(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024037156
(43)【公開日】2024-03-18
(54)【発明の名称】コンタクト要素を覆うための汎用ハウジング
(51)【国際特許分類】
H01R 13/514 20060101AFI20240311BHJP
【FI】
H01R13/514
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023142728
(22)【出願日】2023-09-04
(31)【優先権主張番号】10 2022 122 506.2
(32)【優先日】2022-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】501090342
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Germany GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ シュヴァン
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク ハイス
(72)【発明者】
【氏名】ミーケ イスクラ
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087EE07
5E087FF12
5E087FF16
5E087GG12
5E087JJ08
5E087MM08
5E087MM09
5E087MM12
5E087QQ03
5E087QQ04
5E087RR29
(57)【要約】 (修正有)
【課題】互いに対して異なって配置されるコンタクト要素に用いて生産コストを低減させるハウジングを提供する。
【解決手段】互いに異なる間隔を空けているコンタクト要素19、41の複数のペアを覆うことが可能な汎用ハウジング1を得るために、第1の部分ハウジング3および第2の部分ハウジング5を備組み立て済み状態において互いに補完し合ってハウジング1を形成し、第1の接続アセンブリ15と第2のコンタクト要素41に接続するための第2の接続アセンブリ37とを有し、第2の部分ハウジング5は、貫通開口部55の領域において第1の部分ハウジングに当接するように構成され、第2の導体レセプタクル9は、組み立て済み状態において、貫通開口部55と共に共通の空洞部59を形成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つのコンタクト要素(19、41)の導体側接続点(17、43)を覆い、少なくとも2つの電気導体(11、33)と、前記電気導体(11、33)を前記コンタクト要素(19、41)に接続するための接続アセンブリ(15、37)とを部分的に収容するためのハウジング(1)であって、
組み立て済み状態において互いに補完し合って前記ハウジング(1)を形成する第1の部分ハウジング(3)および第2の部分ハウジング(5)を備え、
前記第1の部分ハウジング(3)は、第1の電気導体(11)を少なくとも部分的に収容するように構成されている第1の導体レセプタクル(7)と、前記第1の電気導体(11)を第1のコンタクト要素(19)に接続するための第1の接続アセンブリ(15)とを有し、前記第1の部分ハウジング(3)には、第2のコンタクト要素(41)のための貫通開口部(55)が設けられ、
前記第2の部分ハウジング(5)は、第2の電気導体(33)を少なくとも部分的に収容するように構成されている第2の導体レセプタクル(9)と、前記第2の電気導体(33)を前記第2のコンタクト要素(41)に接続するための第2の接続アセンブリ(37)とを有し、前記第2の部分ハウジング(5)は、前記貫通開口部(55)の領域において前記第1の部分ハウジング(3)に当接するように構成され、前記組み立て済み状態において、前記第2の導体レセプタクル(9)は、前記貫通開口部(55)と共に共通の空洞部(59)を形成する、
ハウジング(1)。
【請求項2】
前記第1の導体レセプタクル(7)の壁(79)が、前記第1の部分ハウジング(3)から突出し、前記組み立て済み状態において、前記第2の部分ハウジング(5)におけるレセプタクル(77)に収容されている、請求項1に記載のハウジング(1)。
【請求項3】
前記第2の部分ハウジング(5)における前記レセプタクル(77)は、長孔(81)として形成されている、請求項2に記載のハウジング(1)。
【請求項4】
前記第2の部分ハウジング(5)は、前記貫通開口部(55)の領域において前記第1の部分ハウジング(3)に当接し、少なくともその縁部領域(63)において前記第1の部分ハウジング(3)における前記貫通開口部(5)を覆うように構成されているカバー部分(61)を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のハウジング(1)。
【請求項5】
前記第2の部分ハウジング(5)には、前記カバー部分(61)の領域において、少なくとも1つの封止要素(71)が設けられている、請求項4に記載のハウジング(1)。
【請求項6】
前記第1の部分ハウジング(3)は、前記組み立て済み状態において前記第2の部分ハウジング(5)の前記カバー部分(61)に当接する、前記貫通開口部(55)を取り囲む少なくとも1つのビード(75)を有する、請求項4または5に記載のハウジング(1)。
【請求項7】
前記第1の導体レセプタクル(7)および前記第2の導体レセプタクル(9)は、前記ハウジング(1)が前記組み立て済み状態にあるとき、互いに分離している、請求項1から6のいずれか一項に記載のハウジング(1)。
【請求項8】
前記第1の導体レセプタクル(7)における第1の導体(11)および第1の接続アセンブリ(15)と、前記第2の導体レセプタクル(9)における第2の導体(33)および第2の接続アセンブリ(37)とをさらに備える、請求項1から7のいずれか一項に記載のハウジング(1)。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のハウジング(1)と、
少なくとも1つのコンタクトハウジング要素(88)と、を備えるハウジングアセンブリ(95)であって、
前記少なくとも1つのコンタクトハウジング要素(88)は、
前記ハウジング(1)と差し込み合うことが可能であるように構成され、
前記第1のコンタクト要素(19)の位置を画定するように構成されている第1のコンタクト要素レセプタクル(89)と、前記第1のコンタクト要素(19)から所定の軸線間隔(69)を空けて前記第2のコンタクト要素(41)の位置を画定するように構成されている第2のコンタクト要素レセプタクル(91)とを有し、
前記第2のコンタクト要素レセプタクル(91)は、前記第1の部分ハウジング(3)における前記貫通開口部(55)の内径(56)よりも小さい内径(97)を有する、
ハウジングアセンブリ(95)。
【請求項10】
前記組み立て済み状態において前記第2のコンタクト要素レセプタクル(91)と前記貫通開口部(55)の内壁(111)との間に配置される少なくとも1つの位置合わせ構造(109)をさらに備える、請求項9に記載のハウジングアセンブリ(95)。
【請求項11】
前記少なくとも1つの位置合わせ構造(109)は、前記コンタクトハウジング要素(88)に接続可能であるように構成され、または前記コンタクトハウジング要素(88)と一体に形成することが可能である、請求項10に記載のハウジングアセンブリ(95)。
【請求項12】
位置合わせ構造(109)は、前記第1のコンタクト要素レセプタクル(89)により近い前記第2のコンタクト要素レセプタクル(91)の側(113)において、前記第1のコンタクト要素レセプタクル(89)からより遠い前記第2のコンタクト要素レセプタクル(91)の側(117)とは異なる厚さ(115)を有する、請求項10または11に記載のハウジングアセンブリ(95)。
【請求項13】
各コンタクト要素レセプタクル(7、9)内に対応するコンタクト要素(19、41)をさらに備える、請求項9から12のいずれか一項に記載のハウジングアセンブリ(95)。
【請求項14】
請求項1から8のいずれか一項に記載のハウジング(1)と、請求項9から13のいずれか一項に記載の2つのコンタクトハウジング要素(88)とを備え、
前記第1のコンタクト要素レセプタクル(89)と前記第2のコンタクト要素レセプタクル(91)との間の前記軸線間隔(69)は、前記2つのコンタクトハウジング要素(88)について異なる、
セット。
【請求項15】
各コンタクトハウジング要素(88)には、位置合わせ構造(109)が設けられ、
各位置合わせ構造(109)には、前記第2のコンタクト要素レセプタクル(91)における増厚部(121)が設けられ、
一方の前記コンタクトハウジング要素(88)の前記増厚部(121)は、前記第1のコンタクト要素レセプタクル(89)の方向を向くように配置され、他方の前記コンタクトハウジング要素(88)の前記増厚部(121)は、前記第1のコンタクト要素レセプタクル(89)から離れる方向を向くように配置されている、
請求項14に記載のセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2つのコンタクト要素、特に一対のコンタクト要素の導体側接続点を少なくとも部分的に覆い収容するためのハウジングに関する。本発明はさらに、各々がそのようなハウジングを備えるハウジングアセンブリおよびセットに関する。
【背景技術】
【0002】
上記で述べた種類のハウジングは、少なくとも部分的にコンタクト要素を覆うために用いることができる。コンタクト要素、特に高電圧コンタクト要素には、接触および短絡に対する保護を提供するために、またコンタクト要素を外的影響、例えば塵または水分から保護するために、安全なカバーが必要とされている。
【0003】
例えばケーブルまたはバスバーといった電気導体は、コンタクト要素の導体側接続点に接続される場合がある。これらの接続点は、本発明に係るハウジングにより保護される対象となる。
【0004】
コンタクト要素は、電気自動車用の充電システムの一部であってよい。例えば、コンタクト要素は、コンタクト側において充電プラグとプラグ接続し、導体側において電気導体を接続するように構成される、電気自動車の車載充電ソケットの一部であってよい。2つのコンタクト要素の互いに対する配置は、アプリケーションごとに異なる場合がある。これは、例えば充電プラグの規格が異なる場合に生じ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、ハウジングに対する構造的変更なく、互いに異なって配置されるコンタクト要素に用いることが可能な、冒頭で述べた種類のハウジングを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、冒頭で述べたハウジングに関して、ハウジングが、少なくとも2つのコンタクト要素の導体側接続点を覆うとともに、少なくとも2つの電気導体と、電気導体をコンタクト要素に接続するための接続アセンブリとを少なくとも部分的に収容するように構成されることにより果たされる。ハウジングは、組み立て済み状態において互いに補完し合ってハウジングを形成する第1の部分ハウジングおよび第2の部分ハウジングを備える。第1の部分ハウジングは、第1の電気導体を少なくとも部分的に収容するように構成される第1の導体レセプタクルと、第1の電気導体を第1のコンタクト要素に接続するための第1の接続アセンブリとを有し、第1の部分ハウジングにはさらに、第2のコンタクト要素のための貫通開口部が設けられる。
第2の部分ハウジングは、第2の電気導体を少なくとも部分的に収容するように構成される第2の導体レセプタクルと、第2の電気導体を第2のコンタクト要素に接続するための第2の接続アセンブリとを有する。第2の部分ハウジングはまた、貫通開口部の領域において第1の部分ハウジングに当接するように構成される。組み立て済み状態において、第2の導体レセプタクルは、貫通開口部と共に共通の空洞部を形成する。
【0007】
ハウジングが2つの部分ハウジングからなり、各部分ハウジングが、電気導体、およびそれぞれのコンタクト要素のうちの一方のための接続アセンブリを収容するように構成されることに起因して、2つの部分ハウジングを、少なくとも部分的に互いに独立して配置することができ、少なくとも部分的に互いに異なって配置されるコンタクト要素に用いることができる。その一方で、これらは共通のハウジングを形成する。
【0008】
第1のコンタクト要素は、そこで第1の導体レセプタクルへと突出していてよく、そこで第1の接続アセンブリにより第1の電気導体に接続されてよい。第2のコンタクト要素は、第1の部分ハウジングにおける貫通開口部を通って突出するように配置されてよく、第2の接続アセンブリにより第2の部分ハウジングに配置される第2の電気導体に電気的に接続されてよい。これは、ハウジングが組み立て済み状態にあるときに、第2の接続アセンブリが貫通開口部と共に共通の空洞部を形成することにより可能となる。
【0009】
本発明に係るハウジングは、互いに対して異なって配置されるコンタクト要素に用いることができるので、コンタクト要素の既定の相対位置ごとに別個のハウジングを生産する必要がないため、生産コストを低減することができる。したがって、本発明に係るハウジングは、2つのコンタクト要素の互いに対する少なくとも所定範囲の異なる位置について、汎用的に用いることができる。コンタクト要素の互いに対する異なる位置は、特にコンタクト要素間の間隔が互いに異なることにより、またはコンタクト要素の軸線間隔が互いに異なることにより、実現されてよい。
【0010】
電気導体は、特にバスバーであってよい。この代替として、他の電気導体、特にケーブルが、導体として機能してもよい。特に、電気導体の端部は、対応する導体レセプタクルに配置されてよい。導体レセプタクルは、特に、対応する導体の端部を部分的に収容するように構成されてよい。
【0011】
接続アセンブリが導体レセプタクルに配置される場合、接続アセンブリは、導体レセプタクルを外部に対して閉じてよい。
【0012】
接続アセンブリは、例えば、各々1つの電気導体をコンタクト要素の導体側端部にねじ込むためのねじ接続部を有してよい。この代替として、接続アセンブリのうちの少なくとも一方が、例えばクランプ、差し込み、押し込みまたは圧着により、導体とコンタクト要素との間の接続を確立するように構成されてよい。さらなる代替は、接続アセンブリがはんだ付け点または溶接点を備えることであってよい。接続アセンブリは、導体をコンタクト要素に恒久的にまたは分離可能に接続するように構成されてよい。
【0013】
2つの導体レセプタクルは、ハウジングがコンタクト要素を覆うようにコンタクト要素に取り付けられたときに、コンタクト要素の長手軸と一致し得る長手軸に沿って延びていてよい。長手軸は、互いに平行に延びることが好ましい。
【0014】
本発明に係る解決策は、単独で有利であり無作為に組み合わされ得る様々な構成により、さらに改良することができる。これらの構成、およびそれらに付随する利点について、以下で説明する。本発明に係るハウジングはまた、コンタクト要素、電気導体、および接続アセンブリなどのハウジングに収容される要素に関しても説明される。これらの要素は、必ずしもハウジングの一部でなくてもよい。言及されている要素についての記載は、単に説明されているハウジングの構成をより良好に例示する働きを果たすものである。
【0015】
導体レセプタクルのうちの少なくとも一方は、導体を長手軸に沿って形状嵌合により保持するように構成されることが好ましい。例えば、導体レセプタクルには、導体、特にバスバーを収容するための少なくとも1つのアンダーカットが設けられてよい。このとき、導体がコンタクト要素に取り付けられる場合、部分ハウジングも同様にコンタクト要素に自動的に固定される。
【0016】
貫通開口部は、貫通開口部を通って突出することが意図されるコンタクト要素の外径よりも大きい内径を有してよい。結果として、間隔が互いに異なるコンタクト要素の異なるペアについて、本発明に係るハウジングを用いることができる。結果として、例えば、26mmおよび27mmのグリッドを有するコンタクト要素を用いる場合に、構造的に同一のハウジングを採用することができる。グリッドは、2つのコンタクト要素の長手軸の軸線間隔に関連する。そのようなグリッドは、例えば異なる充電ソケットに用いられる。本発明に係るハウジングにより、2つのグリッドに対して別個のハウジングを設計および生産する必要をなくすことが可能となる。
【0017】
第1の導体レセプタクルの壁、特に円筒形の壁が、第1の部分ハウジングから突出してよく、組み立て済み状態において、第2の部分ハウジングにおけるレセプタクルに収容されてよい。第2の部分ハウジングにおけるレセプタクルは、特に長孔として形成されてよく、長孔の長手方向は、第1の導体レセプタクルの軸方向を横切って延びることが好ましい。長孔の最小内径は、壁の外径に実質的に一致することが特に好ましく、それにより、壁を少なくとも1つの方向において長孔に遊びなく収容することができる。
【0018】
壁を長孔に収容することにより、第2の部分ハウジングを第1の部分ハウジングに固定し、第2の部分ハウジングが第1の部分ハウジングに対して回転することを防止することができる。これは、第2の部分ハウジングにおけるねじ接続部を有する接続アセンブリが操作された場合に有利であり得る。
【0019】
長孔は、第2の部分ハウジングを通って第2の導体レセプタクルの長手軸に平行に延びることが好ましく、長孔の長手方向は、長手軸に垂直に延びる。長手方向は、組み立て済み状態において第1の導体レセプタクルと第2の導体レセプタクルとの間の仮想的な接続線に平行に延びることが好ましい。
【0020】
貫通開口部が外部に対して開くことを防止するために、第2の部分ハウジングは、貫通開口部の領域において第1の部分ハウジングに当接し、少なくともその縁部領域において第1の部分ハウジングにおける貫通開口部を覆うように構成されるカバー部分、特にリング状のカバー部分を有してよい。
【0021】
カバー部分は、特に当接面を形成してよい。カバー部分は、貫通開口部を取り囲む第1の部分ハウジングの部分と相補的に形成されることが特に好ましい。
【0022】
カバー部分の外径は、第1の部分ハウジングにおける貫通開口部の内径よりも大きくてよい。
【0023】
2つの部分ハウジングの密な接続を得るために、少なくとも第1の部分ハウジングにおける貫通開口部と第2の部分ハウジングにおける第2の導体レセプタクルとの間の領域において、第2の部分ハウジングには、カバー部分の領域において、少なくとも1つの封止要素、特に軸方向封止要素が設けられることが好ましい。
【0024】
第1の部分ハウジングは、組み立て済み状態において第2の部分ハウジングのカバー部分に当接する、貫通開口部を取り囲む少なくとも1つの特にリング状のビードを有することが特に好ましい。第2の部分ハウジングに封止要素が設けられる場合、ビードは、組み立て済み状態において封止要素に押し付けられてよい。接触圧力が、第2の接続アセンブリにより生成されてよく、第2の接続アセンブリまたは第2の導体が第2の導体レセプタクルに形状嵌合により配置され、かつ第2の接続アセンブリが第2のコンタクト要素に取り付けられたときに、第2の部分ハウジングを第1の部分ハウジングに押し付けることができる。
【0025】
上述の構成の代替として、第2の部分ハウジングにビードが設けられてよく、かつ/または、第1の部分ハウジングにカバー部分および/または封止要素が設けられてよい。
【0026】
ハウジングに配置されるコンタクト要素の安全性を高めるために、第1の導体レセプタクルおよび第2の導体レセプタクルは、ハウジングが組み立て済み状態にあるときに互いに分離していることが好ましく、特に、第1の導体レセプタクルと、貫通開口部および第2の導体レセプタクルからなる共通の空洞部とが、それぞれの空洞部を取り囲む2つの部分ハウジングの壁により互いに分離されてよい。単純な構造を得るために、また市販のコンタクト要素を収容することを可能とするために、2つの導体レセプタクルには、好ましくは少なくとも1つの貫通開口部にも、実質的に円形の断面が形成され、特に、電気導体を形状により保持するように構成される導体レセプタクルの領域は、円形の断面とは異なっていてよい。
【0027】
本発明に係るハウジングアセンブリは、本発明に係るハウジングと、ハウジングと差し込み合うことが可能であるように構成される少なくとも1つのコンタクトハウジング要素とを備える。コンタクトハウジング要素は、第1のコンタクト要素の位置を画定するように構成される第1のコンタクト要素レセプタクルと、第1のコンタクト要素から所定の距離を空けて第2のコンタクト要素の位置を画定するように構成される第2のコンタクト要素レセプタクルとを有する。ここで、第2のコンタクト要素レセプタクルは、第1の部分ハウジングにおける貫通開口部の内径よりも小さい内径を有する。
【0028】
コンタクトハウジング要素は、特に2つのコンタクト要素の間のスペーサとして機能することができる。したがって、コンタクトハウジング要素は、2つのコンタクト要素の互いに対する相対位置を画定することができる。
【0029】
上記で画定された内径に起因して、第2のコンタクト要素を、貫通開口部において異なる位置に配置することができ、その一方で、第2の導体レセプタクルにおいて第2の接続要素に接続することができる。この構成により、ハウジングを2つのコンタクト要素の異なる相対位置について用いることが可能となり、2つのコンタクト要素の相対位置は、コンタクトハウジング要素により画定される。
【0030】
2つのコンタクト要素の互いに対する相対位置ごとに、別個のコンタクトハウジング要素が必要であり得る。しかしながら、同一の構造のハウジングを、コンタクト要素を覆うために常に用いることができる。
【0031】
組み立て済み状態において、コンタクト要素レセプタクルは、対応する導体レセプタクルと同軸に配置されることが好ましい。
【0032】
コンタクトハウジング要素およびハウジングは、互いに相補的に構成されることが好ましい。特に好ましくは、コンタクトハウジング要素およびハウジングは、互いに差し込まれるように構成されてよい。コンタクトハウジング要素は、2つの部分ハウジングからなるハウジングをカバーとして差し込むことが可能なハウジングの一部であってよい。
【0033】
ハウジングアセンブリは、組み立て済み状態において第2のコンタクト要素レセプタクルと貫通開口部の内壁との間に配置される少なくとも1つの位置合わせ構造をさらに備えてよい。
【0034】
位置合わせ構造は、第2のコンタクト要素と貫通開口部の内壁との間に、特に遊びなく、配置されてよい。位置合わせ構造は、第1の部分ハウジングに対する、すなわち貫通開口部内における第2のコンタクト要素の位置を画定することができる。
【0035】
位置合わせ構造は、貫通開口部に押し込むことができるように構成されることが好ましい。位置合わせ構造は、少なくとも部分的に第2のコンタクト要素レセプタクルを取り囲んでいてよい。
【0036】
少なくとも1つの位置合わせ構造は、コンタクトハウジング要素に接続可能であるように構成されてもよく、またはコンタクトハウジング要素と一体に形成されてもよい。少なくとも1つの位置合わせ構造は、コンタクトハウジング要素と一体に、特により大きいハウジングの一部として、形成されることが好ましい。
【0037】
少なくとも1つの位置合わせ構造を用いて、第2のコンタクト要素から第1のコンタクト要素までの距離を特に簡単に画定するために、少なくとも1つの位置合わせ構造は、第1のコンタクト要素レセプタクルにより近い第2のコンタクト要素レセプタクルの側において、第1のコンタクト要素レセプタクルからより遠い側とは異なる厚さを有してよい。厚さは、第2のコンタクト要素レセプタクルの長手軸に関する径方向に沿って、特に2つのコンタクト要素レセプタクルの間の仮想的な接続線に平行に延びることが好ましい。したがって、位置合わせ構造は、第2のコンタクト要素レセプタクルの少なくとも1つの側に増厚部(thickening)を有してよい。
【0038】
厚さは、少なくとも1つの位置合わせ構造が、より大きい厚さを有する側における少なくとも1つのリブ、特に貫通開口部の内壁に当接するためのリブを有することにより、特に簡単に形成することができる。リブは、第2のコンタクト要素レセプタクルの長手軸に平行に延びることが好ましい。リブは、増厚部に相当してよい。
【0039】
上記で述べた種類のハウジングに加えて、本発明に係るセットは、2つのコンタクトハウジング要素を備え、第1のコンタクト要素レセプタクルと第2のコンタクト要素レセプタクルとの間の軸線間隔は、2つのコンタクトハウジング要素について異なる。したがって、2つのコンタクト要素が互いに異なる間隔を空けているアセンブリに対して、2つのコンタクトハウジング要素を用いることができる。それらの両方に対して、各々2つの部分ハウジングからなる同一のハウジングを用いることができる。
【0040】
各コンタクトハウジング要素に位置合わせ構造が設けられ、各位置合わせ構造に増厚部、特にリブが設けられ、一方のコンタクトハウジング要素の増厚部が第1のコンタクト要素レセプタクルの方向を向くように配置され、他方のコンタクトハウジング要素の増厚部が第1のコンタクト要素レセプタクルから離れる方向を向くように配置されることにより、異なるコンタクトハウジング要素を簡単に得ることができる。
【0041】
以下、図面を参照しつつ、有利な実施形態を用いて、本発明を例としてより詳細に説明する。実施形態において例として示されている特徴の組み合わせは、特定の適用例に必要な本発明に係るハウジングの特性に応じて、上記の記載に従ってさらなる特徴により補うことができる。上記の説明を前提として、個々の特徴は、当該特徴の効果が特定の適用事例において関連性がない場合、説明されている実施形態において省略されてもよい。同じ機能および/または同じ構造を有する要素には、図面における同じ参照符号が常に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】コンタクト要素、導体、接続アセンブリ、およびコンタクトハウジング要素との組み立て済み状態における本発明に係るハウジングの断面図である。
【
図2】本発明に係るハウジングの2つの部分ハウジングがコンタクト要素から浮かして示されている、
図1のハウジングを斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明に係るハウジングの有利な実施形態について、
図1および
図2に関して以下で説明する。ここで、本発明に係るハウジングはまた、コンタクト要素、電気導体、および接続アセンブリなどのハウジングに収容される要素に関しても説明される。これらの要素は、必ずしもハウジングの一部でなくてもよい。言及されている要素についての記載は、単に説明されているハウジングの実施形態をより良好に例示する働きを果たすものである。
【0044】
ハウジング1は、第1の部分ハウジング3および第2の部分ハウジング5を備える。組み立て済み状態において、
図1に示すように、部分ハウジング3および5の両方が、互いに補完し合ってハウジング1を形成する。
【0045】
部分ハウジング3および5の各々は、導体レセプタクルを有する。第1の部分ハウジング3は第1の導体レセプタクル7を有し、第2の部分ハウジング5は第2の導体レセプタクル9を有する。
【0046】
各導体レセプタクル7または9は、対応する部分ハウジング3または5において実質的に円筒形の形状を有する空洞部により形成されることが好ましい。
【0047】
導体レセプタクル7は、第1の電気導体11の少なくとも一部分を収容するために用いられる。第1の電気導体11は、
図1において単に例としてバスバー13として示されている。代替的に、第1の導体11は、ケーブルまたは別の種類の導体として形成されてもよい。
【0048】
第1の電気導体11を第1の電気コンタクト要素9の導体側接続点17に接続するための第1の接続アセンブリ15も、第1の導体レセプタクル7に収容される。
【0049】
第1の接続アセンブリ15は、単に例としてねじ21とスリーブ23との組み合わせとして示されている。スリーブ23は、バスバー13へと突出していてよく、バスバー13と第1の電気コンタクト要素19との間に配置されてよい。
【0050】
ねじ21は、バスバー13およびスリーブ23を第1のコンタクト要素19に押し付けてよい。これにより、バスバー13と第1の電気コンタクト要素19との間に安定な電気的接続を確立することができる。
【0051】
第1の接続アセンブリ15はさらに、ねじ21を外部から接触されないように保護するねじ頭部絶縁体25を有してよい。ねじ頭部絶縁体25は、第1の導体レセプタクル7を外部に対して閉じるような寸法であってよい。
【0052】
第1の導体レセプタクル7は、第1の長手軸27に沿って延びる。第1の長手軸27は、第1のコンタクト要素19の長手軸29と一致することが好ましい。
【0053】
アンダーカット31が、第1の導体レセプタクル7から第1の部分ハウジング3の材料へと長手軸27を横切って延びることが好ましい。アンダーカット31は、バスバー13を収容するように機能してよい。
【0054】
バスバー13がアンダーカット31に収容されると、バスバー13は、第1の部分ハウジング3に形状嵌合により保持され、第1の長手軸27に平行に相対運動しないように固定される。この配置は、第1の部分ハウジング3も第1のコンタクト要素19に対して固定されることを意味する。
【0055】
第2の導体レセプタクル9は、第1の導体レセプタクル7と同様に形成されることが好ましい。第2の導体レセプタクル9は、好ましくはバスバー35により形成される第2の電気導体33を収容するために用いられる。
【0056】
第2の導体レセプタクル9はさらに、第2の接続アセンブリ37を収容するように機能する。第2の接続アセンブリ37は、第1の接続アセンブリ15と実質的に同一の構造であってよい。換言すると、第2の接続アセンブリ37は、特に第2のコンタクト要素41の導体側接続点43において、第2のコンタクト要素41にねじ込まれるように構成されるねじ39を有することが好ましい。第1のコンタクト要素19および第2のコンタクト要素41は、一対のコンタクト要素を形成する。
【0057】
第2の接続アセンブリ37は、ねじ頭部絶縁体45を有することが好ましい。接続アセンブリ9は、第2の導体33と第2のコンタクト要素41との間の電気的接続を向上させ得るスリーブ47を有してもよい。
【0058】
第2の部分ハウジング5において、アンダーカット49が、第2の導体レセプタクル9から第2の部分ハウジング5の材料へと延び、それにより、第2の電気導体33と第2の部分ハウジング5との間の形状嵌合をここでも確立することができる。
【0059】
第2の導体レセプタクル9は、第2の接続アセンブリ37が第2のコンタクト要素41に接続されたときに、好ましくは第2のコンタクト要素41の長手軸53と一致する第2の長手軸51に沿って延びることが好ましい。第2の長手軸51は、第1の長手軸27に平行に延びることが好ましい。
【0060】
第1の部分ハウジング3は、貫通開口部55を有する。貫通開口部55は、第1の部分ハウジング3を通って長手軸57に沿って延びる。長手軸57は、第1の長手軸27に平行に延びる。長手軸57はまた、長手軸51に平行に延びることが好ましい。
【0061】
長手軸57は、第2の長手軸51および第2のコンタクト要素41の長手軸53と一致してよい。ただし、これは、第2のコンタクト要素41の位置に依存し、したがって第2の部分ハウジング5の位置に依存する。
【0062】
貫通開口部55は、第2のコンタクト要素41を通過させて収容するために用いられてよい。組み立て済み状態において、第2の導体レセプタクル9および貫通開口部55は、共通の空洞部59を形成する。
【0063】
図1および
図2は、第2のコンタクト要素41および第2の接続アセンブリ37が共通の空洞部59に配されている状況を示すので、
図1および
図2において、共通の空洞部59は塞がれている。
【0064】
第2の部分ハウジング5は、貫通開口部55の領域において第1の部分ハウジング3に当接するように構成される。これにより、共通の空洞部59を形成することができる。同時に、貫通開口部55、およびそこに配される第2のコンタクト要素41を保護することができる。
【0065】
第2の部分ハウジング5は、第1の部分ハウジング3に当接するためのカバー部分61を有する。カバー部分61は、リング状であり、少なくともその縁部領域63において、第1の部分ハウジング3における貫通開口部を覆うように構成されることが好ましい。
【0066】
カバー部分61の外径65は、貫通開口部55の内径67よりも大きいことが好ましい。これにより、貫通開口部55における第2のコンタクト要素41の位置に関わらず、第2の部分ハウジング5が常に貫通開口部55を覆うことができることを確実にすることができる。
【0067】
ここでの位置とは、コンタクト要素19の長手軸29およびコンタクト要素41の長手軸53の間の軸線間隔69を指す。
【0068】
貫通開口部55の領域における、第2の部分ハウジング5、特にそのカバー部分61と第1の部分ハウジング3との間の外部に対して封止された接続を得るために、貫通開口部55の領域において2つの部分ハウジング3および5の間に配置され得る封止要素71が設けられてよい。
【0069】
2つの部分ハウジング3または5のうちの一方には、当該部分ハウジングにおけるリング状のレセプタクルに収容され得る軸方向封止要素73が設けられることが好ましい。
【0070】
図1および
図2においては、単に例として、第2の部分ハウジング5にそのような軸方向封止要素73が設けられる。封止要素71の効果をさらに向上させるために、反対側に配される部分ハウジングには、貫通開口部55の周囲にリング状に延び、組み立て済み状態において封止要素71に押し込むことが可能なビード75が設けられてよい。図示の例において、ビード75は、第1の部分ハウジング3に形成される。
【0071】
軸方向封止要素73の代替として、封止要素71は、2つの部分ハウジングの間に配置される封止ディスクまたは封止リングとして形成されてもよい。
【0072】
第2の接続アセンブリ37が操作されたときに第2の部分ハウジング5が第2の長手軸51の周りに回転することを防止するために、第2のハウジング部5は、長手軸51を横切る方向に第2の導体レセプタクル9から離隔するレセプタクル77を有する。
【0073】
第1の導体レセプタクル7の壁79は、組み立て済み状態においてレセプタクル77に収容されてよい。壁79は、第1の部分ハウジング3の一部であり、そこから第1の長手軸27に平行に突出する。
【0074】
レセプタクル77は、長孔81として形成されることが好ましく、長孔81の長手方向83は、コンタクト要素19および41の2つの長手軸29および53の間の仮想的な接続線85に平行に延びる。
【0075】
上述の種類のハウジング1により、2つのコンタクト要素19および41を収容するまたは覆うことが可能となり、コンタクト要素19および41の互いとの異なる軸線間隔69について、ハウジング1を用いることができる。
【0076】
第2のコンタクト要素41は、貫通開口部55の内径56よりも小さい直径87を有することが好ましい。したがって、異なる軸線間隔69でも、コンタクト要素41を貫通開口部55に収容することができる。その一方で、第2の部分ハウジング5は、常に第1の部分ハウジング3に当接することができ、それにより、貫通開口部55を覆い、さらに、第2の接続アセンブリ37が第2の導体33を第2のコンタクト要素41に留め付けることを可能とする。
【0077】
第2の部分ハウジング5のカバー部分61が常に貫通開口部55を覆うことに起因して、またレセプタクル77が長孔81として形成されることに起因して、第2の部分ハウジング5を異なる軸線間隔69について用いることができる。したがって、ハウジング1を汎用的に用いることができる。
【0078】
2つのコンタクト要素19の互いに対する相対位置を画定するために、特に、間隔90を画定し、それにより軸線間隔69も画定するために、第1のコンタクト要素19のための第1のコンタクト要素レセプタクル89および第2のコンタクト要素41のための第2のコンタクト要素レセプタクル91を有する少なくとも1つのコンタクトハウジング要素88が設けられてよい。
【0079】
コンタクト要素レセプタクル89および91は、コンタクト要素19および41の位置を画定するために用いられる。コンタクトハウジング要素88は、コンタクト要素19および41を留め付けるためにも用いられることが好ましい。
【0080】
コンタクトハウジング要素88は、コンタクト要素19および41のためのスペーサとして機能することができる。コンタクトハウジング要素88は、より大きいハウジング93の一部であってよい。
【0081】
ハウジング1およびコンタクトハウジング要素88は、共にハウジングアセンブリ95を形成する。
【0082】
第2のコンタクト要素レセプタクル91は、貫通開口部55の内径56よりも小さい内径97を有する。内径97は、第2のコンタクト要素41の直径87に概ね一致してよく、それにより、第2のコンタクト要素41を第2のコンタクト要素レセプタクル91に遊びなく収容することができる。
【0083】
ハウジング1がコンタクトハウジング要素88に接続されると、これら2つの部分は、互いに位置合わせされてよい。第1の部分ハウジング3は、コンタクトハウジング要素88のカラー101を挿入することが可能な周方向縁部99を有することが好ましい。周方向封止要素103が、カラー101と縁部99との間に配置されてよい。
【0084】
第1の導体レセプタクル7を取り囲むスリーブ状の壁105が、第1の部分ハウジング3からコンタクトハウジング要素88に向かう方向に延びていてよく、コンタクトハウジング要素88におけるリング状のレセプタクル107に収容されてよい。
【0085】
縁部99、カラー101、壁105、およびレセプタクル107により、第1の部分ハウジング3とコンタクトハウジング要素88との間の相対位置を画定することができる。加えて、これにより、第1の接続アセンブリ15に対する第1のコンタクト要素19の位置を画定することができる。
【0086】
第2のコンタクト要素41とハウジング1との間の位置を画定するために、コンタクトハウジング要素88は、組み立て済み状態において第2のコンタクト要素レセプタクル91と貫通開口部55の内壁111との間に配置される位置合わせ構造109を有してよい。
【0087】
位置合わせ構造109は、貫通開口部55に押し込むことができるように構成されることが好ましい。位置合わせ構造109は、少なくとも部分的に第2のコンタクト要素レセプタクル91を取り囲んでいてよい。位置合わせ構造109は、第1のコンタクト要素レセプタクル89により近い側113において、第1のコンタクト要素レセプタクル89からより遠く位置合わせ構造109が厚さ119を有する側117とは異なる厚さ115を有してよい。
【0088】
例として示されている実施形態において、側117における厚さ119は、側113における厚さ115よりも大きい。したがって、より大きい厚さを有する側は、増厚部121を有してよい。増厚部121は、特に、好ましくは長手軸51に平行に延びるリブ123により形成されてよい。
【0089】
例えばリブ123の存在に起因して、第1のコンタクト要素レセプタクル89からより遠い側117がより大きい厚さ119を有する場合、2つのコンタクト要素19および41の間の間隔90は、第1のコンタクト要素レセプタクル89により近い側113がより大きい厚さ115を有する場合よりも小さい。
【0090】
特に増厚部121またはリブ123の場合、増厚部121が側113に配置されるかまたは側117に配置されるかに応じて、コンタクト要素の互いとの間隔90の増大および減少を実現することができる。
【0091】
コンタクト要素19および41の2つの異なる間隔90のグリッドのタイプごとに、別個のコンタクトハウジング要素88が製造されてよい。これに対し、ハウジング1の部分ハウジング3および5は、異なるコンタクトハウジング要素88について構造的に同一であってよい。
【0092】
上述のハウジングアセンブリ95により、コンタクト要素19および41の異なるコンタクト間隔、すなわち軸線間隔69について、同じ封止要素103を有するハウジング93における画一的なインターフェースを用いることが可能となる。
【符号の説明】
【0093】
1 ハウジング
3 第1の部分ハウジング
5 第2の部分ハウジング
7 第1の導体レセプタクル
9 第2の導体レセプタクル
11 第1の電気導体
13 バスバー
15 第1の接続アセンブリ
17 導体側接続点
19 第1のコンタクト要素
21 ねじ
23 スリーブ
25 ねじ頭部絶縁体
27 第1の長手軸
29 第1のコンタクト要素の長手軸
31 アンダーカット
33 第2の電気導体
35 バスバー
37 第2の接続アセンブリ
39 ねじ
41 第2のコンタクト要素
43 導体側接続点
45 ねじ頭部絶縁体
47 スリーブ
49 アンダーカット
51 第2の長手軸
53 第2のコンタクト要素の長手軸
55 貫通開口部
56 貫通開口部の内径
57 貫通開口部の長手軸
59 共通の空洞部
61 カバー部分
63 縁部領域
65 外径
67 内径
69 軸線間隔
71 封止要素
73 軸方向封止要素
75 ビード
77 レセプタクル
79 壁
81 長孔
83 長手方向
85 接続線
87 第2のコンタクト要素の直径
88 コンタクトハウジング要素
89 第1のコンタクト要素レセプタクル
90 間隔
91 第2のコンタクト要素レセプタクル
93 ハウジング
95 ハウジングアセンブリ
97 第2のコンタクト要素レセプタクルの内径
99 縁部
101 カラー
103 封止要素
105 壁
107 レセプタクル
109 位置合わせ構造
111 貫通開口部の内壁
113 第1のコンタクト要素レセプタクルにより近い側
115 厚さ
117 第1のコンタクト要素レセプタクルからより遠い側
119 厚さ
121 増厚部
123 リブ
【手続補正書】
【提出日】2023-11-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つのコンタクト要素(19、41)の導体側接続点(17、43)を覆い、少なくとも2つの電気導体(11、33)と、前記電気導体(11、33)を前記コンタクト要素(19、41)に接続するための接続アセンブリ(15、37)とを部分的に収容するためのハウジング(1)であって、
組み立て済み状態において互いに補完し合って前記ハウジング(1)を形成する第1の部分ハウジング(3)および第2の部分ハウジング(5)を備え、
前記第1の部分ハウジング(3)は、第1の電気導体(11)を少なくとも部分的に収容するように構成されている第1の導体レセプタクル(7)と、前記第1の電気導体(11)を第1のコンタクト要素(19)に接続するための第1の接続アセンブリ(15)とを有し、前記第1の部分ハウジング(3)には、第2のコンタクト要素(41)のための貫通開口部(55)が設けられ、
前記第2の部分ハウジング(5)は、第2の電気導体(33)を少なくとも部分的に収容するように構成されている第2の導体レセプタクル(9)と、前記第2の電気導体(33)を前記第2のコンタクト要素(41)に接続するための第2の接続アセンブリ(37)とを有し、前記第2の部分ハウジング(5)は、前記貫通開口部(55)の領域において前記第1の部分ハウジング(3)に当接するように構成され、前記組み立て済み状態において、前記第2の導体レセプタクル(9)は、前記貫通開口部(55)と共に共通の空洞部(59)を形成する、
ハウジング(1)。
【請求項2】
前記第1の導体レセプタクル(7)の壁(79)が、前記第1の部分ハウジング(3)から突出し、前記組み立て済み状態において、前記第2の部分ハウジング(5)におけるレセプタクル(77)に収容されている、請求項1に記載のハウジング(1)。
【請求項3】
前記第2の部分ハウジング(5)における前記レセプタクル(77)は、長孔(81)として形成されている、請求項2に記載のハウジング(1)。
【請求項4】
前記第2の部分ハウジング(5)は、前記貫通開口部(55)の領域において前記第1の部分ハウジング(3)に当接し、少なくともその縁部領域(63)において前記第1の部分ハウジング(3)における前記貫通開口部(55)を覆うように構成されているカバー部分(61)を有する、請求項1に記載のハウジング(1)。
【請求項5】
前記第2の部分ハウジング(5)には、前記カバー部分(61)の領域において、少なくとも1つの封止要素(71)が設けられている、請求項4に記載のハウジング(1)。
【請求項6】
前記第1の部分ハウジング(3)は、前記組み立て済み状態において前記第2の部分ハウジング(5)の前記カバー部分(61)に当接する、前記貫通開口部(55)を取り囲む少なくとも1つのビード(75)を有する、請求項4に記載のハウジング(1)。
【請求項7】
前記第1の導体レセプタクル(7)および前記第2の導体レセプタクル(9)は、前記ハウジング(1)が前記組み立て済み状態にあるとき、互いに分離している、請求項1に記載のハウジング(1)。
【請求項8】
前記第1の導体レセプタクル(7)における第1の導体(11)および第1の接続アセンブリ(15)と、前記第2の導体レセプタクル(9)における第2の導体(33)および第2の接続アセンブリ(37)とをさらに備える、請求項1に記載のハウジング(1)。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のハウジング(1)と、
少なくとも1つのコンタクトハウジング要素(88)と、を備えるハウジングアセンブリ(95)であって、
前記少なくとも1つのコンタクトハウジング要素(88)は、
前記ハウジング(1)と差し込み合うことが可能であるように構成され、
前記第1のコンタクト要素(19)の位置を画定するように構成されている第1のコンタクト要素レセプタクル(89)と、前記第1のコンタクト要素(19)から所定の軸線間隔(69)を空けて前記第2のコンタクト要素(41)の位置を画定するように構成されている第2のコンタクト要素レセプタクル(91)とを有し、
前記第2のコンタクト要素レセプタクル(91)は、前記第1の部分ハウジング(3)における前記貫通開口部(55)の内径(56)よりも小さい内径(97)を有する、
ハウジングアセンブリ(95)。
【請求項10】
前記組み立て済み状態において前記第2のコンタクト要素レセプタクル(91)と前記貫通開口部(55)の内壁(111)との間に配置される少なくとも1つの位置合わせ構造(109)をさらに備える、請求項9に記載のハウジングアセンブリ(95)。
【請求項11】
前記少なくとも1つの位置合わせ構造(109)は、前記コンタクトハウジング要素(88)に接続可能であるように構成され、または前記コンタクトハウジング要素(88)と一体に形成することが可能である、請求項10に記載のハウジングアセンブリ(95)。
【請求項12】
位置合わせ構造(109)は、前記第1のコンタクト要素レセプタクル(89)により近い前記第2のコンタクト要素レセプタクル(91)の側(113)において、前記第1のコンタクト要素レセプタクル(89)からより遠い前記第2のコンタクト要素レセプタクル(91)の側(117)とは異なる厚さ(115)を有する、請求項10に記載のハウジングアセンブリ(95)。
【請求項13】
各コンタクト要素レセプタクル(89、91)内に対応するコンタクト要素(19、41)をさらに備える、請求項9に記載のハウジングアセンブリ(95)。
【請求項14】
- 請求項1から8のいずれか一項に記載のハウジング(1)と、
- 2つのコンタクトハウジング要素(88)と、を備えるセットであって、
前記2つのコンタクトハウジング要素(88)は、
前記ハウジング(1)と差し込み合うことが可能であるように構成され、
前記第1のコンタクト要素(19)の位置を画定するように構成されている第1のコンタクト要素レセプタクル(89)と、前記第1のコンタクト要素(19)から所定の軸線間隔(69)を空けて前記第2のコンタクト要素(41)の位置を画定するように構成されている第2のコンタクト要素レセプタクル(91)とを有し、
前記第2のコンタクト要素レセプタクル(91)は、前記第1の部分ハウジング(3)における前記貫通開口部(55)の内径(56)よりも小さい内径(97)を有するとともに、
前記第1のコンタクト要素レセプタクル(89)と前記第2のコンタクト要素レセプタクル(91)との間の前記軸線間隔(69)は、前記2つのコンタクトハウジング要素(88)について異なる、
セット。
【請求項15】
各コンタクトハウジング要素(88)には、位置合わせ構造(109)が設けられ、
各位置合わせ構造(109)には、前記第2のコンタクト要素レセプタクル(91)における増厚部(121)が設けられ、
一方の前記コンタクトハウジング要素(88)の前記増厚部(121)は、前記第1のコンタクト要素レセプタクル(89)の方向を向くように配置され、他方の前記コンタクトハウジング要素(88)の前記増厚部(121)は、前記第1のコンタクト要素レセプタクル(89)から離れる方向を向くように配置されている、
請求項14に記載のセット。
【外国語明細書】