相互に通信可能である。事業者側端末4は、商品またはサービスを提供する事業者において使用される(事業者の担当者が使用する)端末である。消費者側端末3は、事業者から商品またはサービスの提供を受ける消費者が使用する端末である。
【0013】
管理サーバ2は、汎用のサーバコンピュータで構成されており、消費者側端末3は、タブレットPC、ウェアラブルコンピュータ、スマートフォン、フィーチャーフォンおよび携帯型ゲーム機等の可搬型のコンピュータ(携帯端末)で構成される。事業者側端末4は、汎用のコンピュータであり、たとえば、デスクトップPC、ノート(ラップトップ)PC、タブレットPC、およびPOS(point of sales)レジスタ等である。なお、管理サーバ2は、1台のサーバコンピュータで構成されてもよいし、複数のサーバコンピュータで構成されてもよい。また、管理サーバ2の一部または全部がクラウドサーバであってもよい。
【0014】
管理サーバ2は、制御部21、通信部22、および補助記憶部23を備えている。通信部22、および補助記憶部23のそれぞれは、制御部21に接続されている。
【0015】
消費者側端末3は、制御部31、入力部32、表示部33、撮像部34、通信部35、および補助記憶部36を備えている。入力部32、表示部33、撮像部34、通信部35、および補助記憶部36のそれぞれは、制御部31に接続されている。
【0016】
事業者側端末4は、制御部41、入力部42、表示部43、通信部45、および補助記憶部46を備えている。入力部42、表示部43、通信部45、および補助記憶部46のそれぞれは、制御部41に接続されている。
【0017】
制御部21は、演算部24および主記憶部25を含み、管理サーバ2における各種演算および制御動作を実行する。制御部31は、演算部37および主記憶部38を含み、消費者側端末3における各種演算および制御動作を実行する。制御部41は、演算部47および主記憶部48を含み、事業者側端末4における各種演算および制御動作を実行する。
【0018】
演算部(24、37、47)は、CPUまたはMPUなどを含む演算処理部である。主記憶部(25、38、48)は、RAM(DRAM)およびROMなどを含む。RAMは、演算部(24、37、47)のワーク領域およびバッファ領域として用いられる。ROMは、管理サーバ2、消費者側端末3または事業者側端末4の起動プログラムや各種情報についてのデフォルト値等を記憶する。
【0019】
入力部(32、42)は、消費者または事業者の担当者(事業者側担当者)の操作入力を受け付ける入力部品、および入力部品と演算部(37、47)との間に介在する入力検出回路を含む。入力部品は、たとえばタッチパネルまたは/およびハードウェアのマウスや操作キーである。タッチパネルとしては、静電容量方式、電磁誘導方式、抵抗膜方式、赤外線方式など、任意の方式のものを用いることができる。入力検出回路は、各入力部品の操作に応じた操作信号ないし操作データを演算部(37、47)に出力する。
【0020】
表示部(33、43)は、表示装置(ディスプレイ)、および表示装置と演算部(37、47)との間に介在する表示制御回路を含む。表示装置としては、たとえばLCD(液晶ディスプレイ)または有機ELディスプレイなどを用いることができる。表示制御回路は、GPUおよびVRAMなどを含む。演算部(37、47)の指示の下、GPUは、RAMに記憶された画像生成用のデータを用いて表示装置に種々の画面を表示するための表示画像データをVRAMに生成し、生成した表示画像データを表示装置に出力する。
【0021】
撮像部34は、撮像素子(イメージセンサ)およびフォーカスレンズ等を有し、撮像素子から取り込んだ可視光としての撮像光を、電気信号へと変換することによって撮像を行う。撮像素子の例としては、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の固体撮像素子が挙げられる。撮像部34から出力された撮像画像データは、主記憶部38または補助記憶部36に記憶される。
【0022】
通信部(22、35、45)は、ネットワーク5に接続するための通信回路を含む。通信回路は、有線通信回路または無線通信回路であり、演算部(24、37、47)からの指示に従って、ネットワーク5を介して、外部コンピュータと通信する。また、通信部(35、45)は、無線通信で相互に直接通信することもできる。
【0023】
補助記憶部(23、36、46)は、HDD、SSD、フラッシュメモリ、EEPROMなどの他の不揮発性メモリで構成され、演算部(24、37、47)が管理サーバ2、消費者側端末3または事業者側端末4の動作を制御するための各種プログラムおよび各種データなどを記憶する。
【0024】
消費者側端末3の補助記憶部36は、消費者の操作入力に応じて本システムにおける消費者側端末3の各種動作を実行するための消費者用プログラム36aと、本システムの利用に必要となる消費者用データ36bとを記憶している。
【0025】
消費者用プログラム36aおよび消費者用データ36bは、必要に応じて補助記憶部36から読み出され主記憶部38(RAM)に記憶される(展開される)。消費者側端末3の動作は、演算部37が主記憶部38(RAM)に展開された消費者用プログラム36aを実行することによって実現される。
【0026】
消費者用プログラム36aは、少なくとも、撮像部34を制御して撮像画像を取得するための撮像プログラム、撮像画像に含まれる符号(コード)の画像(符号画像)を抽出し、抽出した符号画像を復号して、符号に埋め込まれた情報を取得する(符号読取機能を実行する)ための復号プログラム、管理サーバ2にアクセス(管理サーバ2との通信を確立)するための通信プログラム、管理サーバ2からデータをダウンロード(取得)するためのデータ取得プログラム、および消費者側端末3が備える各種の機能を選択および実行するためのプログラム等を含む。消費者用データ36bは、少なくとも、本システムにおいて必要な消費者のデータを含む。
【0027】
事業者側端末4の補助記憶部46は、事業者側担当者の操作入力に応じて本システムにおける事業者側端末4の各種動作を実行するための事業者用プログラム46aと、本システムの利用に必要となる事業者用データ46bとを記憶している。
【0028】
事業者用プログラム46aおよび事業者用データ46bは、必要に応じて補助記憶部46から読み出され主記憶部48(RAM)に記憶される(展開される)。事業者側端末4の動作は、演算部47が主記憶部48(RAM)に展開された事業者用プログラム46aを実行することによって実現される。
【0029】
事業者用プログラム46aは、少なくとも、管理サーバ2にアクセス(管理サーバ2との通信を確立)するための通信プログラム、管理サーバ2にアクセスして、あるいは事業者用データ46bの一部として記憶されている証憑データ管理サービスのアプリケーション(以下、「証憑データ管理アプリ」という。)を実行するためのアプリ実行プログラム、および事業者側端末4が備える各種の機能を選択および実行するためのプログラム等を含む。
【0030】
図示は省略するが、消費者側端末3は、通話機能に係るコンポーネント(スピーカおよびマイクなど)や、GPS衛星の電波等を利用した現在位置取得機能に係るコンポーネント(GPS衛星の電波を受信するアンテナなど)を備えていてもよい。
【0031】
なお、
図1に示す管理サーバ2の構成、消費者側端末3の構成および事業者側端末4の構成は、単なる一例であり、これに限定される必要はない。例えば、管理サーバ2、消費者側端末3および事業者側端末4は、SDカードまたはUSBメモリなどの各種の記憶媒体(外部記憶媒体)からデータを読み出したり、外部記憶媒体にデータを書き込んだりするためのインターフェイス(外部記憶媒体接続部)や通信ケーブルを介して他の端末と通信するためのインターフェイス(通信ケーブル接続部)を備えていても良い。
【0032】
図2に示すように、管理サーバ2の補助記憶部23は、管理サーバ2の各種動作を実行するための管理プログラム26と、本システムの利用に必要となる(少なくとも証憑データ管理サービスの実施に関連する)管理用データ27と、を記憶している。管理プログラム26は、管理サーバ2の制御部21によって実行される。
【0033】
管理プログラム26は、管理サーバ2が備える各種の機能を選択および実行するためのメイン処理プログラム26a、取引が成立した際の取引に係るデータ(取引データ)を取得するための取引データ取得プログラム26b、取引データに基づいて取引の成立を証明するための証憑データを生成するための証憑データ生成プログラム26c、証憑データに紐づけられた読出キーのデータ(読出キーデータ)を発行するための読出キー発行プログラム26d、取引データまたはこれに基づいて生成された証憑データの一部内容を修正するための修正プログラム26e、証憑データの発行履歴および修正履歴を管理するための証憑データ管理プログラム26f、消費者側端末3からの要求に応じて証憑データを消費者側端末3に送信するための証憑データ送信プログラム26g、および事前登録データ27fを登録するための事前登録プログラム26h等を含有する。なお、管理プログラム26は、管理サーバ2において取り扱われる各種データを記憶させるための記憶プログラムも含有する。
【0034】
管理用データ27は、本システムを利用する各事業者のデータである事業者データ27a、本システムを利用する各消費者のデータである消費者データ27b、取引データ取得プログラム26bに従って取引毎に取得される取引データ27c、取引データ27cに基づいて生成される証憑データ27d、証憑データに紐づけられた読出キーのデータである読出キーデータ27e、および証憑データの生成にあたり各事業者が事前に登録しているデータ(税率のデータ、宛名のデータ、証憑データのデザインデータなど)である事前登録データ27f等を含有する。また、管理用データ27は、管理サーバ2にアクセスした消費者側端末3(表示部33)または事業者側端末4(表示部43)に種々の画面を表示させるための画面データ等も含有している。
【0035】
管理サーバ2の補助記憶部23に登録される各種データ(管理用データ27を含む)は、必要に応じて補助記憶部36から読み出され主記憶部25(RAM)に展開される。管理サーバ2の動作は、主記憶部25に展開されたデータを用いて、演算部24が主記憶部25に記憶された管理プログラム26やその他のプログラムを実行することによって実現される。
<システム動作例>
【0036】
以下、
図3ないし
図18を参照して証憑データ管理システム1の動作例を説明する。本発明では、商品またはサービスの取引があった場合であって、当該取引の消費者が証憑データの発行を希望した場合、事業者は、証憑データ管理アプリを利用して証憑データを発行することができる。以下の動作例では、証憑データが領収書の電子データ(領収書データ)である場合(消費者が領収書データの発行を希望した場合)を例に挙げて説明する。
【0037】
事業者側端末4で証憑データ管理アプリが実行されると、事業者側端末4は、管理サーバ2に自動的にアクセスする。事業者側端末4の表示部43(表示装置)には、種々の操作画面が表示される。なお、事業者側端末4で入力されたデータは、管理サーバ2に適宜送信される。本実施形態では、証憑データ管理アプリが実行されると、最初に、
図3に示すような機能選択画面100が表示部43に表示される。
【0038】
図3に示す機能選択画面100は、証憑データ管理アプリの操作画面の一例である。機能選択画面100は、証憑データ(領収書データ)の発行に関する機能(証憑データ管理アプリが備える機能)の選択を受け付けるための画面であり、新規に領収書データを生成する際に税率を設定する税率設定機能に係る税率設定部101と、特殊な機能を選択する特殊機能選択部102とを有している。
【0039】
税率設定部101は、商品またはサービスの取引金額に課される税(たとえば消費税)の割合(いわゆる税率)を設定するために設けられる。税率設定部101には、或る税率(以下、「税率A」という。)を選択するための第1税率選択部101aと、税率Aとはことなる税率(税率B)を選択するための第2税率選択部101bと、税率Aおよび税率Bが混在する場合(両方の税率が適用される)を選択するための第3税率選択部101cとが設けられる。第1税率選択部101a、第2税率選択部101bおよび第3税率選択部101cには、各税率(各選択部)を選択するためのチェックボックスが設けられる。たとえば、税率Bは、通常の消費税率であり、税率Aは、生活必需品等に適用される軽減税率である。税率設定部101では、チェックボックスに代えて、またはこれに加えて、税率を示すテキストの入力を受け付けるテキストボックス(入力欄)を設けても良い。なお、実際の税率は国・地域によって異なるほか、法改正等によって変動することがある。また、税率を設定する必要が無い場合(税率が一定である場合)には税率設定部101は省略することもできる。
【0040】
特殊機能選択部102には、領収書データの再発行処理を行うための再発行機能選択部102a、領収書データの修正発行処理を行うための修正発行機能選択部102b、予め登録されているパターンによる証憑データの発行処理(パターン発行処理)を行うためのパターン機能選択部102c、割り勘による支払に対応した証憑データの発行処理(割り勘発行処理)を行うための割り勘機能選択部102dが設けられる。なお、再発行処理、修正発行処理、パターン発行処理および割り勘発行処理の詳細については後述する。
【0041】
また、機能選択画面100には、キャンセルボタン104と、OKボタン105が設けられている。キャンセルボタン104およびOKボタン105は、画面上に表示されるソフトウェアキー(操作ボタン)として機能する。以下、ソフトウェアキーを単に「ボタン」という。キャンセルボタン104が操作されると、その操作画面(キャンセルボタン104の場合には機能選択画面100)で入力された内容が破棄される(キャンセルされる)。また、キャンセルボタン104が操作されると、1つ前の操作画面に遷移する(前の画面に戻る)ことがある。キャンセルボタン104の機能は、後述するキャンセルボタン114,124,154,164,194,204,214,224も同じである。OKボタン105が操作されると、操作画面(OKボタン105の場合には機能選択画面100)で入力された内容が確定する。また、OKボタン105が操作されると、後続する操作画面に遷移する(次の画面に進む)ことがある。OKボタン105の機能は、後述するOKボタン115,125,155,165,195,205,215,225も同じである。
【0042】
税率設定部101においていずれかの税率が設定されている状態(第1税率選択部101a、第2税率選択部101bおよび第3税率選択部101cのチェックボックスにチェックが入れられた状態)でOKボタン105が操作されると、あるいは予め税率が登録されている場合等税率を設定する必要が無い状態でOKボタン105が操作されると、
図4に示すような金額入力画面110が表示部43に表示される。
【0043】
図4に示す金額入力画面110は、設定された税率に係る取引金額を入力するための操作画面の一例である。金額入力画面110は、入力された取引金額が表示される金額表示部111と、取引金額の入力を促すメッセージ部112と、取引金額を入力するための入力部113と、キャンセルボタン114と、OKボタン115を有している。なお、金額入力画面110で入力される取引金額は、税込みの金額(税込金額)である。
【0044】
入力部113は、「0」~「9」、「00」、「000」などの数字が割り当てられた数字ボタンを有しており、数字ボタンが操作されると、割り当てられた数字が金額表示部111に入力される(反映される)。金額表示部111に入力された数字が取引金額として扱われる。
【0045】
金額表示部111に取引金額が入力されている状態でOKボタン115が操作されると、取引金額が確定し、
図5に示すような金額確認画面120が表示部43に表示される。なお、複数の税率が混在する場合、全ての税率に係る取引金額を入力するための画面(画面構成は金額入力画面110と同様)が順次表示され、全ての税率に係る取引金額が確定した後に、
図5に示すような金額確認画面120が表示部43に表示される。
【0046】
図5に示す金額確認画面120は、確定した取引金額を確認するための操作画面の一例である。金額確認画面120は、確定した取引金額の合計額(合計金額)が表示される合計金額表示部121と、複数の税率が混在する場合に税率毎の金額(税率毎金額)が表示される税率毎金額表示部122と、キャンセルボタン124と、OKボタン125を有している。なお、税率毎金額表示部122は、複数の税率が混在しない場合(1種類の税率に係る取引金額のみである場合)には省略することもできる。取引金額に誤りがある場合には、キャンセルボタン124を操作して金額入力画面110に戻り、取引金額を修正することができる。
【0047】
金額確認画面120でOKボタン125が操作されると、管理サーバ2は確定した取引金額(合計金額)および取引金額にかかる税率を含む取引データを取得し、取得した取引データに応じて領収書データ(証憑データ)を自動的に作成する。領収書データが作成されると、
図6に示すような領収書データ確認画面130が表示部43に表示される。
【0048】
図6に示す領収書データ確認画面130は、取引に係る領収書データの内容を確認するための操作画面の一例である。領収書データ確認画面130は、宛名が表示される宛名表示部131、識別データ(本実施形態では通し番号)が表示される識別データ表示部132、領収書データの発行年月日が表示される発行年月日表示部133、取引に係る取引金額(合計金額)が表示される取引金額表示部134、取引に係る商品またはサービスの内容(いわゆる「但し書き」)が表示される取引内容表示部135、領収書データの発行者(発行者名および発行者の住所など)の情報が表示される発行者情報表示部136、複数の税率が混在する場合に税率毎の金額(税率毎金額)が表示される税率毎金額表示部137、発行者の登録番号(事業者が税務署へ登録する際に割り当てられる番号)が表示される登録番号表示部138等を有している。なお、発行者とは、領収書データに係る商品またはサービスを提供した事業者のことである。また、識別データとしての通し番号は、事業者毎に過去に使用していない最も若い番号等が自動的に入力されていてもよい。発行者情報および登録番号については、事業者毎に事前登録されていた場合、自動的に入力されている。取引金額(合計金額)および税率毎金額については、金額入力画面110で入力した金額が自動的に入力されている。さらに、宛名表示部131、発行年月日表示部133、取引内容表示部135、および税率毎金額表示部137のそれぞれはテキストの入力を受け付けるテキストボックス(入力欄)を有しており、入力部42を介して適宜のテキストの入力を受け付けることができる。たとえば、宛名、発行年月日、取引内容等については消費者の希望に従って任意の文字、数字および記号等を入力することができる。
【0049】
領収書データ確認画面130が表示されている状態で所定の操作(メニューウインドウ表示操作:たとえば画面上のタッチ操作またはハードウェアの操作ボタンないし操作キーへの操作入力等)が行われると、
図7に示すように領収書データ確認画面130にメニューウインドウ139が表示される。メニューウインドウ139は、クレジットカード情報付加ボタン139aと、領収書データの一部内容を修正するための修正ボタン139bと、領収書データの内容を確定させるための確定ボタン139cとを有している。
【0050】
図示は省略するが、クレジットカード情報付加ボタン139aが操作されると、取引の決済に利用したクレジットカードのブランドを特定するための情報(クレジットカード情報)を入力または選択するための操作画面が表示される。クレジットカードのブランドを特定されると、領収書データの任意の位置にクレジットカード情報を示す文字または画像(クレジットカード会社のブランドロゴの画像等)が付加(追加表示)される。
【0051】
修正ボタン139bが操作されると、領収書データの一部内容を修正するための操作画面(修正画面)が表示される。ここでは、宛名表示部131に表示された宛名、発行年月日表示部133に表示された領収書データの発行年月日、取引内容表示部135に表示された取引に係る商品またはサービスの内容、または税率毎金額表示部137に表示された税率毎の税率毎金額等を修正することができる。
【0052】
確定ボタン139cが操作されると、領収書データの内容が確定され、管理サーバ2は、確定した内容の領収書データを作成し、補助記憶部23に記憶する。領収書データは、少なくとも消費者側端末3の表示部33で表示可能(処理可能)であり、人間が視覚的に視認可能な形式のデータであればよい。領収書データは、文書データ、テキストデータ、画像データ等任意のファイル形式とすることができ、ファイル形式などは特に限定されない。たとえば、領収書データは、PDFやCSV形式のデータとして作成される。
【0053】
また、管理サーバ2は、確定した内容の領収書データを作成したときに、領収書データに紐づけられた読出キーデータを発行(作成)する。本実施形態では、読出キーデータとして符号の画像(符号画像)を発行する。符号画像には、管理サーバ2にアクセスし、管理サーバ2に記憶された領収書データをダウンロードするためのURL等のデータが埋め込まれている。符号画像のデータ(符号画像データ)が作成されると、
図8に示すような符号表示画面140が表示部43に表示される。
【0054】
符号表示画面140は、符号画像が表示された符号画像表示部141と、符号表示画面140を閉じる機能が割り当てられた閉じるボタン142とを有している。符号は、2次元コード等の汎用のコードである。2次元コードは、QRコード(登録商標)、マイクロQRコード、Aztec、DataMATRIX、MaxiCODEおよびVeriCODE等のマトリクス型2次元コードでも良いし、PDF417およびCODE49等のスタック型2次元コードでも良い。
【0055】
事業者側担当者は、符号画像表示部141に表示された符号画像を消費者に提示し、消費者は、消費者側端末3の撮像部34を起動して符号画像を読み取る。消費者側端末3において符号画像の読取が成功すると、消費者側端末3は、管理サーバ2にアクセスし、管理サーバ2に記憶されており、符号画像(読出キーデータ)に紐づけられた領収書データをダウンロードする。このようにして、事業者は、消費者の求めに応じて領収書データを作成し、消費者に領収書データを渡すことができる。すなわち、事業者は、領収書データを即時発行し、消費者は、即時発行された領収書データを消費者側端末3に記憶させて持ち運ぶことができる。したがって、領収書データ(証憑データ)を発行する事業者および証憑データを受領する消費者の双方の利便性を向上させることができる。
【0056】
また、領収書データを渡す他の方法(読出キーデータの他の形態)としては、管理サーバ2に記憶された領収書データをダウンロードするためのURLデータを読出キーデータとし、このURLデータを事業者側端末4から消費者側端末3に近距離無線で送信(近距離無線を介して取得)してもよい。
【0057】
なお、セキュリティ確保の観点から、一度利用された読出キーデータは、無効化して2回目以降利用できないようにしてもよいし、あるいは、同じ読出キーデータで2回以上領収書データをダウンロードできないようにしても良い。
【0058】
次に、再発行処理および修正発行処理について説明する。
図3に戻って、機能選択画面100で再発行機能選択部102aまたは修正発行機能選択部102bのいずれかが選択されると、再発行処理または修正発行処理が開始される。ここで、再発行処理および修正発行処理では、最初に、再発行対象または修正対象となる領収証データを特定する処理(対象データ特定処理)を行う。この対象データ特定処理は、再発行処理および修正発行処理において共通するため、区別せず説明する。
【0059】
再発行処理または修正発行処理が開始されると、
図9に示すような領収書データ検索画面(領収書データ検索画面)150が表示部43に表示される。領収書データ検索画面150は、既に作成済で管理サーバ2に記憶されている領収書データを検索するための操作画面の一例である。領収書データ検索画面150は、領収書データが作成された日(日付)を入力するための日付入力部151と、領収書データの識別データ(通し番号)の一部または全部を入力するための識別データ入力部152と、日付または識別データ(通し番号)の入力を促すメッセージ部153と、キャンセルボタン154と、OKボタン155を有している。
【0060】
日付入力部151に日付を入力した状態または識別データ入力部152に識別データの一部が入力された状態であって、かつ、再発行対象または修正対象の候補となる領収書データ(領収書データ候補)が複数存在する場合にOKボタン155が操作されると、
図10に示すような候補一覧画面(領収書データ候補一覧画面)160が表示部43に表示される。候補一覧画面160は、入力された日付に作成された領収書データ候補の一覧を表示するための操作画面の一例である。候補一覧画面160は、入力された日付を表示する日付表示部161と、領収書データ候補の識別データを表示する識別データ表示部162と、領収書データ候補の宛名を表示する宛名表示部163と、キャンセルボタン164と、OKボタン165を有している。候補一覧画面160では、タッチ操作等により、領収書データ候補の中から再発行対象または修正対象とする領収書データを選択することができる。ただし、領収書データ候補が1つのみである場合には、候補一覧画面160を省略することができる。
【0061】
再発行処理が実行されている状態において、候補一覧画面160で再発行対象とする領収書データが選択されるか、あるいは再発行対象とする領収書データ候補が1つのみである場合には、管理サーバ2は再発行対象の領収書データに基づいて再発行済の領収書データを作成する(再発行済の領収書データに書き換える)。再発行済の領収書データが作成されると、
図11に示すような再発行時の領収書データ確認画面130Sが表示部43に表示される。
【0062】
再発行時の領収書データ確認画面130Sは、領収書データ確認画面130の画面構成を一部変更したものである。具体的には、「領収書」の文字に隣接する位置に再発行されたものであることを示す第1付加データ171が追加された他、識別番号の末尾に再発行されたものであることを示す第2付加データ172が追加されている。これら以外は領収書データ確認画面130と同じである。すなわち、再発行済の領収書データは、通常の領収書データに対して第1付加データ171および第2付加データ172が付加(追加表示)されたものである。
【0063】
図11に示す例では、第1付加データ171は「(再2)」の文字列であり、「再」の文字に再発行回数(n)を示す数字(n+1)が付加されており、再発行されたものであること、および再発行された回数を認識することができる。また、第2付加データ172は、「‐1S」であり、特殊処理である再発行が行われたことを示す「S」の文字に再発行回数(n)を示す数字が付加されており、再発行されたものであること、および再発行された回数を認識することができる。なお、
図11に示す第1付加データ171および第2付加データ172の態様は一例であり、再発行されたものであること、および再発行された回数を認識することができるものであれば、他の文字、図形、記号等適宜の態様に変形することができる。
【0064】
修正発行処理が実行されている状態において、候補一覧画面160で修正発行対象とする領収書データが選択されるか、あるいは修正発行対象とする証憑データ候補が1つのみである場合には、図示は省略するが、領収書データの一部内容を修正するための操作画面(修正画面)が表示される。修正画面では、宛名表示部131に表示された宛名、発行年月日表示部133に表示された領収書データの発行年月日、取引内容表示部135に表示された取引に係る商品またはサービスの内容、または税率毎金額表示部137に表示された税率毎の税率毎金額等を修正することができる。管理サーバ2は修正画面で修正された内容に基づいて、修正済の領収書データ(修正済の証憑データ)を作成(発行)する。このとき、修正前の領収書データは修正済の領収書データとは別のデータとして管理サーバ2上に記憶されていてもよい。修正済の領収書データが作成されると、
図12に示すような修正発行時の領収書データ確認画面130Mが表示部43に表示される。修正発行時の領収書データ確認画面130Mは、領収書データ確認画面130の画面構成を一部(修正された部分を)変更したものである。
【0065】
図12に示す例では、税率Bの対象の取引金額が修正されており、領収書データ確認画面130Mでは、修正後の取引金額を示す(修正内容そのものに対応する)第1修正データ173が表示されており、第1修正データ173に付随して、識別番号の末尾に修正発行されたもの(修正済の領収書データ)であることを示す第3付加データ174と、領収書データの内容が修正されたことを示す第4付加データ175とが追加されている。
図12に示す例では、第3付加データ174は、「‐1M」であり、特殊処理である修正発行が行われたことを示す「M」の文字に修正発行回数(n)を示す数字が付加されており、修正済の領収書データであること、および修正発行された回数を認識することができる。すなわち、第3付加データ174は、修正発行用の付加データということができ、再発行時とは異なる文字が付加されているため、再発行と修正発行とを容易に区別することができる。また、第4付加データ175は、修正済の領収書データであることを示すメッセージを有しており、取引内容表示部135に代えて表示されている。すなわち、修正済の領収書データは、通常の領収書データに対して第1修正データ173、第3付加データ174および第4付加データ175等が付加(追加表示)されたものである。
【0066】
また、修正発行時の領収書データ確認画面130Mでは、領収書データのうち修正された部分(修正部分)が認識しやすいように、修正部分および修正部分に付随する部分(第1修正データ173、第3付加データ174および第4付加データ175)と、これら以外の部分(修正部分に関係ない部分)とが区別可能な態様で表示されている。たとえば、領収書データのうち修正部分および修正部分に付随する部分は、強調表示されている。修正部分および修正部分に付随する部分を強調表示する方法としては、たとえば、下線が付されたり、模様が付されたり、適当な色彩が付されたり、太字で表示されたり、ハイライト表示されたりする。なお、
図11に示す第1付加データ171および第2付加データ172の態様は一例であり、修正部分と、修正発行されたものであること、および修正発行された回数を認識することができるものであれば、他の態様に変形することができる。
【0067】
再発行時の領収書データ確認画面130Sおよび修正発行時の領収書データ確認画面130Mにおいて所定の操作が行われると、メニューウインドウ139(
図7参照)が表示され、確定ボタン139cが操作されると領収書の内容が確定され、符号表示画面140(
図8参照)が表示される。このようにして、事業者は、再発行済の領収書データや修正済の領収書データを消費者に簡単に渡すことができる。
【0068】
ここで、修正発行時には、修正済の領収書データとは別に、
図13に示すような正誤対照表データ180が作成されるようにしてもよい。正誤対照表データ180には、領収書データにおける修正後の事項(正しい事項)181と、修正前の事項(誤っていた事項)182とが表示されている。正誤対照表データ180が作成されている場合、読出キーデータには、管理サーバ2にアクセスし、管理サーバ2に記憶された正誤対照表データ180をダウンロードするためのデータも埋め込まれており、修正済の領収書データとともに、正誤対照表データがダウンロードされるようにしてもよい。
【0069】
次に、パターン発行処理について説明する。
図3に戻って、機能選択画面100でパターン機能選択部102cが選択されると、パターン発行処理が開始される。パターン発行処理では、発行者(事業者)が領収書データに記載する事項等を事前登録データ27fとして予め登録しておき、事前登録データ27fを用いて領収書データを作成することができる。すなわち、発行者(事業者)毎に定型的な証憑データを簡単に発行することができる。
【0070】
具体的には、事前登録データ27fとして、複数の画像を重ね合わせた証憑データのデザインのデータ(デザインデータ)を登録することができる。たとえば、
図14に示すように、第1の画像130aと、第2の画像130bとを重ね合わせたデザインデータを登録することができる。たとえば、第1の画像130aは、所謂背景画像であり、領収書データの略全面に亘って表示された画像である。第2の画像130bは、第1の画像130aの一部に手前側(前面側)に重なるように表示された画像である。第2の画像130bの表示位置は任意の位置とすることができる。また、第2の画像130bとしては、ロゴタイプの画像、印影、挿絵、その他任意のイラストの画像等を用いることができる。第1の画像130aまたは第2の画像130bとしては、事業者側端末4から管理サーバ2にアップロードされた画像を用いることができる。第1の画像130aと、第2の画像130bと、これら(第1の画像130aおよび第2の画像130b)以外の部分のそれぞれがレイヤーとして重ねて表示される構成となっており、第1の画像130aがレイヤーにおける最後面に表示され、第1の画像130aおよび第2の画像130b以外の部分が最前面に表示されている。このようにすれば、第1の画像130aおよび第2の画像130bを自由に選択し、オリジナルデザインの領収書データを簡単に作成することができる。
【0071】
また、発行者(事業者)毎に予め税率のデータを登録しておくことができる。たとえば、
図15に示すように、任意の税率を登録するための税率登録画面190を表示部43に表示して、税率のデータを登録しておくことができる。税率登録画面190は、登録する税率を選択するための税率登録部191と、キャンセルボタン194と、OKボタン195を有している。税率登録部191には、本システムで設定可能な税率の種類ごとに、選択ボタン191a~191cが設けられている。
図15に示す例では、税率Aを選択するための第1選択ボタン191a、税率Bを選択するための第2選択ボタン191b、税率Aおよび税率Bを選択するための第3選択ボタン191cが設けられている。第1選択ボタン191a、第2選択ボタン191bおよび第3選択ボタン191cには、各税率(各選択ボタン)を選択するためのチェックボックスが設けられる。以上のように、発行者(事業者)毎に予め税率のデータを登録しておくことができる。予め税率のデータを登録しておくことによって、領収書データの作成時に税率を選択する工程を省略することができ、より簡易かつ迅速に領収書データを作成することができる。
【0072】
また、発行者(事業者)毎に予め宛名のデータを登録しておくことができる。たとえば、
図16に示すように、宛名を登録するための宛名登録画面200を表示部43に表示して、1つまたは複数の宛名のデータを登録しておくことができる。宛名登録画面200は、登録する宛名を入力するための宛名登録部201と、キャンセルボタン204と、OKボタン205を有している。宛名登録部201は、宛名の入力を受け付けるテキストボックス(入力欄)を有しており、入力部42を介して適宜の宛名の入力を受け付けることができる。複数の宛名のデータが登録されている場合、全宛名に対して領収書データを発行する一括発行や、複数の宛名を選択して、選択した複数の宛名に対して領収書データを発行するグループ発行等を行うことができる。一括発行およびグループ発行では、各宛名(被発行者)に対して識別情報(通し番号)を除いた事項を同じ内容とすることができ、また識別情報(通し番号)の割り当てを自動で行うことができ、1つの領収書データを作成するのに必要な情報を入力するだけで複数の被発行者に対して領収書データを発行することができる。すなわち、事業者は、複数の消費者に対して簡単に領収書データを発行することができる。
【0073】
次に、割り勘発行処理について説明する。
図3に戻って、機能選択画面100で割り勘機能選択部102dが選択されると、割り勘発行処理が開始される。割り勘発行処理では、或る取引において複数の消費者が取引金額を分担して支払う場合の領収書データを発行することができる。
【0074】
割り勘発行処理が開始されると、
図17に示すような割り勘金額入力画面210が表示部43に表示される。割り勘金額入力画面210は、複数の消費者が取引金額を均等に分担する場合(均等割り勘)の操作画面である。割り勘金額入力画面210は、取引金額(合計金額)を入力するための金額入力部211と、費用を負担する人数(割り勘人数)を入力する人数入力部212と、税率を設定する税率設定部213と、キャンセルボタン214と、OKボタン215を有している。金額入力部211、および人数入力部212のそれぞれはテキストの入力を受け付けるテキストボックス(入力欄)を有しており、入力部42を介して適宜のテキスト(金額、人数を示す数)の入力を受け付けることができる。税率設定部213は、税率Aを選択するための第1選択ボタン、税率Bを選択するための第2選択ボタン、税率Aおよび税率B(両方)を選択するための第3選択ボタンが設けられている。第1選択ボタン、第2選択ボタンおよび第3選択ボタンには、各税率(各選択ボタン)を選択するためのチェックボックスが設けられる。
【0075】
取引金額の合計金額および割り勘人数が入力されている状態でOKボタン215が操作されると、管理サーバ2は取引金額を割り勘人数で案分(均等に分割)し、各消費者の負担金額を算出し、各消費者の負担金額に応じて領収書データを自動的に作成する。領収書データが作成されると、領収書データ確認画面130(
図6参照)が表示され、領収書データの内容が確定されると、符号表示画面140(
図8参照)が表示される。符号表示画面140は、消費者毎に順次表示される。このようにすれば、均等割り勘の場合の領収書データを複数の消費者に簡単に渡すことができる。
【0076】
また、割り勘発行処理の他の形態では、割り勘発行処理が開始されると、
図18に示すような割り勘金額入力画面220が表示部43に表示される。割り勘金額入力画面220は、複数の消費者を複数のグループに分け、各グループにおいて負担する金額(負担金額)を任意に設定できるようにした場合(いわゆる傾斜割り勘)の操作画面である。
【0077】
割り勘金額入力画面220は、取引金額(合計金額)を入力するための金額入力部221と、第1のグループの負担金額および負担人数を設定する第1グループ設定部222と、第2のグループの負担金額および負担人数を設定する第2グループ設定部223と、キャンセルボタン224と、OKボタン225を有している。第1グループ設定部222は、第1のグループの負担金額を入力するための金額入力部222aと、第1のグループの負担人数を入力するための人数入力部222bとを有している。第2グループ設定部223は、第2のグループの負担金額を入力するための金額入力部223aと、第2のグループの負担人数を入力するための人数入力部223bとを有している。金額入力部222a,223aおよび人数入力部222b,人数入力部223bのそれぞれはテキストの入力を受け付けるテキストボックス(入力欄)を有しており、入力部42を介して適宜のテキスト(金額、人数)の入力を受け付けることができる。ただし、各グループの負担人数は1人以上である。
【0078】
第1のグループの負担金額および負担人数と、第2のグループの負担金額および負担人数が入力されている状態でOKボタン225が操作されると、管理サーバ2は各グループの負担金額を各グループの負担人数で案分(均等に分割)し、各消費者の負担金額を算出し、各消費者の負担金額に応じて領収書データを自動的に作成する。証憑データが作成されると、領収書データ確認画面130(
図6参照)が表示され、領収書データの内容が確定されると、符号表示画面140(
図8参照)が表示される。符号表示画面140は、消費者毎に順次表示される。このようにすれば、傾斜割り勘の場合の領収書データを複数の消費者に簡単に渡すことができる。
【0079】
以上の構成および動作により、事業者は、領収書データを即時発行し、消費者は、即時発行された領収書データを消費者側端末3に記憶させて持ち運ぶことができ、領収書データ(証憑データ)を発行する事業者および証憑データを受領する消費者の双方の利便性を向上させることができる。
【0080】
この発明の証憑データ管理システムは上記実施形態の証憑データ管理システム1に対応し、事業者側端末は事業者側端末4に対応し、消費者側端末は消費者側端末3に対応し、記憶部は補助記憶部23に対応し、管理サーバは管理サーバ2に対応し、取引データ取得手段は取引データ取得プログラム26bおよびこれに従って動作する制御部21に対応し、証憑データ生成手段は証憑データ生成プログラム26cおよびこれに従って動作する制御部21に対応し、記憶手段は、記憶プログラムおよびこれに従って動作する制御部21に対応し、キー発行手段は読出キー発行プログラム26dおよびこれに従って動作する制御部21に対応し、証憑データ送信手段は証憑データ送信プログラム26gおよびこれに従って動作する制御部21に対応し、修正手段は修正プログラム26eおよびこれに従って動作する制御部21に対応し、税率登録手段は、事前登録プログラム26hおよびこれに従って動作する制御部21や税率登録部191に対応し、宛名登録手段は、事前登録プログラム26hおよびこれに従って動作する制御部21や宛名登録部201に対応し、割り勘額算出手段は、割り勘金額入力画面210や割り勘金額入力画面220に対応し、デザイン登録手段は、事前登録プログラム26hおよびこれに従って動作する制御部21に対応するが、この発明は本実施形態に限られず他の様々な実施形態とすることができる。また、上述の実施形態で挙げた画面および具体的な構成等は一例であり、実際の製品に応じて適宜変更することが可能である。
【0081】
たとえば、上述の実施形態では証憑データとして領収書データを例に挙げて説明したが、領収書のデータに限定されない。証憑データ管理システム1では、見積書、発注書、注文書、納品書、請求書、契約書、レシート、領収書、小切手、手形、借用証書、入庫伝票、出庫伝票、入金伝票、出金伝票等の証憑書類のデータを発行することも可能である。これらの場合、証憑書類の種類に応じて、証憑データの発行に必要な事項を入力させる操作画面を表示部43に表示させ、証憑データ管理システム1が証憑データの発行に必要な事項を取得することができる。また、上述の実施形態では事業者側端末4が証憑データ管理アプリに従って動作することにより証憑データを発行ないし管理するようにしたが、管理サーバ2が証憑データ管理アプリのデータを記憶し、証憑データ管理アプリに従って動作するようにし、事業者側端末4の動作の一部または全部を管理サーバ2が実行するようにしてもよい。すなわち、証憑データ管理システム1のネットワーク上(クラウド上)で証憑データを発行ないし管理するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0082】
この発明は、証憑を電子化したデータ(証憑データ)を発行ないし管理するような産業に利用することができる。
【符号の説明】
【0083】
1…証憑データ管理システム
2…管理サーバ
21…制御部
22…通信部
23…補助記憶部
3…消費者側端末
31…制御部
32…入力部
33…表示部
34…撮像部
4…事業者側端末
41…制御部
42…入力部
43…表示部
5…ネットワーク