(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024037135
(43)【公開日】2024-03-18
(54)【発明の名称】光学的空気データシステムの動的再較正
(51)【国際特許分類】
G01L 27/02 20060101AFI20240311BHJP
G01L 11/02 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
G01L27/02
G01L11/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023109380
(22)【出願日】2023-07-03
(31)【優先権主張番号】17/903,721
(32)【優先日】2022-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】522306893
【氏名又は名称】ハネウェル インターナショナル エス.アール.オー.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100162846
【弁理士】
【氏名又は名称】大牧 綾子
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ポペルカ
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー エイ.ピーターソン
【テーマコード(参考)】
2F055
【Fターム(参考)】
2F055AA39
2F055BB20
2F055CC60
2F055DD20
2F055EE31
2F055EE39
2F055FF45
2F055GG49
2F055HH01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】光学的空気データシステムの動的再較正のための方法を提供する。
【解決手段】システムは、第1の静的空気圧を含む空気データ測定値の第1のセットを判定するために、車両の外部の関心領域に問い合わせる非光学的空気データセンサを備える、圧力空気データシステムを備える。システムはまた、第2の静的空気圧を含む空気データ測定値の第2のセットを判定するために、関心領域に問い合わせる光学的空気データセンサを備える、光学的空気データシステムを含む。第2の空気性的空気圧は、変換係数を使用して判定される。プロセッサは、第1の静的空気圧を受信及び処理し、第2の静的空気圧を受信及び処理し、補正ファクタを計算することによって、変換係数を動的に再較正し、補正ファクタを光学的空気データシステムに送信して、第2の静的空気圧を更新し、第1の静的空気圧及び更新された第2の静的空気圧に基づいて最適化された静的空気圧を出力する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
車両に装着され、かつ1つ以上の非光学的空気データセンサを備える、圧力空気データシステムであって、前記1つ以上の非光学的空気データセンサが、少なくとも第1の静的空気圧を含む空気データ測定値の第1のセットを判定するために、前記車両の外部の関心領域に問い合わせるように構成されている、圧力空気データシステムと、
前記車両に装着され、かつ1つ以上の光学的空気データセンサを備える、光学的空気データシステムであって、前記1つ以上の光学的空気データセンサが、少なくとも第2の静的空気圧を含む空気データ測定値の第2のセットを判定するために、前記関心領域に問い合わせるように構成されており、前記第2の静的空気圧が、1つ以上の変換係数を使用して判定される、光学的空気データシステムと、
前記圧力空気データシステム及び前記光学的空気データシステムに動作可能に結合された少なくとも1つのシステムプロセッサと、を備え、前記少なくとも1つのシステムプロセッサが、
前記圧力空気データシステムから前記第1の静的空気圧を受信及び処理することと、
前記光学的空気データシステムから前記第2の静的空気圧を受信及び処理することと、
前記光学的空気データシステムのための少なくとも1つの補正ファクタを計算することによって、前記1つ以上の変換係数を動的に再較正することと、
前記補正ファクタを前記光学的空気データシステムに送信して、前記第2の静的空気圧を更新することと、
前記第1の静的空気圧及び前記更新された第2の静的空気圧に基づいて最適化された静的空気圧を出力することと、を行うように動作し、
前記光学的空気データシステムは、前記圧力空気データシステムが故障した場合のバックアップシステムとして構成されている、システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つのシステムプロセッサが、前記光学的空気データシステムのための前記少なくとも1つの補正ファクタを計算することによって、前記1つ以上の変換係数を動的に再較正するように動作するカルマンフィルタをホストし、
前記少なくとも1つの補正ファクタが、次の測定サイクルにおいて前記第2の静的空気圧を更新するために使用される前記1つ以上の変換係数を再較正するために、前記光学的空気データシステムによって適用される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
方法であって、
車両に搭載された1つ以上の非光学的空気データセンサを含む圧力空気データシステムを提供することと、
前記車両に搭載された1つ以上の光学的空気データセンサを含む光学的空気データシステムを提供することと、
前記1つ以上の非光学的空気データセンサを使用して、前記車両の外部の関心領域に問い合わせて、第1の静的空気圧を含む空気データ測定値の第1のセットを判定することと、
前記1つ以上の光学的空気データセンサを使用して、前記関心領域に問い合わせて、第2の静的空気圧を含む空気データ測定値の第2のセットを判定することであって、前記第2の静的空気圧が、1つ以上の変換係数を使用して前記光学的空気データシステムにおいて判定される、ことと、
プロセッサにおいて、前記圧力空気データシステムから前記第1の静的空気圧を受信することと、
前記プロセッサにおいて、前記光学的空気データシステムから前記第2の静的空気圧を受信することと、
前記プロセッサにおいて、前記1つ以上の変換係数に対する少なくとも1つの補正ファクタを計算することと、
前記少なくとも1つの補正ファクタを前記光学的空気データシステムに送信して、前記1つ以上の変換係数を動的に再較正することと、
前記再較正された1つ以上の変換係数を使用して、次の測定サイクルにおいて、前記第2の静的空気圧を更新することと、
前記プロセッサから、前記第1の静的空気圧及び前記更新された第2の静的空気圧に基づいて最適化された静的空気圧を出力することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
政府支援研究又は開発に関する記載
本出願につながるプロジェクトは、欧州連合のホライゾン2020研究革新プログラムに基づくClean Sky2合弁事業から、付与された契約第807097号に基づき資金提供を受けている。
【背景技術】
【0002】
光学的空気データシステムは、空気密度と分子信号後方散乱強度との間の比例関係のために、空気密度を測定することができる。空気温度も既知である場合、静的空気圧は、理想気体の法則を用いて算出することができる。分子信号後方散乱強度からの静的空気密度及び圧力を算出することは、変換係数を使用して行われる。変換係数は、レーザパワー、送信機-受信機アライメント、アパーチャサイズ、及び光学素子スループットなどの様々な量から判定される。一般に、これらの量は、既知又は不明な影響によって変動し得る。したがって、変換係数は、頻繁に較正される必要があり得る。現在のアプローチは、定期的なシステム再較正を必要とし、これは、認証されたデバイスの必要性を必要とし、高い保守費用を生じる。
【発明の概要】
【0003】
システムは、車両に装着され、かつ1つ以上の非光学的空気データセンサを含む圧力空気データシステムであって、1つ以上の非光学的空気データセンサが、少なくとも第1の静的空気圧を含む空気データ測定値の第1のセットを判定するために、車両の外部の関心領域に問い合わせるように構成されている、圧力空気データシステムを備える。システムはまた、車両に装着され、かつ1つ以上の光学的空気データセンサを含む光学的空気データシステムであって、1つ以上の光学的空気データセンサが、少なくとも第2の静的空気圧を含む空気データ測定値の第2のセットを判定するために、関心領域に問い合わせるように構成されている、光学的空気データシステムを含む。第2の静的空気圧は、1つ以上の変換係数を使用して判定される。少なくとも1つのシステムプロセッサは、圧力空気データシステム及び光学的空気データシステムに動作可能に結合される。システムプロセッサは、圧力空気データシステムから第1の静的空気圧を受信及び処理することと、光学的空気データシステムから第2の静的空気圧を受信及び処理することと、光学的空気データシステムのための少なくとも1つの補正ファクタを計算することによって、1つ以上の変換係数を動的に再較正することと、補正ファクタを光学的空気データシステムに送信して、第2の静的空気圧を更新することと、第1の静的空気圧及び更新された第2の静的空気圧に基づいて最適化された静的空気圧を出力することと、を行うように動作する。光学的空気データシステムは、圧力空気データシステムが故障した場合のバックアップとして使用されるように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本発明の特徴は、図面を参照する以下の説明から当業者には明らかとなるであろう。図面は典型的な実施形態のみを示し、したがって範囲を限定するものとみなされるべきではないことを理解した上で、本発明を添付の図面を使用して更なる具体性及び詳細と共に説明する。
【
図1】一実施形態による、光学的空気データシステムの動的再較正のためのシステムのブロック図である。
【
図2】一実装形態による、光学的空気データシステムの動的再較正のための方法のフロー図である。
【
図3】別の実施形態による、光学的空気データシステムの動的再較正のためのシステムのブロック図である。
【
図4】別の実装形態による、光学的空気データシステムの動的再較正のための方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下の詳細な説明において、実施形態は、当業者が本発明を実施することを可能にするために十分詳細に説明される。本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用し得ることを理解されたい。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではない。
【0006】
光学的空気データシステムの動的再較正のための方法及びシステムが、本明細書において説明される。
【0007】
静的空気圧などの空気データ測定値を得るように光学的空気データシステムを使用するためには、変換係数の較正が必要である。必要とされる精度を有する信号出力を提供するために、較正は頻繁に行われる必要がある。本アプローチは、光学的空気データシステムの動的再較正のための方法を提供する。これは、光学的空気データシステムの性能を改善しながら、定期的なメンテナンス較正のコストを削減する。
【0008】
本光学的空気データシステムは、圧力空気データシステムなどのレガシ空気データシステムが故障した場合のバックアップとして使用され得る。光学的空気データシステムの動的再較正により、光学的空気データシステムの必要とされる性能が可能となるため、光学的空気データシステムは、圧力空気データシステムが故障した場合の主空気データシステムとして使用され得る。
【0009】
本アプローチに関する更なる詳細は、以下のように、図面を参照して説明される。
【0010】
図1は、一実施形態による、動的再構成のためのシステム100のブロック図である。システム100は、概して、航空機などの車両102に搭載された圧力空気データシステム110と、車両102に搭載された光学的空気データシステム120と、を備える。搭載されたシステムプロセッサ130は、圧力空気データシステム110及び光学的空気データシステム120と動作可能に通信する。システムプロセッサ130は、プログラム命令及びデータを記憶するように構成された1つ以上のメモリユニット(図示せず)を含むか、又はそれと通信することができる。
【0011】
圧力空気データシステム110は、1つ以上の非光学的空気データセンサ112と、非光学的空気データセンサ112に動作可能に結合された少なくとも1つの静圧プロセッサ114と、を含む。非光学的空気データセンサ112は、車両102の外部の大気の関心領域118に問い合わせるように、かつ静圧プロセッサ114にセンサデータを提供するように構成されており、静圧プロセッサ114は、少なくとも第1の静的空気圧116を含む空気データ測定値の第1のセットを判定する。
【0012】
例示的な実施形態では、非光学的空気データセンサ112は、例えば、ピトー管、静圧ポートなどの1つ以上の静圧センサを含むことができる。追加的に、1つ以上の温度センサ115が、圧力空気データシステム110内で任意選択的に用いられ得る。
【0013】
光学的空気データシステム120は、1つ以上の光学的空気データセンサ122と、光学的空気データセンサ122に動作可能に結合された少なくとも1つの光学的空気データプロセッサ124と、を含む。光学的空気データセンサ122は、関心領域118に問い合わせるように、かつ光学的空気データプロセッサ124にセンサデータを提供するように構成されており、光学的空気データプロセッサ124は、少なくとも第2の静的空気圧128を含む空気データ測定値の第2のセットを判定する。第2の静的空気圧128は、以下で更に詳細に考察されるように、1つ以上の変換係数126を使用して判定される。
【0014】
例示的な実施形態では、光学的空気データセンサ122は、1つ以上の光検出及び測距(light detection and ranging、LiDAR)センサを含むことができ、このLiDARセンサは、関心領域118内に光を伝送し、関心領域118から伝送された光の散乱部分を収集するように構成されている。追加的に、1つ以上の温度センサ119が、光学的空気データシステム120内で任意選択的に用いられ得る。
【0015】
システムプロセッサ130は、圧力空気データシステム110から第1の静的空気圧116を受信及び処理するように動作する。システムプロセッサ130はまた、光学的空気データシステム120から第2の静的空気圧128を受信及び処理するように動作する。一実施形態では、プロセッサ130は、カルマンフィルタ132をホストし、これを使用して、光学的空気データシステム120に出力される補正ファクタ134を計算することによって、変換係数126を動的に再較正することができる。カルマンフィルタ132はまた、圧力空気データシステム110及び光学的空気データシステム120からの最良の静圧出力を推定するように動作する。カルマンフィルタに関する更なる詳細は、以下で考察される。
【0016】
補正ファクタ134は、更新された第2の静的空気圧128が次の測定サイクルにおいて光学的空気データシステム120によって出力されるように、変換係数126を再較正するために適用される。プロセッサ130は、圧力空気データシステム110からの第1の静的空気圧116と、光学的空気データシステム120からの更新された第2の静的空気圧128とに基づいて、最適化された静的空気圧140を出力する。
【0017】
光学的空気データシステム120はまた、圧力空気データシステム110が故障した場合のバックアップ空気データシステムとして構成され得る。
【0018】
システム100の動作中、光学的空気データシステム120は、以下のように表される理想気体の法則を使用して分子信号後方散乱強度から静的空気圧を計算することができる。
【0019】
【数1】
式中、P
calcは、算出された圧力であり、Nは、空気分子の数であり、k
bは、ボルツマン定数であり、Tは、光学的空気データシステムから算出された静的空気温度であり、Vは、測定領域の体積である。
【0020】
光学的空気データシステムは、空気分子の数を直接測定しておらず、分子信号後方散乱強度を測定しているため、空気分子の数は、以下のように算出され得る。
N=NmC
式中、Nmは、分子信号後方散乱強度であり、Cは、変換定数である。圧力空気データシステム及び光学的空気データシステムの両方を使用することにより、分子信号後方散乱強度対分子数変換係数を算出することが可能となり、以下のように表される。
【0021】
【数2】
式中、P
ref-1は、前の測定サイクルにおいて圧力空気データシステムによって測定された静的空気圧であり、P
calc-1は、以下のように算出される静的空気圧である。
【0022】
【0023】
圧力空気データシステム110が故障した場合、光学的空気データシステム120は、変換定数を更新せず、代わりに最新の変換定数を使用して可能な限り最良の性能を維持する。
【0024】
図2は、例示的な一実装形態による、カルマンフィルタによって行われる動的再較正プロセス200の機能フロー図である。プロセス200において、カマンフィルタは、圧力空気データシステムから第1の静的空気圧を受信及び処理し(ブロック210)、光学的空気データシステムから第2の静的空気圧を受信及び処理する(ブロック212)ように動作する。その後、カルマンフィルタは、第1及び第2の静的空気圧に基づいて、光学的空気データシステムの補正ファクタを計算することによって、変換係数を動的に再較正する(ブロック214)。カルマンフィルタは、補正ファクタを光学的空気データシステムに送信して、次の測定サイクルにおいて第2の静圧を更新する(ブロック216)。続いて、カルマンフィルタは、第1の静的空気圧及び更新された第2の静的空気圧に基づいて最適化された静的空気圧を出力する(ブロック218)。
【0025】
図3は、一実施形態による、カルマンフィルタを使用する動的再構成のためのシステム300のブロック図である。システム300は、概して、車両に搭載された圧力空気データシステム310と、搭載された光学的空気データシステム320と、を備える。搭載されたシステムプロセッサ330は、圧力空気データシステム310及び光学的空気データシステム320と動作可能に通信する。
【0026】
圧力空気データシステム310は、車両の外部の大気の関心領域に問い合わせるように、かつ第1の静的空気圧を判定するために使用されるセンサデータを提供するように構成された非光学的空気データセンサを含む。光学的空気データシステム320は、関心領域に問い合わせるように、かつ第2の静的空気圧を判定するために使用されるセンサデータを提供するように構成された光学的空気データセンサを含む。第2の静的空気圧は、先で説明されるように、1つ以上の変換係数を使用して判定される。
【0027】
システムプロセッサ330は、圧力空気データシステム310からの第1の静的空気圧と、光学的空気データシステム320からの第2の静的空気圧とを受信及び処理するように動作する。プロセッサ330は、変換係数を動的に再較正するために使用されるカルマンフィルタ332をホストする。カルマンフィルタ332は、予測モジュール334と、予測モジュール334からの出力を受信するように構成された補正モジュール336と、を含む。予測モジュール334は、第1及び第2の静的空気圧を受信及び処理するように構成されている。補正モジュール336は、予測モジュール334からの出力を受信し、この予測モジュールを使用して、変換係数を再較正するための補正ファクタを計算する。補正ファクタに対応する補正信号は、補正モジュール336から光学的空気データシステム320の入力に送信される。
【0028】
補正ファクタは、更新された第2の静的空気圧が次の測定サイクルにおいて光学的空気データシステム320によって出力されるように、変換係数を再較正するために適用される。プロセッサ330は、圧力空気データシステム310からの第1の静的空気圧と、光学的空気データシステム330からの更新された第2の静的空気圧とに基づいて、最適化された静的空気圧を出力する。
【0029】
図4は、航空機などの車両に搭載された圧力空気データシステムと併せて用いられる光学的空気データシステムの動的再較正のための例示的な方法400のフロー図である。圧力空気データシステムは、非光学的空気データセンサを含み、光学的空気データシステムは、光学的空気データセンサを含む。方法400は、非光学的空気データセンサを使用して、車両の外部の関心領域に問い合わせて、第1の静的空気圧を含む空気データ測定値の第1のセットを判定すること(ブロック410)と、光学的空気データセンサを使用して、関心領域に問い合わせて、第2の静的空気圧を含む空気データ測定値の第2のセットを判定すること(ブロック412)と、を含む。第2の静的空気圧は、光学的空気データシステムのメモリに保存された1つ以上の変換係数を使用して判定される。方法400は、プロセッサにおいて、圧力空気データシステムから第1の静的空気圧を受信すること(ブロック414)と、プロセッサにおいて、光学的空気データシステムから第2の静的空気圧を受信すること(ブロック416)と、を更に含む。その後、方法400は、プロセッサにおいて、光学的空気データシステムにおける1つ以上の変換係数に対する少なくとも1つの補正ファクタを計算する(ブロック418)。次いで、方法400は、少なくとも1つの補正ファクタを光学的空気データシステムに送信して、1つ以上の変換係数を動的に再較正する(ブロック420)。方法400は、再較正された1つ以上の変換係数を使用して、次の測定サイクルにおいて第2の静的空気圧の更新を行う(ブロック422)。続いて、方法400は、プロセッサから、第1の静的空気圧及び更新された第2の静的空気圧に基づいて最適化された静的空気圧を出力すること(ブロック424)を含む。
【0030】
本明細書で説明するシステム及び方法において使用される処理ユニット及び/又は他の計算デバイスは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はそれらの適切な組み合わせを使用して実装され得る。処理ユニット及び/又は他の計算デバイスは、特別に設計された特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)若しくはフィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)によって補充されるか、又はそれらに組み込まれ得る。いくつかの実装形態では、処理ユニット及び/又は他の計算デバイスは、追加の送受信機を通して、管理システムと関連付けられたもの、又は管理システムによって制御される他のサブシステムと関連付けられた計算デバイスなどの、システムの外部の他の計算デバイスと通信し得る。処理ユニット及び/又は他の計算デバイスはまた、本明細書で説明する方法及びシステムで使用される様々なプロセスタスク、算出、及び制御機能を実行するためのソフトウェアプログラム、ファームウェア、又は他のコンピュータ可読命令を含むか、又はそれを用いて機能することができる。
【0031】
本明細書で説明する方法は、少なくとも1つのプロセッサ又は処理ユニットによって実行されるプログラムモジュール又はコンポーネントなどのコンピュータ実行可能命令によって実装され得る。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを行う、又は特定の抽象データタイプを実装する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、データコンポーネント、データ構造、アルゴリズムなどを含む。
【0032】
様々なプロセスタスク、算出、及び本明細書で説明する方法の動作に使用される他のデータの生成を実行するための命令は、ソフトウェア、ファームウェア、又は他のコンピュータ可読命令で実装され得る。これらの命令は、典型的には、コンピュータ可読命令又はデータ構造の記憶に使用されるコンピュータ可読媒体を含む適切なコンピュータプログラム製品に記憶される。このようなコンピュータ可読媒体は、汎用の又は特殊なコンピュータ若しくはプロセッサ、又は任意のプログラマブル論理デバイスによってアクセスされ得る利用可能な媒体であり得る。
【0033】
好適なコンピュータ可読記憶媒体は、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、読み出し専用メモリ(Read Only Memory、ROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(Electrically Erasable Programmable ROM、EEPROM)、若しくはフラッシュメモリデバイスなどの半導体メモリデバイスを含む不揮発性メモリデバイス、内部ハードディスク、若しくは取り外し可能なディスクなどの磁気ディスク、コンパクトディスク(compact disc、CD)、デジタル多用途ディスク(digital versatile disc、DVD)、ブルーレイディスクなどの光記憶デバイス、又はコンピュータ実行可能命令若しくはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを担持又は記憶するために使用され得る任意の他の媒体を含み得る。
【0034】
例示的な実施形態
実施例1は、システムを含み、システムが、車両に装着され、かつ1つ以上の非光学的空気データセンサを含む圧力空気データシステムであって、1つ以上の非光学的空気データセンサが、少なくとも第1の静的空気圧を含む空気データ測定値の第1のセットを判定するために、車両の外部の関心領域に問い合わせるように構成されている、圧力空気データシステムと、車両に装着され、かつ1つ以上の光学的空気データセンサを含む光学的空気データシステムであって、1つ以上の光学的空気データセンサが、少なくとも第2の静的空気圧を含む空気データ測定値の第2のセットを判定するために、関心領域に問い合わせるように構成されており、第2の静的空気圧が、1つ以上の変換係数を使用して判定される、光学的空気データシステムと、圧力空気データシステム及び光学的空気データシステムに動作可能に結合された少なくとも1つのシステムプロセッサと、を備え、少なくとも1つのシステムプロセッサが、圧力空気データシステムから第1の静的空気圧を受信及び処理することと、光学的空気データシステムから第2の静的空気圧を受信及び処理することと、光学的空気データシステムのための少なくとも1つの補正ファクタを計算することによって、1つ以上の変換係数を動的に再較正することと、補正ファクタを光学的空気データシステムに送信して、第2の静的空気圧を更新することと、第1の静的空気圧及び更新された第2の静的空気圧に基づいて最適化された静的空気圧を出力することと、を行うように動作し、光学的空気データシステムは、圧力空気データシステムが故障した場合のバックアップシステムとして構成されている。
【0035】
実施例2は、1つ以上の非光学的空気データセンサが、1つ以上の静圧センサを含む、実施例1に記載のシステムを含む。
【0036】
実施例3は、1つ以上の静圧センサが、1つ以上のピトー管、1つ以上の静圧ポート、又はそれらの組み合わせを含む、実施例2に記載のシステムを含む。
【0037】
実施例4は、圧力空気データシステムが、1つ以上の温度センサを更に含む、実施例1~3のいずれかに記載のシステムを含む。
【0038】
実施例5は、圧力空気データシステムが、1つ以上の非光学的空気データセンサに動作可能に結合された少なくとも1つの静圧プロセッサを更に含む、実施例1~4のいずれかに記載のシステムを含む。
【0039】
実施例6は、1つ以上の光学的空気データセンサが、1つ以上の光検出及び測距(LiDAR)センサを含む、実施例1~5のいずれかに記載のシステムを含む。
【0040】
実施例7は、光学的空気データシステムが、1つ以上の温度センサを更に含む、実施例1~6のいずれかに記載のシステムを含む。
【0041】
実施例8は、光学的空気データシステムが、1つ以上の光学的空気データセンサに動作可能に結合された少なくとも1つの光学空気データプロセッサを更に含む、実施例1~7のいずれかに記載のシステムを含む。
【0042】
実施例9は、少なくとも1つのシステムプロセッサが、光学的空気データシステムのための少なくとも1つの補正ファクタを計算することによって、1つ以上の変換係数を動的に再較正するように動作するカルマンフィルタをホストする、実施例1~8のいずれかに記載のシステムを含む。
【0043】
実施例10は、少なくとも1つの補正ファクタが、次の測定サイクルにおいて第2の静的空気圧を更新するために使用される1つ以上の変換係数を再較正するために、光学的空気データシステムによって適用される、実施例1~9のいずれかに記載のシステムを含む。
【0044】
実施例11は、車両が、航空機である、実施例1~10のいずれかに記載のシステムを含む。
【0045】
実施例12は、車両に搭載された1つ以上の非光学的空気データセンサを含む圧力空気データシステムを提供することと、車両に搭載された1つ以上の光学的空気データセンサを含む光学的空気データシステムを提供することと、1つ以上の非光学的空気データセンサを使用して、車両の外部の関心領域に問い合わせて、第1の静的空気圧を含む空気データ測定値の第1のセットを判定することと、1つ以上の光学的空気データセンサを使用して、関心領域に問い合わせて、第2の静的空気圧を含む空気データ測定値の第2のセットを判定することであって、第2の静的空気圧が、1つ以上の変換係数を使用して光学的空気データシステムにおいて判定される、ことと、プロセッサにおいて、圧力空気データシステムから第1の静的空気圧を受信することと、プロセッサにおいて、光学的空気データシステムから第2の静的空気圧を受信することと、プロセッサにおいて、1つ以上の変換係数に対する少なくとも1つの補正ファクタを計算することと、少なくとも1つの補正ファクタを光学的空気データシステムに送信して、1つ以上の変換係数を動的に再較正することと、再較正された1つ以上の変換係数を使用して、次の測定サイクルにおいて第2の静的空気圧を更新することと、プロセッサから、第1の静的空気圧及び更新された第2の静的空気圧に基づいて最適化された静的空気圧を出力することと、を含む、方法を含む。
【0046】
実施例13は、光学的空気データシステムは、圧力空気データシステムが故障した場合のバックアップシステムとして使用するように構成可能である、実施例12に記載の方法を含む。
【0047】
実施例14は、1つ以上の非光学的空気データセンサが、1つ以上の静圧センサを備える、実施例12又は13に記載の方法を含む。
【0048】
実施例15は、1つ以上の静圧センサが、1つ以上のピトー管、1つ以上の静圧ポート、又はそれらの組み合わせを含む、実施例14に記載の方法を含む。
【0049】
実施例16は、圧力空気データシステムが、1つ以上の温度センサを更に含む、実施例12~15のいずれかに記載の方法を含む。
【0050】
実施例17は、1つ以上の光学的空気データセンサが、1つ以上の光検出及び測距(LiDAR)センサを含む、実施例12~16のいずれかに記載の方法を含む。
【0051】
実施例18は、光学的空気データシステムが、1つ以上の温度センサを更に含む、実施例12~17のいずれかに記載の方法を含む。
【0052】
実施例19は、プロセッサが、1つ以上の変換係数に対する少なくとも1つの補正ファクタを計算するように動作するカルマンフィルタをホストする、実施例12~18のいずれかに記載の方法を含む。
【0053】
実施例20は、車両が、航空機である、実施例12~19のいずれかに記載の方法を含む。
【0054】
以上から、例解目的のために具体的な実施形態が説明されてきたが、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができることが理解されるであろう。したがって、説明された実施形態は、全ての点において、例解的であるに過ぎず、限定的ではないとみなされるべきである。追加的に、特許請求の範囲の意味及び均等範囲内にある全ての変更は、それらの範囲内に包含されるものとする。
【外国語明細書】