(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024037101
(43)【公開日】2024-03-18
(54)【発明の名称】グラビア塗工装置、積層体の製造方法、光学フィルムの製造方法、画像表示装置の製造方法、塗工ユニット
(51)【国際特許分類】
B05C 1/08 20060101AFI20240311BHJP
B05D 1/28 20060101ALI20240311BHJP
B05D 3/00 20060101ALI20240311BHJP
B05C 9/14 20060101ALI20240311BHJP
B05C 11/10 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
B05C1/08
B05D1/28
B05D3/00 B
B05C9/14
B05C11/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022141766
(22)【出願日】2022-09-06
(71)【出願人】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(74)【代理人】
【識別番号】100227019
【弁理士】
【氏名又は名称】安 修央
(72)【発明者】
【氏名】西尾 美保
(72)【発明者】
【氏名】足立 貴之
(72)【発明者】
【氏名】西郷 公史
(72)【発明者】
【氏名】島谷 和宏
【テーマコード(参考)】
4D075
4F040
4F042
【Fターム(参考)】
4D075AC25
4D075AC29
4D075AC34
4D075AC84
4D075AC88
4D075AC91
4D075AC94
4D075BB16X
4D075BB24Z
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4D075CA02
4D075CA08
4D075CA12
4D075CA13
4D075CA45
4D075CA47
4D075CA48
4D075CB02
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4D075DB33
4D075DC24
4D075EA05
4D075EA06
4D075EB22
4D075EC03
4D075EC30
4D075EC33
4D075EC35
4D075EC37
4F040AA22
4F040AC01
4F040BA26
4F040CB22
4F040CB33
4F042AA22
4F042BA12
4F042CA01
4F042CB02
4F042CB20
4F042DB02
4F042DB19
4F042DB25
4F042DD04
4F042DD07
4F042DF19
4F042DF23
(57)【要約】
【課題】 本発明は、欠点の発生を抑制することができる、グラビア塗工装置、積層体の製造方法、光学フィルムの製造方法、画像表示装置の製造方法、及び塗工ユニットの提供を目的とする。
【解決手段】 本発明のグラビア塗工装置は、基材の少なくとも一方の面上に塗液を塗布する塗工部と、前記塗布した前記塗液を乾燥させて樹脂層を形成する乾燥部とを含み、前記塗工部は、グラビアロール、及び、塗液貯留部を含み、前記グラビアロールは、前記塗液貯留部が貯留する前記塗液を前記グラビアロールの表面のセル内に満たすことが可能であり、前記塗布は、前記セル内の前記塗液を前記基材に転写することにより行い、前記塗液貯留部において、前記塗液貯留部が貯留可能な最大量の塗液の供給及び排出が150秒以内ごとにされることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の少なくとも一方の面上に塗液を塗布する塗工部と、
前記塗布した前記塗液を乾燥させて樹脂層を形成する乾燥部とを含み、
前記塗工部は、グラビアロール、及び、塗液貯留部を含み、
前記グラビアロールは、前記塗液貯留部が貯留する前記塗液を前記グラビアロールの表面のセル内に満たすことが可能であり、
前記塗布は、前記セル内の前記塗液を前記基材に転写することにより行い、
前記塗液貯留部において、前記塗液貯留部が貯留可能な最大量の塗液の供給及び排出が150秒以内ごとにされることを特徴とする
グラビア塗工装置。
【請求項2】
前記塗工部は、さらにポンプ、第一流路、及び第二流路を含み、
前記ポンプは、前記第一流路及び前記第二流路の少なくとも一方によって前記塗液貯留部と接続され、
前記第一流路は、前記塗液を前記塗液貯留部に供給するための流路であり、
前記第二流路は、前記塗液貯留部が貯留する前記塗液を排出するための流路であり、
前記ポンプは、前記供給及び前記排出の少なくとも一方を行うことにより前記塗液を循環する、
請求項1記載のグラビア塗工装置。
【請求項3】
さらに、前記樹脂層を架橋させる架橋部を含む請求項1又は2記載のグラビア塗工装置
【請求項4】
基材の少なくとも一方の面上に塗液を塗布する塗工工程と、
前記塗布した前記塗液を乾燥させて樹脂層を形成する乾燥工程とを含み、
前記塗工工程は、塗液貯留部が貯留する前記塗液をグラビアロール表面のセル内に満たし、前記セル内の前記塗液を前記基材に転写して塗布する工程を含み、
前記塗液貯留部は、前記塗液貯留部が貯留可能な最大量の塗液の供給及び排出を150秒以内ごとにすることを特徴とする
積層体の製造方法。
【請求項5】
前記塗液の供給及び排出がポンプの循環によるものである請求項4記載の積層体の製造方法。
【請求項6】
前記乾燥工程のあとに、前記樹脂層の架橋工程を含む請求項4又は5記載の積層体の製造方法。
【請求項7】
前記基材が透明基材である請求項4又は5記載の積層体の製造方法。
【請求項8】
前記樹脂層がハードコート層、アンチグレア層、粘着層、接着層、易接着層、アンチブロッキング層、インデックスマッチング層または防汚層のいずれか一つである請求項4又は5記載の積層体の製造方法。
【請求項9】
前記塗液貯留部の貯留容積(A)と、前記塗工工程において前記グラビアロールを前記塗液に浸漬させたときの浸漬部の体積(B)との比率(A/B)が、6.0以下である請求項4又は5記載の積層体の製造方法。
【請求項10】
請求項4又は5記載の積層体の製造方法により前記積層体を製造する工程を含むことを特徴とする、前記積層体を含む光学フィルムの製造方法。
【請求項11】
請求項4又は5記載の積層体の製造方法により前記積層体を製造する工程を含むことを特徴とする、前記積層体を含む画像表示装置の製造方法。
【請求項12】
請求項1又は2記載のグラビア塗工装置に用いる塗工ユニットであり、
前記グラビアロール、及び、前記塗液貯留部を含み、
前記塗液貯留部において、前記塗液を貯留し、前記塗液貯留部が貯留可能な最大量の塗液の供給及び排出が150秒以内ごとにされることを特徴とする
塗工ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グラビア塗工装置、積層体の製造方法、光学フィルムの製造方法、画像表示装置の製造方法、及び塗工ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
ロールtoロールで積層体を製造できる製造装置はいくつか存在するが、代表的なものとしてグラビア塗工装置がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
グラビア塗工装置は、例えば、特許文献1のように、塗液を貯留するための貯留槽(以下、「塗液貯留部」という場合もある。)を塗工部に備える。このとき、例えば、前記塗液貯留部に不純物が混入すると、混入した不純物が塗液とともに塗工する基材に塗布され、外観上の欠点が生じるおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、外観上の欠点の発生を抑制することができる、グラビア塗工装置、積層体の製造方法、光学フィルムの製造方法、画像表示装置の製造方法、及び塗工ユニットの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明のグラビア塗工装置は、
基材の少なくとも一方の面上に塗液を塗布する塗工部と、
前記塗布した前記塗液を乾燥させて樹脂層を形成する乾燥部とを含み、
前記塗工部は、グラビアロール、及び、塗液貯留部を含み、
前記グラビアロールは、前記塗液貯留部が貯留する前記塗液を前記グラビアロールの表面のセル内に満たすことが可能であり、
前記塗布は、前記セル内の前記塗液を前記基材に転写することにより行い、
前記塗液貯留部は、前記塗液貯留部が貯留可能な最大量の塗液の供給及び排出が150秒以内ごとにされることを特徴とする。
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の積層体の製造方法は、
基材の少なくとも一方の面上に塗液を塗布する塗工工程と、
前記塗布した前記塗液を乾燥させて樹脂層を形成する乾燥工程とを含み、
前記塗工工程は、塗液貯留部が貯留する前記塗液をグラビアロール表面のセル内に満たし、前記セル内の前記塗液を前記基材に転写して塗布する工程を含み、
前記塗液貯留部は、前記塗液貯留部が貯留可能な最大量の塗液の供給及び排出を150秒以内ごとにすることを特徴とする。
【0008】
前記目的を達成するために、本発明の前記積層体を含む光学フィルムの製造方法は、
本発明の積層体の製造方法により前記積層体を製造する工程を含むことを特徴とする。
【0009】
前記目的を達成するために、本発明の前記積層体を含む画像表示装置の製造方法は、
本発明の積層体の製造方法により前記積層体を製造する工程を含むことを特徴とする。
【0010】
前記目的を達成するために、本発明のグラビア塗工装置に用いる塗工ユニットは、
前記グラビアロール、及び、前記塗液貯留部を含み、
前記塗液貯留部において、前記塗液を貯留し、前記塗液貯留部が貯留可能な最大量の塗液の供給及び排出が150秒以内ごとにされることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、外観上の欠点の発生を抑制することができる、グラビア塗工装置、積層体の製造方法、光学フィルムの製造方法、画像表示装置の製造方法、及び塗工ユニットの提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明のグラビア塗工装置の構成を例示する断面図である。
【
図2】
図2(a)及び(b)は、本発明のグラビア塗工装置の塗工部(塗工ユニット)を例示する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
つぎに、本発明について、例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の説明により、なんら限定されない。
【0014】
本発明において、特に断らない限り、「質量%」と「重量%」とは互いに読み替えてもよく、「質量部」と「重量部」とは互いに読み替えてもよい。
【0015】
本発明において、「上に」または「面上に」は、上に、または面上に直接接触した状態でもよいし、他の層等を介した状態でもよい。
【0016】
本発明のグラビア塗工装置は、例えば、前記塗工部は、さらにポンプ、第一流路、及び第二流路を含み、前記ポンプは、前記第一流路及び前記第二流路の少なくとも一方によって前記塗液貯留部と接続され、前記第一流路は、前記塗液を前記塗液貯留部に供給するための流路であり、前記第二流路は、前記塗液貯留部が貯留する前記塗液を排出するための流路であり、前記ポンプは、前記供給及び前記排出の少なくとも一方を行うことにより前記塗液を循環してもよい。
【0017】
本発明のグラビア塗工装置は、例えば、さらに、前記樹脂層を架橋させる架橋部を含んでもよい。
【0018】
本発明の積層体の製造方法は、例えば、前記塗液の循環及び排出がポンプの循環によるものであってもよい。
【0019】
本発明の積層体の製造方法は、例えば、前記乾燥工程のあとに、前記樹脂層の架橋工程を含んでもよい。
【0020】
本発明の積層体の製造方法は、例えば、前記基材が透明基材であってもよい。
【0021】
本発明の積層体の製造方法は、例えば、前記樹脂層がハードコート層、アンチグレア層、粘着層、接着層、易接着層、アンチブロッキング層、インデックスマッチング層または防汚層のいずれか一つであってもよい。
【0022】
本発明の積層体の製造方法は、例えば、前記塗液貯留部の貯留容積(A)と、前記塗工工程において前記グラビアロールを前記塗液に浸漬させたときの浸漬部の体積(B)との比率(A/B)が、6.0以下であってもよい。
【0023】
以下、
図1及び
図2を用いて、本発明のグラビア塗工装置、積層体の製造方法、及び塗工ユニットの一例について説明する。なお、
図1及び
図2は、すべて断面図であるが、見やすさのため、ハッチを省略している。
【0024】
図1に、本発明の一例を模式的に示す。
図1において、グラビア塗工装置1(以下、単に「本装置1」という場合もある。)は、基材101の少なくとも一方の面上に塗液203を塗布する塗工部(塗工ユニット)20を含む。
図1において、塗工部20は1つであるが、例えば、塗工部20を2つ以上設け、基材101の両面に塗液203を塗布してもよく、基材101の少なくとも一方の面上に塗液203を複数回塗布してもよい。
【0025】
基材101は、例えば、ロールtoロール加工でウェブ搬送できる基材であり、例えば、樹脂基材、または金属箔があげられる。前記樹脂基材は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー等あげられる。また、前記樹脂基材の形成材料としては、例えば、ポリスチレン、アクリロニトリル‐スチレン共重合体等のスチレン系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ないしノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン‐プロピレン共重合体等のオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー等もあげられる。さらに、前記樹脂基材の形成材料としては、例えば、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマーや前記ポリマーのブレンド物等もあげられる。前記樹脂基材は、例えば、透明基材であってもよい。前記金属箔は、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ステンレス(SUS)等があげられる。前記基材のロール幅は、例えば、300~2000mm、500~1800mm、または800~1500mmであってもよい。前記基材のロール長さは、例えば、1000~10000m、2000~9000m、または3000~8000mであってもよい。
【0026】
塗液203は、例えば、ロールtoロール加工で一般的に使用されるものであり、例えば、樹脂組成物等があげられる。前記樹脂組成物は、例えば、ハードコート剤、アンチグレア剤、粘着剤、接着剤、インキ、または防汚剤等があげられる。塗液203は、例えば、溶媒を含んでもよく、例えば、塗液の希釈溶媒として使用される一般的な有機溶媒であり、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、ブタノール、t‐ブチルアルコール(TBA)、2‐メトキシエタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ジイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等があげられる。また、例えば、前記溶媒が、炭化水素溶媒と、ケトン溶媒とを含んでいてもよい。前記炭化水素溶媒は、例えば、芳香族炭化水素であってもよい。前記芳香族炭化水素は、例えば、トルエン、o‐キシレン、m‐キシレン、p‐キシレン、エチルベンゼン、およびベンゼンからなる群から選択される少なくとも一つであってもよい。前記ケトン溶媒は、例えば、シクロペンタノン、およびアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、アセトフェノンからなる群から選択される少なくとも一つであってもよい。塗液203の粘度は、例えば、0.5~55mPa・s、0.8~50mPa・s、または1.0~45mPa・sであってもよい。
【0027】
塗液203を塗布する方式は、例えば、グラビアダイレクト方式、グラビアリバース方式、キスリバースグラビア方式、ドクターチャンバー方式、であってもよい。
【0028】
図2(a)に、塗工部(塗工ユニット)20の一例を模式的に示す。塗工部20aは、グラビアロール201、及び、塗液貯留部202を含む。グラビアロール201は、例えば、大径のグラビアロール、または小径のグラビアロールであってもよい。前記大径のグラビアロールの直径は、例えば、50~200mm、または80~170mmであってもよい。前記小径のグラビアロールの直径は、例えば、20~50mm、または30~40mmであってもよい。グラビアロール201の表面には、セルが形成されている(図示せず)。グラビアロール201のセル容積は、例えば、2.0~100.0cm
3/m
3、5.0~80.0cm
3/m
3、または10.0~70.0cm
3/m
3であってもよい。グラビアロール201のセル形状は、例えば、格子型、亀甲型、斜線型、またはピラミッド型であってもよい。グラビアロール201の線数は、例えば、50~1500L/inch、60~1000L/inch、または70~500L/inchであってもよい。なお、「L/inch」は、1inch(25.4mm)あたり網点の数を指し、「線」または「L/25.4mm」と表すこともできる。グラビアロール201の深度は、例えば、3~200μ、5~150μ、または10~100μであってもよい。
【0029】
塗工部20aは、例えば、さらに、ドクター(ドクターナイフ)204を含んでもよい。ドクター204の材質は、例えば、スチール、セラミック、プラスチック、またはジルコニアであってもよい。
【0030】
図2(a)のとおり、塗液貯留部202は、塗液203を貯留する。塗液貯留部202に貯留された塗液203の量は、例えば、0.2L以上、0.5L以上、または、1.0L以上であってもよく、例えば、10.0L以下、9.0L以下、または、8.0L以下であってもよく、例えば、0.2~10.0L、0.5~9.0L、または1.0~8.0Lであってもよい。塗液の排出を促進することで欠点の発生を抑制する観点からは、前記貯留容積(A)は、例えば、1.0~6.5Lが好ましい。
【0031】
図2(a)のとおり、グラビアロール201は、その一部が塗液203に浸漬している。塗液貯留部202そのものの容積を(A)(以下、「貯留容積(A)」という。)とし、塗液203に浸漬させたときのグラビアロール201の浸漬部の体積を(B)(以下、「浸漬部の体積(B)」という。)としたとき、前記貯留容積(A)と前記浸漬部の体積(B)との比率(A/B)は、例えば、6.0以下、5.9以下、4.0以下、または1.9以下であってもよく、例えば、1.1以上、1.2以上、または1.3以上であってもよく、例えば、1.1~6.0、1.2~4.0、または1.3~1.9であってもよい。欠点の発生を抑制する観点からは、例えば、1.9以下が好ましい。
【0032】
塗液貯留部202において、塗液貯留部202が貯留可能な最大量の塗液の供給及び排出が150秒以内ごとにされる。塗液203の供給及び排出は、例えば、塗液貯留部202の上方の開口部から行ってもよいし、塗液貯留部202に穴を設け(図示せず)、当該穴から行ってもよい。塗液203を供給及び排出する時間は、例えば、140秒以内ごと、120秒以内ごと、110秒以内ごと、または60以内ごとであってもよく、例えば、6秒以上ごと、または12秒以上ごとであってもよい。塗液の排出を促進することで欠点の発生を抑制する観点からは、例えば、60秒以内ごとが好ましい。
【0033】
図2(b)に、塗工部20の別の一例を模式的に示す。塗工部20bは、
図2(a)から、さらにポンプ205、第一流路206a、第二流路206bを含む。第一流路206aは、塗液203を塗液貯留部202に供給するための流路である。第二流路206bは、塗液貯留部202が貯留する塗液203を排出するための流路である。
図2(b)において、ポンプ205は、第一流路206aによって塗液貯留部202と接続されているが、例えば、第二流路206bによって接続されていてもよく、第一流路206a及び第二流路206bの両方によって接続されていてもよい。前記流路は、例えば、金属製、または樹脂性であってもよく、例えば、配管、またはホースであってもよい。
【0034】
ポンプ205は、例えば、ダイヤフラムポンプ、ロータリーポンプ、遠心ポンプ、モーノポンプ、またはエアポンプがあげられる。ポンプ205の吐出し量(液供給量)は、例えば、0.5~20L/min、1.0~18L/min、または1.5~15L/minであってもよい。欠点個数を抑制する観点から、例えば、1.8~12L/minが好ましい。
【0035】
図2(b)において、ポンプ205は、前記供給及び前記排出の少なくとも一方を行うことにより塗液203を循環し、前記貯留する塗液203が循環により150秒以内ごとに供給及び排出される。例えば、ポンプ205が第一流路206aによってのみ接続されている場合は、前記供給のみを行い、ポンプ205が第二流路206bによってのみ接続されている場合は、前記排出のみを行い、ポンプ205が第一流路206a及び第二流路206bの両方によって接続されているときは、前記供給及び前記排出の両方を行ってもよい。前記排出を行う際、例えば、
図2(b)に示すような排出液の液溜め207を設置して、塗液203の循環を行ってもよいし、設置しなくてもよい。塗液203が入れ替わる時間は、例えば、
図2(a)で説明した場合と同じであってもよい。
【0036】
図1において、本装置1は、前記塗布した塗液203(樹脂層102”)を乾燥させて樹脂層102’を形成する乾燥部30を含む。乾燥方法は、例えば、加熱手段301を使用することができる。加熱手段301は、例えば、熱風器、加熱ロール、遠赤外線ヒーター等があげられる。乾燥温度は、例えば、50~250℃、60~150℃、70~130℃であり、乾燥時間は、例えば、0.1~30分、0.2~10分、0.3~3分である。
【0037】
前記樹脂層は、例えば、ハードコート層、アンチグレア層、粘着層、接着層、インキ層(印刷層)、アンチブロッキング層、インデックスマッチング層、易接着層、または防汚層であってもよい。
【0038】
本装置1は、例えば、さらに、第一巻出部10、架橋部40、第二巻出部50、巻取部60等を含んでもよい。架橋部40は、例えば、樹脂層102’を架橋させ、樹脂層102を形成する。前記架橋には、例えば、架橋手段401を使用することができる。架橋手段401は、例えば、光(紫外線等)を発するランプ、または電子線を照射するEB装置等があげられる。前記架橋が紫外線による場合、紫外線の波長は、例えば、200~380nm、280~380nm、または315~380nmであってもよい。また、紫外線の照射時間は、例えば、0.1~5分、0.2~3分、または0.3~1分であってもよい。紫外線の照射強度は、例えば、5.0~100mW/cm2、8.0~90mW/cm2、または10.0~80mW/cm2であってもよい。また、エネルギー線源の照射量は、紫外線波長365nmでの積算露光量として、例えば、50~500mJ/cm2、100~450mJ/cm2、または150~400mJ/cm2であってもよい。照射量が、50mJ/cm2以上であれば、硬化が十分に進行しやすく、形成される樹脂層の硬度が高くなりやすい。また、500mJ/cm2以下であれば、形成される樹脂層の着色を防止することができる。前記架橋工程が電子線硬化である場合、線量は、樹脂基材を劣化、着色させないため、例えば、5~50kGy、好ましくは5~40kGyである。電子線の加速電圧は、100~3000kV、好ましくは150~300kVである。
【0039】
図1及び
図2を用いて、本発明の積層体の製造方法の一例を、さらに詳しく説明する。
【0040】
まず、基材101を第一巻出部10から繰り出して塗工部20に搬送する。塗工部20において、基材101の少なくとも一方の面上に塗液203を塗布する塗工工程(1)を行う。塗工工程(1)では、塗液貯留部202が貯留する塗液203をグラビアロール201の表面のセル内に満たし、前記セル内の塗液203を基材101に転写し、乾燥前の樹脂層102”を形成する。このとき、塗液貯蔵部202は、塗液貯留部202が貯留可能な最大量の塗液の供給及び排出を150秒以内ごとに行う。なお、塗工工程(1)における塗工部20の詳細は、先に
図2(a)(b)を示して説明したとおりである。塗工工程(1)のあと、乾燥工程(2)において、乾燥手段301により樹脂層102”を乾燥させて、樹脂層102’を形成する。乾燥工程(2)のあと、さらに架橋工程(3)を設けてもよい。架橋工程(3)では、架橋手段401により樹脂層102’を架橋させて、樹脂層102を形成する。乾燥工程(2)又は架橋工程(3)のあと、樹脂層102’又は樹脂層102を形成した基材101(積層体)を、巻取部60で巻き取ってロールとする。前記樹脂層が粘着層又は接着層である場合、もしくは樹脂層の表面に保護フィルムを貼り合せる場合は、例えば、第二巻出部50から、基材に離型処理が施された剥離ライナー、もしくは保護フィルムを繰り出し、前記樹脂層と貼り合せる貼り合せ工程(4)を設けてもよい。
【0041】
本発明のグラビア塗工装置、積層体の製造方法、及び塗工ユニットは、例えば、ハードコートフィルム、アンチグレアフィルム、粘着フィルム、接着フィルム、印刷フィルム、アンチブロッキングフィルム、インデックスマッチング層付きフィルム、易接着層付きフィルム、防汚フィルム、またはこれらを組み合わせた積層体の製造に用いることができる。ただし、本発明のグラビア塗工装置、積層体の製造方法、及び塗工ユニットは、これらに限定されず、どのような用途に用いてもよい。
【実施例0042】
つぎに、本発明の実施例について説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されない。
【0043】
なお、以下の実施例及び比較例において、比率(A/B)が1.9である条件においては、塗液貯留部の貯蔵容積(A)が2.3Lの塗液貯留槽を使用し、グラビアロールの浸漬部の体積(B)は1.2Lとした。また、比率(A/B)が5.9である条件においては、塗液貯留部の貯蔵容積(A)が7.4Lの塗液貯留槽を使用し、グラビアロールの浸漬部の体積(B)は1.25Lとした。
【0044】
[実施例1]
次の手順により、本実施例の積層体(ハードコートフィルム)を作製した。
【0045】
(ハードコート層形成用塗工液の配合)
ハードコート層に含まれる樹脂として、紫外線硬化型アクリレート樹脂(DIC(株)製、商品名「ルクシディア17-806」、固形分80重量%)100重量部あたり、光重合開始剤(BASF社製、商品名「OMNIRAD907」)を3重量部、レベリング剤(DIC(株)製、商品名「PC4100」、固形分40重量%)を0.01重量部混合した。この混合物を固形分濃度が36重量%となるように、PGM/シクロペンタノン混合溶媒(重量比63/37)で希釈して、ハードコート層形成用塗工液を調整した。
【0046】
(ハードコートフィルムの作製)
透光性基材として、透明プラスチックフィルム基材(TAC、コニカミノルタ(株)製、商品名「KC4UA」)を準備した。前記透明プラスチックフィルム基材の片面に、作製したハードコート層形成用塗工液を、エアポンプを用いて液供給量1.84L/minの条件で塗液貯留部に供給し、比率(A/B)が9になる線数90のマイクログラビアロールを用いて塗膜を形成した。そして、この塗膜が形成された透明プラスチックフィルム基材を、乾燥工程へと搬送した。乾燥工程において、80℃で1分間加熱することにより前記塗膜を乾燥させた。その後、高圧水銀ランプにて積算光量220mJ/cm2の紫外線を照射し、前記塗膜を硬化処理して厚み7.0μmのハードコート層を形成し、実施例1のハードコートフィルムを得た。
【0047】
[実施例2~3、比較例1]
比率(A/B)、液供給量、塗液の供給及び排出時間(入れ替わり時間)を、以下の表1のようにし、その他は実施例1と同条件で積層体(ハードコートフィルム)を作製した。
【0048】
[実施例4]
次の手順により、本実施例の積層体(アンチグレアフィルム)を作製した。
【0049】
(アンチグレア層形成用塗工液の配合)
アンチグレア層に含まれる樹脂として、紫外線硬化型アクリレート樹脂(DIC(株)製、商品名「ルクシディア17-806」、固形分80重量%)100重量部あたり、光重合開始剤(BASF社製、商品名「OMNIRAD184」)を5重量部、増粘剤(クニミネ工業(株)製、商品名「スメクトンSAN」を固形分濃度が4重量%になるように事前にトルエンで希釈したもの)を2.5重量部、粒子1(富士シリシア化学(株)製、商品名「サイロホービック200」)を6.5重量部、粒子2(富士シリシア化学(株)製、商品名「サイロホービック702」)を6.5重量部、レベリング剤(DIC(株)製、商品名「メガファックF-556」、固形分100重量%)を0.7重量部混合した。この混合物を固形分濃度が44重量%となるように、トルエンで希釈して、アンチグレア層形成用塗工液を調整した。
【0050】
(アンチグレアフィルムの作製)
透光性基材として、透明プラスチックフィルム基材(TAC、コニカミノルタ(株)製、商品名「KC4UA」)を準備した。前記透明プラスチックフィルム基材の片面に、作製したアンチグレア層形成用塗工液を、ダイヤフラムポンプを用いて液供給量2.27L/minの条件で塗液貯留部に供給し、比率(A/B)が1.9になる線数100のマイクログラビアロールを用いて塗膜を形成した。そして、この塗膜が形成された透明プラスチックフィルム基材を、乾燥工程へと搬送した。乾燥工程において、80℃で20秒間、110℃で40秒間加熱することにより前記塗膜を乾燥させた。その後、高圧水銀ランプにて積算光量300mJ/cm2の紫外線を照射し、前記塗膜を硬化処理して厚み8.0μmのアンチグレア層を形成し、実施例4のアンチグレアフィルムを得た。
【0051】
[実施例5~6、比較例2]
比率(A/B)、液供給量、液の入れ替わり時間を、以下の表2のようにし、その他は実施例4と同条件で積層体(アンチグレアフィルム)を作製した。
【0052】
[実施例7]
次の手順により、本実施例の積層体(易接着層付きフィルム)を作製した。
(易接着層形成用塗工液の配合)
易接着層に含まれる樹脂として、透明導電性樹脂(ナガセケムテックス(株)製、商品名「デナトロン P-521AC」、固形分4重量%)を固形分濃度が0.6重量%となるように、純水/エタノール混合溶媒(重量比10/45)で希釈して、易接着層形成用塗工液を調整した。
【0053】
(易接着層付きフィルムの作製)
透光性基材として、透明プラスチックフィルム基材(PET、東レ(株)製、商品名「セラピールMDA」)を準備した。前記透明プラスチックフィルム基材の片面に、作製した易接着層形成用塗工液を、エアポンプを用いて液供給量5.0L/minの条件で塗液貯留部に供給し、比率(A/B)が1.9になる線数190のマイクログラビアロールを用いて塗膜を形成した。そして、この塗膜が形成された透明プラスチックフィルム基材を、乾燥工程へと搬送した。乾燥工程において、155℃で1分間加熱することにより前記塗膜を乾燥させ、厚み0.04μmの易接着層を形成し、実施例7の易接着層付きフィルムを得た。
【0054】
[実施例8、比較例3]
比率(A/B)、液供給量、塗液の供給及び排出時間(入れ替わり時間)を、以下の表3のようにし、その他は実施例7と同条件で積層体(易接着層付きフィルム)を作製した。
【0055】
上記の実施例及び比較例において、欠点(以下、「点状欠点」という場合もある。)の個数は、次の方法により計測した。なお、実施例1~3、比較例1に示すハードコートフィルムにおいては、凹凸モードの個数を欠点の個数として計測した。実施例4~6、比較例2に示すアンチグレアフィルムにおいては、白斑モードの個数を欠点の個数として計測した。実施例7~8、比較例3に示す易接着層付きフィルムにおいては、凝集体の個数を欠点の個数として計測した。なお、前記凝集体は、塗工液が凝集したものをさす。
【0056】
[欠点有無の確認]
前記各実施例および比較例のフィルム(光学フィルム)を、1330mm×1000mm角にカット(裁断)し、計測サンプルとした。これらの計測サンプルに対し、下記のZライト反射検査、及び点光源透過検査の方法により、点状欠点の有無を確認した。Zライト反射検査、及び点光源透過検査によって確認出来た欠点個数を足し合わせて、mあたりの欠点個数(個/m)とした。なお、Zライト反射検査、及び点光源透過検査の両方で確認された同一の欠点については、重複してカウントしないよう計測した。
【0057】
<欠点確認方法: Zライト反射検査>
Zライト(山田電機社製、型番「Z-208」)を、計測サンプル塗工面に対して45度の角度で400mm離れた位置から照射した。前記計測サンプルから45度(光源から90度)の角度で、前記塗工面の中心から300mm離れた位置から塗工面を目視確認し、欠点の個数を計測した。
【0058】
<欠点確認方法: 点光源透過検査>
点光源(浜松ホトニクス社製、型番「L8425-01」)を、計測サンプルの塗工面に対して45度の角度で、前記塗工面の中心より560mm離れた位置から照射した。その照射光が前記計測サンプルを透過した透過光を、前記点光源から1050mm離れた位置に設置するホワイトボードに投影した。すなわち、前記計測サンプルが前記点光源および前記ホワイトボードに挟まれた(前記点光源および前記ホワイトボードの間に位置する)状態で、前記計測サンプルに対して光を照射し、前記ホワイトボードに前記透過光の投影を行った。計測サンプルに欠点が含まれる場合、前記ホワイトボードには欠点が投影される。前記ホワイトボードに投影された欠点を目視確認し、欠点の個数を計測した。
【0059】
また、比率(A/B)を6.0以下とし、かつ液供給量が少ない条件で塗工した、各積層体における比較例(比較例1~3)の欠点個数と比べたときの実施例における欠点の個数を、欠点個数比率として算出した。前記欠点個数比率が50%以下になった条件について、外観改善効果があると判断した。
【0060】
塗液の供給及び排出時間は、次の計算式により計算した。
塗液の入れ替わり時間(min)=(塗液貯留部に貯留された塗液の量(L)‐グラビアロールの浸漬部の体積(L))/液供給量(L/min)
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
前記表1~3に示したとおり、塗液の入れ替わり時間を150秒以内ごととした、実施例1~8は、いずれの塗液を使用した場合も欠点個数比率が50%以下であった。また、欠点のモードに関わらず、あらゆる欠点が減少した。比率(A/B)を1.9倍以下とした、実施例1、3、4、6~8は、さらに欠点個数比率が低下した。液の入れ替わり時間を60秒以内ごととした、実施例1、3、4、6、8は、またさらに欠点個数比率が低下した。
【0065】
<付記>
上記実施形態及び実施例の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載し得るが、以下には限定されない。
(付記1)
基材の少なくとも一方の面上に塗液を塗布する塗工部と、
前記塗布した前記塗液を乾燥させて樹脂層を形成する乾燥部とを含み、
前記塗工部は、グラビアロール、及び、塗液貯留部を含み、
前記グラビアロールは、前記塗液貯留部が貯留する前記塗液を前記グラビアロールの表面のセル内に満たすことが可能であり、
前記塗布は、前記セル内の前記塗液を前記基材に転写することにより行い、
前記塗液貯留部において、前記塗液貯留部が貯留可能な最大量の塗液の供給及び排出が150秒以内ごとにされることを特徴とする
グラビア塗工装置。
(付記2)
前記塗工部は、さらにポンプ、第一流路、及び第二流路を含み、
前記ポンプは、前記第一流路及び前記第二流路の少なくとも一方によって前記塗液貯留部と接続され、
前記第一流路は、前記塗液を前記塗液貯留部に供給するための流路であり、
前記第二流路は、前記塗液貯留部が貯留する前記塗液を排出するための流路であり、
前記ポンプは、前記供給及び前記排出の少なくとも一方を行うことにより前記塗液を循環する、
付記1記載のグラビア塗工装置。
(付記3)
さらに、前記樹脂層を架橋させる架橋部を含む付記1又は2記載のグラビア塗工装置
(付記4)
基材の少なくとも一方の面上に塗液を塗布する塗工工程と、
前記塗布した前記塗液を乾燥させて樹脂層を形成する乾燥工程とを含み、
前記塗工工程は、塗液貯留部が貯留する前記塗液をグラビアロール表面のセル内に満たし、前記セル内の前記塗液を前記基材に転写して塗布する工程を含み、
前記塗液貯留部は、前記塗液貯留部が貯留可能な最大量の塗液の供給及び排出を150秒以内ごとにすることを特徴とする
積層体の製造方法。
(付記5)
前記入れ替えがポンプの循環によるものである付記4記載の積層体の製造方法。
(付記6)
前記乾燥工程のあとに、前記樹脂層の架橋工程を含む付記4又は5記載の積層体の製造方法。
(付記7)
前記基材が透明基材である付記4から6のいずれかに記載の積層体の製造方法。
(付記8)
前記樹脂層がハードコート層、アンチグレア層、粘着層、接着層、易接着層、アンチブロッキング層、インデックスマッチング層または防汚層のいずれか一つである付記4から7のいずれかに記載の積層体の製造方法。
(付記9)
前記塗液貯留部の貯留容積(A)と、前記塗工工程において前記グラビアロールを前記塗液に浸漬させたときの浸漬部の体積(B)との比率(A/B)が、6.0以下である付記4から8のいずれかに記載の積層体の製造方法。
(付記10)
付記4から9のいずれかに記載の積層体の製造方法により前記積層体を製造する工程を含むことを特徴とする、前記積層体を含む光学フィルムの製造方法。
(付記11)
付記4から9のいずれかに記載の積層体の製造方法により前記積層体を製造する工程を含むことを特徴とする、前記積層体を含む画像表示装置の製造方法。
(付記12)
付記1から3のいずれかに記載のグラビア塗工装置に用いる塗工ユニットであり、
前記グラビアロール、及び、前記塗液貯留部を含み、
前記塗液貯留部において、前記塗液を貯留し、前記塗液貯留部が貯留可能な最大量の塗液の供給及び排出が150秒以内ごとにされることを特徴とする
塗工ユニット。
以上、説明したとおり、本発明によれば、欠点の発生を抑制することができる、グラビア塗工装置、積層体の製造方法、及び塗工ユニットの提供することができる。本発明の用途は特に限定されず、あらゆる積層体の製造に適用することができる。