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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024037172
(43)【公開日】2024-03-18
(54)【発明の名称】入力デバイス
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20240311BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
G06F3/01 590
G06F1/16 313A
G06F1/16 312U
G06F1/16 313Z
G06F1/16 312F
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023143767
(22)【出願日】2023-09-05
(31)【優先権主張番号】2022902565
(32)【優先日】2022-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】512262569
【氏名又は名称】ブラックマジック デザイン ピーティーワイ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Blackmagic Design Pty Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グラント デイヴィッド ペティー
(72)【発明者】
【氏名】サイモン ミルン キッド
(72)【発明者】
【氏名】ジョン アンソニー ヴァンゼラ
(72)【発明者】
【氏名】シャノン ハワード スミス
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー ジェームズ ゴダン
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン ヒル
(72)【発明者】
【氏名】ラクラン ジェームズ カープ
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA10
5E555BA05
5E555BB05
5E555BB06
5E555BC01
5E555FA00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】カラーコレクションシステムのコントロールサーフェスの形式をとる入力デバイスを提供する。
【解決手段】コントロールサーフェス100は、上向きのコントロールパネル110を有するハウジングを含む。コントロールパネル110は、トラックボール120A,120B,120Cがボール122A,122B,122Cとコントロールリング124A,124B,124Cを含み、ボール122A,122B,122Cが少なくとも1つのエンコーダと連携してボールの動作に基づいた多次元コントロール信号を生成し、コントロールリング124A,124B,124Cが少なくとも1つのエンコーダと連携してコントロールリング124A,124B,124Cの回転動作に基づく1次元コントロール信号を生成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラーコレクションシステムをコントロールするコントロールサーフェスであって、該コントロールサーフェスは:
上向きのコントロールパネルを含むハウジングを含み、前記コントロールパネルは、通常の使用でユーザーに最も近い近位縁と通常の使用でユーザーから最も遠い遠位縁を有し、前記コントロールパネルは、複数のコントロール部を含み、該複数のコントロール部は:
各トラックボールがボールとコントロールリングを含み、前記ボールが少なくとも1つのエンコーダと連携して該ボールの動作に基づいた多次元コントロール信号を生成し、前記コントロールリングが少なくとも1つのエンコーダと連携して前記リングの回転動作に基づく1次元コントロール信号を生成し、前記トラックボールのボールが前記コントロールリングと同心円に取り付けられている、複数のトラックボールと;
複数のコントロールボタンと;
個々のロータリーエンコーダに連結される複数のノブと;を含み、
前記コントロールサーフェスはさらに:
前記コントロールパネルの遠位縁に隣接して、使用時にカラーコレクションシステムのディスプレイデバイスを直立位置に支持する、ディスプレイスタンドと;
前記ハウジング内に収納されて、使用時に前記コントロールサーフェスへ電力を供給するように配置された電力貯蔵システムと;
カラーコレクションシステムをコントロールする際に使用するために複数のコントロール部からのコントロール信号が送信される、無線通信インターフェースと;を含む、コントロールサーフェス。
【請求項2】
前記ディスプレイスタンドは、
使用時にカラーコレクションシステムのディスプレイデバイスの重量を支持すること;
使用時にカラーコレクションシステムのディスプレイデバイスの滑り、ねじれまたは傾きのいずれか1又は複数を抑制すること;
使用時にカラーコレクションシステムのディスプレイデバイスを支持する支点として作用すること;
使用時にカラーコレクションシステムのディスプレイデバイスをグリップすること;
のいずれか1又は複数を実行するように配置される、ボス、突起、リブ、リップ、フランジ、ビーム、溝部、ステップ、穴、凹部、開口部、くぼみ、スロット、クッション、グリップ面、フレーム、壁、レッジ、棚、フック、およびクレードルのいずれか1又は複数を含む、請求項1に記載のコントロールサーフェス。
【請求項3】
前記ディスプレイスタンドはコントロールパネルの遠位縁に隣接して伸びる溝部を含み、前記溝部は使用時にカラーコレクションシステムのディスプレイデバイスの端部を受け入れるように構成され、前記溝部は、カラーコレクションシステムの支持されたディスプレイデバイスの近位方向への動作を制限するフロント支持面と、カラーコレクションシステムの支持されたディスプレイデバイスの遠位方向への傾斜を抑制するリア支持面とを有する、請求項1~2のいずれか1項に記載のコントロールサーフェス。
【請求項4】
前記カラーコレクションシステムのディスプレイデバイスを直立位置に支持することは、前記カラーコレクションシステムのディスプレイデバイスを垂直から10度を超える角度で遠位方向に傾斜するように支持することを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のコントロールサーフェス。
【請求項5】
前記ディスプレイスタンドは、カラーコレクションシステムの支持されたディスプレイデバイスの画面にユーザーがタッチできるように、前記画面の最下端に隣接してアフォーダンスを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のコントロールサーフェス。
【請求項6】
前記コントロールリングは外半径と内半径を備えた上面を有し、表面形状は半径方向に拡張し、その外半径からその内半径へ至る途中の半分を超えた位置に向かって全体的に傾斜している、請求項1~5のいずれか1項に記載のコントロールサーフェス。
【請求項7】
前記コントロールリングはその外周に略円筒面を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載のコントロールサーフェス。
【請求項8】
前記トラックボールのボールは、前記コントロールパネルの上面からのボールの最大飛び出し量が前記ボールの半径の30%を超えるように、コントロールパネルの上面に対して取り付けられ、前記飛び出し量はコントロールリングの回転軸に平行な方向に測定される、請求項1~7のいずれか1項に記載のコントロールサーフェス。
【請求項9】
前記最大飛び出し量は、前記ボールの半径の約40.5%である、請求項8に記載のコントロールサーフェス。
【請求項10】
前記各コントロールリングは、コントロールパネルに対し固定された位置に取り付けられた対応連結部に係合する連結部を有し、前記コントロールリングが前記対応連結部に連結されるとき、前記コントロールリングが個々のトラックボールのボールをコントロールパネル内での動作位置に保持する、請求項1~9のいずれか1項に記載のコントロールサーフェス。
【請求項11】
前記コントロールリングの連結部はコントロールパネルの対応連結部に磁気吸着される、請求項10に記載のコントロールパネル。
【請求項12】
前記トラックボールのボールは、その個々のコントロールリングの最高点より高く、前記ボールの半径の15%を超えて飛び出ており、前記飛び出し量はコントロールリングの回転軸に平行方向に計測される、請求項1~11のいずれか1項に記載のコントロールサーフェス。
【請求項13】
前記コントロールリングの内径は前記トラックボールのボールの直径の90%を超える、請求項1~12のいずれか1項に記載のコントロールサーフェス。
【請求項14】
カラーコレクションアプリケーションを実行するコンピュータシステム、カラーコレクションアプリケーションのためのグラフィカルユーザインターフェースを表示するように配置されるディスプレイと;
上記項のいずれか1項に記載のコントロールサーフェスと;を含み、
前記コントロールサーフェスは前記コンピュータシステムとデータ通信し、前記複数のトラックボール、複数のボタン、および複数のノブのいずれか1または複数を使って作成されたユーザー入力がコントロール信号としてコンピュータシステムへ伝達されて前記カラーコレクションアプリケーションをコントロールする、カラーコレクションシステム。
【請求項15】
前記ディスプレイはタブレットコンピュータの一部を構成する、請求項14に記載のカラーコレクションシステム。
【請求項16】
前記タブレットコンピュータはコンピュータシステムとディスプレイを単一のユニットに含む、請求項15に記載のカラーコレクションシステム。
【請求項17】
カラーコレクションアプリケーションを実行する前記コンピュータシステムは、前記タブレットコンピュータから切り離されてタブレットコンピュータとデータ通信を行う、請求項15に記載のカラーコレクションシステム。
【請求項18】
前記コントロールサーフェスは、少なくとも1つの無線ネットワーク接続を介して前記コンピュータシステムとデータ通信を行う、請求項14~17のいずれか1項に記載のカラーコレクションシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、入力デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
該入力デバイスは、カラーコレクションシステムのコントロールサーフェスの形式をとる。
【0003】
本開示の文脈において、カラーコレクションシステムは、一般的にコンピュータシステムで動作するカラーコレクションアプリケーションを含む。該カラーコレクションアプリケーションは、スタンドアローンのカラーコレクションアプリケーションでもよいし、機能のサブセットとしてカラーコレクション能力を備えるノンリニア編集などのアプリケーションであってもよい。そのようなカラーコレクションアプリケーションの1つの例が、Blackmagic Design社のDavinci Resolveである。いくつかの実施形態では、カラーコレクションシステムは、ビデオや静止画像のカラーコレクションを実行する、例えばビデオ処理装置、ビデオカードなどの専用コンピュータシステムを含んでもよい。カラーコレクションシステムは、ユーザーが、カラーコレクションシステム用のグラフィカルユーザインターフェースおよびカラーコレクションの対象となる画像やビデオを見るための画面を含む、ディスプレイデバイスを含む。
【0004】
本明細書で使用される(形容詞または名詞の形での使用を含む)用語の「カラーコレクション」は、「カラーグレーディング」、およびデジタルビデオや他の目的の画像で実行される色調整の意味を含むものとする。
【0005】
本発明の実施形態は、ポータブルディスプレイデバイスを含むカラーコレクションシステムで使用するように構成される。好ましい実施形態では、本発明は、タブレットコンピュータ、スマートフォン、または同様のフォームファクタを有する他のデバイス上で動作するか、またはそれらを介して動作するカラーコレクションアプリケーションを含むカラーコレクションシステムで使用するように構成される。
【0006】
本明細書に記載するシステム、デバイス、方法、アプローチとその構成要素は発明者が知るものである。従って、特段の記載がなければ、そのようなシステム、デバイス、方法、アプローチまたはそれらの構成要素のいずれも、単に本明細書の該当するセクションに含まれるとの理由で従来技術として引用され得るものと見なされるべきではなく、あるいは、そのようなシステム、デバイス、方法、アプローチおよび構成要素が、当業者にとって通常知られ得るものと見なされるべきではない。
【発明の概要】
【0007】
第1態様では、カラーコレクションシステムをコントロールするコントロールサーフェスが提供される。該コントロールサーフェスは上向きのコントロールパネルを含むハウジングを含み、該コントロールパネルは、通常の使用でユーザーに最も近い近位縁と通常の使用でユーザーから最も遠い遠位縁を有する。該コントロールパネルは、複数のコントロール部を含み、該コントロール部は:
各トラックボールがボールとコントロールリングを含み、該ボールが少なくとも1つのエンコーダと連携して該ボールの動作に基づいた多次元コントロール信号を生成し、該コントロールリングが少なくとも1つのエンコーダと連携して該リングの回転動作に基づく1次元コントロール信号を生成し、前記トラックボールのボールが前記コントロールリングと同心円に取り付けられている、複数のトラックボールと;
複数のコントロールボタンと;
個々のロータリーエンコーダに連結される複数のノブと;を含み、
前記コントロールサーフェスはさらに:
前記コントロールパネルの遠位縁に隣接して、使用時にカラーコレクションシステムのディスプレイデバイスを直立位置に支持する、ディスプレイスタンドと;
前記ハウジング内に収納されて、使用時に前記コントロールサーフェスへ電力を供給するように配置された電力貯蔵システムと;
カラーコレクションシステムをコントロールする際に使用するために複数のコントロール部からのコントロール信号が送信される、無線通信インターフェースと;を含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、電源供給システムは1又は複数のバッテリーと充電システムを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、無線通信インターフェースは、以下の無線通信方式の1つに従って動作する:IEEE802.11標準規格、Bluetooth、ZigBeeまたは他のIEEE802.15標準規格、フリースペース光通信。
【0010】
ディスプレイスタンドは、以下のうちのいずれか1または複数を含む:
ボス、突起、リブ、リップ、フランジ、ビーム、溝部、ステップ、穴、凹部、開口部、くぼみ、スロット、クッション、グリップ面、フレーム、壁、レッジ、棚、フック、およびクレードル。
【0011】
ディスプレイスタンドのそのような要素は、以下の機能のいずれか1または複数を実行する:
使用時にカラーコレクションシステムのディスプレイデバイスの重量を支持し;
使用時にカラーコレクションシステムのディスプレイデバイスの滑り、ねじれ、または傾きのいずれか1または複数を抑制し;
使用時にカラーコレクションシステムのディスプレイデバイスを支持する支点として作用し;
使用時にカラーコレクションシステムのディスプレイデバイスをグリップする。
【0012】
いくつかの実施形態では、ディスプレイスタンドはコントロールパネルの遠位縁に隣接して伸びる溝部を含み、該溝部は使用時にカラーコレクションシステムのディスプレイデバイスの端部を受け入れるように構成される。該溝部は、カラーコレクションシステムの支持されたディスプレイデバイスの近位方向への動作を制限するフロント支持面と、カラーコレクションシステムの支持されたディスプレイデバイスの遠位方向への傾斜を抑制するリア支持面を有している。
【0013】
カラーコレクションシステムのディスプレイデバイスを直立位置に支持することは、垂直から10度を超える角度で遠位方向に傾斜するようにカラーコレクションシステムのディスプレイデバイスを支持することを含んでもよい。
【0014】
ディスプレイスタンドは、カラーコレクションシステムの支持されたディスプレイデバイスの画面にユーザーがタッチできるように、該画面の最下端に隣接してアフォーダンスを含む。該アフォーダンスによりユーザーが画面最下端の中央部にタッチできるようにしてもよい。アフォーダンスは、凹部、くぼみ、溝部、またはギャップであってもよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、トラックボールはコントロールパネルのセンターラインについて対称に配置される。
【0016】
いくつかの実施形態では、ディスプレイスタンドは、ディスプレイデバイスの画面が前記センターラインについて対称になるような位置にカラーコレクションシステムのディスプレイデバイスを支持することができる。ディスプレイスタンドは前記センターラインについて対称であってもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、コントロールパネルのボタンはグループにまとめて配置され、該ボタンのグループはコントロールパネルのセンターラインについて対称に配置される。対称に配置されたボタンのグループのうち少なくとも1組のボタンの配置が相互に異なってもよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、ノブがコントロールパネルのセンターラインについて対称に配置される。
【0019】
いくつかの実施形態では、コントロールリングは外半径と内半径を備えた上面を有し、表面形状は半径方向に拡張し、その外半径からその内半径へ至る途中の半分を超えた位置に向かって全体的に傾斜している。該表面形状は、その内半径からその外半径に至る半分未満の位置に向かって、全体的に傾斜していてもよい。コントロールリングはその外周に略円筒面を含んでもよい。
【0020】
前記トラックボールのボールは、コントロールパネルの上面からのボールの最大飛び出し量が該ボールの半径の30%を超えるように、コントロールパネルの上面に対して取り付けられる。該飛び出し量はコントロールリングの回転軸に平行方向に計測される。
【0021】
該最大飛び出し量は前記ボールの半径の35%を上回ってもよい。該最大飛び出し量は前記ボールの半径の37%を上回ってもよい。該最大飛び出し量は前記ボールの半径の40%を上回ってもよい。該最大飛び出し量は前記ボールの半径の約40.5%であってもよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、コントロールリングは、コントロールパネルに対し固定された位置に取り付けられた対応連結部に係合する連結部を有し、該コントロールリングが該対応連結部に連結されるとき、該コントロールリングが個々のトラックボールのボールをコントロールパネル内での動作位置に保持するようにしてもよい。
【0023】
コントロールリングの連結部はコントロールパネルの対応連結部に磁気吸着されてもよい。該対応連結部はコントロールリングの連結部の非磁性コンポーネントを吸着する1又は複数の磁石を有してもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、カラーコレクションシステムのディスプレイデバイスを直立位置に支持することは、垂直から40度未満の角度で遠位方向に向けて傾斜するようにカラーコレクションシステムのディスプレイデバイスを支持することを含む。カラーコレクションシステムのディスプレイデバイスは、垂直から20度未満の角度で遠位方向に向けて傾斜させてもよい。カラーコレクションシステムのディスプレイデバイスは、垂直から約17度の角度で遠位方向に向けて傾斜させてもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、前記トラックボールのボールは、その個々のコントロールリングの最高点より高く、該ボールの半径の15%を超えて飛び出てもよい。該飛び出し量はコントロールリングの回転軸に平行方向に計測される。
【0026】
トラックボールは前記ボールの半径の23%~24%だけその個々のコントロールリングの最高点を超えて飛び出してもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、コントロールリングの内径は個々のトラックボールのボールの直径の90%を超えてもよい。コントロールリングの内径は該トラックボールのボールの直径の100%を未満でもよい。コントロールリングの内径は該トラックボールのボールの直径の約95%でもよい。
【0028】
いくつかの実施形態では、コントロールサーフェスは無線通信チャネルを介してカラーコレクションシステムをコントロールできるバッテリー駆動の携帯可能なコントロールサーフェスである。
【0029】
別の態様では、
カラーコレクションアプリケーションを実行するコンピュータシステムと;
カラーコレクションアプリケーションのためのグラフィカルユーザインターフェースを表示するように配置されるディスプレイと;
前記第1態様の実施形態にしたがったコントロールサーフェスと;を含み、
該コントロールサーフェスはコンピュータシステムとデータ通信し、前記複数のトラックボール、複数のボタン、および複数のノブのいずれか1または複数を使って作成されたユーザー入力がコントロール信号としてコンピュータシステムへ伝達されて、前記カラーコレクションアプリケーションをコントロールする、カラーコレクションシステムが提供される。
【0030】
いくつかの実施形態では、ディスプレイはタブレットコンピュータの一部を構成する。該タブレットコンピュータはコントロールサーフェスのディスプレイスタンドで支持される。
【0031】
いくつかの実施形態では、該タブレットコンピュータはコンピュータシステムとディスプレイを単一のユニットに含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、カラーコレクションアプリケーションを実行するコンピュータシステムは、タブレットコンピュータから切り離されてタブレットコンピュータとデータ通信を行ってもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、コンピュータシステムはコンピュータサーバーを含み、前記タブレットコンピュータはコンピュータサーバーとデータ通信するクライエントを含み、前記カラーコレクションアプリケーションのグラフィカルユーザインターフェースは前記クライエントによって提供される。
【0034】
いくつかの実施形態では、コントロールサーフェスは、少なくとも1つの無線ネットワーク接続を介してコンピュータシステムとデータ通信を行う。
【0035】
本明細書で開示された1又は複数の発明は、さまざまな修正や代替形態に適応可能だが、具体的な実施形態は図面の実施例によって示され、詳細に説明されている。ただし、そのような図面や詳細な説明が、開示された特定の形態に発明を制限するものではないことが理解されるべきである。さらに、明細書や図面に示されまたはそれらにより明らかな個々の特徴の2以上のあらゆる組み合わせは、追加の態様または発明の開示を含み、それらは請求項の対象となり得る。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】第1実施形態に係るコントロールサーフェスを示す。
図2図1のコントロールサーフェスの上面図であり、図示される断面図の位置を示す。
図3図1および2のコントロールサーフェスの側面図である。
図4】一実施形態に係るコントロールサーフェスの電気システムの概略ブロック図である。
図5図2のY-Yに沿った断面図であり、一実施形態のディスプレイスタンドの形状を示す。
図6図2のZ-Zに沿った断面図であり、一実施形態のディスプレイスタンドに設けられたアフォーダンスの形状を示す。
図7図2のX-Xに沿った断面図であり、トラックボールの詳細を示す。
図8図2のV-Vに沿った断面図であり、特に、コントロールリング取り付けの詳細な配置を示す。
図9図2のW-Wに沿った断面図であり、特に、コントロールリング取り付けの詳細な配置とエンコーダを示す。
図10】一実施形態に係るカラーコレクションシステムの概略プロック図を示す。
図11】コントロールサーフェスとタブレットコンピュータを含む一実施形態に係るカラーコレクションシステムを示す。
図12】クライエントコンピュータシステムとサーバーコンピュータシステムを含む、一実施形態に係るカラーコレクションシステムの概略プロック図を示す。
図13A】ディスプレイスタンドを備えたコントロールサーフェスの一実施例を示す。
図13B】ディスプレイスタンドを備えたコントロールサーフェスの一実施例を示す。
図13C】異なるディスプレイスタンドを備えたコントロールサーフェスの一実施例を示す。
図13D】異なるディスプレイスタンドを備えたコントロールサーフェスの一実施例を示す。
図13E】異なるディスプレイスタンドを備えたコントロールサーフェスの一実施例を示す。
図13F】異なるディスプレイスタンドを備えたコントロールサーフェスの一実施例を示す。
図13G】異なるディスプレイスタンドを備えたコントロールサーフェスの一実施例を示す。
図13H】異なるディスプレイスタンドを備えたコントロールサーフェスの一実施例を示す。
図13I】異なるディスプレイスタンドを備えたコントロールサーフェスの一実施例を示す。
図13J】異なるディスプレイスタンドを備えたコントロールサーフェスの一実施例を示す。
図13K】異なるディスプレイスタンドを備えたコントロールサーフェスの一実施例を示す。
図13L】異なるディスプレイスタンドを備えたコントロールサーフェスの一実施例を示す。
図13M】異なるディスプレイスタンドを備えたコントロールサーフェスの一実施例を示す。
図13N】異なるディスプレイスタンドを備えたコントロールサーフェスの一実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下の説明において、本発明の完全な理解を提供するために多くの具体的な実施例が示される。しかし、これらの具体的な実施例がなくとも本発明を実施できることは明らかである。いくつかの例では、説明が詳細になるあまり、要点が不要に曖昧になることを避けるために、よく知られた構造やデバイスは、ブロックダイアグラムの形で示される。
【0038】
図1は、第1実施形態に係るカラーコレクションシステムをコントロールするためのコントロールサーフェス100の第1の図を示す。コントロールサーフェス100は、カラーコレクションの機能を実行するソフトウェアアプリケーションを実行するコンピュータシステム(図示しない)とインターフェースできるカラーグレーディングパネルの形をとる。
【0039】
一般的に、コントロールサーフェス100はコントロールパネル110を含む。この実施形態のコントロールパネルは一般的に形状が長方形であり、通常の使用でユーザーに最も近い近位縁(前縁)112と、通常の使用でユーザーから最も遠い遠位縁(後縁)114を有する。
【0040】
コントロールパネル110の上には、ユーザーがアクセスしやすい位置に取り付けられた一連のコントロール部があり、それによりユーザーがカラーコレクションシステムをコントロールできる。コントロールパネル110は、コントロールサーフェス100のハウジング300の最上部を構成する。ハウジング300は下部のエンクロージャ部350も含む。下部のエンクロージャ部350は、1又は複数のパネル、成形部、シャーシ、フレーム、または他の部材を含み、それらが集合してコントロールサーフェス100のハウジング300の構造を形成する。
【0041】
コントロールパネルには複数のトラックボール120が含まれる。この実施例では、3つのトラックボール(120A、120B、120C)が使用される。各トラックボール(120A、120B、120C)にはボール(122A、122B、122C)が含まれ、このボールは1つまたは複数のエンコーダ(図示しない)と相互作用して、ボール(122A、122B、122C)の動作に基づいて多次元のコントロール信号を生成する。各トラックボール(120A、120B、120C)のボール(122A、122B、122C)は、ユーザーがボール(122A、122B、122C)と相互作用できるように、コントロールパネル110の上に一部が露出しており、それぞれのコントロールリング(124A、124B、124C)に囲まれている。各リング(124A、124B、124C)は、少なくとも1つの(図示しない)エンコーダと連携し、コントロールリング(124A、124B、124C)が回転すると、その回転がそれぞれのエンコーダによって感知され、一次元のコントロール信号が生成される。各ボール(122A、122B、122C)は、それぞれのコントロールリング(124A、124B、124C)と同心円に取り付けられる。
【0042】
コントロールパネル110はさらに複数のコントロールボタン130を含む。該ボタンは図示されるような物理的なボタンであってもよいし、タッチ画面インターフェース上のボタンであってもよい。そのような実施形態では、コントロールパネルがタッチ画面を所定の位置に含むかまたは物理的ボタンに加えて含む。ボタン130を使用時、ユーザーはカラーコレクションシステムに所定の入力を行うことができる。1又は複数のボタンを操作することで生成される特定の入力は、固定されてもよいし、ユーザーまたはカラーコレクションシステムによって割り当てられてもよい。いくつかの形態では、1又は複数のボタンの操作によって生成される入力は背景によって変化することがある。コントロールパネル上のボタン130はグループ(132A、132B、132C、132D、132E)にまとめて配置してもよい。該グループは、コントロールパネル110のセンターラインC-Cについて略対称に配置され得る。例えば、中央グループ132Eは、センターラインC-C上に配置され、そのグループ内のボタンの配置もセンターラインC-Cについて対称である。グループ132Cと132Dの組はセンターラインC-Cについて相互に対称に配置される。同様に、グループ132Aと132Bの組はセンターラインC-Cについて相互に対称に配置される。しかし、2つのグループ132Aと132Bの配置はセンターラインC-Cについて対称であるものの、132Aおよび132Bのグループ内のボタンは互いに同じではなく、ボタンの配置も相互のミラーイメージではない。
【0043】
コントロールパネル110にはそれぞれのロータリーエンコーダに連結された複数のノブ136も含まれる。これらのノブはユーザーが入力のレベルをユーザーフレンドリーかつ直感的に調整できるようにする。ノブもセンターラインC-Cについて対称に配置されてもよい。
【0044】
カラーコントロールサーフェス100にディスプレイスタンド140も含まれる。ディスプレイスタンド140は、使用時にカラーコレクションシステムのディスプレイデバイスを直立した位置で支持できる。この実施例では、ディスプレイスタンド140はコントロールパネル110の遠位縁114に隣接して配置される。ディスプレイスタンド140は、入力コントロール部の最後列にあるノブ136とコントロールパネル110の遠位縁114の間に位置している。しかし、他の実施形態では、ディスプレイスタンド140は、部分的にまたは全体的にコントロールパネル110の遠位縁114より後方に(すなわち、ユーザーから遠い方向に)なるか、またはコントロールパネル110の遠位縁114と直線状に配置される場合もある。
【0045】
この実施例のディスプレイスタンド140はコントロールパネル110の遠位縁114に沿って延びる溝部142を有する。溝部142は、使用時にカラーコレクションシステムのディスプレイデバイスのエッジを受け入れるサイズと形状を有する。図5に、ディスプレイスタンド140の溝部142の位置Y-Yに沿った断面図が示されている。さらに図5と6は、通常使用時にディスプレイスタンド140によって支持されるときのカラーコレクションシステムのディスプレイデバイスの下部を示す。図5で分かるように、溝部142のフロント支持面144は垂直、またはわずかに傾斜している。このフロント支持面144は、支持されるカラーコレクションシステムのディスプレイデバイスの近位方向(前方)への動きを制限する。遠位方向(後方)にわずかに傾斜してオーバーハングを形成することで、ディスプレイデバイスが後方に倒れて、下部のエッジがフロント支持面を滑り上がる可能性を最小限に抑えることができる。溝部142のリア支持面146は後方に傾斜し、上部と下部に丸みを帯びている。リア支持面146は、ディスプレイデバイスがディスプレイスタンド140で支持されるとき、支持されたディスプレイデバイスが後方に傾く力を抑制する。溝部142の底面148は下方に位置し、使用時にディスプレイデバイスを支持する。リア支持面146の上部にある丸みを帯びた部分は、溝部への導入部を提供する。フロント支持面144の上部には前方に傾斜した導入セグメント144Aも提供される。導入部は、ディスプレイデバイスをディスプレイスタンドに挿入する際にユーザーを支援する。フロント側導入部を前方に傾けることにより、ディスプレイデバイスがほぼ垂直方向に挿入される場合、ユーザーはディスプレイデバイスがディスプレイスタンドと確実に係合することを実感できる。溝部142の底面148につながる下部の丸みは、支持されたディスプレイデバイス50を前方に押して、ディスプレイデバイスのフロント側下部のコーナー部がフロント支持面144に当接して保持される。ディスプレイスタンド140の溝部142の外側の端部は、オープン、クローズのいずれでもよい。クローズの場合、ディスプレイデバイスの横方向の移動を制限する。
【0046】
図5および図6に示すように、カラーコレクションシステムのディスプレイデバイス50は、一般的にディスプレイスタンド140に支持され、後方に(つまり遠位方向に)傾斜して垂直から10度を超え40度未満の角度で支持される。この実施形態では、ディスプレイデバイスがディスプレイスタンド140に支持されると、垂直から15度から20度の角度で支持される。特に、この実施例では17度で保持される。正確な角度は、ディスプレイスタンド140に対するディスプレイデバイスのエッジの寸法と形状に従って変化する。例えば、タブレットコンピュータまたはスマートフォンがカラーコレクションシステムのコンピュータシステムを含む場合、タブレットコンピュータまたはスマートフォン自体もディスプレイデバイスとなる。約6.5mmの厚さを持つタブレットコンピュータまたはスマートフォンの場合、ディスプレイデバイスは垂直から17度に近い角度でディスプレイスタンドに保持される。
【0047】
ディスプレイスタンド140はさらに、コントロールパネル110に対してサイズ、位置、形状、および/またはレイアウトがアレンジされ、ディスプレイデバイスの画面がコントロールパネルのセンターラインC-Cについて略対称に配置されるようにカラーコレクションシステムのディスプレイデバイスを支持する。これは、いくつかの実施形態では、ディスプレイスタンド140を、この実施例で示すように、コントロールパネル110の中心線C-Cについて対称にすることで達成される。
【0048】
この実施例では、ディスプレイスタンド140は、画面の最下端に隣接する位置でディスプレイデバイスへのアクセスを可能にする、アフォーダンス150として機能する構造も含む。この実施例のアフォーダンス150は、溝部142のフロント支持面144にある、くぼみの形をとる。これにより溝部142の幅を局所的に広げる。アフォーダンス150を構成するくぼみは、溝部142の中央に位置し、ディスプレイの端部に対する物理的かつ視覚的なアクセスを可能にする。これは、ディスプレイデバイスが、ホームボタン、前面カメラ、センサー、iOSデバイスの「ドック」などの「スワイプアップ」インターフェース機能など、特定の目的のまたは共通に使用されるインターフェース要素を、ディスプレイデバイスの端部またはその近くに有する場合に特に有用である。このような機能は、ユーザーがアフォーダンス150を使って、溝部142の局所的に広がった場所に指、スタイラスまたは他の器具を挿入してディスプレイデバイスのタッチ画面やボタンに触れるとき、あるいはその場所にあるセンサーを視界に入れるとき、ディスプレイスタンド114のくぼみを介してより簡単にアクセスが可能となり使用可能となる。いくつかの実施例では、アフォーダンスの側面の位置は特定の予め設定された構成のディスプレイデバイスに合わせて選択できる。
【0049】
ラインZ-Z(図2に示される)に沿った部分の溝部142の断面図が図6に示されている。
【0050】
ラインZ-Zに沿った溝部142の断面図では、溝部142のフロント支持面144の通常の形状(点線で示される)がモディファイされている。従って、(点線で示された)フロント支持面144がほぼ垂直かまたは小さなオーバーハングを形成する代わりに、アフォーダンス150における溝部142の前面151は、溝部の上部へ向かって入口の幅を拡張するように、顕著に前方(近位方向)へ傾斜している。溝部142のリア支持面146は、断面Y-Yで示すものと同じである。くぼみ150は、コントロールパネル110のセンターラインC-C112上に配置される。
【0051】
他の実施形態では、ディスプレイスタンドは異なる形状となり、異なる要素を含む。たとえば、該スタンドは以下のいずれか1つまたは複数を含むことができる:ボス、突起、リブ、リップ、フランジ、ビーム、溝部、ステップ、棚、穴、凹部、開口部、くぼみ、スロット、クッション、グリップ面、フレーム、壁、レッジ、フック、またはフラップ。これらの構造は、単独でまたは別の構造と組み合わせて、1又は複数の以下の機能を実行できる:
使用時カラーコレクションシステムのディスプレイデバイスの重量を支持し;
使用時カラーコレクションシステムのディスプレイデバイスの滑り、ねじれ、または傾きのいずれか1又は複数を抑制し;
使用時カラーコレクションシステムのディスプレイデバイスを支持する支点として作用し;
使用時カラーコレクションシステムのディスプレイデバイスをグリップする。
【0052】
図13A-13Lは他の実施形態で使用されるディスプレイスタンドの6つの代替の実施例を示す。
【0053】
図1-12で説明された実施形態と異なる形状を有する支持スタンドを備えた実施形態では、アフォーダンスも異なる形状となる。例えば、アフォーダンスは、ディスプレイデバイスの画面の同様の部分を露出させる、ディスプレイスタンドの支持構造を構成する要素間のギャップまたは空間であってもよい。
【0054】
本実施形態のディスプレイスタンド140は、コントロールパネル110の上面から突出することはない。さらに、ディスプレイスタンドはコントロールパネル110の直線状の後端を提供するため、ディスプレイスタンドは、カラーコレクションパネル100がスムーズな端部を持つことを容易にする。ディスプレイスタンドが最後列のコントロール部(ノブ136)と遠位縁との間に配置されることで、コントロールパネル110の突出した要素(ノブ136など)をコントロールパネル110の遠位縁から離れた位置に設定し易くする。これにより、ポータブルデバイスとして使用される際、コントロールサーフェス100をバッグ、バックパック、スリーブまたはケースなどのキャリアに収納またはそこから取り出すときに引っかかったり引っかけたりするさらなる突起や物理的構造がなくなるため、本実施形態の利点になる。
【0055】
従来の多くのカラーグレーディングコントロールサーフェスは、そのトラックボールをコントロールパネルの近位縁から遠くに配置している。これにより、ユーザーは使用中に手や手首をコントロールパネルの上に置いてトラックボールの上に手を位置づけることが容易になる。これに対比して、本コントロールサーフェス100の実施形態は、以下のいずれか1又は複数のファクターを使ってコントロールサーフェスの使用を容易にする:
a)比較的低背のコントロールパネル110;
b)コントロールパネル110の前方への傾斜;
c)トラックボール120の近位位置。
【0056】
図3はコントロールサーフェス100の側面図を示す。側面図から分かるように、コントロールサーフェス100のコントロールパネル110はその遠位縁114から近位縁112に向かって前方への傾斜を有する。
【0057】
さらに、コントロールサーフェスが置かれる表面(たとえば、テーブルトップなど)の上にある近位縁112の高さは比較的低い。この高さは20mmから28mmの間にある。図示された実施形態では、約25mmである。コントロールサーフェスの遠位縁114の高さは、置かれる表面から30mmから50mmの間である。いくつかの実施形態では、コントロールサーフェスの遠位縁114の高さは35mmから40mmの間である。図示された実施形態では、コントロールパネルの遠位縁114は高さが約40mmであり、ノブ136の遠位縁に隣接する場所は高さが約38mmである。トラックボール120のボール122の最高点は、使用時にコントロールサーフェス100が置かれる表面から55mm未満、または50mm未満であってよい。図示された実施形態では、表面から約45mmの高さとなる。コントロールリング124の最高点は、コントロールサーフェスが置かれる表面から45mm未満、または40mm未満であってよい。図示された実施形態では、表面から約37mmの高さとなる。
【0058】
トラックボール120は、コントロールパネルの近位半分に、つまり、コントロールパネル110の中央からコントロールサーフェスの近位縁112側に位置している。トラックボール120の中心は、近位縁112から70mm未満、または65mm未満であってよい。いくつかのの実施形態では、トラックボールの中心は近位縁112から55mmから60mmの間であってよい。図示された実施形態では、トラックボールの中心は近位縁112から約56mmの位置にある。いくつかの実施形態では、トラックボールのコントロールリング124の最後端は、近位縁112から100mm未満であってよく、95mm未満であってもよい。図示された実施形態では、トラックボール120のコントロールリング124の最後端は約93mmである。
【0059】
上記全体的に設定されたジオメトリーを利用することにより、いくつかの実施形態では、従来のサイズの大きなカラーグレーディングコントロールサーフェスの使用にこだわる必要がなく、ユーザーエクスペリエンスを良好に維持できる。このような実施形態では、コントロールサーフェス100のユーザーは、トラックボール120を使用するためにそれらの上に手を位置づける一方、通常のコンピューターキーボードを使用する場合とほぼ同じように(必要に応じてリストサポートパッドを使って)、使用中、デスクやテーブルの上やその他の支持面の上に手や手首を置いておくことができる。
【0060】
そのように適用することで、コントロールサーフェス100は全体としてコンパクトなサイズとユーザビリティーを維持できるので、コントロールサーフェス100の使用も容易になる。
【0061】
図4は、コントロールサーフェス100の電子部品の概略ブロック図400である。全体のコントロールは、プロセッサ405によって提供され、それは、以下で説明するさまざまな入力源からの入力を受け取り、I/Oシステムに出力するためのコントロール信号を生成する。
【0062】
回路400には、各トラックボール120A、120B、120Cごとに、それぞれのトラックボール120A、120B、120Cのボール122A、122B、122Cの動きを感知する、少なくとも1つ、さらにいくつかの実施形態では2以上のエンコーダ422A、422B、422Cと;トラックボール120A、120B、120Cのそれぞれのリング124A、124B、124Cの回転運動を感知する、少なくとも1つのエンコーダ424A、424B、424Cとが含まれる。各ボールのエンコーダ422A、422B、422Cは、ボール122A、122B、122Cの動きに基づいてカラーコレクションシステムのコントロールに使用するために多次元のコントロール信号を生成する。各エンコーダが一次元の出力を生成して、その出力を別のエンコーダの出力と組み合わせてそのボールの多次元コントロール信号を生成してもよいし、あるいは、1又は複数のエンコーダが多次元出力を生成し、それが単独で(または他のエンコーダからの他の出力と組み合わせて)使われて、ボールの動きに対応する多次元のコントロール信号を生成してもよい。コントロールリングに関連する1又は複数のエンコーダは、リングの回転運動に基づいてそれぞれが一次元のコントロール信号を生成する。複数のエンコーダが解像度の向上または出力の平均化を可能にするために使用されてもよい。
【0063】
回路400には、複数のコントロールボタン(またはキー)132も含まれる。コントロールパネルの照明のために、LEDドライバ410もオプションで提供される。例えば、ボタンはバックライトで照らされ、選択的に照らされるか、モジュレートされることで状態を表示してもよい。ロータリーエンコーダ436は、コントロールパネル110上のノブ136を介して調整可能であり、ユーザーが入力を調整することを可能にする。
【0064】
回路400にはさらに電源供給システム438が含まれる。電源供給システム438は、使用時にコントロールサーフェス100に電力を供給するように配置された電力貯蔵システム446(例えば、1又は複数のバッテリー)を含む。電源供給システム438は電力貯蔵システム446を充電する充電器448をオプションで含んでもよい。しかし、いくつかの実施形態では、電力貯蔵システム446は外部の充電システムで再充電可能であってもよいし、取り外し自在又は交換自在であってもよい。さらに本実施形態の電源供給システム438は、電力貯蔵システム446を残りの回路に接続し、必要な電圧がシステムの電圧と異なる場合に適切な電圧で電力供給を行う、電源450を含む。例えば、電源450は、異なるコンポーネントに必要な電圧で電力供給を行うために、システム電圧から切り離されて(独立して)動作する1又は複数のレギュレータ(例えば、リニアレギュレータ又はスイッチドキャパシタレギュレータ)および/またはスイッチを含んでもよい。
【0065】
この例では、回路400には有線インターフェース444が備えられている。この有線インターフェース444は、バッテリー充電器448への電力供給を行うだけでなく、オプションでカラーコレクションシステムとのデータ接続も提供し、コントロールサーフェスとカラーコレクションシステムとの間でコントロール信号やその他のデータの交換を可能にする。ある実施形態では、有線インターフェース444はUSB-Cポートとなる。
【0066】
ある実施形態では、コントロールサーフェス100が有線インターフェース444を介して電源に接続されている場合、電力は電力貯蔵システム446の代わりに、優先的に有線インターフェース444から取り出される。これは、充電器448を使用して電力を電力貯蔵システム446の代わりに電源450に送ることで実行できる。余剰の電力は電力蓄積システム446に送られて充電される。有線インターフェース444が接続されていない場合、電力は電力貯蔵システム446から、前述のデバイスへの電力供給のために電源450に送られる。前述の通り、電力貯蔵システム446が取り外し可能または交換可能なバッテリーを受け入れてもよいので、有線インターフェースシステム444はいくつかの実施形態では省かれることもある。
【0067】
インターフェースシステム440には、無線通信インターフェース442が含まれる。無線通信インターフェース442は、使用時にカラーコレクションシステムとデータとコントロール信号を交換し、コントロールサーフェス100がカラーコレクションシステムをコントロールできるように構成される。無線通信インターフェース442は、任意の無線通信方法またはプロトコルに従って動作可能だが、好ましくは次のいずれかから選択される:IEEE802.11無線規格、Bluetooth、ZigBee、またはその他のIEEE802.15規格。また、自由空間光通信を使用することもある。
【0068】
広く受け入れられている無線通信プロトコルを使用することで異なるカラーコレクションシステムとの相互運用性を促進できる。実例では、無線通信インターフェース442はBluetooth通信インターフェースである。
【0069】
図7は、図2で示されたラインX-Xに沿った部分断面図であり、トラックボール120Aを貫通して、コントロールリング124Aとボール122Aが示されている。コントロールリング124Aは上面200Aを有していることが分かる。リング124Aのサイズは、一般的にその外側の半径202と内側の半径204によって定義される。上面200Aは、図7の断面に示されているような半径方向の表面形状を有する。この図示された実施形態では、表面形状は3つの主要セクションを有する。コントロールリングの外周部を囲むほぼ円筒状の円筒面206があり、この面は表面形状の全体的に垂直なセクションとして現れる。円筒面206は、ユーザーがコントロールリング124Aを容易に操作できる周縁またはエッジを提供する。一般的に、ユーザーは、円筒面206を使って対応のボール122Aを操作する手の親指でリングを操作する。円筒面206および/またはその面上のエッジを備えることで、良好な触覚フィードバックをユーザーに与える。通常、ユーザーは、カラーコレクションシステムのディスプレイを見ることに注意を集中させながらコントロールリング124A、124B、124Cを含むコントロールサーフェス100のコントロール部を操作するので、これはユーザーにとって有利である。
【0070】
円筒面206から半径方向内側に移動すると、表面形状は最大高さ208のポイントへ向かって外側傾斜部205Aを上向きに傾斜する。最大高さは、リングの表面形状に沿って内側エッジ210までの距離の半分を超える位置にあるポイント208であってもよい。その後表面形状は内側斜面部205Bに沿って内側エッジ210まで下向きに傾斜する。本実施形態では、コントロールリングはほぼ直線的な傾斜形状を含む表面形状を有するが、他の実施形態では、上記傾斜が広い丸みを帯びた曲線状に交わるか、円筒面の端から内側エッジ210まで滑らかな曲線状(例えば円弧状)であってもよい。外側傾斜部205Aは、使用時にユーザーの指が容易に引っ掛かる角度で傾斜していることが好ましい。外側傾斜部、またはできれば上面200A全体にテクスチャが施されているのが好ましい。この実施形態では、外側傾斜部205Aにはリブ205Cのパターンがある。リブのパターンは図1図2でもはっきり見ることができる。上述のように、ユーザーは通常、カラーコレクションシステムのディスプレイに視線を集中させながらコントロールリング124A、124B、124Cを操作するので、リブ205Cのテクスチャはユーザーに触覚フィードバックを与え、グリップを向上させることができる。
【0071】
外側に円筒部分を有しコントロールリングの中心に向かって徐々に高さを増すコントロールリング形状を備えることは、コントロールリングを使用する容易性と携帯デバイスの収納の容易性という二重の要望に対応するうえで役に立つ。
【0072】
本実施形態のコントロールサーフェス100の実施例は、コントロールサーフェス100の垂直高さや厚さを最小限に抑えることにより、携帯デバイスとしての使用にさらに適応させることができる。これにより、コントロールサーフェス100の非使用時の持ち運びも容易になる。
【0073】
図示されたこの実施形態は、比較的小さな直径のボール122A、122B、122Cを備えることでこれを容易にする。ボール122A、122B、122Cの直径は、コントロールサーフェス100の最小厚さに制約をもたらす可能性がある。したがって、トラックボール用に小さなボールを使用することで、コントロールサーフェス100の全体の高さや厚さを削減できる。ただし、小さなトラックボールを使用する場合、ユーザーエクスペリエンスやコントロール精度が低下する可能性がある。
【0074】
本実施形態のボール122A、122B、122Cの直径は約35mmから45mmの間であるが、好ましい直径は約40mmである。しかし、ボール122A、122B、122Cは従来のカラーコレクションコントロールサーフェスで使用されているトラックボールよりも小さいが、コントロールパネル110の比較的高い位置に取り付けることで、および/またはそれぞれのコントロールリングに対して比較的高い位置に取り付けることで、予測されるユーザビリティーの低下が軽減される。
【0075】
例えば、前記のトラックボールのボール122A、122B、122Cは、ボールのコントロールパネル110の上面(図7の線215で示される)に対して、該上面からの最大飛び出し量(214)が、コントロールパネル110の当該ボールの半径の30%を超えるように取り付けられる。ボール122A、122B、122Cのコントロールパネル面より上方への高さは、ボール122A、122B、122Cの半径の35%、37%、又は40%を超えてもよい。図示される実施形態では、ボール122A、122B、122Cの最大高さは、前記ボールの半径の約40.5%である。トラックボールの高さは、図7のコントロールリング124Aの回転軸220に平行な方向に測定される。
【0076】
いくつかの実施形態では、該トラックボールのボールは、その対応するコントロールリングの最高点よりも、ボールの半径の15%を超えて飛び出すことがある。なお、トラックボールの飛び出し量は、図7のコントロールリング124Aの回転軸220に平行な方向で測定できる。この例では、ライン225は回転軸220に垂直であって、コントロールリング124Aの最高点208に接する平面を定義する。該トラックボールのボールは、その対応するコントロールリングのこの最高点より上に、ボール半径の20%を超えて飛び出してもよい。図示の実施形態では、該トラックボールのボールは、その対応するコントロールリングの最高点を超えて(寸法線226に示すように)、ボールの半径の約23.5%飛び出している。いくつかの実施形態では、より大きな飛び出し、たとえば25%を超えて、40%まで飛び出すこともある。
【0077】
トラックボール120Aのコントロールリング124Aの開口部を貫通してボール122Aのほぼ大部分が露出することも有利である。つまり、コントロールリング124Aの内径(すなわち図7の半径204の2倍の大きさ)は、ボールの直径に比べて比較的大きくすることができる。いくつかの実施形態では、コントロールリングの内径は、該トラックボールのボールの直径の90%を超えるが、トラックボールの直径未満であってもよい。コントロールリングの内径は、該トラックボールのボールの直径の93%を超えてもよい。図示の実施形態では、コントロールリングの内径はボールの直径の約95%である。
【0078】
コントロールリング124A、124B、124Cを貫通して飛び出すボール122A、122B、122Cの相対的な飛び出し部分が大きくなれば、ユーザーがトラックボール120A、120B、120Cを操作するために露出されるボール122A、122B、122Cの表面積が増加し、平面視で見た場合にユーザーインタラクション用に露出されるボールの部分の直径が増加する。これらの効果を合わせると、従来のカラーコントロールサーフェス上でより大きなトラックボールを使用するのと同様の方法でトラックボールをコントロールすることが可能になる。コントロールリング(例えば124A)の内側斜面部205Bがコントロールパネル110の平面に対して下向きに傾斜することで、ユーザーは、その過程でコントロールリング(124A)に触れることなくボール(例えば122A)の露出表面全体に容易にアクセスできるので有利である。
【0079】
図7はコントロールサーフェス100の内部コンポーネントを支持して取り囲むハウジング300の一部のコンポーネントの断面も示しており、一般的に参照番号300で示される。光学文字読み取り装置であるエンコーダ302も、ボール122Aの下に取り付けられているのがわかる。複数のこのようなエンコーダが使用され、ボール122Aの動きを追跡し、カラーコレクションシステムのコントロールのための出力信号を生成する。エンコーダ302には、光学コンポーネントを汚れから保護するためのカバーまたはレンズ304が取り付けられている。図8および図9に関連して詳細に説明されるように、コントロールリング124Aにはベアリング306も含まれる。この実施例では、ベアリング306とは、下方に垂下するフランジ308によって形成される凹部に締り嵌めされるレース内のボールベアリングのセットである。フランジ308は、コントロールリング124Aの底面の周囲に沿って延び、ベアリング306はフランジ308によって形成された環状リムに押し込まれる。
【0080】
図8および図9は、一実施形態のコントロールサーフェス100のトラックボール120Aのさらなる詳細を示す。図8は、図2のラインV-Vに沿った断面図であり、一方、図9は、図2のラインW-Wに沿った断面図である。図から分かるように、図示される実施形態のすべてのトラックボールは相互に同一であり、断面の位置はトラックボール120Bと120Cの違いを示すためではなく、図2を明確にするために選択されている。
【0081】
図8に示されるV-Vの断面は、ボール122Bとコントロールリング124Bを通る断面を示し、コントロールリング124Bとコントロールパネル110との結合を示す。時々、ボール122A、122B、122Cおよびエンコーダーセンサーカバー304を取り外して清掃する必要があるので、取り外し可能なコントロールリングは便利である。このように、コントロールリング124Bとコントロールパネルの残り部分との結合を比較的簡単に解除できることは有利である。便宜上、結合はコントロールリングとコントロールパネルの間の結合として説明される。コントロールリングが結合される実際の1又は複数のコンポーネントは、分離可能なトラックボールアセンブリ、コントロールパネルのシャーシ、ハウジングコンポーネント、または他の物理的構造の一部であってもよい。ただし、肝要なことは、使用中コントロールリングがコントロールパネルに固定された関係にある構造に結合されていることである。図示の実施形態では、これらの部品を一緒に保持するための結合に磁力を用いる。
【0082】
断面V-Vに沿って、コントロールパネル110の固定された位置に磁石310が取り付けられる。コントロールリング124Bが正しい操作位置にあると、磁石はコントロールリング124Bとアライメントする。具体的には、コントロールリング124Bに取り付けられたベアリングレース306は、正しくアライメントすると磁石310に引き寄せられる強磁性材料を含むか又はその材料でできている。この実施例では、ベアリングレース内輪306iは磁石310とアライメントしており、鋼でできているためコントロールリング124Bは磁力でコントロールパネルに結合される。コントロールリング124Bの周りの異なるポイントで、このような結合を複数回行うことができる。例えば、断面V-Vはコントロールリングの周りで(例えば90度、120度、180度の一定間隔で)繰り返されてもよい。フランジ308には、ベアリング306がフランジ308によって形成されるリムに確実に収められるように、その内周に沿って1又は複数のボス309またはリッジが設けられてもよい。この実施例では、コントロールリング124Bは使用時にコントロールリング124Bと一緒に回転する磁化された素子を含んでいない。そのような磁気素子はコントロールパネル110に対して固定された位置に配置される。この配置により誘導電流を最小限に抑え、したがってコントロールサーフェス100のコントロール回路の電気的干渉を最小限に抑えることができる。
【0083】
図8はさらに、ボールベアリング315および支持部320を示し、これらによって使用時にボール122Bが適切な転がり性能を提供するように支持される。さらに、図7が最も分かりやすいが、ハウジングコンポーネント300およびボール122A、122B、122Cの全般的な取り付け方法によりカップ301が形成され、その中でボール122A、122B、122Cが浮いた状態にある。ただし、カップ301はボールの底部を完全には覆わず、むしろ下側に開口部301Aを設けて、この開口部を通って、ボール122A、122B、122Cが飛び出ている。この開口部によって、ボール122A、122B、122Cとハウジングの底面との間に余分な壁やボール122A、122B、122Cとカップ301との間のクリアランスが不要となり、コントロールサーフェス100の全高を最小限に抑えるのに役立つ。
【0084】
図9は、ボール122Cとコントロールリング124Cを貫通するW-Wの断面を示し、コントロールリング124Cとコントロールパネル110の詳細を図示する。特に、図9ではエンコーダ330も追加で示されている。これは、コントロールリング124Cと相互作用する複数のエンコーダの1つである。この実施例では、エンコーダ330は、コントロールリング124Bのフランジ308の位置を検出するフォトインタラプタである。フランジ308は、例えば隙間と突起が交互に配置されるキャスタレーションエッジの下部エッジ332を含み、これによりフォトインタラプタの光ビームを交互に遮断または通過させてリング124Bの回転運動を検出しコントロール信号を生成できる。一実施例では、下部エッジ332がキャスタレーション形状であってもよい。
【0085】
図9はさらにテーパーフィン334いう円錐形状のアライメント素子を示し、ボール122Cの周囲の固定された位置に複数のフィンが配置される。フィン334は、コントロールリング124Cのボール122Cとカップリングマグネットに対する正確な半径方向のアライメントを決定する。フィン334の外縁は、コントロールリング取り付け構造の内縁(この場合、ベアリングレース内輪306i)の正確な半径方向の位置を決定する。フィン334の上部はテーパ状になって導入部を形成し、コントロールリング124Cを交換する際にアライメントが便利にできるようになっている。個々のフィンの代わりに、アライメント素子は完全なまたは部分的な環状リムであってもよい。断面W-Wは、コントロールリングの周りで(例えば90度、120度、180度の一定の間隔で)繰り返すことができる。ただし、各位置に追加のエンコーダ330を必ずしも繰り返し配置する必要はない。
【0086】
図10は、上記で説明したコントロールサーフェス100と、カラーコレクションアプリケーションを実行するコンピュータシステム1000とを含むカラーコレクションシステム500の一実施例を示すブロック図である。コンピュータシステム1000には、情報を通信するためのバス1002または他の通信メカニズム、および情報を処理するためにバス1002に接続されたハードウェアプロセッサ1004が含まれる。ハードウェアプロセッサ1004は、例えば1又は複数の汎用マイクロプロセッサ、1又は複数のグラフィックス処理ユニット、または他のタイプの処理ユニット、またはそれらの組み合わせであってもよい。
【0087】
コンピュータシステム1000には、情報およびプロセッサ1004によって実行される命令を格納するためにバス1002に接続された、ランダムアクセスメモリ(RAM)または他のダイナミックストレージデバイスなどのメインメモリ1006も含まれる。メインメモリ1006は、プロセッサ1004によって実行される命令の実行中に一時的な変数やその他の中間情報を格納するためにも使用される。このような命令が、プロセッサ1004がアクセス可能な非一時的記憶媒体に格納されている場合、コンピュータシステム1000を、カスタマイズされて命令により指定されるオペレーションを実行する専用マシンに変える。
【0088】
コンピュータシステム1000には、プロセッサ1004のための静的情報と命令を格納するためにバス1002に接続された、リードオンリーメモリ(ROM)1008または他の静的ストレージデバイスがさらに含まれる。ストレージデバイス1010は、磁気ディスク、SSD、または光ディスクなどの記憶媒体を含み、カラーコレクションアプリケーションおよび/またはカラーコレクションの対象となる画像およびビデオデータを含む情報と命令を格納するために提供されバス1002に連結される。
【0089】
コンピュータシステム1000には、バス1002を介して接続された、ユーザーに情報を表示するためのディスプレイ1012(1又は複数のLCD、LED、タッチスクリーンディスプレイ、または他のディスプレイなど)が含まれる。また、コンピュータシステム1000には、情報とコマンド選択をプロセッサ1004に伝えるためにバス1002に接続される、英数字および他のキーを含むキーボードなどの入力デバイス1014も含まれる。コンピュータシステム1000は、また、プロセッサ1004に対して方向情報とコマンド選択を伝え、ディスプレイ1012上でカーソルの移動をコントロールするためのカーソルコントロール1016(マウス、トラックボール、またはカーソル方向キーなど)も含む。
【0090】
少なくとも1つの実施形態によれば、ここでの技術は、プロセッサ1004がメインメモリ1006に含まれる1又は複数の命令の1又は複数のシーケンスを実行することに応じて、コンピュータシステム1000によって実行される。このような命令は、リモートデータベースなどの他の記憶媒体からメインメモリ1006に読み込まれてもよい。メインメモリ1006に含まれる命令のシーケンスを実行することにより、プロセッサ1004はここで説明されるプロセスステップを実行する。別の実施形態では、ソフトウェアの命令の代わりに、又はそれと組合わすことでハードウェア回路が使用されてもよい。また、この記憶媒体は、カラーコレクションが行われる画像やビデオファイルを保存するためにも使用される。
【0091】
本明細書で使用される用語の“storage media”又は“storage medium”「1又は複数の記憶媒体」は、マシンのオペレーションを特定方法で実行するデータおよび/または命令を格納する非一時的記憶媒体を指す。このような記憶媒体には、不揮発性媒体と揮発性媒体が含まれる。不揮発性媒体には、例えばストレージデバイス1010など、光学ディスクや磁気ディスクのようなものが含まれる。揮発性媒体には、メインメモリ1006のようなダイナミックメモリが含まれる。記憶媒体の一般的な形態には、例えば、フロッピーディスク、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ(SSD)、磁気テープ、またはその他の磁気データ記憶媒体、CD-ROM、その他の光学データ記憶媒体、穴のパターンを有する物理的な記憶媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH-EPROM、NVRAM、その他のメモリチップまたはカートリッジが含まれる。記憶媒体は、バス1002に接続されているという意味でローカルであってもよいし、ネットワーク接続を介してコンピュータシステム1000に通信可能に連結されるのであればリモートであってもよい。これに関連して、コンピュータシステム1000はバス1002に接続された通信インターフェース1018も含む。
【0092】
通信インターフェース1018は、通信ネットワーク1050または他のデバイスとの双方向のデータ通信接続を提供する。例えば、通信インターフェース1018は、サービス総合ディジタル網(ISDN)カード、ケーブルモデム、イーサネットカード、衛星モデム、USBインターフェースなどを含む。例として、通信インターフェース1018は、互換性のあるLANへのデータ通信接続を提供するためのローカルエリアネットワーク(LAN)カードであってもよい。無線リンクも実装できる。この例では、通信インターフェース1018は無線インターフェース1020を含む。無線インターフェース1020は、任意の無線通信方法に従って動作できるが、次のいずれかから選択されることが好ましい:IEEE802.11無線標準規格、Bluetooth、ZigBee、または他のIEEE802.15標準規格。または、フリースペース光通信を使用することもできる。
【0093】
上記いずれの実装においても、通信インターフェース1018は、様々なタイプの情報を表すデジタルデータストリームを運ぶ電気的、電磁的、または光学的な信号を送受信する。
【0094】
カラーコレクションシステム500はコントロールサーフェス100も含む。コントロールサーフェス100は図4で示された回路400を含む。
【0095】
コントロールサーフェス100は、ネットワーク接続1060を介してコンピュータシステム1000と通信可能に連結される。特に、コントロールサーフェス100の無線通信インターフェース442とコンピュータシステム1000の無線インターフェース1020は、それらの間でデータを交換するための無線リンクを形成する。この実施例では、ネットワーク接続1060はBluetooth接続だが、本明細書に記載の異なる通信方法に従った接続であってもよい。
【0096】
コンピュータシステム1000は、無線リンク1060を介してコントロールサーフェス100からのユーザーのコントロール入力を受け付け、動作中のカラーコレクションアプリケーションのオペレーションをコントロールする。
【0097】
図11は、一般的には図10のシステム500に相当する、代表的カラーコレクションシステム1100を示し、このシステムは、タッチスクリーンを備えたタブレットコンピュータの形態であるコンピュータシステム1000と、コントロールサーフェス100を含む。コンピュータシステム1000は、Blackmagic Design社製のDavinci Resolveなどのカラーコレクション機能を備えたノンリニア編集アプリケーションを実行する。コンピュータシステム1000のディスプレイ1012の画面には、カラーコレクション用グラフィカルユーザインターフェース1102が表示される。コンピュータデバイス1000はタブレットコンピュータであるため、そのディスプレイ1012はコンピュータシステム1000に一体的に形成される。この場合、コンピュータシステム1000、従ってそのディスプレイ1012は、コントロールサーフェス100のディスプレイスタンド140に直立した位置で支持される。コンピュータシステム1000とコントロールサーフェス100は相互に物理的に接触しているにもかかわらず、それらの間のデータ通信は上記したようにBluetoothを使用する無線通信チャネルを介して行われる。コントロールサーフェス100との無線接続を介して、前記複数のトラックボール、複数のボタン、複数のノブのうちのいずれか1又は複数を使って作成されたユーザー入力が、コントロール信号としてコンピュータシステム1000に伝達され、カラーコレクションアプリケーションをコントロールする。
【0098】
例えば、ある実施形態では、ユーザーが、コントロールサーフェス100のボール122A、122B、122Cを操作することでカラーコレクションアプリケーションへの入力を行い、それぞれリフト、ガンマ、ゲインの階調範囲に基づいて画像の色を調整する。これらの入力は、グラフィカルユーザインターフェース1102の対応の二次元グラフィカル要素1104A、1104B、1104C上でインジケーターポイントを移動させることに対応する。いくつかの実施形態では、複数のトラックボールを同時に操作してもよい。また、コントロールリング124A、124B、124Cは、各変数のマスターレベルを設定するために使用される。
【0099】
コントロールノブ136は、ユーザーが、カラーコレクションアプリケーションへの入力を行なって画像パラメータを調整できるようにするために設けられる。画像パラメータには、コントラスト、彩度、色調、温度、色合い、中間色詳細、カラーブースト、影、ハイライトが含まれるがこれらに限定されない。
【0100】
図12は、カラーコレクションシステム500のさらなる実施形態を示す。本図のうち既存の図と共通の特徴は共通の参照番号でラベル付けし、簡潔化のためこれらの特徴を重複説明しない。コントロールサーフェス100は、図1から9で説明されたタイプのものであり、図4に示された回路400を含む。したがって、理解を容易にするために回路400の詳細は省略されている。この実施形態は、ディスプレイがカラーコレクションアプリケーションを実行するコンピュータシステムと分離されたデバイスの一部である点で、上記の実施形態と異なる。このような実施形態は、カラーコレクションアプリケーション(またはその機能の一部)がクラウドサービスで実行されるクラウドコンピューティング環境で特に適用される。この実施形態では、ディスプレイ1012は、カラーコレクションアプリケーションを実行するサーバーコンピュータシステム1000Sと通信するクライアントコンピュータシステム1000の一部を形成する。このアレンジメントは、クライアントコンピュータシステム1000がタブレットコンピュータ、スマートフォン、スマートテレビ、または比較的低い計算能力やデータストレージ能力を持つ他のコンピューティングデバイスである場合に有利だが、このような性能の制約がない実施形態でも使用できる。
【0101】
クライアントコンピュータシステム1000は、クライアントアプリケーション(例えば、専用のクライアントアプリケーションまたはウェブブラウザ)を提供し、カラーコレクションアプリケーションへのグラフィカルユーザインターフェースを提供する。コントロールサーフェス100は、クライアントコンピュータシステム1000とデータ通信を行い、クライアントコンピュータ1000の無線通信インターフェース1020とコントロールサーフェスの無線通信インターフェース442の間の無線リンク1200を使用する。コントロールサーフェス100の複数のコントロール部からのユーザー入力を表すコントロール信号は、無線リンク1200を介してクライアントコンピュータシステム1000に送信される。クライアントコンピュータシステム1000は、第2通信接続1202を介してサーバーコンピュータシステム1000Sともデータ通信を行う。サーバーコンピュータシステム1000Sは、クライアントコンピュータシステム1000から近い場合や遠い場合があるので、それらの間の通信は任意の適切な形式になる。いくつかの実施例では、クライアントコンピュータシステム1000とサーバーコンピュータシステム1000Sが共に、例えば有線イーサネットを使用してローカルエリアネットワークに接続されてもよい。他の実施形態では、それらは適切なネットワーク接続メカニズムを使用して、インターネット、WAN、または他のネットワークを介して相互に接続されてもよい。通信接続1202は、直接接続であってもなくてもよく、また両者間に通信ネットワーク1050を介したデータ伝送を含まなくともよい。さらに、有線および無線ネットワーク接続の組み合わせを含んでもよい。
【0102】
クライアントコンピュータシステム1000は、特に、コントロールサーフェス100の複数のコントロール部からのコントロール信号を、カラーコレクションアプリケーションをコントロールする際に使用するため、通信接続1202を介してサーバーコンピュータシステム1000Sに送信する。サーバーコンピュータシステム1000Sは、特に、クライアントコンピュータシステム1000のディスプレイ1012に表示されるグラフィカルユーザインターフェースを生成する、ディスプレイデータを送信する。カラーコレクションシステムのディスプレイはサーバーコンピュータシステム1000Sから遠くに配置されるため、サーバーコンピュータシステム1000にはディスプレイ1012Sがない場合があり、または、ディスプレイ1012Sがあったとしても、該ディスプレイはカラーコレクションアプリケーションのグラフィカルユーザインターフェースの表示以外のタスクに使用され得る。クライアントコンピュータシステム1000は、使用時、コントロールサーフェス100のディスプレイスタンド140に配置されるので、コントロールサーフェス100のユーザーがそのディスプレイ1012を見ることができる。
【0103】
図13Aから13Nは、別の特徴を有するディスプレイスタンドを備えたコントロールサーフェスの他の7つの実施例を示す。これらの図では、既出の実施例と共通の特徴は共通の参照番号でラベル付けし、簡潔化のため重複説明を省く。
【0104】
各ケースにおいて、使用時ディスプレイスタンド140はカラーコレクションシステムのディスプレイデバイスを直立状態に支持できる。図13Eから13Nの実施形態では、ディスプレイスタンド140は、入力コントロール部の最後列にあるノブ136とコントロールパネル110の遠位縁114の間に位置している。図13Aから13Dの実施形態では、ディスプレイスタンド140は、コントロールパネル110の遠位縁114又はその後方にある。
【0105】
図13Aおよび13Bの実施形態において、ディスプレイスタンド140は、一般的にコントロールパネル110の遠位縁114の後方に棚1304を形成するステップ1302を含む。ディスプレイスタンド140には、ヒンジ1308に取り付けられたフラップ1306も含まれる。フラップ1306は、格納位置1310(図13Bの破線で示す)と作業位置1312(図13Aおよび13Bの実線で示す)の間で回転可能である。フラップ1306が作業位置にあるとき、カラーコレクションシステムのディスプレイは、棚1304の上に支持され、ユーザーが便利に見られるようにやや後方に傾斜させたフラップ1306にもたれさせて配置できる。カラーコレクションシステムのディスプレイの前縁は、ステップ1302の最前面1302Aに当接して、前方へのスライドが抑制される。通常、ステップ1302の最前面1302Aはコントロールパネル110の遠位縁114と一致する。
【0106】
図13Cおよび13Dの実施形態において、ディスプレイスタンド140は、一般的にコントロールパネル110の遠位縁114の後方に棚1324を形成するステップ1322を含む。ディスプレイスタンド140には、棚1324の遠位縁に沿って配置された、ポスト1326A、1326B、1326Cの形状で3つの突起も含まれる。使用時、カラーコレクションシステムのディスプレイは、棚1324に支持され、ユーザーが便利に見られるように、やや後方に傾斜させたフラップ1326にもたれさせて配置できる。カラーコレクションシステムのディスプレイの前縁は、ステップ1322の最前面1322Aに当接して、前方への滑りが抑制される。通常、ステップ1322の最前面1322Aはコントロールパネル110の遠位縁114と一致する。
【0107】
図13Eおよび13Fの実施形態では、ディスプレイスタンド140は通常コントロールパネル110の全幅にわたって延びる溝部1332を含む。溝部1332には通常垂直の側壁と平らな底部がある。溝部1332の前壁にはグリップ面1334が設けられる。使用時、カラーコレクションシステムのディスプレイは、第1の実施形態と同様に溝部1332で支持されるように配置される。ただし、ディスプレイの前縁が壁に滑り上がってディスプレイが後方に倒れる可能性を最小限に抑えるために溝部1332の前壁1336にオーバーハングがあるのではなく、グリップ面1334には滑りを防ぐための余分の摩擦を施している。グリップ面1334は、溝部壁1336にテクスチャ面を設ける、溝部壁1336に沿ってテクスチャ素材や弾性素材を使用する、溝部壁1336にラバーコーティングまたはオーバーモールドを施すなど、いくつかの方法で形成されるがそれらに限定されない。さらに、溝部1332は、ユーザーがディスプレイの画面の下部または他のインターフェース要素に触れ易くするアフォーダンス150を形成するために、中央にアーチ状の拡大部1338を有する。
【0108】
図13Gおよび13Hの実施形態では、ディスプレイスタンド140は、ノブ136とコントロールパネル110の遠位端114との間に長いスロット形状の開口部1340を含む。開口部1340はコントロールパネル110のほぼ全幅にわたって広がっている。ディスプレイスタンドはハウジング300の後壁から突き出た棚部1348も含む。
【0109】
使用時、カラーコレクションシステムのディスプレイは、下方にある棚部1348で支持されるように、開口部1340に挿入される。ディスプレイは開口部1340内に保持されるため後方に倒れることは起こり得ず、開口部の後端面1344に当接して後方に傾いた角度で支持される。
【0110】
棚部1348にはクッション面1346が設けられてもよい。クッション面1346は、ラバーストリップや棚部1348のゴム加工またはオーバーモールドされた表面など、弾性素材であってもよく、ディスプレイが棚部48から後方に滑り落ちるのを防ぐ役目をする。開口部1340の前端面1342および後端面1344は、ディスプレイが棚1348から後方に滑り落ちないようにするための望ましいディスプレイの支持角度で傾斜していてもよい。開口部1340は、ユーザーがディスプレイの画面の下部または他のインターフェース要素にアクセスし易くするアフォーダンス150を形成するために、その中央に拡大部1349を有する。
【0111】
図13Iおよび13Jはさらなる実施形態を示す。この実施例では、ディスプレイスタンドが、コントロールパネル110の上面に、その遠位縁114に並行に走る複数のフランジ1350、1352、1354を含む。リアフランジ1350は比較的高く、フロントフランジ1352および1354はやや低い。リアフランジ1350は、フロントフランジ1352および1354と間隔をあけて配置されており、カラーコレクションシステムのディスプレイを収納するための溝部1356を形成する。使用時、カラーコレクションシステムのディスプレイは、フランジ1350とフランジ1352および1354との間の溝部1356の内部のコントロールパネルの上面で支持される。ディスプレイの前縁は、フロントフランジ1352および1354に当接して前方への移動が抑制され、ディスプレイの後ろ側はフランジ1350に寄りかかり、該フランジは、ユーザーが見易いようにわずかに後ろに傾いた角度でディスプレイを保持する。2つのフロントフランジ1352と1354の間の隙間1358は、ディスプレイの最下部の中央部分が妨げられないようにするアフォーダンス150を提供する。
【0112】
図13Kおよび13Lは、折りたたみ式ディスプレイスタンド140を含むさらなる実施形態を示す。この実施例では、ディスプレイスタンド140は2つの折りたたみ可能なフレーム1360を含む。各フレーム1360は、長いリアフレーム脚1364と短いフロントフレーム脚1366を含むJ字型要素1362を含む。J字型要素はヒンジ1368に取り付けられ、収納位置1372(図13Kの点線で示す)と作動位置1370(図13Kおよび13Lの実線で示す)の間で移動できる。J字型要素1362が作動位置にあるとき、カラーコレクションシステムのディスプレイは、フレーム脚1364と1366の間に配置され支持される。ディスプレイの下端は、ヒンジ1368の上に乗り、短いフロントフレーム脚1366によって前方への滑りが防止される。ディスプレイは後方に傾斜し、長いリアフレーム脚1364に寄りかかり、該ディスプレイはユーザーが見易いようにわずかに後方に傾いた角度になる。
【0113】
図13Mおよび13Nは、さらなる実施形態を示す。この実施例では、ディスプレイスタンド140は、コントロールパネル110の遠位縁114に平行に走るスクリーンレスト1380の形状をなす。スクリーンレスト1380は、ディスプレイデバイスを特別の構造を必要とせずに好ましい傾斜角度で支持し、ディスプレイを該スクリーンレスト1380で確実に位置づける又は保持する形状になっている。スタンドは望ましい傾斜角度で傾斜した前面1384を有する背面サポート1382を含む。スクリーンレスト1380の床面1388は、背面サポート1382の前面1384とは逆方向に傾斜し、それと90度の角度で交わる。ディスプレイは、スクリーンレスト1380の床面1388に置かれ、背面サポート1382に当接させて後方に傾斜させることができる。いくつかの実施形態では、床面にはディスプレイの底部を保持するのに役立つ、前述のようなクッションまたはグリップ面を含めることができる。
【0114】
項1.カラーコレクションシステムをコントロールするコントロールサーフェスであって、該コントロールサーフェスは:
上向きのコントロールパネルを含むハウジングを含み、前記コントロールパネルは、通常の使用でユーザーに最も近い近位縁と通常の使用でユーザーから最も遠い遠位縁を有し、前記コントロールパネルは、複数のコントロール部を含み、該複数のコントロール部は:
各トラックボールがボールとコントロールリングを含み、前記ボールが少なくとも1つのエンコーダと連携して該ボールの動作に基づいた多次元コントロール信号を生成し、前記コントロールリングが少なくとも1つのエンコーダと連携して前記リングの回転動作に基づく1次元コントロール信号を生成し、前記トラックボールのボールが前記コントロールリングと同心円に取り付けられている、複数のトラックボールと;
複数のコントロールボタンと;
個々のロータリーエンコーダに連結される複数のノブと;を含み、
前記コントロールサーフェスはさらに:
前記コントロールパネルの遠位縁に隣接して、使用時にカラーコレクションシステムのディスプレイデバイスを直立位置に支持する、ディスプレイスタンドと;
前記ハウジング内に収納されて、使用時に前記コントロールサーフェスへ電力を供給するように配置された電力貯蔵システムと;
カラーコレクションシステムをコントロールする際に使用するために複数のコントロール部からのコントロール信号が送信される、無線通信インターフェースと;を含む、コントロールサーフェス。
【0115】
項2.前記電源供給システムは、1又は複数の:
バッテリーと;
充電システムと;を含む、項1に記載のコントロールサーフェス。
【0116】
項3.前記無線通信インターフェースは、IEEE802.11無線標準規格、Bluetooth、ZigBeeまたは他のIEEE802.15標準規格、フリースペース光通信の無線通信方式の1つに従って動作する項1又は2のいずれかに記載のコントロールサーフェス。
【0117】
項4.前記ディスプレイスタンドは、
使用時にカラーコレクションシステムのディスプレイデバイスの重量を支持すること;
使用時にカラーコレクションシステムのディスプレイデバイスの滑り、ねじれまたは傾きのいずれか1又は複数を抑制すること;
使用時にカラーコレクションシステムのディスプレイデバイスを支持する支点として作用すること;
使用時にカラーコレクションシステムのディスプレイデバイスをグリップすること;のいずれか1又は複数を実行するように配置される、ボス、突起、リブ、リップ、フランジ、ビーム、溝部、ステップ、穴、凹部、開口部、くぼみ、スロット、クッション、グリップ面、フレーム、壁、レッジ、棚、フック、およびクレードルのいずれか1又は複数を含む、項1~3のいずれか1項に記載のコントロールサーフェス。
【0118】
項5.前記ディスプレイスタンドはコントロールパネルの遠位縁に隣接して伸びる溝部を含み、前記溝部は使用時にカラーコレクションシステムのディスプレイデバイスの端部を受け入れるように構成され、前記溝部は、カラーコレクションシステムの支持されたディスプレイデバイスの近位方向への動作を制限するフロント支持面と、カラーコレクションシステムの支持されたディスプレイデバイスの遠位方向への傾斜を抑制するリア支持面とを有する、項1~4のいずれか1項に記載のコントロールサーフェス。
【0119】
項6.前記カラーコレクションシステムのディスプレイデバイスを直立位置に支持することは、前記カラーコレクションシステムのディスプレイデバイスを垂直から10度を超える角度で遠位方向に傾斜するように支持することを含む、項1~5のいずれか1項に記載のコントロールサーフェス。
【0120】
項7.前記ディスプレイスタンドは、カラーコレクションシステムの支持されたディスプレイデバイスの画面にユーザーがタッチできるように、該画面の最下端に隣接してアフォーダンスを含む、項1~6のいずれか1項に記載のコントロールサーフェス。
【0121】
項8.前記アフォーダンスによりユーザーが画面最下端の中央部にタッチできる、項7に記載のコントロールサーフェス。
【0122】
項9.前記アフォーダンスは、凹部、くぼみ、溝、またはギャップである、項7又は8のいずれかに記載のコントロールサーフェス。
【0123】
項10.前記トラックボールはコントロールパネルのセンターラインについて対称に配置される、項の1~9いずれか1項に記載のコントロールサーフェス。
【0124】
項11.前記ディスプレイスタンドは、前記カラーコレクションシステムのディスプレイデバイスの画面が前記センターラインについて対称になるように前記ディスプレイデバイスを支持できる、項10に記載のコントロールサーフェス。
【0125】
項12.前記ディスプレイスタンドは前記センターラインについて対称である、項11に記載のコントロールサーフェス。
【0126】
項13.前記コントロールパネル上のボタンはグループにまとめられ、前記ボタンのグループはコントロールパネルのセンターラインについて対称に配置される、項10~12のいずれか1項に記載のコントロールサーフェス。
【0127】
項14.対称に配置されたボタンのグループのうち少なくとも1組のボタンの配置が相互に異なる、項13に記載のコントロールサーフェス。
【0128】
項15.前記ノブの配置はコントロールパネルのセンターラインについて対称である、項10~14のいずれか1項に記載のコントロールサーフェス。
【0129】
項16.前記コントロールリングは外半径と内半径を備えた上面を有し、表面形状は半径方向に拡張し、その外半径からその内半径へ至る途中の半分を超えた位置に向かって全体的に傾斜している、項1~15のいずれか1項に記載のコントロールサーフェス。
【0130】
項17.該表面形状は、その内半径からその外半径に至る半分未満の位置に向かって、全体に傾斜している、項16に記載のコントロールサーフェス。
【0131】
項18.前記コントロールリングはその外周に略円筒面を含む、項1~17のいずれか1項に記載のコントロールサーフェス。
【0132】
項19.前記トラックボールのボールは、ボールのコントロールパネルの上面からの最大飛び出し量が前記ボールの半径の30%を超えるように、コントロールパネルの上面に対して取り付けられ、前記飛び出し量は、コントロールリングの回転軸に平行な方向に測定される、項1~18のいずれか1項に記載のコントロールサーフェス。
【0133】
項20.前記最大飛び出し量は、前記ボールの半径の35%を超える、項19に記載のコントロールサーフェス。
【0134】
項21.前記最大飛び出し量は、前記ボールの半径の37%を超える、項19に記載のコントロールサーフェス。
【0135】
項22.前記最大飛び出し量は、前記ボールの半径の40%を超える、項19に記載のコントロールサーフェス。
【0136】
項23.前記最大飛び出し量は、前記ボールの半径の約40.5%である、項19に記載のコントロールサーフェス。
【0137】
項24.前記各コントロールリングは、コントロールパネルに対し固定された位置に取り付けられた対応連結部に係合する連結部を有し、前記コントロールリングが前記対応連結部に連結されるとき、前記コントロールリングが個々のトラックボールのボールをコントロールパネル内での動作位置に保持する、項1~23のいずれか1項に記載のコントロールサーフェス。
【0138】
項25.前記コントロールリングの連結部はコントロールパネルの対応連結部に磁気吸着される、項24に記載のコントロールパネル。
【0139】
項26.前記対応連結部は前記コントロールリングの連結部の非磁性コンポーネントを吸着する1又は複数の磁石を有する、項25に記載のコントロールパネル。
【0140】
項27.前記カラーコレクションシステムのディスプレイデバイスを直立位置に支持することは、垂直から40度未満の角度で遠位方向に向けて傾斜するようにカラーコレクションシステムのディスプレイデバイスを支持することを含む、項1~26のいずれか1項に記載のコントロールサーフェス。
【0141】
項28.前記カラーコレクションシステムのディスプレイデバイスを直立位置に支持することは、垂直から20度未満の角度で遠位方向に向けて傾斜するようにカラーコレクションシステムのディスプレイデバイスを支持することを含む、項1~27のいずれか1項に記載のコントロールサーフェス。
【0142】
項29.前記カラーコレクションシステムのディスプレイデバイスを直立位置に支持することは、垂直から約17度の角度で遠位方向に向けて傾斜するようにカラーコレクションシステムのディスプレイデバイスを支持することを含む、項1~28のいずれか1項に記載のコントロールサーフェス。
【0143】
項30.前記トラックボールのボールは、その個々のコントロールリングの最高点より高く、前記ボールの半径の15%を超えて飛び出ており、前記飛び出し量はコントロールリングの回転軸に平行方向に計測される、項1~29のいずれか1項に記載のコントロールサーフェス。
【0144】
項31.前記トラックボールのボールは、前記ボールの半径の23%~24%だけその個々のコントロールリングの最高点を超えて飛び出している、項30に記載のコントロールサーフェス。
【0145】
項32.前記コントロールリングの内径は前記トラックボールのボールの直径の90%を超える、項1~31のいずれか1項に記載のコントロールサーフェス。
【0146】
項33.前記コントロールリングの内径は前記トラックボールのボールの直径の100%未満である、項32に記載のコントロールサーフェス。
【0147】
項34.前記コントロールリングの内径は前記トラックボールのボールの直径の約95%である、項32に記載のコントロールサーフェス。
【0148】
項35.カラーコレクションアプリケーションを実行するコンピュータシステム、カラーコレクションアプリケーションのためのグラフィカルユーザインターフェースを表示するように配置されるディスプレイと;
上記項のいずれか1項に記載のコントロールサーフェスと;を含み、
前記コントロールサーフェスはコンピュータシステムとデータ通信し、前記複数のトラックボール、複数のボタン、および複数のノブのいずれか1または複数を使って作成されたユーザー入力がコントロール信号としてコンピュータシステムへ伝達されて前記カラーコレクションアプリケーションをコントロールする、カラーコレクションシステム。
【0149】
項36.前記ディスプレイはタブレットコンピュータの一部を構成する、項35に記載のカラーコレクションシステム。
【0150】
項37.前記タブレットコンピュータはコントロールサーフェスのディスプレイスタンドで支持される、項36に記載のカラーコレクションシステム。
【0151】
項38.前記タブレットコンピュータはコンピュータシステムとディスプレイを単一のユニットに含む、項35および36に記載のカラーコレクションシステム。
【0152】
項39.カラーコレクションアプリケーションを実行する前記コンピュータシステムは、前記タブレットコンピュータから切り離されてタブレットコンピュータとデータ通信を行う、項35および36に記載のカラーコレクションシステム。
【0153】
項40.前記コンピュータシステムはコンピュータサーバーを含み、前記タブレットコンピュータは前記コンピュータサーバーとデータ通信するクライエントを含み、前記カラーコレクションアプリケーションのグラフィカルユーザインターフェースは前記クライエントによって提供される、項39に記載のカラーコレクションシステム。
【0154】
項41.前記コントロールサーフェスは、少なくとも1つの無線ネットワーク接続を介してコンピュータシステムとデータ通信を行う、項35~40のいずれか1項に記載のカラーコレクションシステム。
【0155】
本明細書で明示された添付の請求項に含まれる用語の定義は、請求項で使用されるこれらの用語の意味を規定する。請求項に明記されない制限、要素、特性、機能、利点、または属性は、いかなる方法においても特許請求の範囲を制限するものではない。
【0156】
本明細書で使用される場合、“include”及び“comprise”、及びそれらの用語の“including”、“includes”、“comprising”、“comprises”、“comprised”等の変化形は包括的であることを意図し、さらなる特徴、コンポーネント、整数又はステップを除外することを意図しない。フローチャートを使用して説明した開示の態様ついては、所定のフローチャートのステップは、さまざまな方法でさまざまなデバイス、システム、またはシステムモジュールによって実行することが可能である。所定のフローチャートのステップは、そのようにしないことが不可欠であると特に明記されない限り、複数のステップに分割することができ、および/または複数のフローチャートのステップを1つのステップにまとめることができる。さらに、ステップの順序は、そのようにしないことが不可欠であると特に明記されない限り、本開示の範囲から逸脱することなく変更することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図13F
図13G
図13H
図13I
図13J
図13K
図13L
図13M
図13N
【外国語明細書】