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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024037063
(43)【公開日】2024-03-18
(54)【発明の名称】リールシート及び釣竿
(51)【国際特許分類】
   A01K 87/08 20060101AFI20240311BHJP
   A01K 87/06 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
A01K87/08 B
A01K87/06 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022141707
(22)【出願日】2022-09-06
(71)【出願人】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】金子 京市
(72)【発明者】
【氏名】加藤 好尚
(72)【発明者】
【氏名】秋葉 勝
【テーマコード(参考)】
2B019
【Fターム(参考)】
2B019AA06
2B019CB01
2B019CB03
2B019CB04
2B019CB10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】リールのリールシートへの固定状態を安定的に維持することが可能なリールシート及びこれを備えた釣竿を提供する。
【解決手段】リール脚6aが載置されるリール脚載置部12aと、リール脚載置部軸方向前方側に設けられた固定フード14と、リール脚載置部12aの軸方向後方側に設けられる筒状部とを備えるリールシート本体12と、リール脚載置部12aの軸方向後方側に設けられた移動フード13と、筒状部の内側に設けられ回転により移動フードを移動可能とする円筒状のナット部材18とを備えるリールシート及びこれを備えた釣竿。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リール脚が載置されるリール脚載置部と、該リール脚載置部の軸方向前方側に設けられた固定フードと、該リール脚載置部の軸方向後方側に設けられる筒状部とを備えるリールシート本体と、該リール脚載置部の軸方向後方側に設けられた移動フードと、該筒状部の内側に設けられ、回転により該移動フードを移動可能とする円筒状のナット部材と、を備える、竿体に取付けられるリールシートであって、
前記移動フードは、該筒状部の内側に設けられる係合部と、前記リール脚の少なくとも一部を収容するフード部とを有し、前記ナット部材は、該筒状部の前記軸方向後方側端部から該軸方向外側に突出しかつ該円筒状のナット部材の径方向の外面を操作して前記円筒状のナット部材を回転可能とする操作部と、前記筒状部に対して相対回転可能に設けられ、該円筒状のナット部材の径方向でみた内面又は外面が該係合部と係合する被係合部と、該操作部と該被係合部と接続する接続部と、を備え、該操作部の操作による該ナット部材の回転により前記移動フードが前記軸方向前方側に移動可能にされることを特徴とするリールシート。
【請求項2】
前記係合部と前記ナット部材とは螺合するようにされる、請求項1に記載のリールシート。
【請求項3】
前記筒状部の外面には、グリップ部が設けられる、請求項1に記載のリールシート。
【請求項4】
前記グリップ部の、前記軸方向後方側端部は、前記リール脚載置部の軸方向でみて、前記筒状部の前記軸方向後方側端部と、前記ナット部材の前記操作部との間に設けられる、請求項3に記載のリールシート。
【請求項5】
前記筒状部は、前記軸方向後方側から竿体が挿入可能にされる、請求項1に記載のリールシート。
【請求項6】
前記ナット部材の内面と、前記竿体の外面との間にスペーサ部材が設けられる、請求項5に記載のリールシート。
【請求項7】
前記ナット部材の前記操作部の前記軸方向後方側端部には、ストッパ部材が設けられる、請求項1に記載のリールシート。
【請求項8】
前記竿体が挿入された状態で、該リール脚載置部の軸方向に垂直な一断面の該筒状部の中心軸から下方方向でみて、内側から前記竿体、前記被係合部、前記筒状部が順に設けられる、請求項1に記載のリールシート。
【請求項9】
該リール脚載置部の軸方向に垂直な一断面の該筒状部の中心軸から下方方向でみて、内側から前記係合部、前記被係合部、前記筒状部が順に設けられる、請求項1に記載のリールシート。
【請求項10】
前記リール脚載置部の軸方向に垂直な断面でみて、前記係合部は、円弧状に形成されている、請求項1に記載のリールシート。
【請求項11】
前記円弧状の円弧の角度は、70度から140度の範囲である、請求項10に記載のリールシート。
【請求項12】
前記竿体は、前記リールシートの一部又は全体に挿通されて取付けられる、請求項1に記載のリールシート。
【請求項13】
請求項1から12までのいずれか1項に記載のリールシートと、竿体とを備えた釣竿。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リールシート、及びこれを備えた釣竿に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、釣竿用リールシートを備えた様々な釣竿が知られている。
【0003】
このような釣竿では、通常、竿体の上に釣竿用リールシートや釣竿用グリップが載置され、該釣竿用リールシートには、本体の上側又は下側にリール脚を載置するためのリール脚載置部が形成される。
【0004】
このような釣竿のリールシートとして、例えば、特許文献1に開示されているように、リールシートのリール脚載置部の位置が、元竿杆の軸心に対して落ち込む方向にオフセットしたリールシート(オフセットリールシートとも称される)が知られている。このようなオフセットリールシートによれば、リール脚載置部が下方側にシフトした状態にあるため、丸形の両軸受けリールを装着した際、その後方側のグリップ部分を握持しても親指の操作位置が高くなることはなく、掌が開いて操作性が低下することが抑制できることが開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、手元端部のグリップと、該グリップの前端に設定され、リールを載置して支持するリールシート部及び該リールシート部の前端に設けられて、ロッド(竿)の後端を収納して保持するロッド保持部を有するリール支持部材とを備える形式の釣竿における、リール支持部材であって、上記リールシート部が、グリップ前端に隣接した部分から前方に延び、リールを支持する部分を含む上面と、横断面形状が、ほぼ中央部分で最低点となり、上記上面の両側縁に向けて上方に湾曲している底面を有しており、当該リールシート部が平面視においてその前後方向両端の幅狭部分とそれらの中間部分の幅広部分とを有しており、全体的に前後方向で細長い楕円形状とされており、上記幅広部分においては、上記リールの底面をその幅方向においてほぼ覆うようにされているリール支持部材について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実公昭49-046557号公報
【特許文献2】特開平2-174624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、いずれの特許文献に係るリールシートにおいても、リールシートのリール脚載置部の位置が元竿杆の軸心に対して落ち込む方向にオフセットした構造であるため、リールを把持した際やキャスティング操作時にリール脚をシールシートに固定するための操作部材に手や指が触れてしまい、これが繰り返されると操作部材が緩んだり外れたりしてしまうという問題が見出されていた。
【0008】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、リールシートのリール脚載置部の位置が元竿杆の軸心に対して落ち込む方向にオフセットした構造を採用した場合でも、リールを把持した際やキャスティング操作時にリール脚をリールシートに固定するための操作部材に手や指が触れることを防止できることで、リールのリールシートへの固定状態を安定的に維持することが可能なリールシート、及びこれを備えた釣竿を提供することにある。本発明のこれら以外の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態に係るリールシートは、リール脚が載置されるリール脚載置部と、該リール脚載置部の軸方向前方側に設けられた固定フードと、該リール脚載置部の軸方向後方側に設けられる筒状部とを備えるリールシート本体と、該リール脚載置部の軸方向後方側に設けられた移動フードと、該筒状部の内側に設けられ、回転により該移動フードを移動可能とする円筒状のナット部材と、を備える、竿体に取付けられるリールシートであって、前記移動フードは、該筒状部の内側に設けられる係合部と、前記リール脚の少なくとも一部を収容するフード部とを有し、前記ナット部材は、該筒状部の前記軸方向後方側端部から該軸方向外側に突出しかつ該円筒状のナット部材の径方向の外面を操作して前記円筒状のナット部材を回転可能とする操作部と、前記筒状部に対して相対回転可能に設けられ、該円筒状のナット部材の径方向でみた内面又は外面が該係合部と係合する被係合部と、該操作部と該被係合部と接続する接続部と、を備え、該操作部の操作による該ナット部材の回転により前記移動フードが前記軸方向前方側に移動可能にされる。
【0010】
本発明の一実施形態に係るリールシートにおいて、前記係合部と前記ナット部材とは螺合するようにされる。
【0011】
本発明の一実施形態に係るリールシートにおいて、前記筒状部の外面には、グリップ部が設けられる。
【0012】
本発明の一実施形態に係るリールシートにおいて、前記グリップ部の、前記軸方向後方側端部は、前記リール脚載置部の軸方向でみて、前記筒状部の前記軸方向後方側端部と、前記ナット部材の前記操作部との間に設けられる。
【0013】
本発明の一実施形態に係るリールシートにおいて、前記筒状部は、前記軸方向後方側から竿体が挿入可能にされる。
【0014】
本発明の一実施形態に係るリールシートにおいて、前記ナット部材の内面と、前記竿体の外面との間にスペーサ部材が設けられる。
【0015】
本発明の一実施形態に係るリールシートにおいて、前記ナット部材の前記操作部の前記軸方向後方側端部には、ストッパ部材が設けられる。
【0016】
本発明の一実施形態に係るリールシートは、前記竿体が挿入された状態で、該リール脚載置部の軸方向に垂直な一断面の該筒状部の中心軸から下方方向でみて、内側から前記竿体、前記被係合部、前記筒状部が順に設けられる。
【0017】
本発明の一実施形態に係るリールシートは、該リール脚載置部の軸方向に垂直な一断面の該筒状部の中心軸から下方方向でみて、内側から前記係合部、前記被係合部、前記筒状部が順に設けられる。
【0018】
本発明の一実施形態に係るリールシートにおいて、前記リール脚載置部の軸方向に垂直な断面でみて、前記係合部は、円弧状に形成されている。
【0019】
本発明の一実施形態に係るリールシートにおいて、前記円弧状の円弧の角度は、70度から140度の範囲である。
【0020】
本発明の一実施形態に係るリールシートにおいて、前記竿体は、前記リールシートの一部又は全体に挿通されて取付けられる。本発明の一実施形態に係る釣竿は、上記いずれかのリールシートと、竿体とを備えるように構成される。
【発明の効果】
【0021】
上記実施形態によれば、リールシートのリール脚載置部の位置が元竿杆の軸心に対して落ち込む方向にオフセットした構造を採用した場合でも、リールを把持した際やキャスティング操作時にリール脚をリールシートに固定するための操作部材に手や指が触れることを防止できることで、リールのリールシートへの固定状態を安定的に維持することが可能なリールシート、及びこれを備えた釣竿を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態に係る釣竿を示す図である。
図2】(a)本発明の一実施形態に係るリールシートの断面図を示すものである。(b)本発明の一実施形態に係るリールシートの正面図を示すものである。
図3】(a)本発明の一実施形態に係るリールシートのリールシート本体の構造を示すものである。(b)本発明の一実施形態に係るリールシートのスペーサ部材の構造を示すものである。(c)本発明の一実施形態に係るリールシートのナット部材の構造を示すものである。(d)本発明の一実施形態に係るリールシートのグリップ部の構造を示すものである。
図4】本発明の一実施形態に係るリールシートの断面を示す図である。
図5】本発明の一実施形態に係るリールシートの断面を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係るリールシートの断面を示す図である。
図7】本発明の一実施形態に係るリールシートの断面を示す図である。
図8】(a)本発明の一実施形態に係るリールシートにおける移動フードの上方斜視図である。(b)本発明の一実施形態に係るリールシートにおける移動フードの下方斜視図である。
図9】(a)本発明のその他の実施形態に係るリールシートの断面図を示すものである。(b)本発明のその他の実施形態に係るリールシートの正面図を示すものである。(c)本発明の一実施形態に係るリールシートの断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係るリールシート及び釣竿の実施形態について、添付図面を参照しながら具体的に説明する。複数の図面において共通する構成要素には当該複数の図面を通じて同一の参照符号が付されている。各図面は、説明の便宜上、必ずしも正確な縮尺で記載されているとは限らない点に留意されたい。
【0024】
図1は、本発明に係る釣竿の一実施形態を示す図である。図示のように、本発明の一実施形態による釣竿1は、竿体2と、竿体2にリールシート9を介して取り付けられたリール6と、竿体2に取り付けられた釣糸ガイド10と、を備える。図示の実施形態においては、リールシート9及び釣糸ガイド10の各々が、竿体の外周面に取り付けられる取付部品に該当する。
【0025】
竿体2は、例えば、元竿3、中竿5、及び穂先竿7等を連結することによって構成されている。これらの各竿体は、例えば、並継ぎ式に継合される。元竿3、中竿5、及び穂先竿7は、振出方式、逆並継方式、インロー方式、又はこれら以外の公知の任意の継合方式により継合され得る。竿体2は、単一の竿体から構成されていても良い。
【0026】
元竿3、中竿5、及び穂先竿7は、例えば、繊維強化樹脂製の管状体で構成されている。この繊維強化樹脂製の管状体は、強化繊維にマトリクス樹脂を含浸させた繊維強化樹脂プリプレグ(プリプレグシート)を芯金に巻回し、このプリプレグシートを加熱して硬化させることにより作成される。このプリプレグシートに含まれる強化繊維として、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、及びこれら以外の任意の公知の強化繊維を用いることができる。当該プリプレグシートに含まれるマトリクス樹脂として、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。プリプレグシートが硬化された後には、芯金が脱芯される。また、管状体の外表面は、適宜研磨される。各竿体は、中実状に構成されてもよい。
【0027】
図示の実施形態において、元竿3、中竿5及び穂先竿7には、リールシート9に装着されるリール6から繰り出される釣糸を案内する複数の釣糸ガイド10(釣糸ガイド10A~10D)が設けられている。より具体的には、元竿3には釣糸ガイド10Aが設けられ、中竿5には釣糸ガイド10Bが設けられ、穂先竿7には釣糸ガイド10Cが設けられている。穂先竿7の先端には、トップガイド10Dが設けられているが、詳細は省略する。
【0028】
次に、図2、3を参照して、リールシート本体12及びリールシート9の基本的構成につき説明する。図2(a)は、本発明の一実施形態に係るリールシートの断面図(リールシートの中心軸を通る図2(a)の紙面の上下方向の断面図)を示し、図2(b)は、本発明の一実施形態に係るリールシートの正面図を示すものである。以下の説明において、軸方向(前後方向)及び上下方向は、図2(a)で示した方向を意味し、左右方向(サイド方向)は、図2(a)の紙面と直交する方向を意味する。すなわち、前方は釣竿の穂先側、後方は基端側を意味し、上方は、両軸受けリールを装着した際、元竿杆(竿杆)の軸心Xに対してリール側、下方は、その反対側を意味する。該軸心Xは、リールシート9、リールシート本体12、リール脚載置部12a、筒状部4の軸心にも対応し、これらの方向をこれらのいずれかの軸方向と呼ぶことができる。図3(a)は、本発明の一実施形態に係るリールシートのリールシート本体の構造を示すものであり、図3(b)は、本発明の一実施形態に係るリールシートのスペーサ部材の構造を示すものであり、図3(c)は、本発明の一実施形態に係るリールシートのナット部材の構造を示すものであり、図4(d)は、本発明の一実施形態に係るリールシートのグリップ部の構造を示すものである。
【0029】
リールシート本体12は、魚釣用リール6のリール脚6aが載置されるリール脚載置面12aをその軸方向に沿って有するリールシート本体12を備えている。リールシート本体12は、例えば、150mmから200mmの範囲の長さを有するよう構成できるが、これに限られない。また、このリールシート本体12は、リール脚載置面12aの反対側を僅かに膨出させ、握持する手で握り込んだときに、母指球またはその近部を支えることで握持し易い湾曲形状の外面を有する膨出部(トリガー)12bを形成してある。なお、リールシート本体12の前側に竿体を継ぐような構成にしてもよい。
【0030】
リールシート本体12のリール脚載置面12aは、平坦または、リールシート本体12のリール脚載置面12aに隣接する他の周方向の部位(例えば、トリガー12b)よりも大きな曲率をもって略平坦に形成することができ、かつ、図2に示すリールシート本体12の軸方向に延びた状態に形成されている。リールシート本体12には、一端(竿先側)に固定フード14が一体的に配設されている。リールシート本体12のリール脚載置面12aの一端は、固定フード14の内部に配設されている。
【0031】
詳細は後述するが、リールシート本体12には、他端(竿元側)に移動フード13が軸方向に移動自在に装着される。リール脚載置部12aにリール脚6aを載置して、その先端側を固定フード14に嵌入した状態で、後端側を軸方向に移動する移動フード13で締め付けることで魚釣用リール6はリールシート9に装着、固定されるようになっている。なお、リールシート9は、該リールシート本体12と該移動フード13とを含むが、これら以外の部材を含み得る。
【0032】
再度図2、3を参照して、本発明の一実施形態に係るリールシート9についてより詳細に説明する。図示のように、本発明の一実施形態に係るリールシート9は、リール脚6aが載置されるリール脚載置部12aと、該リール脚載置部12aの軸方向前方側(竿先側)に設けられた固定フード14と、該リール脚載置部12aの軸方向後方側(竿尻側)に設けられる筒状部4とを備えるリールシート本体12と、該リール脚載置部12aの軸方向後方側(竿尻側)に設けられた移動フード13と、該筒状部4の内側に設けられ、回転により該移動フード13を移動可能とする円筒状のナット部材18と、を備える、竿体(竿尻側竿体)2aに取付けられるリールシート9であって、該移動フード13は、該筒状部4の内側に設けられる係合部16と、該リール脚6aの少なくとも一部を収容するフード部17とを有し、該ナット部材18は、該筒状部の前記軸方向後方側(竿尻側)端部から該軸方向外側に突出しかつ該円筒状のナット部材18の径方向の外面を操作して該円筒状のナット部材18を回転可能とする操作部18aと、該筒状部4に対して相対回転可能に設けられ、該円筒状のナット部材18の径方向でみた内面(図2、3の例)又は外面(後述する図9の例)が該係合部16と係合する被係合部18bと、該操作部18aと該被係合部18bと接続する接続部18cと、を備え、該操作部18aの操作による該ナット部材18の回転により該移動フード13が該軸方向前方側(竿先側)に移動可能にされる。ここで、本発明の一実施形態に係るリールシート9において、当該竿体2は、当該リールシート9の一部(図2、3に示す例)又は全体(後述する図9に示す例)に挿通されて取付けられる。なお、竿体(竿尻側竿体)2aの端部に突起部が設けられることができる。このようにして、竿体2の元側端面部の形状による回転防止の構造を採用することができる。また、竿体(竿尻側竿体)2aに代えて、スペーサを用いるようにしてもよい。その場合は、例えば、当該スペーサに竿体が並継合せにより接続されるようにしてもよいし、当該スペーサに竿体がインローにより接続されるようにしてもよい。
【0033】
本発明の一実施形態に係るリールシートによれば、リールシートのリール脚載置部の位置が元竿杆の軸心に対して落ち込む方向にオフセットした構造を採用した場合でも、リールを把持した際やキャスティング操作時にリール脚をリールシートに固定するための操作部材に手や指が触れることを防止できることで、リールのリールシートへの固定状態を安定的に維持することが可能なリールシート、を提供することが可能となる。より具体的には、ナット部材18の被係合部18bと操作部18aとの間に距離をもたせるため接続部18cを介在させ、後述するグリップ部(グリップ部材)23よりも竿尻側に操作部18aを設けることで、リール脚載置部12aと操作部18aとを十分離れて形成できるため、リールを把持した際やキャスティング操作時にリール脚をリールシートに固定するための操作部材に手や指が触れることがない又はその可能性が大幅に低減されることで、リール6のリールシート9への固定状態を長く維持することが可能となる。
【0034】
次に、図2及び3を参照して、本発明の一実施形態に係るリールシートについて更に説明する。リールシート9のリールシート本体12は、前方に、前方筒状部15を備えており、後方に、既述の筒状部(後方筒状部)4を備え、該筒状部4の外面には握持、保持されるグリップ部(後方グリップ)23が固定されるようになっている。該リールシート本体12は、前方筒状部15と筒状部(後方筒状部)4を軸方向に亘って連結する中間連結部24を備えており、これらは一体形成されている。前方筒状部15の内面には、釣竿を構成する竿体2の基端側外周面が接着等によって固定され、筒状部4の内側において、リールシート本体12の後方側に軸心方向に沿って突出形成された内側突出部4aの内面に、釣竿を構成する竿尻側竿体2aの基端側外周面が接着等によって固定され、グリップ部23は、筒状部4の外周面に固定されており、筒状端部4bの表面と面一状になるように構成されている。この場合、筒状端部4bもグリップ部23と共に握持、保持される部分であり、グリップを構成し得る。なお、リールシート9が固定される釣竿1については、振出式、継合式、1本竿等、その構成については限定されることはなく、図2では、釣竿の一部(竿体の一部)が示され、全体構成については省略されている。また、該リールシート9は、魚釣用リール6として、ロープロファイル型の両軸受けリール(以下、リールとも称する)を装着、固定した例が示されている。
【0035】
該移動フード13は、雄ネジ部が形成された係合部16と、該リール脚6aの少なくとも一部を収容する径方向内側に湾曲したフード部17を備える。該フード部17は、中間連結部24の後方端面(筒状端部4b付近)の下方に形成された開口8内に入り込むように配設されており、この開口8は、該リール脚載置部12aと繋がっている。すなわち、移動フード13が前方側に移動すると、そのフード部17は、開口8内において、該リール脚載置部12aに載置されたリール脚6aの後端部に嵌入するようになっている。
【0036】
該移動フード13の係合部16の雄ネジ部は、筒状部4の内側に設けられたナット部材18の内面に形成された被係合部18bに形成された雌ネジ部と螺合するようにされる。すなわち、ナット部材18の操作部18bを一方向に回転操作することで、移動フード13は軸方向前方側に移動してリール脚6aの後端側を締め付け(リールの装着、固定状態)、ナット部材18を他方向に回転操作することで、移動フード13は軸方向後方側に移動して、リール脚6aの後端側を開放する(リールの取り外し状態)。ここで、係合部16と被係合部18bとの係合方法は、従来公知の様々な方法が考えられ、特定の態様(螺合)に限定されるものではない。なお、操作部18aの後端側には、ストッパ部材20を設けることで、操作部18aが後方側に抜けないように規制することができる。
【0037】
前方筒状部15の外面には、グリップ部(前方グリップ)が固定されるようにしてもよいが、図2に示す例では、グリップ部がない状態が示されている。また、竿尻側竿体2aの竿尻側端部には竿尻側グリップ部(竿尻側グリップ部材)26が形成されている。
【0038】
本発明の一実施形態に係るリールシート9において、該係合部16と該ナット部材18の被係合部18bとは螺合するようにされる。
【0039】
本発明の一実施形態に係るリールシート9において、該竿尻側竿体2aは、該筒状部の軸方向Xでみて、該筒状部の内部に70mmから100mmの範囲の長さ分挿入される又は挿入可能に構成されている。
【0040】
本発明の一実施形態に係るリールシート9において、該リールシート9の軸方向でみた、該グリップ部23の後方側端部は、同軸方向でみて、該筒状部4の後方側端部と、該ナット部材18の該操作部18aとの間に設けられる。
【0041】
本発明の一実施形態に係るリールシート9において、該筒状部4は、その軸方向後方側から竿尻側竿体2aが挿入可能にされる。
【0042】
本発明の一実施形態に係るリールシート9において、該ナット部材18の内面と、該竿尻側竿体2aの外面との間にスペーサ部材27が設けられる。
【0043】
本発明の一実施形態に係るリールシート9において、該ナット部材18の該操作部18aの後方側端部には、既述の通り、ストッパ部材20が設けられる。
【0044】
本発明の一実施形態に係るリールシート9は、該竿尻側竿体2aが挿入された状態で、該リール脚載置部12aの軸方向に垂直な一断面の該筒状部4の中心軸から下方方向でみて、内側から竿体2a、被係合部18b、筒状部4が順に設けられる。
【0045】
本発明の一実施形態に係るリールシート9は、該リール脚載置部12aの軸方向に垂直な一断面の該筒状部4の中心軸から下方方向でみて、内側から係合部16、被係合部18b、筒状部4が順に設けられる。
【0046】
次に、図4を参照して、本発明の一実施形態に係るリールシート9の断面構造について説明する。図4は、図2のA-A断面を示すものである。図示のように、本発明の一実施形態に係るリールシート9は、該竿尻側竿体2aが挿入された状態(かつ移動フード13が図2の位置にある場合)で、該筒状端部4bの軸方向に垂直な断面を該筒状端部4bの中心軸から下方方向(図4の紙面の上下方向の下方向)に向かう方向でみて、内側から後述する中間接続部19、係合部16、被係合部18b、筒状端部4bが順に設けられ、該筒状端部4bの軸方向に垂直な断面を該筒状端部4bの中心軸から上方方向(図4の紙面の上下方向の上方向)に向かう方向でみて、該中間接続部19、内側突出部4aの始端部分、被係合部18b、筒状端部4bが順に設けられる。図示のように、リールシート本体12の筒状端部4bは、外面が円形又は略円形の形状をなし、内部には湾曲して形成される係合部16を収容可能な空間を形成している。筒状端部4bの内部の形状は、係合部16の形状により種々考えられ、特定の態様に限定されるものではない。
【0047】
次に、図5を参照して、本発明の一実施形態に係るリールシート9の断面構造について説明する。図5は、図2のB-B断面を示すものである。図示のように、本発明の一実施形態に係るリールシート9は、該竿尻側竿体2aが挿入された状態(かつ移動フード13が図2の位置にある場合)で、該筒状部4の軸方向に垂直な断面を該筒状部4の中心軸から下方方向(図5の紙面の上下方向の下方向)に向かう方向でみて、内側から係合部16、被係合部18b、筒状部4、グリップ部23が順に設けられ、該筒状部4の軸方向に垂直な断面を該筒状部4の中心軸から上方方向(図5の紙面の上下方向の上方向)に向かう方向でみて、内側突出部4aの始端部分、被係合部18b、筒状部4、グリップ部が順に設けられる。図示のように、リールシート本体12の筒状部4も、外面が円形又は略円形の形状をなし、筒状端部4bと共に内部に湾曲して形成される係合部16を収容可能な空間を形成している。筒状部4の内部の形状は、係合部16等の構成部材の形状により種々考えられ、特定の態様に限定されるものではない。
【0048】
次に、図6を参照して、本発明の一実施形態に係るリールシート9の断面構造について説明する。図6は、図2のC-C断面を示すものである。図示のように、本発明の一実施形態に係るリールシート9は、該竿尻側竿体2aが挿入された状態(かつ移動フード13が図2の位置にある場合)で、該筒状部4の軸方向に垂直な断面を該筒状部4の中心軸から下方方向(図6の紙面の上下方向の下方向)に向かう方向でみて、内側から竿尻側竿体2a、被係合部18b、筒状部4、グリップ部23が順に設けられ、該筒状部4の軸方向に垂直な断面を該筒状部4の中心軸から上方方向(図6の紙面の上下方向の上方向)に向かう方向でみて、竿尻側竿体2a、内側突出部4a、被係合部18b、筒状部4、グリップ部23が順に設けられる。図示のように、リールシート本体12の筒状部4も、外面が円形又は略円形の形状をなし、竿尻側竿体2aを収容可能な空間を形成している。筒状部4の内部の形状は、円筒状に形成され、竿尻側竿体2a、ナット部材18、スペーサ部材27等の構成部材の形状により種々考えられ、特定の態様に限定されるものではない。
【0049】
次に、図7を参照して、本発明の一実施形態に係るリールシート9の断面構造について説明する。図7は、図2のD-D断面を示すものである。図示のように、本発明の一実施形態に係るリールシート9は、該竿尻側竿体2aが挿入された状態(かつ移動フード13が図2の位置にある場合)で、該筒状部4の軸方向に垂直な断面を該筒状部4の中心軸から下方方向(図7の紙面の上下方向の下方向)に向かう方向でみて、内側から竿尻側竿体2a、スペーサ部材27、ナット部材18の接続部18c、筒状部4、グリップ部23が順に設けられ、該筒状部4の軸方向に垂直な断面を該筒状部4の中心軸から上方方向(図7の紙面の上下方向の上方向)に向かう方向でみて、竿尻側竿体2a、内側突出部4a、スペーサ部材27、ナット部材18の接続部18c、筒状部4、グリップ部23が順に設けられる。図示のように、リールシート本体12の筒状部4も、外面が円形又は略円形の形状をなし、竿尻側竿体2aを収容可能な空間を形成している。筒状部4の内部の形状は、円筒状に形成され、竿尻側竿体2a、ナット部材18、スペーサ部材27等の構成部材の形状により種々考えられ、特定の態様に限定されるものではない。
【0050】
次に、図8を参照して、本発明の一実施形態に係るリールシート9における移動フード13の構造について説明する。図8(a)、(b)は、いずれも斜視図(前者は、斜め上、後者は斜め下からみたもの)である。図示のように、移動フード13は、係合部16とフード部17とを備え、該筒状部15の軸方向に垂直な断面(図4に示す断面)でみて、該係合部16は、円弧状又は湾曲して形成されている。このようにして、外面に設けられた該係合部16の雄ネジ部が、ナット部材18の内面の被係合部18bに形成された雌ネジ部と螺合せしめることが可能となる。また、該移動フード13の該係合部16は、円弧状に形成される円弧の角度は、70度から140度の範囲である。
【0051】
また、図6に示すように、本発明の一実施形態に係るリールシート9における移動フード13において、該係合部16と、該フード部17とは、該リールシート9の中心軸の径方向でみてオフセットされている(該リールシート9の中心軸の径方向でみて、該フード部17が、該係合部16よりも内側に形成されている)。また、該係合部16と、該フード部17とがオフセットされる場合、該係合部16と該フード部17との間に、該リールシート9の中心軸に垂直に延伸し、該係合部16と該フード部17とを接続する中間接続部19を有する。このようにして、中間接続部19の長さを調節することにより、竿尻側竿体2aを筒状部4のより奥まで挿入することが可能となる。
【0052】
次に、図9を参照して、リールシート本体12及びリールシート9の他の実施形態における基本的構成につき説明する。図9(a)は、本発明のその他の実施形態に係るリールシートの断面図(リールシートの中心軸を通る図9(a)の紙面の上下方向の断面図)を示し、図9(b)は、本発明のその他の実施形態に係るリールシートの正面図を示すものである。図9(c)は、図9(a)のE-E断面を示すものである。以下の説明において、軸方向(前後方向)及び上下方向は、図9(a)で示した方向を意味し、左右方向(サイド方向)は、図9(a)の紙面と直交する方向を意味する。すなわち、前方は釣竿の穂先側、後方は基端側を意味し、上方は、両軸受けリールを装着した際、元竿杆(竿杆)の軸心Xに対してリール側、下方は、その反対側を意味する。該軸心Xは、リールシート9、リールシート本体12、リール脚載置部12a、筒状部4の軸心にも対応し、これらの方向をこれらのいずれかの軸方向と呼ぶことができる。
【0053】
リールシート本体12は、魚釣用リール6のリール脚6aが載置されるリール脚載置面12aをその軸方向に沿って有するリールシート本体12を備えている。リールシート本体12は、例えば、150mmから200mmの範囲の長さを有するよう構成できるが、これに限られない。また、このリールシート本体12は、リール脚載置面12aの反対側を僅かに膨出させ、握持する手で握り込んだときに、母指球またはその近部を支えることで握持し易い湾曲形状の外面を有する膨出部(トリガー)12bを形成してある。なお、リールシート本体12の前側に竿体を継ぐような構成にしてもよい。
【0054】
リールシート本体12のリール脚載置面12aは、平坦または、リールシート本体12のリール脚載置面12aに隣接する他の周方向の部位(例えば、トリガー12b)よりも大きな曲率をもって略平坦に形成することができ、かつ、図2に示すリールシート本体12の軸方向に延びた状態に形成されている。リールシート本体12には、一端(竿先側)に固定フード14が一体的に配設されている。リールシート本体12のリール脚載置面12aの一端は、固定フード14の内部に配設されている。
【0055】
リールシート9のリールシート本体12は、前方に、前方筒状部15を備えており、後方に、既述の筒状部(後方筒状部)4を備え、該筒状部4の外面には握持、保持されるグリップ部(後方グリップ)23が固定されるようになっている。該リールシート本体12は、前方筒状部15と筒状部(後方筒状部)4を軸方向に亘って連結する中間連結部24を備えており、これらは一体形成されている。前方筒状部15の内面には、釣竿を構成する竿体2の基端部が接着等によって固定され、筒状部4の内側において、リールシート本体12の後方側に軸心方向に沿って突出形成された内側突出部4aの内面に、釣竿を構成する竿尻側竿体2aの基端部が接着等によって固定され、グリップ部23は、筒状部4の外周面に固定されており、筒状端部4bの表面と面一状になるように構成されている。
【0056】
リールシート本体12には、他端(竿元側)に移動フード13が軸方向に移動自在に装着される。リール脚載置部12aにリール脚6aを載置して、その先端側を固定フード14に嵌入した状態で、後端側を軸方向に移動する移動フード13で締め付けることで魚釣用リール6はリールシート9に装着、固定されるようになっている。なお、リールシート9は、該リールシート本体12と該移動フード13とを含むが、これら以外の部材を含み得る。
【0057】
該移動フード13は、雄ネジ部が形成された係合部16と、該リール脚6aの少なくとも一部を収容する径方向内側に湾曲したフード部17を備える。該フード部17は、中間連結部24の後方端面(筒状端部4b付近)の下方に形成された開口8内に入り込むように配設されており、この開口8は、該リール脚載置部12aと繋がっている。すなわち、移動フード13が前方側に移動すると、そのフード部17は、開口8内において、該リール脚載置部12aに載置されたリール脚6aの後端部に嵌入するようになっている。
【0058】
該移動フード13の係合部16の雄ネジ部は、筒状部4の内側に設けられたナット部材18の内面に形成された被係合部18bに形成された雌ネジ部と螺合するようにされる。すなわち、ナット部材18の操作部18bを一方向に回転操作することで、移動フード13は軸方向前方側に移動してリール脚6aの後端側を締め付け(リールの装着、固定状態)、ナット部材18を他方向に回転操作することで、移動フード13は軸方向後方側に移動して、リール脚6aの後端側を開放する(リールの取り外し状態)。ここで、係合部16と被係合部18bとの係合方法は、従来公知の様々な方法が考えられ、特定の態様(螺合)に限定されるものではない。なお、操作部18aの後端側には、ストッパ部材20を設けることで、操作部18aが後方側に抜けないように規制することができる。
【0059】
該ナット部材18の内面には竿体2が設けられ、該ナット部材18の外面にはパイプ部材28が設けられる。グリップ部(後方グリップ)23は、このパイプ部材28の外面に取付けられる。その際、グリップ部(後方グリップ)23は、このパイプ部材28の外面に螺合するようにして取付けられるようにしてもよいし、接着材により取付けられるようにしてもよい。移動フード13とナット部材18の態様は、図2ないし図8を参照して説明した通りであり、本実施形態についても基本的に同様とする。そのため、これ以上の詳細は省略する。
【0060】
次に、図9(c)を参照して、本発明の一実施形態に係るリールシート9の断面構造について説明する。図9(c)は、図9(a)のE-E断面を示すものである。図示のように、本発明の一実施形態に係るリールシート9は、該竿尻側竿体2aが挿入された状態(かつ移動フード13が図9(b)の位置にある場合)で、該筒状端部4bの軸方向に垂直な断面を該筒状端部4bの中心軸から下方方向(図9(c)の紙面の上下方向の下方向)に向かう方向でみて、内側から竿体2、被係合部18b、係合部16、筒状端部4bが順に設けられ、該筒状端部4bの軸方向に垂直な断面を該筒状端部4bの中心軸から上方方向(図9(c)の紙面の上下方向の上方向)に向かう方向でみて、竿体2、被係合部18b、筒状端部4bが順に設けられる。筒状端部4bの内部の形状は、係合部16の形状により種々考えられ、特定の態様に限定されるものではない。
【0061】
本発明の一実施形態に係る釣竿1は、上記いずれかのリールシート9と、竿体(竿体2及び竿尻側竿体2)とを備えるように構成される。なお、竿尻側竿体2aの竿尻側端部には竿尻側グリップ部26が形成されてもよく、その場合は、上記竿体には、竿尻側グリップ部26を含むように構成することができる。
【0062】
本発明の一実施形態に係る釣竿によれば、リールシートのリール脚載置部の位置が元竿杆の軸心に対して落ち込む方向にオフセットした構造を採用した場合でも、リールを把持した際やキャスティング操作時にリール脚をリールシートに固定するための操作部材に手や指が触れることを防止できることで、リールのリールシートへの固定状態を安定的に維持することが可能なリールシートを備えた釣竿を提供することが可能となる。より具体的には、ナット部材18の被係合部18bと操作部18aとの間に距離をもたせるため接続部18cを介在させ、後述するグリップ部23よりも竿尻側に操作部18aを設けることで、リール脚載置部12aと操作部18aとを十分離れて形成できるため、リールを把持した際やキャスティング操作時にリール脚をリールシートに固定するための操作部材に手や指が触れることがない又はその可能性が大幅に低減されることで、リール6のリールシート9への固定状態を長く維持することが可能となる。
【0063】
ここで、本発明の一実施形態に係るリールシート9において、該リールシート本体12は炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、ガラス強化プラスチック(GFRP)、Al又はMgにより形成することができる。また、該リールシート12の材料として、GFRTP(連続繊維)、GFRTP(不連続繊維)、CFRTP(連続繊維)、CFRTP(不連続繊維)又はハイブリッドで形成するようにしてもよい。このような材料で形成することで、十分な剛性や強度を確保しつつ重量の増大を抑制することができる。
【0064】
本明細書で説明された各構成要素の寸法、材料、及び配置は、実施形態中で明示的に説明されたものに限定されず、この各構成要素は、本発明の範囲に含まれうる任意の寸法、材料、及び配置を有するように変形することができる。また、本明細書において明示的に説明していない構成要素を、説明した実施形態に付加することもできるし、各実施形態において説明した構成要素の一部を省略することもできる。
【符号の説明】
【0065】
1 釣竿
2 竿体
2a 竿尻側竿体
3 元竿
4 筒状部(後方筒状部)
4a 内側突出部
4b 筒状端部
5 中竿
6 リール
6a リール脚
7 穂先竿
8 開口
9 リールシート
10 釣糸ガイド
12 リールシート本体
12a リール脚載置面
13 移動フード
14 固定フード
15 前方筒状部
16 係合部
17 フード部
18 ナット部材
18a 操作部
18b 被係合部
18c 接続部
19 中間接続部
20 ストッパ部材
23 グリップ部(後方グリップ)
24 中間連結部
26 竿尻側グリップ部
27 スペーサ部材
28 パイプ部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9