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特開2024-37062釣竿、魚信検出装置、魚信検出プログラム、および、魚信検出プログラムを格納する記憶媒体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024037062
(43)【公開日】2024-03-18
(54)【発明の名称】釣竿、魚信検出装置、魚信検出プログラム、および、魚信検出プログラムを格納する記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   A01K 87/04 20060101AFI20240311BHJP
【FI】
A01K87/04 D
A01K87/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022141706
(22)【出願日】2022-09-06
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】神納 芳行
(72)【発明者】
【氏名】徳山 雄己
【テーマコード(参考)】
2B019
【Fターム(参考)】
2B019BA08
2B019BB02
(57)【要約】
【課題】魚が仕掛けに掛かった際に魚信を精度良く検出することできる、釣竿、魚信検出装置、魚信検出プログラム、および、魚信検出プログラムを格納する記憶媒体、が提供される。
【解決手段】釣竿1は、竿本体3と、釣り糸Lを案内するように竿本体3に設けられる第1ガイド51と、第1ガイド51に接するように設けられる第1センサ71と、第1センサ71とは異なる位置に設けられる第2センサ72と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
竿本体と、
釣り糸を案内するように前記竿本体に設けられる第1ガイドと、
前記第1ガイドに接するように設けられる第1センサと、
前記第1センサとは異なる位置に設けられる第2センサと、
を備える釣竿。
【請求項2】
前記第1ガイドは、前記第2センサよりも少なくとも部分的に前記竿本体の竿先側に設けられる、
請求項1に記載の釣竿。
【請求項3】
前記第1ガイドは、トップガイドである、
請求項1に記載の釣竿。
【請求項4】
前記第2センサは、前記第1ガイドから離間して前記竿本体に設けられる、
請求項1から3のいずれか1項に記載の釣竿。
【請求項5】
前記第2センサは、前記竿本体の軸方向において前記第1ガイドから離間して前記竿本体に設けられる、
請求項4に記載の釣竿。
【請求項6】
前記第2センサは、前記竿本体の周方向において前記第1ガイドから離間して前記竿本体に設けられる、
請求項4に記載の釣竿。
【請求項7】
前記第2センサは、前記竿本体の径方向において前記第1ガイドから離間して前記竿本体に設けられる、
請求項4に記載の釣竿。
【請求項8】
前記釣り糸を案内するように、前記竿本体の軸方向において前記第1ガイドから離間して前記竿本体に設けられる第2ガイド(バットガイドを含む竿元側ガイド)、
をさらに備え、
前記第2センサは、前記第2ガイドに接するように設けられる、
請求項1から3のいずれか1項に記載の釣竿。
【請求項9】
前記第1センサは、前記第1センサが設けられる第1位置における第1振動成分に対応する第1検出信号、を生成し、
前記第2センサは、前記第2センサが設けられる第2位置における第2振動成分に対応する第2検出信号、を生成する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の釣竿。
【請求項10】
前記第1センサからの第1検出信号、および、前記第2センサからの第2検出信号に基づいて、魚信検知信号を生成する信号処理部、
をさらに備える請求項9に記載の釣竿。
【請求項11】
前記魚信検知信号に基づいて魚信情報を報知する報知部、
をさらに備える請求項10に記載の釣竿。
【請求項12】
前記魚信検知信号に基づいて、かかった魚の大きさ、および、魚種を推察する推察部、
をさらに備える請求項10に記載の釣竿。
【請求項13】
釣り糸を案内するように竿本体に設けられる第1ガイドに接する第1センサ、および、前記第1センサとは異なる位置に設けられる第2センサと通信可能に構成される魚信検出装置であって、
前記第1センサからの第1検出信号、および、前記第2センサからの第2検出信号に基づいて、魚信検知信号を生成する信号処理部、
を備える、
魚信検出装置。
【請求項14】
前記魚信検知信号に基づいて魚信情報を報知する報知部、
をさらに備える請求項13に記載の魚信検出装置。
【請求項15】
前記魚信検知信号に基づいて、かかった魚の大きさ、および、魚種を推察する推察部、
をさらに備える請求項13又は14に記載の魚信検出装置。
【請求項16】
釣り糸を案内するように竿本体に設けられる第1ガイドに接する第1センサからの信号と、前記第1センサとは異なる位置に設けられる第2センサからの信号と、を処理する魚信検出プログラムであって、
前記第1センサからの第1検出信号、および、前記第2センサからの第2検出信号に基づいて、魚信検知信号を生成するステップ、
を備える魚信検出プログラム。
【請求項17】
前記魚信検知信号に基づいて魚信情報を報知するステップ、
をさらに備える請求項16に記載の魚信検出プログラム。
【請求項18】
前記魚信検知信号に基づいて、かかった魚の大きさ、および、魚種を推察するステップ、
をさらに備える請求項16又は17に記載の魚信検出プログラム。
【請求項19】
請求項16に記載の魚信検出プログラムを格納する、
記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣竿、魚信検出装置、魚信検出プログラム、および、魚信検出プログラムを格納する記憶媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、魚が仕掛けに掛かった際に魚信(アタリ)を検知可能に構成される釣竿が、開示されている。この釣竿は、竿本体と、トップガイドと、を有する。トップガイドは、竿本体の竿先端に装着される。トップガイドは、起立部と、圧電素子と、硬質リングと、検圧手段と、を有する。
【0003】
起立部は、貫通孔を有する。圧電素子は、貫通孔の内周面に配置される。硬質リングは、圧電素子を介して貫通孔に嵌合される。硬質リングには釣り糸が挿通される。検圧手段は、圧電素子の電圧を検出する。
【0004】
この構成では、魚が仕掛けに掛かった際に、釣り糸が硬質リングを押圧する。この際に、圧電素子は、硬質リングから圧電素子に作用する押圧力を、電圧に変換する。検圧手段は、圧電素子の電圧を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004-73047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の釣竿では、トップガイドの圧電素子に作用する押圧力は、釣り糸の振動によって釣り糸から圧電素子に作用する作用力と、竿本体の振動によって圧電素子が釣り糸から受ける反作用力と、を含む。すなわち、圧電素子は、釣り糸の振動に起因する作用力、および、竿本体の振動に起因する反作用力を、電圧に変換する。検圧手段は、釣り糸の振動に起因する電圧、および、竿本体の振動に起因する電圧を検出する。
【0007】
このように、従来の釣竿では、釣り糸の振動、および、竿本体の振動の両方が、検圧手段によって検出される。このため、従来の釣竿では、釣り糸の振動だけを検出することができないので、魚が仕掛けに掛かった際に魚信を精度良く検出することが難しかった。
【0008】
本発明の目的は、魚が仕掛けに掛かった際に魚信を精度良く検出することできる、釣竿、魚信検出装置、魚信検出プログラム、および、魚信検出プログラムを格納する記憶媒体、を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の側面に関して、釣竿は、竿本体と、釣り糸を案内するように竿本体に設けられる第1ガイドと、第1ガイドに接するように設けられる第1センサと、第1センサとは異なる位置に設けられる第2センサと、を備える。
【0010】
第1の側面に係る釣竿では、第1ガイドには、釣り糸の振動、および、竿本体の振動が作用する。第1センサは、釣り糸の振動、および、竿本体の振動を検知する。第2センサは、釣り糸の振動、および/または、竿本体の振動を検知する。
【0011】
この構成では、第1センサが検知した、釣り糸の振動、および、竿本体の振動から、第2センサが検知した竿本体の振動を取り除くことによって、釣り糸の振動を好適に抽出することができる。このように、本釣竿では、魚が仕掛けに掛かった際に魚信を精度良く検出することできる。
【0012】
また、第1センサが検知した、釣り糸の振動、および、竿本体の振動と、第2センサが検知した、釣り糸の振動、および、竿本体の振動とを比較することによって、釣り糸の振動を好適に抽出することができる。このように、本釣竿では、魚が仕掛けに掛かった際に魚信を精度良く検出することできる。
【0013】
本発明の第2の側面に関して、第1の側面に係る釣竿では、第1ガイドは、第2センサよりも少なくとも部分的に竿本体の竿先側に設けられる。
【0014】
第2の側面に係る釣竿では、第1ガイドの少なくとも一部が竿本体の竿先側に設けられるので、第1ガイドに接するように設けられる第1センサ、および、上記の第2センサによって、魚が仕掛けに掛かった際に魚信を精度良く検出することできる。
【0015】
本発明の第3の側面に関して、第1の側面に係る釣竿では、第1ガイドはトップガイドである。
【0016】
第3の側面に係る釣竿では、トップガイドに接するように設けられる第1センサ、および、上記の第2センサによって、魚が仕掛けに掛かった際に魚信を精度良く検出することできる。
【0017】
本発明の第4の側面に関して、第1から第3の側面のいずれか1つに係る釣竿では、第2センサは、第1ガイドから離間して竿本体に設けられる。
【0018】
第4の側面に係る釣竿では、第2センサを第1ガイドから離間して竿本体に設けることによって、竿本体の振動を第2センサによって好適に検知することができる。
【0019】
本発明の第5の側面に関して、第1から第4の側面のいずれか1つに係る釣竿では、第2センサは、竿本体の軸方向において第1ガイドから離間して竿本体に設けられる。
【0020】
第5の側面に係る釣竿では、第2センサを竿本体の軸方向において第1ガイドから離間して竿本体に設けることによって、竿本体の振動を第2センサによってより好適に検知することができる。
【0021】
本発明の第6の側面に関して、第1から第5の側面のいずれか1つに係る釣竿では、第2センサは、竿本体の周方向において第1ガイドから離間して竿本体に設けられる。
【0022】
第6の側面に係る釣竿では、第2センサを竿本体の周方向において第1ガイドから離間して竿本体に設けることによって、第1センサと実質的に同じ位置において、竿本体の振動を第2センサによってより好適に検知することができる。
【0023】
本発明の第7の側面に関して、第1から第6の側面のいずれか1つに係る釣竿では、第2センサは、竿本体の径方向において第1ガイドから離間して竿本体に設けられる。
【0024】
第7の側面に係る釣竿では、第2センサは竿本体の径方向において第1ガイドから離間して竿本体に設けることによって、第1センサと実質的に同じ位置において、竿本体の振動を第2センサによってより好適に検知することができる。
【0025】
本発明の第8の側面に関して、第1から第7の側面のいずれか1つに係る釣竿では、釣竿は、釣り糸を案内するように、竿本体の軸方向において第1ガイドから離間して竿本体に設けられる第2ガイド(バットガイドを含む竿元側ガイド)、をさらに備える。第2センサは、第2ガイドに接するように設けられる。
【0026】
第8の側面に係る釣竿では、第2センサを第2ガイドに接するように設けることによって、第1センサ、および、第2センサが検知した、釣り糸の振動、および、竿本体の振動を互いに比較することによって、釣り糸の振動を好適に抽出することができる。
【0027】
本発明の第9の側面に関して、第1から第8の側面のいずれか1つに係る釣竿では、第1センサは、第1センサが設けられる第1位置における第1振動成分に対応する第1検出信号、を生成する。第2センサは、第2センサが設けられる第2位置における第2振動成分に対応する第2検出信号、を生成する。
【0028】
第9の側面に係る釣竿では、第1センサの第1検出信号、および、第2センサの第2検出信号に基づいて、魚が仕掛けに掛かった際に魚信を精度良く検出することできる。
【0029】
本発明の第10の側面に関して、第9の側面に係る釣竿では、釣竿は、第1センサからの第1検出信号、および、第2センサからの第2検出信号に基づいて、魚信検知信号を生成する信号処理部、をさらに備える。
【0030】
第10の側面に係る釣竿では、信号処理部を設けることによって、魚が仕掛けに掛かった際に魚信を精度良く検出することできる。
【0031】
本発明の第11の側面に関して、第10の側面に係る釣竿では、釣竿は、魚信検知信号に基づいて魚信情報を報知する報知部、をさらに備える。
【0032】
第11の側面に係る釣竿では、報知部を設けることによって、魚が仕掛けに掛かった際に魚信を釣り人に好適に認識させることができる。
【0033】
本発明の第12の側面に関して、第10又は第11の側面に係る釣竿では、釣竿は、魚信検知信号に基づいて、かかった魚の大きさ、および、魚種を推察する推察部、をさらに備える。
【0034】
第12の側面に係る釣竿では、かかった魚の大きさ、および、魚種を推察部において推察することができる。
【0035】
本発明の第13の側面に関して、魚信検出装置は、釣り糸を案内するように竿本体に設けられる第1ガイドに接する第1センサ、および、第1センサとは異なる位置に設けられる第2センサと通信可能に構成される。魚信検出装置は、第1センサからの第1検出信号、および、第2センサからの第2検出信号に基づいて、魚信検知信号を生成する信号処理部、を備える。
【0036】
第13の側面に係る魚信検出装置では、第1センサが検知した、釣り糸の振動、および、竿本体の振動から、第2センサが検知した竿本体の振動を取り除くことによって、釣り糸の振動を好適に抽出することができる。
【0037】
また、第1センサが検知した、釣り糸の振動、および、竿本体の振動と、第2センサが検知した、釣り糸の振動、および、竿本体の振動とを比較することによって、釣り糸の振動を好適に抽出することができる。このように、本魚信検出装置では、魚が仕掛けに掛かった際に魚信を精度良く検出することできる。
【0038】
本発明の第14の側面に関して、第13の側面に係る魚信検出装置では、魚信検出装置は、魚信検知信号に基づいて魚信情報を報知する報知部、をさらに備える。
【0039】
第14の側面に係る魚信検出装置では、報知部を設けることによって、魚が仕掛けに掛かった際に魚信を釣り人に好適に認識させることができる。
【0040】
本発明の第15の側面に関して、第13又は第14の側面に係る魚信検出装置では、魚信検出装置は、魚信検知信号に基づいて、かかった魚の大きさ、および、魚種を推察する推察部、をさらに備える。
【0041】
第15の側面に係る魚信検出装置では、かかった魚の大きさ、および、魚種を推察部において推察することができる。
【0042】
本発明の第16の側面に関して、魚信検出プログラムは、釣り糸を案内するように竿本体に設けられる第1ガイドに接する第1センサからの信号と、第1センサとは異なる位置に設けられる第2センサからの信号と、を処理する。魚信検出プログラムは、第1センサからの第1検出信号、および、第2センサからの第2検出信号に基づいて、魚信検知信号を生成するステップ、を備える。
【0043】
第16の側面に係る魚信検出プログラムでは、第1センサの信号に基づいて、釣り糸の振動、および、竿本体の振動を算出することができる。第2センサの信号に基づいて、釣り糸の振動、および/または、竿本体の振動を算出することができる。
【0044】
これにより、第1センサの信号に対応する、釣り糸の振動、および、竿本体の振動から、第2センサの信号に対応する竿本体の振動を取り除くことによって、釣り糸の振動を好適に抽出することができる。
【0045】
また、第1センサの信号に対応する、釣り糸の振動、および、竿本体の振動と、第2センサの信号に対応する、釣り糸の振動、および、竿本体の振動とを比較することによって、釣り糸の振動を好適に抽出することができる。このように、本プログラムでは、魚が仕掛けに掛かった際に魚信を精度良く検出することできる。
【0046】
本発明の第17の側面に関して、第16の側面に係る魚信検出プログラムでは、魚信検出プログラムは、魚信検知信号に基づいて魚信情報を報知するステップ、をさらに備える。
【0047】
第17の側面に係る魚信検出プログラムでは、魚が仕掛けに掛かった際に魚信を釣り人に好適に認識させることができる。
【0048】
本発明の第18の側面に関して、第16又は第17の側面に係る魚信検出プログラムでは、魚信検出プログラムは、魚信検知信号に基づいて、かかった魚の大きさ、および、魚種を推察するステップ、をさらに備える。
【0049】
第18の側面に係る魚信検出プログラムでは、かかった魚の大きさ、および、魚種を推察部において推察することができる。
【0050】
本発明の第19の側面に関して、記憶媒体は、第16から第18の側面のいずれか1つに記載の魚信検出プログラムを格納する。
【0051】
第19の側面に係る記憶媒体では、上述した効果を同様の効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0052】
本発明によれば、釣竿、魚信検出装置、魚信検出プログラム、および、魚信検出プログラムを格納する記憶媒体では、魚が仕掛けに掛かった際に魚信を精度良く検出することできる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1】第1実施形態における釣竿の全体を示した側面図。
図2A】第1実施形態の第1ガイドの近傍を部分的に拡大した側面図。
図2B】第1実施形態の第2ガイドの近傍を部分的に拡大した側面図。
図3】第1実施形態における、魚信検出装置、第1センサ、および、第2センサの機能ブロック図。
図4A】第1実施形態における、第1振動成分に対応するスペクトル図。
図4B】第1実施形態における、第2振動成分に対応するスペクトル図。
図5A】第1実施形態において第1センサ、および、第2センサで実行される処理を説明するためのフロー。
図5B】第1実施形態において魚信検出装置で実行される処理を説明するためのフロー。
図6A】第2実施形態の第1ガイドの近傍を部分的に拡大した側面図。
図6B】第2実施形態の第2ガイドの近傍を部分的に拡大した側面図。
図7A】第2実施形態における、第1振動成分に対応するスペクトル図。
図7B】第2実施形態における、第2振動成分に対応するスペクトル図。
図8A】第3実施形態の第2センサの断面図。
図8B】第3実施形態の第2センサの断面図。
図9】他の実施形態の第2センサの断面図。
図10A】他の実施形態の第1ガイドの近傍を部分的に拡大した側面図。
図10B】他の実施形態の第2ガイドの近傍を部分的に拡大した側面図。
【発明を実施するための形態】
【0054】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態では、図1に示すように、釣竿1は、竿本体3と、複数のガイド5と、複数のセンサ7と、魚信検出装置9と、を備える。
【0055】
(竿本体)
図1に示すように、竿本体3は、中心軸心Xを有する。竿本体3の軸方向は、中心軸心Xが延びる軸方向である。竿本体3の径方向は、中心軸心Xから離れる径方向である。竿本体3の周方向は、中心軸心Xまわりの周方向である。
【0056】
竿本体3は、竿先部3aと、ベリー部3bと、バット部3cと、グリップ部3dと、を有する。竿先部3aは、竿本体3の先端部を形成する。ベリー部3bは、竿本体3の中間部を形成する。バット部3cは、竿本体3の基端部を形成する。
【0057】
グリップ部3dは、釣り人に把持される。グリップ部3dには、釣用リールFRが着脱可能に装着される。釣用リールFRは、両軸受リール、および、スピニングリール等を含む。釣用リールFRから延びる釣り糸Lは、複数のガイド5によって案内される。
【0058】
本実施形態では、竿本体3が1本の竿部品から構成される場合の例が、示される。竿本体3は、複数の竿部品から構成されてもよい。例えば、竿本体3は、竿先部3aを形成する穂先竿と、ベリー部3bを形成する中竿と、バット部3c、および、グリップ部3dを形成する元竿と、を有していてもよい。この場合、穂先竿、中竿、および、元竿は、振出形式、または、並継形式等の周知の連結手法によって連結されることが好ましい。
【0059】
(ガイド)
図1に示すように、複数のガイド5は、釣り糸Lを案内するように竿本体3に設けられる。複数のガイド5は、竿本体3の軸方向において互いに間隔を隔てて配置される。図2A、および、図2Bに示すように、複数のガイド5のそれぞれは、ガイド本体11と、取付部13と、を有する。
【0060】
図2A、および、図2Bには、後述する、第1ガイド51、および、第2ガイド52が、代表図として示されている。ガイド本体11には、釣り糸Lが挿通される。取付部13は、ガイド本体11と一体に形成される。取付部13は、竿本体3に取り付けられる。
【0061】
図1に示すように、複数のガイド5は、第1ガイド51と、第2ガイド52と、を含む。第1ガイド51は、複数のセンサ7に含まれる第2センサ72よりも、少なくとも部分的に竿本体3の竿先側に設けられる。例えば、第1ガイド51は、竿先部3aに設けられる。本実施形態では、第1ガイド51は、竿先部3aの先端に設けられるトップガイドである。
【0062】
第2ガイド52は、竿本体3の軸方向において、第1ガイド51から離間して竿本体3に設けられる。例えば、第2ガイド52は、バット部3cに設けられる。本実施形態では、第2ガイド52は、バット部3cにおいて最も竿先側に配置されたガイドである。
【0063】
(センサ)
図1に示すように、複数のセンサ7は、第1センサ71と、第2センサ72と、を有する。図2Aに示すように、第1センサ71は、第1ガイド51に接するように設けられる。例えば、第1センサ71は、第1ガイド51に設けられる。第1センサ71は、第1ガイド51の取付部13に設けられる。詳細には、第1センサ71は、第1ガイド51の取付部13の外面に設けられる。
【0064】
第1センサ71は、第1センサ71が設けられる第1位置における第1振動成分を、検知する。第1センサ71は、第1振動成分に対応する第1検出信号を生成する。第1振動成分は、竿本体3の振動成分、および、釣り糸Lの振動成分、を含む時系列データである。
【0065】
図3に示すように、第1センサ71は、第1検知部71aと、第1信号送信部71bと、を有する。第1検知部71aは、第1振動成分を検知する。第1信号送信部71bは、第1振動成分に対応する第1検出信号を生成し、第1検出信号を魚信検出装置9に送信する。第1信号送信部71bは、無線通信によって、第1検出信号を魚信検出装置9に送信する。
【0066】
図1に示すように、第2センサ72は、第1センサ71とは異なる位置に設けられる。第2センサ72は、第1ガイド51から離間して竿本体3に設けられる。第2センサ72は、竿本体3の軸方向において、第1ガイド51から離間して竿本体3に設けられる。例えば、図1、および、図2Bに示すように、第2センサ72は、第2ガイド52よりもグリップ部3d側において、竿本体3のバット部3cに設けられる。
【0067】
第2センサ72は、第2センサ72が設けられる第2位置における第2振動成分を、検知する。例えば、第2センサ72は、竿本体3のバット部3cにおける第2振動成分を、検知する。第2センサ72は、第2振動成分に対応する第2検出信号を生成する。第2振動成分は、竿本体3の振動成分を含む時系列データである。
【0068】
図3に示すように、第2センサ72は、第2検知部72aと、第2信号送信部72bと、を有する。第2検知部72aは、第2振動成分を検知する。第2信号送信部72bは、第2振動成分に対応する第2検出信号を生成し、第2検出信号を魚信検出装置9に送信する。第2信号送信部72bは、無線通信によって、第2検出信号を魚信検出装置9に送信する。
【0069】
(魚信検出装置)
図1に示すように、魚信検出装置9は、竿本体3に設けられる。例えば、魚信検出装置9は、グリップ部3dに装着される。図3に示すように、魚信検出装置9は、信号取得部9aと、信号処理部9bと、推察部9cと、報知部9dと、を備える。
【0070】
信号取得部9aは、第1検出信号、および、第2検出信号を、第1信号送信部71b、および、第2信号送信部72bから、受信する。本実施形態では、第1信号送信部71b、および、第2信号送信部72bと、信号取得部9aとの通信が無線通信である場合の例が、示される。信号取得部9a、および、信号送信部の通信が有線通信であってもよい。
【0071】
信号処理部9bは、第1検出信号、および、第2検出信号に基づいて、魚信検知信号を生成する。例えば、信号処理部9bは、第1検出信号に対してフーリエ変換処理を実行することによって、第1検出信号に対する第1スペクトルデータSP1を算出する。図4Aには、第1スペクトルデータSP1に対応するスペクトル図の一例が、示される。信号処理部9bは、第1スペクトルデータSP1に基づいて、複数の卓越周波数DFを抽出する。複数の卓越周波数DFは、竿本体3の卓越周波数DF1、および、釣り糸Lの卓越周波数DF2を含む。
【0072】
信号処理部9bは、第2検出信号に対してフーリエ変換処理を実行することによって、第2検出信号に対する第2スペクトルデータSP2を算出する。図4Bには、第2スペクトルデータSP2に対応するスペクトル図の一例が、示される。信号処理部9bは、第2スペクトルデータSP2に基づいて、少なくとも1つの卓越周波数を抽出する。少なくとも1つの卓越周波数は、竿本体3の卓越周波数DF1を含む。
【0073】
信号処理部9bは、第1スペクトルデータSP1における、竿本体3の卓越周波数DF1、および、釣り糸Lの卓越周波数DF2から、第2スペクトルデータSP2の竿本体3の卓越周波数DF1を取り除くことによって、釣り糸Lの卓越周波数DF2を認識する。図4Aに示すように、信号処理部9bは、釣り糸Lの卓越周波数DF2を基準として、釣り糸Lの卓越周波数帯R1を、所定の範囲Rに設定する。
【0074】
図3に示す信号処理部9bは、魚信に関連付けられる振動の周波数を、後述する記憶媒体95から読み出し、魚信が発生したか否かを判断する。具体的には、信号処理部9bは、魚信が発生した場合、例えば、魚信に関連付けられる振動の周波数が釣り糸Lの卓越周波数帯R1に含まれる場合に、魚信の発生を認識する。信号処理部9bは、魚信が発生していない場合、例えば、魚信に関連付けられる振動の周波数が釣り糸Lの卓越周波数帯R1に含まれない場合に、魚信の発生を否定する。
【0075】
信号処理部9bは、魚信の発生を認識した場合、信号処理部9bは、魚信検知信号を、推察部9c、および、報知部9dに提供する。例えば、魚信検知信号は、第1魚信検知信号と、第2魚信検知信号と、を含む。信号処理部9bは、第1魚信検知信号を推察部9cに提供する。第1魚信検知信号は、第1スペクトルデータSP1に対応する信号、および、釣り糸Lの卓越周波数帯R1に対応する信号、を含む。信号処理部9bは、第2魚信検知信号を報知部9dに提供する。第2魚信検知信号は、魚信の発生を示す信号を含む。
【0076】
推察部9cは、魚信検知信号に基づいて、かかった魚の大きさ、および、魚種を推察する。例えば、推察部9cが第1魚信検知信号を取得した際に、推察部9cは、図4Aに示す、釣り糸Lの卓越周波数帯R1における振幅の積分値(エネルギー)によって、魚の大きさを判断する。
【0077】
魚の大きさは、釣り糸Lの卓越周波数帯R1における振幅の積分値(エネルギー)に対応する魚サイズデータによって、判断される。卓越周波数帯R1における振幅の積分値、および、魚サイズデータの対応関係を示すデータは、後述する記憶媒体95に予め格納されている。推察部9cは、魚サイズデータを報知部9dに送信する。
【0078】
また、推察部9cが第1魚信検知信号を取得した際に、推察部9cは、図4Aに示す、釣り糸Lの卓越周波数帯R1の範囲によって、魚種を判断する。魚種は、釣り糸Lの卓越周波数帯R1の範囲に対応する魚種データによって、判断される。釣り糸Lの卓越周波数帯R1の範囲、および、魚種データの対応関係を示すデータは、後述する記憶媒体95に予め格納されている。推察部9cは、魚種データを報知部9dに送信する。
【0079】
報知部9dは、魚信検知信号に基づいて魚信情報を報知する。報知部9dは、発音部9d1と、表示部9d2と、を有する。発音部9d1は、スピーカを含む。例えば、発音部9d1が第2魚信検知信号を認識した際に、スピーカは、音データのような報知データを用いて、魚信の発生を報知する。
【0080】
表示部9d2は、液晶モニタを含む。例えば、表示部9d2が第2魚信検知信号を認識した際に、液晶モニタは、画像データ、および、文字データのような報知データを用いて、魚信の発生を示す魚信情報を、表示する。
【0081】
液晶モニタは、画像データ、および、文字データのような報知データを用いて、魚サイズデータ、および、魚種データに対応する魚信情報を、表示する。報知データは、記憶媒体95に予め格納されている。報知部9dは、発音部9d1、および、表示部9d2のいずれか一方だけであってもよい。
【0082】
上述した魚信検出装置9の処理は、コントローラ91によって実現される。図3に示すように、コントローラ91は、プロセッサ93と、記憶媒体95とを、有する。プロセッサ93は、魚信検出装置9の各種処理を実行する。プロセッサ93は、少なくとも1つのCPU(Central Processing Unit)を、有する。本実施形態では、プロセッサ93が1つのCPUから構成される場合の例を用いて、説明が行われる。プロセッサ93は、複数のCPUから構成されてもよい。
【0083】
プロセッサ93は、信号取得部9aが取得した信号、記憶媒体95に記録されたデータ、および、記憶媒体95に記録されたプログラムに基づいて、信号処理部9bの処理、および、推察部9cの処理を、実行する。また、プロセッサ93は、報知部9dに対して各種の命令を発行し、報知部9dを制御する。
【0084】
記憶媒体95は、各種のプログラム、および、各種のプログラムを実行する際に要求される各種のデータ、を格納する。各種のプログラムは、魚信検出プログラム、および、フーリエ変換を実行するためのプログラム等、を含む。各種のデータは、信号処理部9b、推察部9c、および、報知部9dにおいて用いられるデータ、を含む。
【0085】
記憶媒体95は、半導体メモリ等から構成される。記憶媒体95は、魚信検出装置9に内蔵されるメモリであっても、魚信検出装置9に着脱可能に装着されるメモリであってもよい。記憶媒体95は、魚信検出装置9に内蔵されるメモリ、および、魚信検出装置9に着脱可能に装着されるメモリの両方であってもよい。
【0086】
記憶媒体95は、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリを含む。記憶媒体95は、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリを含んでいてもよい。
【0087】
(魚信の検知形態)
上記の構成を有する釣竿1では、第1センサ71、第2センサ72、および、魚信検出装置9が動作している状態において、以下のように魚信が検知される。
【0088】
図5Aに示すように、第1センサ71、および、第2センサ72は、第1振動成分、および、第2振動成分を各別に検知する(S31、S51)。第1センサ71、および、第2センサ72は、第1振動成分、および、第2振動成分に基づいて、第1検出信号、および、第2検出信号を各別に生成する(S32、S52)。第1センサ71、および、第2センサ72は、所定の時間間隔で、第1検出信号、および、第2検出信号を各別にコントローラ91に送信する(S33、S53)。
【0089】
図5Bに示すように、コントローラ91は、第1検出信号、および、第2検出信号を、第1センサ71、および、第2センサ72から、受信する(S11)。コントローラ91のプロセッサ93は、第1検出信号に対応する第1振動成分、および、第2検出信号に対応する第2振動成分を、コントローラ91の記憶媒体95に記録する(S12)。
【0090】
コントローラ91のプロセッサ93は、第1検出信号、および、第2検出信号に基づいて、魚信が発生したか否かを判断する(S13)。ここで、コントローラ91のプロセッサ93が、魚信が発生していない判断した場合(S13でNo)、コントローラ91のプロセッサ93はステップS12(S12)の処理を継続する。
【0091】
一方で、コントローラ91のプロセッサ93が、魚信が発生したと判断した場合(S13でYes)、コントローラ91のプロセッサ93は、上述したように魚信検知信号を生成する(S14)。魚信検知信号は、第1魚信検知信号、および、第2魚信検知信号を含む。コントローラ91のプロセッサ93は、第1魚信検知信号を取得した場合、上述したように、魚の大きさ、および、魚種を判断する(S15)。
【0092】
発音部9d1は、第2魚信検知信号を認識した場合、音データのような報知データを用いて、魚信の発生を音によって聴覚的に報知する(S16)。表示部9d2は、第2魚信検知信号を認識した場合、画像データ、および、文字データのような報知データを用いて、魚信の発生、魚の大きさ、および、魚種を、視覚的に報知する(S17)。
【0093】
コントローラ91のプロセッサ93は、魚信検出装置9の動作が停止したか否かを、監視している(S18)。魚信検出装置9の動作が停止した場合(S18でYes)、例えば、魚信検出装置9の電源がオフになった場合、コントローラ91のプロセッサ93は、上記の処理を終了する。
【0094】
一方で、魚信検出装置9の動作が継続している場合(S18でNo)、例えば、魚信検出装置9の電源がオンである場合、コントローラ91のプロセッサ93は、ステップ12からステップ18(S12~S18)までの処理を、繰り返し実行する。
【0095】
上記の構成を有する釣竿1では、スペクトルデータを用いて、第1センサ71が検知した、釣り糸Lの振動、および、竿本体3の振動から、第2センサ72が検知した竿本体3の振動を取り除くことによって、釣り糸Lの振動を好適に抽出することができる。
【0096】
[第2実施形態]
第2実施形態では、図6Aに示すように、第1センサ171が第1ガイド51に接するように設けられる。例えば、第1センサ171は、第1ガイド51のガイド本体11に設けられる。図6Bに示すように、第2センサ172は、第2ガイド52に接するように設けられる。例えば、第2センサ172は、第2ガイド52の取付部13に設けられる。詳細には、第2センサ172は、第2ガイド52の取付部13の外面に設けられる。
【0097】
この場合、魚信検出装置9の信号処理部9bは、以下のように、釣り糸Lの卓越周波数帯R2を認識する。
【0098】
信号処理部9bは、第1センサ171の第1検出信号に対してフーリエ変換処理を実行することによって、第1検出信号に対する第1スペクトルデータSP3を算出する。図7Aには、第1スペクトルデータSP3に対応するスペクトル図の一例が、示される。信号処理部9bは、第1スペクトルデータSP3に基づいて、少なくとも1つの卓越周波数を抽出する。少なくとも1つの卓越周波数は、釣り糸Lの卓越周波数DF3を含む。
【0099】
信号処理部9bは、第2センサ172の第2検出信号に対してフーリエ変換処理を実行することによって、第2検出信号に対する第2スペクトルデータSP4を算出する。図7Bには、第2スペクトルデータSP4に対応するスペクトル図の一例が、示される。
【0100】
信号処理部9bは、第2スペクトルデータSP4に基づいて、複数の卓越周波数DFを抽出する。複数の卓越周波数DFは、竿本体3の卓越周波数DF4、および、釣り糸Lの卓越周波数DF3を含む。
【0101】
信号処理部9bは、第1スペクトルデータSP3、および、第2スペクトルデータSP4を比較する。例えば、信号処理部9bは、第2スペクトルデータSP4において第1スペクトルデータSP3の釣り糸Lの卓越周波数DF3に対応する周波数帯R2を、第2スペクトルデータSP2の釣り糸Lの卓越周波数帯R2として認識する。信号処理部9bが釣り糸Lの卓越周波数帯R2を認識した後は、釣り糸Lの卓越周波数帯R2を用いて、第1実施形態と同様の処理が実行される。
【0102】
この構成では、第1センサ171が検知した釣り糸Lの振動と、第2センサ172が検知した、釣り糸Lの振動、および、竿本体3の振動とを、スペクトルデータを介して、比較することによって、釣り糸Lの振動を好適に抽出することができる。これにより、本釣竿1では、魚が仕掛けに掛かった際に魚信を精度良く検出することできる。
【0103】
[第3実施形態]
第3実施形態では、図8Aに示すように、第2センサ272aは、竿本体3の周方向において、第1ガイド51から離間して竿本体3に設けられる。図8Aに示すように、第2センサ272aは、竿本体3の周方向において、第1ガイド51から90度の位置で竿本体3に取り付けられる。
【0104】
すなわち、第2センサ272aは、竿本体3の周方向において、第1センサ71から90度の位置で竿本体3に取り付けられる。この構成によって、第1ガイド51の位置において、第2振動成分、例えば、竿本体3の振動成分を、第2センサ272aによって好適に検知することができる。図8Aに示す第2センサ272aは、竿本体3の周方向であれば、他の位置で竿本体3に設けられてもよい。
【0105】
図8Bに示すように、第2センサ272bは、竿本体3の径方向において、第1ガイド51から離間して竿本体3に設けられてもよい。例えば、図8Bでは、第2センサ272bは、中空の竿本体3の内面に取り付けられる。このように構成しても、第1ガイド51の位置において、第2振動成分、例えば、竿本体3の振動成分を、第2センサ272bによって好適に検知することができる。図8Bに示す第2センサ272bは、竿本体3の径方向であれば、他の位置で竿本体3に設けられてもよい。
【0106】
[他の実施形態]
(A)第1実施形態の第2センサ72は、図9に示すように、複数の第2センサ372aから構成されてもよい。例えば、複数の第2センサ372aは、竿本体3の周方向において、互いに離間して竿本体3に設けられる。具体的には、複数の第2センサ372aは、竿本体3の周方向において互いに90度の角度だけ離間するように、竿本体3に装着される。複数の第2センサ372aは、竿本体3の周方向であれば、他の位置で竿本体3に設けられてもよい。
【0107】
(B)第1実施形態では、第1センサ71が第1ガイド51の取付部13の外面に配置される場合の例が、示された。図10Aに示すように、第1センサ71は、第1ガイド51の取付部13、および、竿本体3の間に配置されてもよい。
【0108】
第2実施形態では、第2センサ172が第2ガイド52の取付部13の外面に配置される場合の例が、示された。図10Bに示すように、第2実施形態の第2センサ172は、第2ガイド52の取付部13、および、竿本体3の間に配置されてもよい。
【0109】
このように構成しても、竿本体3の振動成分、および、釣り糸Lの振動成分を、第1センサ71、または、第2センサ72によって、好適に検出することができる。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明は、釣竿、魚信検出装置、魚信検出プログラム、および、魚信検出プログラムを格納する記憶媒体に、利用可能である。
【符号の説明】
【0111】
1 釣竿
3 竿本体
5 ガイド
7 センサ
9 魚信検出装置
9b 信号処理部
9d 報知部
9c 推察部
51 第1ガイド
52 第2ガイド
71,171 第1センサ
72,172,272a,272b,372a 第2センサ
91 コントローラ
95 記憶媒体
L 釣り糸
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10A
図10B