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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024037176
(43)【公開日】2024-03-18
(54)【発明の名称】仮想現実運動制御
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20240311BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20240311BHJP
   A63F 13/52 20140101ALI20240311BHJP
   A63F 13/537 20140101ALI20240311BHJP
【FI】
G06F3/01 510
G06T19/00 300B
A63F13/52
A63F13/537
【審査請求】未請求
【請求項の数】35
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023143838
(22)【出願日】2023-09-05
(31)【優先権主張番号】63/403,979
(32)【優先日】2022-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】517351938
【氏名又は名称】ヴァーズーム,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】マラフィエウ,エリック
(72)【発明者】
【氏名】ワールブルク,ジェイソン
【テーマコード(参考)】
5B050
5E555
【Fターム(参考)】
5B050BA09
5B050BA11
5B050BA12
5B050BA13
5B050CA07
5B050DA10
5B050EA07
5B050EA12
5B050EA18
5B050EA19
5B050EA27
5B050FA02
5B050FA09
5B050GA08
5E555AA11
5E555AA25
5E555AA64
5E555BA01
5E555BA38
5E555BB38
5E555BC04
5E555BE17
5E555CA10
5E555CA42
5E555CA44
5E555CB19
5E555CB21
5E555DA08
5E555DA09
5E555DB41
5E555DB53
5E555DC09
5E555DC10
5E555DC13
5E555DC85
5E555DD08
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】 仮想現実運動制御を提供する。
【解決手段】 仮想現実(VR)制御方法は、VRデバイスにより、VR環境を表示することを含む。VR環境は、VR環境内の基準フレームに対して定義される、VR環境内の視点から提示される。現実世界の基準位置に対するVRデバイスの現在の現実世界の位置のグラフィカルインジケータが表示される。グラフィカルインジケータは、視点の移動中に表示され続けるように、視点の移動中に視点を追跡する。方法は、現在の現実世界の位置と現実世界の基準位置との間の変位に基づいて、基準フレームの速度を決定することと、VR環境内の基準フレームをその速度で並進させることとを含む。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想現実(VR)制御方法であって、
VRデバイスにより、
VR環境であって、前記VR環境内の基準フレームに対して定義される、前記VR環境内の視点から提示されるVR環境と、
現実世界の基準位置に対する前記VRデバイスの現在の現実世界の位置のグラフィカルインジケータであって、前記視点の移動中に表示され続けるように、前記視点の前記移動中に前記視点を追跡するグラフィカルインジケータと
を表示することと、
前記現在の現実世界の位置と前記現実世界の基準位置との間の変位に基づいて、前記基準フレームの速度を決定することと、
前記VR環境内の前記基準フレームを前記速度で並進させることと
を含む仮想現実(VR)制御方法。
【請求項2】
前記速度の速さは、前記現在の現実世界の位置と前記現実世界の基準位置との間の前記変位の大きさに基づく、請求項1に記載のVR制御方法。
【請求項3】
前記速さは、前記現在の現実世界の位置と前記現実世界の基準位置との間の変位の範囲の少なくとも一部分にわたり、前記現在の現実世界の位置と前記現実世界の基準位置との間の前記変位の大きさの増加と共に増加する、請求項2に記載のVR制御方法。
【請求項4】
前記変位の範囲の前記一部分は、第1の部分であり、前記現在の現実世界の位置と前記現実世界の基準位置との間の変位の前記範囲の第2の部分では、前記速さは、前記現在の現実世界の位置と前記現実世界の基準位置との間の前記変位の大きさの増加と共に減少し、
前記第2の部分は、前記第1の部分よりも大きい変位の大きさを含む、請求項3に記載のVR制御方法。
【請求項5】
前記VR環境の固定座標系に対する前記速度の方向は、前記VRデバイスの現実世界の向きから独立している、請求項1に記載のVR制御方法。
【請求項6】
前記グラフィカルインジケータは、前記視点の向きに対する前記速度の方向を示すフィーチャを含み、
前記フィーチャは、前記視点の前記向きの変化に基づいて移動し、それにより、前記フィーチャは、前記視点の前記向きの前記変化から独立して前記速度の前記方向を示す、請求項1に記載のVR制御方法。
【請求項7】
前記フィーチャは、前記基準フレームの前記速度の前記方向を指し示す、請求項6に記載のVR制御方法。
【請求項8】
前記フィーチャに対する前記グラフィカルインジケータの所定の部分の方向は、前記VRデバイスの前記現在の現実世界の位置に対する前記現実世界の基準位置の方向と一致する、請求項6に記載のVR制御方法。
【請求項9】
前記フィーチャと前記グラフィカルインジケータの所定の部分との間の距離は、前記VRデバイスの前記現在の現実世界の位置と前記現実世界の基準位置との間の前記変位の大きさに基づく、請求項6に記載のVR制御方法。
【請求項10】
前記基準フレームの向きは、前記VRデバイスの現実世界の向きから独立している、請求項1に記載のVR制御方法。
【請求項11】
前記VR環境内の前記視点は、前記基準フレームの位置、前記基準フレームに対する局所的な変位及び前記基準フレームに対する前記視点の向きに基づく、請求項1に記載のVR制御方法。
【請求項12】
前記VRデバイスの第2の現実世界の位置を決定することと、
前記第2の現実世界の位置が前記現実世界の基準位置に対する閾値条件を満たさないと決定することと、
前記第2の現実世界の位置が前記現実世界の基準位置に対する前記閾値条件を満たさないと決定することに応答して、
前記第2の現実世界の位置に基づいて前記局所的な変位を変更することと、
前記基準フレームの前記速度をゼロに設定することと
を含む、請求項11に記載のVR制御方法。
【請求項13】
前記局所的な変位を変更することは、前記VRデバイスの移動の速さに基づく速さで前記局所的な変位を移動させることを含む、請求項11に記載のVR制御方法。
【請求項14】
前記VRデバイスの現実世界の向きに基づいて、前記VR環境内の前記視点の向きを決定することを含む、請求項1に記載のVR制御方法。
【請求項15】
前記VRデバイスの現実世界の向きの変化を識別することと、
前記現実世界の向きの前記変化に基づいて前記グラフィカルインジケータを変更することと
を含む、請求項1に記載のVR制御方法。
【請求項16】
前記グラフィカルインジケータを変更することは、前記グラフィカルインジケータのフィーチャを回転させることを含む、請求項15に記載のVR制御方法。
【請求項17】
前記視点に対するピッチ角度で前記グラフィカルインジケータを表示することを含む、請求項1に記載のVR制御方法。
【請求項18】
少なくとも閾値までの前記変位の大きさの範囲について、前記基準フレームの速さは、前記変位の大きさの連続関数であり、
前記閾値は、2.5フィート~6フィートである、請求項1に記載のVR制御方法。
【請求項19】
前記VRデバイスの第2の現実世界の位置を決定することと、
前記第2の現実世界の位置と前記現実世界の基準位置との間の変位の大きさが閾値未満であると決定することと、
前記第2の現実世界の位置と前記現実世界の基準位置との間の前記変位の前記大きさが前記閾値未満であると決定することに応答して、前記基準フレームの前記速度をゼロに設定することと
を含む、請求項1に記載のVR制御方法。
【請求項20】
前記グラフィカルインジケータは、前記現実世界の基準位置に対する前記閾値のインジケータを含む、請求項19に記載のVR制御方法。
【請求項21】
前記基準フレームの前記速度を決定することは、
前記VR環境内のフィーチャ、又は
前記VR環境を含むVRゲームのゲーム状態
の少なくとも1つに基づいて前記速度を決定することを含む、請求項1に記載のVR制御方法。
【請求項22】
前記基準フレームの前記速度の速さは、現実世界の基準高さに対する前記VRデバイスの現実世界の高さに基づく、請求項1に記載のVR制御方法。
【請求項23】
前記VRデバイスの第2の現実世界の位置を決定することと、
前記第2の現実世界の位置が現実世界の限界を越えていると決定することと、
前記第2の現実世界の位置が前記現実世界の限界を越えているという前記決定に基づいて、前記基準フレームの前記速度を決定することと
を含む、請求項1に記載のVR制御方法。
【請求項24】
前記第2の現実世界の位置が前記現実世界の限界を越えていると決定することに応答して、限界を越えた現実世界の移動のグラフィカルな通知を表示することを含む、請求項23に記載のVR制御方法。
【請求項25】
前記グラフィカルインジケータは、前記現実世界の基準位置に対する前記現実世界の限界のインジケータを含む、請求項23に記載のVR制御方法。
【請求項26】
前記グラフィカルインジケータは、
前記VRデバイスの前記現在の現実世界の位置を示す第1のグラフィカルフィーチャと、
前記現実世界の基準位置を示す第2のグラフィカルフィーチャと
を含む、請求項1に記載のVR制御方法。
【請求項27】
前記VRデバイスの現実世界の移動に基づいて前記第1のグラフィカルフィーチャを移動させることを含む、請求項26に記載のVR制御方法。
【請求項28】
前記第1のグラフィカルフィーチャ及び前記第2のグラフィカルフィーチャの相対的な位置決めは、前記VR速度の方向を示す、請求項26に記載のVR制御方法。
【請求項29】
前記第1のグラフィカルフィーチャ及び前記第2のグラフィカルフィーチャの相対的な位置決めは、前記VRデバイスの現実世界の向きに基づく、請求項26に記載のVR制御方法。
【請求項30】
前記第1のグラフィカルフィーチャは、マーカーを含み、前記第2のグラフィカルフィーチャは、リングを含む、請求項26に記載のVR制御方法。
【請求項31】
前記グラフィカルインジケータは、前記VRデバイスによって表示されるヘッドアップディスプレイ(HUD)に含まれる、請求項1に記載のVR制御方法。
【請求項32】
仮想現実(VR)ヘッドセットであって、
ディスプレイと、
1つ又は複数のセンサを含む慣性測定ユニット(IMU)であって、前記VRヘッドセットの現在の現実世界の位置を示すデータを提供するように構成された慣性測定ユニット(IMU)と、
請求項1~31のいずれか一項に記載のVR制御方法を行うように構成された1つ又は複数のコンピュータシステムと
を含む仮想現実(VR)ヘッドセット。
【請求項33】
コンピュータ実装システムであって、
1つ又は複数のコンピュータと、
前記1つ又は複数のコンピュータと相互動作可能に結合され、及び1つ又は複数の命令を記憶する非一時的機械可読媒体を有する1つ又は複数のコンピュータメモリデバイスであって、前記1つ又は複数の命令は、前記1つ又は複数のコンピュータによって実行されると、前記1つ又は複数のコンピュータに、請求項1~31のいずれか一項に記載のVR制御方法を行わせる、1つ又は複数のコンピュータメモリデバイスと
を含むコンピュータ実装システム。
【請求項34】
命令を記憶する1つ又は複数の非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令は、1つ又は複数のコンピュータシステムによって実行されると、前記1つ又は複数のコンピュータシステムに、請求項1~31のいずれか一項に記載のVR制御方法を行わせる、1つ又は複数の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項35】
仮想現実(VR)制御方法であって、
VRデバイスにより、
VR環境であって、前記VR環境内の基準フレームに対して定義される、前記VR環境内の視点から提示されるVR環境と、
現実世界の基準位置に対するユーザの一部分の現在の現実世界の位置のグラフィカルインジケータであって、前記視点の移動中に表示され続けるように、前記視点の前記移動中に前記視点を追跡するグラフィカルインジケータと
を表示することと、
前記現在の現実世界の位置と前記現実世界の基準位置との間の変位に基づいて、前記基準フレームの速度を決定することと、
前記VR環境内の前記基準フレームを前記速度で並進させることと
を含む仮想現実(VR)制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2022年9月6日に出願された米国仮特許出願第63/403979号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
開示の分野
[0002] 仮想環境における運動を制御するための技術が記載される。
【背景技術】
【0003】
背景
[0003] 仮想現実(VR)プロセスでは、多くの場合、VRヘッドセットのディスプレイを使用して、シミュレーションされたVR環境がユーザに提示される。ユーザには、VR環境のオブジェクト及び視点の移動を制御し、オブジェクト及び視点と相互作用するための1つ又は複数のメカニズムが提供される。そのようなメカニズムは、3Dマウス、コントローラ(例えば、ジョイスティック及び/又は運動コントローラを含む)などを含む。仮想現実病は、シミュレーションした運動と、身体的に知覚した運動との間の不一致に関連している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
[0004] 開示される技術の一態様によれば、仮想現実(VR)制御方法は、VRデバイスにより、VR環境を表示することを含む。VR環境は、VR環境内の基準フレームに対して定義される、VR環境内の視点から提示される。現実世界の基準位置に対するVRデバイスの現在の現実世界の位置のグラフィカルインジケータが表示される。グラフィカルインジケータは、視点の移動中に表示され続けるように、視点の移動中に視点を追跡する。方法は、現在の現実世界の位置と現実世界の基準位置との間の変位に基づいて、基準フレームの速度を決定することと、VR環境内の基準フレームをその速度で並進させることとを含む。
【0005】
[0005] 本明細書で説明されるこの及び他のVR制御方法の実装形態は、以下の特性の少なくとも1つ又は複数を有し得る。
【0006】
[0006] いくつかの実装形態では、速度の速さは、現在の現実世界の位置と現実世界の基準位置との間の変位の大きさに基づく。
【0007】
[0007] いくつかの実装形態では、速さは、現在の現実世界の位置と現実世界の基準位置との間の変位の範囲の少なくとも一部分にわたり、現在の現実世界の位置と現実世界の基準位置との間の変位の大きさの増加と共に増加する。
【0008】
[0008] いくつかの実装形態では、変位の範囲の一部分は、第1の部分である。現在の現実世界の位置と現実世界の基準位置との間の変位の範囲の第2の部分では、速さは、現在の現実世界の位置と現実世界の基準位置との間の変位の大きさの増加と共に減少する。第2の部分は、第1の部分よりも大きい変位の大きさを含む。
【0009】
[0009] いくつかの実装形態では、VR環境の固定座標系に対する速度の方向は、VRデバイスの現実世界の向きから独立している。
【0010】
[0010] いくつかの実装形態では、グラフィカルインジケータは、視点の向きに対する速度の方向を示すフィーチャを含む。フィーチャは、視点の向きの変化に基づいて移動し、それにより、フィーチャは、視点の向きの変化から独立して速度の方向を示す。
【0011】
[0011] いくつかの実装形態では、フィーチャは、基準フレームの速度の方向を指し示す。
【0012】
[0012] いくつかの実装形態では、フィーチャに対するグラフィカルインジケータの所定の部分の方向は、VRデバイスの現在の現実世界の位置に対する現実世界の基準位置の方向と一致する。
【0013】
[0013] いくつかの実装形態では、フィーチャとグラフィカルインジケータの所定の部分との間の距離は、VRデバイスの現在の現実世界の位置と現実世界の基準位置との間の変位の大きさに基づく。
【0014】
[0014] いくつかの実装形態では、基準フレームの向きは、VRデバイスの現実世界の向きから独立している。
【0015】
[0015] いくつかの実装形態では、VR環境内の視点は、基準フレームの位置、基準フレームに対する局所的な変位及び基準フレームに対する視点の向きに基づく。
【0016】
[0016] いくつかの実装形態では、方法は、VRデバイスの第2の現実世界の位置を決定することと、第2の現実世界の位置が現実世界の基準位置に対する閾値条件を満たさないと決定することと、第2の現実世界の位置が現実世界の基準位置に対する閾値条件を満たさないと決定することに応答して、第2の現実世界の位置に基づいて局所的な変位を変更することと、基準フレームの速度をゼロに設定することとを含む。
【0017】
[0017] いくつかの実装形態では、局所的な変位を変更することは、VRデバイスの移動の速さに基づく速さで局所的な変位を移動させることを含む。
【0018】
[0018] いくつかの実装形態では、方法は、VRデバイスの現実世界の向きに基づいて、VR環境内の視点の向きを決定することを含む。
【0019】
[0019] いくつかの実装形態では、方法は、VRデバイスの現実世界の向きの変化を識別することと、現実世界の向きの変化に基づいてグラフィカルインジケータを変更することとを含む。
【0020】
[0020] いくつかの実装形態では、グラフィカルインジケータを変更することは、グラフィカルインジケータのフィーチャを回転させることを含む。
【0021】
[0021] いくつかの実装形態では、方法は、視点に対するピッチ角度でグラフィカルインジケータを表示することを含む。
【0022】
[0022] いくつかの実装形態では、少なくとも閾値までの変位の大きさの範囲について、基準フレームの速さは、変位の大きさの連続関数であり、及び閾値は、2.5フィート~6フィートである。
【0023】
[0023] いくつかの実装形態では、方法は、VRデバイスの第2の現実世界の位置を決定することと、第2の現実世界の位置と現実世界の基準位置との間の変位の大きさが閾値未満であると決定することと、第2の現実世界の位置と現実世界の基準位置との間の変位の大きさが閾値未満であると決定することに応答して、基準フレームの速度をゼロに設定することとを含む。
【0024】
[0024] いくつかの実装形態では、グラフィカルインジケータは、現実世界の基準位置に対する閾値のインジケータを含む。
【0025】
[0025] いくつかの実装形態では、基準フレームの速度を決定することは、VR環境内のフィーチャ又はVR環境を含むVRゲームのゲーム状態の少なくとも1つに基づいて速度を決定することを含む。
【0026】
[0026] いくつかの実装形態では、基準フレームの速度の速さは、現実世界の基準高さに対するVRデバイスの現実世界の高さに基づく。
【0027】
[0027] いくつかの実装形態では、方法は、VRデバイスの第2の現実世界の位置を決定することと、第2の現実世界の位置が現実世界の限界を越えていると決定することと、第2の現実世界の位置が現実世界の限界を越えているという決定に基づいて、基準フレームの速度を決定することとを含む。
【0028】
[0028] いくつかの実装形態では、方法は、第2の現実世界の位置が現実世界の限界を越えていると決定することに応答して、限界を越えた現実世界の移動のグラフィカルな通知を表示することを含む。
【0029】
[0029] いくつかの実装形態では、グラフィカルインジケータは、現実世界の基準位置に対する現実世界の限界のインジケータを含む。
【0030】
[0030] いくつかの実装形態では、グラフィカルインジケータは、VRデバイスの現在の現実世界の位置を示す第1のグラフィカルフィーチャと、現実世界の基準位置を示す第2のグラフィカルフィーチャとを含む。
【0031】
[0031] いくつかの実装形態では、方法は、VRデバイスの現実世界の移動に基づいて第1のグラフィカルフィーチャを移動させることを含む。
【0032】
[0032] いくつかの実装形態では、第1のグラフィカルフィーチャ及び第2のグラフィカルフィーチャの相対的な位置決めは、VR速度の方向を示す。
【0033】
[0033] いくつかの実装形態では、第1のグラフィカルフィーチャ及び第2のグラフィカルフィーチャの相対的な位置決めは、VRデバイスの現実世界の向きに基づく。
【0034】
[0034] いくつかの実装形態では、第1のグラフィカルフィーチャは、マーカーを含み、及び第2のグラフィカルフィーチャは、リングを含む。
【0035】
[0035] いくつかの実装形態では、グラフィカルインジケータは、VRデバイスによって表示されるヘッドアップディスプレイ(HUD)に含まれる。
【0036】
[0036] いくつかの実装形態では、VRデバイスは、VRヘッドセットを含む。
【0037】
[0037] 開示される技術の別の態様によれば、1つ又は複数の非一時的コンピュータ可読媒体は、命令を記憶し、命令は、1つ又は複数のコンピュータシステムによって実行されると、1つ又は複数のコンピュータシステムにそのVR制御方法又は別のVR制御方法を行わせる。
【0038】
[0038] 開示される技術の別の態様によれば、コンピュータ実装システムは、1つ又は複数のコンピュータと、1つ又は複数のコンピュータと相互動作可能に結合された1つ又は複数のコンピュータメモリデバイスとを含む。1つ又は複数のコンピュータメモリデバイスは、1つ又は複数の命令を記憶する非一時的機械可読媒体を有し、1つ又は複数の命令は、1つ又は複数のコンピュータによって実行されると、1つ又は複数のコンピュータにそのVR制御方法又は別のVR制御方法を行わせる。
【0039】
[0039] 開示される技術の別の態様によれば、仮想現実(VR)ヘッドセットは、ディスプレイと、1つ又は複数のセンサを含む慣性測定ユニット(IMU)と、1つ又は複数のコンピュータシステムとを含む。1つ又は複数のコンピュータシステムは、IMUからのデータに基づいて、VRヘッドセットの現在の現実世界の位置を決定することと、VR環境であって、VR環境内の基準フレームに対して定義される、VR環境内の視点から提示されるVR環境と、現実世界の基準位置に対するVRヘッドセットの現在の現実世界の位置のグラフィカルインジケータとをディスプレイ上に表示することとを含む動作を行うように構成される。グラフィカルインジケータは、視点の移動中に表示され続けるように、視点の移動中に視点を追跡する。動作は、現在の現実世界の位置と現実世界の基準位置との間の変位に基づいて、基準フレームの速度を決定することと、VR環境内の基準フレームをその速度で並進させることとを含む。動作は、上記で説明されたVR制御方法又は本開示で説明される別のVR制御方法を含み得る。
【0040】
[0040] 開示される技術の別の態様によれば、仮想現実(VR)制御方法は、VRデバイスにより、VR環境であって、VR環境内の基準フレームに対して定義される、VR環境内の視点から提示されるVR環境と、現実世界の基準位置に対するユーザの一部分の現在の現実世界の位置のグラフィカルインジケータとを表示することを含む。グラフィカルインジケータは、視点の移動中に表示され続けるように、視点の移動中に視点を追跡する。方法は、現在の現実世界の位置と現実世界の基準位置との間の変位に基づいて、基準フレームの速度を決定することと、VR環境内の基準フレームをその速度で並進させることとを含む。
【0041】
[0041] 開示される技術の特定の態様は、以下の潜在的な利点の1つ又は複数を実現するように実装され得る。いくつかの実装形態では、視点制御は、現実世界の変位に基づいて基準フレーム速度を求めることによって直観的に行われ得る。いくつかの実装形態では、視点制御は、速度及び/又は現実世界の変位を示すグラフィカルインジケータを提示することによって直観的に行われ得る。いくつかの実装形態では、視点制御は、より広い範囲の現実世界の移動に対する基準フレーム並進(例えば、基準フレームテレポーテーションの代わりに)に基づき得、それによりVR体験の忠実度が向上する。いくつかの実装形態では、VR病の発生は、現実世界における移動とVRにおける移動との間の精神的ギャップを埋めるグラフィカルインジケータを提示することによって軽減することができる。
【0042】
[0042] 開示される技術の1つ又は複数の実装形態の詳細が添付の図面及び以下の説明に記載される。他の特徴、態様、説明及び潜在的な利点は、説明、図面及び請求項から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図面の簡単な説明
図1】[0043]グラフィカルインジケータを含むVRディスプレイの例を示す。
図2】[0044]VR環境内の基準フレームを示す図である。
図3A】[0045]VRデバイスの位置決め、基準フレームの移動及びグラフィカルインジケータの例を示す図である。
図3B】[0045]VRデバイスの位置決め、基準フレームの移動及びグラフィカルインジケータの例を示す図である。
図3C】[0045]VRデバイスの位置決め、基準フレームの移動及びグラフィカルインジケータの例を示す図である。
図3D】[0045]VRデバイスの位置決め、基準フレームの移動及びグラフィカルインジケータの例を示す図である。
図3E】[0045]VRデバイスの位置決め、基準フレームの移動及びグラフィカルインジケータの例を示す図である。
図3F】[0045]VRデバイスの位置決め、基準フレームの移動及びグラフィカルインジケータの例を示す図である。
図4A】[0046]VRデバイスの位置決め及びグラフィカルインジケータレンダリングの例を示す図である。
図4B】[0046]VRデバイスの位置決め及びグラフィカルインジケータレンダリングの例を示す図である。
図4C】[0046]VRデバイスの位置決め及びグラフィカルインジケータレンダリングの例を示す図である。
図5A】[0047]VRデバイスの位置決め及び視点構成の例を示す図である。
図5B】[0047]対応するグラフィカルインジケータの例を示す図である。
図5C】[0048]VRデバイスの位置決めの例を示す図である。
図5D】[0048]対応するVRディスプレイの例を示す図である。
図6A】[0049]VRデバイスの位置決め及び関連するユーザの移動の例を示す図である。
図6B】[0049]対応するVRディスプレイの例を示す図である。
図6C】[0049]VRデバイスの位置決め及び関連するユーザの移動の例を示す図である。
図6D】[0049]対応するVRディスプレイの例を示す図である。
図6E】[0049]VRデバイスの位置決め及び関連するユーザの移動の例を示す図である。
図6F】[0049]対応するVRディスプレイの例を示す図である。
図7】[0050]VRデバイス及び外部のコンピューティングシステムを含むシステムの例を示す図である。
図8】[0051]VR制御プロセスの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
[0052] 開示される技術の特定の例示的な態様は、本明細書において、以下の説明及び添付の図に関連して説明される。しかし、これらの態様は、開示される技術の原理を採用することができる様々な方法のごく一部を示すものであり、開示される技術は、そのような態様及びその均等物をすべて含むことが意図される。開示される技術の他の利点及び新規の特徴は、図と併せて考慮することで以下の詳細な説明から明らかになり得る。
【0045】
詳細な説明
[0053] 本開示は、特徴の中でも特に、動的なグラフィカル表示と組み合わせたユーザの位置決めに基づく直観的な仮想現実(VR)における移動のためのプロセスについて説明する。基準位置からのVRデバイスの変位は、VR環境内の基準フレームの速度を決定するために使用され、それに対応してVR環境におけるユーザの視点が移動する。グラフィカルインジケータは、VR環境におけるナビゲーション中にユーザに提示され続ける(例えば、常に、常時など)ように視点を追跡し、グラフィカルインジケータは、VRデバイスの位置決め及びVRデバイスの向きの両方に動的に適応する。ユーザは、グラフィカルインジケータを視覚的に絶えず見ているため、ユーザは、より直観的なVR体験を提供され、ユーザは、VR環境においてより正確に及びシームレスに移動することができる。さらに、グラフィカルインジケータは、VR環境とユーザの現実世界の状態との間の精神的リンクをユーザに提供し、それは、VR病の軽減に役立つ。
【0046】
[0054] 仮想現実(VR)環境は、レクリエーション、フィットネス、教育、従業員訓練及び他の目的のために広く実装されている。VR環境に置かれると、ユーザは、VR環境でシミュレーションされるユーザの視点の移動を制御するための1つ又は複数の方法を提供される。しかし、既存の移動方法は、様々なトレードオフに関連付けられる。人間の先天的移動認識(内耳によって提供される加速度測定など)のため及び人間の精神が一般にVR環境を完全にリアルなもの(例えば、テレビに提示される環境と異なる)として知覚するため、VRにおける視点の移動と現実世界における移動との差は、仮想現実病を引き起こし得る。仮想現実病は、典型的なVRアプリケーションでは、少なくとも40%のユーザが影響を受けると推定され、VRにおける視点の移動と現実世界における移動との間の偏差が十分であれば、本質的にすべてのユーザで観察され得る。
【0047】
[0055] VR病を軽減するため、移動に対する手動デバイス相互作用(例えば、手で制御するジョイスティック)に依拠するVRシステムは、ユーザが絶えず制御し続けることなく、2つのポイント間で視点をテレポートするか又は2つのポイント間で視点をスムーズにシフトすることにより、ユーザ視点を移動させる場合が多い。しかし、これらの移動タイプは、VR体験の中断を意味し、ユーザから一定のコントロール感及び正確なシミュレーションを奪う。さらに、移動制御で手がふさがっていると、VR環境内のオブジェクトとの相互作用など、ユーザの手による他の機能を完全に自由に行うことができない。手動デバイスの代替として、VRにおける移動は、例えば、ユーザが現実世界で前に踏み出すと、他の移動制御なしでユーザの視点が同じ量だけ前にシフトするように、完全に1対1の方式でユーザの現実世界の移動を模倣するように行うことができる。しかし、多くの実際の状況では、ユーザの移動は、移動する部屋の規模によって制限され、それに対応してVR視点が移動できる範囲が制限される。
【0048】
[0056] 本開示の実装形態は、仮想環境を通して基準フレームを移動させるための変位ベースの速度決定プロセスを含む。対応するグラフィカルインジケータは、ユーザの視点を追い、基準フレームの移動の直観的な視覚化及び基準位置に対するユーザの現実世界の位置をユーザに提供する。
【0049】
[0057] 図1は、VRヘッドセットなどのVRデバイスによって提供されるVRディスプレイ100の例を示す。VRディスプレイ100は、VR環境102を含む。この例のVR環境102は、道路104、地形106、他のキャラクタ108及びユーザのアバターの一部分110などのVRフィーチャ及びランドマークを含む。これらのVRフィーチャ及びランドマークは、VR環境102内の固定又は可変位置に存在し、VRフィーチャ及びランドマークの位置及び向きは、固定VR座標系で表すことができる。VRデバイスの使用中の任意の時点において、VR環境102内に存在する視点によって決定されるようなVR環境102の一部分のみが表示される。例えば、視点が上を向く(例えば、VRデバイスのユーザが見上げる)と、VR環境102の空が表示され、視点が下を向くと、VR環境102の地面が表示され得る。いくつかのVRフィーチャは、他のVRフィーチャによって視点が遮られる場合があり、それにより、遮られたフィーチャを明らかにするための適切な視点の移動(例えば、回転及び/又は位置修正)が有効である。視点の移動は、レースゲーム及びアクションゲームなどのVRゲームの重要な構成要素であり得る。
【0050】
[0058] 視点は、可動基準フレームに関して定義される。図2は、VR環境の固定座標系200に関して定義されるような原点204(x,y,z)を有する基準フレーム202の例を示す。視点206は、位置208及び方向212を含み得、それらからVR環境が表示される。視点206は、必須ではないが、原点204に位置し得る。むしろ、視点206の位置208は、局所的な変位210(Δx,Δy,Δz)の量だけ原点204から局所的に変位させることができる。基準フレーム202の原点204などの基準フレーム202は、VR環境全体を通して移動することができる。例えば、基準フレーム202は、固定座標系200のx-y平面において並進することができる(例えば、VR環境の地表面に沿って並進をシミュレーションするため)。いくつかの実装形態では、基準フレーム202は、固定座標系200のz軸に沿って垂直に移動することができる。いくつかの実装形態では、基準フレーム202は、回転しない。例えば、基準フレーム202のx’、y’及びz’軸は、固定座標系200のx、y及びz軸との固定角度関係を有し得る(例えば、x、y及びz軸にそれぞれ平行であり得る)。視点206の方向212は、基準フレーム202及び/又は固定座標系200に対する視点206の向きに対応する。例えば、視点206の向きは、固定座標系のx、y及び/又はz軸、及び/又は基準フレーム202のx’、y’及び/又はz’軸に対する角度によって定義することができる。いくつかの実装形態では、基準フレーム202は、回転しないため、基準フレームの移動は、視点206の方向/向きに影響を及ぼさない場合がある。
【0051】
[0059] 視点206は、基準フレーム202によって運ばれ、それにより、原点204の位置の変化は、視点206の位置208の対応する変化に反映される。例えば、視点206の一定の局所的な変位210を想定した場合、原点204がy方向に1メートル移動すると(VR環境の単位で定義されるように)、視点206もy方向に1メートル移動する。しかし、局所的な変位210の変化の可能性は、基準フレーム202の原点204の位置変動が視点206の位置208の位置変動を完全に決定付けるものではないことを意味する。
【0052】
[0060] 現実世界の基準位置に対するVRデバイスの移動は、局所的な変位210の対応する変化をもたらすと同時に、基準フレームの速度も調整する(以下でさらに詳細に説明されるように)。例えば、ユーザがVRデバイスを上に動かした(例えば、その頭部を垂直に上げた)場合、高忠実度VR体験を提供するために、Δzは、対応する量だけ増加し得、それにより、例えば、VR環境のΔzは、現実世界のVRデバイスの高さの増加と一致する。ユーザがVRデバイスを右に動かした場合、局所的な変位210のΔx及び/又はΔyは、視点の現在の向きに応じて、Δx及び/又はΔyの相対的な変化量だけそのシフトを反映するように変化し得る。局所的な変位210は、VRデバイスの移動の速さに基づく速さで移動させることができ、それにより、例えばVRデバイスの移動が速いほど、局所的な変位210の変化が速くなる。いくつかの実装形態では、現実世界の基準位置に対するVRデバイスの位置を記述するベクトルrは、局所的な変位と実質的に同じ方向を有し、例えばr=a(Δx,Δy,Δz)であり、ここで、aは、現実世界の単位からVR環境の単位に変換するための定数である。以下で詳細に説明されるように、VRデバイスの移動はまた、基準フレームの速度の対応する変化をもたらし得る。
【0053】
[0061] 再び図1を参照すると、図2に対して提供される説明に基づいて、ユーザは、視点を変更することができ、そこから、(i)基準フレームを移動させて、それに対応して視点を移動させること、(ii)局所的な変位を変更することによって基準フレームに対して視点を移動させること、並びに(iii)視点の向きを1次元、2次元及び/又は3次元で回転させる、例えばVR環境102を「見回す」ことの1つ又は任意の組合せにより、VR環境102が表示される。これらの移動タイプを検出し、その移動タイプをVRディスプレイ100に正しく反映させる(個々に及び/又は同時に)能力により、ストレイフィング、スライディング、ダッキング、ドッジングなど、VR環境においてユーザが関わる移動を広範囲に広げることができる。
【0054】
[0062] 図1には、グラフィカルインジケータ112も示されている。グラフィカルインジケータ112(少なくとも図3A~3Fを参照してさらに詳細に説明される)は、例えば、視点内のヘッドアップディスプレイ(HUD)のように、視点の移動中にグラフィカルインジケータ112がユーザに表示され続けるように視点の移動を追跡する。ユーザの視界におけるグラフィカルインジケータ112の常時又はほぼ常時の存在は、グラフィカルインジケータ112の動的フィーチャ(以下でさらに詳細に説明される)との組合せで現実世界におけるユーザの正確な位置感覚をユーザに提供し、VR環境102における視点の直観的な制御を可能にする。
【0055】
[0063] 図3A~3Fは、本開示のいくつかの実装形態による、(i)ユーザの現実世界の位置決め及び向き、(ii)基準フレームの対応する移動及び基準フレームに対するユーザの向き、並びに(iii)現実世界の位置決め及び向きに関連付けてユーザに表示することができる対応するグラフィカルインジケータのそれぞれの例を示す。図3A~3Fには、視点の局所的な変位が示されていない。さらに、図3A~3Fを参照して説明されるような「位置」及び「変位」は、横方向位置及び横方向変位であり、なぜなら、いくつかの実装形態では、基準フレーム速度を決定するために、横面へのVRデバイス位置の投影が使用されるためである。
【0056】
[0064] いくつかのフィーチャは、図3A~3Fに示される移動及びグラフィカルインジケータを生じさせる。最初に、基準フレームの速さ及び基準フレームの移動方向を含む基準フレームの速度(例えば、基準フレームの原点の速度)は、VRデバイスの現実世界の位置(例えば、図3A~3Fの位置302a~f)と、現実世界の基準位置(例えば、図3A~3Fの基準位置304)との間の変位に基づいて決定される。変位の大きさ(例えば、横方向変位の大きさ)は、基準フレームの速さを少なくとも部分的に決定する。例えば、現実世界の位置と現実世界の基準位置との間のある距離の場合、速さは、距離の増加と共に増加し得る(例えば、線形方式において)。以下でさらに詳細に説明されるように、変位の大きさは、1つ又は複数の軸に沿って基準フレームの対応する速さを決定するために、1つ又は複数の軸に沿って分解され得る。さらに、いくつかの実装形態では、変位の大きさは、基準フレームの速さを決定するための入力の1つに過ぎず、VRゲーム要素、基準位置に対する移動とは別のユーザの位置決め及び/又は他の考慮点にも基づき得る。変位は、横面、例えば北/南/東/西の面に投影することができ、投影変位は、速さを決定するために使用することができる。例えば、いくつかの実装形態では、速さは、VRデバイスの高さから独立しており(いくつかの事例では、以下でさらに詳細に説明される速さの高さベースのモディファイアを除いて)、むしろ、速さは、横面における投影変位の大きさに基づいて決定される。
【0057】
[0065] 基準フレームの移動方向(VR環境の固定座標系に対する)は、基準位置に対するユーザの現実世界の位置の方向に基づく。現実世界の基準位置は、固定座標系の向きに対応する現実世界の基準向きに関連付けられる。例えば、図3A~3Fの現実世界の北の方向は、基準位置及び基準向きが初期化されたときに北を向くVRデバイスに基づいて、VR環境の固定座標系の正のy’軸方向に平行に設定される。次いで、ユーザの位置の方位と一致するように基準フレームの速度の方向が設定される。例えば、VRデバイスを着用しているユーザが基準位置の北側に立っている場合(基準位置からの東西偏差なしで)、基準フレームは、固定座標系に対して正のy’軸方向に移動する。変位は、横面、例えば北/南/東/西の面に投影することができ、投影変位は、速度の方向を決定するために使用することができる。例えば、いくつかの実装形態では、速度の方向は、VRデバイスの垂直位置から独立しており、むしろ、速度の方向は、横面における投影変位に基づいて決定される。
【0058】
[0066] ユーザの移動のいくつかの実装形態に関連付けられる第2の特徴として、基準フレームの移動方向は、VRデバイスの現実世界の向きから独立していてもよい。例えば、VRデバイスの現実世界の位置は、VRデバイスの向きから独立している(例えば、VRデバイスは、横方向に移動させることなく回転させる/傾けることができる)ため、向きの変化により、基準位置に対するVRデバイスの位置が変化することはなく、従って、基準フレームの速度の方向は、向きから独立している。しかし、VRデバイスの向きは、VR環境内の視点の向きを決定するために使用することができる。例えば、VR環境内の視点の向きは、VRデバイスの向きと一致する。例えば、上記で説明されたように、ユーザが現実世界で東を見た場合、VR環境内の視点は、VR環境の対応する方向との基準向きの位置合わせに基づいて正のx’方向を向く。別の例として、基準向きが初期化されるときにユーザが偶然南東を向いた場合、南東方向がVR環境の正のy’方向として設定され得る。次いで、ユーザが振り返って北西を見た場合、VR環境内の視点は、負のy’軸方向に方向付けられる。実際には、これは、ユーザが、基準フレームの速度に実質的に影響を及ぼすことなく(例えば、転向する/傾けることによって生じる非常にわずかな変化がVRデバイスの絶対位置に影響を及ぼすことを除いて)、その頭部を転向する/傾けることにより、VR環境を見回せることを意味する。この制御方法は、ジョイスティックでの「前方への」移動選択により、視点が、絶対方向に対してではなく、視点の現在の向きに対して前方に移動する非VRの一人称視点のビデオゲームで採用される場合が多いデュアルアナログ制御方法と異なることに留意されたい。
【0059】
[0067] 図3Aに示されるように、VRデバイスは、位置302aに位置し、その位置は、現実世界の基準位置304と一致する。現実世界のオブジェクト306も示されており、図3A~3Fを通して基準位置304が固定されていることを示す。VRデバイスの位置302aと基準位置304との間の変位の大きさがゼロであるため、基準フレーム308の速さは、ゼロであり、例えば、基準フレーム308は、VR環境で並進していない。VRデバイスの向き310aは、北向きであり、それに対応して、この例では、現実世界の北の方向は、基準フレームの正のy’軸と位置合わせされるため、VR環境が表示される対象である視点の向き312aは、正のy’方向である。
【0060】
[0068] 図3A~3Fの現実世界、基準フレーム及びグラフィカルインジケータ表現は、トップダウン式であり、VR環境における視点及び基準フレームの横方向変位に対応する。例えば、VR環境の正のy’軸に沿った方向を向いているユーザの視点から、正のy’方向は、直線に前に延びており、負のy’方向は、後ろに延びており、正のx’方向は、右に延びており、負のx’方向は、左に延びている。
【0061】
[0069] 現実世界の基準位置及び基準向き(例えば、図3A~3Fの基準位置304)は、VRデバイスのスタートアップ時に初期化し、及び/又はユーザ入力時に初期化することができる。例えば、VRデバイスは、「障害物から離れて部屋の中央に立ってください」というメッセージを表示することができ、ユーザ入力(例えば、ボタン入力又は音声コマンド)に応答して、VRデバイスは、VRデバイスの現在の位置を基準位置として記憶する。VRデバイスは、VR環境における視点の方向の後続の決定のために、VRデバイスの現在の向きも基準向きとして、例えば基準フレームのy’軸を定義するものとして記憶する。例えば、基準向き/方向は、基準フレームの特定の方向と一致するように設定することができ、それにより、VRデバイスが、その後、基準方向に対していかなる向きになったとしても、VR環境内の視点は、基準フレームの特定の方向に対して同じ向きを有するように設定される。図3A~3Fの例では、明確にするため、現実世界の北の方向は、基準フレームの正のy’方向と位置合わせされる。基準位置及び基準向きが設定された後、VRデバイスは、光センサ、加速度計、ジャイロスコープなどのセンサを使用して、基準位置及び向きと比較して、その位置及び向きの変化を検出することができる。
【0062】
[0070] 図3Bに示されるように、VRデバイスは、南北軸に沿って位置302bに位置する。それに対応して、基準フレーム308は、位置302bと基準位置304との間の変位の非ゼロの大きさ及び方向に基づく北向きの速度(314b)を有する。加えて、VRデバイスが北に方向付けられていること(310b)に基づいて、VR環境内の視点は、正のy’方向(312b)を向いている。
【0063】
[0071] 図3Cに示されるように、VRデバイスは、同じ位置302bに位置し、西に方向付けられている(310c)。これに基づいて、図3Bから図3Cへの向きの変化により、基準位置304に対するVRデバイスの位置決めが変更されないため、基準フレーム308は、図3Bと同じ北向きの速度314bを有する。しかし、視点の向きとVRデバイスの向きとの間の対応性に基づいて、VR環境内の視点は、西を向いている(312c)。VR環境のユーザの視点から、基準フレーム308と共に視点が右方に移動するにつれて、ユーザの右側の静止オブジェクトは、ユーザに近づく。
【0064】
[0072] ユーザ/VRデバイスの位置及び向きに関係なく、ユーザがこの基準フレーム308の移動方法を直観的に把握できるようにするため、ユーザには、グラフィカルインジケータが常時又はほぼ常時表示される。グラフィカルインジケータは、VRデバイスの位置及びVRデバイスの向きの両方に基づいて動的に変化する。本開示のいくつかの実装形態に関連付けられる第3の特徴として、グラフィカルインジケータは、視点の向きに関係なく、現在の視点に対する基準フレームの移動方向を示すフィーチャを含む。ユーザがVRデバイスを方向転換し、視点の向きが変化するにつれて、フィーチャは、向きの変化を反映して、視点に対する基準フレームの移動方向を示し続けるようにそれに対応して変化する(例えば、回転する)。
【0065】
[0073] 加えて、本開示のいくつかの実装形態に関連付けられる第4の特徴として、グラフィカルインジケータは、基準位置からのVRデバイスの変位を示すフィーチャを含む。フィーチャは、変位の大きさ(例えば、横方向変位の大きさ)、変位の方向(例えば、横方向変位の方向)又はその両方を示し得、変位の変化に応答して動的に変化し得る(例えば、その位置が変化する)。フィーチャを見ることにより、ユーザは、基準位置に戻るためにいずれの方向にどの程度移動するべきか及び/又は基準フレームの所望の速度を達成するためにいずれの方向にどの程度移動するべきかを決定することができる。このフィーチャは、基準フレームの速度の方向を示すフィーチャと同じであるか又は異なるフィーチャであり得る。例えば、基準フレームの速度の方向は、VRデバイスの変位の方向に基づくため、本明細書で説明されるように適切に構成された、VRデバイス向きの変化及びVRデバイスの位置の変化の両方に応答して動的に移動する単一のグラフィカルフィーチャが基準フレームの速度及びVRデバイスの変位の両方を示すことができる。いくつかの実装形態では、グラフィカルインジケータは、VRデバイス及び基準位置の両方がグラフィカルインジケータのフィーチャによって示され、それにより直観的なユーザの再位置決めが可能になるように構成される。
【0066】
[0074] 図3A~3Fは、対応する示される現実世界の位置302及びVRデバイスの向き310に基づいてグラフィカルインジケータ316をユーザに提示することができるようなグラフィカルインジケータ316の例を示す。グラフィカルインジケータ316は、図1のグラフィカルインジケータ112と同じ基本構造を有する。グラフィカルインジケータ316は、VRデバイスの位置を表し、及び基準フレーム308の移動方向を示す第1のフィーチャ318を含む。グラフィカルインジケータ316は、VRデバイスの位置決めのデッドゾーンを定義する内側境界線322(図5A~5Bに関してさらに詳細に説明される)と、VRデバイスの位置決めの外側ゾーンを定義する外側境界線320(図5C~5Dに関してさらに詳細に説明される)とをさらに含む。内側境界線322及び外側境界線320は、現実世界の基準位置304を表す中心位置326の周りに同心円状に配置され、従って、内側境界線322及び外側境界線320は、現実世界の基準位置304を示すものとして説明することができる。いくつかの実装形態では、グラフィカルインジケータは、現実世界の基準位置に直接対応する場所を有するフィーチャ(例えば、ドット)、例えば中心位置326のフィーチャを含む。いくつかの実装形態では、グラフィカルインジケータは、内側境界線322及び/又は外側境界線320を含まない。図3A~3Fは、眼のガイドとして、ユーザの視点の中心線方向に対応する垂直線324を含むが、垂直線324は、グラフィカルインジケータ316に含まれなくてもよい。
【0067】
[0075] 第1のフィーチャ318は、基準位置304に対するVRデバイスの位置302を表す。VRデバイスが基準位置304に位置するとき、第1のフィーチャ318は、グラフィカルインジケータの中心位置326に表示される。VRデバイスが基準位置304から離れるにつれて、第1のフィーチャ318は、それに対応して中心位置326から離れる。例えば、第1のフィーチャ318と中心位置326との間の変位の大きさは、VRデバイスの位置302と基準位置304との間の変位(例えば、横方向変位)の大きさに比例し得る。
【0068】
[0076] グラフィカルインジケータ316の第1のフィーチャ318の角度位置(例えば、垂直線324と、第1のフィーチャ318と中心位置326との間の線との間の角度)は、VRデバイスの現実世界の向き及びVRデバイスの現実世界の位置302と基準位置304との間の変位に基づいて決定される。角度位置は、VR環境のユーザの視点から、中心位置326に対する第1のフィーチャ318の方向が基準フレーム308の速度の方向と一致するように構成される。VRデバイスの回転及び移動に伴い、角度位置は、視点が変化しても、現在の視点に対する基準フレーム308の移動方向を示すように構成することができる。加えて、角度位置は、VRデバイスの現在の向きに適応される方式において、第1のフィーチャ318に対する中心位置326の方向がVRデバイスの位置302に対する基準位置304の方向と一致するように構成される。これらのフィーチャは、VR病の発生を軽減することができる、VRにおける非常に直観的な移動を一緒に生じさせる。
【0069】
[0077] 図3Aに示されるように、VRデバイスの位置302aが基準位置304と一致するとき、第1のフィーチャ318は、中心位置326に位置し、VRデバイスの位置302aと基準位置304との間の変位の欠如を示す。加えて、その変位の欠如に基づいて、基準フレーム308の速度は、ゼロであり、第1のフィーチャ318もゼロ速度を示す。すなわち、第1のフィーチャ318は、中心位置326に対していずれの方向にも指し示されていないため、基準フレーム308は、いずれの方向にも移動していないように示される。
【0070】
[0078] 図3Bに示されるように、VRデバイスの位置302bが、(i)基準位置304に対して北向きの変位、及び(ii)北向きの向き310bを有するとき、第1のフィーチャ318は、中心位置326の真上に位置する。この配置は、最初に、基準フレーム308がユーザの視点に対して前方(速度314bの方向)に移動していることを示す。例えば、位置302bに静止したままで北向きの向き310bを維持することにより、ユーザには、ユーザの前方のVRフィーチャが一定の速度で徐々にユーザに近づく様子が見えるであろう。加えて、第1のフィーチャ318は、中心位置326の直接前方に位置しているため、第1のフィーチャ318及び中心位置326のこの配置は、VRデバイスの現在の向きに基づいて、VRデバイスが基準位置304の直接前方に位置していることを示す。ユーザは、自らが垂直線324に沿って前を向いている第1のフィーチャ318であると想像し得、後ろに歩くか又は下がることにより、ユーザは、基準位置304に戻ることができ、それに対応して、第1のフィーチャ318は、中心位置326に戻ることになる。第1のフィーチャ318と中心位置326との間の変位の大きさは、VRデバイスの位置302と基準位置304との間の変位の大きさに比例し得るか、又はそれと同じ方向に変化し得る。
【0071】
[0079] 図3Cに示されるように、VRデバイスは、図3Bに示される構成から左に回転しており、位置302bに留まっているが、ここでは西を向いている(310c)。位置302bと基準位置304との不変の差に基づいてその以前の速度314bを維持している基準フレーム308は、ここでは、VR環境のユーザの視点からユーザの右方に移動している。それに対応して、第1のフィーチャ318は、中心位置326の直接右側に位置するように、その以前の位置328から中心位置326の周りを回転している(330)。例えば、第1のフィーチャ318は、現実世界のVRデバイスの回転の方向とは反対の方向に回転し得る。回転は、連続的及び動的であり得、VRデバイスの回転に伴ってリアルタイムで起こる。その更新された位置では、第1のフィーチャ318は、中心位置326の直接右側に位置することによって右を指し示すため、第1のフィーチャ318は、最初に、基準フレーム308がユーザの視点(向き312cを有する視点)に対して直接右側の方に移動していることを示す。加えて、中心位置326は、第1のフィーチャ318の直接左側に位置するため、第1のフィーチャ318の更新された位置は、基準位置304がVRデバイスの直接左側に位置していることを示す。ユーザが、基準位置に戻り、基準フレーム308の移動を停止することを望む場合、ユーザは、左方に移動するのみでよく、その移動は、それに対応して左方に移動する第1のフィーチャ318が中心位置326に来るまで行われる。代わりに、ユーザが、基準フレームを、ユーザの右方に移動させる代わりに前方に移動させることを望む場合、ユーザは、前方及び左方に移動するのみでよく、それにより、例えば、第1のフィーチャ318が、基準フレームの前方への移動を示す図3Bに示される位置に来るまで、第1のフィーチャ318も前方(上向き)及び左方に移動する。代わりに、ユーザが、基準フレームの右方への移動を継続させるが、より遅い速さで継続させることを望む場合、ユーザは、左方に移動するのみでよく、それは、(i)基準フレームの移動方向とは反対のVRデバイス移動方向が基準フレームの移動の反作用を表すことを理由として、基準フレームの減速を直観的に表し、(ii)より遅い速さに対応する、中心位置326からのより小さい変位を有するための左方への第1のフィーチャ318の対応する移動と一致する。
【0072】
[0080] (i)基準フレーム308の所望の速度を達成するための第1のフィーチャ318の移動方向と、(ii)所望の速度を達成するためのユーザ/VRデバイスの移動方向との間のこの直接的な一致する対応性は、ユーザにとって非常に直観的なものであり得る。グラフィカルインジケータ316と同様のグラフィカルインジケータを含むゲームのプレイテストでは、ユーザは、基準フレームを所望の方向及び所望の場所に移動するために、現実世界で自らをどのように操作するかを即座に把握している。ユーザの手は、移動を制御するジョイスティックでふさがっていないため、ユーザは、その手(いくつかの事例ではその手のいくつか又はすべての指を含む)を代わりに使用して、VR環境で望ましい任意の行動、例えばボールを狙って投げること、オブジェクトを移動させること、オブジェクトを回転させることを行い得る。
【0073】
[0081] いくつかの実装形態では、グラフィカルインジケータは、視点の移動中にユーザに表示され続けるように、視点の移動中に視点を追跡する。例えば、グラフィカルインジケータは、VR環境における移動中、VR体験の標準インタフェースの一部として常時又はほぼ常時ユーザに表示することができる。例えば、グラフィカルインジケータは、例えば、図1に示されるように、標準HUDに組み込み、及び/又はVR環境にオーバーレイすることができる。いくつかの実装形態では、VRディスプレイの実質的に同じ部分/領域にグラフィカルインジケータが表示され続ける点で、グラフィカルインジケータは、視点を追跡する。
【0074】
[0082] いくつかの実装形態では、グラフィカルインジケータは、レンダリングされたオブジェクトとして実装され、オブジェクトは、視点を追跡するように移動させることができる。本開示全体を通して説明されるように、ディスプレイを提供するVRデバイスは、オブジェクトが視点の視界に留まるようにオブジェクトがレンダリングされる位置を変更すると同時に、VRデバイスの位置及び向きの変化を反映するようにオブジェクトを修正することができる。図4A~4Cは、グラフィカルインジケータオブジェクト移動及びユーザによる移動シーケンスにわたる再構成の例を示す。図4Aに示されるように、VRデバイスは、位置302a(基準位置304)及び北を向く向き310aを有する。対応するVR環境400(基準フレーム402に対してトップダウン視点から示される)では、ユーザを表すアバター404は、基準フレーム402の原点406にレンダリングされている。加えて、グラフィカルインジケータオブジェクト408は、視点の方向において、アバター404の位置から所定のVR距離410にレンダリングされており、それにより、ユーザは、グラフィカルインジケータオブジェクト408がユーザの前方の所定の距離410で浮遊していると知覚する。いくつかの実装形態では、グラフィカルインジケータオブジェクト408は、所定の高さでアバター404の前方にレンダリングされる。いくつかの実装形態では、距離410は、事前に決定されるものではなく、むしろ1つ又は複数のパラメータ、例えば基準フレームの速さ及び/又は視点の向きに基づいて変えることができる。グラフィカルインジケータオブジェクト408は、その中心に第1のフィーチャ414を含み、基準フレーム402の移動の欠如及びVRデバイスが基準位置304に位置することを示す。
【0075】
[0083] 図4Aから図4Bに移ると、ユーザは、VRデバイスを位置302bに移動している。例えば、ユーザは、片足を前に踏み出し、及び/又は体を前に傾けることができる。この移動により、基準フレーム402の原点406からの視点の局所的な変位が修正され、例えば、視点は、原点406に対してy’軸に沿って距離412だけシフトされる。それに対応して、グラフィカルインジケータオブジェクト408は、y’軸に沿った追加の距離412にレンダリングされ、アバター404におけるユーザの視点の前方の所定の距離410は、そのまま残る。VRデバイスの位置302bにより、基準フレーム402は、正のy’方向にも並進し、それにより、VR環境400の固定座標系では、アバター404及びグラフィカルインジケータオブジェクト408の両方がレンダリングされる位置が正のy’方向に並進される。最後に、グラフィカルインジケータオブジェクト408は、VRデバイスの変更された位置302bを反映するために更新される。すなわち、第1のフィーチャ414は、グラフィカルインジケータオブジェクト408の中心に対して前方/上方にレンダリングされ、基準フレーム402がユーザの視点に対して前方に並進していることが示される。
【0076】
[0084] 図4Cに示されるように、図4Bの構成から、VRデバイスは、西を向く(310c)ように方向転換される。それに対応して、アバター404及び視点は、負のx’方向を向くように転向し(視点の局所的な変位は、変わらないままである)、基準フレーム402は、正のy’方向において並進を継続する。グラフィカルインジケータオブジェクト408は、視点の位置から所定の距離410でユーザに表示され続けるように、視点の回転を追跡するようにレンダリングされる。さらに、グラフィカルインジケータオブジェクト408は、ユーザの視点から、正のy’方向において第1のフィーチャ414がユーザの右側を指し示すように更新される。この位置決めにより、基準フレーム402がユーザの右側に並進していることと、基準位置304がVRデバイスの現在の位置302bの左側にあることとの両方が示される。
【0077】
[0085] グラフィカルインジケータは、異なる実装形態において様々な形態を有し得、グラフィカルインジケータ316の特定の設計に限定されない。いくつかの実装形態では、グラフィカルインジケータは、VR環境のHUDの非物語世界の要素である。例えば、グラフィカルインジケータは、オーバーレイとしてVR環境にわたって重ね合わせることができる。いくつかの実装形態では、グラフィカルインジケータは、グラフィカルインジケータの背後のVR環境内のフィーチャが見えるように部分的に透明である。いくつかの実装形態では、グラフィカルインジケータは、VR環境に組み込まれる。例えば、グラフィカルインジケータは、ユーザのアバターが着用するヘルメットの内側に表示するか、又はユーザのアバターの前でホバリングするドローン上に表示することができる。グラフィカルインジケータは、基準フレームの移動方向を示し、及び/又は基準位置に対するVRデバイスの位置を示すなど、本明細書で説明される表示を提供するために、形状及びアニメーションの様々な適切な組合せを含み得る。本明細書で示される第1のフィーチャの例は、円形マーカーである。他のマーカータイプ、例えば矢印、星又は他の形状も本開示の範囲内である。
【0078】
[0086] いくつかの実装形態では、グラフィカルインジケータは、ユーザの視点に対して傾斜/ピッチ角度で表示される。例えば、図3A~3Fのグラフィカルインジケータ316は、0°ピッチ角度で示されているが、図1のグラフィカルインジケータ112は、非ゼロのピッチ角度で前方に傾いている。グラフィカルインジケータが前方に傾いているとき、傾いていないグラフィカルインジケータの「上」方向は、ユーザの視点から実質的に前方向に方向付けることができ、それにより、例えば、前方に方向付けられた第1のフィーチャは、基準フレームの前方並進を示す。いくつかの実装形態では、ピッチ角度は、VR体験状態及び/又はユーザの位置に基づいて決定することができる。例えば、いくつかの実装形態では、ピッチ角度は、VR環境における視点及び/又は基準フレームの速さに基づき、例えば視点及び/又は基準フレームの速さの増加と共に増加する。いくつかの実装形態では、ピッチ角度は、VRデバイスの垂直位置に基づき、それにより、例えば垂直位置が低いほど(例えば、ユーザがかがんでいることに対応する)、グラフィカルインジケータのピッチ角度は、大きくなる。加えて又は代わりに、グラフィカルインジケータの他の視覚的特性は、速さ、垂直位置及び/又は他のパラメータに依存し得る。例えば、速さ及び/又は垂直位置に基づいて、グラフィカルインジケータの1つ又は複数のフィーチャの色が変化し得る。
【0079】
[0087] いくつかの事例では、ユーザ体験のために、ゲームプレイ/環境移動中に正常に表示され続けるように、グラフィカルインジケータにVR環境内の視点を追跡させる効果は、視点を追跡することなく、単にユーザがグラフィカルインジケータを利用できるようにすることの効果と異なり得る。グラフィカルインジケータが視点を追跡しない場合、グラフィカルインジケータは、基準フレームに対して(視点に対してとは対照的に)VR環境の所定の位置にレンダリングされ得る。例えば、グラフィカルインジケータは、ユーザが下を向くとグラフィカルインジケータが見えるように、ユーザのアバターの下方の、VR環境の地表面にレンダリングされ得、横方向又は上方向を見ても、グラフィカルインジケータが見えないか、又はグラフィカルインジケータの不完全な部分のみが見える。この又は他の代替のグラフィカルインジケータ提示方法が使用されると、ユーザの精神は、グラフィカルインジケータが基準フレームの移動及び現実世界の位置決めの両方とどのように関係しているかを十分に理解することができない。これにより、ユーザによる移動は、一貫性がなく不器用なものになり得る。さらに、プレイテストは、本明細書で説明されるグラフィカルインジケータが、現実世界における移動とVR環境における移動との間の懸け橋としてユーザによって解釈されることを示す。視界におけるグラフィカルインジケータの視覚的フィードバックなしでは、例えば下を向くことにより、ユーザがグラフィカルインジケータを利用できる場合でも(ただし、ユーザの視点を追跡しない)、ユーザは、VR病の拡大を体験し得る。
【0080】
[0088] いくつかの実装形態では、グラフィカルインジケータは、ナビゲーション中に正常に表示され続けるようにVR環境内の視点を追跡するが、例外なくグラフィカルインジケータを常に表示する必要はない。むしろ、グラフィカルインジケータは、VR体験の一部分中、例えばカットシーン中、ユーザがメニューを入力するとき及び/又はVR環境の横断以外のゲームプレイタイプ中に表示しないようにすることができる。例えば、グラフィカルインジケータオブジェクトは、本開示の範囲から逸脱しない範囲において、VR体験のこれら及び/又は他の部分中にユーザに表示しないようにすることができる。
【0081】
[0089] 図3D~3Fは、(i)VRデバイスの位置決め及びVRデバイスの向き、(ii)対応する基準フレームの移動及び対応する視点の向き、並びに(iii)対応するグラフィカルインジケータのいくつかのさらなる例を示す。図3Dに示されるように、VRデバイスは、基準位置304の西側に位置決めされ(302d)、西を向いている。従って、視点は、負のx’軸に沿って向いており(312d)、基準フレーム308は、負のx’軸に沿って並進している(314d)。根底的な現実世界の位置及び向きが異なるとしても、この構成に対応するグラフィカルインジケータ316は、図3Bに示される構成に対応するグラフィカルインジケータ316と同じである(位置302dと基準位置304との間の距離が位置302bと基準位置304との間の距離と同じであると想定した場合)。すなわち、両方の状況において、基準フレーム308は、ユーザの視点から直線に前に並進し、両方の状況において、基準位置304は、VRデバイスの直接後ろに位置する。
【0082】
[0090] 図3Eに示されるように、VRデバイスは、基準位置304の北側に位置決めされ(302e)、北に対して角度-θに方向付けられている(310e)。それに対応して、視点の向き312eは、正のy’軸に対して-θであり、基準フレーム308は、正のy’方向に並進している(314e)。さらに、第1のフィーチャ318は、垂直線324に対して角度θを有し、ユーザの視点から基準フレーム308が角度θで右斜め前に並進していることが示されている。加えて、グラフィカルインジケータの中心位置326は、VRデバイスの向き310eを踏まえて、VRデバイスの位置302eに対する基準位置304の方向と一致する第1のフィーチャ318に対する方向にレンダリングされる。第1のフィーチャ318の位置決めは、VRデバイスを基準位置304に戻すためにユーザが後方及び左方に移動できるか、又は均等にVRデバイスを基準位置304に戻すために、第1のフィーチャ318が垂直線324と位置合わせされるまで、ユーザが右向きに回転し(第1のフィーチャ318の反対方向の回転、すなわち反時計回りの回転をもたらす)、次いで後方に移動できることも示す。
【0083】
[0091] 図3Fに示されるように、VRデバイスは、角度-φで基準位置304の北西に位置決めされ(302f)、北に対して角度-θに方向付けられている(310f)。それに対応して、視点の向き312fは、正のy’軸に対して-θであり、基準フレーム308は、正のy’軸に対して角度-φで並進している。この状態の直観的な理解をユーザに提供するため、第1のフィーチャ318は、垂直線324に対して角度φ-θに位置決めされ、ユーザの視点から基準フレームが角度φ-θで左斜め前に並進していることが示される。
【0084】
[0092] 図5A~5Dは、基準フレーム速度を決定するために使用することができるデッドゾーン及び外側ゾーンの例を示す。図5Aに示されるように、現実世界の環境500は、内側境界502の内側のデッドゾーン504を含む。現実世界の環境500は、外側境界506の外側の外側ゾーン508をさらに含む。デッドゾーン504と外側ゾーン508との間は、移動ゾーン510である。いくつかの実装形態では、外側境界506は、環境障害物512、例えば壁又は家具を回避するために定義される(ユーザによって又はVRデバイスによって自動的に)。従って、デッドゾーン504及び移動ゾーン510は、ユーザの移動に対する安全なエリアを一緒に構成し得るが、デッドゾーン504及び移動ゾーン510の外側におけるユーザの移動は、危険であり得る。
【0085】
[0093] いくつかの実装形態では、デッドゾーン504内におけるVRデバイス518の移動(例えば、VRデバイス518の位置と基準位置520との差の大きさがデッドゾーン504の半径514より小さい)は、基準フレーム530の移動をもたらさない。これにより、基準位置520の周りでのユーザの小さい移動が可能になり、それは、基準フレームの原点532からの視点の局所的な変位の変動をもたらすが、基準フレームを移動させない。例えば、VRデバイス518は、デッドゾーン504内を移動して、VR環境において発射体をよけるか又は障害物から覗き込んで/こっそりと覗き見て身を隠すことができ、それにより直観的なVR体験が提供される。
【0086】
[0094] 図5AのVRデバイス518の構成に基づいて、基準フレーム530の速度は、ゼロであり、視点は、基準フレーム530の原点532から位置534aに変位され、正のy’方向を向いている(536a)。図5Bに示されるように、対応するグラフィカルインジケータ540は、第1のフィーチャ544を含み、第1のフィーチャ544は、中心位置542から変位されているが、内側境界線546の内側に位置している。グラフィカルインジケータ540の内側境界線546は、現実世界の内側境界502を表す。VRデバイス518が内側境界502に近づくにつれて、第1のフィーチャ544は、内側境界線546に近づき、VRデバイス518が基準位置520から十分に遠くなり、内側境界502上になると、第1のフィーチャ544は、内側境界線546上にレンダリングされる。第1のフィーチャ544は、中心位置542から変位されるが、第1のフィーチャ544は、基準フレーム530の速度の特定の方向を示さず、むしろ、第1のフィーチャ544は、内側境界線546の内側に位置することにより、速度がゼロであることを示す。第1のフィーチャ544は、上記で説明されたように、基準位置からのVRデバイス518の変位の方向及び量も示す。
【0087】
[0095] デッドゾーン(「内側ゾーン」と呼ばれる場合もある)の他の形状及び構成も本開示の範囲内である。いくつかの実装形態では、デッドゾーンは、存在しない。いくつかの実装形態では、内側ゾーン内のVRデバイス変位は、非ゼロの基準フレームの速さをもたらし、内側ゾーン内のVRデバイスの移動に対する変位の大きさの関数としての速さの関数は、移動ゾーン内のVRデバイスの移動に対する変位の大きさの関数としての速さの関数と異なる。例えば、速さは、内側ゾーン内では、移動ゾーン内より緩やかに増減し得る。いくつかの実装形態では、基準位置の周りで回転対称性を有する代わりに、内側ゾーンは、別の形状を有し得る。例えば、内側ゾーンは、楕円形又は現実世界の前後軸及び左右軸(例えば、南北軸及び東西軸)の両方に沿って所定の幅で延びる十字型ゾーンであり得る。
【0088】
[0096] 移動ゾーン510内では、基準フレーム530の速さは、VRデバイス518と基準位置520との間の変位の大きさの関数である。例えば、いくつかの実装形態では、基準フレーム530の速さは、変位の大きさに比例するか、又は移動ゾーン510の一部若しくはすべてにわたって変位の大きさの増加と共に速さが単調に増加するような変位の大きさの関数である。他の適切な関数、例えばスケーリングされた指数関数、放物線関数或いはこれら及び/又は他の関数の組合せも本開示の範囲内である。いくつかの実装形態では、基準フレーム530の速さは、VRデバイス518がデッドゾーン504から移動ゾーン510に移動するにつれて、速さがゼロから連続的に増加するように構成される。例えば、単純な線形速さ関数s=a・r(ここで、aは、定数であり、rは、VRデバイス518と基準位置520との間の変位(例えば、横方向の北/南/東/西の変位)の大きである)は、rが<rから>r1に変わるにつれて(ここで、rは、デッドゾーン504の半径514である)、不連続な基準フレームの速さをもたらすことになる。代わりに、速さ関数は、例えば、s=a・(r-r)であり得る。
【0089】
[0097] 前述の説明によって示唆されるように、いくつかの実装形態では、基準フレームの並進は、直交する2つの方向において2つの速さに分解することができ、2つの速さは、対応する直交する2つの方向におけるVRデバイスの変位に基づく。例えば、図5Aの例では、y’軸に沿った基準フレーム530の速さは、南北軸に沿ったVRデバイス518の変位に基づき得、x’軸に沿った基準フレーム530の速さは、東西軸に沿ったVRデバイス518の変位に基づき得る。例えば、y’軸に沿った基準フレーム530の速さは、東西軸に沿ったVRデバイス518の変位から独立していてもよく、x’軸に沿った基準フレーム530の速さは、南北軸に沿ったVRデバイス518の変位から独立していてもよい(いくつかの実装形態では、VRデバイス518がデッドゾーン504に位置するかどうかを変位によって決定する場合を除く)。
【0090】
[0098] 外側ゾーン508を含む実装形態では、基準フレームの速度及び/又はユーザに提供されるディスプレイは、外側ゾーン508に位置するVRデバイス518に基づき得る。いくつかの実装形態では、外側ゾーン508は、安全上の危険性を表すため、ユーザが外側ゾーン508に入るという行動を妨げることが有益であり得る。図5C~5Dに示されるように、VRデバイス518は、基準位置520の西の外側ゾーン508に位置決めされており、北を向いている。対応するVRディスプレイ550では、グラフィカルインジケータ552は、中心位置556の左側及び外側境界線558の外側に位置決めされた第1のフィーチャ554を含み、(i)基準位置520がVRデバイス518の右側にあること、及び(ii)VRデバイス518が外側ゾーン508に位置することを示す。この位置決めに基づいて、VRディスプレイ550は、VRデバイスが外側ゾーン508に位置することをユーザに通知するための1つ又は複数の警告インジケータを含み得る。例えば、警告インジケータ560は、プレイエリア(例えば、移動ゾーン510及びデッドゾーン504)に戻るようにユーザに指示する。グラフィカルインジケータ552は、グラフィカルインジケータ552の上方の位置がユーザの視点において前方を指し示すように前方に傾けることができる。いくつかの実装形態では、基準位置の周りで回転対称性を有する代わりに、外側ゾーンは、別の形状を有し得る。例えば、外側ゾーンは、楕円形、長方形/正方形又は別の形状であり得る。
【0091】
[0099] 他の適切な警告インジケータも本開示の範囲内である。例えば、VRディスプレイは、単色(例えば、黒色)に変わり、外側ゾーン508の境界線を表すためにVR環境における境界(例えば、壁)をレンダリングし、及び/又はユーザが危険を回避することを支援するためにユーザの現実世界の環境(VRデバイスのカメラによって捕捉されるような)をレンダリングすることが可能である。いくつかの実装形態では、基準フレームの速度は、外側ゾーン508に位置するVRデバイス518に基づいて調整することができる。例えば、基準フレームの速さは、外側ゾーン508において基準位置520からのVRデバイス518の変位が増加すると共に徐々に減少し得る。VRデバイス518が外側ゾーン508に位置するときの基準フレームの速さは、VRデバイス518が外側境界506に近いが、移動ゾーン510内に位置するときの速さに対応する速さより遅くなり得る。いくつかの実装形態では、基準フレームの速さは、VRデバイス518が外側ゾーン508に位置するとき、ゼロ又は一定の遅い速さに設定される。
【0092】
[00100] 本明細書で明示的に説明されるタイプのゾーンの代わりに又はそれに加えて、他のタイプのゾーンを含めることができる。各ゾーンは、基準フレームの速度と、ゾーン内のVRデバイスの位置との対応する異なる関係に関連付けることができる。各ゾーンは、ゾーンに対するVRデバイスの位置をユーザに示すためのグラフィカルインジケータのフィーチャ、例えば境界線に対応し得る。
【0093】
[00101] VRデバイスの移動及び基準フレームの制御のパラメータは、多様な異なる移動タイプを容易にするように多様な方法で構成することができる。ユーザは、体を曲げ、体を傾け、足を踏み出し、及び/又は歩いて、基準フレームを移動させるか、又は視点の局所的な変位及び向きを調整することができる。いくつかの実装形態は、この制御の一部として、ユーザの足の移動、例えば足を踏み出すこと及び/又は歩くことを容易にする。いくつかの実装形態では、外側境界は、ユーザが基準位置から大きい一歩を踏み出し、その大きい一歩を踏み出した位置からユーザが体を前に傾けられるような半径を有する。例えば、VRデバイスの変位(例えば、横方向変位)の範囲が少なくとも閾値までである場合(必ずしもゼロ変位から始まるとは限らない)、基準フレームの速さは、変位の大きさの連続関数である。例えば、閾値は、2フィート~4フィート、例えば2.5フィート~4フィート又は3フィート~4フィートであり得る。いくつかの実装形態では、閾値は、2.5フィート~6フィート、例えば2.5フィート~5フィート又は3フィート~6フィートであり得る。いくつかの実装形態では、閾値は、前述の任意の2つの値によって定義される別の範囲である。いくつかの実装形態では、基準フレームは、VR環境において、例えば別個の位置間でテレポートすることなく、閾値までのVRデバイス変位の範囲にわたってスムーズに移動する。いくつかの実装形態では、閾値は、外側ゾーンの始点を定義する外側境界の半径である。
【0094】
[00102] いくつかの事例では、これらの閾値は、より直観的な及び楽しめるユーザ体験を提供するユーザの移動を促進することができる。ユーザの移動のいくつかの例では、基準位置から、ユーザは、基準フレームの移動の所望の方向に片足を踏み出すことができ、それに対応して、VRデバイス(例えば、ヘッドセット)は、その方向に移動する。ユーザは、およそ基準位置に位置するユーザのもう一方の足を軸に旋回する。より速く基準フレームを移動させるため、ユーザは、その外側の足の方に体を傾ける(VRデバイスと基準位置との間の変位の大きさを増加することにより)。よりゆっくりと基準フレームを移動させるため、ユーザは、その中心に位置する足の方に体を傾ける。速さをさらに速くすることが望ましい場合、ユーザは、その中心に位置する足を基準位置から外側に踏み出すように移動する。従って、比較的大きいユーザの移動に対して、VR体験の忠実度を損なうことなく、例えばテレポーテーションを導入することなく、連続する基準フレームの移動を提供することができる。この連続する基準フレームの移動は、本明細書で説明されるグラフィカルインジケータ、例えばユーザに表示され続けるように視点を追跡するグラフィカルインジケータによってさらに促進することができる。対照的に、体を傾ける/曲げることに主に又は完全に基づくいくつかのVRにおける移動に関するスキームでは、大幅に足を動かすことなく、比較的小さいVRデバイスの変位、例えば2フィート未満又は2.5フィート未満に基づいて基準フレームのテレポーテーションが行われ得る。そのようなテレポーテーションベースの移動制御により、ユーザは、違和感を感じ得る。しかし、いくつかの事例では、本明細書で説明されるようなグラフィカルインジケータがない場合、より大きい変位に対する連続する基準フレームの移動は、それ自体、非直感的なものと感じ、及び/又はVR病を進行させる可能性がある。
【0095】
[00103] 前述の説明は、一般に、2つの次元における並進として基準フレームの移動を説明している。しかし、VRデバイスは、横方向にのみ移動できるわけではなく、地面から遠ざかって及び地面に近づいて垂直方向に移動することもできる。加えて、VR環境は、それ自体、ユーザのアバターが横断する斜面、突起及び他の平面ではない地表面を含み得る。そのような状況を少なくとも考慮し、及び現実のように感じられるVRにおける移動を提供するため、いくつかの実装形態では、基準フレーム速度は、VRデバイスの変位(例えば、横方向変位)に加えて1つ又は複数のモディファイアに基づく。例えば、斜面ベースのモディファイアにより、基準フレームの速さは、上り坂を登るアバターに基づいて減少し得、及び/又は下り坂を下るアバターに基づいて増加し得る。本開示全体を通して説明されるように、基準フレームの移動方向は、VR環境の水平面に投影されるように、VRデバイスの横方向(例えば、北/南/東/西の)変位に基づく一方、基準フレームの移動の絶対方向は、VR環境の局所的なトポロジに基づき得、例えば、基準フレームは、VR環境の地表面をたどる。いくつかの実装形態では、基準フレームの移動によってアバターがVR環境の表面(例えば、障害物又は壁)に衝突することになる場合、基準フレームの速度が調整される。例えば、基準フレームを表面で止めるとき、速度は、基準フレーム加速の大きさを減少させるために徐々に低減され、「ショックアブソーバ」効果が提供され得る。いくつかの実装形態では、速度は、アバターが表面を通過しないように調整することができる。例えば、基準フレームは、表面を通過する代わりに、VRデバイスの変位の方向によって示唆されるように表面に沿って並進させることができる。例えば、表面に向かう速度成分をゼロに設定する一方、表面に沿った速度成分を維持することができる。いくつかの実装形態では、基準フレームの速さは、VRデバイスの垂直位置に基づく。例えば、VRデバイスの位置が低いほど(例えば、ユーザがかがんでいることに対応する)、速さは、VRデバイスの変位の大きさにのみ基づいてその速さの値から増加する。
【0096】
[00104] 基準フレームの速さを決定するために、他の及び/又は追加のモディファイアを使用することができる。例えば、基準フレームの速さは、VR体験の状態、例えばVRゲームのゲーム状態に基づいて増減することができる。例えば、ユーザのアバターは、速さを増加するスピードブーストアイテムを拾うことができる。別の例として、ユーザのアバターは、速さの増加に費やすことができるエネルギーレベルを有し得る。例えば、エネルギーレベルは、ユーザが立っているとき(VRデバイスの高さが基準高さであるか又はそれに近いことに対応する)に増加し得、ユーザがかがんでいるときに減少し、速さを増加させ得る。
【0097】
[00105] 図6A~6Fは、ユーザの移動及び対応するVRディスプレイの例を示す。図6Aに示されるように、ユーザ600は、VRヘッドセット602を着用している。VRヘッドセット602は、デッドゾーン606内の基準位置604に位置決めされる。VRヘッドセット602は、基準高さ608のわずかに下方に位置決めされる。対応するVRディスプレイ610では、図6Bに示されるように、ターゲット612の視点の視界が障害物614によって遮られており、それによりユーザが仮想ボールをターゲット612に投げ入れることが難しくなっている。グラフィカルインジケータ616は、VRヘッドセット602がデッドゾーン606内の基準位置604に位置決めされていることを示す。
【0098】
[00106] 図6Cに示されるように、ユーザ600は、片方の側に体を傾け、デッドゾーン606内の横方向位置620にVRヘッドセット602を移している。加えて、ユーザ600が足を伸ばして直立することで、VRヘッドセット602が基準高さ608より高くなっている。VRヘッドセット602は、横方向においてデッドゾーン606内に位置するため、基準フレームは、移動しない。しかし、VRヘッドセット602の移動により、基準フレームに対する視点の局所的な変位が変化している。図6Dに示される対応するVRディスプレイ610では、視点は、障害物614より高くなっており、それにより、ターゲット612は、完全に見えるようになり、視点の局所的な変化に起因してわずかに左にシフトされている。グラフィカルインジケータ616は、視点の移動に続いて、以前に表示されたものと実質的に同じ位置でユーザに表示されたままである。グラフィカルインジケータ616は、基準フレームを移動させることなく、VRヘッドセット602が基準位置604の右側に表示されていることを示す。
【0099】
[00107] 図6Eに示されるように、ユーザ600は、一般に、片足を軸に旋回し、ユーザのもう一方の足を片方の側に踏み出し、デッドゾーン606の外側の移動ゾーン632内の横方向位置630にVRヘッドセット602を移動させている。対応するVRディスプレイ610では、図6Fに示されるように、グラフィカルインジケータ616は、基準フレームがユーザの視点に対して右に並進していることを示す。従って、ターゲット612及び障害物614が左にシフトしていることが観察される。基準フレームの位置決めを制御するための移動により、ユーザの手は、VRボール634を自由に操作し、ターゲット612に対する視点のストレイフ運動に関して、「ストレイフショット」としてVRボール634をターゲット612に投げ入れることができる。
【0100】
[00108] 本開示によるプロセスは、VRデバイス、VRデバイスの外部のデバイス又はそれらの組合せによって行うことができる。図7は、VRデバイス702を含むシステム700の例を示す。VRデバイス702は、例えば、VRヘッドセット又はスマートグラスなどのヘッドマウントディスプレイ(HMD)であり得る。いくつかの実装形態では、VRデバイス702は、ユーザが着用し、ユーザにVRディスプレイを提供するように構成される。例えば、VRデバイス702は、ユーザがVRデバイス702を着用できるように、ストラップ、クッション及びフレームを含み得る。
【0101】
[00109] VRデバイス702は、コンピューティングシステム704、位置/移動センサ706、ネットワークシステム708及びディスプレイ710を含む。VRデバイスのいくつかの例は、追加の要素を含み得、及び/又はこれらの要素の1つ若しくは複数を含まなくてもよい。コンピューティングシステム704は、1つ又は複数のプロセッサと、1つ又は複数のコンピュータ記憶媒体(非一時的媒体)とを含み得、1つ又は複数のコンピュータ記憶媒体は、1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、1つ又は複数のプロセッサに動作を行わせる命令を記憶する。位置/移動センサ706は、基準位置に対するVRデバイスの移動をVRデバイスが検知できるように構成される。例えば、位置/移動センサ706は、VRデバイスの向き及びVRデバイスと基準位置との間の変位を決定するために、現実世界のx、y及びz軸に沿った及び回転におけるVRデバイスの追跡を可能にする6DoF(6自由度)センサを含み得る。いくつかの実装形態では、例えば、慣性測定ユニット(IMU)において、位置/移動センサ706は、1つ又は複数の加速度計、磁力計及び/又はジャイロスコープを含む。いくつかの実装形態では、位置/移動センサ706は、1つ又は複数のカメラを含み、VRデバイス702は、例えば、同時ローカライゼーション及びマッピング(SLAM)プロセスを使用して、カメラによって捕捉された画像を分析することにより、VRデバイス702の位置及び/又は向きを決定することができる。
【0102】
[00110] コンピューティングシステム704は、位置/移動センサ706からデータを受信し、そのデータに基づいて、VRデバイス702の1つ又は複数のディスプレイ710を使用してユーザに表示するためのVR環境及び他のVR要素をレンダリングすることができる。ディスプレイ710は、単一のスクリーン又は複数のスクリーン、例えばそれぞれの眼に1つずつのスクリーンを含み得る。ディスプレイ710は、任意の適切なディスプレイタイプ、例えばOLEDディスプレイ又はLCDディスプレイを含み得る。
【0103】
[00111] ネットワークシステム708は、1つ又は複数の外部のデバイスとデータを交換するように構成される。例えば、いくつかの実装形態では、ネットワークシステム708は、VR環境で行動を制御するためにユーザが操作することができる1つ又は複数のワイヤレスコントローラとデータを交換する。いくつかの実装形態では、ネットワークシステム708は、VRデバイス702にローカル接続されたコンピューティングシステムなどの外部のコンピューティングシステム720(例えば、デスクトップコンピュータ若しくはゲームコンソール)又はクラウドコンピューティングシステムなどのリモートコンピューティングシステムとデータを交換する。いくつかの実装形態では、VRレンダリングに関連付けられたコンピュータ処理の少なくとも一部分は、外部のコンピューティングシステム720によって行われる。ネットワークシステム708は、1つ又は複数のネットワーク通信タイプ、例えば有線通信、Bluetoothネットワーク通信、セルラネットワーク通信、Wi-Fi通信を使用することができる。
【0104】
[00112] 前述の説明は、VRデバイスの位置決めに基づく基準フレーム速度制御について説明している。いくつかの実装形態では、VRデバイスの位置決めの代わりに、ユーザの位置決め、例えばユーザの頭部の位置決めによって基準フレーム速度が制御される。VRデバイスが、ユーザの頭部に着用するVRヘッドセットである場合、2つの状況におけるユーザ体験は、ほぼ同一である。しかし、ユーザの位置決めによる基準フレーム速度制御は、VRデバイスの位置を検出するためのVRデバイス内臓センサがなくても行うことができる。例えば、いくつかの実装形態では、ユーザは、VR体験を表示するが、VRデバイスの位置決めを検出するためのセンサを含まないVRヘッドセットを着用することができる。代わりに、装着カメラ(例えば、深度検出を有する)などの別個のセンサを使用して、ユーザの頭部の位置及び向きを決定することができ、基準フレーム及び視点の向きは、ユーザの頭部と基準位置との間の変位に基づいて決定することができる。そのような構成は、「VRデバイスの変位/向き」を「ユーザの頭部の変位/向き」又は別のユーザの一部分と置き換えることにより、本明細書で説明される任意の実装形態及び例に適用することができる。
【0105】
[00113] 図8は、本開示のいくつかの実装形態によるプロセス800の例を示す。プロセス800は、例えば、VR及び/又はARヘッドセットによって(例えば、ヘッドセットのIMU及び/又は他のセンサを使用して)、コンピュータ実装システム(例えば、1つ又は複数のコンピュータ及び1つ又は複数のコンピュータメモリデバイスを含む)により、及び/又は1つ又は複数の他デバイス及び/又はシステムにより行うことができる。
【0106】
[00114] プロセス800では、VRデバイスは、VR環境を表示する(802)。VR環境は、VR環境内の基準フレームに対して定義される、VR環境内の視点から提示される。VRデバイスは、現実世界の基準位置に対するVRデバイスの現在の現実世界の位置のグラフィカルインジケータを表示する。グラフィカルインジケータは、視点の移動中に表示され続けるように、視点の移動中に視点を追跡する。
【0107】
[00115] 例えば、グラフィカルインジケータは、視点の向きに対する基準フレームの速度の方向を示すフィーチャを含み得、フィーチャは、視点の向きの変化に基づいて移動し、それにより、フィーチャは、視点の向きの変化から独立して速度の方向を示す。例えば、基準フレームの向きは、VRデバイスの現実世界の向きから独立していてもよい。例えば、VR環境内の視点は、基準フレームの位置、基準フレームに対する局所的な変位及び基準フレームに対する視点の向きに基づき得る。
【0108】
[00116] 例えば、グラフィカルインジケータは、VRデバイスの現在の現実世界の位置を示す第1のグラフィカルフィーチャと、現実世界の基準位置を示す第2のグラフィカルフィーチャとを含み得る。
【0109】
[00117] プロセス800は、現在の現実世界の位置と現実世界の基準位置との間の変位に基づいて、基準フレームの速度を決定すること(804)を含む。例えば、速度の速さは、変位の大きさに基づき得る(例えば、大きさの増加と共に増加する)。例えば、VR環境の固定座標系に対する速度の方向は、VRデバイスの現実世界の向きから独立していてもよい。
【0110】
[00118] プロセス800は、VR環境内の基準フレームをその速度で並進させること(806)を含む。
【0111】
[00119] プロセス800は、フィーチャを含み、図1~7に関して及び本明細書全体を通して論じられるような特性を有し得る。さらに、本開示のいくつかの態様は、例えば、VRヘッドセットに含める必要のないセンサによってその位置を決定することができる場合、「VRデバイスの現在の現実世界の位置」を「ユーザの一部分の現在の現実世界の位置」と置き換える、プロセス800の修正について説明する。
【0112】
[00120] 本明細書で説明されるプロセス800並びに関連プロセス及び特徴は、仮想現実運動及び制御に特有の問題の解決法を提供することができる。上記で論じられるように、仮想現実病は、シミュレーションした運動と、身体的に知覚した運動との間の不一致とつながりがある。しかし、本明細書で論じられる特徴、例えばグラフィカルインジケータ、グラフィカルインジケータの特定のフィーチャ、基準フレームの移動/向きと現実世界の位置/向きとの関係及び/又はグラフィカルインジケータの動的制御と現実世界の位置/向きの関係の存在/表示は、例えば、現実世界における移動とVR環境における移動との間の直観的な懸け橋を提供することにより、VR病の発生を軽減又は排除することができる。加えて又は代わりに、これらの特徴は、例えば、ユーザがユーザの位置を直感的に認識できるようにし、及び/又はテレポーテーションのみに基づくものとは対照的により広い移動の範囲にわたってVRにおける移動を連続的にする、直観的な及び現実のように感じられるVRにおける移動/制御など、VR病の軽減以外の利益を提供することができる。
【0113】
[00121] 従って、本明細書で論じられるプロセスの少なくともいくつかは、VR環境及び/又はグラフィカルインジケータを表示及び/又は制御する特定の方法を提供し得、特定の方法は、異なる方法でVR制御及び/又は表示を行う以前のシステムに上回る特定の改善を提供し、ユーザのVR体験が向上する(例えば、VR病の発生の軽減及び/又はより直観的なVR制御)。これらの改善は、VR/ARデバイス及びそのようなデバイスのユーザ体験に特有のものであり得、特にVR/ARデバイスの分野で生じる問題を克服する。
【0114】
[00122] 本明細書で説明される主題及び動作の実施形態は、本明細書で開示される構造及びそれらの構造上の均等物を含む、デジタル電子回路又はコンピュータソフトウェア、ファームウェア若しくはハードウェア或いはそれらの1つ又は複数の組合せで実装することができる。本明細書で説明される主題の実施形態は、1つ又は複数のコンピュータプログラム(すなわちデータ処理装置によって実行するか、又はデータ処理装置の動作を制御するためのコンピュータ記憶媒体上で符号化されたコンピュータプログラム命令の1つ又は複数のモジュール)として実装することができる。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読記憶装置、コンピュータ可読記憶基板、ランダム若しくはシリアルアクセスメモリアレイ若しくはデバイス又はそれらの1つ若しくは複数の組合せであり得るか又はそれらに含まれ得る。コンピュータ記憶媒体は、1つ又は複数の別個の物理コンポーネント又は媒体(例えば、複数のCD、ディスク又は他の記憶装置)でもあり得るか又はそれらに含まれ得る。コンピュータ記憶媒体は、非一時的なものであり得る。
【0115】
[00123] 本明細書で説明される動作は、1つ又は複数のコンピュータ可読記憶装置に記憶されるか又は他のソースから受信されるデータにおいてデータ処理装置によって行われる動作として実施することができる。「データ処理装置」という用語は、データを処理するためのすべての種類の装置、デバイス及び機械を包含し、例として1つ又は複数のプログラム可能なプロセッサ、コンピュータ、システムオンチップ又は前述の組合せを含む。装置は、特殊用途論理回路(例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路))を含み得る。装置は、ハードウェアに加えて、対象のコンピュータプログラムのための実行環境を作成するコード(例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、クロスプラットフォームランタイム環境、仮想マシン又はそれらの1つ若しくは複数の組合せを構成するコード)も含み得る。装置及び実行環境は、ウェブサービス、分散コンピューティング及びグリッドコンピューティングインフラストラクチャなど、様々な異なるコンピューティングモデルインフラストラクチャを実現することができる。装置及びコンピュータ可読記憶装置は、704及び/又は720などのコンピューティングシステムに含めることができる。
【0116】
[00124] コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト又はコードとしても知られている)は、コンパイラ型又はインタープリタ型言語、宣言型又は手続き型言語を含む任意の形式のプログラミング言語で記述することができ、スタンドアロンプログラムとして又はコンピューティング環境における使用に適したモジュール、コンポーネント、サブルーチン、オブジェクト若しくは他のユニットとしてのものを含む任意の形式で展開することができる。コンピュータプログラムは、必須ではないが、ファイルシステムのファイルに対応し得る。プログラムは、他のプログラム若しくはデータを保持するファイルの一部分(例えば、マークアップ言語ドキュメントに格納される1つ若しくは複数のスクリプト)、対象のプログラム専用の単一のファイル又は複数の協調ファイル(例えば、1つ若しくは複数のモジュール、サブプログラム若しくはコードの部分を格納するファイル)に格納することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上又は1つのサイトに位置するか若しくは複数のサイトにわたって分散されて通信ネットワークによって相互接続される複数のコンピュータ上で実行するように展開することができる。
【0117】
[00125] 本明細書で説明されるプロセス及び論理フローは、入力データを操作して出力を生成することによって行動を行うための1つ又は複数のコンピュータプログラムを実行する1つ又は複数のプログラム可能なプロセッサによって行われ得る。プロセス及び論理フローは、特殊用途論理回路(例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路))によって行うこともでき、処理装置は、特殊用途論理回路(例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路))として実装することもできる。
【0118】
[00126] コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、例として、一般用途マイクロプロセッサと特殊用途マイクロプロセッサとの両方、任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つ又は複数のプロセッサを含む。一般に、プロセッサは、読み取り専用メモリ若しくはランダムアクセスメモリ又はその両方から命令及びデータを受信する。コンピュータの必須要素は、数例を挙げると、命令に従って行動を行うためのプロセッサ及び1つ又は複数のドライブである。コンピュータプログラム命令及びデータの記憶に適したデバイスは、不揮発性メモリ、媒体及びメモリデバイスのすべての形態を含み、例として、半導体メモリデバイス(例えば、EPROM、EEPROM及びフラッシュメモリデバイス)、磁気ディスク(例えば、内蔵ハードディスク又は取り外し可能なディスク)、光磁気ディスク、CD-ROM及びDVD-ROMディスクを含む。プロセッサ及びメモリは、特殊用途論理回路によって補足するか又は特殊用途論理回路に組み込むことができる。
【0119】
[00127] ユーザとの対話を提供するために、本明細書で説明される主題の実施形態は、ユーザに情報を表示するための表示デバイス(例えば、CRT(ブラウン管)又はLCD(液晶ディスプレイ)モニタ)並びにユーザがコンピュータに入力を提供できるようにするためのキーボード及びポインティングデバイス(例えば、マウス又はトラックボール)を有するコンピュータ上で実装することができる。ユーザとの対話を提供するために他の種類のデバイスを使用することもできる。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形態のセンサフィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック又は触覚フィードバック)であり得、ユーザからの入力は、音響、音声又は触覚入力を含む任意の形態で受信され得る。加えて、コンピュータは、ユーザが使用するデバイスへのドキュメントの送信及びデバイスからのドキュメントの受信により(例えば、ウェブブラウザから受信した要求に応答してユーザのユーザデバイス上のウェブブラウザにウェブページを送信することにより)、ユーザと対話することができる。
【0120】
[00128] 本明細書で説明される主題の実装形態は、バックエンドコンポーネント(例えば、データサーバとして)、ミドルウェアコンポーネント(例えば、アプリケーションサーバ)、フロントエンドコンポーネント(例えば、ユーザが、本明細書で説明される主題の実装形態と対話できるようにするためのグラフィカルユーザインタフェース若しくはウェブブラウザを有するユーザコンピュータ)又は1つ若しくは複数のそのようなバックエンド、ミドルウェア若しくはフロントエンドコンポーネントの任意の組合せを含むコンピューティングシステムで実装することができる。システムのコンポーネントは、デジタルデータ通信の任意の形態又は媒体(例えば、通信ネットワーク)によって相互接続することができる。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)、インターネットワーク(例えば、インターネット)及びピアツーピアネットワーク(例えば、アドホックピアツーピアネットワーク)を含む。
【0121】
[00129] コンピューティングシステムは、ユーザ及びサーバを含み得る。ユーザ及びサーバは、一般に、互いにリモート接続され、典型的には通信ネットワークを通して対話する。ユーザとサーバとの関係は、それぞれのコンピュータ上で行われている、互いにユーザ/サーバ関係を有するコンピュータプログラムによって生じる。いくつかの実施形態では、サーバは、データ(例えば、HTMLページ)をユーザデバイスに送信する(例えば、ユーザデバイスと対話しているユーザへのデータ表示のため及びユーザからのユーザ入力の受信のため)。ユーザデバイスで生成されたデータ(例えば、ユーザとの対話の結果)は、ユーザデバイスからサーバにおいて受信することができる。
【0122】
[00130] 上記では少数の実施形態について詳細に説明してきたが、様々な修正形態が可能である。本明細書で説明される機能動作を含む、開示される主題は、電子回路、コンピュータハードウェア、ファームウェア又はそれらの組合せ、例えば本明細書で開示される構造上の手段及びその構造上の均等物で実装することができる。
【0123】
[00131] 本明細書は、多くの詳細を含むが、これらは、特許請求され得るものの範囲を限定するものとして解釈すべきでなく、むしろ特定の実施形態に特有の特徴の説明として解釈すべきである。別個の実施形態に関連して本明細書で説明される特定の特徴は、単一の実施形態において組合せで実装することもできる。逆に、単一の実施形態に関連して説明される様々な特徴は、複数の実施形態において別々に又は任意の適切な部分組合せで実装することもできる。さらに、上記では、特徴は、特定の組合せで作用するものとして説明され、当初はそのように特許請求されてもいるが、特許請求される組合せからの1つ又は複数の特徴は、いくつかの事例では、その組合せから削除することができ、特許請求される組合せは、部分組合せ又は部分組合せの変形形態を対象とし得る。
【0124】
[00132] 同様に、図面において、動作は、特定の順番で描写されているが、これは、望ましい結果を得るために、示される特定の順番で又は順次にそのような動作を行う必要があるとも、示されるすべての動作を行う必要があるとも理解すべきではない。特定の状況では、マルチタスキング及び並列処理が有利であり得る。さらに、上記で説明された実施形態の様々なシステムコンポーネントの分離は、そのような分離がすべての実施形態で必要であると理解すべきではない。
【0125】
[00133] 他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内に入る。
【符号の説明】
【0126】
100 VRディスプレイ
102 VR環境
104 道路
106 地形
108 他のキャラクタ
110 アバターの一部分
112 グラフィカルインジケータ
200 固定座標系
202 基準フレーム
204 原点
206 視点
208 視点の位置
210 局所的な変位
212 視点の方向
302 現実世界の位置
304 現実世界の基準位置
306 現実世界のオブジェクト
308 基準フレーム
310 VRデバイスの向き
312 視点の向き
314 基準フレームの速度
316 グラフィカルインジケータ
318 第1のフィーチャ
320 外側境界線
322 内側境界線
324 垂直線
326 グラフィカルインジケータの中心位置
328 第1のフィーチャの位置
400 VR環境
402 基準フレーム
404 アバター
406 原点
408 グラフィカルインジケータオブジェクト
410 所定のVR距離
412 追加の距離
414 第1のフィーチャ
500 現実世界の環境
502 内側境界
504 デッドゾーン
506 外側境界
508 外側ゾーン
510 移動ゾーン
512 環境障害物
514 半径
518 VRデバイス
520 基準位置
530 基準フレーム
532 原点
534 視点の位置
536 視点の向き
540 グラフィカルインジケータ
542 中心位置
544 第1のフィーチャ
546 内側境界線
550 VRディスプレイ
552 グラフィカルインジケータ
554 第1のフィーチャ
556 中心位置
558 外側境界線
560 警告インジケータ
600 ユーザ
602 VRヘッドセット
604 基準位置
606 デッドゾーン
608 基準高さ
610 VRディスプレイ
612 ターゲット
614 障害物
616 グラフィカルインジケータ
620 横方向位置
630 横方向位置
632 移動ゾーン
634 VRボール
700 システム
702 VRデバイス
704 コンピューティングシステム
706 位置/移動センサ
708 ネットワークシステム
710 ディスプレイ
720 外部のコンピューティングシステム
800 プロセス
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図7
図8
【外国語明細書】